JP2007513643A5 - - Google Patents

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JP2007513643A5
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【書類名】 明細書
【発明の名称】治療薬デリバリー制御のためのグラフトコポリマー含有埋め込み可能又は挿入可能な医療器具
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一つ又はそれ以上の治療薬剤の制御されたデリバリーのための埋め込み可能又は挿入可能な医療器具に関する。
【背景技術】
【0002】
治療薬を体にデリバリーするために多くの医療器具が開発されてきた。
【0003】
あるデリバリー計画に基づいて、治療薬を(a)ポリマー担体層内及び/又は(b)埋め込み可能か挿入可能な医療器具関連のポリマー障壁層下に備える。一旦本医療器具を患者の所定場所に配置すると、治療薬がポリマー担体及び/又は障壁層の性質に依存する速度で医療器具から放出される。
【0004】
治療薬の所望の放出特性は治療の特定条件、選択した特定治療薬、投与の特定場所などを含む目前の特定の治療に依存する。従って一連の治療薬放出速度を提供できる障壁層及び/又は担体層のような放出領域として働くポリマー材に対し継続した必要性がある。
【発明の開示】
【0005】
本発明は治療薬放出を制御できる新規の埋め込み可能か挿入可能な医療器具を目的とする。
【0006】
本発明の第一様態によると、(a)治療薬と(b)患者に投与すると本治療薬放出を制御するポリマー放出領域を含む埋め込み可能か挿入可能な医療器具が提供される。ポリマー放出領域は一つの主鎖と複数の側鎖含有グラフトコポリマーを含む。(a)主鎖と(b)側鎖の一つでは室温で放出領域内のゴム相に対応する一方、他のものでは室温で放出領域内の硬い相に対応する。通常本グラフトコポリマーは室温未満の第一ガラス転移温度と、室温を超える第二ガラス転移温度を含む
【0007】
ある実施形態では主鎖は放出領域内のゴム相に対応する一方、側鎖は硬い相に対応する。通常主鎖は低ガラス転移温度(Tg)モノマー(例えばガラス転移温度が室温より低い、更に典型的には、ホモポリマー形態の場合に25℃未満または0℃未満、−25℃未満、−50℃未満のモノマー)を含み、側鎖は高Tgモノマー(例えばガラス転移温度が室温より高い、より典型的には、ホモポリマー形態の場合に50℃、60℃、70℃、80℃、90℃又は100℃を超えるモノマー)を含む。ゴム相に対応する主鎖の例としてはポリ(メチルアクリレート)、ポリ(エチルアクリレート)又はポリ(ブチルアクリレート)を含むものがある一方、硬い相に対応する側鎖の例としてはポリ(スチレン)やポリ(メチルメクリレート)を含むものがある。
【0008】
他の実施形態では主鎖が放出領域内の硬い相に対応する一方、側鎖はゴム相に対応する。通常主鎖は高Tgモノマーを含み、側鎖は低Tgモノマーを含む。硬い相に対応する主鎖の例としてはポリ(スチレン)やポリ(メチルメクリレート)を含むものがある一方、ゴム相に対応する側鎖の例としてはポリ(メチルアクリレート)、ポリ(エチルアクリレート)又はポリ(ブチルアクリレート)を含むものがある。
【0009】
多くの実施形態でこのグラフトコポリマーは室温破断点伸度が少なくとも25%を有するものである。
【0010】
埋め込み可能又は挿入可能な医療器具のポリマー放出領域としては、例えば(a)治療薬含有担領域か(b)この治療薬含有の治療薬含有領域上に配置した障壁領域が可能である。ある実施形態ではポリマー放出領域は塗布層型である。
【0011】
埋め込み可能又は挿入可能な医療器具の例としてはカテーテル、ガイドワイヤー、バルーン、フィルター、ステント、ステントグラフト、血管グラフト、血管パッチ及びシャントがある。埋め込み可能又は挿入可能な医療器具を用いて、例えば冠脈官構造、末梢血管系、食道、気管、大腸、胆管、尿道、前立腺又は脳へ埋め込みや挿入できる。
【0012】
治療薬は抗血栓薬、抗増殖性剤、抗炎症薬、遊走阻止薬、細胞外基質産生と組織化に影響する薬、抗悪性腫瘍薬、有糸分裂阻害剤、麻酔薬、抗凝血剤、血管細胞成長促進剤、血管細胞成長阻害剤、コレステロール低下薬、血管拡張薬及び内在血管作動機構阻害剤を含む多くのカテゴリーから選択できる。
【0013】
上記グラフトコポリマーは多くの方法で形成できる。第一の例としてグラフトコポリマーは(i)前もって形成した鎖と反応性基(例えば不飽和基)含有側鎖モノマーを(ii)前もって形成した鎖と複数の反応性側鎖基(例えば不飽和基)含有主鎖モノマーと反応(例えばフリーラジカル重合やメタロセン重合反応により)することを含む方法で形成できる。
【0014】
他例としてはグラフトコポリマーは(i)前もって形成した鎖と反応性基含有側鎖モノマーを(ii)反応性基含有の追加モノマーと反応して、主鎖をその場で形成する方法により形成できる。
【0015】
他例としてはグラフトコポリマーは(i)前もって形成した鎖と複数の反応性側鎖基含有主鎖モノマーを(ii)反応性基含有の追加モノマーと反応して、側鎖をその場で形成する方法により形成できる。
【0016】
上記医療器具は又多くの方法で形成できる。本発明実施形態によると上記埋め込み可能か挿入可能な医療器具は(a)(i)溶剤(一つ又はそれ以上の溶剤種含有)と(ii)グラフトコポリマーを含む溶液を提供して(b)その溶液から溶媒を除去して溶液から放出領域を形成することを含む方法で提供される。例えばこの溶液を医療器具に塗布(例えばスプレーにより)できる。ある実施形態では(例えば担体領域が形成される場合)、この溶液は治療薬を溶解又は分散型式で含有できる。他実施形態では(例えば障壁領域が形成される場合)、この溶液を治療薬含有領域に塗布する。
【0017】
本発明の他様態によると治療薬を患者に放出する方法を提供する。その方法は(a)上記埋め込み可能か挿入可能な医療器具の一つを提供し、(b)患者に本療薬放出医療器具を埋め込むか挿入することからなる。
【0018】
ある実施形態ではこの医療器具を脈官構造に挿入し、治療薬を例えば再狭窄治療のために放出する。患者にこの装置を埋め込むか挿入すると、この装置から治療薬放出が例えば継続性放出特性で対応する。
【0019】
本発明の一つの利点は治療薬放出を制御できる埋め込み可能か挿入可能な医療器具を提供できることである。
【0020】
本発明の他の利点は埋め込み可能か挿入可能な医療器具の放出領域に使用できる種々の材料を提供できることである。
【0021】
本発明の他の利点は種々の重合法を用いて形成できるポリマー含有の埋め込み可能か挿入可能な医療器具放出領域を提供できることである。
【0022】
本発明の更なる他の利点はポリマーの化学組成が、例えばドラッグ放出性や同一物の放射線抵抗の改良を容易に変えられるポリマー含有の埋め込み可能か挿入可能な医療器具放出領域を提供できることである。
【0023】
本発明のこれらと他の実施形態及び利点は以下の“詳細な説明”および特許請求の範囲を検討すると、通常の技術熟練者には直ちに明白になる。
【発明の詳細な説明】
【0024】
本発明は(a)治療薬と(b)患者への投与により治療薬放出を制御するポリマー放出領域からなる埋め込み可能か挿入可能な医療器具に関する。
【0025】
ポリマー放出領域は多くの配置が可能である。例えばポリマー放出領域は本医療器具全体を構成できるし、又本医療器具の一部のみを構成できる。本医療器具の一部は例えば一つ又はそれ以上の医療器具層(例えば一つ又はそれ以上の塗布層)、一つ又はそれ以上の医療器具構成要素又はその一部などである。
【0026】
放出領域”とは治療薬の放出速度を制御する領域を意味する。放出領域は通常担体領域か障壁領域のいずれかである。“担体領域”は少なくとも一つの治療薬を含有しそこから治療薬を放出する領域である。“障壁領域”は治療薬ソースと治療薬放出速度を制御する目的の放出場所の間に配置した領域である。
【0027】
例えば本発明のある実施形態では、外側担体層を埋め込み可能か挿入可能な医療器具基質の少なくとも一部の上に配置する。本装置の埋め込み又は挿入により、治療薬が担体層から制御された形で放出される。他実施形態では治療薬含有層と障壁層を埋め込み可能か挿入可能な医療器具基質の少なくとも一部上に備える。障壁層が本治療薬含有層上に配置するので、障壁層は治療器具を埋め込むか挿入すると、治療器具からの治療薬の放出を制御するように働く。
