JP2007503390A - 適用されたまたは誘発されたオーキシン類を用いる植物病原体および有害生物の抑制 - Google Patents
適用されたまたは誘発されたオーキシン類を用いる植物病原体および有害生物の抑制 Download PDFInfo
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Abstract
本発明は、植物組織上の病害有機体、特に菌・カビ類および細菌の成長を抑制するための方法に関する。本発明はまた、昆虫および幼虫、特に吸液昆虫および咀嚼昆虫、による植物の侵襲を抑制する方法にも関する。植え付け前にオーキシンまたは植物組織内のオーキシンの水準に影響する植物成長調節剤(PGR)を植物の種子もしくは塊茎にまたは植え付け後に植物の根、葉、花もしくは果実に適用することにより、これらの方法は実現される。オーキシンまたはPGRは病害有機体または昆虫の成長を抑制するのに有効な量であるが植物組織の成長に否定的に影響するには不充分な量で適用される。オーキシンは天然オーキシン、合成オーキシン、オーキシン代謝物質、オーキシン前駆体、オーキシン誘導体またはそれらの混合物として適用できる。ここで好ましいオーキシンはインドール−3−酢酸(IAA)である。オーキシンまたはPGRを種子、塊茎または植物組織に適用することができる。種子または塊茎にオーキシンまたはPGRを含有する水溶液を噴霧するかまたはその中に浸漬することができる。従来の噴霧および滴下灌注システムを使用してオーキシンまたはPGRを含有する水溶液を植物組織に適用することができる。オーキシンまたはPGRは植物組織に粉末として適用することもでき、或いは植物の根への遅延放出を与えるために生物学的に相容性である物質内にカプセル化することもできる。植物組織にオーキシンまたはPGRを含む粉末を散布することもできる。カプセル化されたオーキシンは根領域に根によるオーキシンまたはPGRの吸収のために置くことができる。
Description
I.発明の分野
本発明は一般的に、植物成長に悪影響を与えずに病害有機体による攻撃に対する植物の抵抗性を改良する方法に関する。より特に、本発明は有効量のオーキシンまたは植物組織内のオーキシンの水準に影響を与えるであろう別の植物成長調節剤を適用することにより菌・カビ類、細菌および昆虫を包含する病害有機体による攻撃に対する植物の抵抗性を改良する方法に関する。
本発明は一般的に、植物成長に悪影響を与えずに病害有機体による攻撃に対する植物の抵抗性を改良する方法に関する。より特に、本発明は有効量のオーキシンまたは植物組織内のオーキシンの水準に影響を与えるであろう別の植物成長調節剤を適用することにより菌・カビ類、細菌および昆虫を包含する病害有機体による攻撃に対する植物の抵抗性を改良する方法に関する。
II.背景の記述
農業用有害生物防除剤は望ましくない菌・カビ類、細菌および昆虫集団を抑制するために使用される。これらの化合物は営利的栽培者が彼の栽培作物をこれらの病害有機体および昆虫による絶えざる攻撃を処理することを可能にする。同様に、家主および臨時の園芸家もこれらの有害生物を抑制できてきた。これらの従来の化学的適用法は今までは有益であったが、環境への関心が増加するにつれて、営利的栽培者は有害生物防除剤を将来は同じ割合で使用し続けられないようである。従って、植物の自然の保護工程を強化し且つ刺激することにより病害および昆虫攻撃を抑制するための改良された方法が望ましい。
農業用有害生物防除剤は望ましくない菌・カビ類、細菌および昆虫集団を抑制するために使用される。これらの化合物は営利的栽培者が彼の栽培作物をこれらの病害有機体および昆虫による絶えざる攻撃を処理することを可能にする。同様に、家主および臨時の園芸家もこれらの有害生物を抑制できてきた。これらの従来の化学的適用法は今までは有益であったが、環境への関心が増加するにつれて、営利的栽培者は有害生物防除剤を将来は同じ割合で使用し続けられないようである。従って、植物の自然の保護工程を強化し且つ刺激することにより病害および昆虫攻撃を抑制するための改良された方法が望ましい。
植物ホルモン類は既知でありそして長年にわたり研究されてきた。植物ホルモン類は5種の範疇であるオーキシン類、サイトカイニン類、ジベレリン類、アブシジン酸およびエチレンの1種に指定することができる。エチレンは昔から果実の熟成および葉の離脱に関係づけられてきた。アブシジン酸は冬芽の生成を引き起こし、種子休眠を誘発し、気孔の開閉を調節し、そして葉の老朽化を誘発する。ジベレリン類、主としてジベレリン酸、は種子中で休眠遮断および幹中の細胞伸長の刺激に関係する。ジベレリン類は矮小植物を正常寸法に伸ばすことも知られている。サイトカイニン類、例えばゼアチン、は主として植物の根の中で製造される。サイトカイニン類は幹上の低い方の側生芽の成長を刺激し、細胞分裂および葉の拡大を促進させそして植物老化を遅延させる。サイトカイニン類は、オーキシン類が合成される分裂組織からの新規成長を引き起こすことにより、オーキシン水準も増加させる。オーキシン類、主としてインドール−3−酢酸(IAA)、は細胞分裂および細胞伸長の両者を促進させ、そして頂芽優性を維持する。オーキシン類はまた維管束形成層における二次成長を刺激し、不定根の生成を誘発しそして果実成長を促進させる。
オーキシン類およびサイトカイニン類は複雑な相互作用を有する。オーキシン対サイトカイニンの比が組織培養物内の細胞の異化を調節するであろうことは知られている。オーキシンは茎頂内で合成されるが、サイトカイニンはほとんど根端内で合成される。それ故、オーキシン対サイトカイニンの比は通常はシュート中では高いが、それは根の中では低い。オーキシンの相対量を増加させることによりオーキシン対サイトカイニンの比が変更される場合には、根の成長が刺激される。他方で、サイトカイニンの相対量を増加させることによりオーキシン対サイトカイニンの比が変更される場合には、シュートの成長が刺激される。
最も普遍的な天然産出オーキシンはインドール−3−酢酸(IAA)である。しかしながら、インドール−3−酪酸(IBA)、ナフタレン酢酸(NAA)、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)、および2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5−Tまたはエージェント・オレンジ)を包含する他の合成オーキシン類が知られている。これらは合成オーキシン類として認められるが、IBAは植物組織内で天然に生ずることを認識すべきである。これらの合成オーキシン類の多くは数十年間にわたり除草剤として使用され、促進されそして拡大された成長を生じ、その後に植物が死滅する。エージェント・オレンジは、それが米国陸軍および空軍により森林伐採用途においてベトナム戦争中に広く使用された時に、広範囲の認識を得た。2,4−Dは家庭園芸家による使用のために販売されている多くの市販の除草剤中での継続的な用途がある。
化合物は植物内でのそれらの生物学的活性に基づきオーキシン類として分類される。分類用の主な活性は細胞成長および伸長の刺激を包含する。オーキシン類は1800年代から研究されてきた。チャールス・ダーウィン(Charles Darwin)は、草の子葉鞘が一方向性光源に向かって成長するであろうことに注目した。彼は、光刺激を感知したのは先端であったにもかかわらず光源に向かう曲げの成長応答が植物先端下の成長領域で起きたことを発見した。ダーウィンは、化学的メッセンジャーが植物先端および成長領域の間で移送されたことを示唆した。このメッセンジャーは後にオーキシンとして同定された。
全ての植物は細胞分裂のためにオーキシン、すなわち、IAA、対サイトカイニンのある比を必要とする。これらの比は変動しうるが、IAA対サイトカイニンの比は頂端分裂組織内の細胞分裂に関しては根の分裂組織内の比よりはるかに大きいはずであることが知られている。植物の各部分は細胞分裂に関して異なるIAA対サイトカイニン比を必要としうる。例えば、幹、果実、頴果および他の植物部分内の細胞分裂に関しては異なる比が要求されうる。実際に、頂端分裂組織細胞分裂に関する比がかなり大きいこと、実際に根の細胞分裂に関して必要な比より1000倍ほど大きいこと、が推定されていた。この比が決められる機構は未知のままであるが、他のホルモンおよび酵素も同様にその感知に関係するようである。
約68°F−約87°F(約21−30°C)の温度において最良に成長する時に、植物は病害および昆虫による攻撃に最も良く抵抗しうる。この温度範囲内では、植物は正常な成長を維持するのに充分な量のオーキシン類、特にIAA、を製造することが推定される。理想的な温度は種毎に変動するが、栽培作物植物は典型的には前記の範囲内で最良に成長する。温度は重要な因子であるが、他の環境因子が細胞分裂に影響を与えうることも注目すべきである。植物の水分含有量、栄養状態(特に利用可能な窒素の水準)、植物上の光強度および植物の年令の全てが、温度と一緒になって、植物が細胞分裂を指令するIAAおよびサイトカイニンを包含する成長ホルモン類を製造する能力に影響を与える。
温度が約90°F(約31°C)より高く上昇するかまたは約68°F(約21°C)より低く下降するにつれて、植物成長および細胞分裂は遅くなる。さらに、菌・カビ類、細菌および昆虫を包含する病害有機体による攻撃に対する感受性も増加している。温度がさらに約90°Fより高く上昇するかまたは約68°Fより低く下降するにつれて、IAAおよび他の成長ホルモン類の製造は加速された速度で減少する。それ故、約100°Fより高い温度において新しい細胞成長を達成することは、不可能でなくても、困難になる。同様に、温度が約68°Fより有意に低く降下するにつれて、細胞成長は遅くなりそして次に停止する。
適切な水分および温度、すなわち、約70°Fおよび90°Fの間の温度、を有する正常な成長条件の間に、植物は多くのIAAを製造するであろう。IAA対サイトカイニンの高い比および他のホルモン類の存在が病害微生物中の適切な細胞分裂を抑制する。細胞分裂はIAAおよび他の植物ホルモン類により製造される他の抑制化合物によってさらに妨害されうる。温度が約90°Fより高く上昇するかまたは約68°Fより低く下降するにつれて、植物がIAAを製造する能力は急速に減少する。IAA製造が減少するにつれて、IAA対サイトカイニンの比はこれらの微細物の一部または全てが増加しそして宿主
植物の中および上に供給するような水準に低下することが推定される。細胞分裂を刺激するためには異なる微生物は異なるIAA対サイトカイニンの比を必要とするであろうことを理解すべきである。それ故、植物の根で栄養をとる病原性有機体は植物の上部で栄養をとる有機体より低いIAA対サイトカイニン比を必要とすることを予期すべきである。それ故、より多いIAAの水準を必要とする微生物は、より高いIAA水準が存在する上部植物組織、例えば先端分裂組織および葉組織、を攻撃しうる。同様に、より低いIAA水準を必要とする病害有機体、例えば、土で発生する根の病害、はより低いIAA水準が存在する根を攻撃しうる。
植物の中および上に供給するような水準に低下することが推定される。細胞分裂を刺激するためには異なる微生物は異なるIAA対サイトカイニンの比を必要とするであろうことを理解すべきである。それ故、植物の根で栄養をとる病原性有機体は植物の上部で栄養をとる有機体より低いIAA対サイトカイニン比を必要とすることを予期すべきである。それ故、より多いIAAの水準を必要とする微生物は、より高いIAA水準が存在する上部植物組織、例えば先端分裂組織および葉組織、を攻撃しうる。同様に、より低いIAA水準を必要とする病害有機体、例えば、土で発生する根の病害、はより低いIAA水準が存在する根を攻撃しうる。
