JP2007518927A - タービン翼およびそのタービン翼を備えたガスタービン - Google Patents

タービン翼およびそのタービン翼を備えたガスタービン Download PDF

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Abstract

ガスタービン(1)のタービン翼(63)の翼台座部および羽根部(67)から台座(71)への移行部(65)の改善された冷却、従って、ガスタービン(1)の流路(5)の境界部の冷却を保証するために、翼軸線(73)に沿って配置された羽根部(67)と、該羽根部(67)の脚に配置され翼軸線(73)に対して横に延びる台座(71)を有する翼台座部(61)とを備え、台座(71)が羽根部を支えない第1台座壁(70)と、羽根部を支える第2台座壁(69)とを有しているタービン翼(63)において、本発明によれば、羽根部(67)の脚に羽根部(67)から台座(71)への移行部(65)の経路において、第1台座壁(70)がその経路に空力学的湾曲部(104)を有し、第2台座壁(69)がその経路において羽根部(67)への継続部に第1台座壁(70)に対する引込み段部(103)を有している。

Description

本発明は、翼軸線に沿って配置された羽根部と、該羽根部の脚に配置され翼軸線に対して横に延びる台座を有する翼台座部とを備え、前記台座が羽根部を支えない第1台座壁と、羽根部を支える第2台座壁とを有しているタービン翼に関する。また本発明は、ガスタービンの軸線に沿って延びる断面環状の作動媒体用流路と、軸線に沿って第1翼段の後方に配置された第2翼段とを備え、これらの各翼段が、環状に配置され半径方向に流路の中に延びる多数のタービン翼を有しているガスタービンに関する。
この形式のガスタービンの場合、流路内は、その中に燃焼ガスが供給された後、1000℃〜1400℃の温度となる。タービン翼の台座は、翼段における多数のそのようなタービン翼の環状配置のために、ガスタービンを貫流する燃焼ガスの形をした作動媒体に対する流路の一部を形成する。作動媒体はこのようにしてタービン翼を介してタービンロータを駆動する。台座によって形成された流路の境界部のそのような強い熱的負荷は、台座が後ろから、即ち、台座の下側に配置されたタービン翼脚から冷却されることによって防止される。そのために、翼脚および翼台座部は通常、冷却材を供給するための適当な通路を有している。
独国特許出願公開第2628807号明細書において、冒頭に述べた形式のタービン翼に対する衝突冷却装置が知られている。この独国特許出願公開第2628807号明細書において、台座を冷却するために、この台座の燃焼ガスとは反対の側の前に、つまり、台座の背後に、即ち、翼脚と台座との間に、孔空き壁要素が配置されている。その壁要素の孔を通して、台座の燃焼ガスとは反対の側に、冷却空気が非常に大きな圧力で衝突し、これによって、効果的な衝突冷却が達成される。
欧州特許出願公開第1073827号明細書において、鋳造タービン翼の翼台座部位の構造における新方式が開示されている。その翼台座部は互いに対向して位置する2つの台座壁から成る二重台座として形成されている。これによって、流路従って燃焼ガスに直接曝される流路を境界づける台座壁を薄く形成することができる。2つの台座壁による形成によって、台座壁に対して機能分割が生ずる。即ち、流路を境界づける台座壁は主に燃焼ガスに対する通路の責任を負い、燃焼ガスで負荷されない反対側台座壁は、羽根部により生ずる荷重を受ける働きをする。この機能分割は、流路を境界づける台座壁を、ほとんど荷重を受ける必要なしに、燃焼ガス通路が保証されるように薄く形成することを可能にする。
