JP2007535525A - β−カルボリン誘導体を含有する医薬組成物および癌を処置するためのそれらの使用 - Google Patents

β−カルボリン誘導体を含有する医薬組成物および癌を処置するためのそれらの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、癌の処置用の医薬の製造のための、少なくとも1種の一般式(1)の化合物の使用に関する。

Description

本発明は、特に、ハルミン(harmine)、ハルマン(harman)およびハルマラシジン(harmalacidine)等のペガナム・ハルマラ(Peganum Harmala)から抽出されたものに対応する、アルカロイドであるβ−カルボリン誘導体を含有する医薬組成物ならびに癌の処置のフレームワーク内でのそれらの使用に関する。
Figure 2007535525
北アフリカまたはアジアのハーブである、ペガナム・ハルマラは、多くの疾患に対する伝統医薬中で使用される。ペガナムアルカロイドは、それらの抗菌性、抗真菌性、抗ウイルス性、体温降下特性、およびとりわけその幻覚効果が知られている(Boukef, "Les plants dans la medecine traditionnelle tunisienne", Agence de Cooperation Culturellle at Technique, Paris 1986)。
初期の研究は、P・ハルマラの種の抽出物のラットおよびマウスの腫瘍に対する抗新生物活性を立証している。そこで、P・ハルマラの種のアルカロイド粗抽出物を、経口経路で、50mg/kg/日の投与量で投与すると、処置したマウスの80%において、マウスの(皮下に)移植された腫瘍が消失した(Lamchouri et al. (1999) Therapie 54: 753-758)。
また、ある種の単離精製されたP・ハルマラアルカロイドは、マウス腫瘍細胞に対する中程度の細胞毒性を、50%細胞増殖阻害濃度(IC50)がバシシノンについて19.2〜60μg/ml、ハルミンについて2.4〜18.4μg/ml、ペガニンについて不活性、およびハルマラシジンについて8.0〜28.9μg/mlで示している(Lamchouri, thesis "Proprietes cytotoxiques et antitumorales de Peganum harmala sur des modeles experimentaux de cancer in vitro e in vivo" (2000) Faculte des Sciences Dhar Mahraz, Fes, Maroc)。
最後に、他の研究は、また、ある種のヒト腫瘍細胞系に対する、ある種のβ−カルボリン誘導体、例えば、ハルミン(1.6〜18.5μg/mlのIC50)およびハルマン(8〜20μg/mlのIC50)の中程度の細胞毒性作用を立証している(Ishida et al. (1999) Bioorg. Med. Chem. Lett. 9: 3319-3324)。
一般に、マウスでの生体内試験への移行を企図することができるためには、所与の化合物について、ヒトの細胞に対して、0.01μg/ml未満のIC50が必要であると考えられる。
また、特に、P・ハルマラから抽出されるものに対応する、β−カルボリン誘導体の生体内での抗新生物効果は、従来技術において、全く記述されていない。
さらに、腫瘍細胞系、たとえヒト細胞系であっても、これに対する所与の化合物の細胞毒性活性の実証は、生体内での抗腫瘍効果を少しも意味するものではない。事実、この化合物は、例えば、生体内で不活性であることが証明され、あるいは、さらに、生体へのその投与が相容れないような細胞毒性をも有する。
同様に、マウスの腫瘍に活性な化合物は、必ずしも、ヒトの癌に活性ではない。
したがって、本発明の目的は、癌の処置用の医薬の製造のための、β−カルボリン由来の化合物を含む医薬組成物を提供することである。
本発明の目的は、また、癌の処置用の医薬の製造のための、β−カルボリン由来の化合物との相乗作用に加わることができる他の化合物を提供することである。
そこで、本発明は、一般式(1):
Figure 2007535525
(式中、
−R1は、H、OH、または炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、
−R2は、H、炭素数1〜12のアルコキシカルボニル基、特にtert−ブトキシカルボニル基、または炭素数1〜12のアルキル基を表し、
−R3は、OまたはCH3を表すが、ただし、R3がOを表すとき、aは二重結合を表し、bおよびcは単結合を表し、R4は、Hを表し、また、R3がCH3を表すとき、aは単結合を表し、bおよびcは二重結合を表し、R4は、いかなる基をも表さない)
の少なくとも1種の化合物またはその薬学的に許容できる塩の、結腸癌、白血病、骨髄腫、乳癌、神経芽細胞腫、肝細胞癌、肺癌、前立腺癌、卵巣癌、精巣癌、胃癌、膵臓癌、または網膜芽細胞腫等の癌の処置用の医薬の製造のための使用に関する。
本発明の特定の実施態様によれば、少なくとも1種の一般式(1)の化合物が、少なくとも1種のDNA複製を阻害する化合物と組み合わされる。
