JP2007512012A - 足場依存性細胞を培養するための固形支持体を再生利用する方法 - Google Patents

足場依存性細胞を培養するための固形支持体を再生利用する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、タンパク質の工業生産において使用するための方法に関連する。詳細には、本発明は、足場依存性細胞を培養するための固形支持体、例えば、マイクロキャリアー及びFibra-Cell(登録商標)を再生利用する方法を提供する。本発明の方法によって再生利用される固形支持体は、非再生利用固形支持体により獲得されるよりも生産性の高いレベルにおいてタンパク質を格闘することを可能にする。この方法は、水で洗浄する段階、水酸化ナトリウム溶液で洗浄する段階及び水による第二洗浄段階を含んで成る。

Description

発明の分野
本発明は、タンパク質の工業生産において使用するための方法に関連する。詳細には、本発明は、足場依存性細胞を培養するための固形支持体、例えば、マイクロキャリアー及びFibra-Cell(登録商標)を再生利用する方法を提供する。本発明の方法によって再生利用される固形支持体は、非再生利用固形支持体により獲得される生産レベルよりも高い生産レベルにおいてタンパク質を獲得することを可能にする。
発明の背景
哺乳類発現系において生産される治療用タンパク質に対し高まりつつある要請は、過去30年でin vitro細胞培養、スケールアップ、発現ベクター及び培地開発の分野において、有意な進展をもたらした。
通常、懸濁培養は、所定の哺乳類細胞系統の増殖のために適切である一方、多くの細胞は足場依存性であり、そして増殖、栄養を代謝するため及び生物分子を生産するために固形表層が必要である。小さいスケールでこれらの細胞を増殖させるための常用の手段は、ペトリ皿、フラスコ及びローラーボトルが挙げられる。場所及び操作上の経済をはかるために、体積に対する巨大表層領域比を有する充填床バイオリアクターを開発するために多くの方法が様々な研究者によって取られてきた。他の方法は、バイオリアクターと連結したカラム形状容器内部に物質を充填することにより細胞を培養することである。
固形支持体の例えば、マイクロキャリアー又はFibra-Cel(登録商標)ディスクをバイオリアクター系において使用することにより、単位体積あたりの足場依存性細胞のための利用可能な領域が増加し、そして満足のいくタンパク質生産性を獲得する。マイクロキャリアー及びFibra-Cel(登録商標)ディスクは従って通常、足場依存性細胞の増殖のための動物細胞培養において使用されており且つとりわけタンパク質の工業生産の技術的プラットフォームを確立した(例えば、Back及びLoh 1985;Bohakら、1987;Pettiら1944;Ikonomouら2002を参照のこと)。
マイクロキャリアーは、その上で細胞が懸濁培養物において増殖しうる小固体粒子である。細胞は、マクロキャリアーの表層上に接着して増殖することができる。典型的に、マイクロキャリアーはビーズからなり、その直径は、90μm〜300μmである。マイクロキャリアーは、細胞接着及び増殖に適していることが証明されている、例えば、ガラス、ポリスチレン、ポリエチレン、デキストラン、ゼラチン及びセルロースからなりうる。加えて、マイクロキャリアーの表層は、細胞接着及び増殖を促す物質の例えば、N,N-ジエチルアミノメチル、ガラス、コラーゲン又は組換えタンパク質によりコーティングされていて良い。マクロ多孔質及び非多孔質のマイクロキャリアーの両方が存在しうる。マクロ多孔質の表層は、細胞が接種された後、マイクロキャリアーの内部へ容易にアクセス可能にし、一度マイクロキャリアーの内部に細胞が入れば、当該細胞は、バイオリアクターの機械的撹拌及びエアレーションによって生じるせん断力から保護される。
Fibra-Cel(登録商標)は、ポリエチレンメッシュのシートに結合したポリエステル不織布繊維からなる(例えば、米国特許第5,266,476号及びwebページのnbsc.com/products/miscellaneous/fibracel及びnbsc.com/support/faqs/#fibraを参照のこと)。Fibra-Cel(登録商標)ディスクは、通常、懸濁細胞がディスクへ結合するのを促し且つ繊維系に捕捉される(ここでそれらは培養法の間維持される)のを促すために、静電気的処理がなされている。Fibra-Cel(登録商標)ディスク上で増殖した細胞によって達成される細胞密度及び生産性は、マイクロキャリアー上で増殖する細胞の最大10倍にできる。
現在、Fibra-Cel(登録商標)ディスク及びマイクロキャリアーは再使用されていない。しかし、各タンパク質生産段階のために新しい固形支持体を使用することは、高くつく。加えて、各タンパク質生産段階後に固体支持体を交換することは時間がかかる。従って、in-situで足場依存性細胞を培養するための固体支持体を再生利用する方法が必要であり、当該方法は、タンパク質生産レベルを、非再生利用支持体により獲得されるタンパク質生産レベルに匹敵するよう維持する。
発明の概要
本発明は、in situで足場依存性細胞を培養するための固形支持体を再生利用する方法を提供する。本発明の方法は、非再生利用支持体により得られるタンパク質生産性レベルに匹敵するタンパク質生産レベルを維持することを可能にする。本発明の方法は、コストの観点及び全体効率の観点の両方からタンパク質生産性を向上させる。
従って、本発明の第1の観点は、
a)前記系の液体を空にし;
b)当該系を水性溶液で洗浄し;
c)当該系を水酸化ナトリウム溶液で洗浄し;そして
d)当該系を水性溶液で洗浄する、
段階を含んで成る、細胞培養のための系内に位置した足場依存性細胞の培養のための固形支持体を再生利用する方法に関する。
本発明の第2の観点は、本発明の方法に従い再生利用した、足場依存性細胞を培養するための固形支持体に関連する。
