JP2016039656A - 同期モータ、及びそれを備える冷媒圧縮装置 - Google Patents

同期モータ、及びそれを備える冷媒圧縮装置 Download PDF

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Abstract

【課題】同期モータを効率よく冷却する。
【解決手段】同期モータ14を構成するステータ30は、複数個の分割コア36を有する。各々の分割コア36には、第1インシュレータ42、第2インシュレータ44が装着される。第1インシュレータ42には傾斜切欠64が形成されており、このため、隣接する第1インシュレータ42の傾斜切欠64、64同士で第1クリアランス65が形成される。また、第2インシュレータ44には陥没部74が形成される。このため、第1ケーシング12内に導入された冷媒は、第1クリアランス65を介してステータ30の内周側から外周側に流通する。また、ステータ30の外周側を流通する冷媒は、陥没部74を介してステータ30の外周側から内周側に流通する。
【選択図】図3

Description

本発明は、分割コアによって環状に形成されたステータを有する同期モータ、及びそれを備える冷媒圧縮装置に関する。
モータは、周知の通り、電磁コイルが巻回されたコアが円環形状をなすステータと、該ステータの内周側で回転動作するロータとを有する。ロータには永久磁石が保持されており、このため、電磁コイルへの通電に伴って磁界が発生すると、永久磁石と電磁コイルとの間に、互いの極性に応じた反発力・吸引力が作用するからである。
この種のモータにおいて、出力を維持しながら小型化を図ると、スロットが狭小化されるために電磁コイルを巻回することが困難となる。そこで、コアを複数個のT字形状ピースに分割した、いわゆる分割コアとすることが広汎に行われている。この場合、分割コアの各々に電磁コイルを巻回した後にステータを構成するようにすればよいので、スロットが狭小であっても、電磁コイルを巻回することが容易となるからである。すなわち、巻回回数を多くすること、換言すれば、電磁コイルの占有率を高くすることが可能となる。
このような構成とすると、モータの発熱量が増加する。すなわち、いわゆる熱こもり状態となり易い。このためにステータの温度が過度に上昇すると、減磁が起こり、磁界の強度が低下する。その結果、モータの出力が低下する等、モータ特性に影響が及ぶことになる。
特許文献1においては、分割コアのヨーク部の外周側壁部に切欠を形成し、該切欠に冷却媒体(冷媒)を流通させることが提案されている。この冷媒により、ステータが冷却されるようにも考えられる。
特開2009−136101号公報
特許文献1記載の技術では、冷媒が流通可能であるのはステータの外周側のみである。すなわち、ステータの内周側に位置する電磁コイルを効率よく冷却することはできない。従って、熱こもり状態を短時間で解消することは困難であり、結局、減磁が起こることを回避することが容易ではないという懸念がある。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、ステータの内周側に位置する電磁コイルを効率よく冷却することが可能であり、このため、減磁が起こる懸念を払拭し得る同期モータ、及びそれを備える冷媒圧縮装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、ヨーク部と、該ヨーク部から突出したティース部とを有する分割コアがインシュレータで被覆された組立体を複数個含み、且つ隣接する前記分割コアの前記ヨーク部の長手方向端面同士が当接することで環状に形成されるとともに前記ティース部が内周側に臨むステータと、前記ステータを収容するケーシングとを有する同期モータであって、
前記ケーシングの内壁に、該ケーシングの長手方向に沿って延在して冷却媒体が流通する冷媒通路が形成され、
前記インシュレータは、前記冷媒通路を流通する冷却媒体を、少なくとも、前記ステータの外周側から内周側へ導く導風手段であることを特徴とする。
本発明においては、インシュレータによって冷却媒体(冷媒)がステータの内周側に導かれる。従って、該内周側に位置する電磁コイルが冷媒によって効率よく冷却される。このため、ステータの温度が過度に上昇することを回避することができるので、減磁が起こることを回避することができる。従って、同期モータの出力等のモータ特性が維持されるので、同期モータの高出力化を図ることができる。
