JP2007514008A - 難燃性カーボンブラック充填ポリオレフィン巻き線箔 - Google Patents

難燃性カーボンブラック充填ポリオレフィン巻き線箔 Download PDF

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Abstract

巻き線箔中のカーボンブラックの濃度が少なくとも5phr、好ましくは少なくとも10phrであることを特徴とする難燃性でハロゲンを含まないポリオレフィン巻き線箔が開示されている。

Description

本発明は、難燃性でハロゲンを含まないカーボンブラックが充填された巻き線箔であって、ポリオレフィン、特にポリプロピレンコポリマーと水酸化マグネシウムの耐老化性態様を含んでなり、場合によっては感圧性接着性(PSA)被膜を有し、例えばエアコンディショニングユニットの通気ライン、ワイヤまたはケーブルの巻き線に使用され、そして特に車両のケーブルハーネスまたはブラウン管用界磁コイルに好適であるものに関する。これらの用途においては、この巻き線箔は、集束、絶縁、マーキング、シールまたは保護に供せられる。本発明は本発明の箔を製造するための方法を更に含む。この巻き線箔は難燃剤としてカーボンブラックを使用することを特徴とする。
ケーブルの巻き線テープおよび絶縁テープは、通常、片面に感圧性接着剤の被膜を付けた可塑化PVCフィルムから構成される。これらの製品の難点を無くしたいという要望が増大している。これらの難点は可塑剤の揮発と高ハロゲン含量を含む。ポリオレフィンを含んでなる代替の製品は限定された老化安定性を有する。更には、これらは低温でも軟化する;これから除外されるのは、ポリプロピレンとこのコポリマーであるが、残念ながら易溶融性のポリオレフィン、例えばPEまたはEVAと比較してこれらは特に劣る老化安定性を有する。対応する添加物によってこの種類の巻き線テープをこの方法で難燃化すると、老化安定性は更に減少する。この種類のテープは通常ファーネスブラックを用いて黒色に着色される。この着色は老化性能には好ましくないことが判る。
在来の絶縁テープおよびケーブル巻き線テープ中の可塑剤は徐々に蒸発し、健康被害を生じる;普通に使用されるDOPは、特に好ましくない。更には、この蒸気は自動車のガラス上に堆積し、視認性(したがって、かなりの程度、運転安全性)を損ない、このことはフォギング(DIN 75201)として当業者に既知である。例えば、車両のエンジン小室中あるいは絶縁テープの場合には電気的な装置中で温度が高い結果として蒸発が更に大きい場合には、それに伴う可塑剤の喪失により巻き線箔は脆化する。
可塑剤は、添加剤無しのPVCの難燃性能を損ない、これは、毒性の観点から極めて好ましくないアンチモン化合物の添加により、あるいは塩素−あるいはリン含有可塑剤の使用により一部埋め合わされる。
車両リサイクルからのシュレッダー廃棄物などのプラスチック廃棄物の焼却に関する議論に対抗して、例えば、ハロゲン含量と、したがってダイオキシンの形成を低減させようとする傾向が存在する。それゆえ、ケーブル絶縁の場合には、壁の厚さが低減され、そして巻き線に使用されるテープの場合にはPVCフィルムの厚さが低減されつつある。巻き線テープ用のPVCフィルムの標準の厚さは85〜200μmである。85μm以下では、相当な問題がカレンダー操作で生じ、結果としてPVC含量が軽減されたこのような製品は実質的に入手できない。これらの慣用の巻き線テープは、毒性の重金属、通常、鉛、更に稀にはカドミウムまたはバリウムをベースとする安定剤を含んでなる。
可塑化PVCフィルムの代わりに織布または不織布を使用する試みが存在する;しかしながら、このような試みから得られる製品は、比較的高価であり、取り扱い(例えば、手での引き裂き性、弾性)の点で、そして使用条件下(例えば、使用流体に対する抵抗性、電気的性質)で慣用の製品からはっきりと異なるので、実際には僅かしか使用されず、下記に示すように、厚さが特に重要である。
(特許文献1)、(特許文献2)および(特許文献3)は、布様(織)またはウエブ様(不織)キャリア材料を含んでなる接着性巻き線テープを述べている。これらの材料は極めて高い引っ張り強さを特徴とする。しかしながら、この結果は、加工時に、はさみまたはナイフの助けなしではこれらの接着性テープが手で引き裂き不能であるという難点である。
しわの無い、可撓性ケーブルハーネスの製造を可能とするために、延伸性と可撓性が接着性巻き線テープに課せられる2つの主要な要求である。更には、これらの材料はFMVSS302などの関連防火標準に合致しない。(特許文献4)に述べられているように、ハロゲン化された難燃剤またはポリマーの使用によってのみ改善された防火性質が実現可能である。
一方では、今日の車両構成においては、電気的なコンシューマーユニットが多くなり、車両内の情報の伝達が増加する結果、ケーブルハーネスはますます剛直で、分厚くなり、他方これらの設置スペースはますます限定され、結果としてアセンブリー(ボディ内にケーブルを敷設する場合の先導)はますます問題となる。結果として、薄い箔テープが有利である。更には、効率的で、費用効果の高いケーブルハーネス製造に対しては、ケーブル巻き付けテープは容易で、迅速な加工品質を有することが期待される。
テキスタイル巻き線テープに対しては、多数の特許が存在するが、これらの製品はすべて例えば厚さが厚いこと、耐電圧性が低いことなどの難点を有する。(特許文献5)は、お互いに平行に走る複数の縫い込まれたステッチから形成されるステッチボンドウエブから構成されるテープ様テキスタイルキャリアを有する接着テープを述べている。この実用新案で提案されているウエブは、50〜200g/mの坪量に対して150〜400μmの厚さを有すると言われている。テキスタイル接着テープの更なる難点は、接着層のみが絶縁性であるので、ほぼ1kVの低い絶縁破壊電圧である。対照的に、フィルムベースのテープは5kV以上にあり、良好な耐電圧性を有する。
(特許文献6)、(特許文献7)、(特許文献8)および(特許文献9)は、ハロゲンを含まない熱可塑性ポリエステルキャリア箔の使用を述べている。(特許文献10)は、臭素化難燃剤を含んでなるポリエステルキャリア箔を含んでなる難燃性の巻き線箔を述べている。しかしながら、ポリエステルの最大の難点は加水分解に対してかなりの敏感であり、安全基準から自動車で使用することを除外している。
この特許文献にはポリオレフィンを含んでなる巻き線テープも述べられている。しかしながら、これらは易燃焼性であるか、あるいはハロゲン化難燃剤を含んでなる。更には、エチレンコポリマーから製造される材料は低すぎる軟化点を有し(一般に、これらは熱老化に対する安定性のための試験の試み時にさえ溶融する)、そして標準的なポリプロピレンポリマーを使用する場合には、この材料は非可撓性過ぎる。用途が述べられている場合には、ファーネスブラックは、黒色着色の目的にはほぼ2phr(ポリマー基準で重量部の)の量で使用される。
(特許文献11)は、フィルムがエチレンコポリマーベースの材料から構成されている接着性巻き線テープを述べている。このキャリアフィルムは、ハロゲン化された難燃剤のデカブロモジフェニルオキシドを含んでなる。このフィルムは95℃以下の温度で軟化するが、通常の使用温度はしばしば100℃以上、あるいは短期的にはエンジン小室での使用の場合には異常ではない130℃以上でさえある。着色は1重量%の純粋なカーボンブラックに対応する3%のファーネスブラックマスターバッチにより行われる。
(特許文献12)は、キャリアフィルムが低密度ポリエチレンとエチレン/酢酸ビニル
またはエチレン/アクリレートコポリマーのポリマーブレンドから構成されるハロゲンを含まない接着性巻き線テープを述べている。使用される難燃剤は、20〜50重量%の水酸化アルミニウムまたはポリリン酸アンモニウムである。再度になるが、このキャリアフィルムのかなりの難点は低い軟化温度である。これに対抗するために、シラン架橋の使用が述べられている。しかしながら、この架橋方法は極めて不均一な架橋の材料しか生じず、実際上安定な製造操作または均一な製品品質を実現することは不可能である。着色は2〜3.75%のマスターバッチにより行われる(更に詳細に説明されないが、多分2phrのカーボンブラックに相当する40%基準で)。
不足する熱変形抵抗性の類似する問題が(特許文献13)と(特許文献14)に述べられている電気機器セクター用の電気的な接着剤テープについて起こる。述べられているキャリア箔材料は、難燃剤としてのエチレンジアミンホスフェートと組み合わせたEPDMとEVAのブレンドである。ポリリン酸アンモニウムと同様に、この難燃剤は加水分解に極めて敏感である。更には、EVAとの組み合わせで、老化時に脆化が起こる。ポリオレフィンと水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムの標準的なケーブルへの適用は劣った相溶性を生じる。更には、下記に示すように、このような金属水酸化物はリン化合物と拮抗的に作用するのでこのようなケーブルハーネスの難燃性能は劣っている。表示の絶縁テープはケーブルハーネス巻き線テープには分厚く、剛直過ぎる。カーボンブラックの使用は(特許文献13)と(特許文献14)に挙げられていない。
過度に低すぎる軟化温度および可撓性とハロゲンを含まないことの間のジレンマを解決する試みが下記の特許に述べられている。
(特許文献15)は、LLDPEとEVAのポリマーブレンドをケーブル絶縁とフィルム材料としての用途に特許請求している。表示の難燃剤は、特定の表面積の水酸化マグネシウムと赤リンの組み合わせを含んでなる;しかしながら、比較的低い温度での軟化が許容される。4phrのファーネスブラックが着色に使用される。水酸化マグネシウムの白色と赤リンの赤色を被覆するためにこの量は比較的高い。
極めて類似の組み合わせが(特許文献16)に述べられている。しかしながら、この場合には、熱変形抵抗性を改善する目的で、LLDPEが高い軟化温度を有するPPポリマーにより置き換えられている。しかしながら、難点は生成する低可撓性である。EVAまたはEEAとのブレンド化に対しては、このフィルムは充分な可撓性を有するということが維持されている。しかしながら、この文献から、当業者ならば、難燃性を改善するためには、これらのポリマーはポリプロピレンとブレンドされるということに気付く。記述されている製品は、0.2mmのフィルム厚さを有する;可撓性は3次で厚さに依存するので、充填ポリオレフィンフィルムの場合には、この厚さ単独で可撓性が排除される。使用されるポリプロピレンのメルトインデックスが極めて低いことによって、当業者ならば気が付くように、述べられている押し出し方法は、製造設備での実施が実質的に不可能であり、そして当業界に合致する薄いフィルムに対しては、そして大量の充填剤と組み合わせた使用の場合には確かに不可能である;それゆえ、難燃剤の水酸化マグネシウムの量は50〜100phrのみである。2phrのファーネスブラック(1.2phrのカーボンブラックに相当する)のマスターバッチが着色に使用される。
両方の試みられた解決策は、赤リンの水酸化マグネシウムとの既知の相乗的な難燃性効果上に組み立てられている。しかしながら、元素リンの使用はかなりの難点とリスクを宿している。加工の過程で、悪臭と高毒性のホスフィンが放出される。更なる難点は燃焼の場合に極めて密な白煙が生成することから生じる。更には、暗色の製品のみが製造可能である。
(特許文献17)は反応性ポリプロピレンと40phrの水酸化マグネシウムからなるフィルムを述べている。この添加される量は防火性能の実質的な改善には不適切である。カーボンブラックの使用は述べられていない。
(特許文献18)はポリウレタン巻き線テープを述べている:このような製品は上述の通常の用途には高価過ぎる。カーボンブラックの使用は述べられていない。
