JP2003504073A - Bag発現のレベルを測定することによる、癌患者の予後を決定するための方法 - Google Patents

Bag発現のレベルを測定することによる、癌患者の予後を決定するための方法

Info

Publication number
JP2003504073A
JP2003504073A JP2001509546A JP2001509546A JP2003504073A JP 2003504073 A JP2003504073 A JP 2003504073A JP 2001509546 A JP2001509546 A JP 2001509546A JP 2001509546 A JP2001509546 A JP 2001509546A JP 2003504073 A JP2003504073 A JP 2003504073A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bag
level
gene expression
expression level
protein
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001509546A
Other languages
English (en)
Inventor
ジョン シー. リード,
Original Assignee
ザ バーナム インスティチュート
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ザ バーナム インスティチュート filed Critical ザ バーナム インスティチュート
Publication of JP2003504073A publication Critical patent/JP2003504073A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/574Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer
    • G01N33/57407Specifically defined cancers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6876Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
    • C12Q1/6883Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material
    • C12Q1/6886Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material for cancer
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/118Prognosis of disease development
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/158Expression markers
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2800/00Detection or diagnosis of diseases
    • G01N2800/52Predicting or monitoring the response to treatment, e.g. for selection of therapy based on assay results in personalised medicine; Prognosis

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Hospice & Palliative Care (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明に従って、癌に罹患した患者における、無疾患または全体の生存の予後を決定するための方法が提供される。本発明に従って、癌腫瘍を有する個体における、腫瘍の再発の危険性または腫瘍の拡大の危険性を予想するための方法もまた提供される。本発明に従って、腫瘍転移の危険性を決定するために癌患者をスクリーニングするための方法、癌に罹患した患者について適切な一連の処置を決定するための方法;および本発明の方法を実施する際に使用するキットもまた提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本明細書中に記載される発明の一部は、NIH補助金CA−67329の部分
的研究援助の過程でなされた。政府は、本発明に特定の権利を有し得る。
【0002】 (発明の分野) 本発明は、概して癌の進行または拡大の危険性の決定に関する。
【0003】 (背景情報) 臨床上の癌における予後は、多いに関心および興味がもたれる領域である。最
も効果的な治療の計画を立てるために、悪性細胞の攻撃性および腫瘍の再発また
は拡大の尤度を知ることは重要である。例えば、乳癌は、いくつかの選択肢のス
トラテジーにより処理される。9人に1人の女性が、遍くその寿命のある時点に
おいて乳癌を発症する。いくつかの場合において、局所部位治療が利用され、こ
の治療は乳房切除または放射線を用いるかもしくは用いない腫瘍摘除からなり、
一方で他の場合において、疾患の拡大が検出されるかまたは疑われる場合、全身
治療(例えば、化学療法またはホルモン治療)が始められる。腫瘍摘除および局
所放射線治療で処置された初期段階の乳癌を有する女性の中で、10〜20%が
再発を経験し、そして30〜40%が、しばしば死に至る遠隔転移疾患を発症す
る(Fischer et al.1991,Lancet 338:327−
331)。
【0004】 個々の乳癌患者についての現在の処置決定は、しばしば以下に基づく:(1)
疾患に関与する腋窩リンパ節の数、(2)エストロゲンレセプターおよびプロゲ
ステロンレセプターの状態,(3)原発性腫瘍のサイズ、(4)診断時の疾患の
段階。DNA異数性および増殖速度(S期パーセント)は、疾患の経過を推測す
る際に役立ち得る。さらに、HER2/Neu腫瘍タンパク質(oncopro
tein)の過剰発現は、転移性疾患のおそれのある乳癌患者を予測することが
示されており、そして新規な治療ストラテジーが、このレセプターを標的化する
ために開発されてきた(Slamonら、米国特許第4,968,603号;S
lamon et al.1989,Science 244:707−712
)。しかし、これらのさらなる因子を用いてさえ、開業医は、なお全ての乳癌患
者について疾患の経過を正確に予測することができない。より強力な処置の利益
を受け得るより再発しそうな患者から、さらなる治療を必要としなくてよい予後
の良好な患者を選別するために、新しいマーカーを同定する必要が明らかに存在
する。
【0005】 このことは、腋窩リンパ節に進行していない乳癌の場合に特に正しい。原発性
乳癌の外科的切除の直後に開始するアジュバント内分泌治療およびアジュバント
化学療法が、いくつかのこれらの節陰性(node−negative)患者に
おいて利益となり得るという証拠が、予想による無作為の臨床試験において現在
では存在する。これにより、全てでない場合は大部分の節陰性乳癌患者は、アジ
ュバント治療のいくつかの形態について考慮されるべきであるということが公式
および非公式に推奨された。しかし、これらの患者の大部分(約70%)は、さ
らなる処置無しに、手術および/または放射線治療後の長期の生存を享受するの
で、これらの患者の全てにアジュバント治療を進めることは不適切である。従っ
て、「治癒した」節陰性の患者を、必然的に再発する患者と区別し、その結果後
者のみを処置する方法の必要性が存在する。従って、一般的に一旦原発腫瘍が検
出されると、腫瘍再発性または拡大性をこれらの患者および癌患者において推定
する一般的方法への多大な必要性が存在する。本発明は、これらの必要性を満た
し、そして関連する利点をも提供する。
【0006】 (発明の要旨) 本発明に従って、癌を罹患する患者における疾患のないことまたは全体的な生
存の予後を決定するための方法が提供される。1つの実施形態において、原発腫
瘍組織における高レベルまたは「過剰産生」のBAGタンパク質が、腫瘍再発ま
たは拡大の無いこと、および従って長期間の無疾患または全体的生存と、予期せ
ぬ驚くべき高い相関を示すことが見出された。従って、本発明は、癌処理におけ
る有意な進歩を、有利に提供する。なぜならば、腫瘍再発または拡大の危険性を
有する患者の初期の同定は、生存のための有意に増強された可能性を有する、集
中的な初期の処置を可能にするからである。
【0007】 癌腫瘍を有する個人における腫瘍再発または拡大の危険性を予測するための方
法;腫瘍転移の危険性を決定するために癌患者をスクリーニングするための方法
;癌を罹患する患者の処置の正確な経過を決定するための方法;および本発明の
方法を実施する際に使用するためのキットもまた提供される。
【0008】 (発明の詳細な説明) 本発明に従って、癌を罹患する患者における無疾患生存または全体的生存の予
後を決定するための方法が提供され、この方法は、以下: (a)前述の患者由来の癌性組織サンプルにおけるBAG遺伝子発現レベルを
決定する工程; (b)この患者を、患者の第1のグループまたは第2のグループに属するとし
て分類する工程を包含し、 ここでBAG遺伝子の高レベルの発現を有する患者の第1のグループは、BAG
遺伝子の低レベルの発現を有する患者の第2のグループと、腫瘍再発または拡大
に罹患する異なる可能性を有するとして分類される。
【0009】 本発明の方法は、癌性細胞にけるBAG発現の異常なレベルと、患者における
無癌生存の可能性との間の新しく発見された相関を利用する(例えば、実施例の
部を参照のこと)。本発明の方法は、患者の癌性組織におけるBAGの発現のレ
ベルを決定する工程を包含する。次いで患者は、BAGの高レベルの発現を有す
る患者の第1のグループ、またあるいは、BAGの低レベルの発現を有する患者
の第2のグループに属するとして分類され得る。癌を罹患する患者についての予
後の決定は、その患者が帰属されたグループが、その患者が帰属されなかったグ
ループに対して、無疾患生存または全体的生存のより高いかもしくはより低い可
能性と相関するか否かを決定することによりなされ得る。
【0010】 例えば、本発明の1つの実施形態において、BAG遺伝子の過剰産生または高
レベルが、腫瘍再発または拡大の減少した危険性(例えば、局所的再発もしくは
拡大および/または転移)を有する患者と相関するということが発見された。従
って、この実施形態において、高レベルのBA遺伝子の発現を有する第1のグル
ープに属する患者は、BAG遺伝子の低レベルの発現を有する患者の第2のグル
ープと比較して、腫瘍再発または拡大の減少した危険性を有するとして分類され
る。この実施形態は、乳癌の患者の予後を評価する際に特に有用である。
【0011】 例えば、この実施形態において、BAG遺伝子発現が、決定された基底レベル
(本明細書中では参照レベルともいう)を越える場合、減少した腫瘍再発または
拡大における有意な因子となることが見出されている。腫瘍細胞の決定された基
底レベルを超える場合、BAG発現レベルは、「高い」または「過剰産生された
」として特徴付けられ、そして、特に乳癌の場合、腫瘍再発または拡大の減少し
た危険性を示す。BAGタンパク質発現の、過剰産生のない単なる存在は、これ
までに腫瘍再発または拡大の危険性とは全く関連付けられていない。
【0012】 本発明の別の実施形態において、高レベルのBAG遺伝子発現は、腫瘍再発ま
たは拡大の増加した危険性を有する患者と相関する。従って、この実施形態にお
いて、BAG遺伝子の高レベルの発現を有する患者の第1のグループに属する患
者は、BAG遺伝子の低レベルの発現を有する患者の第2のグループと比較して
