JP2007523209A - 骨代謝回転が高い個体において骨粗鬆症を治療または予防する方法 - Google Patents

骨代謝回転が高い個体において骨粗鬆症を治療または予防する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、オスペミフェン、あるいはその幾何異性体、立体異性体、薬剤的に許容される塩、エステルまたは代謝産物の生物学的利用能を高める方法であって、この化合物を食物の摂取と共に個体に経口投与することを特徴とする方法に関する。本発明はまた、骨粗鬆症、皮膚萎縮症、上皮および粘膜萎縮症の治療または予防、並びに泌尿器または膣の症状の治療または予防に関する。

Description

本発明は、トリフェニルアルカンまたはトリフェニルアルケン構造の選択的エストロゲン受容体モジュレーター、特にオスペミフェン(ospemifene)あるいはその幾何異性体、立体異性体、薬剤的に許容される塩、エステルまたは代謝産物の有効量を投与することによる、骨代謝回転が高い個体において骨粗鬆症を治療または予防する方法に関する。
本発明の背景を説明するためにここに使用される刊行物およびそのほかの文献は、特に実施に関するさらなる詳細を提供する場合、引用によって組み込まれる。
骨は、骨再構築の過程において一生の間、再構築される。再構築は、破骨細胞による骨の吸収(分解)で始まる。吸収された骨は、骨芽細胞によるコラーゲン形成により特徴付けられる新しい骨組織、およびその後の骨組織の石灰化に代わる。健康な若い成人では、再構築の全体的な速度は調和している、即ち、失われる骨の量は、形成される骨の量とおよそ等しい。骨粗鬆症は、バランスが形成よりも吸収が高い方に移っている、慢性かつ進行性の状態である。したがって、骨の量が減少し、骨がもろくなる。骨粗鬆症は、骨折するまで何の症状もなく骨量が減少するので、「沈黙の病気(silent disease)」としばしば称される。「骨粗鬆症」という用語は通常、単に体内の骨量の問題して考えられている。しかしながら、WHOおよび合意開発会議(consensus development conferences)は、以下の定義を推奨している:「骨粗鬆症は、骨量の低下および骨組織の微小構築の劣化により特徴付けられる病気であり、骨のもろさを増大し、結果として骨折の危険を増加させる」(非特許文献1および2)。
骨の分解および形成のサイクルは、骨代謝回転と称される。高い代謝回転は、例えば子供で見られるが、薬(例えばコルチコステロイド)および骨軟化症のような骨の病気によっても起こりうる。高い代謝回転は通常、速い骨形成および速い骨分解の両方を意味する。子供では、骨が成長するので、高い代謝回転が必要である。高齢者では、骨代謝回転は減少し、骨の量は減少し始める。ステロイドホルモンは骨代謝回転における重要な要素である。それらの役割は、高齢者においてはっきりと見られる。女性において、エストロゲンレベルの減少は、骨量の減少の主な原因であると考えられる。したがって、エストロゲンは骨粗鬆症に対して保護するために広く使用される。エストロゲンは乳癌および子宮癌の危険を増加させるので、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)は、骨粗鬆症の予防および治療における有効な薬として紹介されてきた。SERMの作用のメカニズムは、主に破骨細胞の数を減らすことである。したがって、骨吸収は減少し、骨の量は維持される。SERMおよびエストロゲンは、骨芽細胞においては比較的弱い効果を有する。
骨粗鬆症の発生は、所定の間隔での体内の骨ミネラル濃度および骨量を測定することにより分かる。骨形成および骨分解に特異的な生化学的骨マーカーも存在する。これらは、血清から(下記の表中)または尿中で分析できる。そのようなマーカーは、例えば以下が挙げられる:骨形成について、全アルカリホスファターゼ、オステオカルシン、プロコラーゲンタイプ1、N末端ペプチド、プロコラーゲンタイプ1、C末端ペプチド;骨吸収について、酒石酸耐性酸ホスファターゼ、特にそのサブタイプ5b(TRAP5b)、全および透析可能ヒドロキシプロリン、ピリジノリンおよびデオキシピリジノリン(コラーゲン架橋)、クロスラップ、タイプ1コラーゲンテロペプチド。
高い骨代謝回転では、形成および吸収マーカーはいずれも増加しうるが、形成マーカーと比較すると高レベルの吸収マーカーは短期間での高代謝回転をも示しうる。