DE20022272U1 EP1123958A1 WO99/61541A1 米国特許第4,992,331A1号 DE−U9401037 DE10002180A1 JP10149725A1 JP09208906A1 JP05017727A1 JP07150126A1 WO00/71634A1 WO97/05206A1 WO99/35202A1 米国特許第5,498,476A1号 EP0953599A1 EP1097976A1 WO03/070848A1 DE20306801U
表記の難点にも拘わらず、引用された先行技術の特許は、更なる要求、例えば手での引き裂き性、熱安定性、ポリオレフィンケーブル絶縁との適合性、または適当な巻き戻し力も提供するフィルムを掲げていない。更には、フィルム製造操作における加工の可能性、高フォギング数、および絶縁破壊電圧抵抗性は問題を残したままである。
それゆえ、本発明の目的は、熱老化抵抗性、難燃性、耐摩耗性、耐電圧性、およびPVC巻き線テープの機械的性質(弾性、可撓性、および手での引き裂き性など)とテキスタイル巻き線テープの無ハロゲン性を合せ持つ老化安定性の巻き線箔に対する解決策を見出すことである;箔を工業的規模で製造することが可能で、ある用途では高い絶縁破壊電圧抵抗性と高いフォッギング数が要求される。加えて、本発明の目的は、マーキング、保護、絶縁、シールまたは集束の目的で特にワイヤおよびケーブルを特に迅速で、高信頼性で巻き付けることを可能とさせ、先行技術の難点が無いか、あるいは同一程度では少なくとも存在しない、柔軟で、老化安定性のある巻き線箔を提供することである。
自動車における更に複雑なエレクトロニクスと電気的なコンシューマーユニットの数の増加のなかで、リード線のセットがますます複雑になりつつある。ケーブルハーネス断面の増加と共に、誘導加熱がますます大きくなり、熱の除去が低下しつつある。結果として使用される材料の熱安定性の要求が増大する。接着性巻き線テープに標準として使用されるPVC材料は限界に近づきつつある。それゆえ、更なる目的は、PVCの熱安定性に匹敵するのみならず、これを超える添加物組み合わせ物を含むポリオレフィンを見出すことであった。
この目的は主請求項に特定される巻き線箔によって達成される。従属する請求項は、本発明の巻き線箔の有利な展開と、カーボンブラックを充填した柔軟で、老化安定性のある接着テープにおける巻き線箔の使用と、これらの更なる応用と、そして巻き線箔の製造方法に関する。
下記のphrでの量は、この箔の全ポリマー成分の100重量部当たりの対象成分の重量部を示す。被覆(例えば、接着剤により)付きの巻き線箔に対しては、ポリオレフィン含有層の全ポリマー成分の重量部のみが考慮される。
従って、本発明は、特別な態様においては、ポリプロピレンコポリマーと水酸化マグネシウムを含んでなり、巻き線箔中のカーボンブラックの区分が少なくとも5phr、好ましくは少なくとも10phrであるカーボンブラックを充填した柔軟で、難燃性のあるポリオレフィン巻き線箔を提供する。
第1の好ましい態様においては、この巻き線箔は感圧性接着性被膜をほどこされたものである。多くの慣用のPVC巻き線テープは黒色に着色されている。これは、一般にファーネス法から製造される標準のカーボンブラックを用いて行われる。しかしながら、本発明においては、驚くべきことには、防火性能上に実質的に影響を及ぼすのでカーボンブラックの区分は少なくとも5phr、好ましくは少なくとも10phrである。驚くべきことには、当業者にとっては、箔製造設備によりカーボンブラックマスターバッチの形で異常に大量を問題なく添加することも可能である。大量とは僅か1〜2phrであるが、15〜30phrの意味でもある。それゆえ、このような大量のカーボンブラックの使用は黒色着色でなく、難燃性の改善を狙っている。このことは、特に水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物との相乗効果に当てはまる。
比較的大量のカーボンブラックをポリオレフィン箔で使用する場合、老化安定性とカーボンブラックのグレードの間の関係が存在する。それゆえ、6〜8のpHを有する中性のカーボンブラックを使用することが好ましい。主としてサーマルブラック、アセチレンブラック、およびランプブラックが好ましい好適性を有する。ランプブラックが特に好ましい。ランプブラックのpH値は通常7〜8であり、サーマルブラックのpH値は7〜9であり、そしてアセチレンブラックのpH値は5〜8である。ファーネスブラックは一般に9〜11に位置し、それゆえ塩基性過ぎる。酸化されたガスブラックは、通常2.5〜6に位置し、それゆえ酸性過ぎる。
驚くべきことには、ポリオレフィンを老化防止剤(酸化防止剤)と混合した後のみに、カーボンブラックを添加(例えばマスターバッチの形で)した場合熱老化安定性は高くなる。最初にポリマー、老化防止剤、および充填剤を相互に混練し、そして箔製造設備(カレンダーまたは押し出し機)中の押し出し機にカーボンブラックをマスターバッチの形でのみ添加することにより、この利点は使用可能である。生じる更なるメリットは、混練機(二軸押し出し機または遊星形ローラー押し出し機などのプランジャー混練機または押し出し機)上での製品切り替えの場合、カーボンブラック残渣を除去するための高コストで不便なクリーニングの必要性がないということである。
有効な老化安定性を得るために、正しい老化防止剤の使用が特別な役割を演じる。この文脈において、このような巻き線テープの製造に関する前の実験において、老化防止剤は、他の箔の製造の場合のように全く使用されなかったか、あるいは0.3phr以下しか使用されなかったので、老化防止剤の全量を考慮に入れることも必要である。特に、これまでのところ、二次酸化防止剤が同時に使用されたことはない。
好ましい態様においては、本発明の巻き線テープは、少なくとも4phrの一次酸化防止剤、好ましくは少なくとも0.3phrの、特に少なくとも1phrの一次および二次酸化防止剤の組み合わせ物を含有し、一次および二次酸化防止剤の機能を一つの分子中で一体化することも可能である。表示されている量に関しては、金属不活性化剤または光安定剤などの随意の安定剤は含まれない。二次酸化防止剤の量は0.3phr以上である。PVC製品に対する安定剤はポリオレフィンに転用することはできない。二次酸化防止剤は過酸化物を崩壊させ、それゆえジエンエラストマーの場合には老化防止剤パッケージの一部として使用される。驚くべきこととしては、一次酸化防止剤(例えば、立体障害されたフェノールまたはCAS181314−48−7などのC−ラジカル掃去剤)と二次酸化防止剤(例えば、イオウ化合物、ホスファイトまたは立体障害アミン)の組み合わせは、両方の機能を一つの分子中で一体化することも可能であるが、ポリプロピレンなどのジエンを含まないポリオレフィンの場合にも表示の目的を達成することが見出された。特に好ましいのは、一次酸化防止剤、好ましくは500g/モル(特に>700g/モル)以上の分子量を有する立体障害フェノールとホスファイト系二次酸化防止剤(特に分子量>600g/モルの)との組み合わせである。ホスファイトまたは一次および2つ以上の二次老化防止剤の組み合わせ物は、ポリプロピレンポリマーのようなポリオレフィンを含んでなる巻き線箔においてこれまで使用されたことはなかった。低揮発性の一次フェノール系酸化防止剤とイオウ化合物(好ましくは、400g/モル以上、特に>500g/モルの分子量の)の類およびこのホスファイトの類からの1つの二次酸化防止剤の組み合わせ物が好適であり、そしてこの場合には、このフェノール系、イオウ含有およびホスファイト系官能基は3つの異なる分子中に存在する必要がなく;その代わりに一つ以上の機能が一つの分子中に一体化され得る。
・フェノール系官能基:
CAS6683−19−8、2082−79−3、1709−70−2、36443−68−2、1709−70−2、34137−09−2、27676−62−6、40601−76−1、31851−03−3、991−84−4
・イオウ含有官能基:
CAS693−36−7、123−28−4、16545−54−3、2500−88−1、16545−34−3、29598−76−3
・ホスファイト官能基:
CAS31570−04−4、26741−53−7、80693−00−1、140221−14−3、119345−01−6、3806−34−6、80410−33−9、14650−60−8、161717−32−4
・フェノールおよびイオウ含有官能基:
CAS41484−35−9、90−66−4、110553−27−0、96−96−5、41484
・フェノールおよびアミン官能基:
CAS991−84−4、633843−89−0
・アミン官能基:
CAS52829−07−9、411556−26−7、129757−67−1、71878−19−8、65447−77−0
CAS6683−19−8(例えば、Irganox1010)とチオプロピオン酸エステルCAS693−36−7(IrganoxPS802)の組み合わせ物、または123−28−4(IrganoxPS800)とCAS31570−04−4(Irgafos168)の組み合わせ物が特に好ましい。二次酸化防止剤の部分が一次酸化防止剤の部分を超える組み合わせ物が好ましい。加えて、老化を触媒的に加速し得る痕跡の重金属を錯化するために、金属不活性化剤を添加することが可能である。例は、CAS32687−78−8、70331−94−1、6629−10−3、エチレンジアミン四酢酸、N,N’−ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパン、3−(N−サリチロール)−アミノ−1,2,4−トリアゾール(Palmarole ADK STABCDA−1)、N,N’−ビス[3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジド(Palmarole MDA.P.10)または2,2’−オキサミド−ビス[エチル3−(tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](Palmarole MDA.P.11)である。
約0.5phr以上のチオプロピオン酸エステルを使用する場合、前記エステルは表面に移行することができ、黒色箔の場合には特に魅力のない見え方をする。驚くべきことには、この問題は、各チオプロピオン酸エステルに対して溶解性限界を超えないように異なるチオプロピオン酸エステルを相互に組み合わせることにより解決可能である。それゆえ、2つ以上のチオプロピオン酸エステルの組み合わせ物が好ましい。このことは、最も単純にはアルキル鎖を変えることにより達成される。
フェノール系酸化防止剤と共に、単独あるいはイオウ含有共安定剤との組み合わせで、当業界の技術に合致する製品を得ることは一般に可能でないので、表示された老化防止剤の選択は本発明の巻き線箔に特に重要である。ロール上での比較的長く継続する大気酸素の侵入が不可避であるカレンダー加工においては、ホスファイト安定剤の同時使用は製品の側の充分な熱老化安定性には実質的に必然的であることが判る。押し出し加工の場合においても、製品についての老化試験におけるホスファイトの添加がなおプラスに示される。このホスファイト安定剤に対しては、少なくとも0.1phrの、好ましくは少なくとも0.3phrの量が好ましい。特に、ブルサイトなどの天然の水酸化マグネシウムを使用する場合には、移行性金属不純物、例えば鉄、マンガン、クロムまたは銅の結果として、老化の問題が生じることが可能であり、これは老化防止剤の正しい組み合わせと量の上述の知識によってのみ回避可能である。上述のように、摩砕されたブルサイトは、沈澱した水酸化マグネシウムを超える多数の技術的な利点を有し、表示の酸化防止剤との組み合わせが特に実際的である。高温負荷(例えば、自動車のエンジン小室中でのケーブル巻き線箔としての、あるいはTVまたはPC表示スクリーン中の磁石コイルの絶縁巻き線としての使用)を含む用途に対しては、酸化防止剤のほかに金属不活性化剤も含む態様が好ましい。
