JP2007530010A - 組換えigf発現系 - Google Patents
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Abstract
Description
MQIFVKTLTGK[X1]0-30LE[X2]LFQ[IGF]
[式中,X1は0−30アミノ酸のポリペプチド配列であり;X2はVまたはTであり;IGFはN末端IGF−Iである]
をコードする核酸配列を提供する。別の態様においては,本発明は,式中,X1がTITLEVまたはTITLEVESSDTIDNVKSKIQDKEGIPPDQQ,またはアミノ酸なし(すなわちゼロ)を表す,上述のポリペプチドをコードする核酸を提供する。
MQIFVKTLTGK[X1]0-30LE[X2]LFQ[IGF]
[式中,X1は0−30アミノ酸のポリペプチド配列であり;X2はVまたはTであり;IGFはN末端IGF−Iである]
をコードする蛋白質発現ベクターを提供する。別の態様においては,本発明は,式中,X1がTITLEVまたはTITLEVESSDTIDNVKSKIQDKEGIPPDQQ,またはアミノ酸なし(すなわちゼロ)を表す,上述のポリペプチドをコードする蛋白質発現ベクターを提供する。
MQIFVKTLTGK[X1]0-30LE[X2]LFQ[IGF]
[式中,X1は0−30アミノ酸のポリペプチド配列であり;X2はVまたはTであり;IGFはN末端IGF−Iである]
の蛋白質を提供する。別の態様においては,本発明は,式中,X1がTITLEVまたはTITLEVESSDTIDNVKSKIQDKEGIPPDQQ,またはアミノ酸なし(すなわちゼロ)を表す,上述の配列の蛋白質を提供する。
MQIFVKTLTGK[X1]0-30LE[X2]LFQ[IGF]
[式中,X1は0−30アミノ酸のポリペプチド配列であり;X2はVまたはTであり;IGFはN末端IGF−Iである]
の蛋白質を発現する組換え宿主細胞を提供する。別の態様においては,本発明は,式中,X1がTITLEVまたはTITLEVESSDTIDNVKSKIQDKEGIPPDQQ,またはアミノ酸なし(すなわちゼロ)を表す,上述の配列の蛋白質を提供する。1つの態様においては,宿主細胞は原核生物である。別の態様においては,宿主細胞は真核生物である。
MQIFVKTLTGK[X1]0-30LE[X2]LFQ[IGF]
[式中,X1は0−30アミノ酸のポリペプチド配列であり;X2はVまたはTであり;IGFはN末端IGF−Iである]
のポリペプチドを含むよう調製される。1つの観点においては,本発明の方法は,式中,X1がTITLEVまたはTITLEVESSDTIDNVKSKIQDKEGIPPDQQであるか,またはアミノ酸なし(すなわちゼロ)を表す,上述の配列の蛋白質を含む切断混合物を用いる。切断混合物はさらに還元剤,例えばジチオスレイトールを含み,溶液/液体の形でありうる。
図1は,ヒトIGFの核酸配列(配列番号13)およびアミノ酸配列(配列番号21)を提供する。
IGFを製造するためのDNAコンストラクトが提供される。本発明のコンストラクトは,ユビキチン由来ペプチド,3Cプロテアーゼ切断部位,およびN末端IGFを含む融合コンストラクトを用いる発現系の収率を劇的に改善することにより,IGFの産生を高める。
特に定義しない限り,本明細書において用いられるすべての技術的および科学的用語は,本発明の属する技術分野の当業者に一般に理解されているものと同じ意味を有する。同様に,本明細書において用いられる術語は特定の態様を記述するのみであり,本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
5’3Cプロテアーゼ切断部位を含むヒトIGF−1遺伝子(以下3C−IGF−1と称する)を3つの発現ベクター中にクローン化した。
ヒトIGF−1(Celtrix Pharmaceuticals,Inc.,Glen Allen,VA)(そのヌクレオチドおよびアミノ酸配列が図1に示される)を,3Cプロテアーゼ切断部位の6個のアミノ酸およびメチオニンをコードするオリゴヌクレオチドとともにベクターpET29aおよびpPopにクローニングした。この融合戦略は,IGF−1の可能な最も小さい融合パートナーを表し,これを用いて蛋白質の蓄積および分解を研究した。