「SERM」は、エストロゲン様の特性および抗エストロゲン様の特性の双方を有する(非特許文献3)。その効果は、骨においてエストロゲン様効果を有し、子宮および肝臓において部分的にエストロゲン様の効果を有し、そして乳癌において純然たる抗エストロゲン様効果を有するタモキシフェンおよびトレミフェンの場合のように、組織特異的であり得る。ラロキシフェンおよびドロロキシフェンは、それらの抗エストロゲン特性が優勢であることを除いてタモキシフェンおよびトレミフェンと同様である。公開された情報に基づくと、多くのSERMは、更年期の症状を抑えるよりもそれを引き起こす可能性が高い。しかしながら、それらには、初老の女性においてほかの重要な利益がある。つまり、それらは総コレステロールおよびLDLコレステロールを減少させ、したがって心臓血管系疾患の危険性を減少させ、さらにそれらは閉経後の女性において、骨粗鬆症を予防し、乳癌の成長を阻害し得る。また、ほとんど純粋な抗エストロゲン類も開発中である。
オスペミフェンは構造式(I)の化合物のZ-異性体であり、
Figure 2007523209
エストロゲン作用薬および拮抗薬として知られるトレミフェンの主な代謝産物の1つである(非特許文献4、特許文献1および特許文献2)。この化合物はまた、(デアミノヒドロキシ)トレミフェンと称され、コードFC-1271aで知られている。オスペミフェンは、古典的なホルモン試験において、比較的弱いエストロゲンおよび抗エストロゲン作用を有する(非特許文献4)。それは実験的モデルおよびヒトのボランティアの双方において、抗骨粗鬆症作用を有し、総コレステロールおよびLDLコレステロール濃度を減少させる(特許文献1および特許文献2)。それはまた、動物乳癌モデルの乳癌発生の初期段階において抗腫瘍活性を有する。オスペミフェンは、健康な女性における更年期症状において有益な効果を有すると示される最初のSERMである。閉経後の女性における特定の更年期障害、すなわち膣の乾燥および性的機能不全の治療のためのオスペミフェンの使用は、特許文献3に開示されている。特許文献4には、女性、特に閉経期または閉経後の女性における、萎縮症の抑制および萎縮症関連疾患の治療または予防のためのオスペミフェンの使用が記載されている。
国際公開第96/07402号パンフレット 国際公開第97/32574号パンフレット 国際公開第02/07718号パンフレット 国際公開第03/103649号パンフレット Consensus development conference: diagnosis,prophylaxis and treatment of osteoporosis, American Journal of medicine 1991, 90:107-110 Report of a WHO study group,WHO Technical Repost Series 843:Assessment of fracture risk and its application to screening for menopausal osteoporosis Kauffman RF;Bryant HU. Selective estrogen receptor modulators. Drug News Perspect 8: 531-539,1995 Kangas L. Biochemical and pharmacological effects of toremifene metabolites. Cancer Chemother Pharmacol 27:8-12,1990
本発明の目的は、骨粗鬆症の治療または予防において、トリフェニルアルカンまたはトリフェニルアルケン構造のSERM、特にオスペミフェンあるいはその幾何異性体、立体異性体、薬剤的に許容される塩、エステルまたは代謝産物を投与することにより特に恩恵を受ける個体の特定のサブグループを提供することである。
したがって、本発明は、骨代謝回転が増加した個体において骨粗鬆症を治療または予防する方法であって、該個体に、トリフェニルアルケンまたはトリフェニルアルカン構造の選択的エストロゲン受容体モジュレーターである治療的活性化合物の有効量を投与する工程を含む方法に関する。
