JP2007527941A - シリコーン含有混合ポリマーの製造方法 - Google Patents

シリコーン含有混合ポリマーの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明の対象は、エチレン系不飽和オルガノモノマー及びシリコーンマクロマーからなるシリコーン含有混合ポリマーを、それらの水性ポリマー分散液又は水中に再分散可能なポリマー粉末の形で、水性媒体中でのラジカルにより開始される重合及び場合によりそれによって得ることができるポリマー分散液の乾燥を用いて製造する方法であって、重合が水溶性開始剤及び油溶性開始剤の存在で実施されることによって特徴付けられている。

Description

本発明は、エチレン系不飽和オルガノモノマー及びシリコーンマクロマーからなるシリコーン含有混合ポリマーを、それらの水性ポリマー分散液又は水中に再分散可能なポリマー粉末の形で製造する方法に関する。
技術水準からは、シリコーンで変性されたコポリマーのポリマー分散液の多様な製造方法が公知である。欧州特許出願公開(EP-A)第1308468号明細書においては、そのようなコポリマーは、全シリコーン含分及びモノマーの部分量が水性乳濁液中に装入され、かつ水溶性開始剤の存在で重合されることによる方法を用いて製造される。欧州特許出願公開第(EP-A)第352339号明細書には、溶剤中にシリコーン含分を装入した溶液重合法及びモノマー及び油溶性開始剤からなる混合物の連続的な計量供給が記載される。欧州特許出願公開(EP-A)第771826号明細書からは、架橋したシリコーン−コポリマーラテックスの製造方法が公知であり、その際にまず最初に水、モノマー、乳化剤及び水溶性開始剤が装入され、反応が開始され、別のモノマーがゆっくりと計量供給され、かつ最終的に短鎖でありかつポリ不飽和である架橋性シリコーンが残りのモノマーと一緒に添加される。
欧州特許出願公開(EP-A)第614924号明細書においては、乳化重合において短鎖シリコーンマクロマーのみが使用される、それというのも、より長鎖のシリコーンマクロマーは理に従わずに有機モノマーと重合するからである。米国特許(US-A)第6602949号明細書にはシリコーン−オルガノポリマー−グラフトポリマーの製造が記載されており、その際にデンドリマー構造を有する分枝鎖状の短鎖シリコーンはエチレン系不飽和基、エチレン系不飽和モノマー及びラジカル重合性乳化剤と、油溶性開始剤の存在で反応される。短鎖シリコーンマクロマーのデンドリマー構造により、有機モノマーとの共重合が改善される。比較例において、長鎖シリコーンマクロマー(デンドリマー構造を有しない)が有機モノマーと単に最大75%まで重合されたに過ぎず、かつ大量の未反応のシリコーンマクロマーが残っていることが示されている。欧州特許出願公開(EP-A)第810243号明細書及び特開平(JP-A)05-009248号公報においては、シリコーンマクロマーは有機モノマーと乳濁液中で重合され、その際に専ら油溶性開始剤を用いて操作される。油溶性開始剤を用いて開始した方法の場合に不利であるのは、極めて激しく相分離する傾向にあるそれらから生じる分散液の不十分な安定性である。
米国特許(US-A)第5618879号明細書からは、アニオン性乳化剤を用いて水中に乳化されており、シリコーンマクロマー及びモノマーからなる混合物の共重合が記載されており、その際に前記重合は水溶性開始剤を用いて開始される。特開平(JP-A)05-140255号公報においては、シリコーンマクロマーはオルガノモノマー中に溶解されており、アニオン性乳化剤を用いて水中に乳化され、かつ水溶性開始剤を用いて重合は開始される。この場合にも不利であるのは、シリコーンマクロマーの、20%超の、かなりの含分が共重合されないことである。
技術水準から公知の方法は、乳濁液中でのシリコーンマクロマーと有機モノマーとの共重合が常に不十分にのみ行われることが共通している。このことは、遊離シリコーンが分散液中に残留し、相応して不利な結果を伴うことになる:前記シリコーンはコーティング又はフィルムから移行する。前記分散液は凝固しうる。粒度分布は不均質である。そのうえ、相分離する傾向により、貯蔵安定性は負の影響を受ける。
故に、本発明の課題は、高いシリコーン含量を有する混合ポリマーの分散液及び再分散粉末を、シリコーンマクロマーと有機モノマーとの乳化重合により製造することであって、その場合にシリコーンマクロマーの結合は、これまでの技術水準に比較して明らかにより効果的に行われるべきである。
本発明の対象は、エチレン系不飽和オルガノモノマー及びシリコーンマクロマーからなるシリコーン含有混合ポリマーを、それらの水性ポリマー分散液又は水中に再分散可能なポリマー粉末の形で、水性媒体中でのラジカルにより開始される重合及び場合によりそれによって得ることができるポリマー分散液の乾燥を用いて製造する方法であって、前記重合が水溶性開始剤及び油溶性開始剤の存在で実施されることにより特徴付けられる。
重合の際に、エチレン系不飽和オルガノモノマーとして、炭素原子1〜15個を有する非分枝鎖状又は分枝鎖状のアルキルカルボン酸のビニルエステル、炭素原子1〜15個を有するアルコールのメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステル、ビニル芳香族化合物、オレフィン、ジエン及びハロゲン化ビニルを含む群からの1つ又はそれ以上のモノマーが使用される。その都度混合ポリマーの全質量に対して、一般的に、エチレン系不飽和オルガノモノマー5〜95質量%、好ましくは50〜95質量%が使用される。
適しているビニルエステルは、炭素原子1〜15個を有する非分枝鎖状又は分枝鎖状のカルボン酸のビニルエステルである。好ましいビニルエステルは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルブチラート、ビニル−2−エチルヘキサノエート、ビニルラウレート、1−メチルビニルアセテート、ビニルピバレート及び炭素原子5〜13個を有するα−分枝鎖状モノカルボン酸のビニルエステル、例えばVeoVa9R又はVeoVa10R(Resolution Performance Products社の商標名)である。酢酸ビニルが特に好ましい。
アクリル酸又はメタクリル酸のエステルの群からの適しているモノマーは、炭素原子1〜15個を有する非分枝鎖状又は分枝鎖状のアルコールのエステルである。好ましいメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルは、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、n−、イソ−及びt−ブチルアクリレート、n−、イソ−及びt−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノルボルニルアクリレートである。メチルアクリレート、メチルメタクリレート、n−、イソ−及びt−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート及びノルボルニルアクリレートが特に好ましい。
適しているジエンは1,3−ブタジエン及びイソプレンである。共重合性オレフィンの例は、エテン及びプロペンである。ビニル芳香族化合物として、スチレン及びビニルトルエンが共重合されることができる。ハロゲン化ビニルの群からは通常、塩化ビニル、塩化ビニリデン又はフッ化ビニル、好ましくは塩化ビニルが使用される。
