JP2007520821A - ボリューム表面を備えた鋼ボリュームの挙動をモデリングするためのコンピュータ支援型モデリング方法 - Google Patents

ボリューム表面を備えた鋼ボリュームの挙動をモデリングするためのコンピュータ支援型モデリング方法 Download PDF

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Abstract

コンピュータ(4)は、鋼ボリューム(1)の現在の開始状態(ZA)とボリューム表面を介して鋼ボリューム(1)に対し作用する現在の少なくとも1つの影響量(W)とに基づき、熱伝導方程式と相転移方程式とを解くことにより、鋼ボリューム(1)の結果状態(ZF)を算出する。前記状態(ZA,ZF)は、鋼ボリューム(1)の少なくとも1つのボリューム要素(9)に対し、鋼の内部で可動な可動合金要素の局所的濃度分布(K)と、鋼のモデリングされた相の局所的成分(p1,p2,p3)と、鋼の局所的エネルギー収支を表わす量(H)とを含んでいる。相はオーステナイトと他の相、通常はフェライトまたはセメンタイトとを含んでいる。前記転移方程式の範囲内で、可動合金要素のどの濃度(k1,k3;k2,k4)がオーストナイトと他の相との間の界面(11,12)の両側にあるかを算出する。さらに、ステファン問題を解くことにより、観察対象であるボリューム要素(9)のオーステナイト領域において可動合金要素の濃度分布(K)が変化しているかどうか、および、どのように変化しているかを算出し、且つそれによって界面(11,12)が変位しているかどうか、および、どの程度(δx’,δx”)変位しているかを算出する。次に、界面(11,12)の位置に基づいて相の局所的成分(p1,p2,p3)を算出する。

Description

本発明は、ボリューム表面を備えた鋼ボリュームの挙動をモデリングするためのコンピュータ支援型モデリング方法であって、
コンピュータが、鋼ボリュームの現在の開始状態とボリューム表面を介して鋼ボリュームに対し作用する現在の少なくとも1つの影響量とに基づき、熱伝導方程式と相転移方程式とを解くことにより、鋼ボリュームの結果状態を算出し、
ボリューム表面の複数個の面要素に対する前記少なくとも1つの影響量がそれぞれ局所的影響を含み、局所的影響がそれぞれの面要素を介して鋼ボリュームに対し作用し、
鋼ボリュームの複数個のボリューム要素に対する開始状態と結果状態とがそれぞれ鋼のモデリングされた相の局所的成分と鋼の局所的エネルギー収支を表わす量とを含み、
鋼のモデリングされた相がオーステナイトと第1の他の相とを含み、該第1の他の相へオーステナイトが転移可能であり、且つ該第1の他の相がオーステナイトへ転移可能である、
コンピュータ支援型モデリング方法に関するものである。
この種のモデリング方法は、たとえば独国特許出願公開第10129565号明細書から知られている。この文献において特に試みられることは、まず第1に、フーリエ熱伝導方程式自体を解き、この熱伝導方程式の不正確な変形方程式を解かないようにして、帯鋼の熱力学的挙動を正確に記述しようとするものである。これをもってこの文献を参考文献とすることにより本発明の開示内容に取り入れることにする。
本発明の出願時点で公開されていない先願のドイツ特許出願10251716.9にもこの種のモデリング方法が記載されている。この文献において試みられることは、鋼の相転移を鋼のギブス自由エンタルピーに基づいてモデリングすることである。これをもってこの文献も参考文献とすることにより本発明の開示内容に取り入れることにする。
さらに、この種のモデリング方法はW. Borchers ほか論文「鋼板における熱伝導の数値シミュレーション−冷却区間の制御に役立つ数学」、Unikurier der Friedrich-Alexander-Universitaet Erlangen-Nuernberg 発行、第102巻、2001年10月、第27号から知られている。
さらに、Johnson-Mehl-AvramiおよびBrimacombeによるシャイル(Scheil)の規則に従った伝統的な式も知られている。
鋼、特に帯鋼の冷却時の温度の時間的推移を正確にモデリングすることは、鋼冷却区間に必要な水または冷却媒体の量を制御するうえで重要である。というのは、冷却時に発生する鋼転移が冷却時の鋼の熱的挙動に決定的に影響するからである。また、冷却プロセスにより鋼の主要な材料特性も影響を受ける。しかしながら冷却は熱力学的平衡状態で行なわれないので、熱容量を適当に適合させるだけでは転移を記述することは不可能である。それ故、冷却区間を正確に制御できるようにするため、鋼の相転移の正確なモデリングが補助的に必要である。
従来技術による伝統的な定式化は、実際には必ずしもすべてのケースにおいて正確に機能しているわけではない。特に、一連の系統的な欠点がある。まず第1に、各材料を別個にパラメータ化しなければならないことである。異なる材料間での補間法は不可能であり、或いは少なくとも限定的に可能でしかない。第2は、技術水準による伝統的な方法の場合、2つの相しか観察されない。2つ以上の相の観察はシステム上不可能である。第3は、伝統的な技術水準による方法は、観察対象である材料が完全に転移する場合にしか、モデルと実際との良好な一致を提供しないことである。第4は、伝統的な技術水準による方法は、相転移の際に放出される転移熱に関する情報を提供しない。しかし、転移熱に関する知識は熱伝導方程式を正確に解くために不可欠である。
前記独国特許出願公開第10129565号明細書と前記W. Borchers ほか論文「鋼板における熱伝導の数値シミュレーション−冷却区間の制御に役立つ数学」、Unikurier der Friedrich-Alexander-Universitaet Erlangen-Nuernberg発行、第102巻、2001年10月、第27号とは、少なくとも熱伝導方程式を完全に正確に記述するので、すでにかなりの進歩を示している。また、前記先願のドイツ特許出願は相転移のモデリングを改善している。特に、前記先願のドイツ特許出願は相転移の際に発生する転移熱を提供している。しかしながら、この方法もまだ改善の余地がある。
本発明の課題は、よりすぐれたモデル結果を提供する金属モデリング方法を創作することにある。
この課題は、
ボリューム要素の少なくとも1つに対する開始状態と結果状態とが鋼の内部で可動な少なくとも1つの可動合金要素の局所的濃度分布をも含んでいること、
前記転移方程式の範囲内で、少なくとも1つのボリューム要素に対し、少なくとも1つの可動合金要素のどの濃度がオーストナイトと第1の他の相との間の第1の界面の両側にあるかを算出すること、
第1のステファン問題を解くことにより、観察対象であるボリューム要素のオーステナイト領域において少なくとも1つの可動合金要素の濃度分布が変化しているかどうか、および、どのように変化しているかを算出し、且つそれによって第1の界面が変位しているかどうか、および、どの程度変位しているかを算出すること、
相の局所的成分を、第1の界面の変位の程度により特定される第1の界面の位置に基づいて算出すること、
によって解決される。