本発明の箔の厚さは、30〜180μmの、好ましくは50〜150μmの、特に55〜100μmの範囲にある。この表面はテクスチュア付きあるいは平滑であり得る。好ましくは、この表面は若干マットとなされる。このことは、充分に大きい粒子サイズを有する充填剤を使用するか、あるいはローラーにより達成可能である(例えば、カレンダー上のエンボスローラーあるいは押し出し時のマットチルロールまたはエンボスローラー)。
好ましい変形においては、貼り付けを簡単にして、巻き付け操作の終わりに巻き線箔を固定する必要がないように、この箔には片面あるいは両面に感圧性接着層が設けられる。
本発明の巻き線箔は、例えばDOPまたはTOTMなどの揮発性可塑剤を実質的に含まず、それゆえ優れた難燃性能と低い放出物(可塑剤の蒸発、フォギング)を有する。
このような巻き線箔が高含量のカーボンブラックと、特に又水酸化マグネシウムのような難燃性充填剤と、ポリオレフィンから製造可能であるということは、当業者にとっては予見不能で、驚くべきことである。加えて、著しいことには、高性能材料としてのPVCと比較して、この熱老化安定性は劣ることはなく、むしろ同等であるか、良好ですらある。
本発明の巻き線箔は、マシン方向において、0.6〜4N/cmの、好ましくは1〜3N/cmの1%伸びにおける力と、2〜20N/cmの、好ましくは3〜10N/cmの100%伸びにおける力を有する。
特に、1%伸びにおける力は、1N/cmに等しいか大きく、100%伸びでの力は、15N/cmに等しいかあるいは小さい。1%における力は箔の剛性の尺度であり、高い巻き付け張力の結果として、100%における力は箔を鋭い変形で巻く場合の形状順応性の尺度である。100%における力は低すぎてもいけない。さもないと、この引っ張り強さは不適当であるからである。
これらの力の値を得るためには、この巻き線箔は、好ましくは少なくとも1つのポリオレフィン、特に900MPa未満の、好ましくは500MPa未満の、特に80MPa未満の曲げモジュラスを有するポリオレフィンを含んでなる。ポリオレフィンは、柔軟なエチレンホモポリマーあるいはエチレンもしくはプロピレンコポリマーであり得る。好ましいのはポリプロピレンコポリマーである。
カレンダー加工用のポリオレフィンの好ましいメルトインデックスは、5g/10分以下、好ましくは1g/10分以下、特に0.7g/10分以下である。押し出し加工に対しては、好ましいメルトインデックスは、1と20g/10分の間、特に5と15g/10分の間である。
このポリオレフィンの結晶子融点は、120℃と166℃間、好ましくは148℃以下、更に好ましくは145℃以下である。
このコポリマーの結晶性領域は、好ましくはランダム構造を有する特に6〜10モル%のエチレン含量のポリプロピレンである。例えば、エチレンにより変成されたポリプロピレンランダムコポリマーは、ポリプロピレンのブロック長さと非晶質相のコモノマー含量に依って120℃と145℃(これは市販製品の範囲である)の間の結晶子融点を有する。分子量とタクチシティに依って、ポリプロピレンホモポリマーは163℃と166℃の間にある。このホモポリマーは低分子量を有し、EPゴムにより変成(例えば、グラフト化、反応器ブレンド)されたものならば、融点の低下は、約148℃〜163℃の範囲の結晶子融点を生じる。それゆえ、本発明のポリプロピレンコポリマーに対しては、この好ましい結晶子融点は145℃以下であり、結晶性相とコポリマー非晶質相中でランダム構造を有するコモノマー変成ポリプロピレンにより最も良く達成される。
このようなコポリマーにおいては、結晶性相と非晶質相の両方のコモノマー含量、曲げモジュラス、およびこれから製造される巻き線箔の1%における張力値の間に関係が存在する。この非晶質相中の高コモノマー含量は特に低い1%における力の値を可能とする。驚くべきことには、この硬い結晶性相中のコモノマーの存在も充填箔の可撓性にプラスの効果を及ぼす。
しかしながら、送気パイプ、スクリーンコイルまたは車両ケーブルにおける用途においては、融解の危険性があるので、EPMおよびEPDMの場合におけるように、結晶子融点は120℃以下であってはならない。それゆえ、EPMおよびEPDMコポリマー類からのエチレン−プロピレンコポリマーを含んでなる巻き線箔は、このようなポリマーを使用して、本発明により好まれるポリプロピレンポリマーと共に機械的性質を微調整することを除外しないが、本発明に合致しない。
α−オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブチレン、イソブチレン、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセンまたはオクテンを使用することが好ましいが、このポリオレフィン中のモノマーに課せられる制約は存在しない。本発明の目的には3つ以上のコモノマーを有するコポリマーが含まれる。このポリプロピレンコポリマーに特に好ましいモノマーはプロピレンとエチレンである。このポリマーは例えば加工性や機械的性質を改良
するため、例えばマレイン酸無水物、またはアクリレートモノマーをグラフト化することにより更に変成され得る。ポリプロピレンコポリマーは、ブロックコポリマーなどのポリマー物理の厳密な意味でのコポリマーのみならず、例えば広範な構造または性質を有する市販の慣用熱可塑性PPエラストマーも意味する。この種の材料は、PPホモポリマーから、又は同一の反応器中あるいは以降の反応器中でエチレンおよびプロピレンと気相中で更に反応させることにより、前駆体として例えばランダムコポリマーから製造され得る。ランダムコポリマーの出発材料を使用する場合には、生成するEPゴム相中のエチレンとプロピレンのモノマー分布は、より均一であり、改善された機械的性質を生じる。これは、結晶性ランダムコポリマー相を持つポリマーが本発明の巻き線箔に好ましいもう一つの理由である。製造には、「Ullmann’sEncyclopedia of Industrial Chemistry」,6th ed.,Wiley−VCH2002に述べられている気相法、Cataloy法、Spheripol法、Novolen法、およびHypol法を例として含む慣用の方法を使用することが可能である。
好適なブレンド成分は、例えば軟質のエチレンコポリマー、例えば0.86〜0.92g/cmの、好ましくは0.86〜0.88g/cmの密度のLDPE、LLDPE、メタロセン−PE、EPMまたはEPDMである。エチレンまたは(非置換あるいは置換の)スチレンとブタジエンまたはイソプレンの軟質の水素化ランダムあるいはブロックコポリマーも可撓性、1%伸び時の力、特に巻き線箔の力/伸び曲線の形状を最適な範囲とせしめるのに好適である。本発明のポリプロピレンコポリマーに加えて、更なるエチレンあるいはプロピレンコポリマーを使用する場合には、これは、好ましくはこのポリプロピレンコポリマーのメルトインデックスの±50%の範囲の規定されたメルトインデックスを有する。これは、エチレンコポリマーのメルトインデックスは190℃に対して一般に規定され、ポリプロピレンの場合のように、230℃に対してではないという事実を考慮に入れること無しのものである。
カルボニル含有モノマーを持つエチレンコポリマー、例えばエチレン−アクリレート(例えばEMA、EBA、EEA、EAA)またはエチレン−酢酸ビニルを使用することにより、当業者ならば気付くように、PPポリマーの難燃性能を改善することが可能である。このことは、また、この明細書で特に必要とされる性質を有するポリマーを含む本発明の巻き線箔にも当てはまる。更には、ポリエチレン−ビニルアルコールとオレフィンを含まない窒素−あるいは酸素含有ポリマーも例えばポリビニルアルコール、充分に低い軟化点(ポリプロピレンの加工温度と適合する)を有するポリアミドおよびポリエステル、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチラール、ビニルアセテート−ビニルアルコールコポリマー、およびポリ(メタ)アクリレートの形で相乗剤として好適であるということが見出され、特許請求されている。最小の溶解性パラメーターは19J1/2/cm3/2であるので、当業者によればこれらの高極性材料はポリプロピレンと非相溶性であると考えられている。驚くべきことには、特定のコポリマーと難燃性充填剤の本発明のブレンドにおいては、これは問題でないことが判る。架橋もされたポリビニルアセテートおよびポリ(メタ)アクリレートが好ましい。このブレンドは、また、例えば2〜8個の炭素原子を有するアルコールのポリアクリレートのコアと、ポリメチルメタクリレートのシェルのコア−シェル構造も有し得る。特に、PVCの変成用に製造されるアクリレート衝撃変成剤は、巻き線箔の可撓性を実質的に損なわず、そしてこれらの極性に拘わらず、カレンダーロールまたはチルロール上で溶融物の粘着性を増加させずに、少量でも防火性能の著しい改善を生じるので、特に好適であると判明する。
酸素をグラフト化(例えば、マレイン酸無水物または(メタ)アクリレートモノマーにより)により導入したポリオレフィンの使用に更なる可能性が存在する。一つの好ましい態様においては、酸素の区分は、すべてのポリマーの全重量基準で0.5と5phr(重量%にも相当)の間、特に0.8〜3phrである。本発明のポリプロピレンコポリマー
のほかに、熱可塑性の酸素−あるいは窒素含有ポリマーを使用する場合には、これは、好ましくはポリプロピレンコポリマーのメルトインデックスの±50%の範囲の特定のメルトインデックスを有する。一つの特定の態様は、この明細書で開示されている難燃剤と老化防止剤またはカーボンブラックを与えられた、窒素−あるいは酸素含有ポリマーを含んでなる少なくとも一つの共押し出し層、ならびに好ましいポリプロピレンポリマーの層を有する巻き線箔である。
好適な難燃剤はハロゲンを含まない材料のみである;すなわち、例えば充填剤、例えばアルミニウムおよび/またはマグネシウムのポリリン酸塩、炭酸塩および水酸化物、ホウ酸塩、スズ酸塩、および窒素ベースの有機難燃剤である。
ホスフェート(例えば、アンモニウムポリホスフェートまたはエチレンジアミンポリホスフェート)と窒素化合物、特にアルミニウムの、好ましくはマグネシウムの水酸化物
の組み合わせ物が好ましい。
ポリホスフェートと窒素化合物が好適であるが、一部水に敏感である。これは、腐食または破壊電圧などの電気的性質の障害を生じ得る。水の影響は乗員室中の巻き線箔に対しては顕著でない。しかしながら、エンジン室中では、巻き線箔は高温高湿になり得る。窒素含有難燃剤の例は、ジシアンジアミド、メラミンシアヌレートおよび例えばHA(L)Sの類などの立体障害アミンである。赤リンは同時に使用可能であるが、加工が危険である(混合によりポリマーの中に組み込む時に放出されるホスフィンが自己発火する;被覆されたリンの場合にでも、生成するホスフィンの量は操作者に健康被害をもたらすのになお充分であり得る)ので、好ましくは除外される(すなわち、量はゼロであるか、あるいは可燃性でない)。本発明は、マグネシウムおよびアルミニウム水酸化物に対する相乗剤としての赤リンに対する代替物を提供する。
水酸化マグネシウムは難燃剤として好ましい充填剤である。窒素含有難燃剤との組み合わせが可能である。窒素含有難燃剤の例はメラミン、アメリン、メラム、およびメラミンシアヌレートである。文献から既知であるように、水酸化マグネシウムを使用する場合赤リンは相乗作用を有する;しかしながら、上述の理由でその使用はできる限り除外される。例えばトリアリールホスフェート、またはポリホスフェート塩をベースとするものなどの既知の難燃剤の形の有機および無機リン化合物は拮抗的に作用する。それゆえ、好ましい態様においては、老化に対して防止剤効果を有するホスファイトの形でない限り、結合リンは使用されない。これらのホスファイトは0.5phrの化学結合したリン含量を超えるようにされるべきでない。
