JP5073891B2 - ステント及びステントグラフト - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血管、体腔内に埋没可能で狭窄部の治療に使用されるステント及びステントグラフトの改良に関し、特に生物学的活性物質を含んだ高分子材料で被覆又は被嵌されて、抗血栓性の表面を提供し、再狭窄を予防するステント及びステントグラフトに関する。
【0002】
【従来の技術】
ステントとは、血管や他の生体内の管腔が狭窄や閉塞した場合、当該狭窄部等を拡張し必要な管腔領域を確保するため、当該部位に留置する管状の医療用具である。ステントは、直径が小さいまま体内に挿入し、狭窄部等で拡張させて直径を大きくし当該管腔を拡張・保持するのに使用される。
【0003】
例えば、近年、狭窄した血管の再建を目的として、経皮的冠状動脈血管形成術(以下PTCA:Percutaneous Transluminal Coronary Angioplastyと称する。)により、PTCAバルーンカテーテルによる拡張、及びステントの留置による治療が行われている。当該ステントは、カテーテルに装着したバルーンに空気を送って膨張・拡張して形成された血管内に留置することにより、再狭窄を防止・抑制させることを企図しているものである。
【0004】
このように、ステントの留置は、バルーン拡張のみによる血管形成に対し、再狭窄を抑制させる期待のもとに行われているものであったが、実際には、初期の予想ほど再狭窄率の低下を得られていないのが現状である。
【0005】
これは、ステントの拡張、留置時に、当該ステント自身が引き起こす血管障害のため、血栓の生成や平滑筋の増殖を誘導することが原因の一旦であると考えられる。
【0006】
血栓の生成メカニズムにおいては、主として、血小板によるものと血液凝固因子によるものが重要である。すなわち、血小板は、これが活性化すると血管内の異物に付着、凝集を起こすために再狭窄が起こる。また血液凝固因子(例えばトロンビンが挙げられる。)により、フィブリノーゲンがフィブリンに変化してフィブリンのネットワーク(網目)を形成し、このネットワークに血小板、血球が捕捉される。捕捉された血小板がさらにフィブリン形成を促進することにより血栓が生成、増大するのである。
【0007】
一方、血栓の生成が、術後における初期(急性期、亜急性期)の再閉塞の原因であるのに対して、平滑筋の増殖は、術後の、長中期(遠隔期)の再閉塞の原因となることが知られている。
【0008】
これらを防止するためには、術中及び術後に、アスピリンに代表される抗凝血剤や抗血小板薬を中心とした薬剤を投与し管理することが一般的であったが、抗凝固剤、抗血小板剤の全身投与は、術中、術後の出血傾向を増大させる副作用を有するという問題がある。
【0009】
そのため、従来から、カテーテル等においては、これら抗凝血剤等の薬剤を、カテーテルチューブを構成する高分子中に含有若しくは結合させ、局所的にこれら薬剤を徐放させる試みが以前より行われてきた。しかしながら、ステントの場合は、その基材が通常金属であるために、カテーテルで主に行われていたように直接基材へ結合、含浸する等の技術を適用するのは困難である。従って、ステントについては、当該薬剤を高分子と共に溶解混合し、塗布する方法のみが、実際上、適用可能な方法である。
【0010】
また、あらかじめステントに高分子材料を塗布して薄膜を形成した後、この高分子材料からなる薄膜を基材として、当該基材に抗血小板薬等の薬剤を含浸又は結合させる方法も提案されている。しかしながら、この方法は、ステントに形成される薄膜の厚みが極く薄いことから、このような薄膜形成後に薬剤を含浸・結合させる二次加工方法は、工程が煩雑になり、また薬剤の効果の持続時間は必ずしも充分ではなく、さらに膜の強度低下があるなどの問題が多く現実的ではない。
【0011】
また、そもそも、従来知られているこれら抗血栓性の代表的な生理活性物質であるヘパリンやウロキナーゼは、実質的に有機溶媒に不溶であるため、上記方法の適用は、実質的には不可能である。なお、ヘパリンについては、逆に血小板を活性化する作用も知られている。
【0012】
さらに、従来、アスピリンやアルガトロバン等の抗凝固剤や抗血小板剤を単独または併用して含む高分子材料からなる被覆層で被覆したステントや当該高分子材料からなるフィルムが巻かれたステントは知られている(例えば、特開平8−224297や特開平8−33718等を参照。)。
【0013】
しかしながら、塩酸サルポグレラートを必須成分として含有する被覆層を備えたステントは知られておらず、また、特に塩酸サルポグレラートと共に他の薬剤を併用して含み、それぞれの薬剤の徐放性の調整を行い、当該二剤が同時期に溶出して同時期に効果を発現できるようにしたステントは、従来全く知られていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、かくして、優れた抗血栓性を示し、体内留置後の血栓性閉塞を効果的に抑制し、低い再狭窄率を示すステント及びステントグラフトを提供することであり、特に、抗血小板剤と他の薬剤、例えば抗トロンビン剤が同時期に溶出して同時期に効果を発現できるように調整したステント及びステントグラフトを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に従えば、以下の発明が提供される。
【0016】
〔1〕 少なくとも塩酸サルポグレラートを含み、当該塩酸サルポグレラートを生体内で徐放しうる高分子材料からなる被覆層で金属製のステント基材を被覆してなるステントにおいて
前記高分子材料は、ポリエーテル鎖を構造中に有し、
前記高分子材料からなる被覆層中に、前記塩酸サルポグレラートを0.05〜80質量%含み、
前記被覆層の厚さは、0.1〜200μmであり、
当該ステントは、これを、pH7.4のリン酸緩衝液中で振盪した場合において、少なくとも15日間は、当該被覆層からは、当該塩酸サルポグレラートは、少なくとも0.001〔μg/cm2・時間〕の溶出速度で液中に徐放を続けることができる安定な被覆を有することを特徴とするステント。
【0017】
