以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態を実現するための部品実装基板の生産システムを示す図である。
生産システムは、部品実装基板メーカ100に設けられた複数の実装ライン200と、部品品質管理装置300とを備えている。
複数の実装ライン200は、基板に部品を実装した部品実装基板を生産するためのシステムである。
部品品質管理装置300は、すべての実装ライン200に接続されており、部品種ごとに、当該部品の品質を管理し、部品実装基板の品質を改善することができる部品を選定する装置である。部品品質管理装置300は、部品メーカのコンピュータ500A〜500Cのうち、選定された部品の製造メーカのコンピュータに対して、部品の発注指示を送信する。
図2は、図1に示した実装ライン200の外観図である。
実装ライン200は、上流側の生産設備から下流側の生産設備に基板を搬送し、部品が実装された基板を生産するシステムであり、ストッカ14および30と、半田印刷装置16と、コンベア18および26と、接着剤塗布装置21と、部品実装機22および24と、リフロー炉28とを備えている。
ストッカ14および30は、基板をストックする装置であり、ストッカ14が生産ラインの最上流に位置し、ストッカ30が生産ラインの最下流に位置する。すなわち、ストッカ14には、部品が未実装の基板がストックされ、ストッカ30には部品が実装済みの完成品の基板がストックされる。
半田印刷装置16は、基板上に半田を印刷する装置である。コンベア18および26は、基板を搬送する装置である。接着剤塗布装置21は、基板上に接着剤を塗布する装置である。部品実装機22および24は、基板上に部品を実装する装置である。リフロー炉28は、部品が実装された基板を熱することにより、半田等を溶かした後、部品を基板上に固定させる装置である。
図3は、部品実装機22の構成を示す外観図である。なお、部品実装機24も同様の構成を有する。
部品実装機22は、お互いが協調して(または、交互動作にて)部品実装を行なう2つのサブ設備130aおよび130bを備える。サブ設備130aは、部品テープを収納するパーツフィーダ123の配列からなる部品供給部124aと、それらパーツフィーダ123から電子部品を吸着し基板20に装着することができる複数の吸着ノズル(以下、単に「ノズル」ともいう。)を有するマルチ装着ヘッド121と、マルチ装着ヘッド121が取り付けられるビーム122と、マルチ装着ヘッド121に吸着された部品の吸着状態を2次元又は3次元的に検査するための部品認識カメラ126等を備える。サブ設備130bも、サブ設備130aと同様の構成を有する。
図4は、部品実装機22の内部の主要な構成を示す平面図である。
部品実装機22は、その内部に部品実装機22の前後方向(Y軸方向)に並んで配置される2つのサブ設備130aおよび130bを備えている。前後方向(Y軸方向)に向かい合って配置されるサブ設備130aおよび130bは、お互いが協調し1つの基板20に対して部品の実装作業を行う。
サブ設備130aおよび130bの各々は、ビーム122と、マルチ装着ヘッド121とを備えている。また、サブ設備130aおよび130bは、部品供給部124aおよび124bをそれぞれ備えている。また、部品実装機22は、サブ設備130aおよび130b間に基板20搬送用のレール129が一対備えられている。
なお、部品認識カメラ126は、同図においてその記載を省略している。
ビーム122は、X軸方向に延びた剛体であって、Y軸方向(基板20の搬送方向と垂直方向)に設けられた軌道(図示せず)上をX軸方向と平行を保ったままで移動することができるものである。また、ビーム122は、当該ビーム122に取り付けられたマルチ装着ヘッド121をビーム122に沿って、すなわちX軸方向に移動させることができるものであり、自己のY軸方向の移動と、これに伴ってY軸方向に移動するマルチ装着ヘッド121のX軸方向の移動とでマルチ装着ヘッド121をXY平面内で自在に移動させることができる。また、これらを駆動させるためのモータ(図示せず)など複数のモータがビーム122に備えられており、ビーム122を介してこれらモータなどに電力が供給されている。
図5は、部品品質管理装置300の機能的な構成を示すブロック図である。
部品品質管理装置300は、演算制御部301、表示部302、入力部303、メモリ部304、部品品質管理プログラム格納部305、通信I/F(インターフェース)部306およびデータベース部307等から構成される。
