JP2007518853A - 遠赤外線放射能、抗菌作用及び耐溶剤性を有する塗料組成物、及び上記塗料組成物が被覆された塗装鋼板 - Google Patents

遠赤外線放射能、抗菌作用及び耐溶剤性を有する塗料組成物、及び上記塗料組成物が被覆された塗装鋼板 Download PDF

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Abstract

【課題】優秀な遠赤外線放射能、抗菌性及び耐溶剤性を有する塗料組成物、及びこのような塗料組成物が被覆された家電用塗装鋼板に関する。
【解決手段】本発明によると、熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂100重量部当たりセラミック粉末9−60重量部及びリン酸0.2−4.0重量部を含む塗料組成物及びこのような塗料組成物が被覆された塗装鋼板が提供される。本発明の塗料組成物及び塗料組成物が適用された塗装鋼板は、遠赤外線放射能、抗菌性が優秀なだけではなく、リン酸によってセラミック粉末のアルカリ度が中和され貯蔵安定性及び耐溶剤性が向上される。さらに、シラン化合物及び硬化触媒を追加で配合することにより光沢度及び加工性が改善される。
【選択図】なし

Description

本発明は優秀な遠赤外線放射能、抗菌性及び耐溶剤性を有する塗料組成物、及びこのような塗料組成物が被覆された塗装鋼板に関する。より詳細には本発明は、優秀な遠赤外線放射能、抗菌性及び耐溶剤性を有すると共に、高光沢、加工性及び貯蔵安定性が優秀な家電用塗料組成物、及びこのような塗料組成物が被覆された塗装鋼板に関する。
一般的に太陽の光は電界と磁界が波のように波動され地球に到達し、熱を有しているため熱線と言う。光は粒子や波動、振動数などによって、X線、紫外線、可視光線、赤外線などに区分し、このうちX線は透過される性質があり、紫外線、可視光線は反射される性質があり、赤外線は吸収される性質がある。上記赤外線のうち遠赤外線は可視光線よりはやや長い波長を有し、1.5−1000ミクロンの間の周波数領域を有する1種の電子波である。遠赤外線とは、赤外線のうち多少波長の長い5−25ミクロン範囲の光エネルギーとして、最近人体に対する効能が知られ、遠赤外線サウナから家電製品、建資材、一般生活用品に至るまで、様々な用度で活用されている。
また、このようなバイオ機能を有すためには、遠赤外線の放射率が0.9以上となるべきであり、抗菌機能は一般的に大腸菌と緑膿菌を用いて菌の減少率を評価して抗菌作用をするか否かを評価する。特に、家電用として使用されている塗装鋼板の場合、加工性が優秀で高光沢の特性を有しなければならない。
上記遠赤外線放射能を有する塗料組成物に関する従来技術として、特許文献1は、ゼオライトにZnとAgを置換させ、遠赤外線を放出する原料として使用することを開示しているが、上記方法の場合、使用される物質が高価であるため非経済的という問題があり、遠赤外線放射率もまた0.90程度と低い。
一方、一般的に建材用として使用される塗装鋼板用塗料の場合、加工の必要性が高くないため多くの充填剤が含まれている。これら充填剤のうち特にシリカの割合が10−15重量部と相当多い部分を占めているが、これは既存に使用されていた遠赤外線粉末のアルカリ度を低くする役割をしてきた。しかし、家電鋼板塗料の場合、シリカの添加は加工性を阻害する要因となり好ましくない。
遠赤外線放射体としては、玉、麥飯石(特許文献2、特許文献3)等が代表的な材料として良く知られており、特許文献4には燐灰石とトルマリン、炭などを添加して遠赤外線と陰イオンを放出させる塗料について開示されているが、これは特殊粉末の価格が高価で粉末のサイズが大きいため塗装鋼板用としては適していない。
特許文献5に言及された抗菌塗料は、シリコン樹脂に抗菌光触媒粉末を用いて製造されたものとして、加工性が悪く家電用塗装鋼板に適用するには種々の問題点を有している。