「DNA複製を阻害する化合物」は、複製に関与する酵素、例えば、DNAポリメラーゼ、トポイソメラーゼ、ヘリカーゼ、プリマーゼ、リガーゼの活性を阻害することによるか、または例えばDNAの2本の鎖に結合することにより(例えば、アルキル化剤)もしくはチミジンの合成を防止することによりDNAを結合もしくは修飾することにより、DNA複製の段階を阻害することができる任意の化合物を意味する。
有利には、一般式(1)の化合物とDNA複製を阻害する化合物との組合せは、腫瘍の処置における相乗効果を有する。また、一般式(1)の化合物は、有利には、抗腫瘍医薬の製造のフレームワーク内で、DNA複製を阻害する化合物の効果を増大させることを意図するアジュバントとして使用される。
本明細書中で意味するように、用語「組合せ」は、一般式(1)の化合物およびDNAの複製を阻害する化合物が、双方とも、本発明に係る医薬または医薬組成物中に、構造的に独立な形で存在すること、およびそれらは、共有型または配位型の強い化学結合により互いに結合されていないことを表す。
一般式(1)の化合物の薬学的に許容できる塩のうち、塩酸塩が特に好ましい。
本発明のより特定の実施態様によれば、一般式(1)の化合物は、
−下記の式(2):
Figure 2007535525
の化合物に、または
−下記の式(3):
Figure 2007535525
(式中、R1およびR2は上で定義されたとおりである)の化合物に対応する。
本発明のさらにより特定の実施態様によれば、一般式(1)の化合物は、
−ハルミン(4):
Figure 2007535525
−ハルマン(5):
Figure 2007535525
または、
−ハルマラシジン(6):
Figure 2007535525
に対応する。
有利には、本発明者等は、ハルミンおよびハルマラシジンが、特にヒトにおける腫瘍において、生体内での抗腫瘍作用を有することを実証した。ハルミンおよびハルマラシジンを、DNA複製を阻害する化合物と組み合わせて投与したときに、この作用は強化される。
有利には、上記の式(4)、(5)および(6)の化合物の薬学的に許容できる塩は、また、本発明に従って使用することができ、特には、ハルミン塩酸塩、ハルマン塩酸塩およびハルマラシジン塩酸塩である。
また、その化学構造がハルミンのそれに近いハルマンは、ハルミンと共通の対象細胞を有することが示されている(Sobhani et al. (2002) J. Pharm. Pharmaceut. Sci. 5: 19-23)。したがって、本発明のフレームワーク内で、それは、ハルミンと同じ目的で使用することができる。
本発明の他の特定の実施態様によれば、DNA複製を阻害する化合物は、
−アルキル化剤、例えばシクロホスファミド、マイトマイシンCまたはチオテパ;
−代謝拮抗剤、例えば5−フルオロウラシル、アラC(ara-C)またはメトトレキサート;
−白金の配位錯体、例えばカルボプラチンまたはシスプラチン;あるいは
−トポイソメラーゼIIを阻害する薬剤、例えばドキソルビシン(doxorubicin)、ミトキサントロン(mitoxantrone)またはアムサクリン(amsacrine)、
からなる群から選択される。
これらの化合物は、当業者に周知である。
特に、アルキル化剤は、強固な共有架橋を形成することにより単一フラグメントのDNAの2つの鎖の分離を防止することにより作用する。
代謝拮抗剤は、塩基の代わりをすること(5−フルオロウラシルまたはアラ−C)、またはチミジンの酵素的合成を阻害すること(5−フルオロウラシル、メトトレキサート)のいずれかにより、これを防止する。
白金の配位錯体は、特に、単一フラグメントにおけるDNAの2つの鎖の間で強固な橋架けを形成する。
トポイソメラーゼIIは、超らせんDNAの緩和のフレームワーク内で、単一フラグメントのDNAの2つの鎖を開裂し、再結合する活性を有する。
本発明の好ましい実施態様によれば、後者は、一般式(1)の化合物のモル量が、それが組み合わされるDNA複製を阻害する化合物のモル量よりも多い、上で定義された使用に関する。特に、一般式(1)の化合物のモル量は、それが組み合わされるDNA複製を阻害する化合物のモル量よりも、少なくとも20%多い。
本発明の好ましい実施態様によれば、後者は、ハルミンまたはハルマラシジンおよびシクロホスファミドの、上で定義された使用に関する。
本発明の他の好ましい実施態様によれば、後者は、ハルミンまたはハルマラシジンおよび5−フルオロウラシルの、上で定義された使用に関する。
本発明は、また、少なくとも1種のDNA複製を阻害する化合物と組み合わせての、有効成分としての、少なくとも1種の一般式(1)の化合物またはその薬学的に許容できる塩と、薬学的に許容できる賦形剤とを含む、医薬組成物に関する。
本発明の好ましい実施態様によれば、医薬組成物は、一般式(1)の化合物が、
−ハルミン(4):
Figure 2007535525
−ハルマン(5):
Figure 2007535525
または、
−ハルマラシジン(6):
Figure 2007535525
に対応するようなものである。
本発明の他の好ましい実施態様によれば、医薬組成物は、DNA複製を阻害する化合物が、
−アルキル化剤、例えばシクロホスファミド、マイトマイシンCまたはチオテパ;
−代謝拮抗剤、例えば5−フルオロウラシル、アラCまたはメトトレキサート;
−白金の配位錯体、例えばカルボプラチンまたはシスプラチン;あるいは
−トポイソメラーゼIIを阻害する薬剤、例えばドキソルビシン、ミトキサントロンまたはアムサクリン、
