JP2007505140A - インスリン様成長因子−1(igf−1)欠損症の治療法 - Google Patents

インスリン様成長因子−1(igf−1)欠損症の治療法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007505140A
JP2007505140A JP2006526350A JP2006526350A JP2007505140A JP 2007505140 A JP2007505140 A JP 2007505140A JP 2006526350 A JP2006526350 A JP 2006526350A JP 2006526350 A JP2006526350 A JP 2006526350A JP 2007505140 A JP2007505140 A JP 2007505140A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
igf
subject
normal
treatment
subjects
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006526350A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4738337B2 (ja
Inventor
ロス ジー. クラーク
Original Assignee
テルシカ インコーポレーティッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by テルシカ インコーポレーティッド filed Critical テルシカ インコーポレーティッド
Publication of JP2007505140A publication Critical patent/JP2007505140A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4738337B2 publication Critical patent/JP4738337B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/17Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • A61K38/22Hormones
    • A61K38/30Insulin-like growth factors, i.e. somatomedins, e.g. IGF-1, IGF-2
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P5/00Drugs for disorders of the endocrine system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P5/00Drugs for disorders of the endocrine system
    • A61P5/48Drugs for disorders of the endocrine system of the pancreatic hormones
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2333/00Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature
    • G01N2333/435Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature from animals; from humans
    • G01N2333/575Hormones
    • G01N2333/65Insulin-like growth factors (Somatomedins), e.g. IGF-1, IGF-2
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2800/00Detection or diagnosis of diseases
    • G01N2800/04Endocrine or metabolic disorders

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Endocrinology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

本発明は、インスリン様成長因子-1欠損症(IGFD)を有するヒト患者において、成長速度を増加するか、症状を緩和するか、または代謝を改善する方法および組成物を提供する。本発明は、IGF-1による治療時または治療開始前に、同じ年齢および性別の対象の正常平均を少なくとも約2標準偏差下回る身長、IGF-1による治療時または治療開始前に、正常平均レベルを下回る、通常、年齢および性別の正常平均レベルを少なくとも約1標準偏差下回るインスリン様成長因子-1の血中レベルを有する患者へ、インスリン様成長因子-Iを投与する段階を含む方法に関連している。