本発明において使用するための適切なSERM化合物は、国際公開第01/36360号パンフレット、米国特許第4,996,225号、同第4,696,949号、同第5,750,576号の各明細書、国際公開第99/42427号パンフレットに開示される化合物のようなトリフェニルアルケンまたはトリフェニルアルカン化合物、およびL Kangas,Cancer Chemother Pharmacol(1990)27:8-12に開示されるトレミフェン代謝産物である。上記の文献に開示されている特定の薬の例として、トレミフェンおよびオスペミフェンが挙げられる。タモキシフェンおよびその誘導体、例えば4-ヒドロキシタモキシフェン、アルファ-ヒドロキシタモキシフェン、N-デスメチルタモキシフェン、N,N-ジデスメチルタモキシフェン、デアミノタモキシフェン、およびドロロキシフェンおよびヨードキシフェンもまた、トリフェニルアルケン構造の適切なSERMの例である。
好ましい実施の形態によれば、治療的活性化合物は、トリフェニルアルケン構造のSERMである。特に、構造式(I)あるいはその幾何異性体、立体異性体、薬剤的に許容される塩、エステルまたは代謝産物が好ましい。
Figure 2007523209
骨代謝回転が増加した個体において、本発明によるオスペミフェンおよび関連化合物を使用して骨粗鬆症を予防または治療する方法は、特に閉経期または閉経後の女性を治療する場合に特に有用である。しかしながら、本発明による方法は、この年齢群の女性に限定されるものではない。
「代謝産物」という用語は、すでに見つかっている、または今後見出されるあらゆるオスペミフェンまたは(デアミノヒドロキシ)トレミフェン代謝産物を包含するものと理解されるべきである。このような代謝産物の例としては、Kangas(1990)の9頁に記載されている酸化代謝産物(TORE VI、TORE VII、TORE XVIII、TORE VIII、TORE XIII)、特にTORE VIおよびTORE XVIII、並びにこの化合物の他の代謝産物が挙げられる。オスペミフェンの最も重要な代謝産物は、下記の構造式を有する4-ヒドロキシオスペミフェンである。
Figure 2007523209
化合物(I)の異性体の混合物の使用もまた本発明に含まれる。
「骨代謝回転の増加」という用語は、骨吸収および新しい骨の形成の両方が増加することを意味する。閉経後の女性における骨吸収についての正常値は、マーカーとして尿中で測定されるタイプIコラーゲンのアミノ末端テロペプチドを使用して(U-NTX)、少なくとも65nmol/mmol Crea、またはマーカーとして尿中で測定されるタイプIコラーゲンのカルボキシ末端テロペプチドを使用して(U-CTX)少なくとも680マイクログラム/mmol Creaの骨吸収であると考えられる。同じグループにおける骨形成についての正常値は、マーカーとして血清中で測定されるタイプIプロコラーゲンのカルボキシ末端プロペプチドを使用して(S-PICP)、少なくとも170マイクログラム/l、またはマーカーとして血清中で測定されるタイプIプロコラーゲンのアミノ末端プロペプチドを使用して(S-PINP)を使用して、少なくとも84マイクログラム/lの骨形成であると考えられる。
オスペミフェンの投与に対する特定の良好な反応は、骨吸収並びに骨形成で測定して、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%骨代謝回転が増加した個体において観察される。
本発明による方法から恩恵を受ける特に重要な母集団は、U-NTXとして測定して、少なくとも70nmol/mmol Crea、好ましくは80nmol/mmolの骨吸収、およびS-PICPとして測定して、少なくとも180マイクログラム/lの骨形成を有する閉経後の女性である。
骨吸収の測定に特に適切なマーカーは、血清から測定するクロスラップおよび血清から測定するTRAP5bである。クロスラップは破骨細胞の活性を示すマーカーであり、TRAP5bは破骨細胞の数を示すマーカーである。これらのマーカーの両方について正常な骨代謝回転のレベルを示す値は約3である。骨代謝回転の増加は、しばしば数値6、すなわち100%の増加として記録される。したがって、これらのマーカーは骨吸収における変化に非常に敏感である。
特定の好ましい別手段によれば、骨吸収は、いずれも血清から測定されるクロスラップおよびTRAP5bの組合せをマーカーとして使用して測定される。
以前のデータによれば、オスペミフェンの最適な臨床投与量は、1日量で25mgより高く100mgより低いと考えられる。特に好ましい1日量は、30-90mgであることが示されている。より高い投与量(1日に100および200mg)では、オスペミフェンは、タモキシフェンおよびトレミフェンとより類似した特性を示す。
本発明は、下記の非制限的な実施例においてより詳細に開示される。
