JP2007535231A - サルーンタイプ車のリアウィンドウ用スクリーン印刷アンテナ - Google Patents

Abstract

ＦＭ１及びＦＭ２アンテナの空中線は、独自の除氷網（２）に加えて、車両の中央垂直縦断面に関して対称に配置された２組の垂直線材（９，10）を備える。ＦＭ１信号は、高さゼロの面での車両の全長方向における指向性信号の取得を可能にする空中線の点（12）で集められる。ＦＭ２信号は、高さゼロの面での車両の全幅方向における指向性信号の取得を可能にする前記空中線と異なる点（13）で集められる。本サルーンタイプ車のリアウィンドウ用スクリーン印刷アンテナは、ＦＭ，ＡＭ及び機能制限モードに関して優れた受信を提供する。

Description

本発明は、自動車に使用されるアンテナ、さらに詳しく言えば、このような車両（とりわけサルーンタイプ自動車）のリアウィンドウ上にスクリーン印刷されたアンテナに関する。

乗用車又は商用車の車内への搭載を意図されたアンテナは、近頃のより調和のとれた外観が得られるように、世間の流行に即して、もはや車外からは見えないように益々一体化されている。空気力学，ノイズ，振動，シール強度及び破壊に関する、突出した機材の使用に結びつく欠点はこのようにして積極的に減少されている。

アンテナにとっては、電磁界（車外）をラジオ装置で使用可能な電気信号へ変換することにある、その必須機能を提供し続けることができるような環境に置かれることが重要である。

従って、できるだけ見えないことが求められるアンテナの位置と、アンテナの放射構造が車両や特にその金属部品の近くに組み込まれているときには、ますます影響されるアンテナの放射性能特性との間に、トレードオフが常に見出されなければならない。

他方では、自動車製造メーカーは、多くの機能を備えた単独のいわゆる「多機能」ボックスに強い関心があり、当該「多機能」ボックスが、車両内への組み込みと、このボックスをカーラジオ受信装置、又はアンテナによって受信された信号を必要とする装置へ連結する配線とを簡単にすることを可能にする。

本発明の目的は、設計及び適合化に対して大幅に簡単かつ経済的である、サルーンタイプ自動車や上述した周知のタイプのリアウィンドウ用スクリーン印刷アンテナ装置を提案することにあり、さらに周波数変調及び振幅変調モードと、リモートキーレスエントリー機能とにおける両方で優れた信号の受信を提供することにある。

本発明に従ったサルーンタイプ車のリアウィンドウ用スクリーン印刷アンテナは、ＡＭ，ＦＭ１，ＦＭ２，リモートキーレスエントリーの４つのラジオ受信機能を有し、リアウィンドウの最高部又は最低部に位置し、除氷機能とは関係ない少なくとも１つの水平導電性線材から構成される空中線を備え、当該ＡＭアンテナの空中線が、電子ボックス内に位置しラジオ受信機に対して前記空中線の高いインピーダンスマッチングを提供する第１の電子回路を伴うよう構成されたＡＭアンテナと、除氷機能と関係する複数の水平導電性線材から構成される同一の空中線を有し、異なる信号集波点（12，13）を有すると共に前記電子ボックスから出る同軸ケーブルの特性インピーダンスに対してこれら空中線のインピーダンスマッチングを提供する電子ボックスの回路をそれぞれ備えるＦＭ１及びＦＭ２アンテナと、前記ＡＭアンテナの空中線と同じ空中線と、前記電子ボックスから出る同軸ケーブルのインピーダンスに対してこのアンテナを構成する空中線のインピーダンスマッチングを提供する前記電子ボックスの回路とを有するリモートキーレスエントリーアンテナとを備えたサルーンタイプ車のリアウィンドウ上にスクリーン印刷されたアンテナであって、前記ＦＭ１及びＦＭ２アンテナの空中線が、独自の除氷網に加えて、車両の中央垂直縦断面に関して対称に配置された２組の垂直線材を備えると共に、高さゼロの面での車両の縦方向（全長方向）における指向性信号を得るために前記空中線の集波点で集められるＦＭ１信号と、高さゼロの面での車両の横方向（全幅方向）における指向性信号を得るために前記空中線の異なる点で集められるＦＭ２信号とを備えることを特徴とする。

本発明の細かい特徴によると、前記ＦＭ１及びＦＭ２アンテナを構成する前記垂直線材の各組が、該当する除氷集波器（３又は４）の中間点（６又は13）から約510mmの距離を隔てて配置される。

本発明の別の特徴によると、前記ＦＭ１アンテナの前記電子回路が受動的回路である一方で、前記ＦＭ２アンテナの前記電子回路が能動的回路であり、前記ＡＭアンテナの前記電子回路が能動的回路であり、かつ、前記リモートキーレスエントリーアンテナの前記電子回路が受動的回路である。