、腫瘍再発または拡大の増加した危険性を有するとして分類される。
【0013】 本発明のさらに別の実施形態において、BAG遺伝子の低レベルの発現は、腫
瘍再発または拡大の減少した危険性を有する患者と相関する。従って、この実施
形態において、BAG遺伝子の低レベルの発現を有する患者の第2のグループに
属する患者は、BAG遺伝子の高レベルの発現を有する患者の第1のグループと
比較して、腫瘍再発または拡大の減少した危険性を有するとして分類される。
【0014】 本発明の別の実施形態において、BAG遺伝子の低レベルの発現は、腫瘍再発
または拡大の増加した危険性を有する患者と相関する。従って、この実施形態に
おいて、BAG遺伝子の低レベルの発現を有する患者の第2のグループに属する
患者は、BAG遺伝子の高レベルの発現を有する患者の第1のグループと比較し
て、腫瘍再発または拡大の増加した危険性を有するとして分類される。
【0015】 本発明の方法は、新形成疾患(固形腫瘍および造血癌の両方を含む)を有する
個体の、疾患が無いかまたは全体的な生存の予後において有用である。例示的な
新形成疾患としては、癌(例えば、腺癌および黒色腫);および肉腫(例えば、
種々の白血病またはリンパ腫)が挙げられる。特に目的の新形成疾患は、乳癌、
前立腺癌、肺癌、結腸癌、白血病、リンパ腫、および口部癌であり;さらに特に
乳癌である。
【0016】 本明細書中で使用される場合、用語「癌再発」および「腫瘍再発」、ならびに
その文法的変形は、癌の診断後の、新形成性細胞または癌性細胞のさらなる増殖
を言う。特に、さらなる癌性細胞増殖が癌性組織において起きる場合に、再発が
起こり得る。同様に、「腫瘍拡大」は、腫瘍細胞が局所的または遠隔の組織およ
び器官に播種する場合に、起きる;従って、腫瘍拡大は、腫瘍転移を含む。
【0017】 本明細書中で使用する場合、句「無疾患生存」とは、このような腫瘍再発およ
び/または拡大のないこと、および患者の寿命に対する癌の影響に関する、診断
後の患者の結果をいう。句「全体的生存」とは、患者の死因が直接癌の影響には
起因しない可能性に関わらず、診断後の患者の結果をいう。句「無疾患生存の可
能性」、「再発の危険性」およびその変形は、癌の診断後の患者における腫瘍再
発または拡大の確率をいい、ここでこの確率は、本発明のプロセスに従って決定
される。
【0018】 癌の性質に依存して、適切な患者サンプルが得られる。本明細書中で使用され
る場合、句「癌性組織サンプル」とは、癌性腫瘍から得られた任意の細胞をいう
。転移していない固形腫瘍の場合において、外科的に取り出された腫瘍由来の組
織サンプルは、代表的に得られ、そして従来の技術により試験するために調製さ
れる。あるいは、体液サンプル(例えば、リンパサンプル、血液サンプルまたは
血清サンプル)または滲出液サンプル(例えば、癌性器官滲出液(例えば、乳房
からの滲出液))は、集められ得、そして分析されるサンプルとして使用され得
る。白血病の場合、リンパ球または白血性細胞が得られ、そして適切に調製され
る。同様に、転移した癌の場合、細胞は、体液サンプル(例えば、リンパ液、血
液、血清)または遠位感染器官またはその滲出液から引き抜かれ得る。BAGレ
ベルは代表的には患者の癌性細胞内で測定されるが、BAGのレベルはまた、分
泌されたか、そうでなければ(例えば、細胞破裂により)細胞から放出されたB
AGの結果として、体液(例えば、血清)において測定される。
【0019】 本明細書中に示されるように、癌患者の予後を決定するための本発明の方法は
、以下の工程:(a)患者の癌性腫瘍細胞におけるBAG遺伝子発現のレベルを
決定する工程、および(b)参照レベルと比較した患者の腫瘍サンプルまたは体
液サンプル(例えば、血清)におけるBAG遺伝子発現に基づいて、腫瘍の再発
または拡散の低い可能性または高い可能性のいずれかを有するものとして患者を
分類する工程を包含する。
【0020】 (BAG遺伝子発現のレベルの決定) 一旦、患者の組織または細胞のサンプルを得て、無疾患または全体的な生存の
予後は、癌性腫瘍におけるBAG遺伝子の発現または増幅のレベルの決定を含む
。BAG遺伝子発現の測定を、遺伝子発現のレベルが決定され得るように定量的
に行う。次いで、BAG発現レベルを使用して、本明細書中に提供される相関に
基づいて、癌患者の無疾患または全体的な生存の予後を決定する。これは、腫瘍
の再発または拡散の可能性が、腫瘍細胞中のBAG発現のレベルと相関するので
、可能である。例えば、BAG発現のレベルが高い場合、特定の癌(例えば、乳
癌)の転移の可能性は低いことが見い出されている。BAG発現のレベルが、疾
患状態の評価における単独の因子として使用され得るか、またはさらなる因子(
乳癌の場合において、リンパ節状態、エストロゲンレセプター状態などを含む)
と共に使用され得る。
【0021】 本明細書中で使用される場合、「BAG遺伝子」とは、Takayamaら、
1999、Journal of Biological Chemistry
274:781−786(これは、その全体が本明細書中で援用される)に示
されるような、BAGドメインを含むタンパク質をコードする核酸配列をいう。
例示的なBAGタンパク質としては、BAG−1タンパク質(BAG−1N、B
AG−1MおよびBAG−1Lのようなアイソフォームを含む(以下の議論を参
照のこと))、BAG−2タンパク質、BAG−3タンパク質、BAG−4タン
パク質、BAG−5タンパク質の種々のアイソフォーム(好ましくは、ヒト)、
およびBAGドメインおよびその任意の変異または部分欠失を含む任意の他のタ
ンパク質が挙げられ、これらの変異または部分欠失としては、BAG遺伝子発現
の増強または低下を生じるか、過剰活性、過小活性または不活性なBAGタンパ
ク質の発現を生じる、変異または部分欠失が挙げられる。他のBAGタンパク質
としては、Caenorhabditis elegans由来のBAG−1タ
ンパク質およびBAG−2タンパク質、ならびにSchizosaccharo
myces pombe由来のBAG−1AおよびBAG−1B(Takaya
maら、1999、前出)が挙げられる。従って、本明細書中で使用される場合
、BAGタンパク質は、C末端近辺の保存された45アミノ酸領域を有し、これ
は、本明細書中でBAGドメインと称する。
【0022】 本発明における使用のために好ましいBAGタンパク質は、ヒトBAG−1で
ある。BAG−1タンパク質は、元来、Bcl−2(細胞死の強力なブロッカー
)を結合するその能力によって、アポトーシスの新規レギュレーターとして同定
された。その初期の特徴付け以来、BAG−1は、Bcl−2と相互作用するだ
けでなく、細胞死の制御に重要であることが公知である多くの他のタンパク質(
Hsp70/Hsc70、Raf−1、HGFレセプター、PDGFレセプター
、およびいくつかのステロイドホルモンレセプターを含む)とも相互作用するこ
とが見い出されている。
【0023】 以前の研究は、マウスおよびヒトの両方において、単一のサイズの転写された
BAG−1 mRNA分子のみが存在するが、複数のサイズのBAG−1ポリペ
プチドが翻訳されることを示している(Takayamaら、1998、Can
cer Research 58:3116−3131)。マウスにおいて、以
下の2つのアイソフォームが同定されている:正常な長さのBAG−1(本明細
書中で「BAG−1N」と呼ばれる);およびより長いBAG−1ポリペプチド
(すなわち、BAG−1L)。ヒトにおいて、対応するBAG−1NおよびBA
G−1Lアイソフォームの存在に加え、中程度の長さのBAG−1ポリペプチド
(BAG−1Mと呼ばれる)もまた翻訳される。マウスおよびヒトについてのB
AG−1 mRNAに相補的なcDNAは、米国特許第5,539,094号、
およびTakayamaら、1998、前出(これらの各々は、その全体が参考
として本明細書中に援用される)に示されている。この2つのマウスアイソフォ
ームBAG−1NおよびBAG−1Lのポリペプチド配列は、それぞれ、219
アミノ酸長および355アミノ酸長である(Takayamaら、1998、前
出を参照のこと)。ヒトBAG−11N(Takayamaら、1998、前出
の図3CにおいてBAG−1と呼ばれる)、BAG−1MおよびBAG−1Lの
ポリペプチド配列は、それぞれ、230アミノ酸長、274アミノ酸長および3
45アミノ酸長である。
【0024】 BAGポリペプチド、および特にBAG−1(特に、BAG−1NおよびBA
G−1L)は、多くの正常ヒト組織中に存在する。BAG−1NおよびBAG−
1Lの両方は、多くの癌において異常なレベルで存在することが見い出されてい
る(Takayamaら、1998、前出;およびYangら、1999、Ex
perimental Cell Research 247:200−207
)。これらの癌としては、例えば、以下が挙げられる:結腸癌、白血病、リンパ
腫、乳癌、前立腺癌、肺癌、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌および腎臓癌。しかし、
無疾患または全体的な生存の予後とのBAG発現レベルの相関は、これまで利用
可能でなかった。
【0025】 BAG遺伝子の発現または増幅のレベルの測定は、当業者に公知の1以上の方
法によって行われ得る。例えば、BAGの増幅または発現レベルは、(a)BA
Gポリペプチド、(b)BAGタンパク質をコードするmRNA、(c)BAG
遺伝子を構成するDNAの部分、または(d)それらの任意の組み合わせの検出
によって測定され得る。
【0026】 例えば、BAG遺伝子発現のレベルは、BAGポリペプチドに特異的に結合す
る薬剤を使用してBAGタンパク質のレベルを測定することによって検出され得
る。本明細書中で使用される場合、用語「BAGタンパク質を結合する薬剤」と
は、BAGタンパク質(例えば、BAG−1N、BAG−1L、BAG−1Mを
含む)および/またはそのポリペプチドフラグメントに特異的に結合し、それに
よてBAG発現のレベルを検出する任意の分子をいう。このような薬剤は、好ま
しくは、当業者に周知の方法を使用して、検出のために標識される。種々の薬剤
が、BAGタンパク質(好ましくは、BAG−1)を特異的に検出するために本
発明の使用に意図され、これらには、BAGに特異的に結合することが公知のタ
ンパク質、BAGに対する抗体(米国特許第5,641,866号(その全体が
参考として本明細書中に援用される)に記載のような)、またはBAGを特異的
に結合するペプチドが挙げられる。BAG−1への結合に好ましい薬剤(例えば
、本発明において使用される抗BAG−1抗体(抗体の調製の詳細については、
例えば、Takayamaら、1998、前出を参照のこと))は、BAG−1
の全てのアイソフォームに結合する。
【0027】 他の非抗体タンパク質もまた、「薬剤」として使用され得る。例えば、BAG
タンパク質は、多くのタンパク質(例えば、Bcl−1、Raf−1、HGF−
レセプター、PDGF−レセプター、Hsp70、Hsc70、ステロイドホル
モンレセプターなど)を特異的に結合することが公知である。結果として、これ
らのタンパク質のいずれか、またはその活性なBAG結合フラグメントが、BA
Gを特異的に結合するために使用され得る。BAG−1(ならびにBAG−2お
よびBAG−3もまた)を結合するタンパク質の例示の活性な結合フラグメント
は、Hsp70のBAG結合ドメインである。Hsp70のATPaseドメイ
ンは、短縮型形態で発現され得、これは、そのカルボキシ末端ペプチド結合ドメ
インを欠いている。この形態において、Hsp70は、非ネイティブなコンフォ
メーションのタンパク質を無差別に結合しないが;しかし、このHsp70のA
TPaseドメインは、BAG−1(あるいはBAG−2またはBAG−3)タ
ンパク質をなお結合し得る。従って、BAGを特異的に結合することが公知のタ
ンパク質の活性に結合するフラグメントは、BAGタンパク質を特異的に結合す
る「薬剤」として使用され得る。
