JP6310361B2 - 黒色塗装金属板 - Google Patents

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Description

本発明は、塗装膜厚が薄く、かつ黒色度及び耐摩耗性に優れた黒色塗装金属板に関するものである。
従来、液晶テレビやプラズマテレビなどの薄型テレビのバックカバーとして、黒色プラスチックが用いられていたが、近年、内面側への導電性(電磁波対策)付与等の観点から、黒色塗膜で塗装された鋼板(PCM:プレコートメタル)への代替が進められている。
これまでの塗装鋼板(PCM)では、原板(電気亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板など)の外観や光沢を隠蔽して黒色を発現させるために、カーボンブラック等の黒色顔料を含む塗料が10μm程度(付着量:約12g/m2)の膜厚となるように塗布されており、さらに該黒色塗膜層(トップコート層)の下に、必要に応じ、加工性や耐食性などを付与するためのプライマーコート層が3μm程度(付着量:約5g/m2)の膜厚で設けられていた。このように従来のPCMにおいては、トップコート層とプライマーコート層の合計厚みは約10〜20μmと厚めに設定されるのが通常であった。しかし、塗膜の膜厚が厚いと、塗料の使用量は増大し、塗装や焼付けのための時間も長くなるので、製造コストは上昇する。そのため、特に近年、薄型テレビ市場における競争の激化に伴い、製造コストの圧縮・低減の要求が高まるなか、PCMにおける塗膜の薄膜化が求められている。
しかし、PCMの塗膜厚を薄くすると塗膜の耐摩耗性が低下してしまう。塗膜に耐摩耗性を付与する方法として、塗膜に潤滑剤を添加し、塗膜表面の動摩擦係数を低くすることが知られており、上記潤滑剤として、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系ワックスや、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、四フッ化エチレン等のフッ素系樹脂や、有機変性ポリシロキサン、パラフィンワックス等が適用できることが知られている。耐摩耗性が付与された塗膜が積層された金属板として、例えば、特許文献1には、ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,エポキシ変性ポリエステル樹脂,アクリル樹脂,アクリルシリコーン樹脂の1種又は2種以上を主成分とし、耐熱樹脂粒及び顔料が分散している耐熱樹脂塗膜が下地金属板の表面に形成された塗装金属板が提案されている。塗膜表面の動摩擦係数を低くすることで、摺動体が塗膜表面を摺動した場合であっても、塗膜表面にかかる動摩擦力が低下し、その結果、塗膜へのダメージを減少させることができる。
特開2004−017606号公報
しかし、上記のような潤滑剤を用いて塗膜表面の動摩擦係数を低下させただけでは、アルミナ粒子やSiC粒子などの硬質粒子が含有されたゴムのような摩耗力の高い摺動体が塗膜表面を摺動した場合には効果が低く、塗膜が剥がれ、金属板表面が露出してしまう。このように、塗膜をある規定回数摺動体で摩耗し、素地が露出するか否かで耐摩耗性が評価される場合は、単純に塗膜の膜厚が厚い方が有利であり、黒色度及び耐摩耗性に優れ、かつ薄い塗膜を備えた黒色塗装金属板を作製するのは困難であった。
また、一般的に、黒色度は光が塗膜に吸収されることで発現するため、吸収光路長が長くなる厚い塗膜のほうが有利であり、塗膜の膜厚を薄くすればするほど、黒色度が低下し、灰黒色が強い外観となったりする傾向がある。
本発明は上記の様な事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、塗装膜厚が十分に薄く、かつ黒色度及び耐摩耗性に優れた黒色塗装金属板を提供することにある。
上記課題を解決し得た本発明の黒色塗装金属板は、黒鉛及び黒鉛以外の黒色顔料が含有された黒色皮膜を金属板表面に積層することを特徴とする。具体的には、金属板の少なくとも片面に、膜厚1.7μm以上6.0μm以下の黒色皮膜が積層されており、上記黒色皮膜を形成する黒色樹脂組成物には、黒鉛及び黒鉛以外の黒色顔料が含有されており、上記黒色樹脂組成物の全固形分100質量%中、黒鉛の含有量が5質量%以上であり、上記黒色皮膜表面のL*値が30未満であり、かつ、上記黒色皮膜表面の動摩擦係数が0.20以下であることを特徴とする。
上記黒色樹脂組成物の全固形分100質量%中、黒鉛以外の黒色顔料の含有量が3質量%以上であることが好ましい。
上記黒色樹脂組成物の全固形分100質量%中、黒鉛及び黒鉛以外の黒色顔料の合計含有量が40質量%以下であることが好ましい。
上記黒色樹脂組成物に、さらにワックスが含有されていることが好ましい。
上記金属板と上記黒色皮膜との間にプライマー層を備えることが好ましい。
本発明によれば、黒鉛及び黒鉛以外の黒色顔料を含有した黒色樹脂組成物を用いることによって、非常に薄い黒色皮膜であっても黒色皮膜表面の黒色度が優れたものとなる。また、黒色皮膜表面は優れた潤滑性を有するため、非常に薄い黒色皮膜を塗装するだけで、黒色皮膜表面の耐摩耗性が優れたものとなり、製造コストを大幅に削減できる。
本発明の黒色塗装金属板(以下、単に「黒色金属板」ということもある)は、金属板の少なくとも片面に黒色皮膜が積層されたものである。以下、本発明の黒色金属板について詳細に説明する。
(金属板)
本発明で用いる金属板としては、プレコートメタルの原板として用いられるものであれば特に限定されるものではない。例えば、非めっき冷延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)、電気亜鉛めっき鋼板(EG)等の鋼板の他、アルミニウム板およびチタン板等を挙げることができる。これらの中でも、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)、電気亜鉛めっき鋼板(EG)、アルミニウム板、およびチタン板が好ましい。
