JP2007510630A - 光学的に純粋な2−モルフィノール誘導体を調製する新規な方法 - Google Patents

光学的に純粋な2−モルフィノール誘導体を調製する新規な方法 Download PDF

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    • C07D265/321,4-Oxazines; Hydrogenated 1,4-oxazines not condensed with other rings with oxygen atoms directly attached to ring carbon atoms

Abstract

本発明は、(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールおよび(−)−(2R,3R)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールの混合物から、光学的に純粋な(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノール、および医薬上許容される塩および溶媒和物を調製する方法に関する。この方法はマルチカラムクロマトグラフィー(MCC)、VARICOLおよびCyolojetなどの技法を含む、連続クロマトグラフィーを利用する。

Description

発明の詳細な説明
(技術分野)
本発明は、(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールおよび(−)−(2R,3R)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールの混合物、例えば、ラセミ混合物から、光学的に純粋な(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールおよびその医薬上許容される塩および溶媒和物を調製する方法に関する。
(従来技術)
2つのエナンチオマーの混合物からエナンチオマーとして純粋なまたは光学的に豊富化されたエナンチオマーを分離することは、当該分野にて周知である、ジアステレオマーの塩を形成することで、結晶化方法により、あるいは酵素方法により伝統的に行われてきた。キラルクロマトグラフィーは分析技法として周知であり、2つのエナンチオマーを実験規模で分離するのに有用な手段でもある。しかしながら、光学的に豊富化されたエナンチオマーのバッチ式クロマトグラフィーを用いての分離が、特定の医薬化合物の商業生産にまで発展することは、多くの技術的基準が要求されるためめったにないことである。すなわち、バッチ式クロマトグラフィーは最初の供給濃度の高希釈を生じさせ、それは多量の溶出液を必要とし、キラル固定相の非効率的な使用をもたらす。その結果、所望の化合物の溶出液中の濃度は低く、このことは所望の物質を単離し、再使用のために溶媒を回収するのに多くのエネルギーを必要とする。連続クロマトグラフィーはこれらの不利な点のいくつかを打ち消す。というのも、バッチ式クロマトグラフィーと比較して固定相の量当たりの生成物の分離に関して高い効率が可能となり、一般に溶媒の使用量が極めて低く、したがって回収のためのエネルギーをそれほど必要としない。
例えば、連続クロマトグラフィーの例が、Multi-Column Chromatography(MCC)、Cyclojet、Simulated Moving Bed(SMB)およびVARICOL(登録商標)の名称で知られている液体クロマトグラフィー技法である。MCCはSMBおよびVARICOL(登録商標)を含む一般的用語である。SMBのコンセプトは1960年代の初期に特許され(米国特許第2957927号、第2985589号および第3291726号)、石油化学工業の分野にてしばらくの間使用されていた(米国特許第3205166号および第3310486号)。米国特許第5434298号、第5434299号および第5498752号もまたSMB方法に関する。米国特許第5518625号は保持能力の低い条件下で分離するSMB方法の使用に関する。Cyclojetのコンセプトもまた周知であるが、大規模では証明されていない。最近では、VARICOL(登録商標)システムが使用されており、米国特許第6136198号、第6375839号および第6413419号に記載されている。VARICOL(登録商標)は非SMB方法であって、いくつかの利点、例えば、より大きな供給能力および一般により小さな溶媒消費に関して高い処理能力を提供するMCC技法の変法である。言い換えれば、MCC技法は一定の生産能および溶媒消費についてより一貫した製品品質を生み出すことができる(A.Toumiら、J. Chrom.、1006巻(2003)、15−31頁およびZ.Zhangら、AIChE Journal、2002年12月、48巻、12号、2800−2816を参照のこと)。公開されたWO00/25885はVARICOL(登録商標)に関連し、公開された米国2002/0014458A1はSMB法は最適化に関するものである。米国特許第6107492号および公開されたWO99/57089、WO03/006449、WO03/037840、WO03/051867、WO03/072562およびWO2004/046087は特定の化合物の製法に関する。
化合物(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノール、その医薬上許容される塩および溶媒和物ならびにそれらを含む医薬組成物は、鬱病、注意欠陥多動性障害(ADHD)、肥満、片頭痛、痛み、性的機能不全、パーキンソン病、アルツハイマー病、あるいはコカインまたはニコチン含有の物質(タバコを含む)への依存症などの多数の疾患または障害の治療にて使用される。いくつかの文献は(+)−(2S,3S)または(−)−(2R,3R)−エナンチオマーのいずれかをラセミ体である(+/−)−(2R,3R)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールから調製することを記載する。例えば、米国特許第6342496号B1(2002年1月29日にJerussiらに対して付与された);米国特許第6337328号B1(2002年1月8日にFangらに対して付与された);米国特許第6391875号B1(2002年5月21日にMorganらに対して付与された);米国特許第6274579号B1(2001年8月14日にMorganらに対して付与された);米国特許出願公開2002/0052340A1、2002/0052341A1および2003/0027827A1;ならびにWO01/62257A2を参照のこと。しかしながら、これらの文献は一つとして、ラセミ体の精製に連続クロマトグラフィー技法を利用していない。
連続クロマトグラフィー技法は、正しく実施すれば、古典的なバッチ式クロマトグラフィーよりも、固定相の一定量当たりで分離される生成物の観点から、実質的に溶媒コストを下げることに伴って、効率を上げることが可能であり、コストの点から伝統的な古典的分離法に匹敵するようになることも可能である。しかしながら、ロバストでかつ効率的な連続クロマトグラフィーシステムのセットアップは困難であり、これまで光学的に純粋な(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールの調製は知られていない。
