JP2007522122A - n−ブテンからのペンテンニトリルの製造 - Google Patents

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Abstract

触媒としてリン配位子を有する少なくとも一種のニッケル(0)錯体上での1,3−ブタジエンのシアン化水素化方法であって、
1,3−ブタジエンがn−ブタンとの混合物として用いられ、前記混合物が60〜90体積%の1,3−ブタジエン及び40〜10体積%のn−ブタンを含むことを特徴とする方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、触媒としてリン配位子を有する少なくとも1種のニッケル(0)錯体上での1,3−ブタジエンのシアン化水素化法に関する。
アジポニトリルはナイロン製品の出発材料として重要なものであり、1,3−ブタジエンの二度のシアン化水素化によって得られる。初めのシアン化水素化において、1,3−ブタジエンは3−ペンテンニトリルにシアン化水素化される。第二の後のシアン化水素化において、3−ペンテンニトリルがシアン化水素と反応してアジポニトリルを与える。双方のシアン化水素化はリン配位子を有するニッケル(0)錯体によって触媒される。
従来、このアジポニトリルの製造方法では、利用される原料のコストや材料は製造コストの70%を構成するため非常に重要である。
1,3−ブタジエンは、通常、複雑な抽出によるスチームクラッカーのC4留分から取り除かれるので(例えば、非特許文献1参照)、1,3−ブタジエンおよびシアン化水素化からのアジポニトリル合成において、シアン化水素化反応における純粋な1,3−ブタジエンの使用は不都合である。
抽出コストを抑えるために、特許文献1では、粗C4分解留分が純粋な1,3−ブタジエンに代えてシアン化水素化に用いられると言及している。このC4分解留分は、通常、40%の1,3−ブタジエン、5%のアルキン及びアレン、ならびに55%のモノ及びポリオレフィンを含む。オレフィンは、シアン化水素化において実質的に不活性であるが、アルキン及びアレンは、さらなる部分水素化などによってシアン化水素化前に混合物から取り除かれなければならず、そうしなければ不必要な副生成物の形成および触媒阻害となる。約60%もの高い濃度の不活性成分のため、これらの部分水素化C4分解留分を用いた場合の空時収率は、通常、純粋な1,3−ブタジエンを使用した場合と比較して極めて低い。
DE19652273 Weissermehl,Arpe;Industrielle Organische Chemie;page 119 ff.;Wiley−VCH 1998
したがって、本発明の目的は、簡易且つ安価な方法により得られる1,3−ブタジエン含有反応蒸気を用いた、少なくとも1種の触媒上での1,3−ブタジエンのシアン化水素化方法を提供することである。
触媒としてのリン配位子を有する少なくとも一種のニッケル(0)錯体上で1,3−ブタジエンをシアン化水素化する方法であって、n−ブタンとの混合物として1,3−ブタジエンを用いることを特徴とする方法により上記課題を解決する。
前記目的を達成するには、触媒としてリン配位子を含む少なくとも1種のニッケル(0)錯体上での1,3−ブタジエンのシアン化水素化法から開始する。本発明による当該方法において1,3−ブタジエンはn−ブタンとの混合物として使用される。
本発明において、1,3−ブタジエンおよびn−ブタンの混合物が3−ペンテンニトリルを得るシアン化水素化において用いられることを見出した。当該混合物は、さらに2−ブテンを含んでいてもよい。
本発明の方法において反応物質として用いられる前記混合物は、それぞれ1,3−ブタジエン及びn−ブタンに対して、好ましくは60〜90体積%、より好ましくは65〜85体積%、特に70〜80体積%の1,3−ブタジエンを含む。さらに、本発明の方法において用いられる前記混合物は、それぞれ1,3−ブタジエン及びn−ブタンに対して、好ましくは40〜10体積%、より好ましくは35〜15体積%、特に30〜20体積%のn−ブタンを含む。
本発明の方法の特に好ましい形態において、本発明の方法においてシアン化水素化のために使用される混合物は、より早い優先日を有するが本出願の優先日の時点では公開されていないBASF社のドイツ特許出願DE10361822.8による所望の生成物流eの生成物として得られるものであり、下記工程:
A)n−ブタンを含む原料ガス流aを準備する工程、
B)前記n−ブタンを含む原料ガス流aを少なくとも1種の一次脱水素化領域に供給し、n−ブタンを非酸化触媒を用いて脱水素して、n−ブタン、1−ブテン、2−ブテン、ブタジエン、水素、低沸点二次成分及び場合によっては蒸気を含む生成ガス流bを得る工程;
C)前記非酸化触媒を用いた脱水素により得られた生成ガス流b及び酸素含有ガスを少なくとも1種の二次脱水素化領域に供給し、1−ブテン及び2−ブテンを酸化脱水素して、n−ブタン、2−ブテン、ブタジエン、水素、低沸点二次成分及び蒸気を含み、前記生成ガス流bよりも高濃度のブタジエンを含む生成ガス流cを得る工程;
D)蒸気、低沸点二次成分及び蒸気を除去し、n−ブタン、2−ブテン及びブタジエンを実質的に含むC4生成ガス流dを得る工程;
E)前記C4生成ガス流dを蒸留領域へ供給し、所望の生成物流eとしてブタジエン/n−ブタンを採取する工程;
による1,3−ブタジエンの製造方法に関する。
所望の生成物流eの製造方法は、原料を非常に効率よく利用している点に特徴がある。従って、n−ブタンの原材料の損失は未反応のn−ブタンを脱水素へ再循環させることによって最小限となる。非酸化触媒を用いた脱水素および酸化脱水素の結合は、高いブタジエン収率を達成する。
第一工程部Aにおいて、n−ブタンを含む原料ガス流aが準備される。通常は、出発原料は、液化石油ガス(LPG)などのn−ブタンに富むガスである。LPGは、飽和C2〜C5炭化水素を実質的に含む。さらに、メタン及び微量のC6 +炭化水素も含む。LPGの組成は著しく異なる可能性がある。好ましくは、使用されるLPGは少なくとも10質量%のブタンを含む。
分解装置または精製装置からの精製されたC4流を代わりに使用していてもよい。
異なる形態において、n−ブタンを含む脱水素化原料ガス流の準備は、以下の工程
(A1)液化石油ガス(LPG)流を準備する工程、
(A2)前記LPG流から、プロパンならびに任意のメタン、エタン及びC5 +炭化水素(主に、ペンタン、さらにヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン)を除去し、ブタン(n−ブタン及びisoブタン)を含む流れを得る工程、
(A3)前記ブタンを含む流れからisoブタンを除去し、n−ブタンを含む原料ガス流を得、必要であれば除去されたisoブタンを異性化してn−ブタン/isoブタン混合物を得て前記n−ブタン/isoブタン混合物をisoブタン除去へ再循環させる工程、
からなる。
プロパンならびに任意のメタン、エタン及びC5 +炭化水素は、公知の一種以上の精留塔などにおいて除去される。例えば、第一の塔において低沸点物(メタン、エタン、プロパン)を加熱除去することができ、第二の塔において高沸点物(C5 +炭化水素)を塔の底で除去することができる。公知の蒸留塔などにより、ブタン(n−ブタン及びisoブタン)を含む流体が得られ、同流体からisoブタンが取り除かれる。n−ブタンを含む残存する流れは、下流のブタン脱水素化のためのフィードガス流として使用される。
除去されたisoブタン流は異性化するのが好ましい。このため、isoブタンを含む流れは、異性化反応塔へ供給される。isoブタンからn−ブタンへの異性化は、GB−A2018815に記載された方法で実施することができる。n−ブタン/isoブタン混合物が得られ、n−ブタン/isoブタン分離塔へ供給される。
