JP2007538436A - 画像を補間および補正する方法および装置 - Google Patents

画像を補間および補正する方法および装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、ディジタル画像を補間および補正する方法および装置に関する。ソース画像は複数のフィルタ計数を有するFIRフィルタを用いて目標画像にマッピングされる。フィルタ係数は画像を補間するための情報も、画像を補正するための情報も包含するので、単一の処理ステップで補間も補正も実施される。ソース画像を目標画像にマッピングする本発明による方法をハードウェア回路により簡単に実現することができるので、装置、殊にスキャナにおけるマッピングは全体のプロセス経過に遅延が生じることなく実施される。

Description

本発明は、画像を補間および補正する方法および装置に関する。
コンピュータ読み取り可能なデータファイルとして存在するディジタル画像においては、画像をオリジナルの解像度とは異なる解像度で提供することが頻繁に必要とされる。このことは殊にスキャナを用いてスキャンされた画像に該当し、この種の画像はスキャナの光学系およびセンサによって検出された解像度とは異なる解像度で出力されるべきことが多い。
さらには実際の光学系(対物レンズ)によるセンサへの光学的なマッピングによって、光学系、センサ、後続のアナログ的な増幅また非理想的なスキャナによって惹起される多数の欠陥が生じる。要求の高いスキャナにおいては、公知の方法を用いてこの偏差が補正される。画像を補正するためにFIRフィルタ(FIR:有限長インパルス応答)、IIRフィルタ(IIR:無限長インパルス応答)および非線形フィルタ、例えばプルーニング(pruning)またはメディアン(median)フィルタを使用することが公知である。非線形のフィルタ方法は、例えば原本における傷のような局所的なノイズを除去することに比べて、光学的/電子的な記録システムを補正することには適していない。
画像の解像度の変更は補間方法を用いて実施される。最も頻繁に使用される補間方法はBスプラインを用いる双一次補間、四次補間および二次元補間である。
要求の高いスキャナにおいては、先ず検出された画像が補間により所望の解像度に変換され、続いて画像の補正が実施される。この際、例えば先ず画像の歪みを修正し、続いて解像度を変更するために、補間を複数のステップで実施することができる。
以下では図4〜7に基づき、従来の補間方法が画像に及ぼす作用を周波数領域で表し説明する。周波数領域においては、画像が線に沿って振動によって表される。図4は、2つのピクセル間の距離の1/4を表すdx=0.25ピクセルのシフトの際の双一次補間の影響を示す。横座標にはナイキスト周波数(0.5)までの正規化された空間周波数がプロットされている。ナイキスト周波数は、線に沿って連続する黒と白のピクセルを表す空間周波数である。空間周波数が大きくなればなるほど、振幅の減少はますます大きくなることが見て取れる。このことは双一次補間の場合にdx=0.25のシフトにおいては線が密接している状態を表す鮮明なコントラストが弱まるということを意味している。dx=0.25のシフトは例えば画像を300DPIから233DPIに変換する際に頻繁に適用される。
図5においてはdx=0.25のシフトに関して正規化された周波数にわたる位相経過が示されている。画像シフトが1/4ピクセルだけ実施されるべき最適な補間関数に関しては、周波数にわたる位相シフトが、原点を通過し且つナイキスト周波数において45°の値を有する直線を生じさせなければならない。この目標関数は図5において破線で示されている。位相誤差は半分のナイキスト限界において4.5°であり、すなわちピクセル長に関して2.5%であり、それ以降はナイキスト周波数まで大幅に上昇する。
図6および図7はdx=0.5ピクセルについての相応のグラフを示す。図6からはdx=0.5ピクセルの補間においては振幅がさらに大幅に低減することが見て取れる。これに対して位相誤差はこの補間においては生じない(図7)。
四次補間ないしスプライン補間においては双一次補間よりも誤差は少ない。しかしながら全ての従来の補間方法に関して、シフトの絶対値に依存する振幅誤差および位相誤差が生じる。任意の補間に関しては画像にわたり必要とされるシフトが変化するので、これらの誤差は補間された画像においては局所的に様々に表されている。
US 5,301,266からは、画像が先ず周波数領域においてフィルタリングされ、その後画像が位置空間に移され、そこにおいて補間が実施される方法が公知である。