からなる群から選択されるようなものである。
他の好ましい実施態様によれば、本発明に係る医薬組成物は、経口または静脈内経路による投与に好適である。
特定の好ましい実施態様によれば、本発明に係る医薬組成物は、シクロホスファミドおよび薬学的に許容できる賦形剤と組み合わせて、ハルミンまたはハルマラシジンを有効成分として含む。
より特定の好ましい実施態様によれば、上記の医薬組成物は、約1〜約10mg/kg/日のハルミンまたは約1〜約5mg/kg/日のハルマラシジン、および約1〜約5mg/kg/日のシクロホスファミドの、経口経路による投与に好適である。
他のより特定の好ましい実施態様によれば、上記の医薬組成物は、約1〜約3mg/kg/日のハルミンまたは約1〜約3mg/kg/日のハルマラシジン、および約1〜約5mg/kg/日のシクロホスファミドの、静脈内経路による投与に好適である。
他の特定の好ましい実施態様によれば、本発明に係る医薬組成物は、5−フルオロウラシルおよび薬学的に許容できる賦形剤と組み合わせて、ハルミンまたはハルマラシジンを有効成分として含む。
より特定の好ましい実施態様によれば、上記の医薬組成物は、約1〜約10mg/kg/日のハルミンまたは約1〜約5mg/kg/日のハルマラシジン、および約1〜約10mg/kg/日の5−フルオロウラシルの、経口経路による投与に好適である。
他のより特定の好ましい実施態様によれば、上記の医薬組成物は、約1〜約3mg/kg/日のハルミンまたは約1〜約3mg/kg/日のハルマラシジン、および約1〜約5mg/kg/日の5−フルオロウラシルの、静脈内経路による投与に好適である。
好ましい実施態様によれば、上で定義された医薬組成物は、それが組み合わされるDNA複製を阻害する化合物のモル量よりも多い、一般式(1)の化合物のモル量を投与するのに好適である。特に、その医薬組成物は、それが組み合わされるDNA複製を阻害する化合物のモル量よりも少なくとも20%多い、一般式(1)の化合物のモル量を投与するのに好適である。
本発明は、また、結腸癌、白血病、骨髄腫、乳癌、神経芽細胞腫、肝細胞癌、肺癌、前立腺癌、卵巣癌、精巣癌、胃癌、膵臓癌、または網膜芽細胞腫等の癌の処置のフレームワーク内での同時もしくは別々の使用用のまたは長期間にわたる組合せ製品としての、
−少なくとも1種の一般式(1)の化合物またはその薬学的に許容できる塩、および
−少なくとも1種のDNA複製を阻害する化合物、
を含む製品に関する。
本明細書中で意味するように、用語「組合せ」は、一般式(1)の化合物およびDNA複製を阻害する化合物が、双方とも、本発明に係る製品中に、構造的に独立な形で存在すること、およびそれらが、共有型または配位型の強い化学結合により互いに結合されていないことを表す。
本発明の特定の実施態様によれば、組合せ製品は、一般式(1)の化合物が、
−ハルミン(4):
Figure 2007535525
−ハルマン(5):
Figure 2007535525
または、
−ハルマラシジン(6):
Figure 2007535525
に対応するようなものである。
本発明の他の特定の実施態様によれば、組合せ製品は、DNA複製を阻害する化合物が、
−アルキル化剤、例えばシクロホスファミド、マイトマイシンCまたはチオテパ;
−代謝拮抗剤、例えば5−フルオロウラシル、アラCまたはメトトレキサート;
−白金の配位錯体、例えばカルボプラチンまたはシスプラチン;あるいは
−トポイソメラーゼIIを阻害する薬剤、例えばドキソルビシン、ミトキサントロンまたはアムサクリン、
からなる群から選択されるようなものである。
好ましい実施態様によれば、本発明は、結腸癌、乳癌、肝細胞癌、肺癌、前立腺癌、卵巣癌、胃癌、または膵臓癌等の癌の処置のフレームワーク内での同時もしくは別々の使用用のまたは長期間にわたる組合せ製品としての、
−ハルミンまたはハルマラシジン、および
−5−フルオロウラシル、
を含む、上で定義された製品に関する。
他の好ましい実施態様によれば、本発明は、結腸癌、白血病、骨髄腫、乳癌、神経芽細胞腫、肝細胞癌、肺癌、卵巣癌、精巣癌、または網膜芽細胞腫等の癌の処置のフレームワーク内での同時もしくは別々の使用または用の組合せ製品としての、
−ハルミンまたはハルマラシジン、および
−シクロホスファミド、
を含む、上で定義された製品に関する。
好ましい実施態様によれば、上で定義された製品は、それが組み合わされるDNA複製を阻害する化合物のモル量よりも多い、一般式(1)の化合物のモル量を含む。特に、その製品は、それが組み合わされるDNA複製を阻害する化合物のモル量よりも少なくとも20%多い、一般式(1)の化合物のモル量を含む。
実施例
実施例1
ペガナム・ハルマラのアルカロイドの抽出
粉砕したP・ハルマラの種(Zygophyllaceae)(1kg)からの粉末を、メタノールで抽出した。溶媒をエバポレートした後、残渣を2%塩酸中に溶解した。次いで、酸性水溶液をジクロロメタンで洗浄し、その後、重炭酸ナトリウムでアルカリ性とし、ジクロロメタンで抽出した。次いで、有機相は、溶媒をエバポレートすることにより、アルカロイドの混合物の粗抽出物(24g)を残した。抽出物を、ジクロロメタン/メタノール(9/1)混合物で溶離する、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付して、23画分に分離した。