鋼の内部で可動な可動合金要素は通常炭素である。しかしこれとは択一的に、或いは、これに加えて、前記合金要素が窒素であってもよい。また、鋼の内部で好ましくは中間格子点に配置される他の合金要素も可能である。
上記のモデリング方法だけでも従来公知の技術水準に比べて明らかな進歩を可能にする。というのは、この処置により、(他の相がフェライトであるかセメンタイトであるかに応じて、)オーステナイトからフェライトへの転移挙動またはオーステナイトからセメンタイトへの転移挙動およびその逆の転移挙動を現実に極めて忠実にモデリングすることができるからである。
好ましくは、鋼のモデリングされた相が第2の他の相をも含み、該第2の他の相へオーステナイトが転移可能であり、且つ該第2の他の相がオーステナイトへ転移可能であるのがよい。この場合、特に、
観察対象であるボリューム要素に対し、前記転移方程式の範囲内で、少なくとも1つの可動合金要素のどの濃度がオーストナイトと第2の他の相との間の第2の界面の両側にあるかをも算出すること、
さらに第2のステファン問題を解くことにより、観察対象であるボリューム要素のオーステナイト領域において少なくとも1つの可動合金要素の濃度分布が変化しているかどうか、および、どのように変化しているかを算出し、且つそれによって第2の界面が変位しているかどうか、および、どの程度変位しているかを算出すること、
前記ステファン問題が互いに関連していること、
界面に面密度が割り当てられていること、
第2の界面の成分に割り当てられる面密度を、面密度の和により特定すること、
局所成分が面密度の和において第2の界面に割り当てられている面密度にも依存していること、
が可能である。
この処置によれば、一方ではオーステナイトとフェライトとの間での転移、他方ではオーステナイトとセメンタイトとの間での転移ばかりでなく、特にオーステナイトからパーライトへの転移およびその逆の転移をも現実に極めて忠実に記述することができる。したがって、固相状態にある鋼の主要な転移挙動全体を正確に記述することができる。さらにこの処置によれば、パーライトが形成されるか否かを算出することができる。
面密度の和において第2の界面に割り当てられている面密度の成分を、界面が常に並設状態を維持するように特定することができる。しかしこれとは択一的に、面密度の和において第2の界面に割り当てられている面密度の成分を、界面が互いに相手のほうへ移動するように追従させるようにしてもよい。この成分に基づいて、オーステナイトが第1の他の相のみへ転移するか、第2の他の相のみへ転移するか、或いは第1の他の相と第2の他の相の双方へ転移するかを推論するようにしてもよい。
基本的には、第1の界面の構成を3次元で算出することが可能である。しかしこれはかなりの演算コストを要求する。それ故、好ましくは、演算を1次元で行なうのがよい。これは、ボリューム要素が空間を充溢するアリストテレスの物体、特に直方体であれば簡単に可能である。すなわち、
観察対象であるボリューム要素が直方体状に形成され、3つの基本寸法を有していること、
第1の界面が第1の縦辺と第1の横辺とを備えた矩形として形成されていること、
第1の縦辺が前記基本寸法のうちの第1の基本寸法に対応し、第1の横辺が前記基本寸法のうちの第2の基本寸法に対し平行に延在し、第1の界面の変位が前記基本寸法のうちの第3の基本寸法に対し平行に行なわれること、
が好ましい。
第2の他の相をも考慮する場合には、
第2の界面が第2の縦辺と第2の横辺とを備えた矩形として形成されていること、
第2の縦辺が前記基本寸法のうちの第1の基本寸法に対応し、第2の横辺が前記基本寸法のうちの第2の基本寸法に対し平行に延在し、第2の界面の変位が前記基本寸法のうちの第3の基本寸法に対し平行に行なわれること、
が好ましい。
界面の横辺の総和が臨界薄層間隔のほぼ1.5倍ないし3倍に等しく、臨界薄層間隔においては、一方では界面の変位に対応する鋼の相転移を考慮し、他方では界面の変位に対応する、第1の他の相と第2の他の相との境界層の面積の変化を考慮したエネルギー収支が補償されていれば、モデルを用いてパーライトの薄層間隔をも算出することができる。この場合、薄層間隔(すなわち界面の横辺の総和)は特に臨界薄層間隔のほぼ2倍に等しくてよい。
本発明によるモデリング方法は、1次元のみの演算であるが、1つの界面または複数の界面の位置の非線形関数に基づいてオーステナイトの成分を算出するならば、現実に極めて忠実な結果を提供する。
前記少なくとも1つの可動合金要素がどのような濃度で第1の界面の両側にあるか、或いは、第1の界面の両側および第2の界面の両側にあるかの算出を、相のギブス自由エンタルピーに基づいて行なうならば、界面における前記少なくとも1つの可動合金要素の濃度の算出は特に容易である。
互いに関連性のある複数のステファン問題を解いて、これから、どの相がどの程度形成されるかを推論することが可能である。これは多くの場合必要である。しかし、場合によっては、相転移方程式を解く前に、すでに開始状態にある相とギブス自由エンタルピーとに基づいて、オーステナイトと第1の他の相との双方が存在しているかどうか、或いは、オーステナイトおよび第1の他の相とに加えて第2の他の相も存在するかどうかを前もって算出するようにしてもよい。
個々のケースでは、ボリューム要素の数量は少数であってよい。極端な場合には1個である。しかし通常は、鋼ボリュームは多数のボリューム要素を含んでいる。それ故、1つまたは複数のステファン問題をボリューム要素の一部に対してのみ解き、他のボリューム要素の相の局所成分をボリューム要素の前記一部分の相の局所成分に基づいて算出するならば、モデル演算の表現力を著しく悪化させることなく、鋼ボリュームの挙動をモデリングするために必要な演算能力をかなり軽減させることができる。これに対して熱伝導方程式は例外なく各ボリューム要素に対し個別に解かれる。
本発明によるモデリング方法は、オンラインでリアルタイムで実施するか、或いはオフラインで実施するか、択一的に行なうことができる。
たとえば、
コンピュータに初期状態と少なくとも1つの所望の最終量とを設定すること、
上記モデリング方法を反復して適用すること、
最初の反復の開始状態が初期状態に対応し、他のそれぞれの反復の開始状態が直前に算出した結果状態に対応していること、
最後の反復後に算出した結果状態に基づいて予想される最終量を算出し、所望の最終量と比較すること、
が可能である。
このような場合には、本発明によるモデリング方法は、オンラインでリアルタイムで実施するか、或いはオフラインで実施するか、択一的に行なうことができる。
特にオフラインで実施する場合には、反復の影響量がその全体において影響量の推移に対応し、コンピュータが予想される最終量と所望の最終量との比較に基づいて影響量の推移を変化させ、初期状態を起点として、少なくとも予想される影響量が所望の最終量に対応するまで上記モデリング方法を新たに実施するようにしてよい。
しかし、コンピュータが開始状態から算出した開始量と所望の結果量とに基づいて影響量を算出し、算出した影響量に応じて鋼ボリュームが影響されるようにコンピュータが作用装置を制御するようにしてもよい。このような場合には、モデリング方法をオンラインで且つリアルタイムで実施しなければならない。作用装置の制御はすぐに行うか、或いは次の反復で行なうか、択一的に実施することができる。