本発明の第3の観点は、細胞を培養するための本発明の方法に従い再生利用されるかかる固形支持体の使用に関連する。
発明の詳細な説明
本発明は、in situで足場依存性細胞を培養するための固形支持体を再生利用する方法の発見に基づく。実施例3に示されるように、前記方法は、タンパク質生産レベルを非再生利用支持体により得られるタンパク質生産性レベルに維持することを可能にする。
本発明の第1の観点は、
a)前記系の液体を空にし;
b)当該系を水性溶液で洗浄し;
c)当該系を水酸化ナトリウム溶液で洗浄し;そして
d)当該系を水性溶液で洗浄する、
段階を含んで成る、細胞培養のための系内に位置した足場依存性細胞を培養するための固形支持体を再生利用する方法に関連する。
本明細書中、用語「再使用」及び「再生利用」は同義語として使用されて良く且つ本明細書全体に渡り交互に使用されてよい。
本明細書中、用語「洗浄」とは
(i)デバイスに液体を充填し;
(ii)当該液体を前記デバイス中でインキュベートし;そして
(iii)前記デバイスの液体を空にする、
段階を含んで成る方法に言及される。
好適に、前記液体は段階(ii)の間にデバイス中を循環する。
好適な実施態様は、足場依存性細胞を培養するための固形支持体を再生利用する方法に関連し、この方法において前記水性溶液は水である。
他の好適な実施態様は、かかる足場依存性細胞を培養するための固形支持体を再生利用する方法に関連し、この方法において水酸化ナトリウム溶液は、約1%〜約3%の範囲内の水酸化ナトリウムの濃度にある。好適に、前記濃度は約1.5%〜約2.5%の範囲内の水酸化ナトリウムである。最も好適に、前記濃度は約2%の水酸化ナトリウムである。
更に他の好適な実施態様において、本発明は足場依存性細胞の培養のための固形支持体を再生利用する方法に関連し、この方法において、段階(c)は系に所望濃度の水酸化ナトリウム溶液を充填することによって行われる。他の好適な実施態様において、段階(c)は、当該系に所望濃度の水酸化ナトリウムを充填することによって、そしてある濃度の水酸化ナトリウム溶液を系内で水酸化ナトリウムの所望の濃度に至るように加えることによって行われる。水酸化ナトリウムの所望の濃度は好適に約1%〜約3%の範囲内の水酸化ナトリウムである。一層好適に、水酸化ナトリウムの所望の濃度は1.5%〜2.5%の範囲内の水酸化ナトリウムである、最も好適に、水酸化ナトリウムの前記所望の濃度は、約2%の水酸化ナトリウムである。
他の好適な実施態様は、本発明の足場依存性細胞の培養のための固形支持体を再生利用する方法に関連し、ここで段階(d)が2回以上行われる。一層好適に、段階(d)は、3回以上行われる。一層好適に、段階(d)は3回行われる。最も好適に、段階(d)は5回行われる。
本発明の一つの実施態様は、本発明の足場依存性細胞の培養のための固形支持体を再生利用する方法に関連し、ここで段階(b)の水性溶液は、注射のための溶液(WFI)である。代替的に、段階(b)は、精製水で行われて良い。
本発明の一つの実施態様は、足場依存性細胞の培養のための固形支持体を再生利用する方法に関連し、ここで段階(d)の水性溶液は、注射のための溶液である。代替的に、段階(d)は、精製水で行われる。最も好適に、段階(d)が2回以上行われる場合、全ての洗浄は、最後の1回を除いて精製水で行われ、そして最後の洗浄は注射のための水で行われる。
用語「精製水(PW)」及び「注射のための水(WFI)」は、当業者に周知である。例えば、US Pharmacopeia(USP)及びEuropean Agency for the Evaluation of Medicinal Products(EMEA)がPW及びWFIの化学的性質及び細菌学的純度について基準及び提言を開示する。
本願明細書の全体に渡り、用語「足場依存性細胞の培養のための固形支持体」とは、効率的増殖、栄養代謝、及び/又はタンパク質生産をするために固形表層へ接着することを要する細胞の増殖のための物質を意味する。
本発明の一つの実施態様において、足場依存性細胞を培養するための固形支持体は例えば、多孔質支持シートへ結合した不織布マトリクスからできている。かかる支持体は米国特許第5,266,476号に従い調製されて良い。好適に、かかる支持体は、生理的に許容できる、総体積の%として孔体積を40〜95%を有し且つ10ミクロン〜100ミクロンの孔径を有し、そしてマトリクスの全高は50ミクロン〜500ミクロンであるシートの形態の繊維の3次元ネットワークであるマトリクスを含んで成る。マトリクスは例えば、平坦な、丸くない、そして中空の繊維及びその混合物からなる群から選択されてよく、当該繊維は、直径又は幅が0.5ミクロン〜50ミクロンのものである。代替的に、マトリクスの材料は、ポリエステル、ポリアルキレン、ポリフルオロクロロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリスルホン、酢酸セルロース、ガラス繊維、不活性な金属繊維からなる群から選択されて良い。支持体は、例えば、四角、リング、ディスク、及び十字から成る群から選択される形状であって良い。一層好適に、マトリクスは不織布ポリエステルからなり且つ支持体は約1mm2の実質上四角のメッシュ開口部を有するポリプロピレンメッシュのシートからなる。最も好適な実施態様において、固形支持体は、ポリプロピレンメッシュのシートへ結合した不織布ポリエステルでできたディスクである。かかる支持体は、Fibra-Cel(登録商標)の名称下で市販されている(New Brunswick Scientific)。