なお、インシュレータは、前記ステータの内周側の冷却媒体を外周側へ導く導風手段を兼ねるものであってもよい。
インシュレータは、例えば、ティース部を被覆する被覆部と、該被覆部の端部に連なり且つ冷却媒体の流通方向に沿って延在する壁部とを具備するものとして構成することができる。この場合、壁部に、冷却媒体を導くための通路を形成すればよい。
冷媒通路は、組立体と同一個数で形成すればよい。この場合、隣接するインシュレータ同士の近接箇所を冷媒通路に対向させる。これにより、冷媒通路を流通する冷媒がインシュレータに効率よく接触するので、冷媒をステータの内周側から外周側へ、又はその逆方向に効率よく導くことができる。
また、この場合、ヨーク部の長手方向端面同士の当接箇所を、冷媒通路に指向して膨出させるようにしてもよい。冷媒通路が空間であるので、当接箇所をこのように膨出した場合であっても、ケーシングに干渉することがないからである。これにより、ヨーク部の長手方向端面同士の接触面積を大きくするとともに、分割コアが位置ズレを起こすことを回避して、磁気効率の向上を図ることができる。
また、本発明は、上記した同期モータと、スクロール圧縮機構とを具備する冷媒圧縮装置であって、
冷却媒体が、前記同期モータを収容したケーシングの内壁に形成された冷媒通路を通過して前記スクロール圧縮機構に供給されることを特徴とする。
上記したように、同期モータのステータが熱こもり状態となることを回避し得ることから、同期モータの小型化且つ高出力化を図り得る。従って、冷媒圧縮装置も小型化且つ高出力化し得る。なお、このような冷媒圧縮装置は、例えば、自動車に搭載される車両用空調システムに組み込んで使用することができる。
本発明によれば、分割コアに装着されるインシュレータを、ステータの外周側から内周側に冷却媒体を導く導風手段とするようにしている。このため、ステータの内周側に位置する電磁コイルが効率よく冷却されるので、減磁が起こる懸念を払拭し得る。
そして、このために、同期モータのモータ特性が維持される。従って、同期モータの小型化を図りながら高出力化を図ることができる。
本発明の実施の形態に係る冷媒圧縮装置の概略側面断面図である。 第1ケーシングとステータを示した分解平面図である。 図3A〜図3Cは、それぞれ、図1及び図2中のステータを構成する組立体の分解斜視図、2個の組立体が隣接した状態の背面図、その正面図である。 隣接する2個の第2インシュレータを離間させて示した背面図である。 組立体を構成する電磁コイルの巻き終わり側端部を第2インシュレータに掛止した状態を示す要部拡大背面図である。 隣接する分割コアのヨーク部の端面同士が当接して形成された当接箇所が、第1ケーシングに形成された冷媒通路に対向した状態を示す要部拡大平面図である。 組立体に接触する冷媒の流通方向を表した要部拡大側面図である。 組立治具上でステータを第1ケーシングに収容する状態を示した要部概略斜視図である。
以下、本発明に係る同期モータにつき、それを備える冷媒圧縮装置との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る冷媒圧縮装置10の概略側面断面図である。この冷媒圧縮装置10は、第1ケーシング12に収容された同期モータ14と、第2ケーシング16に収容されたスクロール圧縮機構18とを有する。
冷媒圧縮装置10は、空調装置に組み込まれ、冷却媒体(冷媒)を圧縮して吐出するものである。なお、第1ケーシング12には、冷媒を導入するための吸入ポート19(図2参照)が設けられ、第2ケーシング16には、圧縮された冷媒を排気するための図示しない排出ポートが設けられる。すなわち、冷媒は、第1ケーシング12側(同期モータ14側)から第2ケーシング16側(スクロール圧縮機構18側)に流通する。このため、先ず、冷媒流通方向上流側に位置する第1ケーシング12から説明する。以降では、「冷媒流通方向上流」、「冷媒流通方向下流」のそれぞれを、単に「上流」、「下流」ということもある。
第1ケーシング12は、長手方向両端が開口した中空体からなる。上流側の開口はカバー部材20によって閉塞され、下流側の開口には第2ケーシング16が連結される。