(発明の開示)
本発明は、ラセミ体または非ラセミ体の混合物とすることのできる、(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールおよび(−)−(2R,3R)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールの混合物からの、光学的に純粋なまたは光学的に豊富化された(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールの調製方法に関する。バッチ式クロマトグラフィーシステムおよび/または連続クロマトグラフィーシステムのいずれの分離も、アミローストリス−3,5−ジメチルフェニルカルバマート(CHIRALPAK(登録商標)AD)またはその化学的に修飾された形態(CHIRALPAK(登録商標)T101)などの、キラル固定相(CSP)を利用する。この連続クロマトグラフィーは、MCC、VARICOL(登録商標)およびCyclojetなどのシステムを包含する。処理されうる供給量、ロバストな作動変数および一貫した製品品質の観点からVARICOL(登録商標)が好ましい方法である。
連続クロマトグラフィーと結晶化技法とを組み合わせることで利益を得ることができる(H. Lorenz ら、Journal of Chromatography A、第908巻(2001)、201−214頁)。性能(すなわち、一般に、一日当たりにCSP1kgに付き処理されるラセミ体のkg(ラセミ体のkg/CSPのkg/日)で評価されるクロマトグラフィーシステムの生産性)は、クロマトグラフィーシステムのアウトレットでの光学純度のスペックに大きく依存しうる。このカップリングは、光学純度を少し落とすことでそのユニットの生産性を向上させることを目的とする。ついで、さらなる光学的精製方法として、結晶化を用いることができる。例えば、(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノール(キラル純度92%ピーク面積比(PAR))に富むエナンチオマーの混合物で出発し、純粋な(>99.5%)(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールの結晶を純粋なエナンチオマーの理論的に回収しうる量の92%の回収率で得ることができる。この操作で得られる母液は、共融点と同じ組成を示す(85%純度)。化学的精製工程としての結晶化もまた、強調されている。濾過して、冷アセトニトリルで洗浄された(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールの高純度(99.5%)の粘度の高いスラリー溶液は、大部分の不純物を母液に残したままで、純粋な(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールを付与するであろう。
所望のエナンチオマーのキラル純度は、少なくとも85%であり、一般に、98%と99.9%の範囲にあり、少なくとも90%、一般には約96%で必要とされるエナンチオマーが回収される。望ましくない(−)−(2R,3R)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールのラセミ化をこの精製方法と組み合わせ、供給の流れの中にリサイクルすることもできる。このことは所望の(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールを得るのに必要とされるラセミ体の必要な量を有意に減少させるであろう。
(発明の詳細な記載)
本発明は光学的に豊富化された(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールならびにその医薬上許容される塩および溶媒和物の製法を包含する。本発明に従って光学的に富ませることのできる、(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールおよび(−)−(2R,3R)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールの混合物は、当該分野にて知られている種々の方法により生成されうる。かかる方法により生成される混合物は、通常、(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールおよび(−)−(2R,3R)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールの50/50混合物を含む、ラセミ混合物であろう。しかしながら、本発明は、別の混合物、例えば(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールを50%より多く、(−)−(2R,3R)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールを実質的な量にて含有する混合物を光学的に豊富とするのに用いることができる。該方法の原材料は、上記した(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールおよび(−)−(2R,3R)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールの両方、および連続クロマトグラフィー方法に適する溶媒を含むであろう。望ましくない化合物(不純物を含む)、例えば、最初の混合物を合成した時から存在する不純物、原材料中に存在する不純物は、その原材料を連続クロマトグラフィーに供する前に取り除かれていてもよい。
(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールを連続クロマトグラフィー方法により精製し、場合によっては本発明の結晶化によってさらなる精製に付した後、その化合物は、その医薬上許容される塩またはその溶媒和物、特に米国特許第6342496号B1、米国特許第6337328号B1、米国特許第6391875号B1、米国特許第6274579号B1、米国特許出願公開番号2002/0052340A1、2002/0052341A1および2003/0027827A1、ならびにWO01/62257A2に記載されているものに変換されうる。
米国特許第2985589号(Broughtonに対して付与)に記載の、キラル固定相を用いるMCCは、(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールを80−100%のエナンチオマー過剰、好ましくは少なくとも90%のエナンチオマー過剰にて得るのに用いられる。
適当には、MCCは、米国特許第2985589号にて見られるように、MCC方法の最も効果的な実施の一つである4つのゾーンカスケード装置にて実施される。