本発明の他の実施態様において、足場依存性細胞を培養するための固形支持体はマイクロキャリアーである。多くのマイクロキャリアーが当業界で周知であり且つ市販されて入手可能である。マイクロキャリアーは例えば、ポリエステル(例えば、BioNOCII(登録商標))、ポリスチレン(例えば、Biosilon(登録商標)、Nunc;2D MicroHex(登録商標)、Nunc;SoloHill's microcarriers)、シリカで重量を加えたポリエチレン(例えば、Cytoline(登録商標)、Amersham)、ガラス(例えば、G-2892,Sigma)、ゼラチン(例えば、Cultispher(登録商標)、Hyclone)、セルロース(例えば、Cytopre(登録商標)、Amersham)及びデキストラン(例えば、Cytodex(登録商標)、Amersham)からなる群から選択される。加えてマイクロキャリアーはコーティングされて良い。マイクロキャリアーは例えば、ガラス(例えば、SoloHill'sガラスコーティングマイクロキャリアー)、N,N-ジエチルアミノエチル(例えば、Cytodex(登録商標)1、Amersham)、コラーゲン(例えば、Cytodex(登録商標)3、Amersham)及び組換タンパク質(例えば、ProNectin(登録商標)、SoloHill)から成る群から選択された物質からできていて良い。好適な実施態様において、マイクロキャリアーは、マクロ多孔質マイクロキャリアーの例えば、Cytopore(登録商標)又はClutispher(登録商標)である。他の好適な実施態様において、マイクロキャリアーは非多孔質支持体の例えば、ガラス、ビーズ、Cytodex(登録商標)、Biosilon(登録商標)又は2DMicroHex(登録商標)である。
本明細書の全体に渡り使用された場合、用語「細胞培養のための系」とは、細胞が培養されるデバイス又はいくつかの連結したデバイスを意味する。
他の実施態様において、かかる系はバイオリアクターを含んで成る。用語「バイオリアクター」とは、細胞の合成又は化学転換能力を使用することで分泌タンパク質などの生物分子を生じさせるために使用される装置又は閉じた容器を意味する。バイオリアクターとしては、古典的な発酵層及び灌流細胞培養系が挙げられる。バイオリアクターは、細胞培養プロセスの間の様々なパラメーター、例えば、循環ループ流、温度、加圧及び/又は培地灌流速度をコントロール可能にする。
好適な実施態様において、細胞培養のための系は、バイオリアクター内にマイクロキャリアー又はFibra-Cel(登録商標)の充填層を含んで成るために設計されている。典型的に、かかるバイオリアクターは、足場依存細胞を培養するための固形支持体が配置される内部カラムを含んで成る。
好適な実施態様において、細胞培養のための系は更にバイオリアクアーに連結された外部カラムを含んで成る。この実施態様において、バイオリアクターは培地馴化タンクとして使用され、外部カラムにおいて細胞が成長して増殖する。外部カラムを含んで成るかかる系は、例えば、実施例1.1及び/又はWangら(1992)に記載のように設計されて良い。外部カラムとバイオリアクターの連結には好適に循環ポンプを含んで成る。
足場依存性細胞を培養するための固形支持体は、バイオリアクター内又は外部カラム内のいずれかに位置して良い。外部カラムを含んで成る細胞培養のための系を使用する場合、固形支持体は、好適に外部カラム内に位置する。外部カラムを伴わない細胞培養のための系を使用する場合、固形支持体が位置する内部カラムを含んで成るバイオリアクターを含んで成る。
本発明の最も好適な実施態様において、細胞培養のための系は、バイオリアクターに連結した外部カラムを含んで成り、そしてここで足場依存性細胞の培養のための固層支持体は、カラム内に位置し、外部カラムとバイオリアクター間の連結は、循環ポンプを含んで成る。かかるシステムは図3に示されている。かかる系は、本発明において特に有利であり、何故ならかかる系を使用することは、充填床外部カラムを介する洗浄溶液の効率的循環を可能にするからだ。他の最も好適な実施態様において、細胞培養のための系は、内部カラムを含んで成るバイオリアクターを含んで成り、ここで足場依存性細胞の培養を支持するための固形支持体は前記内部カラム内に位置する。
一つの実施態様において、細胞培養のための系は、段階(d)を行う後に滅菌される。
外部カラムを含んで成る細胞内用のための系を使用する場合、外部カラムは段階(d)を行う後に系から除去されて良い。従って、他の実施態様において、外部カラムは、段階(d)を行う後に滅菌される。
好適な実施態様において、段階(d)は、約500l.h-1kg-1〜約700l.h-1kg-1の範囲の循環ループ流において行われている。好適に、前記循環ループ流は、約550l.h-1kg-1〜約650l.h-1kg-1の範囲である。最も好適に、前記循環流は、約583l.h-1kg-1である。
更に好適な実施態様において、段階(d)は周囲温度で行われている。典型的に、周囲温度は約15℃〜約30℃の範囲内である。
更に好適な実施態様において、段階(d)は:
(i)約100mmbar〜約900mmbar;
(ii)約200mmbar〜約800mmbar;
(iii)約300mmbar〜約700mmbar;
(iv)約400mmbar〜約600mmbar;
から成る群から選択された範囲内の温度で行われている。
好適に、前記加圧は約500mmbarである。
代替的に、段階(d)は、約100mmbar〜約300mmbar、又は約150mmbar〜約250mmbarのいずれかの範囲内の加圧下で行われる。段階(d)は、例えば、約200mmbarの加圧下で行われて良い。
更に好適な実施態様において、段階(d)は約5分〜約30分の範囲内の継続時間内である。好適に、前記継続時間は、約5分〜約20分の範囲である。最も好適に、前記継続時間は約10分である。
他の好適な実施態様において、段階(c)は約500l.h-1kg-1〜約700l.h-1kg-1の範囲の循環ループ流において行われている。好適に、前記循環ループ流は、約550l.h-1kg-1〜約650l.h-1kg-1の範囲の循環ループ流において行われている。最も好適に、前記循環ループ流は約583l.h-1kg-1である。好適に、段階(d)は、約20分〜約40分の範囲内の継続時間である。一層好適に、前記継続時間は約25分〜約35分の範囲内の継続時間である。最も好適に、前記継続時間は、約30分である。
