JP2007527001A - がんに関する診断マーカー - Google Patents

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Abstract

本発明は、がん疾患に関する診断マーカーとしての種々のタンパク質の使用に関する。特に、タンパク質アネキシンA3の使用が好ましい。好ましくは、アネキシンA3の対照と比較したレギュレーションの増加を分析する。本発明は、がんの治療に用いられる薬剤の製造のための活性物質、特に、種々の特徴的タンパク質の活性および/または量に影響する物質、の使用に関する。

Description

本発明は、がんに関する診断マーカーとしてのさまざまな異なるタンパク質の使用、癌の治療のための活性物質の用途、および関連する医薬調製物およびキットに関する。
一般的にがん性疾患は一種類以上の腫瘍の発生によって特徴づけられる。腫瘍とは、組織増殖または局所的な組織量増殖を意味する。より広義には、たとえば浮腫、急性または慢性炎症、動脈瘤によって生じた膨張、臓器の炎症性増殖(たとえばいわゆる脾臓腫瘍)といった、すべての限局性腫脹がこの分類に含まれる。より狭義には、腫瘍とは、細胞および組織の特異的機能の消失を伴う、体組織の自然発生的な、調節されない、さまざまな段階に抑制されない、自律性のおよび非可逆的な新しい組織の形成(増殖物、芽細胞腫、新形成)を意味する。
よりよい分類のためには、腫瘍は下記に従って分けられる:
I.生物学的性質
1.ゆっくり増殖しおよび正常組織を置換する分化細胞を有する、良性腫瘍
2.細胞核の多形、異型細胞、退形成、浸潤性および破壊性の増殖および転移を示す、悪性腫瘍
3.悪性腫瘍および局所性浸潤増殖の組織学的特徴を示すが通常は転移を欠く、準悪性腫瘍。
II.組織発生的判定基準:
この点について腫瘍は発生起源の胚組織に従って分類される。下記のものがある。
1.外胚葉または内胚葉起源の上皮腫瘍:
a)良性腫瘍、たとえば腺腫、乳頭腫またはポリープ
b)悪性腫瘍、たとえばがん
2.中胚葉起源の間葉系腫瘍:
a)良性腫瘍、たとえば脂肪腫、線維腫、骨腫、筋腫、平滑筋腫、横紋筋腫、軟骨腫
b)悪性腫瘍、たとえば肉腫
3.胎児性腫瘍は未分化組織から発生している。
腎芽細胞腫、神経芽細胞腫、髄芽細胞腫、網膜芽細胞腫、胎児性横紋筋肉腫および奇形腫はこの区分に属する。
III.臨床結果および病理結果に準じた分類。特に、TNM分類、グレーディング、ローレン(Lauren)分類、デュークス(Dukes)分類、キーラー(Kieler)分類、ラパポート(Rappaport)分類などがある。
腫瘍分類のこの短い概観さえ、異なる種類の腫瘍がいかに多様で、重複しおよび矛盾さえしているかを示す。良性および悪性腫瘍の違いがあるだけではない;一部の腫瘍の死亡率、および良性腫瘍が悪性になりうる確率を考慮しなければならない。
一部の腫瘍、たとえば乳がんは、女性における最も一般的な悪性腫瘍であるが、特に45ないし70歳で多数生じる。初期症状は、がん予防の枠組中での検査の、または乳房の定期自己検査中の、疑わしい結果である。腫瘍発生および分化の段階に応じて、予後は非常に良好から大変悪いまで変動しうる。乳がんの初期のリンパ行性および血行性転移のため、迅速な診断は治療的処置をできるだけ早く開始するために必須である。
前立腺がんは男性における最も一般的な腫瘍であり、主に50ないし70歳に起こる。症例の大多数は腺がんである。この型の悪性腫瘍はまず前立腺内部の浸潤性増殖を通じて広がり、および後に骨盤およびまれに腸、膀胱または尿道の移行帯および結合組織の細胞に浸潤する。転移はリンパ行性および/または血行性経路を介して起こる。治療的処置は分化の組織学的段階、および臨床病期に依存し、および通常は根治的手術を意味し、したがって前立腺および局所のリンパ節を完全に除去する;進行段階では、男性ホルモンの中止は一つの対処法である。予後はまた、腫瘍の段階に依存する。早期段階での根治手術は前立腺がんの約90%を治癒する一方、進行段階では予後はしばしば不良である。
前立腺がんは、診断的手段によって前立腺過形成と鑑別しなければならない。前立腺過形成は前立腺の良性腫瘍である;間質細胞および腺の数的増殖によって前立腺が肥大する。前立腺過形成は高齢男性における排尿困難の最も普通の原因である。臨床症状は通常は40ないし50歳で生じ、および本疾患はゆっくりおよび段階的に進行する。症状はしばしば何年も後に、尿流の段階的弱化および排尿遅延として現れる。薬草の使用は治療上有用である可能性があり、および臨床症状を緩和しうる。
一般的に、腫瘍の早期診断は、治療的処置の迅速な開始に必須である。腫瘍が早期に検出されるならば予後は改善される;したがって臨床診療ではいくつかのいわゆる腫瘍マーカーが用いられる。腫瘍マーカーとは、(悪性)疾患の存在、進行および予後についての情報を得るために同定および定量できる分子または細胞変化である。腫瘍マーカーは下記に分類される:
1.細胞性腫瘍マーカー
この群は特に、細胞膜の腫瘍抗原、受容体(たとえばホルモン受容体、白血病における増殖刺激物質に対する受容体)および、がん遺伝子の発現増加およびモノクローナル細胞増殖および遺伝的変化、特に染色体異常を表す細胞性マーカーを含む。
2.体液性腫瘍マーカー
生理的条件下では、これらの物質(大部分が正常な生理的レパートリーに属する)の濃度上昇は、生体試料、特に血清、尿および他の体液中に検出できる。それらは腫瘍組織において合成および/または分泌され、破壊された腫瘍細胞によってまたは腫瘍に対する生体の応答として放出される。腫瘍マーカーの生理的意義はよくわかっていない。人体においては、それらは通常は免疫原性を有しない。それらの臨床上の(診断的)意義は、特異性および感度に依存する。体液性腫瘍マーカーは2つの分類に分けられる。1つの群は、腫瘍によって産生されるマーカー、たとえば腫瘍関連抗原、特別のホルモン(たとえばガストリン、コルチゾールなど)、酵素(たとえば神経特異的エノラーゼNSE)またはタンパク質(たとえばベンス・ジョーンズタンパク質)を含む。腫瘍によって誘導されるがしかし腫瘍細胞によって産生されない腫瘍マーカーは、第2の群に属する。第2の群の重要なメンバーは、アルカリホスファターゼ(AP)、LDH(乳酸デヒドロゲナーゼ)、ネオプテリン、などである。
近年、小児における最も高頻度の脳腫瘍である髄芽細胞腫の2種類の代表的な細胞株で検出でき、およびおそらく腫瘍マーカーとして用いることができるタンパク質のリストが公表された(A.ペイル(Peyrl)ら,2003,Proteomics,3,1781−1800)。米国特許第6,645,465号明細書は、Ca2+結合タンパク質に属するアネキシンA1およびA2は肺がん、乳がんおよび食道がんに対する腫瘍マーカーとして用いることができ、およびそれらに対する自己抗体の検出によって同定できることを開示する。動物試験において、アネキシンA1に対する放射性標識化抗体の使用は腫瘍量減少に繋がることを示すことができ、それはおそらく腫瘍細胞の細胞破壊に帰することができる(P.オー(Oh),Y.リー(Li),J.ユー(Yu),E.デュル(Durr),K.M.クラシンスカ(Krasinska),L.A.カーバー(Carver),J.E.テスタ(Testa),J.E.シュニツァー(Schnitzer),2004,Nature,429,629−35)。
近年、悪性および非悪性(良性)膵上皮細胞において存在量示差析が実施され、アネキシンA3がこれに関連して同定されたタンパク質と示された(A.R.シェコー(Shekouh)ら,2003,Proteomics,3,1988−2001)。悪性および非悪性前立腺組織中のタンパク質の量もまた調べられている。これに関連して同定されたタンパク質に関して、健常組織と比較してがん性組織における、リストにあるタンパク質の過剰発現または低発現の可能性については概ねそれ以上の詳細は不明である(A.A.アライヤ(Alaiya)ら,2001,Cell.Mol.Life Sci.,58,307−311)。
これまでに述べられたことは、腫瘍検出のための選択的および高感度な方法の重要性を示す。さらに、腫瘍およびがん治療のための新しい標的についてそれぞれ大きな需要がある。
したがって本発明は、がん診断のための新しいマーカーおよびがん治療のための新しい標的および医薬を開発する問題に関する。
この問題は、独立請求項の対象によって解決される。従属請求項に好ましい実施形態が示される。参照により完全な請求項の文言が本文書の完全な一部となる。
悪性に変質した組織(がん組織)と正常組織との間の集中的な比較分析によって、異なる種類の組織において有意に異なる量または濃度を示す明確な一組のタンパク質を同定できた。特定のタンパク質の、対照と比較して特徴的な量は、変性細胞増殖、すなわちがん組織について重要な兆候にあたる。本発明によるとこれらの特定のタンパク質はがんに関する診断マーカーとして用いられる。
これらのタンパク質を同定するために、腫瘍組織(前立腺がん)および健常組織に由来する試料を調製し、および二つの試料を2種類の異なる放射性同位体で標識化した。試料をプールして、および混合物を電気泳動によって二次元ポリアクリルアミドゲル上で分離した。各同位体のシグナルは個別に検出され、および対応するタンパク質スポットをさらに分析した。この方法は、いくつかの異なるタンパク質を、がんまたは健常組織において有意に異なる量で同定および定量した。これらのタンパク質の一部はがん組織において有意に量が多く、それらはアップレギュレートされており、および別のタンパク質は有意に量が少なく、それらはダウンレギュレートされている。
本発明はタンパク質アネキシン、特にアネキシンA3の、がんに関する診断マーカーとしての用途を包含する。発明者らは、このタンパク質が平均して2.4倍および一部の場合には5倍を超えて、定義された集団の患者に由来する腫瘍組織においてアップレギュレートされることを実証できた。特に好ましい一実施形態では、アネキシンA3はしたがって、前立腺がんの特定のサブタイプ(患者集団)についての診断マーカーとして使用できる。したがってこのタンパク質の対照と比較したアップレギュレーションは、がん組織の特徴的な指標として優先的に試験される。アネキシンは、カルシウムの存在下でリン脂質と結合しおよびカルシウム孔を形成する、構造的に関連するタンパク質のファミリーのメンバーである。現在まで、アネキシンの正確な機能はまだ完全に明らかでない。
アネキシンが細胞内および細胞外過程に関与するという指摘がある。しかし、アネキシンがどのように分泌されるか、たとえば膜輸送、細胞移動性Ca2+流入およびシグナル伝達は不明である。たとえばアネキシンは、小胞体の腔内への翻訳のための古典的リーダー配列を有しない。しかしアネキシンは小型分泌小胞、いわゆるエキソソーム中に見出すことができ、したがってアネキシンはエキソソームの溶解によって細胞の外へ達すると疑われている。前記小胞の溶解は、腫瘍における抗原提示の変化に繋がりうる。一般的にエキソソームは免疫系において抗原提示に関与し、MHCクラスI/T細胞系に関係している。
興味深いことに、アネキシンは骨石灰化に関与する(ワング(Wang)W.スー(Xu)J.,キルシュ(Kirsch)T 2003 J.Biol.Chem.2003,278: 3762−9)。アネキシン媒介性Ca2+流入は、成長板軟骨細胞成熟およびアポトーシスを調節する。このことは、前立腺がんの転移は他の種類のがんに比べて異常に高頻度の骨芽細胞性骨病変を生じるため、特に注目すべきである。大部分のがん転移は、骨の変性を意味する溶骨活性によって特徴づけられる。対照的に、前立腺がん転移は、破骨(破壊)および骨芽細胞性(増殖)活性を示す。この場合は、正常な骨結晶が解体され、およびその後、異常な骨沈着として再び組み立てられる。この機構はよく分かっていないとはいえ、石灰化の生理的過程は重要な役割を果たす。石灰化は、石灰化する骨芽細胞の形質膜によって分泌される小型の小胞、いわゆるマトリクス小胞によって開始される。初期段階では、リン酸カルシウムの結晶がマトリクス小胞内に現れる。これらの小胞は膜に覆われており;したがって無機質を小胞内へ輸送するためにチャンネルタンパク質が必要である。小胞の重要な成分は、タンパク質アネキシンA2、A5およびA6、ならびに、アネキシンA5と結合して小胞の外表面に付着する、小胞の外表面上のIIおよびX型コラーゲンである。アネキシンは、Ca2+が小胞内部に入るのを可能にする、マトリクス小胞の膜を通るチャンネルを形成する。アネキシンA5と結合したコラーゲンは、チャンネル活性を増幅し、および他のアネキシンと共に、Ca2+の迅速な流入および小胞内部の最初の結晶相の形成を媒介する。これは、石灰化の開始を結果として生じる。細胞内結晶が臨界サイズに達した際、結晶は膜を破壊しおよび小胞を溶解する。結晶はさらに成長し(石灰化の増殖段階)、および骨の構築に寄与する。発明者らの結果によると、前立腺がん転移による骨の不規則な石灰化におけるアネキシンのこの機能は、おそらくがん組織におけるアネキシンA3のアップレギュレーションと関連している。これに関連して無機ピロホスファターゼ1を考慮に入れるべきであり、この酵素はリン酸を放出し、および発明者らの結果によると、がん、特に前立腺がんでアップレギュレートされる。がん細胞におけるアネキシンA3のアップレギュレーションから、アネキシンA3は前立腺がん細胞のエキソソームにおいて生物学的機能を有すると結論しなければならない。このことはおそらくイオンチャンネルとの関連のためである。タンパク質アネキシンA3の好ましい用途は、エキソソームにおけるそのタンパク質の活性に関係する。選択的にこれは腫瘍細胞の免疫学的調節における変化に繋がる。アネキシンA3の細胞外濃度は腫瘍細胞の近傍で高いため、アフィニティ試薬(特にアネキシンA3に対して高い親和性を有する抗体)が、毒素または放射性化合物のような活性物質を腫瘍の近くへ導くために適する。そのような薬剤は、細胞内アネキシンA3しか発現しない健常細胞が影響されないように、細胞膜を通過してはならない。興味深いことに、マトリクス小胞もまた、変形性関節症軟骨およびアテローム硬化性病変と関連して観察されている。