メスのラットにおいて、高い骨代謝回転は卵巣切除(OVX)により誘発できる。OVXの数日以内に急速に破骨細胞の数が増加し吸収マーカーが増加する。OVXの直後に、骨形成も増加するが、骨を保護するエストロゲンがないために、バランスは骨量の減少に向かう。しかしながら、骨量の減少は、数ヶ月内に骨の量が基準より低い新しいバランスに達するが、形成と吸収の速度は等しい。エストロゲンは、OVXの直後に投与されると、骨量の減少を効果的に抑制できる。投与が数ヵ月後に開始されると、骨構造は変化し、エストロゲンは強く有益な効果を有しない。
実験
高い骨代謝回転を、卵巣切除(OVX)により2-4ヶ月齢のメスのラットに誘発した。オスペミフェンによる処理を、OVX後の異なる時点で開始した:OVXの1日、1、2および3ヶ月後。骨吸収を、破骨細胞により特異的に分泌されるプロテアーゼである骨特異的TRAP5bにより短期間で評価し、骨コラーゲンの分解産物であり尿中に排出されるピリジノリン/デオキシピリジノリン架橋結合により後に評価した。最後に、通常処理の3ヶ月後、死体解剖中に、骨梁(trabecular)骨ミネラル濃度を測定した。
結果:
1.オスペミフェンの短期間の効果:
2ヶ月齢の、各グループn=6のメスのラットを卵巣切除した。OVX中に血液サンプルを採取しTRAP5bについての基準値を測定した。TRAP5bの値を2日後にも測定した。作業仮説は、破骨細胞が急速に増加するので、OVXは2日後にTRAP5b濃度を増加させるというものであった。他方、オスペミフェンは破骨細胞の数を減少させ、したがって、2日後にTRAP5bを減少させると考えられた。表1に示すように、これがその場合である。高い骨代謝回転におけるオスペミフェンの有益な効果はこのように明らかである。
Figure 2007523209
2.OVX後の異なる時点におけるオスペミフェンの効果
4ヶ月齢のメスのラットを卵巣切除した。媒体またはオスペミフェンによる処理を、OVX後の異なる時点で開始した(1日から3ヶ月)。オスペミフェン投与量は5、10または25mg/kgであり、処理期間は3ヶ月であった。処理後に脛骨骨梁の骨ミネラル濃度測定により骨の評価を行い、いくつかのグループでは尿中に排出される骨コラーゲン分解産物により骨の評価を行った。
結果は表2および3に示されている。
Figure 2007523209
骨代謝回転が非常に高い時であるOVXの1日後、オスペミフェンはOVXにより誘発される骨量の減少をほとんど完全に抑制できる。骨代謝回転が高いがOVXの直後よりは低い時であるOVXの1ヶ月後、オスペミフェンは著しく有益な骨効果を有する。骨代謝回転が目に見えて減少する時であるOVXの2ヵ月後、オスペミフェンは穏やかな有益な骨効果を有する。骨代謝回転が低い時であるOVXの3ヶ月後、オスペミフェンは有益な骨効果をほとんど失う。
Figure 2007523209
OVX後の最初の月の間(骨代謝回転が高い間)、架橋結合の強い増加が明らかである。オスペミフェンは、吸収のマーカーである架橋結合の排出を著しく減少させる。
臨床試験において、血清中の骨形成マーカーおよび尿中の骨吸収マーカーのレベルを測定することにより骨代謝回転を評価した。骨吸収マーカー、例えばタイプIコラーゲンのアミノ末端テロペプチド(U-NTX)およびタイプIコラーゲンのカルボキシ末端テロペプチド(U-CTX)、および骨形成マーカー、例えばタイプIプロコラーゲンのアミノ末端プロペプチド(S-PINP)およびタイプIプロコラーゲンのカルボキシ末端プロペプチド(S-PICP)は閉経期に増加し、これは高い骨代謝回転を示す。骨非吸収治療は、これらの数値を減少し、骨代謝回転の抑制を示す。
2つの12週フェーズII実験で、209人の閉経後の女性を、1日に30mg、60mgまたは90mgのオスペミフェンで処理した。この女性のほとんどは、基準において正常な骨マーカーを有した。基準において高い骨マーカーレベルを有していた女性において、1日量60mgおよび90mgによる処理で形成および吸収骨マーカーの両方において大きい減少が見られた。例として、U-NTXおよびS-PICPにおける実質的な変化が図1および2に示される。図3および4では、骨マーカーにおける基準に関連して12週における変化を、プラセボ対照フェーズII試験における対応する基準値に対してプロットした。大きい基準値は、主要エンドポイント(primary endpoint)で大きい減少を生じた。この傾向は、1日量60mgまたは90mgで処理した被験者において、形成マーカーS-PINPおよびS-PICPについて並びに吸収マーカーU-CTXおよびU-NTXについて明らかであった。助成における正常範囲の上限は、S-PINPについて84μg/l、U-NTXについて65nmol/mmol Crea、S-PICPについて170μg/lおよびU-CTXについて680μg/mmol Creaであった。基準において最も高い骨マーカーレベルを有した女性では、減少が最も劇的であった。
