JP2007523165A - 睡眠の質を改善するためのドーパミン作動薬併用療法 - Google Patents

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Abstract

本発明は該して、ドーパミン作動薬および鎮静剤を含む医薬組成物に関する。好ましい一実施形態では、ドーパミン作動薬は光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミンである。好ましい一実施形態では、鎮静剤は光学的に純粋な(S)−ゾピクロンまたは光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロンである。好ましい一実施形態では、ドーパミン作動薬は光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミンであり;且つ、鎮静剤は光学的に純粋な(S)−ゾピクロンまたは光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロンである。本発明の医薬組成物は、下肢静止不能症候群および周期性四肢運動障害、およびさまざまな睡眠障害の治療に有用である。加えて、本発明は、治療上有効な量のドーパミン作動薬および治療上有効な量の鎮静剤を同時投与することを含む、下肢静止不能症候群、周期性四肢運動障害、睡眠異常、または不眠症の患者を治療する方法に関する。好ましい一実施形態では、ドーパミン作動薬は光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミンである。好ましい一実施形態では、鎮静剤は光学的に純粋な(S)−ゾピクロンまたは光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロンである。好ましい一実施形態では、ドーパミン作動薬は光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミンであり;且つ、鎮静剤は光学的に純粋な(S)−ゾピクロンまたは光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロンである。

Description

関連出願
本出願は参照により全体が本開示に含まれる2004年2月18日出願の米国仮特許出願第60/545,413号に基づく優先権の利益を主張する。
睡眠は、恒常性衝動および概日リズムという2つの生物学的過程によって調節される。恒常性衝動は、睡眠への衝動の増大として現れる。この睡眠への衝動は覚醒の期間(典型的には日中)の間に蓄積し、および睡眠期間中に低減する。睡眠−覚醒の概日リズムは二相性のカーブを示し、深夜から午前5時の間、および午後2時から午後4時の間に睡眠への最大の衝動が起こる。主な概日性の影響は、夜および朝の覚醒パルスと考えられている。これらの過程の相互作用が、24時間睡眠スケジュールを生じる。午後11時から午前7時の通常の睡眠期間を有する人については、夜の睡眠開始は主に恒常性衝動の機能として起こる。約4時間の睡眠後(午前3時頃に)、恒常性衝動は相当に低減し、および覚醒が睡眠期間に侵入し始める。覚醒の増大へのこの傾向は、午前5時頃の概日性覚醒パルスの発生によってさらに増加する。
不眠症の薬理学的管理に関して、2つの脆弱性が認識されている。第一は最初に入眠する困難性であり、第二は夜間の再覚醒である。本発明の製剤は、特に睡眠開始時に単一パルス、そして恒常性過程の減衰および概日性パルスの発生の際に第二のパルスを有する、短時間作用性の鎮静化合物の使用によって、これらの問題の両方に対処する。低下した状態すなわちTmin値から、Tmax2の値への血漿濃度の上昇は、以降の患者の覚醒を防ぐのに特に有益であることが見出されている。投与時からTmax1までの最初の血漿濃度パルスの結果として患者が入眠するが、それと酷似して、Tminでの濃度からTmax2へのパルスは、睡眠維持に特に有益であることが見出されている。このために、血漿濃度のこの上昇は、鎮静化合物の一定血漿濃度を単に維持するよりも有益であると考えられている。たとえば、Tmax1とTmax2の間に血漿濃度低下があることによって、患者はより低い総投与量に曝露され、それによって、望ましくない後遺症状といった引き続く作用を低減する。加えて、Tminでのより低い血漿濃度は、特に高齢者において、夜間の転倒および/または健忘症の発生率を低下させる。
多数の生理的機能は日周リズムによって特徴づけられ、日周リズムにおいては循環するホルモン、カテコールアミンおよび他の化合物のレベルが日中および/または夜間に変動する。不眠症といったある種の疾患は、これらのリズムの異常を伴う。そのような疾患の予防および治療のための医薬の投与の、24時間内における時刻は、治療の有効性を決定する非常に重要な因子となりうる。
「不眠症」の語は、患者による不十分なまたは安らかでない睡眠の認識をいう。不眠症はよくある訴えであり、ロサンゼルス地域で調査した成人人口の32%(非特許文献1)、およびイタリアのサンマリノで調査した人口の13%(非特許文献2)によって報告された。フロリダ州アラチュア郡の調査した成人人口の全く45%が、睡眠につく際または睡眠の維持に問題を報告した(非特許文献3)。不眠症の有病率はまた、各人の年齢および性別に関連することが示されており、より高年齢の人および女性でより高い。
不眠症の早期治療は、バルビツール酸塩といった中枢神経系(CNS)抑制剤を一般的に用いた。これらの化合物は典型的には、長い終末半減期のために長時間作用性であり(8〜50時間のオーダー)、および嗜眠、混乱、抑うつおよび翌日の後遺症状を含むよく知られた副作用のスペクトルを有する。加えて、慢性使用は身体的および心理的依存症の両方を含む耽溺への強い潜在性を伴う。
1980年代に、不眠症の薬物治療はバルビツール酸塩および他のCNS抑制剤からベンゾジアゼピン類の鎮静催眠剤へ移行した。この種類の化合物は、ヒトおよび動物で睡眠様状態の結果を与える鎮静作用を生じ、以前の催眠剤よりも大きい安全マージンを有する。ベンゾジアゼピンの治療作用は、脳のベンゾジアゼピンGABA複合体上の特異的受容体への結合によって媒介されると考えられている。この結合の結果として、シナプス伝達が、ベンゾジアゼピンGABA複合体を含む神経細胞で変化する。さまざまなベンゾジアゼピン催眠剤の臨床的有用性は、この結合に関する薬物動態的な差、および特に、親化合物およびその活性代謝体の半減期に主に関係する。しかし、多数のベンゾジアゼピンは、一部の患者集団における有用性を限定する副作用を有する。これらの問題は、他のCNS抑制剤(特にアルコール)との相乗効果、反復投与に際しての耐性の発生、投与の中断後の反跳不眠症、翌日の後遺症状、および、精神運動機能および記憶の障害を含む。翌日の眠気および、薬物投与の前および後に起こる事柄についての健忘症を含みうる記憶障害は、認知機能が加齢過程によって既に障害されている可能性のある高齢者で特に問題である。
より近年の不眠症の治療は、ベンゾジアゼピン類の鎮静催眠剤よりも改善された副作用プロファイルを示す非ベンゾジアゼピン化合物を使用してきている。これらの薬剤のうち、米国食品医薬品局(FDA)によって米国内での販売が許可された最初のものは、イミダゾピリジン骨格を基礎とするAmbien(登録商標)(ゾルピデム)であった(特許文献1および特許文献2を参照)。Ambienに加えて、ピラゾロピリミジンを基礎とする化合物(特許文献3を参照)であるSonata(登録商標)(ザレプロン)として知られる別の化合物が、近年FDAによって承認された。他の非ベンゾジアゼピン化合物および/またはそれを製造または使用するための方法もまた報告されている(たとえば、特許文献4−10を参照)。特にゾルピデムおよびその塩に関して、徐放剤形を与えるための試みもまた開示されている(特許文献11および12を参照)。
下肢静止不能症候群(「RLS」)は、相当数の人々について、睡眠を妨害しうる運動障害である。RLSは下肢の不快な感覚によって特徴づけられ、不快な感覚は、活動、休息の期間中、または座っているかまたは横になっている間に悪化する。本疾患の患者はその感覚を、通常は圧倒的な運動衝動を伴う、引っ張り、引き、むずむず、虫の付いた、だるい、ひりひり、ちくちく、とげ、かゆみ、および時に疼痛感覚と描写する。覚醒中、および睡眠しようとしている間または睡眠中の、両方の問題の結果として、RLS患者は労働、社会生活、および娯楽活動に問題を有しうる。RLSはかなり一般的でありおよび常に困難である。
したがって、本分野では、単一用量夜間製剤として睡眠を誘導および維持する鎮静ドーパミン作動薬の必要がある。本発明はこの必要を満たし、およびさらに他の関連する長所を提供する。
米国特許第4,382,938号明細書 米国特許第4,460,592号明細書 米国特許第4,626,538号明細書 米国特許第4,794,185号明細書 米国特許第4,808,594号明細書 米国特許第4,847,256号明細書 米国特許第5,714,607号明細書 米国特許第4,654,347号明細書 米国特許第5,538,977号明細書 米国特許第5,891,891号明細書 国際公開第00/33835号パンフレット 欧州特許第1005863号明細書 Bixler et al,Amer.Journal of Psychiatry 136: 1257−1262,1979 Lugaresi et al.,Psychiatric Annals 17: 446−453,1987 Karacan et al.,Social Science and Medicine 10: 239−244,1976
本発明は一般的に、ドーパミン作動薬および鎮静剤を含む医薬組成物に関する。好ましい一実施形態では、ドーパミン作動薬は光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミンである。好ましい一実施形態では、鎮静剤は光学的に純粋な(S)−ゾピクロンまたは光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロンである。好ましい一実施形態では、ドーパミン作動薬は光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミンであり;および鎮静剤は光学的に純粋な(S)−ゾピクロンまたは光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロンである。本発明の医薬組成物は、下肢静止不能症候群および周期性四肢運動障害、およびさまざまな睡眠障害の治療に有用である。加えて、本発明は、治療上有効な量のドーパミン作動薬および治療上有効な量の鎮静剤を同時投与することを含む、下肢静止不能症候群、周期性四肢運動障害、睡眠異常、または不眠症の患者を治療する方法に関する。好ましい一実施形態では、ドーパミン作動薬は光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミンである。好ましい一実施形態では、鎮静剤は光学的に純粋な(S)−ゾピクロンまたは光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロンである。好ましい一実施形態では、ドーパミン作動薬は光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミンであり;および鎮静剤は光学的に純粋な(S)−ゾピクロンまたは光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロンである。
本発明は一般的に、同時に摂取された際に患者の睡眠の質を改善する2つ以上の有効成分を含む医薬組成物に関する。一部の実施形態では、本発明は、ドーパミン作動薬および鎮静剤を含む医薬組成物に関する。好ましい一実施形態では、本発明は、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミンを含む医薬組成物に関する。好ましい一実施形態では、鎮静剤は光学的に純粋な(S)−ゾピクロンまたは光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロンである。本発明の別の一態様は、患者に治療上有効な用量の本発明の医薬組成物を投与する工程を含む、下肢静止不能症候群、周期性四肢運動障害、または睡眠障害に罹患した患者を治療する方法に関する。一部の実施形態では、本発明は、医薬組成物がドーパミン作動薬および鎮静剤を含むことを特徴とする前述の方法に関する。好ましい一実施形態では、本発明は、医薬組成物が光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミンを含むことを特徴とする前述の方法に関する。好ましい一実施形態では、鎮静剤は光学的に純粋な(S)−ゾピクロンまたは光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロンである。好ましい一実施形態では、前記医薬組成物は光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミンを含み;および鎮静剤は光学的に純粋な(S)−ゾピクロンまたは光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロンである。
睡眠困難および不眠症
いくつかの疫学研究は、成人の10%から15%が慢性不眠症に罹患しており、および追加の25%から35%が一過性または時々の不眠症を有することを示唆する(Roth T.Int.J.Clin.Pract.Suppl.2001,3−8)。
米国睡眠財団(National Sleep Foundation)の2002年の米国における睡眠の調査は、米国の成人における不眠症の4つの症状:入眠困難;夜間の覚醒が長いこと;早すぎる覚醒および寝直せないこと;および回復していないと感じる目覚めの発生頻度を評価した。その調査において、回答者の58%がこれらの症状のうち少なくとも1つを一週間に数夜以上経験すると報告し、および35%が前年中の毎晩またはほぼ毎晩の困難を報告した(National Sleep Foundation.2002 Sleep in America Poll.Washington,DC: WB & A Market Research,2002,1−43)。加えて、一週間に少なくとも数夜の不眠症の症状を報告した人のうち、40%が覚醒時に回復していないと感じると報告し、36%が夜間に覚醒が長いことを報告し、25%が入眠困難を報告し、および24%が早すぎる覚醒および寝直せないことを報告した。
不眠症の主な型はしばしば、原発性および続発性不眠症(American Psychiatric Association's Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,Text Revision.4th ed.Washington,DC: American Psychiatric Publishing,Inc,2000 [DSM]の通り)、慢性に対し急性/一過性不眠症、内因性に対し外因性不眠症(International Classification of Sleep Disorders [ICSD]の通り)、および睡眠開始に対し睡眠維持(Diagnostic Classification Steering Committee.International Classification of Sleep Disorders (ICSD): Diagnostic and Coding Manual.Rochester,MN: American Sleep Disorders Association,1990)と記載される。睡眠障害の患者の多数は、これらの分類の1より多数に該当するかまたは、睡眠の質について不特定の不満を有する(Roth T.Int.J.Clin.Pract.Suppl.2001,3−8)。DSMの第4版(DSM−IV)は、不眠症を睡眠開始(または始まり)における困難、睡眠維持における困難、または非回復性である睡眠と定義する。
慢性不眠症はいくつかの異なる起源から結果として生じうる(Rajput et al.,Ain.Fam.Physician,1999,60 : 1431−1438)。慢性不眠症の患者は、しばしばいくつかの睡眠愁訴が同時にあり、および、睡眠開始までの潜時の延長、睡眠期間中の覚醒時間の増大、および総睡眠時間の減少を含むさまざまな睡眠障害を経験する(Benca RM,J.Clin.Psychiatry,2001,62 Suppl 10 : 33−38)。
睡眠維持の問題は、頻回の覚醒、最初に入眠した後に覚醒して過ごす時間の増加(睡眠開始後の覚醒時間、またはWASO。睡眠維持の頑健な尺度である)、睡眠断片化(EEG上に現れるが必ずしも完全な覚醒を含まない、一過性の極めて短い覚醒)、および回復していない睡眠を含むいくつかの形を取りうる。これらのうち、WASOは睡眠改善の特に高感度な尺度である。WASOはいくつかの極めて短い覚醒、および完全な覚醒の全期間を含むことができ、およびしたがってWASOの数分だけの増大は、実質的に改善された睡眠連続性を示しうる。
不眠症の重症度は、翌日の機能障害と直接相関しうる。また、不眠症の無い患者と比較して、慢性不眠症のある患者は、記憶、集中力、課題達成能力、および対人関係の楽しさの障害を含む、覚醒時の行動および心理社会的機能の主観的な悪化を経験するという強力な証拠がある(Roth et al.,Sleep,1999,22 Suppl 2 : S354−S358)。
睡眠維持の問題は、翌日の機能低下を生じうる。Bonnetは正常な睡眠習慣を有する健常者を試験し、および、夜間の誘導された覚醒または不眠の期間の増大につれ、覚醒状態、反応時間、眠気、および他の尺度の評価に対する翌日の成績の残存効果が、対応する低下を経験したことを見出した(Bonnet MH,Physiol.Behav.,1989,45 : 1049−1055)。
ドーパミン作動薬
アマンタジン
アマンタジンはパーキンソン病、A型インフルエンザ、および薬剤性錐体外路反応を治療するために用いられるシクロアルキルアミンである。アマンタジンの調製のための手順は、米国特許第3,1452,180号明細書およびStetter et al.Ber.1960,93,226に記載されている。薬理学的性質は、Vernier et al.Soxicol.Appl.Pharmacol.1969,15,642およびR.Dolin et al.N.Engt.J.Med.1982,307,580に記載されている。総括的な説明はJ.Kirschbaum Anal.Profiles Drug Subs.1983,12,1−36を参照。アマンタジンの塩酸塩はMANTADINEの商標名で、単純ヘルペス感染、A型インフルエンザ感染、およびパーキンソン病の治療用に市販されている。アマンタジンはトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−アミンという化学名を有し、および構造を下記に示す。
Figure 2007523165
疾患の急性または慢性管理におけるアマンタジンの予防的または治療的用量のサイズは、治療すべき症状の重症度および投与経路に応じて変化する。用量、およびおそらく投与頻度もまた個々の患者の年齢、体重、および反応にしたがって変化する。一般的に、一日総量範囲は、本明細書に記載の症状について、約20mgないし約500mgである。好ましくは、一日量範囲は約40mgないし約350mgとすべきである。非常に好ましくは、一日量範囲は約60mgないし約250mgとすべきである。一部の実施形態では、一日量範囲は約100、150、または200mgとすべきである。患者の管理においては、治療はより低用量、おそらく約50mgから約75mgで開始でき、および患者の全体的反応に応じて最大約125mgまたはより多量へ増加できる。
アポモルフィン
アポモルフィンは、さまざまな疾患の治療に用いられているかまたは使用が考えられているモルヒネ誘導体である。アポモルフィンは、Small et al.J.Org.Chem.1940,5,344に記載の通りモルヒネを濃塩酸で処理することによって、 またはMayer Ber.1871,4,121に記載の通りモルヒネを塩化亜鉛と共に加熱することによって得られる合成アヘン剤である。ラセミ体アポモルフィンの合成のための手順は、米国特許第3,717,639号明細書およびJ.L.Neumeyer et al.J.Chem.Chem.1973,16,1223に記載されている。個々の鏡像異性体の合成のための手順は、V.J.RamおよびJ.L.NeumeyerによってJ Org.Chem.1981,46,2830に記載されている。 薬理学的性質はDiChiara,G.; Gesssa,G.L.; Adv.Pharmacol.Chemother.1978,15,87に記載されている。アポモルフィンの総説についてはMuhtadi,R.J.; Hifnawy,M.S.Analytical Profiles of Drug Substances,Vol.20,K.Florey,Ed.(Academic Press,New York,1991) pp.121−166を参照。アポモルフィンの化学名は(R)−5,6,6a,7−テトラヒドロ−6−メチル−4H−ジベンゾ−[de,g]キノリン−10,11−ジオールであり、および構造を下記に示す。
Figure 2007523165
アポモルフィンHClの急性および亜急性試験は、下等脊椎動物(両生類および鳥類)で300ミリグラム/キログラム(mg/kg)を超える、および高等哺乳類(霊長類)で10mg/kgまでの範囲の一日量を用いた試験で報告されている。哺乳類では、アポモルフィンHClの用量は単回ボーラス皮下注射で最大約13mg/kgまで耐容されるように見える。この量以上の用量はマウスで致死的であると報告されているが、マウスでのLD50はそれより相当に高い(>50mg/kg)。アポモルフィンの連続輸液は14日間にわたる420μg/kg/hrの用量が耐容されおよび報告されている。より大きい用量(1,500μg/kg/hrは14日間試験の経過に最小致死量であることが見出された)。霊長類では、アポモルフィンHClの複数用量が最大4日間まで100〜400μg/kgにて投与され、大きな有害作用は無かった。
ヒト、イヌなどといった哺乳類へのアポモルフィンのより大きい用量の投与は、通常は吐き気および嘔吐を結果として生じ、および哺乳類中枢神経系の一構造である延髄の化学受容器引金帯(CTZ)に対するアポモルフィンの作用が原因と考えられている。嘔吐を引き起こす別の化学受容体が消化管にも存在すると考えられている。吐き気を経験している感受性患者では、吐き気の開始は、5.5ng/mL未満のアポモルフィン循環血清レベルおよび中脳組織レベルを与えるように、調節された溶解速度でアポモルフィンを送ることによって、未然に防ぐかまたは遅延させることができる。アポモルフィンが前述の用量範囲の高用量またはその付近で投与される場合、吐き気の開始の可能性は、ニコチンまたは硫酸ロベニンといった神経節剤(神経節応答阻害剤および制吐剤)の同時投与によって低減されうる。
疾患の急性または慢性管理におけるアポモルフィンの予防的または治療的用量のサイズは、治療すべき症状の重症度および投与経路に応じて変化する。用量、およびおそらく投与頻度もまた個々の患者の年齢、体重、および反応にしたがって変化する。一般的に、一日総量範囲は、本明細書に記載の症状について、約0.5mgないし約75mgである好ましくは、一日量範囲は約2mgないし約30mgとすべきである。非常に好ましくは、一日量範囲は約2mgないし約10mgとすべきである。一部の実施形態では、一日量範囲は約4、6、または8mgとすべきである。患者の管理においては、治療はより低用量、おそらく約1mgから約1.5mgで開始でき、および患者の全体的反応に応じて最大約3mgまたはより多量へ増加できる。
ブロモクリプチン(PARLODEL(登録商標))
ブロモクリプチンは、麦角アルカロイドのエルゴトキシン群の誘導体であり、およびドーパミン受容体作動薬である。ブロモクリプチンの合成のための手順は、米国特許第3,752,814号および第3,752,888号明細書に記載されている。薬理学的性質および 治療目的使用はFluckiger Triangle (Engl.Ed.) 1975,14,153およびHo,K.Y.; Thorner,M.O.Drugs 1988,36,67で総説されている。ブロモクリプチンのメタンスルホン酸塩はPARLODELの商標名で市販されている。ブロモクリプチンは(5'a)−2−ブロモ−12'−ヒドロキシ−2'−(l−メチルエチル)−5'−(2−メチルプロピル)エルゴタマン−3',6',18−トリオンという化学名を有し、および構造を下記に示す。
Figure 2007523165
疾患の急性または慢性管理におけるブロモクリプチンの予防的または治療的用量のサイズは、治療すべき症状の重症度および投与経路に応じて変化する。用量、およびおそらく投与頻度もまた個々の患者の年齢、体重、および反応にしたがって変化する。一般的に、一日総量範囲は、本明細書に記載の症状について、約0.5mgないし約75mgである。好ましくは、一日量範囲は約1mgないし約30mgとすべきである。非常に好ましくは、一日量範囲は約1mgないし約10mgとすべきである。一部の実施形態では、一日量範囲は約2,4,6,または8mgとすべきである。患者の管理においては、治療はより低用量、おそらく約1mgから約1.5mgで開始でき、および患者の全体的反応に応じて最大約3mgまたはより多量へ増加できる。
カベルゴリン(DOSTINIEX(登録商標))
カベルゴリンは、部分的D活性しか有しない完全なD作動薬であるため、薬理的に類のないドーパミン受容体拮抗薬である。カベルゴリンの合成のための手順は、米国特許第4,526,892号明細書およびE.Brambilla et al.によってEur.J Med Chem.1989,24,421に記載されている。カベルゴリンの異なる結晶形の調製のための手順は、米国特許第6,680,327号および第6,673,806号明細書に記載されている。カベルゴリンは下肢静止不能症候群(RLS)およびパーキンソン病の治療に用いられている。米国特許第6,114,326号明細書およびJ.E.Ahlskog et al.Clin.Neuropharmacol.1996,19,202−212を参照。カベルゴリンは長い半減期(最大65時間)を有するため、RLS患者を治療するために良い治療剤である。カベルゴリンは1−[(6−アリルエルゴリン−8β−イル)−カルボニル]−1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチル尿素という化学名を有し、および構造を下記に示す。
Figure 2007523165
疾患の急性または慢性管理におけるカベルゴリンの予防的または治療的用量のサイズは、治療すべき症状の重症度および投与経路に応じて変化する。用量、およびおそらく投与頻度もまた個々の患者の年齢、体重、および反応にしたがって変化する。一般的に、一日総量範囲は、本明細書に記載の症状について、約0.1mgないし約60mgである。好ましくは、一日量範囲は約0.1mgないし約20mgとすべきである。非常に好ましくは、一日量範囲は約0.1mgないし約10mgとすべきである。一部の実施形態では、一日量範囲は約1、2、4、6、または8mgとすべきである。患者の管理においては、治療はより低用量、おそらく約0.1mgから約0.5mgで開始でき、および患者の全体的反応に応じて最大約2mgまたはより多量へ増加できる。
カルモキシロール
カルモキシロールはドーパミンD受容体作動薬であるインドール誘導体である。
カルモキシロールの合成のための手順は、米国特許第5,256,673号明細書およびBottcher,H.; Gericke,R.Ann.1988,749に記載されている。カルモキシロールの薬理学的性質は、G.Haeusler et al.Eur.Heart J.1992,13 (Suppl.D),129 および W.Meyer et al.Eur.Heart J.1992,13 (Suppl.D),121に記載されている。用量、およびおそらく投与頻度もまた個々の患者の年齢、体重、および反応にしたがって変化する。一般的に、一日総量範囲は、本明細書に記載の症状について、約1mgないし約900mgである。好ましくは、一日量範囲は約10mgないし約200mgとすべきである。カルモキシロールは3−[4−(3,6−ジヒドロ−4−フェニル−1(2H)−ピリジニル)ブチル]−1H−インドール−5−カルボン酸という化学名を有し、および構造を下記に示す。
Figure 2007523165
(S)−ジデスメチルシブトラミン