EP 1 041 510 A2からは、高周波成分の範囲においてノイズを有していると思われる信号を処理する方法およびシステムが公知である。この種のノイズは殊に線形の補間において惹起される。殊に複数の画像を処理する際にその種のノイズを補正するために小さい2次元FIRフィルタ、殊にインバースフィルタが使用され、これらのフィルタは補間によって惹起されるローパス特性を補正する。個々の補間ステップに対して異なるフィルタが使用され、これらのフィルタは事前に計算され、またフィルタバンクに記憶される。その種の各フィルタは、先行する補間によって惹起されている周波数特性におけるノイズを補正する。
ディジタル画像の解像度の変更および補正を行う公知の方法は、これらのエラーを高品質で補償することはできない。何故ならば、このために必要とされる情報を1つの補間ステップの終了後ではもはや使用することができないからである。補間誤差は領域ごとに少なくないので、従来の方法は補正不可能な重大な欠点を有する。
COURMONTAGEN, P.; CAVASSILAS, J.Fによる「An interpolation-filtering method for noise-corrupted Images」、Digital Signal Processing、1997年、第2巻、第1091〜1094頁からは、画像の補間とフィルタリングを同時に行う方法が公知である。この方法においては画像がフーリエ変換を用いて周波数領域に変換される。周波数領域においてはフィルタリングも補間もそれぞれ乗法演算によって実施されるので、両方の演算、すなわちフィルタリングと補間を同時に実施することができる。しかしながらこの演算は周波数領域において行われているので、これらの演算をその都度画像全体にわたり実施する必要がある。256×256ピクセルの画像大きさを有する画像では従来のコンピュータを用いて演算を容易に実施することができる。より大きい画像フォーマットでは、性能の良いパーソナルコンピュータを用いるだけでは、演算を短時間で実施することは不可能である。いずれにせよ周波数領域におけるこの方法を、リアルタイムで画像の補間とフィルタリングを同時に実施するために使用することはできない。この方法が基礎としているフーリエ変換の一般的な原理は、IWAINSKY A., WILHELMI W. Lexikon der Computergrafik und Bildverarbeitung, Vieweg Verlagsgesellschaft、1994年、第108頁に記載されている。
本発明が基礎とする課題は、上述の欠点の影響を受けず、それと同時に簡単且つ迅速に実施することができ、その結果簡潔で廉価なハードウェア回路においても実現することができる、ディジタル画像の解像度を変更と補正を実施する方法を提供することである。
この課題は、請求項1の特徴を有する方法および請求項8の特徴を有する装置によって解決される。本発明の有利な実施形態は従属請求項に記載されている。
ディジタル画像を補間および補正する本発明による方法によれば、ソース画像が複数のフィルタ係数を有するFIRフィルタを用いて目標画像にマッピングされる。フィルタ係数は画像を補間するための情報も、画像を補正するための情報も包含するので、単一のステップで画像の補間も補正も実施される。
本発明によれば、1つのステップで解像度を変更するための補間も補正も実施する単一のフィルタが使用されるので、解像度の変更に関しても周波数補正に関しても全ての本来の情報が存在し、また計算されるので、従来の方法から公知であるような連続的な誤差は発生しない。このことは補間による誤差にも丸め誤差にも該当する。
FIRフィルタを分割することができるので、このFIRフィルタを使用することにより位置空間における計算を画像の水平線または垂直線に沿った方向において行うことができる。このことはソフトウェア処理手段を用いる本発明による方法の非常に迅速な実施も、簡単且つ廉価なハードウェアによる実現も可能にする。
本発明による方法を簡単にハードウェア回路として実現することができる(請求項9)。
以下では本発明を図面に基づき詳細に説明する。図面において
図1は、数学的な畳み込みに応じたフィルタ計算を用いるソース画像のピクセルの目標画像へのマッピングを概略的に示し、
図2は、スキャンされたディジタル画像を補正するための例示的な伝達関数を示し、