図2に示すように、第1ケーシング12内には薄肉の隔壁22が設けられる。この隔壁22により、第1ケーシング12内が第1室24、第2室26(ともに図1参照)に区分される。第1室24には図示しない制御回路が収容される。また、前記吸入ポート19は第2室26に連通しており、且つこの第2室26には前記同期モータ14が収容される。
隔壁22には、図示しない環状段部が設けられる。同期モータ14を構成するステータ30の上流側端部は、環状段部に嵌合される。この嵌合により、ステータ30が第1ケーシング12に位置決め固定されている。
また、隔壁22には、第1ケーシング12の長手方向に沿って延在する厚肉の囲繞壁部32が一体的に連設される。囲繞壁部32は、同期モータ14を囲繞する。
囲繞壁部32には、内方側から外方側に陥没するようにして、第1ケーシング12の長手方向に沿って延在する冷媒通路34が形成される。冷媒通路34の個数は、ステータ30を構成する分割コア36(図3A参照)の個数と同一である。
第1ケーシング12に収容される同期モータ14につき説明する。該同期モータ14は、第1ケーシング12内で位置決め固定されて環状に形成されたステータ30と、シャフト38に外嵌されて該シャフト38と一体的に回転動作するロータ40とを有する。この中のステータ30は、分割コア36に第1インシュレータ42及び第2インシュレータ44が装着された組立体46(図3A〜図3C参照)を複数個含む。また、各組立体46は、第1インシュレータ42及び第2インシュレータ44に巻回された電磁コイル48(図2参照)を含む。同期モータ14がU相、V相及びW相の三相によって駆動されることから、組立体46の個数は、3の倍数に設定される。本実施の形態では、ステータ30は9個の組立体46(分割コア36)を含む。
組立体46につき詳述すると、1個の組立体46は、図3A及び図3Bに示すように1個の分割コア36を含んで構成される。分割コア36は、磁束が通るヨーク部50と、該ヨーク部50から直線状に突出したティース部52とを有する。そして、ヨーク部50はステータ30の外周側を構成し、且つティース部52はステータ30の内周側を臨む。
ここで、ヨーク部50は、ステータ30の外接円に沿った曲線状ではなく、ティース部52が連なる長手方向略中央を境に、その両端部が直線状に延在している。このため、分割コア36は、ヨーク部50とティース部52で略「→」字形状をなす。
ヨーク部50において、ステータ30の内径側から外径側に向かう径方向寸法W1は、凹部54が形成された部位を除き、ヨーク部50の長手方向に沿って一定である。また、ヨーク部50の径方向寸法W1は、ティース部52の幅W2に比して小さく設定される。ヨーク部50の径方向寸法W1が過度に大きいと、分割コア36の重量が大となるからである。W1はW2の1/2程度であることが好ましい。
後述するように、隣接する分割コア36のヨーク部50の長手方向端面同士が当接することにより、磁路が形成される。なお、ヨーク部50の長手方向端面には、係合凹部や係合凸部が設けられていない。すなわち、ヨーク部50の長手方向端面は平坦面である。
ヨーク部50には、ティース部52が内径側に突出した部位の反対側、すなわち、長手方向略中央の外径側に、ティース部52側に指向して陥没した凹部54が形成される。分割コア36は、比重が大きな電磁鋼板の積層物からなるので、凹部54を形成することによって、分割コア36を軽量化することができる。なお、この部位に凹部54を形成しても、磁界の形成や強度に影響が及ぶことはない。
このような凹部54は、ヨーク部50に対して略半円弧状の単純な曲面の切欠を形成することで得られる。従って、凹部54を得るための加工は容易であり、このため、凹部54を形成することに伴って分割コア36を効率よく作製することが困難となることはない。
ティース部52には、第1インシュレータ42及び第2インシュレータ44を装着した後に電磁コイル48が巻回される。また、ティース部52の先端には、幅広で且つ湾曲した湾曲先端部56が設けられる。ステータ30においては、9個の湾曲先端部56が互いに近接して円形状に並び(図2参照)、ロータ40を囲繞する。