Description

発明の技術分野
本発明は、インスリン様成長因子-1欠損症を有するヒト患者の成長速度を増加するか、症状を緩和するか、または代謝を改善する方法および組成物に関する。なお、本出願は、2003年9月12日に出願された、その全体が参照として本明細書に組入れられている、米国特許仮出願第60/502,579号の恩典を請求するものである。
発明の背景
アメリカ小児科学会(AAP)およびアメリカ臨床内分泌学会(AACE)は、低身長症を、身長を基に、平均集団身長の2より大きい標準偏差を下回るものとして定義している。低身長症の子供は、同様の年齢および性別の小児の97.5%よりも低く、典型的には男子について約5フィート4インチ(162cm)および女子について4フィート11インチ(150cm)を超えない最終の成人身長に達する。小児内分泌医の評価により、米国においては380,000名の子供が、低身長症と称されると推定されている。
評価および治療可能性に関して照会された低身長症の子供は、数十年に及ぶ鋭意研究(dedicated research)にも関わらず、専門家にジレンマをもたらし続けている。成長不良の原因が明らかでない患者について、通常最初に正常変動間で識別するために精密検診(workup)が続き、ここで子供は、その家族の身長と調和した成人身長、および病的状態に達する。推定成人身長も低い顕著な低身長症症例においては、成長ホルモン(GH)-インスリン様成長因子(IGF)軸の状態を試験することが必要となることが多い。
GH-IGF軸の異常を有する患者は、多くの可能な病因を有する。これらの患者は、GH欠損症(GHD)を示すことがあり、時には視床下部または下垂体に影響を及ぼす先天性または後天性の中枢神経(CNS)障害が原因であり、これには小児における低IGF-1レベルがほとんど常に随伴する。あるいはこれらの患者は、一見したところ正常なGH分泌であるにもかかわらず、低IGF-1レベルに関連した「原発性IGF欠損症」を示す。IGF-1はGHの身長作用の必須のメディエーターであるので、原発性IGF欠損症は、GH欠損症に類似した臨床の転帰を有し得る。このような原発性IGF欠損症症例は、それ以外は健常であり栄養の良い患者において、おそらくGH分泌の下流のGH-IGF軸のどこかの欠損により引き起こされるであろう。この種のGH不応は、現在のところほとんどの症例において説明がなされていないが、これは特発性低身長症(ISS)の小児および成人の1〜5%におけるGH受容体の細胞外ドメインに影響する変異、Stat5bの変異、酸不安定なサブユニット(ALS)の変異、またはIGF-1遺伝子それ自身の変異もしくは多型に関連している。
GH欠損症は、低身長症に関し、ならびに成人における身体組成、骨密度、心仕事量および健康に関し、GH代償療法(replacement therapy)が必要な疾患として十分に認識される。対照的に、正常なGH分泌の存在下での低IGFレベルは通常、ラロン症候群または成長ホルモン不応症候群(GHIS)として認められる稀な疾患にのみ関連している。
ほとんどのラロン症候群またはGHISの患者は、成長ホルモン受容体結合活性が欠乏し、かつ血中のGH結合タンパク質(GHBP)活性を有さないか、または非常に低い。このような患者は、平均身長標準偏差スコア(SDS)が約-5〜-6であり、GH治療に抵抗性があり、増加したGH血清濃度および低いインスリン様成長因子(IGF-1)血清濃度を有する。これらの患者は、小児のようにIGF-1による治療に反応し身長成長を示す。
部分的GH受容体欠損に起因した低身長症疾患は、伝統的に主として、低いIGF-1レベルよりもむしろ低いGHBPレベルを特徴とする疾患として見られており、IGF-1レベルは、正常範囲の下限であるに過ぎない。特にこの患者は、対応する年齢および性別の正常平均を少なくとも約2またはそれよりも大きい標準偏差下回る(平均を少なくとも-2.0SD下回る)身長、正常平均レベルを少なくとも2標準偏差下回る高親和性成長ホルモン結合タンパク質の血清レベル、正常平均のレベルを下回るIGF-1血清レベル、および少なくとも正常な成長ホルモンの血清レベルを有すると定義される。
この低身長症に影響を及ぼす様々な要因の分類の重要性は、1)IGF-1欠損およびGH欠損、ならびに2)IGF-1欠損および十分なGH、であるような相対数の患者において認められる。最近の文献は、より多くの小児および成人が、IGF-1欠損および十分なGHであるよりも、GH欠損に起因したIGF-1欠損であることを推定している。
GH欠損症(GHD)とは異なり、IGF-1欠損症(IGFD)は、内分泌起源の疾患としては認められず理解もされておらず、および代償療法も必要とされていない。従って当該技術分野において、ラロン症候群または部分的成長ホルモン不応症候群(partial growth hormone insensitivity)を有さないIGF-1欠損症の小児および成人を治療する方法が依然として必要とされている。本発明はこれらの必要性に対処している。
文献
関心対象となる文献は以下を含む:
Figure 2007505140
発明の概要
本発明は、インスリン様成長因子-1欠損症(IGFD)を有するヒト患者の成長速度を増加するか、症状を緩和するか、または代謝を改善する方法および組成物を提供する。本発明は、IGF-1による治療時または治療開始前に、対応する年齢および性別の対象の正常平均を少なくとも約2標準偏差下回る身長、IGF-1による治療時または治療開始前に、正常平均レベルを下回る、通常対応する年齢および性別の正常平均レベルの少なくとも約1標準偏差を下回るIGF-1血中レベルを有する患者へ、インスリン様成長因子-1を投与する段階を含む方法に関する。
本発明は、一部、IGF-1補充により恩恵のある患者集団での発見を基にしている。このような患者は、低IGF-1血中レベル、すなわち正常平均レベルを下回るIGF-1血中レベルを有するとして確定され、ここではIGF-1欠損("IGFD")と称される。本発明は、低身長症は、低GH分泌が関連するよりも、より一般的に低IGF-1レベルに関連していることを証明している。加えて低身長症は、低GHBPレベルよりも低IGF-1レベルにより良く相関している。標準偏差スコア(SDS)が、医師により身長を特徴付けるのに使用されるように、IGF-1標準偏差スコア(IGF-1 SDS)は、個人のIGF-1レベルが、類似した年齢および性別の集団の平均レベルからどのくらいの標準偏差であるかを示す。更に際だったまたは重症の低身長症(身長について-3 SDS)の有意な数の小児は、少なくとも正常なGH分泌を有するが、-3 SDSスコアまたはそれ未満のIGF-1レベルを有する点で非常にIGF欠損であることが発見された。これらの患者は、重症の原発性IGFDに罹患していることを特徴としている。
従って一つの局面において、本発明は、ヒト小児対象へ、有効量のインスリン様成長因子-1(IGF-1)を投与する段階を含む、インスリン様成長因子-1欠損症(IGFD)を有する対象を治療する方法を特徴とし、ここで対象は;a)IGF-1による治療時または治療開始前に、対応する年齢および性別の正常平均を少なくとも約2標準偏差(SD)下回る身長を有するまたは有した、ならびにb)IGF-1による治療時または治療開始前に、正常平均レベルを少なくとも約-1SD下回るIGF-1血中レベルを有するまたは有したことを特徴とし、ここで対象は、ラロン症候群または部分的成長ホルモン不応症候群を有さず、ならびにここで該投与は、対象におけるIGFDの治療に有効である。関連した態様において、該投与は、IGFDの少なくとも1種の症状を緩和する。更に関連した態様において、該投与は、成長速度または身長の増加を提供する。
別の局面において、本発明は、ヒト成人対象へ、有効量のインスリン様成長因子-1(IGF-1)を投与する段階を含む、インスリン様成長因子-1欠損症(IGFD)を有する対象を治療する方法を特徴とし、ここで対象は;a)IGF-1による治療時または治療開始前に、対応する年齢および性別の対象の正常平均を少なくとも約2標準偏差(SD)下回る身長を有するまたは有した、ならびに2)IGF-1による治療時または治療開始前に、正常平均レベルを少なくとも約-1SD下回るIGF-1血中レベルを有するまたは有したことを特徴とし、ここで対象は、ラロン症候群または部分的成長ホルモン不応症候群を有さず、ならびにここで該投与は、対象におけるIGFDの治療を提供する。関連した態様において、該投与は、IGFDの少なくとも1種の症状を緩和する。
更に別の局面において、本発明は、インスリン様成長因子-1欠損症(IGFD)対象において、年齢および性別において少なくとも正常なインスリン様成長因子-1(IGF-1)レベル(例えば、正常平均レベルよりも少なくとも-2またはこれよりも大きいSDで下回る、または正常平均の約-2.0〜+2.0SDの範囲)を実現する方法を特徴とし、これは患者へ、有効量のインスリン様成長因子-1(IGF-1)を投与する段階を含み、ここで患者は;a)IGF-1による治療時または治療開始前に、対応する年齢および性別の対象の正常平均を少なくとも約2標準偏差(SD)下回る身長を有するまたは有した対象、ならびにb)IGF-1による治療時または治療開始前に、正常平均レベルを少なくとも約-1SD下回るIGF-1血中レベルを有するまたは有した対象であることを特徴とし、ここで対象は、ラロン症候群または部分的成長ホルモン不応症候群を有さず、ならびにここで該投与は、対象における対応する年齢および性別において正常範囲内の血液IGF-1レベルを実現する。
前述の本発明の各局面に関連した態様において、対象は更に、成長ホルモン結合タンパク質(GHBP)の少なくとも正常な血中レベルを有することを特徴としている(例えば、正常平均の約-2.0〜約+2.0SDの範囲内)。更に関連した態様において、対象は更に、少なくとも正常である成長ホルモン(GH)の血中レベルを有することを特徴としている。更に別の態様において、対象は、正常平均レベルを少なくとも約2.0SD下回るIGF-1血中レベルを有する。
特に関心対象となる一つの態様において、IGF-1は、投与量約20〜240μg/kg/日で投与され、このIGF-1は皮下投与される。
更に別の局面において、本発明は、原発性インスリン様成長因子-1欠損症(IGFD)を有する対象の治療法を特徴とし、これは原発性インスリン様成長因子-1欠損症(IGFD)を有するヒト対象へ、有効量のインスリン様成長因子-1(IGF-1)を投与する段階を含み、ここで対象は:a)IGF-1による治療時または治療開始前に、対応する年齢および性別の正常平均を少なくとも約2標準偏差(SD)下回る身長を有するまたは有したこと、b)IGF-1による治療時または治療開始前に、正常平均IGF-1血中レベルを少なくとも約-1SD下回るレベルを有するまたは有したこと;ならびに、c)少なくとも正常である成長ホルモン(GH)の血中レベルを有すること;を特徴とし、ここで対象は、ラロン症候群または部分的成長ホルモン不応症候群を有さず、ならびにここで該投与は、対象におけるIGFDの治療を提供する。
更に別の局面において、本発明は、原発性インスリン様成長因子-1欠損症(IGFD)対象において対応する年齢および性別において少なくとも正常なインスリン様成長因子-1(IGF-1)レベル(例えば、対応する年齢および性別のIGF-1レベルの正常範囲内)を実現する方法を特徴とし、これはヒト対象へ、有効量のインスリン様成長因子(IGF-1)を投与する段階を含み、ここで患者は;a)IGF-1による治療時または治療開始前に、対応する年齢および性別の正常平均を少なくとも約2標準偏差(SD)下回る身長を有するまたは有した対象、ならびにb)IGF-1による治療時または治療開始前に、正常平均IGF-1血中レベルを少なくとも約-1SD下回るレベルを有するまたは有した対象、ならびにc)少なくとも正常である成長ホルモン(GH)の血中レベルを有する対象であることを特徴とし、ここで対象は、ラロン症候群または部分的成長ホルモン不応症候群を有さず、ここで該投与は、対象の対応する年齢および性別にとって正常な血液IGF-1レベル(例えば正常範囲内)を実現する。
本発明の先の局面に関連した態様において、対象は更に、成長ホルモン結合タンパク質(GHBP)の少なくとも正常な血中レベルを有することを特徴としている。更に別の態様において、対象は、正常平均のIGF-1血中レベルを少なくとも約2.0SD下回るレベルを有する。特に関心対象となる一つの態様において、IGF-1は、投与量約20〜240μg/kg/日で投与され、このIGF-1は皮下投与される。更に関連した態様において、該投与は、IGFDの少なくとも1種の症状を緩和する。更に関連した態様において、対象は、ヒト小児対象であり、および該投与は、成長速度または身長の増加を提供する。
従って本発明は、治療時または治療開始前に、正常平均レベルを少なくとも約1標準偏差(SD)下回るIGF-1血中レベル(通常正常平均レベルを1よりも大きいSD下回る、正常平均レベルを少なくとも約2.0SD下回ることが特に興味深い);ならびに、治療時または治療開始前に、対応する年齢および性別の正常平均を少なくとも約2標準偏差(SD)下回る身長を有する、低身長症患者を治療する方法を含む。任意の理論に制限されるものではないが、IGF-1投与は、IGF-1の血中レベルを増加する。IGFD患者の場合、これらの方法は、患者がラロン症候群または部分的成長ホルモン不応症候群でない場合に適用される。
関連した態様において、患者は、少なくとも正常である成長ホルモン結合タンパク質(GHBP)の血中レベル(例えば平均または最大)も有する。更なる関連した態様において、患者は、少なくとも正常である成長ホルモンの血中レベル(例えば、平均または最大刺激された)を有する。IGF-1の投与は、IGFDに関連した症状の緩和を生じ、これは脂質異常、低下した骨密度、肥満、インスリン抵抗性、低下した心仕事量、低下した筋肉量、低下した運動耐容能を含む。このような症状の緩和は、成人において特に関心がある。IGFD患者が小児である場合、患者の身長および成長速度の増加を提供するためのIGF-1投与が、特に関心がある。
従って一つの局面において、本発明は、有効量のIGF-1を該対象へ投与する段階を含む、原発性IGFDを有するヒト対象(通常小児対象)の成長速度を増加する方法を提供し、これにより該対象は、IGF-1による治療時または治療開始前に、対応する年齢および性別の正常平均を少なくとも約2標準偏差(SD)下回る身長を有し、IGF-1による治療時または治療開始前に、正常平均レベルを1よりも大きいSD下回るIGF-1血中レベルを有し、ここでこの対象は、ラロン症候群または部分的成長ホルモン不応症候群を有さず、および該投与は、対象の成長速度を増加するのに有効である。関連した態様において、対象は、正常な、および/またはホルモン結合タンパク質の少なくとも正常な血中レベルの、成長ホルモンの平均または最大刺激された血中レベルも有する。本発明は、低身長症小児の身長を増加するための成長を促進するための治療においても有用である。
別の局面において、本発明は、成人患者に有効量のIGF-1を投与する段階を含む、該患者においてIGFDを治療する方法を提供し、ここで該患者は、IGF-1による治療時または治療開始前に、対応する年齢および性別の正常平均を少なくとも約2SD下回る身長を有し、IGF-1による治療時または治療開始前に、正常平均レベルを1よりも大きいSD下回るIGF-1血中レベルを有し、ならびに少なくとも正常である成長ホルモンの平均または最大刺激されたレベルを有する。この局面において本発明は、成人において、IGF欠損症の症状を緩和するために有用である。
ある態様において、患者は、正常平均レベルを少なくとも-1.0SD、少なくとも2.0SD下回るIGF-1血中レベルを有する。
ある態様において、本発明は、有効量IGF-1の20〜240μg/kg/日での投与により、患者の成長速度を増加するかまたはIGF欠損症の代謝作用を低下する方法を提供する。ある態様において、IGF-1は皮下投与される。
定義
本発明を詳細に説明する前に、本明細書において本発明の説明に使用される用語の意味および範囲を例示しおよび明確にするために、以下の定義を示す。
本明細書において使用される「患者」は、治療が必要なヒト、ウシ、ヒツジ、ブタ、イヌおよびネコを含む哺乳類を意味する。ある態様において、患者はヒトである。一般に本発明の方法は、小児および成人患者に適用可能である。
本明細書において使用される「インスリン様成長因子-1欠損症」、「IGF-1欠損症」または「IGFD」は、以下の特徴に関連した状態を意味する。対応する年齢および性別の正常平均レベルを少なくとも約2標準偏差(SD)下回る身長、正常平均レベルを少なくとも1SD下回るIGF-1血中レベル。一般にIGFDは、GH作用に対する抵抗に起因するか、またはGH欠損(GHD)の結果である。GH作用に対する抵抗に起因するIGFDは、原発性IGFDと称されるのに対し、GHDの結果であるIGFDは、続発性IGFDと称される。原発性IGFDは、少なくとも正常なGH血中レベルに関連するのに対し、続発性IGFDは低いGH血中レベルに関連する点で、原発性IGFDは続発性IGFDとは区別される。
従って原発性IGFDは、以下の特徴に関連した状態を意味する。対応する年齢および性別の正常平均を少なくとも約2標準偏差(SD)下回る身長、正常平均レベルを下回るIGF-1血中レベル、ならびに少なくとも正常である成長ホルモン(GH)の平均または最大刺激された血中レベル(例えば、正常なGH血中レベルまたは正常なGH血中レベルよりも大きい)。GHBPレベルは一般に、正常な範囲内である。
小児の原発性IGFDは、IGFDを伴う小児患者を意味するのに対し、成人原発性IGFDは、IGFDを伴う成人患者を意味する。成人原発性IGFDは、小児原発性IGFDに類似しており、対応する年齢および性別の正常平均を少なくとも約2標準偏差(SD)下回る身長、対応する年齢および性別の正常平均を少なくとも2SD下回るIGF-1血中レベル、ならびに正常な成長ホルモンレベルに関連している。成人原発性IGFD患者は、上昇した血圧、低下した心仕事量、心疾患、腎疾患、損なわれた運動パフォーマンス、減少した筋肉量、減少した骨密度、肥満ならびに炭水化物および脂質代謝の異常を有する。原発性IGFDの小児患者は、増加した自身の身長または成長速度を有することが可能であるのに対し、成人患者は身長がより高くなることは最早不可能である。ある態様において、本方法は、正常平均レベルを少なくとも2SD下回る高親和性の成長ホルモン結合タンパク質の血中レベルを有し、およびラロン症候群を有さない小児原発性IGFD患者を治療することは含まない。
「IGF-1血中濃度」または「IGFBP-3血中濃度」のような語句における用語「血中濃度」は、全血中、または血漿もしくは血清のような血液から得られた液体中の物質(例えば、IGF-1またはIGFBP-3)の濃度を意味する。
本明細書において使用される「低身長症」は、同じ年齢および性別の個人に関する正常平均を約≦2SD下回る身長標準偏差スコアを有する対象を意味する。
本明細書において使用される用語「ラロン症候群」は、成長ホルモン受容体(GHR)機能の完全な欠損または完全な成長ホルモン不応症候群(GHIS)を示す患者を意味する。このような患者は、平均身長標準偏差スコア(SDS)約-5〜-6を有し、およびIGF-1による治療に反応する。GHRの細胞外ドメインを欠損した患者において、循環中の機能性GHBPの欠乏は、GH不応マーカーとして利用することができる。「ラロン症候群」のさらなる一般的症状は、小児初期の、小さい顔面および顎、陥没した鼻梁、前面の隆起、肥満、高音の声、および低血糖を含む。生化学的にラロン症候群患者は、増加したGH血中濃度および低いGHBP血中濃度を有するが、しかし低いIGF-1血中濃度を有することを特徴としている。
本明細書において使用される「部分的成長ホルモン不応症候群」または「部分的GHIS」は、患者が、GH欠損症患者に投与されるものと同じ投与量のGHに反応はするが、同程度に良好には反応しない症候群を意味する。この症候群は更に、患者が、対応する年齢および性別の正常平均を少なくとも約2標準偏差下回る、好ましくは約2〜約4標準偏差の範囲、または対応する年齢および性別の正常平均を下回る(例えば-2.0または-4.0SD)身長を有し、ヒトに関する正常平均レベルを少なくとも2標準偏差(典型的には約2〜約4標準偏差)下回る高親和性GHBP血中レベルを有し、ヒトに関する正常平均レベルを下回るIGF-1血中レベルを有し、ならびに少なくとも正常であるGHの平均または最大刺激された血中レベルを有することを特徴とする。平均血中レベルは、患者における測定値の平均である。
本明細書において使用される「IGF-1」は、未変性の配列または変種形の、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、サルおよび好ましくはヒトを含む種由来の、ならびに天然、合成または組換えの任意の供給源由来の、インスリン様成長因子-1を意味する。
本方法における使用に適しているのは、例えば1987年8月5日に公開された欧州特許第230,869号;1984年12月19日に公開された欧州特許第128,733号;または、1998年10月26日に公開された欧州特許第288,451号に開示された方法により調製された、ヒト未変性配列、成熟IGF-1、例えばN-末端メチオニンを含まないものである。より好ましくは、この未変性配列IGF-1は組換えにより作成され、および臨床試験において利用可能である(例えば、欧州特許第123,228号および第128,733号参照)。用語「rhIGF-1」は、組換えヒトIGF-1を意味する。
本明細書において使用されるIGF-1の「変種」または「アナログ、ホモログおよび擬態」は、明らかな構造類似性を有さない化合物に対し、それらの1個または複数の残基の置換および/または欠失とわずかに未変性IGF-1の構造とは異なる化合物を含んでいる。しかし全ての場合においてこのような化合物は、未変性IGF-1と実質的に同じ活性を有する。従って「アナログ」は、IGF-1と同じ基本構造を有するが、いくつかの残基が異なる化合物を意味し、「ホモログ」は、限定された数の残基の欠失および/または置換により未変性IGF-1と異なる化合物を意味し、および、「擬態」は、IGF-1に関して特異的構造類似性を有さない(実際、擬態はポリペプチドである必要もない)化合物を意味するが、このような化合物はIGF-1の生物学的活性の特徴を示しおよび/または生体による内在性IGF-1生成を刺激するかもしくはIGF-1受容体へ結合するために利用可能な内在性IGF-1量を増加させる。
本発明における使用に適しているのは、1991年12月31日に公開された米国特許第5,077,276号;第5,164,370号;第5,470,828号;1987年2月26日に公開されたPCT国際公開公報第87/01038号および1989年6月29日に公開されたPCT国際公開公報第89/05822号に開示されたIGF-1変種、すなわち少なくともグルタミン酸残基が、成熟分子のN-末端から3位に存在しないもの、またはN-末端の最大5個のアミノ酸が欠失しているものである。最も好ましい変種は、欠失したN-末端から最初の3個のアミノ酸(脳IGF、tIGF-1、des(1-3)-IGF-1、またはdes-IGF-1として様々に示される)を有する。他の化合物は、以下に説明され、米国特許第6,121,416号、第6,251,865号および第6,420,518号に開示されたような、IGF-1置換物(displacer)化合物である。
本明細書において使用される「IGF結合タンパク質」または「IGFBP」は、循環性であるかどうかに関わりなく(すなわち、血液(例えば血清)または組織中)、通常IGF-1もしくはIGF-2と会合したか、または結合したか、または複合体形成した、タンパク質もしくはポリペプチドを意味する。このような結合タンパク質は受容体を含まない。この定義は、IGFBP-1、IGFBP-2、IGFBP-3、IGFBP-4、IGFBP-5、IGFBP-6、Mac 25(IGFBP-7)、およびプロスタサイクリン-刺激因子(PSF)または内皮細胞特異分子(ESM-1)、更にはIGFBPと高い相同性を伴う他のタンパク質を含む。例えば、Swisshelmらの論文(1995, Proc Natl Acad Sci USA, 92:4472-4476)およびOhらの論文(J Biol Chem, 271:30322-30325(1996))には、Mac 25が説明されている。Yamauchiらの論文(1994, Biochem J, 303:591-598)には、PSFが説明されている。Lassalleらの論文(1996, J Biol Chem, 271: 20458-20464)には、ESM-1が説明されている。他の同定されたIGFBPに関しては、例えば、1990年6月27日に公開された欧州特許第375,438号;1990年5月23日に公開された欧州特許第369,943号;1989年10月5日に公開された国際公開公報第89/09268号;Wood et al., 1988, Mol Endocrinol, 2:1176-1185;Brinkman et al., 1988, EMBO J, 7:2417-2423;Lee et al., 1988, Mol Endocrinol, 2:404-411;Brewer et al., 1988, Biochem Biophys Res Comm, 152:1289-1297;1988年12月7日に公開された欧州特許第294,021号;Baxter et al., 1987, Biochem Biophys Res Comm, 147:408-415;Leung et al., 1987, Nature, 330:537-543;Martin et al., 1986, J Biol Chem, 261:8754-8760;Baxter et al., 1988, Comp Biochem Physiol, 91B:229-235;1989年9月21日に公開された国際公開公報第89/08667号;1989年10月19日に公開された国際公開公報第89/09792号;および、Binkert et al., 1989, EMBO J, 8:2497-2502に説明されている。