最終的には鋳造製造法および強度要件によって与えられる周辺条件に基づいて、タービン翼の負荷のために、通常、翼台座部および羽根部の脚部において羽根部と台座との間で、従来通常のタービン翼の場合に計画された非常に大きな材料集結(厚肉化)が行われている。そのような材料集結は同時に、羽根部空洞内に施された冷却方式によるその材料集結部位からの熱排出を困難にし、また、その材料集結部位の冷却材による直接冷却も妨げる。この材料集結部位を冷却するために、羽根部の脚部および翼台座部において翼の外側表面における膜冷却を利用することが知られている。そのために、燃焼ガスの形をした作動媒体が供給される流路の境界部に、相応した開放隙間系統からその外側表面近くに冷却膜が形成される。基本的にはこれは、非常に大きな材料集結部を備えた上述の翼台座部および脚部を冷却するための機能を発揮する方式である。しかしそのために、流路内における複雑な二次流れ状態に基づいて、かなりの冷却空気量が必要であり、その二次流れのうず構成は、上述の外側表面からの冷却膜の浮き上がりおよび転向を生じさせる。従って、この公知の処置は、ガスタービンの実際運転中、冷却材が近づき難いガスタービン部位に、冷却されない脚部および翼台座部を生じさせてしまう。それらの部位の有利な形成が望まれる。
そこで本発明の課題は、タービン翼の羽根部の脚部および翼台座部における改善された冷却が、従って、ガスタービンの流路の境界部の改善された冷却が行われるタービン翼およびガスタービンを提供することにある。
タービン翼に関する課題は、冒頭に述べた形式のタービン翼において、羽根部の脚に羽根部から台座への移行部の経路において、第1台座壁がその経路に空力学的湾曲部を有し、第2台座壁がその経路において羽根部への継続部に第1台座壁に対する引込み段部を有している、ことによって解決される。
本発明は、ガスタービンの運転状態において燃焼ガスの形をした作動媒体が供給される流路を境界づけるための薄肉かつ非支持の台座壁の利用が、台座の特に有利な形成を許す、という考えから出発している。本発明の主な認識は、第1の薄肉かつ非支持の台座壁と第2の厚肉の支持台座壁とを備えたそのような二重壁構造台座において、非支持台座壁並びに支持台座壁がそれらの要件に関して最適化される、ことにある。
上記の設計に基づいて、非支持台座壁は特に、流路境界づけ機能を有するように形成されねばならない。本発明によれば、この非支持台座壁は、羽根部から台座への移行部の経路にわたって空力学的湾曲部の経過を有している。そのような処置は、上述した欧州特許出願公開第1073827号明細書の台座形成では考慮されていない。上述の設計に基づいて、台座の背面、即ち、第2支持台座壁は、特に支持機能を有するように形成されねばならない。台座は非支持台座壁を冷却するための中間室を有するものとしなければならない。この理由から本発明は、第2台座壁がその経路において羽根部への継続部に第1台座壁に対する引込み段部を有している、ことを提案する。それに応じて、本発明によれば、第1非支持台座壁の背面はむき出し、第2支持台座壁の形をした支持翼構造物は、熱機械的観点に応じて形状的に最適化され、即ち、一方では、第2支持台座壁は、実際には羽根部壁と同じ肉厚をした羽根部壁の継続部となっており、他方では、第2台座壁は、引込み段部に基づいて、非支持台座壁に対して冷却材を供給できる十分な中間室を有するものとする。
第1非支持台座壁の熱的負荷は、空力学的湾曲部の経路によって減少され、これはまた、冷却処置をも低減する。その冷却処置自体は特に、第2支持台座壁および上述の中間室の形状によって最適化され、これによって、羽根部の脚部と翼台座部との間における複合曲線(Korbbogen)とも呼ばれる部位が安価な費用で最良に冷却できる。
即ち、本発明の主な認識は、羽根部と台座との間の移行部の提案された形状によって、一方では、タービン翼の機械的強度を害することなしに、材料集結が十分に減少され、他方では、この移行部においてできるだけ効果的な冷却作用が一体に組み入れられることにある。
本発明の有利な実施態様は従属請求項から理解でき、個々には、上記のタービン翼の台座を上述した構想の枠内で形成する有利な方式を提供する。
本発明の特に有利な実施態様において、上述した処置に応じて、第1台座壁の湾曲部と第2台座壁の段部との間に台座を冷却するための中間室が形成されている。そのために、中間室は特に第1台座壁を衝突冷却する目的で適当に選択される。
目的に適って、中間室は台座の全経路に沿って本質的に段部の高さで規定された一様な高さを有している。このことは、一方では、流体技術的観点から冷却材の最良の案内を可能にするという利点を有する。他方でその高さは、第2支持台座壁を通しての中間室への冷却材の導入によって、第1非支持台座壁の最良の衝突冷却が可能とされる、ように選択されている。
種々の要件に基づいて、第2台座壁は第1台座壁の壁厚より大きな壁厚を有している。好適には、第2支持台座壁は、本質的に羽根部の脚部における壁厚に相当する壁厚で形成されている。