除去されたisoブタン流は、さらなる用途、例えばメタクリル酸、ポリイソブテン又はtert−ブチルエーテルの製造などへ送られてもよい。
工程部Bにおいて、n−ブタンを含む原料ガス流は脱水素化領域へ供給され、非酸化触媒を用いた脱水素に供される。この脱水素において、n−ブタンが脱水素化反応塔において脱水素触媒上で部分的に脱水素されることにより1−ブテン及び2−ブテンを得、またブタジエンも形成される。さらに、水素、ならびに少量のメタン、エタン、エテン、プロパン及びプロペンも得られる。脱水素法によっては、酸化炭素(CO、CO2)、水及び窒素もまた、非酸化触媒を用いたn−ブタン脱水素化の生成ガス混合物中に存在し得る。さらに、生成ガス混合物中には、未反応のn−ブタンも存在する。
非酸化触媒を用いたn−ブタン脱水素化は、共原料として酸素含有ガスを用いて又は用いずに実施してもよい。
酸化的方法に対する非酸化的方法(自由水素の形成をともなう脱水素化)の一つの特徴は排ガス中の水素の存在である。酸化的脱水素において、自由水素は相当量、形成されない。
非酸化触媒を用いたn−ブタンの脱水素は、原則的には従来技術において開示されている如何なる反応器型及び方法で実施されてもよい。また、本発明における好ましい脱水素工程の比較的分かり易い説明の一例として、“キャタリティカ(登録商標)研究事業部における、酸化的脱水素及び代替的な脱水素法(Catalytica(登録商標) Studies Division,Oxidative Dehydrogenation and Alternative Dehydrogenation Processes)”(Study Number 4192 OD, 1993, 430 Ferguson Drive, Mountain View, California, 94043−5272, USA)がある。
好ましい反応形態は、固定床管型反応器または管束反応器である。これらの反応器において、触媒(脱水素触媒、及び共原料として酸素とともに実施される場合には必要であれば特定の酸化触媒)は、反応管中の固定床として又は反応管束中に配置される。反応管は、通常は、当該反応管を囲む空間において、メタン等の炭化水素などのガスの燃焼によって間接的に加熱される。この間接的な加熱形態は、固定床の長さに対して初めの20〜30%に適用され、残りの固定床は間接的加熱中で放出される輻射熱によって必要な反応温度に加熱されるのが好ましい。反応管の内径は、通常、10〜15cmである。従来の脱水素化管束反応器は、約300〜1000個の反応管を有する。反応管の内部温度は、通常は、300〜1200℃の範囲内で、好ましくは500〜1000℃の範囲内で変わる。作動圧力は、通常は、少量の蒸気蒸留が用いられる(プロパン脱水素化するリンデ法に類似する)場合には0.5〜8bar、特に1〜2barであり、あるいは多量の蒸気蒸留が用いられる(フィリップス・ペトロリアム社のプロパン又はブタンを脱水素化するための蒸気活性化改質法(STAR法)に類似する;US4,902,849、US4,996,387及びUS5,389,342参照)場合には3〜8barである。ガス時間空間速度(GHSV)は、通常、使用する炭化水素に対して500〜2000h-1である。触媒の形状は、球状又は円筒状(中空又は中空でない)などであってもよい。
非酸化触媒を用いたn−ブタン脱水素化は、Chem.Eng.Sci.1992 b,47 (9〜11)2313に記載されるように、流動床中に不均一系触媒を用いて実施されてもよい。好ましくは、そのうちの1個が再生法において一般的なものである2個の流動床を並列に作動させる。作動圧力は通常1〜2barであり、脱水素化温度は通常550〜600℃である。脱水素化に必要とされる熱は、脱水素触媒を反応温度に予備加熱することにより反応系に伝えられる。酸素含有共原料の混合は、予熱器の省略を可能とし且つ必要とされる熱を酸素の存在下での水素及び/又は炭化水素の燃焼によって反応系内に直接生成することができる。必要であれば、水素含有共原料がさらに混合されてもよい。
非酸化触媒を用いたn−ブタン脱水素化は、共原料としての酸素含有ガスとともに又はなしで棚段式反応器(tray reactor)において実施されてもよい。この反応器は、1個以上の連続した触媒床を有する。触媒床の数は、1〜20個、有利には1〜6個、好ましくは1〜4個、特に1〜3個であればよい。触媒床は、好ましくは、反応ガスによって放射状に又は軸方向に流動する。一般的に、このような棚段式反応器は固定触媒床を用いて操作される。最も簡易な場合において、固定触媒床は、高炉反応器中又はこれと同心円状に設けられた円筒状のグリッドの環状の隙間中に軸方向に配置される。高炉反応器は1つの段に相当する。酸素含有共原料とともに作動できる単独の高炉反応器中での脱水素の実施が好ましい形態である。さらに好ましい実施形態において、脱水素は、3種の触媒床を有する棚段式反応器において実施される。共原料として酸素含有ガスを用いない方法において、反応ガス混合物は、高温ガスによって加熱された伝熱槽(heat exchanger plates)上を通過させる又は高温燃焼ガスによって加熱された管に通過させるなど、触媒床から次の触媒床への経路上での棚段式反応器における中間加熱に供される。
本発明の方法における好ましい実施形態において、非酸化触媒を用いたn−ブタン脱水素化は、自己熱的に実施される。この目的を達成するために、n−ブタン脱水素化の反応ガス混合物は少なくとも1種の反応領域中の酸素と混合され及び/又は反応ガス混合物中に含まれる水素及び/又は炭化水素は少なくとも部分的に燃焼され、これにより少なくとも一の反応領域における脱水素に必要とされる熱の少なくとも一部が反応ガス混合物中で直接、生じることになる。
一般的に、反応ガス混合物に添加される酸素含有ガス量は、n−ブタンの脱水素に必要とされる熱を反応ガス混合物中に含まれる水素及び反応ガス混合物中に含まれる任意の炭化水素及び/又はコークスの形態で存在する炭素の燃焼によって生じさせる方法により選択される。一般的に、供給される全酸素量は、ブタンの全量に対して、0.001〜0.5mol/mol、好ましくは0.005〜0.2mol/mol、より好ましくは0.05〜0.2mol/molである。酸素は、純粋な酸素として、又は空気の形態など不活性ガスとの混合物の形態で酸素含有ガスとして使用することができる。不活性ガス及び燃焼から得られたガスは、通常、さらなる蒸留をもたらし、その結果、不均一に触媒された脱水素が促進される。
熱を生じさせるために燃焼させる水素は、触媒的n−ブタン脱水素化において形成された水素及び水素含有ガスとして反応ガス混合物中にさらに添加される任意の水素である。存在する水素量は、好ましくは、酸素が供給された直後の反応ガス混合物中でのH2/O2モル比が、1〜10mol/mol、好ましくは2〜5mol/molであり得る。多段反応器において、これは酸素含有および任意の水素含有ガスのすべての中間原料に適用される。
水素は触媒的に燃焼される。また、使用される脱水素触媒は通常、炭化水素の燃焼及び酸素との水素の燃焼に触媒作用を及ぼし、そのため原理上は特定の酸化触媒がそれとは別に必要とはされない。一実施形態において、操作は、炭化水素の存在下で酸素への水素の燃焼に選択的に触媒作用を及ぼす1種以上の酸化触媒の存在下で行われる。したがって、CO、CO2、及び水を生じるこれらの炭化水素と酸素との燃焼は、小さい程度でのみ進行する。脱水素触媒及び酸化触媒は好ましくは異なる反応領域に存在する。
前記反応が二段階以上で実施される場合、酸化触媒は1種のみ、2種以上、又は全ての反応領域中に存在していてもよい。
反応器中の他の部位よりも部分的に高い酸素圧となっている部位、特に酸素含有ガスを供給する部位に近い部位で、水素の酸化に選択的に触媒作用を及ぼす触媒が配置されるのが好ましい。酸素含有ガス及び/又は水素含有ガスは、反応器中の一以上の部位に供給されればよい。