場合により、エチレン系不飽和オルガノモノマーの全質量に対して、さらに0.05〜30質量%の補助モノマー(Hilfsmonomere)が共重合されることができる。補助モノマーの例は、エチレン系不飽和のモノカルボン酸及びジカルボン酸又はそれらの塩、好ましくはクロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸及びマレイン酸;エチレン系不飽和のカルボン酸アミド及びカルボン酸ニトリル、好ましくはアクリルアミド及びアクリロニトリル;フマル酸及びマレイン酸のモノエステル及びジエステル、例えばジエチルエステル及びジイソプロピルエステル並びに無水マレイン酸、エチレン系不飽和スルホン酸もしくはそれらの塩、好ましくはビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸である。補助モノマーとして、カチオン性モノマー、例えばジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、3−トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド(MAPTAC)及び2−トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリドも適している。さらに補助モノマーとして、ビニルエーテル、ビニルケトン、ヘテロ原子も有していてよい別のビニル芳香族化合物が適している。
適している補助モノマーはまた、重合性のシランもしくはメルカプトシランである。γ−アクリル−もしくはγ−メタクリルオキシプロピルトリ(アルコキシ)シラン、α−メタクリルオキシメチルトリ(アルコキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピル−メチルジ(アルコキシ)シラン、ビニルアルキルジ(アルコキシ)シラン及びビニルトリ(アルコキシ)シランが好ましく、その場合にアルコキシ基として例えばメトキシ基、エトキシ基、メトキシエチレン基、エトキシエチレン基、メトキシプロピレングリコールエーテル基又はエトキシプロピレングリコールエーテル基が使用されることができる。これらの例は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリス−(1−メトキシ)−イソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリルオキシメチルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルトリス−(2−メトキシエトキシ)シラン、トリスアセトキシビニルシラン、3−(トリエトキシシリル)−プロピル無水コハク酸シランである。3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン及び3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランも好ましい。
さらなる例は、官能化された(メタ)アクリレート及び官能化されたアリルエーテル及びビニルエーテル、特にエポキシ官能性の、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシドエーテル、ビニルグリシドエーテル、又はヒドロキシアルキル官能性の、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、又は置換もしくは非置換のアミノアルキル(メタ)アクリレート又は環式モノマー、例えばN−ビニルピロリドン;又はN−ビニルホルムアミドである。
適している補助モノマーのさらなる例は、前架橋性コモノマー、例えばエチレン系ポリ不飽和コモノマー、例えばジビニルアジペート、ジビニルベンゼン、ジアリルマレエート、アリルメタクリレート、ブタンジオールジアクリレート又はトリアリルシアヌレート、又は後架橋性コモノマー、例えばアクリルアミドグリコール酸(AGA)、メチルアクリルアミドグリコール酸メチルエステル(MAGME)、N−メチロールアクリルアミド(NMA)、N−メチロールメタクリルアミド、N−メチロールアリルカルバメート、アルキルエーテル、例えばイソブトキシエーテル又はN−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド及びN−メチロールアリルカルバメートのエステルである。
適しているシリコーンマクロマーは、少なくとも10個のシロキサン繰返し単位を有しかつ少なくとも1つのラジカル重合性官能基を有する線状、分枝鎖状及び環状のシリコーン(ポリシロキサン)である。好ましくは、この連鎖長は10〜1000個のシロキサン繰返し単位である。エチレン系不飽和基、例えばアルケニル基は、重合性官能基として好ましい。混合ポリマー中のシリコーン含分はその都度混合ポリマーの全質量に対して、好ましくは5〜50質量%、特に好ましくは20〜50質量%である。
好ましいシリコーンマクロマーは、一般式R1 a3-aSiO(SiR2O)nSiR3-a1 aを有するシリコーンであり、ここでRは、同じか又は異なり、かつその都度炭素原子1〜18個を有する一価の、場合により置換されている、アルキル基又はアルコキシ基を表し、R1は重合性基を表し、aは0又は1であり、かつn=10〜1000である。
一般式R1 a3-aSiO(SiR2O)nSiR3-a1 aにおいて、基Rの例は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、1−n−ブチル基、2−n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、例えばn−ヘキシル基、ヘプチル基、例えばn−ヘプチル基、オクチル基、例えばn−オクチル基及びイソオクチル基、例えば2,2,4−トリメチルペンチル基、ノニル基、例えばn−ノニル基、デシル基、例えばn−デシル基、ドデシル基、例えばn−ドデシル基、及びオクタデシル基、例えばn−オクタデシル基、シクロアルキル基、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びメチルシクロヘキシル基である。好ましくは、基Rは炭素原子1〜6個を有する一価の炭化水素基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、アミル基及びヘキシル基であり、その場合にメチル基が特に好ましい。
好ましいアルコキシ基Rは、炭素原子1〜6個を有するそのようなもの、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びn−ブトキシ基であり、これらは場合によりさらにオキシアルキレン基、例えばオキシエチレン基又はオキシメチレン基で置換されていてよい。メトキシ基及びエトキシ基が特に好ましい。前記のアルキル基及びアルコキシ基Rは場合により、例えばハロゲン、メルカプト基、エポキシ官能基、カルボキシ基、ケト基、エナミン基、アミノ基、アミノエチルアミノ基、イソシアナト基、アリールオキシ基、アルコキシシリル基及びヒドロキシ基で置換されていてもよい。
適している重合性基R1は、炭素原子2〜8個を有するアルケニル基である。そのような重合性基の例は、ビニル基、アリル基、ブテニル基、並びにアクリルオキシアルキル基及びメタクリルオキシアルキル基であり、その場合にアルキル基は炭素原子1〜4個を有する。ビニル基、3−メタクリルオキシプロピル基、アクリルオキシメチル基及び3−アクリルオキシプロピル基が好ましい。