本発明の利点および詳細は、図面との関連で以下に行なう1実施形態の説明から明らかである。
図1によれば、たとえば帯鋼1が所定の最終特性を持つように該帯鋼を冷却するものとする。このため、帯鋼1をたとえば冷却区間2において冷却媒体3(通常は水)で付勢する。
帯鋼1は帯幅bと帯厚dとを有する。さらに帯鋼は(基本的には任意の)帯長さを有している。帯鋼は冷却区間2を帯速度vで通過する。
帯速度vは連続的に検出され、冷却区間2を制御するコンピュータ4に送られる。したがってコンピュータ4は公知の態様で帯鋼1の路程追跡を実現させることができる。すなわち、冷却区間2の塗布装置5を用いて帯鋼1を冷却媒体3で付勢する場合に、帯鋼1のどの領域が作用を受けるかがコンピュータ4には既知である。
コンピュータ4はコンピュータプログラム6でプログラミングされている。コンピュータプログラムはデータ記憶媒体7、たとえばCD−ROM7を介してコンピュータ4に供給される。データ記憶媒体7には、コンピュータプログラム6が(もっぱら)コンピュータで読み取り可能な形態で記憶されている。コンピュータプログラム6はコンピュータ4に送られて、コンピュータ4の大容量記憶装置8、たとえばハードディスク8にファイルされる。これによりコンピュータ4は、コンピュータプログラム6を呼び出して帯鋼1のモデリング方法或いは帯鋼1の個々の領域(すなわち鋼ボリューム1)のモデリング方法を実施することができる。以下に、このモデリング方法について詳細に説明する。
このため、図2によれば、鋼ボリューム1をコンピュータ4内部で複数個のボリューム要素9に分割する。この場合、1つのボリューム要素9がすべての側を他のボリューム要素9によって取り囲まれていなければ、それぞれのボリューム要素9には1つまたは2つの面要素10が割り当てられている。面要素10はその全体で帯鋼1のボリューム表面または帯鋼1の観察領域のボリューム表面を形成する。
コンピュータ4は、コンピュータプログラム6によるプログラミングに基づいて、特に、各ボリューム要素9に対しその周囲との熱的結合が考慮されているようなモデルを実現させる。この場合(図3を参照)、各ボリューム要素9は直方体状に形成されている。すなわち各ボリューム要素9は、通常は帯速度vと帯幅bと帯厚dの方向に平行に方向づけられている3つの基本寸法A,B,Cを有している。
本発明によるモデリング方法の第1の構成では、図4に示すように、ステップS1でコンピュータ4に初期状態Zを供給する。初期状態Zは、帯鋼1の各ボリューム要素9に対し、さしあたり鋼のモデリング相の局所成分p1,p2,p3を含んでいる。モデリング相とは特にフェライト(成分p1)、セメンタイト(成分p2)、オーステナイト(成分p3)である。
初期状態Zは、さらに、帯鋼1の各ボリューム要素9に対し、ボリューム要素9の鋼の局所的エネルギー含有量を表わす量Hを含んでいる。この量Hはたとえばボリューム要素9のエンタルピーHである。択一的に、温度或いはエントロピーを考慮してもよい。
最後に、初期状態Zは、帯鋼1のボリューム要素9のうちの少なくとも1つに対し、好ましくは帯鋼1の各ボリューム要素9に対し、鋼の内部で可動な少なくとも1つの可動合金要素の局所的濃度分布Kをも含んでいる。可動合金要素とは特に炭素である。これとは択一的に、またはこれに加えて、たとえば窒素を考慮してもよい。
ステップS1の範囲内でコンピュータ4にはさらに所望の最終量f’*が供給される。場合によっては、ステップS1の範囲内でコンピュータ4に所望の中間量をも供給してよく、その結果コンピュータ4には前記量の所望の時間的推移を設定することができる。
図4によれば、ステップS2においてまず影響量の推移を確定する。影響量の推移は時間的に直接連続している多数の時点に対しそれぞれ影響量Wを含んでいる。影響量Wはたとえば鋼ボリューム1(すなわち帯鋼1またはその観察域)にもたらされる冷却媒体量に相当しているが、たとえば搬送ローラ、熱対流、放熱等の鋼ボリューム1に対する他の影響をも考慮している。影響量Wは鋼ボリューム1の面要素10(図2を参照)に対しそれぞれ局所的影響を含んでいる。この場合、局所的影響はそれぞれの面要素10を介して鋼ボリューム1に作用する。
図4によれば、ステップS3において鋼ボリューム1の開始状態ZA(初期状態Zに等しい)と開始時点t0を起点とする時間軸tとを設定する。この場合開始時点t0は、通常は、観察対象である鋼ボリューム1、すなわちたとえば帯鋼1の一部分が冷却区間2へ進入する時点に相当している。
次に、ステップS4において、影響量の推移に基づき、時間軸tによって決定される時点でもたらされるべき影響量Wを演算する。次にステップS5において、コンピュータ4は、鋼ボリューム1の現在の開始状態ZAとボリューム表面を介して鋼ボリューム1に作用している現在の影響量Wとに基づき、鋼ボリューム1の結果状態ZFを演算する。この場合コンピュータ4は熱伝導方程式と相転移方程式とを解く。結果状態ZFは開始状態ZAと同じ成分K,p1,p2,p3,Hを含んでいる。
次に、ステップS6において、時間軸tを時間ステップ幅Δtだけ増分させる。次のステップとして、ステップS7において、時間軸tが最終時点t1に達したかどうかを調べる。この場合最終時点t1は、通常は、観察対象である鋼ボリューム1が冷却区間2を離れる時点に対応している。
最終時点t1にまだ達していなければ、ステップS8において、開始時点ZA(直前に検出した結果状態ZFに等しい)を設定し、その後ステップS4へ戻る。
これに対し、最終時点t1にすでに達していれば、ステップS4ないしステップS8から成るループを終了する。その後更なる処置をとらなければ、いわゆるプロセスオブザーバーが実現される。しかし、図4に図示したように、ステップS9において、今演算した結果状態ZAに基づいてたとえば温度または材料硬さのような予想最終量f’を演算し、所望の最終量f’*と比較するのが好ましい。もし予想最終量f’が所望の最終量f’*と対応していなければ、対応する演算機能を前提として、ステップS10において影響量Wの推移を変更させる。次にステップS3へ戻る。他方、必要な冷却媒体量の推移を演算する。その結果コンピュータ4はこの時点でステップS11において冷却区間2を適宜制御することができる。
なお、完全を期すために述べておくと、コンピュータに前記所望の最終量f’*以外に所望の中間量をも予め設定する場合には、コンピュータ4が第1の所望の中間量に至るまでの冷却媒体量の推移、第2の所望の中間量にいたるまでの冷却媒体量の推移というように、所望の最終量f’*に至るまでの冷却媒体量の推移全体を演算することは言うまでもない。
図1と図4によれば、上記のモデリング方法はオンラインでリアルタイムで実施される。しかし、もちろんオフライン実施も難なく可能である。この点は、図1において、冷却区間2とコンピュータ4との接続部を開けたままにしておくことで示唆した。すなわち冷却区間2の制御を直接行う必要はないことで示唆した。さらに、この理由から、図4のステップS11は破線で示した。