本明細書において使用される、内在性IGF-1の血液および組織レベルの変化の程度の「活性」、「生体活性」、「生物学的に活性がある」または「遊離の」IGF-1は、IGF受容体もしくはインスリン受容体へ結合するIGF-1、またはハイブリッドIGF/インスリン受容体、またはIGF結合タンパク質、またはそうでなければ内在性または外来性IGF-1の生物学的活性を引き起こす原因を意味する。
本明細書において使用される「高親和性成長ホルモン結合タンパク質」または「高親和性GHBP」は、血中を循環し、ならびにヒトを含む(Baumann et al., 1986, J. Clin. Endocrinol. Metab., 62:134-141;1990年5月9日に公開された欧州特許第366,710号;Herington et al., 1986, J. Clin. Invest., 77:1817-1823;Leung et al., 1987, Nature 330:537-543)いくつかの種において(Ymer et al., 1985, Mol. Cell Endocrinol. 41:153;Smith et al., 1988, Endocrinology 123:1489-1494;Emtner et al., 1990, Acta Endocrinologica (Copenh.), 122:296-302)GHBPとして機能するGHRの細胞外ドメインを意味する。GHの低親和性を伴う第二のBPも、GHRと構造的に無関係であることが明らかであると説明されている(Baumann et al., 1990, J. Clin. Endocrinol. Metab. 70:680-686)。血中の機能性GHBPを測定する様々な方法が存在し、好ましい方法は、Carlssonらの論文(1991, J. Clin. Endocrinol. Metab. 73:1216)および米国特許第5,210,017号に説明されたリガンド媒介型免疫機能アッセイ(LIFA)である。
本明細書において使用される「患者の成長速度の増加」は、GHで治療したGH欠損症患者(すなわち、GHDと診断された患者)またはIGF-1で治療されたIGF-1欠損症患者と同様の最終的な身長に達する状況のみを含むだけでなく、同じく患者が、GHで治療されたGH欠損症患者またはIGF-1で治療されたIGF-1欠損症患者と同様の成長速度で身長が追いつくか、または標的身長範囲に近い成人身長に達する状況、すなわち両親の平均の標的身長により決定される遺伝的可能性と最終の身長がより一致することも意味する。
本明細書において使用される「IGFD症状の緩和」とは、IGF-1 欠損症に関連した症状の治療的恩恵を実現することを意味する。IGFD患者の症状は、増加しない(deincrease)成長速度および身長、上昇した血圧、低下した心仕事量、心疾患、腎疾患、神経学的疾患、損なわれた運動パフォーマンス、低下した筋肉量、低下した骨密度、肥満ならびに炭水化物および脂質代謝の異常を含むが、これらに限定されるものではない。従ってIGFDの症状の緩和は、増加した成長速度および身長、骨密度、骨構造、改善した腎および心仕事量、ならびに改善したグルコース管理および体組成を含む。
本明細書において使用される「治療」または「治療する」は、身体的に(例えば認知可能な症状の安定化など)、生理学的に(例えば物理的パラメータの安定化など)、または両方で、疾患または障害(例えば低身長症もしくはIGFD)の進行を阻害すること、または疾患もしくは障害(例えば低身長症もしくはIGFD)の発症を遅延することを意味する。本明細書において使用される用語「治療」、「治療する」などは、望ましい薬理学的および/または生理学的作用を得ることを意味する。この作用は、疾患または状態、もしくはそれらの症状の完全なまたは部分的予防に関して、予防的であることができるか、ならびに/または疾患もしくは障害および/または疾患もしくは障害に寄与する有害作用に関して部分的もしくは完全な治癒に関して治療的であることができる。本明細書において使用される「治療」は、ヒトのような哺乳類の疾患または障害の治療を対象としており、およびその疾患に起因した死亡リスクの減少;疾患の素因を有するが、まだ疾患を有するとは診断されていない対象において生じる障害の疾患の予防;疾患または障害の阻害、すなわちその発達の停止(例えば、疾患進行速度の低下);ならびに、疾患の緩和、すなわち疾患の退行を生じさせることを含む。本発明の治療的恩恵は、疾患の発症リスクもしくは重症度または低身長症もしくはIGFDに関連した状態の低下を含むが、これらに必ずしも限定されるものではない。
本明細書において使用される「治療的有効量」とは、疾患または障害、例えば低身長症またはIGFDを治療または管理する十分な化合物の量を意味する。治療的有効量は、疾患または障害の治療または管理において、治療的恩恵を提供する化合物の量を意味する。更に本発明の化合物に関する治療的有効量は、疾患または障害の治療または管理に治療的恩恵を提供する化合物単独、または他の療法との組合せの量を意味する。この用語は、全体的療法を改善する量、望ましくない作用を低下または回避する量、または他の治療的薬剤の治療効率を増強するもしくはそれとの相乗する量を含むことができる。
本明細書において使用される「薬学的組成物」は、哺乳類、特にヒトのような対象への投与に適した組成物を含むことを意味する。一般に「薬学的組成物」は、無菌であり、および好ましくは対象において望ましくない反応を誘起することが可能である混入物(例えば、薬学的組成物中の化合物(複数)は、薬学的等級である)を含まない。薬学的組成物は、経口、口腔内、直腸内、非経口、腹腔内、皮内、気管支内などを含む、多くの様々な投与経路を介して、それが必要な対象または患者への投与のためにデザインすることができる。いくつかの態様において、組成物は、DMSO以外の浸透増強剤を使用する、経皮的経路による投与に適している。別の態様において、薬学的組成物は、経皮投与以外の経路による投与に適している。
本明細書において使用される語句「薬学的に許容できる担体」は、活性成分の生物学的活性の有効性に干渉しない担体媒体を意味する。該担体媒体は、本質的に化学的に不活性または無毒である。
本明細書において使用される語句「薬学的に許容できる」手段は、連邦政府または州政府の規制機関により承認されるか、または米国薬局方もしくは他の一般に認められた動物における使用に関する局方、より詳細には臨床の局方に記載された。
本明細書において使用される用語「担体」は、それと共に治療薬が投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはビヒクルを意味する。このような担体は、無菌の液体、例えば水中の生理食塩水、または石油、動物油、植物油または合成起源の油を含む油分、例えばピーナッツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油などである。薬学的組成物が静脈内投与される場合、生理食塩水が好ましい担体である。生理食塩水ならびに水性デキストロースおよびグリセロール溶液も、特に注射用液の、液体担体として使用することができる。適当な薬学的賦形剤は、デンプン、ブドウ糖、乳糖、ショ糖、ゼラチン、麦芽、コメ、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどである。望ましいならば、この担体は、少量の湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤を含むこともできる。これらの薬学的組成物は、液剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、徐放性製剤などの形態をとることができる。この組成物は、トリグリセリドのような従来の結合剤および担体と共に、坐剤として製剤することができる。適当な薬学的担体の例は、E. W. Martinの「Remington's Pharmaceutical Sciences」に説明されている。適当な薬学的担体の例は、様々なカチオン性ポリアミンおよび脂質であり、これはN-(1(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル)-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)およびジオレシルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)を含むが、これらに限定されるものではない。リポソームは、本発明の遺伝子治療用途のための適当な担体である。このような薬学的組成物は、対象へ適切に投与するための形態を提供するために、本化合物を治療的有効量、適量の担体と共に含有するものである。
本明細書において使用される本発明の化合物の「薬学的に許容できる誘導体」は、それらの塩、エステル、エノールエーテル、エノールエステル、アセタール、ケタール、オルトエステル、ヘミアセタール、ヘミケタール、酸、塩基、溶媒和物、水和物またはプロドラッグを含む。このような誘導体は、当業者により、そのような誘導体化に関する公知の方法を用い、容易に調製することができる。生成された化合物は、動物またはヒトへ、実質的毒性作用を伴わずに投与することができ、および薬学的に活性があるかまたはプロドラッグであるかのいずれかである。
本明細書において使用される語句「薬学的に許容できる塩」は、無機および有機の酸および塩基を含む、薬学的に許容できる、本質的に無毒の酸および塩基から調製された塩を意味する。薬学的に許容できる塩は、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸などから由来したもののような遊離のアミノ基を伴い形成されたもの、ならびに水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2-エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどから由来したもののような遊離のカルボキシル基を伴い形成されたものを含む。
本明細書において使用される語句「GHの平均または最大刺激された血中レベル」は、ラジオイムノアッセイ、それに続きGH放出を引き起こす化合物が投与されるGH刺激試験により測定された、成人のGHレベル約5ng/ml、および小児の約10ng/mlを意味する。
本明細書において使用される使用に関する「組合せ」は、例えば、第一の化合物が、第二の化合物の投与の全行程期間に投与され;ここで第一の化合物は、第二の化合物の投与と重複する期間に投与され、例えば、第一の化合物の投与は、第二の化合物の投与前に開始され、および第一の化合物の投与は、第二の化合物の投与終了前に終了し;第二の化合物の投与は、第一の化合物の投与前に始まり、および第二の化合物の投与は、第一の化合物の投与終了前に終了し;第一の化合物の投与は、第二の化合物の投与前に開始し、および第二の化合物の投与は、第一の化合物の投与終了前に終了し;第二の化合物の投与は、第一の化合物の投与前に開始し、および第一の化合物の投与は、第二の化合物の投与終了前に終了するような使用を意味する。従って「組合せ」は、2種またはそれよりも多い化合物の投与に関連した投薬様式も意味することができる。本明細書において使用される「組合せ」も、同じまたは異なる製剤中で、同じまたは異なる経路で、および同じまたは異なる剤形で投与され得る2種またはそれよりも多い化合物の投与も意味する。
前記請求項は、任意の要素(element)を排除するように起草されることは更に注目される。従ってこの記述は、請求する要素の列挙、または「負の(negative)」限定の使用に関連して、このような排他的な用語「単独の」、「のみの」などの使用に関して前項を基礎として利用することが意図されている。
本発明を更に説明する前に、本発明は、説明された特定の態様に限定されず、そのようなものとして当然変動し得ることは理解されるべきである。本発明の範囲は、添付された「特許請求の範囲」によってのみ制限されるので、本明細書において使用される学術用語は、単に特定の態様の説明を目的とし、限定を意図しないことも理解されるべきである。
値の範囲が示される場合は、その範囲のおよび任意の他に言及された範囲の上限と下限の間の、文脈が別に明確に指摘しない限りは、下限単位の10分の1までの、各介在値、もしくは言及された範囲内の介在値が本発明に含まれることが理解される。言及された範囲内で限界が特に排除されることに従い、これらのより小さい範囲の上限および下限は、それらのより小さい範囲内に独立して含まれ、同じく本発明内に含まれる。言及された範囲が片方または両方の限界を含む場合、それらの含まれた限界のいずれかまたは両方を除く範囲も、本発明に含まれる。
別所に特に記さない限りは、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明の属する当業者に通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に説明されたものと類似したまたは同等の方法および材料も、本発明の実践または試験において使用することができ、好ましい方法および材料がここで説明される。本明細書に言及された全ての刊行物は、刊行物が引用された状況に関連した方法および/または材料を明らかにし、および説明するために参照として本明細書に特に組み入れられている。
本明細書においておよび添付された「特許請求の範囲」に使用される、単数形「一つ(a, an, the)」は、特に明確に他所に記さない限りは、複数の意味も有することに注意しなければならない。従って例えば「一人の(a)個体」という言及は、1または複数の個体を含み、および「その(the)方法」という言及は、当業者に公知の工程および方法などと同等であることを含む。
本明細書において考察された刊行物は、本出願の出願日以前に明らかになったもののみが提示される。ここで本発明は、先行する発明に関してこのような刊行物が日付が早いことの承認として解釈されるものではない。更に提供された刊行物の日付は、実際の刊行の日付とは異なり、これは個別に確認する必要がある。本明細書の参照の基準または考察は、それらが本発明の先行する技術であることの承認として解釈されるものではない。
ここで本発明をより詳細に説明する。
発明の詳細な説明
本発明は、IGF-1投与は、より正常な身長(例えば、対応する年齢および性別の正常範囲へのまたは範囲内の)を実現するためのIGF-1による治療の影響を受けやすいことがこれまでわかっていないある小児患者集団の身長成長(statural growth)を増加するという驚くべき発見を基にしている。特定の理論に制限されるものではないが、成長ホルモン結合タンパク質(GHBP)のレベルは、実際のGH受容体の状態を反映することはわかっているが、GH受容体結合の事象からの細胞内シグナル伝達経路の「下流」の良好な指標ではない。従って、GHBPレベルを単に測定することにより確定することができるGH抵抗性の証拠を有する驚くほど多くの小児患者が存在する。本明細書において説明された発見を考慮し、ここで驚くほど多数の子供が、米国および西欧において約60,000名の子供が原発性インスリン様成長因子欠損症(IGFD)に罹患していると推定される。更に対応する年齢および性別の正常平均を少なくとも-3(≦-3)身長SDS下回る(すなわち、少なくとも3またはより大きいSD下回る)、対応する年齢および性別の正常平均を少なくとも-3(≦-3)下回るIGF-1 SDS(すなわち、少なくとも3またはより大きいSD下回る)、および少なくとも正常な範囲内である成長ホルモンのレベルを有すると定義される、重症原発性IGFDに、米国および西欧において約12,000名の子供が罹患している。未治療のまま放置されると、これらの重症原発性IGFDに罹患した子供は、男子について約5フィート1インチ(155cm)および女子について4フィート91/2インチ(146cm)を超えない最終の成人身長に達することとなる。
従って多くの成人が、一生涯にわたるIGFDの有害な代謝作用に罹患している。米国および西欧において少なくとも120,000名の個人が、成人原発性IGFDに罹患している。成人原発性IGFDは、典型的には一生涯のIGF-1欠損症を特徴としている。この障害は、小児原発性IGFDに類似しており、および対応する年齢および性別の正常平均を少なくとも-2(≦-2)身長SDS下回る(すなわち、少なくとも2またはより大きいSD下回る)、正常平均を少なくとも-2(≦-2)下回るIGF-1 SDS(すなわち、少なくとも2またはそれよりも大きいSD下回る)、および正常な成長ホルモンレベルに関連している。成人IGFD患者は、上昇した血圧、低下した心仕事量、心疾患、腎疾患、損なわれた運動パフォーマンス、低下した筋肉量、低下した骨密度、肥満ならびに炭水化物および脂質代謝の異常を有する。rhIGF-1による代償療法は、これらの代謝および機能異常に関して有益な作用を有するであろう。
成人身長と冠動脈心臓疾患(CHD)由来の死亡率の間の関係が、いくつかの研究において検出されている。非常に大規模な「看護師健康試験(Nurses health study)」において、121,700名の年齢30〜55歳である米国女性看護師のプロスペクティブコホートが、身長は女性の冠動脈心臓疾患のリスクに反比例していることを示した(Rich-Edwards et al., 1995, Am J Epidemiol. 142:909-17)。更に1,046名の男性における臨床手法の低身長症に関する最近の研究は、より身長の低い男性は、血管造影により証明されたCHDのより高い有病率を有しより重症であることを明らかにしている(Nwasokwa et al, 1997, Am Heart J 133:147-52)。最近、低身長症は、冠動脈心臓疾患の独立したリスク因子であることが示された(Forsen et al., 2000, J Intern Med. 248:326-32)。これらの執筆者は、成長ホルモン欠損症は、当初の低身長症およびそれに続発する心臓に対する有害作用の原因である可能性があると仮説を立てたが、これはありえないとしている。加えてこれらの執筆者は、IGFDがこれらの低身長症患者において、低身長症および冠動脈心臓疾患を引き起こす可能性を仮定していない。
欧州における別の大規模試験は、男性において低身長症は、いくつかの代謝障害に関連し、および骨格の不均衡は糖尿病と関係がある一方、女性においては低身長症の冠動脈心臓疾患との関係を確認することを示した(Han et al., 1997, Eur J Clin Nutr. 51:804-9)。
更に低身長症と腎疾患の間も関係がある。最近の試験では、40歳以上の3,960名の患者において尿中アルブミンレベルを測定した(Metcalf et al., 1997, Int Journal of Obesity 21:203-210)。マイクロアルブミン尿症は、正常集団の参照値を基に、28mg/dlより多い尿中アルブミンとして定義された。これらの個人の身長も測定した。持続性のマイクロアルブミン尿症は、糖尿病性腎症(腎疾患)ならびに心臓血管疾患による増加した罹患率および死亡率の予測となる。これらの患者において、低身長症は増加した尿中アルブミン排泄の有意な予測値となった。他の研究は、同様の関係を認めている(Gould et al., 1993, Br Med J 306:240-243)。Metcalfらは、身長と腎疾患マーカー間のこの関係の基礎を説明していない。本明細書において説明される血液IGF-1レベルと身長の間の予想外の関係のために、これらの知見に関する説明が提供される。
IGF-1が、構造的および機能的の両方から腎臓に影響を及ぼすことを示している多数の文献が存在する(Clark and Roelfsema, 2001, J Am Soc Nephrol. 12:1297-306)。従って先の身長と腎疾患の間の関係は、身長と共に変動するIGF-1血中レベルにより説明されることが認められる。従って短身でありかつ低いIGF-1血中レベルを有する患者(IGFDである患者)は、IGF-1による治療から最も恩恵を受ける患者である。これらのIGFD患者において、IGF-1による代償療法は、マイクロアルブミン尿症を軽減し、腎機能を改善し、および死亡率を低下することが予想される。
身長それ自身がこれらの作用を有するわけではなく、身長に影響する基礎をなすメカニズムがそうであることは明らかである。Forsenらは、これらの因子および因子が作用するメカニズムは依然不明であると述べている。肥満患者および2型糖尿病において、全般的IGF-1血中レベルは比較的正常であることが示されている(Frystyk et al, 1999, Diabetes Metab Res Rev. 15:314-22)。しかし成人または心臓血管系疾患もしくは心臓疾患を伴う短身の成人におけるIGF-1レベルに関する情報はほとんどない。
少なくとも正常なGHレベルの存在下における低IGF-1レベルは、GH抵抗性の指標である。低GHBPレベルはGH抵抗性の指標であるという成長ホルモン不応症候群(GHIS)のこの概念は、GH抵抗性は、GHBPの低血中レベルに、それゆえに少ない数のGH受容体に、関連するということを前提としている。しかし先に説明されたよりもより多くの患者がGH抵抗性のために身長が低いことが、現在本発明の一部として認識されている。これは本明細書に説明したように、現在GH抵抗性の一次測定は、GHBP血中レベルよりもむしろ、IGF-1血中濃度およびGH血中レベルであることが理由である。ある任意の理論に制限されるものではないが、GH抵抗性は、おそらく細胞それ自身上のGH受容体の数または機能の不足よりも、細胞内GHシグナル伝達の欠如が原因となるのであろう。
従ってGHBP血中レベルは、少数の患者におけるGH抵抗性の程度の指標でしかないことは明らかである。GH抵抗性の程度のより良いインジケーター、または血液マーカー、または患者の生化学的特性(低身長症に罹患した個人において認められる)は、IGF-1血中レベルである。従ってIGF-1による代償療法は、よりよく評価(gauge)され、GHBP欠損症の患者よりもIGF-1欠損症の患者へ投与される。
同じくIGF-1血中レベルは、著しい代謝作用を有する。従ってIGFDの小児は成人になるにつれて、IGF-1欠損症の作用に悩まされ続ける。思春期以降、長骨の骨端軟骨板は閉じ(fuse)、更なる軟骨および骨の成長ならびに身長の増加は最早生じないので、rhIGF-1代償療法は、成人において成長を引き起こさない。しかし低いIGF-1血中レベルは、脂質異常、低下した骨密度、肥満、インスリン抵抗性、低下した心仕事量、低下した筋肉量、低下した運動耐容能および健康を含む、他の代謝障害にも関連することが多い。これらの障害は典型的には、成人に生じるような、長期間のIGF-1欠損症の後に、明らかに増加し始める。従ってこの障害は、成人IGFDと称される。
本発明の目的は、身長および成長速度を増加し、ならびにIGFD患者の代謝および機能を改善する方法および組成物を提供することである。IGFD対象の症例のようなある態様において、治療の目的は、同じ年齢および性別の正常な対象において認められるものへ、生物学的活性のあるIGF-1レベルを回復するかまたはIGF-1への組織の曝露を増加し、ならびにこれにより小児において、同じ年齢および性別の対象についての正常な範囲内へこれらの対象の身長および成長速度を増加させ、他方成人において、IGFDを特徴とする有害な代謝および機能の欠損の発生を低下させることである。
IGF-1の投与
本発明は、患者へ有効量のIGF-1を投与することにより、身長および成長速度を増加し、IGFD患者の代謝を改善するための方法および組成物を提供する。いくつかの態様において、未変性ヒトIGF-1が使用される。別の態様において、IGF-1変種が使用される。更に別の態様において、IGF-1置換物が使用される。
本方法における使用に適しているのは、IGF-1変種である。IGF-1変種は、I型IGF受容体への有効な結合を保持し、更に血清担体タンパク質、例えばIGFBPに対する低下した結合を有するようにデザインすることができる。一つの局面において、これらの変種のデザインは、インスリンは血清担体タンパク質に結合しないという知見を基にしている。1989年10月24日に公開された米国特許第4,876,242号を参照し、これはその全体が参照として本明細書に特に組入れられている。合成のインスリン様の2本鎖アナログからの証拠は、担体タンパク質結合に寄与するIGF-1アミノ酸は、IGF-1のB領域に存在することを示唆している。従ってヒトIGF-1の合成遺伝子は、hIGF-1の最初の16個のアミノ酸が、ヒトインスリンB鎖の最初の17個のアミノ酸により交換されるIGF-1変種をコードするように修飾することができる。この合成遺伝子は次に、酵母組換えDNA発現システムに配置され、修飾された酵母細胞により生成されたペプチドアナログは、そこから抽出され精製される。IGF-1分子のさらなる修飾が実行され、これはその全てが実質的IGF-1のI型受容体結合および血清担体タンパク質への低下した結合を有するようなさらなるアナログへつながる。
当該技術分野において周知の他のIGF-1変種およびアナログも、本方法における使用に適している。このような変種は、例えば、更に国際公開公報第96/33216号に開示された真のIGF-1の1-69位が備わり、および更に欧州特許第742,228号に開示された略号Cドメインを有する天然の1本鎖IGF-1の誘導体である2本鎖IGF-1超アゴニスト(superagonist)を有する変種を含む。IGF-1アナログは、式:BCn,Aであり、ここでBはIGF-1またはそれらの機能性アナログのBドメインであり、CはIGF-1またはそれらの機能性アナログのCドメインであり、nは、Cドメインのアミノ酸数であり、および約6〜約12個のアミノ酸であり、約8〜約10個のアミノ酸を含み、ならびにAはIGF-1またはそれらの機能性アナログのAドメインである。