上記金属板は、少なくとも片面に予め下地処理により下地層が形成されたものであることが好ましい。例えば黒色皮膜を形成する側の金属板表面に下地処理で形成された化成皮膜層(下地層)を有していると、金属板と黒色皮膜との密着性が向上する。
化成皮膜層(下地層)としては、有機皮膜層、無機皮膜層、リン酸塩皮膜層、クロメート皮膜層等が挙げられ、これらの中でも有機皮膜層、無機皮膜層、リン酸塩皮膜層が好ましい。有機皮膜層としては、例えばポリエチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、およびこれらの混合物、共重合体、変性樹脂等を適宜選択して使用すればよい。該有機皮膜中にはさらに、耐食性向上を目的としてシリカゲル、コロイダルシリカ等を添加したり、塗膜付与後の加工性向上を目的として各種ワックス成分を微量添加したり、あるいは塗膜密着性向上を目的としてシランカップリング剤を添加してもよい。無機皮膜層としては、例えば珪酸塩皮膜層等が挙げられ、該珪酸塩皮膜にはリン酸やフッ化物を添加してもよい。
化成皮膜層(下地層)の付着量は特に規定されるものではないが、例えば有機皮膜層や無機皮膜層であれば、耐食性の観点から、乾燥質量で10mg/m2以上とすることが好ましい。しかしながら50mg/m2を超えると耐食性の改善効果が飽和すると共に、製造コストが上昇する。
下地層を形成した金属板として特に好ましい態様は、例えば、重リン酸アルミニウム、コロイダルシリカ、およびポリアクリル酸を含む下地処理組成物(以下「特定下地処理組成物」と称することもある)を、亜鉛めっきした金属板に塗布、乾燥したものである。かかる特定下地処理組成物を亜鉛めっきした金属板に塗布すると、重リン酸アルミニウム由来の水素イオンにより金属板表面がエッチングされるとともに、重リン酸アルミニウム由来のアルミニウムイオンとコロイダルシリカとの相互作用により後述する黒色皮膜との密着性に優れた難溶性皮膜を形成することができ、その結果、曲げ加工やプレス加工後(伸び・縮み変形後)の皮膜密着性が向上し、耐食性や耐剥離性の大幅な向上を図ることができる。
上記特定下地処理組成物中、重リン酸アルミニウムとコロイダルシリカの含有割合は、固形分比で、重リン酸アルミニウム:コロイダルシリカ(質量比)=30:70〜5:95であることが好ましく、20:80〜10:90であることがより好ましい。コロイダルシリカが上記割合よりも多くなると、相対的に重リン酸アルミニウムの割合が少なくなり、金属板表面のエッチングが不足し下地層が形成されにくくなり、耐食性や上塗りとの密着性の向上効果が得られにくくなり、さらには金属板に対する密着性も低くなり、加工後に塗膜剥離を生じるおそれがある。一方、コロイダルシリカが上記割合よりも少ないと、重リン酸アルミニウムの割合が増加するため、金属板と反応(エッチング)しない残存重リン酸アルミニウムが水に溶解する割合が増え、塗膜下で腐食を生じ耐食性が低下することがある。
上記特定下地処理組成物中、ポリアクリル酸は、重リン酸アルミニウムとコロイダルシリカの合計固形分100質量部に対して0.1〜1質量部(より好ましくは0.3質量部以上、0.6質量部以下)含まれることが好ましい。ポリアクリル酸は、亜鉛めっきなどを施した金属板表面(亜鉛めっき)と重リン酸アルミニウムとの反応(エッチング)を適度に制御する働きをなすと考えられ、上記範囲よりも少ないと、エッチングが過剰に起こるため、結果として耐食性が低下するおそれがあり、上記範囲よりも多いと、逆にエッチングが不充分となり、重リン酸アルミニウムとコロイダルシリカによって生じる難溶性皮膜が充分に形成されず密着性および耐食性の向上効果が得られにくくなる。
また、耐食性や密着性を向上させるために、上記特定下地処理組成物にさらにシランカップリング剤が含まれていてもよい。
(黒色皮膜)
上記金属板の少なくとも片面に積層される黒色皮膜は、黒鉛及び黒鉛以外の黒色顔料が含まれた黒色樹脂組成物から形成される。黒色樹脂組成物の全固形分100質量%中、黒鉛及び黒鉛以外の黒色顔料(固形分)の合計含有量が40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。黒鉛及び黒鉛以外の黒色顔料の合計含有量が40質量%を超えると、黒色金属板の曲げ加工性が低下するおそれがある。また、黒鉛及び黒鉛以外の黒色顔料の合計含有量が8質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましい。
<黒鉛>
黒鉛は、特に限定されるものではなく、鱗状黒鉛粉、鱗片状黒鉛粉、膨張化黒鉛粉、熱分解黒鉛粉などを用いることができる。黒鉛の質量平均粒子径は0.5〜5μmであることが好ましい。質量平均粒子径が0.5μm未満であると耐摩耗性が不十分となるおそれがあり、質量平均粒子径が5μmを超えると黒色皮膜に欠陥が生じ、曲げ加工性が低下する。また、黒鉛は、市販のものを用いてもよく、例えば、日立化成社製ヒタゾル(登録商標)GA−242B、日立化成社製ヒタゾル(登録商標)GA−651G、日立化成社製ヒタゾル(登録商標)GA−362Gなどが挙げられる。
黒色樹脂組成物に黒鉛を含めることにより黒色皮膜表面の耐摩耗性を向上させることができる。なお、無機系潤滑剤として知られている二硫化モリブデンを用いても耐摩耗性の向上効果がほとんどなかったことから、この効果は黒鉛特有の結晶構造によるものと考えられる。黒鉛は、炭素原子が六角形の網目状につながった平面構造(以下、黒鉛層という)がいくつも重なり合った層状の結晶となっているため、黒色金属板表面上で摺動体を摺動させたとき、黒鉛層の水平方向に力がかかって摺動体が黒鉛層上をすべることによって、潤滑性を発揮する一方で、黒鉛層同士の結合は弱いため、黒鉛層が剥がれ、摺動体に黒鉛が付着し、摺動体表面は黒鉛でコーティングされる。摺動体表面に潤滑剤である黒鉛が付着することで、動摩擦力が非常に小さくなり、その結果、黒色金属板の耐摩耗性が大きく向上したものと考えられる。