〔2〕 塩酸サルポグレラートからなる抗血小板剤とともに、当該塩酸サルポグレラートとほぼ同時期に溶出し同時期にその薬効を発現しうる他の薬剤を含む高分子材料からなる被覆層で被覆されたことを特徴とする〔1〕に記載のステント。
【0018】
〔3〕 塩酸サルポグレラートよりなる抗血小板剤及びアルガトロバンよりなる抗トロンビン剤を含み、前記抗血小板剤及び抗トロンビン剤を生体内で徐放しうる高分子材料からなる被覆層で被覆されたことを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載のステント。
【0019】
〔4〕 高分子材料からなる被覆層中に、塩酸サルポグレラート及び他の薬剤を、又は、塩酸サルポグレラート及びアルガトロバンを、合計量で0.05〜80質量%含むことを特徴とする〔1〕から〔3〕のいずれかに記載のステント。
【0020】
〔5〕 少なくとも抗血小板剤を含み、当該抗血小板剤を生体内で徐放しうる高分子材料からなる被覆層で金属製の管状のステント基材を被覆してなるステントにおいて、
前記高分子材料は、ポリエーテル鎖を構造中に有し、
前記被覆層の厚さは、0.1〜200μmであり、
当該管状のステント基材(31)の外周面に第一被覆層(32)を被覆し、
当該第一被覆層(32)の外周面に、第二被覆層(33)を被覆し、
前記第一被覆層(32)は、抗血小板剤または抗トロンビン剤のいずれか一つを含み、
前記第二被覆層(33)は、前記第一被覆層(32)に含まれていない抗トロンビン剤または抗血小板剤のいずれか一つを含み、
前記抗血小板剤は、塩酸サルポグレラートであり、当該塩酸サルポグレラートは前記高分子材料からなるいずれかの被覆層中に0.05〜80質量%含まれるものであり、
当該ステントは、これを、pH7.4のリン酸緩衝液中で振盪した場合において、少なくとも10日間は、当該被覆層からは、当該塩酸サルポグレラートは、少なくとも0.001〔μg/cm2・時間〕の溶出速度で液中に徐放を続けることができる安定な被覆を有することを特徴とするステント。
【0022】
〕 少なくとも塩酸サルポグレラートを含み、当該塩酸サルポグレラートを生体内で徐放しうる高分子材料からなる管状体を形成し、当該管状体で管状の金属製のステントを被嵌したステントグラフトにおいて、
前記高分子材料は、ポリエーテル鎖を構造中に有し、
前記高分子材料からなる管状体中に、前記塩酸サルポグレラートを0.05〜80質量%含み、
前記管状体の厚さは、0.1〜200μmであり、
当該ステントグラフトは、これを、pH7.4のリン酸緩衝液中で振盪した場合において、少なくとも5日間は、当該管状体からは、当該塩酸サルポグレラートは、少なくとも0.001〔μg/cm2・時間〕の溶出速度で液中に徐放を続けることができる安定な管状体であることを特徴とするステントグラフト。
【0023】
〕 塩酸サルポグレラートからなる抗血小板剤とともに、当該塩酸サルポグレラートとほぼ同時期に溶出し同時期にその薬効を発現しうる他の薬剤を含む高分子材料で管状体を形成し、当該管状体でステントを被嵌したことを特徴とする〔〕に記載のステントグラフト。
【0024】
〕 塩酸サルポグレラートよりなる抗血小板剤及びアルガトロバンよりなる抗トロンビン剤を含み、前記抗血小板剤及び抗トロンビン剤を生体内で徐放しうる高分子材料で管状体を形成し、当該管状体でステントを被嵌したことを特徴とする〔〕または〔〕に記載のステントグラフト。
【0025】
〕 高分子材料からなる管状体に、塩酸サルポグレラート及び他の薬剤を、又は、塩酸サルポグレラート及びアルガトロバンを、合計量で0.05〜80質量%含むことを特徴とする〔〕から〔〕のいずれかに記載のステントグラフト。
【0026】
〔10〕 少なくとも抗血小板剤を含み、当該抗血小板剤を生体内で徐放しうる高分子材料からなる管状体を形成し、当該管状体で管状の金属製のステントを被嵌したステントグラフトにおいて、
前記高分子材料は、ポリエーテル鎖を構造中に有し、
前記管状体の厚さは、0.1〜200μmであり、
前記被嵌する管状体を一層又は二層以上に形成するものであって
前記抗血小板剤または抗トロンビン剤のいずれか一つを含む高分子材料よりなる第一層管状体と、
当該第一層管状体に含まれない当該抗トロンビン剤または抗血小板剤のいずれか一つを含む高分子材料からなる第二層管状体とを有し、
前記第一層管状体と前記第二層管状体を、内層及び外層の二層に積層するか、または、
前記第一層管状体と前記第二層管状体とを、内層、中間層及び外層の三層に積層し、第一層管状体と前記第二層管状体のいずれか一方が中間層を形成し、もう一方が内層及び外層を形成した多層管状体を、
前記管状のステント基材の外周面に被嵌したステントグラフトであり、
前記抗血小板剤は、塩酸サルポグレラートであり、当該塩酸サルポグレラートは前記高分子材料からなるいずれかの管状体の層中に0.05〜80質量%含まれるものであり、
当該ステントグラフトは、これを、pH7.4のリン酸緩衝液中で振盪した場合において、少なくとも15日間は、当該管状体からは、当該塩酸サルポグレラートは、少なくとも0.001〔μg/cm2・時間〕の溶出速度で液中に徐放を続けることができる安定な管状体であることを特徴とするステントグラフト。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、基本的に、少なくとも塩酸サルポグレラートを含み、当該塩酸サルポグレラートを生体内で徐放しうる高分子材料からなる被覆層で被覆されたステントである。
【0033】
ここで、「塩酸サルポグレラート」(sarpogrelate HCl)とは、(±)−1−[o−(m−メトキシフェニル)フェノキシ]−3−(ジメチルアミノ)−2−プロピルハイドロジェンサクシネートハイドロクロライド(IUPAC名:(±)−2−(ジメチルアミノ)−1−[{o−(m−メトキシフェネチル)フェノキシ}メチル]エチルハイドロジェンサクシネート)である。この塩酸サルポグレラートは、抗凝固剤の中で抗血小板剤に分類され、アスピリン以上の抗血小板活性を有し、セロトロニンによる血小板の凝集及び血管収縮を抑制する作用を有している薬剤である。
【0034】
