JP2007524677A - 放射性標識化合物及び組成物、それらの前駆体及びそれらの製造方法 - Google Patents

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Abstract

陽電子放出化合物及びその製造方法を提供する。該化合物は、式(F)G(R)(各Rは少なくとも1つの炭素、窒素、リン又は硫黄原子を含む基であり、Gは該炭素、窒素、リン又は硫黄原子を介してRに結合し;Gはケイ素又はホウ素であり;Gがケイ素の場合、mは2〜5であり、nは1〜3であり且つm+n=3〜6であり;Gがホウ素の場合、mは1〜3であり、nは1〜3であり且つm+n=3〜4であり;上記式が帯電されている場合、該化合物は1又はそれ以上の対イオンをさらに有し;式中、少なくとも1つのFは18Fである)を有する。

Description

発明の背景
陽電子放出化合物は、マーカー及び造影剤として使用することができ、なぜなら、それらの存在及び位置が、近隣電子の消滅及び続いて生じる2つの対向γ線の放出により示されるからである。γ線感知器を用いて、事象を検出し及びその位置を正確に決定することができる。
陽電子放出型断層撮影法(PET)は、陽電子放出放射性標識トレーサー分子、及び、代謝過程を試験するように又は患者又は実験動物の生体内ターゲットを検出するようにコンピューター化された断層撮影法を用いることに依る。一旦注入されると、トレーサーは、ポジトロンカメラ又は断層撮影検出配列(tomograph detector array)により監視される。この技術は、撮影技術、例えば、磁気共鳴映像法(MRI)、超音波画像診断、又はX線画像化よりも感度がよいものであり得る。PETのための主要な臨床適用のいくつかは、腫瘍学、神経学及び心臓学である。
PET画像化に用いられるトレーサー分子は一般に、標識されていないトレーサーにおける基又は原子を放射性同位体含有基又は原子で置換することにより、又はトレーサーを放射性同位体含有原子に結合することにより(例えば、キレート化により)調製することができる。通常用いられるいくつかの共通の陽電子放出放射性同位体は、フッ素18(18F);炭素11(11C);窒素13(13N);及び酸素15(15O)である。また、64Cuが、銅キレート化化学を用いてトレーサーに付け加えられている(Chen et al. Bioconjug. Chem. (2004) 15: 41-49)。
18Fは、PET画像化のために特に望ましい放射性同位体である。なぜなら、11C、13N及び15Oより長い半減期を有し、容易に共有結合を形成し、且つPET画像化において高い解像度を提供する短い範囲のβ+放出を有するからである。18Fは、銅が、PET画像化の“ストリーキング”を生じる非特異的方法における天然タンパクにより隔離されるようになり得るところの、64Cuの使用に関連する不利益に悩まない。
18Fは天然発生同位体ではなく、且つ天然源からのフッ素又はフッ化物イオンにおいて見受けられない。18Fは、単に核反応において生じ、典型的には、サイクロトロン又は陽子加速器における適切なターゲットの衝撃(bombardment)により生じる。18F標識化トレーサー分子は一般に、加速器施設に近接して製造される。18Fを製造可能ないくつかの施設が世界中に存在し、標識化トレーサーは、日常的に、これらの施設から供給される。
PETトレーサーは、生物学的興味のある分子(“生体分子”)であることが多く、又はそれらを含む。PETにおいて使用するのに開発された生体分子は非常に多い。それらは、水、アンモニア及びグルコースと同様に遍在する小さい分子であるか、又は患者における特異的ターゲッティングが意図されたより複雑な分子であってもよく、標識化アミノ酸、ヌクレオシド及びレセプターリガンドを含む。具体例として、18F標識化フルオロデオキシグルコース、メチオニン、デオキシチミジン、L−DOPA、ラクロプライド及びフルマゼニールが挙げられる。
生体分子内に18Fを導入するいくつかのアプローチが、以下の文献に記載されている:Kuhnast, B., et al. (2004) J. Am. Chem. Soc., 15,617-627; Garg, P.
K., et al. (1991) Bioconj. Chem., 2,44-49; Lee, B. C., et al. (2004) J. Am.
Chem. Soc., 15,104-111; Chen, X., et al. (2004) J. Am. Chem. Soc, 15,41-49;
Glaser, M., et al. (2004) J. Am. Chem. Soc., 15,1447- 1453; Toyokuni et al.
Bioconjug. Chem. (2003) 14: 1253-9; 及び Couturier, O.,
et al. (2004) Eur. J. of Nuc. Med. and Mol. Imaging, 31, 1182-1206。これらの方法は、生体分子に存在する基を18Fで置換することを含む。これらの方法は、時間のかかるものであり、それにより、原子核崩壊の結果としてPET画像解像度が低減する。また、フッ素化条件は、生体分子に悪影響を与え得る。
Walsh et al. in J. Labelled Cpd.
Radiopharm. 42, Suppl. 1 (1999) 及び Journal of Nuclear
Medicine, Supp. S. 2000, 41 1098は、1つの18F、2つのフェニル基及びt−ブチル基を含み、その各々がケイ素原子に結合しているPET前駆体化合物を記載する。2つのフェニル基及びt−ブチル基は、加水分解安定性を提供するために必要とされた。フェニル基の1つは、生体分子への連続結合のためのチオ反応性又はアミン反応性基を含んでいた。
発明の概要
本発明は、ある部分において、複数のF原子がケイ素に結合し得るという認識をベースとする。したがって、より多数の18F原子を単一のトレーサーに導入することができるか、又は使用されるフッ素化剤が天然のF又はFを含む場合、得られる分子のうち、大きな割合で18Fが導入されるであろう。これにより、得られる生成物における陽電子放出核の密度が増大する。さらに、F原子が複数存在することにより、ケイ素原子が、生理学的及び他の水性条件下で安定化され、且つ大きなアルキル基又は芳香族安定化基(例えば、上記Walsh et al.により使用されたもの)の存在が不要となる。
また、本発明は、ホウ素が優秀なF受容体であり且つ18Fでのフッ素化のためにケイ素に代わるものとして使用され得るとの認識をベースとする。ホウ素含有基は、1〜3個の18F原子を受け入れるであろうし、生理学的及び他の水性条件下で安定である。いくつかの環境において、B−18F結合の安定性は、Si−18F結合よりも優れている。また、ホウ素は、ケイ素より、ガラス製品、ガラス貯蔵容器及びデリバリータイプのデバイスとの反応性が低い。
本発明の種々の態様として、下記式の化合物を提供する。
Figure 2007524677
式中、各Rは、少なくとも1つの炭素、窒素、リン又は硫黄原子を含む基であり、Gは、該炭素、窒素、リン又は硫黄原子を介してRに結合し;
Gは、ケイ素又はホウ素であり;
Gがケイ素の場合、mは2〜5であり、nは1〜3であり且つm+n=3〜6であり;
Gがホウ素の場合、mは1〜3であり、nは1〜3であり且つm+n=3〜4であり;
式中、上記式が帯電されている場合、化合物は、1又はそれ以上の対イオンをさらに含み;式中、少なくとも1つのFが18Fである。
本発明の他の態様として、陽電子放出化合物の製造方法であって、下記式の化合物を、
Figure 2007524677
18Fでフッ素化して、下記式の化合物を製造する、上記方法を提供する。
Figure 2007524677
式中、各Lは同一又は異なったものであり及びフッ素により置換可能な離脱基であり、R、G、m及びnは請求項1〜16のいずれか1項において定義されたものであり、Gがホウ素の場合、qは1又は3であり、Gがケイ素の場合、qは2又は3であり、式中、少なくとも1つのFは18Fである。
本発明の種々の態様として、生理学的に許容可能なキャリヤ又は賦形剤及び本発明の陽電子放出化合物を含むPET画像形成(imaging)組成物を提供する。
本発明の種々の態様として、本発明の化合物の、PET画像形成を含む画像形成及び標識化に用いるための、陽電子放出剤の調製における使用を提供する。
本発明の種々の態様として、生体の画像形成における本発明の化合物又は組成物の使用を提供する。
本発明の種々の態様として、ヒト又は動物の患者の体のPET画像形成を行う方法であって、本発明のPET画像形成化合物又は組成物を有効量、患者へ投与することを含む方法を提供する。また、次の方法も含まれる。即ち、18Fでフッ素化するために所望の生体分子に結合したホウ素又はケイ素フッ素受容体基を含む化合物のパネルから選択し、そのように選択された化合物を18Fでフッ素化して、患者の体内において所望の生物学的活性又はターゲッティング能力を有する本発明の化合物を製造する工程を有する方法も含まれる。特定の態様において、化合物のそのようなパネルは、表面又は基体と結合するか、又はそうでなければ表面又は基質と関連付けられて、所望の生体分子の同定、局在化又は選択を促進させることができる。ある特定の態様において、そのようなパネルの各メンバーは、本件明細書に記載されるようなケイ素含有フッ素受容体に結合する異なる生体分子を含んでいてもよく、ケイ素成分は、適切な基体、例えば、ガラス又は他のシリケート表面に結合される。後者の態様において、所望の化合物が、基体からケイ素成分を置換するフッ素化剤を用いて、基体から選択されたパネルメンバーを溶離(elute)することにより、得られると同時に18Fでラベル化される。他の態様において、フッ素化を待ち受けるホウ素でラベル化した前駆体が、ホウ素のエステル結合を与えるためのアルコール(例えば、ジオール又はトリオール)を含む固形支持体に結合される。そのような支持体として、多糖、例えばデキストラン、セフラデックス(sephladex)及びセルロースを挙げることができる。
発明の詳細な説明
本発明の化合物及び本発明の方法の生成物は、少なくとも1つの18F原子を含む。18Fは、典型的には、サイクロトロンにおいて、いくつかの代替核反応を用いて製造される(Helus, F. et al. (1979) Radiochemical Radioanalytical Letters 38:
395-410参照)。いくつかのケースにおいて、ネオンガスターゲットを用いて、19が、典型的には、添加されて、放射性同位体を酸化形態で維持される。18F生成物は、Fキャリヤを伴って、ガス形態で得られる。他のケースにおいて、ターゲットは、18Oが豊富な水又は1819F、18である。このケースにおいて、18Fは、フッ化物イオンとして又は18として回収することができる。しかしながら、19キャリヤ及び不活性キャリヤガス、例えばアルゴンを用いて、18をガス形態で回収することが多いか、又は18Fイオンを含む水生成物が回収される。いくつかのケースにおいて、18F(フッ化物)は、蒸留又はクロマトグラフィーにより水から回収される。18(又はより反応性の低い形態、例えばキャリヤフッ素と組合せた18F−アセチルハイポフルオライト(hypofluorite)又は18F−キセノンジフルオリド)は、フッ素化剤として求電子反応において直接使用することができるが、18Fは、脂肪族求核置換又は芳香族置換反応における薬剤として適切な形態に転化されることが多い。後者の形態において、18Fは、金属イオン錯化剤、例えば、クラウン・エーテル又はテトラブチルアンモニウム塩、トリフレート(triflate)又は正に帯電した対イオン(H、K、Naなどを含む)と組み合せることができる。水溶液において用いる場合、フッ化物イオンは、正に帯電した対イオンを伴わなければならない。これは、18Fを、大きな金属イオン、例えばルビジウム、セシウム、クリプタンドで錯体化したカリウム(例えばKryptofix222(商標))又はテトラブチルアンモニウム塩と錯体化することにより提供することができる。