この難燃剤は、引き続いて施され得る混練操作の場合にも、被膜を有することもあった。好適な被膜は、ビニルシランなどのシランまたはステアリン酸などの遊離脂肪酸(またはこれらの誘導体)、ケイ酸塩、ホウ酸塩、アルミニウム化合物、リン酸塩、チタン酸塩、あるいはキレート化剤である。遊離脂肪酸またはこれらの誘導体の量は好ましくは0.3重量%と1重量%の間である。
特に好ましいのは摩砕された水酸化マグネシウムであり、例はブルサイト(水酸化マグネシウム)、コフドルスカイト(水酸化リン酸マグネシウム)、ハイドロマグネサイト(マグネシウムヒドロキシカーボン)、およびハイドロタルサイト(結晶格子中にアルミニウムと炭酸塩を含む水酸化マグネシウム)であり、特に好ましいのはブルサイトの使用である。炭酸マグネシウム、例えばドロマイト[CaCO・MgCO、Mr184.41]、マグネサイト(MgCO)、およびハンタイト[CaCO・3MgCO、Mr353.05]の混和物が許容される。
老化に関する限り、炭酸カルシウム(カルシウムおよびマグネシウムと炭酸塩の混合結晶の形又は化合物として)の存在は、事実有利であることが判り、1重量%〜4重量%の炭酸カルシウムの区分が有利であると考えられる(分析的なカルシウム含量は純粋な炭酸カルシウムに変換される)。多くのブルサイト(水滑石)の堆積物においては、カルシウムと炭酸塩が不純物としてチョーク、ドロマイト、ハンタイトまたはハイドロタルサイトの形で存在するが、水酸化マグネシウムにも慎重に混合され得る。このプラスの効果は多分酸の中和に由来する。これらの酸は、例えばポリオレフィン中の触媒残渣として一般に遭遇される塩化マグネシウムから形成される(例えばSpheripol法から)。接着性被膜からの酸性成分は同様にフィルムの中に移行し、老化を損なう。ステアリン酸カルシウムを添加することによって、炭酸カルシウムにより得られるものに類似の効果を得ることが可能であるが、比較的大量はこのような巻き線テープの接着性被膜の結合強さを低下させ、そして特に巻き線箔の逆面に対するこのような接着層の接着を低下させる。
特に好適な水酸化マグネシウムは、メディアン平均(Cilas法によりレーザー光散乱により求められるd50)を参照して、2μm以上、特に4μmに等しいか、あるいはそれより大きい平均粒子サイズを有するものである。この比表面積(BET)は、好ましくは4m/g(DIN66131/66132)以下である。慣用の湿式沈澱した水酸化マグネシウムは微粉砕される;一般に、この平均粒子サイズは1μm以下であり、この比表面積は5m/g以上である。粒子サイズ分布の上限のd97は、箔中の穴の発生と脆化を防止するように、好ましくは20μmを超えない。それゆえ、この水酸化マグネシウムは好ましくは篩い掛けされる。10〜20μmの直径の粒子の存在はフィルムに快いマット外観を与える。
好ましい粒子形態は、川の小石のそれに類似して不規則な球状である。それは好ましくは摩砕により得られる。特に好ましいのは、遊離脂肪酸、特にステアリン酸の存在下の乾式摩砕により製造された水酸化マグネシウムである。生成する脂肪酸被膜は、水酸化マグネシウムとポリオレフィンの混合物の機械的性質を増進し、炭酸マグネシウムのブルーミングを低減させる。同様に、脂肪酸塩(例えば、ステアリン酸ナトリウム)の使用は可能であるが、これから製造される巻き線箔は水分の存在下で電導性の増加を呈し、この巻き線箔が絶縁テープの機能も帯びる用途に対しては有害であるという欠点を有する。合成的に沈澱した水酸化マグネシウムの場合には、脂肪酸は常に水溶解性により塩の形で添加される。これは、本発明の巻き線箔に対しては沈澱したものよりも摩砕された水酸化マグネシウムが好ましいもう一つの理由である。
小板の形の水酸化マグネシウムはあまり好適でない。このことは規則的な(例えば6面体)および不規則な小板に当てはまる。
当業者には、微粉砕された合成水酸化マグネシウムは極めて純粋であり、難燃性は大きな粒子の場合よりも良好であるので、この使用は自明のことである。驚くべきことには、比較的大きな球状の粒子である摩砕水酸化マグネシウムからなる化合物は、カレンダーおよび押し出し操作において小さい小板形状粒子の摩砕水酸化マグネシウムからなる化合物よりも効果的に加工されるということが見出された。微粉砕された小板形状水酸化マグネシウムは大きな球状水酸化マグネシウムよりも実質的に高い溶融粘度を生じる。この問題は高メルトインデックス(MFI)のポリマーにより遭遇されることがあるが、これは特にブローフィルム押し出しとカレンダー加工に重要である溶融物の機械的安定性を損なう。好ましい態様においては、この箔はカレンダー上のロールから取り外すのが容易であるか、あるいは難燃性は合成水酸化マグネシウムの場合よりも若干劣るが、このフィルムバブルは当業者には好まれるようにブローフィルム押し出しの場合に安定である(溶融物チューブが破裂しない)。これは、特に柔軟なポリマーを前提とするが、充填剤含量を増やすことにより対応可能である。これは、柔軟なエチレンホモポリマーあるいはエチレンコポリマーであり得、これから製造される箔は熱安定性を増大するために好ましくは架橋される。この問題に対して本発明により提供される特定の解決策は、上記に示すように特に柔軟なポリプロピレンコポリマーである。この特定のポリマーによって、巻き線箔が用途に対して剛直で、非可撓性となり過ぎることなく、そしていかなる架橋も必要とすることなく、大量の、高いd50値の摩砕水酸化マグネシウムの場合においてさえ大量の充填剤を使用することが特別な程度で可能となる。高い使用温度の影響下の用途に対しては、合成水酸化マグネシウム中の重金属痕跡物は、老化に悪影響を及ぼし得るが、下記に特定される特定の老化防止剤組み合わせ物の使用により防止される。
難燃剤とカーボンブラックの量も巻き線箔が難燃性、遅燃焼性となるように高く選択される。FMVSS 302による水平試料についての火炎拡散速度は200mm/分以下、好ましくは100mm/分以下である;この巻き線箔の一つの卓越した態様において、この試料はこれらの試験条件下で自己消火性である。この酸素指数(LOI)は、好ましくは20%以上、特に23%以上、更に好ましくは27%以上である。水酸化マグネシウム(天然および合成の)を使用する場合には、この部分は好ましくは70〜200phr、特に110〜180phrである。これは、接着剤を含まない箔に関する難燃性を悪化させるが、感圧性接着層を有する好ましい態様にも当てはまる。
90phr以上の充填剤を使用する場合には、次の方法が好ましく、そして特許請求される:
*ポリマーと充填剤を混練機中でバッチあるいは連続操作(例えばバンバリーで)で混合する;別な部分をポリマーと既に均一化してある場合には、好ましくはこの充填剤の一部を添加する。
*ポリマーと充填剤を二軸押し出し機中で混合し、この充填剤の一部を使用して、予備コンパウンドを製造し、これを第2の混練段階でこの充填剤の残りと混合する。
*ポリマーと充填剤を二軸押し出し機中で混合し、例えばサイドフイーダーを使用して一点でなく、少なくとも2つの領域においてこの充填剤を押し出し機中に供給する。
箔の場合に慣用の更なる添加物、例えば充填剤、顔料、老化防止剤、核形成剤、衝撃変成剤または潤滑剤などが巻き線箔の製造に使用可能である。これらの添加物は、例えば「Kunststoff Taschenbuch」,HanserVerlag,edited by H.Saechtling,28th editionまたは「Plastic Additives Handbook」,Hanser−Verlag,edited by H.Zweifel,5th editionに記述されている。下記の備考においては、理解が困難である化学名を避けるために、それぞれのCASReg.No.を使用する。
本発明の主目的は高老化安定性と、加えてハロゲンと揮発性可塑剤の不使用である。述べたように、熱的な要求は増大し、改善対象の慣用のPVC巻き線箔またはPVCを含まないフィルム巻き線テープに対して耐久性の増大を達成しなければならない。適切に計量され、熟練により選択された老化防止剤組み合わせ(酸化防止剤と場合によっては金属不活性化剤)を使用することにより、高老化安定性が包括的に得られる。それゆえ、本発明はこのことを参照しながら下記に詳述される。
本発明の巻き線箔は、3000時間後少なくとも105℃の熱安定性を有し、これはこの貯蔵後、少なくとも100%の破断伸びがなお存在することを意味する。この箔は、136℃で20日間の貯蔵(加速試験)後少なくとも100%の破断伸びおよび/または170℃の耐熱性(30分)を更に有しなければならない。述べられた酸化防止剤と場合によっては金属不活性化剤を用いる一つの顕著な形において、2000時間後の125℃更には3000時間後の125℃が達成される。DOPをベースとする慣用のPVC巻き線箔は85℃(乗員室)の熱安定性を有し、ポリマー可塑剤をベースとする高性能製品は105℃(エンジン室)を達成する。
更には、この巻き線箔はポリオレフィンベースのケーブルシースと適合性がなければならない;言い換えれば、ケーブル/巻き線箔アセンブリーを貯蔵した後、巻き線箔、ケーブル絶縁物のいずれも脆化があってはならない。1つ以上の適切な酸化防止剤の選択によって、105℃、好ましくは125℃(2000時間、特に3000時間)での適合性と、140℃(168時間)の短期熱安定性を達成することが可能である。
適切な短期熱安定性と耐熱性に対する更なる必要条件は、ポリオレフィンの部分での充分な融点(少なくとも120℃)と、結晶子融点の若干上での溶融物の部分での充分な機械的安定性である。後者は、少なくとも80phrの充填剤含量に対する多くとも20g/10分、または少なくとも40phrの充填剤含量に対する多くとも5g/10分のメルトインデックスにより確保される。しかしながら、140℃以上の耐酸化性を得るのに決定的であるのは老化安定化であり、これは特にホスファイトなどの二次酸化防止剤により達成される。
巻き線箔と他のケーブルハーネス部品、例えばプラグおよびみぞ付き管の間の適合性は、同様に望ましく、そして特に添加物に対して配合物を適応させることにより同様に達成可能である。列挙され得るマイナスの例は、不適当なポリプロピレン巻き線箔と銅安定化されたポリアミドみぞ付き管との組み合わせ物である;この場合には、みぞ付き管と巻き線箔の両方は105℃で3000時間後脆化を起こした。
この巻き線箔はカレンダー上あるいは押し出しにより、例えばブローあるいはキャスト操作で製造される。これらの方法は、例えば「Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry」,6th ed.,Wiley−VCH2002に述べられている。主要成分またはこの成分の全部を含んでなるコンパウンドは、ニーダー(例えば、プランジャー混練機)または押し出し機(例えば、二軸あるいは遊星型ロール押し出し機)などの混練機中で製造され、次に固体の形(例えば、顆粒)に転化され、これは、次に、フィルム押出機、押し出し機、混練機またはカレンダー設備のロールミル中で溶融し、更に加工される。大量の充填剤は若干の不均質性(欠陥)を生じ、破壊電圧を急激に低下させる。それゆえ、この混合操作は、このコンパウンドから製造される箔が少なくとも3kV/100μmの、好ましくは少なくとも5kV/100μmの破壊電圧に達するように充分に行われなければならない。コンパウンドと箔を一操作で製造することが好ましい。この溶融物は混練機から押出機又はカレンダーに直接に供給されるが、所望ならば、例えばフィルター、金属検出器またはロールミル等の設備を経て供給され得る。この製造操作の過程で、良好な手での引き裂き性、1%伸びにおける低い力の値、および低い収縮を得るために、この箔はできるだけ少なく配向される。この理由により、カレンダー法が特に好ましい。
