JP2007522787A - 界磁コイルを有する突極電機 - Google Patents

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Abstract

回転子本体(12)上で磁極片(14)の下に配置された突極電機の軸方向に延びる少なくとも1つの界磁コイル(18)を有する突極電機において、界磁コイル(18)が該コイル(18)と回転子本体(12)との間に配置された少なくとも1つのばね(24)によって磁極片(14)に対して押し付けられ、界磁コイル(18)と回転子本体(12)との間にばね(24)によって形成された空隙を経て軸方向に走る冷却風道(34)が形成される。ばね(24)は特に曲げられた板ばねとして形成される。

Description

本発明は、回転子本体の磁極片の下に配置され突極電機の軸方向に延びる少なくとも1つの界磁コイルを有する突極電機に関する。
例えば突極発電機等の突極電機においては、対応する突極回転子の界磁巻線又は励磁巻線の冷却はしばしば技術的に相当な困難を伴う。突極回転子の磁極間空所内に冷却風を導入する上で技術的に申し分のない機能遂行能力のある一連の方策が公知であるが、これら対策は界磁コイルの冷却のため、即ち突極電機の界磁コイルの温度を制限するように熱の放出を図る上で必ずしも満足できるものではなかった。そこで例えば欧州特許第0415057号明細書により、回転子本体の界磁鉄心と界磁コイルとの間の隙間に冷却媒体を強制導入する装置が公知である。該装置では、界磁鉄心と界磁コイルの間の隙間に、隙間を2つの空間に分割する案内装置を設ける。2つの空間は、ほぼ隙間の磁極キャップ側端でのみ自由接続される。さもないと互いに入り乱れた通流が起こるからである。しかし、このような案内装置は製造コストが比較的高く、更に適合した特別な組立を必要とする。
独国特許出願公開第19810628号明細書で、大型突極電機の励磁巻線又は界磁コイル用の通風装置が公知である。この通風装置では、界磁コイルの平角銅線のヘッドに、磁極隙間内の通風道に平行に付加的な通風道を形成している。かくして形成した平行通風道を、全ての平角銅線及び対応する絶縁層が貫通している。しかし、この通風道は界磁コイルを劣化させ、一定の条件下では期待される冷却能力を達成できない。
本発明の課題は、冒頭に述べた型の突極電機を、回転子本体に配置された界磁コイルが比較的安価な形式の下で良好に冷却されるように改善することである。
この課題は本発明により、界磁コイルを該コイルと回転子本体との間に配置した少なくとも1つのばねにより磁極片に押し付け、界磁コイルと回転子本体との間にばねにより形成した空隙を経て軸方向に走る冷却風道を形成することにより解決される。この課題は又界磁コイルを界磁コイルと回転子本体との間に配置され、板ばねとして構成された少なくとも1つのばねにより磁極片に対して押し付けることにより解決される。
界磁コイルの下に配置した1つ又は複数のばねによる界磁コイルの本発明による支持構造により、本発明によれば、同時に冷却媒体を界磁コイルに導入し得る軸方向冷却風道が形成される。界磁コイルを冷却する本発明によるこの形式は、付加的な案内装置を必要とせず、そのため比較的安価に製造し組み立て得る。界磁コイルの下に配置した1つ又は複数のばねによる界磁コイルの本発明による支持構造によって、比較的僅かな通流抵抗を持つ断面を作り得る。そのため、本発明に従って形成する空間は、界磁コイルの下で軸方向に走る冷却媒体案内のために特に良好に利用できる。
本発明による突極電機の好ましい実施態様では、界磁コイルと回転子本体との間に設けるばねは少なくとも1つのほぼU字状の部分を備え、このほぼU字状の部分の両脚部の一方によって界磁コイルを対応する磁極片に対して押し付ける。U字状をした部分の内部の空間は、本発明による軸方向冷却風道を形成するための通路として使用できる。
更に好ましくは、ほぼU字状をして互いに部分的に重なり合う2つの部分を有するばねが設けられ、該両部分が協働して、1箇所が開いたほぼO状をなす。この「リング状」ばねは対応する構造において、放射方向に大きなばね力を生じ、それにも係らず、その内部の比較的大きな貫通開口を冷却風道として利用できる。
更に、このO状のばねにより、2つの界磁コイルを各々対応する磁極片に対し押し付け得る。そのため全体として比較的少数のばねを突極電機に組み込むだけですむ。その際、組み込んだO状のばねは、その開口を両界磁コイル間に配置されるコイルサポートに向けるように配置せねばならない。