α,ω−ジビニル−ポリジメチルシロキサン、α,ω−ジ−(3−アクリルオキシプロピル)−ポリジメチルシロキサン、α,ω−ジ−(3−メタクリルオキシプロピル)−ポリジメチルシロキサンが好ましい。不飽和基で単にモノ置換されているシリコーンの場合にα−モノビニル−ポリジメチルシロキサン、α−モノ−(3−アクリルオキシプロピル)−ポリジメチルシロキサン、α−モノ−(アクリルオキシメチル)−ポリジメチルシロキサン、α−モノ−(3−メタクリルオキシプロピル)−ポリジメチルシロキサンが好ましい。単官能性ポリジメチルシロキサンの場合に、他方の連鎖末端上にアルキル基又はアルコキシ基、例えばメチル基又はブチル基が存在する。
線状又は分枝鎖状のジビニル−ポリジメチルシロキサンと線状又は分枝鎖状のモノビニル−ポリジメチルシロキサン及び/又は官能化されていないポリジメチルシロキサン(後者は重合性基を有しない)との混合物も好ましい。ビニル基は、連鎖末端上に存在する。そのような混合物の例は、Wacker-Chemie GmbHの溶剤不含のDehesive(登録商標)-6-シリーズ(分枝鎖状)又はDehesive(登録商標)-9-シリーズ(非分枝鎖状)のシリコーンである。二元又は三元の混合物の場合に、その都度シリコーンマクロマーの全質量に対して、非官能性ポリジアルキルシロキサンの含分は15質量%まで、好ましくは5質量%までであり;単官能性ポリジアルキルシロキサンの含分は50質量%までであり;かつ二官能性ポリジアルキルシロキサンの含分は少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも60質量%である。
シリコーンマクロマーとしてα,ω−ジビニル−ポリジメチルシロキサンが最も好ましい。
混合ポリマーは、水性媒体中のラジカル重合、好ましくは乳化重合を用いて製造される。重合は、通常20℃〜100℃の温度区間で、特に40℃〜80℃で実施される。開始は、シリコーンマクロマー及びオルガノモノマーからなる全質量に対して、好ましくは0.01〜5.0質量%の量で使用されるラジカル形成剤(開始剤)を用いて行われる。水溶性開始剤及び油溶性開始剤は、混合物として又は互いに別個に添加されることができ、かつ10:1〜1:10、好ましくは1:1〜1:5の水溶性開始剤対油溶性開始剤の質量比で使用される。
開始剤として、一方では、標準状態下の水への溶解度が10質量%超(>10質量%)である水溶性開始剤が使用される。例えば水溶性無機過酸化物、例えばペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム又は過酸化水素が単独で又は還元剤、例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシラート又はアスコルビン酸との組合せで。水溶性有機過酸化物、例えばt−ブチルヒドロペルオキシド(TBHP)、クメンヒドロペルオキシドも、通常、還元剤との組合せで、又はしかしまた水溶性アゾ化合物も使用されることができる。
油溶性開始剤として、標準状態下の水への溶解度が1質量%未満(<1質量%)であるそのようなものを呼ぶ。油溶性開始剤の群の代表例として、開始剤、例えばt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート(TBPEH)、t−ブチルペルオキシピバレート(PPV)、t−ブチルペルオキシネオデカノエート(TBPND)、過酸化ジベンゾイル、t−アミルペルオキシピバレート(TAPPI)、ジ−(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート(EHPC)、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン及びジ−(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネートが使用される。適している油溶性開始剤はまた、アゾ開始剤、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)である。
ガス状モノマー、例えばエチレン及び塩化ビニルとの共重合の場合に、加圧下に、一般的に1〜100bar(絶対)で操作される。
分散液の安定化のためには、アニオン性及び非イオン性の乳化剤並びに保護コロイドが使用されることができ、その場合にこれらは重合性基も有していてよい。好ましくは、非イオン性又はアニオン性の乳化剤、特に好ましくは非イオン性乳化剤及びアニオン性乳化剤からなる混合物が使用される。非イオン性乳化剤として、好ましくはエチレンオキシド又はプロピレンオキシドと炭素原子8〜18個を有する線状又は分枝鎖状のアルコール、アルキルフェノール又は炭素原子8〜18個を有する線状又は分枝鎖状のカルボン酸との縮合生成物が使用され、並びにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマーが使用される。適しているアニオン性乳化剤は、例えばアルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリール硫酸塩、並びにEO単位3〜60個を有するエチレンオキシドと線状又は分枝鎖状のアルキルアルコールとの縮合生成物の硫酸塩又はリン酸塩、アルキルフェノール、及びスルホコハク酸のモノエステル又はジエステルである。乳化剤量は、使用されるオルガノモノマー及びシリコーンマクロマーの全質量に対して0.1〜30質量%である。
場合によりさらに保護コロイドが使用されることができる。適している保護コロイドの例は、ビニルアルコール単位75〜95mol%、好ましくは84〜92mol%の含量を有するポリビニルアルコール;ポリ−N−ビニルアミド、例えばポリビニルピロリドン;多糖類、例えばデンプン、並びにセルロース及びそれらのカルボキシメチル誘導体、メチル誘導体、ヒドロキシエチル誘導体、ヒドロキシプロピル誘導体;合成ポリマー、例えばポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミドである。さらに、ポリグリコールエーテル、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はエチレンオキシド基及びプロピレンオキシド基を有する混合ポリアルキレンオキシドも使用されることができる。挙げられたポリビニルアルコールの使用が特に好ましい。少なくとも1個の、しかし多くとも2個の重合性基、例えばビニル基又はアリル基を有するポリアルキレンオキシドの使用も好ましい。保護コロイドは一般的に、使用されるオルガノモノマー及びシリコーンマクロマーの全質量に対して0.1〜30質量%の量で使用される。
場合により、分子量の制御のためには常用の調節剤、例えばアルコール、例えばイソプロパノール、アルデヒド、例えばアセトアルデヒド、塩素含有化合物、メルカプタン、例えばn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、メルカプトプロピオン酸(エステル)が使用されることができる。pH値の調節のためには、分散液の製造の際にpHを調節する化合物、例えば酢酸ナトリウム又はギ酸が使用されることができる。