【0028】 抗体(モノクローナルおよびポリクローナルの両方)は、BAGタンパク質ま
たはそのポリペプチドフラグメントを結合する、特異的に結合する薬剤として使
用され得る。BAGを特異的に結合するタンパク質の任意の変異体もまた、それ
が、欠失(上記に例示されるような)、付加(例えば、GSTドメインまたはG
Fおドメインの付加)または配列改変(例えば、部位特異的変異誘発)などのい
ずれによるかに拘わらず、BAG結合薬剤として本明細書中に意図される。
【0029】 1以上のBAG特異的結合薬剤が、BAGタンパク質レベルを測定するための
単一のアッセイにおいて使用され得ることもまた、本発明において意図される。
例えば、BAG−1タンパク質の特異的部分と相互作用することが公知の特定の
タンパク質(例えば、BAG−1Lタンパク質のN末端の60アミノ酸に対して
惹起された第1の抗体のような)は、別の特異的に結合するタンパク質(例えば
、BAG−1NおよびBAG−1Lの両方に含まれる配列に対して惹起される第
2の抗体)と結合され得る。単一のアッセイにおいてこれら2つの抗体を使用す
ることにより、示差的に翻訳されたBAG−1ポリペプチドの特異的レベルが、
この2つの抗体を示差的に測定することによって測定され得る。
【0030】 BAGタンパク質レベルの検出における使用のための薬剤の調製は、当業者に
公知の方法(例えば、the Current Protocols in M
olecular Biologyおよび米国特許第5,882,864号に例
示される方法)を使用して行われる。同様に、BAGタンパク質レベルの検出は
、当業者に公知の方法のいずれかを使用して行われ得、これらには、組織化学的
染色、ウエスタンブロット分析、免疫沈降(または、非抗体薬剤についてのその
等価法)などが挙げられる。本発明の好ましい実施形態において、BAGタンパ
ク質レベルを検出する方法は、少なくとも1つの抗体の使用を含む、イムノアッ
セイ(例えば、ELISA、免疫PCRなど)である。BAG遺伝子よってコー
ドされるポリペプチドの測定は、そのポリペプチドのフラグメントの測定を含み
得、ここで、そのフラグメントは、遺伝子の転写改変体または翻訳改変体から生
じるか;あるいは、異なる大きさのポリペプチドが、翻訳後修飾(BAGポリペ
プチドの大きい部分のタンパク質分解を含む)の結果として生じる。
【0031】 BAGタンパク質レベルを検出するための本発明の方法における使用のための
例示的なイムノアッセイは、免疫ポリメラーゼ連鎖反応(免疫PCR)アッセイ
(米国特許第5,665,539号(これは、その全体が本明細書中に援用され
る)に記載される)である。免疫PCRは、BAGタンパク質を検出するために
抗体(または、BAGを結合する他の薬剤)を利用し、ここで、この抗体(また
は、他の薬剤)は、架橋分子(代表的には、アビジン)を特異的に結合する分子
(代表的には、ビオチン)に連結され、ここで、この架橋分子は、核酸マーカー
に結合された第2の分子(代表的には、ビオチン)を結合し得る。次いで、この
核酸マーカーは、PCR法を使用して増幅される。この高感度の検出方法は、B
AGレベルが、他の方法によって検出することがしばしば困難である場合(例え
ば、血清中のBAGの検出)に、特に有用である。
【0032】 BAG遺伝子によってコードされるポリペプチドの測定はさらに、以下を特異
的に測定するために行われ得る:(a)細胞全体において産生されたBAGのレ
ベル、(b)サイトゾル中で産生されたBAGのレベル、(c)核において産生
されたBAGのレベル、(d)無細胞抽出物(例えば、血清)中に存在するBA
Gのレベル、および(e)それらの任意の組み合わせ。このような測定において
使用され得る例示的な方法としては、インサイチュ方法(例えば、組織化学的染
色(特に、サイトゾルと核との間の示差的染色))およびインビトロ方法(例え
ば、核抽出物、サイトゾル抽出物、または血清のウエスタンブロット分析)が挙
げられる。
【0033】 BAGをコードするmRNAのレベルの検出はまた、BAG発現の指標として
作用する。mRNAレベルを検出するために使用される方法としては、BAGを
コードするmRNAでのハイブリダイゼーションまたは増幅の検出が挙げられる
。この検出は、the Current Protocols in Mole
cular Biology(John Wiley & Sons,1999
);および米国特許第5,882,864号などに例示されるような当業者に公
知の方法の1つを使用して、インビトロまたはインサイチュ(例えば、組織サン
プル中で)のいずれかでのmRNAの分析によって行われ得る。検出されたBA
G mRNAは、BAG遺伝子の任意のRNA転写物、またはそのフラグメント
である。
【0034】 BAGをコードするDNAの検出もまた、BAG発現の指標として使用され得
る。BAG遺伝子を構成するDNAの部分における野生型からの複数の変化は、
遺伝子発現のレベルに影響を及ぼし得る。例えば、遺伝子増幅は、各細胞内での
多くのBAG遺伝子のコピーを提供し、それによって、BAGをコードする多数
のmRNA分子の産生を容易にし、これが、その細胞内でのBAGタンパク質の
レベルの増加を生じ得る。別の例において、遺伝子の転座または部分遺伝子欠失
が、例えば、BAG転写を抑制するリプレッサータンパク質の能力を低下させる
ことによって遺伝子発現の割合に影響を与え、細胞内により高いレベルのBAG
タンパク質を生じる。BAG遺伝子を構成するDNAの部分の検出は、遺伝子の
増幅、転座、変異、部分欠失、あるいはBAG遺伝子の異常なレベルの発現を生
じるBAG遺伝子のコピー数、配列、位置または接近可能性の他の改変の出現を
示すことによって、適用を有し得る。
【0035】 BAG遺伝子を構成するDNAの検出は、当業者に公知の種々の方法によって
生じ得る。このような方法は、代表的に、BAG遺伝子を構成するDNAへのハ
イブリダイゼーションまたはBAG遺伝子を構成するDNAの増幅の検出を含む
。この方法は、インビトロまたはインサイチュのいずれかでの細胞DNAの分析
によって行われ得る。この検出を行うための多くの方法が、the Curre
nt Protocols in Molecular Biologyおよび
米国特許第5,882,864号(これは、その全体が本明細書中で援用される
)に例示されるように、当業者に公知である。
【0036】 (患者の分類) 特定の患者の分類は、参照レベル(基底レベルとも呼ばれる)に対する患者の
腫瘍細胞におけるBAG遺伝子発現のレベルを比較することを必要とする。例え
ば、患者の癌性腫瘍における細胞のBAG発現レベルの測定後に、その測定した
レベルを、参照レベルに対して比較する。この参照レベルは、患者の癌性細胞に
おけるBAGの発現のレベルを評価するために使用されるBAGの発現のレベル
である。詳細には、患者の癌性細胞におけるBAG発現のレベルが、参照レベル
よりも高い場合に、それらの細胞は、BAGの高レベルの発現、すなわち過剰産
生を有するとみなされる。逆に、患者の癌性細胞におけるBAG発現のレベルが
、参照レベルよりも低い場合、それらの細胞は、BAGの低いレベルの発現、す
なわち過小産生を有するとみなされる。
【0037】 本明細書中で使用される場合、用語「高レベル」または「過剰産生」のBAG
遺伝子発現は、決定された基本レベルより上のBAG遺伝子発現のレベルに関し
、そして各々のガンのタイプについて異なるようである。従って、本発明による
と、特定のガン細胞型におけるBAG遺伝子発現の基準または基本レベルは、「
カットオフ」値として同定され、この値より上では、BAG遺伝子発現の存在と
増加または減少した腫瘍再発または拡散との間の有意な相関関係が存在する。当
業者は、臨床的相関関係がカットオフのいずれかの側の値の範囲にわたって有意
である点において、いくつかの「カットオフ」値が鋭くないことを理解する;し
かし、各ガン細胞型について、BAG遺伝子発現の最適なカットオフ値(例えば
、変動するH−スコアなど)選択することが可能である。最適なカットオフ値に
おける改良点を、使用される統計方法のソフィスティケーション、および異なる
ガン細胞型の基準または基本値を決定するために使用されるサンプルの数および
供給源に基づいて、決定し得ることが理解される。
【0038】 このような「過剰産生」は、典型的には、絶対的なBAG遺伝子発現またはタ
ンパク質レベルの点において算出されないが、相対的な測定値を使用して決定さ
れる。これらの相対的な測定値は、「内部標準」を用いて、定量目的のために例
示される;しかし、測定の他の基準または方法(例えば、外部標準との比較、B
AG mRNA測定、BAG遺伝子を構築するDNAの測定、タンパク質、また
はmRNAもしくはDNAの絶対値など)が使用され得ることが理解される。
【0039】 基準レベルは、複数の方法によって決定され得るが、ただし、得られた基準レ
ベルは正確にBAG発現のレベルを提供し、このレベルより上では、第1グルー
プの患者は、この基準レベルより下のBAG発現レベルを有する第2グループの
患者の危険性とは異なる腫瘍再発または拡散の危険性を有する。この基準レベル
は、例えば、試験されるガン細胞の組織と同じ組織由来の非腫瘍性ガン細胞にお
けるBAGの発現のレベルを測定することによって決定され得る。この基準レベ
ルはまた、腫瘍細胞をシミュレートするように操作されたかまたはされていなく
てもよいインビトロで培養された細胞のBAG発現のレベルであり得るか、また
は基準レベルを正確に決定する発現レベルを生じる任意の他の様式で操作され得
た。
【0040】 基準レベルは、必ずしも、内部標準を提供するために使用される培養細胞株に
おいて見出されるBAG発現のレベルではないことを認識することは重要である
。どちらかといえば、これらは、腫瘍細胞において生じるBAG遺伝子発現(例
えば、BAGタンパク質、BAG mRNAなど)の基準レベル量であり得る。
例えば、腫瘍サンプルにおける高レベルのBAG遺伝子発現は、内部標準におけ
る対応するBAGタンパク質発現レベルより比較的低い発現レベルを有すること
が可能である。
【0041】 標準レベルはまた、同じガンを有する患者の集団におけるBAG発現レベルの
比較によって決定され得る。これは、ヒストグラム分析によって達成され、ここ
で、試験される患者のコホート全体は図表で表され、ここで、第1の軸は、BA
G発現のレベルを表し、第2の軸は、所定のレベルにおいて腫瘍細胞がBAGを
発現する患者の数をコホートで表す。患者の2つ以上の別のグループは、BAG
の同じかまたは類似の発現レベルを有するコホートのサブセット集団の同定によ
って決定され得る。標準レベルの測定は、次いで、これらの別のグループを最も
良く区別する発現レベルに基づいて行われ得る。
【0042】 標準レベルが、標準より下のレベルのBAGを発現する癌患者対標準より上の
レベルのBAGを発現する癌患者における腫瘍再発または拡散の可能性を識別す
るという証明は、単一変数分析または多変数分析を使用して行われる。これらの
方法は、1つ以上の変数と所定の結果との間の相関の可能性を決定する。特定の
場合において、これらの方法は、BAG発現レベル(または別の変数と合わせら
れたBAG発現レベル)と疾患を有さないかまたは全生存の癌患者との間の相関
の可能性を決定する。これらの分析を行うための当業者に周知の複数の方法の任
意の1つが使用され得る。単一変数分析の例は、Kaplan−Meir方法ま
たはログランク(log−rank)試験である。多変数分析の例は、Cox比
例ハザード回帰モデルである。
【0043】 標準レベルの集団ベースの測定(例えば、ヒストグラム分析)は、異なるBA
G発現レベルを有する患者の2つ以上の別のグループを決定するために、十分な
サイズの患者のコホートを使用して行われる。典型的には、このようなコホート
は、少なくとも25人の患者、好ましくは、50人の患者、より好ましくは、7
5人の患者、さらにより好ましくは、少なくとも100人の患者を含む。同様に
決定された標準レベルの確認はまた、少なくとも25人の患者、好ましくは、5
