JP2007531687A

JP2007531687A - 高熱負荷にさらし得、且つ金属色で装飾されたガラスセラミック又はガラス素子

Info

Publication number: JP2007531687A
Application number: JP2007506746A
Authority: JP
Inventors: コトレア、ド、ヴィッツマン、モニカ; ヴェネマン、ディエットマー; ミラノフスカ、アンジェリーナ; ルール、エラ; ローテルバッハ、エバ; コズマス、ロアニス
Original assignee: Schott AG
Current assignee: Schott AG
Priority date: 2004-05-06
Filing date: 2005-05-03
Publication date: 2007-11-08
Also published as: DE502005007140D1; EP1743003B1; DE102004022258A1; WO2005108509A1; EP1743003A1; CN1950466A; US20080214379A1; US7611774B2; CN1950466B

Abstract

高熱負荷にさらし得るガラスセラミック又はガラス素子を、溶融珪酸塩をベースとし、極めて顕著な金属効果を生ずる効果顔料を含有する金属着色剤で装飾する。
高熱負荷にさらし得、且つ効果顔料が添加された溶融珪酸塩をベースとした金属着色剤で装飾されるガラスセラミック又はガラス素子であって、この金属着色剤が、金属酸化物を被覆した合成酸化アルミニウム（Ａｌ_２Ｏ_３）の小板である効果顔料が特定割合で添加された珪酸塩溶融物から成ることを特徴とするガラスセラミック又はガラス素子。

Description

本発明は高熱負荷にさらし得、且つ効果顔料が添加された溶融珪酸塩に基づく金属色で装飾されたガラスセラミック又はガラス素子に関する。

珪酸塩溶融物に基づくそのような着色剤は主として、溶融ガラスを基礎材料とするセラミック着色剤であり、高温で基体に焼付けられる。

いわゆる効果顔料、特殊金属効果又は真珠箔顔料を顔料として用いると、対応する金属色を作製できる。被覆マイカ小板に基づくそのような真珠箔顔料は例えば、IRIODIN（イリオディン）（登録商標、メルク社）の下に商業的に入手可能である。

上記金属色で装飾されたガラスセラミック又はガラス素子は特にガラスセラミック板、又は硼珪酸塩ガラス等の熱膨張係数の低い強化ガラスから成る板として作製され、一般的に調理部の調理面用、即ちこれ等板が高熱負荷にさらされる場合の用途に用いられる。又、例えば暖炉視認窓、家庭用オーブン視認窓又はこれ等材料で構成されるランプカバーは益々上記色で装飾されるようになっている。

近代的なキッチンの調理部における調理面は、特に面積が広いため目立ち易く、且つ著しく顧客に左右され、かつ国毎に異なる設計に決定的に影響を及ぼすため、極めて変化に富んだ装飾が多数の文献に記載されている。これ等装飾は、例えば社名ロゴや調理部マーキング等の簡単なパターンのものから、複雑な全面装飾にまで亘っている。設計以外に重要なことは、特に、擦り傷に対して防護、及び汚れ易さ、例えば指紋や摩擦により生ずる金属粒子並びに使用の結果生じるしみ等による汚れ易さを低減することである。そのような装飾、及びガラスセラミックに対するそれ等の用途は例えば、ＤＥ４４２６２３４Ｃ１（ＥＰ０６９３４６４Ｂ１）及びＤＥ３４３３８８０Ｃ２に記載されている。他の装飾調理面はＤＥ１９７２８８８１Ｃ１（ＤＥ２９７１１９１６Ｕ１）、ＤＥ１００１４３７３Ｃ２及びＤＥ２００１９２１０Ｕ１に開示されている。最後の２文献にはまた、金属効果真珠箔又は干渉顔料、即ち色彩での金属効果を生ずる顔料を含むゾル・ゲルベース着色剤が記載されている。そのような溶融ガラスベース着色剤、即ちそのような顔料を含有するセラミック金属着色剤は周知である。

或る種の市場部門では、また特に現代的キッチンにおけるアルミニウム及びスチール面への適合のため、金属効果を有する装飾ガラス／ガラスセラミック調理面が重要な位置を占めている。だが、これまで用いられている効果顔料は金属効果の強度、及び使用の結果生ずるしみの付き易さの低減の点で十分に満足すべきものではない。

従って、本発明の目的は、高熱負荷にさらされるガラスセラミック又はガラス素子を、溶融珪酸塩基材と、極めて顕著な金属効果を生ずる効果顔料を含有する金属着色剤で装飾することにある。

本発明によれば、溶融珪酸塩基材と、効果顔料を含有する金属着色剤で装飾されるガラスセラミック又はガラス素子に対してのこの目的は、金属酸化物で被覆した合成酸化アルミニウム（Ａｌ_２Ｏ_３）の小板の形態をなした効果顔料が特定割合で添加された珪酸塩溶融物から成る金属着色剤により達成される。