本発明は、離脱基分子の性質及びフッ素化されている前駆体分子又はトレーサーの性質に対して特異的な条件のために選択される、適切な18F含有フッ素化剤の使用に関する。上述したように、フッ素化は、典型的には、19F汚染物質又は19Fキャリヤアニオンの存在のいずれかによる18Fに加えて、天然フッ素同位体の存在をもたらすであろう。したがって、本発明の化合物は、18Fに加えて、天然フッ化物同位体(例えば19F)を含んでもよい。本発明の組成物は、少なくとも1つの18F原子を含む化合物及びフッ素原子が18Fでない同一又は類似の化合物をさらに含んでもよい。それにもかかわらず、本発明の全ての化合物及び組成物は、18F原子を含む。
用いることができるフッ素化剤の具体例として、上記記載のものの他に、H18F、K18F、KH1818Fリッチ金属フッ素塩、第4窒素含有塩基の18Fリッチ塩(例えば、(Bu)NF)及びそれらの溶液であるが、これに限定されない。フッ素化剤は、水、メタノール、エタノール、THF、ジメチルホルムアミド(DMF)、ホルムアミド、ジメチルアセトアミド(DMSO)、DMA、ジオキサン、アセトニトリル及びピリジンを含む適切な溶剤又は補助溶剤中において使用することができるが、これらに限定されない。
本発明の特徴は、ケイ素及びホウ素成分の使用を介して、本発明の単一化合物が複数のフッ素原子を含み得ることである。導入されるフッ素原子の数に依存して、本発明の化合物は、帯電されていても帯電されていなくてもよい。帯電されている場合、本発明の化合物は、付加的に、1又はそれ以上のカチオン対イオンを含む。それは、いずれのカチオンであってもよく、電荷を安定させる。そのようなカチオンの例として、水素、カリウム、ナトリウムなどが挙げられるが、これに限定されない。多くの場合、対イオンは、フッ素化剤由来である。本発明の化合物は、また、付加的なアニオンを含んでいてもよく、フッ素化反応由来とすることができる。好ましくは、存在するアニオンは、求核置換反応においてフッ化物イオンと効果的に競合しないものであるのがよい。好ましいアニオンは、水酸化物イオン又はカーボネートイオンである。
本発明の化合物は、前駆体化合物を18F源又は18F含有フッ素化剤でフッ素化することにより調製される。本発明の前駆体化合物は、ケイ素又はホウ素原子を含み、それに、1又はそれ以上の離脱基が結合する。離脱基は、フッ素原子により置換可能ないずれかの化学基又は成分である。多くのそのような離脱基が知られており、フッ素化剤の性質、反応条件、ケイ素又はホウ素原子に結合する他の側鎖の性質に従って選択され得る。ホウ素及びケイ素成分の双方についての適切な離脱基の選択は、19Fでのシリルフッ化物錯体及びホウ素−フッ素錯体の情報に関する現在の知識及び文献に基づいてなされる。
有機−B−19“エート(ate)”錯体が製造される方法は、当該技術分野においてよく認識されている。アリール、オレフィン、アルキニル及び脂肪族関連ボロン酸を含むボロン酸は、容易に、それらの対応する“エート”錯体−例えば、トリフルオロボレート塩に転化される。これらの反応は、日常的に、合成有機化学において使用される。有機ホウ素化合物は、また、フッ化物と反応させて、蛍光又は比色シグナルを調製する安定ホウ素−フッ化物錯体を形成する目的(expressed purpose)で合成される。(例えば、Vos de Wael,
E., et al. (1977) Rucueil, Journal of the royal netherlands chemical society,
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E., et al. (2004) Org. Lett., 6,3727-3730参照)。これらの方法は、容易に、18Fを用いての導入に採用することができる。
シリルフッ化物の調製も、当該技術分野においてよく認識されている。例えば、トリ置換シリル基は、ヘテロ原子、典型的には酸素に導入することができる。H−19F、K−19F、又はKH−19で処理することにより、Si−Oの開裂がもたらされて、トリ有機シリルフッ化物をもたらす。他の処理として、フッ素化されたときにビス−有機ジフルオロシランをもたらすRO−Si(ビス−有機)−OR結合を用いてなされる。水性処理に安定である(なぜならそれらは水から結晶化するからである)テトラフルオロアルキルシリケート(RSi−19 −1)の調製も知られている。これらは、対応するトリアルコキシ/アリールオキシシラン又はテトラアルコキシ/アリールオキシシリケートの19Fフッ素化により合成される(Kim, J. , et al. (2004) J. Org. Chem., 69,3008-3014 ; Fang, S., et
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本発明に用いるための離脱基として、フッ素原子による置換を提供するための適切な隣接原子を有するケイ素又はホウ素原子に結合する基が挙げられる。そのような離脱基として、Cl、Br及びIを含むハロゲン、環状スルフェート、メシラート及びトシレート、ニトロ及びトリメチルアンモニウム基が挙げられる(例えば、Schyler, D. J. , (2004) Annals Academy of Medicine 33: 146-154及び概要のためにそれらの中に記載された文献を参照のこと)。本件明細書において例示するような本発明の特定の態様では、離脱基、例えばアルコキシ基を使用し、その中において、ケイ素又はホウ素原子に隣接する原子は酸素である。したがって、本発明に用いるために特に好都合な離脱基の使用として、本発明に用いられるケイ素又はホウ素成分においてアルキル又は芳香族エーテル置換基を形成する基である。
B−O結合(128kcal mol−1)、B−F結合(146.5±13kcal mol−1)、Si−O結合(108kcal mol−1)及びSi−F結合(135kcal mol−1)の相対的な熱力学的エネルギーが知られている(Inorganic Chemistry-Principles of Structure and Reactivity, Appendix
section: A21-24, Fourth Edition by J. E. Huheey, E. A. Keiter, and R. L.
Keiter, Harper Collins College Publishers 1993参照)。2つのB−O結合を2つのB−F結合で置換することにより、正味エネルギーにおいて約39kcal mol−1が生じるので、フッ素化生成物が好まれる。同様に、3つのSi−O結合を3つのSi−F結合で置換することにより、正味エネルギーにおいて約81kcal mol−1が生じるので、フッ素化生成物が好まれる。
本発明の化合物におけるホウ素及びケイ素原子の置換基、及び本発明の方法に用いられる化合物の離脱基に付加されるそのような置換基(本件明細書の式におけるR)は、いかなる化学基又は成分であってもよいが、ケイ素又はホウ素分子に隣接する原子は、炭素、窒素、リン又は硫黄である。好ましくは、隣接分子は、炭素又は窒素、より好ましくは炭素である。この制限は別として、そのような置換基は、サイズ又は構造(makeup)に関係なく、ケイ素又はホウ素原子に結合し得る成分であってもよい。PET画像形成剤として用いるのに適する本発明の化合物について、1つのそのような置換基として、本件明細書において及びPET画像形成剤に関する当該技術分野内において考慮されるような“生体分子”が挙げられる。したがって、Rが、ヘテロ原子を含むそのような成分を含む脂肪族又は芳香族成分であってもよいが、本発明の画像形成剤は、少なくとも1つのR置換基が本件明細書において称されるような生体分子である。
先行技術におけるPET画像形成剤の生体分子は水を含む一方、本発明の目的のために、用語“生体分子”は、医学的、生理学的又は科学的重要性を有する分子、化合物又は組成物、それらの類似体又は誘導体を意味し、生体系に適合性であるか、又は生物学的活性を有する。生体分子は、ヒト又は動物に送達することができ且つ生物内において特定の場所に位置付けされるようになる生体分子を含む。例として、糖、アミノ酸、核酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドホルモン(ステロイド及び非ステロイド)、抗体、アプタマー(aptamer)及びオリゴヌクレオチド、タンパク質、ペプチド、オリゴヌクレオチド、脂質、ホルモン、薬剤(合成薬及び天然生成物)、多糖、リポソーム、ミセル、ミクロソーム、磁性粒子、金属キレート剤、オリゴリボヌクレオチド、オリゴヌクレオチド及び主鎖において変性を有する関連類似体、核酸塩基、又は安定性を増大させるか又は選択性を調節するホスフェートリンカー領域、ペプチド模倣薬、デンドリマー、薬剤デリバリー剤、ナノチューブ、フラーレン、ウイルス粒子、及びその他のターゲッティング分子(例えば、癌ターゲッティング分子)が挙げられる。具体例として、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。インスリン、ソマトスタチン、ソマトトロピン、ソマトメジン、副腎皮質刺激ホルモン、パラトルモン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、上皮細胞増殖因子、甲状腺刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、バソプレッシン、ボンベシン、エンドセリン、ゴナドトロピン、ゴナドトロピン放出ホルモン、アンチフラミン(antiflamin)I及びII、NLE−アンチフラミンII、脳ナトリウム排泄増加(natriureitic)ペプチド、カルシトニン、コルチコトロピン放出ペプチド、オキシトシン、カルパイン抑制剤ペプチド、α−CGRP、コルチコトロピン放出因子、ガラニン、成長ホルモン放出因子、グアニリン、α−ヘリカルコルチコトロピン放出因子、ラミニン、α−メラニン細胞刺激ホルモン、血小板誘導成長因子、ニューロメジン、ニューロテンシン、膵臓ポリペプチド、ペンタガストリン、ペプチド−YY、下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド、セクレチン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、ウロコルチン、血管活性腸管ペプチド、バソプレッシン、血管内皮増殖因子、アパミン、ブンガロトキシン、カルシセプチン(calciceptin)、チャーリーブドトキシン(charybdotoxin)、コブロトキシン(cobrotoxin)、コノトキシン、デンドロトキシン、メリチン、神経ペプチド−Y、インペラトキシン、タイカトキシン(taycatoxin)、インヒビン、インシュリン様成長因子、プロラクチン、メラニン産生刺激ホルモン、メラニン凝集ホルモン、サブスタンス(substance)−P、タキキニン、アンギオテンシン、IgG、IgM、IgE、IgAの一般構造クラスの抗体、並びに現在及び予定されている画像形成、診断、及び治療適用のために使用される単一鎖、モノクローナル、及び組み換え型形態が挙げられる。