MCC分離の最適条件は、一般に、HPLC(高性能液体クロマトグラフィー)から得られる溶出特性を分析することで同定される。重要なパラメーターは、支持体の負荷能力、移動相の強度、選択性、温度および原料の溶解性である。これらのパラメーターを最適化することで、コストに対する効果的な分離の条件を同定することが助成される。MCC操作の条件を同定するのに使用される方法が、the Journal of Chromatography A、702巻(1995)、97−112頁にて論じられ、かつ実証されている。
好ましいMCC操作は、その一部として、まず豊富化するのにMCCを通し、つづいて別の分離技法を用いて豊富化を強化する、2段階の「豊富化−洗練化」操作を用いてもよい。第2段階はもう一つ別のMCC段階であってもよい。別法として、第2段階は異なる操作、例えば、HPLCまたは結晶化であってもよい。
移動相は、C5−C7アルカン(特に、ヘキサンおよびヘプタン)、C1−C3アルカノール(特に、メタノール、エタノールおよび2−プロパノール)、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリルの単一成分またはその混合物であってもよく、移動相はアセトニトリルとイソプロパノールの組み合わせ溶出液であることが最も好ましい。アセトニトリル/イソプロパノールの好ましい比率は93/7%v/vないし99/1%v/vであり、好ましくは95/5%v/vないし97/3%v/vであり、最も好ましくは95/5%v/vである。もう一つ別の実施形態において、移動相はアセトニトリルとメタノールの、またはアセトニトリルとエタノールの組み合わせ溶出液である。また、純粋な超臨界流体(SCF)を、およびSCFをアルコールと一緒に用いることもできる。上記した溶出液に加えて、当業者に知られているように、少量の塩基(ジエチルアミンなど)または酸(HClなど)を添加することもできる。典型的には、「ヘキサン」および「ヘプタン」なる語は、直鎖およびその分岐鎖異性体をいう。
ラセミ体の(+/−)−(2R、3R)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールをキラルクロマトグラフィーに付し、好ましくはキラル固定相としてCHIRALPAK(登録商標)ADを、移動相としてアセトニトリルまたはアセトニトリル/イソプロパノールを用いるMCCクロマトグラフィーにより、(+)−(2S,3S)エナンチオマーを少なくとも90%、好ましくは95%以上のエナンチオマー過剰率で得る。
連続クロマトグラフィー技法を用いると、所望のエナンチオマーの純度は98%と99.5%の範囲にあり、必要とされるエナンチオマーの96%は回収される。本発明の他の実施形態は、連続クロマトグラフィー技法を、その後の所望のエナンチオマーの分離結晶化と組み合わせ、所望の純度および回収率を得ることを包含する。他の実施形態は望ましくないエナンチオマーをラセミ化し、新たな混合物を原材料にリサイクルすることを包含する。
任意の結晶化
ラフィネートおよび/または抽出液のエナンチオマー過剰率(e.e.)は、一般に、90%より大きく、好ましくは95%より大きく、その上さらに好ましくは98%よりも大きい。しかしながら、続く結晶化工程によりe.e.を改善することは可能であるため、ラフィネートおよび/または抽出液の60%くらいの低いe.e.も本発明に係る化合物を調製しうるのに十分である。化合物をその塩基付加塩に変換し、その塩を結晶化させることでe.e.を改良することも可能である。
一の実施形態において、ラフィネートおよび/または抽出液のe.e.は60%以上、好ましくは70%より大きく、その上さらに好ましくは80%よりも大きい。e.e.は、その後、所望により該化合物を塩基付加塩に予め変換して結晶化させることで改良される。
その後の分離結晶化の目的は純度が低下するもより高い処理能を可能とすることである。この純度の低下は後の結晶化を行うことで修正または相殺されうる。
任意のラセミ化
所望とするエナンチオマーに応じて、抽出液またはラフィネートのいずれかの流れは望ましくない。この場合において、および以下の実施例において、それは最終的に所望のエナンチオマーを含有するラフィネートであり、望ましくないエナンチオマーを含有する抽出液である。しかしながら、この抽出液を単に捨てることは不要であり、無駄でもある。むしろ、望ましくないエナンチオマーを化学的または別の操作でラセミ化すればよい。したがって、まずラセミ化を行うことで抽出液を供給の流れの中にリサイクルすることが可能である。この操作は抽出液をリサイクルし、必要とされる新たなラセミ体の供給を減少させるであろう。
この場合において、目的の化合物の化学構造は、そこに水素原子が結合しているキラル炭素原子を有する。この水素原子はその近接環境のため相対的に不安定であり、ラセミ化は塩基性または酸性剤の影響下にあると考えられ得る。
数種のラセミ化方法が周知である。それらは、一般に、外部物質(酸性および塩基性)の助け、あるいは時に純粋なエナンチオマーの溶媒(一般にプロトン性である)中溶液の簡単な還流を必要とする。この最終の任意の工程は、外部物質、すなわち、ラセミ化されたエナンチオマーを供給の流れにリサイクルする前に除去しなければならない、物質を導入しないという利点がある。
規制基準によれば、最初のラセミ体およびラセミ化を介して生成された新たに形成されたラセミ体は、本質的に、類似する不純物の特性を示すはずである。しかしながら、新たに形成されたラセミ体中の付加的な不純物は新たに形成されたラセミ体を再結晶することで取り除くことができ、したがって供給ラセミ体の最初の不純物特性と適合しうる。
ラセミ化剤として使用されうる可能性のある溶媒のうち、沸点が少なくとも50℃の溶媒が好ましい。より好ましくは沸点が55−110℃の溶媒である。最も好ましくは、溶媒は、以下の:酢酸メチル、酢酸エチル(本明細書中、「EtOAc」ともいう)、酢酸イソプロピル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどの酢酸アルキル;2,4−ジメチル−3−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ブタノンおよび4−メチル−2−ペンタノンなどのジアルキルケトン;アセトニトリルおよびプロピオニトリルなどのニトリル;メタノールまたはイソプロパノールなどのモノアルコール;ジエチレングリコールなどのポリアルコール;および水/HClおよびメタノール/HClなどの酸性混合物から選択される少なくとも一つの溶媒である。
キラル固定相(CSP)吸着剤
本願発明の吸着剤は、好ましくは、キラル固定相である。典型的なキラル固定相はセルロース誘導体(例えば、好ましくは、シリカ上にコーティングされたセルロースのエステルまたはカルバマート)、酒席酸エステル相、π−酸性およびπ−塩基性キラル固定相(パークル(Parkle)相)、アミロース誘導体(例えば、好ましくは、シリカ上にコーティングされたアミロースのエステルまたはカルバマート)、ポリアクリルアミド相などを包含する。