高温貯蔵(タルク層上に置いて125℃においてオーブン中30分)後のマシン方向での巻き線箔の収縮は5%未満、好ましくは3%未満である。
本発明の巻き線箔の機械的性質は次の範囲にある:
*300%〜1000%の、更に好ましくは500%〜800%のマシン方向における破断伸び、
*4〜15の、更に好ましくは5〜8N/cmの範囲のマシン方向における破断強さ。
この箔はデータを求めるために鋭いブレードを用いてサイズに切断されたものである。
好ましい態様においては、巻き付けられた末端を接着剤テープ、ワイヤまたは結び目に
より固定する必要性を避けるために、巻き線箔は、片面あるいは両面に、好ましくは片面にシール性あるいは感圧接着性被膜を有している。この接着層の量は、各々の場合、10〜40g/m、好ましくは18〜28g/mである(すなわち、必要ならば、水または溶剤の除去の量;この数値はμmでの厚さにもほぼ対応する)。接着性被膜付きの一つの場合には、厚さに対して、そして厚さに依存する機械的性質に対してここで与えられる数値は、接着層またはこの接着層と関連して有利である他の層を考慮に入れずに、もっぱら巻き線箔のポリプロピレン含有層を指す。この被膜は全体の面積を被覆する必要はなく、部分被覆用にも構成され得る。挙げてもよい例は、各側縁に感圧性接着剤細片を付けた巻き線箔である。この箔は切り離されて、ほぼ長方形のシートを形成することができ、これはケーブル束に1つの接着剤細片により接着され、次にもう一方の接着剤細片がこの巻き線箔の逆面に結合可能となるまで巻き付けられる。この種のホース様の外皮は、パッケージングのスリーブ形に類似して、巻き付けの結果としてケーブルハーネスの可撓性の劣化が実質的に存在しないという利点を有する。
好適な接着剤は、すべての慣用のタイプ、特にゴムをベースとするものを含む。この種のゴムは、例えば、イソブチレン、1−ブテン、酢酸ビニル、エチレン、アクリルエステル、ブタジエンまたはイソプレンのホモポリマーまたはコポリマーであり得る。特に好適な配合物は、アクリルエステル、酢酸ビニルまたはイソプレンをベースとするポリマーをベースとするものである。
この性質を最適化するために、使用される自己接着剤体を1つ以上の添加物、例えば粘着性付与剤(樹脂)、可塑剤、充填剤、難燃剤、顔料、UV吸収剤、光安定剤、老化防止剤、光開始剤、架橋剤または架橋促進剤とブレンドしたものとすることが可能である。粘着性付与剤は、いくつか挙げれば、例えば炭化水素樹脂(例えば、不飽和のC5〜C9モノマーをベースとするポリマー)、テルペン−フェノール系樹脂、例えばα−あるいはβ−ピネンなどの原料から形成されるポリテルペン樹脂、芳香族樹脂、例えばクマロン−インデン樹脂、またはスチレンまたはα−メチルスチレンをベースとする樹脂、例えばロジンおよびその誘導体、不均化、二量化あるいはエステル化された樹脂、例えばグリコール、グリセロールまたはペンタエリスリトールとの反応生成物であり、そして更なる樹脂(例えば、「UllmannsEnzylopadie der technischen Chemie」,Volume12,pages 525〜555(4th ed.),Weinheimに述べられているような)でもある。易酸化型二重結合の無い樹脂、例えばテルペン−フェノール系樹脂、芳香族樹脂が好ましく、水素化により製造される樹脂、例えば水素化芳香族樹脂、水素化ポリシクロペンタジエン樹脂、水素化ロジン誘導体または水素化テルペン樹脂が特に好ましい。
好適な充填剤および顔料の例は、二酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、ケイ酸塩またはシリカを含む。好適な混和性可塑剤は、例えば脂肪族、脂環式および芳香族の鉱油、フタル酸、トリメリット酸又はアジピン酸のジエステルあるいはポリエステル、液体ゴム(例えば、低分子量のニトリルゴムまたはポリイソプレンゴム)、ブテンおよび/またはイソブテンの液体ポリマー、アクリルエステル、ポリビニルエーテル、粘着性付与剤樹脂の原料をベースとする液体樹脂および軟質の樹脂、ラノリンおよび他のワックスまたは液体シリコーンである。架橋剤の例は、イソシアネート、フェノール系樹脂またはハロゲン化されたフェノール系樹脂、メラミン樹脂およびホルムアルデヒド樹脂を含む。好適な架橋促進剤は、例えばマレイミド、トリアリルシアヌレートなどのアリルエステル、およびアクリル酸およびメタクリル酸の多官能性エステルである。老化防止剤の例は、例えば商品名Irganox(登録商標)の下に知られている立体障害フェノールを含む。
剪断強度(例えば、保持力として表される)が増大し、貯蔵時のロールにおける変形傾
向(テレスコーピングまたはギャップとも呼ばれるキャビティの形成)が低下するので、架橋は有利である。感圧性接着剤体の浸出も低下する。このことは、ロールの不粘着性の側縁とケーブルの周りにらせん状に巻きつけられた巻き線箔の場合の不粘着性の縁に明白に示される。保持力は好ましくは150分以上である。
鋼に対する結合強度は1.5〜3N/cmの範囲にあるべきである。
要約すれば、この好ましい態様は、片面に共押出、メルト被覆またはディスパージョン被覆の結果として生じた溶剤を含まない自己接着剤体を有する。ディスパージョン接着剤、特にポリアクリレートベースのものが好ましい。
巻き線箔上の接着剤体の接着性を改善し、それによってロールの巻き戻し時の箔の逆側への接着剤の移行を防止するために、巻き線箔と接着剤体の間のプライマー層の使用が有利である。
使用可能なプライマーは、例えばイソプレンまたはブジエンゴムおよび/または環化ゴムをベースとした既知のディスパージョンおよび溶剤をベースとした系である。イソシアネートあるいはエポキシ樹脂添加物は接着性を増大させ、特に感圧性接着剤の剪断強度も増大させる。火炎、コロナまたはプラズマなどの物理的な表面処理、または共押し出し層は、同様に接着性の改善に好適である。溶剤を含まない接着層、特にアクリレートをベースとするものにこのような方法を適用することが特に好ましい。
逆面は既知の剥離剤(適切である場合には、他のポリマーとブレンドされた)により被覆可能である。例は、ステアリル化合物(例えば、ポリビニルステアリルカーバメート、CrまたはZrなどの遷移金属のステアリル化合物、およびポリエチレンイミンとステアリルイソシアネートから形成される尿素)、ポリシロキサン(例えば、ポリウレタンとのコポリマーあるいはポリオレフィン上のグラフトコポリマーとして)、および熱可塑性フルオロポリマーである。用語ステアリルは、少なくとも10のC数を有するすべての線状あるいは分岐したアルキルあるいはアルケニル、例えばオクタデシルなどに対する同義語である。
慣用の接着剤体の説明と、そして逆面の被膜およびプライマーの説明も例えば「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」,D.Satas,(3rd edition)に見られる。一つの態様においては、この記述された逆相のプライマーの被覆および接着剤の被覆が共押し出しにより可能である。
しかしながら、この箔の逆面の構成も巻き線箔の逆面への接着剤体の接着性を増大させる役割をなし得る(例えば、巻き戻し力を制御するために)。例えば、アクリレートポリマーをベースとするものなどの極性接着剤の場合には、ポリプロピレンポリマーをベースとするフィルムへの逆面の接着性は、しばしば充分でない。巻き戻し力を増大させる目的で、コロナ処理、火炎前処理または極性原料による被覆/共押し出しによって極性の逆面の表面が得られる態様が主張されている。別法として主張されているのは、スリット化前にログ製品がコンディショニングされた(高温状態下で貯蔵された)巻き線箔である。両方の方法も組み合わせで使用され得る。本発明の巻き線箔は、300mm/分の巻き戻し速度において好ましくは1.2〜6.0N/cmの、極めて好ましくは1.6〜4.0N/cmの、特に1.8〜2.5N/cmの巻き戻し力を有する。このコンディショニングはPVC巻き線テープの場合には既知であるが、異なる理由によるものである。部分結晶性ポリプロピレンコポリマーフィルムと反対に、可塑化PVCフィルムは広い軟化範囲を有し、接着剤体が移行性可塑剤により低い剪断強度を有するので、PVC巻き線テープは
テレスコーピングを起こす傾向がある。この材料をスリット化の前に比較的長時間貯蔵するか、あるいはコンディショニング(限定された時間高温条件下での貯蔵)に短く暴露すると、芯がロールから側部に押し出される不利なロールの変形が防止可能である。しかしながら、本発明の方法においては、このコンディショニングの目的は、この接着剤体がPVCに比較してポリプロピレンに対する極めて低い逆面の接着性を呈するので、非極性ポリプロピレンの逆面とポリアクリレートまたはEVAなどの極性接着剤体により材料の巻き戻し力を増大させることである。通常使用される接着剤体は極性のPVC表面に対して充分に高い接着性を有するので、コンディショニングまたは物理的な表面処理による巻き戻し力の増大は可塑化PVC巻き線テープについては不必要である。ポリオレフィン巻き線箔の場合には、逆面の接着性の意味は特に顕著である。1%伸びにおける力が大きい(在来の可塑剤が存在しないことと、難燃剤により)ために、貼り付けのための巻き戻し時に充分な延伸をもたらすために、PVCフィルムに比較して極めて大きな逆面の接着性と巻き戻し力が必要だからである。それゆえ、この巻き線箔の好ましい態様は、卓越した巻き戻し力と巻き戻し時の延伸を得るために、コンディショニングまたは物理的な表面処理により製造され、300mm/分における巻き戻し力は、好ましくはこのような手段無しのものよりも少なくとも50%だけ大きい。
接着性被膜の場合には、後結晶化を起こして、ロールがテレスコーピングに対するいかなる傾向も獲得する(恐らく、この箔は結晶化時に収縮するために)ことがないように、巻き線箔は、好ましくは前もって少なくとも3日間、更に好ましくは少なくとも7日間貯蔵される。好ましくは、この被覆設備上の箔は、PVC巻き線箔には慣用的ではないが、レベリングの目的で加熱ローラーの上を案内される(フラットライを改善する)。
通常、ポリエチレンおよびポリプロピレンフィルムは手で引き裂くこと、あるいは引き剥がすことができない。部分結晶性材料として、これらは、容易に延伸可能であり、それゆえ一般に500%を超える高い破断伸びを有する。このようなフィルムを引き裂くことを試みると、起こることは、引き裂きではなく、延伸である。大きい力でもこの典型的に高い破断力を必ずしも克服し得ない。このことが起きても、生じる引き裂きは良好な外観でなく、いずれの末端においても薄い、狭い「テール」が形成されるので、結合には使用不能である。また、大量の充填剤が破断伸びを低下させるとしても、この問題は添加物によっても除去不能である。ポリオレフィンフィルムを二軸延伸する場合には、引き裂き性のメリットとしてこの破断伸びは50%以上低下する。しかしながら、1%における力の値のかなりの増加があり、そして力/伸び曲線がかなり急峻になるので、この方法を軟質の巻き線箔に移す試みは失敗した。このことの結果は、巻き線箔の可撓性と形状順応性が著じるしく損なわれるということである。更には、このような高充填剤含量のフィルムは、引き裂き回数が多いことによって、工業的な製造において延伸することが実質的に不可能であることが判明した。