特許文献6に防汚性シリコンエマルジョンコーティング組成物について開示されているが、これは加工性を必要とするところには適用することが難しく、シリコン化合物が消光剤の役割をするため高光沢製品に使用するには好ましくない。
特許文献7は、シリコン変性アクリル樹脂を用いた耐アルカリ性、耐水性が優秀な光触媒層を形成する方法が開示されているが、シリコン変性アクリル樹脂が使用され加工性及び光沢が低いため、塗装鋼板用樹脂組成としては好ましくない。
特許文献8は無機シリカゾル分散成分を含むコーティング組成物の製造方法に関するが、溶液システムが塗装用として適用するには好ましくない。
特許文献9には、セラミック成分が含有され、耐汚染性、耐候性及び耐薬品性が優秀な熱硬化性組成物と塗装仕上げ方法及び塗装物品が開示されており、特許文献10には高光沢、耐候性及び高硬度柔軟性を有するウレタン系コーティング樹脂組成物及びこれを含む硬化用コーティング組成物が、そして特許文献11にはメタクリル酸エステル単量体、OH基を有する単量体、COOH基を有する単量体、スチレン及びアクリロニトリル単量体などを含む共重合単量体で製造された樹脂を含むコーティング組成物が開示されているが、上記特許出願及び特許の塗料組成物は家電用塗装鋼板に適用するに充分な遠赤外線放射能、抗菌性、耐溶剤性、高光沢、加工性及び貯蔵安定性を表していないものである。
大韓民国特許出願1997−18446 大韓民国特許出願1988−0001616 大韓民国特許出願1995−0026761 特開2002−53812号公報 特開2003−171604号公報 大韓民国特許出願1998−709300 特願平11−319848号 米国特許6,376,559号 大韓民国特許出願1997−702389 大韓民国特許出願2001−43214 米国特許6,022,919号
本発明の目的は優秀な抗菌性、遠赤外線放射能及び耐溶剤性を有する塗料組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は抗菌性、遠赤外線放射能、耐溶剤性だけでなく、高光沢、加工性及び貯蔵安定性が優秀な塗料組成物を提供することにある。
本発明のまた異なる目的は抗菌性、遠赤外線放射能及び耐溶剤性が優秀な上記塗料組成物が被覆された塗装鋼板を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は抗菌性、遠赤外線放射能、耐溶剤性だけでなく、高光沢、加工性及び貯蔵安定性が優秀な上記塗料組成物が被覆された塗装鋼板を提供することにある。
本発明の一見知によると、
熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂100重量部当たりセラミック粉末9−60重量部及びリン酸0.2−4.0重量部を含んで成る塗料組成物が提供される。
本発明の他の見知によると、
本発明の塗料組成物が被覆された塗装鋼板が提供される。
セラミック粉末及びリン酸を含む本発明の塗料組成物及び本発明の塗料組成物が適用された塗装鋼板は、遠赤外線放射能、抗菌性が優秀なだけではなく、リン酸によってセラミック粉末のアルカリ度が中和され貯蔵安定性及び耐溶剤性が向上される。さらに、シラン化合物及び硬化触媒を追加で配合することにより光沢度及び加工性が改善される。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の塗料組成物には、セラミック粉末を使用することにより遠赤外線放射能及び抗菌作用が優秀な塗料組成物が提供される。また、シリカの代わりにリン酸を使用してアルカリ度を調節することにより、従来、シリカによる加工性阻害要因が解決され、耐溶剤性及び貯蔵安定性が向上される。さらに、シラン化合物及び硬化触媒を使用することにより、塗膜の光沢度が改善され、より堅固な塗膜が形成される。
本発明で使用されるセラミック粉末は、CaCO、ZnO及びAl粉末からなるグループから1種以上選択されるアルカリ酸化物として、優秀な遠赤外線放射能を有する。ここにAl−Zn粉末がさらに含まれ得る。