植物が充分な水分、理想的な温度および充分量の窒素肥料を包含する条件下で急速に成長している場合には、オーキシン類はそれらが代謝される組織から効率的に移送されそして植物内で下方に移動する。これがオーキシンの再分布およびそれが製造される組織内のオーキシン水準の減少をもたらす。その結果が、オーキシンの水準が不足している組織である。その時にジベレリン類が優位を占めているこれらの組織は病害および昆虫による攻撃を非常に受けやすい。
気候条件も植物が先端分裂組織内でより多いオーキシンを生成することを助ける。しかしながら、これらのオーキシン類を新しい細胞から移動させそして植物の基部に向かって移送させるある種の気候条件および植物成長段階がある。従って、植物内のオーキシン合成の条件が唯一の考慮点でないはずである。植物内部で起きているオーキシン移送の影響も重要である。オーキシン移送を邪魔するいずれかのタイプの操作が、植物組織がオーキシンを比較的大量で比較的長い期間にわたり維持可能にするであろう。
全ての植物病害は微生物により引き起こされる。植物の病理学的問題に影響する主な微生物は菌・カビ類および細菌である。これらの微生物は、植物と同様に、細胞分裂を行うためにある量のIAAを必要とする。異なる微生物は、植物と同様に、細胞分裂のために異なる量のIAAを必要とする。これらの差異が、なぜ異なる微生物が異なる植物種を攻撃しそしてこれらの植物の異なる部分を攻撃するかを説明できるであろう。そのような特定の攻撃が適切な水準のIAAを微生物に与えて所望するIAA濃度を有する宿主植物またはそれらの部分に供給することにより急速な細胞分裂を刺激することを意図しうる。それ故、IAA対サイトカイニンおよび他のホルモン類の比が病害有機体により求められる水準を超えて増加する場合には、そのような病害有機体に対する抵抗性を改良することができる。そのような増加は、植物に追加オーキシンを与えることにより得られうる。
植物組織内のオーキシン類、最もしばしばIAA、の水準を調節することにより、病原体および有害生物の両者による攻撃に抵抗する植物の能力を増加させうる。植物病害は、ストレスを受けた植物に追加のオーキシンまたは組織内のオーキシン水準に影響するであろう他のホルモン類を適用することにより、抑制することができる。或いは、組織内のオーキシン水準に影響するであろう他の植物ホルモン類の適用により同じ結果を得ることもできる。例えば、サイトカイニンまたは他のホルモン類の適用は植物内のオーキシン類の生成および/または移送の調節に影響を与える。それ故、他の植物成長調節剤、例えば、サイトカイニン、の適用を使用して植物内のオーキシン水準を操作することができる。それ故、天然産出もしくは合成オーキシン類またはオーキシン水準に影響するであろう他のホルモン類の適用により、環境に有害な有害生物防除剤の使用を必要とせずに、病害および昆虫抑制が達成しうる。
当業者は、植物病原体、例えば菌・カビ類および細菌、並びに有害生物、例えば昆虫およびそれらの幼虫の両者を包含する病害有機体に対する植物の抵抗性を改良するための環
境に優しい方法を長らく求めていた。それ故、そのような方法に関する長らく感じられていたが実現されていなかった要望があった。本発明はその要望を解決する。
境に優しい方法を長らく求めていた。それ故、そのような方法に関する長らく感じられていたが実現されていなかった要望があった。本発明はその要望を解決する。
発明の要旨
本発明は植物組織の上および中で病害有機体の攻撃を抑制する方法に関する。そのような有機体は植物病原体、例えば菌・カビ類および細菌、並びに有害生物、例えば吸液(sucking)および咀嚼(chewing)昆虫の両者を包含する昆虫およびそれらの幼虫の両者を包含しうる。
本発明は植物組織の上および中で病害有機体の攻撃を抑制する方法に関する。そのような有機体は植物病原体、例えば菌・カビ類および細菌、並びに有害生物、例えば吸液(sucking)および咀嚼(chewing)昆虫の両者を包含する昆虫およびそれらの幼虫の両者を包含しうる。
本発明の方法では、植物病原体および有害生物の両者のそのような有機体の成長を抑制するのに有効な量のオーキシンが植物組織に適用される。しかしながら、オーキシンは植物組織の成長に否定的に影響するには不充分な量で適用される。或いは、内因性もしくは適用されるオーキシンの水準または有効性を変えることにより作用する他の植物成長調節剤(PGR類)を使用することもできる。
オーキシンは、天然オーキシン類、合成オーキシン類、オーキシン代謝物質、オーキシン前駆体、オーキシン誘導体およびそれらの混合物よりなる群から選択される。好ましいオーキシンは天然オーキシン、最も好ましくはインドール−3−酢酸(IAA)である。ここで好ましい合成オーキシンはインドール−3−酪酸(IBA)である。或いは、植物成長調節剤またはホルモン、例えばサイトカイニンもしくはジベレリン酸の適用により所望する範囲内のオーキシン水準の操作を達成しうる。
本発明の方法では、オーキシンまたは他のPGRは植え付け前に植物用の種子または塊茎に適用される。或いは、オーキシンまたはPGRは植え付け後に植物の根、葉、花または果実に適用される。種子または塊茎に適用される時には、オーキシンは好ましくは100kgの種子重量当たり約0.0028〜約0.028グラムの割合で適用される。ジャガイモ種子片に適用される時には、適用割合は1ヘクタールの植え付けられた片当たり約0.0125〜約2.8グラムのオーキシンを生ずるように計算することができる。植物の根、葉、花または果実に適用される時には、オーキシンは1ヘクタール当たり1日当たり約0.0002〜約0.06グラムのオーキシンの割合で適用すべきである。長い成長期間にわたり複数回の適用が必要となりうる。
オーキシンまたは他のPGRを水溶液としてまたは粉末として適用することができる。水溶液として適用される時には、溶液は植物組織に従来の噴霧または灌注技術により適用することができる。溶液はさらに、アルカリ土類金属、遷移金属、ホウ素およびそれらの混合物よりなる群から選択される金属を包含しうる。そのような金属は好ましくは、カルシウム、亜鉛、銅、マンガン、ホウ素およびそれらの混合物よりなる群から選択される。種子または塊茎は植え付け前にそのような水溶液の噴霧によりまたはその中への浸漬により処理することができる。PGR類の好ましい適用方法はホウ素−含有溶液と一緒のものでありうる。ホウ素はそのような溶液が適用される植物組織内でオーキシンを安定化させるであろう。
オーキシン類およびPGR類は乾燥粉末として適用することもできる。そのような適用では、オーキシンまたはPGRは環境的にそして生物学的に相容性である物質と混合される。粉末は植物の葉、花または果実に従来の散布方法により適用することができる。或いは、植物の種子、塊茎もしくは根の上にまたはその近くに置かれる時に遅延放出を与えるために、粉末を生物学的に相容性である物質の中にカプセル化することもできる。例示用の生物学的に相容性である物質は、クレイ類、亜炭類、樹脂類、シリコーン類およびそれらの混合物を包含する。
本発明の方法は、有効量のオーキシンまたはPGRを植物組織に適用することによる病害有機体、例えば、細菌および菌・カビ類の成長の抑制を包含する。これらの方法によりそれらの成長を抑制できる菌・カビ類はフサリウム(Fusarium)、リゾクトニア(Rhizoctonia)、ピチウム(Pythium)およびフィトフトラ(Phytophthora)を包含する科から選択されるものを包含するが、それらに限定されない。これらの方法により抑制できる細菌はエルウィニア(Erwinia)およびシュードモナス(Pseudomonas)を包含するが、それらに限定されない。オーキシンの適用により調節または抑制される昆虫は吸液昆虫および咀嚼昆虫の両者を包含するが、それらに限定されない。吸液昆虫の例はダニ、アブラムシ、アザミウマ、コナジラミ、ヨコバイ、ノミハムシおよび鱗片昆虫を包含する。咀嚼昆虫の例は鱗翅目(Lepidoptera)およびヘリドセラス(Helidoceras)を包含する。
最後に、本発明は表面上に分散させたオーキシンを植物の組織の中または上で有害な有機体の成長を抑制するのに有効な量であるが植物組織の成長に否定的に影響するには不充分な量で有する植物を製造するための種子および種子片を包含する。或いは、適用されるオーキシンの水準または有効性を変えることにより作用する植物成長調節剤、例えば、植物ホルモン、例えばサイトカイニンまたはジベレリン酸を使用することもできる。そのようなPGRは種子または種子片の表面上に、オーキシン水準を所望する範囲内に操作するのに有効な量で分散させるべきである。
本発明の方法は、病害有機体および昆虫による攻撃に対する植物の抵抗性を有意に増加させることが見出された。重要なことに、病害および昆虫攻撃に対する増加した抵抗性は環境に有害な殺菌・カビ類剤および殺昆虫剤を使用せずに得られる。本発明の方法は天然産出もしくは合成オーキシン類または内因性もしくは適用されたオーキシン類の水準または有効性を環境に安全な方法で調節することにより作用する他の植物ホルモン類を適用することにより病害有機体および昆虫による攻撃に対する植物の抵抗性を改良する。それ故、病害および昆虫攻撃に対する植物の抵抗性を増加させるための環境に優しい方法に関する長らく感じられていたが実現されてなかった要望が満たされた。本発明のこれらおよび他の功績のある特徴および利点は以下の詳細な記述および特許請求の範囲からさらに完全に認識されるであろう。
図面の簡単な記述
本発明の他の特徴および意図する利点は以下の記述を添付図面と関連させて参照することによりさらに容易に明らかになるであろう。
本発明の他の特徴および意図する利点は以下の記述を添付図面と関連させて参照することによりさらに容易に明らかになるであろう。
図1は表Iにまとめられているような従来の殺菌・カビ類剤および/または本発明に従うオーキシン類を包含する植物成長調節剤を用いて植え付け前に処理された乾燥豆に関する発芽割合を示す棒グラフである。
図2は表IIにまとめられているような従来の殺菌・カビ類剤および/または本発明に従うオーキシン類を包含する植物成長調節剤を用いて植え付け前に処理された乾燥豆に関する発芽から3日後に観察された病害植物の百分率を示す棒グラフである。
図3は表IIIにまとめられているような従来の殺菌・カビ類剤および/または本発明に従うオーキシン類を包含する植物成長調節剤を用いて植え付け前に処理された乾燥豆に関する発芽から6日後に観察された病害植物の百分率を示す棒グラフである。
図4は表IVにまとめられているような従来の殺菌・カビ類剤および/または本発明に従うオーキシン類を包含する植物成長調節剤を用いて植え付け前に処理された乾燥豆に関
する発芽から7日後に観察された病害植物の百分率を示す棒グラフである。
する発芽から7日後に観察された病害植物の百分率を示す棒グラフである。
本発明をここで好ましい態様に関して記述するが、本発明をこれらの態様に限定する意図はないことは理解されよう。これに反して、従属請求項で定義されているような本発明の精神に包含されうる全ての変更、改良および同等物を包括することが意図される。
発明の詳細な記述