前記重合は、重合方法とは独立して、シードラテックスを使用して又は使用せずに、反応混合物の全ての成分又は個々の成分を装入して、又は反応混合物の成分又は個々の成分を部分的に装入しかつ後計量供給して、又は装入せずに計量供給法により、実施されることができる。前記のシリコーンマクロマー及びオルガノモノマーは、分散液の製造のために全て装入されることができるか(バッチ−プロセス)、又は前記のシリコーンマクロマー及びオルガノモノマーの一部が装入され、かつ残余が計量供給される(セミバッチ−プロセス)。水溶性開始剤及び油溶性開始剤の含分は、混合物として又は別個に添加されることができる。
好ましい一実施態様において、シリコーンマクロマー全含分及びエチレン系不飽和オルガノモノマーの一部が装入され、かつ重合は油溶性開始剤の存在で開始され、引き続いてエチレン系不飽和オルガノモノマーの残余含分及び水溶性開始剤が添加される。この装入物中のエチレン系不飽和オルガノモノマー含分は、好ましくは0〜60質量%、特に好ましくは5〜50質量%である。好ましくは油溶性開始剤は同様に完全に装入される。前記装入物は好ましくは10〜100%、特に好ましくは30〜80%の転化率まで重合され、その後に残りのモノマーが計量供給され、同様に計量供給される水溶性開始剤を用いて重合される。
乳化剤及び保護コロイドは、分散液の製造のために装入されることができるか、又は計量供給されることができるか、又は一部が装入され、かつ残余が計量供給される。その場合に、表面活性物質は単独でも又は前乳濁液としてコモノマーと共に計量供給されることができる。
ガス状モノマー、例えばエチレンの共重合の場合に、所望の量は特定の圧力の調節により導入される。ガス状モノマーが導入される圧力は、初めに特定の値に調節されることができ、かつ重合の間に分解するか、又は圧力は全重合の間、一定にされる。最後の実施態様が好ましい。
重合の終了後に、残存モノマー除去のために公知方法の適用において、例えばレドックス触媒を用いて開始される後重合により、後重合されることができる。揮発性の残存モノマー及び分散液の別の揮発性の非水性成分はまた蒸留を用いて、好ましくは減圧下で、及び場合により不活性な連行ガス、例えば空気、窒素又は水蒸気の導通又は移行下に除去されることができる。
本発明による方法を用いて得ることができる水性分散液は20〜70質量%、好ましくは25〜65質量%の固体含量を有する。固体含量の調節は、乳化重合が終わった後で、その後の水の添加によっても行われることができる。水中に再分散可能なポリマー粉末の製造のためには、水性分散液は、場合によりノズル噴霧助剤として保護コロイドの添加後に、例えば流動層乾燥、凍結乾燥又は噴霧乾燥を用いて、乾燥される。好ましくは分散液は噴霧乾燥される。噴霧乾燥はその場合に常用の噴霧乾燥設備中で行われ、その場合に噴霧は一流体ノズル、二流体ノズル又は多流体ノズルを用いて又は回転円板を用いて行われることができる。出口温度は、一般的に45℃〜120℃、好ましくは60℃〜90℃の範囲内で、設備、樹脂のTg及び所望の乾燥度に応じて選択される。
通例、ノズル噴霧助剤は、分散液のポリマー成分に対して、3〜30質量%の全量で使用される。適しているノズル噴霧助剤は、既に挙げられた保護コロイドである。ノズル噴霧の場合に、しばしば、原ポリマーに対して消泡剤1.5質量%までの含量が好都合であることが判明している。ブロッキング安定性の改善のためには、得られた粉末は、ブロッキング防止剤(Antibackmittel)を、ポリマー成分の全質量に対して、好ましくは30質量%まで装備されることができる。ブロッキング防止剤の例は、炭酸Caもしくは炭酸Mg、タルク、セッコウ、ケイ酸、カオリン、ケイ酸塩である。
本発明による手順を用いて、有機含分へのシリコーン含分の完全な又はほぼ完全な結合に傑出しているシリコーン含有混合ポリマーが得られることができる。乾燥された分散フィルムからは、遊離シリコーンマクロマーの抽出はもはや不可能であるか又はごく最小限に過ぎない。それゆえに得られた分散液は多数の利点を有する:有利な粒度分布、貯蔵安定性、相分離なし、シリコーンのしみ出しなし、斑点形成なし及び卓越した塗膜形成。高い凝集及び一部は−重合法に応じて−高弾性な機械的挙動を有するにじみのないフィルムが得られる。
混合ポリマーの次に挙げられた組成物が好ましい:
酢酸ビニルとシリコーンマクロマーとのポリマー;
酢酸ビニルと別のビニルエステル、例えばビニルラウレート、ビニルピバレート、ビニル−2−エチルヘキサン酸エステル、α−分枝鎖状カルボン酸のビニルエステル、特にベルサチック酸(Versaticsaeure)ビニルエステル(VeoVa9R、VeoVa10R)及びシリコーンマクロマーとのビニルエステル−コポリマー;
場合によりさらに別のビニルエステル、例えばビニルラウレート、ビニルピバレート、ビニル−2−エチルヘキサン酸エステル、α−分枝鎖状カルボン酸のビニルエステル、特にベルサチック酸ビニルエステル(VeoVa9R、VeoVa10R)、又はフマル酸ジエステル又はマレイン酸ジエステルを有し、シリコーンマクロマーとの、ビニルエステル−エチレン−コポリマー、例えば酢酸ビニル−エチレン−コポリマー;
ビニルエステルとして好ましくは酢酸ビニル及び/又はプロピオン酸ビニル及び/又は1つ又はそれ以上の共重合性ビニルエステル、例えばビニルラウレート、ビニルピバレート、ビニル−2−エチルヘキサン酸エステル、α−分枝鎖状カルボン酸のビニルエステル、特にベルサチック酸ビニルエステル(VeoVa9R、VeoVa10R)が含まれており、シリコーンマクロマーとの、ビニルエステル−エチレン−塩化ビニル−コポリマー;
場合によりさらにエチレンを有し、酢酸ビニル及び/又はビニルラウレート及び/又はベルサチック酸ビニルエステル及びアクリル酸エステル、特にブチルアクリレート又は2−エチルヘキシルアクリレートと、シリコーンマクロマーとのビニルエステル−アクリル酸エステル−コポリマー;
n−ブチルアクリレート及び/又は2−エチルヘキシルアクリレートとの、シリコーンマクロマーとのアクリル酸エステル−コポリマー;
ブチルアクリレート及び/又は2−エチルヘキシルアクリレート、及び/又は1,3−ブタジエンと、シリコーンマクロマーとのメチルメタクリレート−コポリマー;
例えばスチレン−ブチルアクリレート、スチレン−メチルメタクリレート−ブチルアクリレート又はスチレン−2−エチルヘキシルアクリレートと、シリコーンマクロマーとの、スチレン−1,3−ブタジエン−コポリマー及びスチレン−(メタ)アクリル酸エステル−コポリマー、その場合にブチルアクリレートとしてn−、イソ−、t−ブチルアクリレートが使用されることができる。
ビニルエステル−シリコーンマクロマー−コポリマー、特に酢酸ビニル−シリコーンマクロマー−コポリマー;並びに酢酸ビニル及びエチレンとシリコーンマクロマーとのコポリマーが最も好ましく、その場合にシリコーンマクロマー含分はα,ω−ジビニル−ポリジメチルシロキサン、α,ω−ジ−(3−アクリルオキシプロピル)−ポリジメチルシロキサン又はα,ω−ジ−(3−メタクリルオキシプロピル)−ポリジメチルシロキサンから誘導され、かつその都度付加的にさらに補助モノマー含分が前記の量で含まれていてよい。