黒色樹脂組成物の全固形分100質量%中、黒鉛(固形分)の含有量が5質量%以上とする。黒鉛の含有量は、7.5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。黒鉛(固形分)の含有量が5質量%未満であると、黒色皮膜表面の耐摩耗性が不十分となる。また、黒鉛(固形分)の含有量が30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
<黒鉛以外の黒色顔料>
また、黒鉛には黒色顔料としての役割もあるため、黒色樹脂組成物に黒鉛を含有すると、黒色皮膜は黒くなる。しかし、黒色樹脂組成物に黒鉛だけを含有させても、黒色皮膜表面の黒色度は不十分であり、灰黒色を呈するため、黒色樹脂組成物にはさらに黒鉛以外の黒色顔料も含めている。黒鉛以外の黒色顔料の例としては、カーボンブラック、鉄黒等の無機系顔料、アニリンブラック、ニグロシン等の有機系顔料が挙げられ、中でもカーボンブラックが好ましい。市販されている黒鉛以外の黒色顔料としては、カーボンブラックと水溶性スチレンアクリル樹脂からなる「SAブラックDY−6」(御国色素社製)、カーボンブラックと水溶性アクリル樹脂からなる「AFブラックE−2B」(大日精化工業社製)等が挙げられる。
黒色樹脂組成物の全固形分100質量%中、黒鉛以外の黒色顔料(固形分)の含有量が3質量%以上であることが好ましく、より好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは7.5質量%以上である。黒鉛以外の黒色顔料が3質量%以上含まれることにより、十分な黒色度が得られる。また、黒鉛以外の黒色顔料(固形分)の含有量が20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。
黒色樹脂組成物中、黒鉛の含有量と黒鉛以外の黒色顔料の含有量の割合は、固形分比で、80:20〜40:60であることが好ましく、より好ましくは70:30〜50:50である。
<バインダー樹脂>
黒色樹脂組成物は、通常、該組成物で形成される黒色皮膜中に黒鉛及び黒鉛以外の黒色顔料を固定するためのバインダー樹脂を含む。バインダー樹脂は、黒色樹脂組成物の全固形分100質量%中、50質量%以上(より好ましくは60質量%以上)、好ましくは80質量%以下(より好ましくは75質量%以下)含まれることが好ましい。バインダー樹脂の含有量が50質量%未満では、黒色塗装金属板の曲げ加工性が低下するおそれがある。また、バインダー樹脂の含有量が50質量%未満では、皮膜の造膜性が低下し、黒色顔料の固定が不十分になったり、塗布ムラが生じて外観上の問題を招いたりするおそれもある。一方、バインダー樹脂の含有量が80質量%を超えると、相対的に黒色顔料の含有量が減少するため、十分な黒色度が得られないおそれがある。
バインダー樹脂としては、黒鉛や黒鉛以外の黒色顔料の凝集を効果的に抑制することができ、優れた液状安定性を得ることができる点で、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂及びポリウレタン樹脂の合計含有量は、バインダー樹脂100質量%中、好ましくは80質量%以上、より好ましくは91質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上である。ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂を含むことによって、黒色皮膜の膜厚が非常に薄い場合であっても容易に黒色度及び耐摩耗性に優れた黒色塗装金属板を実現できる。また、黒色皮膜の耐摩耗性向上の観点から、バインダー樹脂は、ポリエステル樹脂が水媒体中に分散された水性分散体(以下、水分散ポリエステル樹脂という)又はポリウレタン樹脂が水媒体中に分散された水性分散体(以下、水分散ポリウレタン樹脂という)の少なくとも一方を含むことがより好ましく、水分散ポリエステル樹脂を含むことがさらに好ましい。バインダー樹脂は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[黒色樹脂塗膜層形成用水分散ポリエステル樹脂]
水分散ポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂が水媒体中に分散された水性分散体であり、水分散ポリエステル樹脂を構成するポリエステル樹脂は、多価カルボン酸とグリコールを重縮合して得られるものである。
ポリエステル樹脂を構成する多価カルボン酸成分としては、芳香族、脂肪族、脂環族のジカルボン酸や3価以上の多価カルボン酸あるいはこれらのエステル誘導体を使用することができる。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビスフェノキシエタン−p,p’−ジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸等、およびそれらのエステル形成性誘導体を用いることができる。
また、脂肪族および脂環族のジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等、およびそれらのエステル形成性誘導体を用いることができる。
ポリエステル樹脂を構成するグリコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、4,4’−チオジフェノール、ビスフェノールA、4,4’−メチレンジフェノール、4,4’−(2−ノルボルニリデン)ジフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェノール、o−,m−,およびp−ジヒドロキシベンゼン、4,4’−イソプロピリデンフェノール、4,4’−イソプロピリデンジオール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール等を用いることができる。
また、ポリエステル樹脂の水分散化を容易にするため、カルボン酸(塩)基を含む化合物、スルホン酸(塩)基を含む化合物、ホスホン酸(塩)基を含む化合物等を共重合してもよい。
