JP2007512393A - アニオン性ジス又はテトラアゾ染料の貯蔵安定性濃厚水溶液 - Google Patents
アニオン性ジス又はテトラアゾ染料の貯蔵安定性濃厚水溶液 Download PDFInfo
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Abstract
本発明は、式(I)のアニオン性染料の塩及び/又は遊離酸並びに少なくとも1種のポリオキシアルキレンアミンを含むところのアニオン性ジスアゾ染料の濃厚水溶液(ここで、諸置換基は各々請求項1に定義されたとおりである)、並びにヒドロキシル含有基材を染色する及び/又は印刷するための並びにインクジェット用インキを製造するためのこれらの溶液の使用に関する。
Description
本発明は、濃厚な貯蔵安定性染料水溶液、特にアニオン性ジスアゾ染料を含む濃厚な貯蔵安定性染料水溶液に関する。本発明は、更に、特に紙(厚紙及び板紙を含めて)を染色する及び印刷するための、本発明の濃厚染料溶液(適切な場合、水での希釈後)の使用に関する。本発明はまた、本発明の濃厚染料溶液を用いることによる印刷インキ特にインクジェット印刷インキの製造に関する。
工業的染色及び印刷は、慣用的に、水性媒質にて行われる。従って、微粉状染料は、印刷及び染色に用いることができるようにするために、最初に溶解されねばならない(通常、温水又は熱水中に)。
最近数年間において、秤量により又は容量測定により染料の添加を制御するために計量システムが開発されてきており、そしてそれらはしばしば粉末及び粒体の代わりに安定な染料溶液を要求する。
かかる染料溶液はまた、それらが粉塵飛散しない及びコストのかかる溶解操作を要求しないという利点を有する。
かかる溶液は、それらが輸送又は貯蔵中において沈殿しないように或る安定性を有すべきである。典型的には、それらは0と5度摂氏の間において、しかしまた約50℃において長期間安定であるべきである。同様に、凍結溶液は解凍後に安定であるべきであり、そしてポンプ輸送中においていかなる安定性問題をも呈すべきでない。沈殿物を含有する溶液はポンプ輸送又は計量システムにおいて中断の原因となり得、そして受容され得ない機械の運転停止並びにコストのかかる清掃及び保守に通じ得る。
〔ここで、
Dは、式(a)
(ここで、
R1、R2、R3は、独立してH、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、−SO3H、−OH若しくは−CN、又は独立して−SO2−Y若しくは−O−Yであり、Yは非置換C1~4アルケニル基若しくは非置換C1~4アルキル基であり、又はYはNC−、HO−、HOSO3−、ハロゲン−置換C1~4アルケニル基若しくはNC−、HO−、HOSO3−、ハロゲン−置換C1~4アルキル基であり、又はYは−NR11R12であり、R11及びR12は独立してH、C1~4アルキル若しくは置換C1~4アルキルであるか又は介在窒素と一緒になって5若しくは6員環を形成し、しかもこの環は1個又は2若しくは3個のヘテロ原子(該窒素に加えて1又は2個のN、O又はS原子)を含み得そしてこの場合においてこの複素環式環は置換されておらず又はこの複素環式環は1若しくは2個のC1~4アルキル基により置換されている)
の基であり、あるいは
Dは、二環式環系であり、しかもこの二環式環系はC1~4アルコキシ、−SO3H、−OH若しくは−CNで、又は独立して−SO2−Y若しくは−O−Yで置換されていてもよく、Yは非置換C1~4アルケニル基若しくは非置換C1~4アルキル基であり、又はYはNC−、HO−、HOSO3−、ハロゲン−置換C1~4アルケニル基若しくはNC−、HO−、HOSO3−、ハロゲン−置換C1~4アルキル基であり、又はYは−NR11R12であり、R11及びR12は各々上記に定義されたとおりであり、しかも該環の各々は独立して5員又は6員環であり得、そしてこれらの5又は6員環(1個又は2若しくは3個のヘテロ原子(窒素に加えて1又は2個のN、O又はS原子)を含み得る)及び該二環式環系はアゾ基によって結合された置換基により更には置換されておらず、そして