しかし、上記セラミック粉末は高いアルカリ度のため塗料の耐溶剤性及び貯蔵安定性を低下させる。また、家庭用で要求されている高光沢及び高加工性の特性を奏することが出来ない。特に、低い耐溶剤性によって溶剤(メチルエチルケトン:以下、MEK)に露出時、塗装面が変色及び破壊される。このような現象は、建材用の塗料製造時には発生されない。その理由は、一般的に建材用として使用される塗装鋼板用塗料の場合には、加工の必要性が高くないため多量の充填剤を含み、充填剤の中には特に酸性基を有するシリカが樹脂100重量部対比10−15重量部で添加され、相対的に塗料中のセラミック成分に起因したアルカリ度を中和させる作用をするからである。しかし、本発明のように建材用ではない家電鋼板塗料組成物の場合にはシリカが含まれず、仮にシリカが含まれる場合には加工性の損傷を引き起こす恐れがある。
従って、上記のようなセラミック粉末に起因した問題を解決すべく、本発明では、鋼板塗装に一般的に使用される塗料組成物に上記セラミック粉末とリン酸を特定の割合で配合することにより、セラミック成分に起因したアルカリ度を減少させ、塗料の安定性及び耐溶剤性を改善させることが出来る。さらに、シラン化合物と硬化触媒をさらに添加させ塗膜の光沢及び硬化度も向上させることが出来る。
本発明において塗料組成物は、特に家電鋼板として使用されるべきであるので、塗膜の柔軟性を付与するため既存の建材用として使用される熱硬化性樹脂に比べ分子量が高い樹脂を使用することが好ましい。通常、建材用として使用される熱硬化性樹脂の分子量は3000ないし4000の水準である。分子量が3000−4000程度の熱硬化性樹脂が使用される場合には、加工性が充分でない問題がある。従って、本発明では家電で要求される加工性を有すよう最小限分子量が10,000以上、好ましくは10,000−20,000である熱硬化性樹脂が使用される。
熱硬化性樹脂には、鋼板塗装用塗料に一般的に使用される樹脂であれば全て使用されることができ、特に限定はされないが、ポリエステル樹脂、シリコン変性ポリエステル樹脂またはアクリル樹脂が使用可能で、好ましくはポリエステル樹脂またはアクリル樹脂が使用され得る。上記樹脂は安価で耐蝕性及び溶剤性が安定しているため使用するに好ましいものである。上記樹脂は単独または他の種類の樹脂との混合物で使用されることが出来るが、各々の樹脂毎に硬化及び加工条件に差があるため、1種の樹脂を単独で使用することが好ましい。
セラミック粉末にはCaCO、ZnO及びAl粉末で構成されるグループから選択されたセラミック粉末が少なくとも1種以上使用されるが、ここにAl−Znがさらに付加され得る。セラミック粉末は遠赤外線放射特性及び抗菌性を示し熱硬化性樹脂100重量部に対して9−60重量部、好ましくは9−30重量部、さらに好ましくは15−30重量部で使用されることが出来る。上記セラミック粉末が9重量部未満で使用されると、遠赤外線放射能及び抗菌作用が衰え、60重量部を超過して使用されると遠赤外線放射能及び抗菌作用は向上され得るが、加工性及び光沢が低下され、耐溶剤性の側面で好ましくない現象を表す。
塗料製造時には2−3種のセラミック粉末がまた含まれることができ、熱硬化性樹脂100重量部当たりCaCO3−20重量部、ZnO3−20重量部及びAl3−20重量部、好ましくはCaCO5−10重量部、ZnO5−10重量部及びAl5−10重量部、さらに好ましくはCaCO3−10重量部、ZnO3−10重量部及びAl3−10重量部で使用されることが出来る。
さらに、Al−Znセラミック粉末が熱硬化性樹脂100重量部当たり3−20重量部で追加で含まれることが出来る。Al−Znセラミック粉末がさらに含まれる場合もまた、Al−Znセラミック粉末とCaCO、ZnO及びAl粉末で構成されるグループから選択された少なくとも1種以上のセラミック粉末の合計は、熱硬化性樹脂100重量部当たり9−60重量部、好ましくは15−30重量部、さらに好ましくは9−30重量部になるよう上記の各々のセラミック使用量範囲内で配合されることが出来る。