0人の患者、より好ましくは、75人の患者、さらにより好ましくは、少なくと
も100人の患者を含む。
【0044】 標準レベルは、全患者に対して等しく適用可能な単一の数であり得るか、また
はこの標準レベルは、患者の特定のサブ集団に従って変動し得る。例えば、同一
のガンについて、男性は女性の標準レベルとは異なるレベルを有する。さらに、
この標準レベルは、各患者個人について決定されるいくつかのレベルであり得る
。例えば、この標準レベルは、同じ患者における非腫瘍細胞におけるBAG発現
に対する、患者の腫瘍細胞におけるBAG発現の特定の比であり得る。従って、
各患者についての標準レベルは、BAG発現の標準比によって排除され得、ここ
でこの標準比は、上記の標準レベルを決定するための任意の方法によって決定さ
れ得る。
【0045】 さらに、上記の標準レベルは患者の2つのグループを分ける数を議論するが、
複数の集団を分ける多数の標準値が存在し得ることが本発明の範囲内である。例
えば、2つの標準値は、高レベルのBAG発現を有する患者の第1のグループを
、中間レベルのBAG発現を有する患者の第2のグループから、および低レベル
のBAG発現を有する患者の第3のグループから分離し得る。異なる標準レベル
の数は、患者における疾患を有さないかまたは全生存の可能性を、その患者にお
けるBAG発現レベルの関数として表す曲線(例えば、連続的な線)を排除する
のに十分であり得る。このような曲線は、「連続した」BAG標準レベルを構成
し、ここで、患者における疾患を有さないかまたは全生存の可能性は、その患者
におけるBAG発現レベルのレベルに比例する。
【0046】 標準レベルはまた、細胞の1つ以上の区画におけるBAGタンパク質のレベル
を表し得る。典型的に、標準レベルは、(a)全細胞、(b)核、または(c)
サイトゾルにおけるBAGタンパク質のレベルを表す。このレベルは、BAGタ
ンパク質の細胞区画化が、特定のガンの腫瘍再発または拡散の危険性と相関する
場合に、有用である。例えば、核におけるBAG発現のレベルはほとんど等しい
という事実にもかかわらず、乳ガン再発または拡散の低い危険性を有する患者の
サイトゾルにおいて、BAGタンパク質のレベルは、乳癌再発または拡散の高い
危険性を有する患者のサイトゾルBAGタンパク質レベルより高いことが観察さ
れている。同様に、標準レベルは、異なる区画におけるBAGタンパク質のレベ
ルの比(例えば、核BAGタンパク質対全細胞BAGタンパク質の比、または核
BAGタンパク質対サイトゾルBAGタンパク質の比)であり得る。
【0047】 標準レベルは単一形態のBAG(例えば、BAG−1N、BAG−1M、BA
G−1L、BAG−2、BAG−3、BAG−4、またはBAG−5)の発現の
レベルを表し得ることもまた、本明細書中において企図される。この標準レベル
は、単一の翻訳形態のBAGが特定のガンの腫瘍再発または拡散の危険性と相関
する場合に、有用である。例えば、全BAG−1発現のレベル(すなわち、BA
G−1N、BAG−1M、またはBAG−1L発現レベルの合計)が全ての患者
について同じであるという事実にもかかわらず、肺癌再発または拡散の低い危険
性を有する患者において、BAG−1L発現のレベルは、肺癌再発または拡散の
高い危険性を有する患者におけるBAG−1L発現のレベルより高いことが観察
され得る。同様に、この標準レベルは、異なる形態のBAGの発現レベルの比(
例えば、BAG−1N対BAG−1Lの比、BAG−2対BAG−3の比など)
であり得る。
【0048】 BAG発現の標準レベルは、特定のガンについて疾患を有さないかまたは全生
存の可能性の統計的に有意な指標であることが見出された別の変数と共に、さら
に使用され得る。このような指標は、他のタンパク質(例えば、ras、Bcl
−2など)のバイオマーカーの存在またはレベルを含むか、または臨床的または
病理学的指標(例えば、年齢、腫瘍サイズ、腫瘍組織学、臨床病期など)であり
得る。例えば、ガンの臨床病期はまた、疾患を有さないかまたは全生存の統計的
に有意な指標であり(BAG発現レベルに加えて)、ここで、BAG発現の標準
レベルは、ガンの臨床病期に従って変化し得る。例えば、所定の患者の癌の臨床
病期Iと関連した、BAG発現のレベル、好ましくは、高レベルのBAG−1は
、疾患を有さないかまたは全生存の増加した可能性の特に好ましい指標である。
故に、BAG発現の標準レベルは、特定のガンについての疾患を有さないかまた
は全生存の別の統計的に有意な指標の関数として変動し得る。
【0049】 当業者は、体液(例えば、血清)中のBAGタンパク質のレベルを測定するこ
もまた可能であることを理解する。腫瘍は、血流中に放出された後、細胞脆弱性
に起因して破裂し得る細胞を、容易に放つことが知られている。例えば、乳癌患
者の約2/3において観察されるBAG−1の過剰発現は、BAG−1タンパク
質の増加した分泌および/またはBAG−1タンパク質の血清への放出を生じる
ことが本明細書中において企図される。従って、体液(例えば、血清)中に存在
する、任意のBAGレベル、好ましくは高いBAG−1レベルの検出は、組織サ
ンプルと共に示されたものと同様の様式で、疾患を有さないかまたは全生存の予
後を決定するための本発明の方法において使用するために企図される。体液中の
非常に少量のBAGが、例えば、本明細書中に記載されるような免疫PCR方法
において抗BAG抗体を使用して測定され得る。
【0050】 従って、標準レベルは、体液サンプル(例えば、血清)中に存在するBAGの
レベルを表し得ることが本明細書中において企図される。循環BAG、好ましく
は、BAG−1のレベル(すなわち、血液または血清中のBAGのレベル)を測
定する本発明の方法は、患者の血清中の異常なレベル(例えば、高レベル)のB
AGを有する患者において、癌再発または拡散の危険性の早期の診断およびスク
リーニング、ならびに早期の決定に特に好ましい用途を有する。
【0051】 患者の腫瘍細胞におけるBAGの発現のレベルが決定され、そして標準レベル
と比較された後、次いで、この患者は、疾患を有さないかまたは全生存の特定の
可能性を有するグループに分類される。次いで、患者の、疾患を有さないかまた
は全生存の可能性は、このグループ内の患者の疾患を有さないかまたは全生存の
可能性に基づいて評価される。例えば、特定の乳癌患者の腫瘍細胞は、標準レベ
ルに対して高いレベルのBAG発現を有することが決定され得る。この患者は、
次いで、高レベルのBAG発現を有する患者のグループに分類される。本発明に
よると、乳癌細胞において高レベルのBAG−1を発現する患者のグループの疾
患を有さないかまたは全生存の増大した可能性があることが発見されているため
(乳癌細胞において低レベルのBAG−1を発現する患者と比較して)、特定の
乳癌患者は、疾患を有さないかまたは全生存の増大した可能性を有すると考えら
れる。
【0052】 本発明の別の実施形態において、癌腫瘍を有する個体の疾患を有さないかまた
は全生存の予後のための方法が提供される。詳細には、この方法は、BAGタン
パク質がこのような腫瘍のサンプルにおいて過剰産生されるか否かを決定する工
程を包含し、ここで、このような過剰産生は、疾患を有さないかまたは全生存と
確実に相関している。従って、高レベルのBAGタンパク質を産生する患者は、
低レベルのBAGタンパク質を産生する患者に対して、増加した生存の可能性を
有する。
【0053】 本発明の別の実施形態は、癌患者をスクリーニングして、腫瘍転移の危険性を
決定するための方法を提供する。この方法は、患者由来の癌性組織サンプル中の
BAG遺伝子の増幅または発現のレベルを決定する工程を包含する。標準レベル
に対して、BAG遺伝子の高レベルの増幅または発現を有することが見出された
患者は、腫瘍転移をあまり罹患していないかもしれないか、または生存の増大し
た機会を有するとして分類される。
【0054】 本明細書中で使用される場合、用語「転移」とは、本来の癌性腫瘍の器官に直
接関連しない器官または身体の部分における癌性腫瘍の増殖をいう。転移は、微
小転移を含むことが理解される。微小転移は、本来の癌性腫瘍の器官に直接関連
しない器官または身体の部分における検出不可能な量の癌性細胞の存在である。
従って、本発明は、本来の癌性腫瘍の器官に直接関連しない器官または身体の部
分における1つ以上の癌性腫瘍のさらなる増殖の危険性を決定する方法を意図す
る。
【0055】 本発明のなお別の実施形態において、腫瘍の発達の初期において癌患者におけ
るBAG発現のレベルの決定のための方法が提供される。本明細書中で使用され
る場合、用語「段階(期)」は、腫瘍の発達に適用される場合、腫瘍の進行の程
度をいう。腫瘍の発達の種々の段階は、Markman 1997,Basic
Cancer Medicineにおいて例示されるように当業者に周知であ
る。異なる癌の段階は、異なる診断基準(代表的には、Tumor−Node−
Metastasis(TNM)系を用いて)に従って規定される。例えば、乳
癌の第I期は、リンパ節の介入を要件とせず、そして乳癌の第II期は、リンパ
節の非介入および大きな原発性腫瘍、またはリンパ節の初期の介入および小さな
原発性腫瘍のいずれかに関与する(Markman(前出)、35頁および36
頁を参照のこと)。種々の臨床的な段階の同様の説明は、肺癌(54〜55頁)
、および前立腺癌(64〜65頁)、結腸癌(78〜79頁)ならびに卵巣癌(
38〜39頁)についてMarkman(前出)において見出され得る。腫瘍の
発達の初期は、腫瘍が原発性腫瘍の器官に局所的なリンパ節よりもさらに検出可
能に広がらない段階をいうことが理解されるべきである。代表的には、初期は、
第I期および第II期であることが考慮される。本明細書中で使用される場合、
句「リンパ節介入前」とは、原発性腫瘍の器官において癌細胞が検出可能に存在
するが、原発性腫瘍の器官に最も近位のリンパ節を含むいずれのリンパ節におい
ても癌細胞の検出可能な存在を欠くことをいう。
【0056】 本発明の方法の予測価は、癌の初期における患者の場合において特に効果的で
ある。これは、本発明の方法が、検査の時点において測定可能な転移を実証しな
い患者における転移の危険性を決定することに有利に効果的であるからである。
当業者は、第I期の癌に罹患している癌患者についての生存の予後指標が第IV
期の癌に罹患している癌患者についての生存の予後指標とは異なり得ることを理
解する。例えば、第I期の癌患者についての予後は、癌の連続した増殖および/
または転移の可能性に関して正しく判断され得るが、第IV期の癌患者について
の予後は、癌の処置についての治療方法の適当な有効性に関して正しく判断され
得る。
【0057】 本発明の別の実施形態において、キットは、患者の癌性腫瘍細胞におけるBA
G発現のレベルを決定するために提供される。このようなキットは、BAGをコ
ードするDNA、BAGをコードするmRNA、BAGポリペプチド、またはそ
の任意の組み合わせのいずれかを検出するための試薬を含む。この試薬は、BA
Gをコードする核酸配列(DNAまたはRNA)、またはBAGポリペプチドを
特異的に結合し得る1つ以上の分子を含む。
【0058】 このキットは、BAGをコードするDNA、BAGをコードするmRNAのい
ずれか、または両方を検出するための1つ以上の核酸試薬を含み得る。この1以
上の核酸試薬は、BAGをコードするDNAおよび/またはmRNAを用いるハ
イブリダイゼーションまたは増幅のために使用され得る。このキットは、BAG
をコードするDNAおよび/またはmRNAを増幅するためのプライマーの1つ
以上の対を含み得る。このキットはさらに、種々の生理学的状態(例えば、正常
、および転移性進行腫瘍)の組織由来の全mRNAのサンプルを含み、例えば、
コントロールとして使用され得る。このキットはまた、ハイブリダイゼーション
反応および/または増幅反応において使用するための緩衝液、ヌクレオチド塩基
、および他の組成物を含み得る。各々の溶液または組成物は、バイアルまたはビ
ンに封入され、そして全てのバイアルが市販のために厳重に箱詰めして保持され