プラスミドDNAは,Top10F’::pCR2.1/3C−IGF−1,MSD3363pPopおよびXL1−BlueMR::pET29aの5ml一晩培養物から,QIAGENプラスミドミニプレップキット(QIAGEN Inc.,Valencia,CA)を用いて製造元の指針にしたがって単離した。ベクターpPopおよびpET29aは,BamHIおよびNdeIで消化することにより,3C−IGFへのライゲーション用に用意した。同様に,3C−IGF遺伝子は,BamHIおよびNdeIで消化することによりpCR2.1/3C−IGF−1から直接切り出した。次に,3C−IGF−1遺伝子をT4DNAリガーゼを用いてリン酸化pPopおよびpET29aに17℃で一晩ライゲーションした。得られたコンストラクトであるpPop/3C−IGF−1およびpET29a/3C−IGF−1をE.coli XL1−BlueMR株(Stratagene,LaJolla,CA)に製造元の指針にしたがってトランスフォームした。トランスフォーマントは,pPop/3C−IGF−1についてはテトラサイクリン(10μg/ml),およびpET29a/3C−IGF−1についてはカナマイシン(50μg/ml)に対する耐性を用いて選択した。
プラスミドDNAは,QIAGENプラスミドミニプレップキット(QIAGEN Inc.,Valencia,CA)を用いて製造元の指針にしたがってTop10F’::pCR2.1/3C−IGF−1(LacZ)の5mlの一晩培養物から単離した。ベクターpUC19をEcoRIおよびSacIで消化することにより3C−IGF−1へのライゲーション用に用意した。同様に,3C−IGF−1遺伝子は,pCR2.1/3C−IGF−1(LacZ)からEcoRIおよびSacIで消化することにより直接切り出した。次に,3C−IGF−1遺伝子をT4DNAリガーゼを用いてリン酸化pUC19に17℃で一晩ライゲーションさせた。得られたコンストラクトpUC19/3C−IGF−1を,製造元の指針にしたがってE.coli XL1−Blue MR株(Stratagene)にトランスフォームした。トランスフォーマントはアンピリシン耐性(100μg/ml)を用いて選択した。
発現ベクターを有するそれぞれのXL1−BlueMR株から得た各1μlのpPop/3C−IGF−1およびpET29a/3C−IGF−1を,5つのE.coli DE3エレクトロポレーション可能宿主株,すなわちBL21,MSD68,MSD2252,UT5600およびMSD2254pLysSにエレクトロポレーションした。
最初に,実験室規模の振盪フラスコを用いて,pPop/3C−IGF−1をエレクトロポレーションしたそれぞれのE.coli宿主株から,3C−IGF−1が細胞内プロテアーゼにより分解されずに(分子のサイズが小さいため)発現されるか否かを調べた。
SOE−PCR手法(Warrens et al.,Gene 186:29−35(1997))を用いて,現存するユビキチンIGF−Iコンストラクト(pER10088;Celtrix Pharmaceuticals,Inc.,Glen Allen,VA)をpPOP発現ベクター中にクローン化し,同時にユビキチンとIGF遺伝子との間に3C切断配列を導入した。融合蛋白質のアミノ酸配列は図2に示される。
この実施例においては,エレクトロポレーションにより発現ベクターを有するE.coliストック株を作成した。
実験室スケールの撹拌フラスコを用いて,種々の宿主株における37℃での発現を調べた。
発現ベクターを含む宿主株を適当な抗生物質を含む5mlのLB培地に接種した。細胞は旋回インキュベータで良好な通気条件で37℃で一晩増殖させた。各0.5mlの一晩培養物を適当な抗生物質を含む50mlのLB培地に接種した。培養物を37℃でOD600が約0.4−0.6となるまでインキュベートした。この時点で培養物を1mMイソプロピル−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシド(IPTG)で2.5時間誘導した。