Mは、橋架けフェニル基であり、しかもこのフェニル基は置換されていなくても又はC1~4アルキル、C1~4アルコキシ、ヒドロキシル、カルボキシル、スルホ、シアノ若しくはハロゲンにより置換されていてもよく、そして
Dは、式(a)
R1、R2、R3は、独立してH、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、−SO3H、−OH若しくは−CN、又は独立して−SO2−Y若しくは−O−Yであり、Yは非置換C1~4アルケニル基若しくは非置換C1~4アルキル基であり、又はYはNC−、HO−、HOSO3−、ハロゲン−置換C1~4アルケニル基若しくはNC−、HO−、HOSO3−、ハロゲン−置換C1~4アルキル基であり、又はYは−NR11R12であり、R11及びR12は独立してH、C1~4アルキル若しくは置換C1~4アルキルであるか又は介在窒素と一緒になって5若しくは6員環を形成し、しかもこの環は1個又は2若しくは3個のヘテロ原子(該窒素に加えて1又は2個のN、O又はS原子)を含み得そしてこの場合においてこの複素環式環は置換されておらず又はこの複素環式環は1若しくは2個のC1~4アルキル基により置換されている)
の基であり、あるいは
Dは、二環式環系であり、しかもこの二環式環系はC1~4アルコキシ、−SO3H、−OH若しくは−CNで、又は独立して−SO2−Y若しくは−O−Yで置換されていてもよく、Yは非置換C1~4アルケニル基若しくは非置換C1~4アルキル基であり、又はYはNC−、HO−、HOSO3−、ハロゲン−置換C1~4アルケニル基若しくはNC−、HO−、HOSO3−、ハロゲン−置換C1~4アルキル基であり、又はYは−NR11R12であり、R11及びR12は各々上記に定義されたとおりであり、しかも該環の各々は独立して5員又は6員環であり得、そしてこれらの5又は6員環(1個又は2若しくは3個のヘテロ原子(窒素に加えて1又は2個のN、O又はS原子)を含み得る)及び該二環式環系はアゾ基によって結合された置換基により更には置換されておらず、そして
Mは、橋架けフェニル基であり、しかもこのフェニル基は置換されていなくても又はC1~4アルキル、C1~4アルコキシ、ヒドロキシル、カルボキシル、スルホ、シアノ若しくはハロゲンにより置換されていてもよく、そして
n=1である場合、Bは水素、非置換アリール基、置換アリール基、非置換アシル基、置換アシル基又は式
(ここで、X1及びX2は独立して非置換アミン−NH2又は置換アミン−NR21R22であり、R21及びR22は独立して次の意味すなわちH、C1~4アルキル若しくは置換C1~4アルキルを有するか又は介在窒素と一緒になって5若しくは6員環を形成し、しかもこの環は1個又は2若しくは3個のヘテロ原子(該窒素に加えて1又は2個のN、O又はS原子)を含み得そしてこの場合においてこの複素環式環は置換されておらず又はこの複素環式環は1若しくは2個のC1~4アルキル基により置換されている)
を有する置換トリアジン誘導体であり、あるいは
を有する置換トリアジン誘導体であり、あるいは
〔ここで、n=10〜50であり、そしてR及びR′は独立してH又はメチルである〕
又は式
〔ここで、a+c=2から6であり、そしてb=2〜40である〕
のポリオキシアルキレンアミン(但し、ポリオキシアルキレンアミン(II)又はポリオキシアルキレンアミン(III)の分子量は1000より小さいことを条件とする)を含む濃厚水溶液を提供する。
又は式
のポリオキシアルキレンアミン(但し、ポリオキシアルキレンアミン(II)又はポリオキシアルキレンアミン(III)の分子量は1000より小さいことを条件とする)を含む濃厚水溶液を提供する。
本明細書において用いられる場合のアルキルは、一般に直鎖又は分枝アルキル基を意味すると理解されるべきである。これらは、好ましくは1から4個の炭素原子を有する。それらは、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル又はtert−ブチルである。
適当なアルコキシ基は、好ましくは1から4個の炭素原子を有するもの、たとえばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ又はtert−ブトキシである。