(S)−ジデスメチルシブトラミンはシブトラミンの活性代謝体である。ジデスメチルシブトラミンの合成のための手順は、米国特許第6,610,887号明細書に記載されている。ジデスメチルシブトラミンの挙動作用はGlick S.D.および共同研究者らによって記載されている。Glick S.D.,et al.Eur.J.Pharmacol.2000,397,93−102.(S)−ジデスメチルシブトラミンは1−[1−(4−クロロフェニル)シクロブチル]−3−メチル−ブチルアミンという化学名を有し、および構造を下記に示す。
Figure 2007523165
ラセミ体ジデスメチルシブトラミンは当業者に公知である方法によって調製できる。たとえば、米国特許第4,806,570号明細書(参照により本開示に含まれる);J.Med.Chem.,2540 (1993)(トシル化およびアジド置換); Butler,D.,J.Org.Chem.,36: 1308 (1971)(DMSO中でのシクロアルキル化); Tetrahedron Lett.,155−58 (1980) (ベンゼン中でのニトリルへのグリニヤール付加); Tetrahedron Lett.,857 (1997)(アジドへOH);およびJeffery,J.E.,et al.,J.Chem.Soc.Perkin.Trans 1,2583 (1996)を参照。
ラセミ体ジデスメチルシブトラミンは、ラセミ体シブトラミンまたはデスメチルシブトラミンから調製でき、本化合物の光学的に純粋な形も調製できる。ジデスメチルシブトラミンの光学的に純粋な鏡像異性体は、本分野で公知である方法を用いて調製できる。好ましい方法は、光学的活性な分割剤を用いて生成したジアステレオマー塩の分別再結晶による分割である。たとえば、"Enantiomers,Racemates and Resolutions,"by J.Jacques,A.Collet,and S.H.Wilen,(Wiley−Interscience,New York,1981) ; S.H.Wilen,A.Collet,and J.Jacques,Tetrahedron,2725 (1977); E.L.Eliel Stereochemistry of Carbon Compounds (McGraw−Hill,NY,1962);およびS.H.Wilen Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions 268 (E.L.Eliel ed.,Univ.of Notre Dame Press,Notre Dame,IN,1972)を参照。
ジデスメチルシブトラミンは塩基性アミンであるため、分別再結晶による分離に適した本化合物のジアステレオマー塩は、光学的に純粋なキラル酸分割剤の添加によって容易に生成される。適当な分割剤は、光学的に純粋な酒石酸、カンファースルホン酸、マンデル酸、およびその誘導体を含むがそれらに限定されない。ジデスメチルシブトラミンの光学的に純粋な異性体は、使用した特定の酸分割剤および使用した特定の酸鏡像異性体の溶解性に応じて、結晶化ジアステレオマーから、または母液から回収できる。そのように回収された特定のジデスメチルシブトラミンの同定および光学純度は、旋光分析または他の分析法によって決定できる。
ラセミ体および光学的に純粋なジデスメチルシブトラミンは、好ましくはJeffery,J.E.,et al.,J.Chem.Soc.Perkin.Trans 1,2583 (1996)によって開示されたもののような方法によって直接合成される。
ラセミ体ジデスメチルシブトラミンを直接合成する好ましい方法は、式i−BuMXの化合物を用いるCCBC反応を含み、ここでXはBrまたはIであり、およびMはLi、Mg、Zn、Cr、およびMnより成る群から選択される。好ましくは、その化合物は式i−BuMgBrの化合物である。この反応の産物は次いで適当な反応条件下で還元される。
ジデスメチルシブトラミンの鏡像異性体は、上記の通り、キラル塩の生成によって分割されうる。キラル塩を生成するために用いられる好ましいキラル酸は、酒石酸を含むがそれに限定されない。好ましい溶媒系は、アセトニトリル/水/メタノールおよびアセトニトリル/メタノールを含むがそれらに限定されない。
疾患の急性または慢性管理におけるジデスメチルシブトラミンの予防的または治療的用量のサイズは、治療すべき症状の重症度および投与経路に応じて変化する。用量、およびおそらく投与頻度もまた個々の患者の年齢、体重、および反応にしたがって変化する。一般的に、一日総量範囲は、本明細書に記載の症状について、約1mgないし約900mgである。好ましくは、一日量範囲は約1mgないし約500mgとすべきである。非常に好ましくは、一日量範囲は約1mgないし約100mgとすべきである。一部の実施形態では、一日量範囲は約5、10、25、50、または75mgとすべきである。
ドペキサミン
ドペキサミンはドーパミン受容体作動薬およびβ2−アドレナリン受容体作動薬である。ドペキサミンの合成のための手順は、欧州特許出願公開第72,061号明細書に記載されている。ドペキサミンの薬理学的性質は、Am J.Cardiol.1988,62,1C−88Cに記載されている。一般的に、一日総量範囲は、本明細書に記載の症状について、約1mgないし約900mgである。好ましくは、一日量範囲は約10mgないし約200mgとすべきである。ドペキサミンは4−[2−[[6−[(2−フェニルエチル)アミノ]ヘキシル]アミノ]エチル]−1,2−ベンゼンジオールという化学名を有し、および構造を下記に示す。
Figure 2007523165
フェノルドパム
フェノルドパムはドーパミンD受容体作動薬である。フェノルドパムの調製のための手順は、米国特許第4,197,297号明細書およびJ.Weinstock et al.J.Med.Chem.1980,23,973に記載されている。薬理学的性質はR.M.Stote et al.Clin.Pharmacol.Ther.1983,34,309およびG.S.Francis et al.Am.Heart J.1988,116,473に記載されている。フェノルドパムのさまざまな公知の塩のうち、フェノルドパム4',8−ビス−硫酸水素塩は拡大されたドーパミン作動性活性を得るために有用なプロドラッグである。米国特許第4,600,714号明細書を参照。フェノルドパムは6−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−3−ベンズアゼピン−7,8−ジオールという化学名を有し、および構造を下記に示す。
Figure 2007523165
フェノルドパムは、ドーパミン1型受容体の刺激を介して末梢血管拡張を引き起こすドーパミン作動薬である。本薬剤は現在、CORLOPAMの商標名でラセミ体メシル酸フェノルドパムの経静脈輸液として投与され、および典型的には、基礎疾患が原因の、または外傷または医療処置によって誘導された、血圧上昇が起こり直ちに是正を必要とする場合の臨床で用いられる。これらの状況では、フェノルドパムは約0.01〜1.6μg/kg/minの間の用量で最大48時間投与でき、約20分で用量依存性の定常状態血漿濃度を達成する。
血圧の低下を生じることに加えて、フェノルドパムはまた腎血管拡張,利尿およびナトリウム排泄増加を引き起こす。フェノルドパムの治療用量の経静脈輸液は、腎血流を増加させおよび腎の血管抵抗を低下させる一方、糸球体濾過速度を維持しおよび、クレアチニンクリアランス、尿流量およびナトリウムおよびカリウムの排泄を増加させる。Brogden,R.N.; Markham,A.Drugs 1997,54 (4),634−650を参照。腎機能に対するフェノルドパムのこれらの有益な作用は、腎機能障害のある高血圧患者に特に望ましい。
しかし、フェノルドパムの3,4−ジヒドロキシベンゼン環の硫酸化およびグルクロン酸抱合を経由する高い初回通過代謝のため、フェノルドパムの降圧作用および腎作用は、しばしば短時間持続性である。Lokhandwala,M.F.Drug Development Research 1987,10,123−134を参照。ラセミ体フェノルドパムの平均クリアランス(CL)および半減期(tl/2)はそれぞれ2.6L/分および4.6分である。高い初回通過代謝および短い半減期のため、経口投与によって治療上有効な濃度を維持することは困難であり、および連続的な治療作用のためには頻繁な投与、すなわち、経静脈輸液がしばしば必要である。
疾患の急性または慢性管理におけるフェノルドパムの予防的または治療的用量のサイズは、治療すべき症状の重症度および投与経路に応じて変化する。用量、およびおそらく投与頻度もまた個々の患者の年齢、体重、および反応にしたがって変化する。一般的に、一日総量範囲は、本明細書に記載の症状について、約1mgないし約500mgである。好ましくは、一日量範囲は約5mgないし約250mgとすべきである。非常に好ましくは、一日量範囲は約10mgないし約170mgとすべきである。一部の実施形態では、一日量範囲はshouldbe約50、75、100、125、または150mgとすべきである。患者の管理においては、治療はより低用量、おそらく約5mgから約15mgで開始でき、および患者の全体的反応に応じて最大約25mgまたはより多量へ増加できる。
イボパミン
イボパミンは、2−メチルプロパン酸4−[2−(メチルアミノ)エチル]−1,2−フェニレンエステルという化学名を有する。イボパミンの合成のための手順は、米国特許第4,218,470号明細書に記載されている。薬理学的性質はG.F.Melloni et al.Curr.Tlzer.Res.1979,25,406 および Henwood,J.M.; Todd,P.A.Drugs 1988,36,11−31に記載されている。イボパミンの塩酸塩はINOPAMILの商標名で市販されている。
Figure 2007523165
疾患の急性または慢性管理におけるイボパミンの予防的または治療的用量のサイズは、治療すべき症状の重症度および投与経路に応じて変化する。用量、およびおそらく投与頻度もまた個々の患者の年齢、体重、および反応にしたがって変化する。一般的に、一日総量範囲は、本明細書に記載の症状について、約1mgないし約500mgである。好ましくは、一日量範囲は約50mgないし約250mgとすべきである。非常に好ましくは、一日量範囲は約75mgないし約150mgとすべきである。一部の実施形態では、一日量範囲は約100または125mgとすべきである。患者の管理においては、治療はより低用量、おそらく約85mgから約90mgで開始でき、および患者の全体的反応に応じて最大約110mgまたはより多量へ増加できる。
レルゴトリル
レルゴトリルは2−クロロ−6−メチルエルゴリン−8β−アセトニトリルという化学名を有する。
Figure 2007523165
レルゴトリルはヒトへ脳下垂体によるプロラクチンの分泌を抑制するために、およびパーキンソン病の患者へ投与されている。加えて、レルゴトリルはまた血圧を下げるために用いられている。米国特許第4,298,611号明細書を参照。一般的に、一日総量範囲は、本明細書に記載の症状について、約1mgないし約900mgである。好ましくは、一日量範囲は約10mgないし約200mgとすべきである。
リスリド (DOPERGIN(登録商標))
リスリドは、パーキンソン病、片頭痛、蕁麻疹、高血圧、およびアレルギー症状の治療に使用できるドーパミンD2受容体拮抗薬である。リスリドの調製のための手順は、米国特許第3,953,454号明細書およびZikan,V.; Semonsky,M.Coll.Czech.Chem.Commun.1960,25,1922に記載されている。リスリドの薬理学的性質はVotava,Z.; Lamplova,E.Physio.Bohemoslov.1963,12,37に記載されている。リスリドのマレイン酸塩は、DOPERGINの商標名で、パーキンソン病の治療用に市販されている。リスリドはN(D−6−メチル−8−イソエルゴレニル)−N,N−ジエチル尿素という化学名を有し、および構造を下記に示す。
Figure 2007523165
疾患の急性または慢性管理におけるリスリドの予防的または治療的用量のサイズは、治療すべき症状の重症度および投与経路に応じて変化する。用量、およびおそらく投与頻度もまた個々の患者の年齢、体重、および反応にしたがって変化する。一般的に、一日総量範囲は、本明細書に記載の症状について、約0.1mgないし約75mgである。好ましくは、一日量範囲は約0.1mgないし約20mgとすべきである。非常に好ましくは、一日量範囲は約0.1mgないし約5mgとすべきである。一部の実施形態では、一日量範囲は約0.2、0.5、1、2、3、または4mgとすべきである。患者の管理においては、治療はより低用量、おそらく約0.1mgから約0.3mgで開始でき、および患者の全体的反応に応じて最大約1mgまたはより多量へ増加できる。
メマンチン
メマンチンは、3,5−ジメチルトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−アミンという化学名を有するシクロアルキルアミンである。メマンチンの調製のための手順は、米国特許第3,391,142号明細書およびStetter et al.Ber.1960,93,226に記載されている。薬理学的性質はW.Wesemann et al.Arzneimittel−Forsch.1983,33,1122およびP.−A.Fischer et al.Arzneimittel−Forsch.1977,27,1487に記載されている。メマンチンの塩酸塩はAKATINOLの商標名で市販されている。メマンチンの構造を下記に示す。
Figure 2007523165
疾患の急性または慢性管理におけるメマンチンの予防的または治療的用量のサイズは、治療すべき症状の重症度および投与経路に応じて変化する。用量、およびおそらく投与頻度もまた個々の患者の年齢、体重、および反応にしたがって変化する。一般的に、一日総量範囲は、本明細書に記載の症状について、約1mgないし約100mgである。好ましくは、一日量範囲は約1mgないし約50mgとすべきである。非常に好ましくは、一日量範囲は約1mgないし約25mgとすべきである。一部の実施形態では、一日量範囲は約5、10、15、または20mgとすべきである。患者の管理においては、治療はより低用量、おそらく約2mgから約3mgで開始でき、および患者の全体的反応に応じて最大約8mgまたはより多量へ増加できる。
メスレルギン
メスレルギンは、N−(1,6−ジメチルエルゴリン−8α−イル)−N,N−ジメチルスルファミドという化学名を有するエルゴリン誘導体である。塩酸塩は水に可溶である白色固体である。メスレルギンはパーキンソン病の治療に用いられている。メスレルギンのin vivo半減期は 約 2 時間である。メスレルギンを用いた治療の薬理および臨床結果はP.GalanopoulouおよびG.GianakopoulosによってCNS Drug Reviews,1999,5 (3),233で総説されている。メスレルギンの構造を下記に示す。
Figure 2007523165
疾患の急性または慢性管理におけるメスレルギンの予防的または治療的用量のサイズは、治療すべき症状の重症度および投与経路に応じて変化する。用量、およびおそらく投与頻度もまた個々の患者の年齢、体重、および反応にしたがって変化する。一般的に、一日総量範囲は、本明細書に記載の症状について、約1mgないし約150mgである。好ましくは、一日量範囲は約1mgないし約70mgとすべきである。非常に好ましくは、一日量範囲は約2mgないし約25mgとすべきである。一部の実施形態では、一日量範囲は約5、10、15、または20mgとすべきである。患者の管理においては、治療はより低用量、おそらく約0.5mgから約1.5mgで開始でき、および患者の全体的反応に応じて最大約3mgまたはより多量へ増加できる。
ペルゴリド(PERMAX(登録商標))
ペルゴリドは麦角誘導体ドーパミン受容体作動薬である。ペルゴリドの合成のための手順は、米国特許第4,166,182号明細書に記載されている。ペルゴリドの総合的記載はSprankle,D.J.; Jensen E.C.Analytical Prof les of Drug Substances and Excipients vol.21,H.G.Brittain,Ed.(Academic Press,San Diego,1992) pp 375−413に見ることができる。ペルゴリドのドーパミン性作用および他の薬理学的性質はR.W.Fuller et al.Life Sci.1979,24,375およびLemberger,L.; Crabtree,R.E.Science 1979,205,1151に記載されている。ペルゴリドのメシル酸塩はPERMAXの商標名でパーキンソン病の治療用に市販されている。メシル酸ペルゴリドは黒質線条体系のシナプス後ドーパミン受容体を直接刺激することによって治療作用を発揮すると考えられている。メシル酸ペルゴリドの安定な医薬形態を調製するための手順は米国特許出願公開第20020054904号明細書に記載されている。
ペルゴリドは8(β)−8−[(メチルチオ)メチル]−6−プロピルエルゴリンという化学名を有し、および構造を下記に示す。
Figure 2007523165
疾患の急性または慢性管理におけるペルゴリドの予防的または治療的用量のサイズは、治療すべき症状の重症度および投与経路に応じて変化する。用量、およびおそらく投与頻度もまた個々の患者の年齢、体重、および反応にしたがって変化する。一般的に、一日総量範囲は、本明細書に記載の症状について、約0.05mgないし約50mgである。好ましくは、一日量範囲は約0.05mgないし約20mgとすべきである。非常に好ましくは、一日量範囲は約0.05mgないし約5mgとすべきである。一部の実施形態では、一日量範囲は約0.1、0.25、0.5、1、2、3、または4mgとすべきである。患者の管理においては、治療はより低用量、おそらく約0.05mgから約0.1mgで開始でき、および患者の全体的反応に応じて最大約3mgまたはより多量へ増加できる。
ピリベジル
ピリベジルはパーキンソン病の治療に用いられるピペラジン誘導体である。ピリベジルの調製のための手順は、米国特許第3,299,067号明細書に記載されている。本化合物の薬理学的性質はM.Laubie et al.,Eur.J.Pharmacol.1969,6,75に記載されている。ピリベジルは2−[4−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)−1−ピペラジニル]ピリミジンという化学名を有し、および構造を下記に示す。
Figure 2007523165
疾患の急性または慢性管理におけるピリベジルの予防的または治療的用量のサイズは、治療すべき症状の重症度および投与経路に応じて変化する。用量、およびおそらく投与頻度もまた個々の患者の年齢、体重、および反応にしたがって変化する。一般的に、一日総量範囲は、本明細書に記載の症状について、約10mgないし約750mgである。好ましくは、一日量範囲は約50mgないし約500mgとすべきである。非常に好ましくは、一日量範囲は約100mgないし約200mgとすべきである。一部の実施形態では、一日量範囲は約125、150、または175mgとすべきである。患者の管理においては、治療はより低用量、おそらく約0.05mgから約0.1mgで開始でき、および患者の全体的反応に応じて最大約3mgまたはより多量へ増加できる。
プラミペキソール(MIRAPEX(登録商標))
プラミペキソールは、統合失調症およびパーキンソン病の治療における使用で主に知られているドーパミンD/D受容体作動薬である。ラセミ体プラミペキソールの合成のための手順は、欧州特許出願公開第186,087号明細書および米国特許第4,886,812号明細書に記載されている。プラミペキソールの各鏡像異性体は、Schneider,C.S.; Mierau,J.J.Med.Chem.1987,30,494に記載の方法を用いて得ることができる。プラミペキソールはプロラクチンの血漿レベルを低下させる。独国特許出願公開第DE 38 43 227号明細書を参照。さらに、独国特許出願公開第DE 39 33 738号明細書から、プラミペキソールは甲状腺刺激ホルモン(TSH)の異常高レベルを低下させるのに使用できることが知られている。プラミペキソールは2−アミノ−6−n−プロピル−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチアゾールという化学名を有し、および構造を下記に示す。
Figure 2007523165
プラミペキソールの薬理学的性質はMierau,J.; Schingnitz,G.Eur.J.Pharmacol.1992,215,161 および Schilling,J.C.et al.Clin.Pharmacol.Ther.1992,51,541に記載されている。近年、プラミペキソールは下肢静止不能症候群,抑うつ,ADHD,およびHIV痴呆症の治療に関係している。米国特許第6,194,445号;第6,001,861号;第6,255,329号;および第6,410,579号明細書を参照。米国特許出願公開第20030036555号および第20030166696号明細書を参照。プラミペキソールの二塩酸塩はMIRAPEXの商標名でパーキンソン病の治療用に市販されている。
疾患の急性または慢性管理におけるプラミペキソールの予防的または治療的用量のサイズは、治療すべき症状の重症度および投与経路に応じて変化する。用量、およびおそらく投与頻度もまた個々の患者の年齢、体重、および反応にしたがって変化する。一般的に、一日総量範囲は、本明細書に記載の症状について、約0.1mgないし約50mgである。好ましくは、一日量範囲は約0.1mgないし約20mgとすべきである。非常に好ましくは、一日量範囲は約0.1mgないし約5mgとすべきである。一部の実施形態では、一日量範囲は約0.25、0.5、1、2、3、または4mgとすべきである。患者の管理においては、治療はより低用量、おそらく約0.1mgから約0.2mgで開始でき、および患者の全体的反応に応じて最大約1mgまたはより多量へ増加できる。腎機能障害を有する患者はプラミペキソールを投与された場合に追加の合併症に罹患しうる。加えて、妊娠している患者は一般的にプラミペキソールを摂取しないように勧告される。
キナゴリド
キナゴリドはD受容体作動薬である。キナゴリドの合成のための手順は、米国特許第4,565,818号明細書およびJMed.Chem.1985,28,367に記載されている。薬理学的性質はGaillard,R.C.; Brownell,J.Life Sci.1988,43,1355およびC.Rasmussen et al.Acta Endocrinol.1991,125,170に記載されている。キナゴリドは(3a,4aα,10aβ)−(i)−N,N−ジエチル−N'−(1,2,3,4,4a,5,10,10a−オクタヒドロ−6−ヒドロキシ−1−プロピルベンゾ[g]キノリン−3−イル)スルファミドという化学名を有し、および構造を下記に示す。
Figure 2007523165
疾患の急性または慢性管理におけるキナゴリドの予防的または治療的用量のサイズは、治療すべき症状の重症度および投与経路に応じて変化する。用量、およびおそらく投与頻度もまた個々の患者の年齢、体重、および反応にしたがって変化する。一般的に、一日総量範囲は、本明細書に記載の症状について、約0.01mgないし約40mgである。好ましくは、一日量範囲は約0.05mgないし約10mgとすべきである。非常に好ましくは、一日量範囲は約0.05mgないし約2mgとすべきである。一部の実施形態では、一日量範囲は約0.1、0.25、0.5、0.75、1、または1.5mgとすべきである。患者の管理においては、治療はより低用量、おそらく約0.1mgから約0.2mgで開始でき、および患者の全体的反応に応じて最大約1mgまたはより多量へ増加できる。腎機能障害を有する患者はプラミペキソールを投与された場合に追加の合併症に罹患しうる。加えて、妊娠している患者は一般的にプラミペキソールを摂取しないように勧告される。
ロピニロール(REQUIP)
ロピニロールは選択的な非エルゴリンドーパミンD受容体作動薬である。ロピニロールの調製のための手順は、米国特許第4,452,808号明細書およびG.Gallagher Jr.et al.J.Med.Chez.1985,28,1533に記載されている。ロピニロールの薬理学的性質はR.J.Eden et al.Pharmacol.Biochem.Behav.1991,38,147およびM.J.Vidailhet et al.Lancet 1990,336,316に記載されている。ロピニロールは降圧性および抗狭心症性を有することが知られている。米国特許第4,452,808号および第4,588,740号明細書。加えて、ロピニロールの塩酸塩はREQUIPの商標名でパーキンソン病の治療用に市販されている。ロピニロールは4−[2−(ジプロピルアミノ)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンという化学名を有し、および構造を下記に示す。
Figure 2007523165
疾患の急性または慢性管理におけるロピニロールの予防的または治療的用量のサイズは、治療すべき症状の重症度および投与経路に応じて変化する。用量、およびおそらく投与頻度もまた個々の患者の年齢、体重、および反応にしたがって変化する。一般的に、一日総量範囲は、本明細書に記載の症状について、約0.1mgないし約100mgである。好ましくは、一日量範囲は約0.2mgないし約50mgとすべきである。非常に好ましくは、一日量範囲は約0.2mgないし約10mgとすべきである。一部の実施形態では、一日量範囲は約0.5、1、3、5、7、または9mgとすべきである。患者の管理においては、治療はより低用量、おそらく約0.1mgから約0.5mgで開始でき、および患者の全体的反応に応じて最大約2mgまたはより多量へ増加できる。
ロキシンドール
ロキシンドールは、ドーパミンD受容体作動薬であるインドール誘導体である。ロキシンドールの合成のための手順は、Hausberg,H.−H.et al.Acta Pharm.Suec.1983,Suppl.2,213およびBottcher,H.et al.J.Med.Chem.1992,35,4020に記載されている。ロキシンドールの薬理学的性質はC.A.Seyfried et al.Eur.J.Pharmacol.1989,160,31およびWiedemann,K.; Kellner,M.Exp.Clin.Endrocrinol.1994,102,284に記載されている。用量、およびおそらく投与頻度もまた個々の患者の年齢、体重、および反応にしたがって変化する。一般的に、一日総量範囲は、本明細書に記載の症状について、約1mgないし約900mgである。好ましくは、一日量範囲は約10mgないし約200mgとすべきである。ロキシンドールは3−[4−(3,6−ジヒドロ−4−フェニル−(2H)−ピリジニル)ブチル]−1H−インドール−5−オールという化学名を有し、および構造を下記に示す。
Figure 2007523165
タリペキソール
タリペキソールはドーパミンD受容体作動薬である。タリペキソールの合成のための手順は、米国特許第3,804,849号明細書に記載されている。タリペキソールの薬理学的性質はP.A.Johansen et al.Life Sci.1988,43,515およびY.Mizuno et al.Drug Invest.1993,5,186に記載されている。タリペキソールの二塩酸塩は、DOMINの商標名でパーキンソン病の治療用に市販されている。用量、およびおそらく投与頻度もまた個々の患者の年齢、体重、および反応にしたがって変化する。一般的に、一日総量範囲は、本明細書に記載の症状について、約1mgないし約900mgである。好ましくは、一日量範囲は約10mgないし約200mgとすべきである。タリペキソールは5,6,7,8−テトラヒドロ−6−(2−プロペニル)−4H−チアゾロ[4,5−d]アゼピン−2−アミンという化学名を有し、および構造を下記に示す。
Figure 2007523165
鎮静剤
ラセミ体ゾピクロン
ゾピクロンは、ベンゾジアゼピンと類似の効力および副作用の精神治療プロファイルを与える、催眠および抗不安化合物の化学的に明瞭な分類のうち最初のものである。この種類の化合物、シクロピロロンは、ベンゾジアゼピンよりも少ない残存鎮静および反応時間の遅延化を引き起こすように見え、およびベンゾジアゼピンよりも良い治療係数の見込みを提供する。