図3は、各行に本発明によるFIRフィルタに関するフィルタ係数のセットをそれぞれ1つずつ包含するテーブルを示し、フィルタはそれぞれ異なるシフトないし補間のために設けられている。
図4は、dx=0.25のシフトに関する従来の双一次補間における振幅の経過を示し、
図5は、dx=0.25のシフトに関する従来の双一次補間における位相の経過を示し、
図6は、dx=0.5のシフトに関する従来の双一次補間における振幅の経過を示し、
図7は、dx=0.5のシフトに関する従来の双一次補間における位相の経過を示し、
図8a、8bから16a、16bはそれぞれdx=0ないし0.125ないし0.25ないし0.375ないし0.5ないし0.625ないし0.75ないし0.875ないし1のシフトに関する振幅ないし各位相の経過を示し、
図17は本発明による方法を実施するための装置の概略的なブロック図を示し、
図18a、18bは周波数特性を補正する別の伝達関数ならびにその要素を示す。
本発明は以下の状況を基礎とする:
画像処理においてはフィルタが因果的であってはならない。これにより振幅と位相を相互に依存せずに調節することができる。
本発明によれば線形で離散的なFIRフィルタが使用される(「Digitale Bildverarbeitung」第4版、Bernd Jaehne - ISBN 3-540-61379-x, Kapitel 4 Nachbarschafts-operatoren)。目標画像の個々のピクセルは行毎にソース画像のピクセルから計算され、この際数学的な畳み込みに応じたフィルタ計算には、目標画像の計算すべきピクセルに相当するソース画像の所定数のピクセルが考慮される。このことは以下の式により表される:
Figure 2007538436
ここで、G′mnはn番目の列およびm番目の行におけるマッピング点G′であり、Gmnはn番目の列およびm番目の行におけるソース画像のピクセルであり、aiはフィルタ係数である。このことは図1に概略的に示されており、ここではソース画像の点Gmnが3つの係数aiを有するフィルタを用いて目標画像における点G′mnにマッピングされる。
本発明の本質は、フィルタ係数aiにより計算ステップにおいて画像の補間も周波数特性の補正も行われるようフィルタ係数aiが選定されることである。したがって、補間ならびに周波数補正を実施するためにはただ1つのフィルタしか使用されない。
以下ではフィルタ係数aiの計算を詳細に説明する。このために理想的には連続的な伝達関数
Figure 2007538436
を基礎とする。伝達関数
Figure 2007538436
はソース画像を目標画像にマッピングする際の周波数特性を補正するために使用される。この伝達関数は近似的に離散的なフーリエ変換H(ω)の伝達関数に置換される:
Figure 2007538436
位置空間においては、ソース画像が連続関数f(x)によって1つの行におけるいて表される。サブピクセルシフト、すなわち隣接する2つのピクセルの間隔よりも短い距離dxだけシフトする場合には、位置空間における関数はf(x+dx)で表される。フーリエ変換を用いる位置空間から周波数領域への移行を以下のように表すことができる:
Figure 2007538436
ここでF(ω)は周波数領域に変換されたf(x)の関数である。このことは、周波数領域におけるサブピクセルシフトを位相iωdxについての位相シフトとして表すことができ、且つこの位相シフトないしサブピクセルシフトがシフトされていない関数F(ω)と位相係数eiωdxの積として表されるということを意味している。この位相シフトないしサブピクセルシフトは補間をなす。何故ならば、このシフトによって2つのピクセル間の値が検出されるからである。したがってこれにより伝達関数に関しては、補間を表すためにこの伝達関数を位相要素と乗算するだけでよいということになる:
Figure 2007538436
この式により本発明の実施が実質的に容易になる。何故ならば、この式は周波数領域において伝達関数H(ω)および位相シフトないし補間eiωdxが、相互に依存せずに検出することができる積の2つの独立したファクタであることを示すからである。
FIRフィルタの伝達関数HFIRを周波数領域においてフーリエ列を用いて以下のように表すことができる:
Figure 2007538436
式(5)によるフーリエ行列の係数anは式(1)についてのフィルタ係数aiに対応する。このことは、それ自体は自由に選択可能であり、且つ式(4)により位相要素と乗算される所定の伝達関数に関するフーリエ行列の係数を計算することによって、所定の伝達関数および所定の補間に関する式(1)のフィルタ係数を計算できるということを意味している。したがってフィルタ係数のセットを計算することができ、これらのセットを適用することによりその都度所定の周波数補正および補間が行われる。