ハロゲンは、フッ素、臭素、ヨウ素又は塩素である。塩素が好ましいハロゲンである。
アリール基は芳香族炭素環式又は複素環式基を構成し、そしてまたたとえば二環式、たとえばピリジル、ナフチル又はフェニルであり得る。フェニルが特に好ましい。二環式環系の場合において、環の各々は独立して5員又は6員環であり得、そしてこれらの5又は6員環(1個又は2若しくは3個のヘテロ原子(窒素に加えて1又は2個のN、O又はS原子)を含み得る)は、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、−SO3H、−OH若しくは−CNにより又は独立して−SO2−Y若しくは−O−Yにより置換された単環式置換基のように更に置換され得、しかしてYは非置換C1~4アルケニル基若しくは非置換C1~4アルキル基であり、又はYはNC−、HO−、HOSO3−、ハロゲン−置換C1~4アルケニル基若しくはNC−、HO−、HOSO3−、ハロゲン−置換C1~4アルキル基であり、又はYは−NR11R12であり、R11及びR12は独立してH、C1~4アルキル若しくは置換C1~4アルキルであるか又は介在窒素と一緒になって5若しくは6員環を形成し、しかもこの環は1個又は2若しくは3個のヘテロ原子(該窒素に加えて1又は2個のN、O又はS原子)を含み得そしてこの場合においてこの複素環式環は置換されておらず又はこの複素環式環は1若しくは2個のC1~4アルキル基により置換されている。
好ましい具体的態様において、置換基は、次の意味を有する。すなわち
Dは、式(a′)
〔ここで、
R1、R2、R3は、独立してH、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、−SO3H、−OH又は−CNである〕
の基であり、
Mは、橋架けフェニル基であり、しかもこのフェニル基は置換されていなくても又はC1~4アルキル、C1~4アルコキシ、スルホ、カルボキシル、ヒドロキシルにより置換されていてもよく、そして
Bは、H、非置換フェニル基若しくは置換フェニル基、又は式
〔ここで、X1及びX2は独立して上記に定義されたとおりである〕
の置換トリアジン誘導体であり、そしてn=1である。
Dは、式(a′)
R1、R2、R3は、独立してH、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、−SO3H、−OH又は−CNである〕
の基であり、
Mは、橋架けフェニル基であり、しかもこのフェニル基は置換されていなくても又はC1~4アルキル、C1~4アルコキシ、スルホ、カルボキシル、ヒドロキシルにより置換されていてもよく、そして
Bは、H、非置換フェニル基若しくは置換フェニル基、又は式
の置換トリアジン誘導体であり、そしてn=1である。
非常に特に好ましいものは、
Dが、式(a″)
〔ここで、
R1、R2、R3は、独立してH、C1~2アルキル、C1~2アルコキシ、−SO3Hである〕
のフェニル基であり、
Mが、橋架けフェニル基であり、しかもこのフェニル基はC1~2アルキル、C1~2アルコキシ及びスルホにより置換され得、そして
Bが、非置換フェニル基であり、そしてn=1である
の式(I′)のアニオン性ジスアゾ染料である。
Dが、式(a″)
R1、R2、R3は、独立してH、C1~2アルキル、C1~2アルコキシ、−SO3Hである〕
のフェニル基であり、
Mが、橋架けフェニル基であり、しかもこのフェニル基はC1~2アルキル、C1~2アルコキシ及びスルホにより置換され得、そして
Bが、非置換フェニル基であり、そしてn=1である
の式(I′)のアニオン性ジスアゾ染料である。
特に好ましいアニオン性ジスアゾ染料において、フェニル基D中にスルホ基が存在する。特に好ましいアニオン性ジスアゾ染料において、アルキル基はメチル基であり、そしてアルコキシ基はメトキシ基である。
特に好ましいアニオン性ジスアゾ染料において、中央成分Mは、パラ置換フェニル基であり、すなわち位置1−4にて橋架けする。