ジクロロメタン/メタノール混合物中での画分3〜5の結晶化により、純粋なハルミン(A)(3g)が得られた(M: 212.3;MP.261℃(261℃; Goebel, F. Justus Liebigs Ann. Chem. 1841, 38, 363およびHochstein, A. J. Amer. Chem. Soc., 1957, 49, 5735))。バシシン(B)は、画分10〜12から、ハルマラシジン(C)(12.6g、M:216,MP.197℃(197〜198℃; Hashimoto, Y., Kawanishi, K. Phytochemistry 1976, 15, 1559-1560; Siddiqui, S. Heterocycles 1988, 27, 1401))は画分17〜21、および脱メチルハルマラシジン(D)は画分22〜23から取り出された。
Figure 2007535525
ハルミンは、詳細に特徴付けられた:
−ハルミンの質量スペクトルは、分子式C13122O(M:212.3)に対応する、m/z212ダルトンの分子イオン[M]・+を示す。
1Hおよび13CNMRスペクトルならびに二次元COSY、HSQCおよびHMBCスペクトルの分析は、以下に示すハルミンの構造を支持する。
Figure 2007535525
−ハルミン塩酸塩二水和物も分析された:MP.262℃(268〜270℃;The Merck Index, Xth, M. Windholz, ed., Merck 1 co., Inc., Rahway, N.J. USA, 1983, p.666)、M.284.8;
−毒性はBALB/cマウスで決定した;致死量50(LD50)経口で300mg/kg(243mg/kg、sc、マウス、38mg/kg、iv,The Merck Index, Xth, M. Windholz, ed., Merck 1 co., Inc., Rahway, N.J. USA, 1983, p.666)。
ハルマラシジンも、特徴付けられた:
−ハルマラシジンの質量スペクトルは、分子式C121222(M:216.2)に対応する、m/z216ダルトンの分子イオン[M]・+を示す。
1Hおよび13CNMRスペクトルならびに二次元COSY、HSQCおよびHMBCスペクトルの分析は、以下に示すハルマラシジンの構造を支持する(Hashimoto, Y., Kawanishi, K. Phytochemistry 1976, 15, 1559-1560; Siddiqui, S. Heterocycles 1988, 27, 1401)。
Figure 2007535525
−ハルマラシジン塩酸塩二水和物の分子量:M288。
実施例2
P・ハルマラのアルカロイドの生体内細胞毒性効果
P・ハルマラの様々なアルカロイド抽出物の細胞毒性効果を、いくつかの細胞系について検討した:
−ヒト白血病細胞系:K562およびジャーカット(Jurkat)(白血病)、U937(骨髄腫)、
−ヒト固形腫瘍細胞系:KB(鼻咽頭のエピテリオーマ)およびHT29(結腸)、
−不死化ヒト骨髄内皮細胞系:HBMEC。
細胞を、10%ウシ胎仔血清、0.01%ペニシリン−ストレプトマイシンおよびL−グルタミン2mMを追加した、K562、ジャーカット、U937およびHT29についてはRPMI1640培地ならびにKBについてはDMEM中で、またHBMEC細胞についてはEGM2培地中で、5%CO2雰囲気下に37℃のオーブン中で培養した。
細胞毒性試験は、96穴マイクロプレート中で、試験すべき抽出物を40、20、10、5、1、0.5μg/mlと濃度を変えて存在させまたは製品を存在させずに、37℃で4日間インキュベートした後に行った。3日目に、生存細胞により吸収されるニュートラルレッドの溶液を加えた。溶解細胞が放出した染料の光学濃度(OD)を、イライザプレートリーダーにより540nmで測定した。毒性(増殖阻害%)は、光学濃度に反比例する。
阻害パーセントは、製品無しのODと製品存在下のODとの差を製品無しのODと比較したものとして定義される。
細胞増殖を50%阻害する濃度は、濃度の対数の関数として、阻害パーセントを表す曲線から得られる。
得られた全ての結果を、下記の表1に示す。
Figure 2007535525
まとめると、悪性腫瘍および内皮細胞に対するIC50は、以下のとおりである:
アルカロイドの粗抽出物について、5〜12μg/ml、
ハルミンについて、2.9〜4.6μg/ml(14〜22μM)、
ハルミン塩酸塩について、3〜10μg/ml(10.5〜35μM)、
ハルマラシジン塩酸塩について、10.5〜29μg/ml(34.4〜134μM)。
実施例3
ハルミンの生体内抗新生物活性
材料および方法
選択された動物モデルは、ヒト腫瘍細胞の異種移植片を受け入れた重症複合免疫不全マウス(NOD−SCID)である。
3月齢以上の雄性および雌性NOD−SCIDマウスを、厳密な滅菌環境で、ろ過滅菌空気を通気した隔離装置内で、22℃、湿度40%で、昼12時間−夜12時間のサイクルで生育した。ケージ、給餌瓶および水は、120℃のオートクレーブ中で30分間滅菌し、餌および床敷きは、γ線照射で処理した。全ての取扱いは、層流フード下で、無菌状態で行った。