混合ポリマーはそれらの水性分散液及び水中に再分散可能な粉末の形で、接着剤、コーティング材料における使用のため、また例えば金属、ホイル、木材又は剥離コーティング用の保護コーティングとして又は紙処理のため、例えばティッシュ(Tissue)−分野において、繊維又は他の粒状材料の凝固のための結合剤として適している。これらはテキスタイル分野においても、テキスタイル処理、テキスタイルコーティング、テキスタイル仕上げ加工又はテキスタイル−フィニッシングのため、並びにファブリックケアの分野において使用されることができる。これらは変性剤として及び疎水化剤としても適している。これらはさらに、ポリッシュの分野において有利には使用されることができる。さらにまた前記分散液は離型剤として使用されることができる。これらはまた、塗料、接着剤及びコーティング材料用の建築分野における結合剤として、例えばタイル接着剤及び完全壁保護接着剤において、及び特に流出の乏しい(emissionsarmen)プラスチック分散塗料及びプラスチック分散プラスターにおける使用のため、屋内範囲のため並びに屋外範囲のために適している。しかしまたこれらは、添加剤として、例えばラッカー(Lacken)の場合又は化粧品、例えばヘアスプレー、クリーム又はシャンプーの場合に使用されることができる。
以下の例は、本発明をさらに説明するために利用されるものであり、本発明を何らかの方法で限定するものではない。
実施例
ポリマー分散液の製造
原料:
Genapol X050及びX060:
5及び6のEOを有するC13−オキソアルコールエトキシラート(製造者:Clariant)。
PG A20-20:
20のEO(エチレンオキシド)及び20のPO(プロピレンオキシド)を有し、アリル基で末端基官能化された、ポリグリコールエーテル(製造者:Clariant)
Texapon K12:
ドデシル硫酸Na
Brueggolith:
ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラート(還元剤)
ポリビニルアルコール W25/140:
約25mPasの粘度(20℃、4%溶液、Hoepplerにより測定)及び140のけん化価(mgKOH/gポリマー)(加水分解度88mol%)を有するポリビニルアルコール。製造者:Wacker Specialties
PDMS−混合物(Wacker Dehesive(登録商標) 929):
非官能化ポリジメチルシロキサン5質量%、α−モノビニル−官能化ポリジメチルシロキサン20質量%及びα,ω−ジビニル−官能化ポリジメチルシロキサン75質量%を含有し、約100のSiOMe2単位を有する3つのポリジメチルシロキサンの混合物。
VIPO 200、300、500:
約100、133及び177個のSiOMe2繰返し単位を有し、α,ω−ジビニル官能化された、ポリジメチルシロキサン。製造者:Wacker-Chemie GmbH。
比較例1:(油溶性開始剤なし)
20 l加圧オートクレーブ中に、水1.91kg、W 25/140 2.53kg(ポリビニルアルコール、10%水溶液)、Genapol X 060 96.06g(100%)、Texapon K12 10.94g、酢酸ナトリウム3.96g、酢酸ビニル606.72g及びPDMS−混合物404.48gを装入した。10%ギ酸を用いてpH=5に調節した。さらに、Trilon B 10ml(EDTA;2%水溶液)及び硫酸鉄アンモニウム31ml(1%溶液)を添加した。釜を70℃に加熱し、窒素8barを押し込んだ(aufgedrueckt)。反応器が熱平衡状態になるとすぐに、5.8%過硫酸アンモニウム溶液(APS溶液)を毎時42gで及び2.68%亜硫酸ナトリウム溶液を毎時88gで導入した(eingefahren)。25分後に、酢酸ビニル2.43kg及びPDMS−混合物1.62kgの混合物の毎時1010gの速度での計量供給を開始した(モノマー計量供給)。
同時に乳化剤計量供給を毎時300gの計量供給効率で導入した。乳化剤計量供給は、水758.40g、Genapol X 060 384.26g、酢酸ナトリウム15.86g及びTexapon K12 43.76gを含有していた。モノマー計量供給の全計量供給時間は4時間に達し、乳化剤計量供給は同様に4時間、計量供給した。反応開始20分後に、APS−計量供給を毎時63gに、亜硫酸Na−計量供給を毎時131gに高めた。
モノマー計量供給もしくは乳化剤計量供給の終了後に、APS−及び亜硫酸Na−計量供給をさらに1時間続けた。放圧した後に、分散液を、残存モノマーを最小限にするために水蒸気で処理し("ストリッピングし")、引き続いてHydorol Wを用いて保存した。
分散液分析:
固体含量:44.9%。pH値:5.0;Brookfield粘度20(スピンドル4):860mPas;MFT:0℃;ガラス転移温度Tg:16.7℃;平均粒度:422.3nm(Nanosizer) Coulter:Dn 0.274;Dv 0.891;表面積14.0m2
ソックスレー抽出:完全に蒸発濃縮された溶出液の残留物2.14g=42.8%(乾燥させた分散フィルム5gから抽出)。
比較例2:(油溶性開始剤なし)
20 l加圧オートクレーブ中に、水1.29kg、W 25/140 2.67kg(ポリビニルアルコール、10%水溶液)、Genapol X 050 101.55g(100%)、Texapon K12 115.66g(10%水溶液)、酢酸ナトリウム4.19g、酢酸ビニル641.34g及びポリジメチルシロキサン427.56g(VIPO 300)を装入した。10%ギ酸を用いてpH=5に調節した。さらにTrilon B 10ml(EDTA;2%水溶液)及び硫酸鉄アンモニウム31ml(1%溶液)を添加した。釜を70℃に加熱し、窒素8barを押し込んだ。反応器が熱平衡状態になるとすぐに、5.8%過硫酸アンモニウム溶液(APS溶液)を毎時84gで及び2.68%亜硫酸ナトリウム溶液を毎時176gで導入した。25分後に、酢酸ビニル2.57kg及びVIPO 300 1.71kgの混合物の毎時2140gの速度での計量供給を開始した(モノマー計量供給)。
同時に、乳化剤計量供給を毎時625gの計量供給効率で導入した。乳化剤計量供給は水385.32g、Genapol X 060 406.18g及びTexapon K12 462.62g(10%水溶液)を含有していた。モノマー計量供給及び乳化剤計量供給の全計量供給時間は2時間に達した。反応開始20分後にAPS−計量供給を毎時126gに、亜硫酸Na−計量供給を毎時262gに高めた。
モノマー計量供給もしくは乳化剤計量供給の終了後に、APS−及び亜硫酸Na−計量供給をさらに1時間続けた。放圧した後に、分散液を、残存モノマーを最小限にするために水蒸気で処理し("ストリッピングし")、引き続いてHydorol Wを用いて保存した。
分散液分析:
固体含量:50.5%、pH値:5.3;Brookfield粘度20(スピンドル4):1040mPas;MFT:0℃;ガラス転移温度Tg:18.4℃;平均粒度:452.5nm(Nanosizer) Coulter:Dn 0.124;Dv 1.697;表面積14.7m2
ソックスレー抽出:完全に蒸発濃縮された溶出液の残留物1.94g=38.8%(乾燥させた分散フィルム5gから抽出)。
比較例3:(油溶性開始剤のみ;バッチ−運転方式、計量供給なし)
