JP2007509979A - 1日1回の、経口用、制御放出、オキシコドン投与形態物 - Google Patents

1日1回の、経口用、制御放出、オキシコドン投与形態物 Download PDF

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Abstract

実質的にフラットなインビボ定常状態血漿プロフィールをもたらすオキシコドン製剤が提供される。そのようなプロフィールと関連する耐性レベルおよび2相性プロフィールと関連する耐性レベルは、統計的に異なるものではないことが示される。実質的にフラットなインビボ定常状態血漿プロフィールは、実質的にゼロ次のインビトロ放出プロフィールを有する投与形態物によりもたらされる。そのような放出プロフィールは、不都合な副作用の可能性を減らすことができる低い単回投与インビボCmaxレベルをもたらす。

Description

[関連出願へのクロスリファレンス]
本願は、2003年10月29日に出願された米国仮出願第60/515,880号の35 USC §119(e)の下での利益を請求し、その内容は、その全部が引用することにより本明細書に組み込まれる。
本願は、2002年4月29日に出願された米国仮出願第60/376,470号の35 USC §119(e)の下での利益を請求しそして2004年1月15日に米国特許公開第2004−0010000 A1号としてそして2003年11月13日にWO 03/092648として公開された、2003年4月25日に出願された米国出願第10/423,454号の一部継続出願であり、それらの全ての内容は、それらの全部が引用することにより本明細書に組み込まれる。
本願はまた、2002年5月31日に出願された米国仮出願第60/384,442号の35 USC §119(e)の下での利益を請求しそして2003年12月4日に米国特許公開第2003−0224051 A1号としてそして2003年12月11日にWO 03/101384として公開された、2003年5月28日に出願された米国出願第10/447,910号の一部継続出願でもあり、それらの全ての内容は、それらの全部が引用することにより本明細書に組み込まれる。
本発明は、制御放出投与形態物を用いて経口投与する場合の、オピオイド鎮痛剤、オキシコドンのインビトロおよびインビボプロフィール、すなわち、インビトロ溶解/放出プロフィールならびにインビボ単回投与およびインビボ定常状態血漿プロフィールに関する。特に、本発明は、オキシコドンを1日1回に基づいて患者に経口投与する場合に効果的な疼痛管理および「嗜好(liking)」の減少した可能性をもたらすように設計されるインビトロおよびインビボオキシコドンプロフィールに関する。
A.オキシコドン
スケジュールII薬、オキシコドンは、手術、癌、外傷、胆石疝痛、腎疝痛、心筋梗塞および熱傷に起因する疼痛のような、中等度から重度の慢性疼痛の管理用のオピオイドである。オキシコドンは、鎮痛剤として70年以上にわたって販売されている。現在、それは即時放出(IR)形態において、ならびに1日2回の投薬に適応される制御放出(CR)製剤において利用可能である。
オキシコドンを包含する疼痛軽減性オピオイドの薬理学的および医学的性質は、非特許文献1および非特許文献2において既知である。一般に、非経口投与されたオキシコドンの鎮痛作用は15分以内に明らかであり、一方、経口投与されたオキシコドンの作用の発現はいくらか遅く、鎮痛は約30分以内に起こる。ヒト血漿において、経口投与された即時放出オキシコドンの半減期は約3.2時間である。非特許文献3。
これまで、オキシコドンは、非速度制御(nonrate−controlling)、用量ダンピング(dose−dumping)即時放出錠剤、もしくは用量ダンピングカプセル剤によるような、通常の形態において、そして通常は1日を通して複数回の反復投与間隔で投与されている。オキシコドンはまた、制御放出マトリックスシステム、オキシコンチン(Purdue Pharma LP,Stamford,CT)で1日2回に基づいても投与される。しかしながら、オキシコンチン治療方法は、投与後に血液中のオキシコドンの初期高用量、続いて血液中のオキシコドンの減少したレベルをもたらし続ける。さらに、このピークおよびトラフパターンは、1日に2回の投与処方計画のために24時間の期間の間に2回起こる。投与パターンにおける濃度の差は、投与された薬剤の存在および不在と関係しており、それはこれらの先行投与形態物と関連する主要な不都合である。従来の投与形態物ならびに用量ピークおよび谷を包含するそれらの作用形態は、非特許文献4に説明されている。
B.オキシコドンへの耐性
オピオイドでのラットおよびマウスにおける以前の研究により、ボーラス投与、間欠投与および定速注入後に鎮痛(痛覚抑制)への耐性の発生が示されている(非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7、非特許文献8、非特許文献9)。
オキシコンチン製品に関連して、Purdue Pharmaおよびその関連会社の従業員は、2相性プロフィールがオキシコドン耐性の発生に関してフラット(flat)プロフィールより優れていると記述される科学論文を公開している。例えば、非特許文献10において、Purdue従業員は:
「より少ない頻度の投与を可能にする制御放出投与形態物の利点は確立しているが、オピオイドのほぼ一定の血漿濃度の持続は耐性の発生をもたらし得ることが示唆されている。研究中のCRオキシコドン錠剤[オキシコンチン]は、IRオキシコドンの匹敵する用量で定常状態投与中に認められる血漿オキシコドン濃度の変動(Cmin/Cmax)の程度に一致しながら12時間投与間隔の間のCmin/Cmax変動の数を減らすために開発された。血漿濃度の変動の程度を保持することにより、匹敵する一定の血液レベルを維持するCR製剤と比較した場合に時間とともに減少する薬力学的効果の可能性を減らすことができる」(引用文省略)と記載した(81頁)。
同様に、オキシコンチンの発明者、Robert Kaiko博士は、非特許文献11に:
「2相性オピオイド吸収プロフィールの別の論理的根拠は、従来の即時放出オピオイドに匹敵するピーク〜トラフ変動をもたらすことである。非常に安定した血漿オピオイド濃度は耐性の発生をもたらし得ることが示唆されているので、変動の程度の改変のない変動率の改変は、耐性の発生を最小限に抑えると予想される」(引用文省略)と記載した(172頁)。
フラット血漿プロフィールに対するそして特に1日1回の投与形態物のフラット血漿プロフィールに対するさらなる教示は、特許文献に見出されることができる。例えば、Purdue Pharmaに関連する会社、Euroceltique,S.A.に譲渡された、特許文献1は:
「実質的にフラットな血清濃度曲線を示さないが、代わりに、投与時に顕著ではないにしても測定可能な疼痛を有する多数の患者において最小有効鎮痛濃度により迅速に近づくことができるようにより迅速な初期オピオイド放出を与える24時間経口オピオイド製剤により、より迅速なそしてより大きい鎮痛効能が得られることが、今回、驚くべきことに発見された。」と記載する(5段目、34−42行目)。
また、Euroceltiqueの特許文献2、5段目、40−47行目も参照。
制御放出オキシコドン製品の大手製造業者によるフラットプロフィールに対するこれらの明白な警告を考慮して、当業者は実質的にゼロ次のインビトロ放出プロフィールを有するオキシコドン投与形態物の使用を避けるようになってきている。特に、そのような人々は、フラットプロフィールが2相性プロフィールより高いレベルの耐性を引き起こすと予想する。
以下に十分に説明するように(実施例8を参照)、Purdue Pharmaの教示にもかかわらず、2相性プロフィールおよびフラットプロフィール(実質的にゼロ次の放出プロフィール)と関連するオキシコドン耐性レベルは、実際には、統計的に異ならないことが見出された。さらに、図5に説明するように(以下の説明を参照)、実質的にゼロ次のオキシコドン放出プロフィールは、低い単回投与Cmax値をもたらし、従って、2相性プロフィールのような、実質的にゼロ次ではないプロフィールより低いレベルの「嗜好」を有すると予想される。大衆紙を包含する文献において十分に実証されているように、Purdue Pharmaの2相性オキシコンチン製品は、「嗜好」のあらゆる問題を実質的に超える、深刻な乱用の問題を有する。
重要なことには、以下の実施例7の効能データにより説明されるように、実質的にゼロ次のオキシコドン放出プロフィールは、効果的な疼痛管理を成し遂げる。従って、本発明よれば、実質的にゼロ次のインビトロ放出プロフィールを有するオキシコドン投与形態物は、過度の耐性の問題なしにそして「嗜好」の減少した可能性を有して(これまで既知でないかもしくは現在の最新技術から予想されない利点の組み合わせ)効果的な疼痛管理を成し遂げるために使用できることが示されている。
米国特許第5,478,577号明細書 米国特許第5,672,360号明細書 Pharmaceutical Science,Remington,17th Ed.,pp.1099−1107(1985) The Pharmacological Basis of Therapeutics,Goodman and Rall,8th Ed.,pp.485−518(1990) Physicians’ Desk Reference,Thompson Healthcare,56th Ed.,pp.2912−2918(2002) Pharmaceutical Science,Remington,18th Ed.,pp.1676−1686(1990),Mack Publishing Co. Ekblom et al 1993 Gardmark et al 1993 Ouellet & Pollack 1995 Ouellet & Pollack 1997 Duttaroy & Yoburn 1995 Journal of Pain and Symptom Management(Benziger et al.1997) Acta Annesthesiol Scand(Kaiko 1997)
[発明の要約]
第1の態様によれば、本発明は、(i)オキシコドン、
(ii)オキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩、または
(iii)オキシコドンとオキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩の組み合わせ
の用量Dを含んでなるヒト患者への1日1回の経口投与用の制御放出オキシコドン製剤であって、該製剤が関係:
3.5x10−4リットル−1 max/D6.8x10−4リットル−1、および
7.6x10−3時間/リットルAUC0〜48/D16.7x10−3時間/リットル
を満たす(a)平均、単回投与、最大血漿濃度Cmaxおよび(b)0〜48時間の血漿濃度−時間曲線下の平均、単回投与、面積AUC0〜48を与え、
該製剤が患者への投与後に約24時間もしくはそれ以上にわたって疼痛軽減を与える制御放出オキシコドン製剤
を提供する。
第2の態様によれば、本発明は、
(i)オキシコドン、
(ii)オキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩、または
(iii)オキシコドンとオキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩の組み合わせ
の用量Dを含んでなるヒト患者への1日1回の経口投与用の制御放出オキシコドン製剤であって、
(a)製剤が24時間もしくはそれ以上にわたって実質的に単調に増加する平均、単回投与、血漿濃度プロフィールを与え;
(b)製剤が、関係:
7.6x10−3時間/リットルAUC0〜48/D16.7x10−3時間/リットル
を満たす0〜48時間の血漿濃度−時間曲線下の平均、単回投与、面積AUC0〜48を与え;そして
(c)製剤が患者への投与後に約24時間もしくはそれ以上にわたって疼痛軽減を与える制御放出オキシコドン製剤
を提供する。
第3の態様によれば、本発明は、(i)オキシコドン、
(ii)オキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩、または
(iii)オキシコドンとオキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩の組み合わせ
の用量Dを含んでなるヒト患者への1日1回の経口投与用の制御放出オキシコドン製剤であって、該製剤が関係:
2.7x10−4リットル−1 12/D5.7x10−4リットル−1、および
7.6x10−3時間/リットルAUC0〜48/D16.7x10−3時間/リットル
を満たす(a)平均、単回投与、12時間血漿濃度C12および(b)0〜48時間の血漿濃度−時間曲線下の平均、単回投与、面積AUC0〜48を与え、
該製剤が患者への投与後に約24時間もしくはそれ以上にわたって疼痛軽減を与える制御放出オキシコドン製剤
を提供する。
第4の態様によれば、本発明は、(i)オキシコドン、
(ii)オキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩、または
(iii)オキシコドンとオキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩の組み合わせ
の用量Dを含んでなるヒト患者への1日1回の経口投与用の制御放出オキシコドン製剤であって、該製剤が関係:
AUC0〜6/AUC0〜24>0.18
AUC6〜12/AUC0〜24>0.18
AUC12〜18/AUC0〜24>0.18、および
AUC18〜24/AUC0〜24>0.18
を満たす0〜6時間の血漿濃度−時間曲線下の平均、定常状態、面積AUC0〜6、6〜12時間のAUC6〜12、12〜18時間のAUC12〜18、18〜24時間のAUC18〜24および0〜24時間のAUC0〜24を与え、
該製剤が患者への投与後に約24時間もしくはそれ以上にわたって疼痛軽減を与える制御放出オキシコドン製剤
を提供する。
第5の態様によれば、本発明は、(i)オキシコドン、
(ii)オキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩、または
(iii)オキシコドンとオキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩の組み合わせ
の用量を含んでなるヒト患者への1日1回の経口投与のための制御放出オキシコドン製剤であって、該製剤が:
(a)用量の0〜20%が0〜2時間で放出され;
(b)用量の30〜65%が0〜12時間で放出され;そして
(c)用量の80〜100%が0〜24時間で放出される
インビトロ放出プロフィールを有し;
放出プロフィールが、37℃で恒温水槽においてUSPタイプVII槽インデクサー(bath indexer)を用いて決定され、そして該製剤が患者への投与後に約24時間もしくはそれ以上にわたって疼痛軽減を与える制御放出オキシコドン制御
を提供する。
第6の態様によれば、本発明は、
(i)オキシコドン、
(ii)オキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩、または
(iii)オキシコドンとオキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩の組み合わせ
の用量を含んでなるヒト患者への1日1回の経口投与用の制御放出オキシコドン製剤であって、
(a)用量が即時放出用の第一の成分および持続放出用の第二の成分を含んでなり;そして
(b)第一および第二の成分の合計に対する第一の成分の重量比Wが約0.25未満である制御放出オキシコドン製剤
を提供する。
第7の態様によれば、本発明は、(i)オキシコドン、
(ii)オキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩、または
(iii)オキシコドンとオキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩の組み合わせ
の用量Dを含んでなる制御放出投与形態物を1日1回に基づいてヒト患者に経口減投与することを含んでなるヒトにおける疼痛を処置する方法であって、該投与形態物が関係:
3.5x10−4リットル−1 max/D6.8x10−4リットル−1、および
7.6x10−3時間/リットルAUC0〜48/D16.7x10−3時間/リットル
を満たす(a)平均、単回投与、最大血漿濃度Cmaxおよび(b)0〜48時間の血漿濃度−時間曲線下の平均、単回投与、面積AUC0〜48を与え、
投与形態物が患者への投与後に約24時間もしくはそれ以上にわたって疼痛軽減を与える方法
を提供する。
第8の態様によれば、本発明は、
(i)オキシコドン、
(ii)オキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩、または
(iii)オキシコドンとオキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩の組み合わせ
の用量Dを含んでなる制御放出投与形態物を1日1回に基づいてヒト患者に経口投与することを含んでなるヒトにおける疼痛を処置する方法であって、
(a)投与形態物が24時間もしくはそれ以上にわたって実質的に単調に増加する平均、単回投与、血漿濃度プロフィールを与え;
(b)投与形態物が、関係:
7.6x10−3時間/リットルAUC0〜48/D16.7x10−3時間/リットル
を満たす0〜48時間の血漿濃度−時間曲線下の平均、単回投与、面積AUC0〜48を与え;そして
(c)投与形態物が患者への投与後に約24時間もしくはそれ以上にわたって疼痛軽減を与える方法
を提供する。
第9の態様によれば、本発明は、(i)オキシコドン、
(ii)オキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩、または
(iii)オキシコドンとオキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩の組み合わせ
の用量Dを含んでなる制御放出投与形態物を1日1回に基づいてヒト患者に経口投与することを含んでなるヒトにおける疼痛を処置する方法であって、該投与形態物が関係:
2.7x10−4リットル−1 12/D5.7x10−4リットル−1、および
7.6x10−3時間/リットルAUC0〜48/D16.7x10−3時間/リットル
を満たす(a)平均、単回投与、12時間血漿濃度C12および(b)0〜48時間の血漿濃度−時間曲線下の平均、単回投与、面積AUC0〜48を与え、
該投与形態物が患者への投与後に約24時間もしくはそれ以上にわたって疼痛軽減を与える方法
を提供する。
第10の態様によれば、本発明は、(i)オキシコドン、
(ii)オキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩、または
(iii)オキシコドンとオキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩の組み合わせ
の用量Dを含んでなる制御放出投与形態物を1日1回に基づいてヒト患者に経口投与することを含んでなるヒトにおける疼痛を処置する方法であって、該投与形態物が関係:
AUC0〜6/AUC0〜24>0.18
AUC6〜12/AUC0〜24>0.18
AUC12〜18/AUC0〜24>0.18、および
AUC18〜24/AUC0〜24>0.18
を満たす0〜6時間の血漿濃度−時間曲線下の平均、定常状態、面積AUC0〜6、6〜12時間のAUC6〜12、12〜18時間のAUC12〜18、18〜24時間のAUC18〜24および0〜24時間のAUC0〜24を与え、
該投与形態物が患者への投与後に約24時間もしくはそれ以上にわたって疼痛軽減を与える方法
を提供する。
第11の態様によれば、本発明は、(i)オキシコドン、
(ii)オキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩、または
(iii)オキシコドンとオキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩の組み合わせ
の用量Dを含んでなる制御放出投与形態物を1日1回に基づいてヒト患者に経口投与することを含んでなるヒトにおける疼痛を処置する方法であって、該投与形態物が患者への投与後に約24時間もしくはそれ以上にわたって疼痛軽減を与え、そして:
(a)用量の0〜20%が0〜2時間で放出され;
(b)用量の30〜65%が0〜12時間で放出され;そして
(c)用量の80〜100%が0〜24時間で放出される
インビトロ放出プロフィールを有し;
放出プロフィールが、37℃で恒温水槽においてUSPタイプVII槽インデクサーを用いて決定される方法
を提供する。
第12の態様によれば、本発明は、
(i)オキシコドン、
(ii)オキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩、または
(iii)オキシコドンとオキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩の組み合わせ
の用量Dを含んでなる制御放出投与形態物を1日1回に基づいてヒト患者に経口投与することを含んでなるヒトにおける疼痛を処置する方法であって、
(a)用量が即時放出用の第一の成分および持続放出用の第二の成分を含んでなり;
(b)第一および第二の成分の合計に対する第一の成分の重量比Wが約0.25未満であり;そして