【0028】
放出領域厚さを変化して治療薬の放出を制御できる。更に多数の放出領域を用いてこの目的を達成できる。更に担体領域を用いた場合、治療薬の濃度勾配を本担体領域内に設定し、治療薬放出を制御できる。
【0029】
本発明と関連して使用の好ましい埋め込み可能か挿入可能な医療器具としては、カテーテル(例えばバルーンカテーテルのような腎臓や血管カテーテル、ガイドワイヤー、バルーン、フィルター(例えば大静脈フィルター)、ステント(冠動脈ステント、脳ステント、尿道ステント、尿管ステント、胆管ステント、気管ステント、消化器ステント及び食道ステントを含む)、ステントグラフト、脳動脈流賦形剤コイル(ググリルミ脱着型コイルと金属コイルを含む)、血管グラフト、心筋栓、パッチ、ペースメーカーとペースメーカーリード、心臓弁、生体検査装置処置使用か埋め込みのいずれかで体内に埋め込むか挿入し、治療薬を放出するいずれかの塗布基質(例えばガラス、金属、ポリマー、セラミック及びこれらの組み合わせを含み得る)がある。
【0030】
本発明に関連して使用が考えられる医療器具としては、いかなる哺乳類組織か臓器の全身又は局所治療のいずれかに用いるドラッグデリバリー医療装置を含む。限定されない例として腫瘍、限定はされないが心臓、冠及び末梢血管系(概して“脈管構造”と云われる)、肺、気管、食道、脳、肝臓、腎臓、膀胱、尿道と尿管、眼、腸、胃、膵臓、卵巣、前立腺を含む臓器、骨格筋、平滑筋、乳房、軟骨及び骨がある。
【0031】
本発明に関して用いる特に好ましい医療器具の一つは、治療薬を再狭窄治療に本脈管構造にデリバリーする血管ステントである。ここで用いた“治療”というのは病気や病状の防止、病気や病状に関連した症状の減少や除去、病気や病状の大幅な又は完全な除去を意味する。好ましい被験体は哺乳類被験者とより好ましくはヒト被験者である。
【0032】
本発明は一つ又はそれ以上のグラフトコポリマー含有のポリマー放出領域を利用する。ここで用いた“ポリマー”というのは一つ又はそれ以上の構成単位の多数コピーが見られる一つ又はそれ以上の鎖を有する分子である。ポリマーの特定例はポリスチレンで、その中にn個のスチレン構成単位が認められる。
【化1】

【0033】
コポリマーとは少なくとも二つの異なる構成単位含有の分子である。通常少なくとも10、50、100、500、1000又はそれより多い構成単位が本発明のコポリマーに認められる。
【0034】
グラフトコポリマーとは一つの主鎖とこの主鎖とは構成的に異なる一つ又はそれ以上の側鎖を持つコポリマーである。通常本発明のグラフトコポリマーは、主鎖と側鎖が異なる特性のモノマー種に由来するので(例えば主鎖に見られるモノマーは側鎖には見られず及び/又は逆も又同様であるため)、互いに構成的に異なる主鎖と側鎖を含有する。
【0035】
本発明のグラフトコポリマーの主鎖と側鎖としては多くの構造が見込め、(a)単一型の繰り返し構成単位を持つ鎖(例えば単一モノマーブロック含有鎖)、(b)二つ又はそれ以上の型の繰り返し構成単位を持つ鎖(例えば二つの異なるモノマーブロック含有鎖)、(c)二つ又はそれ以上の型が任意に分布した構成単位を持つ鎖(例えば二種モノマーのランダム共重合体)、(d)二つ又はそれ以上の構成単位が一組として繰り返す鎖(例えば二種のモノマーの交互共重合体鎖)などがある。
【0036】
本発明に関連して用いるグラフトコポリマーは通常二種の内の一つに入る。(1)グラフトコポリマーで(a)室温で放出領域内にゴム相を形成する主鎖と(b)室温で放出領域内に硬い相を形成する少なくとも一つの側鎖を持つものと、(2)グラフトコポリマーで(a)室温で放出領域内に硬い相を形成する主鎖と(b)室温で放出領域内にゴム相を形成する少なくとも一つの側鎖を持つものである。このようなポリマーは通常強度に優れる一方、ゴム弾性をもち、その結果膨張できる。これはバルーンや膨張可能ステントのような膨張可能医療器具には特に好ましい特性である。室温とは通常25℃―45℃、より典型的には体温(例えば35℃―40℃)である。
【0037】
本発明のある実施形態では硬い相とゴム相を形成する鎖はガラス転移温度を基に選択する。例えば室温で放出領域内にゴム相を形成する鎖は、示差走査熱量測定法、動的機械分析法や熱機械分析法を含み多くの方法のいずれかにより測定したガラス転移温度(Tg)が室温より低い、より典型的にはモノマーがホモポリマー形態である場合に25℃、0℃、―25℃或いは−50℃未満であるモノマーである“低Tgモノマー”に基づく。同様に室温で放出領域内に硬い相を形成する鎖は、示差走査熱量測定法、動的機械分析法や熱機械分析放を含む多くの方法のいずれかにより測定した(a)Tg又は(b)融点(Tm)のいずれかが室温より高い、より典型的にはモノマーがホモポリマー形態である場合に50℃、60℃、70℃、80℃、90℃或いは100℃よりも高いモノマーである“高Tgモノマー”に基づく。通常生成グラフトコポリマー自身は一つは室温よりも高く他方は室温よりも低い二つのガラス転移温度を有する。
【0038】
ホモポリマー形態である場合室温以上のTgか室温以下のTgを示すモノマーの例としては、例えば芳香族ビニルモノマー、アクリルモノマー及びアルケンがある。
【0039】
芳香族ビニルモノマーは芳香族部とビニル部を有するものであり、非置換モノマー、ビニル置換モノマー及び環置換モノマーを含む。適切な芳香族ビニルモノマーとしては以下のものがある。(公表ホモポリマーのTg及びある場合には公表ホモポリマーのTmと共に示す。)(a)アタクチックスチレン(Tg、100℃)、イソタクチックスチレン(Tg、100℃)(Tm,240℃)及び2−ビニルナフタレン(Tg、151℃)のような非置換芳香族ビニル、(b)α―メチルスチレンのようなビニル置換芳香族、(c)(i)3−メチルスチレン(Tg、97℃)、4−メチルスチレン(Tg、97℃)、2、4−ジメチルスチレン(Tg、112℃)、2,5−ジメチルスチレン(Tg、143℃)、3,5−ジメチルスチレン(Tg、104℃)、2,4,6−トリメチルスチレン(Tg、162℃)及び4−ターシャリブチルスチレン(Tg、127℃)のような環アルキル化芳香族ビニル、(ii)4−メトキシスチレン(Tg、113℃)及び4−エトキシスチレン(Tg、86℃)のような環アルコキシ化芳香族ビニル、(iii)2−クロロスチレン(Tg、119℃)、3−クロロスチレン(Tg、90℃)、4−クロロスチレン(Tg、110℃)、2,6−ジクロロスチレン(Tg、167℃)4−ブロモスチレン(Tg、118℃)及び4−フッ化スチレン(Tg、95℃)及び(iv)4−アセトキシスチレン(Tg、116℃)のようなエステル置換芳香族ビニルを含む環置換芳香族ビニルである。
【0040】
他の適切なビニルモノマーとしては以下のものが含まれる。(a)ビニルアルコール(Tg、85℃)(Tm、220℃);安息香酸ビニル(Tg、71℃)、4−ターシャリブチル安息香酸ビニル(Tg、101℃)、シクロヘキサンカルボン酸ビニル(Tg、76℃)、ピバリン酸ビニルエステル(Tg、86℃)、トリフルオロ酢酸ビニル(Tg、46℃)、ビニルブチラール(Tg,49℃)(Tm、322℃)のようなビニルエステル、(c)2−ビニルピリジン(Tg、104℃)、4−ビニルピリジン(Tg,142℃)及びビニルカルバゾール(Tg、227℃)(Tm、320℃)のようなビニルアミン、(d)塩化ビニル(Tg、81℃)(Tm,227℃)及びフッ化ビニル(Tg、40℃)(Tm、171℃)のようなハロゲン化ビニル、(e)メチルビニルエーテル(Tg、−31℃)(Tm、144℃)、プロピルビニルエーテル(Tg、−49℃)(Tm、76℃)、ブチルビニルエーテル(Tg、−55℃)(Tm、64℃)、イソブチルビニルエーテル(Tg、−19℃)(Tm、165℃)、ターシャリブチルビニルエーテル(Tg,88℃)(Tm、250℃)及びシクロヘキシルビニルエーテル(Tg、81℃)のようなアルキルビニルエーテル及び(f)1−ビニル−2−ピロリドン(Tg、54℃)及びビニルフェロセンのような他のビニル化合物がある。
【0041】
上記の芳香族ビニル化合物以外の適切な芳香族モノマーとしてはアセナフタレン(Tg,214℃)とインデン(Tg、85℃)が含まれる。
【0042】