本発明は、植物組織の上および中の病原体の成長並びに昆虫およびそれらの幼虫を包含する有害生物により植物の侵襲を抑制する方法に関する。本発明の方法により抑制できる例示用の病原体は菌・カビ類および細菌の成長により引き起こされる病害を包含する。本発明の方法を用いて抑制できる有害生物は吸うおよび咀嚼昆虫の両者を包含する。
本発明は、植物組織の上および中の病原体の成長並びに昆虫およびそれらの幼虫を包含する有害生物により植物の侵襲を抑制する方法に関する。本発明の方法により抑制できる例示用の病原体は菌・カビ類および細菌の成長により引き起こされる病害を包含する。本発明の方法を用いて抑制できる有害生物は吸うおよび咀嚼昆虫の両者を包含する。
本発明の方法では、オーキシンが病原体または有害生物のいずれかの病害を引き起こす有機体の成長を抑制するのに有効な量で植物組織に適用される。オーキシンはそのような有機体の成長を抑制するのに充分な量で適用されるが、それは植物組織の成長に否定的に影響するには不充分な量で適用されなければならない。或いは、内因性または適用されるホルモンの水準または有効性を操作してこれらの範囲内に入れることができる。そのような操作は、他の植物成長調節剤(PGR類)、例えば、植物ホルモン類、例えばサイトカイニンおよびジベレリン酸、を有効量で適用することにより達成できる。
本発明の方法で有用なオーキシン類は、天然オーキシン類、合成オーキシン類、オーキシン代謝物質、オーキシン前駆体、オーキシン誘導体およびそれらの混合物よりなる群から選択される。好ましいオーキシンは天然オーキシンであるインドール−3−酢酸(IAA)である。好ましい合成オーキシンはインドール−3−酪酸(IBA)である。本発明の方法で使用できる他の例示用の合成オーキシン類は、インドールプロピオン酸、インドール−3−酪酸、フェニル酢酸、ナフタレン酢酸(NAA)、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、4−クロロインドール−3−酢酸、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸、2−メチル−4−クロロフェノキシ酢酸、2,3,6−トリクロロ安息香酸、2,4,6−トリクロロ安息香酸、4−アミノ−3,4,5−トリクロロピコリン酸およびそれらの混合物を包含する。植物組織内の内因性または適用されたオーキシンの水準または有効性を変えることにより作用する他の植物成長ホルモン類を適用することもできる。これらのホルモン類(PGR類)は、エチレン、サイトカイニン類、ジベレリン類、アブシジン酸、ブラシノステロイド類、ジャスモネート類、サリチル酸類並びにそれらの前駆体および誘導体を包含しうる。
本発明の方法では、オーキシンまたは他のPGRが植物の種子または塊茎に植え付け前に適用される。或いは、オーキシンまたはPGRが植物の根、葉、花または果実に植え付け後に適用される。種子または塊茎に、例えば、豆種子またはジャガイモ片に、それぞれ適用される時には、オーキシンは100kgの種子重量当たり約0.0028〜約0.028グラムのオーキシンの割合で適用すべきである。より好ましい態様では、オーキシンは種子に、例えば、豆種子に、100kgの種子重量当たり約0.016〜約0.112グラムのオーキシンの割合で適用される。他方で、ジャガイモ種子片に適用される時には、オーキシンは1ヘクタールの植え付けられた種子片当たり約0.125〜約2.8グラムのオーキシンを生ずるような割合で適用すべきである。より好ましい態様では、ジャガイモ種子片に対する適用割合は1ヘクタールの植え付けられた種子片当たり約0.125〜約0.28グラムのオーキシンを生ずるべきである。植物の根、葉、花または果実に適用される時には、オーキシンは1ヘクタール当たり1日当たり約0.0002〜約0.06グラムのオーキシンの割合で、より好ましくは1ヘクタール当たり1日当たり約0.002〜約0.01グラムのオーキシンの割合で、適用すべきである。適用は生育期間中に連続日にわたり植物上で受けたストレスおよび観察された侵襲に基づき行うことができる。別のPGRは内因性および/または適用されたオーキシンの水準を言及された範囲内に操作するのに充分な割合で適用すべきである。
オーキシンまたはPGRを水溶液としてまたは粉末として適用することができる。水溶液として適用される時には、溶液はアルカリ土類金属、遷移金属、ホウ素およびそれらの混合物よりなる群から選択される金属を包含しうる。好ましい金属はカルシウム、亜鉛、銅、マンガン、ホウ素およびそれらの混合物を包含する。ホウ素およびカルシウムが最も好ましい。包含される時には、金属は約0.001〜約10.0重量%、好ましくは約0.001〜約5.0重量%、の範囲内で存在しうる。PGR類の好ましい適用方法は、約10.0重量%までのホウ素を含むホウ素−含有溶液と共に行うことができる。ホウ素はそのような溶液を適用する植物組織内でオーキシン類を安定化させる傾向があるであろう。
PGRと一緒の、金属、好ましくはホウ素、の適用はPGRの有効寿命を延長させて、繰り返し適用間隔のより長い時間を可能にするようである。ホウ素は、植物内のIAAを分解する酵素であるIAA−オキシダーゼの活性およびまたは合成を抑制することにより加えられたIAAの効果を寿命および活性の両者で改良するようである。抗−酸化剤であるアブシジン酸はホウ素がIAA活性を強化する機構の一部でありうる。ホウ素は植物内の糖移送、細胞壁合成、木質化、そのホウ酸エステル結合による細胞壁構造、RNA代謝、DNA合成、フェノール代謝、膜機能およびIAA代謝も促進させる。さらに、ホウ素は呼吸を調節することも知られている。再生成長に関するホウ素条件は栄養成長に関するものより高い。特に細胞伸長、例えば花粉塊茎、毛状体および他の細胞、において、ホウ素はオーキシンと相互作用する。ホウ素はオーキシン−敏感性プラスマレンマNADH−オキシダーゼも刺激しそして植物細胞内のフェリシアニド−誘発性プロトン放出のオーキシン刺激用に必要である。ホウ素は、例えば根先端、毛状体または花粉塊茎の如き分裂中の細胞内の主要壁生成におけるラムノガラクツロナンII二量体(ジエステル結合による結合)のエンドサイトーシス機構の一部でもある。それ故、ホウ素はオーキシン−媒介細胞分裂並びにオーキシン−媒介細胞伸長と関連する。最後に、ホウ素は抗−菌・カビ類および抗−細菌活性を有することが報告されていた。従って、ホウ素と一緒のPGR類の適用は植物内の昆虫および病原体侵襲を抑制する際にPGRの効果を改良するであろう。
成長している植物の先端分裂組織から下方向にオーキシン類を移送させることができる。加えられたオーキシンがホウ素溶液と混合される時に、それは先端分裂組織内でIAAのより高い濃度を維持しそして多分植物内で細胞からのその下方移送を減少させるであろう。換言すると、オーキシンと適切なホウ素溶液との混合がIAAオキシダーゼを減少させそして植物組織内のオーキシンのより高い濃度を維持するであろう。これは昆虫および病害の両者を抑制するのに充分に高い水準でのオーキシンの維持において非常に重要である。これは、植物が昆虫および病害抵抗性をより大きくするのを助けるための植物組織へのオーキシンの好ましい適用方法でありうる。これにより、常に植物組織の全ての中で適量のオーキシンが確保されそれは昆虫および病害の生殖細胞中の細胞分裂の抑制においてさらに活性になりうる。
水溶液として適用される時には、オーキシンまたは他のPGRを含有する溶液を種子または塊茎上に従来の噴霧装置を使用して噴霧することができる。或いは、種子または塊茎をオーキシンの水溶液中に浸漬することもできる。
植物組織内でオーキシン水準を増加させそしてIAA移送の下方勾配を調節する別の方法は、植物の根に対するオーキシン含有物質の適用である。比較的高水準のオーキシンを用いる不断の適用は植物の底部からの上方への勾配を引き起こすであろう。これにより、適切なオーキシンが植物組織内に維持されて昆虫および病害侵襲の減少を与えるのに適す
る量が存在しうる。
る量が存在しうる。
植物の根、葉、花または果実に適用される時には、オーキシンまたは他のPGRを含有する水溶液を従来の灌注または噴霧装置を用いて適用することができる。或いは、オーキシンまたはPGRを乾燥形態で粉末として適用することもできる。そのようにして適用される時には、オーキシンまたはPGRは生物学的にそして環境的に相容性である物質と混合される。そのような粉末は葉、花または果実に従来の散布装置により適用することができる。
或いは、粉末を生物学的に相容性である物質の中にカプセル化して、植物の種子、塊茎もしくは根にまたはその近くに置く時に遅延放出を提供することもできる。そのようなカプセル化された物質は種子もしくは塊茎に直接的に置くこともでき、またはゆっくり放出されるオーキシンを根により吸収できるような植物の根領域内に分配することもできる。カプセル化において有用な生物学的に相容性である物質の例は、クレイ類、亜炭類、樹脂類、シリコーン類およびそれらの混合物を包含する。
本発明の方法は、菌・カビ類、細菌およびそれらの混合物を包含する病害有機体の成長を抑制するために有用である。これらの方法により抑制できる菌・カビ類はフサリウム、リゾクトニア、ピチウムおよびフィトフトラを包含する科から選択されるものを包含するが、それらに限定されない。これらの方法により抑制できる細菌はエルウィニアおよびシュードモナスを包含するが、それらに限定されない。本発明に従うオーキシンまたはPGRの適用により調節または抑制される有害生物は吸液昆虫および咀嚼昆虫の両者を包含するが、それらに限定されない。吸液昆虫の例はダニ、アブラムシ、アザミウマ、コナジラミ、ヨコバイ、ノミハムシおよび鱗片昆虫を包含する。咀嚼昆虫の例は鱗翅目およびヘリドセラスを包含する。
本発明の方法は実質的に全ての植物で使用できるが、それらは栽培作物植物、例えば、乾燥豆、大豆、タマネギ、ジャガイモ、トウモロコシ、綿などに適用される時に特に有用である。
最後に、本発明は本発明に従い処理された植物を製造するための種子および種子片を包含する。そのような種子片は、それらの表面上にオーキシンを植物の組織内または上で有害な有機体の成長を抑制するのに充分であるが植物組織の成長に対して否定的に影響を与えるには不充分な量で分散させた植物種子または種子片を包含する。或いは、そのような種子および種子片はそれらの表面上にPGRを内因性および/または適用されたオーキシンを言及される範囲内に操作するのに充分な量で分散させてある。そのような種子片は、オーキシンまたは他のPGRの水溶液を種子または種子片の表面上に噴霧することにより、製造することができる。或いは、種子または種子片をオーキシンまたはPGRの水溶液中に浸漬することもできる。ここで好ましい態様では、オーキシンは100kgの豆の種子重量および同様な種子当たり約0.0028〜約0.028グラムのオーキシンの量で存在する。種子片がジャガイモ種子片である場合には、ここで好ましい態様では、オーキシンは1ヘクタールの植え付けられた種子片当たり約0.0125〜約2.8グラムのオーキシンを生ずる量で存在する。
以下は処理された植物上で菌・カビ類の成長および特定の昆虫の侵襲を抑制するための本発明の方法の数種の使用例である。これらの例は説明用だけに示されており、そして本発明の範囲を何らかの方法で限定する意図はない。
実施例1