驚くべきことには、ロールを変換している場合には、スリット化により解決策が見出された。巻き線箔のロールを製造する過程で、顕微鏡的に見ると、箔中にクラックを形成し、次に引き裂きの伝播を疑い無く促進する粗いスリット縁が製造される。特にベール形の製品(ジャンボロール、長尺ロール)に対して鋭利でない回転ナイフまたは規定された鋸歯付きの回転ナイフによる圧潰スリット化を使用することによって、あるいはログ形(製造幅および在来の販売する長さのロール)の製品に対して固定されたブレードまたは回転ナイフにより分断スリット化することによって、このことが可能である。この破断伸びはブレードとナイフの適切な研磨により調整可能である。鋭利でない固定ブレードを用いる分断スリットによりログ製品を製造することが好ましい。スリット化の直前にこのログロールを冷却することにより、スリット化操作時にクラックの形成を更に改善することが可能である。好ましい態様においては、この特別にスリットされた巻き線箔の破断伸びは、鋭いブレードによりスリットした場合少なくとも30%だけ低い。鋭利なブレードによるスリットされる特に好ましい箔の場合には、この破断伸びは500%〜800%である;スリットの過程で側縁が規定された損傷を受ける箔の態様においては、破断伸びは200%と500%の間である。
巻き戻し力を増大させるために、ログ製品を前もって高温条件下で貯蔵にかけることができる。布、ウエブまたはフィルムキャリア(例えば、PVC)付きの在来の巻き線テープは、剪断(2つの回転ナイフの間で)、分断(固定あるいは回転ナイフをこの製品の回転ログロールに中に押し込む)、ブレード(鋭いブレードに通す過程でウエッブを分割する)または圧潰(回転ナイフとローラーの間で)によりスリットされる。スリットの目的は、ジャンボあるいはログロールからシール可能なロールを製造することであるが、手での引き裂き性を容易にする目的で粗いスリット縁を製造することではない。PVC巻き線箔の場合には、軟質の箔の場合にはこの方法が経済的であるので、分断スリットが全く慣用的である。しかしながら、PVC材料の場合には、ポリプロピレンと違って、PVCが非晶質であり、それゆえ引き裂き時に延伸されず、僅かに伸長されるだけなので、手による引き裂き性が与えられる。このPVC箔はさほど容易に引き裂けないので、最適の製造速度に逆行する箔の製造の過程での適切なゲル化に注意が払われなければならない;それゆえ、多くの場合、63〜65のK値の標準的なPVCの代わりに、70以上のK値に対応する高分子量の材料が使用される。それゆえ、本発明のポリプロピレン巻き線箔については、分断の理由はPVCで作製したものの場合と異なる。
本発明の巻き線箔は、長い材料、例えば通気パイプ、車両のフィールドコイルまたはケーブルルームの巻き付けに特に好適である。
高い可撓性によって、リベット、ビーズおよび折り目に対する良好な形状順応性が確保されるので、本発明の巻き線箔は、同様に、他の用途、例えばエアコンディショニング設備の通気パイプに好適である。ハロゲン化された原料を使用しないために今日の職業衛生および環境要求が充たされる;この量が小さく、フォギング数が90%以上でない限り、同じことが揮発性可塑剤にも成り立つ。このような巻き線テープを含む廃棄物からの熱の回収(例えば、車両リサイクリング物からのプラスチック部分の焼却)にとってハロゲンが存在しないことは極めて重要である。この原料のハロゲン含量が低く、難燃性において役割を果たさないという意味で本発明の製品はハロゲンを含まない。不純物工程内添加物(フルオロエラストマー)の結果として、あるいは触媒(例えば、ポリマーの重合から)の残渣として生じ得る痕跡量のハロゲンは無視されたままである。ハロゲンの除去には、易燃焼性が伴い、これは、家庭用品などの電気的な用途または車両における安全要求と合致しない。慣用のPVC代替材料、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアミドまたはポリイミドを巻き線箔に使用する場合の可撓性が不足する問題は、対象の発明においては、揮発性可塑剤によってでなく、代わりに低曲げモジュラスのポリオレフィン、例えば軟質PPコポリマーの使用により解決される。それゆえ、完全な脆化の点まで可撓性を著しく損なうことが知られている難燃効果を有する充填剤を使用することすら可能であることは特に驚くべきことである。ワイヤおよびケーブルへの用途は、らせん状巻き付けのみならず、分岐点、プラグまたは締め付けクリップにおける折り目なしの曲線可撓性巻き付けを必要とするので、可撓性は決定的に重要である。更には、巻き線箔はケーブルストランドを一緒に弾性的に引っ張ることが望ましい。この挙動は、また、送気パイプのシールにも必要とされる。これらの機械的性質は柔軟な可撓性の巻き線テープによってのみ達成可能である。PVCの場合には、難燃剤は全く、あるいは低レベルしか必要とせず、可撓性は慣用の可塑剤により容易に得られるので、比較的大量の難燃剤にも拘わらず必要とされる可撓性を達成する目的は、ポリオレフィン巻き線テープの場合PVCの場合よりも解決するのが更に困難であるが、本発明の巻き線箔により解決される。
試験方法
この測定は23±1℃と50±5%相対湿度の試験条件の下で行われる。
カーボンブラックのpHはこの分野で慣用であるようにDIN EN ISO 787−9により求められる。
ポリマーの密度はISO 1183により、そして曲げモジュラスはISO 178により求められ、そしてそれぞれg/cmとMPaで表される(ASTM D 790による曲げモジュラスは異なる試料寸法に基づくが、この結果は数として比較可能である)。メルトインデックスはISO 1133により試験され、g/10分で表される。市場の標準であるように、この試験条件は、結晶性ポリプロピレンを含有するポリマーに対しては230℃および2.16kgであり、結晶性ポリエチレンを含有するポリマーに対しては190℃および2.16kgである。結晶子融点(Tcr)はMTM15902(Basell法)またはISO3146によるDSCにより求められる。
充填剤の平均粒子サイズはCilas法によるレーザー光散乱により求められ、臨界的な数字はd50メディアン値である。
充填剤の比表面積(BET)はDIN 66131/66132により求められる。
巻き線箔の引っ張り伸び挙動はタイプ2の試験試料(150mm長および可能限り15mm幅の長方形の試験細片)についてDIN EN ISO527−3/2/300により求められ、試験速度は300mm/分であり、クランプされた長さは100mmであり、そして予備張力の力は0.3N/cmである。粗いスリット縁の試料の場合には、縁は引っ張り試験の前に鋭いブレードにより整えられなければならない。これから外れて、1%伸びにおける力または張力を求めるためには、測定は、モデルZ010の引っ張り試験機(製造者:Zwick)で10mm/分の試験速度および0.5N/cmの予備張力の力により行われる。1%における値は評価プログラムにより若干影響を受け得るので、試験機が特定される。特記しない限り、引っ張り伸び挙動はマシン方向(MD)で試験される。力はN/細片幅で、そして張力はN/細片断面で、破断伸びは%で表される。この試験結果、特に破断伸び(破断時の伸び)は充分な数の測定により統計的に確認されなければならない。
結合強度は(可能な限り)15mm幅である試験細片についてAFERA 4001により180°の剥離角度で求められる。特定される任意の他の基材の不在下でAFERA標準鋼板が試験基材として使用される。
巻き線箔の厚さはDIN 53370により求められる。感圧性接着層は測定される合計の厚さから差し引かれる。
保持力はPSTC 107(10/2001)により求められ、荷重は20Nであり、そして結合面積の寸法は20mm高で13mm幅である。
巻き戻し力はDIN EN 1944により300mm/分で測定される。
破断力、破断伸びおよび張力下の衝撃強さ(すべて、マシン方向で測定される)が実質的に影響するが、手による引き裂き性は数により表現不能である。
評価:
・+++=極めて容易、
・++=良好、
・+=なお加工可能、
・−=加工困難、
・−−=力を強く加えることによってのみ引き裂き可能;末端は整っていない、
・−−−=加工不能
この難燃性能は水平な試料についてMVSS 302により測定される。片面の感圧性接着剤被膜の場合には、この面が上を向く。更なる方法として、酸素指数(LOI)の試験が行われる。この目的の試験はJISK7201の条件下で行われる。
熱安定性はISO/DIN 6722に基づく方法により求められる。オーブンはASTM D 2436−1985により1時間に175回の空気交換で運転される。試験時間は3000時間にのぼる。選択される試験温度は85℃(クラスA)、105℃(クラスBに類似するが、100℃でない)、および125℃(クラスC)である。加速老化は136℃で行われ、破断時の伸びが20日間の老化後少なくとも100%であるならば試験は合格である。
適合性試験の場合には、自動車用のポリオレフィン絶縁(ポリプロピレンまたは照射架橋ポリエチレン)付きの市販の慣用のリード(ケーブル)について高温条件下の貯蔵が行われる。この目的には、試料は50%の重なりをもって巻き付けることにより3〜6mmの断面と350mmの長さの5つのリードから巻き線箔と共に作製される。この試料を強制通気のオーブン中で3000時間(熱安定性試験用の条件)老化させた後、この試料は23℃でコンディショニングされ、ISO/DIN 6722によりマンドレルの周りに手で巻き付ける;5mmの直径を有し、荷重は5kgの質量を有し、そして巻き付け速度は1秒当たり1回転である。引き続いて、この試料は巻き線箔中、および巻き線箔の下のワイヤ絶縁中の欠陥に対して検査する。クラックがワイヤ絶縁中に見られる場合、特にマンドレル上で曲がる前でも明白に見られる場合には試験は不合格である。巻き線箔がクラックを有するか、あるいはオーブン中で溶融した場合には、この試験は同様に不合格として分類される。125℃の試験の場合には、ある場合には試料は異なる時点でも試験された。個別の場合に特記しない限り、この試験時間は3000時間である。
短期の熱安定性は、ISO 6722に述べられているように、0.5mmの断面積のタイプTWのワイヤ19本を含んでなるケーブル束について測定される。この目的に、巻き線箔はケーブル束上に50%の重なりで巻き付けられ、そしてケーブル束はマンドレルの周りに80mmの直径で曲げられ、強制通気のオーブン中に140℃で貯蔵される。168時間後、この試料はオーブンから取り出され、損傷(クラック)に対して検査される。
耐熱性を求めるためには、巻き線箔は170℃で30分間貯蔵され、室温で30分間冷却し、そして少なくとも3巻きおよび50%の重なりでマンドレルの周りに10mmの直径で巻き付けられる。その後、この試料は損傷(クラック)に対して検査される。
低温試験の場合には、この上述の試料はISO/DIS 6722に基づく方法で−40℃まで4時間冷却され、そしてこの試料はマンドレル上に5mmの直径で手で巻き付けられる。この試料は接着剤テープ中の欠陥(クラック)に対して検査される。
この破壊電圧はASTM D 1000により測定される。採用される数値は試料がこの電圧に1分間耐える最高値である。この数値は100μmの試料厚さに変換される。
実施例:
200μm厚の試料は6kVの最大電圧に1分間耐える;計算される破壊電圧は3kV/100μmとなる。
フォギング数はDIN 75201Aにより求められる。
次の実施例はこの範囲を限定するのでなく、本発明を例示するように意図されているものである。
内容:
*実験に使用される原材料の表への要約
*実施例の説明
*実施例の結果の表への要約
*比較例の説明
*比較例の結果の表への要約
Figure 2007514008