エキソソームの溶解に続いて起こる、細胞質タンパク質の細胞外媒体への放出は、細胞壊死に伴うものと類似した炎症性応答を誘導しうる。炎症は、多くのがん細胞を特徴づけることが知られている、適応的なT細胞による免疫応答を低減しうることが知られている。加えて、細胞外間隙におけるアネキシンの存在はまた、このパターンに影響しうる(A.ボナンザ(Bonanza)ら,2004 J.Exp.Med.200 1157−65)。したがってがんに対するワクチン接種が、この系を理解およびこの系に影響を与えることによって決定されうる。
アネキシンA3の用途の特に好ましい一実施形態は、本タンパク質のアップレギュレーションおよびアネキシンA1、アネキシンA2および/またはアネキシンA5の同時のダウンレギュレーションに関係する。選択的にこれは対照との比較で実施されうる。近年、アネキシンA1アネキシンA2およびアネキシンA5が、がん性組織、特に前立腺がんにおいてダウンレギュレートされることが実証されている。したがって、アネキシンA3のアップレギュレーションを、一種類以上の他のアネキシンのダウンレギュレーションと共に分析することは特に参考になりうる。これらの結果に基づき、アネキシンA3は前立腺発がん中に他のアネキシンを置換することができ、およびしたがって前立腺がん治療のための代替マーカーまたは標的になりうる。
本発明はまた、タンパク質ユビキチンイソペプチダーゼTおよび/またはタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)の、がんに関する診断マーカーとしての用途を包含する。有利なことに、対照と比較したユビキチンイソペプチダーゼTのダウンレギュレーション、および/またはタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)のアップレギュレーションは、がん性組織についての特徴的なマーカーとして用いられるべきである。発明者らは、健常組織と比較して腫瘍組織において、ユビキチンイソペプチダーゼTは量が約5倍少なく、およびPDIは量が約2倍多いことを実証できた。このことは、PDIとユビキチンイソペプチダーゼTとの間の逆相関を実証する。
ユビキチンイソペプチダーゼは、(他にもある酵素の中でも)タンパク質のユビキチン依存性タンパク質分解切断に関与する酵素である。ポリユビキチン鎖の標的タンパク質への添加後、ユビキチン化されたタンパク質は、多数のサブユニットから成るタンパク質複合体である26Sプロテアソームによって分解される。その後、ポリユビキチン鎖の除去は、亜鉛結合ユビキチン酵素イソペプチダーゼTによって媒介される。ユビキチンイソペプチダーゼTのダウンレギュレーションは、したがって、前立腺においてユビキチンが引き起こすタンパク質分解の速度、または特定のタンパク質の分解速度に影響しうる。同様に、ユビキチンイソペプチダーゼTPDIは、タンパク質の調節されたタンパク質分解、すなわちアポトーシス過程に関与する。小胞体内部で、PDIはある種の条件下で、ユビキチン様ドメインおよびユビキチン結合ドメインを有するユビキチンと相互作用する。この相互作用は、虚血性ストレスおよびアポトーシスに対する体制の獲得と機能的に関連している(コー(Ko) H.S.ら,2002,J.Biol.Chem.277: 35386−92)。
アポトーシスに関してその二つの酵素の関係から、がん性組織に対する特徴的なマーカーとして適したそのアップおよびダウンレギュレーションが観察される。一方で、タンパク質の一方だけ、特にユビキチンイソペプチダーゼTの量を診断マーカーとして分析することが有利でありうる。がん組織においてユビキチンイソペプチダーゼTは顕著にダウンレギュレートされており、および健常対照の量の約5分の1から約6分の1の量しか示さないことが大きな長所である。がん性組織において観察されるユビキチン−イソペプチダーゼTの量の減少は、認められたがん抑制遺伝子である哺乳類の脂肪酸結合タンパク質(M−FABP)の場合よりも大きく顕著である。
ユビキチン−イソペプチダーゼTによるMHC(主要組織適合複合体)抗原提示を介した、および免疫グロブリンドメインを含むSAPの不在による全身免疫系の活性変化を介した、前立腺組織におけるアネキシンによるT細胞活性の影響の間の関連の可能性は、免疫系の存在下での腫瘍細胞の生存に非常に重要でありうる。
本発明はまた、ミトコンドリアエノイル−補酵素A−ヒドラターゼの、がんに関する診断マーカーとしておよび/または治療標的分子としての使用を包含する。このタンパク質はまた、脂肪酸結合タンパク質3(FABP−3)および/または表皮脂肪酸結合タンパク質(E−FABP)および/またはアネキシンA3と組み合わせて使用しうる。ミトコンドリアエノイル−補酵素A−ヒドラターゼおよび/または表皮脂肪酸結合タンパク質(E−FABP)のアップレギュレーション、および/または脂肪酸結合タンパク質3(FABP−3)および/またはアネキシンA3のダウンレギュレーションが特に好ましく、対照との比較で実施され、なぜなら本発明によるとそのようなこれらのタンパク質のアップレギュレーション/ダウンレギュレーションはがん性組織に特徴的な性質とわかっているからである。
発明者らは、がん性組織においてミトコンドリアエノイル−補酵素A−ヒドラターゼは量が平均して約2.8から4倍増加することを示すことができている。この酵素は脂肪酸のβ酸化と関連してすでに記載されており、およびこれは主にミトコンドリアで起こる。エノイル−補酵素A−ヒドラターゼは非酸化的代謝に関与する。過剰の酸素の存在下でさえがん細胞は非酸化的代謝が増大すること、および脂肪酸酸化およびde Novo合成の両方ががん患者において増加することは長く知られている。がんは脂肪酸代謝における多数の変化によって関係してくる。近年、脂肪酸合成酵素は、de Novo脂肪酸合成を担う酵素であるが、治療医薬標的として提案されている。この結果は、エノイル−補酵素A−ヒドラターゼが同様の適当な標的であることを示す。脂肪酸代謝とのこの関連は、エノイル−補酵素A−ヒドラターゼおよびFABP−3およびE−FABPの間の機能的関連を表す。がん性組織におけるこれらの脂肪酸結合タンパク質の量もまた、特徴的に変化する。FABP−3は概ね2.5倍ダウンレギュレートされ、およびE−FABPは概ね2.3倍アップレギュレートされる。脂肪酸との関連の他に、細胞周期調節と関係する役割がFABP−3について記載されている(セイジタ(Seidita)G.ら,2000,Carcinogenesis 21: 2203−10)。E−FABPはさまざまな種類のがんと関連してすでに記載されており、およびがん患者の尿中に検出されている(ブローアド(Brouard)M.C.ら 2002,Melanoma−Research 12: 627−31)。発明者らによって観察されたこのタンパク質の量の増加によって、これはがんに関する診断マーカーとして、もう1つのマーカーのミトコンドリアエノイル−補酵素A−ヒドラターゼおよび/またはFABP−3および/またはアネキシンA3と組み合わせた場合に特に適するが、なぜならこれらの異なるタンパク質の間にここに機能的関連が存在するからである。したがって、これらのタンパク質のうち1つ、または特に有利な方法では2つまたは3つの量を、これらのタンパク質の特徴的なアップ/ダウンレギュレーションによってがん性組織の存在に関して結論を出せるように、対照と比較して観察できる。脂肪酸代謝との関連もまた、下記に示される通り、ここに記載の他のタンパク質にもあてはまる。
本発明はまた、タンパク質血清アミロイドP成分(SAP)の、がんの診断マーカーまたは治療剤としての使用を包含する。発明者らは、がん組織中のこのタンパク質は存在量が平均して約2.7から5.1倍の低下を示すことを明らかにできた。SAPは良性前立腺組織の間質細胞に主に見られるため、がん性組織におけるその相対的に低い存在量は、がん性組織中に間質細胞の量が相対的に小さいことによって説明できた。したがって、対照と比較したSAPのダウンレギュレーションの調査は、がん性組織に特徴的な性質として特に適している。SAPはペントラキシンファミリーのレクチン様急性期タンパク質(マウスからの結果)であり、およびいくつかのアミロイド臨床像と関連している。アミロイド沈着は男性の尿路系にときどき観察されるが、しかしその生物学はほとんど理解されていない。アミロイド原線維上の正しく折りたたまれた未変性SAPはまた、細菌多糖およびマトリクス成分を含む多糖とも、酸性糖鎖決定基、ホスホエタノールアミンおよびホスホコリンを介して結合している。SAPは単純な膜の成分であり、およびおそらくラミニンおよびリン脂質との相互作用をもたらす。SAPは貪食細胞による進化的または全身免疫系、たとえば多形核白血球の標的認識に関与し、およびアポトーシス細胞上のリン脂質に結合しおよびマクロファージによる食作用をもたらす。悪性ヒト血清中のSAPレベルが増大すること、および少なくとも一部のがん患者の血清中でIL−6がこれを担うように見えることが長く知られている。要約すると、SAPは非がん性細胞の環境との相互作用の調節、およびおそらく、多くのがん細胞でおそらく乱れている機能である免疫監視に関与すると推定できる。ペントラキシンはサイトカインによって誘導でき、およびそれらは免疫防御に関与するためその血中濃度は感染または外傷の間に劇的に上昇する。本観察は、前立腺の免疫監視におけるアネキシンA3ユビキチン−イソペプチダーゼTと血清アミロイドP成分との間の関連を示唆し、エキソソームによる免疫監視の調節の変化に繋がる。
本発明はまた、タンパク質14−3−3タンパク質タウの、がんに関する診断マーカーとしての使用を包含する。このタンパク質は、アポトーシス過程に関与することが知られている。この過程はがんと関連してすでに記載されているが、しかしがん抑制性質が証明された(ヒー(He) H.1997,Gan−To−Kagaku−Ryoho 24: 1448−53)。しかし、発明者らは、驚くべきことに、がん性組織において14−3−3タンパク質タウのレベルの上昇(1.8倍)を見出している。免疫組織化学染色反応は、タンパク質14−3−3タウが主に健常上皮細胞および前立腺組織のがん細胞に存在することを明らかにしている。しかし、間質においては、タンパク質14−3−3タウはリンパ球だけに存在する(リンパ球だけが染色される)。したがって、本発明によると、がん性組織に特徴的な性質として、対照と比較した本タンパク質のアップレギュレーションの調査がある。
本発明はまた、タンパク質核塩化物イオンチャンネルタンパク質(CLIC−1)の、がん、特に前立腺がんに関する診断マーカーとしての使用を包含する。発明者らは、がん性組織において対照と比較してこのタンパク質の量の約1.5倍増加を証明した。したがって好ましくは、がん性組織に特徴的な性質として、対照と比較したこのタンパク質のアップレギュレーションの調査がある。この細胞内陰イオンチャンネルは、細胞分裂およびアポトーシスと関連してすでに記載された(アシュリー(Ashley)R.H.,2003,Mol.Membr.Biol.20: 1−11)。
さらに本発明は、タンパク質HES1の、がんに関する診断マーカーとしての用途を包含する。発明者らは、がん組織において対照と比較してこのタンパク質の量が約4倍多いことを実証できた。対応するアップレギュレーションの確率は、t検定でp値<0.0001を有する。選択的に、対照と比較したこのタンパク質のアップレギュレーションは、がん疾患についての特徴的なマーカーと考えられる。このタンパク質は未知の機能を有するある種のスプライス変異体(HES1/Kpn−la)である。それはDJ1−Pfdl−ドメインを含む;それはミトコンドリアに局在すると考えられ、エノイル−補酵素A−ヒドラターゼの機能との連関の可能性を示しうる。このタンパク質はいくつかのヒト組織で発現されている。がんとのこのタンパク質の関連は、発明者らによって初めて実証されている。