適切なメクリルモノマーとしては(a)メクリル酸(Tg、228℃)、(b)メクリル酸ナトリウム(Tg、310℃)、(c)無水メクリル酸(Tg、159℃)、(d)(i)アタクチックメチルメクリレート(Tg、105−120℃)、シンジオタクチックメチルメクリレート(Tg、115℃)(Tm、200℃)、エチルメクリレート(Tg、65℃)、イソプロピルメクリレート(Tg、81℃)、イソブチルメクリレート(Tg、53℃)、ターシャリブチルメクリレート(Tg,118℃)及びシクロヘキシメクリレート(Tg、92℃)のようなメクリル酸アルキルエステル(メクリレート)、(ii)フェニルメクリレート(Tg、110℃)及びベンジルメクリレート(Tg、54℃)のような芳香族アルキルメクリレートを含む芳香族メクリレート、(iii)2−ヒドロキシエチルメクリレート(Tg、57℃)及び2−ヒドロキシプロピルメクリレート(Tg、76℃)のようなヒドロキアルキルメクリレート、(iv)イソボルニルメクリレート(Tg、110℃)及びトリメチルシリルアクリレート(Tg、68℃)を含むメクリレート及び(e)メクリロニトリル(Tg、120℃)を含む他のメクリル酸誘導体がある。
【0043】
適切なアクリルモノマーとしては(a)アクリル酸(Tg、105℃)、その無水物及びアクリル酸カリウム(Tg、194℃)及びアクリル酸ナトリウム(Tg、230℃)のようなその塩型、(b)イソプロピルアクリレート(Tg、−11℃)(Tg、162℃)、ターシャリブチルアクリレート(Tg、43−107℃)(Tm、193℃)、ヘキシルアクリレート(Tg、57℃)、イソボルニルアクリレート(Tg、94℃)のようなあるアクリル酸エステル、(c)アクリルアミド(Tg、165℃)、N-イソプロピルアクリルアミド(Tg、85−130℃)、N,N-ジメチルアクリルアミド(Tg、89℃)のようなアクリル酸アミド及び(d)アクリロニトリル(Tg、125℃)(Tm、319℃)を含む他のアクリル酸誘導体がある。
【0044】
適切なアルケンベースモノマーとしては以下のものを含む。エチレン(HDPE)(Tg、−125℃)、(Tm、130℃)、イソタクチックプロピレン(Tg、−8℃)(Tm、176℃)4−メチルペンテン(Tg、29℃)(Tm、250℃)、1−オクタデセン(Tg、55℃)及びテトラフルオロエチレン(Tg,117℃)(Tm、327℃)がある。
【0045】
ホモポリマー形態の場合室温以下のTgを示すモノマーの例としては、例えばアクリルモノマー、メクリルモノマー、ビニルエーテルモノマー、環状エーテルモノマー、エステルモノマー、不飽和炭化水素モノマー、ハロゲン化不飽和炭化水素モノマー、シロキサンモノマー及び他モノマーが含まれる。
【0046】
適切なアクリルモノマーとしては(a)メチルアクリレート(Tg,10℃)、エチルアクリレート(Tg,−24℃)、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート(Tg,−11℃、イソタクチック)、ブチルアクリレート(Tg,−54℃)、第二級ブチルアクリレート(Tg,−26℃)、イソブチルアクリレート(Tg,−24℃)、クロヘキシルアクリレート(Tg,19℃)、2−エチルヘキシルアクリレート(Tg,−50℃)、ドデシルアクリレート(Tg,−3℃)及びヘキサデシルアクリレート(Tg,35℃)といったアルキルアクリレート、(b)ベンジルアクリレート(Tg、6℃)のような芳香族アルキルアクリレートル、(c)2−エトキシエチルアクリレート(Tg,−50℃)や2−メトキシエチルアクリレート(Tg,−50℃)のようなアルコキシアルキルアクリレート、(d)2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート(Tg、−10℃)のようなハロゲン化アルキルアクリレート及び(e)2−シアノエチルアクリレート(Tg,4℃)のようなシアノアルキルアクリレートがある。
【0047】
適切なメクリルモノマーとしては(a)ブチルメクリレート(Tg,20℃)、ヘキシルメクリレート(Tg,−5℃)、2−エチルヘキシルメクリレート(Tg,−10℃)、オクチルメクリレート(Tg,−20℃)、ドデシルメクリレート(Tg,−65℃)、ヘキサデシルメクリレート(Tg,15℃)及びオクタデシルメクリレート(Tg,−100℃)のようなアルキルメクリレートと(b)ジメチルアミノエチルメクリレート(Tg,20℃)及び2−ターシャリブチルアミノエチルメクリレート(Tg,33℃)のようなジメチルアミノアルキルメクリレートがある。
【0048】
適切なビニルアルキルエーテルモノマーとしては(a)メチルビニルエーテル(Tg、−31℃)、エチルビニルエーテル(Tg、−43℃)、プロピルビニルエーテル(Tg、−49℃)、ブチルビニルエーテル(Tg、−55℃)、イソブチルビニルエーテル(Tg、−19℃)、2−エチルヘキシルビニルエーテル(Tg、−66℃)及びドデシルビニルエーテル(Tg、−62℃)のようなアルキルビニルエーテルがある。
【0049】
適切な環状エーテルモノマーとしてはテトラヒドロフラン(Tg,−84℃)、トリメチレンオキサイド(Tg,−78℃)、エチレンオキサイド(Tg,−66℃)、プロピレンオキサイド(Tg,−75℃)、メチルグリシジルエーテル(Tg,−62℃)、ブチルグリシジルエーテル(Tg,−79℃)、アリールグリシジルエーテル(Tg,−78℃)、エピブロモヒドリン(Tg,−14℃)、エピクロロヒドリン(Tg,−22℃)、1,2−エポキシブタン(Tg,−70℃)、1,2−エポキシオクタン(Tg,−67℃)及び1,2−エポキシデカン(Tg,−70℃)がある。
【0050】
適切なエステルモノマー(アクリレートとメクリレート以外)としてはマロン酸エチレン(Tg,−29℃)、酢酸ビニル(Tg、30℃)及びプロピオン酸ビニル(Tg、10℃)がある。
【0051】
適切な不飽和炭化水素モノマーとしてはエチレン、プロピレン(Tg,−8乃至−13℃)、イソブチン(Tg、−73℃)、1−ブテン(Tg,−24℃)、トランスブタジエン(Tg,−58℃)、4−メチルペンテン(Tg,29℃)、1−オクテン(Tg,−63℃)及びその他のα―オレフィン、シスイソプレン(Tg,−63℃)及びトランスイソプレン(Tg,−66℃)がある。
【0052】
適切なハロゲン化不飽和炭化水素モノマーとしては塩化ビニリデン(Tg,−18℃)、フッ化ビニリデン(Tg,−40℃)、シス塩化ブタジエン(Tg,−20℃)及びトランス塩化ブタジエン(Tg,−40℃)がある。
【0053】
適切なシロキサンモノマーとしてはジメチルシロキサン(Tg,−127℃)、ジエチルシロキサン、メチルエチルシロキサン、メチルフェニルシロキサン(Tg,−86℃)及びジフェニルシロキサンがある。
【0054】
適切な追加モノマーとしてε―カプロラクトン(Tg,−60℃)を含む。
【0055】
本発明のグラフトコポリマーはある実施形態では好都合にも少なくとも25%の室温破断点伸度を有する。“伸度”とは張力下での試験片長さの増加であり、ここでは元の長さのパーセントとして表す。“破断点伸度”とは試験片が切断するか張力下で機能しなくなる点で観察される伸び量である。
【0056】
本発明のグラフトコポリマーは広範囲の合成法を用いて合成できる。例えば反応性基、例えば不飽和基を用いて、カチオン重合、アニオン重合、チーグラー−ナッタ重合、メタロセン重合、フリーラジカル重合、ニトロキシド媒体重合(NMP)、原子移動ラジカル重合(ATPR)及び可逆的付加―開裂連鎖移動(RAFT)型重合の化学を含む多数の反応化学が広がる。
【0057】
グラフトコポリマーは例えば(a)反応性基(例えば末端不飽和性)を持つ第一鎖と多くの反応性側鎖(例えば不飽和側鎖基)を持つ第二鎖と反応したり、(b)反応性基(例えば末端不飽和)を持つ第一鎖とモノマー(例えば不飽和モノマー)と反応したりして、その場で主鎖を重合するか、(c)多くの反応性側鎖(例えば不飽和側鎖基)を持つ第一鎖とモノマー(例えば不飽和モノマー)と反応して、その場で側鎖を重合することにより構築できる。
【0058】