本発明のさらに別の特徴によると、前記電子ボックスが前記ＦＭ１，ＦＭ２，ＡＭ，リモートキーレスエントリーアンテナの４つの回路を搭載した単一の電子基板を備え、リアウィンドウから前記電子ボックスまでの接続ワイヤの長さをできるだけ短くするために、これらのアンテナの前記空中線についての信号の集波点が、車両のリアウィンドウの同じ領域に集められている。

ＦＭ及びリモートキーレスエントリーアンテナは、地上直線偏波アンテナであり、基準としては波長の４分の１に等しい長さ（すなわち、ＦＭ用は約750mm、またリモートキーレスエントリー用は約170mmの長さ）のアンテナである。

現在の技術は、いわゆる隠しアンテナ、とりわけ以下の３つのラジオ受信機能のための多くのオプションを提示する。すなわち、76MHzと108MHzとの間のＦＭ（周波数変調）ラジオと、140kHzと1．7MHzとの間のＡＭ（振幅変調）ラジオと、434MHz（又は日本向けは315MHz）でのリモートキーレスエントリー機能とである。

これらアンテナの放射部は、基底材として使用される車両のガラス張り部分にスクリーン印刷された導電性線材から作られる。当該線材は、除氷機能が正確に働くために十分かつ条件を満たす電流に対応する0．8mmの厚さを有する。

サルーンタイプ車については、リアウィンドウがマルチアンテナシステムにとっての基底材として使用される。リアウィンドウは、一般的に、適合された非加熱処理を伴わない押出型（加熱押出成形型）のガラスから作る必要がある。

一般に、ＦＭ，ＡＭ及びリモートキーレスエントリーの隠しアンテナに関する各機能は、最先端の空中線及び電子回路を使用する。

ＡＭアンテナの空中線は、リアウィンドウの最高部又は最低部にある約0．8mmの厚さを有する１又は複数の水平導電性線材によって形成される。

これらのスクリーン印刷線材は、除氷機能とは関係ない。電子ボックスは、ラジオ受信機に対して、空中線のハイインピーダンスマッチング（高いインピーダンス整合）を提供する電子回路を備える。

ＦＭアンテナの空中線は、最低15から最高25までの間で変化する多くの水平導電性線材から作られる。これらの線材は、約0．8mmの厚さを有し、除氷機能にも関係する。電子ボックスは、当該ボックスから出る同軸ケーブルの特性インピーダンス、すなわち、75オームにできるだけ近い値に等しいインピーダンスに対して、空中線のインピーダンスマッチングを提供する回路を備える。

リモートキーレスエントリーアンテナの空中線は、ＡＭアンテナ又はＦＭアンテナと同様にできる。電子ボックスは、当該ボックスから出る同軸ケーブルのインピーダンス、すなわち、50オームに近い値のインピーダンスに対して、空中線のインピーダンスマッチングを受け持つ電子基板を備える。

この電子ボックスは、車両のバッテリーに直接的又は間接的に由来する＋12Ｖ電源が使用されるか否かによって、受動的又は能動的になると言われている。能動的な電子ボックスの機能は、１又は複数のトランジスタを使用して信号を増幅することである。能動的又は受動的な電子ボックスの使用の決定は、基準アンテナ（４分の１波長アンテナ）に対して算出された平均利得に基づいて行われる。

通常は、基準アンテナに対して許容範囲にある最低利得は−10dB前後である。平均利得は、360の測定値（車両周囲の１度で１測定値）の平均を算出することにより得られる。仮に、受動的な電子ボックスについて、アンテナが−10dBの制限より下であれば、通常、ｄＢ不足を埋め合わせるために能動的な電子ボックスへ切り換えられる。

最上級車においては、ＦＭ受信は、例えばＦＭ１，ＦＭ２，ＦＭ３，ＦＭ４と呼ばれる最大４つのアンテナなどの異なるアンテナの組み合わせによって機能強化される。これらの異なるアンテナは、リアウィンドウの同じ支持材を使用し、かつ、それらの集波点（コレクターポイント：collector point）によって区別される。このとき、リアウィンドウ上のこれら集波点は、４つの異なる電磁応答を引き起こす。これらの異なるアンテナは、単一スクリーン印刷アンテナと比較して強化された出力信号を供給するために、組み合わせ（付加されるか、取り除かれるか、順番に交換される信号）可能である。