る。本発明の別の実施形態は、生物学的サンプル中の癌細胞においてBAGをコ
ードするDNAおよび/またはmRNAを検出することに使用するためのキット
を包含し、このキットは、インビトロまたはインサイチュでBAGをコードする
DNAおよび/またはmRNAに高親和性で結合するのに効果的なオリゴヌクレ
オチドプローブならびにこれらの各々のプローブのための容器を含む。
【0059】 さらなる実施形態において、本発明は、生物学的サンプルにおけるBAG発現
のレベルを決定することにおける使用のためのキットを包含し、このキットは、
1つ以上の薬剤(例えば、1つ以上のBAGポリペプチドに対して特異的な1つ
以上の抗体)を含む。1つの特定の実施形態において、キットは、1つ以上の薬
剤および1つ以上の核酸マーカーを含み、ここでこの薬剤および核酸マーカーは
、免疫ポリメラーゼ連鎖反応アッセイを実施するのに適切な様式において改変さ
れる。
【0060】 本発明の別の実施形態は、癌に罹患している患者に対する処置の適切な経過を
決定するための方法を提供する。この方法は、患者由来の癌性組織におけるBA
G遺伝子の発現レベルを決定する工程を包含する。次いで、第1の群の患者が、
細胞においてBAG遺伝子の低レベルの発現を有するとして同定される。この第
1の群の患者は、生存のより小さな可能性または腫瘍の再発または拡散に対する
減少した時間を有する患者に適切な処置を必要とし得る。この方法はさらに、細
胞におけるBAG遺伝子の高レベルの発現を有するとして第2の群の患者を同定
する工程を包含する。この第2の群の患者は、生存のより大きな可能性を有し、
かつあまり腫瘍の再発または拡散に罹患しそうにない患者に適切な処置を必要と
し得る。
【0061】 生存のより大きな可能性またはより小さな可能性を有する患者のための適切な
処置は、適用可能な治療方法に従って当業者によって他の因子の適切な考慮とと
もに決定され得る。本明細書中で使用される場合、「処置の経過」は、癌の診断
後の患者の処置(例えば、手術、化学療法、照射など)、および患者が処置され
る時間の長さを示すことが理解されるべきである。従って、「処置の経過中」で
あると考慮される時点は、処置の経過の開始と処置の経過の終結との間の任意の
時間を示す。
【0062】 本発明のさらなる実施形態において、癌に罹患している患者に対する処置の経
過の有効性をモニターするための方法を提供する。この方法は、以下: (a)この処置の前にこの患者由来の癌性組織サンプルまたは体液サンプルに
おける第1のBAG遺伝子発現レベルを決定する工程;および (b)その後、この処置中のこの患者由来の癌性組織サンプルまたは体液サン
プルにおける第2のBAG遺伝子発現レベルを決定する工程、 を包含する。次いで、この第1のBAG発現レベルの、この第2のBAG発現レ
ベルとの比較は、この処置の有効性を示す。
【0063】 処置の経過の文脈において使用される場合、「有効性」とは、腫瘍の再発また
は拡散の危険性を減少し、従って、患者が、疾患を有さないかまたは患者の全体
としての生存の可能性を増加する処置の経過の能力をいう。患者の非腫瘍細胞中
のBAG発現レベルと比較して、その患者の腫瘍細胞中のBAG発現レベルが異
常な場合、この方法は特定の有用性を有する。これによって、第1のBAG発現
レベルと第2のBAG発現レベルとの比較は、BAG発現レベルが非腫瘍細胞の
発現レベルに戻っている(このことは、より効果的な処置の経過を示す)か否か
を示すように作用するか、またはBAG発現レベルが異常なままであるか、また
は異常性が増加するか(より効果的ではない処置の経過を示す)を示すように作
用する。BAG発現のレベルは、本明細書に記載されるように、患者由来の複数
のサンプルを使用して決定され得る。この実施形態のための好ましいサンプルの
形態は、体液サンプル(例えば、血清サンプル、滲出液サンプルなど)である。
【0064】 本発明のこの実施形態は、癌患者における腫瘍の再発または拡散の危険性を決
定し、それによって癌患者における適切な処置経過を決定する方法と組み合わせ
る場合、特に有用である。具体的には、癌患者処置の適切な経過は、患者由来の
サンプル中のBAG発現レベルを決定し、次に、BAG発現レベルによって、患
者が疾患を有さない可能性または全体としての生存の可能性を分類することによ
って決定され得る。次に、処置の経過を、処置の経過の有効性を決定する1つ以
上の場合において、本発明の本実施形態に従って、モニターし得る。
【0065】 本発明のさらなる実施形態において、癌に罹患している患者において疾患を有
さないまたは全体としての生存の予後を決定するための方法が提供される。この
方法は、以下: (a)この患者由来の癌性腫瘍サンプルまたは体液サンプルにおけるBAG活性
レベルを決定する工程;および (b)患者の第1群または第2群のいずれかに属するようにこの患者を分類する
工程であって、高レベルのBAG活性を有する上記の第1群の患者が、低レベル
のBAG活性を有する第2の群の患者とは異なる腫瘍の再発または拡散に罹患す
る可能性を有するとして分類される、工程、 を包含する。
【0066】 本明細書中で使用される場合、「BAG活性レベル」または「BAG活性」の
レベルとは、腫瘍細胞または体液に存在する活性は、阻害されていないBAGポ
リペプチドのレベル、およびこれらのポリペプチドの活性の程度をいう。従って
、活性のレベルは、以下を含む複数の因子によって影響される:BAGのレベル
、BAGのより低い活性形態またはより高い活性形態(アイソフォームを含む)
の存在、BAGのより活性の低い変異体またはより活性の高い変異体の存在、B
AG活性を上昇させるタンパク質または他の分子の存在、BAG活性を減少させ
るタンパク質または他の分子の存在。例えば、BAGに対するアンタゴニストの
レベル(例えば、Hip)(BAG−1に対するアンタゴニスト(例えば、Ho
hfeldおよびJentsch 1997、EMBO J 16:6029−
6216を参照のこと))は、BAGタンパク質レベルが変化しないままである
場合でも、BAG活性を比例的に低下させることが理解される。従って、BAG
活性の決定は、複数の方法によって実行されるべきであり、この方法としては、
BAGの生物学的活性(例えば、細胞死を防御する能力のアッセイまたは他のア
ポトーシスアッセイ(例えば、米国特許第5,550,019号を参照のこと)
)のアッセイ、BAGタンパク質レベルのアッセイ、BAGタンパク質をコード
するmRNAのアッセイ、BAG遺伝子を構成するDNAのアッセイ、BAG活
性を上昇または減少させるタンパク質(またはこのタンパク質をコードするmR
NAもしくはDNA)または他の分子のアッセイ、およびこれらの任意の組み合
わせが挙げられる。
【0067】 本明細書中に言及された全ての米国特許および全ての刊行物は、本明細書中に
その全体が参考として援用される。本発明は、ここで、以下の非限定的な実施例
の言及によってより詳細に記載される。
【0068】 (実施例) (1.0 BAG1免疫染色は、腫瘍陰性リンパ節を有する乳癌患者において
より長い生存を予測する) 乳癌を有する女性の予後評価のためのBAG1(RAP46およびHAP−1
としてもまた公知である)免疫染色の役割を、第I期の疾患を有する女性のコホ
ートの分析によって、陰性リンパ節生検(すなわち、組織学的検査のために外科
的に除去された腋窩節における腫瘍の証拠がない)を有する患者について評価す
る。本実施例は、乳癌患者におけるBAG−1発現の参照レベルの決定、および
異なるBAG−1発現レベルを有する別個の群が疾患を有さないかまたはそれら
の群の全体としての生存を予測することにおける参照レベルの正確さの評価を例
証する。
【0069】 BAG−1N、BAG−1MおよびBAG−1Lを検出し得るモノクロナール
抗体を用いてBAG−1の遡及的相関分析(retrospective co
rrelative analysis)を実施した(Takayamaら、1
998(前出)を参照のこと)。エストロゲンレセプター(ER)、プロゲステ
ロンレセプター(PR)、HER2/Neu、p53、Bcl−2、Bax(こ
れらは全て、乳癌形成に関係している)をまたアッセイした。免疫組織化学的方
法を、ランペクトミーを用いて処置された初期(第I期:n=73(63%);
および第II期:n=43(37%))の乳癌を有する116人の女性由来のア
ーカイブパラフィンブロックに対して実施し、次いでインタクトな乳房に対して
48グレイ(Gy)の中央値用量を用いて放射線治療を行い、次いで64Gyの
全用量を生じるようにランペクトミー部位に対する電気ブーストを行った。アジ
ュバント全身性化学療法を用いて処置した17/116(15%)の患者および
タモキシフェン治療を用いて処置した20/116(17%)の患者が存在した
。患者は、中央値12.4年(最少4年の追跡)の追跡を行った(表1)。
【0070】
【表1】 この研究に使用した患者の特徴を要約する:数(左列);パーセンテージ(右列
)。転移性疾患は、診断および処置の後に臨床的に検出可能な転移性の疾患を発
症した患者の数(およびパーセンテージ)を示す。
【0071】 免疫染色を、ジアミノベンジジン(茶)を使用して比色定量抗体検出によって
行い、続いて核のヘマトキシリン(青)対比染色をした。乳癌の侵襲性成分の免
疫染色を、強度(0〜4、ここで0は染色なし、そして4は最も強い染色)およ
び免疫陽性細胞のパーセント(0〜100%、最低限200個の細胞について)
によってスコアし、臨床的な詳細を知らされていない病理学者が、全体の組織切
片を評価した。組織染色(H)−スコア(0〜400)を、産物の強度(0〜4
のスケール)およびパーセント(0〜100%)を決定することによって得た。
高レベルの発現および低レベルの発現を有する群におけるデータの二分化につい
てのカットオフを設定するために、全体のデータセットについてのH−スコアデ
ータを、x−軸上のH−スコアおよび所定のy軸上の所定のH−スコアを有する
患者サンプルの数を用いてドットヒストグラムとして示した。150以上のH−
スコアを、このアプローチによって、高レベルのBAG−1発現についてのカッ
トオフとしての使用に適切であるかを決定した。H−スコアデータを、ヒストグ
ラムとして示し、そしてBAG−1(150以上のH−スコア)、Bcl−2(
180以上のH−スコア)、およびBax(140以上のH−スコア)について
最適化したカットオフを使用して、高発現レベル群対低発現レベル群に二分した
。ER、PR、p53、およびHER2/Neuについての免疫スコアリングを
、確立された基準によって行った(Kingら、1985、Cancer Re
search 45:293−296)。
【0072】 BAG−1は、いくつかの型の細胞の核に存在することが知られており、そし
て核の免疫染色は、強力なサイトゾルの免疫染色が異常であるが、乳房上皮につ
いては正常である(Takayamaら、1998、前出)。この現象は、本実
施例で確認された:同じ組織切片において、しばしば腫瘍細胞と共に存在する正
常乳房上皮(NBE)細胞と比較して、BAG−1についてのサイトゾルの免疫
染色は、侵襲性の乳癌細胞内で明白に上方制御され、上昇されたレベルのタンパ
ク質が、NBEの9/83(11%)に比較して、初期段階の乳癌の77/11
6(66%)またはおよそ2/3について観察された(p<0.001)。
【0073】 同じ腫瘍標本のいくつかはまた、組織学的に明らかなインサイチュでの腺管癌
(DCIS)を含んだ;高レベルのBAG−1核免疫染色は、DCIS標本にお
いて、高レベルの細胞質BAG−1タンパク質レベルを有した9/12(75%
)および6/12(50%)の切片において、見出された。このことは、BAG
−1の上方制御は、腫瘍形成の相対的初期の事象として生じ得ること、および細
胞質への核からのタンパク質の転座は、細胞の形質転換に重要であり得ることを
示唆する。
【0074】 免疫染色のデータは、離れた転移のない生存(DMFS)および全体的な生存