当該技術分野において周知のIGF-1の機能変異体も本方法における使用に適している。このような機能変異体は、Cascieriらの論文(1988, Biochemistry 27: 3229-3233)に説明されたものを含み、これは4種のIGF-1変異体を明らかにし、その3種は、I型IGF受容体に対する低下した親和性を有する。これらの変異体は、(Phe23、Phe24、Tyr25)IGF-1(これは、1および2型IGFおよびインスリン受容体へのその親和性がヒトIGF-1と同等である)、(Leu24)IGF-1および(Ser24)IGF-1(これは、ヒト胎盤I型IGF受容体、胎盤インスリン受容体、ならびにラットおよびマウス細胞のI型IGF受容体に対し、IGF-1よりも低い親和性を有する)、およびデスオクタペプチド(Leu24)IGF-1(ここで24位の芳香性の喪失は、hIGF-1のカルボキシ末端D領域の欠失と組合わされ、これは(Leu24)IGF-1よりもI型受容体へのより低い親和性、およびインスリン受容体へのより高い親和性を有する)である。これらの4種の変異体は、ヒト血清結合タンパク質について正常な親和性を有する。
同じく当該技術分野において周知のIGF-1構造アナログが、本方法における使用に適している。このような構造アナログは、Bayneらの論文(1988, J Biol Chem 264:11004-11008)に説明されたものを含み、これは3種のIGF-1構造アナログ:IGF-1のカルボキシ末端の8-アミノ酸D領域を欠いている、(1-62)IGF-1;IGF-1のC領域の残基28-37が、4-残基グリシン橋により置換されている、(1-27, Gly4, 38-70)IGF-1;および、C領域のグリシン置換およびD領域欠失を伴う(1-27, Gly4, 38-62)IGF-1である。Peterkofskyらの論文(1991, Endocrinology, 128:1769-1779)は、前掲のBayneらのGly4変異体を使用するデータを開示している。米国特許第5,714,460号は、神経損傷を治療するための、IGF-1またはIGF-1の活性濃度を増加する化合物の使用に言及している。
他の構造アナログは、Cascieriらの論文(1989, J Biol Chem, 264:2199-2202)に開示されたものを含み、これはIGF-1のA領域の特定の残基が、インスリンA鎖の対応する残基で置換されている、3種のIGF-1アナログを明らかにしている。これらのアナログは、(Ile41、Glu45、Gln46、Thr49、Ser50、Ile51、Ser53、Tyr55、Gln56)IGF-1、残基41がトレオニンからイソロイシンに変更されたA鎖変異体、およびA領域の残基42-56が交換された(Thr49、Ser50、Ile51)IGF-1;および(Tyr55、Gln56)IGF-1である。
IGFBP-1またはIGFBP-3に結合するIGF-1点変異は、従って内在性IGF-1のIGFBPとの相互作用を阻害するが、これも本方法における使用に適し、米国特許第6,509,443号に開示されている。
別の態様において、IGF-1のレベルは、IGF-1のその結合タンパク質との効果的阻害が可能であるIGF-1アゴニスト分子のような、IGF-1のその結合タンパク質との相互作用を妨害または阻害する化合物の投与により増加され、これによりIGF-1の活性に関するIGF受容体への結合が可能になる。本方法における使用に適したこのようなIGF-1アゴニストは、2001年6月26日に公開された米国特許第6,251,865号に開示されたものを含み、これはその全体が参照として本明細書に特に組入れられている。これらのIGF-1アゴニスト分子は、IGFBPに結合したIGF-1と効果的に置換することができる。IGF結合タンパク質(IGFBP)は、少なくとも6種のタンパク質ファミリーであり(Jones and Clemmons, 1995, Endocr Rev, 16:3-34;Bach and Rechler, 1995, Diabetes Reviews, 3:38-61参照)、他の関連したタンパク質も、おそらくIGFに結合することができる。IGFBPは、IGF-1およびIGF-2に変動する親和性および特異性で結合する。Jones and Clemmons、前掲;Bach and Rechler、前掲を参照のこと。例えば、IGFBP-3は、IGF-1およびIGF-2に同様の親和性で結合するのに対し、IGFBP-2およびIGFBP-6は、それらがIGF-1へ結合するよりも、よりもはるかに高い親和性でIGF-2へ結合する。Bach and Rechler、前掲;Oh et al., 1993, Endocrinology, 132,1337-1344参照のこと。
同じく本方法における使用に適しているのは、国際公開公報第94/04569号に開示されたような、天然のIGFBP以外の結合分子であり、これはIGF-1への結合により、IGF-1のIGFBPへの結合を妨害し、これによりIGF-1の生物学的活性を増強する。加えてIGF-1のその結合タンパク質による妨害または阻害が可能である他の分子は、国際公開公報第97/39032号に開示されたような、IGF-1のリガンドインヒビターを含む。
同じく本方法における使用に適しているのは、IGFBP-1またはIGFBP-3に結合し、その結果内在性IGF-1のIGFBPとの相互作用を阻害するIGF-1点変異であり、これは米国特許第6,509,443号に更に開示されている。
同じく本方法における使用に適しているのは、ファージディスプレイにより発見された、IGFのその結合タンパク質のいずれか一つとの相互作用を阻害することが可能である、ペプチドであるIGF代償物であり、更に例えば米国特許第6,420,518号、第6,251,865号、および、第6,121,416号に開示されており、これらは全てその全体が参照として本明細書に組入れられている。
小型分子非ペプチドインヒビターも、IGF-1/IGFBP-3複合体から生物学的活性IGF-1を放出することができる。例えばイソキノリンアナログは、有効であることがわかっている(Chen et al., 2001, J Med Chem 44:4001-10参照)。さらなる化合物は、Chenらの論文(2001)に説明されたような、高処理量スクリーニングおよびIGFBP放射性リガンド結合アッセイを使用し発見された。
他のIGF-1アゴニストは、以下を含むが、これらに限定されるものではない;小型分子;合成薬;ペプチド;ポリペプチド;タンパク質;核酸(例えば、アンチセンスヌクレオチド配列、3重ヘリックスおよび生物学的活性タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドをコードしているヌクレオチド配列を含む、DNAおよびRNAヌクレオチドを含むが、これらに限定されるものではない);抗体;合成または天然の無機分子;擬態物質;および、合成または天然の有機分子。
加えて本発明は、IGF-1を患者へ投与する遺伝子治療の使用を企図している。一般に、IGF-1遺伝子を発現するために組換えベクターを使用する哺乳類における遺伝子治療を使用し、IGF-1レベルを増加(または過剰発現)することができる。同じく遺伝子治療を使用し、それがペプチドである場合、IGFアゴニスト化合物をコードしている核酸の発現することができる。別の例は、アンチセンスオリゴヌクレオチドを使用し、IGFBPの発現を低下することができる。遺伝子治療の他の例は、当業者により企図することができる。
遺伝子治療目的の対象細胞への核酸(任意にベクターに含まれる)の導入には、インビボおよびエクスビボの二つの主な方法がある。インビボ送達に関して、この核酸は、対象へ、通常増加したレベルのIGF-1が必要な部位へ、直接注入される。エクスビボ治療に関して、対象の細胞が採取され、その核酸がこれらの単離された細胞へ導入され、修飾された細胞が対象へ、直接または例えば対象に移植される多孔質メンブレンへ封入され投与される。例えば米国特許第4,892,538号および第5,283,187号を参照し、これらは両方ともその全体が参照として本明細書に特に組入れられている。
核酸の生存細胞への導入に利用することができる様々な技術が存在する。これらの技術は、インビトロで培養細胞へ、または意図された宿主の細胞へインビボで核酸が導入されるかどうかによって変動する。インビトロにおける核酸の哺乳類細胞への導入に適した技術は、リポソームの使用、電気穿孔、微量注入、細胞融合、DEAE-デキストラン、リン酸カルシウム沈降法などである。遺伝子のエクスビボ送達のために通常使用されるベクターは、レトロウイルスである。
インビボ核酸導入技術の例は、ウイルスベクター(例えばアデノウイルス、I型単純ヘルペスウイルス、またはアデノ随伴ウイルス)および脂質ベースのシステム(DOTMA、DOPEおよびDC-Cholなどの、遺伝子の脂質媒介型導入のための有用な脂質)によるトランスフェクションを含む。一部の状況において、細胞表面膜タンパク質または標的細胞に特異的抗体、標的細胞上の受容体のリガンドなどのような、標的細胞を標的化する物質と共に核酸源を提供することが望ましい。リポソームが使用される場合、エンドサイトーシスに関連した細胞表面膜タンパク質を、例えば特定の細胞型に向性(tropic)であるキャプシドタンパク質またはそれらの断片、環化(cycling)において内在化(internalization)を受けるタンパク質の抗体、ならびに細胞内局在化を標的化しおよび細胞内半減期を増大するタンパク質の結合および/または取り込みを促進するために使用することができる。受容体媒介型エンドサイトーシス技術は、例えばWu et al., 1987, J Biol Chem, 262:4429-4432;および、Wagner et al., 1990, Proc Natl Acad Sci USA, 87:3410-3414に説明されている。現在公知の遺伝子作成および遺伝子治療プロトコールの検証については、Anderson et al., 1992, Science, 256:808-813および国際公開公報第93/25673号およびそれらに引用された参考文献を参照のこと。
併用療法
IGF-1および血中総IGF-1レベルを増加するかまたはIGF-1の作用を増強するもののような1種またはそれよりも多い他の適当な薬物(reagent)との併用療法も、本発明において企図されている。一つの態様において、これらのさらなる薬物は一般に、血中IGFBP量を上回る過剰な血液IGF-1またはIGF-1がIGFBPから放出されることを可能にし、かつ成長促進剤を含む。
この目的のための成長促進剤は、血中IGF濃度を増加するために哺乳類における内在性GHの放出を促進するGH分泌促進薬を含むが、これらに限定されるものではない。例は、TRH、ジエチルスチルベストロール、テオフィリン、エンケファリン、Eシリーズプロスタグランジン、VIP-セクレチン-グルカゴン-GRFファミリーのペプチド、ならびに米国特許第4,411,890号に開示されたGHRP-6、GHRP-1、および米国特許第5,206,235号に開示されたようなベンゾ融合したラクタムのような他のGH分泌促進薬を含む。例えば1996年5月23日に公開された国際公開公報第96/15148号も参照のこと。他の成長促進薬は、GHRP、GHRH、GHおよびそれらのアナログを含む。例えばGHRPは、国際公開公報第95/17422号および第95/17423号に開示されており、これらは両方とも1995年6月29日に公開されており;Bowers, J, 1993, Pediatr Endocrinol, 6:21-31;ならびに、Schoen et al., 1993, Annual Reports in Medicinal Chemistry, 28:177-186に説明されている。GHRHおよびそれらのアナログは、例えば1996年11月28日に公開された国際公開公報第96/37514号に説明されている。
前記試薬は、IGF-1と逐次または同時に共投与することができ、例えば使用される薬物の種類、薬物および化合物が使用される目的、および臨床の考察などの要因に応じて、単独の場合よりも、同じ、より高いまたはより低い投与量で投与することができる。加えて食事または運動のような治療様式などのIGF状態を操作する他の手段も、本発明の一部の併用治療であると考えられる。
別の態様において、IGF-1は、例えばIGFBP-1、IGFBP-2、IGFBP-3、IGFBP-4、IGFBP-5、またはIGFBP-6の1種または複数のその結合タンパク質と共に、適宜投与される。あるメカニズムに結びつけられるものではないが、IGF-1およびIGFBPの共投与は、IGF-1の半減期を増加することにより、IGF-1単独よりもより多くの反応を提供することができる。
使用に適した結合タンパク質は、IGFBP-3であり、これは米国特許第5,258,287号、およびMartin and Baxter, 1986, J Biol Chem, 261:8754-8760に説明されている。このグリコシル化されたIGFBP-3タンパク質は、ヒト血漿中で内在性IGFのほとんどを運搬し、および更にGHにより調節される125-150Kd糖タンパク質複合体の非還元性SDS-PAGEゲル上で約53Kdの酸に安定な成分である。
IGF結合タンパク質のIGF-1との投与は、米国特許第5,187,151号に開示された方法により実現することができる。簡単に述べると、IGF-1およびIGFBPは、皮下ボーラス注射により、約0.75:1〜約2:1、例えば約1:1を含む、約0.5:1〜約3:1の比で有効量投与される。
治療に適した対象
本明細書に開示された方法による治療に適した対象は、IGFDに罹患した対象を含む。一般にIGFD患者集団は、例えば以下の特徴を有する:1)対応する年齢および性別の正常平均を少なくとも約2標準偏差(SD)下回る身長、および2)正常平均レベルを少なくとも1SD下回るIGF-1血中レベル。一つの態様において、本発明は、正常平均レベルを少なくとも2SD下回る高親和性成長ホルモン結合タンパク質の血中レベルを有さず、ならびにラロン症候群を有さないIGFD小児を治療する方法を含んでいる。別の態様において、本発明は、正常平均レベルを少なくとも2SD下回る高親和性成長ホルモン結合タンパク質の血中レベルを有さず、および部分的成長ホルモン不応症候群(部分的GHIS)を有さないIGFD小児を治療する方法を含んでいる。
一つの態様において、本発明は、少なくとも正常な範囲内である成長ホルモンの平均または最大刺激された血中レベルを有するIGFD小児を治療する方法を含んでいる。
ある態様において、IGFDに罹患した対象は、例えば対応する年齢および性別の正常平均を少なくとも約2.0SD下回る、対応する年齢および性別の正常平均を少なくとも約2.5SD下回る(すなわち-2.5SD)、または対応する年齢および性別の正常平均を少なくとも約3.0SD下回る、通常対応する年齢および性別の正常平均を少なくとも通常約2.0SD〜約3.0SD下回る、対応する年齢および性別の正常平均を少なくとも通常約2.5SD〜約3.0SD下回る、または対応する年齢および性別の正常平均を少なくとも通常約3.0SD下回る身長を有する。ある態様において、IGFDに罹患した対象は、それらの対応する年齢および性別の正常な範囲を少なくとも1SD下回るIGF-1血中レベルを有する。IGF-1欠損対象は例えば、対応する年齢および性別の正常平均レベルを少なくとも約2.0SD下回る、対応する年齢および性別の正常平均レベルを少なくとも約3.0SD下回る、通常対応する年齢および性別の正常平均レベルを少なくとも約2.0SD〜約3.0SD下回るIGF-1血中レベルを有する。IGFD患者は、正常平均未満の高親和性成長ホルモン結合タンパク質の血中レベルも有するが、正常平均を2よりも大きいSD下回ることはない。ある態様において、高親和性成長ホルモン結合タンパク質の血中レベルは、正常平均レベル〜正常平均レベルを-0.5SD下回るもの、正常平均レベル〜正常平均レベルを0.5SD下回るもの、正常平均レベルを0.5SD〜1.0SD下回るもの、または正常平均レベルを1.0SD〜1.5SD下回るもの、正常平均レベルを1.5SD〜2.0SD下回るものである。
増加したIGF-1レベルの恩恵を受けるであろう低身長症患者は、当該技術分野において公知の日常的方法を用いて確定することができる。IGF-1レベルは、血液中で検出することができる。IGF-1に関連した遺伝的異常性は、標準の遺伝的アッセイを用いて検出することができる。IGF-1欠損の局所的マーカー(IGFBP-1レベルなど)は、通常のアッセイを用いて検出することができる。
体液または血液のような生物学的液体中のIGFレベルの測定は、RIAおよびELISAを含む、任意の手段により行うことができる。例えば血液中の総IGF-1は、抗-IGF-1抗体と競合することにより、IGF-1の欠失と干渉する結合タンパク質を除去するために、特に酸性エタノールを用いる血液試料の抽出後、市販のラジオイムノアッセイ(Medgenix Diagnostics, ブリュッセル、ベルギー;IGF-1 RIA Kit, Nichols Institute, San Juan Capistrano, CA)により決定することができる。IGFBPは、IGFBP-1およびIGFBP-3(Diagnostic System Laboratories Inc., Webster, TX)を測定するための、市販のイムノラジオメトリックアッセイ(IRMA)を使用し測定することができる。
別の方法は、血液中の「遊離」または活性IGFレベルの測定に関連している。例えば一つの方法は、米国特許第5,198,340号に開示されており、これはその全体が参照として本明細書に特に組入れられている。IGF結合タンパク質に結合した内在性または外来性IGFの、もしくはIGF結合タンパク質に結合しおよびIGF結合タンパク質に結合したヒトIGF受容体結合しない化合物の量の検出のため、または生物学的液体中の未結合のIGFのレベルの検出のためのさらなる方法は、2001年6月26日に公開された米国特許第6,251,865号に開示されており、この特許はその全体が参照として本明細書に特に組入れられている。この方法は、(a)この液体を:1)例えば化合物の存在下でIGF結合部位は、IGF結合タンパク質への結合のためにその化合物上で利用可能であり続け、これにより手段とIGF結合タンパク質の間に複合体を形成するような、固相担体に結合したその化合物に特異的な化合物(化合物上のエピトープに特異的な第一の抗体)を検出する手段と、ならびに2)その化合物と、IGF結合タンパク質上の全ての利用可能なIGF結合部位を飽和するのに十分な期間接触し、これにより飽和した複合体を形成する段階;(b)飽和した複合体を、その化合物がIGF結合タンパク質に結合した場合に結合に利用可能であるIGF結合タンパク質に特異的である検出可能に標識された第二の手段(IGFBP上のエピトープに特異的な第二の抗体など)と接触する段階;ならびに、(c)生物学的液体中のIGFBPの測定値として結合した標識された手段の量を定量的に分析し、その結果その液体中に存在する、結合した化合物およびIGF結合タンパク質、結合したIGFおよびIGF結合タンパク質、または活性IGFの量を測定する段階を含む。
全体が参照として本明細書に特に組入れられている米国特許第5,593,844号および第5,210,017号は、抗体の使用により、液体試料中のIGFBP量を定量するために使用することができるリガンド媒介型免疫機能的結合タンパク質アッセイ法を開示しており、ここで複合体形成は、これらの結合タンパク質の一つとそれに結合するリガンドの間で生じる。
抗体を使用する前述の定量的技術は、米国特許第5,593,844号において、リガンド媒介型免疫機能的方法(LIFA)と称されるが、これはIGFと接触することによるIGFBP量の決定について説明されており、この特許はその全体が参照として本明細書に特に組入れられている。
用量および投与スケジュール
治療的有効量の選択は、当業者に公知のいくつかの要因の考慮を基に、臨床医または医師などの当業者が決定することができる(例えば臨床試験により)。このような要因は、例えば、特定の型のIGF-1、および化合物の薬物動態パラメータ、例えば生体利用度(bioavailability)、代謝、半減期などを含み、これは典型的には薬学的化合物の規制当局の承認を得る上で利用される開発手続き時に確立される。投与量を考慮する更なる要因は、治療される疾患または状態、対象において実現される恩恵、対象の身体質量(body mass)、対象の免疫状態、投与経路、化合物または併用治療薬の投与が急性または慢性のいずれであるか、併用薬、および投与された薬学的物質の有効性に影響を及ぼすことが当業者に公知の他の要因を含む。
新規条件としてのIGFDの確定および治療は、GHDの確定および治療と直接平行する。他の研究者(Drake et al., 2001, Endocrine Reviews 22:425-450)により、確証をもって確立された成人におけるGH欠損症の診断を可能にした1989年の最新の神経放射線造影技術の出現が注目された。これは、成人GHDの診断確定を大きく補助する、小さいまたは損傷を受けた下垂体および低いIGF-1レベルおよび低いGHレベルを伴う患者の確定であった。従って、自発的GH分泌の不全に関連した特徴的臨床症候群が存在すること、およびその特徴の多くをくつがえす組換えGHの使用が確立され始めたことが認められたのは、比較的最近であった。
IGF-1でいかに治療するかに関して、GH代償療法が実践される方法を考慮することは有益である。成人において、GH作用の生物学的マーカーとなる、小児の身長または成長と同等のものは存在しない。従って、成人においてGH代償の有効性を判定することは困難である。最適GH代償の評価は、非常に高量投与された場合、副作用の出現により困難である。従ってGH治療は、低量で開始され、その後投与量は、最終維持量まで増加される。更に成人において、IGF-1の生理的レベルを上回ることを避けるために、適当なGH投与が、IGF-1血中レベルの測定により適切に決定されることは非常に有益である。
成長ホルモンの使用に加え、アンタゴニストも有益である。GH過剰(末端肥大症など)の状態において、成長ホルモンアンタゴニストによる治療の現在の目的は、IGF-1レベルを正常範囲へ低下させることである。IGF-1の血中レベルの測定は、末端肥大症の存在および治療後の疾患の存続性に関する感度の良いおよび特異的インジケーターとして特徴付けられる(Freda, 2003, GH and IGF Research 13:171-184)。
数千名の患者において測定されたIGF-1血中レベルに関する標準データが現在あり、IGF-1標準偏差スコア(IGF-1 SDS)が確立された(Juul, GH and IGF Research 13, 113-170,2003)。小児のように、これらの標準データは、所定の年齢および性別で対象について標準の範囲を確立するように調節された年齢および性別である。
成人において(および小児において)適当な代償療法は、年齢で調節された正常範囲へIGF-1レベルを上昇するIGF-1投与量を確立することについて、明らかに議論は平行線である。小児および成人において、IGF-1レベルの正常な範囲を確立するための多くの最新の研究がある(Juul, GH and IGF Research 13,113-170, 2003、これはその全体が参照として本明細書に特に組入れられている)。
いくつかの態様において、非経口投与されたIGF-1の総薬学的有効量は、対象体重の約10μg/kg/日〜約400μg/kg/日の範囲の投与量であり、これは約20μg/kg/日〜約200μg/kg/日を含み、例えば約40μg/kg/日〜約100μg/kg/日であるが、これは大いに治療の裁量範囲内である。成人の好ましい投与量は、約10μg/kg/日〜約160μg/kg/日の範囲である。成人について関心対象となる他の投与量は、約10μg/kg/日〜約180μg/kg/日の範囲である。特に関心対象となるいくつかの態様において、20〜240μg/kg/日のIGF-Iが対象へ投与される。このIGF-1は、注射(単回または反復、例えば1〜4回/日)または点滴を含む任意の手段により投与される。ある態様においてIGF-1は、皮下注射により一日に1回または2回投与される。徐放型製剤が使用される場合、典型的には使用される用量(1日当たりで計算)は、先に説明されたものの最大1/2未満であろう。
本発明は更に、IGF-1および薬学的に許容できる担体の薬学的組成物を使用し、成長速度を増加する方法を提供する。適当な薬学的に許容できる担体は、薬学的組成物の生物学的活性の有効性を妨害しない本質的に化学的に不活性および無毒の薬学的組成物を含む。適当な薬学的担体の例は、生理食塩水、グリセロール溶液、エタノール、N-(1(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル)-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、ジオレシルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、およびリポソームを含むが、これらに限定されるものではない。このような薬学的組成物は、対象への適切な投与の形態を提供するために、化合物の治療的有効量を、適量の担体と共に含むものである。この製剤は、投与様式に適合しなければならない。例えば経口投与は、本発明の化合物が胃腸管で分解することを防ぐために、腸溶性コーティングが必要である。別の例において本発明の化合物は、化合物を分解性酵素から保護し、循環系の輸送を促進し、細胞内部位への細胞膜を超えた送達を実現するために、特に核酸について、リポソーム製剤で投与される。