代替的に、段階(c)は、約100l.h-1kg-1〜約300l.h-1kg-1の範囲内、又は約250l.h-1kg-1〜約215l.h-1kg-1の範囲内循環ループ流で行われており、そして循環ループ流は漸進的に増加して約500l.h-1kg-1〜約700l.h-1kg-1の範囲内、もしくは約550l.h-1kg-1〜約650l.h-1kg-1の範囲内、もしくは583l.h-1kg-1における最終値にされる。次いで、循環ループ流は、約20分〜約40分の範囲内の継続時間に渡る最終体積で維持されている。一層好適に、前記継続時間は約25分〜約35分の範囲内である。一層好適に、前記継続時間は約30分である。
更に他の好適な実施態様において、段階(c)は、約50℃〜約70℃の範囲内の温度で行われる。好適に、前記温度は、約55℃〜約65℃の範囲内である。最も好適に、前記温度は約60℃である。
本発明の好適な実施態様は、足場依存性細胞の培養のための固形支持体を再生利用する方法に関連し、ここで段階(d)は、約50℃〜約70℃の範囲内で行われる。好適に、前記温度は、約55℃〜約65℃の範囲である。最も好適に、前記温度は60℃である。
更に好適な実施態様において、段階(b)は:
(i)約100mmbar〜約900mmbar;
(ii)約200mmbar〜約800mmbar;
(iii)約300mmbar〜約700mmbar;及び
(iv)約400mmbar〜約600mmbar;
から成る群から選択された範囲内の加圧下で行われる。
好適に、前記加圧は約500mmbarである。
代替的に、段階(b)は、約200mmbar〜約400mmbarの範囲内、又は約250mmbar〜約350mmbarの範囲内のいずれかで行われる。加圧は、例えば、約300mmbarで行われて良い。
他の好適な実施態様において、段階(b)は約5分〜約30分の範囲内の継続期間内で行われる。好適に、前記継続期間は、約5分〜約20分の範囲内である。最も好適に、前記継続期間は約10分である。
多くの変更及び/又は適合化が当業者により、温度、加圧、循環ループ流及び継続時間が段階(d)及び(b)において及び/又は段階(d)及び(b)のために行われるために適用されて良い。例えば、流速は(i)足場依存性細胞の培養のための固形支持体;及び(ii)固形支持体の多孔性に依存して多彩でありうる。更に、段階(b)及び(d)を加圧下で行うことは絶対必要なわけではない。しかし、コンタミネーションの危険を防ぐ良い慣例である。
代替的に、足場依存性細胞の培養のための固形支持体は:
a)細胞培養のための系から固形支持体を除去し;
b)当該固形支持体を水性溶液で洗浄し;
c)当該固形支持体を水酸化ナトリウム溶液で洗浄し;
d)当該固形支持体を水性溶液で洗浄する、
段階を含んで成る方法においてex situで再生利用されて良い。
本発明の第二の観点は、本発明の方法により再生利用される足場依存性細胞の培養のための固形支持体に関連する。
本発明の第三の観点は、細胞の培養のための本発明の方法により再生利用される固形支持体の使用に関連する。
細胞は、例えば、動物、昆虫又は微生物起源であって良い。本明細書中で使用された場合、用語「動物細胞」には、ヒト及び非ヒト哺乳類細胞、非哺乳類細胞、組換え細胞及びハイブリドーマが含まれる。本発明の固形支持体を使用することで培養されて良い哺乳類細胞の例は、3T3細胞、COS細胞、ヒト骨肉腫細胞、MRC-5細胞、BHK細胞、VERO細胞、CHO細胞、rCHO-tPA細胞、rCHO-Hep B表層抗原細胞、HEK 293細胞、rHEK 293細胞、rC127-Hep B表層抗原細胞、正常ヒト繊維芽細胞、間質細胞、肝細胞及びPER.C6細胞である。本発明の固形支持体を使用することで培養されて良いハイブリドーマの例には、DA4.4細胞、123A細胞、127A細胞、GANMA細胞及び67-9-B細胞が挙げられる。本発明の固形支持体を使用することで培養されて良い昆虫細胞の例としては、鱗翅目細胞、Tn-368細胞、SF9細胞、rSF9細胞及びHi-5細胞(例えば、Ikonomouら2002を参照のこと)が挙げられる。本発明の固形支持体を使用することで培養されて良い非哺乳類細胞の例には、ブラウンブルヘッド細胞系統(例えば、Buckら1985を参照のこと)が挙げられる。本発明の固形支持体を使用することで培養されて良い微生物の例には、コニオチリウム・ミニタンス(Coniothyrium minitans)、クルイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、ファネロカエテ・クリソスポリウム(Phanerochaete chrysosporium)、セドスポリウム・アピオスペルマム(Scedosporium apiospermum)、セファロスポリウム・アクレモニウム(Cephalosporium acremonium)及びベアウベリア・バッシアナ(Beauveria bassiana)が挙げられる。例えばSabuら2002参照のこと)が挙げられる。
好適な実施態様において、細胞は哺乳類細胞である。哺乳類細胞の培養は、治療タンパク質の生産のための確立された方法である。本発明の方法により再生利用される固形支持体を使用することで生産されて良い治療タンパク質には、例えば、絨毛ゴナドトロピン、卵胞刺激ホルモン、ルトロビン-胎盤性性腺刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、ヒト成長ホルモン、インターフェロン(例えば、インターフェロンβ-1a、インターフェロンβ-1b)、インターフェロンレセプター(例えば、インターフェロンγ-レセプター)、TNFレセプターp55及びp75、TACl-Fc融合タンパク質、インターロイキン(例えば、インターロイキン-2、インターロイキン-11)、インターロイキン結合タンパク質(例えば、インターロイキン-18結合タンパク質)、抗-CD11a抗体、エリスロポエチン、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、下垂体ペプチドホルモン、閉経期ゴナドトロピン、インスリン様成長因子(例えば、ソマトメジン-C)、ケラチン生成細胞増殖因子、グリア細胞、誘導神経栄養因子、トロンボモジュリン、塩基性繊維芽細胞増殖因子、インスリン、因子VIII、ソマトロピン、骨形態形成タンパク質-2、血しょう板誘導増殖因子、ヒルジン、エポイエチン、組換えLAF-3/IgG1融合タンパク質、グルコセレブロシダーゼ、及びムテイン、その断片、可溶性形態、機能性誘導体、融合タンパク質が挙げられる。