ゾピクロンの薬理は、前臨床および臨床の両方で、5つの異なる要素によって特徴づけられることが示されている。ゾピクロンは主に催眠鎮静剤であり、呼吸抑制または心抑制の非存在下での最初の治療に顕著な活性を提供する。加えて、ゾピクロンは抗痙攣剤であり、およびさらに筋弛緩、静穏、および抗不安活性を示す。
本化合物はベンゾジアゼピン受容体複合体へ、またはこの受容体複合体と密に結合した部位へ結合する(Goa,K.L.and Heel,R.C.Drugs,32: 48−65,(1986); Brun,J.P.,Pharmacology,Biochemistry and Behavior,29: 831−832,(1988) ; Julou,L.et al.,Pharmacology,Biochemistry and Behavior,23: 653−659,(1985); Verma,A.and Snyder S.H.,Annu.Rev.Pharmacol.Toxicol,29: 307−322,(1989)を参照。中心のベンゾジアゼピン受容体は、阻害性神経伝達物質であるガンマ−アミノ酪酸(GABA)の結合のための部位を含む巨大分子複合体であり、ベンゾジアゼピンおよび、ゾピクロンを含む化学的に無関係の作動薬が、GABAのシナプス作用を促進することによって作用を発揮しうることを示唆する。ゾピクロンは、ベンゾジアゼピン受容体と相互作用する一方、記憶に対して最小の作用を有し、アルコールとの相互作用は無く、および、乱用または依存性の可能性は少ないかまたは全く無いように見える。
ゾピクロンの薬理活性は、特に低用量では、主に鎮静剤または催眠剤のものである。従って、ゾピクロンは、いくつかの種類の睡眠障害、および状況的、一過性、原発性、および二次性不眠症を有する成人および老人患者において睡眠を改善しうる。ゾピクロンの就寝時投与後、翌朝には、精神運動機能および精神の鋭敏さに障害は最小である。ゾピクロンは胃からよく吸収され、および血漿タンパク質とは高度に結合しない。
ゾピクロンのラセミ混合物は、現在米国外では主に催眠剤として用いられており、睡眠パターンを慢性不眠症患者において改善し、および入院患者において外科手術の前に睡眠誘導を提供する。
不眠症は、睡眠の困難または睡眠パターンの乱れによって特徴づけられる。不眠症は、直接の体性または精神性現象との明らかな関係がほとんどない原発性のもの、または何らかの後天性疼痛、不安または抑うつに続発性のものでありうる。可能な場合は、治療は症状の基礎を成す原因へ向けられる;ゾピクロンのような催眠薬は一般的に、感情障害の不眠症のために、およびより一般的な反応性症例のために残される。これらの症例では、ゾピクロンは治療の初日から鎮静催眠作用を提供し、その活性は長い治療期間にわたって以降の投与後に維持される。成人または老人患者において活性の減少または増強は無く、および就寝時投与の約10時間後に覚醒度および成績に対してはほとんどまたは全く影響が無いように見える。(Brun,J.P.Pharmacology,Biochemistry and Behavior 1988,29,831−832)。
加えて、ゾピクロンのラセミ混合物は、癲癇のような痙攣状態といった他の疾患の治療に有用でありうる。発作性疾患すなわち癲癇は、幅広い群の中枢神経系機能障害を代表し、再発性の突然のしばしば短い発作によって特徴づけられ、発作は意識、運動能、知覚現象、および自律神経応答を変化させる可能性があり、および不適切行動を促しうる。特発性または症候性のどちらかの原因の再発性発作パターンが癲癇と呼ばれる。これらの再発性であるがしかし一過性の発症のもっとも一般的な形が痙攣発作であり、痙攣発作は意識、運動機能および運動調節の消失を含む可能性があり、および四肢の強直性または間代性反射を生じうる。癲癇の薬理学的治療は、病因でなく発作の型に基づいて管理する方向である。したがって、痙攣は、強直性−間代性(大発作)、部分(焦点)発作、精神運動(複雑部分)発作、ピクノレプシーまたは欠神(小発作)およびより低頻度のミオクローヌス発作を含む、幅広いがかなり明瞭な種類に分類されている。
ベンゾジアゼピン受容体複合体にてまたはその近傍でのゾピクロンの結合は、本化合物が神経伝達物質GABAの阻害作用およびしたがってそのシナプス作用を促進しうることを示唆する。上述の通り、ベンゾジアゼピン受容体は、中枢神経系内および末梢に(たとえば、内分泌系に)の両方に位置しうるが、ベンゾジアゼピン、GABA、およびゾピクロンの結合のための部位によって特徴づけられる巨大分子複合体から成る。ベンゾジアゼピン受容体複合体はさらに、塩化物イオン輸送のための膜貫通チャンネルが随伴しおよびそれと相互作用する。ベンゾジアゼピン受容体/GABA受容体/塩化物チャンネル複合体とのゾピクロンの相互作用の効果は、GABAに脳の神経細胞の放出を、おそらく塩化物イオンの膜透過性を高めることによって阻害させ、それによって膜電位を安定化しおよび興奮性入力を緩和することである。(Meldrum,B.S.,Brit.J.Clin.Phann.,27 (suppl.1) : 3S−11S,(1989)を参照)。この過程の媒介によって、ゾピクロンは癲癇およびGABAが生理的役割を果たすとされるいくつかの他の症状の治療に有用でありうると考えられている。
ゾピクロンのラセミ混合物は、上記の障害の治療に有用でありうる一方、低い治療係数を有し、および有害作用もまた引き起こす。これらの有害作用は、本医薬の唾液分泌による苦みの発生、口渇、眠気、朝の倦怠感、頭痛、めまい、精神運動機能の障害および関連作用を含むがそれらに限定されない。
近年、光学的に純粋なまたは実質的に光学的に純粋な(+)ゾピクロンを用いることによって、ラセミ混合物で見られるのと比較して治療作用の効力の増大を生じることが見出されている。加えて、(+)ゾピクロンの光学的に純粋な異性体を用いることによって、効力のより明瞭な用量関連定義、有害作用の低減、およびしたがって、治療係数の改善を結果として生じる。そのため、一般的にゾピクロンの(+)異性体を用いることがより望ましい。
エスゾピクロン
エスゾピクロン(または(+)−ゾピクロンまたは(S)−ゾピクロン)は、睡眠障害、痙攣障害、および中枢神経系または末梢ベンゾジアゼピン受容体への作動薬の結合によって影響される障害の治療に有用な、強力な医薬である。異性体として純粋な、または異性体として実質的に純粋な(たとえば、異性体純度90%、95%、または99%)(+)−ゾピクロンの投与が一般的に 好ましいがなぜならこの異性体は、眠気、翌日作用、たとえば朝の倦怠感、集中不能、および頭痛を含むがそれらに限定されない有害作用を回避する一方、睡眠障害の治療に強力な活性を有するためである。
エスゾピクロンは、(+)6−(5−クロロ−ピリ−2−ジル)−5−(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニルオキシ−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4b]ピラジン−5−イル4−メチルピペラジン−1−カルボキシラートという化学名を有するシクロピロロンである。ゾピクロンの化学構造を下記に示す:
Figure 2007523165
エスゾピクロンは、米国特許第6,319,926号および第6,444,673号明細書、およびGoa and Heel,[Drugs,32: 48−65 (1986)]および米国特許第3,862,149号および第4,220,646号明細書に記載されている化合物ゾピクロンの光学異性体であって(+)−異性体である。この異性体は、以後エスゾピクロンと呼ぶが、光学的に純粋なおよび実質的に光学的に純粋な(たとえば、光学純度90%、95%または99%)(+)−ゾピクロン異性体を含む。
ラセミ体ゾピクロンは市販されており、および米国特許第3,862,149号および第4,220,646号明細書に記載のようなさまざまな方法を用いて製造できる。エスゾピクロンは、ラセミ体ゾピクロンから、キラル相クロマトグラフィー、光学活性塩の分割、適当な微生物による立体選択的酵素触媒反応、または不斉合成といった標準的方法を用いて調製しうる。米国特許第6,319,926号明細書は、D(+)−O,O'−ジベンゾイル酒石酸といった光学活性な酸を使ったラセミ体ゾピクロンからの分割を含む、エスゾピクロンの製造のための方法を開示する。
エスゾピクロン(または(S)−ゾピクロン)を製造するための別の方法は、下記の合成図式に示す通り、D−リンゴ酸塩を経由する化学分割による、ラセミ体ゾピクロン(または(RS)−ゾピクロン)からの合成による。
Figure 2007523165
上記の合成経路では、(RS)−ゾピクロンおよびD−リンゴ酸をアセトンおよびメタノールの混合物に溶解し、(S)−ゾピクロンD−リンゴ酸塩および(R)−ゾピクロンD−リンゴ酸塩を生じる。その2つのジアステレオマー塩は、in−situで選択的結晶化、ろ過および洗浄によって分割され、高度に(S)濃縮されたゾピクロンD−リンゴ酸塩を生じる。この過程で、(R)−ゾピクロンD−リンゴ酸塩の大部分は母液中に残る。この方法では、アセトン/メタノール混合溶媒系の使用が、高度にジアステレオマー選択的な塩結晶化を結果として生じ、および好ましくは、使用する混合溶媒比は約1.9/1から2.3/1w/wアセトン含有メタノールの範囲内とすべきである。好ましくは、処理のこの工程はまた、単離工程の間に約10℃から15℃の総範囲の温度へ反応混合物を冷却すること、およびろ過後に得られた湿固形分を冷メタノールのような冷溶媒で洗浄またはすすぐことも含みうる。
結果として生じる(S)−ゾピクロンD−リンゴ酸塩は、炭酸カリウムおよび酢酸エチル水溶液を用いた処理、続いて相分離および結晶化によって、光学的に純粋なエスゾピクロン遊離塩基へ変換される。この処理において、エスゾピクロン遊離塩基の溶液が一旦得られれば、さらに鏡像異性体濃縮(典型的には1から4%)を、水分含量の低い酢酸エチルからの結晶化によって達成しうる。水分含量は、たとえば共沸蒸留によって調節でき、および水分含量の工程内管理を結晶化処理に組み込むことは、鏡像異性体純度の頑健性をさらに改善しうる。好ましくは、この工程の間の水分レベルは2%以下、より好ましくは1%以下、および非常に好ましくは0.6%以下である。
結果として生じる光学的に純粋なエスゾピクロン遊離塩基を、次いで粉末化して、本発明に記載のまたは本発明の方法における使用のための医薬組成物において有効成分としての使用に望ましい大きさにできる。この2段階処理を図1および2の略図に示す。
エスゾピクロンは不眠症といった睡眠障害の治療に強力な活性を有する。エスゾピクロンはまた、ゾピクロンのラセミ混合物の投与に伴う眠気、翌日の作用、朝の倦怠感、集中不能、および頭痛を含むがそれらに限定されない通常の有害作用を回避する一方、睡眠障害の治療に強力な活性を有する。エスゾピクロンはまた、ゾピクロンのラセミ混合物の投与に伴う有害作用を回避する一方、癲癇といった痙攣障害の治療に強力な活性を有する。
加えて、光学的に純粋なエスゾピクロンを含む組成物は、中枢神経系および末梢ベンゾジアゼピン受容体への作動薬の結合によって影響される障害の治療に有用である。そのような障害は、攻撃的行動、筋緊張、行動障害、抑うつ、統合失調症、および内分泌障害のような異常な血漿ホルモンレベルに関連する障害を含むがそれらに限定されない。これらの組成物は、中枢神経系および末梢ベンゾジアゼピン受容体への作動薬の結合によって影響される障害の治療に有用である。
疾患の急性または慢性管理におけるエスゾピクロンの予防的または治療的用量のサイズは、治療すべき症状の重症度および投与経路に応じて変化する。用量、およびおそらく投与頻度もまた個々の患者の年齢、体重、および反応にしたがって変化する。一般的に、一日総量範囲は、本明細書に記載の症状について、約0.25mgないし約15mgである。好ましくは、一日量範囲は約0.5mgないし約10mgとすべきである。非常に好ましくは、一日量範囲は約1.0mgないし約5.0mgとすべきである。患者の管理においては、治療はより低用量、おそらく約0.5mgから約3mgで開始でき、および患者の全体的反応に応じて最大約5mgまたはより多量へ増加できる。小児および65歳を超える患者、および腎機能または肝機能障害を有する患者には、最初に低用量を与えること、および全体的反応および血中レベルに基づいて漸増することがさらに推奨される。一部の場合には、これらの範囲を外れる用量を用いることが必要でありうる。
経口組成物を用いる場合、使用に適した用量範囲は約0.25mgないし約15.0mgであり、通常の場合には、低用量はより一般的な不眠症に用い、および高用量は分割投与として精神障害の管理に留保される。好ましくは、約0.5mgないし約10mgの用量範囲を、一日一回投与としてまたは必要に応じて分割用量として投与する;非常に好ましくは、約1.0mgないし約5mgの用量範囲を、一日一回投与としてまたは必要に応じて分割用量として投与する。必要に応じてこの用量範囲未満から範囲内へ、症状の十分な管理に至るまで、患者への投与を漸増しうる。
ベンゾジアゼピン類の催眠鎮静剤の薬理プロファイルは、非常に良く確立されており(Goodman and Gilman: The Pharmacological Basis of Therapeutics,7th.Edition,Chapt.17,340−351,(1985),MacMillan Publishing Co.,N.Y.) およびシクロピロロン類の非ベンゾジアゼピン剤へ拡張されている(Bardone,M.C.et al.,Abstract No.2319,7th.Int.Congr.Pharm.Paris,July,1978,Pergamon Press,London; Julou,L.et al.,Pharmacology,Biochemistry および Behavior,23: 653−659 (1985))。したがって、よく特徴づけられたさまざまな実験モデル(Julou,L.et al.,前記,1985)を、ゾピクロンのさまざまな活性、その抗痙攣、筋弛緩、静穏、および鎮静催眠活性を特徴づけるために用いることができる。薬理プロファイルの各要素の試験において、ゾピクロンを含む医薬組成物の活性は、ベンゾジアゼピン剤ニトラゼパムおよびジアゼパムといった2種類の薬理学的標準物質と、さまざまな動物モデルにおいて比較および対照できる。たとえばげっ歯類で誘導された反応の50%を阻害できる各物質の用量(mg/kg)(ID50またはED50)が比較の根拠を与える。このように、ペンチレンテトラゾール誘導性痙攣、ピクロトキシン痙攣、および電気的に誘導された痙攣を用いて、ゾピクロンの抗痙攣活性を実証できる(Haefely,W.,Psychotropic Agents,eds.Hofmeister,F.および Stille,G.,Springer Verlag,Berlin,Part 11,12−262,(1981))。 さらにラットで、癲癇の扁桃体炎上モデルにおいて、扁桃体の毎日の電気刺激は、癲癇の行動症状の増加と共に、癲癇後発射持続時間の漸増を誘導し、約2週間のうちに全般痙攣発作を生じる。おそらく、以前に無効な刺激が神経細胞経路を感作しており、および繰り返されるストレス後のヒトにおける不安状態の誘導に同様の機構が存在しうることが示唆されている。
マウスおよびラットの両方で、ゾピクロンおよびその光学的に純粋な鏡像異性体を含む医薬組成物の筋弛緩、静穏、および鎮静催眠活性の測定について、類似のモデルが利用可能である。(総説はJulou,L.et al.,前記,1985を参照。) ゾピクロンまたはエスゾピクロンを含む医薬組成物の急性毒性は、ラットに医薬組成物の漸増用量(mg/kg)を投与する試験で測定できる。経口投与された際に被験動物の50%の死亡を引き起こす致死量がLD50として報告される。
精神運動行動に及ぼす医薬組成物の作用は、10個のパラメーター(耳介反射、自発性活動、眼瞼サイズ、驚愕反応、接触反応、反応性、踏み直り、立ち直り反射、探索行動、および運動失調)を測定することによって判定できる。各パラメーターは正常を2点とし、計20点xマウス3個体=60点が可能である。40点未満(<40)は行動抑制を示す。得点は被験試料の投与の前および後に測定する。Irwin,S.,Psychopharrmacologia,13: 222−257 (1968) を参照。
Figure 2007523165
(S)−N−デスメチルゾピクロン
N−デスメチルゾピクロンは、ムスカリン受容体に拮抗するベンゾジアゼピン受容体作動薬である。ラセミ体および光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロンの合成のための手順は、米国特許第6,506,753号;第6,458,791号;および第6,339,086号明細書に記載されている。N−デスメチルゾピクロンは、不眠症、不安、筋痙攣、アルコールまたは薬物耽溺、および統合失調症を含むさまざまな疾患および障害の治療に推奨されている。光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロンの抗不安作用は、J.N.Carlsonおよび共同研究者らによってEur.J Pharmacol.2001,415,181に記載されている。
光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロンの投与は有利であり、何故ならそれはラセミ体ゾピクロンに時々随伴する長い単回投与排出半減期および有害作用を回避するためである。(S)−N−デスメチルゾピクロンは、(S)−6−(5−クロロ−ピリ−2−ジル)−5−ピペラジニルカルボニルオキシ−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3−4b]ピラジンという化学名を有するシクロピロロンである。(S)−N−デスメチルゾピクロンの化学構造を下記に示す。
Figure 2007523165
疾患の急性または慢性管理における光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロンの予防的または治療的用量のサイズは、治療すべき症状の重症度および投与経路に応じて変化する。用量、およびおそらく投与頻度もまた個々の患者の年齢、体重、および反応にしたがって変化する。一般的に、一日総量範囲は、本明細書に記載の症状について、約0.1mgないし約500mgである。好ましくは、一日量範囲は約0.5mgないし約250mgとすべきである。非常に好ましくは、一日量範囲は約1mgないし約200mgとすべきである。一部の実施形態では、一日量範囲は約25、50、100、または150mgとすべきである。患者の管理においては、治療はより低用量、おそらく約2mgから約5mgで開始でき、および患者の全体的反応に応じて最大約15mgまたはより多量へ増加できる。
一部の場合には、当業者に明らかになる通り、本明細書で開示された範囲外の有効成分の用量を用いる必要がありうる。血流からの代謝産物の排出は腎機能および肝機能に依存するため、中等度の肝障害の患者では一日総量を少なくとも約50%低減することが、および軽度から中等度の腎障害の患者では約25%低減することが推奨される。血液透析を受けている患者については、一日総量を約5%低減することおよび透析処置が完了するまで投与を保留することが推奨される。さらに、臨床医または治療医は個別の患者応答に関連して治療を中断、調整、または終了する方法および時期がわかることに注意する。
インディプロン
インディプロンは強力な鎮静、抗不安および抗痙攣剤であり、および他のベンゾジアゼピン剤と比較して副作用の改善されたプロファイルを有する。インディプロンは鎮静について耐容の低減、乱用の可能性の低下、およびエタノールの有害作用を促進する傾向の低減を示す。加えて、インディプロンは、実質的に翌日の残存作用が無い、および現在市販されている鎮静催眠剤と比較して健忘の可能性が相当低いように見える。インディプロンのin vivio半減期は約1.3時間である。インディプロンはN−メチル−N−(3−{3−[2−チエニルカルボニル]−ピラゾロ−[1,5−a]−ピリミジン−7−イル}−フェニル)アセトアミドという化学名を有し、および下記の式で表される:
Figure 2007523165
インディプロンは淡黄色から黄色の、非自由流動性の粉末として存在し、静電気をほとんど持たない。本化合物は脂溶性であり(logD分配係数=1.73)、および約20〜30μg/mLで水溶性であってpH約8.0となる。インディプロンは当業者に公知である化学合成技術を用いて調製できる。たとえば、インディプロンは一般的に、米国特許第4,521,422号および第4,900,836号明細書に開示される合成手順によって製造できる。これらの特許、特に米国特許第4,521,422号明細書は、ある種のアリールおよびヘテロアリール[7−(アリールおよびヘテロアリール)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]メタノンを包含する種類を開示する。
疾患の急性または慢性管理におけるインディプロンの予防的または治療的用量のサイズは、治療すべき症状の重症度および投与経路に応じて変化する。用量、およびおそらく投与頻度もまた個々の患者の年齢、体重、および反応にしたがって変化する。一般的に、一日総量範囲は、本明細書に記載の症状について、約1mgないし約75mgである。好ましくは、一日量範囲は約5mgないし約50mgとすべきである。非常に好ましくは、一日量範囲は約10mgないし約35mgとすべきである。一部の実施形態では、一日量範囲は約10、25、30、または35mgとすべきである。患者の管理においては、治療はより低用量、おそらく約2mgから約5mgで開始でき、および患者の全体的反応に応じて最大約10mgまたはより多量へ増加できる。
鎮静催眠化合物の平均血漿半減期は、よく知られた技術を用いて決定しうる。消失半減期は、RollandおよびTozer(Clinical Pharmacokinetics Concepts and Applications,3rd Ed.,Chap.3,1995)によって提示されたもののような標準的な薬物動態計算を用いて決定しうる。加えて、商品名「WinNinlinm」(Prof.Ver.1.5)で販売されている製品のような、この計算を行うソフトウェアが市販されている。このソフトウェアは血漿中消失半減期(tl/2)を次の関係から計算する:「t1/2=ln(2)/λ」、ここで「ln(2)」は2の自然対数であり、および「λ」は血漿中被験化合物濃度:時間プロファイルの消失(対数線形)部分に伴う一次速度定数である。これは被験化合物の時間対log濃度の線形回帰分析によって推定される。
化合物の鎮静催眠作用は、たとえば、医薬の運動能,筋弛緩および運動協調性に及ぼす作用を監視するための標準的な試験を用いて容易に証明できる(たとえば、 Beer et al.,CNS Drug Reviews 3: 207−224,1997; Sanger etal.,Eur.J.Pharmacol.313: 35−42,1996,およびその文中の引用文献を参照)。一般的に、鎮静催眠化合物は、下記の検定法の少なくとも1つの,および好ましくはすべての中で、統計的に有意な鎮静作用を有すべきである:
(a)Sanger et al.,European J Pharmacol.313:35−42,1996 および Beer et al.,CNS Drug Reviews 3: 207−224,1997によって記載されたような、自発運動活性の低下を検出する検定法;
(b)Beer et al.,CNS Drug Reviews 3: 207−224,1997に記載されたような、脳波(EEG)測定によって判定される総睡眠時間の増加を検出する検定法;および
(c)回転棒に留まる潜時の短縮、および/または覚醒度または覚醒状態の低下によって定義される運動協調性の低下を検出する検定法(両方の検定法ともSanger et al.,European J Pharmacol.313: 35−42,1996 および Beer et al.,CNS Drug Reviews 3: 207−224,1997によって記載された通り)。
ゾルピデム
ゾルピデムは、睡眠を誘導または維持することが知られている催眠剤である。ゾルピデムは、N,N,6−トリメチル−2−(4−メチルフェニル)−イミダゾ[1,2−s]ピリジン−3−アセトアミドのIUPAC化学名を有するイミダゾピリジンである。ゾルピデムの構造を下記に示す。
Figure 2007523165
ゾルピデム遊離塩基は、Synthelaboの欧州特許第50563号明細書に一般的に開示された。酒石酸ゾルピデムは続いて欧州特許第251859号明細書(米国特許第4,794,185号明細書)に開示された。より近年,ゾルピデムは米国特許第5,891,891号明細書において、パーキンソン病、パーキンソン症状、強迫性障害、およびある種の形の痴呆の治療に有用であると示唆されている。
ゾルピデムは、AMBIEN(登録商標)およびSTILNOX(登録商標)の商標で経口用即放性錠剤として販売されている。これらの市販剤形では、ゾルピデムは、ゾルピデムの酒石酸に対するモル比が2:1であることを特徴とするL(+)酒石酸との塩として存在する。この塩は従来ヘミ酒石酸ゾルピデムと呼ばれるが、より正確な名称は酒石酸ゾルピデムであり、その名称を以後使用する。ヨーロッパ薬局方モノグラフNo.1999:1280は、酒石酸ゾルピデムは白色またはほぼ白色の結晶性粉末、吸湿性、水にわずかに可溶、メタノールにやや溶けにくく、および塩化メチレンにほとんど溶けないと特徴づけられると記載する。市販のゾルピデム錠は、摂取後の有効成分の即放のための従来のフィルムコート錠であり、および5または10mgの酒石酸ゾルピデムを含む。不活性成分は:乳糖、微結晶セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびステアリン酸マグネシウムである。フィルムコーティング層は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコールおよび着色料から成る。
ゾルピデムは一般的に錠剤または他の固体剤形を用いて経口投与される。実際、薬物動態および薬力学データは、ゾルピデムは吸収および催眠作用の開始の両方が速いことを示す。その生物学的利用能は経口投与後に70%であり、および従来の形で5ないし10mgにある治療用量範囲で直線動態を示し、ピーク血漿濃度には0.5ないし3時間に到達し、排出半減期は短く平均2.4時間であり、および作用持続時間は最大6時間である。一般的に、ゾルピデムの用量は1ないし50mgである。
従来、消化管内で迅速に崩壊し、消化管液中で溶解しおよび全身吸収され、そこでゾルピデムが薬理学的作用を発揮および患者の睡眠を誘導できる、即放剤形だけが開発された。より近年、目的の睡眠時間に適合する期間および十分低いレベルへの人体からのゾルピデムの排出に必要な時間にわたってゾルピデムの放出を維持する新しい剤形が開発されている。米国特許第6,638,535号明細書および第6,514,531号明細書を参照。
ゾルピデムの薬理学的作用は、米国特許第4,382,938号明細書に記載の生物検定法を用いて評価できる。たとえば、化合物の毒性は、マウスについて腹腔内投与によって500ないし1,000mg/kgのLD50範囲を用いて測定できる。加えて、抗不安薬活性は摂食試験に従って測定できる(R.J.Stephens,(1973),Brit.J.Pharmac.,49,146 P)。この試験では、マウスの飼料消費を増加させる用量は、腹腔内投与で0.1ないし10mg/kgと変動する。
脳循環の領域での化合物の活性は、圧力の低下によって生じる低酸素症についての試験で測定できる。CD1系統のマウスを、部分減圧を作ることによって酸素欠乏の雰囲気中で飼育する(190ミリ水銀柱、酸素5.25%に相当)。動物の生存時間を記録する。この時間は、組織の、および特に脳の酸素化を補助することができる物質によって延長する。試験した化合物は腹腔内に数回投与で、実験の10分前に投与した。対照動物について得られた値と相対的な、生存時間の増加割合を計算する。平均活性投与量(MAD)、すなわち生存時間を100%延長する用量をグラフで決定した。
抗痙攣活性は、マウスにおけるビククリンによって誘導される死亡に対する拮抗作用についての試験に従って測定できる(P.Worms,H.Depoortere and K.G.Lloyd,(1979) Life Sci.,25,607−614)。試験すべき製品を、ビククリン(0.9mg/kg、静脈内投与)の30分前に腹腔内注射する。この試験について選択された判定基準は死亡であるため、ビククリンの投与2時間後に死亡率を各バッチについて記録する(対照バッチ:死亡率100%)。各製品について、50%有効投与量(AD50すなわちビククリンの致死作用から動物の50%を保護する投与量)をグラフによって決定する。