マウスは、2mg/mlのハイプノミデート(hypnomidate)0.3〜0.4mlを腹腔内注射することにより、全身麻酔に処した。次いで、PBS200μl中の懸濁液中のHT29ヒト結腸腫瘍細胞1x107を、マウスの背中に皮下注射した。移植10日後、腫瘍の長さは、約1cmに達した。
ハルミン塩酸塩201mgを、水8mlに溶解し、得られた溶液を、孔隙率0.22μmの膜で濾過して、滅菌した。
移植後10日目に、5匹のマウスの6群に、それぞれ、0(対照)、100、125、150、175および200mg/kg/日の割合で60日間、胃チューブを用いて、ハルミンを経口経路で投与した。
腫瘍のおよその容積は、定期的にキャリブレーションし、式:
容積(cm3)=長さ(cm)x幅(cm)x高さ(cm)x0.5
に従って算出した。
結果
得られた結果を、表2および図1に示す。
Figure 2007535525
腫瘍増殖に対するハルミンの阻害作用は、125〜175mgの間で、投与量依存的であることを示している。100mg/kg/日の投与量では、非常に弱い効果である。125mg/kg/日の投与量で、有意な効果を示し始め、腫瘍の容積は、非処置群の腫瘍の55〜67%に達する。150mg/kg/日の投与量では、腫瘍の容積は、50日までは、対照群のそれの42%のみを示したが、60日目には51%に達している。175mg/kg/日の投与量では、処置の全期間について、T/C=40%で、有効であることが証明されている。200mg/kg/日の投与量では、耐えることができず、マウスは処置の2、3日後に死亡した。
実施例4
シクロホスファミドのみ、またはハルミンとの組合せにおける、生体内抗新生物活性
シクロホスファミド(M=261)のみ、またはハルミンとの組合せにおける、生体内抗新生物活性を実施例3の方法に従って測定した。
シクロホスファミド(Sigma)150mgを、水8mlに溶解し、得られた溶液を孔隙率0.22μmの膜で濾過して、滅菌した。マウスには、50、100もしくは150mg/kg/日のシクロホスファミドのみ、または150mg/kg/日のハルミン+50mg/kg/日のシクロホスファミドもしくは100mg/kg/日のハルミン+100mg/kg/日のシクロホスファミドの混合物のいずれかが与えられた。
得られた結果を、表3ならびに図2Aおよび2Bに示す。
Figure 2007535525
シクロホスファミドを単独で投与すると(表3、図2A、2B)、50mg/kg/日の投与量で、40〜30%のT/C比となった。100mg/kg/日の投与量では、腫瘍の増殖が非常に強く阻害された:25〜15%のT/C。150mg/kg/日の投与量では、腫瘍容積は、ほとんど増加しなかったが、マウスはこの投与量に耐えることができず、処置の約15日目で、全てが死亡した。
ハルミン150mgとシクロホスファミド50mg/kg/日の同時投与の間(表3、図2B)(ハルミン/シクロホスファミドのモル比 3.7/1)、腫瘍容積は、60日目の処置まで、T/C比10%未満で、静止状態が保たれていた。したがって、ハルミン−シクロホスファミドの組合せは、混合物中で使用された濃度でのハルミン単独の使用およびシクロホスファミド単独の使用に比べて、腫瘍増殖の阻害についての相乗効果を有している。このことは、この組合せを癌の処置に使用することを企図することを可能にする。
しかしながら、注目すべきは、150mg/kg/日のハルミンと50mg/kg/日のシクロホスファミドとの組合せは、30日目からは十分には許容されるものではないということである。累積中毒の症状は、肝腎障害の結果としての毛の黄ばみまたは浮腫の発生で示されるが、シクロホスファミドを止めることで、これは消失する。したがって、シクロホスファミドの毎日の投与を停止し、7日間の休止と3日間の処置というサイクルに切り替える必要があった。それに対して、ハルミンは、中断することなく投与された。この組み合わせられ、制御された処置に付されたマウスは、中毒の兆候を全く示さず、このように処置されたマウスの75%が、1cm3未満の腫瘍容積で100日を超えて生存した。
100mg/kg/日のハルミン+100mg/kg/日のシクロホスファミドの組合せは、T/C比が10%近くで、腫瘍増殖の同様の阻害をもたらした(表3、図2A)。
実施例5
5−フルオロウラシルのみ、またはハルミンとの組合せにおける、生体内抗新生物活性
5−フルオロウラシル(M=130)のみ、またはハルミンとの組合せにおける、生体内抗新生物活性を実施例3の方法に従って測定した。
5−フルオロウラシル(Sigma)50mgを、水8mlに溶解し、得られた溶液を孔隙率0.22μmの膜で濾過して、滅菌した。マウスには、3、6、9、12もしくは24mg/kg/日の5−フルオロウラシルのみ、または150mg/kg/日のハルミン+12mg/kg/日の5−フルオロウラシルの混合物のいずれかが与えられた。
得られた結果を、表4ならびに図3Aおよび3Bに示す。
Figure 2007535525
5−フルオロウラシルを単独で、3〜12mg/kg/日の間からなる投与量で60日間、経口で投与したとき(表4、図3A)、腫瘍(HT29)は増殖し続けている。12mg/kg/日の投与量で、腫瘍の大きさは、50日までゆっくり増大し(T/C=52%)、その後、腫瘍はより急速に増殖し始めて、60日に、9mg/kg/日の投与量で観察されたものと同様の大きさに達する。6日の処置と6日の休止とを交互にして投与された、24mg/kg/日の投与量は、20日の処置まで有効であった(T/C=17%)が、その後、有効性は減少する:30日目(T/C=54%)。この投与量は、35〜45日の投与の間で致命的となる。