羽根部の脚における移行部を最良に冷却するために、その移行部の経路における単位面積当たりの冷却材貫通孔の数が、残りの翼台座部におけるより多くされている。このようにして、燃焼ガスが供給される流路の境界部を直接形成する非支持台座壁の全背面に、冷却材が近づくことができ、最良に冷却処置が施せる。
本発明の特に有利な実施態様において、第1非支持台座壁が、羽根部に接するばね弾性鋼板部によって形成されている。その鋼板部は、好適には、羽根部の脚における溝あるいは縁の形に形成される突き合わせ部に接している。即ち、非支持台座壁は、この非支持台座壁が隣接する部品の相対運動によって弾性鋼板部に基づくそのたわみ性のために流路に対する境界部としての作用が害されないように、薄肉に形成されている。そのばね弾性的形成に基づいて、空力学的湾曲部の形をした特に有利に形成された経路が可能である。
目的に適って、台座は第1半部において羽根部の片側に、第2半部において羽根部の反対側に質的に同じに形成されている。即ち、台座は羽根部の両側において質的に同じ形で延びている。即ち、台座は片側および反対側において上述の同じ特徴を有している。このようにして、翼段における多数のタービン翼の連続配列によって、上述の課題において、流路の境界部が特に有利に形成される。
本発明はまた冒頭に述べた形式のガスタービンに関わり、その各翼段が、環状に配置され半径方向に流路の中に延びる上述したように形成された多数のタービン翼を有している。
目的に適って、第1非支持台座壁はいずれにしても翼台座部において接合される必要がなく、タービン翼羽根部の脚部あるいは第2支持台座壁の部位に在る突き合わせ部に解除可能にあるいはゆるく接触するだけで足りる。
つまり、タービンロータにおける動翼の形をしたタービン翼の回転運転中、その回転によって羽根部の脚から羽根部の方向に作用する遠心力が発生する。即ち、ばね弾性鋼板部が、運転中、遠心力によって突き合わせ部に向けて押し付けられ、これによって、遠心力固着される。
また、タービン車室における静翼の形をしたタービン翼の運転中、冷却材によって圧力勾配が、羽根部の脚から羽根部の方向に向けて発生される。即ち、ばね弾性鋼板部分が、運転中、その圧力勾配によって突き合わせ部に向けて押し付けられ、これによって、圧縮固着される。
ガスタービンの形成の枠内で、同じ翼段の第1タービン翼と隣接する第2タービン翼との間において、第1タービン翼の第1ばね弾性鋼板部および第2タービン翼の第2ばね弾性鋼板部によって、流路の境界部が形成されている、ことが有利である。このようにして、翼段の内部に、流路の半径方向境界部が有利に形成される。
さらに、ガスタービンの他の実施態様において、第1翼段の第1タービン翼と軸方向において第1タービン翼の直ぐ後方に配置された第2タービン翼との間において、第1タービン翼の第1ばね弾性鋼板部および第2タービン翼の第2ばね弾性鋼板部によって、流路の境界部が形成されている、ことが有利である。このようにして、流路の軸方向境界部が有利に形成される。その翼段は有利には静翼段であり、タービン翼は静翼である。
第2非支持台座壁のこの固定様式は、タービン翼の製造時および組立時、およびガスタービンへのそのようなタービン翼の装着時に大きな利点を有する。
以下図を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。ここでは図は実施例を実寸通りに示しておらず、むしろ分かり易くするために、概略的におよび/又は少し歪めた形で示している。図面から直接理解できる教示内容を補完する意味で、関連した従来技術を参照されたい。
図1には、軸線3に沿って延びる断面環状の作動媒体M用流路5を備えたガスタービン1が示されている。その流路5内に多数の翼段が配置されている。特に第2静翼段9は軸線3に沿って第1静翼段7の後方に配置されている。また、第2動翼段13は第1動翼段11の後方に配置されている。その静翼段7、9は、タービン車室15に環状に配置され流路5の中に半径方向に延びる多数の静翼21を有している。動翼段11、13はタービンロータ19に環状に配置され流路5の中に半径方向に延びる多数の動翼23を有している。作動媒体Mの流れはバーナ17によって燃焼ガスの形で発生される。流路5の環状断面に応じて、そのような多数のバーナ7は、図1の断面図に示されていない環状室の中に軸線3の周りに配置されている。