当該アンテナシステムは、特に、適合された非加熱処理を伴わない押出型のガラスから作る従来デザインのリアウィンドウを有する自動車製造メーカーの車両を対象としている。

本発明の理解を容易にするために、添付した図面を参照しながら以下に好ましい実施例について説明する。なお、本発明は当該実施例により限定されるものではない。

図１において、参照番号１は、形の上ではやや台形であるサルーンタイプ自動車のリアウィンドウを示し、これは0．7ｍ²に満たない表面積を有する。ウィンドウ１は、その上に、水平ワイヤ５により連結された２つの集波器（コレクター：collector）３，４を通常備える除氷網２がスクリーン印刷されている。集波器３は、その中間点６で、フィルター８を通じて車両の給電バッテリー７へ連結される。

第１のＦＭ１周波数変調アンテナは、ウィンドウ１の中央垂直縦断面に関して対称である２組の垂直線材９，10が追加された独自の除氷網２からなる空中線を備える。電子ボックス11は、ＦＭ１アンテナのインピーダンスを75オームへマッチング（整合）させる。ＦＭ１信号は、Ｚ＝０面（高さゼロの面）についてのＸ軸（車両の縦軸）方向に指向性アンテナを得るように、点12においてＦＭ１アンテナのスクリーン印刷上に集められる。

第２のＦＭ２周波数変調アンテナは、ＦＭ１アンテナ及び能動的な電子ボックスと同様の空中線を備える。ＦＭ２信号は、ＦＭ１信号と同様の点では集められないが、除氷集波器４の中間点に位置する点13に集められる。この点13は、Ｚ＝０面についてのＹ軸（車両の横軸）方向に指向性ＦＭ２信号を得るように選択されている。点13で集められたＦＭ２信号は、ＦＭ２アンテナを75オームへマッチングさせると共に、信号を増幅する電子ボックス11へ伝送される。点13は、この点13と電子ボックス11との間の連結が約300mmの単線ワイヤ14を通して行われるように、電子ボックス11と同じ側に位置する集波器４上に配置される。

第３のＡＭ振幅変調アンテナは、ＡＭ空中線と能動的インピーダンスマッチング装置とから構成される。ＡＭ空中線は、ウィンドウ１の最低部にスクリーン印刷された水平線材15から構成され、信号の集波点が16になる。

第４のリモートキーレスエントリーアンテナは、リモートキーレスエントリー空中線と受動的インピーダンスマッチング装置とから構成される。リモートキーレスエントリー空中線は、ＡＭ空中線のように、スクリーン印刷された水平線材15から構成され、同様に信号の集波点が16となる。

前述のとおり、フィルター８は、給電バッテリー７と除氷集波器３の中間点６との間に挿入される。誘導性素子と車両の胴体（シャーシ）へ接続された平滑容量性素子とからなるこのフィルター８は、アンテナシステムの正しい動作を確保し、ラジオ周波数信号が除氷給電ワイヤを経由してバッテリー７へ伝導することを防ぐ。

電子ボックス11は、４つの回路を搭載した単一の電子基板を備える。すなわち、接続ワイヤ17により点16へ連結されたＡＭ機能のための回路と、接続ワイヤ19によりＦＭ１空中線の点12へ連結されたＦＭ１機能のための回路と、ワイヤ14によりＦＭ２空中線の点13へ連結されたＦＭ２機能のための回路と、前記ＡＭ機能のための回路のように接続ワイヤ17により点16へ連結されたリモートキーレスエントリー機能のための回路とである。

ワイヤ14，17，19は、ＦＭ及びＡＭモードの損失を回避するために、少なくとも300mmよりも長くない、できるだけ短い長さになるように設計される。

電子ボックス11は、車両のリアウィンドウの最低部に近い右方又は左方に配置されるのが良い。このボックス11は、長方形状であり、望ましくは金属の後部板（リアプレート：rear plate）又はリアウィンドウのすぐ近傍にある金属支柱に配置される。このボックス11は、ビスにより車両胴体へ固定され、このときこの車両胴体は接地信号を得るために使用される。

さらに詳細な図２に示すように、例えば約15mmの厚さを有する太いスクリーン印刷接地線材20は、リアウィンドウ１を車両胴体へ固定する接着剤21と接触している。ウィンドウの最低部にあるこの接地線材20とスクリーン印刷線材22とは、ＦＭ１ラジオ周波数信号のための伝送線材を形成する。単線ワイヤ19（約150mmの長さ）が、点12で信号を受け取ると共に、それをボックス11へ誘導するようにして、ＦＭ１信号が電子ボックス11側へ伝送される。点12と平行して、ボックス11へ続く約150mmの単線ワイヤを用いてＡＭ及びリモートキーレスエントリー信号を抽出する集波点16がある。

有利なことに、ＦＭ帯域で共振して、この帯域で最大放射エネルギーを示すアンテナシステムを得るために、垂直線材９，10の組が、除氷集波器（図１参照）の中間点６，13から約510mm（４分の１波長）の距離Ｌを隔てて配置される。