鎮静または催眠活性は、クラーレ麻痺ラットのEEGに対する、およびまた自由行動インプラントラットおよびネコにおける覚醒−睡眠状態に対する化合物の作用を観察することによって判定できる(H.Depoortere,Rev.E.E.G.Neurophysiol.,(1980) 10,3,207−214; L.M.Da Costa,H.Depoortere and R.Naquet,Rev.E.E.G..Neurophysiol.,(1977),7,2,158−164)。クラーレ麻痺ラットでは、試験すべき製品は、0.1ないし30mg/kgの漸増用量で腹腔内注射または経口投与される。自由行動インプラントラットでは、試験すべき製品は、1ないし10mg/kgの範囲の単回用量を腹腔内注射または経口投与された。自由行動インプラントネコでは、試験すべき製品は、10mg/kgの単回用量を腹腔内注射または経口投与された。
これらのさまざまな試験の結果は、医薬組成物の抗不安、抗酸素欠乏症、睡眠誘導、催眠および抗痙攣性を判定するのに用いることができる。
ザレプロン
ザレプロン(Wyeth−Ayerst)、別名「Sonata」は、近年FDAによって鎮静催眠剤として承認された非ベンゾジアゼピンである(米国特許第4,626,538号明細書を参照)。ザレプロンは、N−[3−(3−シアノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)フェニル]−N−エチルアセトアミドという化学名を有するピラゾロピリミジンである。ザレプロンは、水への溶解度が非常に低く、およびアルコールまたはプロピレングリコールへの溶解度が小さい、白色粉末である。ザレプロンの構造を下記に示す。
Figure 2007523165
ザレプロンはガンマ−アミノ酪酸ベンゾジアゼピン(GABA−BZ)受容体複合体と結合する。結合試験は、ザレプロンはGABA/塩化物イオンチャンネル受容体複合体上のアルファサブユニット上に位置する脳オメガ−1受容体へ選択的に結合することを明らかにしている。この相互作用は、t−ブチルビシクロホスホロチオナート結合の結合を調節する。重要なことに、ベンゾジアゼピンの薬理学的性質、たとえば動物での鎮静、抗不安薬、筋弛緩、および抗痙攣作用は、GABA−BZ受容体塩化物チャンネル複合体の調節に繋がっている。
ザレプロンの薬物動態プロファイルは、60mg単回投与および15または30mg用量の一日一回投与最大10日間を用いて、臨床試験で調べられている。データは、治療範囲を通じて薬物動態は投与量に比例することを示す。加えて、ザレプロンは一日一回投与治療計画では蓄積しない。ザレプロンは経口投与された場合は速やかに吸収される;しかし、ザレプロンは全身に移行する前に相当に代謝され、30%生物学的利用能だけを結果として生じる。代謝の大部分は、ザレプロンを5−オキソ−ザレプロンへ変換するアルデヒドオキシダーゼのためである。結果として、経口投与後のピーク血漿濃度は典型的には投与後1時間に起こる。
疾患の急性または慢性管理におけるザレプロンの予防的または治療的用量のサイズは、治療すべき症状の重症度および投与経路に応じて変化する。用量、およびおそらく投与頻度もまた個々の患者の年齢、体重、および反応にしたがって変化する。一般的に、一日総量範囲は、本明細書に記載の症状について、約1mgないし約50mgである。好ましくは、一日量範囲は約1mgないし約25mgとすべきである。非常に好ましくは、一日量範囲は約5mgないし約20mgとすべきである。一部の実施形態では、一日量範囲は約5、10、15、または20mgとすべきである。患者の管理においては、治療はより低用量、おそらく約2mgから約5mgで開始でき、および患者の全体的反応に応じて最大約10mgまたはより多量へ増加できる。
一般的に、ザレプロンは就寝直前に、または既に就寝した患者が入眠困難である場合には就寝時直ちに、摂取すべきである。一部の場合には、ザレプロンの用量は患者の食事または特別の必要に合わせて調整すべきである。たとえば、ザレプロンの用量は、催眠剤に特に感受性である可能性が高い高齢または衰弱患者については約5mgとすべきである。加えて、軽度から中等度の肝障害の患者には、薬物の全身からの除去がそのような患者では低下しているため、5mg用量だけを投与すべきである。
ガボキサドール
ガボキサドールは、ヒトおよび動物の試験の両方で、睡眠の質を改善することが示されているGABA受容体作動薬である。ガボキサドールの調製のための手順は記載されている。米国特許第4,278,676号明細書;およびP.Krogsgaard−Larsen,Acta.Chem.Scand.1977,31,584。ガボキサドール、別名THIPは、水およびメタノールに可溶である結晶性の無色の固体である。ガボキサドールの化学名は4,5,6,7−テトラヒドロイソキサゾロ[5,4−c]ピリジン−3−オールである。ガボキサドールは2つの異性体で存在することが知られており(A形およびB形、下記)、および「ガボキサドール」の語はここでは両方の形をそれぞれ、両方の異性体を含む混合物、およびそれらのいずれかの医薬品として許容される塩を包含する。
Figure 2007523165
ガボキサドールのGABA受容体結合親和性および薬理学的性質は記載されている。米国特許第4,278,676号明細書。ガボキサドールの中枢GABA受容体との相互作用をin vitroで試験するため、ガボキサドールをアフィニティ結合実験で試験した。S.J.Enna and S.H.Snyder,Brain Res.1975,100,81−97を参照。ガボキサドールのIC50値は、ガボキサドールの5つの異なる濃度を用いた実験に基づいて、0.13±0.005μMと決定された。各実験は3連で実施し、およびIC50値は対数プロビット分析によって決定した。
ガボキサドールの中枢GABA受容体との相互作用をin vivoで試験するため、ガボキサドールをマイクロ電気泳動実験で試験した。米国特許第4,278,676号明細書を参照。実験はペントバルビタールナトリウムで麻酔したネコの腰椎後角介在ニューロンおよびレンショウ細胞について実施し、ガボキサドールは、中枢神経細胞の発火の等しい阻害および最大下阻害を生じるのに必要な電気泳動電流に基づいて、GABAより相対的により強力であることが見出された。中枢神経細胞に対するガボキサドールの阻害作用は、特異的GABA拮抗薬ビククリンメトクロリド(BMC)によって可逆的に拮抗された。興味深いことに、ガボキサドールは5x10Mの濃度でGABA取り込み系と相互作用せず、および10−3Mの濃度でGABA代謝酵素GABA:2−オキソ−グルタル酸アミノトランスフェラーゼおよびL−グルタミン酸1−カルボキシラーゼと相互作用しなかった。上述の実験に基づいて、ガボキサドールは特異的なおよび非常に強力なGABA作動薬である。ガボキサドールのGABA受容体結合性に関するその他の情報については、P.Krogsgaard−Larsen et al.Nature 1977,268,53を参照。
毒性試験からの結果は、ガボキサドールはムシモールよりも毒性が低いことを示す。ガボキサドールの臭化水素酸塩は、マウスで80(i.v.)、145(i.p.)、および>320(p.o.)のLD50(mg/kg)を有する。比較して、ムシモールはマウスで7(i.v.)、12(i.p.)、および22(p.o.)のLD50(mg/kg)を有する。米国特許第4,278,676号明細書を参照。
いくつかの試験は、ガボキサドールが睡眠の質を改善できることを証明している。Lancelおよび共同研究者らは健康な高齢患者において二重盲検プラセボ対照試験を実施し、ガボキサドールの経口投与が睡眠定着および非REM睡眠の強度を増加させうることを明らかにした。Lancel,M.; Wetter,T.C.; Steiger,A.; Mathias,S.Am.J.Physiol.Endocrinol.Metab.2001,281,E130を参照。仮眠後睡眠試験で、Mathiasおよび共同研究者らは、ガボキサドールが総睡眠時間を延長および深い睡眠を促進する一方で入眠を促進することを見出した。Mathias,S.; Steiger,A.; Lancel,M.Psychopharmacology (Berl.) 2001,157,299。ガボキサドールの治療的使用に関するその他の試験については、米国特許第5,929,065号明細書;Christensen et al.Pharm.Weekbl.,Scie.Ed.1982,4,145; および S.Korsgaard et al.Arch.Gen.Psychiatry 1982,39,1017を参照。
ガボキサドールの予防的または治療的用量のサイズは、治療すべき症状の重症度および投与経路に応じて変化する。用量、およびおそらく投与頻度もまた個々の患者の年齢、体重、および反応にしたがって変化する。一般的に、一日総量範囲は、本明細書に記載の症状について、約1mgないし約90mgである。好ましくは、一日量範囲は約2mgないし約40mgとすべきである。非常に好ましくは、一日量範囲は約5mgないし約30mgとすべきである。一部の実施形態では、一日量範囲は約10、15、20、または25mgとすべきである。患者の管理においては、治療はより低用量、おそらく約2mgから約4mgで開始でき、および患者の全体的反応に応じて最大約10mgまたはより多量へ増加できる。
併用療法
併用療法
本発明の一態様は併用療法に関する。この型の治療は、有効成分の同時投与が、単一の治療剤だけの投与によって達成される治療作用よりも大きい治療作用を達成するために有利である。好ましい一実施形態では、2つ以上の治療剤の同時投与が相乗作用、すなわち組み合わせの各成分の治療作用の和よりも大きい治療作用を達成する。
併用療法を構成する有効成分は、一緒に単一剤形によって、または各有効成分の別々の投与によって投与できる。一部の実施形態では、第一および第二の治療剤は単一剤形で投与される。薬剤は単一の錠剤、丸剤、カプセル剤または非経口投与用の液剤などへ製剤化できる。
代替的に、第一の治療剤および第二の治療剤は、別々の組成物、たとえば別々の錠剤または液剤として投与されうる。第一の有効成分は第二の有効成分と同時に投与でき、または第一の有効成分は第二の有効成分と共に間欠的に投与できる。第一および第二の治療剤の投与間の時間の長さは、目的の治療作用を達成するために調製しうる。一部の場合には、第二の治療剤を、第一の治療剤の投与後ほんの数分後(たとえば、1、2、5、10、30、または60分)に投与しうる。代替的に、第二の治療剤を、第一の治療剤の投与後数時間(たとえば、2、4、6、10、12、24、または36時間)に投与しうる。一部の実施形態では、第一の治療剤の投与間に第二の治療剤を1回投与より多く投与することが有益でありうる。たとえば、第二の治療剤を、第一の治療剤の投与の2時間後に、および再び10時間後に投与しうる。代替的に、第二の治療剤の投与間に第一の治療剤を1回投与より多く投与することが有益でありうる。重要なことに、併用療法の全体の治療作用が併用療法の併用作用または相乗作用に一部起因するように、各有効成分の治療作用が少なくとも各治療剤の持続時間の一部について重複することが好ましい。
有効成分の用量は一般的に、組み合わせの各薬剤の薬力学的性質、有効成分の投与の様式および経路、治療される患者の健康、目的の治療の程度、同時に行われる治療があればその性質および種類、および治療の頻度および目的の作用の性質を含むいくつかの因子に依存する。一般的に、有効成分の用量範囲は、しばしば一日当たり約0.001ないし約250mg/kg体重の範囲にわたる。体重約70kgの正常な成人については、約0.1ないし約25mg/kg体重の範囲の用量が典型的には好ましい。しかし、この一般的な用量範囲には、治療される対象の年齢および体重、意図される投与経路、投与される特定の薬剤、などに応じていくらかの可変性が必要でありうる。併用療法では2つ以上の異なる有効成分が一緒に用いられるため、各薬剤の効力およびそれらを一緒に用いて達成される相互作用を考慮しなければならない。重要なことに、特定の哺乳類についての用量範囲および最適用量の決定もまた十分に、本開示の利益を受ける当業者の能力の範囲内である。
一部の実施形態では、医薬の組み合わせが、第二の成分と比較して相対的に多量の第一の成分を有することが有利でありうる。一部の場合には、第一の有効成分の第二の有効成分に対する比は30:1、20:1、15:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、または5:1である。一部の実施形態では、医薬のより等しい分布を有することが好ましい可能性がある。一部の場合には、第一の有効成分の第二の有効成分に対する比は4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、または1:4である。一部の実施形態では、医薬の組み合わせが、第一の成分と比較して相対的に多量の第二の成分を有することが有利でありうる。一部の場合には、第二の有効成分の第一の有効成分に対する比は30:1、20:1、15:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、または5:1である。重要なことに、第一の治療剤および第二の治療剤の上記の組み合わせのいずれかを含む組成物は、分割用量で一日当たり1、2、3、4、5、6、またはより多数回、または目的の結果を達成するのに効果的である放出速度を与える形で投与しうる。好ましい一実施形態では、剤形は第一および第二の有効成分の両方を含む。より好ましい実施形態では、剤形は一日一回投与しさえすればよく、および剤形は第一および第二の有効成分の両方を含む。
たとえば、ヒトへの経口投与向けの製剤は、第一の治療剤0.1mgないし5g、および第二の治療剤0.1mgないし5gを含むことができ、その両方が総組成物の約5ないし約95パーセントで変動する適当なおよび便利な量のキャリヤー材料と混合される。単位用量は一般的に、第一の治療剤約0.5mgないし約1500mg、および第二の治療剤0.5mgないし約1500mgを含む。好ましい一実施形態では、用量は第一の治療剤25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mg、または1000mg、など、最大1500mgを含む。好ましい一実施形態では、用量は第二の治療剤25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mg、または1000mg、など、最大1500mgを含む。
第一および第二の治療剤の最適比は本分野で公知である標準的な検定法によって決定できる。このように、各化合物についての全データおよびその組み合わせについてのさまざまな用量比を利用した、等効果用量置換モデルおよび曲線回帰分析の適用を用いて、有効成分の組み合わせの活性の予期しない増幅の存在、すなわち、結果として生じる活性が各成分の活性の和から予測される活性より大きいことを証明できる。
そのような化合物の毒性および治療的効力は、培養細胞または実験動物において、たとえばLD50(集団の50%に致死的な用量)およびED50(集団の50%に治療上有効な用量)の決定のための標準的な薬学的手順によって測定できる。毒性作用と治療作用の間の用量比が治療係数であり、および比LD50/ED50として表すことができる。大きい治療係数を示す化合物が好ましい。これらの培養細胞検定法および動物試験から得られたデータは、ヒトにおける使用のための用量の範囲を定めるために用いることができる。そのような化合物の用量は、好ましくは、ED50を含み毒性がほとんどまたは全く無い循環濃度の範囲内にある。用量は、使用する剤形および使用する投与経路に応じてこの範囲内で変動しうる。本発明の方法に用いられる任意の化合物について、治療上有効な用量は最初は培養細胞検定法から推定できる。IC50(すなわち、培養細胞において測定された未処理対照と比較して感染細胞からのRT産生の最大半量の阻害を達成する被験化合物の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成するように、動物モデルにおいて用量を定めることができる。そのような情報は、ヒトにおいて有用な用量をより正確に決定するために用いることができる。血漿中のレベルは、たとえば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって測定できる。
相乗作用
「相乗」の語は、任意の2つ以上の単一薬剤の相加作用よりも有効である組み合わせをいう。相乗作用は、どちらかの個別の療法よりも小さい量(用量)を用いた、疾患の有効な治療を可能にする。より低い用量は、効力の減少無しにより低い毒性を結果として生じる。加えて、相乗作用は、効力の改善、たとえば抗ウイルス活性の改善を結果として生じうる。最後に、相乗作用は、いずれの単一療法と比較しても、疾患の回避または低減の改善を結果として生じうる。
併用療法は、どちらかの医薬が単独で用いられる場合に通常必要であるよりも、低い用量の第一の治療剤または第二の治療剤(ここでは「見かけの一方向性相乗作用」という)、または低い用量の両方の治療剤(ここでは「二方向性相乗作用」という)の使用を可能にする。どちらかまたは両方の薬剤のより少量を用いることによって、それらに随伴する副作用は低減される。
一部の実施形態では、第二の治療剤と第一の治療剤との間に示される相乗作用は、第一の治療剤の用量が、第二の治療剤の投与無しで投与されるならば治療量以下であるようなものである。代替的に、第二の治療剤と第一の治療剤との間に示される相乗作用は、第二の治療剤の用量が、第一の治療剤の投与無しで投与されるならば治療量以下であるようなものである。別の実施形態では、本発明は、第一の治療剤の治療作用を増大させるのに有効な第二の治療剤の用量と共に、第一の治療剤の治療上有効な量を含む医薬組成物に関する。代替的に、第二の治療剤と第一の治療剤との間に示される相乗作用は、第二の治療剤の用量が、第一の治療剤の投与無しで投与されるならば治療量以下であるようなものである。他の実施形態では、本発明は、第二の治療剤の治療上有効な量を、第二の治療剤の治療作用を増強するのに有効な第一の治療剤の用量と共に含む医薬組成物に関する。
一部の好ましい実施形態では、本発明は一部が、第二の治療剤と共に治療作用を与えるのに十分な量での、第一の治療剤の相乗的組み合わせを対象とする。たとえば、一部の実施形態では、第一の治療剤単独の用量で得られるよりも少なくとも約2(または少なくとも約4、6、8、または10)倍大きい治療作用が達成される。一部の実施形態では、相乗的組み合わせは、第一の治療剤単独の用量で得られるよりも最大約20、30または40倍大きい治療作用を提供する。そのような実施形態では、相乗的組み合わせは、第二の治療剤の用量が第一の治療剤の作用を相乗的に増強するがしかし第一の治療剤の用量は第二の治療剤の作用を有意に増強しないように見えることを意味する、ここでは「見かけの一方向性相乗作用」と呼ぶものを示す。
一部の実施形態では、有効成分の組み合わせは、第二の治療剤が第一の治療剤の作用を増強しおよび第一の治療剤が第二の治療剤の作用を増強することを意味する、二方向性相乗作用を示す。このように、本発明の他の実施形態は、各薬剤の用量が薬剤間の相乗作用のために低減されおよびその低減した用量の医薬の組み合わせから生じる治療作用が増大している、第二の治療剤および第一の治療剤の組み合わせに関する。二方向性相乗作用は、第一の治療剤の第二の治療剤に対する効力比のために、実際の用量では常に容易に明らかではない。たとえば、二方向性相乗作用は、一方の治療剤が他方の治療剤と相対的にはるかに大きい治療効力を示す場合には検出困難でありうる。
併用療法の相乗作用は、生物活性検定法によって評価できる。たとえば、治療剤は、EC50値に基づいてほぼ等効力の治療作用を与えるように設計されたモル比で混合される。次いで、各組み合わせについて3つの異なるモル比を用いて、相対効力の推定において可変性を可能にする。これらのモル比は希釈系列を通じて維持される。標準の一次検定法形式を用いて、対応する単剤療法もまた併用療法と平行して評価する。併用療法の治療作用の、単剤療法の治療作用との比較は、相乗作用の指標を与える。組み合わせ分析の設計についてのさらなる詳細は、B E Korba (1996) Antiviral Res.29: 49に見出すことができる。相乗作用、相加性、または拮抗作用の分析は、CalcuSyn(登録商標)プログラム (Biosoft,Inc.)を用いた前述のデータの分析によって決定できる。このプログラムは、Monte Carlo統計パッケージを用いた統計的評価と組み合わせた、ChouおよびTalalayの広く受け入れられた方法の使用によって薬物相互作用を評価する。データは、median−effectおよびdose−effectプロット、アイソボログラム、および組み合わせ係数[CI]プロットを含むいくつかの異なる形式で標準偏差と共に表示される。後者の分析については、1.0より大のCIは拮抗作用を示し、および1.0より小のCIは相乗作用を示す。
本発明の組成物は、疾患の中等度から重症例から軽減を得るための機会を提示する。第一および第二の治療剤の本発明の組み合わせによって提供される相乗および/または相加作用のために、各治療剤の低減された用量を用いることが可能でありうる。他のまたは両方の薬剤のより少量を用いることによって、それぞれに随伴する副作用の数および程度が低減されうる。さらに、本発明の組み合わせは、一部の患者が特に感受性である副作用を回避する。
疾患および障害
下肢静止不能症候群
下肢静止不能症候群(「RLS」)は、下肢の不快な感覚によって特徴づけられる運動障害であり、不快な感覚は、活動、休息の期間中、または座っているかまたは横になっている間に悪化する。本疾患の患者はその感覚を、通常は圧倒的な運動衝動を伴う、引っ張り、引き、むずむず、虫の付いた、だるい、ひりひり、ちくちく、とげ、かゆみ、および時に疼痛感覚と描写する。これらの感覚は通常はふくらはぎ部分に起こるが、しかし大腿から足首までのどこでも感じられる可能性がある。一方または両方の下肢が罹患する可能性があり、および一部の患者では、感覚はまた腕を冒す可能性がある。大部分の患者は、運動またはマッサージが不快感を一時的に緩和すると考えている。研究は、RLSはまた、睡眠中断を引き起こす、睡眠時異常行動とも同定されるさらにもう1つの運動障害である周期性四肢運動障害(PLMD)とも関連している可能性があることを示唆しているが、しかしRLSの患者の大部分はまたPLMDも経験している一方、逆は真でない。Clark,J Am.Board Fam.Pract.,14(5) : 368−374 (2001)を参照。
特発型および尿毒症型の、2つのRLSが存在するように見える。本書類では、両方の型をRLSと呼ぶ。RLS、または下肢静止不能症候群は、(1)錯感覚/異感覚を通常伴う、下肢を動かしたい欲求、(2)運動不安、(3)活動による少なくとも部分的または一時的な軽減を伴う、休息時(すなわち横臥、座位)の症状の悪化または限定的存在、および(4)夕方または夜間の症状の悪化によって特徴づけられる。International RLS Study Groupによると、これらの4つの最小判定基準は既に臨床診断を可能にする。RLSは一部の人によって睡眠障害と考えられている一方、それは患者がむずむず、ちくちく、引っ張り、または疼痛と描写される下肢の不快感を経験する運動障害であり、およびこれらの感覚が、RLS患者が横になる(たとえば、眠るために)または、机に向かう、車に乗る、または映画を見るといった長時間座る場合に起こる。RLS症状は、休養および活動減少の期間に悪化する。夕方および夜間はRLS患者にとって、より困難である傾向がある。
RLSにおける感覚症状および運動症状は、しばしば睡眠潜時の延長、徐波睡眠の減少または消失を伴う総睡眠時間の低下、および睡眠効率の低下を伴う重度の睡眠障害を結果として生じる。RLS患者はしばしば、夜の終わりに向かってまたは朝の時間に最も良く眠る。夜の睡眠が少ないため、RLS患者は、時々または日頃から、日中に眠気を感じる。ほとんどすべてのRLS患者は睡眠中に(PLMS)、およびまた覚醒中に、周期性下肢運動(PLM)を示す。PLMはしばしば夜間の目覚めまたは覚醒に随伴し、および覚醒中に存在すれば患者の入眠を妨げうるため、PLMの数および関連するパラメーターは、RLSの重症度のマーカーと考えられている。したがって、薬物療法の有効性を評価するために、睡眠ポリグラフの実施がしばしば必要である。覚醒中および、睡眠前または睡眠中の、両方の問題の結果として、RLS患者は職業、社会生活、および娯楽活動に問題を有しうる。RLSはかなり一般的でありおよび常に困難である。
長年にわたり、いくつかの治療がRLSについて提案されている。典型的には治療は、抗痙攣薬、ベンゾジアゼピン、オピオイドおよびドーパミン作動薬の4つの分類に分けられる。いくつかの抗痙攣薬が、RLS治療における使用について試験されている。抗痙攣薬は、感覚障害(不快感)および運動衝動を低減することによって作用するように見える。これらの薬剤は、顕著な日中症状のある患者、特に、RLSに随伴する疼痛症候群を有する患者の一部に有効であるが全部にではない。ギャバペンチン(ニューロンチン)は、RLSの症状の治療に見込みを示している抗痙攣薬である。ギャバペンチンの可能な副作用は、めまい、眠気、疲労、食欲増大、および不安定さを含む。ギャバペンチンの鎮静性は、自動車を含む大型機械を操作する能力を障害しうる。
クロナゼパム(クロノピン)、ニトラゼパム、ロラゼパムおよびテマゼパムを含むいくつかのベンゾジアゼピンが、RLSを治療するために、および時に夜間の睡眠の質を改善するために用いられている。ベンゾジアゼピンは、RLS感覚または下肢運動を完全には抑制しないが、患者により多くの睡眠を問題にも関わらず得られるようにする、中枢神経系抑制剤である。この群の一部の薬剤は、日中の眠気を結果として生じる。
オピオイドは、一部の人、特にRLSの重度のおよび苛酷な症状のある人で、RLSおよびPLMSを抑制できる、麻酔性鎮痛(痛み止め)薬である。この分類の薬剤の一部の例は、コデイン、プロポキシフェン(DarvonまたはDarvocet)、オキシコドン(Percocet、Tylox、Roxiprin)、ペンタゾシン(Talwin)、ヒドロコドン(Vicodin)、およびメタドンを含む。
オピオイドの治療作用は、EkbomによるRLSの原記載で言及された。近年、その作用は非盲検試験でさらに記載されており、Trzepacz,P.T.; Violette,E.J.; Sateia,M.J.Am.J.Psychiatry 1984,141,993−995 および Hening,W.A.; Walters,A.; Kavey,N.; Gidro−Frank,S.; Cote,L.; Fahn,S.Neurology 1986,36,1363を参照。これらの試験において、RLSはオピオイド受容体拮抗薬であるナロキソンによって可逆的であることが見出された。オピオイドはRLSおよびPLMSの強力な抑制剤であるが、しかしそれらは乱用の危険性および耽溺限界の危険を有する。副作用および有害反応は、めまい、鎮静、吐き気、嘔吐、便秘、幻覚、および頭痛を含む。重症例では、しかし、および特に血液透析を受けている例では、オピエートは代替療法でありうる。
ドーパミン作動薬はいくつかの興味深い結果を生じている。ドーパミン作動薬は、パーキンソン病を治療するのに通常用いられている薬剤であり、および一部の場合には、RLSの患者の一部にある短期の軽減を与えるように見える。RLSはパーキンソン病の一型ではなく、別の神経学的症状である。いくつかの試験は、L−dopaが末梢カルボキシラーゼ阻害剤と10:1の比で投与されるとRLSの治療に有効であることを示している。たとえば下記の記事を参照:Brodeur C,Montplaisir J,Marinier R,Godbout R.,"Treatment of RLS and PMS with L−dopa: a double−blind controlled study,"Neurology ; 35: 1845−1848 (1988).Montplaisir J,Godbout R,Poirier G,Bedard M.A.,"Restless−legs syndrome and periodic movements in sleep: physiopathology and treatment with L−dopa," Clinical Neuropharmacology ; 9: 456−463 (1986).Von Scheele C,"Levodopa in restless−legs,"Lancet; 2: 426−427 (1986)。 Akpinar S.," Restless−legs syndrome treatment with dopaminergic drugs,"Clinical Neuropharmacology ; 10: 69−79 (1987).