本発明による特に好ましい溶液は、少なくとも1種の式Iのアニオン性ジスアゾ染料及び少なくとも1種の式IIのポリオキシアルキレンアミンを含む。更に、本発明による特に好ましい溶液は、少なくとも1種の式Iのアニオン性ジスアゾ染料及び少なくとも1種の式IIIのポリオキシアルキレンアミンを含む。本発明による好ましい溶液において、ポリオキシアルキレンアミン(II)又はポリオキシアルキレンアミン(III)の分子量は、900より小さい。本発明による特に好ましい溶液において、ポリオキシアルキレンアミン(II)又はポリオキシアルキレンアミン(III)の分子量は、800より小さい。本発明による非常に特に好ましい溶液において、ポリオキシアルキレンアミン(II)又はポリオキシアルキレンアミン(III)の分子量は、700より小さい。
本発明による溶液は、たとえば水溶性有機可溶化剤及び/又は殺生物剤のような、更なる成分を含み得る。
適当な水溶性有機可溶化剤は、たとえば尿素、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、水混和性多価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロールのような)、アルカノールアミン(エタノールアミン、トリエタノールアミンのような)である。
いかなる殺生物剤も適する。しかし、FDA及び/又はBGVVの認可を得ている殺生物剤を用いることが好ましい。グラム陽性又はグラム陰性の細菌、酵母又は真菌の成長を制御することの可能ないかなる殺生物剤も、本発明の溶液に用いられ得る。適当な殺生物剤は、たとえばチアゾル−3−オン誘導体、たとえばアルキル及び/若しくは塩素化チアゾル−3−オン誘導体又はそれらの混合物である。典型的には、殺生物剤は、組成物の100万部当たり15重量部(ppm)から1000ppmまでの量にて用いられる。50ppmから500ppm(既製組成物当たりの重量部)が特に好ましい。
本発明の濃厚溶液は、一般に、遊離染料酸を水と式(II)及び/又は(III)のポリグリコールアミンとの混合物と共に、均質溶液が形成するまで撹拌することにより製造される。
該混合物中のポリグリコールアミンの量は広範囲内で変動し得、従って(完全な塩形成に要求される量に関して)不足量又は過剰量が存在し得る。しかしながら、好ましくは、少なくとも完全な塩形成に要求される量が用いられる。
本溶液は、一般に、
5〜40重量%のアニオン性染料(遊離酸として計算して)、
5〜40重量%のポリグリコールアミン、及び
20〜90重量%の水
を含む。
5〜40重量%のアニオン性染料(遊離酸として計算して)、
5〜40重量%のポリグリコールアミン、及び
20〜90重量%の水
を含む。
好ましい濃厚溶液は、
10〜30重量%の染料、
10〜30重量%のポリグリコールアミン、及び
40〜80重量%の水
を含む。
10〜30重量%の染料、
10〜30重量%のポリグリコールアミン、及び
40〜80重量%の水
を含む。
本発明の濃厚溶液は、特に優秀な貯蔵安定性について並びに室温及び室温未満の温度たとえば0〜5℃における低粘度について特筆すべきである。一層特には、本発明の濃厚溶液はそれらが−20℃にて2日間凍結されたままにされる場合でさえ安定性であり、そして解凍後にそれらは何ら沈殿の徴候なしに0〜5℃において又はそうでなければ25℃において及び50℃において14日間安定なままである。本発明による濃厚溶液の粘度は、凍結直前まで冷却する場合、あるとしても取るに足らないほどしか増加せず、従ってそれらは低温において並びに標準温度において容易に計量供給可能である。
本発明の濃厚染料溶液は、適切な場合水での希釈後、ヒドロキシル含有基材を染色する及び/又は印刷するために用いられる。一層特に、本発明の溶液は、たとえば被覆することにより又は浸漬することにより、厚紙及び板紙を含めて紙を染色する(これらの材料はパルプにて染色可能である)ために用いられる。その他に、かかる液状処方物はまた、生地材料特にセルロースの連続又は回分染色法に用いられ得る。
