JP2007533554A - 飲料容器用の弁 - Google Patents

Abstract

この発明は、飲用容器（２）において減圧作動する液体流出機能を備えた弁に関する。弁はバルブヘッド（３４）及びバルブシート（４４）を備えてなり、バルブシート（４４）は膜体（１）に力を伝達可能に装着される一方、バルブヘッド（３４）は少なくとも一つの支持部（３６）を有する基礎構造物に取り付けられてなる。
【選択図】 図１ａ

Description

この発明は、飲用容器用の弁における減圧作動による流出機能を備えた装置に関する。特に、この発明の弁はバルブヘッド及びバルブシートを含み、バルブシートは膜体と力を伝達可能に接続するように配置され、バルブヘッドは基礎構造物に取り付けられている。

例えば米国特許第6.290.090号及びノルウェー特許第315182号に示されたような特許文献には、減圧作動する飲用容器用の弁を用いた装置をいくつか記載している。この技術技術分野における従来技術では、バルブシートが構造物に取り付けられ、バルブヘッドのシール表面だけが作動中に可動又は形状が可変である。なによりもまずこの発明は、既存の技術に関する生産性とコストを向上させることを目的とする。バルブシートを可動にすることにより、注型後に金型から取り出さなければならず、そうするとそれがためにバルブシートが損傷を受けるので、バルブヘッドは水平な封止面にしなければ成らないというバルブヘッドに対する要求事項を取り除くことができる。弁を開けるときに大きな力が加わることにより大きく変形してしまうのと同じくらいに、弁表面は組み立て工程で損傷を受ける可能性がある。この表面を検査する従来の方法を用いると、コストがかさみ、かつ煩雑さが増す。

米国特許第6.290.090号 ノルウェー特許第315182号

この発明の目的は、従来技術の不都合な点の改善をすることである。この発明の目的は、以下の発明の詳細な説明及び請求項に記載される特徴により達成される。

この発明における弁は、バルブヘッドそれ自体、及び基礎構造物に対して可動に懸垂されたバルブシートを含む点において、既存の技術と十分に区別することができる。膜体は、バルブシートに力を伝達可能に配設されている。膜体が移動又は変形するように、操作者が吸引を行って膜体の片側に減圧状態Ｐ２が生じたとき、十分な軸方向の吸引力はバルブシートに伝達され、次いでバルブシートを動かす。バルブヘッドが構造物の実質的に不可動部にしっかりと取り付けられているので、バルブシートはバルブヘッドから離脱し、かつ流出可能なように弁を開く（添付図参照）。

もう一つのこの発明の特徴は、飲用容器の加圧領域Ｐ３と大気基準圧領域Ｐ１との間に可撓性又は可動性のシールを用いることである。そのシールは、ボトル圧により感圧となるように形成され、これによりボトル圧は圧力上昇時に高い吹止り圧効果を得る。またシールが垂直の管状又は円錐状の領域に形成されることにより、圧力影響下で半径方向に広がり、したがって軸方向の広がりを減ずることができる。この機能は、弁の吹止り圧を和らげ、これにより高圧作動下で膜体から要求開放力を減らすことができる。

この発明の目的は、製造が容易で、かつ高圧に耐え得る構造物を提供することである。従来技術では、可撓性及び感圧性の膜構造物が用いられ、その膜構造物と同じ軟質素材がバルブヘッドを形成するために用いられている。飲用容器における圧力Ｐ３に応じた力の上昇は、バルブヘッドの軟質な封止フランジを介して固定されたバルブシート、又は比較的軟質な膜体の他の一部に伝達される。この発明ではこれらの力は、バルブヘッド及びその懸垂部を介して構造物の硬質の一部に直接伝送され、それは構造的な利点である（図参照）。

この発明は、必要に応じて頂部保護カバー又は他の特別な技術的付加をもって提供されることができる。特にこれは、飲用容器への連結方法、フランジのデザイン及び装置自体を構成しているパーツ間でのスナップ結合（ワンタッチ結合）の選択に関する。ネジ及び／又はフランジは、例えばボトル、カートン、鞄、カップ、哺乳瓶等あらゆる飲用容器に用いられている。容易に掃除及び再利用ができるような装置にする場合には、例えばスナップ結合の代わりにネジを備えた個々の部品が使用されることができる。この装置は、炭酸飲料、温かい飲み物、流動食、アイスクリーム等を含むあらゆる液体状の食物に用いられる。

原則としてこの発明は、例えば平面、円形及び半径方向に広がった膜体、又は垂直方向に突出する円錐状の膜体等、既知のあらゆる膜体とともに用いることができる。膜体は、非対称形及び対称形のいずれであってよく、また例えば力を伝達する硬質な複数のリブ又は複数の部材と膜体を半径方向に圧縮可能にする軟質プラスチックとの組み合わせといった数種の部材を含む。