図4の処理手順はかなり面倒な演算を要求する。図4の方法を実施するために必要な演算機能には対応できないが、しかしそれでも本発明によるモデリング方法を活用してオンライン制御を行う場合には、以下に図5との関連で詳細に説明する方法をオンラインでリアルタイムで実施する。
図5によれば、コンピュータ4は前記ステップS1に対応するステップS12で初期状態Zを受信する。ステップS13においてコンピュータ4は前記ステップS3に対応して開始状態ZA(初期状態Zに等しい)と時点t0を起点とする時間軸tとを設定する。次にコンピュータ4はステップS14において所望の結果量f’*を演算し、或いは、これを受信する。
ステップS15において、コンピュータ4は前記ステップS9に対応して、開始状態ZAに基づき開始量fを演算する。ステップS15で演算した開始量fと所望の結果量f*とに基づいてコンピュータ4は次にステップS16において影響量Wを演算する。前記ステップS11に対応するステップS17においてコンピュータ4は演算した影響量Wに応じて最終的に冷却区間2を制御する。この制御は図5に図示したように行なわれ、好ましくは迅速に行なわれる。しかし、場合によっては次のサイクルで制御を行なってもよい。
以下のステップS18ないしS21は図4の前記ステップS5ないしS8に対応している。したがってこれらステップS18ないしS21に関しては詳細な説明を省略する。
図5の方法は、好ましくは、たとえば冷却区間2を通過する帯鋼1を所望の結果量f*の推移に合わせて制御して適用するのがよい。この場合には、図5との関連で上述した方法はもちろん帯鋼1の個々の各部分に対し個別に実施されねばならない。また、個々の各部分に対しては、複数個の塗布装置5のうち、観察部分が影響範囲に存在しているような塗布装置5を制御しなければならない。これは冒頭で述べた路程追跡によって保証される。さらに図5の方法は、冷却区間2内にある帯鋼1のすべての部分に対し並行的に実施される。
その都度の所望の結果量f*は予めコンピュータ4に明示的に設定することができる。しかし、たとえば帯鋼1が冷却区間2から出るときの所望の結果量f*、或いは帯鋼1を巻回するコイラーに到達したときの所望の結果量f*のみをコンピュータ4に予め設定するようにしてもよい。この場合には、コンピュータ4は所定の演算命令に基づいて個々の反復操作に対する所望の結果量f*を自動的に演算する。
もちろん、図5の制御を別様に構成してもよく、たとえば先願のDE10321792.4に記載の構成にしてもよい。
すでに述べたように、ステップS5とS18で熱伝導方程式と相転移方程式とが解かれる。
熱伝導方程式と相転移方程式の一例を図6に図示した。図6においては、熱伝導に対し3次元の式が採用されている。しかし帯の場合、帯長手方向と帯横方向における熱流は通常無視できるので、この式は図7の1次元の式に例外なく簡略化することができる。なお、∂/∂xは帯厚さ方向における位置の導関数である。
熱伝導方程式と相転移方程式とが互いに関連していることがわかる。それ故、熱伝導方程式と相転移方程式を解くため(ステップS5,S18)、図8によれば以下のような処置を講じる。
まず、ステップS22において局所温度Tを演算する。この演算はエンタルピーHとフェライト相、セメンタイト相、オーステナイト相の成分p1,p2,p3とに基づいて行なう。すなわち、観察対象であるボリューム要素9が少量であるため、ボリューム要素9内部の局所温度Tは一定であると仮定することができる。したがって、このボリューム要素9内部の鋼の個々の相も同じ局所温度Tを有する。よって、ボリューム要素9のエンタルピーHは、
(数1)
H=p1H1(T)+p2H2(T)+p3H3(T) (1)
として表わすことができる。さらに、各相に対し、それぞれの相のエンタルピーH1,H2またはH3は局所温度Tの関数(オーステナイトの場合には炭素成分を考慮する)として一義的に特定されているので、上記式1により局所温度Tを難なく算出できる。
ステップS22で求めた局所温度Tに対し、ステップS23において(フェライト相、セメンタイト相、オーステナイト相に対し別個に)、個々の相のギブス自由エンタルピーG1ないしG3を、可動合金要素成分の関数として算出する。このような過程のいくつかの例を図9と図10に図示した。図9の例では、局所温度Tはオーステナイトからパーライトへの転移温度よりも上にあり、図10の例では下にある。
フェライト、セメンタイト、オーステナイトの3つの相すべてが存在していると常に仮定することができ、後になって(後述の図18に対する説明を参照)どの相が存在し、どの相転移が行なわれるかを決定することができる。しかし、図8によれば、まずステップS24において、観察対象である相の数量を求める。これは以下のようにして行なう。
まず、フェライト・オーステナイト系を選び出す。この系に対し、ボリューム要素9のなかにある可動合金要素の全成分においてこの系が純粋にフェライト系であるか、または純粋にオーステナイト系であるか、或いは混合して安定であるかを調べるとともに、場合によってはどの相分布が安定な状態にあるかを調べる。可動合金要素の全成分は濃度分布に基づいて難なく求めることができる。
安定な相の検出および場合によっては相分布の検出を行なうため、この種の1つの系の全ギブス自由エンタルピーGに対する最小値を求める。その具体的な処理手順は、先願のドイツ特許出願10251716.9の第16頁ないし第18頁に記載されているような手順で行なう。この処理手順は、フェライトとオーステナイトとの間に界面11がある場合、フェライト領域或いはオーステナイト領域にある可動合金要素(典型的には炭素)の濃度k1とk3をも提供する。
次に、対応的に、フェライト・セメンタイト(パーライト)混合系およびオーステナイト・セメンタイト混合系を検査する。フェライト・セメンタイト混合系の検査は、フェライトとセメンタイトとの間に界面12がある場合、フェライト領域或いはセメンタイト領域にある可動合金要素の濃度k2とk4をも提供する。
3つの2相系に対し求めた3つの最小ギブス自由エンタルピーGを互いに比較し、総最小ギブス自由エンタルピーGを持つ2相系を選び出す。この2相系がオーステナイトを含んでいる場合には、ギブス自由エンタルピーに基づいて、安定な状態が1相を含んでいるか2相を含んでいるか、どの相がこれに該当しているか、可動合金要素のどの程度の濃度k1,k3またはk2,k4がオーステナイトからフェライトへの界面11またはオーステナイトからセメンタイトへの界面12の両側に存在しているかを求めることができる。
さらに、開始状態ZAから、当初どの相が成分p1ないしp3にあるかは既知である。
このように、最小ギブス自由エンタルピーGを持った2相系がオーステナイトを含んでいる場合には、当初存在している相と安定なものとして検出された相とを総合的に判断することにより、フェライト相、オーステナイト相、セメンタイト相のうちの1つだけを持った純粋系を観察しなければならないのか、それとも、フェライト相、オーステナイト相、セメンタイト相のうちの2つまたは3つを持った混合系を観察しなければならないのかを確認することができる。さらに、ギブス自由エンタルピーG,G1ないしG3に基づき、どの相が安定であるかを確認することもできるので、相転移があればその方向もすでに既知である。