本発明はまた、本発明の濃厚染料溶液(適切な場合、水での希釈後)でもって染色された及び/又は印刷されたヒドロキシル含有基材を含む。一層特に、本発明はまた、本発明の濃厚染料溶液でもって染色された及び/又は印刷された紙(厚紙及び板紙を含めて)を含む。その他に、かかる液状処方物はまた、生地材料特にセルロースの連続又は回分染色法に用いられ得る。
加えて、本発明の濃厚染料溶液は、水性及び非水性インクジェット用インキにおいて並びにまた熱溶融インキにおいて着色剤として有用である。
インクジェット用インキは、一般に、合計で0.5から15重量%好ましくは1.5から8重量%(乾燥状態で計算して、すなわち純染料分に戻って計算して)の1種又はそれ以上の本発明の濃厚染料溶液を含む。
ミクロエマルジョンインキは、追加のヒドロトロピー物質(界面媒介物)を有する又は有さない有機溶媒及び水をベースとしている。ミクロエマルジョンインキは、一般に、0.5から15重量%好ましくは1.5から8重量%の1種又はそれ以上の本発明の濃厚染料溶液、5から99重量%の水並びに0.5から94.5重量%の有機溶媒及び/又はヒドロトロピー化合物を含む。
溶媒系インクジェット用インキは、好ましくは、0.5から15重量%の1種又はそれ以上の本発明の濃厚染料溶液、85から99.5重量%の有機溶媒及び/又はヒドロトロピー化合物を含む。
熱溶融インキは、通常、室温において固体でありそして加熱すると液化するロウ、脂肪酸、脂肪アルコール又はスルホンアミドをベースとしており、しかして好ましい溶融範囲は約60℃と約140℃の間にある。熱溶融インクジェット用インキは、たとえば本質的に20から90重量%のロウ及び1から10重量%の1種又はそれ以上の本発明の濃厚染料溶液から成る。それらは、更に、0から20重量%の追加のポリマー(染料溶解剤として)、0から5重量%の分散助剤、0から20重量%の粘度調整剤、0から20重量%の可塑剤、0から10重量%の粘着付与剤、0から10重量%の透明性安定剤(たとえば、ロウの結晶化を防止する)及びまた0から2重量%の酸化防止剤を含み得る。本発明の濃厚染料溶液は、更に、加色法のみならず減色法色彩生成のための色フィルター用着色剤として及びまた電子インキ(「e−インキ」)又は電子ペーパー(「e−ペーパー」)用着色剤として有用である。
以下の例は、本発明を例示する。別段指摘されていなければ、説明中の、例中の及び請求項中の%はすべて重量%を意味し、また別段指摘されていなければ、分子質量はグラム毎モル(g/mol)にて与えられている。
本発明の例1
400gの式
の染料を6000mlの脱塩水中に溶解し、そして20〜50℃好ましくは30と40℃の間の温度及び10〜40バール一層好ましくは20〜30バールの圧力にて膜濾過により脱塩及び濃縮して3045gの重量にする。
400gの式
次いで、435gの濃縮染料溶液を37.5gの式IIIのポリオキシアルキレンアミン(a+c=3.6、b=9.0,JeffaminTMXTJ500(ED600)(JeffaminTMはHUNTSMAN CORPORATIONの商標である。諸例において用いられるJeffaminTMは3040 Post Oak Boulevard, Houston, TX 77056, USAのHUNTSMAN CORPORATIONから購入され得る))及び0.75gの殺生物剤(Proxel GXLTM,ProxelはZeneca AG Products, Inc.の商標であり、そして1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(CAS番号:2634−33−5)を含む)と混合し、そして脱塩水で希釈して500gにしそして均質になるまで撹拌する。
得られた溶液は、次の条件下で増粘も分離もしないので貯蔵安定性である。すなわち、−20℃にて2日間そして解凍,0〜5℃にて、25℃にて及び50℃にて14日間。
得られた溶液は、次の条件下で増粘も分離もしないので貯蔵安定性である。すなわち、−20℃にて2日間そして解凍,0〜5℃にて、25℃にて及び50℃にて14日間。
本発明の例2
435gの本発明の例1の濃縮染料溶液を37.5gの式IIのポリオキシアルキレンアミン(PO:EO=9:1,XTJ−505(M−600))及び0.75gの殺生物剤と混合し、そして脱塩水で希釈して500gにしそして均質になるまで撹拌する。