上記セラミック粉末は、粒径が1−20ミクロン、好ましくは1−15ミクロンであるものを使用することは好ましい。その理由は、塗装の厚さが5−25ミクロンであるため、塗装の厚さより粒径が大きくなると塗装上にセラミック粉末が突出され、突出された部分にて耐蝕性と表面の美麗さに影響を与えるためである。
セラミック粉末の使用によって増大されるアルカリ度を抑え、耐溶剤性を向上させるため、リン酸が上記熱硬化性樹脂及びセラミック粉末と共に配合される。リン酸によってアルカリ度が抑えられ耐溶剤性が向上されるだけでなく、貯蔵安定性を有することとなる。
リン酸は熱硬化性樹脂100重量部当たり0.2−4.0重量部、好ましくは0.5−2.0重量部で配合される。セラミック粉末が少量、例えば樹脂100重量部当たり9重量部未満で添加される場合には、リン酸が0.2重量部未満で添加されても充分なアルカリ度抑制効果を示すが、遠赤外線放射能を高めるため過量のセラミック粉末が添加される場合には、セラミック粉末のアルカリ度を低下させるに充分でなく、4.0重量部を超過すると酸度が強過ぎて塗料の凝集現象が発生して安定的な貯蔵性に問題が発生され得る。
また、本発明の塗料組成物には必要に応じて、熱硬化性樹脂100重量部当たりシラン化合物0.01−1.0重量部が配合される。シラン化合物は塗膜を堅固にし、光沢度を向上させる効果を示す。シラン化合物が0.01重量部未満で使用されると、シラン化合物の添加効果が微弱で、1.0重量部を超過すると未反応シラン化合物が塗料内に残存することとなり、鋼板に塗装後塗膜の物性が低下され、樹脂の凝集現象が発生して貯蔵安定性に問題を起こし得る。
シラン化合物にはこれに限定はされないが、例えばメルカプト−プロピル−トリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレート及び3−アミノプロピルトリメトキシシランで構成されるグループから選択された少なくとも1種のシラン化合物が使用され得る。
さらに、必要に応じて塗膜の光沢度を向上させ塗膜をより堅固にするため、硬化触媒がまた塗料組成物に配合され得る。多量のセラミック粉末及び顔料などの添加によって塗膜硬化時間が遅延され得るため、硬化触媒を使用して塗膜硬化時間を短縮させることにより、塗膜の光沢度が向上され、また堅固な塗膜が形成されることが出来る。
硬化触媒は熱硬化性樹脂100重量部当たり2−6重量部で添加されることが出来る。硬化触媒含量が2重量部未満の場合には、硬化時間短縮に役立てるところが殆ど無く、6重量部を超過すると塗膜の硬化が速過ぎて塗膜の平滑度が達成される前に硬化される問題が発生し、また非経済的である。硬化触媒には、これに限定はされないが、ドデシルベンゼンスルホン酸(dodecylbenzenesulfonic acid)が使用されることが出来る。
さらに、塗装鋼板コーティング用塗料組成物の製造時、一般的に添加される分散剤、レベリング剤または増粘剤などのその他の添加剤は、添加される各成分の総量が熱硬化性樹脂100重量部当たり1.0−7.0重量部となるよう必要に応じて添加され得る。添加剤の総含量もまた、この技術分野において一般的に添加される量として、特に限定はされず、必要とする物性に応じて適量使用されることが出来る。
一方、塗膜の隠蔽力を示すよう塗装鋼板コーティング用塗料組成物に、一般的に添加される着色顔料が必要に応じて添加され得る。着色顔料は、熱硬化性樹脂100重量部当たり10−80重量部で添加されることが出来る。10重量部未満であると鋼板の隠蔽力が無くなるため好ましくないし、80重量部を超過すると加工性及び高光沢に影響を及ぼすため好ましくない。
上記分散剤、レベリング剤または増粘剤などのその他の添加剤及び着色顔料として使用される具体的な物質及びこれらの含量は、この技術分野に一般的に知られている事項であって、塗料製造時技術者が適切に選択して使用されることができ、上記その他の添加剤及び顔料の種類及び量は特に限定されない。
上記塗料組成物の製造時粘度を調節するため、溶媒としてシンナーが適量使用されることができ、これもまたこの技術分野において通常使用される技術としてその含量も適切に調節される。これに限定はされないが、例えばフォードカップ(Ford cup)#4から排出されるに100−120秒が所要される程度の粘度に調節される。