演算制御部301は、CPU(Central Processing Unit)や数値プロセッサ等であり、オペレータからの指示等に従って、部品品質管理プログラム格納部305からメモリ部304に必要なプログラムをロードして実行し、その実行結果に従って、各構成要素302〜307を制御する。
表示部302はCRT(Cathode-Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等であり、入力部303はキーボードやマウス等であり、これらは、演算制御部301による制御の下で、部品品質管理装置300とオペレータとが対話する等のために用いられる。
通信I/F部306は、LAN(Local Area Network)アダプタ等であり、部品品質管理装置300と実装ライン200を構成する部品実装機22等または部品メーカのコンピュータ500A〜500Cとの通信に用いられる。メモリ部304は、演算制御部301による作業領域を提供するRAM(Random Access Memory)等である。
データベース部307は、部品品質管理装置300による実装プログラムの作成処理等に用いられる入力データ(実装点データ307a、部品ライブラリ307b等)や、減点表307c、判定表307d、代替リスト307eや、得られた実装プログラム等を記憶するハードディスク等である。
部品品質管理プログラム格納部305は、部品品質管理装置300の機能を実現する各種制御プログラムを記憶しているハードディスク等であり、機能的に(演算制御部301によって実行された場合に機能する処理部として)、稼動状況算出部305aと、部品品質状況算出部305bと、実装基板品質状況算出部305hと、パラメータ集計部305cと、部品選定部305fと、要求送信部305eとから構成される。
稼動状況算出部305aは、各部品実装機の稼働状況に関する各種パラメータを算出する処理部である。部品品質状況算出部305bは、各部品実装機による部品実装基板の生産に用いられる部品の品質状況に関する各種パラメータを算出する処理部である。
実装基板品質状況算出部305hは、各部品実装機により生産された部品実装基板の品質状況に関する各種パラメータを算出する処理部である。実装基板品質状況算出部305hが算出するパラメータとして、例えば、部品の装着位置ずれの発生率、基板上での部品欠落の発生率、リードとランドとの接続不良の発生率などが考えられる。実装基板品質状況算出部305hは、部品種ごとにこれらのパラメータを集計する。
パラメータ集計部305cは、稼動状況算出部305a、部品品質状況算出部305bおよび実装基板品質状況算出部305hで算出されたパラメータを部品実装機ごとまたは部品実装機全体として集計すると共に、点数化する処理部である。ただし、パラメータ集計部305cは、稼動状況算出部305aおよび部品品質状況算出部305bで算出されたパラメータを集計するものであっても構わないし、稼動状況算出部305aで算出されたパラメータに代えて、実装基板品質状況算出部305hで算出されたパラメータを集計するものであっても構わない。
部品選定部305fは、パラメータ集計部305cにおける集計結果に基づいて、部品実装機で使用する部品を選定する処理部である。要求送信部305eは、部品選定部305fで選定された部品の注文を部品メーカのコンピュータに対して送信する処理部である。
図6は、実装点データ307aの一例を示す図である。
実装点データ307aは、実装の対象となる全ての部品の実装点を示す情報の集まりである。図6に示されるように、1つの実装点piは、部品種ci、X座標xi、Y座標yi、装着角度θi、制御データφiからなる。ここで、「部品種」は、後述する図7に示される部品ライブラリ307bにおける部品名に相当し、「X座標」および「Y座標」は、実装点の座標(基板上の特定位置を示す座標)であり、「装着角度」は、部品装着時の部品の回転角度であり、「制御データ」は、その部品の実装に関する制約情報(使用可能な吸着ノズルのタイプ、マルチ装着ヘッド121の最高移動速度等)である。
図7は、部品ライブラリ307bの一例を示す図である。
部品ライブラリ307bは、部品実装機22等が扱うことができる全ての部品種それぞれについての固有の情報を集めたライブラリであり、図7に示されるように、部品種ごとの部品サイズ、タクト(一定条件下における部品種に固有のタクト)、その他の制約情報(使用可能な吸着ノズルのタイプ、部品認識カメラ126による認識方式、マルチ装着ヘッド121の最高移動速度等)からなる。なお、本図には、参考として、各部品種の部品の外観も併せて示されている。