畑実験で、インドール−3−酢酸(IAA)を包含する植物成長調節剤を含有する水溶液を用いる種子の処理の影響を試験した。この実験では、乾燥豆植物をIAA、IBA、サイトカイニン、ジベレリン酸および場合によりカルシウムを含有する水溶液の適用により処理した。対照は単に蒸留水だけで処理した。最後に、他の植物を活性成分としてカルベンダジム(carbendazim)およびチラム(thiram)を含有する市販の殺菌・カビ類剤であるデロサル(Derosal)の水溶液で処理した。最後に、種子を前記のPGR、デロサルおよびカルシウム含有溶液の組み合わせで処理した。種々の処理が表I−Vの左欄にまとめられている。
畑実験で、インドール−3−酢酸(IAA)を包含する植物成長調節剤を含有する水溶液を用いる種子の処理の影響を試験した。この実験では、乾燥豆植物をIAA、IBA、サイトカイニン、ジベレリン酸および場合によりカルシウムを含有する水溶液の適用により処理した。対照は単に蒸留水だけで処理した。最後に、他の植物を活性成分としてカルベンダジム(carbendazim)およびチラム(thiram)を含有する市販の殺菌・カビ類剤であるデロサル(Derosal)の水溶液で処理した。最後に、種子を前記のPGR、デロサルおよびカルシウム含有溶液の組み合わせで処理した。種々の処理が表I−Vの左欄にまとめられている。
100kgの種子にPGR、カルシウムおよび/またはデロサルを挙げられた種々の組み合わせで含有する200、400または600mlの溶液の噴霧により処理した。各個別処理を10回反復で繰り返した。9個の種子を各反復で植えた。発芽している植物を発芽後に2、3、6、7および13日の間隔で観察した。観察が記録され、それは各反復において成長している植物の数を病害(リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani))侵襲の兆候を示す植物の数と一緒に示している。最後に、病害の重篤度がその後の観察において示される。これらの観察の結果は表I−IVにまとめられそして図1−4に図式的に示される。
表I−Vに報告されそして図1−4に示された結果の観察は、植物内のオーキシン水準
を操作するためのPGR溶液の適用によりリゾクトニア・ソラニ侵襲に対する抵抗において有意な改良があることを示している。活性成分としてPGR類、主としてIAA、だけを含有する溶液を用いる処理は7日後に病害植物の百分率を15.7%から7.2−9.4%へ減少させる。図4および表IVの最後の欄を参照のこと。PGR類をカルシウムと一緒に含有する溶液を用いる処理は15.7%から5.7−7.2%への減少を示す。リゾクトニア・ソラニを処理するために普遍的に用いられる殺菌・カビ類剤であるデロサルは侵襲の百分率を15.7%から5%に減少させた。それ故、PGR類、主としてIAA、の添加は菌・カビ類侵襲において有意な減少を生じたが、それはデロサルほど良好でないようである。しかしながら、PGR類はそのような市販の殺菌・カビ類剤の否定的な環境影響を与えない。
を操作するためのPGR溶液の適用によりリゾクトニア・ソラニ侵襲に対する抵抗において有意な改良があることを示している。活性成分としてPGR類、主としてIAA、だけを含有する溶液を用いる処理は7日後に病害植物の百分率を15.7%から7.2−9.4%へ減少させる。図4および表IVの最後の欄を参照のこと。PGR類をカルシウムと一緒に含有する溶液を用いる処理は15.7%から5.7−7.2%への減少を示す。リゾクトニア・ソラニを処理するために普遍的に用いられる殺菌・カビ類剤であるデロサルは侵襲の百分率を15.7%から5%に減少させた。それ故、PGR類、主としてIAA、の添加は菌・カビ類侵襲において有意な減少を生じたが、それはデロサルほど良好でないようである。しかしながら、PGR類はそのような市販の殺菌・カビ類剤の否定的な環境影響を与えない。
同様に、オーキシン−含有溶液を用いる処理もリゾクトニア・ソラニが侵襲した植物の百分率を26.3%から15.2−18.2%に減少させた。PGR類およびカルシウムの両者を用いる処理は侵襲水準における13日後の12.0−13.2%へのさらなる減少を生じた。表V参照。これらの水準は、侵襲水準が11.2%に減じられたデロサルの使用により得られたものに非常に良く匹敵した。一般に、PGR類、主としてIAA、を含有する溶液を用いる植え付け前の乾燥豆種子の処理は生じた植物のリゾクトニア・ソラニによる侵襲を対照で観察されたものより約50%減少させた。カルシウムの添加がさらなる病害抑制をもたらした。
化学的または生物学的な系統的に得られる抵抗性(SAR)誘発剤の開発は、それらが環境に対する低い汚染危険性を特徴としそしてそれらの作用方式および固有毒性のないことにより病原体の集団内での隔離物質の選択を可能にするため、栽培者にとって植物病害処理に関する興味ある代替物になりうる。植物内の抵抗性を誘発する能力は数十年にわたり知られているが、その潜在的能力は最近になってのみ示された。以下はリゾクトニア・ソラニの成長のインビトロ抑制の興味ある例である。
実施例2
この実施例では、豆栽培において根の腐敗病を引き起こす土壌菌・カビ類であるリゾクトニア・ソラニのインビトロ発育に対するPGR類、主としてインドール−3−酢酸(IAA)、の影響が試験された。リゾクトニア・ソラニ菌・カビ類に関するオーキシン−含有溶液のインビトロ殺菌・カビ類活性の評価がPGR溶液の1回および連続適用の両者に関して行われた。
この実施例では、豆栽培において根の腐敗病を引き起こす土壌菌・カビ類であるリゾクトニア・ソラニのインビトロ発育に対するPGR類、主としてインドール−3−酢酸(IAA)、の影響が試験された。リゾクトニア・ソラニ菌・カビ類に関するオーキシン−含有溶液のインビトロ殺菌・カビ類活性の評価がPGR溶液の1回および連続適用の両者に関して行われた。
液体培養培地(ジャガイモ・デキストロース)にリゾクトニア・ソラニの0.6cm直径の輪を接種した。インキュベーション条件は12時間の光期間で一定攪拌下で25℃に保たれた。合計インキュベーション時間は60時間であった。接種体の成長が12時間の間隔で観察された。各試験を3回繰り返した。
オーキシン−含有溶液の1回および連続適用を試験した。連続試験では、インキュベーションで始まりそしてその後は12時間の間隔で続く5回の適用が行われた。1回適用では、PGR類、主としてIAA、の全投与量がインキュベーションで適用された。5回適用で適用されたPGR類の合計量は対応する1回適用のものと等しかった。
60時間のインキュベーション後に、培養培地、PGR溶液(または水対照)および菌・カビ類ミセルを含有する液体培地を濾過した。重量測定した濾紙を含有する漏斗を、真空ポンプの付いたキタサト(kitassato)に連結した。培養培地を20mlの蒸留水を用いる洗浄により除去した。濾紙上に保持された菌・カビ類ミセルを炉の中で40℃において3時間にわたり乾燥した。室温への平衡化後に、乾燥したミセルを重量測定した。乾燥重量基準で比較を行った。結果は以下で表VIに報告されている。
表VIに報告された結果からわかるように、全ての試験した濃度でのオーキシン−含有
溶液の適用はリゾクトニア・ソラニ菌・カビ類の発育を抑制した。1回投与量または5回の連続投与量のどちらで適用しても、菌・カビ類成長における有意な減少があった。連続適用がより有効で、菌・カビ類生育におけるより高い減少を生ずるようだが、インキュベーション時の1回投与は菌・カビ類成長を27−35%減少させた。12時間の間隔をあけて5回増分で連続的に適用される時には、菌・カビ類成長は37−58%減少した。それ故、PGR類の比較的低い投与量の連続適用が最も有利であると証明できる。
溶液の適用はリゾクトニア・ソラニ菌・カビ類の発育を抑制した。1回投与量または5回の連続投与量のどちらで適用しても、菌・カビ類成長における有意な減少があった。連続適用がより有効で、菌・カビ類生育におけるより高い減少を生ずるようだが、インキュベーション時の1回投与は菌・カビ類成長を27−35%減少させた。12時間の間隔をあけて5回増分で連続的に適用される時には、菌・カビ類成長は37−58%減少した。それ故、PGR類の比較的低い投与量の連続適用が最も有利であると証明できる。
実施例3
別の実験で、アザミウマに対するPGR類、主としてIAA、の影響が試験された。条件が熱くそして乾燥しているかどうかにかかわらず、アザミウマ、そしてより特にそれらの若虫はタマネギを攻撃する。被害のほとんどを与えるのはアザミウマよりむしろ若虫である。この問題に関する有効な化学的抑制法はない。管理された畑実験では、PGR類、主としてIAA、を含有する水溶液がタマネギに適用される。2種の試験が行われた。各試験において、成長しているタマネギ植物に、0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニンおよび0.005%のジベレリン酸を含有する水溶液を1エーカー当たり12オンスの割合で噴霧した。アザミウマが1つの処理区域から他方に移動できないように領域をネットで囲った。未処理の対照には水を噴霧した。オーキシン−含有溶液の適用から7日後(試験1)および8日後(試験2)に、アザミウマ(Thrips tabaci)の数を、成虫および幼虫の両者で、観察しそして計数した。結果は以下で表VIIに示されている。PGR類を用いるこの1回処理はアザミウマの合計数における約50%の減少を生じた。最も重要なことに、被害のほとんどを行う幼虫の数は50%より多く減じられた。
別の実験で、アザミウマに対するPGR類、主としてIAA、の影響が試験された。条件が熱くそして乾燥しているかどうかにかかわらず、アザミウマ、そしてより特にそれらの若虫はタマネギを攻撃する。被害のほとんどを与えるのはアザミウマよりむしろ若虫である。この問題に関する有効な化学的抑制法はない。管理された畑実験では、PGR類、主としてIAA、を含有する水溶液がタマネギに適用される。2種の試験が行われた。各試験において、成長しているタマネギ植物に、0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニンおよび0.005%のジベレリン酸を含有する水溶液を1エーカー当たり12オンスの割合で噴霧した。アザミウマが1つの処理区域から他方に移動できないように領域をネットで囲った。未処理の対照には水を噴霧した。オーキシン−含有溶液の適用から7日後(試験1)および8日後(試験2)に、アザミウマ(Thrips tabaci)の数を、成虫および幼虫の両者で、観察しそして計数した。結果は以下で表VIIに示されている。PGR類を用いるこの1回処理はアザミウマの合計数における約50%の減少を生じた。最も重要なことに、被害のほとんどを行う幼虫の数は50%より多く減じられた。
実施例4
別の実験で、ナミハダニ(Tetranychus urticae)に対するPGR類の影響をメロン上で試験した。合計20本のメロン植物がこの実験用に使用された。10本の植物はオーキシンを含有する溶液で処理されたが、10本は未処理で対照として使用した。成長しているメロン植物に、0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニンおよび0.005%のジベレリン酸を含有する水溶液を1エーカー当たり12オンスの割合で噴霧した。未処理の対照には水を噴霧した。70psiおよび32gpaで操作されそして1列当たり3個(頂部に1個そして滴下部に2個)のTX7中空円錐ノズルが装備されたトラクターに積載された噴霧器を使用して噴霧を完了させた。処理前に10cm2(葉の頂部および底部のそれぞれから5cm2)の輪の上で成虫、未成虫および卵を包含するナミハダニ(生存および死亡の両方)の数を観察しそして計数した。IAAおよび対照溶液の適用から5日後に、各植物からの1枚の葉を試料採取しそしてダニを上記の通りにして計数した。結果は以下で表VIIIに示されている。処理前には、4cm2当たり平均3.14±0.78匹の生存ダニがおり、死亡しているダニは実質的になかった。処理後に、生存しているダニは4cm2当たり0.58±0.26匹だけに減少した。さらに、処理後に観察されたダニの57.76±10.51%が死亡した。それに反して、対照に関しては4cm2当たり平均1.54±0.27匹の生存ダニが依然としており、観察されたダニの21.64±6.39%だけが死んだ。