最小ギブス自由エンタルピーGを持った2相系がパーライト系であり、開始状態ZAがオーステナイトを含んでいない(p3=0)場合には、完全に転移した組織、すなわちもはや相転移していないフェライト・セメンタイト2相系が存在している。これに対して、開始状態ZAがオーステナイトを含んでいて(p3>0)、パーライト系が最小ギブス自由エンタルピーGを有している場合には、この時点でフェライト相およびセメンタイト相のうち一方の相が形成されるか、或いは両方の相が形成されるかを難なく決定することができる。それ故この場合には、両方の相が形成されるものと予め仮定する。すなわちフェライト・セメンタイト・オーステナイト3相系が観察対象になるものと仮定する。
次のステップとして、ステップS25において、観察対象であるボリューム要素9のなかに1相以上の相が存在しているかどうかを調べる。もし1相以上の相が存在していなければ、もちろん相転移は行なわれない。しかしながら、ステップS26において、このボリューム要素9に対し可動合金要素に対する拡散方程式を立ててこれを解くことにより、観察対象であるボリューム要素9の内部で可動合金要素の濃度変動があれば、これを補償するようにする。この処置は、特に、炭素含有量が大きく変動することのあるオーステナイトの場合に有意義である。この種の拡散方程式の定式化とその解とは当業者に周知である。それ故、拡散方程式の定式化とその解とに関しては詳細に立ち入らない。
観察対象であるボリューム要素9のなかに1相以上の相が存在している場合には、次のステップとして、ステップS27において、3相すべてが存在しているかどうかを調べる。3相すべてが存在していない場合には、2相系が存在している。このような場合には、ステップS28において、存在している2つの相のうちの一方がオーステナイトであるかどうかを調べる。もしオーステナイトでない場合には、完全なパーライト系が存在する。すなわちフェライトとセメンタイトとから成る層構造が存在する。この構造は実質的に安定である。それ故、このような場合には更なる処置を講じる必要はない。
これに対し、2つの相のうちの1つがオーステナイトであり、したがって他の相がフェライトまたはセメンタイトである場合には、オーステナイトとフェライトとの間に界面11が存在し(図11および図12を参照)、或いは、オーステナイトとセメンタイトとの間に界面12が存在する(図11および図13を参照)。このような場合には、簡潔な処置として、界面11または12が縦辺と横辺とを有する矩形として形成されているものと仮定する。なお、矩形の縦辺と横辺は観察対象であるボリューム要素9の基本寸法AとBに対応している。この場合、界面11,12の変位は、特に図11からわかるように、基本寸法Cに対し平行に行なわれる。
当業者に周知であり、また図12からもわかるように、フェライトに含まれる炭素は非常にわずかである。これに対し、オーステナイト域に対する界面11では濃度の飛躍が行なわれる。界面11における可動合金要素の濃度k1,k3は、前記ステップS24においてフェライト・オーステナイト系に対し検出された濃度k1,k3である。
図12に示すように、オーステナイトからフェライトへの転移を行なう場合には、界面11付近でのオーステナイト域における可動合金要素の「濃度の山」を拡散させる必要がある。逆に、フェライトからオーステナイトへの転移を行なう場合には、界面11付近でのオーステナイト域における可動合金要素の「濃度の谷」を連続的に盛り上げる必要がある。このような課題の数値的または分析的解決手段は一般にステファン問題として知られている。これをステップS29で行なう。本ケースの場合、ステファン問題は次のように定式化することができる。
(数2)
K’t−DK’xx=0 (2)
ここでDはオーステナイト内の可動合金要素の(場合によっては温度に依存する)拡散定数である。K’は濃度Kである。符合tとxは界面11の変位方向における時間または位置の導関数である。なお、界面11の変位方向は場合によっては帯厚さ方向である必要がある。
上記式2に対しては、開始状態ZAにおける可動合金要素の位置的濃度分布K’により初期条件が定義されている。ステファン問題を解決するには、さらに以下のような境界条件を考慮せねばならず、すなわち、界面11でのフェライト域またはオーステナイト域に濃度k1またはk3が存在すること、可動合金要素は該当するボリューム要素9を離れることができないこと、界面11の変位量δx’はステファン条件により
(数3)
(k3−k1)δx’/δt=−DK’x (3)
を満たすことを考慮せねばならない。ここでδtはステファン問題を解決する際に利用される時間的ステップ幅である。なお、時間的ステップ幅は時間的ステップ幅Δtの分数(1/2,1/3,1/4.....)であり、或いは、時間的ステップ幅Δtに等しくてもよい。
このように、ステップS29でステファン問題を解決することにより、観察対象であるボリューム要素9のオーステナイト域で可動合金要素の濃度分布KまたはK’が変化するかどうか、またどのように変化するかが確認される。同時に、これにより界面11が変位するかどうか、またどの程度δx’変位するかが確認される。
他の相がフェライトではなく、セメンタイトである場合も、解決策の立て方は基本的には同じであり、また解決手段も同様である。ただし、セメンタイトの形成時に該セメンタイト内に炭素が多く含まれており、セメンタイトに対する界面12付近のオーステナイト域において炭素が少ない点だけが異なっている。これも当業者には周知のことであり、図13に図示されている。このように境界条件が変化する。この場合、ステファン条件による界面11の変位量δx”は
(数4)
(k4−k2)δx”/δt=−DK”x (4)
を満たす。K”は濃度Kである。
これに対して、ステップS28において3つの相すべてが存在すると確認された場合には、複雑な問題が発生する。というのは、フェライト相13とセメンタイト相14とから交互に構成されている層構造(図14と図15を参照)が存在するような式を選定しなければならないからである。この層構造はオーステナイト域15に境を接している。図16と図17はそれぞれフェライト相13またはセメンタイト相14およびこれらの相13,14の前方にあるオーステナイト域15での可動合金要素の濃度K’またはK”の推移を示している。
なお、この場合も、モデルの範囲内で、界面11,12はそれぞれ縦辺と横辺を有する矩形として形成されているものと仮定する。縦辺は第1の基本寸法Aに相当している。横辺はこの場合も第2の基本寸法Bに対し平行に延在している。また、界面11,12の変位は第3の基本寸法Cに対し平行に行なわれるものとする。
ステップS30において、界面11,12のそれぞれに対しステファン問題を提議してこれを解決する。ステップS30は図18に詳細に図示されている。
フェライトとオーステナイトとの間の界面11に対するステファン問題は、図18によれば(そのステップS31を参照)、次の法則性に従う。
(数5)
K’t−DK’xx=L1 (5)
K’は界面11前方における可動合金要素の濃度である。
セメンタイトとオーステナイトとの間の界面12に対するステファン問題は、次の法則性に従う。
(数6)
K”t−DK”xx=L2 (6)