435gの本発明の例1の濃縮染料溶液を37.5gの式IIのポリオキシアルキレンアミン(PO:EO=9:1,XTJ−505(M−600))及び0.75gの殺生物剤と混合し、そして脱塩水で希釈して500gにしそして均質になるまで撹拌する。
得られた溶液は、上記の試験条件下で増粘も分離もしないので貯蔵安定性である。
本発明の例3
435gの本発明の例1の濃縮染料溶液を37.5gの式IIIのポリオキシアルキレンアミン(a+c=3.6、b=15.5,JeffaminTMXTJ−501(ED−900))及び0.75gの殺生物剤と混合し、そして脱塩水で希釈して500gにしそして均質になるまで撹拌する。
435gの本発明の例1の濃縮染料溶液を37.5gの式IIIのポリオキシアルキレンアミン(a+c=3.6、b=15.5,JeffaminTMXTJ−501(ED−900))及び0.75gの殺生物剤と混合し、そして脱塩水で希釈して500gにしそして均質になるまで撹拌する。
得られた溶液は、上記の試験条件下で増粘も分離もしないので貯蔵安定性である。
比較例1
435gの本発明の例1の濃縮染料溶液を37.5gの式IIのポリオキシアルキレンアミン(PO:EO=3:19,XTJ−506(M−1000))及び0.75gの殺生物剤と混合し、そして脱塩水で希釈して500gにしそして均質になるまで撹拌する。
435gの本発明の例1の濃縮染料溶液を37.5gの式IIのポリオキシアルキレンアミン(PO:EO=3:19,XTJ−506(M−1000))及び0.75gの殺生物剤と混合し、そして脱塩水で希釈して500gにしそして均質になるまで撹拌する。
得られた溶液は、上記の試験条件下で5℃にて丁度1週間後に沈殿を起こすので貯蔵安定性でない。
比較例2
435gの本発明の例1の濃縮染料溶液を37.5gの式IIのポリオキシアルキレンアミン(PO:EO=29:6,XTJ−507(M−2005))及び0.75gの殺生物剤と混合し、そして脱塩水で希釈して500gにしそして均質になるまで撹拌する。
435gの本発明の例1の濃縮染料溶液を37.5gの式IIのポリオキシアルキレンアミン(PO:EO=29:6,XTJ−507(M−2005))及び0.75gの殺生物剤と混合し、そして脱塩水で希釈して500gにしそして均質になるまで撹拌する。
得られた溶液は、上記の試験条件下で5℃にて丁度1週間後に沈殿を起こすので貯蔵安定性でない。
比較例3
435gの本発明の例1の濃縮染料溶液を37.5gの式IVのポリオキシアルキレンアミン(X=5から6,JeffaminTMD−400)及び0.75gの殺生物剤と混合し、そして脱塩水で希釈して500gにしそして均質になるまで撹拌する。
435gの本発明の例1の濃縮染料溶液を37.5gの式IVのポリオキシアルキレンアミン(X=5から6,JeffaminTMD−400)及び0.75gの殺生物剤と混合し、そして脱塩水で希釈して500gにしそして均質になるまで撹拌する。
得られた溶液は、上記の試験条件下で5℃にて丁度1週間後に沈殿を起こすので貯蔵安定性でない。
比較例4
435gの本発明の例1の濃縮染料溶液を37.5gの式Vのポリオキシアルキレンアミン(R=Et、n=1、X+Y+Z=5から6,JeffaminTMT−403)及び0.75gの殺生物剤と混合し、そして脱塩水で希釈して500gにしそして均質になるまで撹拌する。
435gの本発明の例1の濃縮染料溶液を37.5gの式Vのポリオキシアルキレンアミン(R=Et、n=1、X+Y+Z=5から6,JeffaminTMT−403)及び0.75gの殺生物剤と混合し、そして脱塩水で希釈して500gにしそして均質になるまで撹拌する。
得られた溶液は、上記の試験条件下で丁度1日後に沈殿を起こすので貯蔵安定性でない。
435gのこの濃縮染料溶液を37.5gの式IIIのポリオキシアルキレンアミン(a+c=3.6、b=9.0,JeffaminTMXTJ500(ED600))及び0.75gの殺生物剤(Proxel GXL)と混合し、そして脱塩水で希釈して500gにしそして均質になるまで撹拌する。
得られた溶液は、増粘も分離もしないので貯蔵安定性である。