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キャリア箔を製造するために、100phrのポリマーA、10phrのVinnapas B10、150phrのMagnifin H5GV、15phrのFlammrus 101、0.8phrのIrganox 1010、0.8phrのIrganox PS 802および0.3phrのIrgafos 168を共回転二軸押し出し機中で最初に混練する。Magnifinの1/3を領域1、3、および5中にそれぞれ添加する。
このコンパウンド溶融物を押し出し機のダイからロールミルに取り、そこからストレーナーに通し、引き続いてコンベヤベルトにより「逆L」タイプのカレンダーのニップにフィードする。カレンダーロールの助けをかりて、平滑な表面を有する箔を1500mmの幅および0.08mm(80μm)の厚さに形成し、そして熱固定ロール上で後結晶化させる。この箔を1週間貯蔵し、平らな横たわりを改善するために、ロール付きの被覆設備上で60℃で平坦化し、そしてコロナ処理に続いて、被覆ナイフにより24g/mの塗布割合で水性のアクリレートPSAのPrimalPS83Dによって被覆する。接着剤の層を乾燥トンネル中70℃で乾燥する;仕上がった巻き線箔を1インチコア(25mm)上33mの走行長を有するログロールに巻き取る。ログロールを極めて鋭利でない角度の固定ブレード(真っ直ぐなナイフ)によって29mm幅のロールに分断することにより、スリットを行う。以降の実施例の場合におけるように、部分スリットにおいては本発明の説明に示した理由によって自動的な器具を使用する。
充填剤部分が高いにも拘わらず、この自己接着性巻き線箔は良好な可撓性を呈する。更には、酸素含有ポリマーを添加しなくとも、極めて良好な難燃性が得られる。老化安定性と、PPおよびPAケーブルとポリアミドみぞ付き管の適合性は卓越している。
次の点を変更して、実施例1におけるように製造を行う:コンパウンドは、100phrのポリマーA、125phrの水滑石15μ、15phrのアセチレンブラック非圧縮AB−UC、0.8phrのIrganox 1010、0.1phrのIrganox
PS 802、0.1phrのSumilizer TPM、0.1phrのSumilizer TPL−R、0.1phrのSumilizer TP−D、0.3phrのIrgafos 168および1phrのIrganox MD1024からなる。この水滑石の1/2を領域1および5中にそれぞれ添加する。
このコンパウンドから製造されるキャリア箔を片面で火炎前処理にかけ、そして10日間の貯蔵後ロール塗布機によって50m/分でAcronalDS3458により被覆する。このキャリア上の温度負荷を冷却した逆圧ローラーにより低減する。塗布割合は約35g/mである。それぞれ120W/cmの6個の中圧Hgランプを備えたUVユニットにより照射することにより、適切な架橋をインラインで巻き取り前に行う。照射したウエブを巻き取って、1.25−インチのコア(31mm)上の33mの走行長のログロールを形成する。巻き戻し力を増大させる目的で、ログロールをオーブン中60℃で5時間コンディショニングする。ログロールを固定ブレード(真っ直ぐなナイフ)によって25mm幅のロールに分断することにより、スリットを行う。
23℃で3ケ月の貯蔵後で、老化防止剤はこの箔から染み出さなかった。それに対して、実施例1からの箔は薄い被膜を有し、これは分析によりIrganox PS 802からなることが判明する。
この巻き線箔は実施例1からの箔よりも可撓性が大きいことを特徴とする。火炎拡散速度はこの用途に充分以上である。この箔は軽度のマット表面を有する。適用に関して、2本の指をこのコア中に入れることができ、このことは実施例1と比較して適用を容易にする。
次の点を変更して、実施例1におけるように製造を行う:このコンパウンドは、80phrのポリマーA、20phrのEvaflex A 702、120phrのSecuroc B 10、0.2phrの炭酸カルシウム、8phrのThermax Ultrapure N 991、0.8phrのIrganox 1010、0.8phrのIrganox PS 802および0.3phrのIrgafos 168からなる。
カレンダーの巻き取りステーションの前でこのフィルムをコロナ処理し、そして接着剤
の面でRikidyne BDF 505(固体含量基準で計算してこの接着剤100重量部当たり1重量%のDesmodur Z 4470MPA/Xを添加して)を23g/mで塗布する。接着剤を加熱トンネル中で乾燥し、その過程で化学架橋し、そして乾燥機の終わりで、ジャンボロールに巻き取り、1週間後非被覆面におだやかにコロナ処理し、そしてその段階で再巻き取りして、25mの走行長のログロールを得る。これらのログロールをオーブン中100℃で1時間貯蔵する。若干鈍い回転ナイフ(丸いブレード)によって15mm幅のロールに分断することにより、このログロールをスリットする。
この巻き線箔はバランスの取れた性質を特徴とし、そして軽度のマット表面を有する。この保持力は2000分(この時点で、測定を終了した)以上である。この破断伸びはブレードスリットによる試料の場合よりも36%低い。この巻き戻し力はコンディショニング無しの試料の場合よりも25%高い。
次の点を変更して、実施例1におけるように製造を行う:このコンパウンドは、100phrのポリマーA、120phrのMagnifin H5GV、10phrのFlammrus 101、2phrのIrganox 1010、1.0phrのIrganox PS 802および0.4phrのIrgafos 168からなる。
1週間の一時的な貯蔵の後、この箔を片面で火炎前処理し、Airflex EAF 60により30g/m(乾燥塗布)で被覆する。このウエブを最初にIRランプにより乾燥し、次にトンネル中100℃で完結させる。引き続いて、このテープを巻き取って、ジャンボロール(大きいロール)を形成する。更なる操作においては、このジャンボロールを巻き戻し、巻き戻し力を増大させる目的でこの巻き線箔の非被覆面をスリット機中で弱いコロナ処理にかけ、そして鈍い圧潰切断により加工して、1.5インチコア(37mm内径)上で19mm幅で33m長のロールを得る。この破断伸びはブレード切断による試料の場合よりも48%低い。この巻き戻し力はコロナ処理無しの試料の場合におけるよりも60%高い。適用に関して、2本の指をこのコア中に入れることができ、このことは実施例1と比較して適用を容易にする。
このコンパウンドをカーボンブラック無しでピン押し出し機(Buss)で製造し、水中で顆粒化する。乾燥後、このコンパウンドをコンクリートミキサー中でカーボンブラックマスターバッチと混合する。
次の配合物を用いて、キャリアフィルムをブローフィルム押し出しラインにより製造する:100phrのポリマーB、100phrの水滑石15μ、20phrの50%Raven 22と50%ポリエチレンのマスターバッチ、0.8phrのIrganox 1076、0.8phrのIrganox PS 800、0.2phrのUltranox 626および0.6phrのNaugard XL−1。このフィルムバブルをスリットし、三角定規により開いて、平坦なウエブを得、これをヒートセット部経由で案内し、片面をコロナ処理し、そして後結晶化させるために1週間貯蔵する。平坦化(平らな横たわりの改善)のために、被覆ラインの5本の予熱ロール上にこのフィルムを案内し、感圧性接着剤による以外実施例1と同一の方法で被覆し、次にログロールを65℃で5時間コンディショニングし、そして実施例1におけるようにスリットする。
ヒートセット無しでは、このフィルムは乾燥操作時に著しい収縮(幅で5%、長さは測定せず)を呈する。新しく製造されたフィルムの平坦さは良好であり、そしてこれを押し出し直後に被覆した;残念なことには、23℃で3週間の貯蔵後、このロールは著しいテレスコーピングを既に起こしていた。この問題は、また、ログロールのコンディショニン
グ(70℃で10時間)によっても解消不能である。
この後、このフィルムを被覆前に1週間貯蔵する;このロールのテレスコーピングは単に部分的なものであるが、被覆の過程において平坦さが劣っていて、接着剤の塗布が不規則であって、予熱ロールをライン上に設置した。
このフィルムは良好な耐熱性を特徴とする。すなわち、170℃で30分間更に貯蔵した場合融解または脆化を起こさない。
次の点を変更して、実施例1におけるように製造を行う:このフィルムは、80phrのポリマーC、20phrのEscorene UL 00119、130phrのKisuma 5A、20phrのFlammrus 101、0.8phrのIrganox 1010、0.8phrのIrganox PS 802および0.3phrのIrgafos 168を含有する。
このキャリア箔を片面でコロナ処理し、1週間貯蔵する。天然ゴム、環化ゴムおよび4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン(溶剤:トルエン)を含んでなる0.6g/mの接着促進剤層によりこの前処理した面を被覆し、乾燥する。コンマバーを18g/m(固体ベースで)の塗布割合で用いて、接着剤体の被膜を接着促進剤層に直接塗布する。この接着剤体は、30重量パーセントの固体含量のn−ヘキサン中の天然ゴム接着剤体の溶液からなる。これらの固体は、50部の天然ゴム、10部の酸化亜鉛、3部のロジン、6部のアルキルフェノール系樹脂、17部のテルペン−フェノール系樹脂、12部のポリ−β−ピネン樹脂、1部のIrganox 1076酸化防止剤および2部の鉱油からなっている。この以降の被膜を乾燥トンネル中100℃で乾燥する。この直下流で、鋭利なブレード付きのナイフバーを特徴とする複合自動スリッター中で19mmの距離でこのフィルムをスリットして、標準的な接着テープコア(3インチ)上にロールを形成する。
充填剤区分が高いにも拘わらず、この巻き線箔は、1%伸びにおける低い力の値に反映される良好な可撓性を呈する。この巻き線箔は可塑化PVC巻き線テープのそれに類似した機械的性質を有し、難燃性と熱安定性の点で卓越さえしている。この保持力は1500分であり、そして30m/分(300mm/分でない)における巻き戻し力は5.0N/cmである。フォッギング数は62%である(恐らく、接着剤中の鉱油の結果として)。ロールの直径が大きいために、ロールは巻き付けボードとケーブルハーネスの間で斜めにのみ引き通し可能であり、巻き付け中に折り目を生じる。
Figure 2007514008
比較例1
ランプブラックを除外することを除いて、比較例2からの箔を実施例1に特定されるように製造する。
比較例2
アセチレンブラックを水滑石(すなわち、120phrの代わりに135phr)により置き換えることを除いて、比較例2からの箔を実施例1に特定されるように製造する。
比較例3
Singapore Plastic Products PteからのF2104Sの商品名の絶縁テープ用の慣用のフィルムを用いて、被覆を行う。この製造者によれば、このフィルムは、約100phr(樹脂100部当たりの部数)の63〜65のK値のサスペンジョンPVC、43phrのDOP(ジ−2−エチルヘキシルフタレート)、5phrの三塩基性硫酸鉛(TLB、安定剤)、25phrの摩砕チョーク(脂肪酸被膜付きのBukit Batu Murah Malaysia)、1phrのファーネスブラックおよび0.3phrのステアリン酸(潤滑剤)を含有する。この公称の厚さは100μmであり、そして表面は平滑であったが、マットである。
Four Pillars Enterprise(Taiwan)からのプライマーY01(分析的にはトルエン中のアクリレート変成SBRゴム)、そしてその上に23g/mのFour Pillars Enterprise(Taiwan)からの接着剤IV9(分析的に決定可能な主要成分:SBRと天然ゴム、テルペン樹脂およびアルキルフェノール系樹脂、トルエン中)を片面に塗布する。乾燥機の直下流で、鋭利なブレード付きのナイフバーを有する複合自動スリッター中で25mmの間隔でこのフィルムをスリットする。