別の実験で、ナミハダニ(Tetranychus urticae)に対するPGR類の影響をメロン上で試験した。合計20本のメロン植物がこの実験用に使用された。10本の植物はオーキシンを含有する溶液で処理されたが、10本は未処理で対照として使用した。成長しているメロン植物に、0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニンおよび0.005%のジベレリン酸を含有する水溶液を1エーカー当たり12オンスの割合で噴霧した。未処理の対照には水を噴霧した。70psiおよび32gpaで操作されそして1列当たり3個(頂部に1個そして滴下部に2個)のTX7中空円錐ノズルが装備されたトラクターに積載された噴霧器を使用して噴霧を完了させた。処理前に10cm2(葉の頂部および底部のそれぞれから5cm2)の輪の上で成虫、未成虫および卵を包含するナミハダニ(生存および死亡の両方)の数を観察しそして計数した。IAAおよび対照溶液の適用から5日後に、各植物からの1枚の葉を試料採取しそしてダニを上記の通りにして計数した。結果は以下で表VIIIに示されている。処理前には、4cm2当たり平均3.14±0.78匹の生存ダニがおり、死亡しているダニは実質的になかった。処理後に、生存しているダニは4cm2当たり0.58±0.26匹だけに減少した。さらに、処理後に観察されたダニの57.76±10.51%が死亡した。それに反して、対照に関しては4cm2当たり平均1.54±0.27匹の生存ダニが依然としており、観察されたダニの21.64±6.39%だけが死んだ。
実施例5
別の実験で、ナミハダニ(Tetranychus urticae)に対するIAAの影響をナス上で試験した。合計20本のナスがこの実験用に使用された。10本の植物はオーキシンを含有する溶液で処理されたが、10本は未処理で対照として使用した。成長しているナスに、0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニンおよび0.005%のジベレリン酸を含有する水溶液を1エーカー当たり12オンスの割合で噴霧した。未処理の対照には水を噴霧した。70psiおよび32gpaで操作されそして1列当たり3個(頂部に1個そして滴下部に2個)のTX7中空円錐ノズルが装備されたトラクターに積載された噴霧器を使用して噴霧を完了させた。処理前に10cm2(葉の頂部および底部のそれぞれから5cm2)の輪の上で成虫、未成虫および卵を包含するナミハダニ(生存および死亡の両方)の数を観察しそして計数した。IAAおよび対照溶液の適用から7日後に、各植物からの1枚の葉を試料採取しそしてダニを上記の通りにして計数した。結果は以下で表IXに示されている。処理前には、4cm2当たり平均6.04±0.91匹の生存ダニがおり、死亡しているダニはなかった。処理後に、生存しているダニは4cm2当たり1.22±0.29匹だけに減少した。さらに、処理後に観察されたダニの59.02±6.84%が死亡した。それに反して、未処理の対照に関しては4cm2当たり平均5.93±0.54匹の生存ダニが依然としており、観察されたダニの9.19±2.49%だけが死亡した。
別の実験で、ナミハダニ(Tetranychus urticae)に対するIAAの影響をナス上で試験した。合計20本のナスがこの実験用に使用された。10本の植物はオーキシンを含有する溶液で処理されたが、10本は未処理で対照として使用した。成長しているナスに、0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニンおよび0.005%のジベレリン酸を含有する水溶液を1エーカー当たり12オンスの割合で噴霧した。未処理の対照には水を噴霧した。70psiおよび32gpaで操作されそして1列当たり3個(頂部に1個そして滴下部に2個)のTX7中空円錐ノズルが装備されたトラクターに積載された噴霧器を使用して噴霧を完了させた。処理前に10cm2(葉の頂部および底部のそれぞれから5cm2)の輪の上で成虫、未成虫および卵を包含するナミハダニ(生存および死亡の両方)の数を観察しそして計数した。IAAおよび対照溶液の適用から7日後に、各植物からの1枚の葉を試料採取しそしてダニを上記の通りにして計数した。結果は以下で表IXに示されている。処理前には、4cm2当たり平均6.04±0.91匹の生存ダニがおり、死亡しているダニはなかった。処理後に、生存しているダニは4cm2当たり1.22±0.29匹だけに減少した。さらに、処理後に観察されたダニの59.02±6.84%が死亡した。それに反して、未処理の対照に関しては4cm2当たり平均5.93±0.54匹の生存ダニが依然としており、観察されたダニの9.19±2.49%だけが死亡した。
実施例6
別の実験で、カブアブラムシ(Lipaphis erysimi)に対するPGR類の影響をキャベツ植物上で試験した。合計20本のキャベツ植物がこの実験用に使用された。10本の植物はオーキシンを含有する溶液で処理されたが、10本は未処理で対照として使用した。成長しているキャベツ植物に、0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニンおよび0.005%のジベレリン酸を含有する水溶
液を1エーカー当たり12オンスの割合で噴霧した。未処理の対照には水を噴霧した。手持ち噴霧器を使用した。処理前および次にIAAおよび対照溶液の適用から7日後に、植物からの全ての葉をアブラムシに関して検査した。結果は以下で表Xに示されている。処理前には、1本の植物当たり約93.2±8.2匹の生存アブラムシがいて、死亡しているアブラムシはなかった。処理後に、生存しているアブラムシは本質的に排除され、1本の植物当たり0.2±0.1%だけに減少した。さらに、処理後に観察されたアブラムシの97.6±1.4%が死亡した。それに反して、未処理の植物上ではアブラムシが繁殖し続けそして死亡していないようであった。
別の実験で、カブアブラムシ(Lipaphis erysimi)に対するPGR類の影響をキャベツ植物上で試験した。合計20本のキャベツ植物がこの実験用に使用された。10本の植物はオーキシンを含有する溶液で処理されたが、10本は未処理で対照として使用した。成長しているキャベツ植物に、0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニンおよび0.005%のジベレリン酸を含有する水溶
液を1エーカー当たり12オンスの割合で噴霧した。未処理の対照には水を噴霧した。手持ち噴霧器を使用した。処理前および次にIAAおよび対照溶液の適用から7日後に、植物からの全ての葉をアブラムシに関して検査した。結果は以下で表Xに示されている。処理前には、1本の植物当たり約93.2±8.2匹の生存アブラムシがいて、死亡しているアブラムシはなかった。処理後に、生存しているアブラムシは本質的に排除され、1本の植物当たり0.2±0.1%だけに減少した。さらに、処理後に観察されたアブラムシの97.6±1.4%が死亡した。それに反して、未処理の植物上ではアブラムシが繁殖し続けそして死亡していないようであった。
実施例7
別の実験で、オレンジ樹木の柑橘葉潜孔虫(Phyllocnistis citrella stainton)侵襲に対するPGR類の影響を試験した。小区画は6列の緩衝地帯により離された1列当たり4本の樹木よりなっていた。試験はオレンジ樹木上で2回の反復でそしてマンダリンオレンジ樹木上で2回の反復で行われ、各処理に関して合計4回の反復を生じた。樹木を数種の市販の有害生物防除剤、すなわち、E2Y453JWG、Assail 70WPおよびAgri−Mek0.15EC、並びにオーキシンを含有する溶液で処理した。対照は未処理のままであった。PGR溶液で処理された樹木に、0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニンおよび0.005%のジベレリン酸を含有する水溶液を1エーカー当たり0.375ポンドの割合で噴霧した。比較樹木にリストに挙げられた市販の有害生物防除剤を表XIに示された割合で噴霧した。未処理の対照には水が噴霧された。処理は空気吹き付け噴霧器で適用された。処理の適用は、新しい葉の発生の大部分が4〜6インチ長さでありそして6〜8枚葉のあるような時期に行われた。柑橘葉潜孔虫を、成虫および蛹の両方で、処理後7日に計数した。結果は以下で表XIに示されている。別の文字が続く処理はp=0.05(LSD)において異なる。PGR溶液を用いる処理は柑橘葉潜孔虫における有意な減少を生じた。
別の実験で、オレンジ樹木の柑橘葉潜孔虫(Phyllocnistis citrella stainton)侵襲に対するPGR類の影響を試験した。小区画は6列の緩衝地帯により離された1列当たり4本の樹木よりなっていた。試験はオレンジ樹木上で2回の反復でそしてマンダリンオレンジ樹木上で2回の反復で行われ、各処理に関して合計4回の反復を生じた。樹木を数種の市販の有害生物防除剤、すなわち、E2Y453JWG、Assail 70WPおよびAgri−Mek0.15EC、並びにオーキシンを含有する溶液で処理した。対照は未処理のままであった。PGR溶液で処理された樹木に、0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニンおよび0.005%のジベレリン酸を含有する水溶液を1エーカー当たり0.375ポンドの割合で噴霧した。比較樹木にリストに挙げられた市販の有害生物防除剤を表XIに示された割合で噴霧した。未処理の対照には水が噴霧された。処理は空気吹き付け噴霧器で適用された。処理の適用は、新しい葉の発生の大部分が4〜6インチ長さでありそして6〜8枚葉のあるような時期に行われた。柑橘葉潜孔虫を、成虫および蛹の両方で、処理後7日に計数した。結果は以下で表XIに示されている。別の文字が続く処理はp=0.05(LSD)において異なる。PGR溶液を用いる処理は柑橘葉潜孔虫における有意な減少を生じた。
実施例8
この実験で、ニンジン植物上のマメアザミウマ(Caliothrips fasciatus)に対するPGR類の影響を試験した。ニンジンを無作為化されたブロック反復(5)実験で種植えした。小区画当たり40インチ中心で4床があった。ニンジン栽培作物を良好な発芽を行うために水スプリンクラーを用いて種まき栽培作物として定着させた