20 l加圧オートクレーブ中に、水3.61kg、W 25/140 2.54kg(ポリビニルアルコール、10%水溶液)、Genapol X 050 481.67g(100%)、Texapon K12 54.86g(100%)、酢酸ナトリウム3.98g、酢酸ビニル3.04kg及びPDMS−混合物2.03kgを装入した。装入物中にはさらにt−ブチルペルネオデカノエート21.35g(Trigonox 23、TBPND、脂肪族化合物(Aliphaten)中95%)及びジ−(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート13.52g(EHPC;脂肪族化合物中75%)が存在した。10%ギ酸を用いてpH=5に調節した。さらに、Trilon B 10ml(EDTA;2%水溶液)及び硫酸鉄アンモニウム31ml(1%溶液)を添加した。釜を重合の開始のためにまず最初に45℃に加熱した。2h後に50℃に加熱した。さらに2h後に温度を55℃に高め、2h保持した。
冷却及び放圧した後に、分散液を、残存モノマーを最小限にするために水蒸気で処理し("ストリッピングし")、引き続いてHydorol Wを用いて保存した。
分散液分析:
固体含量:46.1%、pH値:5.3;Brookfield粘度20(スピンドル4):2690mPas;MFT:0℃;ガラス転移温度Tg:15.6℃;平均粒度:678.7nm(Nanosizer) Coulter:Dn 0.0995;Dv 12.67;表面積3.83m2
ソックスレー抽出:実施しなかった。
前記分散液は不安定であり、かつ24時間以内に相分離!を示した。
例4:(油溶性開始剤/水溶性開始剤の組合せ)
20 l加圧オートクレーブ中に、水1.17kg、W 25/140 2.78kg(ポリビニルアルコール、1.0%溶液)、Genapol X 050 47.33g(100%)、Texapon K12 120.5g(10%水溶液)、酢酸ナトリウム4.37g、酢酸ビニル556.83g、VIPO 300 2230g及びTrigonox 23 41.03g(第三級ブチルペルオキシネオデカノエート、TBPND、脂肪族化合物中95%−油溶性開始剤)を装入した。10%ギ酸を用いてpH=5に調節した。さらに、Trilon B 10ml(EDTA;2%水溶液)及び硫酸鉄アンモニウム31ml(1%溶液)を添加した。釜を70℃に加熱し、窒素8barを押し込んだ。装入物を30分間、部分重合させた(anpolymerisiert)。この30分後に、11.2%t−ブチルヒドロペルオキシド(TBHP溶液)を毎時116gで及び2.0%Brueggolit溶液を毎時326gで導入した。同時に、酢酸ビニル2.78kgの毎時1.390gの速度での計量供給を開始した(モノマー計量供給)。
すぐその後に、2つの乳化剤計量供給を導入した。Texapon計量供給は水111.37g及びTexapon K12 481.99g(10%水溶液)を含有しており、かつ297g/hの速度で計量供給した。Genapol計量供給はGenapol X050 189.32g(100%)を含有しており、かつ95g/hの速度で計量供給した。モノマー計量供給及び乳化剤計量供給の全計量供給時間は2時間に達した。
モノマー計量供給もしくは乳化剤計量供給の終了後に、TBHP−及びBrueggolit計量供給をさらに1時間続けた。放圧した後に、分散液を、残存モノマーを最小限にするために水蒸気で処理し("ストリッピングし")、引き続いてHydorol Wを用いて保存した。
分散液分析:
固体含量:48.4%、pH値:5.5;Brookfield粘度20(スピンドル4):6040mPas;MFT:算出せず;ガラス転移温度Tg:24.5℃;平均粒度:643.2nm(Nanosizer) Coulter:Dn 0.105;Dv 2.790;表面積9.37m2
ソックスレー抽出:完全に蒸発濃縮された溶出液の残留物0.44g=8.8%(乾燥させた分散フィルム5gから抽出)。乾燥させた抽出物の1H−NMR:成分は主に脂肪族化合物(開始剤の減感剤(Phlegmatisierungsmittel)及び開始剤断片(Initiatorbruchstuecke))、保護コロイド及び乳化剤である。最小量のみのシリコーンが見出された。
卓越したフィルム特性(シリコーンのにじみ及びしみ出しなし;分散フィルムは弾性を有する)。
例5:(部分重合の間の計量供給変法;油溶性開始剤/水溶性開始剤の組合せ)
20 l加圧オートクレーブ中に、水974.0g、W 25/140 2.32kg(ポリビニルアルコール、10%溶液)、Genapol X 050 39.36g、Texapon K12 100.2g(10%水溶液)、酢酸ナトリウム3.63g、VIPO 300 1850g及びTrigonox 23 68.24g(第三級ブチルペルオキシネオデカノエート、TBPND、脂肪族化合物中95%−油溶性開始剤)を装入した。10%ギ酸を用いてpH=5に調節した。さらに、Trilon B 10ml(EDTA;2%水溶液)及び硫酸鉄アンモニウム31ml(1%溶液)を添加した。釜を70℃に加熱し、窒素8barを押し込んだ。70℃に達した後に、酢酸ビニル463.1gの1/2時間かけての計量供給を開始した。1/2時間のさらなる部分重合時間後に、酢酸ビニル2320g(モノマー計量供給)を925g/hの速度で計量供給した。モノマー計量供給の全計量供給時間は150分に達した。モノマー計量供給の計量供給開始30分後に、11.2%t−ブチルヒドロペルオキシド(TBHP溶液)を毎時97gで及び2.0%Brueggolith溶液を毎時271gで導入した。
すぐその後に、2つの乳化剤計量供給を導入した。Texapon計量供給は水92.6g及びTexapon K12 400.8g(10%水溶液)を含有しており、かつ247g/hの速度で計量供給した。Genapol計量供給はGenapol X050 157.44g(100%)を含有しており、かつ79g/hの速度で計量供給した。乳化剤計量供給の全計量供給時間は2時間に達した。
乳化剤計量供給の終了後に、TBHP−及びBrueggolit計量供給をさらに1時間続けた。放圧した後に、分散液を、残存モノマーを最小限にするために水蒸気で処理し("ストリッピングし")、引き続いてHydorol Wを用いて保存した。
分散液分析:
固体含量:45.8%、pH値:5.1; Brookfield粘度20(スピンドル4):1800mPas;MFT:0℃;ガラス転移温度Tg:21.0℃;平均粒度:1153.8nm(Nanosizer) Coulter:Dn 0.0979;Dv 3.834;表面積5.93m2
ソックスレー抽出:完全に蒸発濃縮された溶出液の残留物0.32g=5.4%(乾燥させた分散フィルム5gから抽出)。乾燥させた抽出物の1H−NMR:成分は主に脂肪族化合物(開始剤の減感剤及び開始剤断片)、保護コロイド及び乳化剤である。ごく僅かな量のみのシリコーンが見出された、すなわち全シリコーンマクロマーは事実上重合導入されている。
卓越したフィルム特性 (シリコーンのにじみ及びしみ出しなし;分散フィルムは弾性を有する)。
例6:(PEG−PPG−アリルエーテルを用いる)
20 l加圧オートクレーブ中に、水1.16kg、W 25/140 2.77kg(ポリビニルアルコール 10%溶液)、Genapol X 050 47.07g(100%)、Texapon K12 119.84g(10%水溶液)、酢酸ナトリウム4.34g、酢酸ビニル553.77g、VIPO 300 2220g、ポリグリコールA20-20 50.39g(100%、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−アリルエーテル)及びTrigonox 23 41.03g(第三級ブチルペルオキシネオデカノエート、TBPND、脂肪族化合物中95%−油溶性開始剤)を装入した。10%ギ酸を用いてpH=5に調節した。さらにTrilon B 10ml(EDTA;2%水溶液)及び硫酸鉄アンモニウム31ml(1%溶液)を添加した。釜を70℃に加熱し、窒素8barを押し込んだ。装入物を30分間部分重合させた。この30分後に、11.2%t−ブチルヒドロペルオキシド(TBHP溶液)を毎時116gで及び2.0%Brueggolit溶液を毎時326gで導入した。同時に、酢酸ビニル2.49kg及びポリグリコールA20-20 226.49g(ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−アリルエーテル)からなる混合物の毎時1360gの速度での計量供給を開始した(モノマー計量供給)。
