JP5955437B1 - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
Description
また、この電動機の場合、スロット解放部を密封部材で覆う場合、ステータ最内径部に密封部材を構成する必要がある。そのため、ロータがステータに対し回転可能とする径方向の隙間を確保するためには、ステータコアとロータコアとの空隙距離を大きくする必要があり、大型化するとともに、電動機の最大トルクが低下してしまう問題点もあった。
さらに、スロット解放部の一部でも密封できないと、ステータの一端部から他端部へ冷却液を送る際に冷却液が漏れてしまい、ロータとステータとの間に空隙に入り込み、ロータ回転時に冷却液がせん断されることで発熱してしまうため、冷却液が熱源となる問題点もあった。
ハウジングと、このハウジング内に回転可能に設けられたロータと、このロータと空隙を介して前記ハウジングに固定されたステータと、を備え、
前記ハウジングは、上部に冷却液が流れる冷却液流路となる空洞部が形成されており、
前記ステータは、ステータコアと、このステータコアに導線が集中巻で構成された複数のコイル部からなるステータコイルと、前記コイル部の、前記ステータコアの軸線方向の両端面からそれぞれ突出した各コイルエンド部を覆ったコイルエンドカバーと、を有し、
前記コイルエンドカバーは、前記ステータコアの端面に対向した対向面の内周部に全周にわたって延びて設けられ先端面が前記端面に当接した内周側壁面部と、前記対向面の外周部に全周にわたって延びて設けられ先端面が前記端面に当接した外周側壁面部と、を有し、
前記内周側壁面部と協同して前記コイルエンド部を両周面から挟む前記外周側壁面部は、前記冷却液流路からの前記冷却液を前記コイルエンドカバー内に導く冷却液流入口が上部に形成され、また前記コイルエンドカバー内を流下し前記コイルエンド部と熱交換された前記冷却液を外部に排出する冷却液排出口が周方向に沿って形成されており、
前記コイルエンドカバーの前記対向面の上部には、前記冷却液流入口からの前記冷却液を分流し互いに周方向の反対方向の下側に導く溝形状のガイド部が形成されており、
前記ガイド部は、前記コイルエンドカバーの中心点を通る鉛直線との交差点から互いに反対の周方向に延びており、
このガイド部の終点と前記コイルエンドカバーの前記中心点とを結ぶ線の距離をR、
この線と前記鉛直線との交差する開き角をθ、
前記コイルエンドカバーの前記中心点と前記コイルエンドカバーの前記内周側壁面部とを結ぶ半径をrとすると、
前記距離R、前記開き角θ及び前記半径rとの間には、(R×sinθ)>rの関係が成立する。
図1は、この発明の実施の形態1の、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車などに搭載される電動機1の概略側断面図、図2は、図1の矢印Aの部位の拡大図、図3は、図1のステータ20を示す斜視図、図4は、図3のステータ20を軸線方向において反対側から視た斜視図、図5は、図1のステータ20を示す正面図、図6は、図1のステータ20を示す正断面図である。
電動機1は、第1ハウジング部2a及び第2ハウジング部2bで構成されたハウジング2と、このハウジング2内に回転可能に設けられたロータ10と、ハウジング2に固定されロータ10の外周に空隙を介して配置された円筒形状のステータ20と、を備えている。
上記ステータコア21は、3n個(nは整数)の分割コア部24から構成されている。各分割コア部24は、円弧上のバックヨーク部24aと、バックヨーク部24aの内周面において、周方向中央部からステータ20の中心軸線に向け径方向内側に突出するティース部24bとから構成されている。そして、ステータコア21は、複数の分割コア部24をバックヨーク部24aの周方向の側面同士を突き合わせて円環状に配列して構成されている。
ここで、分割コア部24にインシュレータ部22を介してコイル部50が巻装されたものが分割ステータ部であり、この各分割ステータ部を、分割ステータ部の周方向の側面同士を突き合わせて円環状に配列したものがステータ20である。
その結果、ステータ20には回転磁界が発生し、この回転磁界に引っ張られるようにしてロータ10が回転する結果、またロータ10と一体のシャフト11も回転し、そのトルクは外部に伝達される。
ハウジング2の外側には外部ポンプ(図示せず)が設けられており、この外部ポンプから圧送された冷却液5は、ハウジング2の入口(図示せず)を通じて冷却液流路7内に入り、図1の矢印イ、ロに示す方向、即ちコイル部50の両コイルエンド部25側にそれぞれ流れるようになっている。このうち、第1噴出孔8を通過した冷却液5は、コイルエンド部25もしくはコイルエンドカバー26の内壁に向けて流下する。
また、第2噴出孔9を通過した冷却液5は、コイルエンドカバー26の軸線方向の外側を通って軸受3に向けて流下する。