睡眠ポリグラフ(PSG)記録を用いた二重盲検設計の対照試験はまた、夜に2回投与されたL−ドーパは、就寝時に起こるRLSのおよび夜間を通じたPLMSの、有意な減少を生じることを示した。Brodeur C,Montplaisir J,Marinier R,Godbout R.,"Treatment of RLS and PMS with L−dopa: a double−blind controlled study,"Neurology ; 35: 1845−1848 (1988).大部分の例で、L−ドーパ100mgのデカルボキシラーゼ阻害剤カルビドパ10mgとの組み合わせは、RLSを完全に抑制するが、しかしPLMSの反跳(増強)がしばしば夜の最後に観察される。Montplaisir J,Godbout R,Poirier G,Bedard M.A.,Clinical Neuropharmacology ; 9: 456− 463 (1986).L−ドーパを用いて治療された患者にしばしば見られる2つの主な副作用は:1)患者が夜だけに治療される場合の、日中の症状の反跳;および2)L−ドーパの就寝時の単回投与は夜の最初の1/3にPLMSを減少させるが、しかしこれらの運動の反跳を、L−ドーパがもう有効でなくなっている夜の最後の1/3に誘導する。同様に、同一の試験は、L−ドーパ治療が夜半に繰り返される場合、重症例の患者はde novo錯感覚および不穏を日中に経験する可能性があることを示した。
周期性四肢運動障害
睡眠中周期性四肢運動(PLMS)、周期性四肢運動障害(PLMD)または夜間ミオクローヌスは、約20〜40秒ごとに起こる睡眠中の反復される四肢運動の、不随意の(意識的に調節されない)周期性発作を含む。四肢運動は典型的には下肢または脚に起こるが、しかし時にはまた腕を冒す可能性があり、および短い筋収縮、発作的運動、または足の上向きの収縮を制限無く含みうる。典型的には、四肢運動は夜または睡眠サイクルの全体にわたって起こらないがしかし、睡眠の最初の部分または非REM睡眠中に集中する。四肢運動はREM睡眠中にはずっと珍しく、何故なら夢から物理的に行動することを防ぐために睡眠のこの期では筋肉が通常麻痺しているからである。
PLMSまたはPLMDは、入眠困難、睡眠維持困難またはいったん覚醒して睡眠に戻ることの困難、または日中の過剰な眠気を制限無く含む、睡眠についてさまざまな愁訴のある患者を結果として生じうる。多くの例で、患者自身は睡眠についての困難を全く報告しない可能性があるが、患者のパートナーは、患者に夜間にぶつかられるかまたは蹴られる訴えといった、運動によって邪魔されることを報告する。PLMSまたはPLMDについて患者が有しうる睡眠に関するさまざまな愁訴は、すべて同一の理由から生じるが、しかし患者のタイミングおよび問題の知覚の差を含みうる。たとえば、一部の患者は睡眠障害に自覚的に全く気づかない可能性があるがしかし、夜間の多数の極めて短い覚醒または短い覚醒は確かに睡眠を妨げおよび過剰な日中の眠気を引き起こす。別の状況では、患者が入眠する直後に起こる四肢運動は、患者が入眠していることを理解する前に覚醒させる可能性があり、入眠困難があると患者に認識させることに繋がる。
本発明の組成物
本発明の一態様は、鎮静剤およびドーパミン受容体作動薬を含む医薬組成物に関するものであり、前記鎮静剤が、ラセミ体ゾピクロン、光学的に純粋な(S)−ゾピクロン、光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロン、インディプロン、ゾルピデム、ザレプロンおよびガボキサドール、あるいはそれらいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択され;且つ、前記ドーパミン受容体作動薬が、アマンタジン、アポモルフィン、ブロモクリプチン、カベルゴリン、カルモキシロール、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、ドペキサミン、フェノルドパム、イボパミン、レルゴトリル、リスリド、メマンチン、メスレルギン、ペルゴリド、ピリベジル、プラミペキソール、キナゴリド、ロピニロール、ロキシンドールおよびタリペキソール、あるいはそれらいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択されることを特徴とする。
一部の実施形態では、本発明は、前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロンおよび光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロン、あるいはそのいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択されることを特徴とする前述の医薬組成物に関する。
一部の実施形態では、本発明は、前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする前述の医薬組成物に関する。
一部の実施形態では、本発明は、前記ドーパミン受容体作動薬が、アポモルフィン、ブロモクリプチン、カベルゴリン、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、リスリド、ペルゴリド、プラミペキソールおよびロピニロール、あるいはそれらいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択されることを特徴とする前述の医薬組成物に関する。
一部の実施形態では、本発明は、前記ドーパミン受容体作動薬が、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする前述の医薬組成物に関する。
一部の実施形態では、本発明は、前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロンまたは光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であり;且つ、前記ドーパミン受容体作動薬が、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする前述の医薬組成物に関する。
一部の実施形態では、本発明は、前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であり;且つ、前記ドーパミン受容体作動薬が、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする前述の医薬組成物に関する。
一部の実施形態では、本発明は、前記医薬組成物が、少なくとも1つの医薬品として許容されるキャリヤーをさらに含むことを特徴とする前述の医薬組成物に関する。
本発明の別の一態様は、鎮静剤、ドーパミン受容体作動薬、および少なくとも1つの医薬品として許容されるキャリヤーから実質的に成る医薬組成物に関するものであり、前記鎮静剤が、ラセミ体ゾピクロン、光学的に純粋な(S)−ゾピクロン、光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロン、インディプロン、ゾルピデム、ザレプロンおよびガボキサドール、あるいはそれらいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択され;且つ、前記ドーパミン受容体作動薬が、アマンタジン、アポモルフィン、ブロモクリプチン、カベルゴリン、カルモキシロール、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、ドペキサミン、フェノルドパム、イボパミン、レルゴトリル、リスリド、メマンチン、メスレルギン、ペルゴリド、ピリベジル、プラミペキソール、キナゴリド、ロピニロール、ロキシンドールおよびタリペキソール、あるいはそれらいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択されることを特徴とする。
一部の実施形態では、本発明は、前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロンおよび光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロン、あるいはそのいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択されることを特徴とする前述の医薬組成物に関する。
一部の実施形態では、本発明は、前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする前述の医薬組成物に関する。
一部の実施形態では、本発明は、前記ドーパミン受容体作動薬が、アポモルフィン、ブロモクリプチン、カベルゴリン、光学的に純粋な光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、リスリド、ペルゴリド、プラミペキソールおよびロピニロール、あるいはそれらいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択されることを特徴とする前述の医薬組成物に関する。
一部の実施形態では、本発明は、前記ドーパミン受容体作動薬が、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする前述の医薬組成物に関する。
一部の実施形態では、本発明は、前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロンまたは光学的に純粋な(6')−N−デスメチルゾピクロン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物、または水和物であり;且つ、前記ドーパミン受容体作動薬が、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする前述の医薬組成物に関する。
一部の実施形態では、本発明は、前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であり;且つ、前記ドーパミン受容体作動薬が、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする前述の医薬組成物に関する。
本発明の方法
本発明の一態様は、肢静止不能症候群または周期性四肢運動障害に罹患した患者を治療する方法に関するものであり、治療を必要とする患者に治療上有効な量の鎮静剤およびドーパミン受容体作動薬を同時投与する工程を含み、鎮静剤がラセミ体ゾピクロン、光学的に純粋な(S)−ゾピクロン、光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロン、インディプロン、ゾルピデム、ザレプロンおよびガボキサドール、あるいはそれらいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択され;且つ、ドーパミン受容体作動薬が、アマンタジン、アポモルフィン、ブロモクリプチン、カベルゴリン、カルモキシロール、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、ドペキサミン、フェノルドパム、イボパミン、レルゴトリル、リスリド、メマンチン、メスレルギン、ペルゴリド、ピリベジル、プラミペキソール、キナゴリド、ロピニロール、ロキシンドールおよびタリペキソール、あるいはそれらのうちいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択されることを特徴とする。
一部の実施形態では、本発明は、前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロンおよび光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロン、あるいはそのいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択されることを特徴とする前述の方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする前述の方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、前記ドーパミン受容体作動薬が、アポモルフィン、ブロモクリプチン、カベルゴリン、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、リスリド、ペルゴリド、プラミペキソールおよびロピニロール、あるいはそれらいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択されることを特徴とする前述の方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、前記ドーパミン受容体作動薬が、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする前述の方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロンまたは光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であり;且つ、前記ドーパミン受容体作動薬が、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする前述の方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であり;且つ、前記ドーパミン受容体作動薬が、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする前述の方法に関する。
本発明の別の一態様は、睡眠異常の患者を治療する方法に関するものであり、治療を必要とする患者に治療上有効な量の鎮静剤およびドーパミン受容体作動薬を同時投与する工程を含み、鎮静剤が、ラセミ体ゾピクロン、光学的に純粋な(S)−ゾピクロン、光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロン、インディプロン、ゾルピデム、ザレプロン、およびガボキサドール、あるいはそれらいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択され;且つ、ドーパミン受容体作動薬が、アマンタジン、アポモルフィン、ブロモクリプチン、カベルゴリン、カルモキシロール、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、ドペキサミン、フェノルドパム、イボパミン、レルゴトリル、リスリド、メマンチン、メスレルギン、ペルゴリド、ピリベジル、プラミペキソール、キナゴリド、ロピニロール、ロキシンドールおよびタリペキソール、あるいはそれらいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択されることを特徴とする。
一部の実施形態では、本発明は、前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロンおよび光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロン、あるいはそのいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択されることを特徴とする前述の方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする前述の方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、前記ドーパミン受容体作動薬が、アポモルフィン、ブロモクリプチン、カベルゴリン、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、リスリド、ペルゴリド、プラミペキソールおよびロピニロール、あるいはそれらいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択されることを特徴とする前述の方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、前記ドーパミン受容体作動薬が、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする前述の方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロンまたは光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であり;且つ、前記ドーパミン受容体作動薬が、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする前述の方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であり;且つ、前記ドーパミン受容体作動薬が、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする前述の方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、前記睡眠異常が入眠困難、覚醒維持困難、または早すぎる覚醒であることを特徴とする前述の方法に関する。
即放性/徐放性併用療法剤形
併用療法は即放性剤形または徐放性剤形に製剤化できる。一部の実施形態では、本発明は、第一および第二の治療剤の即放性剤形に関する。即放性剤形は、錠剤またはカプセル封入しうる多微粒子として製剤化できる。本分野で公知である他の即放性剤形を用いることができる。一部の実施形態では、治療剤の組み合わせを製剤化して、治療作用の持続時間の延長(徐放性)を提供できる。これらの製剤は、従来の即放性薬剤と同等の一日用量で、しばしば薬剤の有害作用の発生率または重症度がより低い;およびそれらはまた、治療活性を維持する一方で従来の経口薬剤よりも低い一日用量で投与できる。
一部の実施形態では、併用療法は、治療剤を同時にまたは別々の時に送るように製剤化できる。一部の実施形態では、第一および第二の治療剤は徐放性キャリヤーを含む経口固体剤形によって投与され、剤形が胃腸液に接触する際に、第一の治療剤、または第一の治療剤および第二の治療剤の両方の徐放性を生じる。徐放性剤形は、薬剤を含む複数の物質を含みうる。その物質は、マトリクス球を含むことができ、または薬剤でコーティングされた医薬品として許容される不活性なビーズを含みうる。コーティングされたビーズは継いで好ましくは、徐放性キャリヤーを含む徐放性コーティングでさらに上からコーティングされる。マトリクス球は、マトリクス自体の中に徐放性キャリヤーを含みうる;またはマトリクスは、薬剤を含む通常放出性マトリクスを含むことができ、マトリクスには徐放性キャリヤーを含むコーティングがその上に施されている。他の実施形態では、経口固体剤形は、通常放出性マトリクス内に薬剤を含む錠剤コアを含み、錠剤コアは徐放性キャリヤーを含む徐放性コーティングでコーティングされている。別の実施形態では、錠剤は徐放性キャリヤーを含む徐放性マトリクス内に薬剤を含む。別の実施形態では、錠剤は徐放性マトリクス内に第一の治療剤を含み、および第二の治療剤は即放性層として錠剤にコーティングされている。
「徐放性」の語は、本発明の目的のために、血中(たとえば、血漿中)濃度(レベル)が治療範囲内(最小有効鎮痛濃度または「MEAC」以上)であるが毒性レベル未満に、約12時間以上の期間にわたって維持されるような速度での、製剤からの治療剤の放出と定義される。
第一および第二の治療剤は、当業者に公知である任意の適当な錠剤、コーティング錠剤または多微粒子製剤で放出調節性または徐放性経口製剤として製剤化できる。徐放性剤形は、有効成分と共にマトリクス中に組み込まれた、または徐放性コーティングとして適用された、徐放性キャリヤーを必要に応じて含みうる。
徐放性剤形は、第一の治療剤を徐放形で、および第二の治療剤を徐放形または即放形で含みうる。第一の治療剤は徐放性マトリクスへ、第二の治療剤と共に組み込まれうる;徐放性コーティングへ組み込まれうる;別々の徐放層または即放層として組み込まれうる;または本発明の物質と共にゼラチンカプセル中に、粉末、顆粒などとして組み込まれうる。代替的に、徐放性剤形は、第一の治療剤を徐放形で、および第二の治療剤を徐放形または即放形で有しうる。
本発明に記載の経口剤形は、たとえば、顆粒、球、ビーズ、ペレット(以後集合的に「多微粒子」と呼ぶ)および/または粒子として提供されうる。長時間にわたって治療剤の目的の用量を提供するのに有効である量の多微粒子を、カプセルに入れることができ、または任意の他の適当な経口固体形に組み込むことができる。本発明の1つの特定の実施形態では、徐放性剤形は、粒子が約0.1mmないし約2.5mm、好ましくは約0.5mmないし約2mmの直径を有することを特徴とする、有効成分を含むかまたは構成する粒子を含む。
一部の実施形態では、粒子は第一の治療剤を第二の治療剤と共に含む通常放出性マトリクスを構成する。これらの粒子は次いで、第一の治療剤が直ちに放出される実施形態では徐放性キャリヤーでコーティングされ、第一の治療剤は別々の通常放出性マトリクス粒子に含めることができ、またはゼラチンカプセル内に封入されるかまたは別々に投与される、別々の即放性組成物で同時投与できる。他の実施形態では、粒子は第一の治療剤と共に第二の治療剤でコーティングされた不活性ビーズを構成する。その後、徐放性キャリヤーを含むコーティングがビーズ上にオーバーコーティングとして適用される。
粒子は好ましくは、有効成分の持続的速度での水系媒体中への放出を可能にする材料でフィルムコーティングされる。フィルムコーティングは、他の記載の性質と組み合わせて、目的のin vitro放出速度を達成するように選択される。本発明の徐放性コーティング製剤は、滑らかでおよび美しく、色素およびその他のコーティング添加剤を担持することができ、無毒性、不活性、および非粘着性である、丈夫な連続フィルムを製することができるべきである。
コーティング
本発明の剤形は、放出の調節にまたは製剤の保護に適した1以上の材料で、必要に応じて被覆しうる。一実施形態では、コーティングは、たとえば胃腸液へ曝露される際にpH依存性またはpH非依存性放出を可能にするために与えられる。pH依存性コーティングは、少なくとも約12時間および好ましくは最大24時間の治療的利益を患者に提供できる吸収プロファイルが与えられるように、第一の有効成分、第二の有効成分、または両方を、消化管、たとえば胃または小腸といった消化管の目的の領域で放出させる役割を果たす。pH非依存性コーティングが望まれる場合には、コーティングは、たとえば胃腸管で周囲の液のpH変化にかかわらず最適放出を達成するように設計される。また、消化管の1つの目的領域たとえば胃で用量の一部を放出し、および消化管の別の目的領域たとえば小腸で用量の残りを放出する組成物を製剤化することもまた可能である。一部の実施形態では、第一の治療剤は消化管の1つの領域で放出され、および第二の治療剤は消化管の第二の領域で放出される。一部の実施形態では、第一および第二の治療剤は消化管の同一の位置でほぼ等量放出される。
pH依存性コーティングを利用して製剤を得る本発明に記載の製剤はまた、反復作用効果を与えることができ、それによって、保護されていない薬剤が腸溶コーティング上にコーティングされ、および胃で放出され、一方で腸溶コーティングで保護されている残りが、消化管のさらに下部で放出される。本発明に従って用いることができるpH依存性であるコーティングは、シェラック、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ポリ酢酸フタル酸ビニル(PVAP)、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびメタクリル酸エステル共重合体、ゼイン、などを含む。従って、本発明の一態様は、第一の治療剤が腸溶コーティングの上にコーティングされおよび胃内へ放出され、一方で第二の治療剤は腸溶コーティングによって保護されおよび消化管のさらに下部で放出されることを特徴とする製剤に関する。代替的に、本発明の一態様は、第二の治療剤が腸溶コーティングの上にコーティングされおよび胃内へ放出され、一方で第一の治療剤は腸溶コーティングによって保護されおよび消化管のさらに下部で放出されることを特徴とする製剤に関する。
一部の好ましい実施形態では、第一の治療剤(第二の治療剤を伴うかまたは伴わない)を含む基材(たとえば、錠剤コアビーズ、マトリクス粒子)は、(i)アルキルセルロース;(ii)アクリルポリマー;または(iii)その混合物から選択される疎水性材料でコーティングされる。コーティングは、有機溶媒または水への溶液または分散液の形で適用できる。コーティングは、目的の徐放性プロファイルを得るために、基材の約2ないし約25%の増量を得るように適用できる。代替的に、本発明は、第二の治療剤(第一の治療剤を伴うかまたは伴わない)を含む基材(たとえば、錠剤コアビーズ、マトリクス粒子)が疎水性材料でコーティングされることを特徴とする場合に関する。そのような製剤は、たとえば、米国特許第5,273,760号および第5,286,493号明細書に詳細に記載されている。本発明に従って用いることができる徐放性製剤およびコーティングのその他の例は、米国特許第5,324,351号;第5,356,467号,および第5,472,712号明細書を含む。
アルキルセルロースポリマー
アルキルセルロースを含むセルロース系材料およびポリマーは、本発明に記載の製剤をコーティングするのによく適した疎水性材料を提供する。単に一例として、1つの好ましいアルキルセルロース系ポリマーはエチルセルロースであるが、当業者は他のセルロースおよび/またはアルキルセルロースポリマーを単独でまたは任意の組み合わせで、疎水性コーティングの全部または一部として、容易に使用しうることを理解する。
エチルセルロースの1つの市販の水系分散液がAquacoat(登録商標)(FMC Corp.,Philadelphia,Pa.,U.S.A.)である。Aquacoatは、エチルセルロースを水に非混和性の有機溶媒に溶解し、および次いでそれを界面活性剤および安定剤の存在下で水と乳化することによって調製される。ミクロン未満の小滴を生じるホモジナイズ後、有機溶媒を減圧下で蒸発させて擬似ラテックスを形成する。可塑剤は製造期中に擬似ラテックスに組み込まれない。従って、コーティングとしてそれを使用する前に、Aquacoatを適当な可塑剤と使用前によく混合する必要がある。
エチルセルロースの別の水系分散液がSurelease(登録商標)(Colorcon,Inc.,West Point,Pa.,U.S.A.)として市販されている。この製品は、製造工程中に可塑剤を分散液に組み込むことによって調製される。ポリマー、可塑剤(セバシン酸ジブチル)、および安定剤(オレイン酸)のホットメルトを均一な混合物として調製し、それを次いでアルカリ溶液で希釈して、基材へ直接適用できる水系分散液を得る。
アクリルポリマー
本発明の他の好ましい実施形態では、徐放性コーティングを構成する疎水性材料は、アクリル酸およびメタクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸エトキシエチル、メタクリル酸シアノエチル、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミド共重合体、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリメタクリル酸、ポリ(メタクリル酸メチル)共重合体、ポリアクリルアミド、メタクリル酸アミノアルキル共重合体、ポリ(メタクリル酸無水物)、およびメタクリル酸グリシジル共重合体を含むがそれらに限定されない、医薬品として許容されるアクリルポリマーである。
一部の好ましい実施形態では、アクリルポリマーは1つ以上のアンモニオメタクリル酸共重合体から成る。アンモニオメタクリル酸共重合体は本分野でよく知られており、および低含量の四級アンモニウム基を含むアクリル酸およびメタクリル酸エステルの共重合体である。目的の溶解プロファイルを得るため、中性アクリル(メタクリル)エステルに対する四級アンモニウム基の異なるモル比といった異なる物理的性質を有する2つ以上のアンモニオメタクリル酸共重合体をコーティングに組み込む必要がありうる。
ある種のメタクリル酸エステル型ポリマーは、本発明に従って使用しうるpH依存性コーティングを調製するために有用である。たとえば、Eudragit(登録商標)としてRohm Tech,Inc.から市販されている、メタクリル酸ジエチルアミノエチルおよび他の中性メタクリルエステルから合成される共重合体のファミリー、別名メタクリル酸共重合体またはメタクリル酸ポリマーがある。いくつかの異なる種類のEudragitがある。たとえば、EudragitEは酸性媒体中で膨張および溶解するメタクリル酸共重合体の一例である。EudragitLは約pH<5.7では膨張せずおよび約pH>6で可溶であるメタクリル酸共重合体である。EudragitSは約pH<6.5では膨張せずおよび約pH>7で可溶である。EudragitRLおよびEudragitRSは水で膨張可能であり、およびこれらのポリマーによって吸収される水の量はpH依存性であるが、しかし、EudragitRLおよびRSでコーティングされた剤形はpH非依存性である。
一部の好ましい実施形態では、アクリルコーティングは、Rohm PharmaからそれぞれEudragit RL30DおよびEudragit RS30Dの商標名で市販されている二種類のアクリル樹脂ラッカーの混合物を構成する。Eudragit RL30D およびEudragit RS30Dは、低含量の四級アンモニウム基を含むアクリル酸およびメタクリル酸エステルの共重合体であり、アンモニウム基の残りの中性アクリル(メタクリル)エステルに対するモル比は、EudragitRL30Dで1:20、およびEudragitRS30Dで1:40である。平均分子量は約150,000である。コード表示RL(高透過性)およびRS(低透過性)はこれらの物質の透過性をいう。Eudragit RL/RS混合物は水および消化液に不溶である。しかし、それから作製したコーティングは、水および消化液中で膨張可能および透過性である。
本発明のEudragitRL/RS分散液は、望ましい溶解プロファイルを有する徐放性製剤を得るために、任意の希望する比で混合できる。望ましい徐放性製剤は、たとえば、100%EudragitRL、50%EudragitRLおよび50%EudragitRS、および10%EudragitRL:Eudragit90%RSに由来する遅延性コーティングから得ることができる。もちろん、当業者は、たとえばEudragitLといった他のアクリルポリマーもまた使用しうることを認識する。
可塑剤
コーティングが疎水性材料の水系分散液を構成する本発明の実施形態では、有効量の可塑剤を疎水性材料の水系分散液に含めることは、徐放性コーティングの物理的性質をさらに改善する。たとえば、エチルセルロースは相対的に高いガラス転移温度を有しおよび通常のコーティング条件下では可塑性のフィルムを形成しないため、徐放性コーティングを含むエチルセルロースコーティングへ、それをコーティング材料として用いる前に、可塑剤を組み込むことが好ましい。一般的に、コーティング溶液に含まれる可塑剤の量は、フィルム形成物質の濃度に基づき、たとえば、ほとんどの場合フィルム形成物質の重量の約1ないし約50パーセントである。可塑剤の濃度は、しかし、特定のコーティング溶液および適用方法についての注意深い実験後に初めて適切に決定されうる。
エチルセルロースに適する可塑剤の例は、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、およびトリアセチンといった水に不溶性の可塑剤を含むが、他の水に不溶性の可塑剤(たとえばアセチル化モノグリセリド、フタル酸エステル、ヒマシ油など)もまた使用できる。クエン酸トリエチルは、本発明のエチルセルロースの水系分散液にとくに好ましい可塑剤である。
本発明のアクリルポリマーに適する可塑剤の例は、クエン酸トリエチルNF XVI、クエン酸トリブチルといったクエン酸エステル、フタル酸ジブチル、およびおそらく1,2−プロピレングリコールを含むがそれらに限定されない。Eudragit RL/RSラッカー溶液のようなアクリルフィルムから形成されたフィルムの可塑性を高めるのに適していることが証明されている他の可塑剤は、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、フタル酸ジエチル、ヒマシ油、およびトリアセチンを含む。クエン酸トリエチルは、本発明のエチルセルロースの水系分散液にとくに好ましい可塑剤である。