ハルミン150mg/kg/日を、増大する投与量の5−フルオロウラシル:3,6,9および12mg/kg/日と組み合わせて同時に投与した。
150mg/kg/日のハルミン+12mg/kg/日の5−フルオロウラシルの組合せのみを、表4に示す(7.7/1のハルミン/5−フルオロウラシルのモル比)。6日の処置と6日の休止のサイクルで投与したこの組合せは、腫瘍増殖の阻害についての相乗効果を有しており(表4、図3B)、60日目の処置においてさえも、23%のT/Cで、1.3cm3より低い腫瘍容積を維持することができた。
実施例6
ビンブラスチンのみ、またはハルミンとの組合せにおける、生体内抗新生物活性
ビンブラスチンの抗新生物活性は、皮下投与により、40日目まで、0.125〜0.5mg/kg/日の間で投与量依存的である。1mg/kg/日より多い投与量は、6日目を超えては、NOD−SCIDマウスにより許容されなかった。
150mg/kg/日のハルミンとそれぞれ0,125、0.25および0.5mg/kg/日のビンブラスチンとの組合せについて、相乗効果は認められなかった。
実施例7
ハルマラシジンのみ、またはシクロホスファミドとの組合せにおける、生体内抗新生物活性
ハルマラシジンのみ、またはシクロホスファミドとの組合せにおける、生体内抗新生物活性を実施例3の方法に従って測定した。
ハルマラシジン塩酸塩二水和物100mgを、水8mlに溶解し、得られた溶液を孔隙率0.22μmの膜で濾過して、滅菌した。マウスには、25、50もしくは100mg/kg/日のハルマラシジンのみ、または25もしくは50mg/kg/日のハルマラシジン+50mg/kg/日のシクロホスファミドの混合物のいずれかが与えられた。
得られた結果を、表5ならびに図4に示す。
Figure 2007535525
ハルマラシジンを単独で、25および50mg/kg/日の投与量で60日間、経口で投与したとき(表5および図4)、腫瘍(HT29)は50日までゆっくり増大し(T/C=65および45%)、その後、腫瘍はより急速に増殖し始めて、60日に、T/C=77および57%に達する。100mg/kg/日の投与量は、10日を超えては、許容されなかった。
ハルマラシジン25または50mg/kg/日を、50mg/kg/日のシクロホスファミドと組み合わせて同時に投与した。
5日の処置と2日の休止のサイクルで投与したこの組合せは、腫瘍増殖の阻害についての相乗効果を有しており(表5、図4)、60日目の処置においてさえも、それぞれ25および20%のT/Cで、1.5および1.2cm3より低い腫瘍容積を維持することができた。
図1は、非処理(菱形)の、または100mg/kg/日(十字)、125mg/kg/日(四角)、150mg/kg/日(三角)もしくは175mg/kg/日(丸)のハルミンで処理した、NOD−SCIDマウスに移植されたHT29腫瘍のサイズの増大(cm3で、y軸)を、時間の関数(日数で、x軸)として表す。 図2Aは、非処理(十字)の、あるいは50mg/kg/日(三角)、100mg/kg/日(四角)のシクロホスファミドで、または100mg/kg/日のハルミン+100mg/kg/日のシクロホスファミド(丸)もしくは150mg/kg/日のハルミン+50mg/kg/日のシクロホスファミド(菱形)の混合物で処理した、NOD−SCIDマウスに移植されたHT29腫瘍のサイズの増大(cm3で、y軸)を、時間の関数(日数で、x軸)として表す。 図2Bは、非処理(菱形)の、あるいは150mg/kg/日(三角)のハルミン、50mg/kg/日(十字)のシクロホスファミドで、または150mg/kg/日のハルミン+50mg/kg/日のシクロホスファミド(丸)の混合物で処理した、NOD−SCIDマウスに移植されたHT29腫瘍のサイズの増大(cm3で、y軸)を、時間の関数(日数で、x軸)として表す。 図3Aは、非処理(丸)の、あるいは3mg/kg/日(三角)、6mg/kg/日(四角)、9mg/kg/日(十字)、12mg/kg/日(菱形)または24mg/kg/日(ダッシュ)の5−フルオロウラシルで処理した、NOD−SCIDマウスに移植されたHT29腫瘍のサイズの増大(cm3で、y軸)を、時間の関数(日数で、x軸)として表す。 図3Bは、非処理(三角)の、あるいは150mg/kg/日のハルミン(十字)、12mg/kg/日の5−フルオロウラシル(四角)で、または150mg/kg/日のハルミン+12mg/kg/日の5−フルオロウラシル(丸)の混合物で処理した、NOD−SCIDマウスに移植されたHT29腫瘍のサイズの増大(cm3で、y軸)を、時間の関数(日数で、x軸)として表す。 図4は、非処理(四角)の、あるいは25mg/kg/日(三角)もしくは50mg/kg/日(十字)のハルマラシジン、50mg/kg/日のシクロホスファミド(菱形)または25mg/kg/日のハルマラシジン+50mg/kg/日のシクロホスファミド(ダッシュ)もしくは50mg/kg/日のハルマラシジン+50mg/kg/日のシクロホスファミド(丸)の混合物で処理した、NOD−SCIDマウスに移植されたHT29腫瘍のサイズの増大(cm3で、y軸)を、時間の関数(日数で、x軸)として表す。