結果:
臨床試験は、オスペミフェンの投与が、骨代謝回転が増加した個体における骨代謝回転の減少に有用であることを示す。例えばビスホスホネートのような他の薬が、破骨細胞の不活性化の結果として骨吸収を非常に有効に減少させることは知られている。しかしながら、破骨細胞は新しい骨を産生するために古い骨を除去するのに重要であるため、そのような破骨細胞の完全な不活性化は、新しい骨の形成において悪影響を及ぼす。したがって、長期のビスホスホネート処理は、骨格を非常にもろくする傾向がある。オスペミフェンは、破骨細胞において穏やかな効果を有し、細胞の数を減少するが細胞の完全な不活性化は起こさない。したがって、オスペミフェンは骨吸収をある程度まで減少するが、破骨細胞が作用することを許容し、したがって新しい骨が形成される。この結果は、骨形成に悪影響を及ぼさない骨吸収におけるバランスの取れた減少である。
本発明の方法は、ごく少数のみがここに開示される、様々の実施の形態で組み込まれてもよいことが理解されるであろう。他の実施の形態が存在し、本発明の精神から逸脱しないことは、当業者にとって明らかであろう。したがって、記載された実施の形態は、例であって、限定的なものとして解釈されるべきではない。
図1Aは、12週の臨床試験における90mg1日量のオスペミフェンによる骨吸収マーカーU-NTX(nmol/mmol)Crea(Creat=クレアチン)における実質的変化を示す 図1Bは、12週の臨床試験における60mg1日量のオスペミフェンによる骨吸収マーカーU-NTX(nmol/mmol)Creaにおける実質的変化を示す 図2は、12週の臨床試験における90mg1日量のオスペミフェンによる骨形成マーカーS-PICP(マイクログラム/l)における実質的変化を示す 図3は、オスペミフェンにおいて臨床試験における基準と比較して12週の骨形成マーカーS-PINP(マイクログラム/l)における実質的変化のプロッタチャートである。30=30mg1日量のオスペミフェン;60=60mg1日量のオスペミフェン;90=90mg1日量のオスペミフェンおよび0=プラセボ 図4は、オスペミフェンにおいて臨床試験における基準と比較して12週の骨吸収マーカーU-CTXにおける実質的変化のプロッタチャートである。30=30mg1日量のオスペミフェン;60=60mg1日量のオスペミフェン;90=90mg1日量のオスペミフェンおよび0=プラセボ

Claims (22)

  1. 骨代謝回転が増加した個体において骨粗鬆症を治療または予防する方法であって、トリフェニルアルケンまたはトリフェニルアルカン構造の選択的エストロゲン受容体モジュレーターである治療的活性化合物を有効量、前記個体に投与する工程を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記治療的活性化合物が、下記の構造式(I)の化合物、あるいはその幾何異性体、立体異性体、薬剤的に許容される塩、エステルまたは代謝産物であることを特徴とする請求項1記載の方法。
    Figure 2007523209
  3. 前記化合物(I)がオスペミフェンであることを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 前記個体が閉経後の女性であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 前記骨代謝回転の増加が、骨吸収および骨形成が正常値よりも少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%高いことであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 前記個体が、
    a)マーカーとして尿中で測定したタイプIコラーゲンのアミノ末端テロペプチドを使用して(U-NTX)、少なくとも65nmol/mmol Creaの骨吸収、および/またはマーカーとして尿中で測定したタイプIコラーゲンのカルボキシ末端テロペプチドを使用して(U-CTX)、少なくとも680マイクログラム/mmol Creaの骨吸収、および