静翼21および動翼23が図1に概略的に示されている。静翼21は翼軸線25に沿って順々に配置された翼先端27と、羽根部29と、翼台座部31を有している。この翼台座部31は翼軸線25に対して横に延びる台座33と翼脚35を有している。
動翼23は翼軸線45に沿って順々に配置された翼先端37と、羽根部39と、翼台座部41を有している。この翼台座部41は翼軸線45に対して横に延びる台座43と翼脚47を有している。
静翼21の台座33および動翼23の台座43は、ガスタービン1を貫流する作動媒体Mの流路5の境界部49、51の一部を形成している。周辺境界部49はタービン車室15の一部である。ロータ側境界部51はガスタービン1の運転中に回転するタービンロータ19の一部である。
図1に概略的に示され、図2に詳細に示されているように、静翼21の台座33および動翼23の台座43は、羽根部29、39に接するばね弾性鋼板部によって形成されている。
図2には、翼台座部31、41を代表して翼台座部61が示されている。図2に示されたタービン翼63は、第1静翼段7あるいは第2静翼段9の静翼21を代表して示されている。タービン翼63は、図1に示された第1動翼段11あるいは第2動翼段13の動翼23をも代表して示されている。好適には、タービン翼63は静翼である。
タービン翼63は破断して示された羽根部67を有している。翼台座部61において羽根部67の脚に、翼軸線73に対して横に延びる台座71が形成されている。その台座71は一方では、羽根部67を支えない第1台座壁70によって、他方では、羽根部67を支える第2台座壁69によって形成されている。
非支持の第1台座壁70は、一方では、第1ばね弾性鋼板部77によって、他方では、第2ばね弾性鋼板部79によって形成されている。第1ばね弾性鋼板部77は、羽根部67の片側面に在る第1突き合わせ部81に接している。第2ばね弾性鋼板部79は、羽根部67の反対側面に在る第2突き合わせ部83に接している。第1突き合わせ部81および第2突き合わせ部83はそれぞれ溝の形で形成され、その溝の中にそれぞれ、第1ばね弾性鋼板部77および第2ばね弾性鋼板部79の羽根部67で終える縁が突っ込まれる。また、第1ばね弾性鋼板部77および第2ばね弾性鋼板部79は、タービン翼63の別の(第3)突き合わせ部85、87に保持されている。この実施例において、第1ばね弾性鋼板部分77および第2ばね弾性鋼板部79は、それぞれ第3突き合わせ部85、87に接合されている。ばね弾性鋼板部77、79は、その代わりにあるいはそれに加えて、第3突き合わせ部85、87の後ろに引っ掛けることもできる。
つまり、上述したようにして、第1翼段7、11および第2翼段9、13のタービン翼21、23間に、ばね弾性鋼板部77、79によって、流路5の境界部が形成されている。このようにして、第1ばね弾性鋼板部77および第2ばね弾性鋼板部分79で流路の境界部を形成するための薄肉の非支持台座71の利用は、そのばね弾性鋼板部77、79のシール要素としての同時作用を可能にする。この形式のシール要素は同時に、隣接するタービン翼の相対運動を許すために十分にたわみ性を有し、それにもかかわらず、十分な漏れ止め作用を有する。これによって、従来通常の台座において接合部を密封するために必要であったようなシール要素が省かれる。これによって、そのようなシール要素の構造的および熱的に不利な潜在的危険のある収容構造が回避される。台座71の背面89に、中間室の形をした第1冷却室91および第2冷却室93が形成されている。これらの冷却室91、93は、台座71を、タービン翼63の脚部位で羽根部67から台座71への移行経過において最良に冷却することを可能にする。このようにして、さもなければ通常複雑に形成されねばならない台座周縁構造が、単純におよび熱的危険部位なしに形成できる。冷却室91、93における冷却を支援するために、タービン翼63の羽根部67の脚から出ている支持構造物95、97が、冷却処置を支援するためにここでは図示されていない翼脚(図1の符号35、47)まで形状的に最良に延長されている。