一実施形態において、棚段式反応器のそれぞれの段の上流に酸素含有ガス及び水素含有ガスの中間供給がある。本発明による方法のさらなる実施形態において、酸素含有ガス及び水素含有ガスは初めの段を除くそれぞれの段の上流に供給される。一実施形態において、特定の酸化触媒層が、全ての供給部位の下流であって脱水素触媒層の後に存在する。さらなる実施形態において、特別な酸化触媒用いるものではない。脱水素化温度は通常は400〜1100℃であり、反応槽の最後の触媒床の圧力は通常は0.2〜5bar、好ましくは1〜3barである。GHSVは、通常は500〜2000h-1であり、高負荷運転においては100000h-1、好ましくは4000〜16000h-1である。
水素の燃焼に選択的に触媒作用を及ぼす触媒として好ましくは、ゲルマニウム、スズ、鉛、ヒ素、アンチモン及びビスマスの酸化物及び/又はリン酸塩よりなる群から選択される酸化物及び/又はリン酸塩を含む。水素の燃焼に触媒作用を及ぼすさらに好ましい触媒としては、周期表の遷移族VIII及び/又はIの貴金属を含む。
通常、使用する脱水素触媒は、担体及び活性成分を有する。前記担体は、通常は、耐熱酸化物または混合酸化物からなる。脱水素触媒は、二酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ランタン、酸化セリウム、およびこれらの混合物よりなる群から選択される金属酸化物を担体として含むのが好ましい。前記混合物は、酸化物が混合されたマグネシウムアルミニウム酸化物又は亜鉛アルミニウム酸化物など、物理的な混合物でも化学的な混合相であってもよい。好ましい担体としては、二酸化ジルコニウム及び/二酸化ケイ素が挙げられる。
脱水素触媒の活性成分は、通常、周期表の遷移族VIIIの1種以上の元素、好ましくは白金及び/又はパラジウム、より好ましくは白金を含む。さらに、脱水素触媒は、周期表の第I及び/又は第II主族の1種以上の元素、好ましくはカリウム及び/又はセシウムを含んでいてもよい。脱水素触媒は、ランタニド及びアクチニド、好ましくはランタン及び/又はセリウムを含む周期表の遷移族IIIの1種以上の元素をさらに含んでいてもよい。最後に、脱水素触媒は、周期表の第III及び/又はIV主族の1種以上の元素、好ましくはホウ素、ガリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ及び鉛よりなる群から選択される少なくとも一種の元素、より好ましくはスズを含んでいてもよい。
好ましい一実施形態において、脱水素触媒は、遷移族VIIIの少なくとも1種の元素、第I及び/又は第II主族の少なくとも1種の元素、第III及び/又は第IV主族の少なくとも一種の元素、ならびにランタニド及びアクチニドを含む遷移族IIIの少なくとも一種の元素を含む。
本発明においては、例えば、WO99/46039、US4,788,371、EP−A705136、WO99/29420、US5,220,091、US5,430,220、US5,877,369、EP0117146、DE−A19937106、DE−A19937105、及びDE−A19937107に記載される全ての脱水素触媒が使用できる。上述した種々の自己熱n−ブタン脱水素用触媒として特に好ましくは、DE−A19937107の実施例1、2、3及び4による触媒である。
n−ブタンの脱水素は、蒸気の存在下で行うのが好ましい。添加される蒸気は、熱媒体として供給され、触媒上の有機堆積物のガス化を持続させ、これにより触媒の炭化を抑制して触媒の稼働時間を向上させる。有機堆積物は、一酸化炭素、二酸化炭素及び場合によっては水に変えられる。
脱水素触媒は、公知の方法に準じて再生されてもよい。例えば、蒸気を反応ガス混合物へ添加してもよく、又は酸素含有ガスを高温の触媒床上に時々、通過させて堆積した炭素を焼き払ってもよい。蒸気との希釈は、脱水素の生成物に向かう平衡を変える。再生後、必要であれば水素により還元する。
非酸化触媒を用いたn−ブタン脱水素化により、二次成分を含むガス混合物に加えて、ブタジエン、1−ブテン、2−ブテン及び未反応のn−ブタンを生じる。通常は、二次成分は、水素、蒸気、窒素、CO及びCO2、メタン、エタン、エテン、プロパン及びプロペンを含む。一次脱水素化領域から出るガス混合物の組成は、脱水素法によって非常に変わり易い。例えば、酸素及びさらに水素が供給される好ましい自己熱脱水素において、生成ガス混合物は、比較的高濃度の蒸気及び酸化炭素を含む。酸素の供給を用いない方法において、非酸化脱水素の生成ガス混合物は、比較的高濃度の水素含有量を有する。
非酸化自己熱n−ブタン脱水素化の生成ガス流は、通常、0.1〜15体積%のブタジエン、1〜15体積%の1−ブテン、1〜25体積%の2−ブテン(cis/trans−2−ブテン)、20〜70体積%のn−ブタン、1〜70体積%の蒸気、0〜10体積%の低沸点炭化水素(メタン、エタン、エテン、プロパン及びプロペン)、0.1〜40体積%の水素、0〜70体積%の窒素及び0〜5体積%の酸化炭素を含む。
第1脱水素化領域から出る生成ガス流bは、二個の副流に分離され、二個の副流のうちの1個のみがさらなる工程部C〜Gに使用され、2個目の副流が初めの第1脱水素化領域へ再循環されるのが好ましい。相当する手段は、DE−A10211275に記載されている。しかしながら、非酸化触媒を用いたn−ブタン脱水素化の生成ガス流bの全てが、さらなる工程部C〜Fに使用されてもよい。
本発明において、非酸化触媒を用いた脱水素は、工程部Cの酸化的脱水素(酸素含有脱水素)によって下流に続く。これは、1−ブテン及び2−ブテンを1,3−ブタジエンに実質的に脱水素し、1−ブテンは通常、実質的に完全に消耗される。
これは、流動床型、多段炉型(tray furnace)、固定床管型反応器または管束反応器又はプレート式熱交換型反応器など、原理上は従来技術において開示されている全ての反応器型及び方法において実施できる。プレート式熱交換型反応器は、DE−A19952964などに記載されている。酸化的脱水素を実施するために、酸素:n−ブタンのモル比が少なくとも0.5であるガス混合物が必要とされる。酸素:n−ブタンの比が0.55〜50で実施されるのが好ましい。この値を得るために、非酸化触媒を用いた脱水素から生じる反応ガス混合物は、通常、酸素または空気などの酸素含有ガスと混合される。得られた酸素含有ガス混合物は、その後、酸化的脱水素へ供給される。
酸化脱水素に特に好ましい触媒は、通常、さらに鉄を含むMo−Bi−O多金属酸化物化合物に基づく。通常は、触媒化合物は、カリウム、マグネシウム、ジルコニウム、クロム、ニッケル、コバルト、カドミウム、スズ、鉛、ゲルマニウム、ランタン、マンガン、タングステン、リン、セリウム、アルミニウム又はケイ素など周期表の1〜15族の成分をさらに含んでいてもよい。
好ましい触媒及びその調製は、US4,423,281(Mo12BiNi8Pb0.5Cr30.2x及びMo12BibNi7Al3Cr0.50.5x)、US4,336,409(Mo12BiNi6Cd2Cr30.5x)、DE−A2600128(Mo12BiNi0.5Cr30.5Mg7.50.1x+SiO2)及びDE−A2440329(Mo12BiCo4.5Ni2.5Cr30.50.1x)に記載されている。
酸化的脱水素のための好ましい多数の多金属酸化物触媒の活性成分の化学量論は、下記式(I)
Figure 2007522122
(式中、
1=W、Sn、Mn、La、Ce、Ge、Ti、Zr、Hf、Nb、P、Si、S
b、Al、Cd及び/又はMg;
a =0.5〜5、好ましくは0.5〜2;
b =0〜5、好ましくは2〜4;
c =0〜10、好ましくは3〜10;
d =0〜10;
e =0〜10、好ましくは0.1〜4;
f =0〜5、好ましくは0.1〜2;