また、本発明のステントとしては、上記塩酸サルポグレラートからなる抗血小板剤とともに、さらに、当該塩酸サルポグレラートとほぼ同時期に溶出し同時期にその薬効を発現しうる他の薬剤を含む高分子材料からなる被覆層で被覆されているものが好ましい。このような塩酸サルポグレラートとほぼ同時期に溶出し同時期にその薬効を発現しうる他の薬剤としては、代表的なものとして、アルガトロバンがあげられる。
【0035】
従って、本発明の好ましいステントの形態は、塩酸サルポグレラートよりなる抗血小板剤及びアルガトロバンよりなる抗トロンビン剤を含み、前記抗血小板剤及び抗トロンビン剤を生体内で徐放しうる高分子材料からなる被覆層で被覆されているものである。
【0036】
このような塩酸サルポグレラートと併用することができる「アルガトロバン」(argatroban)とは、(2R,4R)−4−メチル−1−[N2−((RS)−3−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−8−キノリンスルホニル)−L−アルギニル]−2−ピペリジンカルボン酸の1水和物を意味するが、本発明においては、「アルガトロバン」とはアルガトロバンを含むポリマーから徐放される(2R,4R)−4−メチル−1−[N2−((RS)−3−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−8−キノリンスルホニル)−L−アルギニル]−2−ピペリジンカルボン酸も意味するものとする。このアルガトロバンは、抗凝固剤の中で抗トロンビン活性を有する抗トロビン剤に分類され、血液凝固反応の開始及びその進展を抑制する作用を有しているものである。
【0037】
塩酸サルポグレラート及びアルガトロバンは、双方ともヘパリンやウロキナーゼ等の抗血栓性物質と異なり、アルコール等の有機溶媒に溶解が可能であることから、塩酸サルポグレラート(又は、さらにアルガトロバンを併用)と高分子重合体を溶解した溶液を塗布、被覆することにより、高分子材料や金属材料の表面に抗血栓性(抗血小板活性(及び更に抗トロンビン活性))を付与することが可能である。
【0038】
塩酸サルポグレラートと併用される薬剤としては、アルガトロバンの他、シロスタゾール(cilostazol)(6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キノリノン)、ワルファリンカリウム(warfarin potassium)、塩酸チクロピジン(ticlopidine HCl)、ベラプロストナトリウム(beraprost sodium)
、アスピリン(aspirin)等が挙げられるが、これに限られるものではない。
【0039】
図1は、本発明のステントの一例を示す概略図であるが、図に示すように、本発明のステント10は、基材11及び当該基材を被覆する被覆層12からなる。ステントの基材11を構成する材質は、それ自身公知のものでよく、特に限定するものではないが、例えばSUS316L等のステンレス鋼、Ti−Ni合金、Cu−Al−Mn合金等の形状記憶合金、Cu−Zn合金、Ni−Al合金、チタン、チタン合金、タンタル、タンタル合金、プラチナ、プラチナ合金、タングステン、タングステン合金等からなる金属パイプや平板をレーザー加工することにより表面に所定のパターンを形成した略管状体、又はこれら金属のワイヤーにより形成した編目状の略管状体等が使用される。なお、略管状体の形状については、目的の物性が得られるものであれば、特に限定されるものではない。
【0040】
また、被覆層12は、少なくとも塩酸サルポグレラートを含み、当該塩酸サルポグレラートを生体内で徐放しうる高分子材料(被覆用高分子材料)からなるものであるが、当該高分子材料としては、少なくとも、ステントの拡張に剥離等することなく、追従できるコンプライアンスのある高分子が好ましい。例えば、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、(メタ)アクリル酸エステル系重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ(エチレン−ビニルアルコール)共重合体等や、また、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)、(2−ヒドロキシエチル−メタアクリレート)−スチレンブロック共重合体等に代表される血液適合性に優れた高分子材料が好ましいものとして挙げられる。ただし、これに限られるものではなく、所望の有機溶媒中に容易に溶解でき、また、水、血液、生理食塩水に溶解しない高分子材科であり、かつ、血液の凝固を抑制し得る有効量の塩酸サルポグレラート(併用する場合は塩酸サルポグレラート及びアルガトロバン等)を、生体内において当該被覆層表面より徐々に溶出(徐放)することが可能なものであれば、特に前記のものに限定されるものではない。
【0041】
これらのうち、ポリプロピレンオキシド鎖、ポリテトラメチレンオキシド鎖等のポリエーテル鎖を構造中に有する高分子材料を用いることが望ましい。より具体的には、ポリエーテル系、ポリカーボネート系のポリウレタン、ポリエステル及びポリエーテルポリアミドなどが、ステントとして一定期間以上の徐放性を保つという点で好適に用いることができるため好ましい。基本的に、血管内に留置される血管内ステントは、カテーテルなどの一時的な処置または留置を行う医療用具とは異なり、半永久的に体内に留置(インプラント)するものであるため、耐加水分解性が高いポリエーテル系、ポリカーボネート系のポリウレタンが、本発明の血管内ステントに最も好適に使用できる。
【0042】
なお、特定の理論に拘泥するものではないが、例えばこれらのポリエーテル鎖を構造中に有する高分子材料は、ステント基材表面に被覆層を形成した後、塩酸サルポグレラートやアルガトロバン等に対して親和性を有するポリエーテル鎖部分が上記塩酸サルポグレラート等の化合物を補足し、当該ポリエーテル鎖部分を流路としてこれら化合物を被覆層の外部に放出できると考えられる。
【0043】
上記したように、ステントは、半永久的に体内に留置(インプラント)することを前提とするものであり、カテーテルなどの、一時的な留置を行う医用材料の場合では実質的に問題とされない体内での材料の劣化が無視できない問題となるため、耐加水分解性が高いカーボネート系ポリウレタンも、インプラントを考えると好ましい。
【0044】