上記コイルエンドカバー26は、ステータコア21の端面に対向した対向面29の内周部に全周にわたって延びて設けられ先端面がステータコア21の端面に当接した内周側壁面部52と、対向面29の外周部に全周にわたって延びて設けられ先端面がステータコア21の端面に当接し内周側壁面部52と対向した外周側壁面部54と、を有している。
外周側壁面部54は、最上部に冷却液流路7からの冷却液5をコイルエンドカバー26内に導く冷却液流入口27が形成されている。また、外周側壁面部54は、冷却液流入口27の下側にコイルエンドカバー26内を流下しコイルエンド部25と熱交換された冷却液5をコイルエンドカバー26の外部に排出する冷却液排出口51が形成されている。この冷却液排出口51は、スリット形状であり、ほぼ全周に沿って形成されている。
このように、この円環状のコイルエンドカバー26は、各コイルエンド部25を全周にわたって内周側壁面部52及び外周側壁面部54で径方向において挟んだ断面略コの字形状になっている。
この冷却液5は、流下しながらコイルエンド部25との間で熱交換され、その後熱交換後の高温化した冷却液5は、コイルエンドカバー26の全周にわたって形成された冷却液排出口51を通じてコイルエンドカバー26の外部へ排出される。
その後、冷却液5は、ハウジング2の下部に形成された排出口(図示せず)を通じてハウジング2の外部に排出される。
従って、高温化した冷却液5のステータ20内での滞留が防止され、下側に配置されたコイルエンド部25の冷却効果が特に向上し、より効率的なステータコイル23の冷却が実現できる。
また、コイルエンドカバー26は、大気解放型とし、ステータ20に組み付けるだけの構造とすることで、完全密閉構造で必要であったコイルエンドカバー内部へ冷却液を供給するための配管、ステータとカバーとの隙間を無くすための機構や部品が不要となり、大型化することなく、安価で簡便な方法で冷却構造を実現することができる。
図7は、この発明の実施の形態2の電動機1のコイルエンドカバー26を内側から視たときを示す正面図、図8は、図7のVIII-VIII線に沿った矢視断面図、図9は、図7の矢印Bの部位を示す拡大図である。
この実施の形態では、各コイルエンド部25と対向する各コイルエンドカバー26の軸線方向の対向面29には、周方向に延びた溝であるガイド部30が形成されている。
このガイド部30は、コイルエンドカバー26の上部においてコイルエンドカバー26の中心点Oを通る鉛直線を左右対称にして周方向に延びている。
ここで、この左右に延びたガイド部30の終点Eとコイルエンドカバー26の中心点O
とを結ぶ線の距離をR、ガイド部30の終点Eとコイルエンドカバー26の中心点Oとを結ぶ線と鉛直線との交差する開き角をθ、コイルエンドカバー26の中心点Oとコイルエンドカバー26の内周側壁面部52とを結ぶ半径をrとすると、(1)式の関係がある。
他の構成は、実施の形態1の電動機1と同じである。
この回転電機は、このガイド部を備えたことで大型化するとともに、冷却液は、ステータ20の上部から下部へとコイルエンドカバーの内周付近を流れることとなり、冷却液が拡散できないという問題点がある。
なお、(R×sinθ)>rの関係が成立しない場合であっても、ガイド部30は、冷却液流入口27からの冷却液5を分流し互いに周方向の反対方向の下側に導くことで、冷却液5を拡散しコイルエンド部25を効率的に冷却する効果がある。
この例は、コイルエンド部25の軸線方向に沿って切断した断面形状が2段形状であり、この形状に合わせてコイルエンドカバー26の突出部31の高さがh1、h2に示すように異なるようにすることで、窪み部32と、突出部31との間の隙間をほぼ一定にしている。
また、図12は、さらに突出部31の変形例を示すコイルエンドカバー26の要部断面図であり、この突出部31は、図10のものと比較して広がり角(Δ)が小さい例であり、この例も突出部31の広がり角(Δ)を調整することで、窪み部32と、突出部31との間の隙間をほぼ一定した例である。
図13は、この発明の実施の形態3の電動機1のコイルエンドカバー26を示す正面図、図14は、図13の矢印Cの部位の拡大図、図15の矢印Dの部位の拡大図である。
また、この実施の形態の電動機1のステータ20は18スロットであり、ステータ20の直上部では、突出部31は、隣接したコイル部50間の窪み部32に対向している。
この例では、X軸より上部には突出部31が9個設けられ、ステータ20の鉛直方向(Y軸)を基準として、Y軸の左右にそれぞれ4個の突出部31が直上部に突出部31が1個設けている。
なお、突出部31の数は、ステータ20の内径,スロット数によって変更してもよいが、ステータ20の水平方向(X軸)を基準として、X軸より上部の範囲において少なくともY軸の左右に1個設ければよい。
また、ステータ20の直下部、及びその周方向の一定の領域には、突出部31は、設けられていない。
他の構成は、実施の形態1の電動機1と同じである。
これにより、ステータ20の上部から下部へと流れる流れ(α+γ)とステータ20の横方向に広がる流れ(β)により、突出部31を通過し3つの流れが合流する際、各流れの表面張力の関係が(α+γ)>βとなる。