一つの実施態様において、細胞は足場依存性である。他の実施態様において、細胞は足場依存性ではない。実際に、懸濁細胞は、マイクロキャリアー上及び多孔質支持シートへ結合された不織布繊維マトリクスでできた支持体の例えばFibra-Cel(登録商標)上で増殖させることができる。
本発明を完全に記載して、当業者は、実験をしなくとも本発明の精神及び範囲から逸脱することなく同等のパラメーターの範囲内で実施することができるだろう。
本発明はその特異的な実施態様との関係において記載されている一方で、更なる変更をできることが理解されるだろう。本願は、一般に、全ての変更、使用又は適用を網羅することを意味し、それは例えば、本発明の属する技術の範囲内の公知又は通常の慣例として本発明から出発するもの及び本願請求項の範囲において本明細書中先に開示された本質的特長に適用されて良いものである。例えば、(i)流速は、足場依存性細胞の培養のための所定の型の固形支持体に;そして(ii)固形支持体の多孔性に非常に依存しうる。更に、加圧は必ずしも必要ではなく、しかしコンタミネーションの危険性を最小限にする良い慣例である。
本明細書中、論文記事又はアブストラクト、刊行された又は刊行されていない特許出願、取得特許又は他の全ての参照、データ、表、図及び引用された文献にある記載は、本明細書中その全体を参照によって組み込まれている。加えて、本明細書中引用された参考文献内で引用された参考文献の全体内容は、本明細書中、参照によって組み込まれている。
公知の方法段階、常用の方法段階、公知の方法又は常用の方法は、いかなる場合も本発明の観点、記載又は実施態様が関連技術において開示され、教示され又は提案されていることを示してはいない。
本発明の一般的な性質を十分に明らかにするだろう特異的な実施態様の前記記載は、当業者の知識(例えば、本明細書中で引用した参照の内容)を適用することによって、かかる特異的な実施態様の様々な適用をするために、実験をすることなく、本発明の一般概念から出発することなく、容易に修飾及び/又は適用することができる。従って、かかる適用及び変更は、本明細書中の教示及び案内に基づいて、開示された実施態様と同じ意味及び範囲内にあることを意味する。本明細書中に記載の表現または用語は記載する目的であり限定の意味でないことが理解され、従って、本発明の表現及び用語は本明細書中に記載の教示及び案内の観点から、当業者によって、当業者の知識と組み合わせて、解釈される。
実施例1:細胞培養プロセス
1.1.設備
全ての実験を、外部カラムに連結したバイオリアクターを含んで成る系で行った。バイオリアクターの形態は、MBRによって製造された40L Free-Standing Laboratoryバイオリアクターの形態に類似した。使用したバイオリアクター及びカラムの体積を下の表1に要約した。
Figure 2007512012
外部カラムは、Ra0.6μmのinox316Lからなる。Raは平均表面粗度を記載し、そして評価長に渡り測定した粗さプロファイルの絶対値の積分値:
Figure 2007512012
として規定される。
外部カラムを、表1に与えた担体の質量に従い、Fibra-Cel(登録商標)(New Brunswick Scientific)で充填した。
1.2.細胞系統及び培地
1.2.1細胞系統
全ての実験をp55TNFレセプター(Swiss ProtアクセスNo.P19438)の可溶性細胞外部分に対応するタンパク質を生産するCHO細胞系統で行った。r-hTBP-1と命名された生産されたタンパク質は、Swiss Prot Accession No.P19438のアミノ酸41〜201を含んで成る。
r-hTBP-1-生産細胞系統を、CHO-DUKX細胞にr-hTBP-1をコードするcDNA及び適切な発現エレメントを含んで成るベクターをトランスフェクションすることによって生じさせた。トランスフェクションした細胞を選択して安定にr-hTBP-1を発現する細胞系統を確立した。
1.2.2培地
細胞培養のために使用した培地はSigma C1850培地であった。
1.3.接種、増殖及び生産条件
「ラン」にも言及される培養方法は、接種段階、増殖フェーズ及び生産フェーズを含んで成る。
1.3.1接種条件
実施例3を行う場合、1.6×109個の生r-hTBP-1生産細胞/kgのFibra-Calをバイオリアクターに移し、そして実施例4行う場合、2.7×109個以上を移した。接種の間のポンプ循環をし、細胞を自然にFibra-Cel(登録商標)ディスクへ結合させる。
馴化タンクコンロールユニットの初期設定ポイントは次の通りであった:
−温度:37.0℃
−溶存酸素(DO):50%空気飽和
−pH:7.00
−バイオリアクター加圧:0.2bar
−実施例3を行う場合:撹拌:20rpm
1.3.2増殖条件
増殖フェーズの間、バイオリアクターを2日目までバッチモードで操作し、そして希釈率を最大値の100Lの灌流培地/日/kgのFibra-Cal(登録商標)ディスク(100L日-1kg-1のFibra-Cel(登録商標))の値まで増加させた。ポンプ循環フローを漸進的に150l.h-1→350l.h-1へ実施例3を行う場合に漸進的に増加させ且つ150l.h-1→800l.h-1kg-1へ実施例4を行う場合に漸進的に増加させた。第7日目に、溶存酸素(DO)設定ポイントを70%空気飽和へと高めた。
1.3.2生産条件