本発明においては、塩酸サルポグレラートの分子鎖を有する高分子材料でステントの被覆層を形成し、当該被覆層は、当該高分子材料に結合していない塩酸サルポグレラートを含むようなステントとすることができる。
【0045】
また、さらに、塩酸サルポグレラートとともに例えばアルガトロバンを併用する場合は、当該塩酸サルポグレラートよりなる抗血小板剤の分子鎖及びアルガトロバンよりなる抗トロンビン剤の分子鎖を有する高分子材料からなる被覆層で被覆され、当該被覆層は高分子材料に結合していない塩酸サルポグレラートを含むようなステントとすることもできる。
【0046】
ここで塩酸サルポグレラート等の分子鎖を有する高分子材料とは、当該サルポグレラート等が当該高分子材料を構成する分子鎖(分子骨格)の一部として含まれているか、または、当該高分子材料に塩酸サルポグレラート分子がグラフトされていることを意味し、いずれにせよ、単純に塩酸サルポグレラート等が高分子材料中に物理的に混合されているものではなく、高分子の分子骨格に塩酸サルポグレラート分子が化学結合により固定されてものである。
【0047】
従来、アルガトロバン等の薬剤の分子鎖を高分子材料に組み込むには、そのカルボン酸基を水酸基やアミノ基を有する付加重合可能なエチレン性化合物、例えば、ヒドロキシエチルメチルメタクリレート(HEMA)と反応させることにより、容易に、アルガトロバン等を付加重合可能な化合物とすることによりなされることは公知である(例えば、特開平3−15478、特開平3−15479、特開平7−196650、特開平7−238067、特開平9−59247、特開平9−302039等を参照。)。塩酸サルポグレラートについても、同様にして、その有するカルボン酸基により、これを付加重合可能な化合物とすることができ、容易に、塩酸サルポグレラートの分子鎖を有する高分子材料を形成することができる。
【0048】
塩酸サルポグレラート等を含み、当該塩酸サルポグレラート等を生体内で徐放しうる高分子材料(被覆用高分子材料)からなる被覆層をステントに形成した場合は、通常、当該被覆層は薄膜となるため、例えば一ヶ月以上という長期間経過する場合、塩酸サルポグレラート等の徐放量(徐放速度)は、初期に比較して相当減少してしまう。
【0049】
この場合、上記のごとく、分子鎖に塩酸サルポグレラート等を有する高分子材料を溶媒に溶解してステントに塗布した被覆層とすることにより、短期的には、当該高分子材料から徐放する塩酸サルポグレラートやアルガトロバン等が血栓生成を抑制すると共に、長期的には、ステントの被覆層を形成する高分子材料自体が、その分子鎖に結合された塩酸サルポグレラートやアルガトロバン等の作用により、血栓生成や平滑筋細胞の増殖を抑制する効果を奏するのである。
【0050】
高分子材料からなる被覆層中の塩酸サルポグレラート等の含有量は、ステント基材表面に十分な抗血栓性を付与しつつ、かつ、血管や血液の機能には悪影響を与ず、さらに塩酸サルポグレラート等を含有することにより高分子材料からなる被覆層の強度を著しく低下させない範囲であることが好ましく、塩酸サルポグレラート単独の場合は、高分子材料からなる被覆層中に、塩酸サルポグレラートを0.05〜80質量%、好ましくは1〜60質量%、さらに好ましくは5〜50質量%であり、また、塩酸サルポグレラート及びアルガトロバンのように塩酸サルポグレラート及び他の薬剤を併用する場合は、高分子材料からなる被覆層中に、塩酸サルポグレラート及び他の薬剤の合計量として0.05〜80質量%、好ましくは1〜60質量%、さらに好ましくは5〜50質量%であることが好ましい。なお、薬剤を併用する場合は、塩酸サルポグレラートは、少なくとも0.05質量%以上含まれることが好ましい。
【0051】
本発明において、塩酸サルポグレラート等を含む高分子材料からなる被覆層をステントに形成するには、塩酸サルポグレラート等と高分子材料を溶解しうる有機溶媒に両者を溶解し、この有機溶媒の溶液(被覆用溶液)を、ロールや刷毛によりステント(ステントの基材)に塗布して乾燥する方法、スプレーにより噴霧塗布して乾燥する方法、及び当該溶液中にステントを浸漬(ディッピング)する方法等のいずれかの方法を採用すればよい。
【0052】
高分子材料と塩酸サルポグレラート(及び、さらに併用するアルガトロバン等)を共に溶解する溶媒としては、N,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)、テトラハイドロフラン(THF)、N−メチルピロリドン、スルホラン、γ−ブチルラクトン、テトラメチル尿素(TMU)、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の非プロトン性極性溶媒があげられ、これらにより、塗布等に適した、高分子材料/塩酸サルポグレラート(及びアルガトロバン等)の被覆用の均一溶液(被覆用溶液)を得ることができる。なお、これらの溶媒は、2種以上を混合して使用することもできるし、高分子材料と塩酸サルポグレラート等の薬剤をそれぞれ別の溶媒に溶解してから混合することもできる。
【0053】
被覆用溶液中の、高分子材料及び塩酸サルポグレラート(及びアルガトロバン等)の濃度は、被覆層中に含有させるべき塩酸サルポグレラート等の量、すなわち、被覆層表面からの塩酸サルポグレラート等の所望の溶出量(溶出速度)及びステントの形状等の要件によって異なりうるものであるが、通常、溶媒に対しての高分子材料と塩酸サルポグレラート等の合計量の濃度としては、当該溶媒への高分子材料及び塩酸サルポグレラート等の飽和濃度以下の濃度範囲で選択され、例えば、0.02〜30質量%、好ましくは0.05〜20質量%程度が望ましい。
【0054】
一般的に、ステントの形状と目的にあわせ、高分子及び溶媒の組み合わせと混合比、高分子材料と塩酸サルポグレラート(及びアルガトロバン等)の組成比、被覆用溶液の高分子材料−塩酸サルポグレラート等の濃度等を適宜選択することにより、ステント基材表面への塩酸サルポグレラート等を含んだ被覆層の厚さ、(塩酸サルポグレラート等の濃度)を適宜設定することができる。
【0055】