可塑剤の蒸発の結果として、この試料は小片に崩壊していたので、105℃で3000時間後の破断時の伸びは測定不能である。85℃で3000時間後、破断伸びは150%である。
比較例4
EP 1 097 976A1の実施例4を再試験する。
80phrのCataloyKS−021P、20phrのEvaflex P1905、100phrのMagshizu N−3、8phrのNorvaexcel F−5および2phrのSeast 3Hの原材料を混練機中で練り、このコンパウンドを顆粒化するが、混合時間は2分間である。
予備実験で、4分の混合時間によってこのコンパウンドのメルトインデックスは30%増加することが判明する(ホスファイト安定剤が存在しないこと、あるいはこのポリプロピレンポリマーのメルトインデックスが極めて低いので、機械的分解が大きいことによるのであろう)。充填剤を前もって乾燥し、そして通気装置を混練機の上に配置するが、混練時に刺激的なホスフィン臭がライン上に生成する。
引き続いて、実施例7に述べたように(3つの押し出し機をすべて同一のコンパウンドによりフィードする)、キャリアフィルムを押し出しによりスロットダイとチルロールによって0.20mmの厚さで製造し、この押し出し機の回転速度をフィルムが2m/分の速度に達するまで低下させる。予備実験においては、ラインが過大な圧力(過大な粘度)によりシャットダウンするので、実施例7におけるように30m/分の速度を得ることは可能でない。更なる予備実験においては、このフィルムを10m/分で製造する;マシン方向と交差方向での機械的データは強い長さ方向の配向を示し、被覆の過程でマシン方向の20%の収縮により確認される。それゆえ、この実験を更に低い速度により繰り返し、それによって技術的に無欠点(汚点が存在しないことを含む)であるが、経済的に受け入れ難いフィルムを得た。
接着剤(この接着剤の組成は再試験された特許の実施例の元の接着剤のそれと類似して
いる)を30g/mで塗布することを除いて、被覆を実施例3と同一の方法で行う。乾燥機の直下流で、鋭利なブレード付きのナイフバーを用いてのフィルムを25mm幅の細片に分割し、そして同一の操作においてロールに巻く。
この自己接着性の巻き線テープは可撓性の欠如が顕著である。実施例5あるいは6と比較して、比較例2の剛性はそれぞれ4030%あるいは19000%高い。
既知のように、この剛性は厚さと1%伸びにおける力(弾性率に比例する)から容易に計算可能である。これが含有する赤リンと比較的大きい厚さのために、この試料は極めて良好な防火性能を呈する(注記:LOI値は0.2mm厚さの接着剤つきの試料について測定されたものであり、引用特許中の30%のLOIは接着剤なしの3mm厚の試験試料から出たものである)。
比較例5
WO97/05206A1の実施例Aを再試験する。
コンパウンドの製造は述べられていない。それゆえ、9.59phrのEvatane
2805、8.3phrのAttane SL 4100、82.28phrのEvatane 1005 VN4、74.3phrのMartinal 99200−08、1.27phrのIrganox 1010、0.71phrのAMEO T、3.75phrのブラックマスターバッチ(60重量%のMFI=50のポリエチレンと40重量%のFurnace Seast 3Hから製造される)、0.6phrのステアリン酸および0.60phrのLuwax AL3の成分を50cmの長さと1:10のL/D比の二軸実験室押し出し機により混合する。このコンパウンドを実験室ラインで顆粒化し、乾燥し、そしてブローして、フィルムバブルを形成し、これを両側でスリットする。実施例1におけるように、コロナ前処理の後このフィルムを接着剤により被覆することを試みる;しかしながら、このフィルムは交差方向とマシン方向で過度の収縮を呈し、そして過度の巻き戻し力のために、4週間後にはこのロールを巻き戻すことは殆ど可能でない。
それゆえ、この後に実施例6におけるように、非極性ゴム接着剤による被覆実験を行うが、このフィルムが溶剤に鋭敏であるために、この試みはうまくいかない。示された刊行物は接着剤付きの被膜を述べず、狙いとする接着性を述べているので、一組の2つの回転ナイフ対の間の剪断によりこのフィルムをスリットして、25mm幅の細片を得、これを巻き取る。
この自己接着性巻き線テープは良好な可撓性と難燃性を特徴とする。しかしながら、手での引き裂き性は不適切である。しかしながら、特別の難点は低耐熱変形性であり、これはこの老化試験を行う場合融解する接着テープを生じる。更には、この巻き線テープは、脆化の結果としてケーブル絶縁物の寿命のかなりの短縮をまねく。この高収縮傾向はこのコンパウンドの不適切なメルトインデックスにより引き起こされる。この収縮が結果としてずっと小さくなるという事実にも拘わらず、フィルムの低軟化点にも拘わらずヒートセットが挙げられた刊行物においては想定されないので、この原材料の更に高いメルトインデックスによっても、問題は起こり得る。この製品は著しい巻き戻し力を呈さないので、ワイヤ結束に適用することは殆ど不可能である。このフォッギング数は73%である(恐らく、パラフィンワックスによる)。
比較例6
WO00/71634A1の実施例1を再試験する。
80.8phrのESI DE 200、19.2phrのAdflex KS 35
9P、30.4phrの炭酸カルシウムマスターバッチSH3、4.9phrのPetrothen PM 92049、8.8phrの酸化アンチモンTMSおよび17.6phrのDE 83−Rの混合物を混練機中で製造する。このコンパウウンドを実験室キャストライン上で平坦なフィルムに加工し、コロナ前処理し、JB720により20g/mで被覆し、3インチコアを有するログロールに巻き、そして固定ブレード(手により進められる)により分断することによりスリットする。
この巻き線テープはPVC様の機械的挙動を特徴とする:すなわち、可撓性が大きく、手での−引き裂き性が良好である。難点は臭素化難燃剤の使用である。更には、95℃以上の温度における耐熱変形性は低く、その結果このフィルムは老化および適合性試験時に融解する。
Figure 2007514008

Claims (14)

  1. 巻き線箔中のカーボンブラックの区分が少なくとも5phr、好ましくは少なくとも10phrであることを特徴とする難燃性でハロゲンを含まないポリオレフィン巻き線箔。
  2. 難燃性充填剤、特に水酸化マグネシウムが好ましくは70〜200phrの量、更に好ましくは110〜150phrの量で巻き線箔に添加されることを特徴とする請求項1に記載の巻き線箔。
  3. 巻き線箔の酸素指数(LOI)が20%以上、好ましくは23%以上、そして更に好ましくは27%以上であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の巻き線箔。
  4. ポリオレフィンがモノマーとしてプロピレンを含んでなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の巻き線箔。
  5. 巻き線箔が900MPa未満の、好ましくは500MPa以下の、そして更に好ましくは80MPa以下の曲げモジュラス、および/または120℃と166℃の間の、好ましくは148℃以下の、更に好ましくは145℃以下の結晶子融点を有する少なくとも1つのポリプロピレンを含んでなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の巻き線箔。
  6. 巻き線箔が片側あるいは両側に、特に片側に、好ましくはポリイソプレン、エチレン−ビニルアセテートコポリマーおよび/またはポリアクリレートをベースとする接着剤層を有し、そして所望ならば、箔と接着層の間にプライマー層を有し、この接着層の量が各場合において10〜40g/m、好ましくは18〜28g/m、であり、鋼に対する結合強さが1.5〜3N/cmであり、巻き戻し力が300mm/分の巻き戻し速度において1.2〜6.0N/cm、好ましくは1.6〜4.0N/cm、更に好ましくは1.8〜2.5N/cmであり、そして/あるいはこの保持力が150分以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の巻き線箔。
  7. 巻き線箔が共押し出し、溶融物被覆または分散液被覆により製造される溶剤を含まない感圧性接着剤、好ましくは分散液ベースの感圧性接着剤、特にポリアクリレートをベースとする感圧性接着剤を有し、前記接着剤が共押し出しまたは被覆により塗布される接着促進剤層の火炎あるいはコロナ前処理によりこのキャリア箔の表面に接合される
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の巻き線箔。
  8. 巻き線箔がサーマルブラック、アセチレンブラックまたは好ましくはランプブラックを含有し、そして/あるいはこのカーボンブラックが6〜8のpHを有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の巻き線箔。
  9. 巻き線箔中に好ましいポリプロピレンポリマーのみならず、EPMおよびEPDMコポリマーの類からのエチレン−プロピレンコポリマーも存在することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の巻き線箔。
  10. カーボンブラックが特に箔製造設備でポリオレフィン、酸化防止剤、および難燃性充填剤を混練した後、マスターバッチとして添加されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の巻き線箔。
  11. 巻き線箔が少なくとも4phrの一次酸化防止剤または少なくとも0.3phr、好ましくは少なくとも1phrの一次および二次酸化防止剤の組み合わせ物を含有し、この一
    次および二次酸化防止剤の機能を一つの分子中に一体化することも可能であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の巻き線箔。
  12. 巻き線箔が2000時間、特に3000時間後で少なくとも105℃の、好ましくは125℃の熱安定性を有し、
    136℃で20日間の貯蔵後少なくとも100%の破断伸びを有し、
    ポリオレフィン絶縁物付きのケーブル上で貯蔵した場合、3000時間後少なくとも105℃の適合性を有し、
    ポリオレフィン絶縁物付きのケーブル上で貯蔵した場合、2000時間後、好ましくは3000時間後125℃の適合性を有し、
    168時間後140℃を達成し、そして/あるいは
    170℃(30分)の耐熱性を達成する
    ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の巻き線箔。
  13. 900MPa未満の、好ましくは500MPa以下の、そしてより好ましくは80MPa以下の曲げモジュラス、および/または120℃と166℃の間の、好ましくは148℃以下の、更に好ましくは145℃以下の結晶子融点を有する少なくとも1つのポリプロピレンを含んでなることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の巻き線箔。
  14. 集束、保護、ラベル、通気パイプまたはワイヤまたはケーブルの絶縁またはシール、および車両のケーブルルームまたはブラウン管用界磁コイルの被覆への請求項1〜13のいずれか一つに記載の巻き線箔の使用方法。
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