この発明は示した好適な実施例に限定されず、実施例は添付した図において縦断面として示される。

図１ａはこの発明の弁装置の一例を示し、弁装置がボトルである飲用容器２に取り付けられている。初期状態において、バルブシート４４はバルブヘッド３４に気密に接触している。バルブヘッド３４は、一つ又はそれ以上の支持部３６を介して蓋内及び／又は基礎構造物に取り付けられている。吸引孔４９を介して膜体１の内側に減圧状態Ｐ２が生じたとき、放射形状の膜体１が変化し、軸方向に短くなる。膜体１はその下端５０が固定されているので、吸引力がバルブシート４４をバルブヘッド３４から離脱させ、流出可能なように弁が開く。シール４６はバルブシート４４に気密に取り付けられ、かつ、飲用容器２に対して気密に取り付けられた隔壁３の上に配される管状流路４８の突出部分に押し当てられている。可動及び／又は可撓性のフランジ１４はバルブシート４４に気密に連結され、前記ネジ蓋の外側における弁を取り囲む蓋部材４に形成される噴出口１２の内側を封止している。この封止により、弁が作動するときに弁中に二つの圧力領域が存在するようになり、一つは圧力Ｐ１（大気圧）ともう一つはＰ２（吸引力を生じさせる減圧状態）である。吸引力が弁を開くとき、流路４８を通って飲用容器２から液体が流出する。吸引力が途絶えたとき、弁は、部分的には膜体の伸縮性のあるかたさ、及び部分的にはシール４６の伸縮性のある変形の結果として閉鎖する。

図１ｂは、図１ａに示される弁装置が開いている状態であり、減圧作動させた状態を示している。

図２ａはこの発明における弁装置の他の実施例を示している。この実施例では、シール４６が可撓性部材４０に取り替えられている。作動中にバルブシート４４が隔壁３の方向へ移動したとき、比較的軟らかく及び／又は蛇腹状に形成された部材４０は、圧縮され、軸方向の一時的な短縮が起こるので、可撓性でかつ耐圧の液体流路を形成する。

図２ｂは、図２ａの弁装置が開いている状態であり、減圧作動させた状態を示している。

図３ａは、この発明における弁装置の他の実施例を示している。この実施例では、膜体１は減圧作動すると半径方向に短縮し、これにより軸方向の長さが増加している。膜体が軸方向に伸張すると、バルブシート４４がバルブヘッド３４から離脱し、飲用容器２の図中下方向へ下がり、流出可能なように弁が開く。この実施例では、飲用容器２は飲料用パック容器であってもよく、例えば図においては、その飲料用パック容器の壁の一部が示されている。バルブヘッド３４はここに示すように、バルブヘッド３４をバルブシート４４の中央に配するための案内部材３５を有する。膜体１は、図に示すように、開口部周辺の飲用容器２に取り付けた蓋部材４における凹部１８から上端１５を介して気密に懸垂保持されている。膜体１の外側には、蓋部材４の周壁において、少なくとも一つの通気孔６を介して大気圧Ｐ１と結合された等圧空間５５が存在する。

図３ｂは、図３ａの弁装置が開いている状態であり、減圧作動させた状態を示している。この減圧作動状態において、Ｐ１とＰ２との圧力差が、膜体の感圧部に作用して、膜体を半径方向に短縮させ、バルブシート４４を軸方向に移動させる。

図３ｃは、図３ａの弁装置が作動し、かつ放出する状態を示している。液体が流出している間に飲用容器２における減圧状態Ｐ３が上昇すると、フランジシール２０はシール表面２１から離脱し、前記等圧空間５５及び通気孔６を介して飲用容器２内へエアーを流通させる。フランジシール２０は、バルブシート４４に接続され、かつバルブシート４４を取り囲んでいるシールフラップ２２の外縁封止リップである。シール表面２１は、蓋部材４内部において肩部を形成している。シールフラップ２２に作用するＰ１及びＰ３の圧力差によりエアー流入が起こり、前記圧力差によってシール表面２１からシールフランジ２０を離脱させる内側向けの力が生じる。飲用容器２におけるエアー流通は、弁装置が作動状態にあるときにだけ起こる場合に制限されず、エアー流通は前記方法とは別の方法により生じさせるようにしてもよい。