また、本発明においては、上記ポリエステル樹脂として、例えば、アクリル、ウレタン、エポキシ等で変性したブロック共重合体、グラフト共重合体等の変性ポリエステル共重合体も使用可能である。
好ましい上記ポリエステル樹脂としては、酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールから選ばれるものを用いた共重合体等が挙げられる。
上記ポリエステル樹脂は、以下の製造法によって製造することができる。例えば、ジカルボン酸成分が、テレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸からなり、グリコール成分が、エチレングリコール、ネオペンチルグリコールからなるポリエステル樹脂について説明すると、これらのモノマーを直接エステル化反応させるか、あるいは、エステル交換反応させる第一段階と、この第一段階の反応生成物を重縮合反応させる第二段階とによって製造する方法等により製造することができる。この際、反応触媒として、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物等を用いることができる。
上記ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、ポリスチレン換算で、好ましくは10,000〜20,000、より好ましくは15,000〜20,000である。
また、上記ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは40〜70℃、より好ましくは40〜67℃である。
水分散ポリエステル樹脂は、市販品を用いてもよく、例えば、東洋紡社製「バイロナール(登録商標)MD−1100」、「バイロナール(登録商標)MD−1200」、「バイロナール(登録商標)MD−1245」などが挙げられ、上記樹脂は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[黒色樹脂塗膜層形成用水分散ポリウレタン樹脂]
水分散ポリウレタン樹脂としては、特開2005−199673号公報に記載されている酸価が10〜60mgKOH/gのカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂を好適に用い得る。このカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂は、カルボキシル基を有するポリオールを必須的に用いて合成されるポリウレタン樹脂の水性分散体である。原料としては、1,4−シクロヘキサンジメタノール、平均分子量400〜4000程度のポリテトラメチレングリコール、ジメチロールプロピオン酸等のカルボキシル基を有するポリオール等のポリオール成分と、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等のイソシアネート成分が用いられる。鎖延長剤は、エチレンジアミン等のポリアミン類が好ましい。
本発明で使用するカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂の水性液の作製は、公知の方法を採用することができ、例えば、カルボキシル基含有ウレタンプレポリマーのカルボキシル基を塩基で中和して、水性媒体中に乳化分散して鎖延長反応させる方法、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂を乳化剤の存在下で、高せん断力で乳化分散して鎖延長反応させる方法等がある。
まず、上述したイソシアネートと上述したポリオールとを使用して、NCO/OH比でイソシアネート基が過剰になるようにして比較的低分子量のカルボキシル基含有イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを作製する。ウレタンプレポリマーを合成する温度は、特に限定されないが、50〜200℃の温度で合成することができる。
ウレタンプレポリマー合成反応終了後、得られたカルボキシル基含有イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーは、塩基で中和することによって、水中へ乳化分散できる。前記中和剤としては、特に限定されるものではないが、アンモニア;トリエチルアミン、トリエタノールアミンなどの3級アミン;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物を使用することができ、好ましくは、トリエチルアミンを使用する。
カルボキシル基含有イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを乳化分散した後、水中でポリミアンなどの鎖延長剤を使用して鎖延長反応を行うことができる。なお、鎖延長反応は、使用する鎖長延長剤の反応性に応じて、乳化分散前、乳化分散と同時、或いは、乳化分散後に適宜行うことができる。
<架橋剤>
バインダー樹脂を架橋するために、黒色樹脂組成物に架橋剤を加えてもよい。反応性の点からはエポキシ系架橋剤が好ましく、ソルビトールポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテル類や、ポリグリシジルアミン類等が挙げられる。このようなエポキシ系架橋剤としては、DIC社製のエピクロン(登録商標)CR75やCR5L等が入手可能である。架橋剤は、黒色樹脂組成物の全固形分100質量%中、0.5〜10質量%とすることが好ましく、1〜5質量%とするのがより好ましい。
<コロイダルシリカ>
黒色樹脂組成物は、さらにコロイダルシリカを含有することが好ましい。これにより、黒色顔料を黒色皮膜中で良好に固定でき、また得られる黒色金属板の耐食性や硬度を向上させることができる。このメカニズムの詳細は不明であるが、腐食環境下においてコロイダルシリカが溶解、溶出して、pHの緩衝作用や不動態皮膜形成作用が生じることに起因すると推測される。さらに、コロイダルシリカを含有させると、黒色樹脂組成物の塗布・乾燥時のはじき防止などにも効果が認められる。