(c)投与形態物が患者への投与後に約24時間もしくはそれ以上にわたって疼痛軽減を与える方法
を提供する。
上記の様々なAUCおよびC値は、1種もしくはそれ以上のオピオイドアンタゴニスト(例えばナルトレキソン)が投与されている個体からの血漿サンプルを用いてもしくはアンタゴニストが投与されていない個体からのサンプルを用いることにより決定されることができる。より高い投薬量レベルでは、
特に健康な被験者を伴う研究において、アンタゴニストが通常用いられる。例えば、上記の様々な数値は実施例6の薬物動態データに基づき、それは健康な被験者および80mgのオキシコドンHClを含有する投与形態物を使用した。実施例6に記述されるように、ナルトレキソンをこの研究において投与した。当該技術分野において既知であるように、ナルトレキソンは、血漿オキシコドン濃度を増加する傾向を有する。従って、ナルトレキソンが使用されていない場合にはいくらか低いAUCおよびC値が予想されるが、これらの変化は、特定される範囲の実質的に外側に平均値を動かすと思われない。
本発明のさらなる特徴および利点は、以下の詳細な記述に記載され、そして一つには、その記述から当業者に容易に明らかであるかもしくは本明細書に記述されるように本発明を実施することにより認識される。前述の一般的な記述および以下の詳細な記述の両方とも単に本発明を代表するものであり、そして本発明の性質および特徴をそれが請求されるように理解するための概説もしくは枠組みを提供するものであると理解されるべきである。また、本発明の上記の態様、ならびに以下に説明する本発明の好ましいおよび他の態様は、別個にもしくはありとあらゆる組み合わせで用いることができる。
添付の図面は、本発明のさらなる理解を与えるために含まれ、そして本明細書に組み込まれ、そしてその一部を構成する。これらの図面は本発明の様々な態様を説明し、そして記述と一緒に本発明の原理および作用を説明するために役立つ。これらの図面および特に図1〜4は、その中に示される要素のスケールもしくは相対的割合を示すものではない。図面および明細書において、関連した図面における同様の部分は、同様の数字により同定される。
定義
本明細書においてそして請求項において用いる場合、以下の用語および語句は下記の意味を有するものとする。
「投与形態物」は、オキシコドンおよび/または1種もしくはそれ以上のその製薬学的に許容しうる酸付加塩のような、活性製薬学的因子を含んでなる製薬学的組成物もしくは装置を意味し、該組成物もしくは装置はまた、活性製薬学的因子を製造しそして送達するために用いられる不活性成分、すなわち、沈殿防止剤、界面活性剤、崩壊剤、結合剤、希釈剤、潤滑剤、安定剤、酸化防止剤、浸透圧剤(osmotic agent)、着色剤、可塑剤、コーティングなどのような製薬学的に許容しうる賦形剤も含有する。
「活性因子」、「薬剤」もしくは「化合物」は、オキシコドンおよび/または1種もしくはそれ以上のその製薬学的に許容しうる酸付加塩の特性を有する因子、薬剤もしくは化合物を意味する。必要に応じて、他の疼痛軽減剤もしくはより一般的には他の薬剤を本発明の投与形態物に含むことができる。
「製薬学的に許容しうる酸付加塩」は、陰イオンが塩の毒性もしくは薬理学的活性に有意に寄与しない塩を意味し、そしてそのようなものとして、それらはオキシコドン化合物の塩基の薬理学的同等物である。塩形成の目的のために有用である製薬学的に許容しうる酸の例には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、クエン酸、酢酸、安息香酸、マンデル酸、リン酸、硝酸、粘液酸、イセチオン酸、パルミチン酸などが包含されるがこれらに限定されるものではない。
「持続放出」は、長期にわたる環境への活性因子の既定の実質的に継続する放出を意味する。
「出口」、「出口オリフィス」、「送達オリフィス」もしくは「薬剤送達オリフィス」という表現および他の同様の表現には、本明細書において用いることができる場合、通路;開口;オリフィス;および穴よりなる群から選択される1種もしくはそれ以上のメンバーが包含される。該表現にはまた、投与形態物から侵食されるか、溶解するかもしくは溶脱し、それにより出口オリフィスを形成する物質もしくはポリマーから形成されるかもしくは形成可能であるオリフィスも包含される。
薬剤「放出速度」は、単位時間当たり投与形態物から放出される薬剤の量、例えば、時間当たり放出される薬剤のミリグラム(mg/時間)をさす。薬剤投与形態物の薬剤放出速度は、典型的に、放出のインビトロ速度、すなわち、適切な条件下でそして適当な液体において測定される単位時間当たり投与形態物から放出される薬剤の量として測定される。本明細書に記述される実施例において利用される放出速度試験は、37℃で恒温水槽においてUSPタイプVII槽インデクサーに取り付けられている金属コイルサンプルホルダーに入れられた投与形態物に対して行われた。放出速度溶液のアリコートをクロマトグラフィーシステムに注入して試験する間隔の間に放出される薬剤の量を定量した。
「放出速度アッセイ」は、USPタイプ7間隔放出装置(intervalrelease apparatus)を用いて試験する投与形態物からの化合物の放出速度の決定のための標準化アッセイを意味する。同等の等級の試薬を一般に認められている方法に従ってアッセイにおいて代用できることが理解される。
本明細書において明確にするためにそして便宜上、ゼロ時間(t=0時間)としての薬剤投与の時間および適切な時間単位の投与後の時間、例えば、t=30分もしくはt=2時間などを指定することの慣例を利用する。本明細書において用いる場合、他に特定されない限り、「投与後の」特定の時間で得られる薬剤放出速度は、適切な溶解試験の実施後の特定の時間で得られるインビトロ薬剤放出速度をさす。投与形態物内の薬剤の特定のパーセンテージが放出されている時間を「T」値として記載することができ、ここで、「x」は放出されている薬剤のパーセントである。例えば、投与形態物からの薬剤放出を評価するために一般に用いられる基準測定は、投与形態物内の薬剤の70%が放出されている時間である。この測定は、投与形態物の「T70」と呼ばれる。
「即時放出投与形態物」は、投与後に短期間内に、すなわち、一般に数分〜約1時間以内に薬剤を実質的に完全に放出する投与形態物をさす。
「持続放出投与形態物」は、長時間(「持続放出期間」)にわたって薬剤を実質的に継続的に放出する投与形態物を意味する。本発明の持続放出投与形態物は、好ましくは、少なくとも約10〜20時間、そして好ましくは15〜18時間のT70値を示す。投与形態物は、好ましくは少なくとも約10時間、より好ましくは12時間もしくはそれ以上、そしてさらにより好ましくは16〜20時間もしくはそれ以上の持続期間にわたって継続的に薬剤を放出する。
本発明の投与形態物は、好ましくは、持続放出期間内の長期間にわたってオキシコドンの一定の放出速度を示す。
「一定の放出速度」は、累積放出が約25%〜約75%の間である、USPタイプ7間隔放出装置において決定される場合に前のもしくはその後の平均毎時放出速度のいずれかから約30%以下そして好ましくは約25%以下そして最も好ましくは10%以下でプラスにもしくはマイナスに変化するコアからの平均毎時放出速度を意味する。
「長期間」は、少なくとも約4時間、好ましくは6〜8時間もしくはそれ以上、そしてより好ましくは10時間もしくはそれ以上の継続する期間を意味する。例えば、本明細書に記述される典型的な浸透圧性投与形態物は、一般に、投与後約2〜約6時間以内に一定の放出速度でオキシコドンを放出し始め、そして上記に定義されるような、放出の一定の速度は、約25%から薬剤の少なくとも約75%そして好ましくは少なくとも約85%が投与形態物から放出されるまで長期間にわたって続く。放出の速度は一般に一定の放出速度からいくらか遅くなるが、オキシコドンの放出はその後もう数時間にわたって続く。
「実質的にゼロ次のインビトロ放出プロフィールを有する投与形態物」という語句および同様の語句は、全体として実質的にゼロ次のインビトロ放出反応速度を有する、すなわち、全体的なインビトロ放出速度が24時間の期間にわたって実質的に一定である投与形態物を意味する。例えば、制御放出成分と初期負荷用量(初期負荷成分)の両方を有する投与形態物では、実質的にゼロ次のインビトロ放出プロフィールは、2つの成分からの薬剤の合わせた放出によりもたらされるインビトロ放出速度が24時間の期間にわたって実質的に一定であることを意味する。定常状態で、実質的にゼロ次のインビトロ放出プロフィールを有する投与形態物は、オキシコンチン製品でのように2相性であるのとは対照的に実質的にフラットであるインビボ血漿プロフィールをもたらす。
「C」は、一般に単位容量当たりの質量、典型的にはミリリットル当たりのナノグラムとして表される、被験体の血漿中の薬剤の濃度を意味する。便宜上、この濃度を本明細書において「血漿薬剤濃度」もしくは「血漿濃度」と称することができ、それは任意の適切な体液もしくは組織において測定される薬剤濃度を含めるものとする。薬剤投与後の任意の時間での血漿薬剤濃度は、C9時間もしくはC24時間などにおけるように、C時間として記載される。
「定常状態」は、被験体の血漿に存在する薬剤のプロフィールが長期間にわたって有意に変化しない状態を意味する。一定の投与間隔での投与形態物の継続投与後の薬剤蓄積のパターンは、血漿濃度ピークおよび血漿濃度トラフが各投与間隔について本質的に不変である「定常状態」に最終的に達する。
当業者は、個々の被験体において得られる血漿薬剤濃度が、薬剤吸収、分布、代謝および排出に影響を及ぼす多数のパラメーターの患者内変動のために変化することを理解する。このため、他に示されない限り、被験体の群から得られる平均値が、血漿薬剤濃度データを比較する目的にそしてインビトロ投与形態物溶解速度とインビボ血漿薬剤濃度との間の関係を分析するために本明細書において用いられる。
[本発明の詳細な記述およびその好ましい態様]
A.投与形態物
本発明は、制御放出経口投与形態物を製造するための当該技術分野において既知である様々な技術を用いて実施することができる。そのような技術の限定されない例には、Remington’s Pharmaceutical Sciences,1990 ed.,pp.1682−1685に記述されているような浸透圧システム、リザーバー装置およびマトリックス装置のような拡散システム、封入溶解システム(例えば、「タイニータイムピル(tiny time pills)」を包含する)およびマトリックス溶解システムのような溶解システム、組み合わせ拡散/溶解システムならびにイオン交換樹脂システムが包含される。これらのもしくは他の方法のいずれかと一致して作用するオキシコドン投与形態物は、添付の請求項の薬剤放出特性および/もしくは血漿オキシコドン濃度特性がそれらの投与形態物により事実上もしくは同等に達成される限りにおいて本発明により包含される。
以下に記載する実施例により説明されるように、本発明の実施において使用する特に好ましい投与形態物は、浸透圧性投与形態物である。浸透圧性投与形態物は、一般に、液体の自由拡散を可能にするが薬剤もしくは存在する場合には浸透圧剤(1つもしくは複数)の自由拡散を可能にしない半透性の壁により、少なくとも部分的に、形成されるコンパートメントに液体を吸収する駆動力を生み出すために浸透圧を利用する。浸透圧システムの重要な利点は、作用がpHに依存せず、従って、投与形態物が胃腸管を通過しそして著しく異なるpH値を有する異なる微小環境に入る場合でさえ長期間にわたって浸透圧で決定される速度で持続することである。そのような投与形態物の概説は、本明細書に引用することによりその全部が組み込まれる、Santus and Baker,“Osmotic drug delivery:a review of the patent literature,”Journal of Controlled Release 35(1995)1−21に見出される。特に、ALZA Corporationにより所有されそして浸透圧性投与形態物に関する以下の米国特許は、各々、本明細書にそれらの全部が組み込まれる:第3,845,770号;第3,916,899号;第3,995,631号;第4,008,719号;第4,111,202号;第4,160,020号;第4,327,725号;第4,519,801号;第4,578,075号;第4,681,583号;第5,019,397号;および第5,156,850号。
図1は、制御放出浸透圧性投与形態物の1つの態様の透視図である。投与形態物10は、内部コンパートメント(図1では見えない)を取り囲みそして封入する壁20を含んでなる。内部コンパートメントは、オキシコドンおよび/または1種もしくはそれ以上のその製薬学的に許容しうる酸付加塩を含んでなる組成物を含有する。壁20は、使用の外部環境と内部コンパートメントをつなぐ少なくとも1つの薬剤送達出口60が与えられる。従って、投与形態物10の経口摂取後に、液体が壁20を通して吸収され、そしてオキシコドンおよび/または1種もしくはそれ以上のその製薬学的に許容しうる酸付加塩は出口60を通して放出される。
図1における好ましい形状態様は標準的な両凸の形をした錠剤を説明するが、形状はカプセルの形をしたカプレットおよび他の経口投与形態物を包含することができる。
図2は、壁20を通して外部環境から液体を動かすためのそして液体の吸収の際に送達可能な製剤を形成するための浸透圧活性勾配を与えるように適合させた選択賦形剤と混合して、薬剤31、すなわち、少なくともオキシコドンおよび/または1種もしくはそれ以上のその製薬学的に許容しうる酸付加塩を含んでなる、本明細書において薬剤層30と呼ばれる単一成分層を含有する内部コンパートメント15を有する制御放出浸透圧性投与形態物の態様を示す図1の断面図である。以下にさらに詳細に記述されるように、賦形剤には、本明細書において薬剤担体32とも呼ばれる適当な沈殿防止剤、結合剤33、潤滑剤34および浸透圧活性剤(osmotically active agent)、オスマジェント(osmagent)35を包含することができる。作用中、投与形態物10の経口摂取後に、壁20を横切る浸透圧活性勾配は、胃液が壁20を通して吸収されるようにし、それにより内部コンパートメント内に送達可能な製剤、すなわち、溶液もしくは懸濁液を形成する。送達可能な製剤は、液体が内部コンパートメントに入り続けるにつれて出口60を通して放出される。製剤の放出が起こるにつれて、液体は吸収され続け、それにより持続放出を推進する。このようにして、薬剤は長期間にわたって持続的にそして継続して放出される。
図3は、2層構造を有する内部コンパートメント15の別の態様を有する図1の断面図である。この態様において、内部コンパートメント15は、第一の成分の薬剤層30および第二の成分の押し出し層(push layer)40を有する2層構造の圧縮されたコアを含有する。薬剤層30は、図1に関する上記にように、選択賦形剤と混合して少なくともオキシコドンおよび/または1種もしくはそれ以上のその製薬学的に許容しうる酸付加塩を含んでなる。
以下にさらに詳細に記述されるように、第二の成分の押し出し層40は浸透圧活性成分(1つもしくは複数)を含んでなるが、いかなる活性因子も含有しない。押し出し層40における成分は、典型的に、オスマジェント42および比較的高分子量を有する1種もしくはそれ以上のオスモポリマー(osmopolymer)41(これらは、薬剤送達オリフィス60を通したこれらのオスモポリマーの放出が起こらないように液体が吸収されるにつれて膨潤を示す)を含んでなる。結合剤43、潤滑剤44、酸化防止剤45および着色剤46のような追加の賦形剤もまた、押し出し層40に含まれることができる。液体が吸収されるにつれて、オスモポリマー(1つもしくは複数)は膨潤し、そして第一成分の薬剤層の送達可能な製剤を押し、それにより投与形態物からの製剤の放出を促進するので、第二の成分層は本明細書において膨潤性もしくは押し出し層と呼ばれる。
作用中、図3に示すような投与形態物10の経口摂取後に、壁20を横切る浸透圧活性勾配は、胃液が壁20を通して吸収されるようにし、それにより薬剤層30を送達可能な製剤の形にし、そして同時に押し出し層40におけるオスモポリマー(1つもしくは複数)を膨潤させる。送達可能な薬剤層30は、液体が内部コンパートメント15に入り続け、そして押し出し層40が膨潤し続けるにつれて出口60を通して放出される。薬剤層30の放出が起こるにつれて、液体は吸収され続け、そして押し出し層は膨潤し続け、それにより持続的放出を推進する。このようにして、薬剤は長期間にわたって持続的にそして継続して放出される。
薬剤層30は、図2および3に関連して記述されるように、選択賦形剤と混合したオキシコドンおよび/または1種もしくはそれ以上のその製薬学的に許容しうる酸付加塩を含んでなる。押し出し層40は、図3に関連して記述されるように、浸透圧活性成分(1つもしくは複数)を含んでなるが、いかなる活性因子も含有しない。
薬剤層30は、製薬学的に有効な量のオキシコドン薬31および/または1種もしくはそれ以上のその製薬学的に許容しうる塩、ならびに担体32でできている組成物を含んでなる。薬剤オキシコドンは、鎮痛治療効果を有する4,5−エポキシ−14−ヒドロキシ−3−メトキシ−17−メチルモルフィナン−6−オンを含んでなる。オキシコドンは、当該技術分野において既知である。The Merck Index,11th Ed.,p.1100(1990)。
オキシコドン塩は、例えば、以下のもの:オキシコドン硫酸塩、オキシコドン塩酸塩、オキシコドントリフルオロ酢酸塩、オキシコドンチオセミカルバゾン塩酸塩、オキシコドンペンタフルオロプロピオン酸塩、オキシコドンp−ニトロフェニルヒドロゾン、オキシコドンo−メチルオキシン、オキシコドンチオセミカルバゾン、オキシコドンセミカルバゾン、オキシコドンフェニルヒドロアゾン、オキシコドンヒドラゾン、オキシコドン臭化水素酸塩、オキシコドン粘液酸塩、オキシコドン臭化メチル、オキシコドンオレイン酸塩、オキシコドンn−オキシド、オキシコドン酢酸塩、オキシコドンリン酸塩2塩基性、オキシコドンリン酸塩1塩基性、オキシコドン無機塩、オキシコドン有機塩、オキシコドン酢酸塩3水和物、オキシコドンビス(ヘプタフルオロ酪酸塩)、オキシコドンビス(メチルカルバミン酸塩)、オキシコドン(ビス−ペンタフルオロプロピオン酸塩)、オキシコドンビス(ピリジン−3−カルボン酸塩)、オキシコドンビス(トリフルオロ酢酸塩)、オキシコドン重酒石酸塩、オキシコドンクロロハイドレート(chlorohydrate)およびオキシコドン硫酸塩5水和物よりなる群から選択される1種もしくはそれ以上のメンバーにより代表される。
どちらの製造においても投与形態物および治療組成物は、1〜640mgのオキシコドン薬31および/もしくはオキシコドン薬31の製薬学的に許容しうる塩を含んでなることができる。さらに典型的には、投与形態物における化合物の負荷は、浸透圧性もしくは他の制御放出技術を用いようと、1日当たり10mg〜160mgそしてさらに通常は20mg〜80mgである化合物の用量を被験体に与える。一般に、1日当たり160mgより多い合計薬剤用量が必要とされる場合、薬剤の必要とされる量を与えるために複数単位の投与形態物を同時に投与することができる。好ましくは、本発明の1日1回の投与形態物は、約10mg以上で且つ約80mg以下であるオキシコドンおよび/または1種もしくはそれ以上のその製薬学的に許容しうる酸付加塩の用量Dを含んでなる。
参考のために、即時放出オキシコドンは、典型的に約10mgの開始用量で投与され、1日当たり2もしくは3用量で投与される。有効用量範囲は、一般に10mg/日〜320mg/日であると決定されている。開始用量に関する副作用への患者の耐容性および追加の臨床効果の必要性の結果により、5mg/日〜80mg/日ずつ増加される用量がもたらされることが多い。これらの結果と同時に、被験体における血漿濃度を臨床アッセイにより決定して薬剤の副作用耐容性、臨床効果および血漿濃度間の相関関係を決定することができる。オキシコドン血漿濃度は、0.1ng/ml〜100ng/ml(ナノグラム/ミリリットル)、さらに典型的には4ng/ml〜40ng/mlであることができる。
浸透圧性投与形態物により投与されるある投薬量では、製剤における塩の添加もしくは削減により作用中の水和した薬剤層の粘度を調節することが望ましい。製剤において塩を利用する従来のシステムは、強い共通イオン効果を示す化合物を扱った。高薬剤負荷でのこの強い共通イオン効果は、塩の添加が化合物の溶解性を調節することを可能にし、ゼロ次放出速度プロフィールをもたらすためにいっそう多くの塩が送達サイクルにおいて早く放出されることを可能にした。これらのシステムは、塩析効果が不必要である低薬剤負荷システムではほとんどもしくは全く塩なしに高薬剤負荷システムにおける塩の導入を教示した。
弱い共通イオン効果を示すオキシコドンおよび他の同様の薬剤は、塩析効果によって溶解性を調節しそして放出速度に影響を与えるために塩により同様に影響されないことが見出された。特に、オキシコドンは、より高い用量で塩の添加によって利益を得ないが、低用量において塩の添加によって利益を得ることが見出された。より低い用量への塩のこの添加は、所望の放出速度プロフィールのための適切な送達を維持するために水和した薬剤層の粘度を調節できることもまた見出された。
システムの薬剤層に導入される塩の量は、高分子量ポリマーおよび低用量の薬剤を使用する場合の約25%から低分子量ポリマーおよびより高用量の薬剤を使用する場合の0%までである。薬剤組成物に導入される塩の代表には、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどが包含される。最も好ましいのは、塩化ナトリウムである。好ましくは、作用中の薬剤層粘度は、約50cps〜約100cpsの間で維持される。このようにして、より低い薬剤濃度(5〜15%)およびより高い薬剤濃度(15〜40%)を含有する製品をそれらが同等の放出機能性を有するように本質的に製造することができる。