別の態様において薬学的組成物は、IGF-1タンパク質、および/または1種もしくは複数の治療的薬剤、ならびに、薬学的に許容できる担体を含む。一つの態様において、IGF-1タンパク質を(他の治療的薬剤と共にまたは伴わずに)、および、薬学的に許容できる担体を含有する薬学的組成物は、有効投与量にある。
本発明の薬学的組成物は、中性形または塩形として製剤することができる。薬学的に許容できる塩は、塩酸塩、リン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩などの遊離アミノ基で形成されたもの、およびナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2-エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなど遊離のカルボキシル基で形成されたものを含む。
いくつかの態様において、この組成物は、ヒトへの皮下注射または静脈内投与に適合された薬学的組成物として日常的手法に従い製剤される。典型的には、皮下注射または静脈内投与のための薬学的組成物は、滅菌等張水性緩衝液である。必要であるならば、この組成物は、可溶化剤および注射部位の疼痛緩和のためにリドカインのような局所麻酔薬を含むことができる。一般に、これらの成分は、単位剤形で個別にまたは混合のいずれかで、例えば有効成分の量を記したアンプルもしくはサシェなどの密封された容器内の無水の凍結乾燥散剤または無水濃縮物などで、供給される。この組成物が点滴により投与される場合、無菌の医薬等級の水、生理食塩水、もしくは他の許容できる希釈剤を含有する点滴ボトル、バッグ、または他の許容できる容器と共に配布される。この組成物が注射により投与される場合、無菌注射用水または生理食塩水のアンプルを、これらの成分を投与前に混合するために提供することができる。
ある態様において、IGF-1製剤は、米国特許第5,681,814号に開示されている。この製剤は以下のものである:IGF-1約2〜約20mg/ml、浸透圧調節剤約2〜約50mg/ml、少なくとも1種の安定化剤約1〜約15mg/ml、および緩衝液(酢酸塩緩衝液、または酢酸ナトリウム)を組成物がpHを約5〜約5.5を有するような量。任意にこの製剤は、界面活性剤を好ましくは約1〜約5mg/ml、例えば約1〜約3mg/mlの量含むこともできる。
いくつかの態様において、浸透圧調節剤は、濃度約2〜10mg/mlの無機塩または濃度約40〜約50mg/mlの糖アルコールであり、安定化剤は、ベンジルアルコール、フェノール、または両方であり、ならびに緩衝された溶液は、酢酸塩で緩衝された溶液である。更なる態様において、浸透圧調節剤は、塩化ナトリウムのような無機塩である。
更なる態様において、この製剤は、IGF-1の約8〜約12mg/ml、塩化ナトリウム約5〜約6mg/ml、安定剤としてベンジルアルコールを約8〜約10mg/mlの量、および/またはフェノールを約2〜約3mg/mlの量、ならびに約50mM酢酸ナトリウム緩衝液を、pHが約5.4となるように含有する。任意にこの製剤は、界面活性剤としてポリソルベートを約1〜約3mg/mlの量を含有する。
経口投与に適合された薬学的組成物は、例えばカプセル剤もしくは錠剤として、散剤もしくは顆粒剤として、液剤、シロップ剤もしくは懸濁剤として(水性または非水性液体)、食用泡剤もしくはホイップ剤として、または、乳剤として提供することができる。錠剤または硬カプセル剤は、例えば乳糖、デンプンまたはそれらの誘導体、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウム、ステアリン酸またはそれらの塩を含むことができる。軟ゼラチンカプセル剤は、例えば、植物油、ワックス、脂肪、半固形または液体ポリオールなどを含むことができる。液剤およびシロップ剤は、例えば水、ポリオールおよび糖を含有することができる。
経口投与が意図された活性物質は、胃腸管内での崩壊を遅延するかまたは吸収に影響を及ぼす材料(例えば、グリセリルモノステアレートまたはグリセリルジステアレート)でコートまたはこれと混合することができる。従って例えば、活性物質の持続放出は、何時間にもわたり実現することができ、必要ならば、活性物質を、胃腸管内の分解から保護することができる。胃腸管に沿った様々なpHおよび酵素条件を考慮し、経口投与用の薬学的組成物は、特定の胃腸部位での活性物質の放出を促進するように製剤することができる。
非経口投与に適合された薬学的組成物は、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤および薬学的組成物を実質的に意図されたレシピエントの血液と等張にする溶質を含有することができる、水性または非水性の無菌の注射用液剤または懸濁剤を含むが、これらに限定されるものではない。このような薬学的組成物中に存在し得る他の成分は、例えば水、アルコール、ポリオール、グリセリンおよび植物油などを含む。非経口投与に適合された組成物は、例えば密封したアンプルおよびバイアルのような、単位投与量または反復投与量の容器内に存在することができ、および使用直前に注射用の無菌生理食塩水などの無菌の液体担体の添加が必要である、凍結し乾燥した(凍結乾燥した)状態で貯蔵することができる。即時注射用液剤および懸濁剤は、無菌の散剤、顆粒剤、および錠剤から調製することができる。このような薬学的組成物は、IGF-1血中レベルを増加する化合物の治療的または化粧的有効量を、対象へ適宜投与するための剤形を提供するための適量の担体と共に含有する。
経皮投与に適合された薬学的組成物は、長期間表皮に密に接触し続けることが意図された個別の貼布剤として投与することができる。局所投与に適合された薬学的組成物は、例えば軟膏剤、クリーム剤、懸濁剤、ローション剤、散剤、液剤、ペースト剤、ゲル剤、スプレー剤、エアゾール剤または油剤として提供することができる。局所用軟膏剤またはクリーム剤は、好ましくは、皮膚、口腔、眼または他の外部組織への局所投与のために使用される。軟膏剤で製剤される場合、活性成分は、パラフィン性または水混和用軟膏基剤と共に利用することができる。あるいは、この活性成分は、水中油型基剤または油中水型基剤のクリーム剤中に製剤することができる。
眼への局所投与に適合された薬学的組成物は、例えば、点眼剤または注射用薬学的組成物を含む。これらの薬学的組成物において、活性成分は、適当な担体中に溶解または懸濁することができ、これは例えばカルボキシメチルセルロースを含むまたは含まない、水性溶媒である。口腔への局所投与に適合された薬学的組成物は、例えば、トローチ剤、芳香錠および含嗽剤を含む。
鼻腔投与に適合された薬学的組成物は、散剤(好ましくは粒度20〜500μmの範囲を有する)のような固形担体を含有することができる。散剤は、嗅剤が摂取されるような方法、すなわち鼻に近づけた散剤の容器から鼻を経由した迅速な吸入で投与することができる。あるいは、鼻腔投与に適合された薬学的組成物は、例えば、鼻用スプレーまたは点鼻薬などの、液体担体を含むことができる。これらの薬学的組成物は、活性成分の水性または油性溶液を含む。吸入による投与のための組成物は、特に適合された装置中で供給することができ、これは活性成分の予め決定された用量を提供するように構成された、加圧したアエロゾル、ネブライザー、または吸入器を含むが、これらに限定されるものではない。
直腸投与に適合された薬学的組成物は、坐剤または浣腸剤として提供される。膣内投与に適合された薬学的組成物は、例えば、ペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、泡剤またはスプレー剤として提供することができる。
坐剤は一般に、0.5%〜10質量%の範囲の活性成分を含む。経口製剤は好ましくは、10%〜95質量%の活性成分を含む。
更に別の態様において、IGF-1は、IGF-1のその部位からのクリアランスを遅延するか、または例えば注射または投与部位からIGF-1の緩徐な放出を引き起こすかのいずれかの、長期作用するIGF-1製剤を使用し投与することができる。IGF-1血漿クリアランスを延長する持続作用性製剤は、複合されたIGF-1の形態であるか、またはPEGおよびポリプロピレングリコールホモポリマーおよびポリオキシエチレンポリオールから選択された水溶性ポリマー(すなわち室温で水に溶解性であるものなど)の、巨大分子へ共有的に結合(可逆的または不可逆的結合)することができる。例えば、参照として本明細書に特に組入れられている米国特許第5,824,642号を参照されたい。あるいはIGF-1は、その循環血半減期を増加するために、ポリマーへ複合または結合されてもよい。本目的に有用なポリエチレンポリオールおよびポリオキシエチレンポリオールの例は、ポリオキシエチレングリセロール、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビトール、ポリオキシエチレングルコースなどを含む。ポリオキシエチレングリセロールのグリセロール骨格は、例えば動物およびヒトにおいて、モノ-、ジ-、およびトリグリセリドで生じる同じ骨格である。このポリマーは、任意の特定の分子量を有する必要はないが、好ましくは分子量約3500〜100,000、より好ましくは5000〜40,000である。好ましくはPEGホモポリマーは、未置換であるが、これは一端がアルキル基で置換されてもよい。好ましいアルキル基は、C1-C4アルキル基であり、最も好ましくはメチル基である。最も好ましくは、このポリマーは、PEGの未置換のホモポリマー、PEGのモノメチル-置換されたホモポリマー(mPEG)、またはポリオキシエチレングリセロール(POG)であり、分子量約5000〜40,000を有する。
IGF-1は、投与のために受容体または抗体または抗体断片と結合することもできる。
本発明の薬学的組成物の投与は、経口、静脈内点滴、皮下注射、筋肉内、局所的、デポ注射、埋没、徐放性、腔内、鼻腔内、吸入、腫瘍内、眼内、および制御された放出を含むが、これらに限定されるものではない。本発明の薬学的組成物は、非経口、経粘膜(例えば経口)、経鼻、経直腸、膣内、舌下、粘膜下、または経皮的に導入することができる。好ましくは、投与は非経口であり、すなわち、消化器官を経由しないが、いくつかの他の経路、例えば静脈内、皮下、筋肉内、腹腔内、眼窩内、関節包内、脊椎内、胸骨内、動脈内、または皮内投与である。当業者は、投与様式の選択において考慮される具体的利点および欠点を理解することができる。反復投与は、本発明に含まれる。例えば、IGF-1タンパク質は、皮下注射により投与されるが、併用の治療薬は、静脈内点滴により投与される。更には、1種または複数の種類のIGF-1タンパク質の、他の治療的薬剤を伴うまたは伴わない投与は、同時(すなわち共投与)または逐次で行われる。例えばIGF-1タンパク質は最初に、第二の治療的薬剤または療法の逐次投与に対する感度を増加するために投与される。別の態様において、他の治療的薬剤を伴うまたは伴わないIGF-1タンパク質の1種または複数の種の投与期間は、重複してもよい。例えばIGF-1タンパク質は、7日間投与され、および第二の治療的薬剤は、IGF-1タンパク質治療の5日目に導入開始され、および第二治療的薬剤による治療は、7日目のIGF-1タンパク質治療を超えて続く。IGF-1は、米国特許第5,565,428号に説明されたような循環様式で間欠的に投与することもできる。
一つの態様において、本発明の薬学的組成物は、制御された放出または持続放出システムで送達される。例えば薬学的組成物は、静脈内点滴、埋没可能な浸透圧ポンプ、経皮的貼布剤、リポソーム、または他の投与様式を用い投与することができる。一つの態様において、ポンプを使用することができる(例えば、Langer, 1990, Science 249:1527-33;Sefton, 1987, CRC Crit. Ref. Biomed. Eng. 14: 201;Buchwald et al., 1980, Surgery 88: 507;Saudek et al., 1989, N. Engl. J. Med. 321:574参照)。別の態様において、この化合物は、ベシクル内、特にリポソーム内送達することができる(例えば、Langer, Science 249:1527-33 (1990);Treat et al., 1989, in Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer, Lopez-Berestein and Fidler(eds.), Liss, New York, pp. 353-65;Lopez-Berestein, 同書, pp.317-27、国際公開公報第91/04014号;米国特許第4,704,355号を参照のこと)。別の態様において、ポリマー材料を使用することができる(例えば、Medical Applications of Controlled Release, Langer and Wise (eds.), CRC Press: Boca Raton, Florida, 1974;Controlled Drug Bioavailability Drug Product Design and Performance, Smolen and Ball (eds.), Wiley: New York(1984);Ranger and Peppas, 1953, J. Macromol. Sci. Rev. Macromol. Chem. 23: 61;Levy et al., 1985, Science 228: 190;During et al., 1989, Ann. Neurol. 25: 351;Howard et al., 1989, J. Neurosurg. 71:105参照)。持続放出組成物の適例は、成形製品の形態の半透過性ポリマーマトリクス、例えばフィルムまたはマイクロカプセルを含む。持続放出マトリクスは、ポリアクチド(米国特許第3,773,919号、欧州特許第58,481号)、L-グルタミン酸およびγ-エチル-L-グルタミン酸のコポリマー(Sidman et al., 1983, Biopolymers, 22:547-556参照)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)(Langer et al., 1981, J. Biomed Mater Res, 15:167-277、およびLanger, 1982, Chem Tech, 12:98-105)、エチレン酢酸ビニル(Langer et al., 前掲)またはポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸(欧州特許第133,988号)がある。持続放出されたIGF-1組成物は、リポソームにより捕獲されたIGF-1も含む。IGF-1を含有するリポソームは、それ自身公知の方法により調製される:独国特許第DE 3,218,121号;Epstein et al., 1985, Proc Natl Acad Sci USA, 82:3688-3692;Hwang et al., 1980, Proc Natl Acad Sci USA, 77:4030-4034;欧州特許第52,322号;第36,676号;第88,046号;第143,949号;第142,641号;日本国特許出願第83-118008号;米国特許第4,485,045号および第4,544,545号;ならびに、欧州特許第102,324号がある。通常これらのリポソームは、小型(約200〜800Å)の単層型であるが、この脂質含量は、 約30mol%以上のコレステロールであり、選択された割合は、IGF-1療法に最適となるよう調節されている。
更に別の態様において、制御された放出システムは、標的の近傍に配置することができる。例えばマイクロポンプで、制御された投与量が直接脳に投与され、これにより全身投与量の一部のみが必要となる(例えば、Goodson, 1984, Medical Applications of Controlled Release, vol.2, pp.115-138)。IGF-1は、腹腔内へ直接送達し、内臓脂肪を薬物へ優先的に曝露することができる。
一つの態様において、本発明の薬学的組成物を治療が必要な局所的領域に投与することが望ましく、これは、手術時の局所点滴、外用塗布(例えば、術後の創傷包帯との組合せ)、カテーテルによる注射により、坐薬により、またはインプラントにより実現することができる。インプラントは、多孔質、非孔質、またはシラスティックメンブレンのようなメンブレンまたは繊維を含む、ゼラチン状材料であることができる。
IGF-1は、1種または複数の治療的薬剤の投与前、投与時および/または投与後に投与することができる。更に別の態様において、IGF-1および/または1種もしくは複数の治療的薬剤の投与の間に重複期間がある場合がある。
本発明は、下記の非限定的例を参照し、より良く理解することができ、これは本発明の例としてのみ提供される。下記実施例は、本発明の好ましい態様をより十分に説明するために提示される。しかしこれらは、本発明の広範な範囲を限定するものとして解釈されるものではない。
実施例
下記実施例は、当業者に、いかにして本発明を行いかつ使用するかの完全な開示および説明を提供するために示し、本発明者らが本発明者らの発明とみなすものの範囲を制限することを意図するものではなく、ならびに下記の実験は、実施された全てまたは唯一の実験を説明することを意図するものではない。使用した数値(例えば量、温度など)に関して精度を確実にするように試みたが、若干の実験誤差および偏差は考慮されなければならない。特に記さない限りは、部は質量部であり、分子量は質量平均分子量であり、温度は摂氏であり、および圧力は大気圧またはその近傍である。
実施例1
GH-IGF軸に関する様々な測定値間の相関関係
National Cooperative Growth Study(NCGS)のようなGH使用の大規模調査試験のデータは、照会されたが未治療の患者に注目し、かつ中央化したアッセイ結果を使用する、特に関連のある副試験により、IGF-1治療に反応する患者集団を決定するうえで有用である。NCGSのこのような副試験(副試験VI)の一つは、ホルモン試験を受けている身長の低い小児は、相対的に正常な最大刺激されたGHレベルにもかかわらず、低いIGF-1レベル(IGF-1 SDS =-1.7±1.7、平均±SD)を有する群として認められたことに注目した。この副試験の一つの目的は、刺激したGH、GHBP、IGF-1およびIGF結合タンパク質3(IGFBP-3)を含む、GH-IGF軸に関連した様々な測定値間の相互作用を探索することであった。このデータは、驚くべきことに、言及された身長の低い小児のかなりの割合が、原発性IGFD、すなわち十分なGHであるがIGF-1欠損を示した。
NCGS副試験VIは、低身長症のホルモン的根拠を評価するためにデザインした。この試験は、低身長症のホルモン的基礎の評価を受ける未治療の対象に限定された。このプロトコールで言及した目標は、以下である:1)更なる可能性のある評価のために検出不可能なまたは正常以下のGHBP血中レベルを有する患者を同定することに加え、低身長症小児亜群のGHBPレベルを決定すること;ならびに、2)GHBPのGH、IGF-1、およびIGFBP-3血中レベルとの関係を定義すること。
患者集団
本試験に含まれた対象は、それらの低身長症のホルモン的根拠を評価した。GH刺激試験(複数)、IGF-1、IGFBP-3およびGHBPに関するベースライン標本が供給された患者のみを含んだ。GH療法をその時点で受けている患者は排除した。
試験デザイン
登録時に、単独の血漿試料を、GHBP、IGF-1およびIGFBP-3の測定のために収集した。これは、1種または2種の標準GH誘発性刺激試験からのGHレベルの測定値について、最大8種の血液試料を伴った。GHBP、IGF-1およびIGFBP-3の反復測定に関して、未治療の対象に関するベースライン後約1年、またはGHで引き続き治療される対象の約1年の療法後の、単独のフォローアップ血液試料について、プロトコールの修正がなされた。
臨床検査法
全ての標本は、ホルモンレベルの集中された決定のために単独の臨床検査室(Nichols Institute)に送付した。成長ホルモンは、GHに対するモノクローナル抗体を用いるHybritechイムノラジオメトリックアッセイ(IRMA)を用い測定した。このようなIRMAアッセイは、GHに対するラジオイムノアッセイを用いて得られた値の大体半分である値に戻った(IRMAのGH値5ng/mlは、RIAの10ng/mlの値と大体等しい)。IGF-1は、酸エタノール抽出後のラジオイムノアッセイ(RIA, Nichols Institute)を用いて測定した。IGFBP-3は、組換え標準およびトレーサーによるRIAにより測定した。GHBPは、リガンド媒介型免疫機能アッセイ(LIFA)により測定した(例えば米国特許第5,210,017号参照)。
統計解析
対象は、登録時年齢が0〜20歳であり、全て4種のベースライン臨床検査測定値は入手可能である場合に、解析に含んだ。データは、注記しない限りは、平均±標準偏差(SD)として表した。データは、SDスコア(SDS)として表し、各測定またはアッセイについて提供された標準データを用いて年齢および性別について調節した。
結果
合計6447名の対象は、4種のコホート(cohort)について評価した:
1)6447名の対象全員;
2)身長SDS<-2、IGF-1 SDS<-2、および最大刺激したGH<10ng/mLの対象;
3)身長SDS<-2、IGF-1 SDS<-2、および最大刺激したGH>10ng/mLの対象;ならびに
4)身長SDS<-3、IGF-1 SDS<-3、および最大刺激したGH>10ng/mLの対象。
全対象
本試験の全コホートにおいて(n=6447)、ベースライン診断評価時の平均年齢は、10.1±4.0歳であり、平均骨年齢は8.0±3.8歳でありおよび平均骨年齢の遅延は2.2±1.6歳であった。平均身長SDSは、-2.5±1.1であり、平均BMI SDSは、-0.5±1.4であった。ベースライン時に、対象の68%は男性であり、および76%は思春期前であった。予想されるように、対象の77%は、ベースライン時にその低身長症の定義された病因を有さなかった。低身長症と称された対象の75%のみが、身長SDS<-2(n=4663)であり、および87%は、正常なSDS<0(正常平均の)を下回る血清IGF-1を有し、およびこれらの小児の39%は低身長症であるか、または1955名の小児は血清IGF-1のSDS<-2を有した。
6447名の対象の中央最大刺激された(ピーク)GHレベルは、Hybritechアッセイを用い、7.5μg/Lであり、ラジオイムノアッセイ(RIA)により15μg/Lと等しかった。IGF-1 SDSの平均値は、-1.7±1.7であり、およびIGFBP-3 SDSは、-1.0±1.6であった。しかし平均GHBP SDSは、-0.2±1.2であった。対数ピークGHレベルは、IGF-1 SDSおよびIGFBP-3 SDSと正に相関し(各々、r=0.29, 0.28)、およびGHBP SDSと負に相関した(r=-0.19)。より強力な相関が、IGF-1 SDSとIGFBP-3 SDSの間に存在した(r=0.65)。GHBP SDSは、IGF-1 SDSとIGFBP-3 SDSに弱い正の相関があった(各々、r=0.15, 0.12)。
低いIGF-1および低いGH対象を伴う低身長の対象
コホート2中の対象は、身長SDS<-2を有し、IGF-1 SDS<-2および最大刺激されたGH<10ng/mLであった。これらの対象は、「GH欠損」群を構成した(n=1955中776、または身長の低いIGF欠損群の39%)。このコホートにおいて、64%は男性でありおよび82%は思春期前であった。平均IGF-1 SDSは、-3.8±1.8であり、58%はIGF-1 SDS<-3を有した。この群は、成長ホルモン欠損群であり、GHDと称された。
少なくとも正常な低いIGF-1およびGHレベルを伴う低身長の対象
コホート3の対象は、身長SDS<-2、IGF-1 SDS<-2および最大刺激されたGH>10ng/mLを有した。これらの対象は、十分な「IGF欠損/十分なGH」群を構成した(n=1955名の患者中1179名、または身長の低いIGF欠損群の61%)。このコホートは、コホート2と比べ、男性のより大きい割合(71%)を有した。平均IGF-1 SDSは、-3.0±0.9であり、41%は、IGF-1 SDS<-3を有した。身長SDSは、39%において<-3を有した。これは、この試験において原発性IGFDとして称された群であった。
少なくとも正常な非常に低いIGF-1およびGHレベルを伴う非常に身長の低い対象
コホート4の対象は、身長SDS<-3、IGF-1 SDS<-3および最大刺激されたGH>10ng/mLを有した。これらの対象は、際だった低身長症および際だったIGF欠損症の群を構成している(n=212、またはIGFD対象の18%)。これは、重症の原発性IGFDとして称された群であった。
考察
10年来の研究にもかかわらず、顕著な低身長症の小児の管理は、依然国間で、施設間で、更には同じ施設で働く医師間で異なる、大部分は主観的な取組みである。現在主に組換えヒト成長ホルモン(rhGH)および性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)アゴニストからなる成長促進療法を使用する判定基準は、ホルモン要因、成長学的(auxologic)要因、放射線的要因、遺伝子的要因、倫理的要因、および経済的要因が含まれている。このインターベンションの問題点は、原因の基礎となる状態の治療(甲状腺機能低下症または思春期早発症など)または特異的に認められた適応のためのrhGHの使用(ターナー症候群など)に加え、1)GH-IGF軸の欠損が存在するかどうか?および、2)治療をしないと最終成人身長に著しく障害が生じるかどうか?の点に及ぶことが多い。