コロイダルシリカとしては、特に限定されるものではないが、黒色樹脂組成物中での分散性や耐食性向上効果等の観点から、粒子径が4〜20nmのコロイダルシリカが好ましく、具体的には、粒子径4〜6nmのコロイダルシリカ(市販品では、日産化学工業社製の「スノーテックス(登録商標)XS」)、粒子径8〜11nmのコロイダルシリカ(市販品では、日産化学工業社製の「スノーテックス(登録商標)S」)、粒子径10〜20nmのコロイダルシリカ(市販品では、日産化学工業社製の「スノーテックス(登録商標)40」)等が挙げられ、これらの中でも特に「スノーテックス(登録商標)XS」が好ましい。
コロイダルシリカ(固形分)は、黒色樹脂組成物の全固形分100質量%中、3質量%以上(より好ましくは5質量%以上)、20質量%以下(より好ましくは10質量%以下)含まれるのが好ましい。コロイダルシリカの含有量が3質量%未満では、耐食性が低下するおそれがある。一方、コロイダルシリカの含有量が20質量%を超えると、皮膜の硬度が高くなってしまい、加工性が低下してしまうおそれがある。
<シランカップリング剤>
黒色樹脂組成物は、さらにシランカップリング剤を含有していてもよい。シランカップリング剤を含有させることによって、黒色皮膜と金属板との密着性を高めることができる。シランカップリング剤としては、末端にグリシドキシ基を有するシランカップリング剤が好ましく、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シランなどが挙げられる。なお、シランカップリング剤は、市販品を用いてもよく、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン「KBM403」(信越化学工業社製)などが挙げられる。
シランカップリング剤の含有量は、黒色樹脂組成物中の全固形分100質量%中、2質量%以上(より好ましくは5質量%以上)、15質量%以下(より好ましくは10質量%以下)であるのが好ましい。シランカップリング剤の含有量が2質量%未満の場合には、黒色皮膜と金属板との密着性が低下する場合がある。一方、シランカップリング剤の含有量が15質量%を超えると、黒色皮膜と金属板との密着性の向上効果が飽和する傾向にある。
<ワックス>
薄型テレビなどの家電分野では、黒色金属板に複雑なプレス加工などが実施される場合が多く、黒色金属板への要求性能として加工性が求められる。そのような場合には、黒色樹脂組成物に水系のワックスを添加することにより、黒色皮膜へ潤滑性を付与して加工性の向上を図ることができる。ワックスとして工業的に好ましいのは、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、変性ワックス、エチレンやプロピレンとの共重合系ワックス、エチレン系共重合ワックスで、これらの酸化物、および、カルボキシル基を付与した誘導体等、また酸基を付与したパラフィン系ワックス、カルナバワックス等である。市販品としては、三井化学社製の「ケミパール(登録商標)W700」、「ケミパール(登録商標)W950」、「ケミパール(登録商標)W900」などのポリエチレンワックスが挙げられる。ワックスは、黒色樹脂組成物中の全固形分100質量%中、0.5質量%以上10質量%以下が好ましく、2質量%以上、5質量%以下がより好ましい。0.5質量%未満であると、黒色皮膜表面に潤滑性が十分に付与されないため、耐摩耗性が不十分となるおそれがあり、10質量%を超えると黒色皮膜表面への潤滑性の付与効果が飽和するおそれがある。
<チクソトロピック剤>
黒色樹脂組成物は、さらにチクソトロピック剤を含有していてもよい。チクソトロピック剤は、例えば、ベントナイト、炭酸カルシウム、カオリン、クレー等のフィラー、重合アマニ油、ひまし油ワックス、ポリオレフィン、シリカゲル、アルミニウム有機酸塩、セルロース、アマイドワックス類、後述のポリアミド系チクソトロピック剤などを用いることができる。
チクソトロピック剤はポリアミド系チクソトロピック剤(ポリアミドアミン塩)であることが好ましい。ポリアミド系チクソトロピック剤は、ジカルボン酸とジアミンとを反応させて得られるものであるが、黒色樹脂組成物に分散可能なチクソトロピック剤であれば特に限定されない。ポリアミド系チクソトロピック剤としては、例えば、ディスパロン(登録商標)AQシリーズとして、楠本化成社等から入手可能である。AQシリーズでは以下の化学式(R、R’はアルキル基)で示すポリアミドを主成分として用いており、AQシリーズにおけるポリアミドの分子量は3000以下である。
ポリアミド系チクソトロピック剤は、塗料中で3次元網目構造を形成して、チクソトロピック剤同士、もしくは塗料中の樹脂やシリカ粒子など体質顔料、着色顔料などと立体障害を発生させる、あるいは吸着することで粒子同士の立体障害を増大させ黒色樹脂組成物の流動性抑制効果を発揮すると考えられる。この網目構造は、ある程度のせん断力で容易に壊れる程度のファンデルワールス力や水素結合のような弱い結合からなり、せん断力によって網目構造は切断されるが、静置すると再び網目構造が復元する。従って、黒色樹脂組成物にチクソトロピック剤を添加することによって、チクソトロピー性(揺変性)が発現しており、高せん断速度領域では網目構造が切断され粘性が低くなり、静置して低せん断速度領域となると網目構造が復元して粘性が高くなる。
チクソトロピック剤は、組成物100質量%中、0.05質量%以上5質量%以下が好ましく、0.1質量%以上、2質量%以下がより好ましい。0.05質量%未満であると、黒色樹脂組成物の低せん断速度領域の粘度が十分に高くならないため、塗装直後に均一であるウェット膜を乾燥後まで均一な状態に保持することが困難となり、ウェット膜が流動してしまい、金属板表面に黒色皮膜が存在しない部位が生じるおそれがある。
(黒色皮膜の物性)