さらに本発明は、プロテアソームアルファ2サブユニットの、がんに関する診断マーカーとしての用途を包含する。このタンパク質についてもまた、がん疾患との関連は、発明者らによって初めて実証されている。がん組織において、その量は対照と比較して倍になった。このタンパク質のがん関連変化についてのt検定は、p<0.009で有意であった。選択的に、対照と比較したこのタンパク質のアップレギュレーションが調べられている。プロテアソームは、MHCclass1系における抗原提示のためのペプチドのプロセシングでの機能でよく知られており、それはキラーT細胞の活性に寄与する。
さらに本発明は、タンパク質アデニン−ホスホリボシルトランスフェラーゼの、がん、特に前立腺がんに関する診断マーカーとしての用途を包含する。このタンパク質のがんとの関連は近年議論されている。たとえば、乳がん患者のリンパ球におけるこのタンパク質のダウンレギュレーションが記載されている。さらに、結腸直腸がんにおける本タンパク質の過剰発現が観察されている。発明者らは、前立腺がん組織において対照と比較してこのタンパク質の量が約2倍多いことを実証できた。これらの結果は、t検定で発現の差についてp<0.007で有意である。本発明によると、対照と比較したこのタンパク質のアップレギュレーションは、がん組織についての特徴的なマーカーと考えられる。
さらに本発明は、タンパク質無機ピロホスファターゼの、がん、特に前立腺がんに関する診断マーカーとしての用途を包含する。肺がんおよび結腸直腸がんにおけるこのタンパク質のアップレギュレーションが近年示されている。発明者らは、前立腺がん組織において正常組織と比較してこのタンパク質の量が1.6倍多いことを実証できた。これらの結果は、t検定で発現の差についてp<0.005で有意である。無機ピロホスファターゼ1は、無機リン酸を放出する反応を触媒する。これは、Ca2+の流れに関与するアネキシン,特にアネキシンA3が関係する石灰化の過程に関連する。したがって、アネキシンA3のアップレギュレーションと無機ピロホスファターゼ1のアップレギュレーションとの間には特に機能的な関係が存在する。
本明細書で言及されるさまざまなタンパク質、および下記でさらに言及されるタンパク質は、単独でまたは他のタンパク質と組み合わせて、診断目的に用いることができる。
さらに本発明は、下記のタンパク質のうち少なくとも一種類の、がんに関する診断マーカーとしての用途を包含する:ユビキチン−イソペプチダーゼT、血清アミロイドP成分(SAP)、脂肪酸結合タンパク質3(FABP−3)、ガレクチン−1、熱ショックタンパク質27(HSP27)、14−3−3タンパク質ベータ、14−3−3タンパク質ゼータ、核塩化物イオンチャンネルタンパク質1(CLIC−1)14−3−3タンパク質タウ、熱ショックタンパク質90(HSP90)、タンパク質−ジスルフィド−イソメラーゼ(PDI)、表皮脂肪酸結合タンパク質(E−FAPB)、ミトコンドリアエノイル−補酵素Aヒドラターゼ、ヌクレオホスミンアネキシン、特にアネキシンA3、トランスジェリン、トリオースリン酸−イソメラーゼ、アルドラーゼAHES1、プロテアソームのアルファ2サブユニット、アデニン−ホスホリボシルトランスフェラーゼ。選択的に、タンパク質イソペプチダーゼT、血清アミロイドP−成分(SAP)、脂肪酸結合タンパク質3(FABP−3)、ガレクチン−1、マイクロセミノタンパク質ベータ、熱ショックタンパク質27(HSP27)またはトランスジェリンのうち少なくとも一種類の、対照と比較したダウンレギュレーションは、がん疾患についての特徴的なマーカーと考えられている。さらに選択的に、タンパク質14−3−3タンパク質ベータ、14−3−3タンパク質ゼータ、核塩化物イオンチャンネルタンパク質1(CLIC−1)、14−3−3タンパク質タウ、熱ショックタンパク質90(HSP90)、タンパク質−ジスルフィド−イソメラーゼ(PDI)、表皮脂肪酸結合タンパク質(E−FAPB)、ミトコンドリアエノイル−補酵素Aヒドラターゼ、ヌクレオホスミン、アネキシン、特にアネキシン3、トリオースリン酸−イソメラーゼ、アルドラーゼA、HES1、プロテアソームのアルファ2サブユニット、アデニン−ホスホリボシル−トランスフェラーゼおよび無機ピロホスファターゼ1のうち少なくとも一種類の、対照と比較した追加のまたは代替的なアップレギュレーションは、がん疾患についての特徴的なマーカーと考えられている。特に好ましい方法では、これらのタンパク質の一種類以上に加えて、他のアネキシンのダウンレギュレーションの調査がある。少なくとも二種類のタンパク質を調査することが特に好ましい。
下記のタンパク質のうちの2種類の、診断マーカーとしての用途によって特に利益が提供される:ユビキチン−イソペプチダーゼ、熱ショックタンパク質27(HSP27)、熱ショックタンパク質90(HSP90)、タンパク質−ジスルフィド−イソメラーゼ(PDI)、ミトコンドリアエノイル−補酵素Aヒドラターゼおよび/またはヌクレオホスミン。
本発明によると、異なるタンパク質の組の発現がそれぞれ特徴的にダウンまたはアップレギュレートされることが実証されている。詳細は、良性および悪性組織の間で発現に差があるタンパク質の同定および定量化の結果を要約する下記の表1に示される。タンパク質の選択は、良性組織(良性画分)または悪性組織(がん画分)におけるタンパク質の統計的に有意な示差発現分析に基づく。登録番号は、NCBIデータベース中の各番号を示す。理論分子量(MW)は、データベース中の配列から計算した。「スコア」とは、MASCOT法で決定されたヒットを意味する。PMF−スコアについて示す詳細は、MASCOTサーバーによって用いられるMouseスコアをいう;一般的に65を上回るPMF−スコアは有意な同定を表す。最後の2列は、良性および悪性組織試料において見出されたタンパク質スポットの強度の定量化を要約する。
Figure 2007527001
これに関連して我々は、患者21名および患者31名について有意差のある平均発現を示すタンパク質スポットの結果を統計データと共に表で示す図5および図10を引用する。
さまざまなタンパク質についての英語の同義語の調査を下記に列挙する。最初に付けた数字は表1の番号に対応する。
1.gi|1732411:ユビキチン−イソペプチダーゼT;イソペプチダーゼT(sioT);ユビキチン特異的プロテアーゼ5;ユビキチンカルボキシル末端ヒドロラーゼ5;ユビキチンチオールエステラーゼ5;ユビキチン特異的プロセシングプロテアーゼ5;脱ユビキチン化酵素5;デユビキチナーゼ。
2.gi|576259:血清アミロイドP成分A鎖;血清アミロイドP成分(SAP)。
3.gi|494781:脂肪酸結合タンパク質3(FABP−3);乳腺由来増殖阻害因子(MDGI);脂肪酸結合タンパク質3(FABP−3);心臓型脂肪酸結合タンパク質(H−FABP);筋肉型脂肪酸結合タンパク質(M−FABP)。
4.gi|4504981:ガレクチン;ガレクチン−1;kDaベータ−ガラクトシド結合レクチン;ベータガラクトシド可溶性レクチン;ベータ−ガラクトシド結合レクチン1−14−1;ガラプチン;可溶性ガラクトシド結合レクチン;S−Lacレクチン1。
5.gi|225159:マイクロサミンタンパク質ベータ;ベータ−マイクロセラルノタンパク質;マイクロセミノタンパク質ベータ;免疫グロブリン結合因子(IGBF);PN44;前立腺分泌精漿タンパク質; 94アミノ酸の前立腺分泌タンパク質(PSP−94);精漿ベータ−インヒビン;精漿タンパク質。
6.未同定。
7.gi|662841:熱ショックタンパク質27(HSP27);熱ショックタンパク質27;27kDa熱ショックタンパク質1(HSP−27);ストレス応答タンパク質27(SRP237);エストロゲン調節性24kDaタンパク質;28kDa熱ショックタンパク質。
8.gi|4507949:14−3−3タンパク質ベータ;14−3−3タンパク質ベータ(14−3−3ベータ);14−3−3タンパク質アルファ(14−3−3アルファ);プロテインキナーゼC阻害因子タンパク質−1;PKC阻害因子タンパク質−1(KCIP−1:別名14−3−3ゼータ);RNH−1。
9.gi|4507953:14−3−3タンパク質ゼータ;14−3−3ゼータ;14−3−3デルタ;KCIP−1(別名14−3−3ベータ);YWHAZ;ミトコンドリア輸送促進因子S1(MSFS1);因子活性化エキソ酵素S;トリプトファンモノオキシゲナーゼ活性化タンパク質ゼータ;チロシンモノオキシゲナーゼ活性化タンパク質ゼータ。
10.gi|2073569:核塩化物イオンチャンネルタンパク質;塩化物細胞内チャンネル1(CLIC−1);核塩化物イオンチャンネルタンパク質(p64CLCP);核塩化物チャンネル;塩化物チャンネルABP;核塩化物イオンチャンネル27(NCC27);RNCCタンパク質;核塩化物イオンチャンネル27(NCC27)。
11.未同定。
12.(アネキシンA3、23参照)。
13.gi|5803227:14−3−3タンパク質タウ;14−3−3シータ;S15076プロテインキナーゼ調節因子14−3−3;HS1;トリプトファン5−モノオキシゲナーゼ活性化タンパク質;チロシン3−モノオキシゲナーゼ活性化タンパク質。
14.gi|13129150:熱ショックタンパク質90(HSP90);熱ショックタンパク質90(HSP−90);熱ショックタンパク質HSP90−アルファ;熱ショックタンパク質90−アルファ;90kDa熱ショックタンパク質;熱ショックタンパク質86(HSP86);Hspca;熱ショック90kDaタンパク質1;熱ショックタンパク質1;腫瘍特異的移植86kDa抗原(TSTA)。
15.gi|20070125:タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI);タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI);プロチル−4−ヒドロキシラーゼベータ;タンパク質ジスルフィドオキシドレダクターゼ;甲状腺ホルモン結合タンパク質p55;グルタチオン・インシュリン・トランスヒドロゲナーゼ。
16.gi|4557581:表皮脂肪酸結合タンパク質(E−FABP);脂肪酸結合タンパク質5(FABP−5);表皮脂肪酸結合タンパク質(E−FABP);乾癬関連脂肪酸結合タンパク質(PA−FABP);皮膚脂肪酸結合タンパク質(C−FABP);ケラチン生成細胞酸結合タンパク質(KLBP);DA11。
17.gi|2707570:ミトコンドリアエノイル−補酵素−A−ヒドラターゼ;ミトコンドリアエノイル補酵素Aヒドラターゼ;ミトコンドリアエノイル−CoAヒドラターゼ;短鎖エノイル−CoAヒドラターゼ、ミトコンドリア;短鎖エノイル補酵素Aヒドラターゼ(SCEH)。
18.gi|6307090:ヌクレオホスミン;ヌクレオホスミン;核小体リンタンパク質B23;核小体タンパク質NO38;ヌマトリン;NPM(1)。
19.gi|7768772:HES1タンパク質、大腸菌(E.coli)およびゼブラフィッシュES1タンパク質のホモログ;抗シグマ交差反応タンパク質ホモログ1アルファ前駆体、KNP−la/Kpn−1アルファ、GT335(大腸菌(E.coli)SCRP27Aと、およびゼブラフィッシュES1と類似[ヒト(Homo sapiens)]。
20.gi|4506181:プロテアソームアルファ2サブユニット;プロテアソームサブユニットHC3,プロテアソーム成分C3;マクロパインサブユニットC3;多触媒性エンドペプチダーゼ複合体サブユニットC3[ヒト(Homo sapiens)]。
21.gi|4502171:アデニン−ホスホリボシルトランスフェラーゼ;AMPピロホスホリラーゼ;AMPジホスホリラーゼ;トランスホスホリボシダーゼ。
22.gi|11056044:無機ピロホスファターゼ;細胞質ゾル無機ピロホスファターゼ;無機ピロホスファターゼ1;ピロリン酸ホスホヒドロラーゼ[ヒト(Homo sapiens)]。
さらに、がん組織対照と比較して一部の患者集団においてアップまたはダウンレギュレートされる4種類の他のタンパク質が同定された(クラスター分析)。これらはタンパク質アネキシンA3、トランスジェリン、トリオースリン酸イソメラーゼおよびアルドラーゼAである。がん組織では、アネキシンA3は約5倍アップレギュレートされ、およびトランスジェリンは約5倍ダウンレギュレートされる。トリオースリン酸イソメラーゼおよびアルドラーゼAはがん組織においてそれぞれ約20%および10%アップレギュレートされる。
この点で、我々はクラスター分析の結果の図式的説明を示す図3を引用する。本図はそれぞれ丸で表す特定の患者群(またはそれぞれクラスター)のがん組織におけるさまざまなタンパク質のアップおよびダウンレギュレーションを対照と比較して示す。
アネキシンおよびトランスジェリンの英語の同義語は下記の通りである:

23.gi|4826643:アネキシンA3;アネキシンIII;リポコルチンIII;抗凝固タンパク質III;胎盤抗凝固タンパク質III(PAPIII);35アルファカルシメジン。
24.gi|4507359:トランスジェリン;SM22−アルファ平滑筋タンパク質、22kDaアクチン結合タンパク質、平滑筋22タンパク質、アクチン随伴タンパク質p27、25kDaFアクチン結合タンパク質。
加えて、がん組織において対象と比較して特定の患者群で異なるレベルの量(ダウンまたはアップレギュレーション)を示した他のタンパク質が同定された。これらのタンパク質は、ATP合成酵素、ビリベルジン・レダクターゼB、グルコース調節性タンパク質、プロリル−4−ヒドロラーゼベータおよびdnak様分子シャペロンであった。ATP合成酵素はダウンレギュレートされ、それ以外のタンパク質はアップレギュレートされる。
興味深いことに、我々が同定したタンパク質の多くは、脂質代謝に関係している。アネキシンA3およびSAPの脂質との直接結合が報告されている。両方のタンパク質は食作用に関与している。FABP−3およびE−FABPは脂肪酸結合タンパク質である。ミトコンドリアエノイル−補酵素Aヒドラターゼは脂肪酸のβ−酸化に関与している。リン脂質と反応するホスホリパーゼは、HSP27の活性を促進するプロテインキナーゼCを誘導する。HSP90もまたリン脂質代謝に関与するが、なぜならHSP90の阻害はリン脂質代謝の変化を結果として生じるからである(チュン(Chung)Y.ら,2003,J.Natl.Cancer Inst.95: 1624−33)。さらに、PDIはまた脂質の代謝とも関連すると考えられ、なぜならそれは多機能タンパク質として作用しおよび(特に)トリグリセリド輸送に関与するからである(ホリウチ(Horiuchi)R.およびヤマウチ(Yamauchi)K.,1994,Nippon−Rinsho 52: 890−5)。さらに14−3−3タンパク質はプロテインキナーゼCを阻害し、および、プロテインキナーゼCの偽基質ドメインおよびアネキシンのC末端のように見える保存配列を含む。このことは、それらの異なるタンパク質の間の機能的関係を示す。
本発明によると、診断マーカーは、異なる種類の腫瘍およびがん性疾患を同定するために用いることができる。本発明の好ましい実施形態では、診断されるがん疾患は、前立腺がん、特に前立腺がん腫である。前述の通り、前立腺のがん腫は男性における最も普通の悪性腫瘍である。早期に検出される場合のみ、前立腺がんは前立腺の予防的外科除去によって治療に成功できる。本疾患が進行しおよびすでに1つの臓器に限定されない場合、前立腺の予防的除去は十分でない。手術によって除去できない前立腺腫瘍については、男性ホルモンの阻害を考慮できる。この阻害は、好ましくは外科的または薬理的去勢によるが、時々腫瘍の増殖および転移を阻害する可能性があり、および一定の期間、腫瘍管理を可能にする。しかし大部分の前立腺腫瘍は、しばらくするとこの内分泌療法に抵抗性となる。他の治療手段、たとえば細胞毒性物質、遺伝子治療または免疫療法の適用は、まだ臨床研究中でありおよびまだ成功していない。したがって、前立腺の腫瘍をできるだけ早期に検出することが、手術によって除去に成功するために必要である。本発明によると、記載のマーカータンパク質は、前立腺がんの早期検出に大きな利益を提供する。
本発明の方法の好ましい一実施形態では、がんのある種のサブタイプ、特に前立腺がんのサブタイプを、前述のタンパク質のうち好ましくはいくつかの定量化によって診断できる。発明者らは、いわゆるクラスター分析によって、異なるタンパク質パターンが、異なる患者集団に相関する異なるタンパク質の特徴的なアップまたはダウンレギュレーションを反映することを実証できた。ある特定の集団に属する患者はすべて、がん、特に前立腺がんの同一の識別可能なサブタイプを示す。本発明によると、本発明の方法の適用によって決定されたタンパク質パターンに関連するがんの特定のサブタイプに従って患者を特徴づけることが、がんのこのサブタイプを選択的に治療するために意図される。好ましくは、タンパク質の規定の組み合わせを分析すべきである。この点に関して、我々は、異なる患者集団に対応する特徴的なタンパク質パターンの図式的説明を示す図3を引用する。図4の表は、異なる患者集団および前立腺がんのサブタイプをそれぞれ表すタンパク質パターンの要約を示す。
前立腺がんの異なるサブタイプを診断するために、好ましくは異なるタンパク質の組み合わせの量を測定すべきである。したがって下記のうち少なくとも一種類を、共通がんマーカーとして測定すべきである:ヌクレオホスミン、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ、熱ショックタンパク質90、ミトコンドリア補酵素Aヒドラターゼのアップレギュレーション;熱ショックタンパク質27および/またはユビキチンイソペプチダーゼTのダウンレギュレーション。これらは、前立腺がんの3つのサブタイプについて、下記のタンパク質のうち少なくとも1種類と共に分析すべきである。