したがって、(HFIR−Hdx(ω))の偏差が最小になるようにanを決定することが目標とされる。この一致はkに関して伝達関数H(ω)のk個の離散的な空間周波数に関して要求される:
Figure 2007538436
このことはn=7の係数およびk=9の離散的な空間周波数を有するマトリクス式において表される:
Figure 2007538436
解ベクトルanを発見するために、この系を複素マトリクス要素e-iωxによって解く必要がある。
このことは線形の最適化の別個の問題を生じさせ、この問題は「2次制約付き2次計画(Quadratically Constrained Quadratic program)」として公知である。この場合係数はチェビシェフフィルタのような特性を有する伝達関数をもたらす。
解決ストラテジ集はGoldfarb D.およびIyengar G.によるCORC Report TR-2002-04「Robust convex quadratically constrained programs」に記載されている。このレポートはインターネットにおいて下記のアドレスから入手することができる:
http://www.gsb.stanford.edu/facseminars/events/oit/pdfs/lyengar_Robust.pdf
以下では本発明によるFIR補間フィールドの実施例をn=7の係数およびk=15の離散的な空間周波数について説明する。
周波数補正を例えば、周波数特性の上昇が半分のナイキスト周波数の領域において得られるように構成することができる。上昇はガウス型の経過を表す。上昇は例えば25%である。理想的な補間フィルタはナイキスト周波数において増幅0を有する。これへの移行はカイザー窓を介して達成される。伝達関数はこれらの関数の組み合わせにより表される。
この種の周波数補正は、多くの光学系が比較的高い周波数、すなわち非常に密に隣接している点ないし線のコントラスト(良質なコントラスト)を比較的低い周波数、すなわち比較的大きい点ないし比較的太い線に比べて通常の場合粗悪にマッピングするという事実を考慮する。したがって増幅は半分のナイキスト周波数まで若干高められる。
図2にはこの伝達関数の経過(絶対値関数)が示されており、この伝達関数を用いて周波数補正が実施される。この際、横軸には15の離散的な空間周波数がωにより正規化されてプロットされており、また縦軸には増幅率Aがプロットされている。離散的な空間周波数は、最大値がナイキスト周波数の15に相当するように選定されており、したがって最大値は座標系において7.5、すなわち半分のナイキスト周波数を表している。
別の光学的な特性を有する他の光学系においては、周波数特性を補正する伝達関数を異なるように構成することが勿論好適である。
本明細書において説明する伝達関数は周波数補正のみを内容とするので、補間を実施するためにこの伝達関数をさらに位相要素eiωdx(式(4)を参照されたい)と乗算する必要がある。このために15の離散的な空間周波数に対して、また0×d,0.1×d,0.2×d,...,0.9×dの10のシフトそれぞれに対して位相要素が計算されており、ここでdはソース画像における隣接する2つのピクセルの距離である。したがって、0.1dのパターンでの考えられる各シフトに対して、15の離散的な空間周波数に関するセット位相要素が計算されており、また伝達関数と乗算されている。
つまり所定のシフトdxに対して与えられている値は式(7)の右側におけるベクトルHdx(ω)を表す。
したがって10のシフトdxそれぞれに対して、式(7)による方程式のセットが作成された。
線形の最適化のための上記の方法を用いて、10の解ベクトルanを求めるための10の方程式のセットが計算された。各補間ステップに対してこれらの複数の方程式のセットを用いることにより、位置空間において作用するFIRフィルタのフィルタ係数に補間を精密に組み込むことができる。