このような形状の分割コア36に対し、図3Aに示すように、上流側(図3Aでは下方)に第1インシュレータ42が装着されるとともに、下流側(図3Aでは上方)に第2インシュレータ44が装着される。図3Bに、第1インシュレータ42及び第2インシュレータ44が装着された分割コア36の背面からの斜視図を示す。
第1インシュレータ42は、ティース部52を覆うための第1被覆部58と、該第1被覆部58の内周側端部、外周側端部のそれぞれから上流側に突出した第1垂直壁部60、第2垂直壁部62とを有する。第2垂直壁部62の突出長さは、第1垂直壁部60よりも大きく設定されている。また、第2垂直壁部62の上流側端部には、隅角部を切り欠いたような傾斜切欠64が形成されている。このため、ステータ30を形成したときには、互いに隣接する第1インシュレータ42の傾斜切欠64により、第1クリアランス65が形成される(図3C参照)。
一方、第2インシュレータ44は、第1被覆部58とともにティース部52を覆うための第2被覆部66と、該第2被覆部66の内周側端部から下流側に突出した第3垂直壁部68、外周側端部から下流側に突出した第4垂直壁部70、第5垂直壁部72を有する。第4垂直壁部70及び第5垂直壁部72の突出長さは同等であり、且つ第3垂直壁部68よりも大きく設定されている。
図4にも示すように、第4垂直壁部70は第2被覆部66の一側面に連なり、第5垂直壁部72は第2被覆部66の上面及び他側面に連なる。第4垂直壁部70と第5垂直壁部72の間は所定間隔で離間しており、このため、両壁部の間に第2クリアランス73が形成される。
第4垂直壁部70において、冷媒流通方向(矢印X方向)に直交する方向(矢印Y方向)の突出長さは、略下半分が小さく、略上半分が大きい。また、第5垂直壁部72の下流側端部には、隣接する第2インシュレータ44の第4垂直壁部70に指向して延在する第1小突部76と、その下方に形成された陥没部74と、下流側に指向して突出する第2小突部78とが形成されている。さらに、第2小突部78の起端部周囲には、第2クリアランス73に連なるガイド溝80が形成される。
ステータ30を形成したときには、第4垂直壁部70の上部の端面が、隣接する第2インシュレータ44の第5垂直壁部72の第1小突部76の端面に近接する。その一方で、陥没部74が第4垂直壁部70の端面に当接することはない。
以上のような構成の第1インシュレータ42及び第2インシュレータ44が分割コア36に装着されると、第1被覆部58と第2被覆部66で分割コア36のティース部52が覆われる。また、湾曲先端部56が第1垂直壁部60と第3垂直壁部68から露呈し(図3B参照)、ヨーク部50の外周側端面が第2垂直壁部62と第4垂直壁部70、第5垂直壁部72から露呈する(図3C参照)。さらに、第1被覆部58と第2被覆部66に電磁コイル48(図2参照)が巻回され、その結果、組立体46が構成される。
第1被覆部58と第2被覆部66を介してティース部52に巻回された電磁コイル48の巻き終わり側端部は、図5に示すように第2クリアランス73に一旦通され、さらに、ガイド溝80に差し込まれる。該端部は、これによりステータ30の内周側に向かうように方向変換されるとともに、同一相の分割コア36の電磁コイル48と束ねられる。
ステータ30を形成するときには、複数個(本実施の形態では9個)の組立体46を円環形状となるように組み合わせる。この際、図3Cや、電磁コイル48、第1インシュレータ42及び第2インシュレータ44を省略した図6に示すように、隣接する分割コア36のヨーク部50の長手方向端面同士(以下、単に「端面同士」ともいう)が当接する。
本実施の形態において、ヨーク部50の端面には、上述の通り係合凹部又は係合凸部等が設けられていない。従って、ヨーク部50の端面同士は単に当接(面接触)しているのみであり、係合や連結等はされていない。また、ヨーク部50の形状がこのように簡素であるため、分割コア36を効率よく作製することが可能である。従って、分割コア36の作製コストの低廉化を図ることができる。
なお、ステータ30は、いわゆる焼き嵌めによって第1ケーシング12内の前記環状段部に嵌合され、これにより第1ケーシング12内で位置決め固定されている。これに伴い、ヨーク部50の端面同士の当接が維持されるようになっている。