いくつかの市販されているキラル固定相として、三酢酸微結晶セルロース(商標名 MCTAまたはCTA−1)、セルローストリス(フェニルカルバマート)(商標名 CHIRACEL OJ)、セルローストリス(3,5−ジメチルフェニルカルバマート)(商標名 CHIRACEL OD)、セルローストリベンゾアート(商標名 CHIRACEL OB)、アミローストリス[(S)−メチルベンジル−カルバマート](商標名 CHIRALPAK AS−V)、O,O’−ビス(4−tert−ブチル−ベンゾイル)−N,N’−ジアルキル−L−タルタルジアミド(商標名 KROMASIL CHI−TBB)、O,O’−ビス(ジメチル−ベンゾイル)−N,N’−ジアルキル−L−タルタルジアミド(商標名 KROMASIL CHI−DMB)および3,5−ジニトロベンゾイルフェニルクリシン(イオン結合または共有結合のいずれか)(商標名 DNBPG)が挙げられる。CHIRACELおよびCHIRALPAK製品は、各々、ダイセル化学工業株式会社より入手可能である。KROMASIL製品はエカ・ケミカル(Eka Chemicals)のセパレーション・プロダクト(Separation Products)で開発された。MCCのための適当なキラル固定相として、CHIRALPAK(登録商標)およびCHIRALCEL(登録商標)の下でキラル・テクノロジーズ(Chiral Technologies)が市販しているものが挙げられる。CHIRALPAK(登録商標)AD、シリカゲル上にコーティングされたアミロース誘導体、またはその化学的修飾体(CHIRALPAK(登録商標)T101)が特に適することが判明した。他の入手可能なキラル固定相(CSP)がCHIRALCEL(登録商標)OJ、CHIRALCEL(登録商標)OD、WHELK−O1、KROMASIL DNB、KROMASIL TTBであり、各々、キラル・テクノロジーズ、レジス・テクノロジーズ(Regis Technologies)およびエカ・ノベル(Eka Novel)より市販されている。
大きさが10μmと20μmの両方のシリカゲル基質にコーティングされたアミローストリス(3,5−ジメチルフェニルカルバマート)を含むキラル固定相(商標名 CHIRALPAK(登録商標)AD)が特に好ましい。20μmのCHIRALPAK(登録商標)ADは、高生産性を有する製品品質を確保するように背圧を小さくして分割を十分に行えるようにする、エナンチオ選択的分取スケールのクロマトグラフィー分離操作をスケールアップするに選択される材料であると考えられる。
圧力および温度
生成物の分離を液体およびSCFクロマトグラフィーで行う場合の圧力の範囲は、約0.1と400MPa、好ましくは0.5と30MPaの間とすることができる。カラム中の温度は、一般に、−78℃と200℃の間に、好ましくは約5と50℃の間に、より好ましくは約15と40℃の間にあり、最も好ましくは約25℃である。
選択性パラメーター「α」
選択性に影響を及ぼす変数として、カラムの型、温度、圧力、供給速度および溶媒の混合液が挙げられる。加えて、分離する前に、カラムを調整することで、すなわち、カラムに移動相を(分析体と共にまたはなしで)少なくとも12時間、好ましくは12ないし18時間通すことで選択性は劇的に増加しうる。好ましくは、1.1よりも大きな選択性パラメーター「α」を得るように変数を選択する。より好ましくは、αは2.0よりも大きい。最も好ましくは、αは約2.5に等しく、特に好ましくは約2.5より大きい。
得られる選択性はプロセス生産性に対して強い影響力を有する。以下の実施例3に示されるように、イソプロパノールをアセトニトリル移動相に添加することで選択性が2倍以上増加した。プロセス生産性は(α−1/α)に大体比例するが、ベストなクロマトグラフィー条件を選択するには他のパラメーターも考慮しなければならない。化合物の保持力もまたプロセスに影響を及ぼす。試験では、2−3%イソプロパノールで保持力は最大であることが分かる。しかしながら、ラセミ体の溶解度はイソプロパノールの含有量が大きくなるほど増大し、より濃縮された供給物の注入が可能となることは明らかである。5%イソプロパノールとの競合効果が最適であり、アセトニトリルを単独で用いるよりも優れていることがわかる(参考までに、純粋なアセトニトリルでは22.5g/Lであり、アセトニトリル/イソプロパノール 95/5の混合液では30g/Lである)。プロセス操作のロバスト性の観点から、MCCは連続的に操作するため、そのシステムを中断させうるいずれの沈殿作用も回避することが重要である。イソプロパノールを含有する移動相の使用は、沈殿の起こる可能性を減少させ、100%アセトニトリルで純粋に操作するMCCシステムと比べて、ラセミ体供給量および単離されたエナンチオマーがそれほど可溶性でない点で、有利である。混合溶媒(アセトニトリル/イソプロパノール)の溶出液を使用することにおいて実施例3に示されるように、その得られるプロセス処理能は、純粋なアセトニトリルの使用と比較して、同じキラル純度であるが、プロセス操作パラメーターのロバスト性を増加させ、溶出液の消費量を減少させながら(参考までに、ラセミ体の供給量313L/kgに対してラセミ体の供給量270L/kgである)、約2倍の比選択性を有する。
許容されるα値を有する移動相とキラル固定相の特定の、限定されるものではない、好ましい組み合わせは:a)CHIRALPAK(登録商標)AD 10μmと、アセトニトリルとの組み合わせ;b)CHIRALPAK(登録商標)AD 20μmと、アセトニトリル、99.9%アセトニトリル+0.1%ジエチルアミン、95%アセトニトリル+5%2−プロパノールまたは90%アセトニトリル+10%2−プロパノールとの組み合わせ;およびc)CHIRALPAK(登録商標)50801 20μmと、アセトニトリルまたは90%n−ヘプタン+10%エタノールとの組み合わせである。%濃度はすべてv/v%である。
実施例
次に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はそれに限定されると解釈されるべきではない。
実施例1:CHIRALPAK(登録商標)AD20μmおよび純粋なアセトニトリル溶出液を用いるラセミ体のMCC精製
この実施例はマルチカラムクロマトグラフィー(MCC)を用いる精製に関する。(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールの良好な標的純度および回収率を、固定相としてCHIRALPAK AD20μm、および溶出液として純粋なアセトニトリルを用いて得た。
4つの分離ゾーン(1−2−2−1)にて6本のカラムを備えたMCC(マルチカラム連続クロマトグラフィー)システムで25℃にて分離を行った。純度は99.0%で、回収率は96%であった。最初に溶出されるエナンチオマーの光学純度の生産性に対する影響を再検討すると、必要とされる純度を99.6%から97.8%に減少させると、生産性が25%以上増加しうることが示された。