サブタイプa:トランスジェリンのアップレギュレーション;ガレクチンおよびマイクロセミノタンパク質ベータの相当なダウンレギュレーション;脂肪酸結合タンパク質3のダウンレギュレーション;表皮脂肪酸結合タンパク質の変化無しまたは小さい変化、核塩化物イオンチャンネルタンパク質、14−3−3タンパク質ベータ、ゼータおよびタウ、アルドラーゼA、血清アミロイドP成分、トリオースリン酸イソメラーゼおよび/またはアネキシンA3の変化無しまたは小さい変化。

サブタイプb:タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ、熱ショックタンパク質90の相当なアップレギュレーション;ユビキチンイソペプチダーゼTの相当なダウンレギュレーション;14−3−3タンパク質ベータ、ゼータおよびタウ、アルドラーゼA、トリオースリン酸イソメラーゼ、アネキシンA3のアップレギュレーション;トランスジェリン、ガレクチンマイクロセミノタンパク質ベータ、血清アミロイドP成分のダウンレギュレーション;脂肪酸結合タンパク質3および/または核塩化物イオンチャンネルタンパク質の変化無しまたは小さい変化。

サブタイプc:核塩化物イオンチャンネルタンパク質の相当なアップレギュレーション;血清アミロイドP成分のダウンレギュレーション;脂肪酸結合タンパク質3、14−3−3タンパク質ベータ、ゼータおよびタウ、アルドラーゼA、トリオースリン酸イソメラーゼ、アネキシンA3、表皮脂肪酸結合タンパク質;マイクロセミノタンパク質ベータ、ガレクチン、トランスジェリンの変化無しまたは小さい変化。
本発明によると、前立腺がんの異なるサブタイプを診断するために、少なくとも一種類の一般的ながんマーカーを、追加のタンパク質として少なくともアネキシンA3と組み合わせて分析することが可能である。
別の特に好ましい一実施形態では、アネキシンA3および/またはミトコンドリアエノイル−補酵素A−ヒドラターゼだけの調査によって、特定の患者群に存在する特異的前立腺がんサブタイプを診断することが可能である。
記載のタンパク質の診断マーカーとしての本発明の使用の場合には、がん性組織中の(または調査中の組織中の)タンパク質の存在または量を対照組織と比較して分析するために、さまざまな方法を利用できる。調べるべき試料および対照試料のタンパク質が、ゲル電気泳動によって、たとえば従来のポリアクリルアミドゲル上で分離される場合は特に有利である。その後、試料および対照中の所定のタンパク質の量が比較される。必要な分解のため、二次元ゲルが特に好ましい。しかし、たとえば一次元ポリアクリルアミドゲル電気泳動で適当な分離および分析可能性が得られるように、ゲル電気泳動分離の前に前精製を実施することもまた可能である。たとえば従来のクロマトグラフィー法、特にカラムクロマトグラフィー法のような、他のタンパク質分離法もまた有利に用いることができる。調べるべき試料および対照試料がが、異なる方法で、たとえば異なる同位体を用いて標識化またはラベル化される場合はとくに有利である。このことは、調べるべき試料および対照の、所定のタンパク質の量に関する比較を容易にする。別の好ましい一実施形態では、分析すべきタンパク質は、タンパク質の正確な同定を可能にするために質量分析によって調べられる。したがって、たとえば、表面増強レーザー脱離イオン化法(SELDI法)を組織または体液調製物に用いることができる。しかし、in vivo画像を与える方法、特に陽電子放射断層法(PET)を用いることもまた有利に可能である。
調べるべきタンパク質はまた、調べるタンパク質に対応するように導かれおよび診断マーカーとして用いられる分子を用いて、定性的におよび定量的に特徴づけられる。特に有利な方法では、その分子は抗体、特にポリクローナルおよび/またはモノクローナル抗体である。しかし、本発明はまた、これに関連してすべての公知のアフィニティ試薬を包含する。
定性的および特に定量的同定のために、たとえば酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)といった従来のイムノアッセイを用いることができる。また、免疫組織化学法および/またはタンパク質チップ、たとえばまたSELDI法を用いることも可能である。体液または腫瘍組織は、たとえば同定目的で調べることができる。抗体は、アネキシンA314−3−3タンパク質ベータ、タウおよびゼータおよび/またはSAPを同定するのに特に適している。たとえば、汎抗14−3−3ベータ/ゼータモノクローナル抗体(ストレスジェン社(Stressgen)カタログ番号KAM−CC012C)は上皮およびがん細胞、および間質中の特定のリンパ球を染色する。間質は、タンパク質血清アミロイドP成分(SAP)に対するモノクローナル抗体(ストレスジェン社カタログ番号HYB281−05、作業希釈1:10)によって染色されるが、上皮またはがん細胞は染色されない。
別の好ましい一実施形態では、診断マーカータンパク質の定性的および定量的測定は、オリゴヌクレオチドを用いて、たとえば通常のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)中に実施される。PCRは決められたDNA配列を選択的に増幅する分子遺伝学の方法論レパートリーに属する。本方法は、DNAレベルおよびRNAレベルでそれぞれ、被験タンパク質の定性的および定量的検出を与える。適当なオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション検定法を用いて、たとえば通常のノーザンまたはサザンブロットが可能である;それらはまた、DNAレベルまたはRNAレベルでのタンパク質についての定性的および定量的情報を与える。オリゴヌクレオチドを用いた検出のための方法は、容易に自動化することができ、それはその長所の1つである。一方で、それらは特定のDNA配列またはRNA配列の量についての情報だけを与え、および対応するタンパク質の本当の量についての情報は与えない。この場合、診断マーカータンパク質の特徴的なアップおよびダウンレギュレーションがmRNAレベルで達成されることを、または調節が転写に続くレベルで起こるかどうかを、確認する必要がある。
本発明にしたがって測定された異なるマーカータンパク質の量の特徴的な変化はまた、各タンパク質の活性、たとえばそれらの酵素活性に影響する。したがって、タンパク質の活性を、量と代替的にまたは平行して、対照と比較して測定することは有益と思われる。このことはまた、さまざまなタンパク質のアップまたはダウンレギュレーションという語によって理解されている。各測定は、専門家に明らかである各酵素についての一般的な酵素試験によって実施できる。さらに結合検定法または同等の試験を、脂肪酸結合タンパク質を用いて、それらの活性およびそれらのアップまたはダウンレギュレーションそれぞれについての情報を得るために、行うことができる。同じことはそれ以外のタンパク質についても言え、たとえば核塩化物イオンチャンネルタンパク質(CLIC−1)のチャンネル活性を測定できる。このことは、下記で本発明にしたがって記載される、さまざまなタンパク質の診断マーカーとしてまたは診断キットにおける用途に用いることができる。さらに、各タンパク質の活性の測定は、下記に記載する通り、本発明に記載のがん治療について医薬の効果を試験するのに用いることができる。
少なくとも一種類のタンパク質の試験のための本発明に記載の用途の別の好ましい一実施形態では、たとえば患者材料に由来するエキソソームが単離され、および目的のタンパク質に関して分析される。特にタンパク質パターンでは、エキソソーム中の少なくとも一種類のタンパク質に対応するパターンが試験され、診断上意義のある一種類以上のタンパク質のアップおよび/またはダウンレギュレーションが測定される。患者材料に由来するエキソソームの調製に適した方法は、専門家に公知である標準的な方法を用いて実施できる。
さらに本発明は、上述の説明に記載の診断マーカーとして報告されているタンパク質のうち少なくとも一種類の活性および/または発現の測定のための、少なくとも一種類の化合物を含む診断キットを包含する。この診断キットは、選択的に、下記のタンパク質のうち少なくとも一種類の活性および/または発現を測定するために用いられる:イソペプチダーゼT、血清アミロイドP成分(SAP)、核塩化物イオンチャンネルタンパク質チャンネル1(CLIC−1)、ミトコンドリアエノイル−補酵素Aヒドラターゼおよび/またはアネキシンA3。とりわけ、そのような診断キットは、対照と比較して特徴的にアップまたはダウンレギュレートされるこれらのタンパク質のうち少なくとも一種類のそれぞれの量の測定に役立つ。第一に、量はタンパク質の発現を反映する。本発明にしたがって開発された診断キットは、選択的に、がん性疾患、特に前立腺がんの検出またはスクリーニングに適している;そのキットはこれらの疾患の早期診断のために特別の利益を提供する。たとえばそのような診断キットは、良性または健常組織および悪性組織、たとえば前立腺過形成における良性組織、または前立腺がんの識別を可能にする。好ましくはそのようなキットは、記載のタンパク質または関係する核酸のうち一種類以上と相互作用する一またはいくつかの抗体、または一またはいくつかのオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド対をそれぞれ含む。これらの化合物を用いて、対照と比較したタンパク質の定性的および特に定量的情報を得ることができる。
試験すべき試料、および対照は、同一の患者から採取される。たとえば組織試料、または血液、リンパまたは尿のような体液の試料は、専門家によく知られている方法によって採取および調製される。選択的に、潜在的に悪性の組織、すなわち試験される試料、および対照組織、すなわち良性組織は、同一の患者から採取されおよび直接比較される。一方で、各タンパク質の量を、多数の独立した対照試料から統計的に決定されている他の標準と比較することもまた可能である。前立腺がんの場合には、良性および潜在的に悪性の前立腺組織を、手術によって前立腺が切除された患者から採取することが有利となる。前立腺過形成に由来する良性組織が対照となりうる。
さらに本発明は、記載のタンパク質のうち少なくとも一種類の量を分析することによってがん性疾患を診断する方法を包含する。本発明に記載の、がん性組織におけるそれらのアップおよびダウンレギュレーションの分析の結果は、既存のがん組織についての情報を与える。本発明の方法の他の特徴については、我々は上述の説明を引用する。
本発明はまた、前立腺がん、好ましくは特定の前立腺がん患者群の治療のための薬剤を製造するための、タンパク質アネキシンA3と相互作用し、およびアネキシン、特にアネキシンA3の活性および/または量に特に影響し、および好ましくは阻害する少なくとも一種類の活性物質の使用を包含する。本発明によると、活性物質がタンパク質アネキシンA3と直接相互作用し、およびそれによってその活性および/または量に影響し、好ましくは阻害することが好ましい。本発明の別の一実施形態では、活性物質がたとえばアネキシンA3の活性化因子、阻害因子、調節因子および/または生物学的前駆体に対するものである点で、活性物質がタンパク質アネキシンA3と間接的に相互作用することが有利でありうる。
この用途の特に好ましい一実施形態では、活性物質は、ベンゾジアゼピン型の少なくとも一種類の誘導体である(ホフマン(Hofmann)ら,1998,J.Biol.Chem.273 (5): 2885−94)。特に好ましいのはBDA250(1,3−ジヒドロ−1−メチル−5−フェニル−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン)、BDA452(3−(R,S)−(L−トリプトファニル)−1,3−ジヒドロ−1−メチル−5−フェニル−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン)および/またはBDA753(3−(R,S)−all−L−(NH−Trp−Gly−Tyr−Ala−H)−1,3−ジヒドロ−1−メチル−5−フェニル−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン)である。さらにジアゼパム(7−クロロ−1,3−ジヒドロ−1−メチル−5−フェニル−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン)の使用/適用が好ましい。これらの物質に由来する他の分子を、本発明にしたがって好ましくは用いることができる。特にアネキシンA3の活性を遮断する分子が関係する。
特に好ましい方法では、アネキシンA3特異的抗体が活性物質として適しており、治療用抗体が特に好ましい。これらは好ましくはブロッキング抗体および/または放射性標識化および/または毒素標識化抗体である。放射性標識化抗体は、たとえば131Iを有しうる。そのような抗体は、専門家に公知である通り、放射線免疫療法を実施することを有利に可能にする。しかし、専門家に公知である任意の他の試薬もまた活性物質として適している。
特に好ましい方法では、そのような活性物質は、エキソソームにおけるアネキシンA3の活性および/または量に影響を与えるのに用いることができる。
アネキシンA3の活性および/または発現に影響を与える活性物質、特に阻害作用を示すものは、骨関節炎変性および/またはアテローム硬化性病変の治療のための薬剤の製造に有利でありうる。
さらに本発明は、ユビキチン−イソペプチダーゼTの活性および/または発現、および/またはタンパク質−ジスルフィド−イソメラーゼ(PDI)の活性および/または発現に影響する少なくとも一種類の活性物質の、がん治療用の薬剤の開発のための用途を包含する。前述した通り、がん性組織におけるこれらのタンパク質の量は特徴的に変化している。特にユビキチン−イソペプチダーゼTの量は有意に減少し、およびタンパク質−ジスルフィド−イソメラーゼ(PDI)の量は増加している。これらのタンパク質の発現または活性を、対照組織で示される通りの正常レベルへ変化させることは、がん疾患を治癒するための可能な方法を表す。したがって、ユビキチン−イソペプチダーゼTの活性および/または量を増加させる活性物質の使用が請求される。加えて、PDIの活性および/または量を阻害する活性物質の使用が請求される。そのような活性物質によって、がん性疾患が効果的に治療できるように、前記タンパク質の活性が正常レベルへ調節される。