この発明の他の実施例として、前記膜体１はキャスト金型で広げたＹ字型に注型されることができる。Ｙ字型のような形状は、図４ａに示されるように、膜体１の軸を含む断面において、現れる。したがって膜体１は、金型から取り外した直後はこの形状をとる。この実施例では、膜体１の前記下端５０は、縦断面が円形であるリングガスケットとして形成されている。Ｙ字型の膜体構造物は、膜体１の大量生産という観点から非常に好適である。鋳型からＹ字型の膜体構造物を取り外してから、図４ｂで示されるように、膜体１は通常使用するときの形状に反転して固定される。この固定は、弁装置の個々の部材を組み立てる前、又はその途中に行う。図４ｃは、前記ネジ蓋、及び蓋部材４を示している。蓋部材は、前記支持部３６を介して、懸垂されているバルブヘッド３４を備えてなる前記噴出口１２を有している。図４ｄは、ネジ蓋内の部材を全て組み立てた状態を示し、組みあがったネジ蓋はボトルに結合することができる（図示せず）。

図１ａは、ネジキャップに適用されたこの発明の弁装置の一例を示し、弁の閉状態を示している。 図１ｂは、ネジキャップに適用されたこの発明の弁装置の一例を示し、弁の開状態を示している。 図２ａは、ネジキャップに適用されたこの発明の弁装置の他の一例を示し、弁の閉状態を示している。 図２ｂは、ネジキャップに適用されたこの発明の弁装置の他の一例を示し、弁の開状態を示している。 図３ａは、封止部に適用されたこの発明の弁装置のさらに他の一例を示し、弁の閉状態を示している。 図３ｂは、封止部に適用されたこの発明の弁装置のさらに他の一例を示し、弁の開状態を示している。 図３ｃは、封止部に適用されたこの発明の弁装置のさらに他の一例を示し、弁の開通状態を示している。 図４ａは、図２ａ及び２ｂに示した実施例に類似する弁装置を示し、注型して注型金型から取り出した直後の膜体を示している。 図４ｂは、図２ａ及び２ｂに示した実施例に類似する弁装置を示し、通常使用するときの形状に反転して固定された膜体を示している。 図４ｃは、図２ａ及び２ｂに示した実施例に類似する弁装置を示し、ネジ蓋、及び蓋部材を示している。 図４ｄは、ネジ蓋内の部材を全て組み立てた状態を示している。

Claims (10)

1. 減圧下で液体が流出する機能を有する飲料容器２と、初期状態においては互いに気密に組み合わさっているバルブヘッド３４及びバルブシート４４から組み立てられる弁に、力を伝達可能に連結した感圧膜体１を含む蓋部材４と、を有する装置において、バルブヘッド３４は外側の蓋部剤４に懸垂固定されており、かつバルブシート４４が膜体１に力を伝達可能に取り付けられることにより、操作者が吸引力Ｐ２で作動させたときに、バルブシート４４はバルブヘッド３４が開くように移動可能に形成されてなることを特徴とする装置。
2. バルブヘッドは蓋部材の上部１２の直近において、少なくとも一つの支持部を介して取り付けられていることを特徴とする請求項１に記載の装置。
3. バルブヘッド及び/又はバルブシートは、バルブシート４４に押し当ててバルブヘッド３４が正しく閉塞するための案内３５を備えて形成されることを特徴とする一つもしくはそれ以上の前記請求項に記載の装置。
4. 蓋部材４は、ソフトドリンクの容器の飲み口に接着及び/又は溶着して取り付けられたフランジ５６を有するように形成されてなることを特徴とする一つもしくはそれ以上の前記請求項に記載の装置。
5. 飲料容器の飲み口２から液体を放出するために仕切り壁２２が開く原因となるＰ１及びＰ３の圧力差が生じるまでは、バルブシート４４の延長である仕切り壁２２は、シールに沿って縁部２０が保持されていることを特徴とする一つもしくはそれ以上の前記請求項に記載の装置。
6. 塑性シール４６は、初期状態では弁を閉塞状態にする弾性力を有することを特徴とする一つもしくはそれ以上の前記請求項に記載の装置。
7. シール４６は、管路４８の外もしくは内に沿ってスライドすることを特徴とする一つもしくはそれ以上の前記請求項に記載の装置。
8. 膜体は、広げたＹ字型に注型され、組み立てる前もしくは組み立て途中に使用する形に固定されることを特徴とする一つもしくはそれ以上の前記請求項に記載の装置。
9. 膜体１は、軟質な膜体１からの力の伝達を容易にする少なくとも一つの補強材で形成されて成ることを特徴とする一つもしくはそれ以上の前記請求項に記載の装置。
10. 膜体及び/又はバルブシートは、違った特性を有する数種の部材で組み立てられてなることを特徴とする一つもしくはそれ以上の前記請求項に記載の装置。

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