この際に得られるフィルタ係数anの値は図3の表に記載されており、ここでは各行に1つのFIRフィルタに対してそれぞれ7個のフィルタ係数が所定のシフトdxに関して示されている。式(1)および図1によれば値dx=0だけシフトする場合、すなわち一般的な語法ではシフトが行われない場合には、補間により、その位置がソース画像内のピクセルに対応する目標画像内のピクセルが計算され、このピクセルは係数a4と乗算される。図3の表から見て取れるように、係数a4はdx=0のシフトにおいて1.00169であるので、ソース画像からのこの値は目標画像の対応する値に非常に良好に移行する。しかしながらdx=0.9のシフトの際には、係数a5と乗算されるピクセルへの方向における、係数a4と乗算されるピクセルから隣接する2つのピクセルまでの距離の0.9倍のシフトに基づき、目標画像において計算すべきピクセルの位置がシフトしている。図3のテーブルに基づき、dx=0.9dのシフトの場合には、係数a4が単に0.233042であるが、係数a5がこれに対して0.994026であることが見て取れる。すなわち、ソース画像内での位置が目標画像内での相応の位置のより近くに位置し、且つ係数a5と乗算されるピクセルが、係数a4と乗算される遠く離れたピクセルよりも実質的に大きく計算において考慮される。したがって係数a4はシフトが大きくなるに連れ段階的に低下し、それと共に係数a5は相応にシフトが大きくなるに連れ増加する。これにより計算されたフィルタの補間効果を具体的に跡づけすることができる。
周波数補正のための情報も補間のための情報も包含するフィルタ係数を前述の方法により簡単に計算することができるので、所定の用途において伝達関数を変更し、相応に異なるフィルタ係数を計算することが可能である。このことは例えば、焦点距離が異なる場合に異なる伝達関数が対応付けられているズーム対物レンズが使用される場合に有効である。したがって焦点距離を調節する度に、フィルタ係数が相応に適合された伝達関数を用いて計算される。
上述したように、周波数特性を補正する他の伝達関数も使用することができる。以下では非常に有利な伝達関数を図18aおよび18bを用いて説明する。
スキャンの際にはスキャンすべき画像がスキャナの対物レンズの焦点内に正確に位置してないのでピントのボケが生じ、このボケは以下のボケ伝達関数h1(ω)(図18a)によって表される:
Figure 2007538436
ピクセルは有限の大きさを有するので、高周波数においてはボケが生じ、このボケは以下のアパーチャ伝達関数h2(ω)によって表される:
Figure 2007538436
全体のボケはh1(ω)とh2(ω)の積p(ω)によって表され、これは図18aに示されている。
周波数特性を補正する伝達関数は第1のアプローチにおいては積p(ω)の逆数として計算される。しかしながら殊にωが高い場合には、この関数が著しく上昇する可能性があるので顕著なノイズが生じる虞がある。
最適なフィルタは上述した伝達関数h1(ω)およびh2(ω)を以下の式に対応するウィーナーフィルタの計算に考慮することができる:
Figure 2007538436
周波数特性を補正するこの伝達関数は図18bに示されており、また図2に示されている伝達関数と同様に本発明によるFIRフィルタのフィルタ係数を生じさせるために使用することができる。図18a、18bにおいては伝達関数が系の最大の波数について正規化されており、この際0.5がナイキスト周波数に対応する。
図17においては本発明による方法を実施するための装置がブロック図で概略的に示されている。
この装置は列カウンタ1および行カウンタ2を有する。列カウンタ1は目標画像における列をカウントし、行カウンタ2は目標画像における行をカウントする。列カウンタ1が目標画像における全ての列を一通りカウントし終えると、行カウンタが行についてのカウントをさらに実施する。したがって目標画像のピクセルは行毎に順次カウントされていく。したがってこれら2つのカウンタ1,2は、目標画像内のどのピクセルに対して、ソース画像からのマッピングが実施されるべきであるかを設定する。
列カウンタ1および行カウンタ2の後段にはそれぞれ乗算器3,4が接続されており、これらの乗算器3,4を用いて列数ないし行数が対応するスケーリング係数と乗算される。スケーリング係数はソース画像におけるステップ幅を表し、その結果目標画像内の2つのピクセルの間隔、すなわち隣接する2つの列ないし行の間隔は、ソース画像内の隣接する2つのピクセルの間隔の単位でソース画像にマッピングされる。
乗算器3,4の後段にはそれぞれ加算器5,6が接続されており、これらの加算器5,6はそれぞれの列数ないし行数にそれぞれ1つの開始座標を加算する。この開始座標を用いて一方では、目標画像にマッピングされるべきソース画像における画像の一部が確定される。他方では開始座標がFIRフィルタの中心をソース画像内のそれぞれのピクセルに置く。以下ではこれを詳細に説明する。