具体的には、ステント留置後、ステントが完全に新生内膜で被覆されるまでは、ステント内に血栓形成や、急性冠閉塞が発生しやすいため、2〜4週間は、亜急性血栓性閉塞抑制のためにも、充分な抗凝固療法(投薬等)が必要とされており、本発明においても、ステント基材表面の被覆層からの塩酸サルポグレラート(及びアルガトロバン等)の溶出量や期間がかかる目的に合致する量になるように、被覆用溶液中の塩酸サルポグレラート等の濃度や被覆層の厚み等々を調整すればよいのである。
【0056】
このように、ステント(基材)に形成される被覆層の厚さは、含有させるべきサルポグレラート等の濃度、所望の溶出量や溶出量の経時変化等に応じて任意に採用できるものであるが、通常、0.1〜200μm、好ましくは0.1〜50μmである。なお、後記するように、被覆層は、一層又は二層以上に形成することができる。
【0057】
本発明においては、塩酸サルポグレラート等と高分子材料からなる被覆用溶液中には、塩酸サルポグレラート等の活性及び医療用具の本来の特性を損なわない範囲において、それ以外の種々の薬剤等の成分を添加してもよい。 長期的には、血栓生成を原因するものから、平滑筋の増殖等による再狭窄が起こることを抑制することができる。
【0058】
以下、図面を参照しながら本発明のステントの実施の形態を説明する。
図1は、すでに説明したように、本発明のステントの一例を示す概略図であるが、ステント10は例えばステンレス鋼製の基材11から構成され、その外周面にすくなくとも抗血小板剤である塩酸サルポグレラート(及び、場合によりさらに抗トロンビン剤であるアルガトロバン等)を含んだ高分子材料からなる被覆層12が被覆されている。
【0059】
図2は、図1の断面図であって、高分子材料からなる被覆層12には、例えば、抗血小板剤である塩酸サルポグレラート13と抗トロンビン剤であるアルガトロバン14が分散して、すなわち、混合状態で含まれている例である。
【0060】
なお、かかる被覆層の形成方法は、すでに一般的に述べたとおり、抗血小板剤である塩酸サルポグレラート等と高分子材料をそれぞれ同一又は異なる溶媒で溶解して混合し、得られた被覆用溶液をスプレーによる塗布やディッピングによる塗布による被覆層の形成が可能である。ここで、スプレー、ディッピングの回数は一回でも良いが高分子材料の濃度等によって被覆層の厚さを調整するためは、複数回に分けて塗布する方法が通常用いられる。
【0061】
図3は、円筒状であるステント基材21の、内周面と外周面に、例えば、抗血小板剤である塩酸サルポグレラートと抗トロンビン剤であるアルガトロバンを含む高分子材料の被覆層をそれぞれ、内層22及び外層23として設けたステント20の一例である。ここで、基材21の内周面と外周面の両面に、内層22と外層23を被覆するには、塗布でも可能であるが、ディッピングによる被覆が特に有効である。
【0062】
図4に示すステント30は、ステント基材31の外周面に、例えばアルガトロバン等の抗トロンビン剤または塩酸サルポグレラートからなる抗血小板剤を含む高分子材料からなる被覆層(第一被覆層)32を被覆し、さらにその外周面上に、塩酸サルポグレラートからなる抗血小板剤またはアルガトロバン等の抗トロンビン剤を含む高分子材料からなる被覆層(第二被覆層)33を形成した例である。
【0063】
かかる二層の層構成の被覆層を形成するには、ステント基材31の外周面に、例えばアルガトロバン等の抗トロンビン剤または塩酸サルポグレラートからなる抗血小板剤と高分子材料の混合溶液を塗布又はスプレーして第一被覆層32を形成し、これを乾燥させた後に、例えば塩酸サルポグレラートからなる抗血小板剤またはアルガトロバン等の抗トロンビン剤と高分子材料の混合溶液を塗布又はスプレーして当該第一被覆層32の外周面に第二被覆層層33を形成するものである。なお、通常は、高分子材料としては、第一被覆層32と第二被覆層33で双方とも同一の高分子材料(例えば、熱可塑性ポリウレタン)を使用するが、接着力が得られる組み合わせであれば、高分子材料からなる第一被覆層32と第二被覆層33に使用する高分子は、異なる種類の組み合わせも可能である。
【0064】
以上説明した塩酸サルポグレラートを含む高分子材料からなる被覆層で被覆されたステントの技術思想は、同様にステントグラフトについても、同様に適用することができる。
【0065】
ステントグラフトとは、金属製の略円筒状のステントの外側(内側でもよい。)に高分子材料からなる管状体を被嵌し、狭窄や動脈瘤等の障害受けた血管の修復のためや、中空器官の代用等として用いられるステントの一種である医療器具である。
【0066】
すなわち、本発明のステントグラフトは、少なくとも塩酸サルポグレラートを含み、当該塩酸サルポグレラートを生体内で徐放しうる高分子材料で管状体を形成し、当該管状体で被嵌したステントグラフトである。ここで被嵌とは、高分子材料からなる管状体を略円筒状のステントの外面にぴったり被せること、または、ステントの内面にぴったりと密着させることである。
【0067】
また、好ましい本発明のステントグラフトとしては、上記塩酸サルポグレラートからなる抗血小板剤とともに、当該塩酸サルポグレラートとほぼ同時期に溶出し同時期にその薬効を発現しうる他の薬剤を含む高分子材料で管状体を形成し、当該管状体でステントを被嵌したものが望ましい。
【0068】
好ましいステントグラフトとしては、塩酸サルポグレラートよりなる抗血小板剤及びアルガトロバンよりなる抗トロンビン剤を含み、前記抗血小板剤及び抗トロンビン剤を生体内で徐放しうる高分子材料で管状体を形成し、当該管状体でステントを被嵌したステントグラフトが挙げられる。
【0069】
図5は、本発明のステントグラフトの一例を示す概略図であるが、図に示すように本発明のステントグラフト40は、少なくとも塩酸サルポグレラートを含み、当該塩酸サルポグレラートを生体内で徐放しうる高分子材料で形成した管状体42を、基材41の外周面に被嵌したものである。当該管状体42は、ステントグラフト40の縮小時から拡張時のサイズまで伸縮が可能であることが好ましい。
【0070】
当該高分子材料は、すでに述べたステントについての被覆用高分子材料と同じものを使用することができ、これについて詳細に説明した事項がそのまま妥当する。
【0071】