Claims (22)

  1. 一般式(1):
    Figure 2007535525

    (式中、
    −R1は、H、OH、または炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、
    −R2は、H、炭素数1〜12のアルコキシカルボニル基、特にtert−ブトキシカルボニル基、または炭素数1〜12のアルキル基を表し、
    −R3は、OまたはCH3を表すが、ただし、R3がOを表すとき、aは二重結合を表し、bおよびcは単結合を表し、R4は、Hを表し、また、R3がCH3を表すとき、aは単結合を表し、bおよびcは二重結合を表し、R4は、いかなる基をも表さない)
    の少なくとも1種の化合物またはその薬学的に許容できる塩の、結腸癌、白血病、骨髄腫、乳癌、神経芽細胞腫、肝細胞癌、肺癌、前立腺癌、卵巣癌、精巣癌、胃癌、膵臓癌、または網膜芽細胞腫等の癌の処置用の医薬の製造のための使用。
  2. 少なくとも1種のDNA複製を阻害する化合物と組み合わせての、少なくとも1種の一般式(1)の化合物の、請求項1に記載の使用。
  3. 一般式(1)の化合物が、
    −下記の式(2):
    Figure 2007535525

    の化合物に、または
    −下記の式(3):
    Figure 2007535525

    (式中、R1およびR2は、請求項1で定義されたとおりである)の化合物に、
    対応する、請求項1または2に記載の使用。
  4. 一般式(1)の化合物が、
    −ハルミン(4):
    Figure 2007535525

    −ハルマン(5):
    Figure 2007535525

    または、
    −ハルマラシジン(6):
    Figure 2007535525

    に対応する、請求項1〜3の一項に記載の使用。
  5. DNA複製を阻害する化合物が、
    −アルキル化剤、例えばシクロホスファミド、マイトマイシンCまたはチオテパ;
    −代謝拮抗剤、例えば5−フルオロウラシル、アラCまたはメトトレキサート;
    −白金の配位錯体、例えばカルボプラチンまたはシスプラチン;あるいは
    −トポイソメラーゼIIを阻害する薬剤、例えばドキソルビシン、ミトキサントロンまたはアムサクリン、
    からなる群から選択される、請求項2〜4の一項に記載の使用。
  6. ハルミンまたはハルマラシジンおよびシクロホスファミドの、請求項2〜5の一項に記載の使用。
  7. ハルミンまたはハルマラシジンおよび5−フルオロウラシルの、請求項2〜5の一項に記載の使用。
  8. 少なくとも1種のDNA複製を阻害する化合物と、薬学的に許容できる賦形剤とを組み合わせての、有効成分として少なくとも1種の一般式(1)の化合物またはその薬学的に許容できる塩を含む、医薬組成物。
  9. 一般式(1)の化合物が、
    −ハルミン(4):
    Figure 2007535525