これ等効果顔料自体は知られているが、それ等を珪酸塩溶融物において用いることは自明ではなかった。これ等顔料はこの産業分野ではありふれたものではなく、又、製造者により与えられたそれ等の耐熱性は、珪酸塩溶融物をベースとするそのような着色剤での使用には十分ではないからである（２００２年１０月及び２００３年１月付け製造者の技術的データーシートによれば２３０℃まで安定とされている）。製造者メルク社により供給された製品情報によれば、これ等顔料は従って常に有機基材、例えば自動車製造ではプラスチック、印刷インク、及びラッカーに用いられている。この理由で、高熱負荷にさらされるガラスセラミック及びガラス素子の装飾にこれ等顔料を用い得ると云うことは直接には自明ではなかった。驚くべきことに、上記顔料を珪酸塩溶融物、特に溶融ガラスに、ガラスセラミック及び特殊ガラスの装飾のためそれ等が通常用いられる仕方で添加することにより、それ等の全く新規な適用分野を開発する程に耐熱性が増大されることを見出した。

更に、装飾されたガラスセラミック調理面には、調理器具を移動させることにより通常生ずる掻き傷が顕著な金属効果の色で覆われるので目立たなくなると云う利点が与えられる。

好適な効果顔料は、メルク社によりXIRALLIC（登録商標）の下に商業的に供給されている効果顔料である。これ等顔料は、他のどんな既知の効果顔料より強い金属効果を付与する。それ等は、より強い光沢とより濃い色の濃さを生ずる。粒径分布の狭い顔料の粒径は１０〜３０μｍ範囲にある。

望まれる色相に応じて、種々の顔料が利用できる、即ち、
ａ）コパー色に対して
Xirallic（登録商標） F60-50 SW
Fireside Copper
ｂ）ゴールド色に対して
Xirallic（登録商標） T60-20 SW
Sunbeam Gold
ｃ）シルバーホワイト色に対して
Xirallic（登録商標） T60-10 SW
Crystal Silver
ｄ）レッド色に対して
Xirallic（登録商標） F60-51 SW
Radian Red

他の適宜の顔料は請求の範囲従属請求項に示されている。

本発明の効果顔料での着色剤の基材は好ましくは、溶融ガラスである。

溶融ガラスは好ましくは、次の組成、即ち
Ｌｉ_２Ｏ０〜５
Ｎａ_２Ｏ０〜５
Ｋ_２Ｏ＜２
■（Ｌｉ_２Ｏ＋Ｎａ_２Ｏ＋Ｋ_２Ｏ）１〜１０
ＭｇＯ０〜３
ＣａＯ０〜４
ＳｒＯ０〜４
ＢａＯ０〜４
ＺｎＯ０〜４
Ｂ_２Ｏ_３１５〜２７
Ａｌ_２Ｏ_３１０〜２０
ＳｉＯ_２４３〜５８
ＴｉＯ_２０〜３
ＺｒＯ_２０〜４
Ｓｂ_２Ｏ_３０〜２
Ｆ０〜３
の組成を有する。

溶融ガラスのこの組成（以下、「ＧＦ１」と云う）は、ＤＥ１９７２１７３７Ｃ１に記載のものと同一であり、この文献の開示は、本願においてその文献番号で引用しておく。用途に応じて他の用い得るガラス組成はＤＥ１９８３４８０１Ｃ２、ＦＲ２７３２９６０、ＥＰ１１１９５２４Ｂ１、ＤＥ４２０１２８６Ａ１及びＥＰ０４６０８６３Ｂ１に記載されている。

本発明に従い溶融ガラスに添加される効果顔料以外に、通常の充填材及び／又は他の有色顔料、例えば着色物質（スピネル）も任意選択として添加しても良い。

装飾は好ましくは、特にガラス／ガラスセラミック調理面の場合、スクリーン印刷にて行う。この場合、製作技術に関する特別な困難性を克服しなければならなかった。特に、正確な粘性に対するペースト作製／調整及びスクリーン印刷用の顔料の粒径は、問題であった。この意味で、用いられた、有機溶媒に溶解されるべき効果顔料は、特に自動車用ラッカーの場合には、一般に吹付により塗布されるので、従来技術は何ら役立たなかった。