上記の第二の方針(即ち反応性基を有する第一鎖をモノマーと反応して、その場で主鎖を重合する)に従うと、例えば(i)生成グラフトコポリマーに存在する側鎖と、更には(ii)鎖成長過程に参加できる反応性基(例えば>C=C<基のような不飽和基)含有側鎖モノマーを提供できる。これらは生成コポリマーに存在する側鎖の全長を含有するので、この側鎖モノマーをここではマクロモノマー又は“マクロマー”と呼ぶ。側鎖モノマーは好都合にも生成グラフトコポリマーで相分離を起こす十分な高分子量(即ち側鎖が十分に長い)を持つ。好ましくは本不飽和基は側鎖モノマーの一末端に位置する。この側鎖モノマーに含まれる不飽和基の例としてはビニル基(例えばH2C=CH-基)と置換ビニル基(例えばH2C=CR-基)があり、ここでRは有機基である。この特定反応形式では主鎖形成に用いるモノマーは又連鎖成長重合過程に参加できる不飽和基を含有する。主鎖モノマーに存在する不飽和性と側鎖モノマーの不飽和基により連鎖成長重合が起こるとこの主鎖が形成される。
【0059】
フリーラジカル重合とメタロセン重合反応に基づく三つの特定例を以下に示す。これらの反応は比較的厳しくなく且つ/又は広範囲のモノマーが使用できるので好ましい。
【0060】
最初の特定例として(a)メチルアクリレートのような低Tgアクリルモノマーと(b)末端メクリート基を持つポリスチレンからなる側鎖モノマー(マクロマー)の連鎖成長重合を以下のようにフリーラジカル開始剤存在下で実施する。
【化2】

【0061】
主鎖の形成で二つのモノマーだけを示しているが、実際のポリマーでは明らかに多くのモノマーが含まれ、その結果複数側鎖を持つ単一主鎖が生成される。
【0062】
ポリスチレンとポリイソブチレンブロック含有ブロックコポリマーは既知である。例えば“ブロックコポリマー含有ドラッグデリバリー組成と医療器具”と題する米国特許出願20020107330に記載の直鎖ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレントリブロックコポリマー(SIBSコポリマー)はゴム弾性の中央ブロックと相分離した硬いポリスチレン末端ブロックを持つ熱可塑性エラストマーである。このコポリマーはドラッグ放出冠動脈ステントの塗布剤として用いられ、優れた生体整合性と生体安定性を示す。更にゴム弾性であるため、このコポリマーはステントの膨張と共に膨張する。
【0063】
しかしSIBSコポリマーは現在低温の厳しい条件下で実施されるリビングカチオン重合プロセスを用いて製造される。更にこの重合法を用いて重合できるモノマーの数は限られ、このプロセスでは製造できるポリマーの化学組成を変える能力が制限される。一方本発明に関連する側鎖モノマー(又マクロマーとも云われる)を使用すると、高温でより厳しくない条件下でより広範囲のモノマー種で実施できる上記フリーラジカル重合プロセスのようなあまり厳しくない重合法が使用可能になる。
【0064】
第二の特定例としては(a)エチレンモノマー、(b)プロピレンモノマー及び(c)ペンテン末端封止ポリ(メチルメクリレート)からなる側鎖モノマー(マクロマー)の連鎖成長重合を以下のようにメタロセン触媒存在下で実施する。
【化3】


【0065】
上記のように主鎖の形成で三つのモノマーだけを示しているが、実際のポリマーでは明らかに多くのモノマーが含まれ、その結果複数側鎖を持つ単一主鎖が生成される。
【0066】
第三の特定例としては(a)エチルアクリレートと(b)メクリレート末端封止ポリスチレン(例えばシグマ−アルドリッチ社(Sigma-AldrichCo.)から入手可能なメクリレート末端基を持つポリスチレン)の側鎖モノマー連鎖成長重合を以下のようにフリーラジカル開始剤の存在下で実施する。
【化4】

【0067】
再度この主鎖の形成で三つのモノマー(二個のエチルアクリレートモノマーと一個の側鎖モノマー)だけを示しているが、実際のポリマーでは明らにこの二つの型のそれぞれで多くのモノマーが含まれ、その結果複数側鎖を持つ単一主鎖が生成される。
【0068】
他の形式も実行できる。例えば上記の第三の戦略によると、反応性側鎖を持つ第一鎖をモノマーと反応し、その結果側鎖をその場で重合する。特定例としてはポリ(メチルフェニルシラン)グラフトポリ(スチレン)が報告されているようにATRP法で合成され、この場合ブロモメチル化ポリ(メチルフェニルシラン)をスチレンのATRPでの高分子開始剤として用いる。エス.ジェイ.ホルダー等(S.J. Holder et al.)“ポリ(メチルフェニルシラン)グラフトポリスチレンコポリマーへの便利なルート”、マクロモレキュウラーケミー、フィジック(Macromol.Chem. Phys.)、198巻、3571頁、1997年参照。
【0069】
他例として上記の第一の戦略によると、末端反応性基を持つ第一鎖を多数の反応性側鎖を持つ第二鎖と反応する。特定例としてはヒドロシリル化の化学を用いて、以下(この形式では単一ポリスチレン側鎖のみが示されている)のように、ポリシロキサン主鎖とポリスチレン側鎖を持つグラフトコポリマーを構築する。
【化5】

【0070】
埋め込み可能か挿入可能な医療器具は、通常酸化エチレンに暴露するかガンマ線や電子線照射のような照射により殺菌する。しかしある治療薬は酸化エチレン殺菌条件下で不安定である。一方放射殺菌により医療器具内ポリマーの鎖切断及び/又は架橋をもたらし、このポリマーの化学的、物理的及び薬溶出物性の変化をもたらす。例えばSIBSコポリマーのポリイソブチレン中央ブロックは放射線暴露で、特に医療器具殺菌に用いる2.5Mrad程度のレベルで、その化学的、物理的物性を著しく変化し、例えば鎖切断及び/又は架橋反応を起こす。これら反応によりSIBSコポリマーの薬溶出性を変え、このコポリマーの表面粘着性が許容できないまで増加し、次いで膨張に際し、(例えばSIBSコポリマーが膨張可能なステントかバルーン表面塗布層の形である場合)このポリマーに欠陥をもたらす。一方本発明ではポリイソブチレンより放射線抵抗の高い柔らかいブロックを用いることができる。例としてはポリシロキサンとポリ(アクリレート−コ−メクリレート)ブロックがある。例えばグラフトコポリマーの主鎖及び/又は側鎖の鎖切断及び/又は架橋が過度に厳しくないある実施形態では、このポリマーの化学的、物理的物性の付随的変化を容易に予期且つ配慮できる。
【0071】
一旦所望のグラフトコポリマーが得られると、本発明のポリマー放出領域形成に多くの方法が利用できる。例えば選択グラフトコポリマーが熱可塑性を持つ場合、圧縮成型、射出成形、ブロー成形、回転成形、真空成形及びカレンダー加工、更には、繊維、棒、チューブ及び種々の長さの断面異型押し出しを含む種々の標準的熱可塑性加工法を用いてポリマー放出領域を形成することができる。
【0072】
これらと他の技法を用いて全装置又はその一部を製造できる。例えば上記方法を用いてステント全体の押し出しが可能である。他例としては塗布層をすでに存在しているステント上に押し出して塗布層が提供できる。更に他の例では塗布層を下層ステント本体と共に共押し出しできる。
【0073】
治療薬が加工温度で安定な場合には、熱可塑加工前にそのポリマーを組み合わして、治療薬含有担体領域を形成できる。もしそうでなければ以下に検討するように治療薬を逐次導入することにより担体領域が形成できる。
【0074】
ポリマー放出領域は又ポリマーを溶剤に先ず溶解し、次いで生成混合物を用いてポリマー放出領域形成を形成する溶剤ベースの方法を用いて形成できる。
【0075】
溶剤ベース法を用いた場合、選択溶剤系は一種又はそれ以上の溶剤種を含有する。溶剤系は好ましくはコポリマーの良溶剤で、治療薬を含む場合は治療薬にも同様に良好なものである。(ある実施形態では治療薬は単に溶剤に分散するだけであるが)。本溶剤系を形成する特定溶剤種は又乾燥速度や表面張力を含む他特性をもとに選択できる。
【0076】
好ましい溶剤ベース法としては、限定はされないが溶剤キャスティング法、スピンコート法、ウエブ塗布法、溶剤スプレー法、ディッピング法、エアサスペンジョンを含む機械的サスペンジョンによる塗布を含む方法、インクジェット法、静電気的方法及びこれらプロセスの組み合わせがある。
【0077】
通常溶剤とコポリマー含有混合物を基質に塗布し放出領域を形成する。例えば本基質は放出領域に塗布する埋め込み可能か挿入可能な医療器具の全体又は一部でありうる。
【0078】
一方本基質は例えば溶剤除去後、ポリマー放出領域を除去する鋳型でもよい。この鋳型ベース法はシート、チューブ、円筒などのような簡単な物体を形成するのに妥当であり、鋳型基質から容易に除去できる。
【0079】
他法例えば繊維形成法では、基質や鋳型の助けなしでポリマー放出領域を形成する。
【0080】
適切な場合には上に示した方法を繰り返すか組み合わせて、放出領域を所望厚さに構築できる。放出領域の厚さは他の方法で同様に変化できる。例えば一つの好ましいプロセスである溶剤スプレーでは、スプレー流速の増加、塗布基質とスプレーノズル間の移動の減速、繰り返しパスの提供などを含む塗布工程パラメーターを修正して、塗布厚みを増加できる。