K”は、K’に対応して、界面12前方における可動合金要素の濃度である。
L1とL2は連結項である。連結項は(図14を参照)、層構造の薄層間隔lと、層構造におけるセメンタイト相の成分qと、その時間の導関数との関数である。式で表わすと、連結項はたとえば次のようになる。
Figure 2007520821
Figure 2007520821
上記の式5ないし8からわかるように、2つのステファン問題は、式5と6の右辺の連結項L1,L2により互いに関連づけられている。
式5ないし式8においても、符号tとxは界面11または12の変位方向における時間または位置の導関数である。
界面11,12の変位量δx’,δx”に対してはこの場合もステファン条件(式3と式4を参照)が適用される。それ故、ステップS32において、式3と式4の変位量δx’,δx”と同一視することが可能である。このとき、成分qを、式3による界面11の変位量δx’と式4による界面12の変位量δx”とが同じ値をとるように特定する。すなわち成分qは、界面11と12が常に並設状態を維持するように特定される。
このように、パーライトの層構造におけるセメンタイト相の成分qを適当に選定することにより、界面11,12の変位量δx’,δx”を同じにすることができる。すなわち試行錯誤(trial and error)により、セメンタイト相の成分qがどの程度であれば界面11,12の変位量δx’,δx”が一致するかを調べることができる。
この場合、このようにして調べた成分qに基づいて、実際にパーライトが形成されるかどうか、或いは、フェライト相とセメンタイト相の2つの相のうち一方のみが形成されるのかどうかをも決定することができる。というのは、成分qが0と1の間にある場合にだけ、パーライトが形成されるからである。これに対し成分qが1よりも大きければ、セメンタイトのみが形成される。逆に0よりも小さければ、フェライトのみが形成される。
この処置の場合、成分qは数値的な理由から任意の値を取ることができる。すなわち特に0よりも小さくても、1よりも大きくてもよい。しかしこれらの値は物理学的に無意味である。それ故、場合によっては、ステップS33ないしステップS36において成分qを適当に修正する。
ステップ32による処置は数値的な問題を生じさせることがある。それ故、この処置とは択一的に、異なる変位量δx’,δx”を許容するようにしてもよい。この場合には、ステップS32aとステップS32bにおいて、層構造におけるセメンタイトの成分qを、
Figure 2007520821
にしたがって、界面11,12の位置が互いに相手のほうへ移動するように追従させる。この場合、図18によれば、ステップS32aとステップS32bはステップS32の代わりに実施する。αは適当な比例定数である。その値はゼロよりも大きい。
この場合、界面11,12の平均変位量δxは、
(数10)
δx=(1−q)δx’+qδx” (10)
のように定義される。
これら2つの処置(ステップS32またはステップS32a,S32b)のどちらを採用するかに関係なく、いずれのケースにおいても、成分qを決定することによりはじめて、どの相がどの程度形成されるかを調べ、推論する。
パーライトが形成される場合には、すなわち成分qが0と1の間である場合には、さらに薄層間隔lを決定しなければならない。これは図19によれば以下のようにして行なわれる。
界面11,12の変位量δxと成分qとにより、どの相転移が行なわれるか、また相転移がどの成分で行なわれるかは既知である。相転移はエネルギー収支に対する寄与率δE1を提供する。寄与率δE1は、相転移が行なわれる体積に依存している。すなわち、
(数11)
δE1=βA1δx (11)
である。βは予め求めることのできる比例定数である。
さらに、フェライトとセメンタイトとの間の境界層16の面積が変化する。この面積の変化も、エネルギー収支に対する寄与率δE2を提供する。この寄与率δE2は境界層16の面積の変化率に比例している。すなわち、
(数12)
δE2=2γAδx (12)
である。γも予め求めることのできる比例定数である。係数2は、界面11,12ごとに或いは層13,14ごとにそれぞれ1つの境界層16があり、2つの界面11,12或いは2つの層13,14を観察することによって得られる。
このようにして、前記式11と式12とに基づき、2つの寄与率δE1とδE2とを考慮するエネルギー収支を補償するような臨界薄層間隔l’を求めることができる。臨界薄層間隔l’は、
(数13)
l’=2α/β (13)
である。
薄層間隔l、すなわち層厚l1とl2の和は、前記臨界薄層間隔l’のほぼ3/2倍ないし3倍、たとえばほぼ2倍に置き換えられる。層厚l1またはl2は、
(数14)
l1=(1−q)l (14)
(数15)
l2=ql (15)
である。
層厚l1,l2は界面11,12の面密度F1,F2に比例している。図14では、面密度F1,F2をそれぞれハッチングで示した。
このように、ステップS29とステップS30のいずれか一方で1つの界面11,12の変位量δx’,δx”を求めると、界面11,12の位置が変化する。このような場合には、ステップS37において、(もちろん平均変位量δxの符合を考慮して)界面11,12または11と12の新たな位置を決定する。次に、ステップS38において、界面11,12または両界面11,12の位置の非線形関数に基づいてオーステナイトの成分p3を求める。なお非線形関数は、特に、ステップS29のステファン問題またはステップS30のステファン問題が1次元で立てられて、解決されるが、しかし実際には3次元の転移が行なわれるという状況を考慮している。
次に、ステップS39において、他の2つの相であるフェライトとセメンタイトの成分p1,p2の変化を特定する。この場合、もしステップS37ないしステップS39がステップS29を起点にして行なわれるのであれば、成分qは当然0か1である。
すなわち、界面11,12の平均変位量δxと層構造におけるセメンタイトの成分q(0<q<1)とを用いて、観察対象であるボリューム要素9に関し、鋼の相の成分p1,p2,p3に対しどのような変化が生じるかを簡単に求めることができる。
上記モデリング方法は諸々の仮定が簡略化されているが、かなり複雑な演算を伴う。このため、図8によれば、ステップS22の前にステップS40とステップS41とが挿入され、そしてステップS39の後にステップS42が挿入される。
ステップS40では、ボリューム要素9をまとめてグループを形成させる。たとえば、帯幅b、帯厚dおよび/または帯速度vの方向で互いに境を接している複数個のボリューム要素9をまとめることができる。これらの組み合わせも可能である。次に、ステップS41において、ボリューム要素9のグループごとにそれぞれ1つのボリューム要素9を選択する。選択したボリューム要素9に対してのみステップS22ないしステップS39において微分方程式、ステファン問題を解き、相の成分p1,p2,p3を演算により求める。
図8によれば、ステップS42において、各グループごとに、観察したボリューム要素9の解の結果をそれぞれのグループの他のボリューム要素9に対し適用する。これが最も簡単な処理である。しかしながら、相分布を明示的に算出できなかったボリューム要素9の相の成分p1,p2,p3を直線補間または非直線補間によって求めてもよい。