本発明による装飾の厚みは一般に、１．０〜６μｍの範囲にある。

１．溶融ＧＦ１ガラス（ＤＥ１９７２１７３７Ｃによる）＋効果顔料Xirallic（登録商標） T60-20 SW Sunbeam Gold高クロマ結晶光沢顔料２０％をスクリーン印刷媒体でペースト状にし、次いで次の登録商標を有する製品、即ち
ａ）CERAN HIGHTRANS（登録商標）調理面
ｂ）CERAN SUPREMA（登録商標）調理面
ｃ）ROBAX（登録商標）暖炉視認窓
ｄ）CERAN ARCTIC FIRE（登録商標）調理面
ｅ）CERADUR（登録商標）調理面
として知られたガラス／ガラスセラミック上に印刷したものは、基体の背景色に応じて常に種々の黄赤色相の濃い黄銅色を生じた、即ち
・ CERAN HIGHTRANS（登録商標）及びCERAN SUPREMA（登録商標）上で、黄赤色相の濃い黄銅色
・透明なガラスセラミック（例えばROBAX（登録商標））上で、視角に応じて黄銅色合いの透明な艶消し
・半透明（例えばARCTIC FIRE）及び不透明（例えばCERADUR）なガラスセラミック上で、視角に応じて黄銅色合いの「シルクホワイト」色の印象。
２．溶融ＧＦ１ガラス＋効果顔料Xirallic（登録商標） F60-51 SW Radiant Red高クロマ結晶光沢顔料２０％をスクリーン印刷媒体でペースト状にし、次いで第１の例と同じ基体上に印刷したものは、基体の背景色に応じて常に種々の色濃度の濃い金属銅色を生じた、即ち
・ CERAN HIGHTRANS（登録商標）及びCERAN SUPREMA（登録商標）上で、赤色相の濃い銅色
・透明なガラスセラミック（例えばROBAX（登録商標））上で、視角に応じて銅色合いの透明な艶消し
・半透明（例えばARCTIC FIRE）及び不透明（例えばCERADUR）なガラスセラミック上で、視角に応じて銅色合いの「シルクホワイト」色の印象。

Claims

高熱負荷にさらし得、且つ効果顔料が添加された溶融珪酸塩をベースとする金属着色剤で装飾されたガラスセラミック又はガラス素子であって、この金属着色剤が、金属酸化物を被覆した合成酸化アルミニウム（Ａｌ_２Ｏ_３）の小板である効果顔料が特定割合で添加された珪酸塩溶融物から成ることを特徴とするガラスセラミック又はガラス素子。
効果顔料がメルク社によりXIRALLIC（登録商標）高クロマ光沢顔料の下に商業的に供給されている効果顔料であることを特徴とする請求項１に記載のガラスセラミック又はガラス素子。
効果顔料がXirallic（登録商標） T60-10 SW Crystal Silverを有するＴｉＯ_２／Ａｌ_２Ｏ_３顔料であることを特徴とする請求項２に記載のガラスセラミック又はガラス素子。
効果顔料がXirallic（登録商標） F60-50 SW Fireside Copperを有するＦｅ_２Ｏ_３／Ａｌ_２Ｏ_３顔料であることを特徴とする請求項２に記載のガラスセラミック又はガラス素子。
効果顔料がXirallic（登録商標） T60-20 SW Sunbeam Goldを有するＴｉＯ_２／Ａｌ_２Ｏ_３干渉顔料であることを特徴とする請求項２に記載のガラスセラミック又はガラス素子。
効果顔料がXirallic（登録商標） F60-51 SW Radian Redを有するＦｅ_２Ｏ_３／Ａｌ_２Ｏ_３顔料であることを特徴とする請求項２に記載のガラスセラミック又はガラス素子。
効果顔料がXirallic（登録商標） T60-21 SW Solaris Redを有するＴｉＯ_２／Ａｌ_２Ｏ_３干渉顔料であることを特徴とする請求項２に記載のガラスセラミック又はガラス素子。
効果顔料がXirallic（登録商標） T60-23 SW Galaxy Blueを有するＴｉＯ_２／Ａｌ_２Ｏ_３干渉顔料であることを特徴とする請求項２に記載のガラスセラミック又はガラス素子。
効果顔料がXirallic（登録商標） T60-24 SW Stellar Greenを有するＴｉＯ_２／Ａｌ_２Ｏ_３干渉顔料であることを特徴とする請求項２に記載のガラスセラミック又はガラス素子。
溶融ガラスが次の組成、即ち
Ｌｉ_２Ｏ０〜５
Ｎａ_２Ｏ０〜５
Ｋ_２Ｏ＜２
■（Ｌｉ_２Ｏ＋Ｎａ_２Ｏ＋Ｋ_２Ｏ）１〜１０
ＭｇＯ０〜３
ＣａＯ０〜４
ＳｒＯ０〜４
ＢａＯ０〜４
ＺｎＯ０〜４
Ｂ_２Ｏ_３１５〜２７
Ａｌ_２Ｏ_３１０〜２０
ＳｉＯ_２４３〜５８
ＴｉＯ_２０〜３
ＺｒＯ_２０〜４
Ｓｂ_２Ｏ_３０〜２
Ｆ０〜３
の組成を有することを特徴とする請求項１〜９の何れか一つに記載のガラスセラミック又はガラス素子。
金属着色剤に通常の充填材又は他の通例の着色剤が添加されて成ることを特徴とする請求項１〜１０の何れか一つに記載のガラスセラミック又はガラス素子。
装飾がスクリーン印刷によりなされることを特徴とする請求項１〜１１の何れか一つに記載のガラスセラミック又はガラス素子。
その顔料含有率が１〜３０重量％の範囲にあることを特徴とする請求項１〜１２の何れか一つに記載のガラスセラミック又はガラス素子。
請求項１〜１３の何れか一つに記載の、且つ調理部の調理面を構成し、装飾がこの調理面の上側にあるガラスセラミック又はガラス素子。