少量のタルクの添加が、処理中に水系分散液が粘着する傾向を低減し、およびつや出し剤として作用することがさらに見出されている。
コーティングビーズを調製するための製法
疎水性材料の水系分散液を用いてnu pareil 18/20ビーズのような医薬用不活性ビーズをコーティングする場合、複数の結果として生じる安定化された固体徐放性ビーズを、その後、消化されおよびたとえば胃液または溶媒のような周囲の液体と接触する際に有効な徐放用量を提供する量で、ゼラチンカプセルに入れることができる。
本発明の安定化された徐放性ビーズ製剤は、たとえば、消化されおよび胃液に、および次いで腸液に曝露される際に、治療的に有効な成分を徐々に放出する。本発明の製剤の徐放性プロファイルは、たとえば、疎水性材料の水系分散液を含むオーバーコーティングの量を変えることによって、可塑剤を疎水性材料の水系分散液に加える方法を変えること、疎水性材料と相対的に可塑剤の量を変えることによって、追加の成分または添加物の添加によって、製造の方法を変えること、などによって変えることができる。最終製品の溶解プロファイルはまた、たとえば、遅延性コーティングの厚みを増加または減少させることによって改変できる。
治療上有効な成分でコーティングされた球またはビーズは、たとえば、治療上有効な成分を水に溶解しおよび次いでその溶液をたとえばnu pariel 18/20ビーズのような基材上に、Wusterインサートを用いて噴霧することによって調製される。必要に応じて、有効成分のビーズへの結合を補助するために、および/または溶液を着色するためなどに、追加の成分もまたビーズをコーティングする前に添加される。たとえば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどを着色料(たとえば、Opadry(登録商標)、Colorcon,Inc.より市販)と共にまたは無しで含む製品を溶液に添加しおよびビーズへの使用前にその溶液を混合できる(たとえば、約1時間)。結果として生じたコーティングされた基材、この例ではビーズは、次いで必要に応じて、治療上有効な成分を疎水性徐放性コーティングから分離するため、バリア剤でオーバーコーティングされうる。適当なバリア剤の一例は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むものである。しかし、本分野で公知である任意のフィルム形成剤を用いることができる。バリア剤は最終製品の溶解速度に影響しないことが好ましい。
ビーズを次いで、疎水性材料の水系分散液でオーバーコーティングできる。疎水性材料の水系分散液は、好ましくはさらに、有効量の可塑剤、たとえばクエン酸トリエチルを含む。Aquacoat(登録商標)またはSurelease(登録商標)のような、エチルセルロースの予め製剤化された水系分散液を使用できる。Sureleaseを使用する場合は、別途に可塑剤を加える必要は無い。代替的に、Eudragit(登録商標)のような、アクリルポリマーの予め製剤化された水系分散液を使用できる。
本発明のコーティング溶液は、好ましくは、フィルム形成剤、可塑剤、および溶媒系(すなわち水)に加えて、美しさおよび製品の識別を与える着色料を含む。色は、疎水性材料の水系分散液の代わりに、またはそれに加えて、治療上有効な成分の溶液へ加えることができる。たとえば、色をAquacoat(登録商標)へアルコールまたはプロピレングリコール系色素分散液、粉末化アルミニウムレーキおよび二酸化チタンのような乳白剤の使用によって、せん断力で水溶性ポリマー溶液へ加えおよび次いで低せん断力を用いて可塑化Aquacoatへ加える。代替的に、本発明の製剤を着色する任意の適当な方法を用いることができる。製剤に着色するのに適した成分は、アクリルポリマーの水系分散液が用いられる場合、二酸化チタンおよび、酸化鉄色素のような色素を含む。色素の組み込みは、しかし、コーティングの遅延作用を増大しうる。
疎水性材料の可塑化された水系分散液は、本分野で公知である任意のスプレー器具を用いて噴霧することによって基材上に塗布できる。好ましい方法では、アクリルポリマーコーティングが吹き付けられる一方、下から注入される空気ジェットがコア材料を流動化および乾燥させる、Wurster流動床系が用いられる。疎水性材料の水系分散液の、前記コーティング基材がたとえば胃液といった水溶液に曝露される際に前記治療上の有効成分の規定の徐放性を得るために十分な量が、治療上有効な成分の物理的特徴、可塑剤の組み込み方法、などを考慮して、好ましくは塗布される。疎水性材料を用いたコーティング後、さらにたとえばOpadry(登録商標)のようなフィルム形成剤のオーバーコーティングが必要に応じてビーズに塗布される。このオーバーコーティングを与える場合には、ビーズの凝塊形成を実質的に低減するために与えられる。
本発明の徐放性製剤からの治療上有効な成分の放出は、1以上の放出修飾剤の添加によって、またはコーティングを通る1以上の通路を与えることによってさらに影響すなわち調整できる。疎水性材料の水溶性材料に対する比は、他にも要因はあるが、必要な放出速度および選択された材料の溶解度特性によって決定される。
孔形成剤として機能する放出修飾剤は、有機でも無機でもよく、および使用環境でコーティングから溶解、抽出、または浸出できる材料を含む。孔形成剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースといった1以上の親水性材料を含みうる。
本発明の徐放性コーティングはまた、デンプンおよびゴムといった腐食促進剤を含みうる。
本発明の徐放性コーティングはまた、ポリマー鎖中で炭酸基が再び生じる炭酸の直鎖ポリエステルから成るポリカーボネートといった、使用環境中で微小多孔性膜を作製するのに有用である材料を含みうる。放出修飾剤はまた、半透性ポリマーを含みうる。
一部の好ましい実施形態では、放出修飾剤はヒドロキシプロピルメチルセルロース、乳糖、ステアリン酸金属塩、および前記のうちいずれかの混合物から選択される。
本発明の徐放性コーティングはまた、少なくとも1つの通路、開口部、などを含む流出手段を含みうる。通路は、米国特許第3,845,770号;第3,916,889号;第4,063,064号;および第4,088,864号明細書に開示されるような方法によって形成されうる。通路は、円形、三角形、四角形、楕円形、不規則形、などといった任意な形を有しうる。
マトリクスビーズ製剤
本発明の他の実施形態では、徐放性製剤は、上記に示すような徐放性コーティングを有するマトリクスによって達成される。本発明はまた、有効成分の好ましい範囲内のin−vitro溶解速度を与え、および有効成分をpH依存性またはpH非依存性に放出する、徐放性マトリクスを利用しうる。徐放性マトリクスに含めるのに適した材料は、マトリクスを形成するのに用いる方法に応じて決まる。
たとえば、第一の有効成分および(必要に応じて)第二の有効成分に加えるマトリクスは下記を含みうる:(1)親水性および/または疎水性材料、たとえばゴム、セルロースエーテル、アクリル樹脂、タンパク質由来材料;本リストは限定的でないことを意図し、および、有効成分の徐放性を与えることができおよび溶解する(または押出に十分な程度に軟化する)医薬品として許容される任意の疎水性材料または親水性材料を、本発明に従って使用しうる。(2)消化可能な、長鎖(C〜C50、特にC12〜C40)、置換または非置換炭化水素、たとえば脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪酸のグリセリルエステル、鉱物油および植物油およびロウ、およびステアリルアルコール;およびポリアルキレングリコール。
疎水性材料は好ましくは、アルキルセルロース、アクリルおよびメタクリル酸ポリマーおよび共重合体、シェラック、ゼイン、水素添加ヒマシ油、水素添加植物油、またはその混合物より成る群から選択される。本発明の一部の好ましい実施形態では、疎水性材料は、アクリル酸およびメタクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸エトキシエチル、メタクリル酸シアノエチル、メタクリル酸アミノアルキル共重合体、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミン共重合体、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸)(無水物)、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリ(メタクリル酸無水物)、およびメタクリル酸グリシジル共重合体を含むがそれらに限定されない、医薬品として許容されるアクリルポリマーである。他の実施形態では、疎水性材料は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースといったヒドロキシアルキルセルロースのような材料および前記のものの混合物から選択される。
好ましい疎水性材料は、非水溶性であり、多少強い親水性および/または疎水性傾向を有する。好ましくは、本発明に有用である疎水性材料は、約30ないし約200℃、好ましくは約45ないし約90℃の融点を持つ。具体的には、疎水性材料は、天然または合成ロウ、脂肪アルコール(たとえばラウリル、ミリスチル、ステアリル、セチルまたは好ましくはセトステアリルアルコール)、脂肪酸エステルを含むがそれに限定されない脂肪酸、脂肪酸グリセリド(モノ、ジ、およびトリグリセリド)、水素添加脂肪、炭化水素、直鎖ロウ、ステアリン酸、ステアリルアルコール、および炭化水素骨格を有する疎水性および親水性材料を含みうる。適当なロウは、たとえば、ミツロウ、糖ロウ、ヒマシ油ロウおよびカルナウバロウを含む。本発明の目的のためには、ロウ様物質は、室温にて通常は固体でありおよび約30ないし約100℃の融点を持つ任意の材料と定義される。
本発明に従って使用できる適当な疎水性材料は、消化可能な、長鎖(C〜C50、特にC12〜C40)、置換または非置換炭化水素、たとえば脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪酸のグリセリルエステル、鉱物油および植物油、および天然および合成ロウを含む。25ないし90℃の融点を持つ炭化水素が好ましい。長鎖炭化水素材料のうち、脂肪(脂肪族)アルコールが一部の実施形態では好ましい。経口剤形は、最大60%(重量で)の少なくとも1つの消化可能な長鎖炭化水素を含みうる。
一部の場合には、2つ以上の疎水性材料の組み合わせがマトリクス製剤に含まれる。追加の疎水性材料が含まれる場合は、天然および合成ロウ、脂肪酸、脂肪アルコール、およびその混合物から選択されうる。例は、ミツロウ、カルナウバロウ、ステアリン酸およびステアリルアルコールを含む。本リストは限定的でないことを意図する。
1つの具体的な適当なマトリクスは、少なくとも1つの水溶性ヒドロキシアルキルセルロース、少なくとも1つのC12〜C36、好ましくはC14〜C22脂肪族アルコールおよび、必要に応じて、少なくとも1つのポリアルキレングリコールを含む。その少なくとも1つのヒドロキシアルキルセルロースは、好ましくはヒドロキシ(CからC)アルキルセルロース、たとえばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび、特に、ヒドロキシエチルセルロースである。その少なくとも1つのヒドロキシアルキルセルロースの、本経口剤形中の量は、特に、治療剤に望まれる正確な放出速度によって決定される。その少なくとも1つの脂肪族アルコールは、たとえば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコールまたはステアリルアルコールでありうる。本経口剤形の一部の実施形態では、しかし、その少なくとも1つの脂肪族アルコールはセチルアルコールまたはセトステアリルアルコールである。本経口剤形中の少なくとも1つの脂肪族アルコールの量は、上記のように、治療剤に望まれる正確な放出速度によって決定される。それはまた、経口剤形中に少なくとも1つのポリアルキレングリコールが存在するか存在しないかに依存する。少なくとも1つのポリアルキレングリコールの非存在下では、経口剤形は好ましくは20%ないし50%(重量で)の少なくとも1つの脂肪族アルコールを含む。少なくとも1つのポリアルキレングリコールが経口剤形中に存在するならば、少なくとも1つの脂肪族アルコールおよび少なくとも1つのポリアルキレングリコールの合計重量は、好ましくは総用量の20%ないし50%(重量で)を構成する。
一実施形態では、たとえば、少なくとも1つのヒドロキシアルキルセルロースまたはアクリル樹脂の、少なくとも1つの脂肪族アルコール/ポリアルキレングリコールに対する比は、製剤からの有効成分の放出速度を相当な程度決定する。少なくとも1つのヒドロキシアルキルセルロースの、少なくとも1つの脂肪族アルコール/ポリアルキレングリコールに対する比1:2ないし1:4が好ましく、比1:3ないし1:4が特に好ましい。
その少なくとも1つのポリアルキレングリコールは、たとえば、ポリプロピレングリコールまたは、好ましいのは、ポリエチレングリコールでありうる。少なくとも1つのポリアルキレングリコールの平均分子量は、1,000ないし15,000、特に1,500ないし12,000が好ましい。別の適当な徐放性マトリクスは、アルキルセルロース(特にエチルセルロース)、C12〜C36脂肪族アルコールおよび、必要に応じて、ポリアルキレングリコールを含む。別の好ましい一実施形態では、マトリクスは少なくとも2つの疎水性材料の医薬品として許容される組み合わせを含む。上記の成分に加えて、徐放性マトリクスはまた、医薬分野で従来の、適当な量のその他の材料、たとえば希釈剤、滑沢剤、結合剤、造粒補助剤、着色料、香料および滑剤を含みうる。
医薬組成物
別の一態様では、本発明は、1以上の医薬品として許容されるキャリヤー(添加剤)および/または希釈剤と共に製剤化された、1以上の上記の化合物の治療上有効な量を含む、医薬品として許容される組成物を提供する。下記に詳細に示す通り、本発明の医薬組成物は、下記に適合させたものを含む固体または液体の形での投与のために特に製剤化することができる:(1)経口投与、たとえば、水薬(水系または非水系液剤または懸濁剤)、錠剤、たとえば、口腔、舌下、および全身吸収を目的とするもの、ボーラス、散剤、顆粒剤、舌への投与用のペースト;(2)非経口投与、たとえば皮下、筋肉内、静脈内または硬膜外注射によって、たとえば、滅菌液剤または懸濁剤、または徐放性製剤として;(3)局所使用、たとえば、皮膚に使用するクリーム、軟膏、または徐放性パッチまたはスプレーとして;(4)膣内にまたは直腸内に、たとえば、ペッサリー、クリーム、または泡として;(5)舌下に;(6)眼に;(7)経皮で;または(8)経鼻で。
ここで用いられる「治療上有効な量」の語句は、本発明の化合物を含む化合物、材料、または組成物が、任意の医療処置に適用可能な合理的な利益/リスク比で、少なくとも、動物の中の細胞の部分集団において何らかの目的の治療効果を生じるために有効である量を意味する。
「医薬品として許容される」の語句はここでは、健全な医療上の判断の範囲内で、ヒトおよび動物の組織と接触させる使用に適当であり、過剰な毒性、刺激性、アレルギー反応、またはその他の問題または合併症がなく、合理的な利益/リスク比に相応した、化合物、材料、組成物、および/または剤形をいうのに用いられる。
ここで用いられる「医薬品として許容されるキャリヤー」の語句は、医薬品として許容される材料、組成物、または媒体、たとえば液体または固体増量剤、希釈剤、添加物、製造補助剤(たとえば、滑沢剤、タルクマグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸亜鉛、またはステアリン酸)、または、1つの臓器または身体の部分から、別の臓器または身体の部分へ、当該化合物を運搬または輸送するのに関与する材料を封入する溶媒を意味する。各キャリヤーは、製剤のその他の成分と適合性であり患者に有害でないという意味で「許容される」ものでなければならない。医薬品として許容されるキャリヤーとして用いることができる材料の一部の例は下記を含む: 1)糖類、たとえば乳糖、グルコースおよびスクロース;(2)デンプン、たとえばトウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン;(3)セルロース、およびその誘導体、たとえばナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、および酢酸セルロース;(4)トラガント末;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)添加物、たとえばカカオ脂および坐剤ロウ;(9)油、たとえば落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、および大豆油;(10)グリコール、たとえばプロピレングリコール;(11)ポリオール、たとえばグリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコール;(12)エステル、たとえばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;(13)寒天;(14)緩衝剤、たとえば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;(15)アルギン酸;(16)パイロジェンフリー水;(17)等張生理食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)pH緩衝溶液;(21)ポリエステル、ポリカーボネートおよび/またはポリ無水物;および(22)医薬製剤に用いられるその他の無毒性の適合性物質。
上記に示す通り、本化合物の一部の実施形態は、アミノまたはアルキルアミノといった塩基性官能基を含むことができ、および、したがって医薬品として許容される酸と共に、医薬品として許容される塩を形成することができる。「医薬品として許容される塩」の語はこの点で、本発明の化合物の、相対的に無毒性の、無機および有機酸付加塩をいう。これらの塩は、in situで投与媒体中で、または剤形製造過程で、または精製した本発明の化合物を遊離塩基の形で、適当な有機酸または無機酸と別々に反応させ、およびそのように生じた塩を続く精製の間に単離することによって、調製することができる。代表的な塩は、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリル酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフテン酸塩、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、およびラウリルスルホン酸塩などを含む(たとえば、Berge et al.(1977)"Pharmaceutical Salts”,J.Pharm.Sci.66: 1−19を参照) 。
本化合物の医薬品として許容される塩は、たとえば、無毒性の有機酸または無機酸からの、従来の無毒性塩またはその化合物の第四級アンモニウム塩を含む。たとえば、そのような従来の無毒性塩は、たとえば塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸、などといった無機酸に由来するもの;および有機酸、たとえば酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イソチオ酸などといった有機酸から調製された塩を含む。
別の場合には、本発明の化合物は一個以上の酸性官能基を含むことができ、および、したがって、医薬品として許容される塩基と、医薬品として許容される塩を形成することができる。「医薬品として許容される塩」の語はこの場合、本発明の化合物の、相対的に無毒性の、無機および有機塩基付加塩をいう。これらの塩は同様に、in situで投与媒体中で、または剤形製造過程で、または精製した本化合物を遊離酸の形で、たとえば医薬品として許容される金属陽イオンの水酸化物、炭酸塩、または重炭酸塩といった適当な塩基と、アンモニアと、または医薬品として許容される有機一級、二級、または三級アミンと、別々に反応させることによって調製することができる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類塩は、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびアルミニウム塩などを含む。塩基付加塩の形成に有用である代表的な有機アミンは、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジンなどを含む。(たとえば、Berge et al.,上記を参照)
湿潤剤、乳化剤、および滑沢剤、たとえばラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム、および着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味料、香料、保存料および酸化防止剤もまた、本組成物中に存在しうる。
医薬品として許容される酸化防止剤の例は下記を含む:(1)水溶性酸化防止剤、たとえばアスコルビン酸、システイン塩酸塩、重硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど;(2)脂溶性酸化防止剤、たとえばアスコルビン酸パルミチン酸エステル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ−トコフェロール、など;および(3)金属キレート剤、たとえばクエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸、など。
本発明の製剤は、経口、経鼻、局所(口腔および舌下を含む)、直腸内、膣内および/または非経口投与に適当であるものを含む。製剤は単位用量剤形で便利に与えることができ、および薬学の分野でよく知られている任意の方法によって調製することができる。キャリヤー材料と組み合わせて単一用量剤形を製することができる有効成分の量は、治療する宿主、特定の投与形態に応じて変化する。キャリヤー材料と組み合わせて単一用量剤形を製することができる有効成分の量は、一般的に、治療効果を生じる化合物の量となる。一般的に、百パーセントのうち、この量は有効成分の約0.1パーセントから約99パーセント、好ましくは約5パーセントから約70パーセント、非常に好ましくは約10パーセントから約30パーセントの範囲である。
一部の実施形態では、本発明の製剤は、シクロデキストリン、セルロース、リポソーム、ミセル形成剤たとえば胆汁酸、および高分子キャリヤー、たとえば、ポリエステルおよびポリ無水物より成る群から選択された添加物;および本発明の化合物を含む。一部の実施形態では、前述の製剤は、経口的に生物が利用可能な本発明の化合物を与える。
これらの製剤または組成物を調製する方法は、本発明の化合物を、キャリヤーおよび、必要に応じて、1以上の副成分と会合させる工程を含む。一般的に、その製剤は、本発明の化合物を液体キャリヤー、または微細に分割された固体キャリヤー、または両方と均一におよび密に会合させ、その後、必要に応じて、製品を成形することによって調製される。
本発明の経口投与に適した製剤は、それぞれ有効成分として本発明の化合物の規定量を含む、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、トローチ剤(香味つき基剤、通常スクロースおよびアラビアゴムまたはトラガントを用いる)、散剤、顆粒剤の形、または水系または非水系液体中の液剤または懸濁剤として、または水中油型または油中水型液体の乳剤として、またはエリキシル剤またはシロップ剤として、または香錠剤として(不活性基剤、たとえばゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアラビアゴムを用いて)および/または含漱剤としてなどであることができる。本発明の化合物はまた、ボーラス、舐剤、またはペーストとして投与することができる。
経口投与用の本発明の固体剤形(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠剤、散剤、顆粒剤、トローチなど)では、有効成分は、1以上の医薬品として許容されるキャリヤー、たとえばクエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム、および/または下記のうち任意のものと混合される:(1)賦形剤または増量剤、たとえばデンプン、乳糖、スクロース、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸;(2)結合剤、たとえば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアラビアゴム;(3)湿潤剤、たとえばグリセロール;(4)崩壊剤、たとえば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、および炭酸ナトリウム;(5)溶液抑制剤、たとえばパラフィン;(6)吸収加速剤、たとえば四級アンモニウム化合物、および界面活性剤、たとえば、ポロクサマーおよびラウリル硫酸ナトリウム;(7)湿潤剤、たとえば、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセロール、および非イオン性界面活性剤;(8)吸収剤、たとえばカオリンおよびベントナイト粘土;(9)滑沢剤、たとえばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、およびその混合物;(10)着色剤;および(11)徐放剤、たとえばクロスポビドンまたはエチルセルロース。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、医薬組成物はまた緩衝剤を含むことができる。同様の種類の固体組成物もまた、ラクトースすなわち乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールなどといった添加物を用い、硬質および軟質ゼラチンカプセル剤で、賦形剤として用いることができる。
錠剤は、必要に応じて1以上の副成分と共に、圧縮または成形によって製造することができる。圧縮錠剤は、結合剤(たとえば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性な希釈剤、保存料、崩壊剤(たとえば、デンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、界面活性または分散剤を用いて調製することができる。成形錠剤は、不活性な液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を適当な機械で成形することによって製造できる。
本発明の医薬組成物の錠剤、およびその他の固体剤形、たとえば糖衣錠剤、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤は、必要に応じてコーティングおよび被覆、たとえば腸溶コーティングおよび医薬製剤技術でよく知られているその他のコーティングを用いて得るまたは調製することができる。それらはまた、たとえば、目的の放出プロファイルを与えるためのさまざまな割合のヒドロキシプロピルメチルセルロース、その他のポリマーマトリクス、リポソームおよび/またはマイクロスフィアを用いて、有効成分の遅放性または徐放性を与えるように製剤化することができる。それらはまた迅速な放出のために製剤化することができ、たとえば、凍結乾燥することができる。それらはまた、たとえば、細菌を保持するフィルターを通した濾過によって、または使用直前に滅菌水または他の注射用滅菌媒体に溶解することができる滅菌固体組成物の形での滅菌剤の組み込みによって、滅菌することができる。これらの組成物はまた、必要に応じて不透明化剤を含むことができ、および消化管の特定の部分で、必要に応じて徐放性に、有効成分だけを、または優先的に、放出する組成のものであることができる。使用することができる埋め込み組成物の例は、ポリマー物質およびロウを含む。有効成分はまた、適切な場合には、上記の添加物の1以上を用いた、マイクロカプセル化形態であることができる。
本発明の化合物の経口投与のための液体剤形は、医薬品として許容される乳剤、マイクロエマルション、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤を含む。有効成分に加えて、液体剤形は本分野で一般的に用いられる不活性な賦形剤、たとえば水またはその他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、たとえばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、およびその混合物を含むことができる。
不活性な希釈剤の他に、経口組成物はまた、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味料、香料、着色料、着香料、および保存料といった助剤を含むこともできる。
懸濁剤は、活性化合物に加えて、懸濁化剤、たとえば、エトキシルイソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、およびトラガント、およびその混合物を含むことができる。
本発明の医薬組成物の直腸内または膣内投与のための製剤は、坐剤として提供することができ、これは1以上の本発明の化合物を、たとえば、カカオ脂、ポリエチレングリコール、坐剤用ロウまたはサリチル酸塩を含む1以上の適当な非刺激性添加物またはキャリヤーと混合することによって調製することができ、および固体室温にて固体であるが、体温では液体であり、したがって、直腸または膣腔内で溶解しおよび活性化合物を放出する。
膣内投与に適した本発明の製剤はまた、本分野で適当であることが知られているキャリヤーを含む、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト剤、泡、またはスプレー製剤を含む。
本発明の化合物の局所または経皮投与のための剤形は、散剤、スプレー、軟膏、ペースト剤、クリーム、ローション、ゲル、液剤、パッチ、および吸入剤を含む。活性化合物は、医薬品として許容されるキャリヤーと、および必要な任意の保存料、緩衝剤、または推進剤と、滅菌条件下で混合することができる。
軟膏、ペースト剤、クリーム、およびゲルは、本発明の活性化合物に加えて、添加物、たとえば動植物脂肪、油、ロウ、パラフィン、デンプン、トラガント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、および酸化亜鉛、またはその混合物を含むことができる。
散剤およびスプレーは、本発明の化合物に加えて、添加物、たとえば乳糖、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、およびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物を含むことができる。スプレーは、さらに従来の推進剤たとえば塩化フッ化炭化水素および揮発性非置換炭化水素、たとえばブタンおよびプロパンを含むことができる。
経皮パッチは、本発明の化合物の身体への徐放を与える付加的な利点を有する。そのような剤形は、化合物を適当な媒体に溶解または分散することによって得ることができる。吸収促進剤もまた、皮膚を通した化合物の流入を増加させるために用いることができる。そのような流入の速度は、速度調節膜を用意するかまたは化合物を高分子マトリクスまたはゲル中に分散させることによって調節することができる。
眼科用製剤、眼軟膏、散剤、液剤など、もまた本発明の範囲内にあると考えられる。
非経口投与に適した本発明の医薬組成物は、本発明の1以上の化合物を、医薬品として許容される1以上の滅菌等張水系または非水系液剤、分散剤、懸濁剤または乳剤、または滅菌注射用液剤または分散剤へ使用直前に再構成することができる滅菌散剤、と組み合わせて含み、糖類、アルコール、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、製剤を目的の対象の血液と等張にする溶質、または懸濁化剤または濃厚化剤を含むことができる。