また、塩酸サルポグレラートの分子鎖を有する高分子材料で管状体を形成してステントを被嵌し、当該管状体は、当該高分子材料に結合していない塩酸サルボグレラートを含むステントグラフトとすることもできるし、さらに、塩酸サルポグレラートよりなる抗血小板剤及びアルガトロバンよりなる抗トロンビン剤の分子鎖を有する高分子材料で管状体を形成し、当該管状体でステントを被嵌し、当該管状体は高分子材料に結合していない塩酸サルポグレラートを含むようなステントグラフトとすることもできることは、被覆層を備えたステントの場合と全く同様である。
【0072】
高分子材料からなる管状体中の塩酸サルポグレラート等の好ましい含有量の範囲は、被覆層中の塩酸サルポグレラート等と同様な作用効果を奏することが要請されることから、被覆層中の含有量の範囲と同様な範囲が選択される。
【0073】
本発明において、ステントに被嵌する高分子材料からなる管状体を形成するには、種々の方法があり得るが、例えば、塩酸サルポグレラート等と高分子材料を溶解しうる有機溶媒に両者を溶解し、この有機溶媒の溶液を、ステントと略同径の型となる管の表面に塗布して乾燥し、当該管の表面に形成され管状体を剥離(離型)する方法や、当該管を当該溶液中に浸漬(ディッピング)して、乾燥後、同様に管状体を剥離する方法等を採用することができる。ここで、塗布やデッピングは、所望の管状体の厚みに応じて、一回又は二回以上を行ってもよい。
【0074】
ステントに被嵌する高分子材料からなる管状体は、また、押出機を使用して押出成形することにより形成することもできる。すなわち、押出成形機などを用いて基材となる上記高分子材料を加熱溶融し、これに塩酸サルポグレラート等を添加して十分に混練、分散せしめ、この混練した高分子材料の組成物を、ペレットに成形加工する。次に、これらのペレットを押出機に供給して加熱溶融し、円形ダイに同時に供給して溶融状態でチューブ状に押出成形することにより管状体とすることができる。なお、ステントの被覆層と同様に、当該管状体は、一層又は二層以上に成形することができるが、その場合は、各層に相当するペレットをそれぞれ準備しておき、このペレットをそれぞれ別々の押出機に供給して加熱溶融し、多層の円形ダイに同時に供給して溶融状態でチューブ状に共押成形し、多層の管状体とすればよい。なお、積層は、高分子材料の溶融物がダイに入る前に行う方法、ダイの中で行う方法、ダイを出てから行う方法があるがいずれでもかまわない。
【0075】
管状体が単層の場合、例えば図5に示す管状体42は、塩酸サルポグレラートからなる抗血小板剤単独、または、塩酸サルポグレラートからなる抗血小板剤及びアルガトロバン等からなる抗トロンビン剤を混合状態で含む高分子材料から形成されるが、多層の場合は、管状体42は、内層を塩酸サルポグレラートからなる抗血小板剤、または、アルガトロバン等からなる抗トロンビン剤のみを含む高分子材料で形成し、その外層を、アルガトロバン等からなる抗トロンビン剤、または、塩酸サルポグレラートからなる抗血小板剤のみを含む高分子材料で形成することができる。
【0076】
ステントグラフトにおける管状体の厚さは、ステントの被覆層の厚さと同様に、含有させるべきサルポグレラート等の濃度、所望の溶出量や溶出量の経時変化等に応じて任意に採用できるものであり、通常、0.1〜200μm、好ましくは0.1〜50μmである。
【0077】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明がこれらの実施例により限定的に解釈されるものではない。
【0078】
〔実施例1〕
(1)塩酸サルポグレラート50質量部、テコフレックス93A(ポリエーテルタイプ熱可塑性ポリウレタン)50質量部を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、1質量%溶液を調製した。
【0079】
(2)この溶液を、図1に示すパターンを形成した管状のステント基材11に塗布し、DMFを揮発させて高分子材料からなる被覆層12を形成したステントのサンプルとした。なお、膜厚は約10μmであった。
【0080】
(3)このステントのサンプルを拡張後、pH7.4−リン酸緩衝液3mlが入った試験管に入れ、37℃にて振盪し、経時的にサンプリングして分析し、塩酸サルポグレラートの徐放量及び徐放速度の経時的な変化を以下の方法により測定した。すなわち、測定は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で行い、溶離液として10mM−ペンタンスルン酸ナトリウム含有65%メタノール水、分析カラムとしてWakosil5C8(直径4.6mm×長さ250mm:和光純薬工業株式会社製)を用い、カラム温度50℃で測定を行った。カラム通過後にT型ジョイントを用いて1N−水酸化ナトリウムを送り込み、蛍光検出器を用いて励起光330nm、蛍光400nmでの測定を行った。結果を表1に示す。
【0081】
【表1】
Figure 0005073891
【0082】
〔実施例2〕
(1)図1に示すパターンを形成したステントに、テコフレックス100A(ポリエーテルタイプ熱可塑性ポリウレタン)を1質量%と、塩酸サルポグレラート、アルガトロバンをそれぞれ0.5質量%溶解したDMF溶液を、Ni−Ti合金製のステント基材11の外周面にスプレーにより吹き付け、乾燥を5回繰り返して厚さ70μmの高分子材料からなる被覆層12を形成したステントを得た。
【0083】
(2)このステントを拡張後、実施例1と同様の方法により、徐放速度を経時的に測定した。結果を表2に示す。
【0084】
【表2】
Figure 0005073891
【0085】
〔実施例3〕
(1)バイオネート80A(ポリカーボネートタイプ熱可塑性ポリウレタン)の7質量%THF溶液とアルガトロバンの15質量%メタノール溶液の混合溶液を図4に示すSUS316L製のステント基材31の外周面にスプレーにて吹き付け、乾燥を5回繰り返して厚さ50μmの高分子材料からなる第一被覆層32を形成した。さらに当該第一被覆層32の外周面に、バイオネート80Aの7質量%THF溶液と塩酸サルポグレラートの7質量%メタノール溶液の混合溶液をスプレーにて吹き付け、乾燥を5回繰り返して厚さ70μmの第二被覆層33を形成した。
【0086】
(2)作製したステントを37℃、pH7.4のリン酸緩衝液中に浸漬して50回振盪した後、塩酸サルポグレラートとアルガトロバンの溶出量及び溶出速度を経時的に測定した。結果を表3に示す。