このようにして補正された列数および行数はそれぞれ補正データ発生器7,8および加算器9,10に供給される。補正データ発生器7,8は所定の関数またはルックアップテーブルに基づき、供給された列数および行数から補正値を計算し、この補正値は例えば所定の光学系を使用してソース画像を形成する際に惹起される歪みエラーを補正する。この補正値はそれぞれの加算器9,10に供給され、相応の列数ないし行数と加算される。このようにして得られた列数および行数はソース画像内の座標を表し、この座標からは、列カウンタ1および行カウンタ2を用いて設定された列数および行数を用いて目標画像のピクセルを計算するための上述のFIRフィルタを計算することができる。
加算器9の後段には調整補正を行うエレメント11が接続されており、また分岐路には減算器12が接続されている。調整補正を行うエレメント11および減算器12は本発明による装置を説明する際には差し当たり考慮されない。FIRフィルタテーブル13に案内されるこの分岐路を介して、FIRフィルタテーブル13には列数の分数部分が供給される。
加算器10の後段には相応にFIRフィルタテーブル14が接続されており、このFIRフィルタテーブル14は行数の分数部分が供給される。列数ないし行数の整数部分は加算器17ないし18に供給される。加算器17,18とFIRフィルタテーブル13,14の間にはそれぞれローカル列カウンタ15ないしローカル行カウンタ16が接続されている。所定の列数ないし行数が加算器17,18に加えられると、ローカル列カウンタ15およびローカル行カウンタ16はそれぞれ0〜n−1までカウントし、この際nはフィルタ係数の数である。ローカル列カウンタ15のカウント数iがFIRフィルタテーブル13に転送され、(i+1番目のフィルタ値)にしたがい2番目の分数部分に対応するフィルタから相応のフィルタ値が選択される。相応にして、FIRフィルタテーブル14においてはフィルタ値が分数部分およびローカル行カウンタ16のカウント値に依存して選択される。ローカル列カウンタ15のカウンタ値は加算器17において整数の列数に加えられ、これによって対応するフィルタ値に応じた列数が計算される。相応にして、ローカル行カウンタ16のカウンタ値が、加算器18に供給された整数の行数に加えられる。加算器17の出力値(列数)および加算器18の出力値(行数)は座標組を形成し、この座標組はアドレス発生器19に供給される。アドレス発生器19においては、これらの座標が対応するアドレスデータに変換され、このアドレスデータは画像メモリ20内のアドレスを表す。画像メモリ20はソース画像のデータを包含し、またアドレス発生器19によって形成されたアドレスは画像メモリにおいて、アドレス発生器19に供給された座標組に対応するソース画像のデータを包含する。画像メモリからは相応の値が読み出され、先ず第1の乗算器21においてFIRフィルタテーブル14からのフィルタ値と乗算され、次いで第2の乗算器22においてFIRフィルタテーブル13からのフィルタ値と乗算される。ピクセルを計算するために、ローカル列カウンタ15はローカル行カウンタ16における各ステップにつきカウントを実施する。すなわちローカル列カウンタ15が実施される度に、ローカル行カウンタ16のカウンタ値は1増える。この際に求められた値はアキュムレータ23において加算され、目標画像におけるピクセルの値として出力され、この値は列カウンタ1によって設定された列数および行カウンタ2によって設定された行数によって規定されている。
相応の画像値の出力後には列カウンタのカウンタ値が1増え、新たな画像値が計算される。この際ローカル列カウンタ15およびローカル行カウンタ16はその値範囲を一度カウントし終える。
列カウンタが最後の列に到達すると、列カウンタは再び0にセットされ、第1の列において開始され、また行カウンタのカウンタ値が1増える。列カウンタも行カウンタもその最大値に達すると、完全な目標画像が形成される。
FIRフィルタは分離可能であるので、本発明によるフィルタ計算を列方向においても行方向においても同時に実施し、第1の乗算器21および第2の乗算器22における連続的な乗算によってオーバラップさせることができる。
上述の調整補正を行うエレメントを用いることにより、ピクセルを表すために8ビットしか必要とされないにもかかわらず、通常の場合32ビットを包含するデータ語により処理する計算機の特性を十分に利用することができる。したがってデータ語の読み出しによって、1回のアクセスで4つのピクセルの値を取り出すことができる。調整補正を行うエレメントはこのことを考慮し、アドレス発生器19において4で整除できる次に小さいアドレスが生じるように列数をセットする。この丸め込みは左シフトの作用を有する。