本発明における黒色皮膜は、上述した金属板の片面または両面に、上記黒色樹脂組成物を所定の乾燥膜厚になるよう塗布し、乾燥させることにより形成することができる。黒色皮膜は、乾燥膜厚で1.7μm以上(好ましくは2.0μm以上、より好ましくは2.5μm以上)であり、6.0μm以下(好ましくは5.0μm以下、より好ましくは4.5μm以下)である。黒色皮膜の膜厚が1.7μm未満であると、耐摩耗性が不十分となる。また、黒色皮膜の膜厚が1.7μm未満であると、黒色皮膜表面の黒色度、ひいては得られる黒色金属板の黒色度が不十分になり、灰黒色を呈することになる。一方、黒色皮膜の膜厚が6.0μmを超えると、黒色度には優れるものの、黒色度のさらなる向上効果は得られにくくなる一方、塗装や乾燥にかかる時間が長くなり、製造コストが上がることになる。また、黒色皮膜の膜厚が厚すぎると、例えば薄型テレビなど家電分野で使用する際に要求される導電性を達成できない場合もある。黒色皮膜は、1層のみでも複数層積層したものでもよい。
本発明で用いられる黒色皮膜は優れた黒色度を有するものであり、黒色皮膜表面の黒色度(L*値)は30未満であり、より好ましくは25以下、さらに好ましくは24以下である。30以上であると、黒色度が不十分になり、灰黒色を呈する。なお、黒色皮膜表面のL*値の測定方法については実施例に詳述する。
また、本発明で用いられる黒色皮膜は優れた耐摩耗性を有するものであり、黒色皮膜表面の動摩擦係数は0.20以下であり、より好ましくは0.17以下、さらに好ましくは0.15以下である。0.20を超えると黒色金属板の耐摩耗性が不十分となり、摺動体が黒色金属板の表面を摺動した際に黒色皮膜が剥離するおそれがある。なお、黒色皮膜表面の動摩擦係数の測定方法については実施例に詳述する。
黒色樹脂組成物は、上述した各成分を所定の割合で混合して調製することができ、混合順序は特に制限されない。黒色樹脂組成物は、水分散ポリエステル樹脂、黒鉛、黒鉛以外の黒色顔料、ワックス、およびチクソトロピック剤を含むことが好ましい。
黒色皮膜を形成する際の黒色樹脂組成物の塗布、乾燥方法は、特に制限されず、既知の方法を適宜採用することができる。組成物の塗布方法としては、例えばバーコーター法、カーテンフローコーター法、ロールコーター法、スプレー法、スプレーリンガー法等を挙げることができ、これらの中でも、コスト等の観点からバーコーター法、ロールコーター法、スプレーリンガー法が好ましい。また乾燥温度としては、黒色皮膜が熱により劣化しない程度であればよく、例えば、50〜160℃程度が好ましく、より好ましくは70〜140℃程度である。
(プライマー層)
金属板と黒色皮膜との間にプライマー層を備え、黒色皮膜をトップコート層とすることが好ましい。プライマー層を備えることによって、耐食性が向上する。プライマー層を形成するプライマー層形成用樹脂組成物における好適な構成、製法などは、黒色樹脂組成物での記載と同一となるため、説明を省略する。ただし、プライマー層形成用樹脂組成物においては、黒色顔料は必須成分ではないが、黒色顔料を含むことが好ましく、黒鉛以外の黒色顔料を含むことがより好ましい。
プライマー層形成用樹脂組成物の全固形分100質量%中、黒色顔料(固形分)の含有量が3質量%以上であることが好ましく、より好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは7質量%以上である。黒色顔料が3質量%以上含まれることにより、十分な黒色度が得られる。また、黒色顔料の含有量が25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
バインダー樹脂は、プライマー層形成用樹脂組成物の全固形分100質量%中、好ましくは60質量%以上(より好ましくは80質量%以上)含まれる。バインダー樹脂の含有量が60質量%未満では、黒色塗装金属板の曲げ加工性が低下するおそれがある。また、バインダー樹脂の含有量が60質量%未満では、皮膜の造膜性が低下し、黒色顔料の固定が不十分になったり、塗布ムラが生じて外観上の問題を招いたりするおそれもある。バインダー樹脂の含有量の上限については特に限定されるものではないが、好ましくは95質量%以下であり、より好ましくは93質量%以下である。
コロイダルシリカ(固形分)は、プライマー層形成用樹脂組成物の全固形分100質量%中、好ましくは0.5質量%以上、好ましくは10質量%以下含まれる。コロイダルシリカの含有量が0.5質量%未満では、耐食性が低下するおそれがある。一方、コロイダルシリカの含有量が10質量%を超えても、耐食性が低下するおそれがある。
シランカップリング剤の含有量は、プライマー層形成用樹脂組成物の全固形分100質量部中、0.5質量部以上(より好ましくは1質量部以上)とすることが好ましく、10質量部以下(より好ましくは7質量部以下)とすることが好ましい。シランカップリング剤の含有量が0.5質量部未満の場合には、プライマー層と金属板との密着性が低下する場合がある。一方、シランカップリング剤の含有量が10質量部を超えると、プライマー層と金属板との密着性の向上効果が飽和する傾向にある。
プライマー層形成用樹脂組成物は、バインダー樹脂に黒色顔料、コロイダルシリカ、及びシランカップリング剤が含有されていることが好ましく、より好ましくは、水分散ポリエステル樹脂に黒鉛以外の黒色顔料、コロイダルシリカ、及びシランカップリング剤が含有されている。
プライマー層は、乾燥膜厚で0.3μm以上(より好ましくは0.5μm以上)であり、2μm以下(より好ましくは1.5μm以下)であることが好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは全て本発明の技術的範囲に包含される。
以下では、「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を示すものとする。
まず、実施例で用いた評価方法について、以下説明する。
(黒色度)
分光光度計(日本電色工業社製「Spectro Color Meter SQ2000」)を用いて、黒色皮膜表面のL値を測定し、得られたL値を下記式に基づいて変換したL*値により黒色度を評価した。