すぐその後に、2つの乳化剤計量供給を導入した。Texapon計量供給は水110.75g及びTexapon K12 479.35g(10%水溶液)を含有しており、かつ296g/hの速度で計量供給した。Genapol計量供給はGenapol X050 188.3gを含有しており、かつ95g/hの速度で計量供給した。モノマー計量供給及び乳化剤計量供給の全計量供給時間は2時間に達した。
モノマー計量供給もしくは乳化剤計量供給の終了後に、TBHP−及びBrueggolith計量供給をさらに1時間続けた。放圧した後に、分散液を、残存モノマーを最小限にするために水蒸気で処理し("ストリッピングし")、引き続いてHydorol Wを用いて保存した。
分散液分析:
固体含量:48.8%、pH値:5.0; Brookfield粘度20(スピンドル4):30850mPas;MFT:0℃;ガラス転移温度Tg:9.7℃;平均粒度:508.3nm(Nanosizer) Coulter:Dn 0.0962;Dv 11.50;表面積4.7m2
ソックスレー抽出:完全に蒸発濃縮された溶出液の残留物0.355g=7.1%(乾燥させた分散フィルム5gから抽出)。卓越したフィルム特性(シリコーンのにじみ及びしみ出しなし;分散フィルムは弾性を有する)。
比較例7:(シリコーンマクロマーなし)
例6のように、しかしながらVIPO 300なし、すなわち重合をシリコーンマクロマーなしで実施した。
分散液分析:
固体含量:48.1%、pH値:5.5; Brookfield粘度20(スピンドル4):1240mPas;MFT:算出せず;ガラス転移温度Tg:13.4℃;平均粒度:1094.1nm(Nanosizer) Coulter:Dn 0.106;Dv 3.322;表面積6.06m2
ソックスレー抽出:完全に蒸発濃縮された溶出液の残留物0.30g=6.0%(乾燥させた分散フィルム5gから抽出)。
例8:(官能性コモノマー)
例6のように、しかしながらNMA(N−メチロールアクリルアミド)を用いた。NMA 57.08gを装入物中へ添加し、NMA 228.34gをTexapon計量供給と共に計量供給した。シリコーンマクロマーとしてVIPO 300の代わりにVIPO 200を使用した。
47.0%の固体含量を有する最終生成物は25800mPasの粘度(Brookfield 20、スピンドル6)を有していた。水での29.7%への希釈後に、204mPasのBrookfield粘度20(スピンドル2)に調節された。
分散液分析:
固体含量:29.7%、pH値:6.1;Brookfield粘度20(スピンドル2):204mPas;MFT:算出せず;ガラス転移温度Tg:5.65℃;平均粒度:1118.0nm(Nanosizer) Coulter:Dn 4.554;Dv 6.010;表面積1.11m2
ソックスレー抽出:完全に蒸発濃縮された溶出液の残留物0.495g=9.9%(乾燥させた分散フィルム5gから抽出)。
例9:(官能性コモノマー)
例6のように、しかしながらアクリル酸55.24g(装入物中11.05g、モノマー計量供給中44.19g)を用いた。シリコーンマクロマーとしてVIPO 300の代わりにVIPO 200を使用した。
分散液分析:
固体含量:48.6%、pH値:5.4;Brookfield粘度20(スピンドル2):9600mPas;MFT:1℃;ガラス転移温度Tg:算出せず;平均粒度:322.0nm(Nanosizer);Coulter:Dn 0.102;Dv 43.45;表面積6.06m2
ソックスレー抽出:完全に蒸発濃縮された溶出液の残留物0.485g=9.7%(乾燥させた分散フィルム5gから抽出)。
例10:(酢酸ビニル−エチレン−混合ポリマー)
20 l加圧オートクレーブ中に、水1.68kg、W 25/140 2.43kg(ポリビニルアルコール、10%溶液)、Genapol X 050 41.24g(100%)、Texapon K12 105.0g(10%水溶液)、酢酸ナトリウム3.80g、酢酸ビニル485.2g、VIPO 300 1940g及びTrigonox 23 35.75g(第三級ブチルペルオキシネオデカノエート、TBPND、脂肪族化合物中95%)を装入した。10%ギ酸を用いてpH=5に調節した。さらに、Trilon B 10ml(EDTA;2%水溶液)及び硫酸鉄アンモニウム31ml(1%溶液)を添加した。釜を70℃に加熱し、エチレン20barを押し込み、この圧力を、モノマー計量供給を計量供給するまで保持した。装入物を30分間、部分重合させた。この30分後に、11.2%t−ブチルヒドロペルオキシド(TBHP溶液)を毎時96gで及び2.0%Brueggolit溶液を毎時269gで導入した。同時に、酢酸ビニル2.43kgの毎時1215gの速度での計量供給を開始した(モノマー計量供給)。
すぐその後に、2つの乳化剤計量供給を導入した。Texapon計量供給は水97.04g及びTexapon K12 419.99g(10%水溶液)を含有しており、かつ259g/hの速度で計量供給した。Genapol計量供給はGenapol X050 164.97g(100%)を含有しており、かつ83g/hの速度で計量供給した。モノマー計量供給及び乳化剤計量供給の全計量供給時間は2時間に達した。モノマー計量供給もしくは乳化剤計量供給の終了後に、TBHP−及びBrueggolit計量供給をさらに1時間続けた。放圧した後に、分散液を、残存モノマーを最小限にするために水蒸気で処理し("ストリッピングし")、引き続いてHydorol Wを用いて保存した。
48.0%の固体含量を有する最終生成物は36600mPasの粘度(Brookfield 20、スピンドル6)を有していた。水での34.6%への希釈後に、810mPasのBrookfield粘度20(スピンドル2)に調節された。
分散液分析:
固体含量:34.6%、pH値:5.7;Brookfield粘度20(スピンドル4):810mPas;MFT:0℃;ガラス転移温度Tg:−1.3℃;平均粒度:670.6nm(Nanosizer);Coulter:Dn 0.139;Dv 1.151;表面積14.9m2
ソックスレー抽出:完全に蒸発濃縮された溶出液の残留物0.30g=6.0%(乾燥させた分散フィルム5gから抽出)。乾燥させた抽出物の1H−NMR:成分は主に脂肪族化合物(開始剤の減感剤及び開始剤断片)、保護コロイド及び乳化剤である。シリコーンは見出されなかった、すなわち全シリコーンマクロマーが重合導入されている。
卓越したフィルム特性(シリコーンのにじみ及びしみ出しなし;分散フィルムは弾性及び低いTgに基づいて容易に接着する性質を有する)。
応用技術的試験(ソックスレー抽出):