薬剤層粘度は、多数の親水性ポリマーのいずれかを用いることにより実現することができる。例には、NaCMC、HPMCなどのような水溶性セルロースポリマー、Polyoxのようなポリエチレンオキシドポリマーもしくはマルトデキストリン、ショ糖、マンニトールのような水溶性の糖が包含される。所望の粘度を得るために改変することができる、ポリマーの任意の物理的もしくは化学的性質もまた、この記述に包含される。
担体32は、図2および3において水平ダッシュ記号により表される親水性ポリマーを含んでなることができる。親水性ポリマーは、活性因子の制御送達に寄与する薬剤組成物における親水性ポリマー粒子を提供する。これらのポリマーの代表的な例は、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(メチレンオキシド)、ポリ(ブチレンオキシド)およびポリ(ヘキシレンオキシド)を包含する100,000〜750,000の数平均分子量のポリ(アルキレンオキシド);ならびにポリ(アルカリカルボキシメチルセルロース)、ポリ(ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、ポリ(カリウムカルボキシメチルセルロース)およびポリ(リチウムカルボキシメチルセルロース)により代表される40,000〜400,000の数平均分子量のポリ(カルボキシメチルセルロース)である。薬剤組成物は、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルブチルセルロースおよびヒドロキシプロピルペンチルセルロースにより代表されるような投与形態物の送達特性を高めるための9,200〜125,000の数平均分子量のヒドロキシプロピルアルキルセルロース;ならびに投与形態物の流動性を高めるための7,000〜75,000の数平均分子量のポリ(ビニルピロリドン)を含んでなることができる。これらのポリマーの中で好ましいのは、100,000〜300,000の数平均分子量のポリ(エチレンオキシド)である。胃の環境において侵食される担体、すなわち、生体内分解性担体は特に好ましい。
薬剤層30に導入することができる他の担体には、単独でもしくは他のオスマジェントとともに用いられる十分な浸透圧活性を示す炭水化物が包含される。そのような炭水化物は、単糖、二糖および多糖を含んでなる。代表的な例には、マルトデキストリン(すなわち、コーンスターチの加水分解により生成されるグルコースポリマー)およびラクトース、グルコース、ラフィノース、ショ糖、マンニトール、ソルビトールなどを含んでなる糖類が包含される。好ましいマルトデキストリンは、20以下のデキストロース当量(DE)を有する、好ましくは約4〜約20、そしてしばしば9〜20であるDEを有するものである。9〜12のDEを有するマルトデキストリンは、最も有用であることが見出されている。
上記の炭水化物、好ましくはマルトデキストリンは、オスマジェントを加えずに薬剤層30において使用することができ、そして1日1回の投与で長期間にわたってそして24時間まで治療効果を与えながら、投与形態物からのオキシコドンおよび/または1種もしくはそれ以上のその製薬学的に許容しうる酸付加塩の所望の放出を得る。
薬剤層において利用するポリマー担体の好ましい分子量は、100,000mw〜300,000mw、そしてより好ましくは約200,000mwである。
薬剤層30は、図2および図3において垂直ダッシュ記号により表される治療的に許容しうるビニルポリマー結合剤33をさらに含んでなることができる。ビニルポリマーは5,000〜350,000の平均分子量を含んでなり、ポリ−n−ビニルアミド、ポリ−n−ビニルアセトアミド、ポリ−n−ビニルピロリドンとしても知られているポリ(ビニルピロリドン)、ポリ−n−ビニルカプロラクトン、ポリ−n−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、ならびに酢酸ビニル、ビニルアルコール、塩化ビニル、フッ化ビニル、酪酸ビニル、ビニルラウリエート(laureate)およびステアリン酸ビニルよりなる群から選択されるメンバーとのポリ−n−ビニルピロリドンコポリマーよりなる群から選択されるメンバーにより代表される。投与形態物10および治療組成物は、0.01〜25mgの結合剤もしくは結合剤として働くビニルポリマーを含んでなることができる。他の結合剤の代表には、アカシア、澱粉およびゼラチンが包含される。
投与形態物30は、図2および3において波線により表される潤滑剤34をさらに含んでなることができる。潤滑剤は、金型壁もしくはパンチ面への粘着を防ぐために製造中に使用される。典型的な潤滑剤には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸、オレイン酸カリウム、カプリル酸、ステアリルフマル酸ナトリウムおよびパルミチン酸マグネシウムが包含される。治療組成物に存在する潤滑剤の量は、0.01〜10mgであることができる。
薬剤層30は、典型的に、1つの層として担体および薬剤そして接触する関係のもう1つの層として押し出し組成物の圧縮により形成される乾式組成物である。
薬剤層30は、使用の環境において生体液と接触する場合に押し出し層の作用により投与されることができる化合物のスラリー、溶液もしくは懸濁液を与えるオキシコドンおよび/または1種もしくはそれ以上のその製薬学的に許容しうる酸付加塩ならびに担体を含有する混合物として形成される。薬剤層は、薬剤層の製造において使用する薬剤のサイズおよび付随ポリマーのサイズをもたらす粉砕により粒子から形成されることができる。粒子を製造する手段には、所望のミクロン粒子サイズをもたらす造粒、噴霧乾燥、ふるい、凍結乾燥、破砕、粉砕、ジェット粉砕、微粉化および細断が包含される。該方法は、微粉砕機ミル、流体エネルギー粉砕機、粉砕機、ローラーミル、ハンマーミル、アトリションミル、チェーサーミル(chaser mill)、ボールミル、振動ボールミル、衝撃粉砕機ミル、遠心粉砕機、粗粉砕機および細粉砕機のような、粉砕装置により行われることができる。粒子のサイズは、グリズリースクリーン、フラットスクリーン、振動ふるい、回転ふるい、揺動ふるい、旋動ふるいおよび往復式ふるい(reciprocating screen)を包含するふるい分けにより確かめることができる。薬剤および担体粒子を製造するための方法および装置は、Pharmaceutical Sciences,Remington,17th Ed.,pp.1585−1594(1985);Chemical Engineers Handbook,Perry,6th Ed.,pp.21−13〜21−19(1984);Journal of Pharmaceutical Sciences,Parrot,Vol.61,No.6,pp.813−829(1974);およびChemical Engineer,Hixon,pp.94−103(1990)に開示されている。
薬剤層30は、界面活性剤および崩壊剤をさらに含んでなることができる。界面活性剤の例は、ポリエチレングリコール400モノステアレート、ポリオキシエチレン−4−ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン−20−ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン−20−ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン−20−モノラウレート、ポリオキシエチレン−40−ステアレート、オレイン酸ナトリウムなどのような、約10〜25の間のHLB値を有するものである。崩壊剤は、澱粉、粘土、セルロース、アルギンおよびゴムならびに架橋澱粉、セルロースおよびポリマーから選択することができる。代表的な崩壊剤には、コーンスターチ、ジャガイモ澱粉、クロスカルメロース、クロスポビドン、グリコール酸ナトリウム澱粉、ビーガムHV、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、グアルゴムなどが包含される。
押し出し層40は、図3において説明されるように第一成分の薬剤層30と接触する層状配置で置換組成物を含んでなる。押し出し層40は、水性のもしくは生体液を吸収しそして膨潤して薬剤組成物を装置の出口手段を通して押し出すオスモポリマー41を含んでなる。適当な吸収特性を有するポリマーは、本明細書においてオスモポリマーと呼ぶことができる。オスモポリマーは、水および水性の生体液と相互作用しそして高度に膨潤するかもしくは膨張する、典型的には2〜50倍の容量増加を示す膨潤性親水性ポリマーである。オスモポリマーは、架橋されていないかもしくは架橋されていることができるが、好ましい態様として少なくとも軽く架橋されて投与形態物から出るには大きすぎそしてもつれ合ったポリマー網目を作る。従って、好ましい態様として、膨潤性組成物は、その作用寿命の間ずっと投与形態物内に保持される。
押し出し層40は、図3において「V」で表される、20〜375mgのオスモポリマー41を含んでなる。層40におけるオスモポリマー41は、薬剤層20におけるオスモポリマー32より高分子量を有する。
液体吸収置換ポリマーの代表は、ポリ(エチレンオキシド)により代表されるような1,000,000〜15,000,000の数平均分子量のポリ(アルキレンオキシド)、および500,000〜3,500,000の数平均分子量のポリ(アルカリカルボキシメチルセルロース)(ここで、アルカリはナトリウム、カリウムもしくはリチウムである)から選択されるメンバーを含んでなる。押し出し置換組成物の製剤設計のための追加のポリマーの例は、Carbopol酸性カルボキシポリマー、カルボキシポリメチレンとしても知られている、ポリアリルショ糖と架橋されたアクリルのポリマー、および250,000〜4,000,000の分子量を有するカルボキシビニルポリマーのような、ヒドロゲルを形成するポリマー;Cyanamerポリアクリルアミド;架橋された水膨潤性無水インデンマレイン酸ポリマー;80,000〜200,000の分子量を有するGood−riteポリアクリル酸;ジエステル架橋されたポリグルランのような、縮合グルコース単位からなるAqua−Keepsアクリレートポリマー多糖などを含んでなるオスモポリマーを含んでなる。ヒドロゲルを形成する代表的なポリマーは、Hartopに交付された米国特許第3,865,108号;Manningに交付された米国特許第4,002,173号;Michaelsに交付された米国特許第4,207,893号において;そしてHandbook of Common Polymers,Scott and Roff,Chemical Rubber Co.,Cleveland OHにおいて先行技術に既知である。
押し出し層40は、図3において丸で表される、0〜75mg、そして現在5〜75mgの浸透圧有効化合物(osmotically effective compound)、オスマジェント42を含んでなることができる。浸透圧有効化合物は、オスマジェントとしてそして浸透圧有効溶質としても知られている。投与形態物における薬剤層および押し出し層に存在することができるオスマジェント42は、壁20を横切る浸透圧活性勾配を示すものである。適当なオスマジェントは、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、酸性リン酸カリウム、マンニトール、尿素、イノシトール、コハク酸マグネシウム、酒石酸、ラフィノース、ショ糖、グルコース、ラクトース、ソルビトール、無機塩、有機塩および炭水化物よりなる群から選択されるメンバーを含んでなる。
押し出し層40は、図3において三角で表される治療的に許容しうるビニルポリマー43をさらに含んでなることができる。ビニルポリマーは5,000〜350,000の粘度平均分子量を含んでなり、ポリ−n−ビニルアミド、ポリ−n−ビニルアセトアミド、ポリ−n−ビニルピロリドンとしても知られているポリ(ビニルピロリドン)、ポリ−n−ビニルカプロラクトン、ポリ−n−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、ならびに酢酸ビニル、ビニルアルコール、塩化ビニル、フッ化ビニル、酪酸ビニル、ビニルラウリエートおよびステアリン酸ビニルよりなる群から選択されるメンバーとのポリ−n−ビニルピロリドンコポリマーよりなる群から選択されるメンバーにより代表される。押し出し層は、0.01〜25mgのビニルポリマーを含有することができる。
押し出し層40は、図3において垂直な波線により同定される、0〜5mgの無毒の着色剤もしくは色素46をさらに含んでなることができる。着色剤35には、FD&C青色1号色素、FD&C赤色4号色素のような、食品医薬局着色剤(Food and Drug Administration Colorant)(FD&C)、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、二酸化チタン、カーボンブラックおよびインジゴが包含される。
押し出し層40は、図3において半円により同定される、潤滑剤44をさらに含んでなることができる。典型的な潤滑剤は、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸カルシウム、ラウリン酸ナトリウム、リシノール酸ナトリウムおよびリシノール酸カリウムよりなる群から選択されるメンバーを含んでなる。潤滑剤の濃度は、0.01〜10mgであることができる。
押し出し層40は、膨潤性製剤40を含んでなる成分の酸化を抑制するために図3において斜めのダッシュ記号で表される、酸化防止剤45をさらに含んでなることができる。押し出し層40は、5mgまでの酸化防止剤を含んでなることができる。代表的な酸化防止剤は、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、2および3ターシャリー−ブチル−4−ヒドロキシアニソールの混合物、ブチル化ヒドロキシトルエン、イソアスコルビン酸ナトリウム、ジヒドログアレチック酸(dihydroguaretic acid)、ソルビン酸カリウム、重硫酸ナトリウム、メタ重硫酸ナトリウム、ソルビン酸、アスコルビン酸カリウム、ビタミンE、4−クロロ−2,6−ジターシャリーブチルフェノール、アルファ−トコフェロールおよび没食子酸プロピルよりなる群から選択されるメンバーを含んでなる。
図4は、図3の投与形態物上に薬剤31のオーバーコート(overcoat)50を含んでなる本発明の好ましい態様を表す。オーバーコート50は、0.5〜75mgのオキシコドン31および/または1種もしくはそれ以上のその製薬学的に許容しうる酸付加塩ならびにアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースおよびヒドロキシプロピルアルキルセルロースよりなる群から選択される0.5〜275mgの製薬学的に許容しうる担体を含んでなる治療組成物であることができる。例えば、オーバーコートは、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルブチルセルロースを含有することができる。オーバーコート50は、オーバーコート50が胃腸液の存在下で溶解するかもしくは溶解を受けそしてそれと同時にオキシコドン薬31および/または1種もしくはそれ以上のその製薬学的に許容しうる酸付加塩を即時オキシコドン治療のために胃腸管に送達すると即座に治療を与える。
投与形態物成分を製造するために適当な典型的な溶媒は、システムに使用する物質に悪影響を与えない水性もしくは不活性有機溶媒を含んでなる。溶媒には、水性溶媒、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、脂肪族炭化水素、ハロゲン化溶媒、脂環式化合物、芳香族化合物、複素環式溶媒およびその混合物よりなる群から選択されるメンバーが広く包含される。典型的な溶媒には、アセトン、ジアセトンアルコール、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、メチルイソブチルケトン、メチルプロピルケトン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルアセテート、二塩化メチレン、二塩化エチレン、二塩化プロピレン、四塩化炭素 ニトロエタン、ニトロプロパン テトラクロロエタン、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、シクロヘキサン、シクロオクタン、ベンゼン、トルエン、ナフサ、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグリム、水、塩化ナトリウム、塩化カルシウムなどのような無機塩を含有する水性溶媒、ならびにアセトンと水、アセトンとメタノール、アセトンとエチルアルコール、二塩化メチレンとメタノール、および二塩化エチレンとメタノールのようなその混合物が包含される。
壁20は、水および生体液のような外部液の通過に透過性であるように形成され、そしてそれはオキシコドンおよび/または1種もしくはそれ以上のその製薬学的に許容しうる酸付加塩、オスマジェント、オスモポリマーなどの通過に実質的に不透過性である。そのようなものとして、それは半透性である。壁を形成するために用いられる選択的に半透性の組成物は、本質的に非侵食性であり、そしてそれらは投与形態物の寿命の間ずっと生体液に実質的に不溶性である。
壁20を形成するための代表的なポリマーは、半透性ホモポリマー、半透性コポリマーなどを含んでなる。そのような物質は、セルロースエステル、セルロースエーテルおよびセルロースエステル−エーテルを含んでなる。セルロース性ポリマーは、0より大きく3(含める)までのそれらのアンヒドログルコース単位の置換度(DS)を有する。置換度(DS)は、置換基により置換されるかもしくは別の基に転化されるアンヒドログルコース単位上にもともと存在するヒドロキシル基の平均数を意味する。アンヒドログルコース単位は、アシル、アルカノイル、アルケノイル、アロイル、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、カルボアルキル、アルキルカルバメート、アルキルカーボネート、アルキルスルホネート、アルキスルファメート(alkysulfamate)、半透性ポリマー形成基などのような基で部分的にもしくは完全に置換されることができ、ここで、有機部分は1〜12個の炭素原子、そして好ましくは1〜8個の炭素原子を含有する。
半透性組成物には、典型的に、セルロースアシレート、セルロースジアシレート、セルローストリアシレート、酢酸セルロース、ニ酢酸セルロース、三酢酸セルロース、モノ−、ジ−およびトリ−セルロースアルカニレート、モノ−、ジ−およびトリ−アルケニレート、モノ−、ジ−およびトリ−アロイレートなどよりなる群から選択されるメンバーが包含される。典型的なポリマーには、1.8〜2.3のDSおよび32〜39.9%のアセチル含有量を有する酢酸セルロース;1〜2のDSおよび21〜35%のアセチル含有量を有する二酢酸セルロース;2〜3のDSおよび34〜44.8%のアセチル含有量を有する三酢酸セルロースなどが包含される。さらに特定のセルロース性ポリマーには、1.8のDSおよび38.5%のプロピオニル含有量を有するプロピオン酸セルロース;1.5〜7%のアセチル含有量および39〜42%のアセチル含有量を有する酢酸プロピオン酸セルロース;2.5〜3%のアセチル含有量、39.2〜45%の平均プロピオニル含有量および2.8〜5.4%のヒドロキシル含有量を有する酢酸プロピオン酸セルロース;1.8のDS、13〜15%のアセチル含有量および34〜39%のブチリル含有量を有する酢酸酪酸セルロース;2〜29%のアセチル含有量、17〜53%のブチリル含有量および0.5〜4.7%のヒドロキシル含有量を有する酢酸酪酸セルロース;トリ吉草酸セルロース、セルローストリラメート(cellulose trilamate)、トリパルミチン酸セルロース、トリオクタン酸セルロースおよびトリプロピオン酸セルロースのような、2.6〜3のDSを有するセルローストリアシレート;ジコハク酸セルロース、ジパルミチン酸セルロース、ジオクタン酸セルロース、ジカプリル酸セルロースなどのような、2.2〜2.6のDSを有するセルロースジエステル;ならびに酢酸吉草酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、プロピオン酸コハク酸セルロース、酢酸オクタン酸セルロース、吉草酸パルミチン酸セルロース、酢酸ヘプタン酸セルロースなどのような、混合セルロースエステルが包含される。半透性ポリマーは米国特許第4,077,407号において既知であり、そしてそれらはEncyclopedia of Polymer Science and Technology,Vol.3,pp.325−354(1964),Interscience Publishers Inc.,New York,NYに記述されている方法により合成することができる。