本発明の例5
435gの本発明の例4の濃縮染料溶液を37.5gの式IIIのポリオキシアルキレンアミン(a+c=3.6、b=15.5,JeffaminTMXTJ−501(ED900))及び0.75gの殺生物剤と混合し、そして脱塩水で希釈して500gにしそして均質になるまで撹拌する。
435gの本発明の例4の濃縮染料溶液を37.5gの式IIIのポリオキシアルキレンアミン(a+c=3.6、b=15.5,JeffaminTMXTJ−501(ED900))及び0.75gの殺生物剤と混合し、そして脱塩水で希釈して500gにしそして均質になるまで撹拌する。
得られた溶液は、上記の試験条件下で増粘も分離もしないので貯蔵安定性である。
染色処方A
70部の化学漂白マツ材サルファイトセルロース及び30部の化学漂白カバ材サルファイトセルロースを、叩解機で2000部の水中に叩解する。この紙料に、1.5部の本発明の例1の液状染料調製物を添加する。
70部の化学漂白マツ材サルファイトセルロース及び30部の化学漂白カバ材サルファイトセルロースを、叩解機で2000部の水中に叩解する。この紙料に、1.5部の本発明の例1の液状染料調製物を添加する。
これから紙が、20分の混合時間後に作られる。このようにして得られた吸収紙は、帯青紫色の色彩を有する。
染色処方B
叩解機で2000部の水と共に叩解された100部の化学漂白サルファイトセルロースに、1.5部の本発明の例1の液状染料調製物を添加する。15分間十分に混合した後、樹脂サイズ及び硫酸アルミニウムを用いて慣用のサイジングを遂行する。この材料から作られた紙は、各場合において帯青紫色の色相を示す。
叩解機で2000部の水と共に叩解された100部の化学漂白サルファイトセルロースに、1.5部の本発明の例1の液状染料調製物を添加する。15分間十分に混合した後、樹脂サイズ及び硫酸アルミニウムを用いて慣用のサイジングを遂行する。この材料から作られた紙は、各場合において帯青紫色の色相を示す。
染色処方C
95部の水及び5部の本発明の例1の本発明の染料溶液から成る染料水溶液に、無サイズ紙の吸収性ウエブを40〜50℃にて引き通す。
95部の水及び5部の本発明の例1の本発明の染料溶液から成る染料水溶液に、無サイズ紙の吸収性ウエブを40〜50℃にて引き通す。
過剰の染料溶液を2本ロールにより絞り出す。この乾燥された紙のウエブは、各場合において帯青紫色の色彩を有する。
処方AからCと同様にして染色するために、本発明の例2から21の染料調製物が用いられ得る。
染色処方D
5部の本発明の例1の染料調製物を、室温にて4000部の軟化水中に計量する。この浴中に100部の前もって濡らした木綿織布を導入し、そして次いで30分かけて加熱して煮沸状態にする。浴を1時間煮沸状態に保ち、しかしてその間蒸発水を時々埋め合わせする。次いで、染色物を液から取り出し、水ですすぎ、そして乾燥する。得られた染色物は、帯青紫色の色彩を有する。
5部の本発明の例1の染料調製物を、室温にて4000部の軟化水中に計量する。この浴中に100部の前もって濡らした木綿織布を導入し、そして次いで30分かけて加熱して煮沸状態にする。浴を1時間煮沸状態に保ち、しかしてその間蒸発水を時々埋め合わせする。次いで、染色物を液から取り出し、水ですすぎ、そして乾燥する。得られた染色物は、帯青紫色の色彩を有する。
同様なやり方で木綿を染色するために、本発明の例2〜21の染料調製物が用いられ得る。
染色処方E
250部の55℃における水及び0.5部の本発明の例1に従って作られた染料調製物のフロート中で、100部の新たになめされそして中和されたクロム銀面皮を30分間ドラム処理し、そして同じ浴中においてスルホン化魚油をベースとしたアニオン性乳状加脂剤2部で更に30分間処理する。これらの革を慣用的に乾燥しそして仕上げる。得られた革は、ムラのない緋色の色相を有する。
250部の55℃における水及び0.5部の本発明の例1に従って作られた染料調製物のフロート中で、100部の新たになめされそして中和されたクロム銀面皮を30分間ドラム処理し、そして同じ浴中においてスルホン化魚油をベースとしたアニオン性乳状加脂剤2部で更に30分間処理する。これらの革を慣用的に乾燥しそして仕上げる。得られた革は、ムラのない緋色の色相を有する。