まず、稼動状況算出部305aが算出する各部品実装機の稼働状況に関する各種パラメータについて説明する。
図8は、稼動状況に関するパラメータの一種である、吸着ノズル別の装着率とエラー数とを示す図である。図8は、ある部品実装機のマルチ装着ヘッド121における吸着ノズル別の装着率とエラー数とを示している。ここで、「装着率」とは、基板への部品の装着が成功した割合を示す値である。「エラー数」とは、基板への部品装着に失敗した数のことである。図8によると、16本の吸着ノズルのうち、12番目の吸着ノズルの装着率が最も小さく、エラー数が最も大きい。すなわち、図8は、12番目の吸着ノズルにおいて、部品装着のエラーが頻繁に発生していることを示している。
図9は、稼働状況に関するパラメータの一種である、吸着ノズル別の装着率と吸着回数とを示す図である。図9は、ある部品実装機のマルチ装着ヘッド121における吸着ノズル別の装着率と吸着回数とを示している。ここで、「装着率」は、図8で説明したものと同一である。「吸着回数」は、吸着ノズルによる部品の吸着回数を示す。例えば、6番目の吸着ノズルと14番目の吸着ノズルとは、他の吸着ノズルに比べて吸着回数が少ないことが示されている。
図10は、稼働状況に関するパラメータの一種である、部品カセット別の装着率と吸着回数とを示す図である。図10は、ある部品実装機の部品供給部における部品カセット別の装着率と吸着回数とを示している。ここで、「装着率」とは、図8の説明において説明したものと同様の意味である。ただし、ここでは、部品カセット別すなわち部品種別の装着率を示している。また、「吸着回数」は、吸着ノズルによる部品の吸着回数を示している。ただし、ここでは、部品カセット別すなわち部品種別の吸着回数を示している。例えば、87番目の部品カセットの部品の装着率は、99.7%を下回っており、その部品カセットから部品を吸着して、基板に装着しようとすると、装着率が低下することを示している。
図11は、稼働状況に関するパラメータの一種である、部品種別の認識エラー率を示す図である。「認識エラー率」とは、吸着ノズルで吸着された部品を部品認識カメラ126で認識した際に、別の部品であると誤認識する率のことである。なお、同図中破線で示すように、認識エラー率の許容値を0.5%とした場合には、部品種AおよびDの認識エラー率が許容値を超えている。
図12は、稼働状況に関するパラメータの一種である、部品種別の吸着率を示す図である。「吸着率」とは、吸着ノズルが部品カセットから部品を吸着するのに成功した率のことである。吸着ノズルが部品を吸着しているか否かは、部品認識カメラ126で部品を認識することにより分かる。なお、同図中破線で示すように、吸着率の許容値を99.8%とした場合には、部品Aの吸着率が許容値を下回っている。
図13は、稼働状況に関するパラメータの一種である、部品種別の持ち帰り率を示す図である。「持ち帰り率」とは、吸着ノズルで吸着した部品を基板に装着するのに失敗し、部品を持ち帰った率のことである。部品を持ち帰ったか否かは、吸着ノズルによる基板への部品装着動作の後に、マルチ装着ヘッド121内の真空圧の変化量を計測したり、部品認識カメラ126で吸着ノズルが部品を吸着しているか否かを認識したりすることにより、判断することができる。なお、同図中破線で示すように、持ち帰り率の許容値を0.6%とした場合には、部品種BおよびCの持ち帰り率が許容値を超えている。
次に、部品品質状況算出部305bが算出する部品の品質状況に関する各種パラメータについて説明する。
まず、品質状況に関するパラメータの一種である、寸法誤差について説明する。「寸法誤差」とは、部品の寸法のばらつきを示し、具体的には、部品の寸法の分散または標準偏差が用いられる。
図14は、部品の寸法を説明するための図であり、部品の寸法は、幅x、奥行きyおよび高さtからなる。部品認識カメラ126が2次元用のカメラの場合には、部品の幅xおよび奥行きyを部品認識カメラ126の出力より得ることができる。部品認識カメラ126が3次元用のカメラの場合には、部品の幅x、奥行きyおよび高さtを部品認識カメラ126の出力より得ることができる。また、部品認識カメラ126の出力から、部品を吸着した際の吸着角度のずれ量θも得ることができる。ここでは、説明の簡単化のため、部品認識カメラ126は2次元カメラであり、部品認識カメラ126の出力から、部品の幅x、奥行きyおよび吸着角度ずれ量θを得ることができるものとする。