本発明はまた、ミトコンドリアエノイル−補酵素A−ヒドラターゼの活性および/または量に影響する少なくとも一種類の活性物質の、がんの治療用の薬剤を製造するための使用を包含する。好ましくはこれは、脂肪酸結合タンパク質3(FABP−3)および/または表皮脂肪酸結合タンパク質(E−FAPB)の影響と組み合わせて実施できる。好ましくは、ミトコンドリアエノイル−補酵素A−ヒドラターゼおよび/またはE−FABPそれぞれの活性および/または量についての阻害活性物質、FABP−3の活性および/または量についての増加活性物質が利用される。
本発明はまた、血清アミロイドP成分(SAP)の活性、量および/または局在に影響しおよび特に増大する少なくとも一種類の活性物質の、がんの治療用の薬剤を製造するための使用を包含する。がん性疾患においてSAPの局在を修飾できることが示されている。したがって、少なくとも一種類の活性物質の使用によってSAPの局在が影響されることが発明的に好ましい。活性物質は、たとえば、アネキシンA3のがん細胞結合ドメインおよびSAPの免疫反応影響ドメインを含む融合タンパク質でありうる。SAPはたとえば前立腺組織において間質細胞上に局在するが、しかし健常上皮細胞または形質転換がん細胞上には局在しない。アネキシンA3はがん組織中に豊富である。また、アネキシンは細胞の表面上に現れることも知られている。タンパク質成分としてSAPが免疫系に参加し、およびがん細胞は免疫系から除去されないため、がん細胞の表面上のSAPの免疫反応影響ドメインは、がん細胞に関して修飾された免疫反応を生じうる。
さらに本発明は、14−3−3タンパク質タウの活性および/または発現に影響する(好ましくは阻害する)少なくとも一種類の活性物質の、がん治療用の薬剤の開発のための用途を包含する。
さらに本発明は、核塩化物イオンチャンネルタンパク質1(CLIC−1)の活性および/または発現に影響する(好ましくは阻害する)少なくとも一種類の活性物質の、がん治療、特に前立腺がん用の薬剤の開発のための用途を包含する。
さらに本発明は、HES1の活性および/または発現に影響する(好ましくは阻害する)少なくとも一種類の活性物質の、がん治療用の薬剤の開発のための用途を包含する。
さらに本発明は、プロテアソームのアルファ2サブユニットの活性および/または発現に影響する(好ましくは阻害する)少なくとも一種類の活性物質の、がん治療、特に前立腺がん用の薬剤の開発のための用途を包含する。
さらに本発明は、アデニン−ホスホリボシル−トランスフェラーゼの活性および/または発現に影響する(好ましくは阻害する)少なくとも一種類の活性物質の、前立腺がん治療用の薬剤の開発のための用途を包含する。
さらに本発明は、特にエキソソーム中の、無機ピロホスファターゼの活性および/または発現に影響する(好ましくは阻害する)少なくとも一種類の活性物質の、前立腺がん治療用の薬剤の開発のための用途を包含する。
さらに本発明は、下記のタンパク質のうち少なくとも一種類の活性および/または発現に影響する(好ましくは阻害する)少なくとも一種類の活性物質の、前立腺がん治療用の薬剤の開発のための用途を包含する:ユビキチン−イソペプチダーゼT、血清アミロイドP−成分(SAP)、脂肪酸結合タンパク質3(FABP−3)、ガレクチン−1、マイクロセミノタンパク質ベータ、熱ショックタンパク質27(HP27)およびトランスジェリン。さらに本発明は、下記のタンパク質のうち少なくとも一種類の活性および/または発現に影響する(好ましくは阻害する)少なくとも一種類の活性物質の、がん治療用の薬剤の開発のための用途を包含する:14−3−3タンパク質ベータ、14−3−3タンパク質ゼータ、核塩化物イオンチャンネルタンパク質1(CLIC−1)、14−3−3タンパク質タウ、熱ショックタンパク質90(HSP90)、タンパク質−ジスルフィド−イソメラーゼ(PDI)、表皮脂肪酸結合タンパク質(E−FABP)、補酵素Aヒドラターゼ、ヌクレオホスミン、アネキシン、特にアネキシンA3、トリオースリン酸−イソメラーゼ、アルドラーゼA、プロテアソームのアルファ−2サブユニット、アデニン−ホスホリボシル−トランスフェラーゼおよび無機ピロホスファターゼ。少なくとも二種類の異なるタンパク質に対する二種類以上の活性物質の組み合わせが特に好ましい。さらにその活性物質が、特にエキソソーム中の、アネキシンA1、A2、A4、A7および/またはA10の活性および/または量を増大させるこれらの活性物質のうち一つまたは一つ以上と共に用いられるのが好ましい。
これらのタンパク質のそれぞれについて本発明によると、それらはがん性組織において対照と比較して特徴的にアップまたはダウンレギュレートされることが実証された。したがって各活性物質によるこれらのタンパク質の逆ダウンまたはアップレギュレーションが、活性、特に健常組織の酵素活性を達成するために、またはがん細胞を阻害および/または殺すために、本発明によると請求される。これは、さまざまながん性疾患の治療の成功を可能にしている。前立腺がん、好ましくは特異的前立腺がんサブタイプの治療用の薬剤を製造することが特に好ましい。
本発明にしたがって用いられる活性物質は、ペプチド、タンパク質、低分子化合物またはポリヌクレオチドでありうる。さまざまなタンパク質の活性および/または発現に影響するよく知られた機構を有するよく知られた活性物質が、新しい活性物質と同様に関係する。これらの活性物質は、記載のタンパク質に直接対処しうる。一方で、これらの活性物質が、これらのさまざまなタンパク質の調節因子、特に活性化因子または阻害因子および/または生物学的前駆体に対処するならば有利でありうる。ある活性物質が各タンパク質の活性および/または発現の阻害または刺激のどちらを行うかに応じて、それらは作用薬または拮抗薬でありうる。拮抗薬の他の例は、欠損または優性阻害突然変異体であり、それらは遺伝子工学によって構築されうる。それらは酵素活性を示さないが、阻害されるべきタンパク質または酵素のそれぞれの基質と競合し、その結果としてそのタンパク質の活性の低下が生じる。拮抗薬の別の例は、あるタンパク質の発現をよく知られた方法で減少させることができるアンチセンス分子である。作用薬は、ある遺伝子の発現またはmRNAの活性遺伝子産物への翻訳を促進する物質でありうる。これは、上述のタンパク質の発現のレベルを調節する特異的転写因子または同様の化合物でありうる。特に低分子化合物がこの目的のために有利に使用されうる。
本発明の特に好ましい一実施形態では、活性物質は、阻害抗体として所定のタンパク質、好ましくはアネキシンA3の活性を低減または遮断できる治療抗体でありうる。治療抗体はまた、たとえば毒性または放射性標識を有する点で特徴づけることができ、および単にたとえばアネキシンA3と相互作用することによって前記標識をがん細胞へ送る。このことは、放射性標識、たとえば131Iを有する抗体を、たとえば放射線免疫治療中に用いることができる。
本発明によると、活性 物質は、膜、好ましくはエキソソームおよび/またはマトリクス小胞におけるイオンチャンネル活性を阻害するための、1000未満の分子量(MW)を有する低分子化合物でありうる。
記載のタンパク質の、特にイソペプチダーゼT、FABP−3、ガレクチン−1、マイクロセミノタンパク質ベータ、HSP27およびトランスジェリンの活性を高めるために、同等のまたは類似の酵素活性を有する化合物を使用しうる。さらに既存の酵素分子の活性は、各化合物によって誘導または増大されうる。一方で、各酵素分子の発現つまり合成の誘導または増大に適した活性物質を用いることが可能である。活性物質はまた、酵素または他のタンパク質の限定された前駆体分子、調節因子、活性化因子または阻害因子に対処しうる。
さらにホルモンまたは同様の作用を有する物質を、それらが各タンパク質の活性に目的の方法で影響するならば、活性物質として用いることができる。たとえばプロゲステロンに類似の物質を、エノイル−補酵素Aヒドラターゼを阻害するために用いることができる。
本発明の用途の特に好ましい一実施形態では、活性物質はそのタンパク質自身の少なくとも一種類である:ユビキチン−イソペプチダーゼT、血清アミロイドP−成分(SAP)、脂肪酸結合タンパク質3(FABP−3)、ガレクチン−1、マイクロセミノタンパク質ベータ、熱ショックタンパク質27(HSP27)および/またはトランスジェリン。発明者らは、これらのタンパク質の量ががん性組織で低下していることを実証でき、したがって本発明によるとそのタンパク質自身を活性物質としてその活性および/または発現の促進のために用いることが意図される。この目的のために、単一のタンパク質、または好ましくはいくつかの異なるタンパク質の組み合わせを用いることができる。さらに、これらのタンパク質の一部、たとえばそのタンパク質に由来するペプチドまたは分子を、本発明に記載の活性物質として使用できることが意図される。
本発明の用途の特に好ましい一実施形態では、一種類以上の有効物質がエキソソームとして送られ、または活性物質の適用がエキソソームによって媒介される。このことは好ましくは、特にT細胞応答を調節することによって、患者の免疫応答に影響する。エキソソームとは、選択的に造血細胞によって分泌される、膜に被われた小胞である。樹状細胞によって産生されたエキソソームは、たとえばマウスにおいて効果的な抗腫瘍応答を促進することがよく知られている。
本発明に記載のがんの治療のための活性物質の適用によって、有利なことに腫瘍の発生または増殖の低減または阻害が達成でき、および/または腫瘍の転移が一部低減されまたは完全に回避される。
さらに本発明は、上記の活性物質のうち少なくとも一種類および少なくとも一種類の医薬品として許容されるキャリヤーを含む医薬組成物を包含する。その医薬組成物または活性物質に関する詳細については、上記の説明を引用する。適当な医薬品として許容されるキャリヤーは専門家に明らかである。
さらに本発明は、記載の活性物質の少なくとも一種類の適用による、がん性疾患たとえば前立腺がんの治療のための方法を包含する。がん治療のためのこの方法のさらなる詳細については上記の説明を引用する。
投与される活性物質については、たとえば経口、静脈内、局所、または吸入による投与といった、さまざまな投与方法を使用しうる。各処方は専門家によく知られている。投与方法は、治療すべき疾患およびもちろん患者の体質に依存する。詳細は専門家によく知られている。
最後に、本発明は、がん治療、特に前立腺がん用の活性物質を検索するための方法を包含する。この方法では、下記の群から選択されうる少なくとも一種類のタンパク質が用いられる:ユビキチン−イソペプチダーゼT、血清アミロイドP−成分(SAP)、脂肪酸結合タンパク質3(FABP−3)、ガレクチン−1、マイクロセミノタンパク質ベータ、熱ショックタンパク質27(HSP27)、14−3−3タンパク質ベータ、14−3−3タンパク質ゼータ、核塩化物イオンチャンネルタンパク質1(CLIC−1)、14−3−3タンパク質タウ、熱ショックタンパク質90(HSP90)、タンパク質−ジスルフィド−イソメラーゼ(PDI)、表皮脂肪酸結合タンパク質(E−FAPB)、ミトコンドリアエノイル−補酵素Aヒドラターゼ、ヌクレオホスミン、アネキシン、特にアネキシンA3、トランスジェリン、トリオースリン酸−イソメラーゼ、アルドラーゼA、HES1、プロテアソームのアルファ2サブユニット、アデニン−ホスホリボシル−トランスフェラーゼおよび無機ピロホスファターゼ1。好ましくは有利なのは、イソペプチダーゼT、血清アミロイドP−成分(SAP)、核塩化物イオンチャンネルタンパク質1(CLIC−1)、14−3−3タンパク質タウ、ミトコンドリアエノイル−補酵素Aヒドラターゼおよび/またはアネキシンA3である。さらにこれらのタンパク質の誘導体、特に、分子生物学の方法によって作製されているそのタンパク質の相同配列または変異型を用いることができる。さらにこれらのタンパク質の一部または部分領域それぞれ、またはさまざまなタンパク質および/またはその誘導体の組み合わせを用いることができる。本方法の実施は専門家によく知られており、たとえばタンパク質またはその誘導体は適当な発現系を用いて発現できる。この系を用いて、潜在的リガンド、特に阻害因子または活性化因子との相互作用を調べることができる。たとえば2ハイブリッド系が、これらの相互作用の調査に適している。
本発明の記載の特徴および他の性質は、下位請求項および図面と関連する好ましい実施形態の下記の説明から明らかになる。一つの特徴は単独でまたは互いに組み合わせて実現されうる。
本発明に記載の有意義なタンパク質を同定するために、2つの患者群(A群患者23名およびB群:患者33名)の組織試料を調べた。がん性組織および対照組織は各例で調製されおよび二次元ポリアクリルアミドゲル電気泳動(2D−PAGE)に供された。等電点電気泳動はpH4〜7およびpH6〜11にて実施した。A群からの患者2名のゲル電気泳動結果は以降の分析に不適であった。別の2名の患者の場合、結果はpH6〜11で不満足であった。したがって、pH範囲4〜7で患者21名、およびpH範囲6〜11で患者19名の結果を評価することが可能であった。B群からの患者2名の結果はpH4〜7で以降の分析に不適であった。したがって、全体としてpH範囲4〜7で患者31名の結果を評価できた。
各患者の2つの異なる試料は各例で異なる同位体で標識され、混合され、および電気泳動によって単一の二次元ポリアクリルアミドゲル上で分離された。2つの組織試料のタンパク質試料が直接比較できるように、各同位体のシグナルは次いで互いに別個に検出された(プロテオトープ(ProteoTope)技術)。
タンパク質の最終的な同定のために、放射性標識化された試料の分析量(<1μg)を、同一試料の非標識化タンパク質の調製量(>200μg)と共に、調製ゲルで分離した。該当するタンパク質スポットを銀染色した調製ゲルから切り出し、トリプシンで酵素消化し、およびマトリクス支援レーザー脱離イオン化飛行時間質量分析法(MALDI−TOF MS)によってブルカー社(Bruker)のバイフレックス(BiFlex)またはウルトラフレックス(Ultra−Flex)で同定した。一部で、エレクトロスプレーイオン化イオントラップ質量分析法(ESI−MS)を実施した(ブルカー・エスクワイア(Esquire))。
この方法で、がん性組織において対照組織と比較して量の特徴的な対応するアップレギュレーションまたはダウンレギュレーションを示したさまざまなタンパク質が同定された。
これらの分析のために、一部は特定の患者群が作られその中でさまざまなタンパク質の量を調べた。このいわゆるクラスター分析では(クラスタン・グラフィックス(Clustan Graphics)6.4)、各例で特徴的なタンパク質発現/量パターンを示した、A群からの患者3群およびB群からの患者2群を定めた。この手順を用いて、特定の患者について特徴的な量を示した、タンパク質アネキシンA3、トランスジェリン、トリオースリン酸−イソメラーゼおよびアルドラーゼAの同定が行われた。