更なる低親和性の植物再ナメシ革もまた、公知方法に従って染色され得る。
染色は、本発明の例2〜21の染料でもって同様なやり方で行われ得る。
Claims (9)
- アニオン性ジスアゾ染料の濃厚水溶液であって、式
Dは、式(a)
R1、R2、R3は、独立してH、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、−SO3H、−OH若しくは−CN、又は独立して−SO2−Y若しくは−O−Yであり、Yは非置換C1~4アルケニル基若しくは非置換C1~4アルキル基であり、又はYはNC−、HO−、HOSO3−、ハロゲン−置換C1~4アルケニル基若しくはNC−、HO−、HOSO3−、ハロゲン−置換C1~4アルキル基であり、又はYは−NR11R12であり、R11及びR12は独立してH、C1~4アルキル若しくは置換C1~4アルキルであるか又は介在窒素と一緒になって5若しくは6員環を形成し、しかもこの環は1個又は2若しくは3個のヘテロ原子(該窒素に加えて1又は2個のN、O又はS原子)を含み得そしてこの場合においてこの複素環式環は置換されておらず又はこの複素環式環は1若しくは2個のC1~4アルキル基により置換されている)
の基であり、あるいは
Dは、二環式環系であり、しかもこの二環式環系はC1~4アルコキシ、−SO3H、−OH若しくは−CNで、又は独立して−SO2−Y若しくは−O−Yで置換されていてもよく、Yは非置換C1~4アルケニル基若しくは非置換C1~4アルキル基であり、又はYはNC−、HO−、HOSO3−、ハロゲン−置換C1~4アルケニル基若しくはNC−、HO−、HOSO3−、ハロゲン−置換C1~4アルキル基であり、又はYは−NR11R12であり、R11及びR12は各々上記に定義されたとおりであり、しかも該環の各々は独立して5員又は6員環であり得、そしてこれらの5又は6員環(1個又は2若しくは3個のヘテロ原子(窒素に加えて1又は2個のN、O又はS原子)を含み得る)及び該二環式環系はアゾ基によって結合された置換基により更には置換されておらず、そして
Mは、橋架けフェニル基であり、しかもこのフェニル基は置換されていなくても又はC1~4アルキル、C1~4アルコキシ、ヒドロキシル、カルボキシル、スルホ、シアノ若しくはハロゲンにより置換されていてもよく、そして
n=1である場合、Bは水素、非置換アリール基、置換アリール基、非置換アシル基、置換アシル基又は式
を有する置換トリアジン誘導体であり、あるいは
n=2である場合、Bは式
の橋である〕
のアニオン性染料の塩及び/又は遊離酸、並びに少なくとも1種の式
又は式
のポリオキシアルキレンアミン(但し、ポリオキシアルキレンアミン(II)又はポリオキシアルキレンアミン(III)の分子量は1000より小さいことを条件とする)を含む濃厚水溶液。 - 5〜40重量%の式Iの染料、5〜40重量%の式II又は式IIIのポリグリコールアミン及び20〜90重量%の水を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の濃厚水溶液。
- 10〜30重量%の式Iの染料、10〜30重量%の式II又はIIIのポリグリコールアミン及び40〜80重量%の水を含むことを特徴とする、請求項4に記載の濃厚水溶液。
- インクジェット用インキであって、請求項1〜5のいずれか一項に記載の溶液を含むことを特徴とするインクジェット用インキ。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の溶液の使用であって、ヒドロキシル含有基材を染色する及び/又は印刷するための並びにインクジェット用インキを製造するための使用。
- ヒドロキシル含有基材であって、請求項1〜5のいずれか一項に記載の溶液でもって染色された又は印刷されたことを特徴とするヒドロキシル含有基材。
- ヒドロキシル含有基材であって、ヒドロキシル含有基材が紙であることを特徴とするヒドロキシル含有基材。
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