図6には、ステータ30の中心点Oを中心とし、円弧が凹部54の起端部同士を通る仮想真円Cを併せて示している。仮想真円Cと、ヨーク部50の端面同士の当接箇所とを対比して諒解されるように、該当接箇所の外周側端部は、仮想真円Cよりも外周側に位置する。すなわち、ヨーク部50の端面同士の当接箇所は、仮想真円Cよりも膨出している。
膨出した当接箇所の各々は、囲繞壁部32に形成された9個の冷媒通路34の各々に対向する。すなわち、各当接箇所は各冷媒通路34に進入する。このため、膨出した当接箇所が第1ケーシング12に干渉することはない。従って、当接箇所をステータ30の外周側に膨出させるようにしたことに伴って、当接箇所が第1ケーシング12に干渉することを回避するべく第1ケーシング12を大型化する必要はない。
図1に示すように、ステータ30の内周側にはロータ40が配置される。ロータ40は図示しない永久磁石を保持しており、この永久磁石が、電磁コイル48に通電がなされた際に形成される磁界(交番磁界)に対して吸引ないし反発することで、シャフト38と一体的に回転動作する。
シャフト38の上流側端部は、隔壁22に設けられた軸受部82に軸支される。また、下流側端部は、軸受84を介してフレーム86に支持される。
第2ケーシング16には、上記したようにスクロール圧縮機構18が収容される。すなわち、スクロール圧縮機構18は、シャフト38の偏心ピン部88に連結された旋回スクロール90と、固定スクロール92を有する。シャフト38が回転動作すると、これに追従して旋回スクロール90が旋回するとともに、冷媒が、旋回スクロール90のラップ部94と固定スクロール92のラップ部96とで形成される圧縮室98で圧縮される。
本実施の形態に係る冷媒圧縮装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について説明する。
先ず、図示しない制御回路の制御作用下に、電磁コイル48に通電を行う。その結果、ステータ30に交番磁界が形成される。
この際、磁束は、長手方向端面を介して互いに当接したヨーク部50を通る。すなわち、ヨーク部50に磁路が形成される。ヨーク部50の端面同士が、エアギャップが形成されることなく密着し合っているので、磁気抵抗が低減される。
しかも、ヨーク部50の径方向寸法W1は一定であり、このため、端面同士の当接箇所は、仮想真円Cよりも外周側、すなわち、冷媒通路34側に向かって膨出している。従って、ヨーク部50を湾曲させ、その端面同士の当接箇所を仮想真円Cに合致させるようにしたときに比して、端面同士の接触面積が大きい。従って、磁気飽和が起こることが防止される。
以上のことが相俟って、同期モータ14に強磁界が生じる。従って、同期モータ14の小型化を図りながら高出力を得ることができる。
交番磁界の極性が周期的に変化するため、該交番磁界と、ロータ40に保持された永久磁石との間に吸引力・反発力が交互に発生する。その結果、ロータ40がシャフト38と一体的に回転動作するとともに、回転動作するシャフト38の作用下に旋回スクロール90が旋回する。
その一方で、冷媒は、スクロール圧縮機構18の作用によって吸引され、吸入ポート19を介して隔壁22の壁面に沿って第2室26、すなわち、ステータ30の内周側に進入する。ここで、隣接する第1インシュレータ42同士の上流側端部には、上記したように、傾斜切欠64によって第1クリアランス65が形成されている(図3C参照)。従って、冷媒は、図7に矢印で示すように、第1クリアランス65を通過してステータ30の外周側に回り込む。
隣接する分割コア36のヨーク部50の端面同士の当接箇所は、当該分割コア36の各々に装着された第1インシュレータ42及び第2インシュレータ44の端面同士の近接箇所でもある。そして、ヨーク部50の端面同士の当接箇所が冷媒通路34に対向しているので、第1クリアランス65を通過した冷媒は、冷媒通路34に進入する。そして、該冷媒通路34に沿って流通し、この際、ステータ30の外周側を冷却する。
冷媒は、ステータ30の外周ないし冷媒通路34に沿って流通する最中、その一部が、陥没部74に進入してステータ30の内周側に回り込む。この回り込んだ冷媒は、第1被覆部58と第2被覆部66(ティース部52)に巻回された電磁コイル48に接触する。通電された電磁コイル48は熱を帯びて温度上昇を起こすが、冷媒が接触することで該電磁コイル48が冷却されるため、その上昇の度合いは小さい。すなわち、電磁コイル48の過度の温度上昇が回避され、第1ケーシング12内が、いわゆる熱こもり状態となることが回避される。