更にO状のばねは回転子本体に、Oの開口とは反対側の対角線位置で、少なくとも1つの取り付け手段によって取り付けられる。その場合、ばねは回転子本体に確実に保持され、他方、ほぼ半円筒状の両ばねアームが各々2つの界磁コイルの一方が対応する磁極片に対して押し付けられる。
本発明に従い設けるばねのばね剛性は、好適には約1〜4N/mm、特に約2〜3N/mmである。かかるばねによれば、例えば所要の±2mmの磁極高さ又は巻線高さの許容誤差条件を満たし得る。所期のばね剛性を達成すべく、同心又は並列配置の2つの板ばねを組み込み得る。ばねと界磁コイル又はそこに配置する絶縁部材(例えばグラスファイバ強化プラスチック)との間の面荷重は、約20〜30N/mm2の範囲内にすればよい。
最後に本発明によるばねの構造に関し、ばねを緊張状態でその加圧点又は対応する界磁コイルの領域又はそこに配置される絶縁部材の領域への加圧点又は加圧領域を界磁コイルの重心軸から僅かに遠ざけるように形成すると好ましい。重心軸と加圧点の間の間隔は2〜5mm、特に3.5mmとするのがよい。本発明によるばねの加圧点のこの僅かなずれは、特に好ましいことに大きなばねストローク及びばね力の平坦特性に寄与する。
突極電機の界磁コイルの本発明による改善された冷却を一層最適化すべく、少なくとも1つの界磁コイル内に、略放射方向に向いた少なくとも1つの冷却風道を形成し、該風道を経て軸方向冷却風道と磁極片の外周側との間に流体を導く接続部を形成するとよい。
次に図面を参照し、本発明による突極電機の一実施例を詳細に説明する。
図1は、回転子本体12とその外周面上に配置された縦長の磁極片14とを備えた、突極発電機のほぼ円筒形状をした突極回転子10を示す。各2つの縦長の磁極片14相互間には、溝の形状をして同様に回転子本体12の全長にわたって延びるほぼ断面三角形状の凹所16が存在している。
各凹所16に、各々絶縁フレーム20内に埋め込まれる形で突極回転子10の軸方向に延びる界磁コイル18が配置されている。界磁コイル18は各々回転子本体12の断面三角形状をした凹所16の突極側に配置され、その外周端面領域は各々磁極片14で覆われている。両界磁コイル18間にもほぼ断面三角形状のコイルサポート22が配置され、該サポート22によって界磁コイル18が凹所16内に確実に保持される。
断面三角形状の凹所16の内周側に向いた先端領域内に、突極回転子10の全長にわたり略均等に分布して配置された複数の板ばね24が装着されている。該板ばね24はばね鋼を曲げて作られ、図1に示す横断面図において、ほぼO状をなしている。このO状の形は略半円筒状のばねアーム26、28で形成されており、両アーム間にOを破断する開口30が存在している。板ばね24のO状の、開口30とは反対側の対角線位置で板ばね24は回転子本体12にねじの形の取り付け手段32によりねじ止めされる。
突極回転子10の全長にわたり、全部で5個の板ばね24を略均等な分布で配置している。界磁コイル18は板ばね24で各々対応する磁極片14に対し略放射方向外側へ向けて押し付けられ、界磁コイル18と回転子本体12の間に形成された空隙を経て軸方向に走る冷却風道34が生じ、該風道34を経て、突極回転子10の界磁コイル18を冷却するための冷却媒体(普通は空気)を通流させ得る。冷却風道34を形成する上で板ばね24のO状の形態は特に有利である。と言うのは、この形状は比較的大きな直線状の貫通開口を持ち、そのため冷却媒体に対し比較的僅かな冷却抵抗しか持たないからである。
軸方向に走る冷却風道34を介して導かれる冷却媒体が界磁コイル18で発生する熱エネルギーを特に良好に吸収するよう、界磁コイル18を、各々複数の放射方向に走る冷却風道36が貫通している。該風道36は界磁コイル18内に、軸方向に見て特に各2つの板ばね24の中間に形成されている。放射方向の冷却風道36は軸方向の冷却風道34から出発して絶縁フレーム20及び対応する界磁コイル18を貫通して走る。冷却風道36は、配置されている磁極片14を貫通し、突極回転子10の外側に導く対応する空気出口38に導かれる。かくして放射方向の冷却風道により、軸方向に走る冷却風道34を経て導入される冷却媒体が界磁コイル18を介して放出される。
本発明による突極電機の一実施例に係る突極回転子の部分横断面図である。 図1による突極回転子の縦断面図である。
符号の説明
10 突極回転子、12 回転子本体、14 磁極片、16 凹所、18 界磁コイル、20 絶縁フレーム、22 コイルサポート、24 板ばね、26、28 ばねアーム、30 開口、32 取り付け手段、34、36 冷却風道、38 空気出口