。その後の潅漑は畦潅漑によった。成長しているニンジン植物に、0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニンおよび0.005%のジベレリン酸を含有する水溶液を1エーカー当たり1オンスの割合で噴霧した。未処理の対照には水を噴霧した。手持ち噴霧器を使用した。表XIIに報告されているように処理は最初のマメアザミウマの計数より2週間前に始めて週2回基準で適用された。10回の吸引掃除により捕獲されたマメアザミウマの数が測定された。12月2日および16日に、それぞれ、処理から12および7日後に、試料を採取した。1月16日および22日にも、それぞれ、処理から10および6日後にも、試料を採取した。結果は表XIIに報告されている。異なる文字が続く欄の中の平均、すなわち10回の吸引掃除により捕獲された昆虫の数、はp=0.05(LSD)において異なる。アザミウマの数は各実験間隔において対照と比べて約50%もしくはそれ以上減じられた。
この実験で、ニンジン植物上のマメアザミウマ(Caliothrips fasciatus)に対するPGR類の影響を試験した。ニンジンを無作為化されたブロック反復(5)実験で種植えした。小区画当たり40インチ中心で4床があった。ニンジン栽培作物を良好な発芽を行うために水スプリンクラーを用いて種まき栽培作物として定着させた
。その後の潅漑は畦潅漑によった。成長しているニンジン植物に、0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニンおよび0.005%のジベレリン酸を含有する水溶液を1エーカー当たり1オンスの割合で噴霧した。未処理の対照には水を噴霧した。手持ち噴霧器を使用した。表XIIに報告されているように処理は最初のマメアザミウマの計数より2週間前に始めて週2回基準で適用された。10回の吸引掃除により捕獲されたマメアザミウマの数が測定された。12月2日および16日に、それぞれ、処理から12および7日後に、試料を採取した。1月16日および22日にも、それぞれ、処理から10および6日後にも、試料を採取した。結果は表XIIに報告されている。異なる文字が続く欄の中の平均、すなわち10回の吸引掃除により捕獲された昆虫の数、はp=0.05(LSD)において異なる。アザミウマの数は各実験間隔において対照と比べて約50%もしくはそれ以上減じられた。
実施例9
この実験で、ニンジン植物上のウエスターン・フラワー・アザミウマ(Franliniella occidentalis)に対するPGR類の影響を試験した。ニンジンを無作為化されたブロック反復(5)実験で種植えした。小区画当たり40インチ中心で4床があった。ニンジン栽培作物は良好な発芽を行うために水スプリンクラーを用いて種まき栽培作物として定着させた。その後の潅漑は畦潅漑によった。成長しているニンジン植物に、0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニンおよび0.005%のジベレリン酸を含有する水溶液を1エーカー当たり1オンスの割合で噴霧した。未処理の対照には水を噴霧した。手持ち噴霧器を使用した。表XIIIに報告されているように処理は最初のウエスターン・フラワー・アザミウマの計数より2週間前に始めて週2回基準で適用された。10回の吸引掃除により捕獲されたウエスターン・フラワー・アザミウマの数が測定された。12月2日および16日に、それぞれ、処理から12および7日後に、試料を採取した。1月16日および22日にも、それぞれ、処理から10および6日後にも、試料を採取した。結果は表XIIIに報告されている。異なる文字が続く欄の中の平均、すなわち10回の吸引掃除により捕獲された昆虫の数、はp=0.05(LSD)において異なる。アザミウマの数は各実験間隔において対照と比べて約50%もしくはそれ以上減じられた。
この実験で、ニンジン植物上のウエスターン・フラワー・アザミウマ(Franliniella occidentalis)に対するPGR類の影響を試験した。ニンジンを無作為化されたブロック反復(5)実験で種植えした。小区画当たり40インチ中心で4床があった。ニンジン栽培作物は良好な発芽を行うために水スプリンクラーを用いて種まき栽培作物として定着させた。その後の潅漑は畦潅漑によった。成長しているニンジン植物に、0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニンおよび0.005%のジベレリン酸を含有する水溶液を1エーカー当たり1オンスの割合で噴霧した。未処理の対照には水を噴霧した。手持ち噴霧器を使用した。表XIIIに報告されているように処理は最初のウエスターン・フラワー・アザミウマの計数より2週間前に始めて週2回基準で適用された。10回の吸引掃除により捕獲されたウエスターン・フラワー・アザミウマの数が測定された。12月2日および16日に、それぞれ、処理から12および7日後に、試料を採取した。1月16日および22日にも、それぞれ、処理から10および6日後にも、試料を採取した。結果は表XIIIに報告されている。異なる文字が続く欄の中の平均、すなわち10回の吸引掃除により捕獲された昆虫の数、はp=0.05(LSD)において異なる。アザミウマの数は各実験間隔において対照と比べて約50%もしくはそれ以上減じられた。
実施例10
シシトウガラシ栽培作物に対するブロード・マイト(broad mite)被害に対するPGR類の影響をこの実験で試験した。実験は無作為化された反復(4)実験を使用した。シシトウガラシ植物を40インチ離れた2列のそれぞれの中で12インチ離した。成長しているシシトウガラシに移植後すぐに1回、0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニンおよび0.005%のジベレリン酸を含有する水溶液を1エーカー当たり3〜24オンスに変動する割合で噴霧した。他の植物はPGR溶液で1回の適用当たり1エーカー当たり12オンスの割合で週2回処理した。対照は水で処理した。反復のそれぞれにおいて各処理用に、溶液は植物に滴下ラインから1個の処理小区画当たり2ガロンの水で適用された。記録された昆虫はシシトウガラシ植物の掃除で見出されたものであった(1個の小区画当たり1日当たり10本の植物)。結果は表XIVに報告されている。異なる文字が続くブロード・マイトの平均数はp=0.05(LSD)において異なる。ブロード・マイトによる侵襲における有意な減少がPGR溶液の使用で得られた。予期された通りに、PGRのより高い濃度で減少が改良した。週2回適用で最良の結果が得られた。
シシトウガラシ栽培作物に対するブロード・マイト(broad mite)被害に対するPGR類の影響をこの実験で試験した。実験は無作為化された反復(4)実験を使用した。シシトウガラシ植物を40インチ離れた2列のそれぞれの中で12インチ離した。成長しているシシトウガラシに移植後すぐに1回、0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニンおよび0.005%のジベレリン酸を含有する水溶液を1エーカー当たり3〜24オンスに変動する割合で噴霧した。他の植物はPGR溶液で1回の適用当たり1エーカー当たり12オンスの割合で週2回処理した。対照は水で処理した。反復のそれぞれにおいて各処理用に、溶液は植物に滴下ラインから1個の処理小区画当たり2ガロンの水で適用された。記録された昆虫はシシトウガラシ植物の掃除で見出されたものであった(1個の小区画当たり1日当たり10本の植物)。結果は表XIVに報告されている。異なる文字が続くブロード・マイトの平均数はp=0.05(LSD)において異なる。ブロード・マイトによる侵襲における有意な減少がPGR溶液の使用で得られた。予期された通りに、PGRのより高い濃度で減少が改良した。週2回適用で最良の結果が得られた。
実施例11
タマネギアザミウマに対するPGR類の影響をこの実験で試験した。実験は無作為化された反復(4)試験を使用した。タマネギを50フィート小区画内で40列で植えた。試験中に通常の製造実施法を使用した。成長している植物に、0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニンおよび0.005%のジベレリン酸を含有する水溶液を噴霧した。1つの実験ではタマネギをこの溶液で1回だけ処理したが、他ではそれらを週1回処理した。全ての処理は1エーカー当たり6オンスの割合であった。対照は水で処理した。反復のそれぞれにおいて各処理用に、溶液は植物に滴下ラインから1個の処理小区画当たり2ガロンの水で適用された。アザミウマに関する週1回の観察を各小区画内の10本の植物に対して行った。アザミウマ集団を8週間の期間にわたり追跡した。記録されたアザミウマの数は表XVに報告されている。週1回処理の使用で最良の結果が得られた。
タマネギアザミウマに対するPGR類の影響をこの実験で試験した。実験は無作為化された反復(4)試験を使用した。タマネギを50フィート小区画内で40列で植えた。試験中に通常の製造実施法を使用した。成長している植物に、0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニンおよび0.005%のジベレリン酸を含有する水溶液を噴霧した。1つの実験ではタマネギをこの溶液で1回だけ処理したが、他ではそれらを週1回処理した。全ての処理は1エーカー当たり6オンスの割合であった。対照は水で処理した。反復のそれぞれにおいて各処理用に、溶液は植物に滴下ラインから1個の処理小区画当たり2ガロンの水で適用された。アザミウマに関する週1回の観察を各小区画内の10本の植物に対して行った。アザミウマ集団を8週間の期間にわたり追跡した。記録されたアザミウマの数は表XVに報告されている。週1回処理の使用で最良の結果が得られた。
実施例12
シシトウガラシ栽培作物の吸液昆虫による被害に対するPGR類の影響をこの実験で試験した。実験は無作為化された反復(4)実験を使用した。シシトウガラシ植物は40インチ離された2列のそれぞれで12インチ離された。成長しているシシトウガラシに植え付け直前に1回、0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニンおよび0.005%のジベレリン酸を含有する水溶液を1エーカー当たり3〜24オンスに変動する割合で噴霧した。他の植物はPGR溶液で1回の適用当たり1エーカー当たり12オンスの割合で週2回処理した。対照は水で処理した。反復のそれぞれにおいて各処理用に、溶液は植物に滴下ラインから1個の処理小区画当たり2ガロンの水で適用された。記録された昆虫はシシトウガラシの掃除中に見出されたものである(1個の小区画当たり1日当たり10本)。結果は表XVIに報告されている。異なる文字が続く吸液昆虫の平均数はp=0.05(LSD)において異なる。吸液昆虫による侵襲における有意な減少がPGR溶液の使用で得られた。予期されたように、この減少はPGRのより高い濃度で改良した。週2回適用で最良の結果が得られた。
シシトウガラシ栽培作物の吸液昆虫による被害に対するPGR類の影響をこの実験で試験した。実験は無作為化された反復(4)実験を使用した。シシトウガラシ植物は40インチ離された2列のそれぞれで12インチ離された。成長しているシシトウガラシに植え付け直前に1回、0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニンおよび0.005%のジベレリン酸を含有する水溶液を1エーカー当たり3〜24オンスに変動する割合で噴霧した。他の植物はPGR溶液で1回の適用当たり1エーカー当たり12オンスの割合で週2回処理した。対照は水で処理した。反復のそれぞれにおいて各処理用に、溶液は植物に滴下ラインから1個の処理小区画当たり2ガロンの水で適用された。記録された昆虫はシシトウガラシの掃除中に見出されたものである(1個の小区画当たり1日当たり10本)。結果は表XVIに報告されている。異なる文字が続く吸液昆虫の平均数はp=0.05(LSD)において異なる。吸液昆虫による侵襲における有意な減少がPGR溶液の使用で得られた。予期されたように、この減少はPGRのより高い濃度で改良した。週2回適用で最良の結果が得られた。