以下、400点の部品を部品認識カメラ126で認識した結果について説明する。
図15は、各部品について幅xの規格値からのずれ量dXを示したグラフである。横軸は、部品番号を示しており、縦軸は、幅xの規格値からのずれ量dX[μm]を示している。図16は、図15に示したグラフを縦軸方向に拡大したグラフである。
図17は、各部品について奥行きyの規格値からのずれ量dYを示したグラフである。横軸は、部品番号を示しており、縦軸は、奥行きyの規格値からのずれ量dY[μm]を示している。
図18は、ずれ量dXの分布を示したヒストグラムであり、図19は、ずれ量dYの分布を示したヒストグラムである。図20は、吸着角度ずれ量θ[deg]の分布を示したヒストグラムである。
図21は、ずれ量dXと、ずれ量dYとの分布を2次元的に示したグラフであり、横軸は、ずれ量dXを示し、縦軸は、ずれ量dYを示している。また、同グラフにおいて規格範囲を、矩形枠600で示している。「規格範囲」とは、正常な寸法の部品であると許容可能なずれ量の範囲である。同グラフにおいては、ずれ量dXが−50μmから50μmの間の値であり、かつ、ずれ量dYが−50μmから50μmの間の値の部品が規格範囲内に納まっている部品となる。
図22は、以上の結果をまとめた表である。同表によると、部品の測定点数は400箇所であり、認識エラーは0箇所である。また、部品の幅xのずれ量dXに関しては、規格範囲の上限が50μmで下限が−50μmである。さらに、ずれ量dXの平均値は11.0、最大値は37.8、最小値は−18.2であり、ずれ量dXのとる範囲(=最大値−最小値)は56である。さらにまた、ずれ量dXの標準偏差は9.51で、3σは28.53である。なお、同図では、工程能力指数(Cp、k、Cpk)も合わせて示されている。部品の奥行きyのずれ量dYおよび吸着角度ずれ量θに関しても、同様の値が示されている。ここでの寸法誤差は、ずれ量dXの標準偏差、ずれ量dYの標準偏差、吸着角度ずれ量θの標準偏差に相当する。
図23は、品質状況に関するパラメータの一種である、リードの曲がりについて説明するための図である。図23(a)に示すようなリードを有するリード部品は、図23(a)および図23(b)に示すようなリード曲がり604が、部品の製造時や搬送時等に生じることが多い。部品認識カメラ126は、部品実装時に、このようなリード曲がり604を、2次元的または3次元的に認識することができる。リード曲がり604が生じた部品を基板に装着すると、基板装着時に、リードが基板上の正規のランドと正しく接続できずに導通できないか、正規のランドではない他のランドやリードと接触してしまい、短絡してしまう。このため、部品実装基板の品質状況を悪化させる要因となる。
図24は、品質状況に関するパラメータの一種である、半田量のばらつきについて説明するための図である。図24に示すようなBGA(Ball Grid Array)を有する部品は、配列上に並べられた電極部分にボール状の半田が予め塗布されている。しかし、領域605に含まれる半田のように、半田の面積または体積が他の半田とは異なるものが含まれている場合には、半田不足により電極が基板から浮いたり、半田過多により電極同士が導通したりする問題が生じる。このため、部品実装基板の品質を悪化させる要因となる。したがって、「半田量のばらつき」とは、半田の面積または体積のばらつきを示し、具体的には、半田の面積または体積の分散または標準偏差が用いられる。なお、半田の面積または体積は、部品認識カメラ126により認識することができる。
なお、上述した稼働状況に関するパラメータの一種である「持ち帰り率」は、品質状況に関するパラメータの一種でもある。すなわち、図25では、吸着ノズルが吸着する部品の位置をハッチングで示しているが、ハッチングで示された部分の固着性が強いような場合には、持ち帰り率が大きくなってしまう。このため、持ち帰り率と固着性との間には相関関係がある。すなわち、持ち帰り率は、品質状況に関するパラメータの一種でもある。なお、固着性は、部品の材質により変化する。例えば、錫の純度が高い材質の場合には、その部分は柔らかくなるため、吸着ノズルに引っ付きやすくなり、持ち帰り率が大きくなってしまう。