本発明の塗料組成物は先ず、熱硬化性樹脂にセラミック粉末を高速分散器を用いて1000−5000rpmで均一に分散させ、ここにアルカリ度を減少させ耐溶剤性を確保するようリン酸を添加して製造する。その後、必要に応じてシラン化合物、硬化触媒及びその他の添加剤を添加して堅固で光沢が優秀な塗膜を形成する塗料組成物に製造することが出来る。
上記本発明による塗料組成物を鋼板に塗装することにより、遠赤外線放射能、抗菌性、耐溶剤性、高光沢、加工性及び貯蔵安定性が優秀な塗装鋼板が提供される。
上記塗装方法を特に制限することではなく、本発明の塗料組成物を通常前処理及び下塗処理された鉄鋼素材、より具体的には亜鉛メッキ鋼板に5−25ミクロン、好ましくは15−20ミクロン、さらに好ましくは15ミクロンの乾燥塗膜厚さで上塗塗装し乾燥温度200−250℃で乾燥させ塗膜を形成する。本発明の塗料組成物は例えば、家電用鋼板に塗装されることが出来る。
乾燥塗膜の厚さが5ミクロン未満の場合には、塗膜が薄すぎて耐候性及び塗膜の隠蔽力が低く、25ミクロンを超過する場合には、かえって塗装鋼板の加工性が低下され製造費用が上昇され得る。上記乾燥塗膜の厚さは一般的なものでこれに限定されるのではない。
塗膜を200℃より低い乾燥温度で乾燥させると塗膜の乾燥と架橋が行われず、塗膜の物性を得ることが難しく、250℃を超過すると塗料組成物が熱分解されることがあり好ましくない。
上記本発明の塗料組成物が被覆された塗装鋼板(Precoated Metal Sheet)は、食品の貯蔵及び熟成効果、植物の生育促進効果、水分子の活性化効果などを有するものであって、食品の新鮮度維持及び血液循環促進などの生体効果が必要なところに応用されることが出来る。
以下、実施例を通じて本発明について詳細に説明する。下記実施例は本発明をより容易に理解するようにするため提供されることとして、本発明を下記実施例に限定するのではない。
(実施例)
塗料組成物のうち下記表1に示された各成分を下記表1に示された量で配合して比較例2−10及び発明例1−11の塗料組成物を製造した。比較例及び発明例において、塗料組成物製造時、ポリエステル樹脂100重量部当たりセラミック粉末が各々下記表1の量で配合され、1000−5000rpmで充分攪拌させ、セラミック粉末が樹脂内で均一に分散されるようにした後、リン酸とその他の添加剤、シラン化合物、硬化触媒が添加される場合、これらを添加し1000−5000rpmで充分攪拌させ混合した。
比較例2及び3には分子量約3000のポリエステル樹脂を、比較例4と発明例1ないし6では分子量が約12000のポリエステル樹脂、そして比較例5ないし10と発明例7ないし11では分子量が約15000のポリエステル樹脂が使用された。セラミック粉末には粒径が15ミクロンであるものが使用された。
シラン化合物にはメルカプト−プロピル−トリメトキシシランが、そして硬化触媒にはドデシルベンゼンスルホン酸が利用された。
上記比較例及び発明例にその他の添加剤として樹脂100重量部当たり消泡剤1.5重量部、分散剤0.4重量部、レベリング剤0.3重量部そして着色顔料として二酸化チタン80重量部を添加した。溶媒としてシンナーを使用してフォードカップ(Ford cup)#4から排出時、約100−120秒の時間が所要される粘度になるよう配合した。各成分添加後、1000−5000rpmで高速攪拌して混合した。消泡剤、分散剤及びレベリング剤にはBYK−CHEME社製品を使用した。消泡剤にはBYK051が、分散剤にはBYK171が、そしてレベリング剤にはBYK357が使用された。