【0087】
〔実施例4〕
(1)ペレセン2363−80AE(ポリエーテルタイプ熱可塑性ポリウレタン)に塩酸サルポグレラートとアルガトロバンをそれぞれ10質量%、合わせて20質量%の量で小型混連機で190℃にてコンパウンド化し、これを15mm押出機にて押出、図5に示すような、1.45mm×1.50mmのサイズの管状体42を成形し、これをステント基材41の長さにあわせて切断し、ステント基材41に被嵌してステントグラフト40を作製した。
【0088】
(2)作製したステントグラフトを37℃、pH7.4のリン酸緩衝液中に浸漬して50回振盪した後、塩酸サルポグレラートとアルガトロバンの溶出量及び溶出速度を経時的に測定した。結果を表4に示す。
【0089】
〔実施例5〕
(1)テコフレックス100A(ポリエーテルタイプ熱可塑性ポリウレタン)に塩酸サルポグレラートを10質量%の量で混練したコンパウンドとテコフレックス100Aにアルガトロバン10質量%で混練したコンパウンドとを準備した。これを12mm(中間層用:塩酸サルポグレラート)/15mm(内層及び外層用:アルガトロバン)の2台の押出機を使用して、三層チューブを成形した。すなわち、内層及び外層の厚さ10μm、中間層の厚さ20μmである、1.46mm×1.50mmの三層チューブを成形した。当該チューブは、内層及び外層の組成:テコフレックス100A/アルガトロバン10質量%、であり、中間層の組成:テコフレックス100A/塩酸サルポグレラート10質量%、管状体42であり、当該管状体をステント基材41に被嵌しステントグラフト40を作製した。
【0090】
(2)作製したステントグラフトを37℃、pH7.4のリン酸緩衝液中に浸漬して50回振盪した後、塩酸サルポグレラートとアルガトロバンの溶出量及び溶出速度を経時的に測定した。結果を表5に示す。
【0091】
以上の実施例3〜5(表3〜5)から明らかなように、実施例3及び実施例4においては、塩酸サルポグレラートとアルガトロバンの溶出性は前者が短期間(直後より3日間)であったのに対し、後者は長期間(直後より2週間)に及び、両者に明らかな時間差が認められた。
【0092】
また、実施例5においては、初期において塩酸サルポグレラートの溶出量が少ないが、長期的な溶出が確認され、アルガトロバンとの溶出性に時間的な差はほとんど見られなかった。
【0093】
このように、被覆層の種類、構成、製法、及び薬剤の配合量の選択によって薬剤の徐放性の調整が可能なことが確認された。
【0094】
(a)すなわち、例えば抗血小板剤(塩酸サルポグレラート)により、血小板の凝集及び血管収縮を抑制する作用を早期に発現させたいとき、あるいは、これらの作用の発現が短期間で十分な場合は、
【0095】
実施例2のように、塩酸サルポグレラートとアルガトロバンを高分子材料に混合して、ステント基材の表面にコーテイングするか、または、
【0096】
実施例3のように、ステント基材の表面に、高分子材料に混合したアルガトロバン(内層)、高分子材料に混合した塩酸サルポグレラート(外層)の順でコーテイングするか、または、
【0097】
実施例4のように、塩酸サルポグレラートとアルガトロバンを高分子材料に混合して成形した管状体をステント基材に被嵌することにより、この目的を達成することができる。
【0098】
(b)また例えば抗トロンビン剤(アルガトロバン)により血液凝固反応の開始及びその進展を長期間抑制するとともに、抗血小板剤(塩酸サルポグレラート)により血小板の凝集及び血管収縮を抑制する作用を長期間持続させたいときは、実施例5のように、内層と外層をアルガトロバン、中間層を塩酸サルポグレラートにより形成した三層チューブをステント基材に被嵌することにより、この目的を達成することができるのである。
【0099】
【表3】
Figure 0005073891
【0100】
【表4】
Figure 0005073891
【0101】
【表5】
Figure 0005073891
【0102】
〔実施例6〕
以上のごとくして作製したステント(実施例1、実施例3)、ステントグラフト(実施例6)及び比較例(ステント未処理品SUS316L製)を、家兎の総腸骨動脈よりバルーンカテーテルを使用し挿入して右総頸動脈に留置した。24時間後、前記留置した家兎頸部を切開しステントを取り出し観察した。結果を表6に示した。
【0103】
【表6】
Figure 0005073891
【0104】
【発明の効果】
本発明により優れた抗血栓性を有し、体内留置後の血栓性閉塞を抑制し、低い再狭窄率を示すステントを提供することができる。
【0105】
また、本発明のステント及びステントグラフトによれば抗血小板剤と抗トロンビン剤が同時期に溶出して同時期に効果を発現できるように調整できる。すなわち抗血小板剤により血小板粘着を阻害し、抗トロンビン剤により血液凝固反応の開始と進展の抑制が可能となる。
【0106】
また、基材に被覆ないし被嵌する高分子材料の厚さと抗血小板剤及び抗トロンビン剤の配合量を調整すればステント留置直後の即効的な薬剤放出から内皮細胞再生までの2週間までの長期間にわたって薬剤が血液中に徐放するようにコントロールすることが可能になる。
【0107】
さらにまた、抗凝固剤の静注による副作用発生も低減でき、患者に負担の少ない治療が実現できる。加えて本発明において抗血小板剤として使用する塩酸サルポグレラートは血管平滑筋収縮抑制作用も有しているので、ステント留置による再狭窄の危険性をより低減できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のステントの概略図
【図2】図1のステントの断面図
【図3】本発明のステントの概略図
【図4】本発明のステントの断面図
【図5】本発明のステントグラフトの概略図
【符号の説明】
10 、20、30 ステント
11、21、31 ステント基材
12 高分子材料からなる被覆層
13 抗血小板剤
14 抗トロンビン剤
22 内層
23 外層
32 抗トロンビン剤を含む高分子材料の層(第一被覆層)
33 抗血小板剤を含む高分子材料の層(第二被覆層)
40 ステントグラフト
41 基材
42 管状体

Claims (10)

  1. 少なくとも塩酸サルポグレラートを含み、当該塩酸サルポグレラートを生体内で徐放しうる高分子材料からなる被覆層で金属製のステント基材を被覆してなるステントにおいて、