g =0〜2、好ましくは0.01〜1;及び
x =酸素以外の式(I)における元素の価数及び振動数によって決定される数)
で示されるものを包含する。
本発明の方法において、酸素含有脱水素化のためにはMo−Bi−Fe−O多金属酸化物化合物を用いるのが好ましく、Mo−Bi−Fe−Cr−O又はMo−Bi−Fe−Zr−O多金属酸化物化合物が特に好ましい。好ましい化合物は、US4,547,615(Mo12BiFe0.1Ni8ZrCr30.2x及びMo12BiFe0.1Ni8AlCr30.2x)、US4,424,141(Mo12BiFe3Co4.5Ni2.50.50.1x+SiO2)、DE−A2530959(Mo12BiFe3Co4.5Ni2.5Cr0.50.1x、Mo13.75BiFe3Co4.5Ni2.5Ge0.50.8x、Mo12BiFe3Co4.5Ni2.5Mn0.50.1x及びMo12BiFe3Co4.5Ni2.5La0.50.1x)、US3,911,039(Mo12BiFe3Co4.5Ni2.5Sn0.50.1x)、DE−A2530959及びDE−A2447825(Mo12BiFe3Co4.5Ni2.50.50.1x)などに記載されている。上述した触媒の調製及び特性は、前述の文献中に包括的に記載されている。
酸素含有脱水素触媒は、通常、2mmを超える平均径を有する成形体として使用される。当該工程を実施している際に観測される圧力損失のためには、より小さな成形体が通常、好ましく用いられる。有用な成形体としては、錠剤、円柱状、中空円柱状、環状、球状、螺旋状、車輪状又は押出形状などが挙げられる。“三裂状(trilobes)”及び“トライスター状(tristars)”(EP−A−0593646参照)又は外側に少なくとも1個の刻み目を有する成形体などの特別な形状も同様に有用である。
通常、使用される触媒は、担持されていない触媒として使用されてもよい。この場合、成形触媒体の全体が活性成分からなり、グラファイト又はポア形成体及びさらなる成分など任意の付属物を含む。特に、n−ブタンをブタジエンとする酸素含有脱水素に好ましく使用されるMo−Bi−Fe−O触媒を、担持されていない触媒として用いることが有用であることが証明された。さらに、有機酸化物成形体などの担体に触媒の活性成分を担持することも可能である。このような触媒は、通常、コーティング触媒と言われている。
酸素含有脱水素は、通常は220〜490℃、好ましくは250〜450℃、より好ましくは300〜350℃で実施される。反応器の入口圧力は、装置内及びその後の後処理における流動抵抗に耐えるのに十分であるように決定される。当該反応器の入口圧力は、通常は大気圧を超えて0.005〜1MPa、好ましくは大気圧を超えて0.01〜0.5MPaである。その性質によって、反応器の入口領域に適用されるガス圧は触媒床の実質的に全体上に作用する。
形成されたn−ブタンの酸化的脱水素との非酸化触媒を用いた、好ましくは自己熱脱水素の結合は、使用したn−ブタンに対するブタジエンの著しく高い収率をもたらす。また、非酸化脱水素は、穏やかな方法において実施することができる。非酸化脱水素処理のみを行った場合は、同程度のブタジエン収率を得られても、選択性が極めて低くなるという不具合を生じる。非酸化脱水素処理のみでは、低いn−ブタンの変化しか達成されない。
ブタジエンおよび未変化のn−ブタンに加えて、酸化脱水素から出る生成ガス流cは、2−ブテンおよび蒸気を含む。これは、水素及び酸素を加えるものとして知られる酸素含有炭化水素とともに又はなしで、二次成分として通常、一酸化炭素、二酸化炭素、酸素、窒素、メタン、エタン、エテン、プロパン及びプロペンを含む。これは、通常、非常に少ない濃度で1−ブテンのみを含む。
通常、酸化脱水素から出る反応ガス流cは、1〜40体積%のブタジエン、20〜80体積%のn−ブタン、0.5〜40体積%の2−ブテン、0〜5体積%の1−ブテン、0〜70体積%の蒸気、0〜10体積%の低沸点炭化水素(メタン、エタン、エテン、プロパン及びプロペン)、0.1〜40体積%の水素、0〜70体積%の窒素、0〜10体積%の酸化炭素及び0〜10体積%の酸化物を含む。酸化物は、例えば、フラン、酢酸、無水マレイン酸、ギ酸及びブチルアルデヒドなどである。
工程部Dにおいて、C4炭化水素(n−ブタン、isoブタン、1−ブテン、cis−/trans−2−ブテン、isoブテン、ブタジエン)以外の低沸点二次成分は、少なくとも一部が、好ましくは実質的に全体が、n−ブタン脱水素化の生成ガス流から除去されて、C4生成ガス流dを得る。
本発明による方法の一実施形態において、初めに水を工程部Dにおける生成ガス流cから除去する。水は生成ガス流cを冷却及び/又は圧縮する凝縮などにとって除去されてもよく、一種以上の冷却及び/又は凝縮段階が行われてもよい。
低沸点二次成分は、蒸留、精留、膜処理、吸収又は吸着など通常の分離方法によって生成ガス流から除去することができる。
生成ガス流cに含まれる水素を除去するために、生成ガス混合物は、必要であれば冷却後、間接式熱交換器などにおいて、水素分子のみを浸透でき、通常は管として構成される膜に通過させる。このようにして除去された水素分子は、必要であれば、脱水素において少なくとも部分的に使用されてもよく、あるいは燃料電池における電気的エネルギーなどの他の用途に用いられてもよい。
生成ガス流cに含まれる二酸化炭素は、CO2ガス除去器によって除去してもよい。CO2ガス除去器は、一酸化炭素を選択的に酸化して二酸化炭素にする別の燃焼工程の上流より前に設置されてもよい。
本発明による方法の好ましい一実施形態において、水素、酸素、酸化炭素、低沸点炭化水素(メタン、エタン、エテン、プロパン、プロペン)及び任意の窒素などの未凝縮又は低沸点ガス成分は、実質的にC4炭化水素からなるC4生成ガス流cを得るために、吸収/脱着サイクル中での高沸点吸着剤を用いた手段によって除去する。通常、C4生成ガス流cは、少なくとも80体積%、好ましくは90体積%、より好ましくは95体積%のC4炭化水素を含む。蒸気dは、実質的にn−ブタン、2−ブテン及びブタジエンを含む。
当該目的を達成するために、吸収工程において、生成ガス流cを先の水除去の後に不活性吸収剤と接触させ、C4炭化水素を不活性吸収剤中に吸収させて、C4炭化水素及び残留ガス成分を含むオフガスで満たされた吸収剤を得る。吸収工程において、C4炭化水素は、前記吸収剤から再度、放出される。
前記吸収工程において使用される不活性吸収剤は通常、除去されるC4炭化水素混合物が除去される残留ガス成分よりも極めて高い溶解性を有する高沸点無極性溶媒である。吸収は、生成ガス流cを吸収剤に簡単に通過させることによって行うこともできる。しかしながら、カラム中又は回転吸収剤中で行われてもよい。操作は、並流、逆流又は乱流中で行われてもよい。好ましい吸収カラムとしては、泡鐘、遠心分離及び/又は網目板を有するカラム、Mellapak(登録商標)250Yなどの100〜1000m2/m3の比表面積を有するシートメタルなどの規則充填剤を有するカラム、及び不規則に充填されたカラムなどが挙げられる。しかしながら、有用な吸収カラムとしては、滴流及び噴霧塔、グラファイトブロック吸収剤、厚膜及び薄膜吸収剤などの表面吸収剤、ならびに回転式カラム、プレート洗浄器、クロススプレー洗浄器及び回転式洗浄器が挙げられる。