【0081】
担体領域を形成する場合(例えば障壁領域とは反対に)、治療薬が必要ならばコポリマー/溶剤に溶解か分散し、その結果本担体領域と一緒に形成する。一方他の実施形態では治療薬を溶剤に溶解するか分散でき、生成溶液を例えば上記の一つ又はそれ以上の塗布法(例えばディピング法、スプレー法など)を用いて、すでに形成されたポリマー領域と接触する。
【0082】
一方障壁層は治療薬含有領域上に形成する。ある実施形態では治療薬含有領域は、例えばここに示したポリマーから選択できる一つ又はそれ以上のポリマーを含有する。同様に治療薬含有領域は上に検討したような溶剤ベース法(例えばディピング法、スプレー法など)を用いて設置できる。他実施形態では障壁層下の治療薬含有領域を関連ポリマーなしで設置する。この場合治療薬を溶剤又は液体に単に溶解か分散し、生成溶液/分散液を例えば上記の一つ又はそれ以上の塗布法を用いて基質と再度接触できる。
【0083】
溶剤ベース法を用いて放出領域を形成した場合、好ましくは塗布後乾燥して溶剤を徐去する。放出領域は通常更に乾燥工程中いずれの下層表面とも適合する。
【0084】
本発明のポリマー放出領域は必要ならこのグラフトコポリマーの他に、一つ又はそれ以上の補充ポリマーを含有できる。補充ポリマーを加えて例えば放出領域の強度や分散性に影響することができる。
【0085】
補充ポリマーとしては例えばホモポリマー又はコポリマー、架橋又は非架橋、直鎖又は分岐、天然又は合成、熱可塑性又は熱硬化性である。補充ポリマーとしては以下のものがある。ポリアクリル酸を含むポリカルボン酸ポリマーとコポリマー、アセタールポリマーとコポリマー、アクリレートとメクリレートポリマーとコポリマー(例えばn−ブチルメクリレート)、酢酸セルロース、硝酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、セロファン、レーヨン、三酢酸レーヨン及びカルボキシメチルセルロースやヒドロキシアルキルセルロースのようなセルロースエーテルを含むセルロース系ポリマーとコポリマー、ポリオキシメチレンポリマーとコポリマー、ポリエーテルブロックイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド及びポリエーテルイミドのようなポリイミドポリマーとコポリマー、ポリアリールスルホン及びポリエーテルスルホンを含むポリスルホンポリマーとコポリマー、ナイロン6,6、ポリカプロラクタム及びポリアクリルアミドを含むポリアミドポリマーとコポリマー、アルキド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アリル樹脂及びエポキシド樹脂を含む樹脂、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン(架橋型と非架橋型)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニルのようなポリハロゲン化ビニル、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルメチルエーテルのようなポリビニルエーテル、ポリスチレン、スチレン無水マレイン酸コポリマー、スチレンブタジエンコポリマー、スチレンエチレンブテンコポリマー(例えばクレートンG(KratonG)シリーズポリマーとして入手可能なポリスチレンポリエチレン/ブチレンポリスチレン(SEBS)コポリマー)、アクリロニトリルスチレンコポリマー、アクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマー、スチレンブタジエンコポリマー及びスチレンイソブチレンコポリマー(例えばSIBSのようなポリイソブチレンポリスチレンブロックコポリマー)、ポリビニルケトン、ポリビニルカーバゾール及びポリ酢酸ビニルのようなポリビニルエステルを含むビニルモノマーポリマーとコポリマー、ポリベンズイミダゾール、アイオノマー、ポリエチレンオキサイド(PEO)を含むポリアルキレンオキサイドポリマーとコポリマー、グリコサミノグリカン、ポリエチレンテレフタレートやラクチド(乳酸と同様にd−、l−及びメゾラクチドを含む)ポリマーとコポリマー、ε―カプロラクトン、グリコリド(グリコール酸を含む)、ヒドロキシ酪酸エステル、ヒドロキシ吉相酸エステル、パラ−ジオキサノン、トリメチレンカーボネート(及びそのアルキル誘導体)、1,4−ジオキセパン−2−オン、1,5−ジオキセパン−2−オン、6,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2−オン(ポリ乳酸とポリカプロラクトンとのコポリマーは一つの特例である)のような脂肪族ポリエステルを含むポリエステル、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンのようなポリアリールエーテルを含むポリエーテルポリマーとコポリマー、ポリフェニレンスルフィド、ポリイソシアネート、ポリプロピレン、ポリエチレン(低及び高密度、低及び高分子量)、ポリブチレン(ポリブテン−1やポリイソブチレンのような)、ポリ4−メチル−1−ペンテン、エチレン−α―オレフィンコポリマーのようなポリアルキレン、エチレン−メチルメクリレートコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマーを含むポリオレフィンポリマーとコポリマー、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ(テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロペン)(FEP)、変性エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含むフッ化ポリマーとコポリマー、シリコーンポリマーとコポリマー、ポリウレタン、p−キシレンポリマー、ポリイミノカーボネート、ポリエチレンオキサイド−ポリ乳酸コポリマーのようなコポリ(エーテル−エステル)、ポリホスファジン、ポリシュウ酸アルキレンエステル、ポリオキサミドとポリオキサエステル(アミノ基及び/又はアミド基含有のものを含む)、ポリオルソエステル、ポリペブチド、タンパク質、多糖類及び脂肪酸(及びそのエステル)、線維素、ヒブリノゲン、コラーゲン、エラスチン、キトサン、ゼラチン、澱粉、ヒアルロン酸のようなグリコサミノグリカンを含む生体ポリマー、更には上記のブレンドとコポリマーである。
【0086】
放出領域と関連する放出特性は多くの方法で修正でき、(a)グラフトコポリマー内の側鎖及び/又は主鎖のタイプ及び/又は分子量を変えたり、(b)添加補助ポリマーのいずれかのタイプ及び/又は分子量を変えることがある。
【0087】
例えば放出領域の親水性/疎水性バランス(及びその結果放出特性)を本グラフトコポリマーに用いるモノマーを変えることにより変えられる。最初の例として主鎖に必要なら比較的親水性の単位を備えたグラフトコポリマーを提供できる。例えばポリ(エチルアクリレート)主鎖とポリ(スチレン)側鎖を持つグラフトコポリマーの主鎖をそこにあるエチルアクリレートモノマーの少なくとも一部を2−ヒドロキシエチルメクリートモノマーで置換してより親水性にできる。第二の例としては側鎖が必要なら比較的親水性の基(例えばポリエチレンオキサイドかポリビニルピロリドン)を備えたグラフトコポリマーが提供できる。
【0088】
放出領域の親水性/疎水性バランス(それ故放出特性)も又親水性か疎水性の補助ポリマーを放出領域に加えることで変えられる。例えば上述のポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレントリブロックコポリマー(SIBS)をポリ(エチルアクリレート)主鎖とポリ(スチレン)側鎖を持つグラフトコポリマーに添加できる。その結果グラフトコポリマーのポリスチレン側鎖とSIBSのポリスチレンブロックが同じ相に移動し、本放出特性を変える。理論に束縛はされたくはないが、SIBS添加により数ある効果の中でも放出層の疎水性を増加する。
【0089】