本発明の医薬組成物に使用することができる適当な水系および非水系キャリヤーの例は、水、エタノール、ポリオール(たとえばグリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、など)、およびその適当な混合物、植物油、たとえばオリーブ油、および注射用有機エステル、たとえばオレイン酸エチルを含む。適当な流動性は、たとえば、レシチンのようなコーティング材料の使用によって、分散剤の場合には必要な粒子径の維持によって、および界面活性剤の使用によって、維持することができる。
これらの組成物はまた、保存料、湿潤剤、乳化剤、および分散化剤といった助剤を含むことができる。対象化合物に対する微生物の作用の防止は、さまざまな抗菌剤および抗真菌剤、たとえば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、などの添加によって確保することができる。また、等張剤、たとえば糖類、塩化ナトリウムなどを組成物に含めることが望ましい可能性がある。加えて、注射用剤形の持続性吸収は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンといった、吸収を遅らせる物質の添加によって実現することができる。
治療剤単独でまたは他の治療剤との組み合わせで、従来の添加物,すなわち、 医薬品として許容される、経口、非経口、経鼻、静脈内、皮下、経腸、または本分野で公知である他の任意の適当な投与様式に適した有機または無機キャリヤー物質との混合物で使用できる。医薬品として許容される適当なキャリヤーは、水、塩溶液、アルコール、アラビアゴム、植物油、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、糖質たとえば乳糖、アミロースまたはデンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘稠性パラフィン、香油、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリセリド、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、などを含むがそれらに限定されない。医薬調製物は滅菌でき、および必要に応じて助剤、たとえば、滑沢剤、保存料、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響する塩類、緩衝剤、着色料、香料および/または芳香物質などと混合できる。医薬調製物はまた、必要に応じて他の有効成分、たとえば、他の鎮痛剤と組み合わせることができる。非経口用途については、特に適しているのは、油性または水性液剤、および懸濁剤、乳剤、または坐剤を含む植込錠である。アンプルは便利な単位用量である。経口用途については、特に適しているのは錠剤、糖衣錠、液剤、滴下剤、坐剤、またはカプセル、カプレットおよびゼラチンカプセルである。経口用途を対象とする組成物は、本分野で公知である任意の方法に従って調製でき、およびそのような組成物は、錠剤の製造に適した不活性で無毒性の医薬添加物より成る群から選択される1以上の物質を含みうる。そのような添加物は、たとえば、不活性希釈剤、たとえば乳糖;顆粒化剤および崩壊剤、たとえばトウモロコシデンプン;結合剤、たとえばデンプン;および滑沢剤、たとえばステアリン酸マグネシウムを含む。錠剤はコーティング無しでよく、または、美観のためにまたは有効生物の放出を遅らせるために公知技術によってコーティングされうる。経口使用のための製剤はまた、有効成分が不活性希釈剤と混合される硬質ゼラチンカプセルとして提供されうる。
水性懸濁剤は、上記に特定する組み合わせの薬物を含み、およびその混合物は、たとえばヒドロキシプロピルメチルセルロースのような医薬品として許容される合成ゴム、または天然ゴムといった、懸濁剤として適した1以上の添加物を含む。油性懸濁剤は、上記に特定する組み合わせの薬物を植物油または鉱物油に懸濁することによって製剤化されうる。油性懸濁剤は、ミツロウまたはセチルアルコールのような濃厚化剤を含みうる。甘味を付けた媒体が用いられることを特徴とする、シロップ剤、エリキシル剤などを使用できる。適当な液体キャリヤー、懸濁剤などを使用できる場合は、注射用懸濁剤もまた調製できる。活性化合物を凍結乾燥し、および得られた凍結乾燥化合物を、たとえば、注射用製品の調製に用いることもまた可能である。
併用療法の一態様は、有効量のまたは治療量未満の第一の治療剤を投与;および第二の治療剤の有効量を、前記第一の治療剤によって与えられる治療作用を増強するのに有効な量で投与することを含む、有効な治療的処置をヒトにおいて提供する方法に関する。第二の治療剤は、第二の治療剤の投与間隔が第一の治療剤の投与間隔(またはその治療作用)と重複する限り、第一の治療剤の投与の前に、それと同時に、またはその後に投与しうる。言い換えれば、本発明の方法によると、一部の好ましい実施形態では、第二の治療剤は第一の治療剤と同一の剤形中でまたは同一の投与経路でさえ投与する必要が無い。むしろ、本方法は、治療上有効なレベルの第一の治療剤がヒトに投与されており、および第二の治療剤の投与間隔の前または間に、またはヒトが治療作用を経験している間に第一の治療剤の治療作用を増強するのに有効な量の第二の治療剤が投与される場合に、ヒトで得られる驚くべき相乗的および/または相加的利益を導く。第二の治療剤が第一の治療剤の投与前に投与される場合、2つの医薬の投与間隔が重複する、すなわち、第一の治療剤の投与間隔の少なくとも一部にわたる治療作用が、少なくとも部分的に第二の治療剤に起因するようになることが好ましい。
本発明の別の一方法では、患者において得られる驚くべき相乗的および/または相加的利益は、治療上有効なレベルの第二の治療剤が患者に投与されており、および、第二の治療剤の投与間隔中にまたは患者が第二の治療剤の投与による治療作用を経験している間に、第二の治療剤の治療作用を増強するのに有効な量の第一の治療剤が投与される際に達成される。
併用療法の別の一態様は、治療上有効な量の第一の治療剤を、第一の治療剤の作用を増強する量の第二の治療剤またはその医薬品として許容される塩と共に含む経口固体剤形に関する。
一部の場合には、医薬の効果を持続させるために、皮下または筋肉内注射からの医薬の吸収を遅らせることが望ましい。これは、水溶性が低い結晶性または非晶性材料の液体懸濁剤の使用によって達成することができる。医薬の吸収の速度はその結果、溶解の速度に依存し、溶解の速度は今度は結晶の大きさおよび結晶形に依存しうる。代替的に、非経口的に投与される剤形の持続性吸収は、その医薬を油媒体に溶解または懸濁することによって達成される。
注射用デポ形態は、ポリラクチド−ポリグリコリドといった生分解性ポリマー中に対象化合物のマイクロカプセル化マトリクスを形成することによって製造される。ポリマーに対する薬物の比、および使用した特定のポリマーの性質に依存して、薬物放出の速度を調節することができる。他の生分解性ポリマーの例は、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)を含む。デポ注射用製剤はまた、体組織に適合性であるリポソームまたはマイクロエマルションに薬物を封入することによって調製される。
本発明の化合物が医薬として、ヒトおよび動物に投与される場合、それ自体を、またはたとえば0.1ないし99%(より好ましくは、10ないし30%)の有効成分を医薬品として許容されるキャリヤーと組み合わせて含む医薬組成物として投与することができる。
本発明の調製物は、経口的に、非経口的に、局所に、または直腸内に投与することができる。それらはもちろん各投与経路に適した剤形で投与される。たとえば、それらは、錠剤またはカプセル剤の形態で、注射、吸入、眼科用ローション、軟膏、坐剤、などによって、注射、注入、または吸入による投与;ローションまたは軟膏によって局所;および坐剤によって直腸内に投与される。経口投与が好ましい。
ここで用いられる「非経口投与」および「非経口的に投与される」の語句は、経腸および局所投与以外の、通常は注射による投与形態を意味し、および、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、関節包内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、角皮内、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内、および胸骨内注射および輸液を制限無しに含む。
ここで用いられる「全身投与」、「全身的に投与される」、「末梢投与」および「末梢に投与される」の語句は、化合物、医薬、または他の材料が、患者の全身に入りおよびしたがって代謝およびその他の同様の処理に供されるような、たとえば皮下投与のような、直接に中枢神経系へ以外の投与を意味する。
これらの化合物は、ヒトおよびその他の動物へ治療のために、経口的に、経鼻的にたとえばスプレーによって、直腸内に、膣内に、非経口的に、大槽内に、および局所的にたとえば散剤、軟膏またはドロップによって、口腔におよび舌下にを含む任意の適当な投与経路によって、投与することができる。
選択した投与経路にかかわらず、適当な水和形で用いることができる本発明の化合物、および/または本発明の医薬組成物は、当業者に既知である従来の方法によって、医薬品として許容される剤形に製剤化される。
本発明の医薬組成物中の有効成分の実際の用量レベルは、特定の患者、組成物、および投与形態について、患者に対して毒性にならずに、目的の治療反応を達成するのに有効である有効成分の量を得られるように変えることができる。
選択された用量レベルは、使用する本発明の特定の化合物、またはそのエステル、塩、またはアミドの活性、投与経路、投与時間、使用する特定の化合物の排泄速度または代謝速度、治療期間、使用する特定の化合物と組み合わせて用いられる他の医薬、化合物および/または材料、治療を受ける患者の年齢、性別、体重、症状、全身的健康、および以前の病歴、および医療分野においてよく知られている同様の因子、を含むいろいろな因子に依存する。
当業者である医師または獣医師は、必要な医薬組成物の有効量を容易に決定し製剤化することができる。たとえば、医師または獣医師は、医薬組成物に使用される本発明の化合物の用量を、目的の治療効果を達成するために必要であるよりも低いレベルで開始し、目的の効果が達成されるまで徐々に用量を増やすことができる。
一般的に、本発明の化合物の適当な一日量は、治療効果を生じるのに有効である最低の用量である化合物の量である。そのような有効量は一般的に上記の因子に依存する。一般的に、本発明の化合物の患者に対する経口、静脈内、脳室内および皮下投与量は、適応の鎮痛作用のために使用する場合、1日当たりの体重キログラム当たり約0.0001mgないし約100mgの範囲である。
必要に応じて、活性化合物の有効一日量は、一日を通じて適当な間隔で別々に、必要に応じて単位剤形で投与される、2、3、4、5、6またはそれより多数の部分投与量として投与することができる。好ましい投薬は一日一回投与である。
本発明の化合物を単独で投与することが可能である一方、当該化合物を医薬製剤(組成物)として投与することが好ましい。
本発明に記載の化合物は、他の医薬から類推して、ヒトまたは動物用薬における使用に便利な任意の方法での投与のために製剤化することができる。
別の一態様では、本発明は、1以上の医薬品として許容されるキャリヤー(添加剤)および/または希釈剤と共に製剤化された、1以上の対象化合物の治療上有効な量を上記の通り含む、医薬品として許容される組成物を提供する。下記に詳細に示す通り、本発明の医薬組成物は、下記に適合させたものを含む固体または液体の形での投与のために特に製剤化することができる:(1)経口投与、たとえば、水薬(水系または非水系液剤または懸濁剤)、錠剤、ボーラス、散剤、顆粒剤、舌への投与用のペースト;(2)非経口投与、たとえば、皮下、筋肉内、または静脈内注射によって、たとえば、滅菌液剤または懸濁剤として;(3)局所使用、たとえば、皮膚、肺、または粘膜に使用するクリーム、軟膏、またはスプレーとして;または(4)膣内にまたは直腸内に、たとえば、ペッサリー、クリームまたは泡として;(5)舌下にまたは口腔内に;(6)眼に;(7)経皮的に;または(8)経鼻で。
「治療」または「治療する」の語はまた、予防、治療、および治癒も包含することが意図される。
この治療を受ける患者は、必要とする任意の動物であり、霊長類、特にヒト、およびその他の哺乳類たとえばウマ、ウシ、ブタ、およびヒツジ;および家禽および一般的に愛玩動物を含む。
本発明の化合物は、それ自体で、または医薬品として許容されるキャリヤーとの混合物として投与することができ、および、ペニシリン、セファロスポリン、アミノグリコシド、および糖ペプチドといった抗菌剤と併せて投与することもできる。併用治療は、このように、先に投与されたものの治療効果が完全に消えないうちに次のものが投与される方法での、活性化合物の、連続的な、同時の、および別々の投与を含む。
本発明の活性化合物を動物飼料へ添加することは、好ましくは活性化合物を有効量で含む適当な飼料プレミックスを調製し、そのプレミックスを完成飼料に組み込むことによって達成される。
代替的に、有効成分を含む中間濃縮物または飼料添加剤を飼料に混合することができる。そのような飼料プレミックスおよび完成飼料を調製および投与できる方法は参考書に記載されている(たとえば"Applied Animal Nutrition",W.H.Freedman and CO.,San Francisco,U.S.A.,1969または"Livestock Feeds and Feeding" O and B books,Corvallis,Ore.,U.S.A.,1977)。
ミセル
近年、製薬産業はマイクロエマルジョン化技術を、一部の親油性(水に不溶性)の薬剤の生物学的利用能を改善するために導入した。例は、トリメトリン(Dordunoo,S.K.,et al.,Drug Development および Industrial Pharmacy,17 (12),1685−1713,1991およびREV5901(Sheen,P.C.,et al.,J Pharm Sci 80 (7),712−714,1991)を含む。特に、マイクロエマルジョン化は、循環系の代わりにリンパ系への吸収を優先的に導き、それによって肝臓をバイパスし、および肝循環における化合物の分解を防ぐことによる生物学的利用能の向上を与える。
発明の一態様では、製剤は本発明の化合物および少なくとも1つの両親媒性キャリヤーから形成されたミセルを含み、そのミセルは約100nm未満の平均直径を有する。より好ましい実施形態は約50nm未満の平均直径を有するミセルを提供し、およびさらにより好ましい実施形態は約30nm未満、またはさらに約20nm未満の平均直径を有するミセルを提供する。
すべての適当な両親媒性キャリヤーが考慮される一方、現在好ましいキャリヤーは一般的に、一般に安全と認められる(Generally−Recognized−as−Safe、GRAS)ものであり、および、本発明の化合物を可溶化すること、および以後の工程で溶液が複雑な水相(たとえばヒト胃腸管で見られるもののような)と接触する際にマイクロエマルジョン化することの両方が可能なものである。通常は、これらの必要条件を満たす両親媒性成分は、HLB(親油性に対する親水性バランス)値2〜20を有し、およびそれらの構造はC−6からC−20の範囲の直鎖脂肪族ラジカルを含む。例はポリエチレン−グリコール化脂肪グリセリドおよびポリエチレングリコールである。
特に好ましい両親媒性キャリヤーは、飽和およびモノ不飽和ポリエチレングリコール化脂肪酸グリセリド、たとえば、完全にまたは一部が水素化されたさまざまな植物油から得られるものである。そのような油は、有利にトリ、ジ、およびモノ脂肪酸グリセリド、および対応する脂肪酸のジおよびモノポリエチレングリコールエステルから成り、カプリン酸4〜10%、カプリン酸3〜9%、ラウリン酸40〜50%、ミリスチン酸14〜24%、パルミチン酸4〜14%、およびステアリン酸5〜15%を含む特に好ましい脂肪酸組成を有しうる。両親媒性キャリヤーの別の有用な種類は、部分エステル化ソルビタンおよび/またはソルビトールを含み、飽和またはモノ不飽和脂肪酸(SPAN系)または対応するエトキシル化類縁体(TWEEN系)を含む。
市販の両親媒性キャリヤーが特に考慮され、Gelucire系、Labrafil、Labrasol、またはLauroグリコール(すべてGattefosse Corporation(仏国Saint Priest)により製造販売)、モノオレイン酸PEG、ジオレイン酸PEG、モノラウリン酸およびジラウリン酸PEG、レシチン、ポリソルベート80など(米国および世界の数社により製造販売)を含む。
ポリマー
本発明における使用に適した親水性ポリマーは、容易に水に溶解し、小胞を形成する脂質と共有結合でき、およびin vivoで毒性作用無しに耐容される(すなわち、生体適合性である)ものである。適当なポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ乳酸(別名ポリラクチド)、ポリグリコール酸(別名ポリグリコリド)、ポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体、およびポリビニルアルコールを含む。好ましいポリマーは、約100または120ダルトンから最大約5,000または10,000ダルトン、およびより好ましくは約300ダルトンないし約5,000ダルトンの分子量を有するものである。特に好ましい一実施形態では、ポリマーは、約100ないし約5,000ダルトンの分子量を有する、およびより好ましくは約300ないし約5,000ダルトンの分子量を有するポリエチレングリコールである。特に好ましい一実施形態では、ポリマーは750ダルトンのポリエチレングリコール(PEG(750))である。ポリマーはまた、含まれるモノマーの数によって定義されうる;本発明の好ましい一実施形態は、少なくとも約3個のモノマーのポリマー、たとえば3個のモノマーから成るPEGポリマー(約150ダルトン)を利用する。
本発明における使用に適しうる他の親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドン、ポリメトキサゾリン、ポリエトキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、および、ヒドロキシメチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロースといった誘導体化セルロースを含む。
一部の実施形態では、本発明の製剤は、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアルキレン、アクリルおよびメタクリルエステルのポリマー、ポリビニルポリマー、ポリグリコリド、ポリシロキサン、ポリウレタンおよびその共重合体、セルロース、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、乳酸およびグリコール酸のポリマー、ポリ無水物、ポリ(オルト)エステル、ポリ(butic acid)、ポリ(吉草酸)、ポリ(ラクチド−カプロラクトン共重合体)、多糖、タンパク質、ポリヒアルロン酸、ポリシアノアクリレート、およびその配合物、混合物、または共重合体より成る群から選択される生体適合性ポリマーを含む。
シクロデキストリン
シクロデキストリンは、6、7または8個のグルコース単位から成る環状オリゴ糖であり、それぞれギリシャ文字のアルファ、ベータまたはガンマで表される。グルコース単位6個より少ないシクロデキストリンは存在が知られていない。グルコース単位はアルファ−1,4−グルコシド結合によって繋がっている。糖単位の椅子型配座の結果として、すべての二次水酸基(C−2、C−3の)は環の片側に位置し、一方、C−6のすべての一次水酸基は反対側に位置する。結果として、外側面は親水性であり、シクロデキストリンは水溶性になる。対照的に、シクロデキストリンの凹部は、C−3およびC−5原子の水素によって、およびエーテル様酸素によって覆われているため、疎水性である。これらのマトリクスは、たとえば、17ベータ−エストラジオールといったステロイド化合物を含む、さまざまな相対的に疎水性の化合物との錯体形成を可能にする(たとえば、van Uden et al.Plant Cell Tiss.Org.Cult.38 : 1−3−113 (1994)を参照)。錯体形成はファンデルワールス相互作用によっておよび水素結合形成によって起こる。シクロデキストリンの化学の全般的総説については、Wenz,Agnew.Chem.Int.Ed.Engl.,33: 803−822 (1994)を参照。
シクロデキストリン誘導体の生理化学的性質は、置換の種類および程度に大きく依存する。たとえば、水への溶解度は、不溶性(たとえば、トリアセチル−ベータ−シクロデキストリン)から147%可溶性(w/v)(G−2−ベータ−シクロデキストリン)の範囲にわたる。加えて、シクロデキストリン誘導体は多数の有機溶媒に可溶である。シクロデキストリンの性質は、さまざまな処方成分の溶解度を上昇または低下させることにより、その溶解度の調節を可能にする。
多数のシクロデキストリンおよびその調製方法が記載されている。たとえば、Parmeter(I),et al.(米国特許第3,453,259号明細書)およびGramera,et al.(米国特許第3,459,731号明細書)は、電気的中性のシクロデキストリンを記載した。他の誘導体は、陽イオン的性質を有するシクロデキストリン[Parmeter(II)、米国特許第3,453,257号明細書]、不溶性架橋化シクロデキストリン(Solms、米国特許第3,420,788号明細書)、および陰イオン的性質を有するシクロデキストリン[Parmeter(III)、米国特許第3,426,011号明細書]を含む。陰イオン的性質を有するシクロデキストリン誘導体の中で、カルボン酸、亜リン酸、亜ホスフィン酸、ホスホン酸、リン酸、チオリン酸、チオスルフィン酸、およびスルホン酸が親シクロデキストリンに付加されている[Parmeter(III)、上記を参照]。さらに、スルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体が、Stella,et al.(米国特許第5,134,127号明細書)によって記載されている。
リポソーム
リポソームは、水系の内部区画を封入する少なくとも1以上の脂質二重層膜から成る。リポソームは、膜の種類によって、および大きさによって特徴づけることができる。小型の単層小胞(SUV)は一枚の膜を有しおよび典型的には直径0.02ないし0.05μmの範囲である;大型の単層小胞(LUV)は典型的には0.05μmより大きい。少数層の大型小胞および多層小胞は、複数の、通常は同心状の、膜層を有し、および典型的には0.1μmより大きい。いくつかの非同心状の膜を有するリポソーム、すなわち、大きい小胞の中に含まれるいくつかの小さい小胞は、多小胞性小胞と呼ばれる。
本発明の一態様は、本発明の化合物を含むリポソームを含む製剤に関し、リポソーム膜はより大きい運搬容量を有するリポソームを提供するために製剤化される。代替的にまたは加えて、本発明の化合物は、リポソームのリポソーム二重層の内部に含まれるかまたは二重層上に吸着されることが可能である。本発明の化合物は、脂質界面活性剤と凝集しおよびリポソームの内腔内に保持されうる;これらの場合には、リポソーム膜は、有効成分−界面活性剤凝集物の破壊作用に耐えるように製剤化される。
本発明の一実施形態によると、リポソームの脂質二重層は、ポリエチレングリコール(PEG)で誘導体化された脂質を含み、そのためPEG鎖は脂質二重層の内表面から、リポソームによって封入される内腔内へ伸び、および脂質二重層の外側から周囲の環境へ伸びる。
本発明のリポソームの内部に含まれる有効成分は、可溶化形である。界面活性剤および有効成分の凝集物(たとえば、目的の有効成分を含むエマルジョンまたはミセル)は、本発明に記載のリポソームの内腔に捕捉されうる。界面活性剤は有効成分を分散および可溶化させる作用をし、および、さまざまな鎖長(たとえば約C14〜約C20)の生体適合性リソホスファチジルコリン(LPC)を含む任意の適当な脂肪族、環式脂肪族または芳香族界面活性剤から選択されうる。PEG脂質のようなポリマー誘導体化脂質はまた、ミセル/膜の融合を阻害するように作用するため、および界面活性剤分子へのポリマーの付加が界面活性剤のCMCを減少させおよびミセル形成を助けるため、ミセル形成に利用されうる。マイクロモルの範囲のCMCを有する界面活性剤が好ましい;より大きいCMCの界面活性剤は、本発明のリポソーム内に捕捉されたミセルを調製するために利用しうるが、しかし、ミセル界面活性剤モノマーはリポソーム二重層安定性に影響を与える可能性があり、および目的の安定性のリポソームを設計する上での因子となる。
本発明に記載のリポソームは、本分野で公知であるさまざまな手法のうち任意のものによって調製されうる。たとえば,米国特許第4,235,871号明細書;国際公開第96/14057号パンフレット; New RRC,Liposomes: A practical approach,IRL Press,Oxford (1990)、 pages 33−104; Lasic DD,Liposomes from physics to applications,Elsevier Science Publishers BV,Amsterdam,1993を参照。
たとえば、本発明のリポソームは、たとえばリポソームで目的とされる誘導体化脂質の最終モルパーセントに相当する脂質濃度で、予め形成されたリポソームを脂質を組み込んだポリマーから成るミセルへ曝露することにより、親水性ポリマーを用いて誘導体化した脂質を、予め形成されたリポソームへ拡散させることによって調製されうる。親水性ポリマーを含むリポソームはまた、本分野で公知である通り、ホモジナイズ、脂質分野の水和、または押出技術によって形成されうる。
別の典型的な製剤化手順では、有効成分はまず超音波処理により、疎水性分子を容易に可溶化するリソホスファチジルコリンまたは他の低CMC界面活性剤(ポリマーグラフト化脂質を含む)中に分散される。結果として生じる有効成分のミセル懸濁物は、次いで、適当なモルパーセントのポリマーグラフト化脂質、またはコレステロールを含む、乾燥脂質試料を再水和するのに用いられる。本分野で公知である通りの押出技術を用いて、脂質および有効成分懸濁物が次いでリポソーム中に形成され、および、カプセル化されなかった溶液から標準的なカラム分離によって分離されたリポソームが結果として得られる。
本発明の一態様では、リポソームは選択されたサイズ範囲で実質的に均一な大きさを有するように調製される。1つの効果的なサイズ処理法は、リポソームの水系懸濁液を、選択された均一の孔径を有する一連のポリカーボネート膜を通して押し出すことを含む;膜の孔径は、その膜を通した押し出しによって生じるリポソームの最大サイズに概ね対応する。たとえば、米国特許第4,737,323号明細書(1988年4月12日)を参照。
放出修飾剤
本発明の製剤の放出特性は、封入材料、封入された医薬の濃度、および放出修飾剤の存在に依存する。たとえば、胃内のように低pHでだけ、または腸内でのように高pHでだけ放出するpH感受性コーティングを用いて、放出がpH依存性となるように操作しうる。胃を通過後まで放出が起きるのを防ぐために、腸溶コーティングを用いることができる。複数のコーティング、または、異なる材料に封入されたシアナミドの混合物を、胃での最初の放出に次いで後の放出を腸で得るために用いることができる。放出はまた、カプセルからの拡散による水取り込みまたは薬物の放出を増加させることができる、塩または孔形成剤を含めることによって操作されうる。薬物の溶解度を改変する添加物もまた、放出速度を調節するのに用いることができる。マトリクスの分解またはマトリクスからの放出を促進する物質もまた組み込むことができる。それらは、化合物に応じて、薬物に添加でき、分離した相として(すなわち、粒子として)添加でき、またはポリマー相に一緒に溶解することができる。すべての場合で、量は0.1ないし30パーセント(w/wポリマー)とすべきである。分解促進剤の種類は、硫酸アンモニウムおよび塩化アンモニウムといった無機塩、クエン酸、安息香酸、およびアスコルビン酸といった有機酸、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、および水酸化亜鉛といった無機塩基、および硫酸プロタミン、スペルミン、コリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、およびトリエタノールアミンといった有機塩基、および、Tween(登録商標)およびPluronic(登録商標)といった界面活性剤を含む。マトリクスに微小構造を加える孔形成剤(すなわち、無機塩および糖といった水溶性化合物)が粒子状物質として添加される。範囲は1ないし30パーセント(w/wポリマー)とすべきである。
取り込みはまた、腸内での粒子の滞留時間を変化させることによって操作可能である。これは、たとえば、粘膜接着性ポリマーで粒子をコーティングするかまたはそれを封入材料として選択することによって達成しうる。例は、遊離カルボキシル基を有するポリマーの大部分、たとえばキトサン、セルロース、および特にポリアクリレートを含む(ここでは、ポリアクリレートとはアクリレート基および修飾アクリレート基を含むポリマー、たとえばシアノアクリレートおよびメタクリレートをいう)。
マトリクスを基礎とするビーズの調製のための製法
本発明に記載の固体徐放性経口剤形の調製を円滑にするために、当業者に公知である、マトリクス製剤を調製する任意の方法を使用できる。たとえばマトリクスへの組み込みは、たとえば、(a)少なくとも1つの水溶性ヒドロキシアルキルセルロースおよび有効成分を含む顆粒を作製;(b)ヒドロキシアルキルセルロースを含む顆粒を少なくとも1つのC12〜C36脂肪族アルコールと混合;および(c)必要に応じて、顆粒を圧縮および成形することによって実施しうる。好ましくは、顆粒はヒドロキシアルキルセルロース/有効成分を水と湿式造粒することによって作製される。この製法の特に好ましい一実施形態では、湿式造粒工程中に加える水の量は、好ましくは有効成分の乾燥重量の1.5ないし5倍、特に1.75ないし3.5倍である。
さらに別の代替的な実施形態では、球状化剤は、有効成分と共に球状化して球を形成しうる。微結晶セルロースが好ましい。適当な微結晶セルロースは、たとえば、Avicel PH 101 (商標,FMC Corporation)として販売されている材料である。そのような実施形態では、有効成分および球状化剤に加えて、球はまた結合剤も含みうる。低粘度水溶性ポリマーのような適当な結合剤は、医薬分野の当業者によく知られる。しかし、ヒドロキシプロピルセルロースのような水溶性ヒドロキシ低級アルキルセルロースが好ましい。加えて(または代替的に)、球は、非水溶性ポリマー、特にアクリルポリマー、アクリル共重合体、たとえばメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体、またはエチルセルロースを含みうる。そのような実施形態では、徐放性コーティングは一般的に、(a)ロウ、単独でまたは脂肪アルコールとの混合物で;または(b)シェラックまたはゼインといった疎水性材料を含む。
溶融押出マトリクス
徐放性マトリクスはまた、溶融造粒または溶融押出技術によって調製できる。一般的に、溶融造粒技術は、通常は固体である疎水性材料、たとえばロウを溶解、およびそれに粉末化した薬剤を組み込むことを含む。徐放性剤形を得るためには、追加の疎水性物質、たとえばエチルセルロースまたは非水溶性アクリルポリマーを、溶融したロウ疎水性材料に組み込むことが必要でありうる。溶融造粒技術によって調製される徐放性製剤の例は米国特許第4,861,598号明細書に見出される。
追加の疎水性材料は、1以上の非水溶性ロウ様熱可塑性物質を、前記1以上の非水溶性ロウ様物質よりも疎水性の小さい1以上のロウ様熱可塑性物質とおそらく混合して含みうる。定常放出を達成するために、製剤中の各ロウ様物質は、最初の放出期の間に胃腸液中で実質的に非分解性および不溶性であるべきである。有用な非水溶性ロウ様物質は、水溶性が約1:5、000(w/w)未満であるものでありうる。
上記の成分に加えて、徐放性マトリクスはまた、医薬分野で従来の、適当な量のその他の材料、たとえば、希釈剤、滑沢剤、結合剤、造粒補助剤、着色料、香料および滑剤を含みうる。これらの追加材料の量は、目的の製剤に目的の作用を与えるのに十分とする。上記の成分に加えて、溶融押出多微粒子を組み込む徐放性マトリクスはまた、医薬分野で従来の、適当な量のその他の材料、たとえば、希釈剤、滑沢剤、結合剤、造粒補助剤、着色料、香料および滑剤を、必要に応じて粒子状物質の重量の最大約50%の量で含みうる。