上述の説明は例として簡単に与えられたものであり、本発明を限定するものではなく、本発明の範囲から逸脱しないで構成の付加や改良が可能であることが理解されるだろう。

本発明に従ったスクリーン印刷アンテナシステムを備えたサルーンタイプ自動車のリアウィンドウの前面図である。 図１のスクリーン印刷アンテナの最低部の拡大図である。

Claims (9)

1. ＡＭ，ＦＭ１，ＦＭ２，リモートキーレスエントリーの４つのラジオ受信機能を有し、
   リアウィンドウの最高部又は最低部に位置し、除氷機能とは関係ない少なくとも１つの水平導電性線材から構成される空中線を備え、当該ＡＭアンテナの空中線が、電子ボックス内に位置しラジオ受信機に対して前記空中線の高いインピーダンスマッチングを提供する第１の電子回路を伴うよう構成されたＡＭアンテナと、
   除氷機能と関係する複数の水平導電性線材から構成される同一の空中線を有し、異なる信号集波点（12，13）を有すると共に前記電子ボックスから出る同軸ケーブルの特性インピーダンスに対してこれら空中線のインピーダンスマッチングを提供する電子ボックスの回路をそれぞれ備えるＦＭ１及びＦＭ２アンテナと、
   前記ＡＭアンテナの空中線と同じ空中線と、前記電子ボックスから出る同軸ケーブルのインピーダンスに対してこのアンテナを構成する空中線のインピーダンスマッチングを提供する前記電子ボックスの回路とを有するリモートキーレスエントリーアンテナと
   を備えたサルーンタイプ車のリアウィンドウ上にスクリーン印刷されたアンテナであって、
   前記ＦＭ１及びＦＭ２アンテナの空中線が、除氷網（２）に加えて、車両の中央垂直縦断面に関して対称に配置された２組の垂直線材（９，10）を備えると共に、高さゼロの面での車両の縦方向における指向性信号を得るために使用される前記ＦＭアンテナを構成する前記空中線（２，９，10）の集波点（12）を備える一方で、高さゼロの面での車両の横方向における指向性信号を得るために使用される前記ＦＭ２アンテナの集波点（13）を備えることを特徴とするサルーンタイプ車のリアウィンドウ用スクリーン印刷アンテナ。
2. 前記垂直線材の各組（９，10）が、該当する除氷集波器（３又は４）の中間点（６又は13）から約510mmの距離を隔てて配置されることを特徴とする請求項１記載のスクリーン印刷アンテナ。
3. 前記ＦＭ１アンテナの前記電子回路が受動的回路である一方で、前記ＦＭ２アンテナの前記電子回路が能動的回路であることを特徴とする請求項１又は請求項２記載のスクリーン印刷アンテナ。
4. 前記ＡＭアンテナの前記電子回路が能動的回路であり、かつ、前記リモートキーレスエントリーアンテナの前記電子回路が受動的回路であることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１つに記載のスクリーン印刷アンテナ。
5. 前記電子ボックス（11）が前記ＦＭ１，ＦＭ２，ＡＭ，リモートキーレスエントリーアンテナの４つの回路を搭載した単一の電子基板を備え、リアウィンドウ（１）から前記電子ボックス（11）までの接続ワイヤ（19，14，17）の長さをできるだけ短くするために、これらのアンテナの前記空中線についての信号の集波点（12，13，16）が、車両のリアウィンドウの同じ領域に集められていることを特徴とする請求項１〜４のいずれか１つに記載のスクリーン印刷アンテナ。
6. 前記電子ボックス（11）が、前記リアウィンドウ（１）の最低部に向かって、前記車両の右又は左の支柱へ固定されることを特徴とする請求項５記載のスクリーン印刷アンテナ。
7. 太いスクリーン印刷接地線材（20）と、前記リアウィンドウ（１）の一の隅部から反対の隅部へＦＭ１信号を引き込むためにＦＭ１空中線（９）へ接続されたスクリーン印刷線材（22）とからなるＦＭ１信号のための伝送線材を備えたことを特徴とする請求項１〜６のいずれか１つに記載のスクリーン印刷アンテナ。
8. 前記ＡＭ及びリモートキーレスエントリーアンテナの空中線が、前記リアウィンドウ（１）の最低部にある２つの水平スクリーン印刷線材（15）からなることを特徴とする請求項１〜７のいずれか１つに記載のスクリーン印刷アンテナ。
9. 直列接続の容量性素子と誘導性素子とからなるフィルタリングシステム（８）が、給電バッテリー（７）と除氷網（２）との間に位置することを特徴とする請求項１〜８のいずれか１つに記載のスクリーン印刷アンテナ。
   

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