組織試料
健常前立腺組織および悪性前立腺組織を、前立腺切除術後の患者から受領した。患者PSA(前立腺特異的抗原)についてスクリーニングし、および腫瘍は超音波スキャンによって確認された。全患者の同意を手術前に得た。
切除直後に、前立腺を無菌箱に移しおよび冷蔵した。厚さ0.5〜1cmの組織切片を調製し、および右および左半分に分割した。これらを冷凍マトリクスに包埋しおよび瞬間冷凍した。前立腺の残りをホルムアルデヒド溶液中で固定しおよび通常の標準法に従ってさらに処理した。組織試料の調製については、前立腺の両側の薄切片を採取しおよびヘマトキシリン−エオシンで染色した。これらの切片を使用まで−80℃にて保存した。対照組織試料は腫瘍の無い領域から採取しおよび同一の処理を行った。

試料調製
タンパク質を、2%SDS、0.1M Tris pH8.8を含む沸騰溶液100μlで溶解し、およびタンパク質濃度をビシンコニン酸法で測定した。
125Iまたは131Iそれぞれを用いたヨウ素化、二次元ポリアクリルアミドゲル電気泳動およびデータ分析は通常の手順に従って実施した(カーヒル(Cahill)ら,2003 Rapid Communications in Mass Spectrometry 17: 1283−1290)。放射性ヨウ素はアマシャム・バイオサイエンス社(Amersham Bioscience)(ドイツ、フライブルク(Freiburg))から購入した。ヨウ素化反応は125Iまたは131Iのどちらかの等濃度を用いて別個に実施した。

ポリアクリルアミドゲル電気泳動
ポリアクリルアミドゲルへの適用のために、標識化試料のタンパク質の等量(がん組織および対照組織)を混合した。pH4〜7および6〜11の範囲での等電点電気泳動(IEF)には、試料を共通試料緩衝液で希釈し、および18 cm pH勾配(IPG)ストライプ(アマシャム・バイオサイエンス社(Amersham Bioscience))に負荷した。2D−PAGEによるタンパク質の分離の第一次元としてのIEFはマルチフォア(Multiphor)装置(アマシャム・バイオサイエンス社)で実施した。第二次元(SDS−PAGE)はISO−DALT装置(ホーファー社(Hoefer))で実施した。ゲルを乾燥し、80μmプラスチックフィルムでラミネートし、および最後に2種類の放射性同位体のシグナルの測定を実施した。
異なる放射性同位体の分析のための選択された方法で、異なる試料に由来するタンパク質の定量的多色示差表示を達成できた。したがって、一つのゲル上で分離されたタンパク質スポットの統合された強度の直接比較を、以後の分析のために使用できた。単一ゲル上での分析は、二つ以上のゲル間の変動における系誤差が無関係になるという利点を提供する。誤差の最大の潜在的原因は、各同位体を用いた標識化における異なる化学量論である。これは、ゲルを逆の標識化で実施することによって除外でき、すなわち対照試料およびがん試料を逆にそれぞれどちらかの同位体で標識化しおよび比較した。逆標識化手順についてタンパク質発現のパターンは一致し、したがって定量的判定基準は満たされた。コンピューターを用いる方法によって、異なる同位体についてのシグナルは異なる色(青または橙)で視覚化され、結果として試料間の量の一貫した差は標識化に用いられた同位体に対応する2色の一方で表示された。この方法論に関する詳細は、カーヒル(Cahill)ら,2003 Rapid Communications in Mass Spectrometry 17: 1283−1290で言及されている。

画像分析
タンパク質発現の示差分析は、記載のポリアクリルアミドゲル中のタンパク質スポットの、信頼性の高い示差定量化に基づく。定量的画像分析には、フォアティクス2Dアドバンスト(Phoretix 2D Advanced)(ノンリニア・ダイナミクス社(Nonlinear Dynamics))ソフトウェアを、発明者らによって行われた特別の適応と共に用いた。

質量分析によるタンパク質の同定
原則として質量分析の2つの異なる方法を用いた。一方で、量の多いタンパク質の、MALDI−TOF−MSを用いるペプチド質量フィンガープリント法による迅速でおよび信頼性の高い同定。非常に量の少ないタンパク質の同定は、より時間のかかるLC−ESI−イオントラップ−MS/MSまたはMALDI−TOF−TOF手順を用いて実施した。要約すると、選択されたタンパク質スポットを含むゲル片を切り取り、およびゲル片中のタンパク質をトリプシンで消化した。まず、結果として生じる溶液を、MALDI−TOF−MSを用いるペプチド質量フィンガープリント法によって分析した。そのようにして明確に同定できなかったタンパク質スポットについては、MALDI−TOF−TOFまたはLC−ESI−イオントラップ−MS/MSに基づくより遅い断片化分析を実施した。これらの方法の詳細な説明は、フォークト(Vogt)ら,2003,Molecular Cellular Proteomics 2: 795に見出すことができる。

タンパク質の同定
タンパク質の同定のために、質量分析によって見出されたそのペプチド質量を、NCBIデータベースを用いて分析した。これはMASCOTバージョン1.9(マトリクス・サイエンス社(Matrix Science)、英国ロンドン)プログラムを用いて実施した。

定量的画像分析
定量的分析は、画像マトリクスの各ピクセルについて放射線画像処理装置の光電子増倍管によって記録されたデジタルデータを用いて実施した。タンパク質スポットの境界はフォアティクス2Dアドバンスト(Phoretix 2D Advanced)(ノンリニア・ダイナミクス社(Nonlinear Dynamics))ソフトウェアを用いて定め、およびスポット領域内部のピクセル結果は適当なバックグラウンドシグナルの減算後に統合した。生成した完全なデータに基づき、検出されたタンパク質スポットの詳細な定量化を実施した。表1はこれらの結果を要約する。
図1および図2はそれぞれ、pH4〜7にて(図1)、および第2の例でpH6〜11にて(図2)、等電点電気泳動後の選択されたスポットの位置を示す。
分離されたタンパク質を含む二次元ポリアクリルアミドゲルの画像。等電点電気泳動をpH4〜7にて実施した。数字で標識したタンパク質スポットは、がん性組織および対照組織においてそれぞれ量が異なるタンパク質を示す。数字は表1を参照。 分離されたタンパク質を含む二次元ポリアクリルアミドゲルの説明。等電点電気泳動をpH6〜11にて実施した。数字で標識したタンパク質スポットは、がん性組織および対照組織においてそれぞれ量が異なるタンパク質を示す。数字は表1を参照。 異なる患者集団、すなわち前立腺がんの異なるサブタイプに特徴的なタンパク質発現のパターンの図式的説明。p<0.01で統計的に有意な結果は黒で描かれ、t検定p値が0.01<p<0.1の結果は灰色で描かれる。異なるクラスター内で発現が異なるタンパク質は囲みに示される。 患者集団1から3における、良性(健常)と比較したタンパク質の異なるレベルの表による説明。データはタンパク質スポットの総量(良性+悪性)に対してがん性組織におけるタンパク質スポットのサイズの割合と標準誤差をいう。t検定確率は、2つの任意の集団のスポット画分の分布に有意差がある可能性を表す。確率99%を上回るt検定結果は太字で示す。確率95%未満の結果は灰色で示す。 表は良性(健常)および悪性組織を比較してすべての患者における発現に有意差のあるタンパク質スポットの一覧であり、2色プロテオトープ(ProteoTope)分析に基づく:「観察数」はスポットを観察できた患者の数を表す。良性組織(良性画分)および悪性組織(がん画分)について標準誤差を伴うスポット画分は、タンパク質スポット(良性+悪性)の総量の割合をいう。t検定確率は、全患者を考慮した場合に、良性組織中のスポット画分の分布ががん組織中の分布と有意差がある確率を表す。スポットは、t検定確率が少なくとも99%に達したという条件で選択した。 B群の患者14の分離されたタンパク質の二次元ポリアクリルアミドゲルの提示。対照試料およびがん性組織試料の両方を131Iおよび125Iで標識しおよび逆に比較した。異なる同位体シグナルは各例で別の色で視覚化し(青/橙)、選択された同位体標識化の機能として、各色で試料間のタンパク質の量に一致した差があるようにした。 B群の例を用いて、プロテオトープ(Proteo−Tope)測定の精度および統計的優位性を表すグラフ:a.125Iおよび131Iで標識したゲルについて、示差量比Mの差およびその算術平均の間の比を再現するブランド(Bland)・アルトマン(Altman)プロットb.125Iおよび131Iで標識したゲルについて、示差量比Mの差および強度Aの算術平均の間の比を再現するプロットc.125Iおよび131Iで標識したゲルについて、示差量比Mおよび強度Aの間の比を再現するMAプロットここでM=log2×(I2/I1)およびA=0.5×log2×(I1×I2)(I=測定強度)。 がん性および健常組織由来の検出された逆標識化されたタンパク質の平均強度間の差を示すボルカノ(Volcano)プロット。 B群のがん患者の場合、タンパク質量比パターン2つの部分集合を与える、パブリディス(Pavlidis)テンプレートマッチング分析のグラフ。一方の群は患者22名から成り、それとは有意に異なる他方は患者9名から成る。タンパク質番号は図10の表の番号に対応する。患者22名の部分集合の中では、アネキシンA3(タンパク質14)の相対量に有意差がある。患者14、11、10、21、3、1、6、22、23、7、4、19および27の例では、患者29、28、32、15、31、24、25、30および33よりも、タンパク質は悪性前立腺組織ではるかに多量である。 患者全31名(B群)、22名の群、および9名の群(パブリディス(Pavlidis)テンプレートマッチング分析によって得られた)の示差分析からのタンパク質スポットを示す表。登録番号はNCBIデータバンクからの番号に対応する。スコアはMASCOT技術を用いて得られる。PMFスコアと相対的な表示は、MASCOTサーバーによって用いられるmouseスコアに関連し、および一般的に、65を上回るPMFスコアは有意な同定を表す。星印付きのタンパク質の同定はLC/MS/MSによって決定された。がん性組織の平均スポット画分を、総スポット量(健常+悪性)の割合として標準誤差と共に示す。このモデルについてのP値もまた示す。表中の棒グラフは標記の患者群における良性(紺色)およびがん性(淡橙色)試料中の各タンパク質の平均量を百分率として示す。

Claims (53)