このように、部品の品質状況と部品実装機の稼働状況との間には密接な関係がある。図26は、品質状況に関するパラメータの一種である「寸法誤差」を例にとり、上述の関係について説明するための図である。図26(a)は、図21に示したグラフと同様のグラフであり、部品の幅xの規格値からのずれ量dXと部品の奥行きyの規格値からのずれ量dYとの分布を2次元的に示したグラフである。図26(a)では、矩形枠606で規格範囲を示している。このため、矩形枠606外にプロットされた点に対応する部品は規格範囲外の部品ということになる。部品寸法のばらつきが大きくなると、部品認識カメラ126における認識エラーが多発する。このため、部品実装機の小停止が多発することにより部品実装機の稼働率が低下する。このため、部品実装基板の生産性が低下してしまうという問題がある。なお、このような場合に、オペレータは、認識エラーを防ぐために部品寸法の規格値を部品実装機に再教示するが、寸法のばらつきが大きい場合には、どのような規格値を再教示させようとも、認識エラーが発生してしまう。
また、寸法のばらつきが多いと、上述した吸着率の低下にもつながる。このため、生産途中で廃棄される部品の増加につながる。このため、廃棄される部品種の部品が不足してしまい、最悪の場合には部品実装基板を生産することができなくなり、部品実装基板の生産性が低下してしまう。さらに、吸着率の低下が生じると、基板上に部品を落下させてしまう可能性が大きくなり、部品実装基板の品質の低下にもつながる。
さらに、寸法のばらつきが多いと、部品装着時に、部品の電極と基板のランドとの位置とが一致しにくいため、装着精度が低下してしまう。このため、図26(b)に示すように、真の装着位置からX方向およびY方向にずれた位置に部品が装着されることとなり、部品実装基板の品質の低下につながる。
次に、部品品質管理装置300が実行する処理について説明する。図27は、部品品質管理装置300が実行する処理のフローチャートである。
稼動状況算出部305aは、上述した稼働状況に関するパラメータのうち、認識エラー率と、吸着率と、持ち帰り率とを部品種ごとに算出する(S1)。なお、稼動状況算出部305aは、これらのパラメータを、部品実装機単位で算出するとともに、部品実装機全体としても算出する。これにより、図11〜図13に示したような部品種ごとの認識エラー率、吸着率、持ち帰り率が、部品実装機ごとまたは部品実装機全体として算出される。
部品品質状況算出部305bは、上述した品質状況に関するパラメータのうち、寸法誤差を部品種ごとに算出する(S2)。なお、部品品質状況算出部305bは、寸法誤差を部品実装機単位で算出するとともに、部品実装機全体としても算出する。
パラメータ集計部305cは、S1およびS2で算出された4種類のパラメータを、部品実装機単位で集計し、部品種を点数化する(S3)。また、パラメータ集計部305cは、S1およびS2で算出された4種類のパラメータを、部品実装機全体として集計し、部品種を点数化する(S4)。点数のつけ方については後述する。
稼動状況算出部305a、部品品質状況算出部305bおよびパラメータ集計部305cは、S1〜S4の処理を、いずれかの実装ライン200で部品実装基板が生産されている間繰り返す(ループA)。
図28は、部品実装機全体としてそれぞれ集計および点数化された部品種ごとのパラメータおよび点数の一例を示す図である。図28は、全ての実装ライン200を構成する部品実装機全体でのパラメータおよび点数を示しており、オペレータの入力部303からの表示指示に基づいて、図28に示されるような画面(部品品質表示画面)が表示部302に表示される。図28の部品品質表示画面は、部品名と、メーカ名と、寸法誤差(X)と、寸法誤差(Y)と、点数と、判定とからなる。寸法誤差(X)は、ずれ量dXの標準偏差を示し、寸法誤差(Y)は、ずれ量dYの標準偏差を示すものとする。例えば、部品名「I」の部品の、メーカ名は「XX」であり、寸法誤差(X)は「15」であり、寸法誤差(Y)は「20」であり、点数は「55点」であり、判定は「赤」であることが示されている。
図29は、部品実装機単位でそれぞれ集計および点数化された部品種ごとのパラメータおよび点数の一例を示す図である。図29は、ある部品実装機αに対するパラメータおよび点数を示しており、オペレータの入力部303からの表示指示に基づいて、図29に示されるような画面(部品品質表示画面)が表示部302に表示される。図29の部品品質表示画面は、部品名と、メーカ名と、寸法誤差(X)と、寸法誤差(Y)と、点数と、判定とからなる。例えば、部品名「I」の部品の、メーカ名は「XX」であり、寸法誤差(X)は「14」であり、寸法誤差(Y)は「22」であり、点数は「55点」であり、判定は「赤」であることが示されている。