好ましい吸収剤としては、脂肪族C8〜C18アルケンなどの比較的無極性の有機溶媒、パラフィン蒸留からの中間オイル留分などの芳香族炭化水素、もしくは嵩高い基を有するエーテル、又はこれらの溶媒の混合物などであり、それぞれ1,2−フタル酸ジメチルなどの極性溶媒が添加されてもよい。さらに好ましい吸収剤としては、n−ブチル安息香酸、メチル安息香酸、エチル安息香酸、ジメチル安息香酸、ジエチル安息香酸などの直鎖C1〜C8のアルカノールとの安息香酸及びフタル酸のエステル、ならびにビフェニル及びジフェニルエーテル、それらの塩素化誘導体及びトリアルキルアルケンなどの熱媒体オイルが挙げられる。有用な吸収剤は、例えば、商業的に利用可能なDiphyl(登録商標)など、好ましくは共沸組成のビフェニル及びジフェニルエーテルの混合物である。しばしば、この溶媒混合物は、0.1〜25質量%のフタル酸ジメチルを含む。さらに好ましい溶媒は、オクタン、ノナン、デカン、アンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン及びオクタデカン、又は主成分として上述した直鎖アルカンを含む精製蒸留から得られる留分である。
4炭化水素の脱着のため、くみ出された溶媒は、加熱及び/又はより低い圧力に減圧される。代替的に、脱着は、揮散によって又は一種以上の工程段階において減圧、加熱及び揮散を組み合わることによって行われてもよい。脱着段階において再生された吸着剤は、吸着工程へ再循環させる。
一種の改良型の方法において、脱着段階がくみ出された溶媒を減圧及び/又は加熱することによって実施されてもよい。
除去の種類によっては除去Dが完全に達成されないために、少量又は微量のさらなるガス成分、特に低沸点炭化水素がC4生成ガス流中に含まれる場合がある。
工程部Eにおいて、C4生成ガス流は、蒸留領域に供給され、ブタジエン/ブタン共沸混合物を含む所望の生成物流eと、実質的にn−ブタン及び2−ブタンを含む流れe2とに分離される。
蒸留領域は、通常30〜80段、好ましくは40〜75段の理論段を通常、有する蒸留塔からなる。泡鐘段塔、不規則充填剤もしくは規則充填剤を含む塔、又は隔壁塔などが好ましい。還流比は、通常10〜50である。蒸留は、通常5〜20barの圧力で実施される。
塔の上部、好ましくは塔の頂上において、ブタジエン/n−ブタン混合物eが取り除かれる。ブタジエン/n−ブタン混合物は、共沸成分を含んでいてもよく又は低濃度のブタジエンを含んでいてもよく;ブタジエン/n−ブタン混合物は通常、少なくとも60体積%のブタジエンを含む。
このように生成した1,3−ブタジエン及びn−ブタンを含む所望の生成物流eは、1,3−ブタジエンのシアン化水素化に使用されてもよい。
1,3−ブタジエンを安定させるのは必須ではない。
使用するシアン化水素化触媒は、リン配位子で安定化された均一系ニッケル(0)触媒である。
ニッケル(0)錯体のリン配位子及び遊離リン配位子は、好ましくは単座又は二座ホスフィン、ホスフィット、ホスフィニット及びホスホニットから選択される。
これらのリン配位子は、好ましくは下記式I:
Figure 2007522122
で示される。
本発明において、化合物Iは、単一化合物または上記した式で示される異なる化合物の混合物である。
本発明によれば、X1、X2、X3は、それぞれ独立して、酸素又は単結合である。全てのX1、X2及びX3基が単結合である場合、化合物(I)は式P(R123)(R12及びR3の定義は当該明細書において特定される)で示されるホスフィンである。
1、X2及びX3基のうち二個が二重結合であり、一個が酸素である場合、化合物Iは、式P(OR1)(R2)(R3)又はP(R1)(OR2)(R3)又はP(R1)(R2)(OR3)(R1、R2及びR3の定義は以下に記載される)で示されるホスフィニットである。
1、X2及びX3基のうち一個が単結合であり二個が酸素である場合、化合物Iは、式P(OR1)(OR2)(R3)又はP(R1)(OR2)(OR3)又はP(OR1)(R2)(OR3)(R1、R2及びR3の定義は当該明細書中に記載される)で示されるホスホニットである。
好ましい実施形態において、全てのX1、X2及びX3基は酸素であり、したがって化合物Iが式P(OR1)(OR2)(OR3)(R1、R2及びR3の定義は以下に記載される)で示される有用なホスフィットである。
本発明において、R1、R2、R3はそれぞれ独立して同一又は異なる有機基である。R1、R2及びR3はそれぞれ独立して、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチルなどの好ましくは1〜10の炭素原子を有するアルキル基、フェニル、o−トリル、m−トリル、p−トリル、1−ナフチル、2−ナフチルなどのアリール基、1,1’−ビフェノール、1,1’−ビナフトールなどの好ましくは1〜20の炭素原子を有するヒドロカルビル基である。R1、R2及びR3基は、共に直接、結合していてもよい、すなわち単に中心のリン原子を介していなくともよい。R1、R2及びR3基は、共に直接的に結合していないのが好ましい。
好ましい実施形態において、R1、R2及びR3基は、フェニル、o−トリル、m−トリル及びp−トリルよるなる群から選択される基である。特に好ましい実施形態において、R1、R2及びR3基のうち最大で二個がフェニル基である。
他の好ましい実施形態において、R1、R2及びR3基のうち最大で二個がo−トリル基である。
使用され得る特に好ましい化合物Iは、式Ia
Figure 2007522122
(式中、w、x、y、zはそれぞれ自然数であり、次の条件が適用される:w+x+y+z=3且つw、z≦2)で示されるものである。
このような化合物Iaとしては、(p−トリル−O−)(フェニル−O−)2P、(m−トリル−O−)(フェニル−O)2P、(o−トリル−O−)(フェニル−O−)2P、(p−トリル−O−)2(フェニル−O−)P、(m−トリル−O−)2(フェニル−O−)P、(o−トリル−O−)2(フェニル−O−)P、(m−トリル−O−)(p−トリル−O−)(フェニル−O−)P、(o−トリル−O−)(p−トリル−O−)(フェニル−O−)P、(o−トリル−O−)(m−トリル−O−)(フェニル−O−)P、(p−トリル−O−)3P、(m−トリル−O−)(p−トリル−O−)2P、(o−トリル−O−)(p−トリル−O−)2P、(m−トリル−O−)2(p−トリル−O−)P、(o−トリル−O−)2(p−トリル−O−)P、(o−トリル−O−)(m−トリル−O−)(p−トリル−O−)P、(m−トリル−O−)3P、(o−トリル−O−)(m−トリル−O−)2P、(o−トリル−O−)2(m−トリル−O−)P、又はこれらの混合物である。
(m−トリル−O−)3P、(m−トリル−O−)2(p−トリル−O−)P、(m−トリル−O−)(p−トリル−O−)2P及び(p−トリル−O−)3Pの混合物は、特にモル比が2:1であり、原油の蒸留処理中に得られたm−クレゾール及びp−クレゾールを含む混合物を、三塩化リンなどのトリハロゲン化リンと反応させるなどによって得られる。
他に同様な好ましい実施形態において、リン配位子がDE−A19953058において詳細に記載される式Ib:
Figure 2007522122
(式中、
1:リン原子を芳香族基に結合させる酸素原子に対するo位にC1〜C18アルキル置換
基を有する、又はリン原子を芳香族基に結合させる酸素原子に対するo位に芳香族
基を有する、又はリン原子を芳香族基に結合させる酸素原子に対するo位に縮合さ
れた芳香族基を有する芳香族基、
2:リン原子を芳香族基に結合させる酸素原子に対するm位にC1〜C18アルキル置換
基を有する、又はリン原子を芳香族基に結合させる酸素原子に対するm位に芳香族
置換基を有する、又はリン原子を芳香族基に結合させる酸素原子に対するm位に縮
合された芳香族基を有する芳香族基、チン原子を芳香族基に結合させる酸素原子に
対するo位に水素原子を有する芳香族基、
3:リン原子を芳香族基に結合させる酸素原子に対するp位にC1〜C18のアルキル置
換基を有する、又はリン原子を芳香族基に結合させる酸素原子に対するp位に芳香
族置換基を有する芳香族基、リン原子を芳香族基に結合させる酸素原子に対するo
位に水素原子を有する芳香族基、
4:リン原子を芳香族基に結合させる酸素原子に対するo−、m−、p−位においてR