外壁20を形成するための追加の半透性ポリマーは、アセトアルデヒドジメチル酢酸セルロース;酢酸エチルカルバミン酸セルロース;酢酸メチルカルバミン酸セルロース;ジメチルアミノ酢酸セルロース;半透性ポリアミド;半透性ポリウレタン;半透性スルホン化ポリスチレン;米国特許第3,173,876号;第3,276,586号;第3,541,005号;第3,541,006号および第3,546,142号に開示されるような、陰イオンおよび陽イオンの共沈殿により形成される架橋された選択的半透性ポリマー;米国特許第3,133,132号においてLoeb,et al.により開示されるような半透性ポリマー;半透性ポリスチレン誘導体;半透性ポリ(ナトリウムスチレンスルホネート);半透性ポリ(ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド);ならびに半透性の壁を横切る静水圧もしくは浸透圧差の気圧当たりとして表される、10−5〜10−2(cc.mil/cm hr.atm)の液体透過性を示す半透性ポリマーを含んでなる。これらのポリマーは、米国特許第3,845,770号;第3,916,899号および4,160,020号において;そしてHandbook of Common Polymers,Scott and Roff(1971)CRC Press,Cleveland,OHにおいて当該技術分野に既知である。
壁20はまた、フラックス調節剤(flux−regulating agent)を含んでなることもできる。フラックス調節剤は、壁20を通した液体透過性もしくはフラックスを調節することを助けるために添加される化合物である。フラックス調節剤は、フラックス増大剤もしくはフラックス減少剤であることができる。該薬剤は、液体フラックスを増加するかもしくは減少するために前もって選択されることができる。水のような液体への透過性の著しい増加をもたらす薬剤は、本質的に親水性であることが多く、一方、水のような液体に対する著しい減少をもたらすものは、本質的に疎水性である。壁における調節剤の量は、その中に導入される場合、一般的に約0.01重量%〜20重量%もしくはそれ以上である。フラックス調節剤には、多価アルコール、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンジオール、アルキレングリコールのポリエステルなどを包含することができる。典型的なフラックスエンハンサーには、ポリエチレングリコール300、400、600、1500、4000、6000など;ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールおよびポリアミレングリコールのような低分子量グリコール;ポリ(1,3−プロパンジオール)、ポリ(1,4−ブタンジオール)、ポリ(1,6−ヘキサンジオール)などのようなポリアルキレンジオール;1,3−ブチレングリコール、1,4−ペンタメチレングリコール、1,4−ヘキサメチレングリコールなどのような脂肪族ジオール;グリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ヘキサントリオール、1,3,6−ヘキサントリオールなどのようなアルキレントリオール;エチレングリコールジプロピオン酸エステル、エチレングリコール酪酸エステル、ブチレングリコールジプロピオン酸エステル、グリセロール酢酸エステルなどのようなエステルが包含される。現在好ましいフラックスエンハンサーには、プルロニック(BASF)として知られているプロピレングリコールの二官能性ブロック−コポリマーポリオキシアルキレン誘導体群が包含される。代表的なフラックス減少剤には、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチル、フタル酸ジメチルおよび[フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)]のようなアルキルもしくはアルコキシでまたはアルキルおよびアルコキシ基の両方で置換されたフタル酸エステル、フタル酸トリフェニルおよびフタル酸ブチルベンジルのようなフタル酸アリール;ポリ酢酸ビニル、クエン酸トリエチル、オイドラギット(eudragit);硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウムなどのような不溶性の塩;酸化チタンのような不溶性の酸化物;ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネートおよびポリスルホンのような粉末、顆粒などの形態のポリマー;長鎖アルキル基でエステル化したクエン酸エステルのようなエステル;不活性のそして実質的に水不透過性の充填剤;セルロースに基づく壁形成物質と適合する樹脂などが包含される。
壁20をよりもろくなくするためにそして引裂強度を与えるために、柔軟性および伸長特性を与える目的で他の物質を半透性の壁物質に含むことができる。適当な物質には、フタル酸ジベンジル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ブチルオクチル、6〜11個の炭素の直鎖状フタル酸エステル、フタル酸ジ−イソノニル、フタル酸ジ−イソデシルなどのようなフタル酸エステル系可塑剤が包含される。可塑剤には、トリアセチン、アゼライン酸ジオクチル、エポキシド化タレート、トリ−イソオクチルトリメリテート、トリ−イソノニルトリメリテート、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、エポキシド化ダイズ油などのような非フタル酸エステルが包含される。壁における可塑剤の量は、その中に導入される場合、約0.01重量%〜20重量%もしくはそれ以上である。
パンコーティングは、出口オリフィスを除いて、完成した投与形態物を提供するために都合よく用いることができる。パンコーティングシステムにおいて、壁20の壁形成組成物は、回転パンにおける転動を伴う、単層コア用の薬剤層もしくは二層コア用の薬剤層および押し出し層を含んでなる圧縮された単層もしくは二層コア上への適切な壁組成物の連続噴霧により付着される。パンコーターは、商業規模でのその利用可能性のために使用される。圧縮されたコアをコーティングするために他の技術を用いることができる。いったんコーティングされると、製造に使用する溶媒(1つもしくは複数)を投与形態物から取り除くために壁を強制空気オーブンにおいてもしくは温度および湿度制御オーブンにおいて乾燥させることができる。乾燥条件は、利用可能な装置、周囲条件、溶媒、コーティング、コーティングの厚さなどに基づいて都合よく選択される。
他のコーティング技術もまた用いることができる。例えば、投与形態物の壁もしくは複数の壁は、空気懸濁方法を用いるある技術において形成することができる。この方法は、壁がコアに塗り付けられるまで、空気および半透性の壁形成組成物の流れにおいて圧縮された単層もしくは二層コアを懸濁することおよび転動させることからなる。空気懸濁方法は、投与形態物の壁を独立して形成するためによく適している。空気懸濁方法は、米国特許第2,799,241号に;J.Am.Pharm.Assoc.,Vol.48,pp.451−459(1959);および同書,Vol.49,pp.82−84(1960)に記述されている。投与形態物はまた、例えば、壁形成物質の共溶媒として二塩化メチレンメタノールを用いてWurster空気懸濁コーターでコーティングすることもできる。Aeromatic空気懸濁コーターは、共溶媒を用いて使用することができる。
本発明の投与形態物は、標準的な技術により製造される。例えば、投与形態物は、湿式造粒技術により製造することができる。湿式造粒技術において、薬剤および担体は、造粒液として変性無水エタノールのような有機溶媒を用いて混合される。残りの成分は、上記の溶媒のような造粒液の一部に溶解することができ、そしてこの後者の調製溶液は、ミキサーにおいて連続混合で混ぜ合わされる薬剤にゆっくりと加えられる。造粒液は、湿式混合物が生成されるまで加えられ、次に、その湿塊混合物は、オーブントレイ上に既定のふるいを通して押し出される。混合物は、強制空気オーブンにおいて24℃〜35℃で18〜24時間乾燥される。次に、乾燥した顆粒を大きさに従って分類する。次に、ステアリン酸マグネシウムもしくは別の適当な潤滑剤を薬剤顆粒に加え、そして顆粒を製粉ジャーに入れ、そしてジャーミル上で10分間混合する。組成物は、例えば、ManestyプレスもしくはKorsch LCTプレスにおいて層にプレスされる。二層のコアでは、薬剤含有層をプレスし、そして含まれる場合には、押し出し層組成物の同様にして調製した湿式混合物を薬剤含有層に対してプレスする。中間圧縮は、典型的に約50〜100ニュートンの力の下で行われる。最終段階圧縮は、典型的に3500ニュートンもしくはそれ以上、しばしば3500〜5000ニュートンの力で行われる。単層もしくは2層圧縮コアは、乾燥コータープレス、例えばKilian乾燥コータープレスに送り込まれ、そして続いて上記のように壁物質でコーティングされる。
1種もしくはそれ以上の出口オリフィスが投与形態物の薬剤層末端にドリルで開けられ、そして着色している(例えばOpadry着色コーティング)かもしくは透明である(例えばOpadry Clear)ことができる、任意の水溶性オーバーコートが投与形態物上にコーティングされて完成した投与形態物を与えることができる。
別の製造において、薬剤層を含んでなる薬剤および他の成分は混合され、そして固体層にプレスされる。層は、投与形態物において層が占める領域の内寸法に対応する寸法を有し、そしてそれはまた、含まれる場合に、それと接触する配置を形成する第二の押し出し層に対応する寸法も有する。薬剤および他の成分はまた、溶媒と混合し、そしてボールミル粉砕、カレンダー加工、攪拌もしくはロールミル粉砕のような常法により固体もしくは半固体形態に混合し、そして次に前もって選択された形状にプレスすることもできる。次に、含まれる場合、オスモポリマー組成物の層を同様に薬剤の層と接触して付ける。製剤およびオスモポリマー層の層化は、通常の2層プレス技術により製造することができる。次に、圧縮されたコアを上記のように半透性の壁物質でコーティングすることができる。
用いることができる別の製造方法は、流動層造粒機において各層の粉末成分を混合することを含んでなる。粉末成分を造粒機において乾式混合した後に、造粒液、例えば水中のポリ(ビニルピロリドン)を粉末上に噴霧する。次に、コーティングした粉末を造粒機において乾燥させる。この方法は、造粒液を加えながらその中に存在する成分の全てを造粒する。顆粒を乾燥させた後に、ミキサー、例えばV−ミキサーもしくはトート(tote)ミキサーを用いてステアリン酸もしくはステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤を顆粒中に混合する。次に、顆粒を上記のようにプレスする。
出口60を各投与形態物において与える。出口60は、投与形態物からの薬剤の一定放出のために圧縮コアと連携する。出口は、投与形態物の製造中にもしくは使用の液体環境における投与形態物による薬剤送達中に与えられることができる。
出口60は、外壁から侵食されるか、溶解するかもしくは溶脱してそれにより出口オリフィスを形成する物質もしくはポリマーから形成されるかもしくは形成可能であるオリフィスを含むことができる。該物質もしくはポリマーには、例えば、半透性の壁において侵食可能なポリ(グリコール)酸もしくはポリ(乳)酸;ゼラチンフィラメント(gelatinous filament);水除去可能なポリ(ビニルアルコール);無機および有機塩、酸化物および炭水化物よりなる群から選択される液体除去可能な細孔形成剤(pore−former)のような溶脱性化合物を包含することができる。
出口もしくは複数の出口は、一定放出の寸法に合わせた細孔−出口オリフィスを与えるためにソルビトール、ラクトース、フルクトース、グルコース、マンノース、ガラクトース、タロース、塩化ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸ナトリウムおよびマンニトールよりなる群から選択されるメンバーを溶脱させることにより形成することができる。
出口は、投与形態物からの薬剤の均一な定量放出のために円形、三角形、四角形、楕円形などのような任意の形状を有することができる。投与形態物は、投与形態物の相隔たった関係または1種もしくはそれ以上の表面において1種もしくはそれ以上の出口を有して構築することができる。
出口オリフィスを形成するために半透性の壁を通した、機械的およびレーザー穿孔を包含する、穿孔を用いることができる。そのような出口およびそのような出口を形成するための装置は、TheeuwesおよびHiguchiにより米国特許第3,916,899号にそしてTheeuwes,et al.により米国特許第4,088,864号に開示されており、それらの各々は本明細書に引用することによりその全部が組み込まれる。単一の出口オリフィスを利用することは、現在好ましい。
浸透圧システムについての上記のものに対応する技術は、他の制御放出技術を用いる投与形態物に使用される。例えば、マトリックスシステムは、Purdue Pharmaのオキシコンチン製品に関する様々な特許に記述されている。例えば、米国特許第4,861,598号;第4,970,075号;第5,226,331号;第5,508,042号;第5,549,912号;および第5,656,295号を参照。本開示に基づいて、当業者は、本発明のインビトロおよびインビボプロフィールをもたらすためにそのような他の制御放出技術を容易に適応させることができる。
B.単回投与C max
本発明の好ましい態様の利点の一つは、小さいCmax値を有する単回投与血漿プロフィールの生成である。大きいCmax値は、様々な理由で望ましくないことが既知である。例えば、高いオキシコドン濃度は、呼吸抑制および結果として起こる血液中の高いCOレベルと関連することが既知である。Leino et al.,“Time course of changes in breathing pattern in morphine− and oxycodone−induced respiratory depression,”Anaesthesia,1999,54:835−840を参照。
特定の研究はオキシコドンで行われていないが、「嗜好」研究はモルヒネを用いて行われており、そしてより高い血漿モルヒネ濃度に対してより高い「嗜好」値を示している。Marsch et al.,“Effects of Infusion Rate of Intravenously Administered Morphine on Physiological,Psychomotor,and Self−Reported Measures in Humans,”Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics,2001,299:1056−1065を参照。Marsch et al.は、彼らの論文の1063頁にこの点について彼らの結果を次のように要約した:「これらの結果は、薬剤嗜好の示唆的尺度が薬剤の血液レベルの変化の速度および大きさの両方に依存し得ることを示唆する...」。従って、単回投与Cmax値を下げることは、それ自体、当該技術分野への重要な貢献を意味する。
上記に説明するように、本発明は実質的にゼロ次(SZO)の放出プロフィールを提供する。Rの一定放出速度を有する経口制御放出投与形態物の血漿オキシコドン濃度プロフィールは、以下の式:
Figure 2007509979
[式中、kは吸収速度定数であり、kは排出速度定数であり、そしてV/Fは分布の平均見掛け体積である。kはV/Fに対するCL/Fの比率として得られることができ、ここで、CL/Fは平均見掛けクリアランスである。]
を用いてモデル化することができる。
オキシコドン経口溶液、20mgの単回投与後の血漿オキシコドン濃度は、Mandema,J.W.,R.F.Kaiko,B.Oshlack,R.F.RederおよびD.R.Stanski(1996).“Characterization and validation of a pharmacokinetic model for controlled release oxycodone,”British journal of clinical pharmacology 42(747−756)により以前にモデル化されている。この論文において用いられるパラメーターを表1に記載する。また表1に含まれるのは、以下の実施例5および6の薬物動態データから得られる対応するパラメーター値である。
実施例6のデータおよび上記の式1を用いて、単回投与プロフィールを実質的にゼロ次の放出速度について計算した。結果を曲線100により図5に示す。さらに、2つの他の放出プロフィールをモデル化し、一方は迅速続いて持続放出速度を有し、そしてもう一方は持続続いて迅速放出速度を有する。用いる特定の放出速度を表2に記載する。これらの放出プロフィールの各々、ならびに曲線100を生成するために用いる一定放出プロフィールは、24時間で薬剤の同じ量、すなわち、80ミリグラムを放出した。
迅速続いて持続放出速度および持続続いて迅速放出速度のシミュレーションの結果を、それぞれ、曲線102および104により図5に示す。この図において明らかに分かるように、これらの曲線の各々は曲線100より高いCmax値を有する。曲線102および104のCmax値を表2に記載する。比較のために、曲線100のCmax値は46.5であり、すなわち、曲線102の値より18%低く、そして曲線104の値より24%低い。
正式に証明されていないが、図5に示す結果は全ての他のプロフィールに当てはまり、すなわち、24時間にわたって薬剤の同じ量を投与するが一定放出速度を有さない全てのプロフィールは、一定放出速度で得られるものより大きいCmax値を有すると考えられる。
上記に説明する本発明の第1および第7の態様によれば、単回投与のCmaxは:
3.5x10−4リットル−1 max/D6.8x10−4リットル−1 式2
[式中、Dは用量である。]
であると特定される。
式(2)における用量に対するCmax比(Cmax/D)への特定の上限値および下限値は、SZO−24オキシコドンについて表8に報告される平均Cmax値、±Cmaxについて報告される標準偏差に基づく。(同様に、本発明のこれらの態様の、ならびに第2、第3、第8および第9の態様の用量に対するAUC0〜48比(AUC0〜48/D)への上限値および下限値は、表8に報告されるSZO−24オキシコドンについての平均AUC0〜48値、±その報告される標準偏差に基づく。)
表8のデータは、図5のモデル化に基づく、実質的にゼロ次の放出速度を有した投与形態物についてであるので、式(2)において特定されるCmax/D比の範囲は、任意の経口オキシコドン製剤により達成可能なCmax/D比の最も低い可能な範囲を表すと考えられる。そのような低いCmax/D比を有する投与形態物の提供は、本発明の当該技術分野への重要な貢献の一つである。
C.プロフィール
上記に説明するように、本発明は経口投与されるオキシコドンおよび/または1種もしくはそれ以上のその製薬学的に許容しうる酸付加塩についてインビトロ溶解/放出プロフィールならびにインビボ単回投与および定常状態血漿プロフィールを提供する。
薬剤が体により吸収されそして排出される方法に基づき、投与形態物の定常状態血漿プロフィールの形状をその単回投与血漿プロフィールの形状に関連付ける。特に、オキシコドンについて、単回投与AUC値を実質的に同じに保ちながら単回投与Cmax値を下げる場合、結果はよりフラットな定常状態血漿プロフィールになる。Benziger et al.1997からの上記に引用する一節の言葉で言えば、これはAUCを維持しながらCmaxを下げることがオキシコドンの「比較的一定の血液レベル」をもたらすことを意味する。Purdue Pharmaの教示に基づくと、そのような血液レベルは、耐性発生の危険があるので回避されるべきである。
本発明の第1、第7および他の態様において特定されるAUC0〜48/D比(すなわち、7.6x10−3時間/リットルAUC0〜48/D16.7x10−3時間/リットルの仕様)は、体がオキシコドンを吸収しそして排出する方法に特有である。従って、オキシコンチンは、投与形態物が体内にあるような時間の間にその組み込まれた用量を投与するので、そのAUC0〜48/D比は、本発明の第1および第7の態様において特定されるAUC0〜48/D比の範囲内である。特に、表8に示されるように、オキシコンチンは12.6x10−3時間/リットル((1007.3hr−ng/ml)/80mg=12.6x10−3時間/リットル)の平均AUC0〜48/D比を有し、それは7.6x10−3〜16.7x10−3時間/リットルの特定の範囲内である。
特定されるAUC0〜48/D値はオキシコンチンの値を挟むが、単回投与Cmax/D値への特定の上限値、すなわち、6.8x10−4リットル−1は、オキシコンチンのものより著しく低い。特に、実施例6の薬物動態研究と関連して、オキシコンチン40mgの単回投与のCmaxは、41.8ng/mLであることが見出された。40mgで割ると、結果は10.5x10−4/リットルであり、これは本発明の第1および第7の態様の6.8x10−4/リットルの特定される上限値をかなり上回っている。
従って、本発明の第1および第7の態様は、オキシコンチンを挟む単回投与AUC値、しかし、より低いCmaxを特定する。上記に説明する単回投与および定常状態プロフィールの間の関連に基づいて、これは、オキシコンチンによりもたらされるものより一般にフラットである定常状態プロフィールが特定されていることを意味する。図16Dは、これがまさに認められるものであることを裏付ける。この図において分かるように、SZO−24定常状態プロフィール(曲線150)はほとんど完全にフラットであり、一方、オキシコンチンプロフィール(曲線152)は明らかに振動する。