図1に示された静翼21の形あるいは図1に示された動翼23の形をしたタービン翼63の運転様式に応じて、つまりはガスタービン1におけるタービン翼63の運転中、第1ばね弾性鋼板部77および第2ばね弾性鋼板部79の突き合わせ部81、83、85、87への固定が生ずる。即ち、タービンロータ19における動翼23の形をしたタービン翼63の回転運転中、回転によって羽根部67の脚から羽根部67の方向99に作用する遠心力が発生する。加えて静翼21の場合のように圧力勾配も生ずる。
タービン車室15における図1に示された静翼21の形をしたタービン翼63の運転中、台座71の背面89から冷却材によって、羽根部67の脚から羽根部67の方向に向いた圧力勾配が発生する。
動翼23における上述した遠心力の方向99並びに静翼21における圧力勾配の方向99は図2において矢印99で明白にされている。即ち、動翼23あるいは静翼21としてのタービン翼63の構成に応じて、ばね弾性鋼板部77、79の形をした台座71は、遠心力によってないし圧力勾配によって、突き合わせ部81、83に押し付けられる。このようにして、台座71のばね弾性鋼板部77、79は遠心力固着ないし圧縮固着され、同時に、燃焼ガスに曝される流路5と冷却材に曝される台座71の背面89との分離作用を発揮する。
台座71の第2支持台座壁69は、形状的に最適化された支持構造を有し、その形状に基づいてその縁部75でも冷却材が良好に近づけて冷却される台座を可能にしている。羽根部67の脚において、羽根部67から台座71への移行部は複合曲線部とも呼ばれる。
この移行部65の経路において第1台座壁70は空力学的湾曲部104を有している。相応するばね弾性鋼板部77、79は、移行部65におけるその湾曲についてのたわみ性設計に基づいて、そこで生ずる条件および荷重に合わされる。特にその空力学的湾曲部104は、燃焼ガス側作動媒体流だけでなく、台座71の背面89および冷却室91、93における冷却流体101の流れをも受ける。第1台座壁70の壁厚は第2台座壁69の壁厚よりかなり薄くされている。第2支持台座壁69は、移行部65の経路において、羽根部67の羽根壁68への継続部で第1台座壁70に対する引込み段部103を有している。その場合、羽根部壁68の壁厚は本質的に保たれている。このようにして、台座71を冷却するための冷却室91、93は中間室として形成されている。冷却室91、93の高さ105は本質的に段部103の高さによって規定されている。
複合曲線部65において、翼台座部よりも単位面積当たり多数の冷却材貫通孔107が配置されている。これは最良に冷却される複合曲線部を生じさせる。そのための前提条件は、特に、第1非支持台座壁70の空力学的に有利な湾曲部104および第2支持台座壁69の形をした羽根部壁68への継続部における第1台座壁70に対する引込み段部の経路にある。移行部65における増大された数の冷却材貫通孔107によって、複合曲線部における材料集結も有利にできるだけ小さくされる。
冷却材101の案内は図2に矢印で示されている。その冷却材101は台座71の背面89からまず翼台座部61および複合曲線部65に導かれ、即ち、羽根部冷却部に直接導かれない。そのために、羽根部67の空洞内にほぼ段部103の高さにおいて第2台座壁69間に適当なブリッジ109が配置されている。複合曲線部65の冷却に利用された冷却材101は、むしろ、羽根部67を冷却するために再利用される。この目的のために、複合曲線部位65の上部に、羽根部67の脚部位に向けて別の冷却空気開口111が設けられ、この冷却空気開口111を通して、羽根部67の空洞内に冷却材101が流入する。
要約すれば、タービン翼63の翼台座部位および羽根部67から台座71への移行部65の改善された冷却、従ってガスタービン1の流路5の境界部の冷却を保証するために、翼軸線73に沿って配置された羽根部67と、この羽根部67の脚に配置され翼軸線73に対して横に延びる台座71を有する翼台座部61とを備え、台座71が羽根部67を支えない第1台座壁70と、羽根部67を支える第2台座壁69とを有しているタービン翼63において、本発明によれば、羽根部67の脚に羽根部67から台座71への移行部65の経路において、第1台座壁70がその経過に空力学的湾曲部104を有し、第2台座壁69がその経路において羽根部67への継続部に第1台座壁70に対する引込み段部103を有している。