Claims (10)

  1. 回転子本体(12)上で磁極片(14)の下に配置され、突極電機の軸方向に延びる少なくとも1つの界磁コイル(18)を有する突極電機において、
    前記界磁コイル(18)が該コイル(18)と前記回転子本体(12)との間に配置された少なくとも1つのばね(24)によって前記磁極片(14)に対し押し付けられ、前記界磁コイル(18)と前記回転子本体(12)の間に前記ばね(24)により形成される空隙を経て軸方向に走る冷却風道(34)が形成されたことを特徴とする突極電機。
  2. 前記ばね(24)が、曲げられた板ばねであることを特徴とする請求項1記載の突極電機。
  3. 回転子本体(12)上で磁極片(14)の下に配置され、突極電機の軸方向に延びる少なくとも1つの界磁コイル(18)を有する突極電機において、
    前記界磁コイル(18)が、該コイル(18)と前記回転子本体(12)との間に配置され、板ばねとして形成された少なくとも1つのばね(24)により前記磁極片(14)に押し付けられることを特徴とする突極電機。
  4. 前記ばね(24)が少なくとも1つのU字状の部分(26、28)を備え、該部分(26、28)の両脚部の一方によって前記界磁コイル(18)が対応する磁極片(14)に押し付けられることを特徴とする請求項2又は3記載の突極電機。
  5. 前記ばね(24)が、U字状をなして互いに部分的に重なり合う2つの部分(26、28)を備え、該部分(26、28)が協働して、1箇所(30)が開いたO状をなすことを特徴とする請求項1から4の1つに記載の突極電機。
  6. 前記ばね(24)によって2つの界磁コイル(18)が各々対応する磁極片(14)に対し押し付けられ、前記O状の開口(30)が両界磁コイル(18)の間に配置されたコイルサポート(22)に向けて配置されたことを特徴とする請求項5記載の突極電機。
  7. 前記ばね(24)が、前記回転子本体(12)に、前記O状の開口(30)とは反対側の対角線位置で、少なくとも1つの取り付け手段(32)により取り付けられたことを特徴とする請求項5又は6記載の突極電機。
  8. 前記ばね(24)が1〜4N/mmのばね剛性を持つことを特徴とする請求項1から7の1つに記載の突極電機。
  9. 前記ばね(24)は、緊張状態で対応する界磁コイル(18)又はそこに配置される絶縁部材への加圧点が前記界磁コイル(18)の重心軸から僅かな間隔をもって遠ざけられるように形成されたことを特徴とする請求項1から8の1つに記載の突極電機。
  10. 少なくとも1つの界磁コイル(18)内に、放射方向に向いた少なくとも1つの冷却風道(36)が形成され、該風道(36)を介して前記軸方向冷却風道(34)と前記磁極片(14)の外周側との間に流体を導く接続部が形成されたことを特徴とする請求項1から9の1つに記載の突極電機。
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