1、R2及びR3として規定されたもの以外の置換基を有する芳香族基、リン原子を
芳香族基に結合させる酸素原子に対するo位に水素原子を有する芳香族基、
X :1又は2、
y、z、p:それぞれ独立して0、1又は2、但しx+y+z+p=3)で示されるホスフィットである。
好ましい式Ibで示されるホスフィットはDE−A19953058から選択される。R1基は、o−トリル、o−エチルフェニル、o−n−プロピルフェニル、o−isoプロピルフェニル、o−n−ブチルフェニル、o−sec−ブチルフェニル、o−tert−ブチルフェニル、(o−フェニル)フェニル又は1−ナフチル基が有用である。
好ましいR2基は、m−トリル、m−エチルフェニル、m−n−プロピルフェニル、m−isoプロピルフェニル、m−n−ブチルフェニル、m−sec−ブチルフェニル、m−tert−ブチルフェニル、(m−フェニル)フェニル又は2−ナフチル基である。
有用なR3基は、p−トリル、p−エチルフェニル、p−n−プロピルフェニル、p−isoプロピルフェニル、p−n−ブチルフェニル、p−sec−ブチルフェニル、p−tert−ブチルフェニル又は(p−フェニル)フェニル基である。
4基は、好ましくはフェニルである。pは好ましくは0である。化合物Ibにおける指数x、y、z及びpの例は、下記の通りである:
Figure 2007522122
好ましい式Ibで示されるホスフィットは、pが0であり、且つR1、R2及びR3がそれぞれ独立してo−isoプロピルフェニル、m−トリル及びp−トリルから選択され、且つR4がフェニルであるものである。
特に好ましい式Ibで示されるホスフィットは、R1がo−isoプロピルフェニル基であり、R2がm−トリル基であり且つR3がp−トリル基であり、上記表に示される指数を有するもの;R1がo−トリル基であり、R2がm−トリル基であり且つR3がp−トリル基であり、上記表に示される指数を有するもの;さらにR1が1−ナフチル基であり、R2がm−トリル基であり且つR3がp−トリル基であり、上記表に示される指数を有するもの;また、R1がo−トリル基であり、R2が2−ナフチル基であり且つR3がp−トリル基であり、上記表に示される指数を有するもの;最後にR1がo−isoプロピルフェニル基であり、R2が2−ナフチル基であり且つR3がp−トリル基であり、上記表に示される指数を有するものであり;また、これらのホスフィットの混合物である。
式Ibのホスフィットは、
a)トリハロゲン化リンを、R1OH、R2OH、R3OH及びR4OHまたはこれらの混合物よりなる群から選択されるアルコールと反応させてジハロリンモノエステルを得る工程、
b)前記ジハロリン者エステルをR1OH、R2OH、R3OH及びR4OHまたはこれらの混合物よりなる群から選択されるアルコールと反応させてモノハロリンジエステルを得る工程、及び、
c)前記モノハロリンジエステルをR1OH、R2OH、R3OH及びR4OHまたはこれらの混合物よりなる群から選択されるアルコールと反応させて式Ibのホスフィットを得る工程、
によって得られる。
前記反応は、これらの別々の工程において実施することができる。これらの工程のうちの2個、すなわちa)とb)又はb)とc)は、同等に組み合わされてもよい。あるいは、工程a)、b)及びc)の全てがともに組み合わされてもよい。
1OH、R2OH、R3OH及びR4OHまたはこれらの混合物よりなる群から選択されるアルコールの好ましい条件および量は、わずかの簡単な実験によって決定することができる。
有用なトリハロゲン化リンは、原理上は全てのトリハロゲン化リンであり、好ましくは使用されるハロゲンがCl、Br、I、特にCl及びこれらの混合物であるものである。また、種々の同一又は異なるハロゲン置換されたリンの混合物もトリハロゲン化リンとして使用できる。PCl3が特に好ましい。ホスフィットIbの調製における反応条件及び後処理におけるさらなる詳細は、DE−A19953058に記載されている。
ホスフィットIbは、配位子として異なるホスフィットの混合物の形態で用いられてもよい。このような混合物は、例えば、ホスフィットIbの調製において得られる。
しかしながら、多座、特に二座のリン配位子が好ましい。したがって、使用される配位子は、式II
Figure 2007522122
(式中、
11、X12、X1321、X22、X23はそれぞれ独立して酸素または単結合であり、
11、R12はそれぞれ独立して同一又は異なり、分離又は架橋された有機基であり、
21、R22はそれぞれ独立して同一又は異なり、分離又は架橋された有機基であり、
Yは架橋基である)で示されるものが好ましい。
本発明において、化合物IIは単一化合物又は上記式の異なる化合物の混合物である。
好ましい実施形態において、X11、X12、X13、X21、X22、X23はそれぞれ酸素である。このような場合、架橋基Yはホスフィット基に結合する。
他の好ましい実施形態において、X11及びX12はそれぞれ酸素であってもよく且つX13は単結合であってもよく、又はX11及びX13がそれぞれ酸素であってもよく且つX12が単結合であってもよく、これによってX11、X12及びX13によって囲まれるリン原子はホスフィットの中心原子となる。このような場合、X21、X22及びX23はそれぞれ酸素であってもよく、又はX21及びX22がそれぞれ酸素であってもよく且つX23が単結合であってもよく、又はX21及びX23がそれぞれ酸素であってもよく且つX22が単結合であってもよく、又はX23が酸素であってもよく且つX21及びX22がそれぞれ単結合であってもよく、又はX21が酸素であってもよく且つX22及びX23がそれぞれ単結合であってもよく、又はX21、X22及びX23がそれぞれ単結合であってもよく、これによってX21、X22及びX23によって囲まれるリン原子はホスフィット、ホスホニット、ホスフィニット又はホスフィン、好ましくはホスホニットの中心原子である。
他の好ましい実施形態において、X13は酸素であってもよく且つX11及びX12はそれぞれ単結合であってもよく、又はX11が酸素であってもよく且つX12及びX13がそれぞれ単結合であってもよく、これによってX11、X12及びX13によって囲まれるリン原子がホスホニットの中心原子である。このような場合、X21、X22及びX23は酸素であってもよく、又はX23が酸素であってもよく且つX21及びX22はそれぞれ単結合であってもよく、又はX21が酸素原子であってもよく且つX22及びX23がそれぞれ単結合であってもよく、又はX21、X22及びX23がそれぞれ単結合であってもよく、これによってX21、X22及びX23によって囲まれるリン原子はホスフィット、ホスフィニット又はホスフィン、好ましくはホスフィニットの中心原子である。
他の好ましい実施形態において、X11、X12及びX13はそれぞれ単結合であってもよく、これによってX11、X12及びX13により囲まれるリン原子はホスフィンの中心原子である。このような場合、X21、X22及びX23はそれぞれ酸素原子であってもよく、又はX21、X22及びX23がそれぞれ単結合であってもよく、これによってX21、X22及びX23により囲まれるリン原子はホスフィット又はホスフィン、好ましくはホスフィンの中心原子である。
架橋基Yは、C1〜C4アルキル、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン、トリフルオロメチルなどのハロゲン化アルキル、フェニルなどのアリール等によって置換されたアリール基、又は置換されていないアリール基、好ましくは芳香族基中に6〜20個の炭素原子を有する基、特にピロカテコール、ビス(フェノール)又はビス(ナフトール)である。