流路および有利に形成された静翼列と動翼列を備えたガスタービンの特に有利な実施例の概略断面図。 第1翼段の第1タービン翼および軸方向において第1タービン翼の直ぐ後方に配置された第2翼段の第2タービン翼の特に有利な実施例の翼台座部の断面斜視図。
符号の説明
1 ガスタービン
3 軸線
5 流路
7 第1静翼段
9 第2静翼段
11 第1動翼段
13 第2動翼段
63 タービン翼
65 移行部
67 羽根部
69 第2台座壁
70 第1台座壁
71 台座
73 翼軸線
77 第1ばね弾性鋼板部
79 第2ばね弾性鋼板部
91 第1冷却室
93 第2冷却室
103 引込み段部
104 空力学的湾曲部
107 冷却材貫通孔

Claims (10)

  1. 翼軸線(73)に沿って配置された羽根部(67)と、該羽根部(67)の脚に配置され翼軸線(73)に対して横に延びる台座(71)を有する翼台座部(61)とを備え、前記台座(71)が羽根部を支えない第1台座壁(70)と羽根部を支える第2台座壁(69)を有しているタービン翼(63)において、羽根部(67)の脚に羽根部(67)から台座(71)への移行部(65)の経路において、第1台座壁(70)がその経路に空力学的湾曲部(104)を有し、第2台座壁(69)がその経路において羽根部(67)への継続部に第1台座壁(70)に対する引込み段部(103)を有していることを特徴とするタービン翼(63)。
  2. 第1台座壁(70)の湾曲部(104)と第2台座壁(69)の段部(103)との間に、台座(71)を冷却するための中間室(91、93)が形成されていることを特徴とする請求項1記載のタービン翼(63)。
  3. 中間室(91、93)が、台座(71)の全経路に沿って本質的に段部の高さで規定された一様な高さ(105)を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のタービン翼(63)。
  4. 第2台座壁(69)が第1台座壁(70)の壁厚より大きな壁厚を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のタービン翼(63)。
  5. 第2台座壁(69)が冷却材貫通孔(107)を有し、移行部(65)の経路における単位面積当たりの冷却材貫通孔(107)の数が、残りの翼台座部におけるより多いことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のタービン翼(63)。
  6. 第1台座壁(70)が、羽根部(67)に接するばね弾性鋼板部(77、79)によって形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のタービン翼(63)。
  7. 台座(71)が羽根部(67)の両側で質的に同じに延びていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載のタービン翼(63)。
  8. 軸線(3)に沿って延びる断面環状の作動媒体(M)用流路(5)と、軸線(3)に沿って第1翼段(7、11)の後方に配置された第2翼段(9、13)とを備え、これらの各翼段(7、9、11、13)が、環状に配置され半径方向に流路(5)の中に延びる請求項1ないし7のいずれか1つに記載の多数のタービン翼(63)を有していることを特徴とするガスタービン(1)。
  9. タービンロータにおける動翼(23)の形をしたタービン翼(63)の回転運転中、その回転によって羽根部の脚から羽根部の方向(99)に作用する遠心力が発生し、ばね弾性鋼板部(77、79)が遠心力によって突き合わせ部(81、85)に向けて押し付けられ、これによって、遠心力固着されていることを特徴とする請求項8記載のガスタービン(1)。
  10. タービン車室(15)における静翼(21)の形をしたタービン翼(63)の運転中、冷却材によって圧力勾配が、羽根部の脚から羽根部の方向(99)に向けて発生し、ばね弾性鋼板部(77、79)がその圧力勾配によって突き合わせ部(81、83)に向けて押し付けられ、これによって、圧縮固着されていることを特徴とする請求項8又は9に記載のガスタービン(1)。
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