このシフトは相応の乗算装置によって再び元に戻され、この乗算装置はこのシフトを再び補償調整する。しかしながらより上質には、この整数のシフトがフィルタにおけるサブピクセルシフトと共に処理され、またいずれにせよ存在するFIRフィルタテーブルを用いて補償される。このために差分器12がアドレス発生器19に供給された列数と加算器9から出力された列数との差を形成する。差は整数シフトの和を表し、また分数部分によって形成されるサブピクセルシフトの和を表す。したがってフィルタを用いてサブピクセルシフトのみでなく、メモリアクセスアドレスの丸め込みに対応する複数のピクセルについてのシフトも実施される。
図17に基づき説明した上記の装置はソース画像を目標画像にマッピングするためのハードウェア回路である。このハードウェア回路は簡単で標準的なコンポーネントから構成されており、したがってこのハードウェア回路を廉価に製造することができる。さらにこのハードウェア回路は非常に迅速にソース画像を目標画像にマッピングすることができる。
もちろん本発明を、相応のマイクロプロセッサにおいて実施されるデータ処理プログラムによっても実現することができる。
本発明による方法はスキャナ、殊にDINのA4サイズの紙を毎分100ページまで走査し、補間し、また相応の伝達関数を補正することができる高性能スキャナにおいて使用される。
本発明による原理を、例えばディジタルカメラのような他の適用領域にも使用することができる。
本発明を以下のように要約することができる:
本発明は、ディジタル画像を補間および補正する方法および装置に関する。ソース画像は複数のフィルタ計数を有するFIRフィルタを用いて目標画像にマッピングされる。フィルタ係数は画像を補間するための情報も、画像を補正するための情報も包含するので、単一の処理ステップで補間も補正も実施される。
ソース画像を目標画像にマッピングする本発明による方法をハードウェア回路により簡単に実現することができるので、装置、殊にスキャナにおけるマッピングは全体のプロセス経過に遅延が生じることなく実施される。
数学的な畳み込みに応じたフィルタ計算を用いるソース画像のピクセルの目標画像へのマッピング。 スキャンされたディジタル画像を補正するための例示的な伝達関数。 各行に本発明によるFIRフィルタに関するフィルタ係数のセットをそれぞれ1つずつ包含するテーブル。 dx=0.25のシフトに関する従来の双一次補間における振幅の経過。 dx=0.25のシフトに関する従来の双一次補間における位相の経過。 dx=0.5のシフトに関する従来の双一次補間における振幅の経過。 dx=0.5のシフトに関する従来の双一次補間における位相の経過 dx=0のシフトに関する振幅の経過。 dx=0のシフトに関する位相の経過。 dx=0.125のシフトに関する振幅の経過。 dx=0.125のシフトに関する位相の経過。 dx=0.25のシフトに関する振幅の経過。 dx=0.25のシフトに関する位相の経過。 dx=0.375のシフトに関する振幅の経過。 dx=0.375のシフトに関する位相の経過。 dx=0.5のシフトに関する振幅の経過。 dx=0.5のシフトに関する位相の経過。 dx=0.625のシフトに関する振幅の経過。 dx=0.625のシフトに関する位相の経過。 dx=0.75のシフトに関する振幅の経過。 dx=0.75のシフトに関する位相の経過。 dx=0.875のシフトに関する振幅の経過。 dx=0.875のシフトに関する位相の経過。 dx=1のシフトに関する振幅の経過。 dx=1のシフトに関する位相の経過。 本発明による方法を実施するための装置の概略的なブロック図。 周波数特性を補正する別の伝達関数ならびにその要素。
符号の説明
1 列カウンタ、 2 行カウンタ、 3、4 乗算器、 5,6,9,10,17,18 加算器、 7,8 補正データ発生器、 11 調整補正を行うエレメント、 12 減算器、 13,14 FIRフィルタテーブル、 15 ローカル列カウンタ、 16 ローカル行カウンタ、 19 アドレス発生器、 20 画像メモリ、 21 第1の乗算器、 22 第2の乗算器、 23 アキュムレータ、 24 出力側

Claims (12)

  1. ディジタル画像を補間および補正する方法において、
    複数のフィルタ係数を有するFIRフィルタを用いてソース画像を目標画像にマッピングし、