前記分散液から、その都度フィルムを引き上げ(aufgezogen)、完全に乾燥させた。これらのフィルムからその都度正確に5.0gを採取し、ソックスレー抽出装置中へ添加した。抽出剤としてシクロヘキサン50gを使用した。シクロヘキサンはシリコーンのための極めて良好な溶剤であり、かつ遊離シリコーンを分散フィルムから完全に抽出することを可能にした。ソックスレー抽出を還流下に8h運転した。抽出後に、捕集された溶出液(分散フィルムから抽出された成分を有する)をロータリーエバポレーター中で完全に蒸発濃縮した。残留物を、必要に応じて1H−NMR分光法を用いてその組成を試験した。
溶出液の残留物は、抽出された乾燥させた分散フィルムの質量に基づいており(ここでは5.0g)、かつパーセント値を計算した。
結論:分散フィルムからの抽出可能な含分[%]が高ければ高いほど、シリコーンマクロマーがより少なく乳化重合の際に結合される。
結果は第1表にまとめられている:
試験結果の評価:
比較例V1及びV2は、水溶性開始剤の専らの使用で、乳化重合の際に有機モノマーへのシリコーンマクロマーの不十分な結合が行われることを示している。抽出の際に、ここでは乾燥させた分散フィルムから30%をはるかに上回り洗い流されうる。1H−NMR分光法は、抽出可能な成分がこの場合に大部分が遊離シリコーンマクロマーであることを裏付けた。比較例V3は、専ら油溶性開始剤の使用の際に分散液の不十分な安定性が生じることを示している。この場合に短時間後に相分離となった。
例4及び6、並びに8及び10の場合に、水溶性開始剤及び油溶性開始剤の組合せを用いて操作した。これらの分散液のフィルムからは、10%を下回り達した僅かな量のみの成分が抽出されることができた。それゆえ、本発明によるこの手順を用いて乳化重合の際に有機モノマーへのシリコーンマクロマーの極めて効率的な結合が可能になることが証明されている。
例4と例5との比較は、油溶性開始剤含分の増大と共に(例4の場合の0.7部から、例5の場合の1.4部へ)、シリコーンマクロマーと有機モノマーとのより効率的でより完全な共重合が可能になることを裏付ける。例えば、例5からの分散液のフィルムの場合に5.4%のみが抽出可能であったのに対して、例4からの分散液のフィルムの場合に抽出可能な成分は8.8%に達した。
補助モノマーの存在の場合にも、重合可能な乳化剤又は保護コロイドは、油溶性開始剤及び水溶性開始剤の組合せを用いて、乳化重合の際に有機モノマーとのシリコーンマクロマーの極めて良好な共重合もしくは極めて良好な結合が達成され、このことを例6、8及び9が裏付ける。
シリコーンマクロマーを有しない空試験値の場合に、比較例V7の場合に成分の6.0%が分散フィルムから抽出されることができた。ここでは、乳化剤、保護コロイド、開始剤断片及び減感剤(例えば開始剤の脂肪族化合物)が抽出され、これは乾燥させた残留物の1H−NMR分光法を用いて検出された。1H−NMRスペクトルは、これらの場合の抽出後の溶出液の乾燥させた残留物の場合に遊離シリコーンへのいかなる示唆も与えなかった。例5の場合にも、事実上全シリコーンマクロマーは共重合されており、かつ他の例の場合に遊離シリコーンマクロマーの最小量のみが存在していた。このことは改めて、本発明による方法を用いてシリコーンマクロマーと有機モノマーとの卓越した共重合を示している。
Figure 2007527941

Claims (12)

  1. エチレン系不飽和オルガノモノマー及びシリコーンマクロマーからなるシリコーン含有混合ポリマーを、それらの水性ポリマー分散液又は水中に再分散可能なポリマー粉末の形で、水性媒体中でのラジカルにより開始される重合及び場合により前記重合によって得ることができるポリマー分散液の乾燥を用いて製造する方法において、
    重合を水溶性開始剤及び油溶性開始剤の存在で実施することを特徴とする、シリコーン含有混合ポリマーの製造方法。
  2. シリコーンマクロマー含分及びエチレン系不飽和オルガノモノマーの一部を装入し、重合を油溶性開始剤の存在で開始し、引き続いてエチレン系不飽和オルガノモノマーの残余含分及び水溶性開始剤を添加する、請求項1記載の方法。
  3. 装入物を10〜100%の転化率まで重合させ、その後残りのモノマーを計量供給し、かつ同様に計量供給される水溶性開始剤を用いて重合させる、請求項2記載の方法。
  4. エチレン系不飽和オルガノモノマーとして、炭素原子1〜15個を有する非分枝鎖状又は分枝鎖状のアルキルカルボン酸のビニルエステル、炭素原子1〜15個を有するアルコールのメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステル、ビニル芳香族化合物、オレフィン、ジエン及びハロゲン化ビニルを含む群からの1つ又はそれ以上のモノマーを使用する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. シリコーンマクロマーとして、少なくとも10個のシロキサン繰返し単位を有し、かつ少なくとも1つのラジカル重合性官能基を有する線状、分枝鎖状及び環状のシリコーンを含む群からの1つ又はそれ以上を使用する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. シリコーンマクロマーとして、一般式R1 a3-aSiO(SiR2O)nSiR3-a1 a[式中、Rは同じか又は異なり、かつその都度炭素原子1〜18個を有する一価の、置換又は非置換の、アルキル基又はアルコキシ基を表し、R1は重合性基を表し、aは0又は1であり、かつn=10〜1000である]で示されるシリコーンを含む群からの1つ又はそれ以上を使用する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 酢酸ビニル又は酢酸ビニル及びエチレンからなる混合物を、α,ω−ジビニル−ポリジメチルシロキサン、α,ω−ジ−(3−アクリルオキシプロピル)−ポリジメチルシロキサン及びα,ω−ジ−(3−メタクリルオキシプロピル)−ポリジメチルシロキサンを含む群からのシリコーンマクロマーと共重合させる、請求項6記載の方法。
  8. 前架橋性又は後架橋性のコモノマーを含む群からの1つ又はそれ以上の補助モノマーを使用する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 接着剤、コーティング材料において、及び粒状材料の凝固のための結合剤としての、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法からの生成物の使用。
  10. 変性剤、疎水化剤、研磨剤、離型剤として、並びにラッカー及び化粧品における添加剤としての、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法からの生成物の使用。
  11. テキスタイル処理、テキスタイルコーティング、テキスタイル仕上げ加工又はテキスタイル−フィニッシングのため、並びにファブリックケアの分野における、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法からの生成物の使用。
  12. 塗料、接着剤及びコーティング材料用の建築分野における結合剤としての、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法からの生成物の使用。
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