ラセミ体化合物(+/−)−(2R,3R)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールを、1.85mL/分の流速(異性体全体としての濃度:20g/アセトニトリル1L)で、CHIRALPAK ADを充填した約10cm長の1.0cm径の6本のカラムからなるMCCシステムに供給した。アセトニトリルを溶出液として7.25mL/分の流速にて使用した。その結果、抽出液を6.9mL/分の流速で得、ラフィネートを2.2mL/分の流速で得た。溶媒を蒸発させた後、ラフィネートおよび抽出液中の化合物を白色固体として回収した。回収率は96.2−97.3%の範囲にあり、純度は97.8−99.6%の範囲にあった。
CSPを供給物の溶液で調整した後の最適化条件を以下の表1に示す。
Figure 2007510630
純度を調節し、回収率を96%のままラフィネート純度について98から99.5%にスキャンするために種々のカラム配置を試験した。カラム配置はゾーンと同じ次数にて記載される。言い換えれば、カラム配置が1−2−2−1である場合、ゾーン1は1個のカラムを、ゾーン2は2個のカラムを、ゾーン3は2個のカラムを、そしてゾーン4は1個のカラムを有する。ゾーンは入口点と出口点との関係で定義される。
ゾーンI: 溶出液と抽出液の点の間;
ゾーンII: 抽出液と供給物の点の間;
ゾーンIII: 供給物とラフィネートの点の間;および
ゾーンIV: ラフィネートと溶出液の点の間。
実験を行った3つのより関連するカラム配置を表2に示す。
Figure 2007510630
以下の表3は生産性および溶出液の消費の比較を示す。
Figure 2007510630
CSP:キラル固定相
表3に示される純度および回収率は、それが安定状態に達するように、そのシステムを少なくとも15−20サイクル作動させた後に測定したものである。
実施例2:MCCと結晶化とのカップリングによるエナンチオマー濃縮
ラセミ体の分離を考えれば、実施例1にて示される実験データは生産性がその比純度で有意に影響されることを示した。例えば、実施例1の表3を見れば、比純度が97.8%から99.6%に上昇すると、生産性は約25%減少した。したがって、結晶化によるエナンチオマー濃縮は実施例1のMCCより得られるフラクション(ラフィネート)の一つで得られた。溶媒をラフィネートより蒸発させて乾固させた。純度が約96.8%(e.e. 93.6%)の白色固体を得た。その後、再結晶化によるエナンチオマー濃縮をアセトニトリル(MCC工程で使用したのと同じ溶媒)を用いてこの固体で行った。該結晶の光学純度は96.8%(e.e. 93.6%)から略99.7%(e.e. 99.4%)に上昇した。
実施例2は標的エナンチオマーの豊富化された溶液を首尾よく結晶化させ、非常に高い最終純度を得ることができる旨を示す。したがって、必要とされるエナンチオマーを精製するためにクロマトグラフィーを結晶化とカップリングさせることは、生産性を改良し、分離コストを削減するための実現可能な変形である。
実施例3: CHIRALPAK(登録商標)AD20μmとアセトニトリル/2−プロパノール溶出混合液を用いるラセミ体のMCC精製およびVARICOL(登録商標)最適化
この実施例はMCCを用いるラセミ体(+/−)−(2R,3R)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールの精製に関する。該操作は、アセトニトリルの溶出液をアセトニトリル/2−プロパノール溶出混合液と置き換えることを除いて、実質的に実施例1の記載と同じであった。この改善された選択性の結果(α=4.53)を実施例1(α=1.92)と比較した。
CHIRALPAK(登録商標)AD20μmを固定相として用いてラセミ体の分離を行った。最適溶出条件を溶出液としてアセトニトリル/イソプロパノール 95/5%v/vで得た。6個のカラム(10mmカラム径、100mm長)を備えたMCC(マルチカラム連続クロマトグラフィー)システムで分離そのものを行った。(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールのエナンチオマー(保持されにくいエナンチオマー)について、純度は99.0%であり、その回収率は96%であった。
最適性能を6−カラムのVARICOL(登録商標)プロセスで得た。4.6kgfeed/kgCSP/日の処理能を得た。
回収率が96%で、ラフィネート純度を99.0%に調節するために種々の操作条件を試験した。表4は、供給物の濃度が30g/Lで、96%の回収率で99.0%のラフィネート純度を得ることを可能とする最適配置を示す。
Figure 2007510630
得られた処理能は4.59kgfeed/kgCSP/日であった。この結果は実施例1の純粋なアセトニトリル溶出液について上記した結果と比較されうる。同じような純度および回出率の制限で2.04kgfeed/kgCSP/日(実施例1の実験2を参照)の処理能が得られた。その溶出液の組成の修飾は、純粋なアセトニトリルの溶出液の組成と比べてアセトニトリル/イソプロパノール 95/5%v/vの溶出液の組成で生産性を120%まで増加させた。
付加的な実験を行い、該プロセスの生産性をさらに最適化させた。供給物の流速の変化を他の物質の流速を同時に調整して行った。この目的は、精製されたラフィネートについて收率を96%に維持しながら、得られる純度を最大とすることにあった。
表5は種々の純度/注入される供給物の流速を示す。選択されたカラム配置は1−2−2−1であった。
Figure 2007510630
得られた結果は3mL/分の供給物の流速がラフィネートの純度を99%とする最大の注射可能な量と密接に関連していることを示した。供給物の流速をさらに上げるとラフィネートの純度は急激に低下した。
次に、VARICOL(登録商標)プロセスを用いて上記した結果を最適化した。カラム配置を該プロセスの生産性およびロバストが最大となるように最適化した。表6にてMCCおよびVARICOL(登録商標)プロセスの性能を比較する。
Figure 2007510630
流速を以下の表7に示す。
Figure 2007510630
表7の結果を鑑みれば、VARICOL(登録商標)の供給物の流速を3mL/分にセットしたことがわかる。得られた純度は99.6%に等しく、同じ供給物の流速で得られるMCCの最良の純度は99.3%に等しかった(表5の実験1を参照のこと)。VARICOL(登録商標)プロセスの配置で得られる純度は2.8mL/分の供給物の流速で得られるMCCの性能に等しかった(抽出液およびラフィネートの両方で純度が極めて近かった)。VARICOL(登録商標)プロセスの適用は4つのゾーンの間に良好なカラム配分を可能とし、MCCプロセスと比べて分離のロバストを増加させた。
実施例4:MCCとアセトニトリル/イソプロパノールの混合液を用いる結晶化とのカップリングによるエナンチオマー濃縮
ラセミ体および所望のエナンチオマー((+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノール)を用い、2K/分の加熱速度で、SETARAM DSC 131を用いてDSCを行った。吸熱ピークの最高点の値(融点の端)だけが相図を決定するものと考えられる。