一般的に、電磁コイル48の温度が過度に上昇すると、磁界の強度が低減する(減磁が起こる)。しかしながら、本実施の形態によれば、電磁コイル48が十分に冷却される。このため、減磁が起こることを回避することができる。
このように、第1インシュレータ42及び第2インシュレータ44に、ステータ30を構成したときに冷媒が通過することが可能な通路(傾斜切欠64、陥没部74)を形成することにより、冷媒を、ステータ30の内周側から外周側へ、又は外周側から内周側へ移動させることができる。すなわち、第1インシュレータ42及び第2インシュレータ44は、導風手段として機能する。このため、ステータ30の外周側と電磁コイル48を効率的に冷却することが可能となる。その結果、減磁が起こることが回避される。
冷媒は、さらに、第1ケーシング12内から第2ケーシング16内に流通し、旋回スクロール90のラップ部94と固定スクロール92のラップ部96との間、すなわち、圧縮室98に到達する。圧縮室98内の冷媒は、旋回スクロール90の回転に伴って圧縮されるとともに、圧縮室98の中心部に向かって流動する。圧縮されて高温・高圧となった冷媒は、圧縮室98の開口100から第2ケーシング16の中空室102に移動した後、排出ポートから吐出され、冷媒圧縮装置10の下流側に設けられた凝縮器(図示せず)に案内される。
冷媒の圧縮を停止する場合、電磁コイル48への通電を停止すればよい。これに伴って交番磁界が消滅し、ロータ40の回転が停止する。
冷媒圧縮装置10を構成する同期モータ14は、以下のようにして組み立てることができる。すなわち、先ず、分割コア36の各々に対し、第1インシュレータ42と第2インシュレータ44を装着する(図3A〜図3C参照)。さらに、ティース部52を被覆した第1被覆部58及び第2被覆部66に電磁コイル48を巻回する。電磁コイル48の巻き終わり側端部は、第4垂直壁部70と第5垂直壁部72の間の第2クリアランス73に通し、さらに、湾曲させてガイド溝80に掛止される。
分割コア36の場合、一体型コアに比して電磁コイル48の巻回回数を多くすることができる。この分、小型であっても十分に大きな動力が得られる同期モータ14が構成される。
以上のようにして得た9個の組立体46を、図8に示す組立治具110上で、ヨーク部50の端面同士を当接させて円環形状のステータ30が形成されるように並べる。なお、組立治具110には、ヨーク部50の凹部54に挿脱自在に係合するスプライン状の凸部と、環状段部とを予め陥没形成しておくことが好ましい。この場合、スプライン状の凸部と環状段部に組立体46を挿入することによって、組立治具110上で9個の組立体46が整列する。従って、後述する焼き嵌めが容易となる。ここで、図8においては、組立治具110、ステータ30及び第1ケーシング12を簡略化して示している。
その一方で、第1ケーシング12を加熱する。この加熱の際には、例えば、誘導加熱を行うようにすればよい。
第1ケーシング12は、加熱によって熱膨張を起こす。そして、熱膨張した第1ケーシング12を、円環形状となった9個の組立体46、すなわち、ステータ30の上方に配置する。その後、第1ケーシング12をステータ30に指向して下降させ、該第1ケーシング12でステータ30を覆う。第1ケーシング12が熱膨張しているので、ステータ30が第1ケーシング12内の環状段部に容易に進入する。
ヨーク部50の端面同士の当接箇所は、この時点で、囲繞壁部32に形成された冷媒通路34に対向する。また、ステータ30が環状段部に進入することで、端面同士の位置が精確に揃う。
この状態で、第1ケーシング12を冷却する。この冷却は、自然冷却(放冷)であってもよいし、冷却風を吹き付ける強制冷却であってもよい。
冷却に伴い、第1ケーシング12が収縮を起こす。この際、収縮する第1ケーシング12の環状段部の両側壁部によってステータ30が堅牢に挟持され、第1ケーシング12からのステータ30の抜け止めとなる。以上により、ステータ30が第1ケーシング12に焼き嵌めされる。また、環状段部の両側壁部からの挟持によってステータ30が押圧されるので、ヨーク部50の端面同士の密着の度合いが高まる。