前述の事項に基づいて、本発明の第1および第7の態様において特定される単回投与プロフィールは、Purdue Pharmaが教示していること、すなわち、耐性のリスクのためにフラットな定常状態プロフィールをもたらす投与形態物を使用すべきではないということとまさに対照的である投与形態物を提唱することは明らかである。以下に十分に説明されるように(実施例8を参照)、Purdue Pharmの教示にもかかわらず、2層プロフィール(すなわち、オキシコンチンタイププロフィール)およびフラットプロフィール(すなわち、SZO−24タイププロフィール)と関連するオキシコドン耐性レベルは、実際には、統計的に異ならないことが実験的に見出された。これは、オキシコドンの「比較的一定の血液レベル」に関するPurdue Pharmaの警告に基づいて予想されていることに明らかに反している。
前述の事項を背景として、ここで、本発明の好ましいインビボ定常状態、インビボ単回投与およびインビトロ放出プロフィールの特定の説明を始める。
1.インビボ定常状態血漿プロフィール
本発明のある種の態様によれば、有効な疼痛管理は、十分にフラットである定常状態血漿プロフィールで達成できることが見出された。本明細書において用いる場合、定常状態血漿プロフィールは、完全なプロフィール、すなわち、24時間の全投薬期間のAUC(曲線下の面積)に対するプロフィールの各四分位のAUCの比率が0.18より大きい(そのようなプロフィールは、以下に「>18%/四分位定常状態プロフィール」と呼ばれる)場合に本発明の疼痛管理利益を得るために十分にフラットである。
従来のように、第1の四分位は0時間(すなわち、投与形態物の投与の時間)で始まりそして6時間で終わり、第二の四分位は6時間で始まりそして12時間で終わり、第三の四分位は12時間で始まりそして18時間で終わり、そして第四の四分位は18時間で始まりそして24時間で終わる。同様に従来のように、血漿プロフィールは、研究集団から得られる平均プロフィールであり、そして四分位のおよび全プロフィールのAUC値は、台形法を用いて得られる。さらに特に、AUC比は各個体について決定され、そして次にそれらの値を平均する。サンプルは、血漿プロフィールの時間経過を反映するように選択されるサンプリングスキームに従って被験体から採取され、例えば、プロフィールが時間内に迅速に変化している場合にはより多くのサンプリング点が存在し得る。
好ましくは、全プロフィールのAUCに対するプロフィールの各四分位のAUCの比率は、約0.20以上である。さらにより好ましくは、任意の2つの隣接する四分位間の比率の差は約0.03未満であり、そして/もしくは任意の2つの四分位間の比率の差は約0.05未満である。最も好ましくは、これらの基準の両方が満たされ、すなわち、任意の2つの隣接する四分位間の比率の差は約0.03未満であり、そして/もしくは任意の2つの四分位間の比率の差は約0.05未満である。
以下に存在するデータが示すように、>18%/四分位定常状態プロフィールは各四分位内の効能を保証し、従って、制御放出投与形態物を用いる疼痛管理において長年の問題であった突出痛の可能性を減らすことが見出された。
2.インビボ単回投与血漿プロフィール
本発明の他の態様によれば、そのような望ましい>18%/四分位定常状態プロフィールはある種の好ましい特性を有する単回投与血漿プロフィールに関係していることがさらに見出された。単回投与血漿プロフィールの1つのそのような好ましい特性は、24時間もしくはそれ以上の期間にわたって実質的に単調に増加する平均プロフィール形状である。
ある種の態様として、そのような実質的に単調に増加する平均プロフィールは、第一の上昇相(first rising phase)および第二の相を含んでなり、ここで、第一の相の傾きは第二の相の傾きの大きさより大きく、ここで、相の傾きは、相を構成する平均プロフィールの部分への最適直線の傾きとして定義される。例えば、第一の相の傾きは、第二の相の傾きの大きさの少なくとも約10倍であることができる。別の態様として、第一の上昇相には、第一の上昇副相(subphase)続いて第二の上昇副相を含むことができ、ここで、第一の上昇副相の傾きは第二の上昇副相の傾きより大きく、ここで、傾きは第一および第二の相についてと同様に定義される。
一般に、第一の相から第二の相への移行は約14時間で、例えば約12時間〜約16時間の間に起こり、一方、第一の副相から第二の副相への移行は約2時間、例えば約1時間〜約3時間の間に起こる。
単回投与血漿プロフィールはまた、好ましくは、約17時間より大きい、より好ましくは約18時間より大きい、そして最も好ましくは約19時間より大きい時間(Tmax)でそれらの最大濃度値(Cmax)も有する。
単回投与血漿プロフィールはまた、好ましくは、それらの0〜12時間AUCより大きい12〜24時間AUCも有する。特に、0〜12時間AUCに対する12〜24時間AUCの比率は、好ましくは約1.5より大きく、より好ましくは約1.7より大きく、そして最も好ましくは約2.0である。
「嗜好」の問題を有する投与形態物の可能性を減らすために、単回投与血漿プロフィールは、好ましくは約3x10−4時間−1リットル−1未満、より好ましくは約4x10−5時間−1リットル−1未満、そして最も好ましくは約3x10−5時間−1リットル−1未満であるCmax/(Tmaxx用量)比を有する。このようにして、投与形態物の使用者は、オキシコドンの初期の強いボーラスを取らず、従って、多幸感および嗜好反応をもたらし得る他の効果を経験する可能性が低い。比較のために、嗜好、実際には乱用の問題に苦しむことが既知である市販のオキシコンチン製品は、その40mgの投薬強度に対して約4x10−4時間−1リットル−1のCmax/(Tmaxx用量)比を有する。
定常状態プロフィールでのように、単回投与プロフィールは研究集団から得られる平均プロフィールであり、そしてサンプリングスキームは、単回投与血漿プロフィールの時間経過を反映するように選択される。上記に説明するように、傾きは平均プロフィールから決定される。しかしながら、Tmax、CmaxおよびCmax/(Tmaxx用量)比は個々の被験体について得られ、そして次に平均される。
3.インビトロ放出プロフィール
本発明の他の態様によれば、所望の>18%/四分位定常状態プロフィールは投与形態物のインビトロ溶解/放出プロフィールに関係していることがさらに見出された。特に、インビトロ溶解/放出プロフィールは、好ましくは、初期負荷用量成分および制御放出成分を含んでなる。
好ましくは、投与形態物におけるオキシコドンの総量に対する初期負荷用量におけるオキシコドンの量の比率は0.25未満、より好ましくは0.10未満、そして最も好ましくは0.05以下である。初期負荷用量への0.25の上限値は、投与形態物が、同等の毎日用量で投与される即時放出投与形態物によりもたらされるものを上回る血漿濃度をもたらさず、従って、「嗜好」問題もしくは他の不都合な副作用を有する投与形態物の可能性が即時放出製品のものより悪くないことを保証する。0.10および0.05のレベルは、そのような「嗜好」および他の問題をさらに少なくするはずである。
制御放出成分は、好ましくは、初期負荷用量と組み合わされる場合に、全体的な投与形態物が実質的にゼロ次のインビトロ放出反応速度を有する、すなわち、全体的なインビトロ放出速度が24時間の期間にわたって実質的に一定であるように実質的に一定のインビトロ溶解/放出速度を有する。図9および10は、制御放出成分および初期負荷用量を用いそして実質的にゼロ次のインビトロ放出反応速度を示す投与形態物の放出プロフィールの限定されない例であり、一方、図8は制御放出成分のみでそれらの反応速度を達成する投与形態物の放出プロフィールの例である。
好ましくは、投与形態物は約15時間〜約18時間の間の期間(T70期間)内に投与形態物の表示用量の70%を放出する。さらに特に、投与形態物は好ましくは、図6に図式的に示すように、0〜2時間で0%〜20%、0〜12時間で30〜65%(好ましくは33〜63%)、そして0〜24時間で80〜100%の送達用量パターンを有する。
従来のように、USP装置1、2もしくは7または将来に代用され得る匹敵する装置を用いて投与形態物のサンプル組を試験することにより決定される平均インビトロ溶解/放出プロフィールが用いられる。しかしながら、T70値は試験する個々の投与形態物のT70値の平均であり、そして同様に投与形態物の送達用量パターンは、試験する個々の投与形態物の結果を平均することにより決定される。
実施例
以下の限定されない実施例は、本発明の様々な特徴を説明する。
オキシコドン塩酸塩17mg浸透圧プッシュプルシステム(迅速および持続)
浸透圧薬剤送達装置として適合させ、設計しそして成形する投与形態物を以下のように製造した:以下の方法により2種の顆粒を製造した:1479gのオキシコドン塩酸塩、USPおよび200,000の平均分子量を有する7351gのポリエチレンオキシドN80を流動層造粒機ボウルに加えた。次に、4500gの水にK29−32として同定される500gのポリビニルピロリドンを溶解することにより結合剤溶液を調製した。1800gの結合剤溶液を噴霧することにより乾式物質を流動層造粒した。次に、湿式顆粒を許容しうる水分含有量まで造粒機において乾燥させた。次に、2種の顆粒を同じ容器中に7メッシュふるいを通すことにより大きさに従って分類した。次に、顆粒をミキサーに移し、そして酸化防止剤として3.53gのブチル化ヒドロキシトルエンと混合し、そして88gのステアリン酸マグネシウムで潤滑化した。
次に、押し出し組成物を以下のように製造した:第一に、結合剤溶液を調製した。40,000の平均分子量を有するK29−32として同定される27.3kgのポリビニルピロリドンを182.7kgの水に溶解した。次に、22.4kgの塩化ナトリウムおよび1.12kgの酸化鉄を21メッシュふるいでQuadro Comilを用いて大きさに従って分類した。次に、選別された物質および82.52kgのポリエチレンオキシド(約2,000,000の分子量)を流動層造粒機ボウルに加えた。43kgの結合剤溶液を粉末上に3つのノズルから噴霧しながら、乾式物質を流動化しそして混合した。顆粒を許容しうる水分レベルまで流動層チャンバーにおいて乾燥させた。造粒プロセスを4回繰り返し、そして顆粒をサイジングの間に一緒に混合した。コーティングされた顆粒を7メッシュふるいでFluid Airミルを用いて大きさに従って分類した。顆粒をトートタンブラーに移し、224gのブチル化ヒドロキシトルエンと混合し、そして1.12kgのステアリン酸で潤滑化した。
次に、オキシコドン塩酸塩薬剤組成物および押し出し組成物を2層の錠剤に圧縮した。第一に、113mgのオキシコドン塩酸塩組成物を金型キャビティーに加え、そして事前圧縮し;次に103mgの押し出し組成物を加え、そして層を5/16”直径の円形の、標準的な凹形の二層配置にプレスした。
二層配置を半透性の壁でコーティングした。壁形成組成物は、39.8%のアセチル含有量を有する99%の酢酸セルロースおよび3.350の粘度平均分子量を含んでなる1%のポリエチレングリコールを含んでなった。壁形成組成物をアセトン:水(95:5 wt:wt)共溶媒に溶解して5%の固体溶液を作った。壁形成組成物を約20mgの膜が各錠剤に塗り付けられて「迅速」システムを生成せしめるまでパンコーターにおいて二層配置上にそして周りに噴霧した。コーティングプロセスを繰り返し、そして約30mgの膜を各錠剤に塗り付けて「持続」システムを生成せしめた。
次に、1個の25mil(0.64mm)出口通路を半透性の壁を通してレーザードリルで開けて薬剤層を投薬システムの外部と連結した。残留溶媒を45℃および45%の湿度として48時間、続いて45℃で4時間乾燥させることにより除去して過剰の水分を除いた。
この製造により生成される投与形態物は、15.8%のオキシコドン塩酸塩USP、200,000の分子量を有する81.68%のポリエチレンオキシドN80、40,000の分子量を有する2%のポリビニルピロリドン、0.02%のブチル化ヒドロキシトルエンおよび0.5%のステアリン酸マグネシウムを含有するコアから17mgのオキシコドンHCl、USPを送達するように設計された。押し出し組成物は、7,000,000の分子量を含んでなる73.7%のポリエチレンオキシド、20%の塩化ナトリウム、40,000の平均分子量を有する5%のポリビニルピロリドン、1%の酸化鉄、0.05%のブチル化ヒドロキシトルエンおよび0.25%のステアリン酸マグネシウムを含んでなった。半透性の壁は、39.8%のアセチル含有量の99%の酢酸セルロースおよび1%のポリエチレングリコールを含んでなった。投与形態物は、薬剤側の中心上に1個の通路、25mil(0.63mm)を含んでなった。最終投与形態物は、「迅速」および「持続」システムについてそれぞれ時間当たり1.35mgのオキシコドン塩酸塩、USP(7.95%/時間)および時間当たり0.97mgのオキシコドン塩酸塩USP(5.70%/時間)の平均放出速度を有した。
本実施例の製剤を表3に要約する。
オキシコドン塩酸塩20mg浸透圧プッシュプルシステム
浸透圧薬剤送達装置として適合させ、設計しそして成形する投与形態物を以下のように製造した:1933gのオキシコドン塩酸塩、USP、200,000の平均分子量を有する7803gのポリエチレンオキシドN80および40,000の平均分子量を有するK29−32として同定される200gのポリビニルピロリドンを流動層造粒機ボウルに加えた。次に、4500gの水に500gの同じポリビニルピロリドンを溶解することにより結合剤溶液を調製した。2000gの結合剤溶液を噴霧することにより乾式物質を流動層造粒した。次に、湿式顆粒を許容しうる水分含有量まで造粒機において乾燥させ、そして7メッシュふるいを通すことにより大きさに従って分類した。次に、顆粒をミキサーに移し、そして酸化防止剤として2gのブチル化ヒドロキシトルエンと混合し、そして25gのステアリン酸マグネシウムで潤滑化した。
次に、押し出し組成物を以下のように製造した:第一に、結合剤溶液を調製した。40,000の平均分子量を有するK29−32として同定される15.6kgのポリビニルピロリドンを104.4kgの水に溶解した。次に、24kgの塩化ナトリウムおよび1.2kgの酸化鉄を21メッシュふるいでQuadro Comilを用いて大きさに従って分類した。次に、選別された物質および88.44kgのポリエチレンオキシド(約2,000,000の分子量)を流動層造粒機ボウルに加えた。46.2kgの結合剤溶液を粉末上に3つのノズルから噴霧しながら、乾式物質を流動化しそして混合した。顆粒を許容しうる水分レベルまで流動層チャンバーにおいて乾燥させた。コーティングされた顆粒を7メッシュふるいでFluid Airミルを用いて大きさに従って分類した。顆粒をトートタンブラーに移し、15gのブチル化ヒドロキシトルエンと混合し、そして294gのステアリン酸マグネシウムで潤滑化した。
次に、オキシコドン塩酸塩薬剤組成物および押し出し組成物を2層の錠剤に圧縮した。第一に、113mgのオキシコドン塩酸塩組成物を金型キャビティーに加え、そして事前圧縮し;次に、103mgの押し出し組成物を加え、そして層を5/16”直径の円形の、標準的な凹形の二層配置にプレスした。
二層配置を半透性の壁でコーティングした。壁形成組成物は、39.8%のアセチル含有量を有する99%の酢酸セルロースおよび3.350の粘度平均分子量を含んでなる1%のポリエチレングリコールを含んでなった。壁形成組成物をアセトン:水(95:5 wt:wt)共溶媒に溶解して5%の固体溶液を作った。壁形成組成物を約37mgの膜が各錠剤に塗り付けられるまでパンコーターにおいて2層配置上にそして周りに噴霧した。
次に、1個の40mil(1mm)出口通路を半透性の壁を通してレーザードリルで開けて薬剤層を投薬システムの外部と連結した。残留溶媒を45℃および45%の湿度として48時間乾燥させることにより除去した。穿孔後に、浸透圧システムを45℃で4時間乾燥させて過剰の水分を除いた。
次に、ドリルで穴を開けそして乾燥させたシステムを即時放出薬剤オーバーコートでコーティングした。薬剤オーバーコートは、157.5gのオキシコドンHCl、USPおよび11,200の平均分子量を有する850gのヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する8%の固体水溶液であった。システム当たり約8mgの平均湿コーティング重量が得られるまで薬剤オーバーコート溶液を乾燥させコーティングしたコア上に噴霧した。
次に、薬剤オーバーコーティングしたシステムを色オーバーコーティングした。色オーバーコートは、水におけるOpadryの12%固体懸濁液であった。システム当たり約8mgの平均湿コーティンング重量が得られるまで色オーバーコート懸濁液を薬剤オーバーコーティングしたシステム上に噴霧した。
次に、色オーバーコーティングしたシステムをクリアコーティングした。クリアコートは、水におけるOpadryの5%固体溶液であった。システム当たり約3mgの平均湿コーティンング重量が得られるまでクリアコート溶液を色コーティングしたコア上に噴霧した。次に、クリアコーティングしたシステムを、それらをパンコーターにおいて転動させながらシステム上にワックスを分散させることにより約1gのカルナバワックスでコーティングした。
この製造により生成される投与形態物は、15%のオキシコドンHCl、USPおよび85%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含んでなるオーバーコートから即時放出として1mgのオキシコドン塩酸塩USPを送達し、続いて17.7%のオキシコドン塩酸塩USP、200,000の分子量を有する78.03%のポリエチレンオキシド、40,000の分子量を有する4%のポリビニルピロリドン、0.02%のブチル化ヒドロキシトルエンおよび0.25%のステアリン酸マグネシウムを含有するコアから19mgのオキシコドンHCl、USPを制御送達するように設計された。押し出し組成物は、7,000,000の分子量を含んでなる73.7%のポリエチレンオキシド、20%の塩化ナトリウム、40,000の平均分子量を有する5%のポリビニルピロリドン、1%の酸化鉄、0.05%のブチル化ヒドロキシトルエンおよび0.25%のステアリン酸マグネシウムを含んでなった。半透性の壁は、39.8%のアセチル含有量の99%の酢酸セルロースおよび1%のポリエチレングリコールを含んでなった。投与形態物は、薬剤側の中心上に1個の通路、40mil(1mm)を含んでなった。最終投与形態物は、色オーバーコート、クリアオーバーコートおよびワックスコートを含有し、そして時間当たり0.93mgのオキシコドン塩酸塩、USP(4.66%/時間)の平均放出速度を有した。
本実施例の製剤を表4に要約し、そして以下に「実施例2 SZO−24投与形態物」と称する。
オキシコドン塩酸塩80mg浸透圧プッシュプルシステム
浸透圧薬剤送達装置として適合させ、設計しそして成形する投与形態物を以下のように製造した:34.36kgのオキシコドン塩酸塩、USP、200,000の平均分子量を有する63.7kgのポリエチレンオキシドN150および0.02kgの酸化鉄赤を流動層造粒機ボウルに加えた。次に、49.6kgの水に40,000の平均分子量を有するK29−32として同定される5.40kgのポリビニルピロリドンを溶解することにより結合剤溶液を調製した。33.3kgの結合剤溶液を噴霧することにより乾式物質を流動層造粒した。次に、湿式顆粒を許容しうる水分含有量まで造粒機において乾燥させ、そして7メッシュふるいを通すことにより大きさに従って分類した。次に、顆粒をミキサーに移し、そして酸化防止剤として0.02kgのブチル化ヒドロキシトルエンと混合し、そして0.25kgのステアリン酸マグネシウムで潤滑化した。
次に、押し出し組成物を以下のように製造した:第一に、40,000の平均分子量を有するK29−32として同定される7.8kgのポリビニルピロリドンを52.2kgの水に溶解することにより結合剤溶液を調製した。次に、24kgの塩化ナトリウムおよび1.2kgの酸化鉄を21メッシュふるいでQuadro Comilを用いて大きさに従って分類した。次に、選別された物質および88.5kgのポリエチレンオキシド(約2,000,000の分子量)を流動層造粒機ボウルに加えた。46.2kgの結合剤溶液を粉末上に3つのノズルから噴霧しながら、乾式物質を流動化しそして混合した。顆粒を許容しうる水分レベルまで流動層チャンバーにおいて乾燥させた。コーティングされた顆粒を7メッシュふるいでFluid Airミルを用いて大きさに従って分類した。顆粒をトートタンブラーに移し、24gのブチル化ヒドロキシトルエンと混合し、そして300gのステアリン酸マグネシウムで潤滑化した。
次に、オキシコドン塩酸塩薬剤組成物および押し出し組成物を2層の錠剤に圧縮した。第一に、250mgのオキシコドン塩酸塩組成物を金型キャビティーに加え、そして事前圧縮し、次に192mgの押し出し組成物を加え、そして層を13/32”(1.03cm)直径の円形の、標準的な凹形の二層配置にプレスした。
二層配置を半透性の壁でコーティングした。壁形成組成物は、39.8%のアセチル含有量を有する99%の酢酸セルロースおよび3.350の粘度平均分子量を含んでなる1%のポリエチレングリコールを含んでなった。壁形成組成物をアセトン:水(95:5 wt:wt)溶媒混合物に溶解して5%の固体溶液を作った。壁形成組成物を約44mgの膜が各錠剤に塗り付けられるまでパンコーターにおいて2層配置上にそして周りに噴霧した。
次に、2個の40mil(1mm)出口通路を半透性の壁を通してレーザードリルで開けて薬剤層を投薬システムの外部と連結した。残留溶媒を45℃および45%の湿度として72時間、続いて45℃で4時間乾燥させることにより除去して過剰の水分を除いた。