抗体により認識され得る特定のターゲットとして、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。メラノーマ細胞、メラノーマ特異抗原、ミエリン塩基性タンパク質、乳癌特異腫瘍マーカー、例えばHer2−Neu及びBrc−Abl、α−フェトプロテイン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、前立腺特異抗原、前立腺特異的膜抗原、上皮増殖因子受容体、線維芽細胞成長因子受容体、インシュリン受容体。他の例は、治療における使用が承認された抗体:Herceptin (Amgen)、Erbitux (Imclone)である。RNA、DNA及びPNAを含むポリマー含有核酸塩基及びヌクレオチド、並びに糖、インターヌクレオシド結合(主鎖)及び核酸塩基部分の改質にレフレクト(reflect)するそれらの種々の合成誘導体がまた意図される。画像形成に用いることができるオリゴヌクレオチド、例えば:病状に関連する遺伝子のmRNAをターゲットとするアンチセンス・オリゴヌクレオチド、RNAサイレンシングを介してmRNAをターゲットとするsiRNA又はRNAi分子、及びタンパク質又はタンパク質の糖型又はその双方、又は折り畳まれたRNA構造体をターゲットとする折り畳まれた核酸構造体の様々なクラスを表すアプター構造体。更なる例は、臨床使用が承認されたアプタマー又は臨床及び診断使用が意図されたもの、例えば、Macugen(Eyetech)及び診断目的のために表面配列アプタマー(surface arrayed aptamer)との関連で使用されるアプタマー、細胞受容体の表面にみられ又はタンパク質細胞受容体の糖型を模倣し得る合成及び天然源の双方のオリゴ糖である。合成糖型における他のサッカリド成分は、シアリン酸、マンノース、フコース、N−アセチル−グルコサミン、N−アセチル−マンノサミン、マルトース、ガラクトース及びN−アセチル−ガラクトサミン、タンパクについての小から中サイズ分子量リガンドは、種々のクラスの化合物、例えば、以下のものを含む:ポルフィリン、レクチン、脂質、ステロイド、バルビツール酸系催眠薬、タキサン、テルペン、テルペノイド、カンナビノイド、オピオイド、ヌクレオシド、プリン、ピリミジン、複素環式芳香族化合物、キノリン、生体アミン、アミノ酸、インドール・アルカロイド、トパン(topane)アルカロイド、スタチン、酵素抑制剤、非ステロイド系抗炎症薬、単糖類、葉酸、葉酸の誘導体、メトトレキサート、メトトレキサートの誘導体、トレキサート、ビタミン、成長ホルモン、VEGF、EGF、抗体、乳癌抗原特異抗体、前立腺癌抗原特異抗体、メラノーマ抗原特異抗体、リガンド、マトリクスメタロプロテアーゼを認識するRGD−モチーフリガンド、アプタマー、細胞表面タンパク質を認識するアプタマー、葉酸、葉酸誘導体及びメトトレキサート。
本発明の態様として、マーカー又は画像形成剤として別の方法で使える状態にある化合物の18Fフッ素化を包む方法、及びそれから誘導される18F含有化合物を挙げることができる。したがって、フッ素化に付された化合物は、既に、PET画像形成のための所望の生体分子を含むことができる。しかしながら、本発明の好ましい態様として、そのような生体分子を包むことができる、フッ素化前の前駆体分子を形成することが挙げられ、18Fでのフッ素化は、患者に投与するための化合物の調製前の工程において最終工程である。本件明細書に記載するケイ素又はホウ素含有成分を用いることにより、後者の方法が促進される。したがって、所望のPET画像形成剤を、1又はそれ以上の離脱基を含むケイ素又はホウ素成分で前形成するのがよい。その後、後者の化合物を18Fフッ素化に付し、それにより、離脱基が放射性フッ素で置換される。放射性フッ素は、好ましい態様においても、天然発生19Fを含む。したがって、化合物は、患者への即時投与のためのPET画像形成化合物を調製する際に即座に用いられるのがよい。本発明の特徴は、18Fに結合されるホウ素及びケイ素成分が、水性溶液、特にpH3.0〜9.0で、より特にはpH4.0〜8.0で、最も特には生理学的pH(pH約7.4)で安定であるように設計されることである。本発明のホウ素含有成分は、容易に、多くの態様において安定性をもたらし、結合したフッ素原子を2又はそれ以上有する本発明のケイ素含有の態様により、従来技術において必要とされるように、大きな立体的側鎖の不在下において、そのような安定性をもたらす。
本発明のいくつかの態様において、所望の画像形成剤の活性を忠実に再現するのは、フッ素化前に確立するのがよい。また、生体分子を含む組成物を、容易さの観点から、最小の精製により調製し且つフッ素化するのがよく、それにより、本発明において用いられるホウ素及びケイ素成分がフッ素化される。それぞれケイ素又はホウ素のためのガラス又はジオール表面のいずれかに結合したナノリットル反応容器又は前駆体を包んでもよい本発明の好ましい態様において、付加的な精製は必要とされないであろう。本発明の他の好ましい態様において、フッ素化に必要とされる条件及び試薬は、生体分子を含む成分への適用が必要とされない。それにより、生体分子が変更又は変性の危険にさらされるからである。生体分子は、フッ素化後に、18Fフッ素化された成分へ結合するのがよい。
前述のことを考慮して、本発明に用いられる化合物のケイ素又はホウ素原子における置換基として、生体分子のその後の付加を促進することが予定されている結合基又は反応基を挙げることができる。結合基として、適切な距離によりケイ素又はホウ素原子から生体分子を離間させるか、又は適切な原子がケイ素又はホウ素原子に隣接してフッ素化工程を促進することを確実なものとするように設計される脂肪族基又は芳香族基を挙げることができる。生体分子のその後の付加を促進する基は、当該技術分野においてよく知られており、容易に選択された生体分子への結合を形成する成分を挙げることができ、種々のそのような基は、当該技術分野において知られている。これらには、チオール反応基及びアミン反応基、並びにヒドロキシド、カルボン酸、アミン、スルフヒドリル基などを含む、生体分子上の官能基へ本発明の化合物を結合させるのに有用であり得るそのようなその他の基が挙げられる。本件明細書において考慮されるものは、共有結合以外の結合を介する生体分子への本発明の化合物の結合である。したがって、生体分子への、イオン性、疎水性及び他の非共有結合を提供する基が意図される。
ケイ素又はホウ素含有成分が18Fでフッ素化される場合、生体分子の置換基を介する成分のその後の結合を行うのがよい。これにより、フッ素化の間に変性されるであろう生体分子を18F−ラベル化することができる。例えば、最初に小分子ボロン酸又はエステルをフッ素化(fluoronate)することができ、これを“エート”複合体に転化する。活性化された“エート”複合体は、次いで、生体分子と結合するのがよく、これにより18F−ホウ素生体分子成分を得る。
改質基(modifying group)の添加及び置換のために、生体分子を直接的に化学改質させる一般的アプローチが当該技術分野において知られている。例えば、タンパク質の化学改質は、G. E. Means and R. E. Feeney, Biocorajugate Chemistry 1990 1: 2-12に記載されている。DNA、RNAを含む大きな分子の化学改質は、A. S. Boutourine, et al. Bioconjugate Chemistry 1990 1: 350-56に記載されている。オリゴ糖の化学改質は、S. J. Wood, et al. Bioconjugate Chemistry 1992 3: 391-6に記載されている。
ホウ素酸又はエステルを既に有する生体分子、又はシリル基を含む分子は、フッ化物受容体部位でのフッ素化を可能にするが、前もって存在するホウ素酸又はシリル基を変えないためのフッ化物受容体構造でいくつかの改質を必要とするのがよく、それは、トレーサーの生体活性に必要とされるであろう。例えば、ホウ素酸又はジアルキルジヒドロキシシリル基のいずれかを含むいくつかのプロテアーゼ抑制剤が存在し、ホウ素原子で置換されるα位にCHを有する“ボランアミノ酸”であるいくつかのアミノ酸類似体が開発されている。
疎水性の小さい分子である生体分子、又は炭素−パラジウム、炭素−ロジウム及び炭素−ルテニウム結合を含む分子であって金属が形式的な(formal)酸化状態0においてみられる分子は、結合されるフッ素化成分を提供するための改質を必要とし得る。
活性のための特定の金属カチオンの存在を必要とする生体分子は、金属カチオンがフッ化物を沈殿させ又はホウ素又はケイ素でのフッ素化を防止する場合、更なる取り扱いを必要とするのがよい。これらの金属カチオンとして、銀、ストロンチウム、鉛、カルシウム及びマグネシウムを挙げることができる。しかしながら、金属カチオンがトレーサーの生体活性に必要とされない場合、フッ素化は、カチオンの不在下で又はカチオンの除去の際に妨げられずに進行し得る。フッ素化に続く金属カチオンの添加が可能であるが、a)フッ素化間のその不在が生体分子の変性を生じず、b)カチオンのその後の添加が、生体分子を、その通常又は活性状態へ復元させ、且つc)金属の添加が、ホウ素又はケイ素での脱フッ素化を進行させないことを条件とする。金属カチオンの存在の観点における考慮が必要とされ得るそのような生体分子は、前述の金属カチオンを含む抗体及び酵素に大きく制限されると予想される。
前駆体分子は、以下の一般構造を有するのがよい。
Figure 2007524677
式中、Gはホウ素であり、q=0〜3;n=0〜2;q+n=2〜3及びpは分子の電荷を示す。
各Lは、同一であっても異なっていてもよく、及び、フッ素化剤での処理の際にフッ素で置換することができる適切な離脱基である。例えば、各Lは、炭素群、炭化水素群、アルコキシド群(−OR)、ヒドロキシド群(−OH)又は同等(equivalently)アルコール群(HOR)又は水(HO)、窒素(−NH、−NHR、−NR、−NHR、−NR 、−NH 、−NH、−NR )、リン(−PH、−PHR、−PR、−PHR、−PR 、−PH 、−PH、−PR )、硫黄(−SH、−SR)、スルホン(−SOR)、又はスルホキシド(−SOR)リガンド原子(Rは、任意の化学基である)の単一、飽和又は不飽和の、分岐鎖状又は直鎖状の組合せ、であってもよい。Lは、また、Cl、Br又はIのいずれかであってもよい。q=0の場合、qは、18Fフッ素原子により占領され得るホウ素の3平面描写において共有結合的に占領されていない極を表す。Lは、アルコキシドとして又はアルコールとして遊離するアルキルエーテル基、もしくは本件明細書に記載されるホウ素成分について適切な他の離脱基であってもよい。複数のL基は、一緒に結合して、ホウ素に対する二又は三座のリガンド、例えば、O−Z−O(式中、Zは、飽和又は不飽和の、場合により置換されていてもよい炭素鎖、例えば特定の態様において、Zは、−CMe−CMe−であってもよい)を形成してもよい。
Xは不在であってもよく、GからYへ結合する、任意に置換又は未置換の;直鎖状又は分岐鎖状又は環状の;飽和又は不飽和の基であってもよい。Xは、C、N、H、S、O、Cl、Br、I、Fの種々の組成を有するアルキル鎖、アリール環、アミド、エステル、エーテル、チオエーテル、スルホキシド、スルホン、アミン、ヘテロ環の任意の組成を含む種々の組成の基を、任意に置換されていてもよい、直鎖状又は分岐鎖状の、飽和又は不飽和のアルキル鎖に導入し得る。Xは、Gに結合するアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又は芳香族基を含んでもよい。Xの炭素鎖は、場合により、いくつかにおいて1又はそれ以上のO、N、S、P又はSiにより任意に中断されていてもよい。