純粋なエナンチオマーである(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールは吸熱ピーク(オンセット:392.5K、ピーク:394.5K、エンタルピー:26184J/モル)を有し、ラセミ体は吸熱ピーク(オンセット:390.1K、ピーク:392.7K、エンタルピー:32605J/モル)を有した。その理論値および実験値を以下の表8に示す:
Figure 2007510630

上記した表8において、イクエーション1の列の底部にある394.5およびイクエーション2の列の頂部にある392.7の値を除き、値はすべて理論値である。これら2つの値(太字で示す)は、上記したようにDSCで実験的に測定された。これらの値を見れば、ラセミ体とエナンチオマーの液相線が集結する、共晶が(0.80と0.85の間で変化するが)0.80の付近にあることがわかる。
共晶に関する情報を用いて、分離後の結晶化工程を最適化することが可能であった。上記したように、クロマトグラフィー選択性は95/5 アセトニトリル/IPAの溶出液の組成物で有意に改善されうる。溶出液の組成の修飾は、新たに選択される溶媒の生成物の溶解性を修飾するため、結晶化工程に有意な影響をもたらす。したがって、結晶化による精製は実施例3のMCCプロセスの最後で得られたラフィネートに対して行われた。
約500グラムのラフィネート溶液(97.5/2.5のエナンチオマー比率、合計の濃度が13.33gの固体/L)より溶媒を蒸発させ、微量の固体が丸底フラスコに出現すれば、蒸発を止めた。得られた懸濁液(合計が57.5gの質量)を70℃まで加熱し、該固体を再び溶解させた。つづいて、得られた溶液を攪拌しながら約15℃の温度でサーモスタット付きジャケットに移した。5分後に沈殿が始まった。該懸濁液をこの温度で攪拌しながら2ないし3時間放置した。
純粋なエナンチオマーの理論上の回収率は以下のとおりである:
%回収=%OP−%共晶/100%−%共晶
ラフィネートの最初の溶液500g中の固体の総重量を、ラフィネートに対して行った溶解性測定(溶解度、10.32g/kg)に基づいて5.16gと評価した。光学純度を97.5%と評価し、最大共晶組成はx=0.85であった。したがって、回収率の理論値は83.3%であった。このことは該溶液から純粋なエナンチオマーの回収可能な理論値が4.30gであったことを示す。
白色固体を濾過し、真空下、40℃で乾燥させた(純粋なエナンチオマー3.81g、光学純度>99.5%)。実用的な最適化を行うことなく、全收率は約74%であった:この値は理論的な全回収率に匹敵する(83.3%)。
母液を攪拌しながら2時間さらに5℃にまで冷却することで第2の収量を得た。濾過により白色固体を集め、真空下、40℃で乾燥させた(エナンチオマーの収量0.28g、光学純度94%)。残りの母液の光学純度は89.6%であった。
これらの結果は、共晶組成のエナンチオマー比率よりも大きな比率を示すエナンチオマーの混合物を再結晶すると、結晶化固相の濃縮物がある一方で、該溶液(母液)の光学純度は共晶組成に向かって減少することを確認するものである。
もう一つ別の実験が光学純度がわずか82.2%のラフィネートに対して行われた。溶媒の蒸発を82.2%の光学純度を有するラフィネート約200gに対して行った。約46.6gの濃縮溶液を回収し、約10℃に移した。その冷却の間、攪拌しながら、白色懸濁液を得、5分後、5℃にクールダウンした。ついで、該懸濁液を攪拌しながらこの温度で約2時間放置した。白色固体を濾過し(0.64g)、真空下、40℃で乾燥させ、キラルHPLCにより分析した:光学純度は70.6%に等しかった。母液の光学純度は約91.6%であり、結晶化により得られる固体の純度よりも高い。
この結果は、共晶組成のエナンチオマー比率より低いエナンチオマー比率を示すエナンチオマーの混合物を再結晶すると、母液に濃縮物がある一方で、固相の光学純度はラセミ体に向かって減少することを確認する。
実施例5:ラセミ体の結晶化工程を用いる最適化、および精製のスケールアップ
この実施例はマルチカラム連続(MCC)クロマトグラフィーによるラセミ体のエナンチオ分離に関する。該分離は、固定相としてCHIRALPAK(登録商標)AD 20μmを用い、アセトニトリル/イソプロパノール 95/5(v/v)の溶出混合液で溶出してなされた。この分離を6本のカラム(25mmの内径、97mm長)を備えたLab−MCCシステムで行われた。(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールのエナンチオマー(保持されにくいエナンチオマー)について、光学純度は99.5%であり、回収率は96%であった。
操作条件を最適化し、VARICOL(登録商標)プロセスで5kgfeed/kgCSP/日の最大生産性をもたらした。MCCと結晶化とのカップリングも行った。さらなる光学精製プロセスとして、標的エナンチオマーに富む(92.7%)エナンチオマーの混合物で開始する用いる結晶化を用いた。純粋な(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールの結晶を、純粋なエナンチオマーの理論上の回収量の92%の回収率で得た。得られた母液は共晶点と同じ組成を示した。
化学的精製プロセスとしての結晶化は、(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールの高純度溶液(>99.5%)を粘性スラリーが得られるまで蒸発させることによりなされる。濾過で得た固体を冷アセトニトリルで洗浄した。純粋な(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールを得、母液中の大部分の不純物を回収した。
(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールのラセミ化もまた、溶媒として還流下にあるメタノールを用いて行った。
該方法は、生産プロセスの光学純度および生産性の両方を担保するのに必要なロバスト性因子を考慮して、100トン/年のラセミ体を精製するように設計された。99.5%の光学純度を考慮した場合、分離は内径が600mmの6−カラムMCCで達成されうる。該クロマトグラフィープロセスは、標的エナンチオマーの精製された結晶を洗浄する工程とカップリングされうる。望ましくないエナンチオマーは容易にラセミ化され、再結晶化工程(不純物の除去)の後に供給ストリーム中にリサイクルされうる。
分離は6−カラム配置を用いて行われた。カラム(2.5cm内径、9.7cm長)にCHIRALPAK(登録商標)AD20μmをパックした。試験する前に、第1のCSPコンディショニング工程を試みた。該システムは、まず、約30gの供給物を注入する自動モードで行われたが、カラムの保持時間は考えているよりもさらに小さかった。第2のCSPコンディショニング工程は、12g/Lの供給溶液を30mL/分で60時間、再循環ループにてポンプにて注入することで行われた。
VARICOL(登録商標)作動条件が以下の表9に示された:
Figure 2007510630
ついで、VARICOL(登録商標)作動条件が表10に示されるように最適化された。表10は、96%の回収率で99.5%のラフィネート光学純度を得る、最適、かつロバストなVARICOL(登録商標)プロセスを示す。