約2,500gで10分間の遠心分離により細胞ペレットを回収し,元の体積の1/4の10mM PBS(pH7.4)に再懸濁した。細胞懸濁液を,Heat Systems XL 2020超音波照射器で間に30秒間の冷却を挟み7x30秒間で超音波処理した。
上述のようにして構築した種々のUbi−3C−IGF−1融合物およびDsb−3C−IGF融合物(p10723;Celtrix Pharmaceuticals,Inc.,Glen len,VA)を,3つの異なる起源の3Cプロテアーゼで処理した。
1.ユビキチンのアミノ末端はIGF融合蛋白質の高レベル発現を与える
本発明において設計したコンストラクトは,E.coli株において高レベルの発現を与える,3Cプロテアーゼ切断部位を組み込んだ最小のIGF融合コンストラクトを見いだすことを意図したものである。図3に示されるように,Met−3C−IGFおよびLacZ−3C−IGFは発現の際に有意な程度には蓄積しなかったが,全ユビキチン−3C−IGFコンストラクトは大量に発現された。図4はまた,ユビキチン−IGF,ユビキチン−3C−IGF,およびTR41 Ubi−3C−IGFの相対的発現レベルを示す。さらに,トランケート型ユビキチン−3Cコンストラクトは,全長ユビキチン−3Cコンストラクトと同等にまたはそれより高く発現された。すなわち,E.coliにおけるヒトIGFの高レベル発現を与えるためには,N末端の11アミノ酸で十分である。
図3に示されるように,トランケート型ユビキチンコンストラクトはIGFのより高い収率を与えた。これは,(1)総融合蛋白質と比較してIGFの相対的パーセンテージが増加した,および(2)クローンは親のユビキチン−IGFコンストラクトより蛋白質発現の効率が高いためである。さらに,これらはもっぱら不溶性蛋白質として単離されるため,これらのコンストラクトは下流のプロセシングの量を減少させることによりIGFの収率を効率よく増加させる。当該技術分野においてよく知られているように,それぞれのプロセシング工程は,それに伴う損失ならびにプロセシングに伴う対応するコストを有している。蛋白質をもっぱら1つの形で局在させることにより,可溶性蛋白質を追加の沈殿工程により細胞抽出物から加工する必要性がなくなる。
図4は,全長ユビキチン−3C−IGFが比較的可溶性であり,蛋白質の約50%が可溶性細胞抽出物中に存在し,蛋白質の約50%が不溶性型として単離されたことを示す。反対に,図5は,TR41 Ubi−3C−IGFおよびTR11 Ubi−3C−IGFがもっぱら不溶性の形で単離されたことを示す。このことにより,蛋白質の特性が細胞抽出物中でもっぱら1つの形であるため,蛋白質の有利な単離が可能となる。3つのトランケート型蛋白質はすべて比較的不溶性であり,これらを可溶化するためには高濃度(>4M尿素)のカオトロピック剤を必要とする。特に,TR11 Ubi−3C−IGFおよびTR17 Ubi−3C−IGFはTR41 Ubi−3C−IGFよりも不溶性であり,これらはいずれも,蛋白質を実質的に可溶化するためには非常に高いレベル(>8M尿素)のカオトロピック剤を必要とする。
図6は,3つの異なる起源の3Cプロテアーゼ(上述の実施例3Cにおいて記載されるように)による,dsbA−3C−IGF,全長ユビキチン−3C−IGF,およびTR41 Ubi−3C−IGFの切断を示す。それぞれの場合において,IGF標準物質と同じ分子量に相当するバンドの比較により見られるように,IGFが遊離される。dsbA−3C−IGFおよびTR41 Ubi−3C−IGFの切断は本質的に定量的であるが,全長ユビキチン−3C−IGFはいくらかの未切断産物を有することに注意されたい。実験は,切断条件については最適化しなかった。すなわち,定量的切断がなかったことは,コンストラクトの質に負の影響を与えない。TR11 Ubi−3C−IGFおよびTR17 Ubi−3C−IGFの1回の実験においては,これらのコンストラクトは3Cプロテアーゼにより全く切断されなかった。しかし,本発明者らは,反応液中のカオトロピック剤の量が酵素を不活性化したと判定した。妨害するカオトロピック剤が基本溶液から十分に除かれていれば,これらのコンストラクトは3Cプロテアーゼにより切断されたであろうと考えられる。
Claims (16)
- 以下の配列:
MQIFVKTLTGK[X1]0-30LE[X2]LFQ[IGF]