一度グルコース消費率(GCR)がFibra-Cel(登録商標)の150g日-1kg-1を越えれば、灌流レベルを18Lの灌流培地/日(30L日-1kg-1のFibra-Cel(登録商標))へ実施例3を行う場合に下げ、そして10Lの灌流培地/日(30L日-1kg-1のFibra-Cel(登録商標)以上)へ実施例4を行う場合に下げた。生産フェーズは60日続いた。
実施例2:分析方法
2.1全有機炭素(TOC)の測定
全有機炭素(TOC)は、炭素として測定した医薬水中に存在する有機分子の間接測定値である。TOCは、通常、精製及び分配系を含んで成る単位操作の性能をモニタリングすることに寄与するプロセス制御として使用されている。TOCは、全有機分子がクリーニングの後に除去されたかどうかを特定可能にする。TOCを分析するための多くの方法が存在する(例えば、Europiean Pharmacopeia 第4版、2002年、第2.2.44章を参照のこと)。
TOCを、Phoenix 8000装置を製品説明書に由来するプロトコールに従い使用することで測定した。TOCを百万分率(ppm)で表した。
2.2カブトガニアメーバ状細胞溶解物(LAL)の測定
カブトガニアメーバ状細胞(LAL)試験は、試験されるサンプル中又はサンプル上に存在しうる細菌内毒素を検出又は定量化する試験である。それは、LAL試薬として使用するために調製され且つ特性決定されているカブトガニ(Limulus polyohemus 又はTachypleus tridentaus)の循環するアメーバ状細胞の水性抽出物から獲得されたカブトガニアメーバ状細胞を使用する(例えば、Pharmacopeia United States of America,第26版、第85章を参照のこと)。
LALを、製品説明書に由来するプロトコールに従いWinKQCL(登録商標)ソフトウェア(Biowhittaker)を含んで成るLAL Kinetic Systemを使用することで測定した。LALをエンドトキシン単位/ml(EU.ml-1)で発現させた。
2.3バイオバーデンの測定
バイオバーデンとは、サンプル中又はサンプル上に存在する生育可能微生物の量の基準である。バイオバーデンは「全生育可能好気計測」にも言及される。バイオバーデンを測定するための多くの方法が使用可能である(例えば、European Pharmacopea 第4版、2002年、第2.6.12章を参照のこと)。
バイオバーデンを膜フィルタレーション(例えば、European Pharmacopea 第4版、2002年、第2.6.12章を参照のこと)によって試験した。膜フィルターを、以下の培地を含んで成るペトリ皿上でインキュベートした。
−トリプカーゼ-ソヤアガー;
−トリプカーゼ-ソヤアガー+0.07%レクチン+0.5%Tween80;又は
−トリプカーゼ-ソヤアガー+5%ヒツジ血液。
プレートを32.5℃で5日の間インキュベートした。バイオバーデンを、コロニー形成単位/ml(CFU.ml-1)の数として表した。
2.4r-hTBP-1の累積的生産性の測定
r-hTBP-1(g)/Fibra-Cal(登録商標)(kg)として表した累積生産性(CP)を次のように計算した:CP=(前日のCP)+(日々のr-hTBP-1タイター×灌流/Fibra-Cel(登録商標)の質量(Kg))/1000×(前日〜当日間の時間(時間))。
灌流をL/24時間で表した。r-hTBP-1タイターをmg/Lで表した。r-hTBP-1タイターをBioChem Immunosystems(ドイツ)のSerozyme Kit及びモノクローナル抗体の抗r-hTBP-1抗体によって測定した。
2.5グルコース消費率の測定(GCR)
消費されたグルコース(g)/日/Fibra-Cel(登録商標)(kg)で表したグルコース消費率(GCR)を次のように計算した:GCR=(((Gin-Gバイオリアクター)×灌流)+(Gバイオリアクター前日−Gバイオリアクター当日)×((有効体積(L)/前日と当日の時間間隔(h))/Fibra-Celの質量)
Ginは、g/Lで表した、系へ灌流した培地のグルコース濃度に対応する。Gバイオリアクターは、バイオリアクター内の培地のグルコース濃度に対応する。灌流をL/24時間で表した。有効体積は、系における培地の体積(L)に対応する。Fibra-Celをkgで表した。
実施例3:再生利用プロトコール及び結果
3.1再生利用
この系は、実施例1.1に記載のように、5.5Lの外部カラムへ連結した15Lのバイオリアクターからなった。
非再生利用Fibra-Cel(登録商標)ディスクにより行ったランの最後に、系全体の全液体を空にし、そして注射のための熱水(WFI)で再度満たした。WFIの温度は、70℃よりも上であった。循環ループ流を10分の間583lh-1kg-1(5分のトップ/ダウン流及び5分のダウン/トップ流)にセットした。加圧は300mbarであった。次いで、WFIを排出させた。
系にWFIを再度充填し、そして濃水酸化ナトリウム溶液(10%)を、系中2%の最終濃度にいたるように加えた。次いで、ローターリーローブポンプ流速を215〜583h-1kg-1へ増加させてこの後、30分の間循環ループ流速を60℃の温度で維持した(15分のトップ/ダウン流及び15分のダウン/トップ流)。
この後、1〜4の洗浄を周囲WFIで583lh-1kg-1及び200mbarの加圧により行った、各リンスを10分続けた(5分のトップ/ダウン流及び5分のダウン/トップ流)。
サンプルを、各洗浄段階後、pH、カブトガニアメーバ状細胞溶解物(LAL)、全有機炭素(TOC)及びバイオバーデン分析のために移した。LAL、TOC及びバイオバーデンを上記のように試験し、そしてpHをpH検査紙で試験した。LAL、TOC、バイオバーデン及びpHは、系が洗浄されているかどうか否かを示す。好適に、新しいランをスタートする前、pHは8を下回り、LALは0.5EUml-1を下回り、バイオバーデンは5CFUml-1を下回り、そしてTOCは10ppmを下回った。