GH欠損症の試験は、通常GH放出を刺激するそれらのメカニズムが異なる薬理学的刺激に関連している。低身長症の小児の非常に小さい割合(低身長症外来で診断された者の約5〜10%)のみが、GH欠損症である。しかしいくつかの試験が、GH/IGFシステムの他の異常は、有意な数の非GHD患者の低身長症に寄与することを示唆している。例えば低身長症の多くの患者において、低IGF-1レベルは、GH欠損症に関連していない。
Genentech National Cooperative Growth Study(NCGS)またはKabi International Growth Study(KIGS)などの、大規模市販後調査試験のデータは、多くの非GH欠損児がrhGH療法を受けており、これらの患児は、GH欠損症として分類される患者に類似した低身長症の程度を伴う患児の選択群を代表していることを指摘している。この分野の多くの者が、これらの患者に関する成長促進療法は、この患者は「正常-変形」低身長症か、または単純に「成長と思春期の構成的遅延」および「家族性低身長症」のいくつかの組合せを有するという根拠のため不必要であると考えている。しかしこれらの分類の各々は、GH-IGF軸は、正常であること、および更に最終成人身長は両親の平均の目標範囲内である(またはであろう)という実証に左右される。しかし対照的にGH治療が考えられる患者は、典型的には、標準投与量のGH治療を行っても行わなくとも、それらの遺伝的身長可能性に到達しない。更には多くが低IGF-1レベルであるように見える。
最終的には、ほとんどのGH生物学的作用の重要なメディエータであるインスリン様成長因子I(IGF-1)欠損症は、GH/IGF軸に沿った異常の理解に重要である。確かに、重症の成長ホルモン不応(ラロン)症候群は、著しいIGF-1欠損症の同様の最終結果のために、GH欠損症の重症形で認められるものと等しい成長不全を引き起こすことが可能である。正常なIGF-1レベルは、GH欠損症の確認された症例において一般的でないと考えられる一方で、低IGF-1レベルはおそらく明確に十分なGHがある患者において予想されるものよりもより一般的であろう。対照的にこの試験は、正常なGHおよび異常なIGF-1は比較的一般的であることを示している。言い換えれば、IGF-1欠損症は、十分なGHがある小児において比較的一般的である。
栄養失調または肝疾患の非存在下において、他の点では健常な個人のIGF欠損症は、GH-IGF軸の欠損により説明することができる。十分なGHの患者において、部分的GH不応が、GH受容体または下流のレベルで存在することがある。いわゆる特発性低身長症の小児の1〜5%において、GH受容体の細胞外ドメインの実証可能な病巣が発見されている。チロシンリン酸化により測定されるような、GH受容体シグナル伝達における異常も報告されている。理論的に、分離されたIGF欠損症または抵抗性の他の原因は、Stat5B遺伝子、IGF結合タンパク質、またはIGF受容体に影響を及ぼす遺伝子欠損によるものであろう。
他の点では健常な小児におけるIGF欠損症の原因は、余り理解されていない。GH分泌が明らかに正常なまたは例え上昇した症例であっても、この原因は、必ず部分的GH不応のいくつかの形態であるが、このGHに対する抵抗の正確な性質はほとんどの症例において不明である。GH療法の臨床試験に登録したISS患者は、低いGHBPレベルを有し、および他の低身長症群と比較してrhGH標準投与量に対し反応不良である傾向がある。しかし依然未治療の患者のこの副試験において、正常なGHBPレベルが認められた。低IGF-1レベル、遅延した骨年齢、および他の要因が含まれるこのような小児にrhGH療法を開始する前に医師が開始する、いかなる選択プロセスも、GH抵抗性の臨床徴候のある群を生じることは明らかである。
従って組換えヒトIGF-1(rhIGF-1)療法は、これまでGH受容体遺伝子、GH遺伝子またはIGF-1遺伝子の欠損が関連する、著しいIGF欠損症の3種の極めて稀な形態においてうまく使用されている。この試験は、ある程度のIGF-1欠損症を伴うが、十分なGHがある説明できない低身長症の実質的に非常に多数の小児が存在することを確立する。GH欠損症は昨今rhGH代償療法により治療されるので、IGF欠損である患者におけるrhIGF-1代償療法の役割が存在する。
実施例2
身長とIGF-1血中濃度の間の関係
本試験の目的は、成人における身長とIGF-1血中濃度の関係を試験し、次にrhIGF-1患者を治療することであった。
対象
II型糖尿病(DM)に罹患したと予め診断された個人を、試験のために選択した。対象44名は、ヘモグロビンA1cレベルが8.0%よりも大きい、年齢30〜70歳の男性および女性であった。これらの対象は、全員経口薬物投与のみで高血糖症の治療を受けた。
血液を採取し、身長を測定した。総IGF-1は、試料の酸エタノールによる抽出後、ラジオイムノアッセイにより測定した。 ヘモグロビンA1cレベルも測定した。収縮期血圧も測定した。
その後実施例1において説明したように、rhIGF-1の20または40μg/kgのいずれかを1日2回皮下注射することにより、12週間投与することで、これらの患者を治療した。
結果
図1は、rhIGF-1による治療前に、身長標準偏差スコア(身長SDS)とIGF-1血中濃度の間で、正(r=+0.45)および統計学的に非常に有意な(p=0.002)相関関係を示している。IGF-1値は、濃度が正規分布していないので、対数として表した。
rhIGF-1による治療は、血糖値を低下し、およびヘモグロビンA1cレベルを9.9から9.1%に低下し、これは有意な低下であった(p<0.001)。
20μg/kgの1日2回のrhIGF-1による治療は、収縮期血圧を治療後140.4から130.9へ低下、9mmHg下落し、これは非常に有意な下落であった(p<0.001)。
結論
IGF-1血清濃度は、患者の身長と正の相関であるという予想外の結果が得られた。IGF-1血中レベルに影響を及ぼすこれらの要因の最新かつ包括的検証は、「 成人において([i] n adults)、IGF-1は内在性GH分泌と相関しない」と記している(Juul, 2003, GH and IGF Research 13:113-170)。この検証は続けて、「成人における他のIGF-1調節因子が考慮されるべきである」ことを記している。これらの執筆者により考察された要因は、「体組成、身体活動、生活習慣および性ステロイドレベルの変化」である。成人における身長とIGF-1レベルの間の関係に関する言及はない。
この驚くべき知見は、低身長症に関連することが示されている心血管疾患、腎疾患、糖尿病および骨疾患などの多くの要因が、低IGF-1レベルまたはIGFDに関連しているという最初の証拠を提供する。
加えてこのデータは、これらの患者における代償療法は、血糖、ヘモグロビンA1c、および血圧に対する有意な作用を有することを示している。これらは、成人における低身長症に関連した疾患を反映する全ての測定値である。従って、これらの患者におけるIGF-1による代償療法は有効でありかつ適応されることは明らかである。従ってIGF-1代償は、IGFDおよび低身長症から生じる多くの疾患に対し有意な影響を有すると予想される。
実施例3
rhIGF-1投与
動物の一生にわたりrhIGF-1を投与し、正常な動物におけるrhIGF-1の長期作用を試験することにより動物試験を行った。
GHの有効性は、正常なGH分泌のヒトにおいて制限されていることは示されている。このような正常なGH分泌を伴う小児(いわゆる特発性低身長症患者)は、GHに対する非常に小さい成長反応を示している。rhIGF-1は骨年齢の加速を引き起こし、このことは早期に成長能を制限する長骨の骨端の閉鎖を引き起こすか、またはrhIGF-1はGH分泌を阻害し、これにより成長に対する自己限定作用を有するので、このような作用によりrhIGF-1の長期有効性は限定されると予測される。
この実施例は、成長期の小児の同様な長期治療と同等である動物における長期試験を示している。ラット長骨の骨端は、それらの寿命に対し非常に長期間開いているので、ラットはそれらの生存期間のほとんどで成長が可能である。この実施例は、非常に長期間にわたり非常に多数の動物において、広範なrhIGF-1投与量を用いた。
動物
雄および雌のCrl:CD(登録商標)(SD)BR VAF/Plus(登録商標)ラットを、Portag(MI)のCharles River Laboratories, Inc施設から入手した。これらの動物は、治療開始時点で41〜44日齢であった。治療開始時点で雄は178〜264gであり、雌は131〜199gであった。
これらの動物は、ステンレス綱、スクリーンボタン式檻に個別に飼育した(動物を群で飼育した場合は馴化のための最初の3日間を除いて)。一部の動物は、健康に問題があったので、試験期間中ポリカーボネート檻に入れた。
証明付きの齧歯類飼料(#5002 meal、PM(登録商標)Feeds, Inc.)を、動物の絶食期間以外には提供した。この飼料は、製造業者が栄養成分および環境混入物について日常的に分析した。
水は自在摂取させた。水試料は、特定の微生物および環境混入物について分析した。
馴化
450匹の雄ラットおよび450匹の雌ラットを、治療開始前に14日間(雄動物に関して)または15日間(雌動物に関して)馴化した。全般的に動物は健常に見えた。馴化時に、これらの動物は、健康上の問題の異常な指標に関して試験し、眼科試験を行い、全ての動物に関して体重を無作為化前1週間または無作為化時に記録した。食物摂取は、馴化時に約1週間全ての動物について記録した。
群の指定および投与量レベル
これらの動物は、実験動物に携わる獣医が試験し、試験への包含に適していることが認められた。本試験のための動物の選択は、臨床観察、体重、眼科試験、および適当ならば他のデータを基にした。動物は、治療群に関する体重の平衡を実現するためにデザインされたブロック法を用い、治療群に割当てた。無作為化時に、これらの動物の体重変動は、各性に関して平均体重の±2標準偏差を超えなかった。群平均体重は、確率水準5.0%で変動の同質性についてLevene検定を用い解析し、および同質性が認められた。動物は、下記のデザインに従い試験に割り当てた。
(表1)
Figure 2007505140
a. 投与容積は、1mL/kgであった。個体投与量は、最も新しく記録された体重をベースにした。
結果
rhIGF-1の投与は、全ての投与量レベルで雄および雌において体重の増加を引き起こした。この作用の大きさは、投与量の増加につれて増加したが、10.0mg/kg/日投与された動物の作用は、4.0mg/kg/日投与されるものよりもわずかに大きかった。雄に関して、10.0、4.0、および1.0mg/kg/日投与量レベルでは、平均体重に対する作用は、6週目から本試験の大半を通じて一般に統計学的に有意であり、0.25mg/kg/日が投与された雄について、統計学的有意な変化は22週目に初めて明らかになった。雌に関して、平均体重に関する作用は一般に、10.0および4.0mg/kg/日が投与された動物について、3週目に始まり、本試験の大半を通じて、および10.0mg/kg/日が投与された動物に関して6週目に統計学的に有意となった。0.25mg/kg/日が投与された雌に関しては、統計学的に有意な変化は一般に、20〜63週目に注目された。この体重に対する作用の大きさは、4.0または10.0mg/kg/日が投与された動物に関して顕著であった。69週目の始めに、高投与量が投与された雄および雌が少なくとも50%生存する場合、0.25、1.0、4.0または10.0mg/kg/日が投与された雄に関する平均体重は、各々、対照値の109%、116%、123%および129%であり、雌に関しては、各々、対照値の104%、113%、128%および131%であった。試験物質で処置した動物の増加した体重は、同じくこれらの群において記されている食物摂取の増加と一致した。
まとめ
これらの結果は、正常なGH分泌を伴う動物において、rhIGF-1は著しい成長促進活性を有したことを示している。対照的に、正常なGH分泌を伴うヒトにおけるGH治療は、GHが特発性低身長症の小児に投与される試験において認められるように、GHDにおけるGH治療の豊富な作用に対抗するような、限定された作用を有した。
実施例4
IGF欠損症に起因した低身長症小児における長期rhIGF-1治療の試験
本試験の目的は、IGF欠損症(小児原発性IGFD)に起因した低身長症の小児において、rhIGF-1による長期代償療法の有効性および安全性を評価することである。
ヒト健康に対する有意性
組換えヒトIGF-1を、原発性IGF欠損症の最も重症の罹患症例(ラロン症候群およびヒトGH遺伝子欠失のいくつかの症例)を治療するために、臨床試験において使用した。未治療状態のこのような個人の身長標準偏差スコアは通常、著しく低い直線状の成長速度のために、年齢とともに低下する。皮下注射で1日2回投与される40〜120μg/kgの投与量を使用した。40〜60μg/kgの投与量は、身長の速度の穏やかな増加を伴い、一般に身長標準偏差スコアを増加するには不充分、すなわち成長の「追いつき(catch-up)」は認められず、わずかな有効性が証明された。80〜120μg/kgの範囲の投与量は一般に、身長標準偏差スコアの改善に実質的に十分である、直線状の身長速度の改善を引き起こし、およびそのような改善は、最大10年の治療について持続することが観察される。rhIGF-1療法の治療作用は、著しいIGFDが少ない患者(例えば、-2または未満の身長および血清IGF標準偏差スコアを有するもの)においては不明である。このような対象は、成長ホルモン療法が成長ホルモン欠損症、ターナー症候群、胎内発達遅延、およびプラダー-ヴィリ症候群を伴う対象について証明されたような、ある程度の低身長症を患った。この試験は、同程度の低身長症(-2SD未満の身長)およびIGFD(-2SD未満の血液IGF-1)を伴う小児がrhIGF-1療法に好ましく反応するかどうかを決定するようにデザインされた。
正常な成人対象ならびに1および2型糖尿病の対象のrhIGF-1の薬物動態解析は、投与されたrhIGF-1の素因が、血清中のIGF結合タンパク質の支配的濃度により、最も注目すべきはIGFBP-3濃度により、大きく影響されたことを強力に示唆した。高度に有意な関係が、血清IGFBP-3濃度と投与されたrhIGF-1のクリアランスの間に存在し、低血清IGFBP-3濃度は、rhIGF-1の迅速なクリアランスおよび治療作用の潜在的消失を予測した。
よりおだやかな程度の原発性IGFDを伴う小児も、ラロン症候群の対象よりも少ないIGFBP-3欠損症を有した。従ってより限定された範囲のrhIGF-1投与量(50〜100μg/kg、1日2回)がこの試験デザインにおいて使用される。
IGFDの最も極端な形態は、GHIS、またはラロン型小人症と称され(Laron Z et al., 1980, Ann Clin Res 12:269-77;Laron Z et al., 1966, Isr J Med Sci 2:152-55;Laron Z et al., 1968, Isr J Med Sci 4:883-94)、染色体劣性形質として遺伝される。これは、アジア系ユダヤ人および他の中東の人々の中で最も一般的であるが、他の人種群においても特発的に生じる。GH受容体欠損の分子遺伝学は説明されているが(Amselem S et al., 1991, Trends Endocrinol Metab 21:35-40)、罹患した個人は、重症のGH欠損症の臨床的特徴を共有し、彼らは、短身で、成長が遅く、未熟な顔面特徴および体の比率を有し、ならびに過度の体脂肪を有する。GH欠損症の患者において、IGF-1の血清濃度は低い。しかしGH欠損症とは対照的に、血清GH濃度は上昇し、GH分泌の刺激は過剰(supra-normal)反応を生じ、およびGHの外部からの投与はIGF-1レベルを上昇しないか、または予想された代謝および成長反応を生じない。この状態におけるGH抵抗性の基礎は、細胞表面上のGH受容体の欠損(または非存在)である。加えてGH受容体の細胞外ドメインのホモログである循環GH結合タンパク質は、罹患した患者において検出不能であることが多い。血清GH結合タンパク質が認められた患者は、GH受容体の膜貫通ドメインおよび細胞内ドメインに欠損を有するか、またはGH作用の受容体後経路に欠損を有すると考えれる(Godowski P et al., 1989, Proc Natl Aced Sci (USA) 1989;86:8083-7;Eshet R et al., 1984, Isr J Med Sci 20:8-11)。
本プロトコールにおいて対処したIGFD形は、その組織の成長ホルモンに対する反応が不良である成長ホルモンシグナル伝達経路に欠損を有する小児において生じ、その理由はこれらの小児は成長ホルモンシグナルを非常に弱く伝達するからである。これらの小児は低身長症に加え、高い成長ホルモンレベルおよび不適切に低いIGF-1レベルを含む特徴的生化学的プロファイルを有する。彼らは、外来性GHの薬理学的量に対する反応が悪いと考えられる。
rhIGF-1が一部のGHIS患者についての代償療法の有効な形態であるというデータは、ラロン型患者由来の細胞株によるインビトロ試験、ならびに動物および正常な成人ヒトにおけるインビボ試験を基にしている。赤血球前駆細胞およびIGFD(ラロン型)の患者由来の永久に形質転換されたT細胞株は、インビトロにおいてIGF-1の1〜10ng/mlに反応して増殖を示す(Geffner ME et al., 1987, J Clin Endocrinol Metab 64:1042-6)。ヒトIGF-1のインビボ点滴は、GH欠損マウス(Van Buul-Offers S et al., 1986, Pediatr Res 20:825)および下垂体切除ラットにおいて、体重増加および直線状増殖を刺激する。IGF-1は、インスリン欠損ラットへ注入された場合、血糖症または糖尿をいっそう悪化させることなく、成長を刺激する(Schoenle E et al., 1982, Nature 296:252)。rhIGF-1の緩徐な連続注入は良好に許容されるようにみえるが(Zapf J et al., 1986, J Clin Invest 77:1768)、IVボーラス投与は、低血糖症、予測されたインスリン様作用を生じる(Guler H-P et al., 1987, N Engl J Med 317:137)。
ラロンと同僚(Laron Z et al., 1991, Clin Endocr 35:145-50)は、GHIS(ラロン型)対象10名に、組換えIGF-1を投与量120または150mg/kg/日で7日間毎日皮下注射した。これは、顕著に上昇したIII型血清プロコラーゲンを生じ、血漿GH、血清コレステロール、血清SGOT、および血清LDHを低下した。血漿インスリンの可変性の反応が観察され、一部の患者は、絶食時インスリン濃度を低下する一方で、他の患者は増加を経験した。
Walkerら(1991, N Engl J Med 324:1483-8)は、よく特徴付けられたラロンI型GF-1欠損症の8.9歳の少年を研究した。この子供は、以下の症候群の典型的生理的および生化学的特徴を有した:重度の成長不全;高い血清GH;低いIGF-1;GH結合タンパク質の非存在;GHの短期間投与に反応するIGF-1増加の失敗;6ヶ月間のGH療法の間の改善された成長を示すことの失敗。この患者は、rhIGF-1(Genentech)の11日間点滴を受け、点滴後8日間観察した。GH治療は代謝作用を生じなかったが、IGF-1点滴は、様々な代謝パラメータにおいて劇的変化を生じた(Walker JL et al., 1991, N Engl J Med 324:1483-8)。これらの結果は、GHのほとんどのインビボ作用は、IGF-1により媒介されること、ならびにrhIGF-1代償は、GHに対する代謝抵抗性を迂回することができることを確認した。加えてこれらの結果は、rhIGF-1は、GH受容体欠損に起因し、IGFD患者において成長を生じる強力な尤度が存在することを示唆している。これらの代謝作用に加え、この試験は、rhIGF-1点滴は絶食時低血糖症を生じる(このペプチドのインスリン様特性のために)ことに加え、食事が誘導した鈍いインスリン分泌は食後の高血糖症を生じることを示した。
IGF-1療法が、原発性IGFD患者において直線状の成長を持続するかどうかを決定する治療プロトコールが開発された。患者は、副作用の存在しない最適成長に必要な投与量で維持された。rhIGF-1の投与量120μg/kgは許容性がよく、正常な範囲のIGF-1血漿濃度を生じた。
研究プラン
本プロトコールの目的は、組換えヒトインスリン様成長因子I(rhIGF-1)の、BID、またはTIDで投与された80μg/kg〜120μg/kgの範囲の投与量での、皮下注射による原発性IGFDの小児への長期投与は、安全かつ有効であり、ならびに原発性IGFDの子供への正常な成長および代謝を回復することができるかどうかを決定することであった。
対象:
原発性IGFDに起因した成長不全の患者が登録された。包含基準は、年齢の正常平均を少なくとも2SD下回る身長;年齢の50パーセンタイル未満の成長速度;年齢の平均を2SD下回る血漿IGF-1;年齢2歳以上;10ng/mlよりも大きいまたは等しいGHレベルと定義される、少なくとも正常であるランダムなまたは刺激されたGHレベルを含む。除外基準は、活動期の悪性疾患または悪性疾患の既応;他の理由に起因した成長不全;尿生殖器、心肺、胃腸管または神経系の障害、他の内分泌系障害、栄養/ビタミン欠損症、または軟骨形成不全;コルチコステロイドまたは成長に影響を及ぼす他の医薬品による治療;臨床的に有意な心不整脈の既応のある臨床的に有意なEKG異常である。
手法
年に1度の来院
身長および体重の人体計測の測定は、同じ医師が、標準の手法を用い行った。血圧も記録した。治療の副作用の評価を含む暫定(interim)既応歴を得た。
被検薬の投薬記録を検証した。心臓のサイズおよび機能を評価するために、ECHOを行った。腎超音波は、腎臓のサイズおよび成長をモニタリングするために行った。オージオグラムおよびティンパノメトリを行い、聴力を評価した。DEXA走査を行い骨ミネラル含量および体組成を評価した。
治療:
対象は、rhIGF-1代償療法を、皮下BIDまたはTIDで80〜120μg/kgの範囲の投与量、240μg/kg/日の最大総量で受け取った。各患者について選択された投与量は、患者の許容性および成長の最適化のための滴定を基にした。
高血糖の症状が生じた場合、患者、および患者の親/保護者は、家庭用ブドウ糖分析装置を用い、自宅で血糖値をモニタリングするように指示を受けた。介護者は、40を下回るもしくは200mg/dlを上回る読み値または低血糖の症状については治験担当者へ連絡するように指示を受けた。
毎年の来院の6ヶ月後、小児内分泌医は、その患者を試験した。この来院時に、患者は、治療の可能性のある作用についてスクリーニングされ、ならびに身長および体重の人体計測の測定を、標準化された装置を用い、同じ臨床医が行った。被検薬投薬記録も検証した。
試料分析
臨床試験は、血清IGF-1およびGHレベルおよびCBC、血小板数、血清化学および甲状腺機能試験を行った。
データ解析
これらの小児の治療前の成長速度は、およそ2〜4.0cm/年である。有害事象は、処置を施し、まとめた。
患者は、下記の理由でプロトコールを中断した:
・試験の中断を必要とする医学的状態。
・治験担当者の判断において、臨床的および精神的体質の評価に有意な程度に影響を及ぼす傾向がある介入疾患。
・患者、親、または保護者の参加中断の希望。
・本プロトコールの遵守違反。
結果および考察
IGFDであるこれらの小児患者において、rhIGF-1による治療は、成長速度の有意な増加を引き起こした。
下記表2に示した5名の患者は、80〜120μg/kgのrhIGF-1で1日2回の皮下注射により、少なくとも1年間治療した。
(表2)rhIGF-1で治療したIGFD患者における患者特徴および成長速度
Figure 2007505140
GHレベル
GH刺激試験後のこれらの患者において測定した成長ホルモンレベルは、全て正常と称されるレベル(10ng/ml)を上回った。従って本試験において全ての患者は、十分なGHがあった。
IGF-1レベル
IGF-1レベルは、前記5名の患者におけるIGF-1 SDS値を推定するために、2供給源からの標準データセットと比較した。IGF-1 SDS値は、2 標準データの少なくとも1種を用いる前記患者について正常な範囲内(正常平均を2下回るSDS値)であった。従ってこれらの患者は、標準データセットを使用し、IGF-1 SDS値を計算する一部の患者に応じて、小児原発性IGFDまたは重症小児IGFDを有すると称することができる。
成長速度
これらの患者のベースライン身長SDSスコアは、全て平均を2下回った。従って、これらの患者は、IGFDまたは重症のIGFDに罹患したと指定することもできる。これらの患者のベースライン成長速度は、3.6cm/年と指定した。患者がrhIGF-1により治療される場合、それらの成長速度は、平均9.0cm/年に増加した。成長速度5.4cmの増加は、臨床的に有意な増加であった。
従ってデータは、小児原発性IGFD患者および重症小児原発性IGFD患者におけるrhIGF-1による治療は、成長速度を促進することを示している。
本明細書に引用された全ての参考文献は、全体が本明細書に言及される参照として本明細書に特に組み入れられる。
先に本発明の例証的態様を明らかにし、当業者は、本開示は単なる例であり、様々な変更、適合、および修飾は本発明の範囲内であり、本出願人により企図されていることを認めるであろう。従って本発明は、先に例証されたような特定の態様に限定されないが、「特許請求の範囲」により定義される。
2型糖尿病に罹患したと先に特徴付けられた、成人患者における身長SDS、対、IGF-1の血中レベルのプロットを示すグラフである。