しかも、ヨーク部50の端面同士の当接箇所が、冷媒通路34に対向している。従って、当接箇所が囲繞壁部32に干渉することはない。従って、組立体46(分割コア36)が位置ズレを起こすことが回避される。換言すれば、ヨーク部50の端面同士の当接・密着が維持される。すなわち、端面同士の間にエアギャップが形成されることが回避されるので、磁気抵抗が上昇することを回避することができる。
次に、電磁コイル48の巻き終わり側端部を、同一相の分割コア36の電磁コイル48と束ね、前記制御回路に電気的に接続する。この際、束ねた電磁コイル48はレーシング糸等の結束部材によって第2インシュレータ44の第1小突部76に結束保持され、ロータ40及びシャフト38に対して干渉しないように配置される。
さらに、ロータ40を保持したシャフト38の一端部を、隔壁22に設けられた軸受部82に軸支する。また、該シャフト38の他端部を、軸受84を介してフレーム86に支持する。以上により、同期モータ14が構成される。
本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、同期モータ14の用途は、冷媒圧縮装置10の同期モータ14に限定されるものではなく、その他の機器における回転駆動源とすることができる。
また、第1ケーシング12に挿入用凸部を9個設け、この挿入用凸部を、分割コア36のヨーク部50の凹部54に係合するようにしてもよい。
10…冷媒圧縮装置 12…第1ケーシング
14…同期モータ 16…第2ケーシング
18…スクロール圧縮機構 22…隔壁
30…ステータ 32…囲繞壁部
34…冷媒通路 36…分割コア
38…シャフト 40…ロータ
42…第1インシュレータ 44…第2インシュレータ
46…組立体 48…電磁コイル
50…ヨーク部 52…ティース部
54…凹部 58…第1被覆部
60…第1垂直壁部 62…第2垂直壁部
64…傾斜切欠 65…第1クリアランス
66…第2被覆部 68…第3垂直壁部
70…第4垂直壁部 72…第5垂直壁部
73…第2クリアランス 74…陥没部
80…ガイド溝 90…旋回スクロール
92…固定スクロール 98…圧縮室
102…中空室 110…組立治具

Claims (5)

  1. ヨーク部と、該ヨーク部から突出したティース部とを有する分割コアがインシュレータで被覆された組立体を複数個含み、且つ隣接する前記分割コアの前記ヨーク部の長手方向端面同士が当接することで環状に形成されるとともに前記ティース部が内周側に臨むステータと、前記ステータを収容するケーシングとを有する同期モータであって、
    前記ケーシングの内壁に、該ケーシングの長手方向に沿って延在して冷却媒体が流通する冷媒通路が形成され、
    前記インシュレータは、前記冷媒通路を流通する冷却媒体を、少なくとも、前記ステータの外周側から内周側へ導く導風手段であることを特徴とする同期モータ。
  2. 請求項1記載の同期モータにおいて、前記インシュレータは、さらに、冷却媒体を、前記ステータの内周側から外周側へ導く導風手段を兼ねることを特徴とする同期モータ。
  3. 請求項1又は2記載の同期モータにおいて、前記インシュレータは、前記ティース部を被覆する被覆部と、該被覆部の端部に連なり且つ冷却媒体の流通方向に沿って延在する壁部とを有し、
    前記壁部に、冷却媒体を導くための通路が形成されていることを特徴とする同期モータ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の同期モータにおいて、前記冷媒通路が前記組立体と同一個数で形成され、且つ隣接する前記インシュレータ同士の近接箇所が前記冷媒通路に対向することを特徴とする同期モータ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の同期モータと、スクロール圧縮機構とを具備する冷媒圧縮装置であって、
    冷却媒体が、前記同期モータを収容したケーシングの内壁に形成された冷媒通路を通過して前記スクロール圧縮機構に供給されることを特徴とする冷媒圧縮装置。
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