図30は、部品メーカ別に集計および点数化された部品のパラメータおよび点数の一例を示す図である。図30は、部品メーカごとに、全ての部品のパラメータおよび部品を集計しており、オペレータの入力部303からの表示指示に基づいて、図30に示されるような画面(部品品質表示画面)が表示部302に表示される。図30の部品品質表示画面は、メーカ名と、寸法誤差(X)と、寸法誤差(Y)と、点数と、判定とからなる。例えば、メーカ名「ZZ」の全ての部品について集約した寸法誤差(X)は「8」であり、寸法誤差(Y)は「6」であり、点数は「90点」であり、判定は「緑」であることが示されている。すなわち、メーカ名「ZZ」の欄は、図28の部品品質表示画面に示した部品名「K」および部品名「L」を含む全てのメーカ「ZZ」で製造された部品を対象とした、寸法誤差や、点数等を示したものである。これにより、良い製造メーカか否かが分かることとなる。なお、製造メーカごとでなくても、製造メーカの工場ごとであっても良い。
図31は、部品実装機単位でそれぞれ集計および点数化された部品種ごとのパラメータおよび点数の一例を示す図である。図31は、ある部品実装機αに対するパラメータおよび点数を示しており、オペレータの入力部303からの表示指示に基づいて、図31に示されるような画面(部品品質モニタ)が表示部302に表示される。図31の部品品質モニタは、部品名と、認識エラー率と、吸着率と、持ち帰り率と、寸法誤差と、メーカ名と、判定とからなる。例えば、部品名「A」の部品の、認識エラー率は「1.8」%であり、吸着率は「96.0%」であり、持ち帰り率は「0.05%」であり、寸法誤差は「16」であり、メーカ名は「XX」であり、点数は「50点」であり、判定は「赤」であることが示されている。なお、判定は、表示部302では、色の違いにより示され、部品名「A」に対しては、赤色で示されているものとする。
図32は、部品実装機全体としてそれぞれ集計および点数化された部品種ごとのパラメータおよび点数の一例を示す図である。図32は、全ての実装ライン200を構成する部品実装機全体でのパラメータおよび点数を示しており、オペレータの入力部303からの表示指示に基づいて、図32に示されるような画面(部品品質モニタ)が表示部302に表示される。図32の部品品質モニタは、部品名と、認識エラー率と、吸着率と、持ち帰り率と、寸法誤差と、メーカ名と、判定とからなる。例えば、部品名「A」の部品の、認識エラー率は「0.9」%であり、吸着率は「96.2%」であり、持ち帰り率は「0.04%」であり、寸法誤差は「17」であり、メーカ名は「XX」であり、点数は「55点」であり、判定は「赤」であることが示されている。
図33は、図28に示した部品実装機全体としてそれぞれ集計および点数化された部品種ごとのパラメータおよび点数のうち、点数を部品種ごとに表示したグラフである。当該グラフは、オペレータの入力部303からの表示指示に基づいて、表示部302に表示される。図33に示すグラフは、横軸が部品名であり、縦軸がそれぞれの部品種に対する点数を示している。また、判定「赤」と「黄」の区切りを示す点数「70点」および判定「黄」と「緑」の区切りを示す点数「90点」が図中破線で示されている。このグラフによると、部品名「I」および「J」の部品の判定が「赤」であり、部品名「K」の部品の判定が「黄」であり、部品名「L」の部品の判定が「緑」であることが分かる。
図34は、図28に示した部品実装機全体としてそれぞれ集計および点数化された部品種ごとのパラメータおよび点数のうち、寸法誤差(X)を部品種ごとに表示したグラフである。当該グラフは、オペレータの入力部303からの表示指示に基づいて、表示部302に表示される。図34に示すグラフは、横軸が部品名であり、縦軸がそれぞれの部品種に対する寸法誤差(X)を示している。例えば、部品種「I」、「J」、「K」および「L」の寸法誤差(X)がそれぞれ「15」、「10」、「9」および「8」であることが示されている。