Figure 2007510630
供給物の流速を上記した20mL/分から23mL/分(+15%)まで増加させた。これにより回収率は(それでも>96%であるが)わずかに減少したが、ラフィネートの光学純度には何ら影響はなかった。供給物の流速を25mL/分に設定すると、得られる純度および/または回収率は急速に減少する傾向にあった。純度および回収率のスペックは内部流速を調節したものの、同時に達成され得なかった。この動きは供給物の流速を27および30mL/分に増加させた場合に確認された。
全体の処理能を向上させるために、VARICOL(登録商標)プロセスの後に最終再結晶工程を行った。相対的に低いラフィネート純度(92%)で開始する実験を行った。共晶の位置(85%)を考えれば、純粋なエナンチオマーを理論上回収しうる量は、最初の溶液中に含まれる標的エナンチオマーの約50%にすぎない。
総濃度が約5.11%の固体で、光学純度が92%に豊富化された1214.4gのラフィネート溶液を、25℃(透明で、わずかに黄色の溶液が得られる)から10℃まで約1℃/分の冷却速度で冷やした。該溶液を10℃で1時間攪拌しながら放置し、第1の結晶(核生成)を得た。さらなる冷却工程を10℃から0℃に1℃/分の冷却速度で行い、懸濁液をこの温度に約2時間攪拌しながら維持した。該懸濁液を濾過し、洗浄することなく、25.04gの乾燥結晶を得た。該結晶および母液をキラルHPLCで分析した。
該溶液中の固体の総量を、まず最初に、約62.1gと推定した。この溶液の光学純度は92%であった。このことは過剰なエナンチオマー(S,S−エナンチオマー)の総重量が約53gであることを意味した。したがって、共晶の位置が約85%のエナンチオマー比率であることを考えれば、理論上の回収可能な純粋なエナンチオマーの総量は27.2gであり、乾燥結晶の回収量(25.0g)と一致する。
得られた結晶(洗浄工程なし)は99.6%の純度を有するのに対して、母液の分析は得られた純度が推定共晶組成に極めて近いことを示した。
MCCによる化学的精製プロセスも行った。このオプションは、MCCによる精製により光学純度のスペック(例えば、O.P.>99.5%)と適合する純粋なエナンチオマーが得られる場合に適用可能であった。得られたラフィネートを蒸発乾固させた。得られた固体を冷アセトニトリルで洗浄し、不純物を除去した。
実験操作は、純粋なラフィネートを乾燥させることで得られる所望のエナンチオマー(30.4g)と、50mlのアセトニトリル(ピューレックス等級)の混合物を少し加温(凝集体を排除)して粘性のスラリーを得、それを約4℃の温度に2ないし3時間置いた。
濾過直後の固体を洗浄するのに約−20℃の温度に4時間保持した200mlの容量のアセトニトリルを用いた。粘性のスラリー(わずかに黄色)を濾過し、冷溶媒をその結晶上に注ぎ、速やかに濾過した。真空下、40℃で乾燥させた後、28.5gの結晶を回収した。濾過後の母液は黄色であったのに対して、得られた結晶は白色であり、このことは該洗浄工程で結晶から不純物が除去されたことを示す。黄色の母液から溶媒を蒸発させて黄色がかった固体を得た。
実施例6:ラセミ化工程の最適化
ラセミ化を最適化するために、純粋な(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールを種々の溶媒と試験した。具体的には、約2gの純粋なエナンチオマー((+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノール)を100mlの溶媒(以下、種々の溶媒を参照)に溶かし(総濃度が約20g/L)、攪拌(還流下)しながら、約60−65℃まで加熱した。ラセミ化の速度を追跡するために、該溶液を定期的にサンプリングした。
表11は、種々の溶媒または混合溶媒中の、エナンチオマーのラセミ化の光学純度を示す。
Figure 2007510630

表11はラセミ化が精製のために選択される好ましい溶出液(アセトニトリル/IPA 95/5)で生じるが、その速度はかなり遅いことを示す(65℃で、20時間経過した後でもOPはまた高い状態にある)。このことは、好ましいエナンチオマーの光学純度が、最終の濃縮および乾燥工程の間に有意に減少することはないことを示唆する。ラセミ化は純粋なイソプロパノール中では混合溶媒と比べて速いが、変換率は20時間後で低いままである(30%)。ラセミ化はメタノールがより好ましいようで、2時間後に10%が変換される。酸性条件下にあるメタノールは純粋なメタノールで得られる結果と比べて改善がない。酸性水性溶媒ではラセミ化は観察されない。このスクリーニングの結果は、試験したラセミ化剤のうち、(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールを純粋なメタノール中で還流することがそのラセミ化を促進するための最良のオプションであることを示す。かくして、同じことが(−)−(2R,3R)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールのラセミ化にも適用できる。
上記したように、新たに形成されたラセミ体の不純物は最初のラセミ体の原材料の不純物と適合することが好ましい。新たに形成されたラセミ体を再結晶すると、この不純物を除去することができ、したがって最初の不純物の特性が適合されうる。再結晶法は以下の工程を基礎とする:
新たに形成され、得られたラセミ体溶液を濾過し、蒸発乾固させる。得られた固体を60℃でアセトニトリル(2gの固体に対して20mL)に溶かした。これにより黄色がかった溶液を得、それを4℃に冷却し、72時間貯蔵した。ついでこれを濾過する。
実施例7:ラセミ体のCHIRALPAK(登録商標)T101 20μmおよびアセトニトリル/2−プロパノール溶出混合液でのMCC精製
この実施例は、MCCを用いる、ラセミ体(+/−)−(2R,3R)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールの精製に関する。該操作は、CSPをCHIRALPAK T101に変えることを除き、実質的に実施例3の記載と同じである。分離そのものは、8本のカラム(10mmのカラム径、100mmのカラム長)を備えたMCC(マルチカラム連続クロマトグラフィー)システムでなされる。
種々の作動条件を試験した。表12は、化学純度が99.1%で、エナンチオマー過剰率が99.7%の、(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールのエナンチオマー(保持されにくいエナンチオマー)の調製を可能とする最適化配置を示す。
Figure 2007510630
これらの条件を用い、Licosep8−50装置に当てはめることで、約2.8kgの供給物/kg CSP/日の生産性を得ることができる。SMB変数は以下のとおりであった:
Figure 2007510630
実施例8:ラセミ体のCHIRALPAK(登録商標)T101 20μmおよびアセトニトリル/2−プロパノール溶出混合液でのMCC精製