L*=1.3632L−3.5904
◎:L*≦25
○:25<L*<30
×:L*≧30
(耐砂消しゴム摩耗性(耐摩耗性))
砂消しゴム6mm径を摺動試験装置にセットし、黒色皮膜表面に荷重1.6Nをかけながら、摺動距離約26mmを往復させ、下記基準で目視判断した。
◎:100往復後でも素地金属の露出が全く認められない
○:51〜100往復で素地金属が露出
×:50往復以下で素地金属が露出
(耐食性)
供試材(黒色金属板)について、JIS Z2371に基づく塩水噴霧(噴霧時間8時間)、休止16時間を1サイクルとする塩水噴霧試験を5サイクル実施した。その後、供試材表面における白錆の発生状況を観察し、下記基準で評価した。
◎:白錆の発生率が10%以下である
○:白錆の発生率が10%を超えているが、20%以下である
×:白錆の発生率が20%を超えている
(テープ剥離試験(曲げ加工性))
供試材について、常温で3T曲げを行った後に、テープ剥離試験(使用したテープ:ニチバン社製セロテープ(登録商標)No.405)を実施して、曲げ部(両端部10mmを除く)における塗膜剥離の発生状況を観察し、下記基準で目視判断した。
○:テープ剥離なし
×:テープ剥離あり
(動摩擦係数)
新東科学社製HEIDON表面性測定試験機(TYPE;14D)を用いて、下記条件で、黒色皮膜表面上に、SUSボールを一定荷重で加圧しながら摺動させて黒色皮膜表面の動摩擦係数を算出した。
試験荷重:500g
摺動速度:100mm/min
摺動距離:40mm
試験回数:室温で3回(3回の平均値で評価)
摺動冶具:SUSボール10mmφ
[実施例1]
(下地処理金属板の作製)
まず、イオン交換水2833質量部に、酸性コロイダルシリカ(日産化学工業社製「スノーテックス(登録商標)O」;固形分濃度20%)150質量部と重リン酸アルミニウム(米山化学社製;固形分濃度50%)7.5質量部とを加え、これにポリアクリル酸(日本純薬社製ジュリマー(登録商標)AC−10−LP;固形分100%)0.3質量部を添加して、下地処理組成物溶液(固形分濃度1.2%)を調製した。
次に、板厚0.4mmの電気亜鉛めっき鋼板(EG;Zn付着量20g/m2)の表裏面に、得られた下地処理組成物溶液を乾燥質量で15mg/m2になるようにスプレーリンガー装置を用いて噴霧し、その後、200℃で10秒間乾燥して、下地処理金属板を作製した。
(No.1〜18)
<ポリエステル樹脂含有黒色樹脂組成物の調製及び黒色皮膜の塗布>
ベース樹脂として、Tg40℃、Mn20,000の水分散ポリエステル樹脂(東洋紡社製バイロナール(登録商標)MD−1100、固形分30%)、黒鉛(日立化成社製ヒタゾル(登録商標)GA−242B、質量平均粒子径2μm、固形分32%)、カーボンブラック(御国色素社製SAブラックDY−6、固形分30.5%)、コロイダルシリカ(日産化学工業社製スノーテックス(登録商標)XS、固形分20%)、エポキシ系架橋剤(DIC社製エピクロンCR75)、シランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM403」、固形分100%)、ポリエチレンワックス粒子(三井化学社製「ケミパール(登録商標)W−700」、固形分40%、平均粒子径1μm)、ポリアミド系チクソトロピック剤(楠本化成社製ディスパロンAQ−607、固形分15%)を順次添加し、黒色樹脂組成物を調整した。各成分の配合比は、固形分換算で、ポリエステル樹脂41.8〜79.3%、黒鉛0〜40%、カーボンブラック0〜20%、コロイダルシリカ5%、エポキシ系架橋剤2%、シランカップリング剤5%、ポリエチレンワックス粒子3.5%、ポリアミド系チクソトロピック剤0.2%となるように配合した。上記黒色樹脂組成物をイオン交換水で希釈して固形分濃度10%に調整し、ディスパー攪拌機で700rpm×10分攪拌した後、下地処理が施されたEG原板上にバーコーターにて乾燥膜厚が1.2〜2.8μmとなるように塗布し、板温90〜100℃(炉温200℃×12秒)で加熱乾燥して黒色皮膜を備えた金属板を得た。
(No.19〜36)
<ポリウレタン樹脂含有黒色樹脂組成物の調製及び黒色皮膜の塗布>
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量0.8Lの合成装置にポリオール成分として保土ヶ谷化学工業社製ポリテトラメチレンエーテルグリコール(平均分子量1,000) を60部、1,4−シクロヘキサンジメタノールを14部、ジメチロールプロピオン酸を20部仕込み、さらに反応溶媒としてN−メチルピロリドン30.0部を加えた。イソシアネート成分としてトリレンジイソシアネートを104部仕込み、80〜85℃に昇温し5時間反応させた。得られたプレポリマーのNCO含有量は、8.9%であった。さらにトリエチルアミン16部を加えて中和を行い、エチレンジアミン16部と水480部の混合水溶液を加えて、50℃で4時間乳化し、鎖延長反応させてカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂水性液を得た(不揮発性樹脂成分29.1%、酸価41.4)。
上記製法で得られたカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂水性液に、黒鉛(日立化成社製ヒタゾル(登録商標)GA−242B、固形分32%)、カーボンブラック(御国色素社製SAブラックDY−6;固形分30.5%)、コロイダルシリカ(日産化学工業社製スノーテックス(登録商標)XS、固形分20%)、エポキシ系架橋剤(DIC社製エピクロンCR75)、シランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM403」、固形分100%)、ポリエチレンワックス粒子(三井化学社製「ケミパール(登録商標)W−700」、固形分40%、平均粒子径1μm、軟化点132℃)、ポリアミド系チクソトロピック剤(楠本化成社製ディスパロンAQ−607、固形分15%)を順次添加し、黒色樹脂組成物を調整した。