次に、ドリルで穴を開けそして乾燥させたシステムを即時放出薬剤オーバーコートでコーティングした。薬剤オーバーコートは、1.33kgのオキシコドンHCl、USPおよび7.14kgのOpadryTM Clearを含有する12%の固体水溶液であった。システム当たり約27mgの平均湿コーティング重量が得られるまで薬剤オーバーコート溶液をコーティングしたシステム上に噴霧した。
次に、薬剤オーバーコーティングしたシステムを色オーバーコーティングした。色オーバーコートは、水におけるOpadryの12%固体懸濁液であった。システム当たり約8mgの平均湿コーティンング重量が得られるまで色オーバーコート懸濁液を薬剤オーバーコーティングしたシステム上に噴霧した。
次に、色オーバーコーティングしたシステムを、それらをパンコーターにおいて転動させながらシステム上にワックスを分散させることにより約100ppmのカルナバワックスでコーティングした。
この製造により生成される投与形態物は、15%のオキシコドンHCl、USPおよび85%のOpadryTM Clearを含んでなるオーバーコートから即時放出として4mgのオキシコドン塩酸塩USPを送達し、続いて32%のオキシコドン塩酸塩USP、200,000の分子量を有する63.73%のポリエチレンオキシドN150、40,000の分子量を有する4%のポリビニルピロリドン、0.02%のブチル化ヒドロキシトルエンおよび0.25%のステアリン酸マグネシウムを含有するコアから76mgのオキシコドンHCl、USPを制御送達するように設計された。押し出し組成物は、7,000,000の分子量を含んでなる73.7%のポリエチレンオキシド、20%の塩化ナトリウム、40,000の平均分子量を有する5%のポリビニルピロリドン、1%の酸化鉄、0.05%のブチル化ヒドロキシトルエンおよび0.25%のステアリン酸マグネシウムを含んでなった。半透性の壁は、39.8%のアセチル含有量の99%の酢酸セルロースおよび1%のポリエチレングリコールを含んでなった。投与形態物は、薬剤側の中心上に等距離で2個の通路、40mil(1mm)を含んでなった。最終投与形態物は、色オーバーコートおよびワックスコートを含有し、そして時間当たり3.94mgのオキシコドン塩酸塩、USP(4.93%/時間)の平均放出速度を有した。
本実施例の製剤を表5に要約し、そして以下に「実施例3 SZO−24投与形態物」と称する。
健康な被験者における浸透圧性オキシコドン塩酸塩(迅速および持続)および即時放出オキシコドン塩酸塩の薬物動態学および薬力学
本研究は、健康な男性被験者において実施例1の「迅速」および「持続」浸透圧性オキシコドンHClシステムおよび即時放出(IR)オキシコドンHClの薬物動態学および薬力学を調べた。特に、この単一施設、無作為化、3処置、3期間、単回および複数回投与、クロスオーバー、薬物動態学/薬力学研究は、4日にわたって健康な男性被験者において2つの浸透圧性オキシコドンHCl製剤およびIRオキシコドンHCl(Napp Pharmaceuticals,Cambridge Science Park,Milton Rd.,Cambridge,United Kingdomにより供給されるOxynormカプセル剤、5mg)を比較した。研究の薬力学部分は単純盲検であり、そしてVAS疼痛スコアを利用した。18人の被験者が参加し、そして15人が全ての研究期間を完了した。作用中に、迅速放出および持続放出浸透圧性投与形態物は、異なる継続期間でゼロ次のようにオキシコドンを放出し、そしていずれの投与形態物も即時放出オキシコドンオーバーコートを有さなかった。
被験者は各々、無作為に割り当てられた順序に従って3つの処置を受けた:
・迅速放出投与形態物の1回の17mgの用量(約10時間にわたって送達される);
・持続放出投与形態物の1回の17mgの用量(約20時間にわたって送達される);
・IRオキシコドンHClの4回の5mg用量(研究期間の時間0、6、12および18で1用量)。
迅速放出製剤は、持続放出製剤もしくはIRオキシコドンHClのいずれかより疼痛スコアにおける大きい減少をもたらした。持続放出製剤での疼痛スコアの減少は、一般に、IRオキシコドンHClで見られるものに匹敵した。
平均して、迅速放出および持続放出製剤は、IRオキシコドンHClに対して、それぞれ、105%および99%生物学的に利用可能であった。迅速および持続製剤の血漿オキシコドン濃度プロフィールは、それらのインビトロ放出速度データと一致した。
1日の投与後の平均血漿オキシコドン濃度プロフィールを図15Aに示す。単一用量投与後に、平均Cmax/(Tmax*用量)比は、迅速および持続投与形態物についてそれぞれ7.5x10−5(h*リットル)−1および4x10−5(h*リットル)−1であった。反復投与後の平均血漿オキシコドン濃度プロフィールを図15Bに示す。製剤の定常状態四分位AUC値を表6に記載する。
IR製品のq6h処方計画および持続製剤の1日1回の処方計画の両方の定常状態血漿プロフィールは>18%四分位タイプのものであり、一方、迅速製剤の1日1回の処方計画のものはそうではなかった。この研究の結果に基づき、摂取後の迅速な溶解および吸収を可能にするためにオーバーコートに表示用量の5%を、そして全投与間隔、すなわち24時間にわたる持続放出のためにコアに表示用量の95%を有するように浸透圧性投与形態物を改変した。この改変した設計を第I相薬物動態学/薬力学研究において(実施例5)、そして変形性関節症疼痛における第II相用量比較研究において(実施例7)評価した。
SZO−24オキシコドン塩酸塩薬力学を評価するためのパイロット研究
健康な男性被験体において実施例2 SZO−24投与形態物(2x20mg)、IVモルヒネ(10mg)およびプラシーボを比較するために単一施設、無作為化、3処置、二重盲式、クロスオーバー研究を行った。本研究は、低温(cold)疼痛試験により測定されるような統計的に有意な薬力学応答を与える実施例2 SZO−24投与形態物により投与する場合のオキシコドンHClの用量を決定するために考案された。
12人の男性被験者が参加し、そして無作為に割り当てられた順序に従って全ての3つの処置を受けた:
・IVプラシーボおよび経口プラシーボ;
・IVモルヒネ注入(15分にわたって10mg)および経口プラシーボ;
・実施例2 SZO−24投与形態物(2x20mg)およびIVプラシーボ(食塩水)。
IVモルヒネの処置は、以前に報告されたような(Van and Rolan 1996)プラシーボからのこの処置の成功した分離のために陽性コントロールとなることを意図したが、しかしながら、本研究において、この処置は低温疼痛試験により測定する場合にプラシーボから統計的に分離しなかった。瞳孔サイズはプラシーボ処置では研究期間にわたって一様のままであり、そしてIVモルヒネおよび実施例2 SZO−24投与形態物の両方の瞳孔サイズ変化は、それらのそれぞれの薬物動態プロフィールと一致した(実施例11を参照)。
研究は、実施例2 SZO−24投与形態物(2x20mg)の単回投与血漿オキシコドン、ノルオキシコドンおよびオキシモルホン濃度プロフィールを生成した(図12および表7を参照)。本研究のオキシコドンの平均Cmax/(Tmax*用量)比は、2x10−5(h*リットル)−1であった。
実施例2 SZO−24投与形態物のインビトロ放出速度および一次吸収、一次排出体内動態モデルからなる薬物動態モデルを、NONMEMを用いて血漿オキシコドン濃度データに適合させた。データは吸収速度定数に敏感ではなかったので、吸収速度定数を6.48h−1に設定した。集団平均見掛けクリアランス(Cl/F)は67.7L/hであり、そして集団平均見掛け容量(V/F)は556Lであった。平均最適曲線は、図13に示されるように投与後最初の数時間の間の平均データを低く見積もった。6時間ごとに与えられる、IRオキシコドンHCl、10mgの予想される薬物動態プロフィールもまたシミュレーションし、そして図13に含む。IR製品のq6h処方計画、オキシコンチンのq12h処方計画および実施例2 SZO−24投与形態物のqd処方計画のシミュレーションした定常状態薬物動態プロフィールを図14に提示する。薬物動態結果に基づき、この製剤(摂取後の迅速な溶解および吸収を可能にするためにオーバーコートに表示用量の5%、および全投与間隔、すなわち24時間にわたる持続放出のためにコアに表示用量の95%)を第II相臨床研究においてさらに評価した(実施例7)。
SZO−24オキシコドン塩酸塩およびオキシコンチンの単回および複数回投与薬物動態学
本研究は、健康な被験者における単一施設、無作為化、非盲検、2処置、2期間、単回および複数回投与クロスオーバー研究であった。被験者は以下の処置を受けた:
・処置A−実施例3 SZO−24投与形態物(80mg)の単回投与、続いて72時間後に同じ投与形態物のQD処方計画(5日間80mg);
・処置B−12時間離して投与する、2用量のオキシコンチン、各40mgの用量、続いて72時間後にオキシコンチンのq12h処方計画、5日間40mg。
全ての被験者は、投与の14時間前に開始し、そして処置期間中12時間ごとに、そしてオキシコドンの最後の投与日の24時間後に50mgのナルトレキソンを経口的に服用した。
処置期間の間には5日のしかし15日より多くない最小ウォッシュアウト期間があった。
研究の目的は:
・実施例3 SZO−24投与形態物(80mg)の単回投与の血漿オキシコドン濃度プロフィールおよび該投与形態物のQD処方計画の定常状態血漿オキシコドン塩酸塩濃度プロフィールを決定すること;
・実施例3 SZO−24投与形態物(80mg)のQD処方計画の定常状態血漿オキシコドン濃度プロフィールとオキシコンチンのq12h処方計画のものを比較すること
であった。
合計37人の被験者が研究を完了した。平均血漿オキシコドン濃度プロフィールを図16に示す。実施例3 SZO−24投与形態物(80mg)の投与後の平均血漿オキシコドン濃度プロフィールは、図16Bに見られることができ、そして同じプロフィールを図16Cに12時間離した2回のオキシコンチン(各40mg)の投与後の平均プロフィールとプロットする。これらの図および特に実施例3 SZO−24投与形態物の12時間データ点およびそのデータ点の標準偏差から、本発明の投与形態物の単回投与血漿プロフィールは関係:
2.7x10−4リットル−1 12/D5.7x10−4リットル−1
を満たすことが分かる。
比較のために、同じ37人の被験者を用いて、1日2回のオキシコンチン投薬は、15.92ng/ml(SD=6.88ng/ml)の平均C12濃度をもたらすことが見出された。この平均値を80mgで割ると、24時間にわたる全オキシコンチン用量は2.0x10−4リットル−1を与え、それは本発明の1日1回の投与形態物の上記の範囲より実質的に下回る。
実施例3 SZO−24投与形態物(80mg)の1日1回の処方計画およびオキシコンチンの1日2回の投薬(各40mg)の定常状態血漿濃度プロフィールは、図16Dに見られることができる。PKデータを表8(単回投与)および9(定常状態)に要約する。
実施例3 SZO−24投与形態物の単回投与後に、AUCinfに対する0〜12時間の血漿濃度プロフィール下の面積の平均比率は0.24(0.07)であり、0〜12時間のものに対する12〜24時間の血漿薬剤濃度プロフィール下の面積の平均比率は1.94(0.49)であった。
複数回投与期間中の投与の開始後72(3日)、96(4日)および120(5日)時間での血漿オキシコドン濃度の比較により、両方の処置について投薬の4日目までに定常状態に到達していたことが示された。
実施例3 SZO−24投与形態物の単回投与期間後のAUCinfと複数回投与期間の5日目のPKパラメーターAUC96〜120の比較により、この製剤について時間不変反応速度が示された(p=0.9)。
実施例3 SZO−24投与形態物の生物学的利用能は、AUC96〜120比により概算する場合にオキシコンチンに対して92%であった。この比率の90%信頼区間は、生物学的等価性基準の80〜125%範囲内に入る。従って、1日1回与えられる実施例3 SZO−24オキシコドン投与形態物により提供されるオキシコドンの量は、同じ総毎日用量において1日2回与えられるオキシコンチンのものと生物学的に同等である。実施例3 SZO−24投与形態物のCmin値はオキシコンチンのものの121%であり、一方、実施例3 SZO−24投与形態物のCmax値はオキシコンチンのものの78%であった。Cmax値は、有意に異なった(すなわち、比率は1から有意に異なった(p<0.001))。これらのデータは、オキシコドン血漿プロフィールが、オキシコンチンでの処置と比較した場合に実施例3 SZO−24投与形態物での処置後にフラットであることを示す。
実施例3 SZO−24投与形態物およびオキシコンチンの定常状態四分位AUC値を表10に記載する。このデータは、1日1回与えられる実施例3 SZO−24投与形態物および1日2回与えられるオキシコンチンが、>18%/四分位定常状態血漿オキシコドン濃度プロフィールを達成したことを示す。しかしながら、1日1回の投与は、患者にとってより好都合であり、そしてより良好なコンプライアンスにつながる可能性が高い。また、図16Dに示されるように、実施例3 SZO−24投与形態物は、明らかに2層性であり続けるオキシコンチンによりもたらされるものより明らかにフラットである定常状態プロフィールをもたらす。
SZO−24オキシコドン塩酸塩の第II相臨床研究
腰および/もしくは膝の変形性関節症疼痛を有する患者における実施例2 SZO−24投与形態物(20mgおよび2x20mg=40mg)を用いる第II相、2週、プラシーボ対照研究を行った。一般に、40mgは2週の処置期間にわたる疼痛評価においてプラシーボから統計的に有意な差を示し、一方、本研究はいずれかの週において20mgとプラシーボとの間の統計的に有意な差を示すように推進されなかったことにもかかわらず、20mgは処置の第一週にわたってプラシーボより優れていたが、第二週の間はあまり一貫せずにそうであった。これらの結果は、2つの投薬強度は大部分の場合において統計的に異なる結果を示さなかったが、予想されるように、40mgは20mgより有効であるという一般的な傾向を示した。疼痛簡便質問表(BPI)、平均疼痛強度のスコアは、研究投薬上の最後の週で20mg(p=0.042)および40mg(p=0.010)の両方に有意な結果を示した。
睡眠の総合的な質の分析からの結果は、40mgの処置では、平均がベースラインから処置の最後の週まで増加し、そして睡眠の質を改善することにおいてプラシーボより統計的に優れていた(p=0.0360)ことを示唆する:0(非常に悪い)〜10(優れている)の尺度で、2.35対1.21。
ラット耐性研究
本実施例は、ラットにおける耐性発生へのオキシコドン投入パターンの効果を決定するために行われる実験の結果を報告する。
研究の特定の目的は、2相性投与処方計画(ボーラス/1日に2回)もしくはSZO投与処方計画(実質的にゼロ次/継続的)のいずれかにより、3日の期間にわたってオキシコドン塩酸塩(HCl)を投与したラットにおいて発生する抗侵害受容耐性の程度を比較することであった。二相性投与処方計画は皮下(SC)注入を用い、そしてSZO処方計画は皮下に埋め込んだALZET浸透圧ポンプを用いた。研究の賦形剤コントロールは、0.9%の食塩水であった。試験溶液は、食塩水に溶解したオキシコドンHClであった。
疼痛軽減(痛覚抑制)を評価するためにげっ歯類テイルフリックアッセイを用いた。このアッセイは、痛覚抑制およびオピオイド薬への耐性を評価するための十分に特性化されそして標準的な方法である(Cleary 1994,D’Armour & Smith 1941)。アッセイでは、げっ歯類を短時間拘束し、そして尾の先端に放射熱を加える。動物がその尾を振り動かすのにかかる時間を記録し;投与前の読み取りと比較したこの応答における遅延は、痛覚抑制を示唆する。
本研究において使用するテイルフリック潜時法は、D’Armour and Smith(1941)により記述されている最初の方法からのわずかな改変を有して、痛覚抑制を評価するために文献に以前に記述されているもの(Duttaroy & Yoburn 1995,Nielsen et al 2000)と同様であった。動物の尾に熱を加えるためにIITCモデル33テイルフリック疼痛軽減計測器を用いた(IITC Life Science,Woodland Hills,CA)。計測器は、以下の条件でプログラムした:
(1)活動(active)強度:75%(試験中の刺激光の強度);
(2)誘発温度:30℃(この温度は、日ごとのそして試験ごとのより均一な測定を与えるために動物の尾の予熱を可能にする);
(3)カットオフ時間:10秒(すなわち、試験の開始から組織損傷を防ぐために装置が試験を自動的に終わるまでの時間の長さ)。
動物をプレキシガラス拘束具において短時間拘束し、そして動物の尾の先端に放射熱を加えた(先端から約1〜2cm)。温度が30℃に達した後に、計測器は光強度を増加し、動物の尾に有害な刺激を与えた。動物がその尾を振り動かす秒単位の時間を各動物について記録した。動物が10秒(カットオフ時間)以内にその尾を振り動かさなかった場合、尾への損傷を最小限に抑えるために熱刺激を取り除いた。
3回の投与前読み取りを約5〜15分の間隔で各動物について行った。研究に使用する動物では、これらの投与前読み取りは、個々の動物について1秒より多く異ならなかった。同じ試験群内の動物の平均投与前読み取りは、約2秒より多く異ならなかった(範囲=2.02秒)。このようにして、測定の変動を減らし、従って、アッセイのダイナミックレンジを増やした。
テイルフリック潜時値は、以下の式:
%MPE=100x(ΔL/ΔLmax
[式中:
ΔL=投与後潜時−投与前潜時、そして
ΔLmax=カットオフ時間−投与前潜時]
を用いて最大可能効果のパーセンテージ(%MPE)に転化した。
2相性投与処方計画では、コンピューター制御のHarvardシリンジポンプを用いて動物に皮下注入した。試験もしくはコントロール溶液を約12時間離して2回のボーラスとして投与するように注入装置を運転するためにSTANPUMPコンピュータープログラム(STANPUMP 1998)を用いた。動物は、約7cmのPE10チューブとともに皮下に埋め込まれたカテーテルを有した。カテーテルの不測の除去を防ぐためにチューブを縫合および滅菌外科用皮膚接着剤で固定した。注入の開始の前に、チューブに注入剤(食塩水もしくはオキシコドン溶液)を満たした。
処置の間、動物はInstechテザリングシステム(tetheringsystem)につながれ、それはCovance注入ハーネスおよびInstech MTANKケージに取り付けられたカウンターバランスレバーアーム上に備え付けられたステンレス鋼デュアルチャンネルスイベルからなった。このテザリングシステムは、カテーテルを保護しながらラットがそれらのケージにおいて自由に歩き回ることを可能にした。ラットテザリングシステムは、送達中にラットに自由な可動性を与えながら外科的に埋め込んだカテーテルを保護するように設計された。注入中、動物は一匹ずつ収容され、そして餌および水への自由なアクセスを有した。約72時間の注入後に、テザリングシステムを分解し、縫合を切断し、そしてカテーテルを取り除いた。
各24時間の期間にわたって、注入処方計画は、2〜4時間および14〜16時間の間の2つのピーク(Cmax)、そして約12時間と24時間で2つのトラフ(Cmin)を有する、2相性プロフィールをもたらした。Cminに対するCmaxの比率は、3〜4の間であった。
SZO投与処方計画では、ALZET浸透圧ポンプ(モデル2ML1)を動物において皮下に埋め込んだ。ポンプが埋め込みでその定常状態ポンプ速度に到達しているためにポンプを37℃でオーブンにおいて0.9%の食塩水中で一晩プライミングした(DURECT 2003)。約72時間後に、ポンプを取り除いた。SZO投与では、ラットをつながなかった。
Charles River(Hollister,CA)から入手しそして少なくとも200gの重さがあるオスのスプラーグ・ドーリー(SD)ラットを実験に使用した。損傷したカテーテルを考慮するために余分の動物を二相性投与処方計画において用いたが、損傷したカテーテルを有する動物を置換するために十分な動物のみに+3日目に投与した。研究は、9 CFR 1〜3の動物保護規定およびGuide for the Care and Use of Laboratory Animals(National Research Council 1996)に従って行われた。
動物を4群に分け、そして−1日目に、各群を6つの亜群にさらに分け、そしてそれぞれ、皮下(SC)注入により0、0.25、0.5、0.75、1もしくは1.5mg/kgのオキシコドンを投与した。動物を注入後約15分で痛覚抑制(テイルフリック潜時)について試験した。0日目に、各群の動物を表11に従って処置した。
約72時間後に、賦形剤もしくはオキシコドンを注入するポンプを止め、そしてグループ1および2の動物からカテーテルを取り除き、そしてグループ3および4の動物からALZETポンプを取り除いた。注入の終了後6〜8時間の間に、グループ1〜4の各亜群にそれぞれ皮下(SC)注入により0、0.25、0.5、0.75、1もしくは3mg/kgのオキシコドンを投与した。動物を注入後約15分で痛覚抑制(テイルフリック潜時)について試験した。2相性およびSZO投与処方計画の両方で、72時間(3日)の試験期間にわたるオキシコドンの用量は、平均して約10mg/kg・dであり、すなわち、合計約30mg/kgが試験期間にわたって投与された。