図35は、図28に示した部品実装機全体としてそれぞれ集計および点数化された部品種ごとのパラメータおよび点数のうち、寸法誤差(Y)を部品種ごとに表示したグラフである。当該グラフは、オペレータの入力部303からの表示指示に基づいて、表示部302に表示される。図35に示すグラフは、横軸が部品名であり、縦軸がそれぞれの部品種に対する寸法誤差(Y)を示している。例えば、部品種「I」、「J」、「K」および「L」の寸法誤差(Y)がそれぞれ「20」、「31」、「10」および「4」であることが示されている。
図36は、図28に示した部品実装機全体としてそれぞれ集計および点数化された部品種ごとのパラメータおよび点数のうち、部品種「I」についての部品の幅xの規格値からのずれ量dXと部品の奥行きyの規格値からのずれ量dYとの分布を2次元的に示したグラフである。当該グラフは、オペレータの入力部303からの表示指示に基づいて、表示部302に表示される。当該グラフの横軸はずれ量dXを示し、縦軸はずれ量dYを示している。図36に示すグラフでは、矩形枠800で規格範囲を示している。このため、矩形枠800外にプロットされた点に対応する部品は規格範囲外の部品ということになる。なお、他の部品種たとえば部品種「J」についても同様のグラフを表示させることができる。
図37は、図23を用いて説明したリードを有する部品におけるリードの曲がり率を示したグラフである。当該グラフは、オペレータの入力部303からの表示指示に基づいて、表示部302に表示される。図37に示すグラフは、横軸が部品名であり、縦軸がリード曲がり率を示している。リード曲がり率とは、所定の規格範囲を超えて曲がっている部品の割合を示した値である。同グラフでは、リード曲がり率のしきい値として0.5%を設けている。部品のリード曲がり率のみを考えた場合、リードの曲がり率が0.5%を超えて曲がっている部品、すなわち、部品種「I」および「J」は規格範囲外の部品であることが示されている。
ここで、図28〜図32の部品品質表示画面に示されている「点数」のつけ方、すなわち、部品種の点数化処理(S3、S4)について説明する。部品種の点数は、100点満点からの減点方式によりつけられる。図38は、何点減点するかを示した減点表307cである。307cは、部品品質管理装置300のデータベース部307に記憶されている。減点は、認識エラー率、吸着率、持ち帰り率、寸法誤差の各々について定められている。例えば、寸法誤差の減点について着目すると、寸法誤差が0以上かつ4以下の場合には、減点は「0点」である。寸法誤差が4より大きくかつ8以下の場合には、減点は「5点」である。寸法誤差が8より大きくかつ10以下の場合には、減点は「10点」である。寸法誤差が10より大きくかつ15以下の場合には、減点は「15点」である。寸法誤差が15よりも大きい場合には、減点は「30点」である。
例えば、図28に示した部品名「I」に着目すると、寸法誤差(X)は「15」である。このため、図38に示す減点表に基づいて、減点は「15点」である。また、寸法誤差(Y)は「20」である。このため、図38に示す減点表に基づいて、減点は「30点」である。以上より、部品名「I」の点数は、
100点−15点−30点=55点
という式により、「55点」であると求められる。
次に、図28〜図32の部品品質表示画面に示されている「判定」の決定処理(判定処理)について説明する。「判定処理」は、部品種の点数化処理(S3、S4)において行われ、部品種の点数に対する判定結果を求める処理である。図39は、判定処理に用いられる点数と判定結果との関係を示した判定表307dである。判定表307dは、部品品質管理装置300のデータベース部307に記憶されている。パラメータ集計部305cは、判定表307dに基づいて、点数が90点よりも大きい場合には、稼働状況および品質状況ともに良好であると判定して、判定結果を「緑」とする。また、パラメータ集計部305cは、点数が70点よりも大きくかつ90点以下の場合には、稼働状況および品質状況に注意が必要であると判定し、判定結果を「黄」とする。さらに、パラメータ集計部305cは、点数が70点以下の場合には、稼働状況および品質状況に問題が生じていると判定し、判定結果を「赤」とする。
再度、図27に従い、部品品質管理装置300の実行する処理について説明する。全ての実装ライン200において、部品実装基板の生産が終了した後(ループA)、部品選定部305fは、全ての部品種の価格情報および納期情報を読み込む(S6)。価格情報および納期情報は、入力部303より入力されるものとしてもよいし、データベース部307またはメモリ部304に予め記憶されているものを読み込むものとしてもよいし、通信I/F部306を介して実装ライン200の部品実装機24等から読み込むものとしても良い。