Yは、適切な条件下で生体分子への結合を形成する基であってもよい。Yは、求電子性活性基、例えば、カルボニル基又はホスフェート基を含んでいてもよく、生体分子において求核試薬、窒素又は硫黄原子と反応するのがよい。Yは、例えば、芳香族アルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル基、ブロモアセチル又はマレイミドであってもよい。Yは、生体分子が、求電子試薬を含み、それを介してYへの結合が達成される場合、活性化された、適切な求核試薬であってもよい。Yは、また、例えば、ハロアセチル、ハロケトン、スルホニルハロゲン化物、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、アルキル又はアリールニトリル、アルキル又はアリールアジド、アルキル又はアリールジアゾニウム塩、オキシム、ヒドロキシルアミン、マレイミド、アミノキシル、ヒドラジン、ヒドラジド、ホスフェート、ホスホラミダイト、ホスフィン又は関連三価リン化合物、チオホスフェート、ホスホモルホリデート、ホスホイミダゾリド、及び他の活性ホスフェートであってもよい。Yは、スルホネート、スルホニルハロゲン化物、ヒドロキシル、チオール/メルカプタン、チオ酸、ジスルフィド、第1級アルキルハロゲン化物、第2級アルキルハロゲン化物、第3級アルキルハロゲン化物、アリールハロゲン化物、アルデヒド、ケトン、カルボン酸及び関連活性カルボン酸形態(例えば、NHSエステル、ニトロフェニラートエステル、HOBtエステル、アシルピリジニウム、アシルアジド、及びアシルハロゲン化物)又は生体分子に結合し得る他の前駆体であってもよい。Yは、例えば、求核置換反応、求電子置換反応、ペリ環状/電子環状反応、及び遊離基付加により結合してもよい。
各Rは、独立して、場合により、酸素(−O−)基により、又は0〜5個のヒドロキシル、アルキル、アリール、チオ、チオエーテル、アミノ、アゾ、ヒドラジノ、エステル、アミド、カルボキシル、カルボキシレート、アミド、ホスフェート、スルホキシド及び/又はスルホネート基により置換されたアリール(C)基により中断されていてもよい脂肪族(アルキル)(CH(s≧0まで)又はアリール(C)基であってもよい。各Rの飽和又は不飽和鎖は、独立して、場合により、任意の数のヒドロキシル、アルキル、アリール、チオ、チオエーテル、アミノ、アゾ、ヒドラジノ、エステル、アミド、カルボキシル、カルボキシレート、ホスフェート、スルホキシド及び/又はスルホネート基により置換されていてもよい。また、Rは、第1級(NR)、第2級(NR)又は第3級(NR )アミン又はイミド基(窒素含有ヘテロ環を排除しない)であってもよく、それは、任意の数のヒドロキシル、アルキル、アリール、チオ、チオエーテル、アミノ、エステル、アミド、カルボキシル、カルボキシレート、ホスフェート、スルホキシド及び/又はスルホネート基により置換されていてもよい。
化合物の電荷、pは、ホウ素の原子価、生体分子の性質、R、X、Y及びL基、並びにpHに依存して変動するであろう。化合物が帯電している場合、それは、必要とされるような1又はそれ以上の対イオンを伴うであろう。典型的には、pは、−3〜0の間である。R、X、Y及びL基における電荷は、必要ならば、対イオンと関連するか又はそれとして機能し得る。
前駆体分子は、以下の一般構造を有するのがよい。
Figure 2007524677
式中、Gはケイ素(Si)であり、q=0〜4;n=0〜2;q+n=3〜5、及びpは分子の電荷を示す。
各Lは、同一であっても異なっていてもよく、フッ素化剤での処理の際にフッ素で置換することができる適切な離脱基である。例えば、各Lは、炭素、炭化水素、アルコキシド(−OR)、ヒドロキシド(−OH)又は同等アルコール(HOR)又は水(HO)、窒素(−NH、−NHR、−NR、−NHR、−NR 、−NH 、−NH、−NR )、リン(−PH、−PHR、−PR、−PHR、−PR 、−PH 、−PH、−PR )、硫黄(−SH、−SR)、スルホン(−SOR)、又はスルホキシド(−SOR)リガンド原子(Rは、任意の化学基である)の、単一、飽和又は不飽和の、分岐鎖状又は直鎖状の組合せ、であってもよい。Lは、また、Cl、Br又はIのいずれかであってもよい。q=0の場合、qは、18Fフッ素原子により占領され得るケイ素(例えば、ポルフィリン又はポルフィリン誘導体におけるケイ素)の表現において共有結合的に占領されていない極を表す。Lは、また、アルコキシドとして又はアルコールとして遊離するアルキルエーテル基、もしくは本件明細書に記載されるケイ素成分について適切なその他の離脱基であってもよい。
Xは不在であってもよく、又は、GからYへ結合する、任意に置換又は未置換の;直鎖状又は分岐鎖状又は環状の;飽和又は不飽和の基であってもよい。Xは、C、N、H、S、O、Cl、Br、I、Fの種々の組成を有するアルキル鎖、アリール環、アミド、エステル、エーテル、チオエーテル、スルホキシド、スルホン、アミン、ヘテロ環の任意の組成を含む種々の組成の基を、任意に置換されていてもよい、直鎖状又は分岐鎖状の、飽和又は不飽和のアルキル鎖に導入し得る。Xは、Gに結合するアルキル、アルケニル、アルキニル、又は芳香族基を含み得る。Xの炭素鎖は、1又はそれ以上のO、N、S、P又はSi原子により任意に中断されていてもよい。
Yは、適切な条件下で生体分子への結合を形成する基であってもよい。Yは、求電子性活性基、例えば、カルボニル基又はホスフェート基を含んでいてもよく、生体分子において求核試薬、窒素又は硫黄原子と反応するのがよい。Yは、例えば、芳香族アルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル基、ブロモアセチル又はマレイミドであってもよい。Yは、生体分子が、求電子試薬を含み、それを介してYへの結合が達成される場合、活性化された、適切な求核試薬であってもよい。Yは、また、例えば、ハロアセチル、ハロケトン、スルホニルハロゲン化物、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、アルキル又はアリールニトリル、アルキル又はアリールアジド、アルキル又はアリールジアゾニウム塩、オキシム、ヒドロキシルアミン、マレイミド、アミノキシル、ヒドラジン、ヒドラジド、ホスフェート、ホスホラミダイト、ホスフィン又は関連三価リン化合物、チオホスフェート、ホスホモルホリデート、ホスホイミダゾリド、及び他の活性ホスフェート、スルホネート、スルホニルハロゲン化物、ヒドロキシル、チオール/メルカプタン、チオ酸、ジスルフィド、第1級アルキルハロゲン化物、第2級アルキルハロゲン化物、第3級アルキルハロゲン化物、アリールハロゲン化物、アルデヒド、ケトン、カルボン酸及び関連活性カルボン酸形態(例えば、NHSエステル、HOBtエステル、アシルピリジニウム、アジド、及びハロゲン化物)又は生体分子に結合し得る他の前駆体であってもよい。Yは、求核置換反応、求電子置換反応、ペリ環状/電子環状反応、及び遊離基付加により生体分子へ結合してもよい。
各Rは、独立して、場合により、酸素(−O−)基により、又は0〜5個のヒドロキシル、アルキル、アリール、チオ、チオエーテル、アミノ、アゾ、ヒドラジノ、エステル、アミド、カルボキシル、カルボキシレート、ホスフェート、スルホキシド及び/又はスルホネート基により置換されたアリール(C)基により、中断されていてもよい脂肪族(アルキル)(CH(s≧0まで)又はアリール(C)基であってもよい。各Rの飽和又は不飽和鎖は、独立して、任意に、任意の数のヒドロキシル、アルキル、アリール、チオ、チオエーテル、アミノ、アゾ、ヒドラジノ、エステル、アミド、カルボキシル、カルボキシレート、ホスフェート、スルホキシド及び/又はスルホネート基により置換されていてもよい。また、Rは、第1級(NR’)、第2級(NR’)又は第3級(NR)アミン又はイミド(imide or imid)基(窒素含有ヘテロ環を排除しない)であってもよく、それは、任意の数のヒドロキシル、アルキル、アリール、チオ、チオエーテル、アミノ、エステル、アミド、カルボキシル、カルボキシレート、ホスフェート、スルホキシド及び/又はスルホネート基により置換されていてもよい。
化合物の電荷pは、ケイ素の原子価、生体分子の性質、R、X、Y及びL基、並びにpHに依存して変動するであろう。化合物が帯電している場合、それは、必要とされるような1又はそれ以上の対イオンを伴うであろう。典型的には、pは−2〜0の間であろう。R、X、Y及びL基における電荷は、また、必要なら、対イオンと関連し又はそれとして機能し得る。
本発明の放射性標識化合物は、また、以下の構造のものを有することができる。
Figure 2007524677
式中、Gはホウ素であり、m=1〜3;r=0〜3、n=0〜2;m+r+n=2又は3、且つpは分子の電荷を示す。
各Lは、同一であっても異なっていてもよく、フッ素化剤での処理の際にフッ素で置換することができる適切な離脱基である。適切な離脱基は、例えば、炭素、炭化水素、アルコキシド(−OR)、ヒドロキシド(−OH)又は同等アルコール(HOR)又は水(HO)、窒素(−NH、−NHR、−NR、−NHR、−NR 、−NH 、−NH、−NR )、リン(−PH、−PHR、−PR、−PHR、−PR 、−PH 、−PH、−PR )、硫黄(−SH、−SR)、スルホン(−SOR)、又はスルホキシド(−SOR)リガンド原子(Rは、任意の化学基である)の、単一、飽和又は不飽和の、分岐鎖又は直鎖状の組合せ、であってもよい。Lは、また、Cl、Br又はIのいずれかであってもよい。ある態様において、例えば、nが0であり、Lが不在であり且つホウ素が4価であると認識することができ、結合は、有機トリフルオロボレートと考えられる。Lは、本件明細書において記載するようなホウ素成分に適切な他の離脱基であってもよい。
Xは不在であってもよく、GからYへ結合する、任意に置換又は未置換の;直鎖状又は分岐鎖状又は環状の;飽和又は不飽和の基であってもよい。Xは、種々の組成、例えば、C、N、H、S、O、Cl、Br、I、Fの種々の組成を有するアルキル鎖、アリール環、アミド、エステル、エーテル、チオエーテル、スルホキシド、スルホン、アミン、ヘテロ環の任意の組成の基を、任意に置換されていてもよい、直鎖状又は分岐鎖状の、飽和又は不飽和のアルキル鎖に導入し得る。Xは、Gに結合するアルキル、アルケニル、アルキニル、又は芳香族基を含み得る。Xの炭素鎖は、1又はそれ以上のO、N、S、P又はSi原子により任意に中断されていてもよい。