これらの実験の結果を表12Aおよび12Bに、そして図17Aおよび17Bに示し、ここで、図17Aは表12Aおよび12Bのデータの全てをプロットし、一方、図17Bは0、0.25、0.5、0.75および1.0mg/kgのテイルフリック試験用量について+3日目のデータをプロットする。図17Aおよび17Bにおける曲線番号は、下記のものに対応する:
曲線154a:SZO−−−1日/食塩水群;
曲線154b:SZO−−+3日/食塩水群;
曲線156a:SZO−−−1日/オキシコドン群;
曲線156b:SZO−−+3日/オキシコドン群;
曲線158a:2相性−−−1日/食塩水群;
曲線158b:2相性−−+3日/食塩水群;
曲線160a:2相性−−−1日/オキシコドン群;
曲線160b:2相性−−+3日/オキシコドン群。
図17Bに最も明らかに示すことができるように、オキシコドンで3日間処置した群(曲線156bおよび160b)は、一般に、食塩水で3日間処置した群(曲線154bおよび158b)より同じテイルフリック試験用量に対して小さい%MPE値を有し、すなわち、同じテイルフリック試験用量が一般に、より小さい疼痛軽減効果を有し、従って、テイルフリックが起こる前により少ない潜時をもたらすように、オキシコドンで処置した動物はオキシコドンに耐性になった。
用量−効果曲線の検討により、全ての曲線が同じ式によりモデル化される可能性があるわけではないことが示唆される。また、+3日のデータを表す曲線は単調に増加せず、そして1mg/kgの試験用量で+3日の効果の4つ全ては50%未満の%MPEであり、従って、ED50の概算を困難にもしくは3mg/kgで認められるはるかに高い効果でさえ高い不確実さを有するようにする。
これらのモデリングの問題のために、別の方法を耐性の統計学的尺度を得るために採用した。研究設計は、−1日に1.5mg/kgを与えた動物に+3日に3.0mg/kgを与えたことを除いて、−1日および+3日に同じ試験用量のオキシコドンを与える各ラットを有した。直感的に、+3日および−1日での同じ試験の効果の間の差は、耐性の直接測定であるはずである。従って、統計分析を行うために0、0.25、0.5、0.75および1mg/kgで応答について試験したラットから集めたデータを使用した。
これらのラットについて、全体的な研究設計は(2)x(2)x(5)形式、すなわち:
(2)SZO投与処方計画対2相性投与処方計画
(2)オキシコドン処置対食塩水処置
(5)0mg/kg対0.25mg/kg対0.5mg/kg対0.75mg/kg対1.0mg/kgのテイルフリック試験
に従った。
(2)x(2)x(5)形式の分析に含まれるラットの総数は、158であった。データ(+3日と−1日との間の差)は、分散分析(ANOVA)法により分析した。完全分散モデルは、3つの主要な要素、それらの一次相互作用項目(term)およびそれらの二次相互作用項目、すなわち:
投与処方計画、
3日の処置、
テイルフリック試験用量、
投与処方計画x3日の処置、
投与処方計画xテイルフリック試験用量、
3日の処置xテイルフリック試験用量、および
投与処方計画x3日の処置xテイルフリック試験用量
からなった。
ANOVA分析は、SASソフトウェアで行った。ANOVAモデルにおける4つの相互作用項目のいずれも、また投与処方計画項目も、統計的に有意ではなかった(0.05で臨界α値を有する)。3日の処置(p=0.0039)およびテイルフリック試験用量(p<0.0001)の統計的に有意な効果があった。
従って、ANOVA分析により、耐性はオキシコドンで3日間処置したラット対食塩水で処置したものとの間で統計的に異なり、そして異なるテイルフリック試験用量で試験したラット間で異なるが、SZO投与処方計画対2相性投与処方計画で処置したラット間で統計的に有意に異ならないと結論付けられた。
完全ANOVAモデルにおける統計的に有意な相互作用項目の欠如のために、主要設計要素:投与処方計画、3日の処置、テイルフリック試験用量のみを含有する縮小ANOVAモデルを用いてデータをさらに分析した。このさらなる分析により、完全ANOVAモデルでの分析と同じ結論が示された。耐性は、オキシコドンおよび食塩水処置ラット間で(p=0.0035)、そして異なる用量のオキシコドンで処置したラット間で(p<0.0001)有意に異なった。しかしながら、耐性はこの場合も、SZO投与処方計画対2相性投与処方計画で処置したラット間で統計的に有意に異ならなかった。概算される平均耐性差は、オキシコドンおよび食塩水処置ラット間で−10.7%MPEであり、そしてSZO投与処方計画および2相性投与処方計画間で−3.2%MPEであった。−10.7%MPE差は0.05のα値で統計的に異なったが、−3.2%MPE値はそうではなかった。
SZO投与処方計画対2相性投与処方計画で処置したラット間の統計的に有意な差の欠如は、実質的にゼロ次の投与が2相性投与より耐性をもたらす可能性が高いという文献において示される懸念(上記に説明するBenziger et al.1997およびKaiko 1997を参照)と正反対である。この文献に基づいて、SZO投与処方計画で処置したラットは、2相性投与処方計画で処置したものより多くの耐性を統計的に有意なレベルで示すと予想されているが、そのような統計的に有意な差は見出されなかった。
前述の事項から、本発明は、数日より多くにわたってオピオイドを必要とする患者における中等度から重度の疼痛の軽減用にオキシコドンおよび/または1種もしくはそれ以上のその製薬学的に許容しうる塩の1日1回の投与を与えるために適当な投与形態物を提供することが分かる。現在のIRおよびCRオキシコドン製剤より優れた1日1回の投与の潜在的利点には、向上した利便性、より良好なコンプライアンス、より簡単な投与処方計画、および24時間の期間にわたってより少ない不都合な事象でより一貫した疼痛軽減が包含される。
本発明の特定の態様が記述されそして説明されているが、本発明の範囲および精神からそれない様々な改変は、前述の開示から当業者に明らかであることが理解されるべきである。
参考文献
上記の様々な文献の引用を以下に記載する。これらの文献、ならびに本明細書の他の部分で参照されるものの内容は、引用することにより本明細書に組み込まれる。
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本発明の実施において使用することができる投与形態物の1つのタイプを説明する。被験体への投与前の投与形態物を図1に示す。 開いた断面における図1の投与形態物の第一の態様を説明する。示されるように、投与形態物は、内蔵された製薬学的に許容しうる治療オキシコドン組成物を含んでなる。 開いた断面における図1の投与形態物の第二の態様を説明する。示されるように、投与形態物は、内蔵された製薬学的に許容しうる治療オキシコドン組成物および投与形態物から製薬学的オキシコドン組成物を押し出すための手段を含んでなる別個のそして接触する置換組成物を含んでなる。 製薬学的に許容しうる治療オキシコドン組成物の即時放出オーバーコートをさらに含む投与形態物を説明する。 実質的にゼロ次の(SZO)放出速度(曲線100)、迅速続いて持続放出速度(曲線102)および持続続いて迅速放出速度(曲線104)についてシミュレーションした単回投与血漿濃度のプロットである。 本発明の投与形態物の好ましい累積放出範囲のプロットである。縦軸は、オキシコドンおよび/または1種もしくはそれ以上のその製薬学的に許容しうる酸付加塩の累積放出パーセント(例えば、規制認可を受けている投与形態物の表示量(label claim)の%)をプロットし、そして横軸は時間をプロットする。 実施例1において「迅速システム」として同定される17mgのオキシコドンHCl投与形態物のインビトロ放出プロフィールのプロットである。図7A(曲線106)は、時間当たり放出されるパーセント(例えば、時間当たり放出される表示量の%)をプロットし、一方、図7B(曲線108)はパーセント単位の累積放出(例えば、表示量の累積%)をプロットする。 実施例1において「持続システム」として同定される17mgのオキシコドンHCl投与形態物のインビトロ放出プロフィールのプロットである。図8A(曲線110)は、時間当たり放出されるパーセント(例えば、時間当たり放出される表示量の%)をプロットし、一方、図8B(曲線112)はパーセント単位の累積放出(例えば、表示量の累積%)をプロットする。 実施例2の20mgのオキシコドンHCl投与形態物のインビトロ放出プロフィールのプロットである。図9A(曲線114)は、時間当たり放出されるパーセント(例えば、時間当たり放出される表示量の%)をプロットし、一方、図9B(曲線116)はパーセント単位の累積放出(例えば、表示量の累積%)をプロットする。 実施例3の80mgのオキシコドンHCl投与形態物のインビトロ放出プロフィールのプロットである。図10A(曲線118)は、時間当たり放出されるパーセント(例えば、時間当たり放出される表示量の%)をプロットし、一方、図10B(曲線120)はパーセント単位の累積放出(例えば、表示量の累積%)をプロットする。 プラシーボ(曲線122)、モルヒネ(曲線124)もしくは実施例2の投与形態物(曲線126)を与えた健康な男性被験体の時間単位の時間に対するミリメートル(mm)単位の瞳孔直径のプロットである。 実施例2の投与形態物を与えた健康な男性被験体の時間単位の時間に対するオキシコドン(曲線128)、ノルオキシコドン(曲線130)およびオキシモルホン(曲線132)のナノグラム/ミリリットル(ng/mL)単位の血漿濃度のプロットである。 即時放出(IR)投与(q6h)のシミュレーションした薬物動態、特に単回投与血漿濃度(曲線134)、ならびに実施例2の投与形態物の実験データおよびそのデータへの最適曲線(曲線136)のプロットである。 即時放出(IR)投与(q6h)(曲線140)、オキシコンチン2相性投与(曲線138)、および実施例2のオーバーコート/持続放出薬剤分布、すなわち、オーバーコートに薬剤の5%を有する投与形態物を用いる実質的にゼロ次の/1日1回の(SZO−24)投与(曲線142)のシミュレーションした薬物動態、特に定常状態血漿濃度のプロットである。この図におけるy軸は、オキシコドン濃度を示す。 即時放出(IR)投与(q6h)(曲線144;n=16)、実施例1において「迅速システム」として同定される17mgのオキシコドンHCl投与形態物での投与(曲線146;n=17)、および実施例1において「持続システム」として同定される17mgのオキシコドンHCl投与形態物での投与(曲線148;n=17)の平均インビボ血漿オキシコドン濃度プロフィールのプロットである。図15Aは単回投与プロフィールを示し、そして図15Bは定常状態プロフィールを示す。データ点と関連するエラーバーは、一方向に標準偏差(SD)を示す。 実施例3の80mgのオキシコドンHCl投与形態物での実質的にゼロ次の(SZO)投与(曲線150;n=37)、および40mgのオキシコンチン錠剤での2相性投与(曲線152;n=38)の平均インビボ血漿オキシコドン濃度プロフィールのプロットである。図16Aは単回投与および定常状態プロフィールを示し、図16Bおよび16Cは単回投与プロフィールを示し、そして図16Dは定常状態プロフィールを示す。データ点と関連するエラーバーは、一方向に標準偏差(SD)を示す。 表12Aおよび12Bのデータのプロットであり、図17Aはこれらの表のデータの全てをプロットし、そして図17Bは0、0.25、0.5、0.75および1.0mg/kgのテイルフリック試験用量の+3日データをプロットする。

Claims (106)

  1. (i)オキシコドン、
    (ii)オキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩、または
    (iii)オキシコドンとオキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩の組み合わせ
    の用量Dを含んでなるヒト患者への1日1回の経口投与のための制御放出オキシコドン製剤であって、該製剤が、関係:
    3.5x10−4リットル−1 max/D6.8x10−4リットル−1、および
    7.6x10−3時間/リットルAUC0〜48/D16.7x10−3時間/リットル
    を満たす(a)平均、単回投与、最大血漿濃度Cmaxおよび(b)0〜48時間の血漿濃度−時間曲線下の平均、単回投与、面積AUC0〜48を与え、
    該製剤が、患者への投与後に約24時間もしくはそれ以上にわたって疼痛軽減を与える制御放出オキシコドン製剤。
  2. maxおよびAUC0〜48が、1種もしくはそれ以上のオピオイドアンタゴニストが投与された個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項1の製剤。
  3. maxおよびAUC0〜48が、ナルトレキソンが投与された個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項1の製剤。
  4. maxおよびAUC0〜48が、オピオイドアンタゴニストを投与されていない個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項1の製剤。
  5. maxおよびAUC0〜48が、ナルトレキソンを投与されていない個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項1の製剤。
  6. 該製剤が、関係:
    max 17時間
    を満たす最大血漿濃度までの平均、単回投与、時間Tmaxを与える請求項1、2もしくは4の製剤。
  7. maxが関係:
    max 18時間
    を満たす請求項6の製剤。
  8. maxが関係:
    max 19時間
    を満たす請求項6の製剤。
  9. 該製剤が最大血漿濃度までの平均、単回投与、時間Tmaxを与え、そしてD、CmaxおよびTmaxが関係:
    max/(Tmax・D)3x10−4(リットル・時間)−1
    を満たす請求項1、2もしくは4の製剤。
  10. D、CmaxおよびTmaxが関係:
    2x10−5(リットル・時間)−1 max/(Tmax・D)6x10−5(リットル・時間)−1
    を満たす請求項9の製剤。
  11. 該製剤が、関係:
    AUC12〜24/AUC0〜12>1.0
    を満たす0〜12時間の血漿濃度−時間曲線下の平均、単回投与、面積AUC0〜12、および12〜24時間のAUC12〜24を与える請求項1、2もしくは4の製剤。
  12. AUC0〜12およびAUC12〜24が関係:
    AUC12〜24/AUC0〜12>1.5
    を満たす請求項11の製剤。
  13. AUC0〜12およびAUC12〜24が関係:
    AUC12〜24/AUC0〜12>1.7
    を満たす請求項11の製剤。
  14. AUC0〜12およびAUC12〜24が関係:
    AUC12〜24/AUC0〜12>2.0
    を満たす請求項11の製剤。
  15. (a)用量が即時放出用の第一の成分および持続放出用の第二の成分を含んでなり;そして
    (b)第一および第二の成分の合計に対する第一の成分の重量比Wが約0.25未満である
    請求項1、2もしくは4の製剤。
  16. Dが約20mgであり、そしてWが約0.05である請求項15の製剤。
  17. (i)オキシコドン、
    (ii)オキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩、または
    (iii)オキシコドンとオキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩の組み合わせ
    の用量Dを含んでなるヒト患者への1日1回の経口投与のための制御放出オキシコドン製剤であって、
    (a)製剤が24時間もしくはそれ以上にわたって実質的に単調に増加する平均、単回投与、血漿濃度プロフィールを与え;
    (b)製剤が、関係:
    7.6x10−3時間/リットルAUC0〜48/D16.7x10−3時間/リットル
    を満たす0〜48時間の血漿濃度−時間曲線下の平均、単回投与、面積AUC0〜48を与え;そして
    (c)製剤が患者への投与後に約24時間もしくはそれ以上にわたって疼痛軽減を与える制御放出オキシコドン製剤。
  18. AUC0〜48および平均、単回投与、血漿濃度プロフィールが、1種もしくはそれ以上のオピオイドアンタゴニストが投与された個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項17の製剤。
  19. AUC0〜48および平均、単回投与、血漿濃度プロフィールが、ナルトレキソンが投与された個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項17の製剤。
  20. AUC0〜48および平均、単回投与、血漿濃度プロフィールが、オピオイドアンタゴニストを投与されていない個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項17の製剤。
  21. AUC0〜48および平均、単回投与、血漿濃度プロフィールが、ナルトレキソンを投与されていない個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項17の製剤。
  22. 平均、単回投与、血漿濃度プロフィールが、第一の上昇相(first rising phase)および第二の相を含んでなり、ここで、第一の上昇相の傾きが第二の相の傾きの大きさより大きい請求項17、18もしくは20の製剤。
  23. 第一の上昇相と第二の相との間の移行が12〜16時間の間に起こる請求項22の製剤。
  24. 第一の上昇相が第一の副相(subphase)および第二の副相を含んでなり、ここで、第一の副相が第二の副相より速く上昇する請求項23の製剤。
  25. 第一の副相と第二の副相との間の移行が1〜3時間の間に起こる請求項24の製剤。
  26. (a)用量が即時放出用の第一の成分および持続放出用の第二の成分を含んでなり;そして
    (b)第一および第二の成分の合計に対する第一の成分の重量比Wが約0.25未満である
    請求項17、18もしくは20の製剤。
  27. Dが約20mgであり、そしてWが約0.05である請求項26の製剤。
  28. (i)オキシコドン、
    (ii)オキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩、または
    (iii)オキシコドンとオキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩の組み合わせ
    の用量Dを含んでなるヒト患者への1日1回の経口投与のための制御放出オキシコドン製剤であって、該製剤が、関係:
    2.7x10−4リットル−1 12/D5.7x10−4リットル−1、および
    7.6x10−3時間/リットルAUC0〜48/D16.7x10−3時間/リットル
    を満たす(a)平均、単回投与、12時間血漿濃度C12および(b)0〜48時間の血漿濃度−時間曲線下の平均、単回投与、面積AUC0〜48を与え、
    該製剤が患者への投与後に約24時間もしくはそれ以上にわたって疼痛軽減を与える制御放出オキシコドン製剤。
  29. 12およびAUC0〜48が、1種もしくはそれ以上のオピオイドアンタゴニストが投与された個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項28の製剤。
  30. 12およびAUC0〜48が、ナルトレキソンが投与された個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項28の製剤。
  31. 12およびAUC0〜48が、オピオイドアンタゴニストを投与されていない個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項28の製剤。
  32. 12およびAUC0〜48が、ナルトレキソンを投与されていない個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項28の製剤。
  33. (a)用量が即時放出用の第一の成分および持続放出用の第二の成分を含んでなり;そして
    (b)第一および第二の成分の合計に対する第一の成分の重量比Wが約0.25未満である
    請求項28、29もしくは31の製剤。
  34. Dが約20mgであり、そしてWが約0.05である請求項33の製剤。
  35. (i)オキシコドン、
    (ii)オキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩、または
    (iii)オキシコドンとオキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩の組み合わせ
    の用量Dを含んでなるヒト患者への1日1回の経口投与のための制御放出オキシコドン製剤であって、該製剤が、関係:
    AUC0〜6/AUC0〜24>0.18
    AUC6〜12/AUC0〜24>0.18
    AUC12〜18/AUC0〜24>0.18、および
    AUC18〜24/AUC0〜24>0.18
    を満たす0〜6時間の血漿濃度−時間曲線下の平均、定常状態、面積AUC0〜6、6〜12時間のAUC6〜12、12〜18時間のAUC12〜18、18〜24時間のAUC18〜24、および0〜24時間のAUC0〜24を与え、
    該製剤が患者への投与後に約24時間もしくはそれ以上にわたって疼痛軽減を与える制御放出オキシコドン製剤。