(OS)に相関した。Kaplan−Meier分析により、BAG−1のレベ
ルの上昇は、より長いDMFS(p<0.001)およびOS(p<0.001
)に有意に関連した(即ち、pは0.05以下)ことが明らかになった(図1)
。高いBAG−1タンパク質レベルを有する患者の群(BAG−1陽性)は、低
い(BAG−1ネガティブ)BAG−1タンパク質レベル(90%の高い群対4
0%の低い群)およびOS(84%の高い群対40%の低い群)を有する患者よ
り良好な10年間のDMFSを経験した。他の評価されたバイオマーカーにおい
て、Bcl−2のみが、より長いDMFS(p<0.001)およびOS(p<
0.001)の予報値としての一変量分析において有意であった。ER、PR、
HER2/Neu、p53、およびBaxは、患者のこのコホートについて生存
を予測する際に、すべて有意であった。臨床的および病理学的変数(例えば、年
齢;腫瘍の大きさ;段階;腫瘍の組織学)において、臨床段階I対臨床段階II
は、生存を予測するための一変量分析において、有意であった。
【0075】 変数(BAG−1、Bcl−2、Bax、p53、ER、PR、HER2/N
eu、年齢および臨床段階を含む)を用いてCox回帰分析を使用する多変量モ
デルにおいて、BAG−1のみが、DMFS(p=0.008)およびOS(p
=0.02)の予測値として、統計学的な有意性を保持した。すべての他のバイ
オマーカーは、明白な統計学的有意性に到達せず、そして臨床段階(段階I対段
階II)は、DMFS(p=0.029)についてのみ有意であった(OSでは
有意ではなかった)。従って、腫瘍が高レベルのサイトゾルBAG−1タンパク
質を含む患者は、低レベルのサイトゾルBAG−1を含む腫瘍を有する患者と比
較して、長期間の生存を享受するようであり、そして腫瘍の再発または拡大およ
び遠位の転移がないようである。これらの結果は、BAGが、新規かつ独立した
予後の因子を表し、この因子は、初期段階の乳癌を有する患者における好ましい
結果に関連することを実証した。
【0076】 (2.0 BAG1免疫染色は、腫瘍陽性リンパ節を有する乳癌患者における
より長い生存を予測する) 結節陽性疾患(node positive disease)を有する女性
についての予後因子としてのBAG1免疫染色の役割を説明するために、実施例
1.0に記載される抗BAG1モノクローナル抗体を使用する免疫組織化学評価
を、結節陽性乳癌を有する342人の患者のコホート由来の腫瘍標本に行った。
179人を、手術のみで処置し、そして209人は外科的切除、続いて12ヶ月
のサイクルのシクロホスファミド、メトトレキセート、フロオロウラシル(「C
MF」)アジュバント療法を受けた。サイトゾルBAG1免疫陽性を有する腫瘍
細胞のパーセントを、光学顕微鏡評価によって評価し、そして0〜10%、11
〜50%、51〜80%、および80%より大きい免疫陽性腫瘍細胞を表すデー
タを4分位数に収集した。
【0077】 データと、Kaplan−Meyer方法による再発のない生存(RFS)お
よび原因特異的生存(CSS)との相関によって、はじめの3つの4分位数が同
様に振舞うことが明らかになったが、第4の4分位数(80%より高いBAG1
免疫陽性腫瘍細胞)は、有意に異なった。342人の患者の全体のコホートを試
験することは、一変量分析(RFSおよびCSSの両方について、p=0.05
)によって決定されるように、より高いレベルのBAG1免疫染色(80%より
高く陽性)は、より長いFRSおよびCSSと関連した(図2および図3を参照
のこと)。例えば、癌に起因して死なない患者のパーセントは、より低いパーセ
ントのBAG1陽性細胞を含む腫瘍を有する34%の患者と比較して、患者の腫
瘍が80%より高いBAG1免疫陽性悪性細胞を含む患者の42%であった(表
2)。患者が、アジュバントCMF療法を受けたかまたは受けなかったかによら
ず、患者の腫瘍が、エストロゲンレセプター(ER)を発現したかまたはしなか
ったかによらず、陽性節(3より高い対3より低い)の数はまた、予後の有意性
の数であった。他の変数(閉経期の状態、腫瘍の大きさ(2cmより小さい対2
cmより大きい)、または他のバイオマーカー(例えば、Bcl−2(表2)お
よびp53)を含む)は、結果の予測ではなかった。
【0078】
【表2】 手術のみで処置された179人の女性が別々に評価された場合、再び高レベル
のBAG1免疫陽性は、一変数分析においてより長いRGSおよびCSS(RF
Sについてp=0.027;CSSについてp=0.039)と関連した(表3
)。例えば、腫瘍が低いBAG1発現を有した、わずか19%の患者と比較して
、腫瘍が高いBAG1免疫染色を示した28%の患者は、初めの診断および治療
の後、20年間再発がなかった(表3)。しかし、アジュバント化学療法を受け
た209人の患者が別々に試験された場合に、BAG1免疫染色データは、生存
と有意に相関しなかった。このことは、BAG1が、この設置条件においてその
予後の有意性をゆるがすことを示唆する。
【0079】
【表3】 Cox回帰分析を使用する多変量分析(表4)はまた、すべての342人の患
者を一緒に考慮した場合に、より長いCSSを有した高レベルのBAG1免疫染
色の有意な相関を実証した(p=−0.046)。BAG1はまた、手術のみで
処置された患者(179人)を評価した場合、より長いCSSと有意に関連した
(P=0.022)が、アジュバント療法をうけた患者のサブグループにおいて
は、関連しなかった。従って、BAG1は、他の変数(結節性介入の程度、閉経
期の状態、およびER状態を含む)を考慮する場合でさえ、手術後にアジュバン
ト化学療法を受けない結節陽性乳癌を有する女性におけるRFSおよびCSSの
独立した予測値である。
【0080】
【表4】 (3.0 前立腺癌におけるBAG1の免疫組織化学分析) (前立腺癌におけるBAG1Lの病理学的上昇) 免疫組織化学方法を使用して、原発性および転移性前立腺癌標本におけるBA
G1N(サイトゾル)タンパク質およびBAG1L(核)タンパク質の発現を評
価した。以前に、BAG1Nはサイトゾルにあり、一方BAG1Lは核にあるこ
とが、決定された((BAG1Nは、Takayamaら、1998、Canc
er Res.58:3116−3131においてBAG−1と呼ばれる)、お
よびPackhamら、1997、Biochem.J.328:807−81
3))。抗BAG1モノクローナル抗体を使用して(Takayamaら、19
98、前出)、免疫組織化学方法および保存用パラフィン包埋前立腺癌標本を使
用して、800の症例を超える前立腺癌において、核(BAG1L)タンパク質
およびサイトゾル(BAG1N)タンパク質の発現を評価した。正常前立腺およ
び良性前立腺肥大におけるBAG1免疫染色の結果を比較をした。多数の腫瘍標
本の分析を可能にする組織マイクロアレイ技術を、多くのこの分析のために開発
した(Kononenら、1998、Nature Med.4:844−84
7)。
【0081】 正常前立腺に比較して、サイトゾルBAG1N免疫染色は、前立腺癌の876
人のうちの746人(85%)において、上昇した。核BAG1(BAG1L)
免疫染色は、正常前立腺腺上皮と比較して、前立腺癌の676人の171人(2
5%)において、不適切に増大した。臨床的な追跡データまたは他の型の実験情
報は、これらの患者のいく人かについて利用可能であった。このことは、より進
行性の腫瘍表現型を有するBAG1発現の種々の相関を実証する。例えば、初期
段階(T1、T2)疾患および低いグリーソンの分類(gr2〜6)を有する6
2人の患者のコホートにおいて、より高いパーセントのBAG1免疫陽性腫瘍細
胞は、放射療法前のより高いPSAレベル(p=0.05)と関連し、そして治
療の後の遠位の転移のより高頻度(p=0.05)と関連した。より高い強度の
BAG1免疫染色はまた、放射療法後のより高い頻度(p<0.0001)の転
移再発と関連した。さらに、マイクロアレイフォーマットにおける722人の前
立腺癌標本の免疫組織化学分析は、正常前立腺(n=54)に比較して腫瘍にお
けるより高いパーセントのBAG1免疫陽性細胞(n=722)を、明らかにし
た:平均+SE:41+3%正常対78+1%癌(p<0.0001)。関連性
をまた、より高いパーセントのBAG1免疫陽性腫瘍細胞と、局所的に進行した
疾患(p=0.05)(n=625患者)との間、およびホルモン治療抵抗性疾
患(p<0.001)(n=263患者)との間で同定した。
【0082】 核BAG−1免疫染色(BAG1L)、ならびにより高い強度の核BAG1L
(BAG1L強度)染色を有するより高いパーセント腫瘍細胞はまた、ホルモン
治療抵抗性疾患に関連する:それぞれ、p<0.001およびp<0.0001
(n=263)。より高い強度のBAG1核免疫染色はまた、手術の前に抗アン
ドロゲン療法で処置された局所的に進行した疾患を有する、92人の前立腺癌患
者のコンホートにおけるホルモン治療抵抗性(HR)疾患に相関した(50%対
9%HR;p<0.001)。
【0083】 これらの観察から、3つの結論に達し得る。第1に、サイトゾルBAG1およ
び核BAG1Lレベルの腫瘍特異的な増加は、前立腺癌において共通に生じる。
第2に、BAG1N(サイトゾル)およびBAG1L(核)発現の免疫組織化学
分析は、前立腺癌患者についての予後情報(ホルモン李朝抵抗性疾患に対する進
行についての予後情報を含む)を提供する。第3に、乳癌での状況とは異なり、
より高いレベルのサイトゾルBAG1N発現は、好ましい予後よりむしろ、好ま
しくない予後に関連する。
【0084】 本発明は、開示された実施形態に関して記載されたが、種々の変更が、本発明
の精神から逸脱することなくなされ得ることが理解されるべきである。従って、
本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、実施例1に記載されるように、高BAG−1タンパク質レベルが、乳
癌患者におけるより長期の生存と関連するということを示す。初期段階乳癌患者
の割合を含むKaplan−Meier生存率曲線を、全体的生存率(OS)(
上;A)および遠隔無転移生存率(DMFS)(下;B)についての時間(年)
に対してプロットする。これらの患者の腫瘍は、低レベルのBAG−1タンパク
質(黒丸;図中でBAG−1陰性という)に対して、高レベルのBAG−1タン
パク質(白丸;BAG−1陽性という)を含む。
【図2】 図2は、実施例2に記載のように、腫瘍位置のリンパ節を有する乳癌患者にお
ける無再発生存(Relapse−Free Survival)の結果を示す
【図3】 図3は、実施例2に記載のように、腫瘍位置のリンパ節を有する乳癌患者にお
ける原因特異的生存(Cause Specific Survival)の結
果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES ,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU, ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,K R,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV ,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO, NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,S I,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA ,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B063 QA19 QQ02 QQ03 QQ42 QQ53 QQ58 QR08 QR14 QR20 QR32 QR33 QR36 QR42 QR55 QR56 QR59 QR62 QS25 QS32 QS33 QS34