11及びR12基はそれぞれ独立して同一または異なった有機基である。有用なR11及びR12基は、好ましくは6〜10個の炭素原子を有し、無置換であってもよく又は特にC1〜C4アルキル、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン、トリフルオロメチルなどのハロゲン化アルキル、フェニルなどのアリール若しくは無置換のアリール基による一若しくは多置換されていてもよいアリール基である。
21及びR22基はそれぞれ独立して同一又は異なった有機基である。有用なR21及びR22基は、好ましくは6〜10個の炭素原子を有し、無置換であってもよく又は特にC1〜C4アルキル、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン、トリフルオロメチルなどのハロゲン化アルキル、フェニルなどのアリール若しくは無置換のアリール基による一若しくは多置換されていてもよいアリール基である。
11及びR12基はそれぞれ分離又は架橋していてもよい。R21及びR22基もまたそれぞれ分離または架橋していてもよい。R11、R12、R21及びR22基は、当該方法において、それぞれ分離していてもよく、二個が架橋して且つ二個が分離していてもよく、又は四個全てが架橋されていてもよい。
特に好ましい実施形態において、有用な化合物は、US5,723,641において記載される式I、II、III、IVおよびVで示されるものである。特に好ましい実施形態において、有用な化合物は、US5,512,696において記載される式I、II、III、IV、V、VI及びVIIで示されるものであり、特に実施例1〜31において使用される化合物である。特に好ましい実施形態において、有用な化合物は、US5,821,378において記載される式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XII、XIII、XIV及びXVで示されるものであり、特に実施例1〜73で使用される化合物である。
特に好ましい実施形態において、有用な化合物は、US5,512,695において記載される式I、II、III、IV、V及びVIで示されるものであり、特に実施例1〜6で使用される化合物である。特に好ましい実施形態において、有用な化合物は、US5,981,772において記載される式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XII、XIII及びXIVの化合物であり、特に実施例1〜66において記載されるものである。
特に好ましい実施形態において、有用な化合物は、US6,127,567に記載されるもの及び実施例1〜29において使用される化合物である。特に好ましい実施形態において、有用な化合物は、US6,020,516において記載される式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX及びXの化合物、特に実施例1〜33に使用される前記式で示されるものである。特に好ましい実施形態において、有用な化合物は、US5,959,135において記載されるものであり、実施例1〜13において使用される化合物である。
特に好ましい実施形態において、有用な化合物は、US5,847,191において記載される式I、II及びIIIで示されるものである。特に好ましい実施形態において、有用な化合物は、US5,523,453において記載されるものであり、特に式1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20及び21において示される化合物である。特に好ましい実施形態において、有用な化合物は、WO01/14392において記載されるもの、好ましくは式V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XII、XIII、XIV、XV、XVI、XVII、XXI、XXII、XXIIIにおいて示される化合物である。
特に好ましい実施形態において、有用な化合物はWO98/27064において記載されるものである。特に好ましい実施形態において、有用な化合物は、WO99/13983において記載されるものである。特に好ましい実施形態において、有用な化合物は、WO99/64155において記載されるものである。
特に好ましい実施形態において、有用な化合物は、ドイツ特許出願DE10038037において記載されるものである。特に好ましい実施形態において、有用な化合物は、ドイツ特許出願DE10046025において記載されるものである。特に好ましい実施形態において、有用な化合物はドイツ特許出願DE10150285において記載されるものである。
特に好ましい実施形態において、有用な化合物は、ドイツ特許出願DE10150286において記載されるものである。特に好ましい実施形態において、有用な化合物はドイツ特許出願DE10207165において記載されるものである。さらに好ましい本発明の実施形態において、有用なリンキレート配位子としてはUS2003/0100442A1において記載されるものである。
さらに特に好ましい本発明の実施形態において、有用なリンキレート配位子は、より早い優先日であるが本発明の優先日の時点では公開されていない2003年10月30日のドイツ特許出願整理番号DE10350999.2において記載されるものである。
記載した化合物I、Ia、Ib及びII並びにそれらの調製は、公知である。使用されるリン配位子は、化合物I、Ia、Ib及びIIのうち少なくとも二個を含む混合物であってもよい。
本発明による方法の特に好ましい実施形態において、ニッケル(0)錯体のリン配位子及び/又は遊離リン配位子は、亜リン酸トリトリル、二座リンキレート配位子及び式Ib
Figure 2007522122
(式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して、o−isoプロピルフェニル、m−トリル及びp−トリルから選択され、R4はフェニル基であり;Xは1又は2であり、且つy、z、pはそれぞれ独立して0、1又は2であり、但しx+y+z+p=3である)で示されるホスフィット及びこれらの混合物よりなる群から選択される。
シアン化水素化は、当業者に知られた任意の適当な装置において実施することができる。前記反応の有用な装置は、撹拌棚段式反応器、ループ型反応器、ガス循環反応器、気泡塔反応器又は管型反応器など、カーク・オスマー化学大辞典(Kirk−Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology)、第4版、第20巻、ジョーンウィリー&ソンス、ニューヨーク、1996、1040〜1055ページにおいて記載される通常の装置であり、それぞれにおいて必要であれば反応熱を除去するための装置を有していてもよい。前記反応は、2種又は3種など多数の装置において実施してもよい。
本発明による方法の好ましい実施形態において、逆混合性を有するもの又は逆混合性を有する反応器の装置を有するものが有用な反応器であることを見出した。特に有用な逆混合性を有する反応器の装置としては、シアン化水素の計測に関連して形成される交差流において機能するものであることがわかっている。
シアン化水素化は、溶媒の存在下又は不存在下で実施される。溶媒が使用される場合、溶媒は、液体であり且つ加えられた反応温度及び加えられた反応圧において不飽和化合物及び少なくとも一種の触媒に対して不活性でなければならない。通常、使用される溶媒は、ベンゼンもしくはキシレンなどの炭化水素又はアセトニトリルもしくはベンゾニトリルなどのニトリルである。しかしながら、溶媒として配位子が使用されるのが好ましい。
反応はバッチ型、連続又は半回分式操作で実施されればよい。