このような状況に基づけば、すなわちボリューム要素9の各グループにおいて、1つのボリューム要素9の濃度分布Kのみを算出し、熱伝導方程式の解に対しては、濃度分布Kではなく、存在する相の成分p1,p2,p3のみを必要とするという状況に基づけば、場合によっては各グループの前記1つのボリューム要素9に対してのみ濃度分布Kを予め設定することも可能である。
これに対して、ステップS43では、熱伝導方程式を各ボリューム要素9に対し個別に解く。これとは択一的に、ステップS22ないしステップS42において相転移方程式を解く前後にステップS43を実施してもよい。
熱伝導方程式を解くことは難なく可能である。というのは、個々のボリューム要素9の温度Tは難なく求めることができ(ステップS22に対する前記説明を参照)、その結果温度の位置勾配もすぐに求めることができるからである。個々のボリューム要素9の相の成分p1,p2,p3も同様に既知であるので、個々のボリューム要素9の熱伝導率λも難なく求めることができる。最終的に密度ρは実質的に一定であり、個々のボリューム要素9のエンタルピーHはじかに与えられているので、全体としてみれば、熱伝導方程式も解くことができる。
このように、本発明によれば、ギブス自由エンタルピーGと拡散法則(ステファン問題)とをベースにして、転移現象を、発生する相成分p1,p2,p3と転移速度とに関し極めて高精度で記述することのできる物理学的モデルが作製される。一般的には、未知の材料および素材の処理をも可能にさせる効果的な成果が得られる。また、個々の式は温度の算出ばかりでなく、組織構造および粒径の算出にも使用することができる。
本発明によるモデリング方法は任意の場所で使用することができ、特にたとえば圧延機のロールスタンド間での冷却工程、或いは、いわゆるフェライト圧延で使用することができる。また、鋼を加熱する際の再転位の記述にも適している。
帯鋼用冷却区間を示す図である。 図1の帯鋼の詳細図である。 ボリューム要素の斜視図である。 タイミングチャートである。 他のタイミングチャートである。 熱伝導方程式と相転移方程式を示す図である。 他の熱伝導方程式と相転移方程式を示す図である。 他のタイミングチャートである。 第1の温度での炭素成分の関数としての、鋼の相のギブス自由エンタルピーを示す図である。 第2の温度での鋼の炭素成分の関数としての、鋼の相のギブス自由エンタルピーを示す図である。 ボリューム要素の斜視図である。 図11のボリューム要素の側面図である。 図12のボリューム要素に対応するボリューム要素を示す図である。 ボリューム要素の斜視図である。 図14のボリューム要素の平面図である。 図15のボリューム要素の、図15の線XVI−XVIによる断面図である。 図15のボリューム要素の、図15の線XVII−XVIIによる断面図である。 他のタイミングチャートである。 図15の詳細図である。
符号の説明
1 帯鋼(鋼ボリューム)
4 コンピュータ
6 コンピュータプログラム
9 ボリューム要素
10 面要素
11,12 界面
δx,δx’,δx” 界面の変位量
A,B,C ボリューム要素の基本寸法
F1,F2 面密度
G1,G2,G3 ギブス自由エンタルピー
H エンタルピー
K 可動合金要素の局所的濃度分布
f’ 予想最終量
f’* 所望最終量
k1,k2,k3,k4 可動合金要素の濃度
p1,p2,p3 鋼のモデリング相の局所成分
q セメンタイト相の成分
W 影響量
Z 初期状態
ZA 開始状態
ZF 結果状態

Claims (21)

  1. ボリューム表面を備えた鋼ボリューム(1)の挙動をモデリングするためのコンピュータ支援型モデリング方法であって、
    コンピュータ(4)が、鋼ボリューム(1)の現在の開始状態(ZA)とボリューム表面を介して鋼ボリューム(1)に対し作用する現在の少なくとも1つの影響量(W)とに基づき、熱伝導方程式と相転移方程式とを解くことにより、鋼ボリューム(1)の結果状態(ZF)を算出し、
    ボリューム表面の複数個の面要素(10)に対する前記少なくとも1つの影響量(W)がそれぞれ局所的影響を含み、局所的影響がそれぞれの面要素(10)を介して鋼ボリューム(1)に対し作用し、
    鋼ボリューム(1)の複数個のボリューム要素(9)に対する開始状態(ZA)と結果状態(ZF)とがそれぞれ鋼のモデリングされた相の局所的成分(p1,p2,p3)と鋼の局所的エネルギー収支を表わす量(H)とを含み、
    鋼のモデリングされた相がオーステナイトと第1の他の相とを含み、該第1の他の相へオーステナイトが転移可能であり、且つ該第1の他の相がオーステナイトへ転移可能であるコンピュータ支援型モデリング方法において、
    ボリューム要素(9)の少なくとも1つに対する開始状態(ZA)と結果状態(ZF)とが鋼の内部で可動な少なくとも1つの可動合金要素の局所的濃度分布(K)を含んでいること、
    前記転移方程式の範囲内で、少なくとも1つのボリューム要素(9)に対し、少なくとも1つの可動合金要素のどの濃度(k1,k3;k2,k4)がオーストナイトと第1の他の相との間の第1の界面(11,12)の両側にあるかを算出すること、
    第1のステファン問題を解くことにより、観察対象であるボリューム要素(9)のオーステナイト領域において少なくとも1つの可動合金要素の濃度分布(K)が変化しているかどうか、およびどのように変化しているかを算出し、且つそれによって第1の界面(11,12)が変位しているかどうか、およびどの程度(δx,δx’,δx”)変位しているかを算出すること、
    相の局所的成分(p1,p2,p3)を、第1の界面(11,12)の変位の程度(δx)により特定される第1の界面(11,12)の位置に基づいて算出すること、
    を特徴とするコンピュータ支援型モデリング方法。
  2. 鋼のモデリングされた相が第2の他の相をも含み、該第2の他の相へオーステナイトが転移可能であり、且つ該第2の他の相がオーステナイトへ転移可能であること、
    観察対象であるボリューム要素(9)に対し、前記転移方程式の範囲内で、少なくとも1つの可動合金要素のどの濃度(k2,k4;k1,k3)がオーストナイトと第2の他の相との間の第2の界面(12,11)の両側にあるかを算出すること、
    さらに第2のステファン問題を解くことにより、観察対象であるボリューム要素(9)のオーステナイト領域において少なくとも1つの可動合金要素の濃度分布(K)が変化しているかどうか、およびどのように変化しているかを算出し、且つそれによって第2の界面(12,11)が変位しているかどうか、およびどの程度(δx”,δx’)変位しているかを算出すること、
    前記ステファン問題が互いに関連していること、
    界面(11,12)に面密度(F1,F2)が割り当てられていること、
    第2の界面(12)の成分(q)に割り当てられる面密度(F2)を、面密度(F1,F2)の和により特定すること、
    局所成分(p1,p2,p3)が面密度(F1,F2)の和において第2の界面(12)に割り当てられている面密度(F2)の成分(q)にも依存していること、