  36. AUC0〜6、AUC6〜12、AUC12〜18、AUC18〜24およびAUC0〜24が、1種もしくはそれ以上のオピオイドアンタゴニストが投与された個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項35の製剤。
  37. AUC0〜6、AUC6〜12、AUC12〜18、AUC18〜24およびAUC0〜24が、ナルトレキソンが投与された個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項35の製剤。
  38. AUC0〜6、AUC6〜12、AUC12〜18、AUC18〜24およびAUC0〜24が、オピオイドアンタゴニストを投与されていない個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項35の製剤。
  39. AUC0〜6、AUC6〜12、AUC12〜18、AUC18〜24およびAUC0〜24が、ナルトレキソンを投与されていない個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項35の製剤。
  40. AUC0〜6、AUC6〜12、AUC12〜18、AUC18〜24およびAUC0〜24が、関係:
    AUC0〜6/AUC0〜24>0.20
    AUC6〜12/AUC0〜24>0.20
    AUC12〜18/AUC0〜24>0.20、および
    AUC18〜24/AUC0〜24>0.20
    を満たす請求項35、36もしくは38の製剤。
  41. AUC0〜6/AUC0〜24、AUC6〜12/AUC0〜24、AUC12〜18/AUC0〜24およびAUC18〜24/AUC0〜24の任意の2つの間の差の大きさが0.05以下である請求項35、36もしくは38の製剤。
  42. AUC0〜6/AUC0〜24とAUC6〜12/AUC0〜24
    AUC6〜12/AUC0〜24とAUC12〜18/AUC0〜24
    AUC12〜18/AUC0〜24とAUC18〜24/AUC0〜24、および
    AUC18〜24/AUC0〜24とAUC0〜6/AUC0〜24の各々の間の差の大きさが0.03以下である請求項41の製剤。
  43. AUC0〜6/AUC0〜24とAUC6〜12/AUC0〜24
    AUC6〜12/AUC0〜24とAUC12〜18/AUC0〜24
    AUC12〜18/AUC0〜24とAUC18〜24/AUC0〜24、および
    AUC18〜24/AUC0〜24とAUC0〜6/AUC0〜24の各々の間の差の大きさが0.03以下である請求項35、36もしくは38の製剤。
  44. (a)用量が即時放出用の第一の成分および持続放出用の第二の成分を含んでなり;そして
    (b)第一および第二の成分の合計に対する第一の成分の重量比Wが約0.25未満である
    請求項35、36もしくは38の製剤。
  45. Dが約20mgであり、そしてWが約0.05である請求項44の製剤。
  46. (i)オキシコドン、
    (ii)オキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩、または
    (iii)オキシコドンとオキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩の組み合わせ
    の用量Dを含んでなるヒト患者への1日1回の経口投与のための制御放出オキシコドン製剤であって、該製剤が、
    (a)用量の0〜20%が0〜2時間で放出され;
    (b)用量の30〜65%が0〜12時間で放出され;そして
    (c)用量の80〜100%が0〜24時間で放出される
    インビトロ放出プロフィールを有し;
    放出プロフィールが、37℃で恒温水槽においてUSPタイプVII槽インデクサー(bath indexer)を用いて決定され、そして該製剤が患者への投与後に約24時間もしくはそれ以上にわたって疼痛軽減を与える制御放出オキシコドン製剤。
  47. 用量の33〜63%が0〜12時間で放出される請求項46の製剤。
  48. (a)用量が即時放出用の第一の成分および持続放出用の第二の成分を含んでなり;そして
    (b)第一および第二の成分の合計に対する第一の成分の重量比Wが約0.25未満である
    請求項46の製剤。
  49. Dが約20mgであり、そしてWが約0.05である請求項48の製剤。
  50. (i)オキシコドン、
    (ii)オキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩、または
    (iii)オキシコドンとオキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩の組み合わせ
    の用量Dを含んでなるヒト患者への1日1回の経口投与のための制御放出オキシコドン製剤であって、
    (a)用量が即時放出用の第一の成分および持続放出用の第二の成分を含んでなり;そして
    (b)第一および第二の成分の合計に対する第一の成分の重量比Wが約0.25未満である制御放出オキシコドン製剤。
  51. Wが約0.10未満である請求項50の製剤。
  52. Wが約0.05以下である請求項50の製剤。
  53. Dが約20mgであり、そしてWが約0.05である請求項50の製剤。
  54. (i)オキシコドン、
    (ii)オキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩、または
    (iii)オキシコドンとオキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩の組み合わせ
    の用量Dを含んでなる制御放出投与形態物を1日1回に基づいてヒト患者に経口投与することを含んでなるヒトにおける疼痛を処置する方法であって、該投与形態物が、関係:
    3.5x10−4リットル−1 max/D6.8x10−4リットル−1、および
    7.6x10−3時間/リットルAUC0〜48/D16.7x10−3時間/リットル
    を満たす(a)平均、単回投与、最大血漿濃度Cmaxおよび(b)0〜48時間の血漿濃度−時間曲線下の平均、単回投与、面積AUC0〜48を与え、
    投与形態物が患者への投与後に約24時間もしくはそれ以上にわたって疼痛軽減を与える方法。
  55. maxおよびAUC0〜48が、1種もしくはそれ以上のオピオイドアンタゴニストが投与された個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項54の方法。
  56. maxおよびAUC0〜48が、ナルトレキソンが投与された個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項54の方法。
  57. maxおよびAUC0〜48が、オピオイドアンタゴニストを投与されていない個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項54の方法。
  58. maxおよびAUC0〜48が、ナルトレキソンを投与されていない個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項54の方法。
  59. 投与形態物が、関係:
    max 17時間
    を満たす最大血漿濃度までの平均、単回投与、時間Tmaxを与える請求項54、55もしくは57の方法。
  60. maxが関係:
    max 18時間
    を満たす請求項59の方法。
  61. maxが関係:
    max 19時間
    を満たす請求項59の方法。
  62. 投与形態物が最大血漿濃度までの平均、単回投与、時間Tmaxを与え、そしてD、CmaxおよびTmaxが関係:
    max/(Tmax・D)3x10−4(リットル・時間)−1
    を満たす請求54、55もしくは57の方法。
  63. D、CmaxおよびTmaxが関係:
    2x10−5(リットル・時間)−1 max/(Tmax・D)6x10−5(リットル・時間)−1
    を満たす請求項62の方法。
  64. 投与形態物が、関係:
    AUC12〜24/AUC0〜12>1.0
    を満たす0〜12時間の血漿濃度−時間曲線下の平均、単回投与、面積AUC0〜12、および12〜24時間のAUC12〜24を与える請求項54、55もしくは57の方法。
  65. AUC0〜12およびAUC12〜24が関係:
    AUC12〜24/AUC0〜12>1.5
    を満たす請求項64の方法。
  66. AUC0〜12およびAUC12〜24が関係:
    AUC12〜24/AUC0〜12>1.7
    を満たす請求項64の方法。
  67. AUC0〜12およびAUC12〜24が関係:
    AUC12〜24/AUC0〜12>2.0
    を満たす請求項64の方法。
  68. (a)用量が即時放出用の第一の成分および持続放出用の第二の成分を含んでなり;そして
    (b)第一および第二の成分の合計に対する第一の成分の重量比Wが約0.25未満である
    請求項54、55もしくは57の方法。
  69. Dが約20mgであり、そしてWが約0.05である請求項68の方法。
  70. (i)オキシコドン、
    (ii)オキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩、または
    (iii)オキシコドンとオキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩の組み合わせ
    の用量Dを含んでなる制御放出投与形態物を1日1回に基づいてヒト患者に経口投与することを含んでなるヒトにおける疼痛を処置する方法であって、
    (a)投与形態物が、24時間もしくはそれ以上にわたって実質的に単調に増加する平均、単回投与、血漿濃度プロフィールを与え;
    (b)投与形態物が、関係:
    7.6x10−3時間/リットルAUC0〜48/D16.7x10−3時間/リットル
    を満たす0〜48時間の血漿濃度−時間曲線下の平均、単回投与、面積AUC0〜48を与え;そして
    (c)投与形態物が患者への投与後に約24時間もしくはそれ以上にわたって疼痛軽減を与える方法。
  71. AUC0〜48および平均、単回投与、血漿濃度プロフィールが、1種もしくはそれ以上のオピオイドアンタゴニストが投与された個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項70の方法。
  72. AUC0〜48および平均、単回投与、血漿濃度プロフィールが、ナルトレキソンが投与された個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項70の方法。
  73. AUC0〜48および平均、単回投与、血漿濃度プロフィールが、オピオイドアンタゴニストを投与されていない個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項70の方法。
  74. AUC0〜48および平均、単回投与、血漿濃度プロフィールが、ナルトレキソンを投与されていない個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項70の方法。
  75. 平均、単回投与、血漿濃度プロフィールが、第一の上昇相および第二の相を含んでなり、ここで、第一の上昇相の傾きが第二の相の傾きの大きさより大きい請求項70、71もしくは73の方法。
  76. 第一の上昇相と第二の相との間の移行が12〜16時間の間に起こる請求項75の方法。
  77. 第一の上昇相が第一の副相および第二の副相を含んでなり、ここで、第一の副相が第二の副相より速く上昇する請求項76の方法。
  78. 第一の副相と第二の副相との間の移行が1〜3時間の間に起こる請求項77の方法。
  79. (a)用量が即時放出用の第一の成分および持続放出用の第二の成分を含んでなり;そして
    (b)第一および第二の成分の合計に対する第一の成分の重量比Wが約0.25未満である
    請求項70、71もしくは73の方法。
  80. Dが約20mgであり、そしてWが約0.05である請求項79の方法。
  81. (i)オキシコドン、
    (ii)オキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩、または
    (iii)オキシコドンとオキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩の組み合わせ
    の用量Dを含んでなる制御放出投与形態物を1日1回に基づいてヒト患者に経口投与することを含んでなるヒトにおける疼痛を処置する方法であって、
    該投与形態物が、関係:
    2.7x10−4リットル−1 12/D5.7x10−4リットル−1、および
    7.6x10−3時間/リットルAUC0〜48/D16.7x10−3時間/リットル
    を満たす(a)平均、単回投与、12時間血漿濃度C12および(b)0〜48時間の血漿濃度−時間曲線下の平均、単回投与、面積AUC0〜48を与え、
    当該投与形態物が患者への投与後に約24時間もしくはそれ以上にわたって疼痛軽減を与える方法。
  82. 12およびAUC0〜48が、1種もしくはそれ以上のオピオイドアンタゴニストが投与された個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項81の方法。
  83. 12およびAUC0〜48が、ナルトレキソンが投与された個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項81の方法。
  84. 12およびAUC0〜48が、オピオイドアンタゴニストを投与されていない個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項81の方法。
  85. 12およびAUC0〜48が、ナルトレキソンを投与されていない個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項81の方法。
  86. (a)用量が即時放出用の第一の成分および持続放出用の第二の成分を含んでなり;そして
    (b)第一および第二の成分の合計に対する第一の成分の重量比Wが約0.25未満である
    請求項81、82もしくは84の方法。
  87. Dが約20mgであり、そしてWが約0.05である請求項86の方法。
  88. (i)オキシコドン、
    (ii)オキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩、または
    (iii)オキシコドンとオキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩の組み合わせ
    の用量Dを含んでなる制御放出投与形態物を1日1回に基づいてヒト患者に経口投与することを含んでなるヒトにおける疼痛を処置する方法であって、該投与形態物が、関係:
    AUC0〜6/AUC0〜24>0.18
    AUC6〜12/AUC0〜24>0.18
    AUC12〜18/AUC0〜24>0.18、および
    AUC18〜24/AUC0〜24>0.18
    を満たす0〜6時間の血漿濃度−時間曲線下の平均、定常状態、面積AUC0〜6、6〜12時間のAUC6〜12、12〜18時間のAUC12〜18、18〜24時間のAUC18〜24、および0〜24時間のAUC0〜24を与え、
    該投与形態物が患者への投与後に約24時間もしくはそれ以上にわたって疼痛軽減を与える方法。
  89. AUC0〜6、AUC6〜12、AUC12〜18、AUC18〜24およびAUC0〜24が、1種もしくはそれ以上のオピオイドアンタゴニストが投与された個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項88の方法。
  90. AUC0〜6、AUC6〜12、AUC12〜18、AUC18〜24およびAUC0〜24が、ナルトレキソンが投与された個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項88の方法。
  91. AUC0〜6、AUC6〜12、AUC12〜18、AUC18〜24およびAUC0〜24が、オピオイドアンタゴニストを投与されていない個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項88の方法。
  92. AUC0〜6、AUC6〜12、AUC12〜18、AUC18〜24およびAUC0〜24が、ナルトレキソンを投与されていない個体からの血漿サンプルを用いて決定される請求項88の方法。
  93. AUC0〜6、AUC6〜12、AUC12〜18、AUC18〜24およびAUC0〜24が関係:
    AUC0〜6/AUC0〜24>0.20
    AUC6〜12/AUC0〜24>0.20
    AUC12〜18/AUC0〜24>0.20、および
    AUC18〜24/AUC0〜24>0.20
    を満たす請求項88、89もしくは91の方法。
  94. AUC0〜6/AUC0〜24、AUC6〜12/AUC0〜24、AUC12〜18/AUC0〜24およびAUC18〜24/AUC0〜24の任意の2つの間の差の大きさが0.05以下である請求項88、89もしくは91の方法。
  95. AUC0〜6/AUC0〜24とAUC6〜12/AUC0〜24
    AUC6〜12/AUC0〜24とAUC12〜18/AUC0〜24
    AUC12〜18/AUC0〜24とAUC18〜24/AUC0〜24、および
    AUC18〜24/AUC0〜24とAUC0〜6/AUC0〜24の各々の間の差の大きさが0.03以下である請求項94の方法。
  96. AUC0〜6/AUC0〜24とAUC6〜12/AUC0〜24
    AUC6〜12/AUC0〜24とAUC12〜18/AUC0〜24
    AUC12〜18/AUC0〜24とAUC18〜24/AUC0〜24、および
    AUC18〜24/AUC0〜24とAUC0〜6/AUC0〜24の各々の間の差の大きさが0.03以下である請求項88、89もしくは91の方法。
  97. (a)用量が即時放出用の第一の成分および持続放出用の第二の成分を含んでなり;そして
    (b)第一および第二の成分の合計に対する第一の成分の重量比Wが約0.25未満である
    請求項88、89もしくは91の方法。
  98. Dが約20mgであり、そしてWが約0.05である請求項97の方法。
  99. (i)オキシコドン、
    (ii)オキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩、または
    (iii)オキシコドンとオキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩の組み合わせ
    の用量Dを含んでなる制御放出投与形態物を1日1回に基づいてヒト患者に経口投与することを含んでなるヒトにおける疼痛を処置する方法であって、該投与形態物が患者への投与後に24時間もしくはそれ以上にわたって疼痛軽減を与え、そして:
    (a)用量の0〜20%が0〜2時間で放出され;
    (b)用量の30〜65%が0〜12時間で放出され;そして
    (c)用量の80〜100%が0〜24時間で放出される
    インビトロ放出プロフィールを有し;
    放出プロフィールが、37℃で恒温水槽においてUSPタイプVII槽インデクサーを用いて決定される方法。
  100. 用量の33〜63%が0〜12時間で放出される請求項99の方法。
  101. (a)用量が即時放出用の第一の成分および持続放出用の第二の成分を含んでなり;そして
    (b)第一および第二の成分の合計に対する第一の成分の重量比Wが約0.25未満である
    請求項99の方法。
  102. Dが約20mgであり、そしてWが約0.05である請求項101の方法。
  103. (i)オキシコドン、
    (ii)オキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩、または
    (iii)オキシコドンとオキシコドンの1種もしくはそれ以上の製薬学的に許容しうる酸付加塩の組み合わせ
    の用量Dを含んでなる制御放出投与形態物を1日1回に基づいてヒト患者に経口投与することを含んでなるヒトにおける疼痛を処置する方法であって、
    (a)用量が即時放出用の第一の成分および持続放出用の第二の成分を含んでなり;
    (b)第一および第二の成分の合計に対する第一の成分の重量比Wが約0.25未満であり;そして
    (c)投与形態物が患者への投与後に24時間もしくはそれ以上にわたって疼痛軽減を与える方法。
  104. Wが約0.10未満である請求項103の方法。
  105. Wが約0.05以下である請求項103の方法。
  106. Dが約20mgであり、そしてWが約0.05である請求項103の方法。
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