実施例13
タマネギの昆虫および病害抵抗性に対するPGR類の影響をこの実験で試験した。実験は無作為化された反復(4)試験を使用した。タマネギは50フィート小区画中で40インチ列で種植えされた。試験中に通常の製造実施法を使用した。成長している植物に、0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニンおよび0.005%のジベレリン酸を含有する水溶液を噴霧した。植物は週1回1エーカー当たり6または12オンスのいずれかで処理された。対照は水で処理された。反復のそれぞれにおいて各処理用に、溶液は植物に滴下ラインから1個の処理小区画当たり2ガロンの水で適用された。アザミウマに関する週1回の観察は各小区画において10本の植物に対して行われた。アザミウマ集団を成長季節中ずっと監視した。植物は収穫時のピンク色の根の病害に関しても試験された。結果は表XVIIに報告されている。アザミウマ数はPGR溶液の適用により有意に減じられたが、ピンク色の根の病害もある程度の減少を示した。
タマネギの昆虫および病害抵抗性に対するPGR類の影響をこの実験で試験した。実験は無作為化された反復(4)試験を使用した。タマネギは50フィート小区画中で40インチ列で種植えされた。試験中に通常の製造実施法を使用した。成長している植物に、0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニンおよび0.005%のジベレリン酸を含有する水溶液を噴霧した。植物は週1回1エーカー当たり6または12オンスのいずれかで処理された。対照は水で処理された。反復のそれぞれにおいて各処理用に、溶液は植物に滴下ラインから1個の処理小区画当たり2ガロンの水で適用された。アザミウマに関する週1回の観察は各小区画において10本の植物に対して行われた。アザミウマ集団を成長季節中ずっと監視した。植物は収穫時のピンク色の根の病害に関しても試験された。結果は表XVIIに報告されている。アザミウマ数はPGR溶液の適用により有意に減じられたが、ピンク色の根の病害もある程度の減少を示した。
実施例14
イネ仁の上のカメムシ(Oebalus pugnax)被害に対するPGR類の影響をこの実験で試験した。イネは小区画中で6フィート幅および20フィート長さで1エーカー当たり100ポンドの割合で種植えされた。4回の反復試験が使用された。イネ水田はこれらの試験中に通常の営利的実施法で維持された。成長している植物に、0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニンおよび0.005%のジベレリン酸を含有する水溶液を噴霧した。植物は1エーカー当たり12オンスの割合で処理された。PGRは刃状葉の段階で1回そして皮が裂けた段階で1回適用された。未処理の対照には水が噴霧された。手持ち噴霧器が使用された。カメムシにより引き起こされたイネ種子被害が収穫後に記録された。結果は表XVIIIに報告されている。PGR溶液で処理された小区画から収穫されたイネでは観察された被害は約25%減じられた。
イネ仁の上のカメムシ(Oebalus pugnax)被害に対するPGR類の影響をこの実験で試験した。イネは小区画中で6フィート幅および20フィート長さで1エーカー当たり100ポンドの割合で種植えされた。4回の反復試験が使用された。イネ水田はこれらの試験中に通常の営利的実施法で維持された。成長している植物に、0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニンおよび0.005%のジベレリン酸を含有する水溶液を噴霧した。植物は1エーカー当たり12オンスの割合で処理された。PGRは刃状葉の段階で1回そして皮が裂けた段階で1回適用された。未処理の対照には水が噴霧された。手持ち噴霧器が使用された。カメムシにより引き起こされたイネ種子被害が収穫後に記録された。結果は表XVIIIに報告されている。PGR溶液で処理された小区画から収穫されたイネでは観察された被害は約25%減じられた。
実施例15
ブドウの根の瘤病線虫(Meloidogyne incognita)侵襲に対するPGR類の影響をこの実験で試験した。(4)反復試験が北ペルーにおいて線虫問題のあるブドウ園で行われた。0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニンおよび0.015%のジベレリン酸を含有する水溶液を製造した。溶液を3種の割合で、すなわち、1本の植物当たり1ml、2mlおよび3mlで、適用された。PGR溶液を4リットルの水中に溶解させそして0.5メートルの直径を有する周辺区域内で各ブドウに適用した。対照は同様に水で処理された。処理はそれぞれ15日間適用された。報告された結果は3回目の適用から1週間後に観察された。表XIX参照。未処理の対照からの根は線虫被害を受けそして色が濃くなったが、PGR溶液で処理された植物の根は正常に成長しそして色は淡く見えた。
ブドウの根の瘤病線虫(Meloidogyne incognita)侵襲に対するPGR類の影響をこの実験で試験した。(4)反復試験が北ペルーにおいて線虫問題のあるブドウ園で行われた。0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニンおよび0.015%のジベレリン酸を含有する水溶液を製造した。溶液を3種の割合で、すなわち、1本の植物当たり1ml、2mlおよび3mlで、適用された。PGR溶液を4リットルの水中に溶解させそして0.5メートルの直径を有する周辺区域内で各ブドウに適用した。対照は同様に水で処理された。処理はそれぞれ15日間適用された。報告された結果は3回目の適用から1週間後に観察された。表XIX参照。未処理の対照からの根は線虫被害を受けそして色が濃くなったが、PGR溶液で処理された植物の根は正常に成長しそして色は淡く見えた。
実施例16
PGR溶液を用いる処理から24および72時間後におけるモロコシ中の遺伝子調節がこの実験で試験された。PGR溶液は、0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニン、0.005%のジベレリン酸、1.000%の乳化剤、0.850%の界面活性剤および0.050%の発泡防止剤を含有する水溶液を含んでなっていた。PGR溶液はモロコシ植物に手持ち噴霧器を用いて適用された。
PGR溶液を用いる処理から24および72時間後におけるモロコシ中の遺伝子調節がこの実験で試験された。PGR溶液は、0.015%のIAA、0.005%のIBA、0.009%のサイトカイニン、0.005%のジベレリン酸、1.000%の乳化剤、0.850%の界面活性剤および0.050%の発泡防止剤を含有する水溶液を含んでなっていた。PGR溶液はモロコシ植物に手持ち噴霧器を用いて適用された。
ジャスモネートおよびサリチレート経路に関する並びに他の既知の生理学的遺伝子に関する既知の遺伝子を用いるDNAマイクロアレイ(MicroArray)分析を調節用に試験した。PGR処理でジャスモネートおよびサリチレート経路は誘発も抑制もされなかった。他の遺伝子調節変化は表XXにまとめられている。
本発明の以上の記述は主要部分では特許法の条件に従い且つ説明および例示目的のために特に好ましい態様に関するものであった。しかしながら、当業者は特に記述された方法および組成物における多くの改良および変更を本発明の真の範囲および精神から逸脱せずに行えることは明らかであろう。例えば、インドール−3−酢酸が好ましいオーキシンであるが、合成オーキシン類、特に、インドール−3−酪酸を使用することもできる。さらに、他の植物成長調節剤、特にサイトカイニン類またはジベレリン類、を使用してオーキシン水準を操作することもできる。さらに、好ましい適用割合が表示されているが、異なる植物種(および、実際に、示された植物内の異なる組織)、病害有機体並びに昆虫が全て異なるオーキシン水準を要求することは知られている。それ故、当業者はいずれかの特定植物種上のいずれかの特定病害有機体または昆虫の成長を抑制するために示唆されている適用割合を必要に応じて容易に調節することができる。さらに、出願者は病害および昆虫による攻撃に対する植物の抵抗性における観察された改良に関する理由を説明することを試みたが、この機構は完全には理解されていないため出願者は提案された理論に拘束されることは望んでいない。従って、本発明はここに記載されそして例示された好ましい態様に限定されるものではなく、以下の請求の範囲内に入る全ての変更を包括する。
Claims (74)
- 植え付け前の植物に関しては種子もしくは塊茎にまたは植え付け後の植物の根、葉、花もしくは果実に、オーキシンを、病害を引き起こす有害な有機体の成長を抑制するには有効な量であるが、植物組織の成長に否定的に影響を与えるには不充分である量で適用することを含んでなる、植物組織上および中における病害を抑制する方法。
- 該オーキシンが天然オーキシン類、合成オーキシン類、オーキシン代謝物質、オーキシン前駆体、オーキシン誘導体およびそれらの混合物よりなる群から選択される請求項1の方法。
- 該オーキシンが天然オーキシンである請求項2の方法。
- 該天然オーキシンがインドール−3−酢酸である請求項3の方法。
- 該オーキシンが合成オーキシンである請求項2の方法。
- 該合成オーキシンがインドールプロピオン酸、インドール−3−酪酸、フェニル酢酸、ナフタレン酢酸(NAA)、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、4−クロロインドール−3−酢酸、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸、2−メチル−4−クロロフェノキシ酢酸、2,3,6−トリクロロ安息香酸、2,4,6−トリクロロ安息香酸、4−アミノ−3,4,5−トリクロロピコリン酸およびそれらの混合物よりなる群から選択される請求項5の方法。
- 該合成オーキシンがインドール−3−酪酸である請求項6の方法。
- 該オーキシンを種子または塊茎に約0.0028〜約0.028gmオーキシン/100kg種子重量の割合で適用する請求項2の方法。
- 該オーキシンを豆種子に約0.0028〜約0.028gmオーキシン/100kg種子重量の割合で適用する請求項2の方法。
- 該オーキシンを約0.016〜約0.112gmオーキシン/100kgの種子重量の割合で適用する請求項9の方法。
- 該オーキシンをジャガイモ種子片に約0.0125〜約2.8gmオーキシン/ヘクタールの植え付けられた片を生ずる割合で適用する請求項2の方法。
- 該オーキシンを約0.125〜約0.28gmオーキシン/ヘクタールの植え付けられた片を生ずる割合で適用する請求項11の方法。
- 該オーキシンを植物の根、葉、花または果実に約0.0002〜約0.06gmオーキシン/ヘクタール/日の割合で適用する請求項2の方法。
- 該オーキシンを該オーキシンの水溶液として適用する請求項2の方法。
- 該溶液がアルカリ土類金属、遷移金属、ホウ素およびそれらの混合物よりなる群から選択される金属をさらに含んでなる請求項14の方法。