  1. タンパク質アネキシンA3の、前立腺がんに関する診断マーカーとしての使用。
  2. 前立腺がんの特異的サブタイプに関する点を特徴とする、請求項1に記載の使用。
  3. アネキシンA3の対照と比較したアップレギュレーションが調べられる点を特徴とする、請求項1または2に記載の使用。
  4. アネキシンA1、アネキシンA2および/またはアネキシンA5のダウンレギュレーションと組み合わせた、アネキシンA3のアップレギュレーションが調べられる点を特徴とする、前記請求項のうちの1つに記載の使用。
  5. タンパク質アネキシンA3と相互作用し、および特にタンパク質アネキシンA3の活性および/または量に影響し、好ましくは阻害する、少なくとも一種類の活性物質の、前立腺がん、好ましくは特異的前立腺がん患者群の治療用の薬剤の製造のための使用。
  6. 活性物質が作用薬、拮抗薬、欠損変異体、優性阻害変異体および/またはアンチセンス分子である点を特徴とする、請求項5に記載の使用。
  7. 活性物質が抗体、好ましくは治療抗体である点を特徴とする、請求項5または6に記載の使用。
  8. 活性物質が少なくとも一種類のベンゾジアゼピン誘導体、特にBDA250および/またはBDA452である点を特徴とする、請求項5から7のうちの1つに記載の使用。
  9. エキソソーム中のタンパク質アネキシンA3の活性および/または量が影響される点を特徴とする、請求項5から8のうちの1つに記載の使用。
  10. 活性物質が、膜、好ましくはエキソソームおよび/またはマトリクス小胞におけるイオンチャンネル活性を阻害するための、分子量(MW)1000未満の低分子化合物である点を特徴とする、請求項5から9のうちの1つに記載の使用。
  11. タンパク質ミトコンドリアエノイル−補酵素A−ヒドラターゼの、がんに関する診断マーカーとしての使用。
  12. ミトコンドリアエノイル−補酵素A−ヒドラターゼの対照と比較したアップレギュレーションが調べられる点を特徴とする、請求項11に記載の使用。
  13. タンパク質ユビキチン−イソペプチダーゼTおよび/またはタンパク質−ジスルフィド−イソメラーゼ(PDI)の、がんに関する診断マーカーとしての使用。
  14. 対照と比較した、ユビキチン−イソペプチダーゼTのダウンレギュレーションおよび/またはタンパク質−ジスルフィド−イソメラーゼ(PDI)のアップレギュレーションが調べられる点を特徴とする、請求項13に記載の使用。
  15. タンパク質血清アミロイドP−成分(SAP)の、がんに関する診断マーカーとしての使用。
  16. 血清アミロイドP−成分(SAP)の対照と比較したダウンレギュレーションが調べられる点を特徴とする、請求項15に記載の使用。
  17. タンパク質核塩化物イオンチャンネルタンパク質の、前立腺がんに関する診断マーカーとしての使用。
  18. 核塩化物イオンチャンネルタンパク質の対照と比較した場合のアップレギュレーションが調べられる点を特徴とする、請求項17に記載の使用。
  19. タンパク質HES1の、がんに関する診断マーカーとしての使用。
  20. HES1の対照と比較したアップレギュレーションが調べられる点を特徴とする、請求項19に記載の使用。
  21. プロテアソームアルファ2サブユニットの、がんに関する診断マーカーとしての使用。
  22. プロテアソームアルファ2サブユニットの対照と比較したアップレギュレーションが調べられる点を特徴とする、請求項21に記載の使用。
  23. タンパク質アデニン−ホスホリボシル−トランスフェラーゼの、前立腺がんに関する診断マーカーとしての使用。
  24. アデニン−ホスホリボシル−トランスフェラーゼの対照と比較したアップレギュレーションが調べられる点を特徴とする、請求項23に記載の使用。
  25. タンパク質無機ピロホスファターゼの、前立腺がんに関する診断マーカーとしての使用。
  26. 無機ピロホスファターゼの対照と比較したアップレギュレーションが調べられる点を特徴とする、請求項25に記載の使用。
  27. タンパク質ユビキチン−イソペプチダーゼTおよび血清アミロイドP−成分(SAP)の、がんに関する診断マーカーとしての、好ましくは該タンパク質の対照と比較したダウンレギュレーションが調べられる使用。
  28. ユビキチン−イソペプチダーゼT、熱ショックタンパク質27(HSP27)、熱ショックタンパク質90(HSP90)、タンパク質−ジスルフィド−イソメラーゼ(PDI)、ミトコンドリアエノイル−補酵素A−ヒドラターゼおよびヌクレオホスミンから成る群から選択される少なくとも二種類のタンパク質の、がんに関する診断マーカーとしての、ユビキチン−イソペプチダーゼTおよび/または熱ショックタンパク質27(HSP27)のダウンレギュレーション、および/または熱ショックタンパク質90(HSP90)、タンパク質−ジスルフィド−イソメラーゼ(PDI)、ミトコンドリアエノイル−補酵素A−ヒドラターゼおよび/またはヌクレオホスミンのアップレギュレーションが対照と比較して調べられる使用。
  29. がんが前立腺がんである点を特徴とする、前記請求項のうちの1つに記載の使用。
  30. 一種類以上のタンパク質の調査によって、がん、特に前立腺がんのサブタイプが診断される点を特徴とする、前記請求項のうちの1つに記載の使用。
  31. 請求項28に記載の少なくとも一種類のタンパク質が、血清アミロイドP成分(SAP)、脂肪酸結合タンパク質3(FABP−3)、ガレクチン、マイクロセミノタンパク質ベータ、14−3−3タンパク質ベータ、14−3−3タンパク質ゼータ、核塩化物イオンチャンネルタンパク質、14−3−3タンパク質タウ、表皮脂肪酸結合タンパク質(E−FABP)、アネキシンA3、トランスジェリン、トリオースリン酸イソメラーゼおよびアルドラーゼAから成る群から選択される少なくとも一種類のタンパク質と組み合わせて調べられ、対照と比較してSAPの変化無しまたは小さい変化、FABP−3のダウンレギュレーション、ガレクチンの強いダウンレギュレーション、マイクロセミノタンパク質ベータの強いダウンレギュレーション、14−3−3タンパク質ベータの変化無しまたは小さい変化、14−3−3タンパク質ゼータの変化無しまたは小さい変化、核塩化物イオンチャンネルタンパク質の変化無しまたは小さい変化、14−3−3タンパク質タウの変化無しまたは小さい変化、E−FABPの変化無しまたは小さい変化、アネキシンA3の変化無しまたは小さい変化、トランスジェリンのアップレギュレーション、トリオースリン酸イソメラーゼの変化無しまたは小さい変化、および/またはアルドラーゼAの変化無しまたは小さい変化が調べられる点を特徴とする、請求項30に記載の使用。
  32. 請求項28に記載の少なくとも一種類のタンパク質が、血清アミロイドP成分(SAP)、脂肪酸結合タンパク質3(FABP−3)、ガレクチン、マイクロセミノタンパク質ベータ、14−3−3タンパク質ベータ、14−3−3タンパク質ゼータ、核塩化物イオンチャンネルタンパク質、14−3−3タンパク質タウ、アネキシンA3、トランスジェリン、トリオースリン酸−イソメラーゼおよびアルドラーゼAから成る群から選択される少なくとも一種類のタンパク質と組み合わせて調べられ、対照と比較してPDIの強いアップレギュレーション、HSP90の強いアップレギュレーション、ユビキチン−イソペプチダーゼTの強いダウンレギュレーション、SAPのダウンレギュレーション、FABP−3の変化無しまたは小さい変化、ガレクチンのダウンレギュレーション、マイクロセミノタンパク質ベータのダウンレギュレーション、14−3−3タンパク質ベータのアップレギュレーション、14−3−3タンパク質ゼータのアップレギュレーション、14−3−3タンパク質タウのアップレギュレーション、核塩化物イオンチャンネルタンパク質の変化無しまたは小さい変化、アネキシンA3のアップレギュレーション、トランスジェリンのダウンレギュレーション、トリオースリン酸イソメラーゼのアップレギュレーション、および/またはアルドラーゼAのアップレギュレーションが調べられる点を特徴とする、請求項30に記載の使用。
  33. 請求項28に記載の少なくとも一種類のタンパク質が、血清アミロイドP成分(SAP)、脂肪酸結合タンパク質3(FABP−3)、ガレクチン、マイクロセミノタンパク質ベータ、14−3−3タンパク質ベータ、14−3−3タンパク質ゼータ、核塩化物イオンチャンネルタンパク質、14−3−3タンパク質タウ、表皮脂肪酸結合タンパク質(E−FABP)、アネキシンA3、トランスジェリン、トリオースリン酸−イソメラーゼおよびアルドラーゼAから成る群から選択される少なくとも一種類のタンパク質と組み合わせて調べられ、対照と比較してSAPのダウンレギュレーション、FABP−3の変化無しまたは小さい変化、ガレクチンの変化無しまたは小さい変化、マイクロセミノタンパク質ベータの変化無しまたは小さい変化、14−3−3タンパク質ベータの変化無しまたは小さい変化、14−3−3タンパク質ゼータの変化無しまたは小さい変化、核塩化物イオンチャンネルタンパク質の強いアップレギュレーション、14−3−3タンパク質タウの変化無しまたは小さい変化、E−FABPの変化無しまたは小さい変化、アネキシンA3の変化無しまたは小さい変化、トランスジェリンの変化無しまたは小さい変化、トリオースリン酸−イソメラーゼの変化無しまたは小さい変化、および/またはアルドラーゼAの変化無しまたは小さい変化が調べられる点を特徴とする、請求項30に記載の使用。
  34. 少なくとも一種類のタンパク質が、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、特に二次元ゲル電気泳動、質量分析、陽電子放射断層法(PRT)、抗体、ELISA、免疫組織化学、タンパク質チップおよび/またはオリゴヌクレオチド、特にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて検出される点を特徴とする、前記請求項のうちの1つに記載の使用。
  35. 少なくとも一種類のタンパク質を調べるためにエキソソームが単離および/または分析される点を特徴とする、前記請求項のうちの1つに記載の使用。
  36. ユビキチン−イソペプチダーゼT、血清アミロイドP成分(SAP)、核塩化物イオンチャンネルタンパク質、ミトコンドリアエノイル−補酵素A−ヒドラターゼおよびアネキシンA3から成る群から選択される少なくとも一種類のタンパク質の活性および/または量を検出するための少なくとも一種類の物質を含む、がん性疾患、特に前立腺がんの同定のための診断キット。
  37. タンパク質ユビキチン−イソペプチダーゼTおよびタンパク質−ジスルフィド−イソメラーゼ(PDI)の活性および/または量に影響する少なくとも一種類の活性物質の、好ましくは活性物質がユビキチン−イソペプチダーゼTの活性および/または量を増大させ、および/または活性物質がタンパク質−ジスルフィド−イソメラーゼ(PDI)の活性および/または量を阻害する、がん治療用の薬剤の製造のための使用。
  38. タンパク質ミトコンドリアエノイル−補酵素A−ヒドラターゼの活性および/または量に影響する少なくとも一種類の活性物質の、がんの治療用の薬剤を製造するための使用。
  39. 活性物質がミトコンドリアエノイル−補酵素ヒドラターゼの活性および/または量を阻害する点を特徴とする、請求項38に記載の使用。
  40. タンパク質血清アミロイドP−成分(SAP)の活性、量および/または局在に影響しおよび特に増大する少なくとも一種類の活性物質の、がんの治療用の薬剤を製造するための使用。
  41. タンパク質核塩化物イオンチャンネルタンパク質の活性および/または量に影響する、特に阻害する、少なくとも一種類の活性物質の、前立腺がんの治療用の薬剤を製造するための使用。
  42. タンパク質HES1の活性および/または量に影響する、特に阻害する、少なくとも一種類の活性物質の、がんの治療用の薬剤を製造するための使用。
  43. プロテアソームアルファ2サブユニットの活性および/または量に影響する、特に阻害する、少なくとも一種類の活性物質の、がんの治療用の薬剤を製造するための使用。
  44. タンパク質アデニン−ホスホリボシルトランスフェラーゼの活性および/または量に影響する、特に阻害する、少なくとも一種類の活性物質の、前立腺がんの治療用の薬剤を製造するための使用。
  45. タンパク質無機ピロホスファターゼの活性および/または量に影響する、特に阻害する、少なくとも一種類の活性物質の、前立腺がんの治療用の薬剤を製造するための使用。
  46. がんが前立腺がん、好ましくは特定の前立腺がんサブタイプである点を特徴とする、請求項37から45のうちの1つに記載の使用。
  47. 活性物質が作用薬、拮抗薬、欠損変異体、優性阻害変異体、および/またはアンチセンス分子である点を特徴とする、請求項37から46のうちの1つに記載の使用。
  48. 活性物質が抗体、好ましくは治療抗体である点を特徴とする、請求項37から47のうちの1つに記載の使用。
  49. 活性物質が、膜、好ましくはエキソソームおよび/またはマトリクス小胞におけるイオンチャンネル活性を阻害するための、分子量(MW)1000未満の低分子化合物である点を特徴とする、請求項37から48のうちの1つに記載の使用。
  50. 活性物質が、ユビキチン−イソペプチダーゼT、血清アミロイドP−成分(SAP)、脂肪酸結合タンパク質3(FABP−3)、アネキシンA3、ガレクチン、マイクロセミノタンパク質ベータ、熱ショックタンパク質27(HSP27)およびトランスジェリンの群から選択される少なくとも一種類のタンパク質である点で特徴づけられる、前記請求項のうちの1つに記載の使用。
  51. 活性物質がエキソソームの形で提供される点で特徴づけられる、前記請求項のうちの1つに記載の使用。
  52. 前記請求項のうちの1つに記載の少なくとも一種類の活性物質および少なくとも一種類の医薬品として許容されるキャリヤーを含む医薬組成物。
  53. ユビキチン−イソペプチダーゼT、血清アミロイドP−成分(SAP)、核塩化物イオンチャンネルタンパク質、14−3−3タンパク質タウ、ミトコンドリアエノイル−補酵素A−ヒドラターゼ、アネキシンA3、HES1、プロテアソームアルファ2サブユニット、アデニン−ホスホリボシルトランスフェラーゼおよび無機ピロホスファターゼおよび/またはその少なくとも一種類の誘導体から成る群から選択される少なくとも一種類のタンパク質が用いられる点を特徴とする、がんの治療用の活性物質を捜すための方法。
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