Yは、適切な条件下で生体分子への結合を形成する基であってもよい。Yは、求電子性活性原子(例えば、カルボニル又はホスフェート基)を含んでいてもよく、生体分子における求核試薬(例えば、窒素又は硫黄原子)と反応するのがよい。Yは、芳香族アルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル基、ブロモアセチル又はマレイミドであってもよい。Yは、トレーサーが、求電子試薬を含み、それを介してYへの結合が達成される場合、活性化された、適切な求核試薬であってもよい。他の態様において、Yは、ハロアセチル、ハロケトン、スルホニルハロゲン化物、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、芳香族アミン、オキシム、ヒドロキシルアミン、マレイミド、アミノキシル、ヒドラジン、アルキル又はアリールジアゾニウム塩、アルキル又はアリールニトリル、アルキル又はアリールアジド、ヒドラジン、ホスフェート、ホスホラミダイト、ホスフィン、H−ホスホネート又は関連三価リン化合物、チオホスフェート、活性化ホスフェート(例えば、ホスホモルホリデート及びホスホイミダゾリド、及び他の活性化ホスフェート)、スルホネート、スルホニルハロゲン化物、ヒドロキシル、チオール/メルカプタン、チオ酸、ジスルフィド、第1級アルキルハロゲン化物、第2級アルキルハロゲン化物、第3級アルキルハロゲン化物、アリールハロゲン化物、アルデヒド、ケトン、カルボン酸及び関連活性カルボン酸形態(例えば、NHS、HOBtエステル、アシルピリジニウム、アジド、及びハロゲン化物)又は生体分子に結合し得る他の前駆体であってもよい。生体分子は、Yに、求核置換反応、求電子置換反応、ペリ環状/電子環状反応、及び遊離基付加により結合してもよい。
各Rは、独立して、任意に、酸素(−O−)基により、又は0〜5個のヒドロキシル、アルキル、アリール、チオ、チオエーテル、アミノ、アゾ、ヒドラジノ、エステル、アミド、カルボキシル、カルボキシレート、ホスフェート、スルホキシド及び/又はスルホネート基により置換されたアリール(C)基により、中断されていてもよい脂肪族(アルキル)(CH(s=0〜12)又はアリール(C)基であってもよい。Rの飽和又は不飽和鎖は、任意に且つ独立して、任意の数のヒドロキシル、アルキル、アリール、チオ、チオエーテル、アミノ、アゾ、ヒドラジノ、エステル、アミド、カルボキシル、カルボキシレート、ホスフェート、スルホキシド及び/又はスルホネート基により置換されていてもよい。また、Rは、第1級(NR)、第2級(NR)又は第3級(NR )アミン又はイミド基(窒素含有ヘテロ環を排除しない)であってもよく、それは、任意の数のヒドロキシル、アルキル、アリール、チオ、チオエーテル、アミノ、エステル、アミド、カルボキシル、カルボキシレート、ホスフェート、スルホキシド及び/又はスルホネート基により置換されていてもよい。
化合物の電荷pは、ホウ素の原子価、生体分子の性質、R、X、Y及びL基、並びにpHに依存して変動するであろう。化合物が帯電している場合、それは、必要とされるような1又はそれ以上の対イオンを伴うであろう。典型的には、pは−1〜0の間であろう。R、X、Y及びL基における電荷は、必要なら、対イオンと関連し又はそれとして機能し得る。
本発明の放射性標識化合物は、また、以下の構造のものを有することができる。
Figure 2007524677
式中、Gはケイ素(Si)であり、m=2〜5;r=0〜2;n=0〜2及び4;m+r+n=3〜6、且つpは分子の電荷を示す。
各Lは、同一であっても異なっていてもよく、フッ素化剤での処理の際にフッ素で置換することができる適切な離脱基である。適切な離脱基は、例えば、炭素、炭化水素、アルコキシド(−OR)、ヒドロキシド(−OH)又は同等アルコール(HOR)又は水(HO)、窒素(−NH、−NHR、−NR、−NHR、−NR 、−NH 、−NH、−NR )、リン(−PH、−PHR、−PR、−PHR、−PR 、−PH 、−PH、−PR )、硫黄(−SH、−SR)、スルホン(−SOR)、又はスルホキシド(−SOR)リガンド原子(Rは、任意の化学基である)の、単一、飽和又は不飽和の、分岐鎖又は直鎖状の組合せ、であってもよい。Lは、また、Cl、Br、I、又は本件明細書において記載するようなケイ素成分に適切な他の離脱基であってもよい。
Xは不在であってもよく、又は、GからYへ結合する、任意に置換又は未置換の;直鎖状又は分岐鎖状又は環状の;飽和又は不飽和の基であってもよい。Xは、種々の組成、例えば、C、N、H、S、O、Cl、Br、I、Fの種々の組成を有するアルキル鎖、アリール環、アミド、エステル、エーテル、チオエーテル、スルホキシド、スルホン、アミン、ヘテロ環の任意の組成の基を、任意に置換されていてもよい、直鎖状又は分岐鎖状の、飽和又は不飽和のアルキル鎖に導入し得る。Xは、Gに結合するアルキル、アルケニル、アルキニル、又は芳香族基を含み得る。Xの炭素鎖は、1又はそれ以上のO、N、S、P又はSi原子により任意に中断されていてもよい。
Yは、適切な条件下で生体分子への結合を形成する基であってもよい。Yは、求電子性活性原子(例えば、カルボニル又はホスフェート基)を含んでいてもよく、生体分子における求核試薬(例えば、窒素又は硫黄原子)と反応するのがよい。Yは、芳香族アルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル基、ブロモアセチル又はマレイミドであってもよい。Yは、生体分子が、求電子試薬を含み、それを介してYへの結合が達成される場合、活性化された、適切な求核試薬であってもよい。他の態様において、Yは、ハロアセチル、ハロケトン、スルホニルハロゲン化物、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、芳香族アミン、オキシム、ヒドロキシルアミン、マレイミド、アミノキシル、ヒドラジン、アルキル又はアリールジアゾニウム塩、アルキル又はアリールニトリル、アルキル又はアリールアジド、ヒドラジン、ホスフェート、ホスホラミダイト、ホスフィン、H−ホスホネート又は関連三価リン化合物、チオホスフェート、活性化ホスフェート(例えば、ホスホモルホリデート及びホスホイミダゾリド、及び他の活性化ホスフェート)、スルホネート、スルホニルハロゲン化物、ヒドロキシル、チオール/メルカプタン、チオ酸、ジスルフィド、第1級アルキルハロゲン化物、第2級アルキルハロゲン化物、第3級アルキルハロゲン化物、アリールハロゲン化物、アルデヒド、ケトン、カルボン酸及び関連活性カルボン酸形態(例えば、NHS、HOBtエステル、アシルピリジニウム、アジド、及びハロゲン化物)又は生体分子に結合し得る他の前駆体であってもよい。Yは、生体分子に、求核置換反応、求電子置換反応、ペリ環状/電子環状反応、及び遊離基付加により結合してもよい。
各Rは、独立して、任意に、酸素(−O−)基により、又は0〜5個のヒドロキシル、アルキル、アリール、チオ、チオエーテル、アミノ、アゾ、ヒドラジノ、エステル、アミド、カルボキシル、カルボキシレート、ホスフェート、スルホキシド及び/又はスルホネート基により置換されたアリール(C)基により、中断されていてもよい脂肪族(アルキル)(CH(s=0〜12)又はアリール(C)基であってもよい。Rの飽和又は不飽和鎖は、任意に且つ独立して、任意の数のヒドロキシル、アルキル、アリール、チオ、チオエーテル、アミノ、アゾ、ヒドラジノ、エステル、アミド、カルボキシル、カルボキシレート、ホスフェート、スルホキシド及び/又はスルホネート基により置換されていてもよい。また、Rは、第1級(NR)、第2級(NR)又は第3級(NR )アミン又はイミド(imide or imid)基(窒素含有ヘテロ環を排除しない)であってもよく、それは、任意の数のヒドロキシル、アルキル、アリール、チオ、チオエーテル、アミノ、エステル、アミド、カルボキシル、カルボキシレート、ホスフェート、スルホキシド及び/又はスルホネート基により置換されていてもよい。
化合物の電荷pは、ケイ素の原子価、生体分子の性質、R、X、Y及びL基、並びにpHに依存して変動するであろう。化合物が帯電している場合、それは、必要とされるような1又はそれ以上の対イオンを伴うであろう。典型的には、pは−2〜0の間であろう。R、X、Y及びL基における電荷は、また、必要なら、対イオンと関連し又はそれとして機能し得る。
全ての前記ケイ素態様において、特定のR基は、アリール、アミノ、メチル、フェニル、アミノフェニル、アミノメチルフェニル、アルコキシメチルフェニル、ポルフィリン、ポルフィリン誘導体及び生体分子であってもよく、特定のL基は、−OH、−O、O−アルキル、O−アリール、ピナコール、O−ピリジル、O−ニトロフェニル、シラン化(silanized)シリケート、トリオール存在サッカライド、トリオール存在シリケート、及びアルコール存在固形担体であってもよい。
全ての前述のホウ素態様において、特定のR基は、アリール、アミノ、メチル、フェニル、アミノフェニル、アミノメチルフェニル、アルコキシメチルフェニル及び生体分子であってもよく、特定のL基は、−OH、O−アルキル、O−アリール、ピナコール、O−ピリジル、O−ニトロフェニル、ジオール存在サッカライド、及びアルコール存在固形担体であってもよい。
種々の反応部位と反応するための適切な化学官能基を有する6種の前駆体化合物の製造例及び合成例を直後に示す。これらの前駆体のホウ素成分は、上述したように、18Fで容易にフッ素化される。
Figure 2007524677
以下の反応スキームは、ボロン酸エステルを含む前駆体分子の合成においてとられる合成ルートの一部を例示する。
Figure 2007524677
直後のスキームは、対応の市販入手可能なアミン及びビオチン酸塩化物の標準カップリングにより製造されるフッ化物受容体(ケイ素及びホウ素)で共有結合的に改質された2つのビオチン分子(アビジンのためのリガンド)を示す。
Figure 2007524677
ラベリングに次いで、過剰な18Fは、他の成分、例えば、銀塩、シリケート又はシラン、及び他の活性化ケイ素誘導分子、ボロン酸エステル又はボロン酸の添加により、これらの添加剤が、錯体なしのフッ化物と反応するように、及び錯体反応が次いで抽出、沈殿、ゲル浸透、又は他の精製的/分離的プロセスにより除去されるところで、隔離(sequester)するのがよい。
以下のスキームAに示すように、18F−リンカー−トレーサーの組成物が、リンカー−トレーサー化合物の前形成に続いてなされる18F−フッ素化源との反応、又は18F−リンカー化合物の前形成に続いてなされるトレーサーとの反応のいずれかを介して、形成されるのがよい。前者の方法は、1)有効なカップリングを確実なものとし且つラベリングの前に生物活性を保持するためにバルクにおける前駆体結合を調製、精製及び分析する能力、及び2)放射性標識の導入に続く反応工程を最小化する能力、材料を取り扱う際の安全性の問題及び比較的短い18Fの半減期と関連して望ましい結果を提供する。
Figure 2007524677
18Fフッ素化は、結合体と固形担体との間の結合がホウ素酸エステル結合、又はホウ素に対する他の関連結合、例えば二座(bidentate)結合である場合、ジオール官能基(例えば、デキストラン、セファデックス、重合/架橋スターチ、ペーパー、セルロース、又は固形担体に加えられる大きな分子受容体(例えば、アビジン)により捕獲され得る小さな固い結合リガンド(例えば、ビオチン)で改質されるジオール)が存在する固形担体又は表面に結合した前駆体において行うのがよい。18Fフッ素化は、放出の際にトリフルオロボレートを獲得するであろうラベル化トレーサーの放出を促進するであろう。これは、トレーサーの18Fフッ素化の間の特定の放射活性を上昇させ且つ固形担体へ結合した残留未ラベル化種をそのままにする(leave)、18Fフッ素化/ラベル化形態の純度を増大させる。成分へ結合する生体分子を調製する条件及び成分の例(また、固形担体結合を含む)は、当該技術分野においてよく知られている(例えば、Doubrovin, M., et al. (2004) Bioconj. Chem., 15, 1376-1388; and
Keana, J.F.W., et al. (1986) J. Org. Chem., 51, 1641-1644参照)。