Claims (33)

  1. インスリン様成長因子-1欠損症(IGFD)を有する対象を治療する方法であって:
    ヒト小児対象へ、有効量のインスリン様成長因子-1(IGF-1)を投与する段階を含み、ここで対象は;
    IGF-1による治療時または治療開始前に、同じ年齢および性別の対象の正常平均身長を少なくとも約2標準偏差(SD)下回る身長を有するまたは有したこと、ならびに
    IGF-1による治療時または治療開始前に、同じ年齢および性別の対象の正常平均レベルを少なくとも約-1SD下回るIGF-1血中レベルを有するまたは有したことを特徴とし、
    ここで対象は、ラロン症候群または部分的成長ホルモン不応症候群(partial growth hormone insensitivity)を有さず、ならびにここで該投与は、対象におけるIGFDの治療に有効である、方法。
  2. 対象が、同じ年齢および性別の対象にとっては少なくとも正常である成長ホルモン結合タンパク質(GHBP)血中レベルを有することを更に特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 対象が、少なくとも正常である成長ホルモン(GH)血中レベルを有することを更に特徴とする、請求項1記載の方法。
  4. 投与が、IGFDの少なくとも1種の症状を緩和する、請求項1記載の方法。
  5. 投与が、成長速度または身長の増加を提供する、請求項1記載の方法。
  6. 対象が、同じ年齢および性別の対象の正常平均レベルを少なくとも約2.0SD下回るIGF-1血中レベルを有する、請求項1記載の方法。
  7. IGF-1が、投与量約20〜240μg/kg/日で投与される、請求項1記載の方法。
  8. IGF-1が、皮下投与される、請求項7記載の方法。
  9. インスリン様成長因子-1欠損症(IGFD)を有する対象を治療する方法であって:
    ヒト成人対象へ、有効量のインスリン様成長因子-1(IGF-1)を投与する段階を含み、ここで対象は;
    IGF-1による治療時または治療開始前に、同じ年齢および性別の対象の正常平均を少なくとも約2標準偏差(SD)下回る身長を有するまたは有したこと、ならびに
    IGF-1による治療時または治療開始前に、同じ年齢および性別の対象の正常平均レベルを少なくとも約-1SD下回るIGF-1血中レベルを有するまたは有したことを特徴とし、
    ここで対象は、ラロン症候群または部分的成長ホルモン不応症候群を有さず、ならびにここで該投与は、対象におけるIGFDの治療を提供する、方法。
  10. 対象が、同じ年齢および性別の対象においては少なくとも正常である成長ホルモン結合タンパク質(GHBP)血中レベルを有することを更に特徴とする、請求項9記載の方法。
  11. 対象が、少なくとも正常である成長ホルモン(GH)血中レベルを有することを更に特徴とする、請求項9記載の方法。
  12. 投与が、IGFDの少なくとも1種の症状を緩和する、請求項9記載の方法。
  13. 対象が、同じ年齢および性別の対象の正常平均レベルを少なくとも約2.0SD下回るIGF-1血中レベルを有する、請求項9記載の方法。
  14. IGF-1が、投与量約20〜240μg/kg/日で投与される、請求項9記載の方法。
  15. IGF-1が、皮下投与される、請求項14記載の方法。
  16. インスリン様成長因子-1欠損症(IGFD)対象の年齢および性別においては少なくとも正常なインスリン様成長因子-1(IGF-1)レベルを実現する方法であって:
    患者へ、有効量のインスリン様成長因子(IGF-1)を投与する段階を含み、ここで患者は;
    IGF-1による治療時または治療開始前に、同じ年齢および性別の対象の正常平均を少なくとも約2標準偏差(SD)下回る身長を有するまたは有した対象、ならびに
    IGF-1による治療時または治療開始前に、同じ年齢および性別の対象の正常平均レベルを少なくとも約-1SD下回るIGF-1血中レベルを有するまたは有した対象であることを特徴とし、
    ここで対象は、ラロン症候群または部分的成長ホルモン不応症候群を有さず、ならびにここで該投与は、対象における年齢および性別における正常血液IGF-1レベルを実現する、方法。
  17. 対象が、同じ年齢および性別の対象においては少なくとも正常である成長ホルモン結合タンパク質(GHBP)血中レベルを有することを更に特徴とする、請求項16記載の方法。
  18. 対象が、少なくとも正常である成長ホルモン(GH)血中レベルを有することを更に特徴とする、請求項16記載の方法。
  19. 対象が、同じ年齢および性別の対象の正常平均レベルを少なくとも約2.0SD下回るIGF-1血中レベルを有する、請求項16記載の方法。
  20. IGF-1が、投与量約20〜240μg/kg/日で投与される、請求項16記載の方法。
  21. IGF-1が、皮下投与される、請求項20記載の方法。
  22. 原発性インスリン様成長因子-1欠損症(IGFD)を有する対象の治療法であって:
    原発性インスリン様成長因子-1欠損症(IGFD)を有するヒト対象へ、有効量のインスリン様成長因子-1(IGF-1)を投与する段階を含み、ここで対象は;
    IGF-1による治療時または治療開始前に、同じ年齢および性別の対象の正常平均を少なくとも約2標準偏差(SD)下回る身長を有するまたは有したこと、
    IGF-1による治療時または治療開始前に、同じ年齢および性別の対象の正常平均レベルを少なくとも約-1SD下回るIGF-1血中レベルを有するまたは有したこと;ならびに
    少なくとも正常である成長ホルモン(GH)の血中レベルを有することを特徴とし、
    ここで対象は、ラロン症候群または部分的成長ホルモン不応症候群を有さず、ならびにここで該投与は、対象におけるIGFDの治療を提供する、方法。
  23. 対象が、同じ年齢および性別の対象においては少なくとも正常である成長ホルモン結合タンパク質(GHBP)の血中レベルを有することを更に特徴とする、請求項22記載の方法。
  24. 投与が、少なくとも1種のIGFDの症状を緩和する、請求項22記載の方法。
  25. 対象がヒト小児対象であり、および該投与が、成長速度または身長の増加を提供する、請求項22記載の方法。
  26. 対象が、同じ年齢および性別の対象の正常平均レベルを少なくとも約2.0SD下回るIGF-1血中レベルを有する、請求項22記載の方法。
  27. IGF-1が、投与量約20〜240μg/kg/日で投与される、請求項22記載の方法。
  28. IGF-1が、皮下投与される、請求項27記載の方法。
  29. 原発性インスリン様成長因子-1欠損症(IGFD)対象の年齢および性別においては少なくとも正常なインスリン様成長因子-1(IGF-1)レベルを実現する方法であって:
    ヒト対象へ、有効量のインスリン様成長因子(IGF-1)を投与する段階を含み、ここで患者は;
    IGF-1による治療時または治療開始前に、同じ年齢および性別の対象の正常平均を少なくとも約2標準偏差(SD)下回る身長を有するまたは有した対象、
    IGF-1による治療時または治療開始前に、同じ年齢および性別の対象の正常平均レベルを少なくとも約-1SD下回るIGF-1血中レベルを有するまたは有した対象、ならびに
    少なくとも正常である成長ホルモン(GH)の血中レベルを有する対象であることを特徴とし、
    ここで対象は、ラロン症候群または部分的成長ホルモン不応症候群を有さず、ここで該投与は、対象の同じ年齢および性別における正常な血液IGF-1レベルを実現する、方法。
  30. 対象は、同じ年齢および性別の対象にとっては少なくとも正常である成長ホルモン結合タンパク質(GHBP)の血中レベルを有することを更に特徴とする、請求項29記載の方法。
  31. 対象が、同じ年齢および性別の対象の正常平均レベルを少なくとも約2.0SD下回るIGF-1血中レベルを有する、請求項29記載の方法。
  32. IGF-1が、投与量約20〜240μg/kg/日で投与される、請求項29記載の方法。
  33. IGF-1が、皮下投与される、請求項32記載の方法。
JP2006526350A 2003-09-12 2004-09-09 インスリン様成長因子−1(igf−1)欠損症の治療法 Expired - Fee Related JP4738337B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US50257903P 2003-09-12 2003-09-12
US60/502,579 2003-09-12
PCT/US2004/029735 WO2005049792A2 (en) 2003-09-12 2004-09-09 Methods for treatment of insulin-like growth factor-1 (igf-1) deficiency