上記から製造された比較例2−10及び発明例1−11の塗料組成物を20×10cmサイズの鋼板に塗装した。この際、塗装前鋼板は前処理として約1ミクロン厚さでクロメート処理され、約5ミクロンの厚さでエポキシ耐蝕性塗料で下塗処理された鋼板に、比較例2−10及び発明例1−11の塗料組成物を15ミクロンの乾燥塗膜厚さで塗布した。塗装方式はバーコーティングの方法で行い、塗料の乾燥温度は実際生産ラインの製造温度である232℃で24秒間乾燥させ試片を製造した。比較例1には浦項鋼板から販売される約1ミクロン厚さでクロメート処理、約5ミクロン厚さでエポキシ下塗処理そして約20ミクロン厚さでポリエステル上塗処理された家電用鋼板が使用された。
上記試片を使用して塗装の加工性、耐溶剤性、光沢、貯蔵性、抗菌性及び遠赤外線放射率に対して次のように評価し、評価結果を下記表1に表した。
1)加工性は、塗装試片を3tの曲面になるよう180°曲げ、曲げられた面のクラック発生有無で確認した。クラックが発生する場合を不良に、クラックが発生しない場合を良好と評価した。
2)耐溶剤性は、メチルエチルケトン(MEK)をゴーズに付け1kgの荷重で塗装された鋼板上をこすって塗装面の表面状態が上塗が剥がれ下塗が見える水準までの回数で評価した。この際、往復を1回とする。
3)光沢度は、60°光沢測定器を使用して表面光沢を測定した。
4)貯蔵性は、上記塗料組成物製造後30日経過時、塗料の状態を目で観察して確認した。目で観察して沈殿物がゲル化されない状態を良好に、そしてゲル化された状態を不良と評価した。
5)抗菌性は、加圧密着法(KICM−FIR−1002)で韓国建資材試験研究院にて鋼板の抗菌性を評価した。評価方法は、大腸菌と緑膿菌を標準試片と抗菌性を測定しようとする抗菌性放射粉末を含有する塗料組成物が塗装された鋼板試片に接種した後、他の鋼板試片で接種試片を覆い37℃で24時間培養した後、菌の死滅率を細菌減少率として測定した。
6)遠赤外線放射率は韓国建資材試験研究院(遠赤外線応用評価センター)にて遠赤外線放射率の測定試験規定であるKS規格(KSL2514 6.4項)に従い塗装鋼板の遠赤外線放射率を5−20μmの波長帯域で測定した。
Figure 2007518853
上記表1の結果から分かるように、比較例1の場合は、既存塗装鋼板であって抗菌作用での菌減少率が10%未満で、遠赤外線放射率もまた0.86とその値が落ちる。比較例2及び3は分子量が3000−4000範囲であるポリエステル樹脂が利用された場合で、過量のセラミック粉末が添加されたが、シリカが共に使用されることで、良好な耐溶剤性と貯蔵性を示す。しかし、家電用で要求される加工性及び高光沢の物性が不良で家電用に使用することが難しい。
リン酸が使用されない比較例4−6は、ポリエステル樹脂に対するCaCO、ZnO、Al粉末の含量増加に伴い、遠赤外線放射率は上昇されるが耐溶剤性が減少される。
比較例7ないし10はリン酸が添加されたにも係わらず、多量のセラミック粉末が添加され家電鋼板として適用するに不適合な物性を示した。
セラミック粉末、リン酸、シラン及び硬化触媒が適切な割合で混合された発明例は、優秀な加工性、耐溶剤性、光沢、貯蔵性及び遠赤外線放射率を示すだけでなく、抗菌性もまた既存塗装鋼板対比50−99.9%と優秀な抗菌性を示した。

Claims (29)

  1. 熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂100重量部当たりセラミック粉末9−60重量部及びリン酸0.2−4.0重量部を含む遠赤外線放射及び抗菌特性を有する塗料組成物。
  2. 前記熱硬化性樹脂は、分子量が10,000以上であるポリエステル樹脂、シリコン変性ポリエステル樹脂及びアクリル樹脂で構成されるグループから選択された少なくとも一つの樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 前記熱硬化性樹脂は、分子量が10,000以上であるポリエステル樹脂またはアクリル樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の塗料組成物。
  4. 前記熱硬化性樹脂は、分子量が10,000−20,000であることを特徴とする請求項2に記載の塗料組成物。