持続性のある放出特性を持つ医療器具は多くの場合好ましい。“持続性のある放出特性”とは投与の最初の日、二日、三日又はそれより多くの日以内に、体内埋め込み/挿入過程での本医療器具から全放出の25%未満しか起こらないことを意味する。逆にこのことは本装置を埋め込み/挿入した後同じ期間後に、全放出の75%より多くが医療器具から制御されて起こることを意味する。
【0090】
究極の興味である放出特性は勿論被験者、例えば哺乳類被験者内での放出特性である。しかし実際の被験者放出特性の良い目安となる実験系で放出特性を試験するのは技術的に既知である。例えば水溶性緩衝系を通常血管装置からの治療薬放出試験に用いる。
【0091】
“治療薬”、“薬学的活性試薬”、“薬学的活性材料”、“薬”及び他の関連用語はここでは同義に用いられ、遺伝子治療薬、非遺伝子治療薬及び細胞を含む。治療薬は単独か組み合わして用いられる。
【0092】
本発明に関連して用いる典型的非遺伝子治療薬としては、(a)ヘパリン、ヘパリン誘導体、ウロキナーゼ及びピーパック(Ppack(デキストロフェニルアラニンプロリンアルギニンクロロメチルケトン))のような抗血栓剤、(b)デキサメタゾン、プレゾニドロン、コルチコステロン、ブデゾニド、エステロゲン、スルファサラジン及びメサラミンのような抗炎症薬、(c)パクリタキセル、5−フッ化ウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン、エンドスタチン、アンギオスタチン、アンギオペプチン、平滑筋細胞増殖を阻害できるモノクロナール抗体及びチミジンキナーゼ阻害剤のような抗悪性腫瘍薬/抗増殖性薬/有糸分裂阻害剤、(d)リドカイン、ブビバカイン及びロピバカインのような麻酔剤、(e)D-Phe-Pro-Argクロロメチルケトン、RGDペプチド含有化合物、ヘパリン、ヒルジン、抗トロンビン化合物、血小板受容体拮抗薬、抗トロンビン抗体、抗血小板受容体抗体、アスピリン、プロスタグランディン阻害剤、血小板阻害剤及びティック抗血小板ペプチドのような抗凝血剤、(f)成長因子、転写活性化因子及び翻訳促進物質のような血管細胞成長促進物質、(g)成長因子阻害剤、増殖因子受容体拮抗薬、転写抑制因子、翻訳抑制因子、複製阻害剤、阻害抗体、成長因子対向抗体、成長因子と細胞毒素からなる二官能性分子、抗体と細胞毒素からなる二官能性分子のような血管細胞成長阻害剤、(h)タンパク質キナーゼ阻害剤とチロシンキナーゼ阻害剤(例えばチロホスチン、ゲニスタイン、キノリザリン)(i)プロスタサイクリン類似体、(j)コレステロール低下薬、(k)アンジオポイエチン、(l)トリクロサン、セファロスポリン、アミノグリコシド及びにニトロフラントインのような抗菌剤、(m)細胞毒性薬、細胞分裂阻害剤及び細胞増殖影響因子、(n)血管拡張剤及び(o)内在性血管作用機構妨害剤がある。
【0093】
本発明に関連して典型的遺伝子治療薬としては、アンチセンスDNAやRNAとDNAコーディングを組み合わせて構成される(a)アンチセンスリボ核酸、(b)不完全又は欠損内在性分子置換用転移RNA又はリボソームRNA、(c)酸性及び塩基性線維芽細胞成長因子、血管内皮細胞増殖因子、上皮細胞成長因子、形質転換増殖因子αとβ、血小板由来内皮細胞増殖因子、血小板由来成長因子、腫瘍壊死因子α、肝細胞増殖因子及びインスリン類似成長因子のような成長因子を含む血管新生因子、(d)CD阻害剤を含む細胞分裂周期阻害剤及び(e)チミジンキナーゼ(“TK”)や細胞増殖妨害に有効な他の試薬を含む。又興味があるのは骨形成タンパク質(“BMP”)類コード化用DNAであり、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6(Vgr−1)、BMP−7(OP−1)、BMP−8、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP−13、BMP−14、BMP−15及びBMP−16を含む。現在好ましいBMPとしてはBMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6及びBMP−7のいずれかである。これら二量体タンパク質はホモ二量体、ヘテロ二量体或いはその組み合わせで単独又は他分子と共に提供できる。代わりか追加にBMPに上流又は下流効果を誘発可能な分子も提供できる。そのような分子としては“ヘッジホッグ”タンパク質のいずれか又はそれらをコード化するDNAがある。
【0094】
遺伝子治療薬デリバリー用ベクターとしては(a)プラスミド、(b)アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス及びレンチウイルスのようなウイルスベクター及び(c)脂質、リポソーム及びカチオン性脂質のような非ウイルスベクターがある。
【0095】
本発明に関連して用いる細胞としては幹細胞を含むヒト起源(自己性か同種の)細胞か、もし必要ならば遺伝子工学的に関心のタンパク質に誘導できる動物起源(異種間)の細胞がある。
【0096】
必ずしも上記に限定されないが、多数の治療薬が血管治療レジメンの候補、例えば再狭窄を標的とする薬として同定された。そのような薬は本発明の実行に利用でき、以下の一つ又はそれ以上を含む。(a)ジルチアゼムとクレンチアゼムのようなベンゾチアゼピン、ニフェジピン、アムロジピン及びニカルジピンのようなジヒドロピリジン及びベラパミルのようなフェニルアルキルアミンを含むカルシウムチャネル遮断薬、(b)ケタンセリンとナフチフリィルのような5−ヒドロキシプタミン(5−HT)拮抗薬と同様にフルオキセチンのような5−HT摂取阻害剤を含むセロトニン経路修飾因子、(c)シロスタゾール及びジピリダモールのようなホスホジエステラーゼ阻害剤、フォルスコリンのようなアデニル酸/グアニル酸シクラーゼ刺激薬と同様にアデノシン類似体を含む環状ヌクレオチド経路剤、(d)プラゾシンとブナゾシンのようなα―拮抗薬、プロプラノロールのようなβ―拮抗薬及びラベタロールやカルベジロールのようなα/β拮抗薬を含むカテコールアミン修飾因子、(e)エンドセリン受容体拮抗薬、(f)ニトログリセリン、硝酸イソソルビド及び亜硝酸アミルのような有機硝酸塩/亜硝酸塩、ニトロプルシドナトリウムのような無機ニトロソ化合物、モルシドミンやリンシドミンのようなシドノンイミン、ジアゼニウームンジオレート及びアルカンジアミンの一酸化窒素付加物のようなジアゾニウムジオレート(NONOate)、低分子量S−ニトロソ化合物(例えばカプトプリル、グルタチオン及びN−アセチルペニシラミンのS−ニトロソ誘導体)や高分子量S−ニトロソ化合物(例えばタンパク質、ペプチド、オリゴ糖類、多糖類、合成ポリマー/オリゴマー及び天然ポリマー/オリゴマーのS−ニトロソ誘導体)、更にはC―ニトロソ化合物、O−ニトロソ化合物、N−ニトロソ化合物及びL−アルギニンを含む一酸化窒素供与体/放出分子、(g)シラザプリル、フォシノプリルやエナラプリルのようなアンジオテンシン(ACE)阻害剤、(h)サララシンやロサルチンのようなアンジオテンシン(AT)II拮抗薬、(i)アルブミンやポリエチレンオキサイドのような血小板接着阻害剤,(j)アスピリンやチエノピリジン(チクロピジン、クロピドグレル)を含む血小板凝集阻害剤やアブシキマブ、エプチフィバチドやチロフィバンのような糖タンパク質(GP)IIb/IIc阻害剤、(k)ヘパリン、低分子量ヘパリン、硫酸デキストリン及びβ―デキストリンテトラデカ硫酸塩のようなヘパリン類似物質、ヒルジン、ヒルログ、ピーパック(PPACK)(D−フェニルアラニンL―プロピルL―アルギニンクロロメチルケトン)やアルガトロバンのようなトロンビン阻害剤、アンチスタチンやタップ(TAP)(ティック抗凝血ペプチド)のような活性第X因子(FXa)阻害剤、ワルファリンのようなビタミンK阻害剤、更には活性化タンパク質を含む凝集経路修飾因子、(l)アスピリン、イブプロフェン、フルルビブロフェン、インドメタシン及びスルフィンピラゾンのようなシクロオキシゲナーゼ経路阻害剤、(m)デキサメタゾン、プレニドゾロン、メタピレニドゾロンやヒドロコルチゾンのような天然と合成副腎皮質ステロイド、(n)ノルジヒドログヤレト酸やカフェイン酸のような不飽和脂肪酸酸化酵素経路阻害剤、(o)ロイコトリエン受容体拮抗薬、(p)E―選択とP−選択の拮抗薬、(q)血管細胞接着分子―1(VCAM−1)と細胞接着分子―1(ICAM−1)間相互作用の阻害剤、(r)プロスタグランジンE―1(PGE1)やプロスタグランジンI―2(PGI2)のようなプロスタグランジン、シプロステン、エポプロステノール、―カルバサイクリン、イロプロストやベラプロストのようなプロスタサイクリン類似体を含むプロスタグランジンとその類似体、(s)ビスホスホネートを含むマクロファージ活性化妨害剤、(t)ロバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、シムバスタチン及びセルビスタチンのようなヒドロキシメチルグルタリルCoA(HMG−CoA)還元酵素阻害剤、(u)魚油とオメガ3−脂肪酸、(v)プロブコール、ビタミンCとE、エブセレン、トランスレチノイン酸及びスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)模倣体のような遊離ラジカル捕捉剤/抗酸化剤、(w)b型繊維芽細胞成長因子(bFGF)抗体やキメラ融合タンパク質のようなFGF経路薬、トラピジルのような血小板成長因子(PDGF)受容体拮抗薬、アンジオペプチンやオクレオチドのようなソマトスタチンを含むインシュリン様成長因子(IGF)経路薬、ポリアニオン性試薬(ヘパリン、フコイジン)、デコリン及びトランスフォーミング成長因子(TGF)―β抗体のようなTGF―β経路薬、上皮細胞成長因子(EGF)抗体のようなEGF経路薬、受容体拮抗薬とキメラ融合タンパク質、サリドマイドやその類似体のような腫瘍壊死因子(TNF)―α―経路薬、スロトロバン、バピプロスト、ダゾキシベン及びリドグレルのようなトロンボキサンA2(TXA2)経路修飾因子、更にはチロホスチン、ゲニステインやキノリザリン誘導体のようなタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤を含む種々の成長因子影響剤、(x)マリマスタット、イロマスタットやメタスタットのようなマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)経路阻害剤、(y)サイトカラシンBのような細胞運動阻害剤、(z)プリン類似体(例えば6−メルカプトプリンや塩素化プリンヌクレオチド類似体のクラドリビン)、ピリミジン類似体(例えばシタラビンや5−フッ化ウラシル)及びメトトレキサート、ナイトロジェンマスタード、硫酸アルキルエステル、エチレンイミン、抗生物質(例えばダウノルビシン、ドキソルビシン)、ニトロソ尿素、シスプラチン、微少管運動影響薬(例えばビンブラスチン、ビンクリスチン、コルヒチン、パクリタキセルやエポチロン)、カスパーゼ活性化剤、プロテアソーム阻害剤、血管新生阻害剤(例えばエンドスタチン、アンギオスタチンやスクアラミン)、ラパマイシン、セリバスタチン、フラボピリドールやスラミンのような代謝拮抗剤を含む抗増殖薬/抗悪性腫瘍薬、(aa)ハロフジノン又は他のキナゾリノン誘導体やトラニラストのような基質沈着/組織化経路阻害剤、(bb)血管内皮増殖因子(VEGF)やRGDペプチドのような内皮化促進剤及び(cc)ペントキシフィリンのような血液レオロジー修飾因子がある。
【0097】
本発明に使用できる多くの追加治療薬はまたネオアールエックス社(NeoRx Corporation)に帰属する米国特許5,733,925(US PatentNo. 5,733,925)に開示され、その全開示を文献に取り入れる。
【0098】
広範囲の治療薬が本発明の医療器具への装填に用いられ、その装填量は技術の熟知者により容易に決められ、最終的には例えば治療条件、治療薬自身の性質、治療薬の目的被験者への投与法などに依存する。
【0099】
本発明を以下の制限のない実施例を参照にして更に記載する。
【実施例1】
【0100】
パクリタクセルとポリ(エチルアクリレート−グラフト−ポリスチレン)コポリマー又はポリ(ブチルアクリレート−グラフト−ポリスチレン)コポリマー含有担体層の合成と特性化
【0101】
二口丸底フラスコに電磁攪拌棒とメクリレート末端封止ポリスチレン(1g)を入れる。フラスコには又活栓、温度計及び還流冷却器をそなえ、還流冷却器の先端に窒素導入アダプターを取り付ける。禁止剤はエチルアクリレートモノマーかブチルアクリレートモノマーを禁止剤除去カラム(アルドリッチ(Aldrich)−306312)を通してエチルアクリレートかブチルアクリレートから除く。エチルアクリレートモノマーかブチルアクリレートモノマーを風袋瓶(9g)に収集する。2,2'−アゾビスブチロニトリル(AIBN)を別の瓶に秤量する。このAIBN(0.106g)をトルエン1mlに溶解する。エチルアクリレートモノマーかブチルアクリレートモノマーとAIBNストック溶液を丸底フラスコにピペットで入れ、その後追加トルエン49mlを加え、溶液濃度を19%重量/重量)にする。ポリ(スチレン)グラフト数増加のポリ(ブチルアクリレート)−グラフト−ポリ(スチレン)を形成するには、追加の手段を実施する。この手段ではメクリレート末端封止ポリスチレン1.0gとブチルアクリレート4.5g(18%ポリスチレン)をトルエン(27ml)中のAIBN(0.05g)を用いて共重合する。
【0102】
クリレート末端封止ポリスチレンが溶解するまで混合物を攪拌する。系を窒素で5分間パージした後、その溶液を窒素で更に2分間スパージする。溶液を65℃で6時間加熱し、放置して室温に冷却する。
【0103】
生成ポリ(エチルアクリレート−グラフト−ポリスチレン)コポリマーが収率41%で生成し、ポリスチレン22.4モル%(NMRによる)を含有し、多分散性1.59を有し且つ以下の分子量、Mn=65、000とMw=104、000を有する。
【0104】
5重量%テトラヒドロフラン(THF)、94重量%トルエン、0.25重量%パクリタクセル及び0.75重量%ポリマー含有溶液を提供する。全溶液を(1)このポリマーをトルエンと混合し、70℃で約一時間加熱し、(2)THFを加え、(3)パクリタクセルを加え、(4)十分に混合し(例えば一夜)、(5)濾過して作成する。以下の溶液を作成する。(1)0.75重量%ポリ(エチルアクリレート−グラフト−ポリスチレン)コポリマー含有溶液、(2)0.75重量%ポリ(ブチルアクリレ−トグラフト−ポリスチレン)コポリマー(10重量%最初のポリスチレン)含有溶液、(3)0.75重量%ポリ(ブチルアクリレ−トグラフト−ポリスチレン)コポリマー(18重量%最初のポリスチレン)含有溶液及び(4)“ブロックコポリマー含有ドラッグデリバリー組成と医療器具”と題する米国特許出願20020107330(UnitedStates Patent Application 20020107300)に記載の0.75重量%ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレントリブロックコポリマー(SIBS)含有溶液。
【0105】
5重量%テトラヒドロフラン(THF)、94重量%トルエン、0.10重量%パクリタクセル及び0.90重量%ポリマー含有溶液を提供する。全溶液を(1)このポリマーをトルエンと混合し、70℃で約一時間加熱し、(2)THFを加え、(3)パクリタクセルを加え、(4)十分に混合し(例えば一夜)、(5)濾過して作成する。以下の溶液を作成する。(1)0.90重量%ポリ(エチルアクリレート−グラフト−ポリスチレン)コポリマー含有溶液、(2)0.90重量%ポリ(ブチルアクリレ−トグラフト−ポリスチレン)コポリマー(10重量%最初のポリスチレン)含有溶液、(3)0.90重量%ポリ(ブチルアクリレ−ト−グラフト−ポリスチレン)コポリマー(18重量%最初のポリスチレン)含有溶液及び(4)0.90重量%SIBS含有溶液。
【0106】
各溶液を次いで注射器ポンプにとり入れ噴射ノズルに送る。ステントをこのノズルに平行な保持装置に装填し、均一な塗布を確保するように回転する。使用噴霧器によるが、一回かそれ以上のパスで噴霧する間に、ノズルがステントに沿って移動するように噴霧しながら、ステントか噴霧ノズルを一移動する。この様にして担体塗布層が形成した後、ステントを例えば予熱乾燥機に65℃で30分間置いて乾燥し、次いで70℃で3時間乾燥する。この様にして各溶液に8個のステントを形成する。
【0107】
膨張前後の顕微鏡評価で塗布物性が全ての場合良好であることが示された。
【実施例2】
【0108】
ポリジメチルシロキサン−グラフト−ポリスチレンコポリマー
【0109】