- 該金属がカルシウム、亜鉛、銅、マンガン、ホウ素およびそれらの混合物よりなる群か
ら選択される請求項15の方法。 - 該金属が該溶液中に約0.001〜約10.0重量%の範囲内で存在する請求項15の方法。
- 該種子もしくは塊茎に該オーキシンの水溶液を噴霧することによりまたは該種子もしくは塊茎を該オーキシンの水溶液中に浸すことにより該オーキシンを適用する請求項2の方法。
- 該病害有機体が菌・カビ類、細菌およびそれらの混合物よりなる群から選択される請求項2の方法。
- 該菌・カビ類がフサリウム(Fusarium)、リゾクトニア(Rhizoctonia)、ピチウム(Pythium)およびフィトフトラ(Phytophthora)科並びにそれらの混合物よりなる群から選択されそして該細菌がエルウィニア(Erwinia)、シュードモナス(Pseudomonas)およびそれらの混合物よりなる群から選択される請求項19の方法。
- 該植物が乾燥豆、大豆、タマネギ、トウモロコシ、綿、ジャガイモおよびそれらの混合物よりなる群から選択される栽培作物植物である請求項2の方法。
- 該オーキシンを該オーキシンを含む乾燥粉末としてまたは該オーキシンの水溶液として適用する請求項2の方法。
- 該オーキシンを該植物の種子、塊茎または根に該オーキシンの遅延放出を与えるためのカプセル化された形態で適用する請求項2の方法。
- 該オーキシンが該オーキシンの遅延放出を与える生物学的に相容性である物質の中にカプセル化され、該物質がクレイ類、亜炭類、樹脂類、シリコーン類およびそれらの混合物よりなる群から選択される請求項23の方法。
- 植え付け前の植物に関しては種子もしくは塊茎にまたは植え付け後の植物の根、葉、花もしくは果実に、植物成長ホルモンまたは該ホルモンの前駆体もしくは抱合体を、該植物組織内のオーキシンを該病害を引き起こす有害な有機体の成長を抑制するのに充分な水準であるが、該植物組織の成長に否定的に影響を与えるのに不充分である水準に調節するのに有効な量で適用することにより、該植物組織内のオーキシンの水準を操作することを含んでなる、植物組織上および中における病害を抑制する方法。
- 該植物成長ホルモンがオーキシン類、エチレン、サイトカイニン類、ジベレリン類、アブシジン酸、ブラシノステロイド類、ジャスモネート類、サリチル酸類並びにそれらの前駆体および混合物よりなる群から選択される請求項25の方法。
- 該植物成長ホルモンがオーキシンである請求項25の方法。
- 該植物ホルモンまたは該ホルモンの該前駆体もしくは抱合体をアルカリ土類金属、遷移金属、ホウ素およびそれらの混合物よりなる群から選択される金属と一緒に適用する請求項25の方法。
- 植え付け前の豆植物に関しては豆種子に、オーキシンを、該植物の組織上および中における有機体の成長を抑制するのに有効な量であるが、該植物の組織の成長に否定的に影響
を与えるのに不充分である量で適用することを含んでなる、乾燥豆植物上におけるフサリウムおよびリゾクトニア有機体の成長を抑制する方法。 - 該オーキシンをインドール−3−酢酸である請求項29の方法。
- 該オーキシンを約0.0028〜約0.28gmオーキシン/100kg種子重量の割合で適用する請求項30の方法。
- 該種子に該オーキシンの水溶液を噴霧することにより該オーキシンを適用する請求項31の方法。
- 該溶液がカルシウム、亜鉛、銅、マンガン、ホウ素およびそれらの混合物よりなる群から選択される金属をさらに含んでなる請求項32の方法。
- 植え付け前の植物の種子もしくは塊茎にまたは植え付け後の該植物の根、葉、花もしくは果実に、オーキシンを、昆虫および該昆虫の幼虫による侵襲を抑制するのに有効な量であるが、該植物の組織の成長に否定的に影響を与えるには不充分である量で適用することを含んでなる、昆虫および該昆虫の幼虫による植物の侵襲を抑制する方法。
- 該オーキシンが天然オーキシン類、合成オーキシン類、オーキシン代謝物質、オーキシン前駆体、オーキシン誘導体およびそれらの混合物よりなる群から選択される請求項34の方法。
- 該オーキシンが天然オーキシンである請求項35の方法。
- 該天然オーキシンがインドール−3−酢酸である請求項36の方法。
- 該オーキシンが合成オーキシンである請求項35の方法。
- 該合成オーキシンがインドールプロピオン酸、インドール−3−酪酸、フェニル酢酸、ナフタレン酢酸(NAA)、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、4−クロロインドール−3−酢酸、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸、2−メチル−4−クロロフェノキシ酢酸、2,3,6−トリクロロ安息香酸、2,4,6−トリクロロ安息香酸、4−アミノ−3,4,5−トリクロロピコリン酸およびそれらの混合物よりなる群から選択される請求項38の方法。
- 該合成オーキシンがインドール−3−酪酸である請求項39の方法。
- 該オーキシンを約0.0002gmオーキシン/ヘクタール/日を越える割合で適用する請求項35の方法。
- 該オーキシンを約0.0002〜約0.06gmオーキシン/ヘクタール/日の割合で適用する請求項41の方法。
- 該オーキシンが約0.002〜約0.01gmオーキシン/ヘクタール/日の割合で適用する請求項42の方法。
- 該オーキシンを該根、葉、花または果実に該オーキシンを含む乾燥粉末としてまたは該オーキシンの水溶液として適用する請求項35の方法。
- 該オーキシンを含む乾燥粉末を散布することにより該オーキシンを適用する請求項44の方法。
- 該オーキシンを水溶液として浸漬灌注によりまたは噴霧適用により適用する請求項44の方法。
- 該溶液がアルカリ土類金属、遷移金属、ホウ素およびそれらの混合物よりなる群から選択される金属をさらに含んでなる請求項46の方法。
- 該金属がカルシウム、亜鉛、銅、マンガン、ホウ素およびそれらの混合物よりなる群から選択される請求項47の方法。
- 該昆虫が吸液昆虫(sucking insects)、咀嚼昆虫(chewing insects)およびそれらの混合物よりなる群から選択される請求項35の方法。
- 該吸液昆虫がダニ、アブラムシ、アザミウマ、コナジラミ、ヨコバイ、ノミハムシ、鱗片昆虫およびそれらの混合物よりなる群から選択されそして該咀嚼昆虫が鱗翅目(Lepidoptera)、ヘリドセラス(Helidoceras)およびそれらの混合物よりなる群から選択される請求項49の方法。
- 該植物が乾燥豆、大豆、タマネギ、トウモロコシ、綿、ジャガイモおおよびそれらの混合物よりなる群から選択される請求項35の方法。
- 植え付け前の植物に関しては種子もしくは塊茎にまたは植え付け後の植物の根、葉、花もしくは果実に、植物ホルモンまたは該ホルモンの前駆体もしくは抱合体を、該植物組織内のオーキシンを病害を引き起こす有害な有機体の成長を抑制するのに充分な水準であるが、該植物組織の成長に否定的に影響を与えるには不充分である水準に調節するのに有効な量で適用することにより該植物の植物組織内のオーキシンの水準を操作することを含んでなる、昆虫および該昆虫の幼虫を包含する有害生物による植物の侵襲を抑制する方法。
- 該植物成長ホルモンがオーキシン類、エチレン、サイトカイニン類、ジベレリン類、アブシジン酸、ブラシノステロイド類、ジャスモネート類、サリチル酸類並びにそれらの前駆体および混合物よりなる群から選択される請求項52の方法。
- 該植物成長ホルモンがオーキシンである請求項52の方法。
- 該植物ホルモンまたは該ホルモンの該前駆体もしくは抱合体をアルカリ土類金属、遷移金属、ホウ素およびそれらの混合物よりなる群から選択される金属と一緒に適用する請求項52の方法。
- タマネギ植物の葉に、オーキシンを、アザミウマおよび該アザミウマの幼虫による侵襲を抑制するのに有効な量であるが、該植物の組織の成長に否定的に影響を与えるのに不充分である量で適用することを含んでなる、アザミウマおよび該アザミウマの幼虫によるタマネギ植物の侵襲を抑制する方法。
- 該オーキシンがインドール−3−酢酸である請求項56の方法。
- 該オーキシンを約0.0002〜約0.06gmオーキシン/ヘクタール/日の割合で適用する請求項57の方法。
- 該オーキシンを水溶液として該葉への噴霧適用により適用する請求項56の方法。
- 該溶液がアルカリ土類金属、遷移金属、ホウ素およびそれらの混合物よりなる群から選択される金属をさらに含んでなる請求項59の方法。
- 該オーキシンを含む乾燥粉末を散布することにより該オーキシンを適用する請求項56の方法。
- 植物種子または種子片、および
該種子または種子片の表面に分散させたオーキシン
を含んでなる病害に対する増強された抵抗性を有する植物を生産するための種子または種子片であって、該オーキシンが植物の組織中または上における該病害を引き起こす有害な有機体の成長を抑制するのに有効な量であるが、該植物組織の成長に否定的に影響を与えるのに不充分である量で存在する種子または種子片。 - 該オーキシンが天然オーキシン類、合成オーキシン類、オーキシン代謝物質、オーキシン前駆体、オーキシン誘導体およびそれらの混合物よりなる群から選択される請求項62の種子または種子片。
- 該天然オーキシンがインドール−3−酢酸である請求項63の種子または種子片。
- 該オーキシンが約0.0028〜約0.028gmオーキシン/100kg種子重量の量で存在する請求項63の種子または種子片。
- 該種子が豆種子でありそして該オーキシンが約0.0028〜約0.028gmオーキシン/100kg種子重量の量で存在する請求項63の種子または種子片。
- 該種子片がジャガイモ種子片でありそして該オーキシンが約0.0125〜約2.8gmオーキシン/ヘクタールの植え付けられた種子片を生ずる量で存在する請求項63の種子または種子片。
- 該病害有機体が菌・カビ類、細菌およびそれらの混合物よりなる群から選択される請求項63の種子または種子片。
- 該植物が乾燥豆、大豆、タマネギ、トウモロコシ、綿、ジャガイモおよびそれらの混合物よりなる群から選択される栽培作物植物である請求項63の種子または種子片。
- 該種子または種子片の表面上に分散させて、アルカリ土類金属、遷移金属、ホウ素およびそれらの混合物よりなる群から選択される金属をさらに含んでなる請求項63の種子または種子片。
- 植物種子または種子片、および
該種子または種子片の表面に分散させた該植物のオーキシンの水準に影響を与えうる植物成長ホルモン
を含んでなる病害に対する増強された抵抗性を有する植物を製造するための種子または種子片であって、該ホルモンが有害な植物病原体の成長および該病害の発生を抑制するのに有効な量であるが、該植物組織の成長に否定的に影響を与えるのに不充分である量で存在する、種子または種子片。 - 該植物成長ホルモンがオーキシン類、エチレン、サイトカイニン類、ジベレリン類、アブシジン酸、ブラシノステロイド類、ジャスモネート類、サリチル酸類並びにそれらの前駆体および混合物よりなる群から選択される請求項71の種子または種子片。
- 該植物成長ホルモンがオーキシンである請求項72の種子または種子片。
- 該種子または種子片の表面に分散させて、アルカリ土類金属、遷移金属、ホウ素およびそれらの混合物よりなる群から選択される金属をさらに含んでなる請求項71の種子または種子片。
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