    −ハルマン(5):
    Figure 2007535525

    または、
    −ハルマラシジン(6):
    Figure 2007535525

    に対応する、請求項8に記載の医薬組成物。
  10. DNA複製を阻害する化合物が、
    −アルキル化剤、例えばシクロホスファミド、マイトマイシンCまたはチオテパ;
    −代謝拮抗剤、例えば5−フルオロウラシル、アラCまたはメトトレキサート;
    −白金の配位錯体、例えばカルボプラチンまたはシスプラチン;あるいは
    −トポイソメラーゼIIを阻害する薬剤、例えばドキソルビシン、ミトキサントロンまたはアムサクリン、
    からなる群から選択される、請求項8または9に記載の医薬組成物。
  11. 経口または静脈内経路による投与に適した、請求項8〜10の一項に記載の医薬組成物。
  12. シクロホスファミドと、薬学的に許容できる賦形剤とを組み合わせて、ハルミンまたはハルマラシジンを有効成分として含む、請求項8〜11の一項に記載の医薬組成物。
  13. 約1〜約10mg/kg/日のハルミンまたは約1〜約5mg/kg/日のハルマラシジン、および約1〜約5mg/kg/日のシクロホスファミドの、
    経口経路による投与に適した、請求項12に記載の医薬組成物。
  14. 約1〜約3mg/kg/日のハルミンまたは約1〜約3mg/kg/日のハルマラシジン、および約1〜約5mg/kg/日のシクロホスファミドの、
    静脈内経路による投与に適した、請求項12に記載の医薬組成物。
  15. 5−フルオロウラシルと、薬学的に許容できる賦形剤とを組み合わせて、ハルミンまたはハルマラシジンを有効成分として含む、請求項8〜11の一項に記載の医薬組成物。
  16. 約1〜約10mg/kg/日のハルミンまたは約1〜約5mg/kg/日のハルマラシジン、および約1〜約10mg/kg/日の5−フルオロウラシルの、
    経口経路による投与に適した、請求項15に記載の医薬組成物。
  17. 約1〜約3mg/kg/日のハルミンまたは約1〜約3mg/kg/日のハルマラシジン、および約1〜約5mg/kg/日の5−フルオロウラシルの、
    静脈内経路による投与に適した、請求項15に記載の医薬組成物。
  18. 結腸癌、白血病、骨髄腫、乳癌、神経芽細胞腫、肝細胞癌、肺癌、前立腺癌、卵巣癌、精巣癌、胃癌、膵臓癌、または網膜芽細胞腫等の癌の処置のフレームワーク内での、同時もしくは別々の使用用のまたは長期間にわたる組合せ製品としての、
    −少なくとも1種の一般式(1)の化合物またはその薬学的に許容できる塩、および
    −少なくとも1種のDNA複製を阻害する化合物、
    を含む製品。
  19. 一般式(1)の化合物が、
    −ハルミン(4):
    Figure 2007535525

    −ハルマン(5):
    Figure 2007535525

    または、
    −ハルマラシジン(6):
    Figure 2007535525

    に対応する、請求項18に記載の製品。
  20. DNA複製を阻害する化合物が、
    −アルキル化剤、例えばシクロホスファミド、マイトマイシンCまたはチオテパ;
    −代謝拮抗剤、例えば5−フルオロウラシル、アラCまたはメトトレキサート;
    −白金の配位錯体、例えばカルボプラチンまたはシスプラチン;あるいは
    −トポイソメラーゼIIを阻害する薬剤、例えばドキソルビシン、ミトキサントロンまたはアムサクリン、
    からなる群から選択される、請求項18または19に記載の製品。
  21. 結腸癌、乳癌、肝細胞癌、肺癌、前立腺癌、卵巣癌、胃癌、または膵臓癌等の癌の処置のフレームワーク内での、同時もしくは別々の使用用のまたは長期間にわたる組合せ製品としての、
    −ハルミンまたはハルマラシジン、および
    −5−フルオロウラシル、
    を含む、請求項18〜20の一項に記載の製品。
  22. 結腸癌、白血病、骨髄腫、乳癌、神経芽細胞腫、肝細胞癌、肺癌、卵巣癌、精巣癌、または網膜芽細胞腫等の癌の処置のフレームワーク内での同時もしくは別々の使用用のまたは長期間にわたる組合せ製品としての、
    −ハルミンまたはハルマラシジン、および
    −シクロホスファミド、
    を含む、請求項18〜20の一項に記載の製品。
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