    前記高分子材料は、ポリエーテル鎖を構造中に有し、
    前記高分子材料からなる被覆層中に、前記塩酸サルポグレラートを0.05〜80質量%含み、
    前記被覆層の厚さは、0.1〜200μmであり、
    当該ステントは、これを、pH7.4のリン酸緩衝液中で振盪した場合において、少なくとも15日間は、当該被覆層からは、当該塩酸サルポグレラートは、少なくとも0.001〔μg/cm2・時間〕の溶出速度で液中に徐放を続けることができる安定な被覆を有することを特徴とするステント。
  2. 塩酸サルポグレラートからなる抗血小板剤とともに、当該塩酸サルポグレラートとほぼ同時期に溶出し同時期にその薬効を発現しうる他の薬剤を含む高分子材料からなる被覆層で被覆されたことを特徴とする請求項1に記載のステント。
  3. 塩酸サルポグレラートよりなる抗血小板剤及びアルガトロバンよりなる抗トロンビン剤を含み、前記抗血小板剤及び抗トロンビン剤を生体内で徐放しうる高分子材料からなる被覆層で被覆されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のステント。
  4. 高分子材料からなる被覆層中に、塩酸サルポグレラート及び他の薬剤を、又は、塩酸サルポグレラート及びアルガトロバンを、合計量で0.05〜80質量%含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のステント。
  5. 少なくとも抗血小板剤を含み、当該抗血小板剤を生体内で徐放しうる高分子材料からなる被覆層で金属製の管状のステント基材を被覆してなるステントにおいて、
    前記高分子材料は、ポリエーテル鎖を構造中に有し、
    前記被覆層の厚さは、0.1〜200μmであり、
    当該管状のステント基材(31)の外周面に第一被覆層(32)を被覆し、
    当該第一被覆層(32)の外周面に、第二被覆層(33)を被覆し、
    前記第一被覆層(32)は、抗血小板剤または抗トロンビン剤のいずれか一つを含み、
    前記第二被覆層(33)は、前記第一被覆層(32)に含まれていない抗トロンビン剤または抗血小板剤のいずれか一つを含み、
    前記抗血小板剤は、塩酸サルポグレラートであり、当該塩酸サルポグレラートは前記高分子材料からなるいずれかの被覆層中に0.05〜80質量%含まれるものであり、
    当該ステントは、これを、pH7.4のリン酸緩衝液中で振盪した場合において、少なくとも10日間は、当該被覆層からは、当該塩酸サルポグレラートは、少なくとも0.001〔μg/cm2・時間〕の溶出速度で液中に徐放を続けることができる安定な被覆を有することを特徴とするステント。
  6. 少なくとも塩酸サルポグレラートを含み、当該塩酸サルポグレラートを生体内で徐放しうる高分子材料からなる管状体を形成し、当該管状体で管状の金属製のステントを被嵌したステントグラフトにおいて、
    前記高分子材料は、ポリエーテル鎖を構造中に有し、
    前記高分子材料からなる管状体中に、前記塩酸サルポグレラートを0.05〜80質量%含み、
    前記管状体の厚さは、0.1〜200μmであり、
    当該ステントグラフトは、これを、pH7.4のリン酸緩衝液中で振盪した場合において、少なくとも5日間は、当該管状体からは、当該塩酸サルポグレラートは、少なくとも0.001〔μg/cm2・時間〕の溶出速度で液中に徐放を続けることができる安定な管状体であることを特徴とするステントグラフト。
  7. 塩酸サルポグレラートからなる抗血小板剤とともに、当該塩酸サルポグレラートとほぼ同時期に溶出し同時期にその薬効を発現しうる他の薬剤を含む高分子材料で管状体を形成し、当該管状体でステントを被嵌したことを特徴とする請求項6に記載のステントグラフト。
  8. 塩酸サルポグレラートよりなる抗血小板剤及びアルガトロバンよりなる抗トロンビン剤を含み、前記抗血小板剤及び抗トロンビン剤を生体内で徐放しうる高分子材料で管状体を形成し、当該管状体でステントを被嵌したことを特徴とする請求項6または請求項7に記載のステントグラフト。
  9. 高分子材料からなる管状体に、塩酸サルポグレラート及び他の薬剤を、又は、塩酸サルポグレラート及びアルガトロバンを、合計量で0.05〜80質量%含むことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載のステントグラフト。
  10. 少なくとも抗血小板剤を含み、当該抗血小板剤を生体内で徐放しうる高分子材料からなる管状体を形成し、当該管状体で管状の金属製のステントを被嵌したステントグラフトにおいて、
    前記高分子材料は、ポリエーテル鎖を構造中に有し、
    前記管状体の厚さは、0.1〜200μmであり、
    前記被嵌する管状体を一層又は二層以上に形成するものであって
    前記抗血小板剤または抗トロンビン剤のいずれか一つを含む高分子材料よりなる第一層管状体と、
    当該第一層管状体に含まれない当該抗トロンビン剤または抗血小板剤のいずれか一つを含む高分子材料からなる第二層管状体とを有し、
    前記第一層管状体と前記第二層管状体を、内層及び外層の二層に積層するか、または、
    前記第一層管状体と前記第二層管状体とを、内層、中間層及び外層の三層に積層し、第一層管状体と前記第二層管状体のいずれか一方が中間層を形成し、もう一方が内層及び外層を形成した多層管状体を、
    前記管状のステント基材の外周面に被嵌したステントグラフトであり、
    前記抗血小板剤は、塩酸サルポグレラートであり、当該塩酸サルポグレラートは前記高分子材料からなるいずれかの管状体の層中に0.05〜80質量%含まれるものであり、
    当該ステントグラフトは、これを、pH7.4のリン酸緩衝液中で振盪した場合において、少なくとも15日間は、当該管状体からは、当該塩酸サルポグレラートは、少なくとも0.001〔μg/cm2・時間〕の溶出速度で液中に徐放を続けることができる安定な管状体であることを特徴とするステントグラフト。
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