各洗浄段階後に移したサンプルに対して行ったLAL、TOC、バイオバーデン及びpH分析の結果を下の表2に示す。
Figure 2007512012
各洗浄後に行った異なる分析により、3つの洗浄がpH値<8、LAL値≦0.5EU.ml-1及びバイオバーデン値≦5CFUml-1に至るために十分であることが示される。従って、3つの洗浄段階は、この系で新たなランをスタートさせるために必要なLAL、TOC、バイオバーデン及びpHに至ることを可能にする。
3.2再生利用及び非再生利用Fibra-Cel(登録商標)ディスクによるランの間の累積生産性及びグルコース消費率
後に続くランを、3回洗浄した再生利用Fibra-Cel(登録商標)ディスクで行った。洗浄の後日、再生利用Fibra-Cel(登録商標)ディスクを含むカラムを滅菌し、そして新しいランをスタートするまで無菌状態を維持した。かかる後のランの間に測定した累積生産性及びグルコース消費率を、図1及び2にそれぞれ示している。非再生利用Fibra-Cel(登録商標)によるこのランの間に測定した累積生産性及びグルコース消費率も報じている。
図1及び2に示すように、再生利用Fibra-Cel(登録商標)ディスクによる培養は、ランの最後まで非再生利用Fibra-Cel(登録商標)による培養と同じ動きを有した。生産性及び代謝は類似した。詳細に、再生利用Fibra-Cel(登録商標)ディスクにより獲得したr-hTBP-1生産レベルは、非再生利用Fibra-Cel(登録商標)ディスクにより獲得したr-hTBP生産レベルに匹敵する。
実施例4:再生利用プロトコール及び異なる装置サイズに関する結果
この系は、実施例1.1に記載のように、外部カラムに連結した40L又は350Lバイオリアクターを含んで成る。
非再生利用Fibra-Cel(登録商標)ディスクにより行ったランの最後に、系全体の液体を空にし、そして注射のための熱水(WFI)で再度満たした。WFIの温度は、60℃よりも上であった。循環ループ流を10分の間583lh-1kg-1にセットした。加圧は500mbarであった。次いで、WFIを排出させた。
系に濃水酸化ナトリウム溶液(2%)を含む精製水(PW)溶液を再度充填した。循環ループ流を30分に渡り60℃の温度で583l.h-1kg-1に設定した。
この後、1〜4の洗浄を周囲PWで583lh-1kg-1及び500mbarの加圧により行った。各洗浄を最小の10分続けた。最後の洗浄を、熱WFIを伴う同じ操作条件で行った。
サンプルを、各洗浄段階後、pH、カブトガニアメーバ状細胞溶解物(LAL)、全有機炭素(TOC)及びバイオバーデン分析のために移した。LAL、TOC及びバイオバーデンを上記のように試験し、そしてpHをpH検査紙で試験した。LAL、TOC、バイオバーデン及びpHは、系が洗浄されているかどうか否かを示す。好適に、新しいランを始める前、pHは8を下回り、LALは0.25EUml-1を下回り、バイオバーデンは10CFU.100ml-1を下回り、そしてTOCは10ppmを下回るべきだ。
各洗浄段階後に移したサンプルに対して行ったLAL、TOC、バイオバーデン及びpH分析の結果を下の表3に示す。
Figure 2007512012
各洗浄フェーズ後に行った様々な分析により、3〜5の洗浄が、pH値<8、LAL値≦0.25EU.ml-1及びバイオバーデン値≦100CFUml-1に至るために十分であることが示される。従って、洗浄フェーズは、この系で新たなランをスタートさせるために適合する必要なLAL、TOC、バイオバーデン及びpHに至ることを可能にする。
Figure 2007512012
非再生利用Fibra-Cel(登録商標)ディスク(グレーのドット)を使用することで細胞を培養する場合又は本発明の方法により再生利用したFibra-Cel(登録商標)(黒の三角)を使用することで細胞を培養する場合の測定したタンパク質生産性を比較する。 非再生利用Fibra-Cel(登録商標)ディスクを使用することで細胞を培養する場合(グレー四角)又は本発明の方法により再生利用したFibra-Cel(登録商標)を使用することで細胞を培養する場合(黒三角)に獲得したグルコース消費率を比較する。 本発明の方法を行うために適した細胞培養のための系を示す。

Claims (37)

  1. 細胞培養のための系内に位置した足場依存性細胞を培養するための固形支持体を再生利用する方法であって:
    a)当該系の液体を空にし;
    b)当該系を水性溶液で洗浄し;
    c)当該系を水酸化ナトリウム溶液で洗浄し;そして
    d)当該系を水性溶液で洗浄する、
    段階を含んで成る方法。
  2. 前記水性溶液が水である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記水酸化ナトリウム溶液が:
    a)約1%〜約3%の範囲内の水酸化ナトリウム;
    b)約1.5%〜約2.5%の範囲内の水酸化ナトリウム;及び
    c)約2%の水酸化ナトリウム
    からなる群から選択された濃度における、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 段階(d)を3回以上行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 段階(d)を3回行う請求項4に記載の方法。
  6. 段階(d)を5回行う請求項4に記載の方法。
  7. 前記段階(b)における水性溶液が注射のための溶液(WFI)である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記段階(d)における水性溶液が注射のための溶液(WFI)である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記段階(d)を、注射のための溶液(WFI)で行う段階(d)の最後の繰り返し以外は、精製水(PW)で行う、請求項4〜7のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記固形支持体が、多孔質支持シートへ結合した不織布繊維マトリクスからできている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記固形支持体が、ポリプロピレンメッシュのシートへ結合した不織布ポリエステルからできている、請求項10に記載の方法。