    を特徴とする請求項1記載のモデリング方法。
  3. 面密度(F1,F2)の和において第2の界面(12)に割り当てられている面密度(F2)の成分(q)を、界面(11,12)が常に並設状態を維持するように特定することを特徴とする請求項2記載のモデリング方法。
  4. 面密度(F1,F2)の和において第2の界面(12)に割り当てられている面密度(F2)の成分(q)を、界面(11,12)が互いに相手のほうへ移動するように追従させることを特徴とする請求項2記載のモデリング方法。
  5. 面密度(F1,F2)の和において第2の界面(12)に割り当てられている面密度(F2)の成分(q)に基づいて、オーステナイトが第1の他の相のみへ転移するか、第2の他の相のみへ転移するか、或いは第1の他の相と第2の他の相の双方へ転移するかを推論することを特徴とする請求項2,3または4記載のモデリング方法。
  6. 観察対象であるボリューム要素(9)が直方体状に形成され、3つの基本寸法(A,B,C)を有していること、
    第1の界面(11,12)が第1の縦辺と第1の横辺とを備えた矩形として形成されていること、
    第1の縦辺が前記基本寸法(A,B,C)のうちの第1の基本寸法に対応し、第1の横辺が前記基本寸法(A,B,C)のうちの第2の基本寸法に対し平行に延在し、第1の界面(11,12)の変位(δx’,δx”)が前記基本寸法(A,B,C)のうちの第3の基本寸法に対し平行に行なわれること、
    を特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載のモデリング方法。
  7. 第2の界面(12,11)が第2の縦辺と第2の横辺とを備えた矩形として形成されていること、
    第2の縦辺が前記基本寸法(A,B,C)のうちの第1の基本寸法に対応し、第2の横辺が前記基本寸法(A,B,C)のうちの第2の基本寸法に対し平行に延在し、第2の界面(12,11)の変位(δx” ,δx’)が前記基本寸法(A,B,C)のうちの第3の基本寸法に対し平行に行なわれること、
    を特徴とする請求項6および請求項2ないし5のいずれか一つに記載のモデリング方法。
  8. 界面(11,12)の横辺の総和(l)が臨界薄層間隔(l’)のほぼ1.5倍ないし3倍に等しく、臨界薄層間隔(l’)においては、一方では界面(11,12)の変位に対応する鋼の相転移を考慮し、他方では界面(11,12)の変位に対応する、第1の他の相と第2の他の相との境界層(16)の面積の変化を考慮したエネルギー収支が補償されていることを特徴とする請求項7記載のモデリング方法。
  9. 1つのステファン問題を1次元で定式化してこれを解き、或いは、複数のステファン問題を1次元で定式化してこれを解くこと、オーステナイトの成分(p3)を、1つの界面(11,12)または複数の界面(11,12)の位置の非線形関数に基づいて算出することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一つに記載のモデリング方法。
  10. 前記少なくとも1つの可動合金要素がどのような濃度(k1ないしk4)で第1の界面(11,12)の両側にあるか、或いは、第1の界面(11,12)の両側および第2の界面(11,12)の両側にあるかの算出を、相のギブス自由エンタルピー(G1,G2,G3)に基づいて行なうことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一つに記載のモデリング方法。
  11. すでに開始状態(ZA)にある相と該相のギブス自由エンタルピー(G1,G2,G3)とに基づいて、オーステナイトと第1の他の相とが存在するかどうか、或いはオーステナイトと第1の他の相に加えて第2の他の相とが存在するかどうかを算出することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一つに記載のモデリング方法。
  12. 鋼ボリューム(1)が多数のボリューム要素(9)を含んでいること、1つまたは複数のステファン問題をボリューム要素(9)の一部に対してのみ解くこと、他のボリューム要素(9)の相の局所成分(p1,p2,p3)をボリューム要素(9)の前記一部分の相の局所成分(p1,p2,p3)に基づいて算出することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか一つに記載のモデリング方法。
  13. 熱伝導方程式を各ボリューム要素(9)に対して個別に解くことを特徴とする請求項12記載のモデリング方法。
  14. コンピュータ(4)に初期状態(Z)と少なくとも1つの所望の最終量(f’*)とを設定すること、
    請求項1ないし10までのいずれか一つに記載のモデリング方法を反復して適用すること、
    最初の反復の開始状態(ZA)が初期状態(Z)に対応し、他のそれぞれの反復の開始状態(ZA)が直前に算出した結果状態(ZF)に対応していること、
    最後の反復後に算出した結果状態(ZF)に基づいて予想される最終量(f’)を算出し、所望の最終量(f’*)と比較すること、
    を特徴とする請求項1ないし13のいずれか一つに記載のモデリング方法。
  15. オンラインで且つリアルタイムで、またはオフラインで実施することを特徴とする請求項14記載のモデリング方法。
  16. 反復の影響量(W)がその全体において影響量の推移に対応していること、コンピュータ(4)が予想される最終量(f’)と所望の最終量(f’*)との比較に基づいて影響量の推移を変化させ、初期状態(Z)を起点として、少なくとも予想される影響量(f’)が所望の最終量(f’*)に対応するまで請求項12記載のモデリング方法を新たに実施することを特徴とする請求項14または15記載のモデリング方法。
  17. オンラインで且つリアルタイムで実施すること、コンピュータ(4)が開始状態(ZA)から算出した開始量(f)と所望の結果量(f*)とに基づいて影響量(W)を算出すること、算出した影響量(W)に応じて鋼ボリューム(1)が影響されるようにコンピュータ(4)が作用装置(2)を制御することを特徴とする請求項1ないし13のいずれか一つに記載のモデリング方法。
  18. 請求項1ないし17のいずれか一つに記載のモデリング方法を実施するためのコンピュータプログラム(6)を記憶したデータ記憶媒体。
  19. コンピュータプログラム(6)がファイルされている大容量記憶装置(8)を備えたコンピュータであって、コンピュータプログラム(6)をコンピュータから呼び出して請求項1ないし17のいずれか一つに記載のモデリング方法を実施可能にした前記コンピュータ。
  20. 鋼ボリューム(1)の温度に影響を与える作用装置、特に冷却区間において、請求項19記載のコンピュータ(4)により制御されることを特徴とする作用装置。
  21. 鋼が請求項20に記載の作用装置(2)を通過し、その際に請求項16または17に記載の影響量(W)が算出されることを特徴とする鋼。
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