    前記フィルタ係数は前記画像を補間するための情報も、前記画像を補正するための情報も包含し、
    単一のステップで前記画像の補間も前記画像の補正も実施することを特徴とする、ディジタル画像を補間および補正する方法。
  2. 前記ソース画像を前記目標画像にマッピングする前に、k個の離散的な位置周波数を用いて次式にしたがいn個のフィルタ係数を計算し、
    Figure 2007538436
    ここでa1〜anは前記フィルタ係数であり、H(ωe)はそれぞれの位置周波数ωiに関する位相要素と乗算された伝達関数である、請求項1記載の方法。
  3. 複数のフィルタ係数セットを所定のシフトそれぞれに対して計算する、請求項2記載の方法。
  4. それぞれ1つのフィルタ係数セットが計算される前記所定のシフトは、0から前記ソース画像内の隣接する2つのピクセルの間隔までの全てのシフト、並びに一定の間隔の中間ステップを含む、請求項3記載の方法。
  5. 半分のナイキスト周波数の領域において周波数特性が上昇している伝達関数を使用する、請求項2から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 前記上昇がガウス型の経過を有し、かつ15〜30%である、請求項5記載の方法。
  7. 原本を光学的に走査する対物レンズを有する光学走査装置において使用し、前記伝達関数を前記対物レンズの設定に依存して変化させる、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. −フィルタ係数を計算する手段と、
    −請求項1から7までのいずれか1項記載の方法によりソース画像を目標画像にマッピングする手段と、
    を有することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法を実施する装置。
  9. ソース画像を目標画像にマッピングする前記手段はハードウェア回路として構成されており、
    −列カウンタ(1)を有し、該列カウンタ(1)の後段には列数をスケーリング係数と乗算する乗算器(3)が接続されており、
    −行カウンタ(2)を有し、該行カウンタ(2)の後段にはスケーリング係数と乗算する乗算器(4)が接続されており、
    −列数および行数に関する補正手段(5,6,7,8,9,10)を有し、
    −前記列数に対応付けられているFIRフィルタテーブル(13)を有し、
    −前記行数に対応付けられているFIRフィルタテーブル(14)を有し、
    −ローカル列カウンタ(15)を有し、該ローカル列カウンタ(15)の値に基づき、対応するフィルタ係数が前記FIRフィルタテーブル(13)から読み出され、且つ該ローカル列カウンタ(15)の値は加算器(17)を用いて前記列数に加算され、
    −ローカル行カウンタ(16)を有し、該ローカル行カウンタ(16)の値に基づき、フィルタ係数が前記FIRフィルタテーブル(14)から読み出され、且つ該ローカル行カウンタ(16)の値は加算器(18)を用いて前記行数に加算され、
    −アドレス発生器を有し、該アドレス発生器は前記ローカル列カウンタないし前記ローカル行カウンタにより補完されており、且つ補間されている列数/行数に基づき、画像メモリ(20)に関するアドレスを形成し、該画像メモリ(20)には前記ソース画像が記憶されており、
    −2つの乗算器(21,22)を有し、該乗算器(21,22)は前記アドレス発生器によって形成されたアドレスによって設定されたピクセルの値を前記フィルタ係数と乗算し、
    −アキュムレータ(23)を有し、該アキュムレータ(23)は前記フィルタ係数と乗算される全ての画像値を、前記ローカル行カウンタの各値に対する前記ローカル列カウンタの実行にわたり累算する、
    請求項8記載の装置。
  10. マイクロプロセッサを有し、該マイクロプロセッサにおいて請求項1から7までのいずれか1項記載の方法を実施するためのデータ処理プログラムが記憶されており、且つ実行される、請求項8記載の装置。
  11. マイクロプロセッサを有し、前記フィルタ係数を計算するデータ処理プログラムが記憶されており、且つ実行される、請求項8または9記載の装置。
  12. 請求項8から11までのいずれか1項記載の装置を有することを特徴とするスキャナ。
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