従って、βの流れが(α+γ)の流れに引き寄せられ、突出部31直下とコイルエンドカバー26の径方向内側とで囲まれた領域Fにも冷却液5を広げることができるため、より効率的なコイルエンド部25の冷却が実現できる。
これによりステータ20の最下部のコイルエンド部25へも冷却液5を十分に供給することができるため、より効率的なコイルエンド部25の冷却が実現できる。
図16は、この発明の実施の形態4における電動機1の要部を示す斜視図である。
この実施の形態では、各分割コア部24の両端面に組み付けられたインシュレータ部22には、ステータ20の軸線方向外側に向けて平坦部33及び突起部34が設けられている。また、コイルエンドカバー26の突起部34に対向する部位には、平坦部35と突起部34の直径以上の穴36が設けられている。
他の構成は、実施の形態1の電動機1と同じである。
これにより、冷却液5の流量が変更となっても、簡便な方法で最適な流路高さH4を設定することができる。
また、インシュレータ部22の突起部34に固定部材40を嵌入して、コイルエンドカバー26を固定部材40とインシュレータ部22で挟み込んで固定することで、安価で簡便な方法で冷却構造を実現することができる。
また、コイルエンドカバー26の冷却液排出口51は、一か所ではなく、ほぼ全周に複数に分けて形成してもよい。
また、回転電機として電動機1について説明したが、この発明は、発電機、発電電動機にも適用できる。
Claims (6)
- ハウジングと、このハウジング内に回転可能に設けられたロータと、このロータと空隙を介して前記ハウジングに固定されたステータと、を備え、
前記ハウジングは、上部に冷却液が流れる冷却液流路となる空洞部が形成されており、
前記ステータは、ステータコアと、このステータコアに導線が集中巻で構成された複数のコイル部からなるステータコイルと、前記コイル部の、前記ステータコアの軸線方向の両端面からそれぞれ突出した各コイルエンド部を覆ったコイルエンドカバーと、を有し、
前記コイルエンドカバーは、前記ステータコアの端面に対向した対向面の内周部に全周にわたって延びて設けられ先端面が前記端面に当接した内周側壁面部と、前記対向面の外周部に全周にわたって延びて設けられ先端面が前記端面に当接した外周側壁面部と、を有し、
前記内周側壁面部と協同して前記コイルエンド部を両周面から挟む前記外周側壁面部は、前記冷却液流路からの前記冷却液を前記コイルエンドカバー内に導く冷却液流入口が上部に形成され、また前記コイルエンドカバー内を流下し前記コイルエンド部と熱交換された前記冷却液を外部に排出する冷却液排出口が周方向に沿って形成されており、
前記コイルエンドカバーの前記対向面の上部には、前記冷却液流入口からの前記冷却液を分流し互いに周方向の反対方向の下側に導く溝形状のガイド部が形成されており、
前記ガイド部は、前記コイルエンドカバーの中心点を通る鉛直線との交差点から互いに反対の周方向に延びており、
このガイド部の終点と前記コイルエンドカバーの前記中心点とを結ぶ線の距離をR、
この線と前記鉛直線との交差する開き角をθ、
前記コイルエンドカバーの前記中心点と前記コイルエンドカバーの前記内周側壁面部とを結ぶ半径をrとすると、
前記距離R、前記開き角θ及び前記半径rとの間には、(R×sinθ)>rの関係が成立する回転電機。 - 前記コイルエンドカバーの前記対向面には、隣接したコイル部間の窪み部に対向して前記窪み側に突出して径方向に延びた突出部が設けられている請求項1に記載の回転電機。
- 前記突出部と前記内周側壁面部との間には隙間が設けられている請求項2に記載の回転電機。
- 前記コイルエンドカバーを前記ステータの軸線方向に沿って視たときに、前記突出部は、前記コイルエンドカバーの上半部であって前記コイルエンドカバーの中心点を通る鉛直線に対して両側に少なくとも1個設けられている請求項2または3に記載の回転電機。
- 前記突出部は、各前記コイルエンド部のうち少なくとも最下部に位置するコイルエンド部と対向する前記コイルエンドカバーの部位を除いて周方向に沿って複数個配置されている請求項2〜4の何れか1項に記載の回転電機。
- 前記ステータコアは、周方向に間隔をあけて径方向に沿って切断した分割コア部から構成され、
前記ステータコイルは、各前記分割コア部のティース部にインシュレータ部を介して前記コイル部が設けられ、
前記インシュレータ部は、前記ステータの軸線方向外側に向けて平坦部及び突起部が設けられ、
前記コイルエンドカバーの、前記インシュレータ部の前記突起部に対向する部位には、前記突起部が挿入される穴が形成され、
前記コイルエンドカバーは、前記穴に挿入された前記突起部の先端部に固定された固定部材により前記インシュレータ部に固定される請求項1〜5の何れか1項に記載の回転電機。
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