生体分子をシランでシリケート表面に付加することは、種々の生体分子“チップス”(例えば、遺伝子チップス、タンパク質配列、又は小分子配列)の産生において通常のことである。その産生は、最初に、シリケート(例えば、ガラス)表面をシラン(例えば、トリエトキシシラン)でシラン化し、エタノール部分の置換及びシリル基のシリケート表面への固定が生じることを包含することが多い。シランのアルキル基は、チップへの生体分子の共有結合を可能にするアミノ、チオール又はカルボン酸基のいずれかで付加するのがよい。この技術は、容易に、本発明に採用することができる。なぜなら、フッ化物処理によりシリケート表面からシリル結合生体分子を放出し、フルオロシリケートへ結合した生体分子の生成をもたらすからである。このケースにおいて、離脱基は、(Si−O−)の形態をとり得るシラン化シリケートであった。したがって、生体分子の18Fフッ素化は、生体分子をケイ素又はホウ素成分を介して固形担体へ結合することにより達成することができる。例えば、ケイ素結合生体分子は、シリケート(ガラス)表面に、又はアルコールが存在する表面又は分子(例えば、デキストラン、セファデックス、重合/架橋スターチ、ペーパー、セルロース、又は固形担体に固定される大きな分子受容体(例えば、アビジン)により捕獲され得る小さな固い結合リガンド(例えば、ビオチン)で改質されるアルコール(例えば、ジオール又はトリオール))に制限されるかもしれない。フッ素化により、ラベル化形態(例えば、テトラフルオロシリケート)での結合の放出が促進されるであろう。これは、トレーサーのフッ素化の際の特定の放射活性を上昇させ且つ固形担体へ結合する残留未ラベル化種をはなす、フッ素化組成物の純度を改良することができる。フッ化物処理によって表面からシリル結合トレーサーが放出されることにより、アルキル/アリール−テトラフルオロシリケートへ結合するトレーサーが生成される。例えば、トレーサーは、トリアルコキシシリル処理表面を介して固形表面へ加えることができ、アルキル/アリール−テトラフルオロシリケートをもたらす。これにより、18Fでの洗浄の際、画像形成のための18Fラベル化トレーサーを提供するために表面からトレーサーが放出されることをもたらすであろう。ホウ素−結合生体分子は、例えば、アルコールが存在する表面(例えば、デキストラン、セファデックス、重合/架橋スターチ、ペーパー、セルロース、又は固形担体に加えられる大きな分子受容体(例えば、アビジン)により捕獲され得る小さな固い結合リガンド(例えば、ビオチン)で改質されるアルコール(例えば、ジオール))へ結合するのがよい。
本発明のPET画像形成用組成物は、適切な18Fを生理学的に許容可能なキャリヤとの組み合わせで含むであろう。PET画像形成剤の毒性は一般に、生体内のターゲットの画像形成又は位置付けを行うために必要とされる放射性核種含有剤の最小量の観点から、最小である。生理学的に許容可能なキャリヤ又は賦形剤は通常、水溶液において、患者への注入に適するそのようなキャリヤであってもよい。PET画像形成に適合する本発明の好ましい化合物は、そのような溶液において又は生理学的pH付近で比較的安定である。いくつかの態様において、本発明の化合物の溶解を促進することが意図される有機又は他の補助溶剤も、PET画像形成組成物において用いることができる。本発明のPET画像形成組成物は、生体内ターゲッティング又は生体内の薬剤のデリバリーを促進することが意図される付加的成分を含んでもよく、これにはリポソーム、ミセル、又は体のターゲット領域への時間又はデリバリーまでの薬剤を隔離すること又は画像形成剤の生体分子成分を保護することが意図される他の配合物が含まれる。
実施例
以下の実施例は、本件明細書に記載する本発明の態様のいくつかを例示するものである。これらの実施例は、いかなる方法においても本発明の精神又は範囲を制限するとして考慮すべきではない。
F−ホウ素組成物の合成及び安定性:
4−アンモニウムフェニルトリフルオロボレート。4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アニリンの飽和溶液をメタノール(300μL、試薬グレード)中において製造した。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 7.45 (d, J= 8 Hz, 2H), δ 6.62 (d, J=8 Hz,
2H), δ 4.84 (s, 2H), δ 1. 28
(s, 12H). llB NMR (400 MHz, MeOH-d4, BF20Et2
ref) δ 31.13 (s)。水性48%HF溶液(100μL、2.76mmol)の室温添加の際、白色沈殿物の瞬間的形成が観察された。この白色沈殿物をろ過し、エタノール300μLで3回洗浄した。固形物は、水300μLに溶解したときpH1であった。1H NMR (400 MHz, D20) δ 7.55 (d, J= 8 Hz, 2H), δ 7.20 (d, J=8 Hz,
2H)。1lB NMR (400
MHz, D20, BF2OEt2 ref) δ 3.57 (s)。19F NMR (300 MHz, D20, TFA ref) δ-53.52
(s) δ-65.57 (s)。ESI (ネガティブモード) m/z C6H6BF3N-について計算値160.0, 実測値159.8。
チオフィリック(thiophilic)なホウ素化試薬の構築:
4(2-ブロモアセトアミド(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゼン(F)。
4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アニリン(100mg、0.46mmol)をCH2Cl2(1mL、CaHで乾燥)中に溶解した。ブロモアセチルブロミド(44μl、0.51mmol)をこの溶液に室温で攪拌しながら添加した。この溶液を更に30分間室温で攪拌し、9mLの更なるCHClで希釈した。得られた混合物を、水10mLで3回洗浄した。最終洗浄ではpH5.5だった。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた固形物は、ベージュ色の粉末であった。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.24 (s, 1H), δ 7.77 (d, J=8 Hz, 2H), δ 7.53 (d, J=8 Hz, 2H), δ 3.98 (s, 2H), δ 1.29 (s, 12H)。11B NMR (400 MHz, D2O, BF20Et2 ref) δ 31.36 (s)。
Figure 2007524677
ホウ素系の18F−DNAラベリングのための動的プロトコール
最終DNA化合物又は他のホウ素系フッ化物受容体の18F−ラベル化の前に、希釈ラベル化条件を、冷19Fでの4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アニリン、及びこれらのラベル化条件が18F研究に推定され得る予想に対して開発した。確立された一般的条件は、以下のとおりである。即ち、200mM酢酸、pH3.5、2mMホウ素化合物、及び20mM KHF。これらの条件において、2〜3個のフッ素原子が、小さいホウ素分子(φBF)に移送された。19F NMR(300MHz, D2O, TFA
ref)δ -53.89(s, KHF2, 77%のフッ素インテグラル), δ -62.50(s, φBF3,
33%のフッ素インテグラル)。
分光学的研究により、これらの条件において、0.66±0.04min-1の保護基加水分解速度が示された。pH3.5、100mM酢酸でのフッ素の動力学から、フッ素化の速度が、これらの条件において、2.8±0.3min-1であることがわかった。20mMホウ酸チェース(chase)にもかかわらず、又は20mMホウ酸の存在下におけるフッ素化において、デルタ−66付近の19F NMRピークの永続は、B−FφBF結合が安定であることを示す。20mMホウ酸チェース後のフッ素化(1時間でのチェース、2時間でのNMR):19F NMR(300MHz、D2O、TFA ref)δ -50.23 (フッ素−ホウ酸種#1),δ-53.89(KHF2),δ-62.3 (フッ素−ホウ酸種#2),δ-66.30 (s, φBF3)。ホウ酸の存在下におけるフッ素化:19F NMR(300MHz、D2O、TFA ref)δ-50.02 (フッ素−ホウ酸種#1),δ-52.47 (KHF2),δ-62.0 (フッ素−ホウ酸種#2),δ-65.65 (s, φBF3)。
ホウ素含有ビオチン結合体(A)の合成
Figure 2007524677
(A)フレーム乾燥した50ml丸底フラスコに、磁気攪拌棒及びd−ビオチン110mg(0.44mmol)を充填した。ニートの過剰な塩化チオニル2mlを攪拌溶液に添加した。反応を20分間進行させた。過剰な塩化チオニルを減圧下で除去した。得られた褐色オイルをクロロホルム25mlで再懸濁し、乾燥させて、塩化チオニルの完全な除去を確実なものとした。得られた残留物をアセトニトリル2mlに再懸濁し、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アニリン96mg(0.44mmol)の2mlアセトニトリル溶液を添加した。反応を20分間進行させ、その後、ジエチルエーテル50mlを添加し、デカントにより収集される沈殿物を形成した。この沈殿物を、クロロホルム10mlに懸濁し、それを水10mlで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過により(A)を得た。ESI+(MeOH中):=446.1 MH+
実測値(446.28計算値), 468.0 MNa+実測値(468.21計算値), 913.3 M2Na+実測値(913.43計算値)。H NMRにより、生成物の存在を確認した。
シラン含有ビオチン結合体(B)の合成
Figure 2007524677
(B)フレーム乾燥した50ml丸底フラスコに、磁気攪拌棒及びd−ビオチン550mg(2.25mmol)を充填した。ニートの塩化チオニル10mlを攪拌溶液に添加し、反応を20分間進行させた。過剰な塩化チオニルを減圧下で除去した。得られた褐色オイルを塩化メチレン25mlに再懸濁し、再び乾燥して、塩化チオニルの除去を確実なものとした。塩化メチレン5mlを得られたオイルに添加し、次いで、ジエチルエーテル25mlを添加した。沈殿物の形成が観察された。この溶液を再び濃縮して、塩化チオニルの定量的な除去を確実なものとした。得られた濃縮オイルに対して、3−アミノプロピルトリエトキシシラン4ml(17mmol)及び塩化メチレン25mlを添加した。この添加により、反応混合物の溶解を完全なものとした。沈殿物が、反応の最初の10分以内に観察された。(B)の結晶をガラスウールプラグでろ過除去した。上清を収集し、蒸発させ、塩化メチレン5mlに再懸濁し、(B)をジエチルエーテル50mlで析出させた。(B)をろ過により収集し、ジエチルエーテル100mlで洗浄し、減圧下に置いた。ESI-(MeCN中):=482.3 MCl-実測値(482.19計算値)。H NMRにより、生成物の存在を確認した。
ホウ素含有葉酸結合体(E)の合成
Figure 2007524677