    b)マーカーとして血清中で測定したタイプIプロコラーゲンのカルボキシ末端プロペプチドを使用して(S-PICP)、少なくとも170マイクログラム/lの骨形成、および/またはマーカーとして血清中で測定したタイプIプロコラーゲンのアミノ末端プロペプチドを使用して(S-PINP)、少なくとも84マイクログラム/lの骨形成、
    を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
  7. 前記骨吸収が、U-NTXとして測定して、少なくとも70nmol/mmol Creaであり、前記骨形成が、S-PICPとして測定して、少なくとも180マイクログラム/lであることを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 前記骨吸収が、U-NTXとして測定して、少なくとも80nmol/mmol Creaであることを特徴とする請求項7記載の方法。
  9. 前記骨吸収が、血清から測定したクロスラップ(Crosslaps)をマーカーとして使用して測定されることを特徴とする請求項5記載の方法。
  10. 前記骨吸収が、血清から測定したTRAP5bをマーカーとして使用して測定されることを特徴とする請求項5記載の方法。
  11. 前記骨吸収が、いずれも血清から測定したクロスラップおよびTRAP5bの組合せをマーカーとして使用して測定されることを特徴とする請求項5記載の方法。
  12. トリフェニルアルケンまたはトリフェニルアルカン構造の選択的エストロゲン受容体モジュレーターである治療的活性化合物を、骨代謝回転が増加した個体における骨粗鬆症の治療または予防に有用な薬剤を製造するために使用する方法。
  13. 前記治療的活性化合物が、下記の構造式(I)の化合物、あるいはその幾何異性体、立体異性体、薬剤的に許容される塩、エステルまたは代謝産物であることを特徴とする請求項12記載の方法。
    Figure 2007523209
  14. 前記化合物(I)がオスペミフェンであることを特徴とする請求項13記載の方法。
  15. 前記個体が閉経後の女性であることを特徴とする請求項12記載の方法。
  16. 前記骨代謝回転の増加が、骨吸収および骨形成が正常値よりも少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%高いことであることを特徴とする請求項12記載の方法。
  17. 前記個体が、
    a)マーカーとして尿中で測定したタイプIコラーゲンのアミノ末端テロペプチドを使用して(U-NTX)、少なくとも65nmol/mmol Creaの骨吸収、および/またはマーカーとして尿中で測定したタイプIコラーゲンのカルボキシ末端テロペプチドを使用して(U-CTX)、少なくとも680マイクログラム/mmol Creaの骨吸収、および
    b)マーカーとして血清中で測定したタイプIプロコラーゲンのカルボキシ末端プロペプチドを使用して(S-PICP)、少なくとも170マイクログラム/lの骨形成、および/またはマーカーとして血清中で測定したタイプIプロコラーゲンのアミノ末端プロペプチドを使用して(S-PINP)、少なくとも84マイクログラム/lの骨形成、
    を有することを特徴とする請求項12記載の方法。
  18. 前記骨吸収が、U-NTXとして測定して、少なくとも70nmol/mmol Creaであり、前記骨形成が、S-PICPとして測定して、少なくとも180マイクログラム/lであることを特徴とする請求項17記載の方法。
  19. 前記骨吸収が、U-NTXとして測定して、少なくとも80nmol/mmol Creaであることを特徴とする請求項18記載の方法。
  20. 前記骨吸収が、血清から測定したクロスラップをマーカーとして使用して測定されることを特徴とする請求項16記載の方法。
  21. 前記骨吸収が、血清から測定したTRAP5bをマーカーとして使用して測定されることを特徴とする請求項16記載の方法。
  22. 前記骨吸収が、いずれも血清から測定したクロスラップおよびTRAP5bの組合せをマーカーとして使用して測定されることを特徴とする請求項16記載の方法。
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