Claims (85)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前立腺癌に罹患した患者における、腫瘍の再発または拡大の
    危険性を決定するための方法であって、該方法は、以下: (a)該患者由来の癌性前立腺組織サンプルにおけるBAG遺伝子発現レベル
    を決定する工程;および (b)該患者における該BAG遺伝子発現レベルを、参照BAG遺伝子発現レ
    ベルと比較する工程であって、該参照BAG遺伝子発現レベルは、BAG遺伝子
    発現の水準であり、この水準を超えることは腫瘍の再発または拡大の増大した危
    険性に関連し、そしてこの水準よりも低いことは腫瘍の再発または拡大の低下し
    た危険性に関連する、工程であり、それによって、該患者における腫瘍の再発ま
    たは拡大の危険性を決定する工程、 を包含する、方法。
  2. 【請求項2】 前記腫瘍の拡大が、腫瘍転移を含む、請求項1に記載の方法
  3. 【請求項3】 前記BAG遺伝子発現レベルが、BAGタンパク質レベルを
    測定することにより決定される、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記BAGタンパク質レベルが、BAGタンパク質に特異的
    な抗体を用いて決定される、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記BAG遺伝子発現レベルが、BAGタンパク質をコード
    する核酸のレベルを測定することにより決定される、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記核酸が、DNAである、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記核酸が、RNAである、請求項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記BAG遺伝子が、核BAGタンパク質をコードする、請
    求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記BAG遺伝子が、サイトゾルBAGタンパク質をコード
    する、請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記BAG遺伝子が、BAG−1、BAG−1N、BAG
    −1M、およびBAG−1Lからなる群より選択されるタンパク質をコードする
    、請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記BAG遺伝子発現レベルが、イムノアッセイを用いて
    決定される、請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記イムノアッセイが、イムノ−ポリメラーゼ連鎖反応(
    イムノ−PCR)アッセイである、請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の方法であって、前記参照BAG遺伝子発
    現レベルは、BAG遺伝子発現の水準であり、この水準を超えることは、該参照
    レベルよりも低いBAG遺伝子発現レベルを有する第2の群の患者と比較して、
    第1の群の患者における腫瘍の再発または拡大の増大した危険性と関連する、方
    法。
  14. 【請求項14】 前立腺癌に罹患した患者における生存の予後を決定するた
    めの方法であって、該方法は、以下: (a)該患者に由来する癌性前立腺組織サンプルにおけるBAG遺伝子発現レ
    ベルを決定する工程;および (b)該患者における該BAG遺伝子発現レベルを、参照BAG遺伝子発現レ
    ベルと比較する工程であって、該参照BAG遺伝子発現レベルは、BAG遺伝子
    発現の水準であり、この水準を超えることは低下した生存に関連し、そしてこの
    水準よりも低いことは増大した生存に関連する、工程であり、それによって、該
    患者における生存の予後を決定する工程、 を包含する、方法。
  15. 【請求項15】 前記生存が、全体的な生存である、請求項14に記載の方
    法。
  16. 【請求項16】 前記生存が、離れた転移のない生存である、請求項14に
    記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記BAG遺伝子発現レベルが、BAGタンパク質レベル
    を測定することにより決定される、請求項14に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記BAGタンパク質レベルが、BAGタンパク質に特異
    的な抗体を用いて決定される、請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記BAG遺伝子発現レベルが、BAGタンパク質をコー
    ドする核酸のレベルを測定することにより決定される、請求項14に記載の方法
  20. 【請求項20】 前記核酸が、DNAである、請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記核酸が、RNAである、請求項19に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記BAG遺伝子が、核BAGタンパク質をコードする、
    請求項14に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記BAG遺伝子が、サイトゾルBAGタンパク質をコー
    ドする、請求項14に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記BAG遺伝子が、BAG−1、BAG−1N、BAG
    −1M、およびBAG−1Lからなる群より選択されるタンパク質をコードする
    、請求項14に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記BAG遺伝子発現レベルが、イムノアッセイを用いて
    決定される、請求項14に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記イムノアッセイが、イムノ−ポリメラーゼ連鎖反応(
    イムノ−PCR)アッセイである、請求項25に記載の方法。
  27. 【請求項27】 請求項14に記載の方法であって、前記参照BAG遺伝子
    発現レベルは、BAG遺伝子発現の水準であり、この水準を超えることは、該参
    照レベルよりも低いBAG遺伝子発現レベルを有する第2の群の患者と比較して
    、第1の群の患者における低下した生存と関連する、方法。
  28. 【請求項28】 前立腺癌に罹患した患者についての一連の処置の効果をモ
    ニタリングするための方法であって、該方法は、以下: (a)該処置の前に、該患者に由来する癌性前立腺組織における第1のBAG
    遺伝子発現レベルを決定する工程;および (b)次いで、該処置の間に、該患者に由来する癌性前立腺組織における第2
    のBAG遺伝子発現レベルを決定する工程であって、それによって、該第1のB
    AG発現レベルと比較して、低下した第2のBAG発現レベルが、有効な処置を
    示す、工程、 を包含する、方法。
  29. 【請求項29】 前記BAG遺伝子発現レベルが、BAGタンパク質レベル
    を測定することにより決定される、請求項28に記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記BAGタンパク質レベルが、BAGタンパク質に特異
    的な抗体を用いて決定される、請求項29に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記BAG遺伝子発現レベルが、BAGタンパク質をコー
    ドする核酸のレベルを測定することにより決定される、請求項28に記載の方法
  32. 【請求項32】 前記核酸が、DNAである、請求項31に記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記核酸が、RNAである、請求項31に記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記BAG遺伝子が、核BAGタンパク質をコードする、
    請求項28に記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記BAG遺伝子が、サイトゾルBAGタンパク質をコー
    ドする、請求項28に記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記BAG遺伝子が、BAG−1、BAG−1N、BAG
    −1M、およびBAG−1Lからなる群より選択されるタンパク質をコードする
    、請求項28に記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記BAG遺伝子発現レベルが、イムノアッセイを用いて
    決定される、請求項28に記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記イムノアッセイが、イムノ−ポリメラーゼ連鎖反応(
    イムノ−PCR)アッセイである、請求項37に記載の方法。
  39. 【請求項39】 乳癌に罹患した患者における、腫瘍の再発または拡大の危
    険性を決定するための方法であって、該方法は、以下: (a)該患者由来の癌性乳房組織サンプルにおけるBAG遺伝子発現レベルを
    決定する工程;および (b)該患者における該BAG遺伝子発現レベルを、参照BAG遺伝子発現レ
    ベルと比較する工程であって、該参照BAG遺伝子発現レベルは、BAG遺伝子
    発現の水準であり、この水準を超えることは腫瘍の再発または拡大の低下した危
    険性に関連し、そしてこの水準よりも低いことは腫瘍の再発または拡大の増大し
    た危険性に関連する、工程であり、それによって、該患者における腫瘍の再発ま
    たは拡大の危険性を決定する工程、 を包含する、方法。
  40. 【請求項40】 前記腫瘍の拡大が、腫瘍転移を含む、請求項39に記載の
    方法。
  41. 【請求項41】 前記BAG遺伝子発現レベルが、BAGタンパク質レベル
    を測定することにより決定される、請求項39に記載の方法。
  42. 【請求項42】 前記BAGタンパク質レベルが、BAGタンパク質に特異
    的な抗体を用いて決定される、請求項41に記載の方法。
  43. 【請求項43】 前記BAG遺伝子発現レベルが、BAGタンパク質をコー
    ドする核酸のレベルを測定することにより決定される、請求項39に記載の方法
  44. 【請求項44】 前記核酸が、DNAである、請求項43に記載の方法。
  45. 【請求項45】 前記核酸が、RNAである、請求項43に記載の方法。
  46. 【請求項46】 前記BAG遺伝子が、核BAGタンパク質をコードする、
    請求項39に記載の方法。
  47. 【請求項47】 前記BAG遺伝子が、サイトゾルBAGタンパク質をコー
    ドする、請求項39に記載の方法。
  48. 【請求項48】 前記BAG遺伝子が、BAG−1、BAG−1N、BAG
    −1M、およびBAG−1Lからなる群より選択されるタンパク質をコードする
    、請求項39に記載の方法。
  49. 【請求項49】 前記BAG遺伝子発現レベルが、イムノアッセイを用いて
    決定される、請求項39に記載の方法。
  50. 【請求項50】 前記イムノアッセイが、イムノ−ポリメラーゼ連鎖反応(
    イムノ−PCR)アッセイである、請求項49に記載の方法。
  51. 【請求項51】 前記BAG遺伝子発現レベルが、該癌のリンパ節介入の前
    に決定される、請求項39に記載の方法。
  52. 【請求項52】 前記BAG遺伝子発現レベルが、該癌のリンパ節介入の後
    に決定される、請求項39に記載の方法。
  53. 【請求項53】 前記BAG遺伝子発現レベルが、該癌のステージIまたは
    ステージIIの間に決定される、請求項39に記載の方法。
  54. 【請求項54】 請求項39に記載の方法であって、前記参照BAG遺伝子
    発現レベルは、BAG遺伝子発現の水準であり、この水準を超えることは、該参
    照レベルよりも低いBAG遺伝子発現レベルを有する第2の群の患者と比較して
    、第1の群の患者における腫瘍の再発または拡大の減少した危険性に関連する、
    方法。
  55. 【請求項55】 乳癌に罹患した患者における生存の予後を決定するための
    方法であって、該方法は、以下: (a)該患者に由来する癌性乳房組織サンプルにおけるBAG遺伝子発現レベ
    ルを決定する工程;および (b)該患者における該BAG遺伝子発現レベルを、参照BAG遺伝子発現レ
    ベルと比較する工程であって、該参照BAG遺伝子発現レベルは、BAG遺伝子
    発現の水準であり、この水準を超えることは増大した生存に関連し、そしてこの
    水準よりも低いことは低下した生存に関連する、工程であり、それによって、該
    患者における腫瘍の再発または拡大の危険性を決定する工程、 を包含する、方法。
  56. 【請求項56】 前記生存が、全体的な生存である、請求項55に記載の方
    法。
  57. 【請求項57】 前記生存が、離れた転移のない生存である、請求項55に
    記載の方法。
  58. 【請求項58】 前記BAG遺伝子発現レベルが、BAGタンパク質レベル
    を測定することにより決定される、請求項55に記載の方法。
  59. 【請求項59】 前記BAGタンパク質レベルが、BAGタンパク質に特異
    的な抗体を用いて決定される、請求項58に記載の方法。
  60. 【請求項60】 前記BAG遺伝子発現レベルが、BAGタンパク質をコー
    ドする核酸のレベルを測定することにより決定される、請求項55に記載の方法
  61. 【請求項61】 前記核酸が、DNAである、請求項60に記載の方法。
  62. 【請求項62】 前記核酸が、RNAである、請求項60に記載の方法。
  63. 【請求項63】 前記BAG遺伝子が、核BAGタンパク質をコードする、
    請求項55に記載の方法。
  64. 【請求項64】 前記BAG遺伝子が、サイトゾルBAGタンパク質をコー
    ドする、請求項55に記載の方法。
  65. 【請求項65】 前記BAG遺伝子が、BAG−1、BAG−1N、BAG
    −1M、およびBAG−1Lからなる群より選択されるタンパク質をコードする
    、請求項55に記載の方法。
  66. 【請求項66】 前記BAG遺伝子発現レベルが、イムノアッセイを用いて
    決定される、請求項55に記載の方法。
  67. 【請求項67】 前記イムノアッセイが、イムノ−ポリメラーゼ連鎖反応(
    イムノ−PCR)アッセイである、請求項66に記載の方法。
  68. 【請求項68】 前記BAG遺伝子発現レベルが、該癌のリンパ節介入の前
    に決定される、請求項55に記載の方法。
  69. 【請求項69】 前記BAG遺伝子発現レベルが、該癌のリンパ節介入の後
    に決定される、請求項55に記載の方法。
  70. 【請求項70】 前記BAG遺伝子発現レベルが、該癌のステージIまたは
    ステージIIの間に決定される、請求項55に記載の方法。
  71. 【請求項71】 請求項55に記載の方法であって、前記参照BAG遺伝子
    発現レベルは、BAG遺伝子発現の水準であり、この水準を超えることは、該参
    照レベルよりも低いBAG遺伝子発現レベルを有する第2の群の患者と比較して
    、第1の群の患者における増大した生存に関連する、方法。
  72. 【請求項72】 乳癌に罹患した患者についての一連の処置の効果をモニタ
    リングするための方法であって、該方法は、以下: (a)該処置の前に、該患者に由来する癌性乳房組織における第1のBAG遺
    伝子発現レベルを決定する工程;および (b)次いで、該処置の間に、該患者に由来する癌性乳房組織における第2の
    BAG遺伝子発現レベルを決定する工程であって、それによって、該第1のBA
    G発現レベルと比較して、増大した第2のBAG発現レベルが、有効な処置を示
    す、工程、 を包含する、方法。
  73. 【請求項73】 前記BAG遺伝子発現レベルが、BAGタンパク質レベル
    を測定することにより決定される、請求項72に記載の方法。
  74. 【請求項74】 前記BAGタンパク質レベルが、BAGタンパク質に特異
    的な抗体を用いて決定される、請求項73に記載の方法。
  75. 【請求項75】 前記BAG遺伝子発現レベルが、BAGタンパク質をコー
    ドする核酸のレベルを測定することにより決定される、請求項72に記載の方法
  76. 【請求項76】 前記核酸が、DNAである、請求項75に記載の方法。
  77. 【請求項77】 前記核酸が、RNAである、請求項75に記載の方法。
  78. 【請求項78】 前記BAG遺伝子が、核BAGタンパク質をコードする、
    請求項72に記載の方法。
  79. 【請求項79】 前記BAG遺伝子が、サイトゾルBAGタンパク質をコー
    ドする、請求項72に記載の方法。
  80. 【請求項80】 前記BAG遺伝子が、BAG−1、BAG−1N、BAG
    −1M、およびBAG−1Lからなる群より選択されるタンパク質をコードする
    、請求項72に記載の方法。
  81. 【請求項81】 前記BAG遺伝子発現レベルが、イムノアッセイを用いて
    決定される、請求項72に記載の方法。
  82. 【請求項82】 前記イムノアッセイが、イムノ−ポリメラーゼ連鎖反応(
    イムノ−PCR)アッセイである、請求項81に記載の方法。
  83. 【請求項83】 前記BAG遺伝子発現レベルが、該癌のリンパ節介入の前
    に決定される、請求項72に記載の方法。
  84. 【請求項84】 前記BAG遺伝子発現レベルが、該癌のリンパ節介入の後
    に決定される、請求項72に記載の方法。
  85. 【請求項85】 前記BAG遺伝子発現レベルが、該癌のステージIまたは
    ステージIIの間に決定される、請求項72に記載の方法。
JP2001509546A 1999-07-09 2000-07-07 Bag発現のレベルを測定することによる、癌患者の予後を決定するための方法 Withdrawn JP2003504073A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US35051899A 1999-07-09 1999-07-09
US09/350,518 1999-07-09
PCT/US2000/018758 WO2001004343A2 (en) 1999-07-09 2000-07-07 A method for determining the prognosis of cancer patients by measuring levels of bag expression