ポリジメチルシロキサン−グラフト−ポリスチレンコポリマーはポリジメチルシロキサン部がゴム弾性でポリスチレン鎖が物理的架橋を形成した熱可塑性エラストマーである。このポリマーの合成は二段階を含む。第一段階ではポリジメチルシロキサンマクロ開始剤合成を含む。グラフトコポリマーをビニル塩化ベンジルとポリジメチルシロキサン−コ−ポリメチルハイドロジェンシロキサンから製造したマクロ開始剤で合成する。塩化ベンジル基はポリマー幹に沿って位置する。このポリジメチルシロキサンマクロ開始剤を用いて原子移動ラジカル重合(ATRP)を用いてスチレンモノマーを重合する。ポリマー鎖に位置する塩化ベンジル開始基からポリスチレン鎖は成長する。このポリスチレン鎖の分子量はATRPを用いて制御できる。
【0110】
[マクロ開始剤の合成]
禁止剤はビニル塩化ベンジルを禁止剤除去カラム(アルドリッチ(Aldrich)−306312)に通してビニル塩化ベンジル(メタとパラ異性体)から除く。ビニル塩化ベンジルを風袋瓶に収集する。二口丸底フラスコにポリジメチルシロキサン−コ−ポリメチルハイドロジェンシロキサン(分子量(MW)=1,600、25−30モル%メチルハイドロジェンシロキサン)、ビニル塩化ベンジル、トルエン及び白金触媒(即ち白金―ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体)を入れる。丸底フラスコは又活栓を備えている。フラスコは電磁攪拌棒、温度計及び還流冷却器をそなえ、ポリスチレンが完全に溶解するまで反応混合物を攪拌する。この溶液を50℃で一時間加熱する。反応は空気下で行う。この溶液を放置して室温に冷やし、エタノール中に加えて沈殿させる。反応の度合いをフーリエ変換赤外分光法(FT−IR)を用いて、2158cm―1のシリコン−ハイドライド結合の消失により決定する。他のビニル塩化ベンジル−グラフトポリジメチルシロキサンマクロ開始剤をポリジメチルシロキサン−コ−ポリメチルハイドロジェンシロキサン(0.5―1.0モル%ポリメチルハイドロジェンシロキサン(分子量(MW)=55,000))を用いる以外は同様の方法で合成した。
【0111】
[コポリマーの合成]
禁止剤はスチレンを中性アルミナカラム(アルドリッチ(Aldrich)199974)を通すことによりスチレンから除く。スチレンを風袋瓶に収集する。二口丸底フラスコは電磁攪拌棒、温度計及び還流冷却器を備えている。フラスコにマクロ開始剤(上記参照)、スチレン、塩化第一銅及び4,4‘−ジノニル2,2’−ビピリジンを入れる。丸底フラスコは又活栓を備えている。反応混合物がその色が暗赤色に変わるまで攪拌後、溶液を窒素で30分間スパージする。反応溶液を130℃に加熱し、反応を20時間進行させる。この溶液を次いでトルエンを加えてポリマーを希釈する前に80℃未満に放置して冷却する。空気の曝すと反応溶液は緑色に変わる。ポリマー溶液を室温に冷却し、中性アルミナカラムを通過して金属錯体を除く。ポリマー溶液をついでエタノールに加えて沈降し、ポリマー沈殿物を濾過する。
【0112】
[ステントの塗布]
5重量%テトラヒドロフラン(THF)、94重量%トルエン、0.25重量%パクリタクセル及び0.75重量%ポリマー含有溶液を提供する。全溶液はこのポリマーをトルエンと混合し、70℃で約一時間加熱し、THFを加え、パクリタクセルを加え、十分に混合し(例えば一夜)、濾過して作成する。以下の溶液を作成する。(1)0.75重量%ポリジメチルシロキサン−グラフト−ポリスチレンコポリマー含有溶液と(2)“ブロックコポリマー含有ドラッグデリバリー組成と医療器具”と題する米国特許出願20020107330(UnitedStates Patent Application 20020107300)に記載の0.75重量%ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレントリブロックコポリマー(SIBS)含有溶液。
【0113】
5重量%テトラヒドロフラン(THF)、94重量%トルエン、0.10重量%パクリタクセル及び0.90重量%ポリマー含有溶液を提供する。全溶液はこのポリマーをトルエンと混合し、70℃で約一時間加熱し、THFを加え、パクリタクセルを加え、十分に混合し(例えば一夜)、濾過して作成する。以下の溶液を作成する。(1)0.90重量%ポリジメチルシロキサン−グラフト−ポリスチレンコポリマー含有溶液と、(2)0.90重量%SIBS含有溶液。
【0114】
各溶液を次いで注射器ポンプにとり入れ噴射ノズルに送る。ステントをこのノズルに平行な保持装置に装填し、均一な塗布が確保されるように回転する。使用噴霧器によるが、一回かそれ以上のパスで噴霧する間に、ノズルをステントに沿って移動するように噴霧しながら、ステントか噴霧ノズルを移動する。この様にして担体塗布層が形成すると、ステントを例えば予熱乾燥機に65℃で30分間置いて乾燥し、次いで70℃で3時間乾燥する。この様にして各溶液に8個のステントを形成する。
【0115】
種々の実施形態をここに具体的に示し記述したが、本発明の修正と変形は上記教示の範囲内であり且つ本発明の精神と範囲から逸脱しない付随特許請求範囲内であることがわかる。

Claims (14)

  1. (a)治療薬と
    (b)患者への投与により治療薬の放出を制御するポリマー放出領域とを含む、埋め込み可能か挿入可能な医療器具であって
    ポリマー放出領域が一つの主鎖と複数の側鎖とを含有するグラフトコポリマーを含み
    ここで、該主鎖および該側鎖のうちの一方が室温で該放出領域内ゴム相に対応し、主鎖および該側鎖のうちの他方が室温で該放出領域内硬い相に対応し、
    ここで、該ゴム相が、ホモポリマー形態である場合に25℃未満のガラス転移温度を持つ低Tgモノマーを含み、該ゴム相はポリ(メチルアクリレート)、ポリ(エチルアクリレート)又はポリ(ブチルアクリレート)を含み、
    ここで、該硬い相が、ホモポリマー形態である場合に50℃を超えるガラス転移温度を持つ高Tgモノマーを含み、該硬い相はポリ(スチレン)またはポリ(メチルメタクリレート)を含む、
    医療器具。
  2. 前記主鎖が前記放出領域内で前記ゴム相に対応し、且つ前記側鎖が該放出領域内の前記硬い相に対応する請求項1の埋め込み可能か挿入可能な医療器具。
  3. 前記主鎖が、ホモポリマー形態の場合0℃より低いガラス転移温度を持つモノマーを含み、且つ前記側鎖がホモポリマー形態の場合75℃より高いガラス転移温度を持つモノマーを含む、請求項2の埋め込み可能か挿入可能な医療器具。
  4. 前記主鎖が前記放出領域内の前記硬い相に対応し、且つ前記側鎖が該放出領域内の前記ゴム相に対応する請求項1の埋め込み可能か挿入可能な医療器具。
  5. 前記主鎖が、ホモポリマー形態の場合75℃より高いガラス転移温度を持つモノマーを含み、且つ前記側鎖が、ホモポリマー形態の場合0℃より低いガラス転移温度を持つモノマーを含む、請求項4の埋め込み可能か挿入可能な医療器具。
  6. 前記グラフトコポリマーが室温で少なくとも25%の破断点伸度を持つ請求項1の埋め込み可能か挿入可能な医療器具。
  7. 前記ポリマー放出領域が前記グラフトコポリマー以外に補助ポリマーをさらに含む請求項1の埋め込み可能か挿入可能な医療器具。
  8. 前記医療器具が病原体の死滅に有効量の放射線を用いて殺菌され請求項1の埋め込み可能か挿入可能な医療器具。
  9. 前記ポリマー放出領域が、前記治療薬担体領域である請求項1の埋め込み可能か挿入可能な医療器具。
  10. 前記ポリマー放出領域が治療薬含有領域上に配置された障壁領域であり、該治療薬含有領域が前記治療薬を含む、請求項1の埋め込み可能か挿入可能な医療器具。
  11. 前記ポリマー放出領域が塗布層形状である請求項1の埋め込み可能か挿入可能な医療器具。
  12. テーテル、ガイドワイヤー、バルーン、フィルター、ステント、ステントグラフト、血管グラフト、血管パッチ及びシャントから選択され請求項1の埋め込み可能か挿入可能な医療器具。
  13. 脈官構造、末梢血管系、食道、気管、大腸、胆管、尿道、前立腺又は脳への埋め込みや挿入に適応する請求項1の埋め込み可能か挿入可能な医療器具。
  14. 前記治療薬が抗血栓薬、増殖抑制薬、抗炎症薬、遊走阻止薬、細胞外基質産生と組織化影響薬剤、抗腫瘍薬、有糸分裂阻害剤、麻酔薬、抗凝血剤、血管細胞成長促進剤、血管細胞成長阻害剤、コレステロール低下薬、血管拡張薬及び内在血管作動機構の妨害剤からなる群のうちの一つ又はそれ以上から選択される、請求項1の埋め込み可能か挿入可能な医療器具。
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