[式中,X1は,0−30個のアミノ酸の配列を有するペプチドであり;X2はVまたはTであり;およびIGFはN末端IGF−1である]
を含むポリペプチドをコードする単離された核酸配列。 - X1が,(A)0個のアミノ酸,(B)配列TITLEVの6個のアミノ酸,および(C)配列TITLEVESSDTIDNVKSKIQDKEGIPPDQQ
の30個のアミノ酸からなる群より選択される,請求項1記載の核酸。 - 以下の蛋白質:
MQIFVKTLTGK[X1]0-30LE[X2]LFQ[IGF]
[式中,X1は,0−30個のアミノ酸を有するペプチドであり;X2はVまたはTであり;およびIGFはN末端IGF−1である]
をコードする蛋白質発現ベクターを含む蛋白質発現系。 - X1が,(A)0個のアミノ酸,(B)配列TITLEVの6個のアミノ酸,および(C)配列TITLEVESSDTIDNVKSKIQDKEGIPPDQQの30個のアミノ酸からなる群より選択される,請求項3記載の蛋白質発現系。
- 宿主細胞,および
以下のポリペプチド:
MQIFVKTLTGK[X1]0-30LE[X2]LFQ[IGF]
[式中,X1は,0−30個のアミノ酸のペプチド配列であり;X2はVまたはTであり;およびIGFはN末端IGF−1である]
をコードする蛋白質発現ベクター,
を含む蛋白質発現系。 - X1が,(A)0個のアミノ酸,(B)配列TITLEVの6個のアミノ酸,および(C)配列TITLEVESSDTIDNVKSKIQDKEGIPPDQQの30個のアミノ酸からなる群より選択される,請求項5記載の蛋白質発現系。
- 宿主細胞が原核生物である,請求項5記載の蛋白質発現系。
- 宿主細胞が真核生物である,請求項5記載の蛋白質発現系。
- N末端IGFを発現させる方法であって,
(A)宿主細胞を,以下のポリペプチド:
MQIFVKTLTGK[X1]0-30LE[X2]LFQ[IGF]
[式中,X1は,0−30個のアミノ酸を有するペプチドであり;X2はVまたはTであり;およびIGFはN末端IGF−1である]
をコードする発現ベクターでトランスフェクトし;
(B)前記宿主細胞を前記ポリペプチドの発現を可能とする条件下で培養し;そして
(C)ポリペプチドを単離する,
の各工程を含む方法。 - X1が,(A)0個のアミノ酸,(B)配列TITLEVの6個のアミノ酸,および(C)配列TITLEVESSDTIDNVKSKIQDKEGIPPDQQの30個のアミノ酸からなる群より選択される,請求項9記載の方法。
- 宿主細胞が原核生物である,請求項9記載の方法。
- 宿主細胞が真核生物である,請求項9記載の方法。
- 組換えN末端IGFを製造する方法であって,
(A)(1)約1M−約3Mのカオトロピック剤,ここで,前記カオトロピック剤は尿素またはグアニジン塩酸塩であり;
(2)3Cプロテアーゼ;および
(3)以下の配列:
MQIFVKTLTGK[X1]0-30LE[X2]LFQ[IGF]
[式中,X1は,0−30個のアミノ酸を有するペプチドであり;X2はVまたはTであり;およびIGFはN末端IGF−1である]
を含むポリペプチド,
の切断混合物を調製し;
(B)切断混合物を約4℃−約37℃の温度でプロテアーゼがポリペプチドを切断するのに十分な時間インキュベートし;そして
(C)N末端IGFを単離する,
の各工程を含む方法。 - X1が,(A)0個のアミノ酸,(B)配列TITLEVの6個のアミノ酸,および(C)配列TITLEVESSDTIDNVKSKIQDKEGIPPDQQの30個のアミノ酸からなる群より選択される,請求項13記載の方法。
- 以下のポリペプチド配列:
MQIFVKTLTGK[X1]0-30LE[X2]LFQ[IGF]
[式中,X1は,0−30個のアミノ酸のペプチド配列であり;X2はVまたはTであり;およびIGFはN末端IGF−1である]
を含むポリペプチド。 - X1が,(A)0個のアミノ酸;(B)配列"TITLEV"の6個のアミノ酸;および(C)配列"TITLEVESSDTIDNVKSKIQDKEGIPPDQQ"の30個のアミノ酸からなる群より選択される,請求項15記載のポリペプチド。
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