シアン化水素化は、装置に全ての反応物質を装填することによって実施することができる。しかしながら、装置が触媒、不飽和有機化合物及び必要であれば溶媒で満たされた場合が好ましい。ガス状のシアン化水素は、反応混合物の表面上に浮いている又は反応混合物を通過させるのが好ましい。装置に充填するための更なる手順は、装置に触媒、シアン化水素及び必要であれば溶媒を満たし、反応混合物へ不飽和化合物をゆっくり測量導入する。あるいは、反応器へ反応混合物を測量充填し、反応混合物をシアン化水素が液状の混合物に添加されるような反応温度にする。さらに、シアン化水素を反応温度に加熱する前に添加してもよい。反応は、通常のシアン化水素化条件の温度、雰囲気、反応時間などで実施される。
シアン化水素化は、一種以上の撹拌工程段階において連続して実施されるのが好ましい。多数の工程段階が使用された場合、工程段階は連続して接続されているのが好ましい。生成物は一工程段階から次の工程段階へと直接、移動される。シアン化水素は、初めの工程段階又はそれぞれの工程段階の間で直接、添加されてもよい。
半回分式操作でシアン化水素が実施される場合、反応器にはまず触媒成分及び1,3−ブタジエンで充填し、そして、反応時間の間にシアン化水素を反応混合物へ測量送給する。
前記シアン化水素は、0.1〜500MPa、より好ましくは0.5〜50MPa、特に1〜5MPaの絶対圧力で実施されるのが好ましい。反応は、273〜473K、より好ましくは313〜423K、特に333〜393Kの温度で実施されるのがよい。液体反応相の有用な平均的な平均滞留時間は、反応器1個あたり、0.001〜100時間、好ましくは0.05〜20時間、より好ましくは0.1〜5時間である。
一実施形態において、シアン化水素は、ガス相及び必要であれば固体懸濁相の存在下の液相中で実施することができる。この場合、シアン化水素及び1,3−ブタジエン出発原料はそれぞれ液状又はガス状の形態で測量導入される。
さらなる実施形態において、1,3−ブタジエン、シアン化水素及び少なくとも一種の触媒などの全ての原料が液状で測量導入され且つ反応混合物中で液相で存在するように、反応器中の圧力を設定し、シアン化水素化を液相で実施することができる。固体懸濁相が、反応混合物中に存在していてもよく、触媒の脱水素化物からなり特にニッケル(II)化合物を含む少なくとも一種の触媒とともに測量導入されてもよい。
上述した本発明の好ましい実施形態において用いられる反応物質流として使用される所望の生成物流eはn−ブタンを含む。1,3−ブタジエンのシアン化水素化後、当該n−ブタンは、シアン化水素の流出物から採取されて、例えば所望の生成物流eの生成へ再循環させるなどしてもよい。
シアン化水素化において、未反応のn−ブタンは種々の場合において得られ、1,3−ブタジエンを得るために脱水素へと再循環させる。
本発明による方法は、一連の有利な点に関連している。例えば、ブタン脱水素化からの1,3−ブタジエン及びn−ブタンの混合物の使用は、純粋な1,3−ブタジエンの使用に対してコストの削減をもたらす。さらに、シアン化水素化流出物中に存在するn−ブタンは、1,3−ブタジエンを得るために脱水素へ再循環させてもよい。混合物中に存在する1,3−ブタジエンを安定させる必要はない。また、これは、1,3−ブタジエンをシアン化水素化するための装置への安全面において要求される1,3−ブタジエンの不可避的な輸送を、n−ブタンの問題のない輸送に置き換える。
本発明をいくつかの実施例を参照して詳細に説明する。
全ての実施例は、保護ガス雰囲気中で行った。
下記の略語を使用した:
BD: 1,3−ブタジエン
THF: テトラヒドロフラン
BD/n−ブタン(90体積%/10体積%)から2−メチル−3−ブテンニトリル/3−ペンテンニトリルへのシアン化水素化
Figure 2007522122
実施例1:(Ni(0)0.44mmol)
1当量のNi(COD)2をTHF中で3当量の配位子1と20分間、撹拌した。この溶液を、90体積%のBD及び10体積%のn−ブタンを含むBD/n−ブタン混合物の形態で用いた727当量のBDと混合し、25℃のガラスオートクレーブに移し、90℃に加熱した。60分後、THF中の465当量のシアン化水素を直ぐに測量導入し、混合物を90℃でさらに50分間、撹拌した。110分後、2−メチル−3−ブテンニトリル/3−ブテンニトリル/3−ペンテンニトリルの比をガスクロマトグラフィー(GC面積%)によって測定した。2−メチル−3−ブテンニトリル/3−ペンテンニトリルの比は1.7/1であった。シアン化水素の転化率は>98%(フォルハルト滴定)であった。
BD/n−ブタン(80体積%/20体積%)から2−メチル−3−ブテンニトリル/3−ペンテンニトリルへのシアン化水素化
実施例2:(Ni(0)0.46mmol)
1当量のNi(COD)2をTHE中の3当量の配位子1と20分間、撹拌した。この溶液を、80体積%のBD及び20体積%のn−ブタンを含むBD/n−ブタン混合物の形態で用いた727当量のBDと混合し、25℃のガラスオートクレーブに移し、90℃に加熱した。60分後、THF中の465当量のシアン化水素を直ぐに測量導入し、混合物を90℃でさらに75分間、撹拌した。135分後、2−メチル−3−ブテンニトリル/3−ペンテンニトリルの比をガスクロマトグラフィー(GC面積%)によって測定した。2−メチル−3−ブテンニトリル/3−ペンテンニトリルの比は1.4/1であった。シアン化水素の転化率は>98%(フォルハルト滴定)であった。
実施例は、アルゴンなどを含む保護ガス雰囲気下、蒸気を排除しながら実施した。

Claims (6)

  1. 触媒としてのリン配位子を有する少なくとも一種のニッケル(0)錯体上で1,3−ブタジエンをシアン化水素化する方法であって、
    n−ブタンとの混合物として1,3−ブタジエンを用いることを特徴とする方法。
  2. 前記混合物は、60〜90体積%の1,3−ブタジエン及び40〜10体積%のn−ブタンを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記1,3−ブタジエン及びn−ブタンの混合物を、下記工程:
    A)n−ブタンを含む原料ガス流aを準備する工程、
    B)前記n−ブタンを含む原料ガス流aを少なくとも1種の一次脱水素化領域に供給し、n−ブタンを非酸化触媒を用いて脱水素して、n−ブタン、1−ブテン、2−ブテン、1,3−ブタジエン、蒸気、低沸点二次成分及び場合によっては蒸気を含む生成ガス流bを得る工程;
    C)前記非酸化触媒を用いた脱水素により得られた生成ガス流b及び酸素含有ガスを少なくとも1種の二次脱水素化領域に供給し、1−ブテン及び2−ブテンを酸化脱水素して、n−ブタン、2−ブテン、1,3−ブタジエン、水素、低沸点二次成分及び蒸気を含み、前記生成ガス流bよりも高濃度の1,3−ブタジエンを含む生成ガス流cを得る工程;
    D)蒸気、低沸点二次成分及び蒸気を除去し、n−ブタン、2−ブテン及び1,3−ブタジエンを実質的に含むC4生成ガス流dを得る工程;
    E)前記C4生成ガス流dを蒸留領域へ供給し、所望の生成物流eとして1,3−ブタジエン/n−ブタンを採取する工程;
    によって製造することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記n−ブタンの非酸化触媒を用いた脱水素を自己熱で行うことを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 前記n−ブタンを含む前記原料ガス流を液化石油ガス(LPG)から得ることを特徴とする請求項3又は4に記載の方法。
  6. 前記ニッケル(0)触媒が、単座又は二座のホスフィン、ホスフィット、ホスフィニット、ホスホニット及びホスフィニットホスホニットから選択されるリン配位子を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
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