合計2.35kgのラセミ体を、VARICOL(登録商標)モード、CHIRALPAK(登録商標)T101固定相にてLicosep Lab50装置を用い、移動相として5/95v/vのイソプロパノール/アセトニトリルを用いて分離した。光学純度が97.0%の、1.06kgの(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールのエナンチオマー(保持されにくいエナンチオマー)を得た。回収率はラフィネート(所望の生成物)について89.8%であり、残りを抽出液で溶出した。生産性は4.16kgの供給物/kg CSP/日(24時間)であった。溶媒消費量は171L/kgであった。このプロセスはさらに最適化されなかった。得られる生産性は供給ポンプの最大流速(50ml/分)で制限された。光学純度は結晶化でさらに向上させることができる。
初期スクリーニング実験
以下の表13Aおよび13Bは、異なるCSP/移動相を組み合わせて用いる、単一カラムスクリーニング実験の結果を要約する。
以下にスクリーニングプロセスを、特に試験したCHIRALPAKおよびCHIRALCEL CSPを用いて、簡単に記載する。
Agilent1100HPLCシステムは、溶媒をデリバリするための4つで一組のG1311Aポンプ、注入用のG1313Aオートサンプラーを含む、このプロセスに用いることのできる装置の一例である。カラム溶出液の検出は、UV DAD検出装置G1315Bで行われた。表13Aおよび13Bに記載のすべての移動相について1ml/分の流速、20℃の温度でラセミ体をクロマトグラフィー操作に付した。エナンチオマーの分離をUVを用い220nmで測定した。
表13Aおよび13Bにて用いられる、保持時間、利用率および選択性(α)なる語、ならびにその計算方法は、当業者であれば十分に理解するであろう(例えば、公開特許出願WO2004/046087、頁7、1ないし4行を参照のこと)。
表13Aおよび13Bに使用される略語は次の通りである:
n−ヘプタン=n−hept;酢酸メチル=MeOAc;ジエチルアミン=DEA;n−ヘキサン=n−hex;氷酢酸=HAc;イソプロピルアルコール=IPA;メタノール=MeOH;テトラヒドロフラン=THF;エタノール=EtOH;酢酸エチル=EtOAc;ジクロロメタン=MeCl2;tert−ブチルメチルエーテル=MTBE
加えて、単一カラムスクリーニング評価を、資生堂ファインケミカル(日本)から入手可能なRU1およびRU2キラル固定相でも行った。移動相としてメタノール、エタノール、アセトニトリル、酢酸エチルおよび酢酸メチルを用いる、20μmの粒子をパックした、50℃または60℃の高いカラム温度でのRU2カラム(250mmx4mm)では分離が得られず、そのピークからラセミ体がカラムと不可逆的に結合しているのは明らかであった。RU1カラムも同様な結果を示した。
Figure 2007510630
Figure 2007510630

本明細書中にて引用されている特許、刊行物、係属中の出願、仮出願は出典明示により本明細書の一部とする。
本発明はこのように記載されているが、同じ発明を別の方法にて変形しうることは明らかであろう。かかる変形を本発明の精神および範囲から逸脱するものと解釈すべきではなく、かかる修飾は当業者に明らかであり、添付した特許請求の範囲の範囲内にあるものである。

Claims (16)

  1. (+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールおよび(−)−(2R,3R)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールの混合物を連続クロマトグラフィーに付し、その混合物から(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールを分割することを含む、光学的に豊富化された(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールの製法。
  2. 該混合物がラセミ混合物であるところの、請求項1記載の方法。
  3. 混合物がMCCシステムを通されるところの、請求項1または請求項2記載の方法。
  4. 混合物がVARICOLシステムを通されるところの、請求項3記載の方法。
  5. 該連続クロマトグラフィーが少なくとも一種の溶媒を含む溶出液をキラル固定相と接触させることを含み、その溶媒がC5−C7アルカン、C1−C3アルカノール、メチルtert−ブチルエーテル、酢酸エチル、アセトンおよびアセトニトリルからなる群より選択されるところの、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 該溶出液がアセトニトリルであるところの、請求項5記載の方法。
  7. 該溶出液がアセトニトリルと2−プロパノールの混合液であるところの、請求項5記載の方法。
  8. アセトニトリルの2−プロパノール対する割合が93/7%v/vと99/1%v/vの間にあるところの、請求項7記載の方法。
  9. アセトニトリルの2−プロパノールに対する割合が95/5%v/vと97/3%v/vの間にあるところの、請求項8記載の方法。
  10. キラル固定相がアミローストリス−(3,5−ジメチルフェニルカルバマート)であるところの、請求項5記載の方法。
  11. さらに、混合物より得られる(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールを結晶化させることを含む、請求項1ないし10のいずれか一項に記載の方法。
  12. (+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールがラフィネート流にて得られ、(−)−(2R,3R)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールが抽出流にて得られるところの、請求項1ないし10のいずれか一項に記載の方法。
  13. さらに、(−)−(2R,3R)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールをラセミ化し、(+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールと(−)−(2R,3R)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールのラセミ混合物を形成させ、こうして形成されたラセミ混合物を連続クロマトグラフィーに付すことを含む、請求項1ないし12のいずれか一項に記載の方法。
  14. ラセミ体を供給流中に再循環させるところの、請求項13記載の方法。
  15. ラセミ化をメタノール中で行うところの、請求項13または14記載の方法。
  16. (+)−(2S,3S)−2−(3−クロロフェニル)−3,5,5−トリメチル−2−モルホリノールが少なくとも90%の量にて回収されるところの、請求項1ないし15のいずれか一項に記載の方法。
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