経口剤形を製剤化するのに使用できる、医薬品として許容されるキャリヤーおよび添加物の具体例は、Handbook of Pharmaceutical Excipients,American Pharmaceutical Association (1986)に記載されている。
溶融押出多微粒子
本発明に記載の適当な溶融押出マトリクスの調製は、たとえば、有効成分を、少なくとも1つの疎水性材料および好ましくは追加の疎水性材料と一緒に混合し、均一な混合物を得る工程を含みうる。均一な混合物は次いで、それを押し出すために、少なくとも十分軟化させるのに十分な温度へ加熱される。結果として生じる均一な混合物は、次いで押し出されて糸を形成する。押出物を好ましくは冷却し、および本分野で公知である任意の方法によって切断して多微粒子にする。多微粒子を次いで単位用量に分割する。押出物は好ましくは約0.1ないし約5mmの直径を有し、および治療上有効な成分の徐放性を約8ないし約24時間の期間提供する。
本発明の溶融押出を調製するための選択的方法は、疎水性材料、治療上有効な成分、および選択的な結合剤を押出機に直接計り入れ;均一な混合物を加熱し;均一な混合物を押し出してそれによって糸を形成し;均一な混合物を含む糸を冷却し;糸を切断して約0.1mmないし約12mmのサイズを有する粒子にし;およびdividing前記粒子を単位用量に分割することを含む。本発明のこの態様では、相対的に連続的な製造手順が実現される。
押出機の開口または出口ポートの直径をまた調整して、押し出された糸の太さを変化させることもできる。さらに、押出機の出口部分は丸い必要は無い;長円形、長方形などでよい。出てくる糸は、ホットワイヤカッター、裁断機などを用いて小さく粒子にすることができる。
溶融押出多微粒子系は、押出機出口開口部に応じてたとえば顆粒、球、またはペレットの形でありうる。本発明の目的のために、「溶融押出多微粒子」および「溶融押出多微粒子系」および「溶融押出粒子」は、好ましくは同様の大きさおよび/または形の範囲内の、および1以上の有効成分および好ましくは本明細書に記載の疎水性材料を含む1以上の添加物を含む、複数の単位をいう。この点では、溶融押出多微粒子は、長さ約0.1ないし約12mmの範囲でありおよび約0.1ないし約5mmの直径を有する。加えて、溶融押出多微粒子はこのサイズ範囲内の任意の幾何学的形状でありうることが理解される。代替的に、押出物は、球状化工程の必要無しに、単に目的の長さに切断しおよび治療上有効な成分の単位用量に分割できる。
好ましい一実施形態では、経口剤形は、有効量の溶融押出多微粒子をカプセル内に含むように調製される。たとえば、複数の溶融押出多微粒子を、摂取されおよび胃液に接触した際に有効な徐放性用量を与えるのに十分な量で、ゼラチンカプセル中に入れることができる。
別の好ましい一実施形態では、適当な量の多微粒子押出物を、従来の打錠装置を使用して標準的な技術を用いて、圧縮して経口錠剤にできる。錠剤(圧縮および型抜き)、カプセル剤(硬質および軟質ゼラチン)、および丸剤を製造するための技術および組成物はまた、Remington's Pharmaceutical Sciences,(Arthur Osol,editor),1553−1593 (1980)に記載されている。
さらに別の好ましい一実施形態では、押出物を米国特許第4,957,681号明細書(Klimesch,et.al.)に示す通り錠剤へ成形できる。
必要に応じて、徐放性溶融押出多微粒子系または錠剤は、またはゼラチンカプセルをさらに、上記の徐放性コーティングのような徐放性コーティングでコーティングできる。そのようなコーティングは好ましくは、約2ないし約30パーセントの重量増加レベルを得るのに十分な量の疎水性材料を含むが、しかしオーバーコーティングは特に、使用する特定の有効成分の物理的性質および目的の放出速度により大きく依存しうる。
本発明の溶融押出単位剤形は、上記に開示される1以上の治療上有効な成分を含む溶融押出多微粒子の組み合わせを、カプセル化される前にさらに含みうる。さらに、単位剤形はまた、即放性の治療上有効な成分のある量を、即時の治療作用のために含みうる。即放性の治療上有効な成分は、たとえば、ゼラチンカプセル内の別々のペレットとして組み込むことができ、または剤形(たとえば、徐放性コーティングまたはマトリクスを基礎とする)の調製後に多微粒子の表面上にコーティングしうる。本発明の単位剤形はまた、目的の作用を達成するために、徐放性ビーズおよびマトリクス多微粒子の組み合わせを含みうる。
本発明の徐放性製剤は、たとえば摂取されおよび胃液に曝露され、および次いで腸液に曝露される際に、好ましくは徐々に、治療上有効な成分を放出する。本発明の溶融押出製剤の徐放性プロファイルは、たとえば、遅延性すなわち疎水性の材料の量を変えることによって、疎水性材料と相対的に可塑剤の量を変えることによって、追加の成分または添加物を含めることによって、製造方法を変えることによって、などで変えられる。
本発明の他の実施形態では、溶融押出材料は治療上有効な成分を含めずに調製され、治療上有効な成分は後で押出物に添加される。そのような製剤は典型的には、遅放性製剤を与えるために、治療上有効な成分を押出マトリクス材料と一緒に混合し、および次いで混合物を打錠する。そのような製剤は、たとえば、製剤に含まれる治療上有効な成分が、疎水性材料および/または遅延性材料を軟化させるのに必要な温度に感受性である場合に有利でありうる。
定義
便宜上、本明細書、実施例、および付属の請求項で用いられる一部の用語をここに集める。
本発明の一部の化合物は、特定の幾何または立体異性型で存在しうる。本発明は、シスおよびトランス異性体、RおよびS鏡像異性体、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、そのラセミ混合物、およびその他の混合物を含むすべてのそのような化合物を、本発明の範囲内に入ると考える。アルキル基のような置換基中に、追加の不斉炭素原子が存在しうる。すべてのそのような異性体、およびその混合物は、本発明に含まれることが意図される。
たとえば、本発明の化合物の特定の鏡像異性体が望まれる場合は、それは不斉合成によって調製でき、またはキラル助剤を用いた誘導体化によって調製でき、その場合は結果として生じるジアステレオマー混合物が分離されおよび補助基が切断されて純粋な目的の鏡像異性体を与える。代替的に、分子がアミノ基のような塩基性官能基、またはカルボキシル基のような酸性官能基を含む場合、適当な光学活性な酸または塩基を用いてジアステレオマー塩が形成され、次いでそのように形成されたジアステレオマーの分別再結晶または本分野でよく知られたクロマトグラフィー法による分割、および続いて純粋な鏡像異性体の回収を実施する。
上記の化合物の考えられる同等物は、シグマ受容体との結合における化合物の有効性に悪影響を与えない1つ以上の単純な置換基変化が行われていることを特徴とする、それ以外は上記化合物に相当し、およびその同じ一般的性質を有する(たとえば、鎮静剤またはドーパミン作動薬として作用する)化合物を含む。一般的に、本発明の化合物は、たとえば、下記の通りの一般反応図式に図解する方法によって、またはその改変によって、容易に入手可能な開始材料、試薬および従来の合成手順を用いて調製されうる。これらの反応において、それ自体公知であるがここでは言及されていない変形を利用することもまた可能である。
ここでは、「光学的に純粋な」の語句は、本発明の組成物または方法における使用のための有効成分(たとえば、(+)−または(S)−ゾピクロンまたは(S)−DDMS)が、指定されていない鏡像異性体と比較して顕著に大きい割合の、指定の鏡像異性体を含むことを意味する。たとえば、光学的に純粋な(+)−ゾピクロンは、(−)−鏡像異性体と比較して顕著に大きい割合の(+)−鏡像異性体を含む。好ましい一実施形態では、光学的に純粋な有効成分を含む組成物は、重量で少なくとも90%の指定の鏡像異性体および重量で10%以下の指定されていない鏡像異性体を含む。より好ましくは、そのような組成物は、重量で少なくとも95%の指定の鏡像異性体および重量で5%以下の指定されていない鏡像異性体を含む。さらにより好ましくは、そのような組成物は、重量で少なくとも99%の指定の鏡像異性体および重量で1%以下の指定されていない鏡像異性体を含む。これらの割合は有効成分の総量に基づく。
「同時投与」および「同時投与する」の語は、治療剤が患者の中である程度同時に存在する限り、同時投与(2つ以上の治療剤の同じ時の投与)および時間差投与(1つ以上の治療剤の、別の一または複数の治療剤の投与とは別の時の投与)の両方をいう。
「拮抗薬」の語は、受容体部位に結合するがしかし生理的変化を全く起こさない化合物をいう。
「逆作動薬(inverse agonist)」および「負拮抗薬(negative antagonist)」および「中性拮抗薬(neutral antagonist)」の語は、非占有のしかし活性な受容体を阻害する化合物をいう。
「患者」の語は、特定の治療を必要とする哺乳類をいう。好ましい一実施形態では、患者は霊長類、イヌ、ネコ、またはウマである。別の好ましい一実施形態では、患者はヒトである。
「睡眠障害」または「睡眠異常」の語句は、原発性不眠症;二次性不眠症;状況性不眠症;一過性不眠症;短期不眠症;慢性不眠症;急性不眠症;睡眠開始までの潜時延長;入眠困難;睡眠維持困難;頻繁な覚醒、最初に入眠した後に覚醒して過ごす時間の増加(睡眠開始後の覚醒時間またはWASO)、睡眠断片化、一過性の極めて短い覚醒、および回復しない睡眠を制限無く含む睡眠維持の問題;睡眠期間中の覚醒時間の増加;早すぎる覚醒;および総睡眠時間の減少をいう。
「溶媒和物」の語は、指定の化合物の、そのような化合物の生物学的有効性を保持した、1つ以上の溶媒分子との医薬品として許容される塩の形をいう。溶媒和物の例は、たとえば、水(水和物を形成する)、イソプロパノール、エタノール、メタノール、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、酢酸、エタノールアミン、またはアセトンといった溶媒と組み合わせた本発明の化合物を含む。2つ以上の溶媒と組み合わせた本発明の化合物といった、溶媒和物混合物の製剤もまた含まれる。
本発明の目的のために、化学元素は、元素周期表CAS版,Handbook of Chemistry and Physics,67th Ed.,1986−87,表紙裏に従って特定される。
本発明を一般的に説明したが、下記の実施例を参照することによって本発明はより容易に理解され、実施例は単に本発明の一部の態様および実施形態の説明の目的のために含められ、本発明を制限しないことが意図される。
実施例1
ラセミ体ジデスメチルシブトラミンの合成
ラセミ体ジデスメチルシブトラミン遊離塩基((R/S)−DDMS)を調製するための典型的方法が下に記載される。
Figure 2007523165
1L三口丸底フラスコに臭化イソブチルマグネシウム(200mL、2.0Mジエチルエーテル溶液)およびトルエン(159mL)を入れ、および結果として生じる混合物を蒸留してエーテルの大部分を除去した。混合物を20℃へ冷却後、CCBC(50.0g)を含むトルエン(45mL)を加え、および結果として生じる混合物を2〜4時間還流した。反応混合物をその後0℃へ冷却し、およびメタノール(300mL)をそれに加え、次いでNaBH(11g)を徐々に加えた。結果として生じる混合物を次いで、0℃に保ったHCl水溶液(365mL、2N)へ徐々に加え、および結果として生じる混合物を連続的にかくはんしながら室温へ温めた。有機相の分離後、水層をトルエン(200mL)で洗浄した。合わせた有機相を水(200mL)で洗浄し、および濃縮して(R/S)−DDMSを与えた(55g、85%)。 NMR (CDCl) : H (δ),0.6−0.8 (m,1H),0.8−1.0 (m,6H),1.1−1.3 (m,1H),1.6−2.6 (m,7H),3.0−3.3 (m,1H),7.0−7.6 (m,4H)。 13C (δ) : 15.4,21.5,24.3,24.7,31.5,31.9,41.1,50.73,56.3,127.7,129,131.6,144.3。
実施例2
ラセミ体ジデスメチルシブトラミン (D)−酒石酸塩の合成
ラセミ体 ジデスメチルシブトラミンの (D)−酒石酸塩( (R/S)−DDMS− (D) −TA) を調製するための典型的方法が下に記載される。ラセミ体 ジデスメチルシブトラミンの(L) −酒石酸塩((R/S)−DDMS (L) −TA)は同様の方法で調製できる。
Figure 2007523165
ラセミ体ジデスメチルシブトラミン(15.3g)およびトルエン(160mL)の混合物を70〜80℃に加熱し、および(D)−酒石酸(9.1g)を含む水(20mL)およびアセトン(10mL)を徐々に加えた。結果として生じる混合物を30分間還流し、その後、水およびアセトンを蒸留によって除去した。結果として生じる混合物を室温まで冷却してスラリーを与え、それを次いで濾過した。結果として生じる湿固形分をMTBEで2回(20mL×2)洗浄し、および乾燥して(R/S)−DDMS−(D)−TAを与えた(22.5g、98%)。
NMR (DMSO−d) : H (δ),0.6−0.92 (m,6H),0.92−1.1 (m,1H),1.1−1.3 (m,1H),1.5−1.8 (m,2H),1.8−2.1 (m,1H),2.1−2.4 (m,3H),2.4−2.6 (m,1H),3.4−3.6 (m,1H),3.9−4.2 (s,2H),6.4−7.2 (b,6H,OH,COOH およびNH),7.3−7.6 (m,4H)。 13C (δ): 15.5,21.1,23.3,23.7,31.5,37.7,39.7,54.5,72.1,128,129.7,131.3,142.2,174.6.
実施例3
(S)−ジデスメチルシブトラミン−(L)−酒石酸塩の分離
(L) −酒石酸塩 of 光学的に純粋な (S)− ジデスメチルシブトラミン ((S)−DDMS (L) −TA) をラセミ体 ジデスメチルシブトラミン 遊離塩基 から単離する方法が下記に記載される。
Figure 2007523165
(S)−DDMSの(L)−酒石酸塩の生成
(R/S)−DDMS(20.5g)、アセトン/水/メタノール(350mL、1:0.13:0.7、v:v:v)および(L)−酒石酸(12.2g)を500mL三口丸底フラスコに加えた。混合物を加熱して30分間還流し、および次いで45℃へ冷却した。反応混合物に次いで(S)−DDMS−(L)−TA(10mgおよび99.7%ee)を播種し、および40〜45℃にて30分間かくはんした。混合物を室温へ冷却し、および1時間かくはんした。結果として生じるスラリーを濾過して湿固形分を与え、それを冷アセトン/水で洗浄し、および乾燥して10.8g(33.4%)の(S)−DDMS(L)−TA(89.7%ee)を与えた。
(R)−DDMS(D)−TAの母液からの(S)−DDMSの(L)−酒石酸塩の調製
DDMS酒石酸塩のアセトン/水/メタノール溶液((R)−DDMS−(D)−TAの母液)を濃縮してアセトンおよびメタノールを除去した。残渣をNaOH水溶液(3N、150mL)で処理し、および酢酸エチルで抽出した。有機相を水(100mL)で洗浄し、および濃縮してジデスメチルシブトラミン遊離塩基(45g、0.18molおよび(S)−異性体36%ee)を与えた。遊離アミンに(L)−酒石酸(53.6g、0.35mol)、アセトン(600mL)、水(80mL)、およびメタノール(40mL)を加えた。混合物を加熱して1時間還流し、および次いで室温へ冷却した。結果として生じるスラリーを濾過して湿固形分を与え、それを次いで冷アセトン/水で2回洗浄し、26.7g((S)−ジデスメチルシブトラミンに基づいて56%)の(S)−DDMS−(L)−TA(96%ee)を与えた。
(S)−DDMS−(L)−TAの濃縮
(S)−DDMS−(L)−TA(26.7g)を含むアセトニトリル/水(475mL、1:0.2、v:v)の混合物を、1時間還流し、および次いで室温へ冷却した。結果として生じるスラリーを濾過しおよび乾燥し、17.4g(65%)の(S)−DDMS−(L)−TA(99.9%ee;化学純度99.94%)を与えた。NMR(DMSO−d) : H (δ),0.7−0.9 (m,6H),0.9−1.05 (m,1H),1.1−1.3 (b,1H),1.52−1.8 (b,2H),1.84−2.05 (b,1H),2.15−2.4 (b,3H),2.4−2.6 (b,1H),3.65−3.68 (m,1H),4.0 (s,2H),6.7−7.3 (b,6H fromNH2,OH および COOH),7.1−7.6 (m,4H)。 13C (δ): 15.4,21.5,22.0,22.2,32.0,32.2,38.4,49.0,54.0,72.8,128.8,130.0,132.0,143.0,175.5.
参考文献
引用されたすべての特許および出版物は参照により本開示に含まれる。
同等物
当業者は、定型の実験しか用いずに、本明細書に記載の本発明の特定の実施形態の多数の同等物を認識する、または確認することができる。そのような同等物は下記の請求項によって包含されることが意図される。
図1は、光学的に純粋な(S)−ゾピクロンD−リンゴ酸塩を調製するための方法の略図を示す(IPC=工程内管理試験)。 図2は、光学的に純粋な(S)−ゾピクロンを遊離塩基として調製するための方法の略図を示す(IPC=工程内管理試験)。

Claims (30)

  1. 鎮静剤およびドーパミン受容体作動薬を含む医薬組成物であって、前記鎮静剤が、ラセミ体ゾピクロン、光学的に純粋な(S)−ゾピクロン、光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロン、インディプロン、ゾルピデム、ザレプロンおよびガボキサドール、あるいはそれらいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択され;且つ、前記ドーパミン受容体作動薬が、アマンタジン、アポモルフィン、ブロモクリプチン、カベルゴリン、カルモキシロール、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、ドペキサミン、フェノルドパム、イボパミン、レルゴトリル、リスリド、メマンチン、メスレルギン、ペルゴリド、ピリベジル、プラミペキソール、キナゴリド、ロピニロール、ロキシンドールおよびタリペキソール、あるいはそれらいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択されることを特徴とする医薬組成物。
  2. 前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロンおよび光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロン、あるいはそのいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物、または水和物より成る群から選択されることを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
  3. 前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
  4. 前記ドーパミン受容体作動薬が、アポモルフィン、ブロモクリプチン、カベルゴリン、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、リスリド、ペルゴリド、プラミペキソールおよびロピニロール、あるいはそれらいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択されることを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
  5. 前記ドーパミン受容体作動薬が、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
  6. 鎮静剤およびドーパミン受容体作動薬を含む医薬組成物であって、前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロンまたは光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であり;且つ、前記ドーパミン受容体作動薬が、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする医薬組成物。
  7. 鎮静剤およびドーパミン受容体作動薬を含む医薬組成物であって、前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であり;且つ、前記ドーパミン受容体作動薬が、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする医薬組成物。
  8. 少なくとも1つの医薬品として許容されるキャリヤーをさらに含むことを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載の医薬組成物。
  9. 鎮静剤、ドーパミン受容体作動薬、および少なくとも1つの医薬品として許容されるキャリヤーから実質的に成る医薬組成物であって、前記鎮静剤が、ラセミ体ゾピクロン、光学的に純粋な(S)−ゾピクロン、光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロン、インディプロン、ゾルピデム、ザレプロンおよびガボキサドール、あるいはそれらいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択され;且つ、前記ドーパミン受容体作動薬が、アマンタジン、アポモルフィン、ブロモクリプチン、カベルゴリン、カルモキシロール、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、ドペキサミン、フェノルドパム、イボパミン、レルゴトリル、リスリド、メマンチン、メスレルギン、ペルゴリド、ピリベジル、プラミペキソール、キナゴリド、ロピニロール、ロキシンドールおよびタリペキソール、あるいはそれらいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択されることを特徴とする医薬組成物。
  10. 前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロンおよび光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロン、あるいはそのいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択されることを特徴とする請求項9記載の医薬組成物。
  11. 前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする請求項9記載の医薬組成物。
  12. 前記ドーパミン受容体作動薬が、アポモルフィン、ブロモクリプチン、カベルゴリン、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、リスリド、ペルゴリド、プラミペキソールおよびロピニロール、あるいはそれらいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択されることを特徴とする請求項9記載の医薬組成物。
  13. 前記ドーパミン受容体作動薬が、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする請求項9記載の医薬組成物。
  14. 鎮静剤、ドーパミン受容体作動薬、および少なくとも1つの医薬品として許容されるキャリヤーから実質的に成る医薬組成物であって、前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロンおよび光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロン、あるいはそれらの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であり;且つ、前記ドーパミン受容体作動薬が、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする医薬組成物。
  15. 鎮静剤、ドーパミン受容体作動薬、および少なくとも1つの医薬品として許容されるキャリヤーから実質的に成る医薬組成物であって、前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であり;且つ、前記ドーパミン受容体作動薬が、光学的に純粋な(6)−ジデスメチルシブトラミン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする医薬組成物。
  16. 下肢静止不能症候群または周期性四肢運動障害の患者を治療する方法であって、治療を必要とする患者に治療上有効な量の鎮静剤およびドーパミン受容体作動薬を同時投与する工程を含み、前記鎮静剤が、ラセミ体ゾピクロン、光学的に純粋な(S)−ゾピクロン、光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロン、インディプロン、ゾルピデム、ザレプロンおよびガボキサドール、あるいはそれらいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択され;且つ、前記ドーパミン受容体作動薬が、アマンタジン、アポモルフィン、ブロモクリプチン、カベルゴリン、カルモキシロール、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、ドペキサミン、フェノルドパム、イボパミン、レルゴトリル、リスリド、メマンチン、メスレルギン、ペルゴリド、ピリベジル、プラミペキソール、キナゴリド、ロピニロール、ロキシンドールおよびタリペキソール、あるいはそれらいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択されることを特徴とする方法。
  17. 前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロンおよび光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロン、あるいはそのいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択されることを特徴とする請求項16記載の方法。
  18. 前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする請求項16記載の方法。
  19. 前記ドーパミン受容体作動薬が、アポモルフィン、ブロモクリプチン、カベルゴリン、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、リスリド、ペルゴリド、プラミペキソールおよびロピニロール、あるいはそれらいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択されることを特徴とする請求項16記載の方法。
  20. 前記ドーパミン受容体作動薬が、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする請求項16記載の方法。
  21. 下肢静止不能症候群または周期性四肢運動障害の患者を治療する方法であって、治療を必要とする患者に治療上有効な量の鎮静剤およびドーパミン受容体作動薬を同時投与する工程を含み、前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロンまたは光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であり;且つ、前記ドーパミン受容体作動薬が、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする方法。
  22. 下肢静止不能症候群または周期性四肢運動障害の患者を治療する方法であって、治療を必要とする患者に治療上有効な量の鎮静剤およびドーパミン受容体作動薬を同時投与する工程を含み、前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であり;且つ、前記ドーパミン受容体作動薬が、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする方法。
  23. 睡眠異常の患者を治療する方法であって、治療を必要とする患者に治療上有効な量の鎮静剤およびドーパミン受容体作動薬を同時投与する工程を含み、前記鎮静剤が、ラセミ体ゾピクロン、光学的に純粋な(S)−ゾピクロン、光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロン、インディプロン、ゾルピデム、ザレプロンおよびガボキサドール、あるいはそれらいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択され;且つ、前記ドーパミン受容体作動薬が、アマンタジン、アポモルフィン、ブロモクリプチン、カベルゴリン、カルモキシロール、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、ドペキサミン、フェノルドパム、イボパミン、レルゴトリル、リスリド、メマンチン、メスレルギン、ペルゴリド、ピリベジル、プラミペキソール、キナゴリド、ロピニロール、ロキシンドールおよびタリペキソール、あるいはそれらいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択されることを特徴とする方法。
  24. 前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロンおよび光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロン、あるいはそのいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択されることを特徴とする請求項23記載の方法。
  25. 前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする請求項23記載の方法。
  26. 前記ドーパミン受容体作動薬が、アポモルフィン、ブロモクリプチン、カベルゴリン、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、リスリド、ペルゴリド、プラミペキソールおよびロピニロール、あるいはそれらいずれかの医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物より成る群から選択されることを特徴とする請求項23記載の方法。
  27. 前記ドーパミン受容体作動薬が、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする請求項23記載の方法。
  28. 睡眠異常の患者を治療する方法であって、治療を必要とする患者に治療上有効な量の鎮静剤およびドーパミン受容体作動薬を同時投与する工程を含み、前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロンまたは光学的に純粋な(S)−N−デスメチルゾピクロン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であり;且つ、前記ドーパミン受容体作動薬が、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする方法。
  29. 睡眠異常の患者を治療する方法であって、治療を必要とする患者に治療上有効な量の鎮静剤およびドーパミン受容体作動薬を同時投与する工程を含み、前記鎮静剤が、光学的に純粋な(S)−ゾピクロン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であり;且つ、前記ドーパミン受容体作動薬が、光学的に純粋な(S)−ジデスメチルシブトラミン、あるいはその医薬品として許容される塩、溶媒和物または水和物であることを特徴とする方法。
  30. 前記睡眠異常が、入眠困難、覚醒維持困難または早すぎる覚醒であることを特徴とする請求項23〜29いずれ1項記載の方法。
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