各成分の配合比は、固形分換算で、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂41.8〜79.3%、黒鉛0〜40%、カーボンブラック0〜20%、コロイダルシリカ5%、エポキシ系架橋剤2%、シランカップリング剤5%、ポリエチレンワックス粒子3.5%、ポリアミド系チクソトロピック剤0.2%となるように配合した。なお、No.31のみ上記添加物の他にTg40℃、Mn20,000の水分散ポリエステル樹脂(東洋紡社製バイロナール(登録商標)MD−1100、固形分30%)が1%となるように配合した。上記黒色樹脂組成物をイオン交換水で希釈して固形分濃度10%に調整し、ディスパー攪拌機で700rpm×10分攪拌した後、下地処理が施されたEG原板上にバーコーターにて乾燥膜厚が1.5〜3.3μmとなるように塗布し、板温90〜100℃(炉温200℃×12秒)で加熱乾燥して黒色皮膜を備えた金属板を得た。
(No.37〜50)
<ポリエステル樹脂含有黒色樹脂組成物の調製及び黒色皮膜の塗布>
No.1〜18と同様に黒色樹脂組成物を調整した。各成分の配合比は、固形分換算で、ポリエステル樹脂46.8〜66.8%、黒鉛15%、カーボンブラック7.5%、コロイダルシリカ0〜20%、エポキシ系架橋剤0〜6%、シランカップリング剤0〜7%、ポリエチレンワックス粒子0〜10%、ポリアミド系チクソトロピック剤0.2%となるように配合した。上記黒色樹脂組成物をイオン交換水で希釈して固形分濃度10%に調整し、ディスパー攪拌機で700rpm×10分攪拌した後、下地処理が施されたEG原板上にバーコーターにて乾燥膜厚が1.8〜4.0μmとなるように塗布し、板温90〜100℃(炉温200℃×12秒)で加熱乾燥して黒色皮膜を備えた金属板を得た。
(No.51〜61)
<プライマー層形成用樹脂組成物の調製及びプライマー層の塗布>
上記製法で得られたカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂水性液に、コロイダルシリカ(日産化学工業社製スノーテックス(登録商標)XS、固形分20%)、エポキシ系架橋剤(DIC社製エピクロンCR75)、シランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM403」、固形分100%)、カーボンブラック(御国色素社製SAブラックDY−6;固形分30.5%)を順次添加し、プライマー層形成用樹脂組成物を調整した。各成分の配合比は、固形分換算で、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂66〜91%、カーボンブラック0〜15%、コロイダルシリカ1〜20%、エポキシ系架橋剤0〜2%、シランカップリング剤4%となるように配合した。上記プライマー層形成用樹脂組成物をイオン交換水で希釈して固形分濃度10%に調整し、ディスパー攪拌機で700rpm×10分攪拌した後、下地処理が施されたEG原板上にバーコーターにて乾燥膜厚が0.5〜1.3μmとなるように塗布し、板温60〜70℃(炉温170℃×7秒)で加熱乾燥してプライマー層を備えた金属板を得た。ただし、No.51及びNo.52の金属板についてはプライマー層を作製しなかった。
<ポリエステル樹脂含有黒色樹脂組成物の調製及び黒色皮膜の塗布>
No.1〜18と同様に黒色樹脂組成物を調整した。各成分の配合比は、固形分換算で、ポリエステル樹脂59.8%、黒鉛15%、カーボンブラック7.5%、コロイダルシリカ5%、エポキシ系架橋剤4%、シランカップリング剤5%、ポリエチレンワックス粒子3.5%、ポリアミド系チクソトロピック剤0.2%となるように配合した。上記黒色樹脂組成物をイオン交換水で希釈して固形分濃度10%に調整し、ディスパー攪拌機で700rpm×10分攪拌した後、下地処理が施され、かつ、プライマー層が積層されたEG原板上にバーコーターにて乾燥膜厚が1.8μmとなるように塗布し、板温90〜100℃(炉温200℃×12秒)で加熱乾燥して黒色皮膜及びプライマー層を備えた金属板を得た。ただし、No.51及びNo.52の金属板については、下地処理が施されたEG原板上にバーコーターにて乾燥膜厚が3.6〜5.4μmとなるように黒色樹脂組成物のみを塗布し、板温90〜100℃(炉温200℃×12秒)で加熱乾燥して黒色皮膜のみを備えた金属板を得た。
本発明の黒色塗装金属板は、黒鉛及び黒鉛以外の黒色顔料を含有した黒色樹脂組成物を用いることによって、非常に薄い黒色皮膜であっても黒色皮膜表面の黒色度が優れたものとなる。また、黒色皮膜表面は優れた潤滑性を有するため、非常に薄い黒色皮膜を塗装するだけで、黒色皮膜表面の耐摩耗性が優れたものとなり、製造コストを大幅に削減できる。そのため、本発明の黒色塗装金属板は、自動車や液晶テレビ、プラズマディスプレイ、DVDドライブといった家庭電気製品の筐体や内装・外装部品、鋼製家具等の外板材や建築材料等に用いることができる。

Claims (4)

  1. 金属板の少なくとも片面に、膜厚1.7μm以上6.0μm以下の黒色皮膜が積層された黒色塗装金属板であって、
    上記黒色皮膜を形成する黒色樹脂組成物には、黒鉛、黒鉛以外の黒色顔料及び架橋剤が含有されており、上記黒色樹脂組成物の全固形分100質量%中、黒鉛の含有量が15質量%以上であり、黒鉛以外の黒色顔料の含有量が5質量%以上であり、
    上記黒色皮膜表面のL*値が30未満であり、かつ、上記黒色皮膜表面の動摩擦係数が0.20以下である
    ことを特徴とする黒色塗装金属板。
  2. 上記黒色樹脂組成物の全固形分100質量%中、黒鉛及び黒鉛以外の黒色顔料の合計含有量が40質量%以下である請求項1に記載の黒色塗装金属板。
  3. 上記黒色樹脂組成物に、さらにワックスが含有されている請求項1又は2に記載の黒色塗装金属板。
  4. 上記金属板と上記黒色皮膜との間にプライマー層を備えた請求項1〜3のいずれかに記載の黒色塗装金属板。
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