  5. 前記セラミック粉末は、CaCO、ZnO、Alのうち少なくとも一つの成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の塗料組成物。
  6. 前記セラミック粉末の含量は、熱硬化性樹脂100重量部当たりCaCO3−20重量部、ZnO3−20重量部、Al3−20重量部であることを特徴とする請求項5に記載の塗料組成物。
  7. 前記セラミック粉末の含量は、熱硬化性樹脂100重量部当たりCaCO5−10重量部、ZnO5−10重量部、Al5−10重量部であることを特徴とする請求項6に記載の塗料組成物。
  8. 熱硬化性樹脂100重量部当たりセラミック粉末でAl−Zn3−20重量部をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の塗料組成物。
  9. 前記組成物は、着色顔料、分散剤、レベリング剤及び/または増粘剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の塗料組成物。
  10. 熱硬化性樹脂100重量部に対して分散剤、レベリング剤及び増粘剤で構成されるグループから少なくとも1種以上選択される添加剤を1.0ないし7.0重量部で含むことを特徴とする請求項9に記載の塗料組成物。
  11. 前記組成物は、熱硬化性樹脂100重量部に対して着色顔料を10ないし80重量部で含むことを特徴とする請求項9に記載の塗料組成物。
  12. 前記塗料組成物は、熱硬化性樹脂100重量部当たりシラン化合物0.01−1.0重量部をさらに含むことを特徴とする請求項1ないし請求項11のうちいずれか1項に記載の塗料組成物。
  13. 前記シラン化合物は、メルカプト−プロピル−トリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレート及び3−アミノプロピルトリメトキシシランで構成されるグループから選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項12に記載の塗料組成物。
  14. 前記塗料組成物は、熱硬化性樹脂100重量部当たり硬化触媒2−6重量部をさらに含むことを特徴とする請求項1ないし請求項11のうちいずれか1項に記載の塗料組成物。
  15. 前記塗料組成物は、熱硬化性樹脂100重量部当たり硬化触媒2−6重量部をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の塗料組成物。
  16. 前記硬化触媒は、ドデシルベンゼンスルホン酸であることを特徴とする請求項14に記載の塗料組成物。
  17. 前記硬化触媒は、ドデシルベンゼンスルホン酸であることを特徴とする請求項15に記載の塗料組成物。
  18. 請求項1ないし請求項11のうちいずれか1項に記載の塗料組成物が被覆された塗装鋼板。
  19. 請求項12に記載の塗料組成物が被覆された塗装鋼板。
  20. 請求項14に記載の塗料組成物が被覆された塗装鋼板。
  21. 請求項15に記載の塗料組成物が被覆された塗装鋼板。
  22. 前記塗料組成物の乾燥塗膜の厚さが5−25ミクロンであることを特徴とする請求項18に記載の塗装鋼板。
  23. 塗料組成物の乾燥塗膜の厚さが5−25ミクロンであることを特徴とする請求項19に記載の塗装鋼板。
  24. 塗料組成物の乾燥塗膜の厚さが5−25ミクロンであることを特徴とする請求項20に記載の塗装鋼板。
  25. 塗料組成物の乾燥塗膜の厚さが5−25ミクロンであることを特徴とする請求項21に記載の塗装鋼板。
  26. 前記鋼板は、家電用鋼板であることを特徴とする請求項18に記載の塗装鋼板。
  27. 前記鋼板は、家電用鋼板であることを特徴とする請求項19に記載の塗装鋼板。
  28. 前記鋼板は、家電用鋼板であることを特徴とする請求項20に記載の塗装鋼板。
  29. 前記鋼板は、家電用鋼板であることを特徴とする請求項21に記載の塗装鋼板。
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