(C)500ml丸底フラスコに、磁気攪拌棒、ベンゼン250ml、及びo−トルイル−ボロン酸5.02g(37mmol)を充填した。室温での攪拌懸濁液に、粉末化N−ブロモスクシンイミド7.77g(43mmol)及び2,2’アゾビス(2−メチル−プロピオニトリル)0.792g(4.8mmol)を添加した。反応混合物の十分な溶解性がその後観察された。反応体を2時間還流させた。沈殿物が、反応体を室温に冷却した際に観察された。沈殿物をろ過除去し、水200mlで3回洗浄し、その後、ベンゼン上清を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。ろ過及び濃縮後に、(C)を3.42g(16mmol、43%収率)単離した。H NMRにより、生成物の存在を確認した。
(D)15ml円錐ポリプロピレンチューブに、化合物(C)200mg(0.93mmol)及び過剰固形ピナコールアルコール約1.5mlを充填した。充填した円錐チューブを、ピナコールアルコールを溶解し及び反応を可能にするために、30〜40℃の水浴に10分間置いた。反応混合物を、次いで、分液漏斗に移し、そこで、それを、水20mlで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過除去し、得られた溶液を25ml丸底フラスコにおいて濃縮した。この濃縮物を、クロロホルム2ml及び過剰ニート2,2’エチレンジオキシビスエチルアミン4.5ml(30.1mmol)で再懸濁した。混合物を、ボルテックスし(vortex)、室温で30分間の反応を可能にした。反応後、ジエチルエーテル100mlを反応体に添加して、浅黄色の沈殿物を得た。この沈殿物を収集されたオイルに遠心分離し、塩化メチレン25mlに再懸濁し、5M NaOH25mlで2回、水25mlで2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。純粋なサンプル(D)を、ろ過及び濃縮の際に単離した。ESI+(MeOH中):=365.2 MH+実測値(365.26計算値)。H NMRにより、生成物の存在を確認した。
(E)15ml円錐チューブにおいて、葉酸300mg(0.67mmol)を、DMSO12mlに溶解した。EDC126mg(0.67mmol)及び(D)(0.67mmol)を粉末体としてこの溶液に添加した。反応を24時間室温で進行させた。生成物を反応体から30%アセトン70%ジエチルエーテル溶液100mlで沈殿させ、ろ過により収集し、再度30%アセトン70%ジエチルエーテル溶液100mlで洗浄した。薄層クロマトグラフ法により、生成物の形成を確認した。
Figure 2007524677
生体分子をラベル化するためのシラン含有求電子試薬の合成
(G) 50ml丸底フラスコに、攪拌子、クロロホルム10ml、及びブロモアセチルブロミド0.440ml(5.0mmol)を充填した。この攪拌溶液に、3−アミノプロピルトリエトキシシラン1.1ml(4.7mmol)を添加した。得られた沈殿物をろ去し、上清を高圧下で濃縮した。H NMRにより生成物の存在を確認した。
所望のボロン酸エステル又はシランで所望の求核試薬をラベル化するために、(C)、(F)及び(G)を、水性又は有機条件下で多くの求核試薬と反応させることができる。意図される求核試薬として、チオール、アミン、イミダゾールが挙げられる。具体的に、チオホスフェートを用いることにより、DNAをラベル化した。記載されるタグそれ自体及びラベル化法が例である。この方法に対する多くの変形が存在し且つSi又はBで生体分子をラベル化することが意図される化学に対する代替法が存在する。
ホウ素含有DNA(L)及び(N)の調製に用いられるホウ素含有ホスホラミダイトの合成
Figure 2007524677
(H)磁気攪拌棒を含むフレーム乾燥250ml丸底フラスコを、窒素ガスでフラッシュし、アリルアミン42.7mg(569mmol)を充填した。ニートトリフルオロ酢酸無水物40.0ml(0.282mmol)を攪拌反応体にシリンジポンプにより添加した。反応を24時間進行させた。(H)を減圧蒸留(b.p.75℃、5.3mmHg)により収集した。H NMRにより、生成物の存在を確認した。
(I)250ml丸底フラスコに、磁気攪拌棒、(+)-5-ヨード-2’-デオキシウリジン3.5g(9.88mmol)、及び0.1M酢酸ナトリウムバッファー(pH5.2)125mlを充填した。(+)-5-ヨード-2’-デオキシウリジンを完全に溶解するために、懸濁液を60℃に加熱した。透明溶液を室温まで冷却し、(H)9.65g(63.1mmol)を添加した。ナトリウムテトラクロロパラデートII2.91g(9.89mmol)を添加し、反応を一晩進行させた。反応体をセリットでろ過し、濃縮し、ランニング溶剤として100%酢酸エチルを有するシリカでのフラッシュクロマトグラフィーにより分解した。(I)のトリフルオロアセテート保護誘導体を含有するフラクションを真空下で濃縮した。50ml丸底フラスコにおいて、この化合物1.2g(1.72mmol)を、エタノール9mlに溶解し、濃縮水酸化アンモニウム18mlを添加した。この反応を、それが濃縮される前に、12時間進行させた。濃縮物を、2%メタノール及び0.3%トリエチルアミン(97.7%クロロホルム中)から4%メタノール及び0.3%トリエチルアミン(95.7%クロロホルム中)の勾配を有するシリカでのカラムに通した。(I)を含むフラクションを真空下で収集した。H NMRにより生成物の存在を確認した。
(J)フレーム乾燥100ml丸底フラスコに、磁気攪拌棒、(I)1.89g(4.98mmol)、クロロホルム50ml、及びトリエチルアミン2.5ml(17.95mmol)を充填した。ジメトキシトリチルクロライド4.22g(12.46mmol)を攪拌溶液に粉体として添加した。反応を、それが真空下で濃縮される前に30分間進行させた。反応濃縮物を沈殿させ、ヘキサン125mlで2回洗浄した。残存する固体を、ランニング溶剤としての100%酢酸エチルを有するシリカでのフラッシュクロマトグラフィーにかけた。(J)を含むフラクションを真空下で濃縮した。H NMRにより生成物の存在を確認した。
(K)100ml丸底フラスコに、以下の順序で、磁気攪拌子、(J)900mg(1.54mmol)、クロロホルム50ml、及びトリエチルアミン(4.61mmol)0.64mlを充填した。攪拌混合物に固形(F)626mg(1.846mmol)を添加することにより、反応を開始した。反応を、分液漏斗に直接移送し、16時間進行させ、その後、水150mlで2回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、オイルに濃縮した。このオイルにジエチルエーテル75mlを添加し、浅黄色沈殿物を得た。この沈殿物を収集し、エーテルで2回洗浄した。H NMRによる分析により、(K)が純粋な状態で存在すること、及び更なる操作は不要であることが確認された。ESI+(MeOH中):=845.4 MH+実測値(845.39計算値)。
(L)フレーム乾燥50ml丸底フラスコを窒素ガスでフラッシュし、磁気攪拌棒及び(K)900mg(1.066mmol)を充填した。乾燥塩化メチレン:乾燥ピリジンの9:1溶液を固体に添加し、溶液を真空下に12時間置いて、定量的に水を除去した。得られたオイルを窒素雰囲気下に置き、乾燥塩化メチレン5ml、ジイソプロピルエチルアミン0.743ml(4.264mmol)及び2−シアノエチルジイソプロピルクロロホスホラミダイト0.713ml(3.198mmol)を、攪拌しながら、添加した。反応を1時間進行させた後に、クロロホルム15mlを添加した。希釈溶液を、分液漏斗に移し、水20mlで2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、黄色発泡体に濃縮した。32P及びH NMRにより、生成物の存在を確認した。ESI+(MeOH中):=1045.6 MH+実測値(1045.50計算値)。1067.6 MNa+実測値(1067.48計算値)。
Figure 2007524677
(M)15ml円錐ポリプロピレンチューブに、化合物(C)600mg(2.79mmol)及び過剰固形ピナコールアルコール約4.5mlを充填した。ピナコールアルコールを溶解させ反応を行うために、充填した円錐チューブを30〜40℃の水浴に10分間置いた。反応混合物を、次いで、分液漏斗に移し、ここで、それを、水20mlで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ去し、得られた溶液を、25ml丸底フラスコにおいて濃縮した。この固体500mg(1.68mmol)を、(J)820mg(1.40mmol)、クロロホルム20ml、及びトリエチルアミン0.714ml(5.13mmol)の磁気攪拌された溶液を含む50ml丸底フラスコに添加した。この反応を48時間進行させた後、それを分液漏斗に移し、水75mlで3回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、固体へ濃縮した。H NMRによる分析により、(M)が80%純粋状態で存在することを確認し、更なる操作を行わなかった。ESI+(MeOH中):=802.5 MH+実測値(802.39計算値)。
(N)フレーム乾燥50ml丸底フラスコを窒素ガスでフラッシュし、磁気攪拌棒及び(M)1.29g(1.64mmol)を充填した。乾燥塩化メチレン:乾燥ピリジンの9:1溶液を固体に添加し、溶液を真空下に12時間置いて、定量的に水を除去した。得られた油状物を窒素雰囲気下に置いた後、乾燥塩化メチレン30ml、ジイソプロピルエチルアミン1.0ml(5.74mmol)及び2−シアノエチルジイソプロピルクロロホスホラミダイト0.73ml(3.28mmol)を攪拌しながら添加した。反応を1時間進行させた後、溶液を分液漏斗に移送し、5%重炭酸ナトリウム30mlで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、黄色発泡体へ濃縮した。32P及びH NMRにより、生成物の存在を確認した。ESI+(MeOH中):=1002.8 MH+実測値(1002.5計算値)。
固体相ストラテジーによるホウ素改質DNAオリゴヌクレオチドの合成
固相DNAシンセサイザーでの標準自動固相法により、ビルディングブロック(L)及び(N)を用いて、DNAにホウ素を大規模(1マイクロモル)に組み込んだ。
5’チオリン酸化された求核オリゴヌクレオチド、5’-TTTTCTTTTCCCCCC-3’(SEQ ID NO:1)を、適用されたバイオシステムDNAシンセサイザーにおける標準自動化固相法を用いて合成した。このオリゴヌクレオチド(20nmol)の水溶液20μLを、トリエチルアミンでpH7.0に調整したトリス(2−カルボキシエチル)−ホスフィンHCl(100nmol)の水溶液3.6μlに添加し、反応混合物を混合して、生じたジスルフィド結合の還元を可能にし、その後のアルキル化反応の間のジスルフィドの形成を防止した。トリス(2−カルボキシエチル)−ホスフィンHClの添加は、因果関係なしに収率の観点から省略されることが多い。任意のトリス(2−カルボキシエチル)−ホスフィンHClの添加後、(F)又は(G)100nmolを添加した。この混合物を、室温で16時間置いた。反応後、混合物を、G−25スピンカラムで脱塩化した。アルキル化の程度を、20%尿素−PAGEとそれに続くUVシャドーイングによるか又は放射性標識化オリゴヌクレオチド及びホスホイメージング(オートラジオグラフィー)を用いることによるいずれにより、評価した。ホウ素ラベル化オリゴヌクレオチドの精製は、脱塩化オリオヌクレオチドを乾燥し、それを、10mM EDTA(pH8)30μl、95%ホルムアミド、4%HO、0.5%ブロモフェノールブルー及び0.5%キシレンシアノールに再懸濁し、次いで、溶液を、7M尿素20%29:1 ビス:アシルイミドポリアシルアミドゲルへロード(loading)することにより達成した。DNAをUVシャドーイングによりイメージ化し、ゲルから1%LiClO/0.7mM NEtでのクラッシュ及びソーク法を用いることにより溶離した。溶離液を乾燥し、水中に再懸濁し、1%LiClOのアセトン溶液で沈殿させた。沈殿物を、G−25スピンカラムで脱塩する前に、エタノールで2回洗浄した。