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007505140A true JP2007505140A (ja) 2007-03-08
JP4738337B2 JP4738337B2 (ja) 2011-08-03

Family

ID=34619295

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006526350A Expired - Fee Related JP4738337B2 (ja) 2003-09-12 2004-09-09 インスリン様成長因子−1(igf−1)欠損症の治療法

Country Status (18)

Country Link
US (3) US7258864B2 (ja)
EP (2) EP2274978B1 (ja)
JP (1) JP4738337B2 (ja)
CN (2) CN102861321A (ja)
AT (1) ATE536186T1 (ja)
AU (1) AU2004291833B2 (ja)
CA (1) CA2538342C (ja)
DK (1) DK2274978T3 (ja)
ES (2) ES2541673T3 (ja)
HU (1) HUE027218T2 (ja)
IL (1) IL174209A (ja)
MA (1) MA28091A1 (ja)
NZ (1) NZ545940A (ja)
PL (1) PL2274978T3 (ja)
PT (1) PT2274978E (ja)
TN (1) TNSN06082A1 (ja)
WO (1) WO2005049792A2 (ja)
ZA (1) ZA200602183B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019156540A1 (ko) * 2018-02-12 2019-08-15 주식회사 지앤피바이오사이언스 코어-쉘 구조의 마이크로입자를 유효성분으로 포함하는 성장인자 유전자 발현 증가용 조성물

Families Citing this family (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2538342C (en) * 2003-09-12 2013-01-08 Tercica, Inc. Methods for treatment of insulin-like growth factor-1 (igf-1) deficiency
WO2006130769A2 (en) * 2005-06-02 2006-12-07 Tercica, Inc. Methods for treatment of growth disorders
BRPI0812768A2 (pt) * 2007-06-08 2014-12-02 Massachusetts Inst Technology Igf para o tratamento de síndrome de rett e transtornos sinápticos.
US20090177142A1 (en) 2008-01-09 2009-07-09 Smiths Medical Md, Inc Insulin pump with add-on modules
US8986253B2 (en) 2008-01-25 2015-03-24 Tandem Diabetes Care, Inc. Two chamber pumps and related methods
US8408421B2 (en) 2008-09-16 2013-04-02 Tandem Diabetes Care, Inc. Flow regulating stopcocks and related methods
EP2334234A4 (en) 2008-09-19 2013-03-20 Tandem Diabetes Care Inc DEVICE FOR MEASURING THE CONCENTRATION OF A SOLVED SUBSTANCE AND CORRESPONDING METHOD
CA2643529C (en) * 2008-11-06 2019-05-21 Kenneth W. Adams Method and composition for enhancement of male erectile function
CA2753214C (en) 2009-02-27 2017-07-25 Tandem Diabetes Care, Inc. Methods and devices for determination of flow reservoir volume
US9250106B2 (en) 2009-02-27 2016-02-02 Tandem Diabetes Care, Inc. Methods and devices for determination of flow reservoir volume
UA103104C2 (ru) 2009-07-22 2013-09-10 Ипсен Фарма С.А.С. Аналоги инсулиноподобного фактора роста-1 (igf-1), содержащие аминокислотную замену в положении 59
WO2011011071A2 (en) * 2009-07-22 2011-01-27 Ipsen Pharma S.A.S. Analogues of insulin-like growth factor-1 (igf-1)
US8758323B2 (en) 2009-07-30 2014-06-24 Tandem Diabetes Care, Inc. Infusion pump system with disposable cartridge having pressure venting and pressure feedback
EP2576834A4 (en) * 2010-05-26 2013-11-20 Philadelphia Children Hospital COMPOSITIONS AND METHODS FOR THE DIAGNOSIS AND TREATMENT OF INSULIN-LIKE GROWTH FACTOR PRIMARY DEFICIT (IDF) AND IDIOPATHIC STATURAL INSUFFICIENCY (ISS)
WO2012094755A1 (en) * 2011-01-14 2012-07-19 Theratechnologies Inc. Assessment of igf-1 levels in hiv-infected subjects and uses thereof
US9180242B2 (en) 2012-05-17 2015-11-10 Tandem Diabetes Care, Inc. Methods and devices for multiple fluid transfer
US9555186B2 (en) 2012-06-05 2017-01-31 Tandem Diabetes Care, Inc. Infusion pump system with disposable cartridge having pressure venting and pressure feedback
US10201656B2 (en) 2013-03-13 2019-02-12 Tandem Diabetes Care, Inc. Simplified insulin pump for type II diabetics
US9173998B2 (en) 2013-03-14 2015-11-03 Tandem Diabetes Care, Inc. System and method for detecting occlusions in an infusion pump
US9492608B2 (en) 2013-03-15 2016-11-15 Tandem Diabetes Care, Inc. Method and device utilizing insulin delivery protocols
KR20170094238A (ko) * 2014-12-16 2017-08-17 퓨어테인 바이오사이언스, 엘엘씨. 동물에서 혈청 igf-1을 증가시키는 방법
WO2019075404A2 (en) * 2017-10-13 2019-04-18 The Metrohealth System IGF-1 (INSULIN GROWTH FACTOR) AS A THERAPY FOR CARDIAC ARRHYTHMIAS
US10288629B1 (en) * 2017-12-19 2019-05-14 Aeterna Zentaris, Inc. Method of assessing growth hormone deficiency in humans by a macimorelin containing composition
CN111954966A (zh) 2018-04-10 2020-11-17 坦德姆糖尿病护理股份有限公司 用于对医疗设备进行感应充电的系统和方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09509430A (ja) * 1994-04-07 1997-09-22 ジェネンテック インコーポレイテッド 部分的成長ホルモン不感受性症候群の治療
JP2001510444A (ja) * 1996-05-03 2001-07-31 ジェネンテク・インコーポレイテッド 部分的成長ホルモン不感性症候群の治療

Family Cites Families (57)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3773919A (en) 1969-10-23 1973-11-20 Du Pont Polylactide-drug mixtures
US4411890A (en) 1981-04-14 1983-10-25 Beckman Instruments, Inc. Synthetic peptides having pituitary growth hormone releasing activity
US4263428A (en) 1978-03-24 1981-04-21 The Regents Of The University Of California Bis-anthracycline nucleic acid function inhibitors and improved method for administering the same
DE3169595D1 (en) 1980-11-10 1985-05-02 Gersonde Klaus Method of preparing lipid vesicles by ultrasonic treatment, the use of this method and apparatus for its application
IE52535B1 (en) 1981-02-16 1987-12-09 Ici Plc Continuous release pharmaceutical compositions
US4485045A (en) 1981-07-06 1984-11-27 Research Corporation Synthetic phosphatidyl cholines useful in forming liposomes
JPS58118008A (ja) 1982-01-06 1983-07-13 Nec Corp デ−タ処理装置
EP0088046B1 (de) 1982-02-17 1987-12-09 Ciba-Geigy Ag Lipide in wässriger Phase
DE3218121A1 (de) 1982-05-14 1983-11-17 Leskovar, Peter, Dr.-Ing., 8000 München Arzneimittel zur tumorbehandlung
EP0102324A3 (de) 1982-07-29 1984-11-07 Ciba-Geigy Ag Lipide und Tenside in wässriger Phase
DE3486216T2 (de) 1983-04-25 1994-02-17 Chiron Corp Hybrid-DNS-Synthesis von reifen insulinähnlichen Wachstumsfaktoren.
IL71991A (en) 1983-06-06 1994-05-30 Genentech Inc Preparation of human FGI and FGE in their processed form through recombinant AND tranology in prokaryotes
US4544545A (en) 1983-06-20 1985-10-01 Trustees University Of Massachusetts Liposomes containing modified cholesterol for organ targeting
HUT35524A (en) 1983-08-02 1985-07-29 Hoechst Ag Process for preparing pharmaceutical compositions containing regulatory /regulative/ peptides providing for the retarded release of the active substance
EP0142641B1 (de) 1983-09-26 1991-01-16 Udo Dr. Ehrenfeld Mittel und Erzeugnis für die Diagnose und Therapie von Tumoren sowie zur Behandlung von Schwächen der zelligen und humoralen Immunabwehr
EP0143949B1 (en) 1983-11-01 1988-10-12 TERUMO KABUSHIKI KAISHA trading as TERUMO CORPORATION Pharmaceutical composition containing urokinase
US4704355A (en) 1985-03-27 1987-11-03 New Horizons Diagnostics Corporation Assay utilizing ATP encapsulated within liposome particles
JPH0720993B2 (ja) 1985-08-22 1995-03-08 グロペップ プロプライエタリー リミテッド 生長因子
SE8505922D0 (sv) 1985-12-13 1985-12-13 Kabigen Ab Construction of an igg binding protein to facilitate downstream processing using protein engineering
DE3881801T2 (de) 1987-04-06 1993-12-23 Celtrix Pharma Menschliche somatomedin-träger-protein-untereinheiten und verfahren zu ihrer herstellung.
ES2007309T3 (es) 1987-04-23 1994-11-01 Monsanto Co Secrecion del factor de crecimiento insulinoide 1 en e.coli.
US5057417A (en) 1987-06-12 1991-10-15 Genentech, Inc. Compositions and methods for the synthesis of growth hormone receptor and growth hormone binding protein
US4876242A (en) 1987-09-21 1989-10-24 Merck & Co., Inc. Human insulin-like growth factor analoges with reduced binding to serum carrier proteins and their production in yeast
US5283187A (en) 1987-11-17 1994-02-01 Brown University Research Foundation Cell culture-containing tubular capsule produced by co-extrusion
US4892538A (en) 1987-11-17 1990-01-09 Brown University Research Foundation In vivo delivery of neurotransmitters by implanted, encapsulated cells
DE3852636T2 (de) 1987-12-24 1995-05-04 Gropep Pty Ltd Peptid-analoge vom insulinähnlichen wachstums-faktor 1 (igf-1) oder faktor 2 (igf-2).
US5470828A (en) 1987-12-24 1995-11-28 Gropep Pty. Ltd. Peptide analogs of insulin-like growth factor II
DK131988A (da) 1988-03-11 1989-09-12 Erasmus University Igf-bindingsprotein, dna-struktur, der koder for igf-bindingsproteinet og vektor indeholdende denne dna-struktur
US5258287A (en) 1988-03-22 1993-11-02 Genentech, Inc. DNA encoding and methods of production of insulin-like growth factor binding protein BP53
JPH03504597A (ja) 1988-04-12 1991-10-09 シナージェン,インコーポレーテッド インスリン様成長因子活性の強化および阻害方法
GB8826451D0 (en) 1988-11-11 1988-12-14 Sandoz Ltd Improvements in/relating to organic compounds
IL92816A0 (en) 1988-12-22 1990-09-17 Biogrowth Inc Recombinant dna molecules,hosts,processes and human somatomedin carrier protein-like polypeptides
CA2025907A1 (en) 1989-09-21 1991-03-22 Franklin D. Collins Method of transporting compositions across the blood brain barrier
US5126324A (en) * 1990-06-07 1992-06-30 Genentech, Inc. Method of enhancing growth in patients using combination therapy
US5681814A (en) 1990-06-07 1997-10-28 Genentech, Inc. Formulated IGF-I Composition
US5210017A (en) 1990-11-19 1993-05-11 Genentech, Inc. Ligand-mediated immunofunctional hormone binding protein assay method
US5593844A (en) 1990-11-19 1997-01-14 Genentech, Inc. Ligand-mediated immunofunctional hormone binding protein assay method
US5198340A (en) 1991-01-17 1993-03-30 Genentech, Inc. Assay for free igf-i, igf-ii, and gh levels in body fluids
US5187151A (en) 1991-02-12 1993-02-16 Genentech, Inc. Use of binding protein with igf-i as an anabolic growth promoting agent
US5206235A (en) 1991-03-20 1993-04-27 Merck & Co., Inc. Benzo-fused lactams that promote the release of growth hormone
DE69218948T2 (de) 1991-08-01 1997-07-31 Auckland Uniservices Ltd IGF-I zur Verbesserung der neuronale Lage
CA2134773A1 (en) 1992-06-04 1993-12-09 Robert J. Debs Methods and compositions for in vivo gene therapy
GB9217696D0 (en) 1992-08-20 1992-09-30 Agricultural & Food Res Use of specific binding molecules
ATE202785T1 (de) 1993-12-23 2001-07-15 Novo Nordisk As Verbindungen mit wachstumshormon-freisetzenden eigenschaften
IL112112A (en) 1993-12-23 2000-06-29 Novo Nordisk As Peptides with growth hormone releasing properties and pharmaceutical compositions containing them
US5824642A (en) * 1994-04-07 1998-10-20 Genentech, Inc. Treatment of partial growth hormone insensitivity syndrome
US5798337A (en) 1994-11-16 1998-08-25 Genentech, Inc. Low molecular weight peptidomimetic growth hormone secretagogues
SE9501472D0 (sv) 1995-04-21 1995-04-21 Pharmacia Ab Truncated IGF-I
US5622932A (en) 1995-05-05 1997-04-22 Eli Lilly And Company IGF-1 superagonists
US5741776A (en) * 1995-05-22 1998-04-21 Genentech, Inc. Method of administration of IGF-I
US5565428A (en) 1995-05-22 1996-10-15 Genentech, Inc. Method of administration of IGF-I
PT828758E (pt) 1995-05-26 2002-02-28 Theratechnologies Inc Analogos quimericos de corpo gordo-pro-grf com potencia biologica aumentada
AU2676297A (en) 1996-04-17 1997-11-07 Neurocrine Biosciences, Inc. Ligand inhibitors of insulin-like growth factor binding proteins and methods of use therefor
US6420518B1 (en) 1997-04-04 2002-07-16 Genetech, Inc. Insulin-like growth factor agonist molecules
US6121416A (en) 1997-04-04 2000-09-19 Genentech, Inc. Insulin-like growth factor agonist molecules
DK1141015T3 (da) 1999-01-06 2010-01-25 Genentech Inc Insulin-lignende vækstfaktor (IGF) I-mutantvarianter
CA2538342C (en) * 2003-09-12 2013-01-08 Tercica, Inc. Methods for treatment of insulin-like growth factor-1 (igf-1) deficiency

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09509430A (ja) * 1994-04-07 1997-09-22 ジェネンテック インコーポレイテッド 部分的成長ホルモン不感受性症候群の治療
JP2001510444A (ja) * 1996-05-03 2001-07-31 ジェネンテク・インコーポレイテッド 部分的成長ホルモン不感性症候群の治療

Non-Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6010050668, WOODS, K.A., et al., The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism, 2000, Vol.85, No.4, p.1407−1411 *
JPN6010050670, GAO, W−Q., et al., J Neurobiol, 1999, Vol.39, p.142−152 *
JPN6010050671, SILBERGELD, A., et al., Proceedings of the Society for Experimental Biology and Medicine, 199407, Vol.206, No.3, p.324−327 *
JPN6010050672, KANETY, H., et al., European Journal of Endocrinology, 1997, Vol.137, p.626−630 *
JPN6010050673, BACKELJAUW, P.F., et al., THE JOURNAL OF CLINICAL ENDOCRINOLOGY & METABOLISM, 199609, Vol.81, No.9, p.3312−3317 *
JPN6010050675, LARON, Z., et al., THE LANCET, 19920523, Vol.339, Issue 8804, p.1258−1261 *
JPN6010050676, LARON, Z., BioDrugs, 199901, Vol.11, No.1, p.55−70 *

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019156540A1 (ko) * 2018-02-12 2019-08-15 주식회사 지앤피바이오사이언스 코어-쉘 구조의 마이크로입자를 유효성분으로 포함하는 성장인자 유전자 발현 증가용 조성물
AU2019217186B2 (en) * 2018-02-12 2022-03-17 G&P Bioscience Co., Ltd. Composition for increasing expression of growth factor gene, comprising core-shell structured microparticles as active ingredient

Also Published As

Publication number Publication date
ZA200602183B (en) 2007-07-25
PT2274978E (pt) 2015-07-09
ATE536186T1 (de) 2011-12-15
NZ545940A (en) 2009-12-24
US7517530B2 (en) 2009-04-14
HUE027218T2 (en) 2016-10-28
ES2541673T3 (es) 2015-07-23
US8133862B2 (en) 2012-03-13
DK2274978T3 (en) 2015-06-15
CA2538342C (en) 2013-01-08
CA2538342A1 (en) 2005-06-02
EP1667521A4 (en) 2008-07-02
AU2004291833A1 (en) 2005-06-02
US7258864B2 (en) 2007-08-21
US20080058259A1 (en) 2008-03-06
WO2005049792A2 (en) 2005-06-02
EP2274978A1 (en) 2011-01-19
CN102861321A (zh) 2013-01-09
US20050059598A1 (en) 2005-03-17
EP2274978B1 (en) 2015-05-20
EP1667521A2 (en) 2006-06-14
AU2004291833B2 (en) 2010-08-26
JP4738337B2 (ja) 2011-08-03
PL2274978T3 (pl) 2015-11-30
MA28091A1 (fr) 2006-08-01
IL174209A0 (en) 2006-08-01
IL174209A (en) 2012-12-31
WO2005049792A3 (en) 2006-02-23
US20090270323A1 (en) 2009-10-29
TNSN06082A1 (en) 2007-10-03
CN1870893A (zh) 2006-11-29
ES2373783T3 (es) 2012-02-08
EP1667521B1 (en) 2011-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8133862B2 (en) Methods for treatment of insulin-like growth factor-1 (IGF-1) deficiency
US7144707B2 (en) Determination of risk and treatment of complications of prematurity
EP1791551B1 (en) Method and device for diagnosing and treating insulin-like growth factor deficiency disorders
JP2014129405A (ja) 成長障害を処置するための方法
JP5108303B2 (ja) インスリン様成長因子(igf−i)のレベル上昇による内臓脂肪の低下方法
Yamada et al. Articles in PresS. Am J Physiol Cell Physiol (March 11, 2009). doi: 10.1152/ajpcell. 00598.2008

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070717

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100908

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20101203

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20101210

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110308

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110330

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110426

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4738337

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees