JP2007532507A - 脳虚血ならびに脳および脊髄傷害の処置のためのサイクロスポリンの使用 - Google Patents

脳虚血ならびに脳および脊髄傷害の処置のためのサイクロスポリンの使用 Download PDF

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Abstract

非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリン、とりわけ[MeIle]−シクロスポリンは、例えば、脳虚血または外傷性脳もしくは脊髄傷害の予防または処置において、神経保護剤として有用である。

Description

本発明は、サイクロスポリンの新規使用、とりわけ非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリンの新しい医薬的使用に関する。(なお、本明細書ではcyclosporinをサイクロスポリン、Ciclosporinをシクロスポリンと各々音訳する。)
非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリン、ならびにAIDSおよびAIDS関連疾患の処置および予防におけるそれらの使用は、欧州特許第0484281B(EP’281)に記載されており、それには、サイクロスポリンクラスの化合物、それらの命名および作用機序の概要が含まれる。EP’281の開示、とりわけ上記に引用した概要および下記で引用する他の部分の記載は、参照により本明細書の教示中に包含される。
驚くことに、現在、シクロフィリンと結合するが、免疫抑制性ではないサイクロスポリンが、例えば、虚血性脳損傷、外傷性脳および脊髄傷害ならびに卒中において、神経保護剤として有用であることが発見された。
サイクロスポリンは、Quesniaux, Eur J Immunol, Vol. 17, pp. 1359−1365 (1987)に記載の競合的ELISA試験において、シクロスポリン(サイクロスポリンAとも称される)が結合するのと同様に、ヒト組換えシクロフィリンと少なくとも5分の1結合するならば、シクロフィリンと結合すると見なされる。この試験において、試験すべきサイクロスポリンを、コートされたBSA−シクロスポリンと共にシクロフィリンをインキュベーション中に添加し、そして競合物質なしの対照反応の50%阻害を与えるのに必要な濃度(IC50)を測定する。結果を、試験化合物のIC50と試験サイクロスポリンの代わりにシクロスポリンを用いる同様の試験でのIC50の比の10を底としたlog(log10)である結合率(BR)として表す。故に、1.0のBRは、前記試験化合物が、シクロスポリンより少なく10分の1シクロフィリンに結合することを示し、そして負の値は、シクロスポリンの結合より強い結合を示す。
神経保護剤として作用するサイクロスポリンは、0.7より低いBRを有し(log105=約0.7であるため)、好ましくは0に等しいかまたは0よりも小さい。
サイクロスポリンは、それが、混合リンパ球反応(MLR)においてシクロスポリンの活性の5%未満、好ましくは2%未満の活性を有するとき、非免疫抑制性であると見なされる。MLRは、T. Meo, Immunological Methods, Lefkovits and Peris, Eds., Academic Press, NY, pp. 227−239 (1979)に記載される。Balb/cマウス(メス、8−10週齢)由来の脾臓細胞(0.5×10)を、放射線処理(2000rad)またはマイトマイシンC処理したCBAマウス(メス、8−10週齢)由来の脾臓細胞0.5×10個と共に5日間共インキュベーションする。前記放射線処理した異種細胞は、Balb/c脾臓細胞の増殖応答を誘発させ、それはDNAへの標識前駆体の取り込みにより測定することができる。前記刺激細胞は、放射線処理(またはマイトマイシンC処理)されているため、それらは、Balb/c細胞の増殖に対して応答しないが、それらの抗原性は有している。MLRにおいて試験化合物について見出されたIC50を、並行実験においてシクロスポリンについて見出されたそれと比較する。
上記MLRにおいて非免疫抑制性として判断される化合物が、しばしば、IL−2レポーター遺伝子分析において不活性であることが発見され、そして故に、IL−2レポーター遺伝子分析を、本発明で使用するための非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリン化合物の選択のための、例えば第一スクリーニングとして用いることができる。
神経保護剤として、例えば、虚血または外傷性脳もしくは脊髄傷害中の、または卒中の結果としての神経細胞死のインヒビターとして作用する、前記非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリン化合物を、下記にて“活性化合物”と称する。
従って、前記活性化合物は、脳無酸素症、低酸素症および/または虚血の要素を含む全ての臨床症状、例えば灰白質および白質の虚血性損傷、卒中、再潅流障害、くも膜下出血、脳および脊髄傷害/外傷、頭蓋内圧亢進、多発梗塞性認知症または血管性痴呆の処置、ならびに脳無酸素症、低酸素症および/または虚血に関係する可能性のある全ての外科手術、例えば心臓バイパス術、脳外血管手術において有用である。
多くの活性化合物は、特に4位および/または5位でシクロスポリンの構造とは異なる構造を有することが発見されている。活性化合物の構造がシクロスポリンの構造とは異なり得る他の位置は、6位および7位である。
活性化合物の1つの群は、4位のMeLeu基が、異なるN−メチル化アミノ酸、例えば、γ−ヒドロキシ−MeLeu、MeIle、MeVal、MeThr、MeAla、MeTyrあるいはMeTyr(O−PO(OH))またはProにより置換されたサイクロスポリンである。MeIleおよびMeThrに加えて、アロ型MeaIleおよびMeaThrもまた使用可能である。アロ型において、β位での立体化学は、標準型およびアロ型が、ジアステレオ異性体の一対を構成するように、天然アミノ酸の立体配置と反対の立体配置を有する。
活性化合物のさらなる群は、5位のValが、N−アルキル−アミノ酸、好ましくはN−メチル−アミノ酸により置換されるものである。好ましくは、N−アルキル化されるアミノ酸は、ValまたはLeuである。好ましくは、[Val]のイミノ基の水素は、直鎖C1−6アルキル基、好ましくはメチル、エチルまたはn−プロピル、特にメチルにより置換される。後者の好ましい活性化合物の群は、すべて新規である。
それらに加えてまたはそれらとは別に、ある活性化合物は、1位、2位、3位および/または6位でシクロスポリンと異なり得る。
本発明において使用するための活性化合物の特定のクラスは、式(A):
Figure 2007532507
[式中、Bは、式(B):
Figure 2007532507
〔式中、
aは、2位のαAbu残基への結合を示し;
bは、4位の残基Cへの結合を示し;
Alkは、2−6個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖アルキレン、あるいは3−6個の炭素原子を含むシクロアルキレンを示し;そして
Rは、
カルボキシラジカルまたはアルキルオキシカルボニルラジカル;
ラジカル−NR
{ここで、RおよびRは、同じかまたは異なり、水素、アルキル、C2−4アルケニル、C3−6シクロアルキル、フェニル(所望によりハロゲン、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノまたはジアルキルアミノにより置換されていて良い。)またはベンジル、あるいは5個または6個の環原子および1−3個のヘテロ原子を含む飽和または不飽和ヘテロシクリルラジカルを示すか、または
およびRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、4−6個の環原子、および所望により窒素、酸素または硫黄から選択されるさらなるヘテロ原子を含み、所望によりアルキル、フェニルまたはベンジルにより置換されていて良い飽和または不飽和ヘテロ環を形成する。}
式:
Figure 2007532507
{式中、RおよびRは、上記に定義の通りであり;
は、水素またはアルキルラジカルを示し;そして
nは、2−4の整数である。}
で示されるラジカルを示し;そして
アルキルは、1−4個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖アルキルを示す。〕
で示されるアミノ酸残基であり;
Cは、MeLeuまたは4−ヒドロキシ−MeLeuである。]
で示されるシクロスポリン誘導体、およびその薬学的に許容される塩である。
シクロスポリン誘導体のこのクラスは、刊行された国際特許出願WO98/28328、WO98/28329およびWO98/28330にさらに記載されている。このクラスのとりわけ好ましい化合物は、
Bが、式(B’):
Figure 2007532507
のアミノ酸残基であり;そして
Cが、アミノ酸残基4−ヒドロキシ−MeLeuである、
式(A)の化合物である。
活性化合物のとりわけ好ましい群は、式(I):
Figure 2007532507
[式中、
Wは、MeBmt、ジヒドロ−MeBmtまたは8’−ヒドロキシ−MeBmtであり;
Xは、αAbu、Val、Thr、NvaまたはO−メチルスレオニン(MeOThr)であり;
Rは、Sarまたは(D)−MeAlaであり;
Yは、MeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeu、MeIle、MeVal、MeThr、MeAla、Me Tyr、MeTyr(O−PO(OH))、MeaIleあるいはMeaThrまたはProであり;
Zは、Val、Leu、N−Alk−ValまたはN−Alk−Leu(ここで、Alkは、Meまたは所望によりフェニル、または6員環を含むN、SまたはOヘテロアリール、または所望によりハロゲンにより置換されていて良いフェニルにより置換されていて良いビニルにより置換されたMeである。)であり;そして
Qは、MeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeuまたはMeAlaである。]
で示される化合物、およびその薬学的に許容される塩により構成される。
基W、X、Y、ZおよびQは、独立して、下記の好ましい意味を有する:
Wは、好ましくは、W’(ここで、W’は、MeBmtまたはジヒドロ−MeBmtである。)であり;
Xは、好ましくは、X’(ここで、X’は、αAbuまたはNvaである。)であり、より好ましくはX”(ここで、X”は、αAbuである。)であり;
Yは、好ましくは、Y’(ここで、Y’は、γ−ヒドロキシ−MeLeu、MeVal、MeThr、MeAlaまたはMeTyr(O−PO(OH))である。)であり;
Zは、好ましくは、Z’(ここで、Z’は、ValまたはMeValである。)であり;そして、
Qは、好ましくは、Q’(ここで、Q’は、MeLeuである。)である。
活性化合物の1つのとりわけ好ましい群は、
WがW’であり;
XがX’であり;
YがY’であり;
ZがZ’であり;そして
QがQ’である、
式(I)の化合物である。
式(I)のとりわけ好ましい活性化合物は、下記である:
a)[ジヒドロ−MeBmt]−[γ−ヒドロキシ−MeLeu]−シクロスポリン;
b)[MeVal]−シクロスポリン;
c)[MeIle]−シクロスポリン;
d)[MeThr]−シクロスポリン;
e)[γ−ヒドロキシ−MeLeu]−シクロスポリン;
f)[Nva]−[γ−ヒドロキシ−MeLeu]−シクロスポリン;
g)[γ−ヒドロキシ−MeLeu]−[γ−ヒドロキシ−MeLeu]−シクロスポリン;
h)[MeVal]−シクロスポリン;
i)[MeOThr]−[(D)MeAla]−[MeVal]−シクロスポリン;
j)[8’−ヒドロキシ−MeBmt]−シクロスポリン;
k)[MeAla]−シクロスポリン;
l)[DMeAla]−[MeTyr(OPO(OH))]−シクロスポリン;
m)[N−ベンジル−Val]−シクロスポリン;
n)[N−5−フルオロ−ベンジル−Val]−シクロスポリン;
o)[N−アリル−Val]−シクロスポリン;
p)[N−3−フェニル−アリル−Val]−シクロスポリン;または
q)[Pro]−シクロスポリン。
とりわけ好ましい活性化合物は、[MeIle]−シクロスポリンおよび[γ−ヒドロキシ−MeLeu]−シクロスポリンであり、最もとりわけ[MeIle]−シクロスポリンである。
式(I)の化合物に加えて、好ましい活性化合物には、例えば、r)[γ−ヒドロキシ−MeLeu]−シクロスポリンが含まれる。
前記活性化合物を、下記を含む方法により得ることができる:
1)発酵;
2)生体内変換;
3)誘導体化;
4)部分合成;および
5)全合成。
これらの方法は、一般的かつより具体的にEP’281の実施例1−10に記載されている。これらの実施例のこの概要および教示は、参照により本明細書中に包含される。EP’281の実施例11は、シクロスポリンと比較して代表的活性化合物の免疫抑制性およびシクロフィリン−結合性の活性測定を記載し、そしてこの実施例の教示もまた、本明細書の開示内に包含される。
従って、本発明は、虚血性脳損傷、外傷性脳もしくは脊髄傷害または卒中を処置または予防するための医薬の製造における、非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリンの使用を提供する。
本発明はさらに、虚血性脳損傷、外傷性脳もしくは脊髄傷害または卒中を、かかる疾患または状態に罹患しているかまたは危険のある患者において処置または予防するための方法であって、本発明の活性化合物の有効量を該患者に投与することを含む方法を提供する。
前記活性化合物は、何らかの常套経路により、とりわけ経腸的に、例えば飲用溶液、錠剤またはカプセルの形態で、例えば経口的に;または、例えば注射溶液または懸濁液の形態で非経腸的に投与され得る。静脈内注射経路により指示される日用量は、1−20mg/kg、好ましくは3−10mg/kgであり得、経口経路によっては、1−50mg/kg、好ましくは10−30mg/kgであり得る。
前記活性化合物の毒性は、シクロスポリンのそれより低いと考えられる。活性化合物は免疫抑制性ではないため、免疫抑制性に関係するシクロスポリンの特定の副作用が回避される。シクロスポリンと関係する他の副作用、特に長期使用における腎毒性および中枢神経系毒性は、都合良くは、シクロスポリンよりも低い。
活性化合物についての好ましいガレヌス製剤には、局所剤形、ならびに経口剤形を含む英国特許出願第2222770A号(GB’770)に記載のマイクロエマルジョンに基づくもの;また、英国特許出願第2209671A号に記載の脂肪酸サッカリドモノエステル、例えばサッカロースモノラウレートを含む固溶体から得られる経口剤形および注射剤形が含まれる。経口投与に適する単位剤形には、例えば、用量当たり25−200mgの活性化合物が含まれる。
EP’281の製剤例A、B、CおよびDは、参照により本明細書中に包含される:
これらの製剤の個々の成分、ならびにそれらの製造方法は、GB’770に十分に記載され、その内容は、参照により本明細書中に包含される。
神経保護剤としての活性化合物の有用性を、下記のインビボ試験またはインビトロ試験で証明することが可能である:例えば、
1.脊髄損傷モデル(インビボ)
成熟Lewisラットを、第8胸椎の位置で脊髄の背側半分を左右対称に横に切断する顕微鏡下手術を行う。椎弓切除術、麻酔および手術は、Schnell and Schwab, Eur J Neurosci, Vol. 5, pp. 1156−1171 (1993)に記載されている。前記活性化合物を、このモデルにおいて神経細胞死を減少するそれらの能力について試験することができる。
2.中大脳動脈(MCA)閉塞モデル(インビボ)
前記活性化合物を、ラットのMCA閉塞モデルにおける虚血誘発性神経損傷およびその後の症状を低下するそれらの能力について、例えば腹腔内、静脈内および経口で1−30mg/kgの用量にて試験する[Tamura et al., J Cereb Blood Flow Metabol, Vol. 1, pp. 53−60 (1981); and Sauter and Rudin, Stroke, Vol. 17, pp. 1228−1234 (1986)を参照のこと]。
3.単離された齧歯類脳由来ミトコンドリアにおけるミトコンドリア透過性転移の阻害および虚血性脳損傷のインビトロモデルにおける細胞死の予防は、例えばRytter et al., JCBF, Vol. 23, pp. 23−33に記載されている。このモデルにおいて、活性化合物、例えば[MeIle]−シクロスポリンおよび[γ−ヒドロキシ−MeLeu]−シクロスポリンは、エネルギー供給および無供給条件下でカルシウムにより誘導されるミトコンドリア膨張の、サイクロスポリンAの効果と同程度のインヒビターである。活性化合物は、酸素およびグルコース欠乏に12分暴露された器官型マウス海馬スライスにおける選択的CA1細胞死を改善する。
本発明の活性化合物を、単独で、または他の薬剤との組合せで、または連続的併用で提供することができる。例えば、本発明の活性化合物を、さらなる神経損傷および軸索再生阻害を阻止するための手段として、卒中または脊髄損傷後に、コルチコステロイドなどであるが、これらに限定されない抗炎症剤;NGFのような神経栄養因子;BDNF、または例えばExelon(商標)またはLevodopaのような神経変性疾患のための他の薬剤と、併用投与することができる。本明細書で用いる2個の薬剤は、2個の薬剤が同時に投与されるか、または前記薬剤が同時に作用し得るような方法で独立して投与されるとき、併用投与されると言われる。
コード番号、一般名または商品名で識別される活性成分の構造は、標準的概論“The Merck Index”の現行版またはデータベース、例えばPatents International、例えばIMS World Publicationにより示され得る。その対応する内容は、参照により本明細書に包含される。全ての当業者は、これらの参考文献を基に、活性成分を同定することが十分に可能であり、そして同様に、製造すること、およびインビトロおよびインビボの両方の標準的試験モデルにおける薬学的適用および特性を試験することが可能である。
上記の指示について、適当な用量は、もちろん、例えば、用いられる本発明の特定の分子、投与方法、ならびに処置される状態の性質および重症度に依存して変化する。

Claims (6)

  1. 虚血性脳損傷、外傷性脳もしくは脊髄傷害または卒中を処置または予防するための医薬の製造における、非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリンの使用。
  2. 虚血性脳損傷または外傷性脳もしくは脊髄傷害を、そのような疾患または状態に罹患しているか、または罹患する危険のある患者において処置または予防するための方法であって、有効量の非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリンを該患者に投与することを含む、方法。
  3. 非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリンが、式(A):
    Figure 2007532507
    [式中、Bは、式(B):
    Figure 2007532507
    〔式中、
    aは、2位のαAbu残基への結合を示し;
    bは、4位の残基Cへの結合を示し;
    Alkは、2−6個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖アルキレン、あるいは3−6個の炭素原子を含むシクロアルキレンを示し;そして
    Rは、
    カルボキシラジカルまたはアルキルオキシカルボニルラジカル;
    ラジカル−NR
    {ここで、RおよびRは、同じかまたは異なり、水素、アルキル、C2−4アルケニル、C3−6シクロアルキル、フェニル(所望によりハロゲン、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノまたはジアルキルアミノにより置換されていて良い。)またはベンジル、あるいは5個または6個の環原子および1−3個のヘテロ原子を含む飽和または不飽和ヘテロシクリルラジカルを示すか、または
    およびRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、4−6個の環原子、および所望により窒素、酸素または硫黄から選択されるさらなるヘテロ原子を含み、そして所望によりアルキル、フェニルまたはベンジルにより置換されていて良い飽和または不飽和ヘテロ環を形成する。}
    式:
    Figure 2007532507
    {式中、RおよびRは、上記に定義の通りであり;
    は、水素またはアルキルラジカルを示し;そして
    nは、2−4の整数である。}
    で示されるラジカルを示し;そして
    アルキルは、1−4個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖アルキルを示す。〕
    で示されるアミノ酸残基であり;
    Cは、MeLeuまたは4−ヒドロキシ−MeLeuである。]
    で示される化合物、およびその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の使用、または請求項2に記載の方法。
  4. 非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリンが、式(I):
    Figure 2007532507
    [式中、
    Wは、MeBmt、ジヒドロ−MeBmtまたは8’−ヒドロキシ−MeBmtであり;
    Xは、αAbu、Val、Thr、NvaまたはO−メチルスレオニン(MeOThr)であり;
    Rは、Sarまたは(D)−MeAlaであり;
    Yは、MeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeu、MeIle、MeVal、MeThr、MeAla、Me Tyr、MeTyr(O−PO(OH))、MeaIleあるいはMeaThrまたはProであり;
    Zは、Val、Leu、N−Alk−ValまたはN−Alk−Leu(ここで、Alkは、Meまたは所望によりフェニル、または6員環を含むN、SまたはOヘテロアリール、または所望によりハロゲンにより置換されていて良いフェニルにより置換されていて良いビニルにより置換されたMeである。)であり;そして
    Qは、MeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeuまたはMeAlaである。]
    で示される化合物である、請求項1に記載の使用、または請求項2に記載の方法。
  5. 非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリンが、下記の群:
    a)[ジヒドロ−MeBmt]−[γ−ヒドロキシ−MeLeu]−シクロスポリン;
    b)[MeVal]−シクロスポリン;
    c)[MeIle]−シクロスポリン;
    d)[MeThr]−シクロスポリン;
    e)[γ−ヒドロキシ−MeLeu]−シクロスポリン;
    f)[Nva]−[γ−ヒドロキシ−MeLeu]−シクロスポリン;
    g)[γ−ヒドロキシ−MeLeu]−[γ−ヒドロキシ−MeLeu]−シクロスポリン;
    h)[MeVal]−シクロスポリン;
    i)[MeOThr]−[(D)MeAla]−[MeVal]−シクロスポリン;
    j)[8’−ヒドロキシ−MeBmt]−シクロスポリン;
    k)[MeAla]−シクロスポリン;
    l)[DMeAla]−[MeTyr(OPO(OH))]−シクロスポリン;
    m)[N−ベンジル−Val]−シクロスポリン;
    n)[N−5−フルオロ−ベンジル−Val]−シクロスポリン;
    o)[N−アリル−Val]−シクロスポリン;
    p)[N−3−フェニル−アリル−Val]−シクロスポリン;
    q)[Pro]−シクロスポリン、または
    r)[γ−ヒドロキシ−MeLeu]−シクロスポリン
    から選択される化合物である、請求項1に記載の使用、または請求項2に記載の方法。
  6. 非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリンが、[MeIle]−シクロスポリンまたは[γ−ヒドロキシ−MeLeu]−シクロスポリンである、請求項1に記載の使用、または請求項2に記載の方法。
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