ホウ素結合のラベル化及び安定性の確認及び範囲を、末端トランスフェラーゼ及びα−32PddATPでホウ素含有オリゴヌクレオチドを32Pラベル化することにより分析した。この反応のPAGE分析により、80%より多くのチオホスフェートオリゴヌクレオチドが、ホウ素ラベル化オリゴヌクレオチドに転化されていることが明らかとなった。32Pラベル化ホウ素化されたオリゴヌクレオチドの相対移動度は、オリゴヌクレオチドのポジティブホウ素ラベル化を確認する、32Pラベル化チオホスフェートオリゴヌクレオチドコントロールで操作したときに遅らされた。
ビオチンの、ホウ素系及びシリカ系の18F−ラベル化
未改質(d)−ビオチン(ネガティブコントロール)300nmol〜1nmol、ホウ素改質ビオチン(A)、又はケイ素改質ビオチン(B)を、エッペンドルフチューブにおいて乾燥し、MeOH、DMF、THF又は水のいずれか5μLにバイアップ(buy up)した。pHの値を、1000mM酢酸バッファー(pH4.2)1μLで4.5に調整した。11:00AMに測定して52.2mCi/1000μLの特定活性を有する水性18Fを、記載の濃度でのKHFのストック溶液へ添加した。水中に所望当量(ホウ素実験について3.3、及びシリカ及びコントロール実験について4.4)のFアニオンを含有するこれらの標準KHF溶液3μlを、12:05〜12:20PMの間に各混合物に添加した。反応容量は10μLであるため、ホウ素、ケイ素、及び未改質ビオチン濃度は、30mM〜1mMで変動した。
1:10PMに300mM NaHCO(pH7〜8)100μLを、各チューブに添加して、溶液を中和した。10mM NaHCO(pH7〜8)、1M NaCl及び1mM EDTAで前洗浄された、Roche Scientificにより得られた>3.5pmolビオチン/μLの推測結合能力を有する、Roche Streptavidin磁気粒子の容量6.8μLを各溶液へ添加した。これらのビーズを磁化させ、10mMカーボネート洗浄バッファー100μLで3回洗浄した(10mM NaHCO3 pH7-8, 1M NaCl, 1mM EDTA)(Wash#1は2:06PMに開始し、Wash#2
2:28PM、及びWash#3 2:50PM)。ビーズを最終的に、水5μLに懸濁し、シリカプレート上にスポットした。プレートを乾燥させ、次いで、セロハンテープでテープして、粒子を保持した。
シリカプレートを、リン光体撮像装置(phosphorimager)スクリーンに18時間暴露した。ホウ素及びシリカ含有化合物は、ほとんど定量的な転送効率で18Fラベル化された。ビオチンコントロールは、18Fラベル化しなかった。
ホウ素含有DNAのホウ素系の18Fラベル化
(L)又は(N)を用いて合成されたDNAの記載の量を、水含有トレース18Fにおいてインキュベートした。これらの溶液は、即座に、KHF又はHFの形態における3当量のFアニオンと反応した。pH4.5に緩衝された酢酸17.9mmolを添加することによりpHの調整を行った。最終反応容量は10μlであった。全てのレーンをロード(load)溶液10μLで急冷した後、遊離18FをDNAから分解するために使用したポリアクリルアミドを変性の際にロードした。ロード溶液は、99%ホルムアミド0.5%XC+BOBからなり、EDTAは含まなかった。ゲルは、20%ポリアクリルアミド29:1モノマー:ビス、7M尿素含有40mMトリスアセテートであり、EDTAを添加しなかった。ゲル内のサンプルの分解は、12Wの電流を3時間施すことを包含した。18Fを検出するために使用したホスホイメージは、UVシャドーイメージについて正確にオーバーレイするバンドを示し、それは、オリゴヌクレオチドの位置を示し、ホウ素含有オリゴヌクレオチドでの安定18Fボンド形成を示す。
前述の発明を、理解を明らかにするために例示及び実施例によりいくらか詳細に記載してきたが、請求の範囲の精神又は範囲を逸脱することなく変更又は改変がそれらになされ得ることが、本発明の技術の観点において当該技術分野における当業者には容易に明らかとなるであろう。本明細書において参照した全ての特許、特許出願及び文献は、参考文献として本明細書に組み込まれるものとする。

Claims (36)

  1. 下記式の化合物(式中、各Rは、少なくとも1つの炭素、窒素、リン又は硫黄原子を含む基であり、Gは、該炭素、窒素、リン又は硫黄原子を介してRに結合し;
    Gは、ケイ素又はホウ素であり;
    Gがケイ素の場合、mは2〜5であり、nは1〜3であり且つm+n=3〜6であり;
    Gがホウ素の場合、mは1〜3であり、nは1〜3であり且つm+n=3〜4であり;
    式中、上記式が帯電されている場合、化合物は、1又はそれ以上の対イオンをさらに含み;式中、少なくとも1つのFは18Fである)。
    Figure 2007524677
  2. m+n=5又は6であり且つGがSiである場合、及びm+n=4であり且つGがBである場合、1又はそれ以上の対イオンが存在する請求項1記載の化合物。
  3. Gがケイ素である請求項1又は2記載の化合物。
  4. Fの少なくとも2つが18Fである請求項3記載の化合物。
  5. (i)m=2、n=3;
    (ii)m=4、n=1;
    (iii)m=5、n=1;
    (iv)m=2、n=2;
    (v)m=3、n=1;又は
    (vi)m=3、n=2
    である請求項3又は4記載の化合物。
  6. (i)m=2及びn=3;
    (ii)m=4及びn=1;又は
    (iii)m=5及びn=1
    である請求項5記載の化合物。
  7. m=4、n=1である請求項5記載の化合物。
  8. Gがホウ素である請求項1又は2記載の化合物。
  9. (i)m=1、n=3;
    (ii)m=2、n=2;
    (iii)m=3、n=1;
    (iv)m=1、n=2;又は
    (v)m=2、n=1
    である請求項8記載の化合物。
  10. (i)m=1及びn=3;
    (ii)m=2及びn=2;又は
    (iii)m=3及びn=1
    である請求項9記載の化合物。
  11. 各Rが、窒素又は炭素原子を介してGに結合する請求項1〜10のいずれか1項記載の化合物。
  12. 各Rが、炭素原子を介してGに結合する請求項1〜10のいずれか1項記載の化合物。
  13. Gがケイ素であり、少なくとも1つのRがアリール、アミノ、メチル、フェニル、アミノフェニル、アミノメチルフェニル、アルコキシメチルフェニル、ポルフィリン、ポルフィリン誘導体及び生体分子からなる群より選ばれる請求項1〜7、11及び12のいずれか1項記載の化合物。
  14. Gがホウ素であり、少なくとも1つのRがアミノ、フェニル、メチル、ピロメチン、アミノフェニル、アミノメチルフェニル、フェニルベンズイミドアゾール、8−ナフタレンジアルキルボラニル、及び生体分子からなる群より選ばれる請求項1、2及び8〜12のいずれか1項記載の化合物。
  15. 少なくとも1つのRが生体分子に結合可能な基である請求項1〜14のいずれか1項記載の化合物。
  16. 少なくとも1つのRが生体分子である請求項1〜15のいずれか1項記載の化合物。
  17. 生体分子が、糖、ペプチド、核酸又はそれらの誘導体又は類似体である請求項16記載の化合物。
  18. 生体分子が、ホルモン、ソマトスタチン、成長ホルモン、VEGF、EGF、抗体、乳癌抗原特異抗体、前立腺癌抗原特異抗体、メラノーマ抗原特異抗体、リガンド、マトリクスメタロプロテアーゼを認識するRGD−モチーフリガンド、アプタマー、細胞表面タンパク質、ギ酸、ギ酸誘導体及びメトトレキサートを認識するアプタマーもしくはそれらの誘導体又は類似体である請求項16記載の化合物。
  19. 2以上の18F原子を含む請求項1、2、3及び5〜18のいずれか1項記載の化合物。
  20. 少なくとも1つの19F原子を含む請求項1〜19のいずれか1項記載の化合物。
  21. 2又はそれ以上の異なる化合物を含む組成物であって、該化合物の各々が請求項1〜20のいずれか1項に記載される、組成物。
  22. 請求項1〜20のいずれか1項記載の化合物を少なくとも1つ及び下記式の化合物(式中、R、G、M及びnは上述で定義したものであり、Fは、天然発生フッ素同位体である)を少なくとも1つ含む組成物。
    Figure 2007524677
  23. 天然発生同位体が19Fである請求項22記載の組成物。
  24. 生理学的に許容可能なキャリヤ又は賦形剤をさらに含む請求項21〜23のいずれか1項記載の組成物。
  25. 陽電子放出化合物の製造方法であって、下記式の化合物を、
    Figure 2007524677
    18Fでフッ素化して、下記式の化合物
    Figure 2007524677
    (式中、各Lは同一又は異なったものであり且つフッ素により置換可能な離脱基であり、R、G、m及びnは請求項1〜16のいずれか1項において定義されたものであり、Gがホウ素の場合、qは1又は3であり、Gがケイ素の場合、qは2又は3であり、式中、少なくとも1つのFは18Fである)を製造する、上記方法。
  26. 前記フッ素化が、H18F、KH18、もしくは18のトリ−又はテトラ−アルキルアンモニウム塩によるものである請求項25記載の方法。
  27. 少なくとも1つのRが生体分子との結合を形成し得る基を含む請求項25又は26記載の方法。
  28. 前記基が、水性条件下で、pH約3.0〜約7.5で、結合を形成し得る請求項27記載の方法。
  29. pH約3.0〜約9.0で行われる請求項25〜28のいずれか1項記載の方法。
  30. pH約7.0で行われる請求項29記載の方法。
  31. 化合物を生体分子と反応させる工程をさらに含む請求項25〜30のいずれか1項記載の方法。
  32. 反応工程が、フッ素化の前に行われる請求項31記載の方法。
  33. 生体分子が、糖、ペプチド、核酸又はそれらの誘導体又は類似体である請求項27、28、31又は32のいずれか1項記載の方法。
  34. 生体分子が、ホルモン、ソマトスタチン、成長ホルモン、VEGF、EGF、抗体、乳癌抗原特異抗体、前立腺癌抗原特異抗体、メラノーマ抗原特異抗体、リガンド、マトリクスメタロプロテアーゼを認識するRGD−モチーフリガンド、アプタマー、細胞表面タンパク、ギ酸、ギ酸誘導体及びメトトレキサートを認識するアプタマー又はそれらの誘導体又は類似体:からなる群より選ばれる請求項27、28、31又は32のいずれか1項記載の方法。
  35. Gがケイ素であり、Lが−OH、−O、O−アルキル、O−アリール、ピナコール、O−ピリジル、O−ニトロフェニル、シラン化シリケート、トリオール存在サッカリド、トリオール存在シリケート、及びアルコール存在固形担体:からなる群より選ばれる請求項25〜34のいずれか1項記載の方法。
  36. Gがホウ素であり、Lが−OH、O−アルキル、O−アリール、ピナコール、O−ピリジル、O−ニトロフェニル、ジオール存在サッカリド、及びアルコール存在固形担体:からなる群より選ばれる請求項25〜34のいずれか1項記載の方法。
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