  12. 前記固形支持体が、マイクロキャリアーである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記系がバイオリアクターを含んで成る、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記系が更に、前記バイオリアクターに連結した外部カラムを含んで成る、請求項13に記載の方法。
  15. 前記バイオリアクターが内部カラムを含んで成る、請求項13に記載の方法。
  16. 前記固形支持体が前記カラム内に位置する、請求項14又は15に記載の方法。
  17. 前記系を段階(d)を行う後に滅菌する、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記外部カラムを段階(d)を行う後に滅菌する、請求項14又は16に記載の方法。
  19. 前記段階(d)を:
    a)約500l.h-1.kg-1〜約700l.h-1.kg-1の範囲内;
    b)約550l.h-1.kg-1〜約650l.h-1.kg-1の範囲内;及び
    c)約583l.h-1.kg-1
    からなる群から選択される循環ループ流により行う、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記段階(d)を周囲温度で行う、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記段階(d)を:
    a)約100mmbar〜約900mmbarの範囲内;
    b)約300mmbar〜約700mmbarの範囲内;及び
    c)約500mmbar、
    からなる群から選択される加圧下で行う、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記段階(d)を:
    a)約5分〜約30分の範囲内;
    b)約5分〜約20分の範囲内;及び
    c)約10分
    の群から選択される継続時間に渡り行う、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記段階(c)を:
    a)約500l.h-1.kg-1〜約700l.h-1.kg-1の範囲内;
    b)約550l.h-1.kg-1〜約650l.h-1.kg-1の範囲内;及び
    c)約583l.h-1.kg-1
    からなる群から選択される値における循環ループ流の組により行う、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記段階(c)を:
    a)約20分〜約40分の範囲内;
    b)約25分〜約35分の範囲内;及び
    c)約30分
    の群から選択される継続時間に渡り行う、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記段階(c)を:
    a)約50℃〜約70℃の範囲内;
    b)約55℃〜約65℃の範囲内;及び
    c)約60℃
    からなる群から選択される温度において行う、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記段階(b)を:
    a)約50℃〜約70℃の範囲内;
    b)約55℃〜約65℃の範囲内;及び
    c)約60℃
    からなる群から選択される温度において行う、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記段階(d)を:
    a)約100mmbar〜約900mmbarの範囲内;
    b)約300mmbar〜約700mmbarの範囲内;及び
    c)約500mmbar、
    からなる群から選択される加圧下で行う、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記段階(b)を:
    a)約5分〜約30分の範囲内;
    b)約5分〜約20分の範囲内;及び
    c)約10分
    の群から選択される継続時間に渡り行う、請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 請求項1〜28のいずれか1項に記載の方法に従い再生利用した、足場依存性細胞を培養するための固形支持体。
  30. 前記固形支持体は、多孔質支持シートへ結合した不織布繊維からできているディスクである、請求項29に記載の固形支持体。
  31. 前記固形支持体は、ポリプロピレンのシートへ結合した不織布ポリエステルからできているディスクである、請求項30に記載の固形支持体。
  32. 前記固形支持体がマイクロキャリアーである、請求項29に記載の固形支持体。
  33. 細胞を培養するための請求項29〜32のいずれか1項に記載の固形支持体の使用。
  34. 前記固形支持体が多孔質支持シートへ結合した不織布繊維からできている、請求項33に記載の使用。
  35. 前記固形支持体は、ポリプロピレンのシートへ結合した不織布ポリエステルからできたディスクである、請求項34に記載の使用。
  36. 前記固形支持体がマイクロキャリアーである、請求項33に記載の使用。
  37. 前記細胞が足場依存性である、請求項33〜36のいずれか1項に記載の使用。
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