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003504073A true JP2003504073A (ja) 2003-02-04

Family

ID=23377069

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001509546A Withdrawn JP2003504073A (ja) 1999-07-09 2000-07-07 Bag発現のレベルを測定することによる、癌患者の予後を決定するための方法

Country Status (7)

Country Link
US (2) US7951544B1 (ja)
EP (1) EP1200618A2 (ja)
JP (1) JP2003504073A (ja)
AU (1) AU5789500A (ja)
CA (1) CA2379264A1 (ja)
IL (1) IL147486A0 (ja)
WO (1) WO2001004343A2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013513101A (ja) * 2009-12-04 2013-04-18 バイオユニヴァーサ ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ 生化学的な血清マーカー
KR20200098329A (ko) * 2019-02-12 2020-08-20 주식회사 메드팩토 Bag2 항체를 이용한 암 진단용 조성물 및 이를 이용한 방법

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ATE273591T1 (de) 2001-12-18 2004-08-15 Stonesoft Corp Prüfung der konfiguration einer firewall
ES2616800T3 (es) * 2002-03-13 2017-06-14 Genomic Health, Inc. Obtención de perfil de expresión génica en tejidos tumorales biopsiados
EP3470535B1 (en) * 2003-06-24 2020-04-01 Genomic Health, Inc. Prediction of likelihood of cancer recurrence
FR2861744A1 (fr) * 2003-11-05 2005-05-06 Biomerieux Sa Procede pour le pronostic du cancer du sein
TWI518325B (zh) * 2010-02-04 2016-01-21 自治醫科大學 對alk抑制劑具有先抗性或後抗性癌症的識別、判斷和治療
EP2676966A1 (en) * 2012-06-19 2013-12-25 Biouniversa S.r.l. BAG3 as biochemical serum and tissue marker

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4968603A (en) 1986-12-31 1990-11-06 The Regents Of The University Of California Determination of status in neoplastic disease
US5188964A (en) 1990-04-12 1993-02-23 Board Of Regents, The University Of Texas System Method and kit for the prognostication of breast cancer patient via heat shock/stress protein determination
US5862304A (en) 1990-05-21 1999-01-19 Board Of Regents, The University Of Texas System Method for predicting the future occurrence of clinically occult or non-existent medical conditions
US5665539A (en) 1991-07-12 1997-09-09 The Regents Of The University Of California Immuno-polymerase chain reaction system for antigen detection
US5550019A (en) 1993-05-26 1996-08-27 La Jolla Cancer Research Foundation Methods of identifying compounds which alter apoptosis
US5539094A (en) 1993-11-12 1996-07-23 La Jolla Cancer Research Foundation DNA encoding Bcl-2-associated proteins
CA2132500A1 (en) 1994-09-20 1996-03-21 David Lockwood Manning Methods for predicting the behaviour of breast tumours
CA2262403C (en) 1995-07-31 2011-09-20 Urocor, Inc. Biomarkers and targets for diagnosis, prognosis and management of prostate disease
IL114890A (en) * 1995-08-10 1999-08-17 Hadasit Med Res Service Method and kits for evaluating the metastatic tendency of tumor cells
US5858681A (en) * 1996-06-17 1999-01-12 Children's Medical Center Method for prognosis of prostate cancer
US6221622B1 (en) 1998-04-28 2001-04-24 The Regents Of The University Of California Method and kit for obtaining fluids and cellular material from breast ducts
JP2002524068A (ja) * 1998-09-09 2002-08-06 ザ バーナム インスティチュート 新規なbagタンパク質およびそれらをコードする核酸分子

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013513101A (ja) * 2009-12-04 2013-04-18 バイオユニヴァーサ ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ 生化学的な血清マーカー
KR20200098329A (ko) * 2019-02-12 2020-08-20 주식회사 메드팩토 Bag2 항체를 이용한 암 진단용 조성물 및 이를 이용한 방법
KR102172541B1 (ko) * 2019-02-12 2020-11-02 주식회사 메드팩토 Bag2 항체를 이용한 암 진단용 조성물 및 이를 이용한 방법

Also Published As

Publication number Publication date
AU5789500A (en) 2001-01-30
WO2001004343A2 (en) 2001-01-18
EP1200618A2 (en) 2002-05-02
WO2001004343A3 (en) 2001-08-16
IL147486A0 (en) 2002-08-14
WO2001004343A9 (en) 2001-09-13
US20080166733A1 (en) 2008-07-10
US7951544B1 (en) 2011-05-31
CA2379264A1 (en) 2001-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2671939C (en) Biomarker for detecting prostate cancer
JP6216732B2 (ja) 癌の診断方法ならびに癌患者の全生存期間および無病生存期間の決定方法
US20080166733A1 (en) Method for determining the prognosis of cancer patients by measuring levels of bag expression
Dassen et al. Olfactomedin-4 regulation by estrogen in the human endometrium requires epidermal growth factor signaling
Xu et al. Significance of TFF3 protein and Her-2/neu status in patients with gastric adenocarcinoma
Yoshida et al. Promoter-level transcriptome in primary lesions of endometrial cancer identified biomarkers associated with lymph node metastasis
JP7453284B2 (ja) 癌のバイオマーカーとしてのpd-ecgf
García-Martínez et al. Hedgehog gene expression patterns among intrinsic subtypes of breast cancer: prognostic relevance
Wang et al. Expression of Wnt11 and Rock2 in esophageal squamous cell carcinoma by activation of the WNT/PCP pathway and its clinical significance
Wang et al. ERBB‐2 overexpression as a risk factor for malignant phaeochromocytomas and paraganglinomas
EP2269073B1 (en) A method of assessing cancer status in a breast cancer patient
Halvorsen Molecular and prognostic markers in prostate cancer.
US9977033B2 (en) Methods for assessing cancer recurrence
KR20170096493A (ko) Cd24를 이용한 루미날 a 및 삼중음성유방암 환자의 예후 예측 방법
吉田惠美子 et al. Promoter-level transcriptome in primary lesions of endometrial cancer identified biomarkers associated with lymph node metastasis
Rodríguez-Cobos et al. ANp73, TAp73 and A133p53 Extracellular Vesicle Cargo as Early Diagnosis Markers in Colorectal Cancer. Cancers 2021, 13, 2240
Dube Comparison of Xpert® Breast cancer STRAT4 assay and immunohistochemistry for the evaluation of breast cancer biomarkers in South African patients
YEN Clinicopathological study of biomarkers in prostrate cancer
US20130130931A1 (en) Biomarker for the diagnosis, prognosis and monitoring of cancer
Agrawal An overview of, Biomarkers in Carcinoma breast and, the relevance of ER/PR and HER-2/neu markers.

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20071002