部品選定部305fは、データベース部307より代替リスト307eを読み込む(S8)。部品選定部305fは、全部品種を、代替リスト307eに基づいて、代替可能な部品種のグループにグループ分けする(S10)。
次に、部品選定部305fは、グループ分けされた各グループについて、当該グループに含まれる部品種を、点数が高いほど優先度が高くなるように発注優先度を決定する(S12)。また、部品選定部305fは、点数が同一の部品種については、納期が早いほど優先度が高くなるように発注優先度を決定する(S14)。さらに、部品選定部305fは、点数および納期が同一の部品種については、単価が安いほど優先度が高くなるように発注優先度を決定する(S16)。
すなわち、同一グループ内では、部品選定部305fは、点数、納期、単価の順にこれらの値を考慮して、発注優先度を決定する。なお、点数の代わりに判定を用いて、判定が「緑」、「黄」、「赤」の順に優先度が高くなるように発注優先度を決定しても良い。
部品選定部305fは、S12〜S16の処理を各グループについて行う(ループC)。
次に、部品選定部305fは、以上のようにして発注優先度が決定された部品の一覧、すなわち発注候補リストを、表示部302に表示する(S20)。
図40は、S20の処理で表示される発注候補リストの一覧を示す図である。
発注候補リストは、部品名と、メーカ名と、部品精度に対する点数および判定と、過去不良回数と、納期と、単価と、発注優先度とが表示されている。
ここで、部品名「A」、「A1」、「A2」および「A3」の部品は代替可能な代替部品であるものとする。また、部品名「B」、「B1」および「B2」の部品は代替可能な代替部品であるものとする。さらに、部品名「C」、「C1」および「C2」の部品は代替可能な代替部品であるものとする。代替部品の一覧については、代替リスト307eとして、データベース部307に記憶されているものとする。
例えば、部品名「A」の部品のメーカ名は「XX」であり、その部品精度、すなわち寸法誤差に対して得点を付けた結果が「95点」であり、判定は「緑」であることが示されている。また、過去にその部品を使用して発生した不良回数は「0回」であり、その部品の納期は「1週間」であり、単価は1個当たり「0.1円」であることが示されている。さらに、その部品の発注優先度は「1番」であることが示されている。
次に、要求送信部305eは、オペレータからの部品発注依頼を入力部303を介して受け付ける(S22)。要求送信部305eは、部品発注依頼に応答して、当該部品の部品メーカのコンピュータに対して、通信I/F部306を介して部品発注要求情報を送信する(S24)。
以上のように、代替可能な部品群のうちで、寸法のばらつきが小さく、納期が早く、単価が安い部品の発注優先度が高く設定される。このため、オペレータは、精度がよく、納期も早く、単価の安い部品を選定して注文することができる。よって、部品メーカから供給される電子部品などに、部品実装機の稼働状況低下や部品実装基板の品質状況の低下原因がある場合であっても、適切な部品を選定することができるため、部品実装基板の品質を改善することができる。
以上、本発明の実施の形態に係る生産システムについて図面を参照しながら説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
例えば、部品判定結果において「赤」が付された部品のメーカのコンピュータに対して、要求送信部305eが部品の品質改善の要求を送信するようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、部品の寸法誤差を用いて点数付けを行ったが、必ずしも、部品の寸法誤差を用いる必要はなく、その他に紹介した各種パラメータを用いて点数付けを行うようにしてもよい。例えば、リードの曲がり率を用いて点数付けを行うようにしてもよいし、BGAの半田量のばらつきを用いて点数付けを行うようにしてもよい。
また、認識エラー率、吸着率、持ち帰り率を用いて点数付けを行い、部品の優先度付けを行うようにしてもよい。ただし、認識エラー率、吸着率、持ち帰り率は、部品の品質状況に関するパラメータではなく、部品実装機の稼働状況を示すパラメータである。これらのパラメータの良否は、部品の品質状況を直接表すものではないが、間接的には表している。このため、これらのパラメータを用いて点数付けを行い、パラメータの値が悪化している場合には、その原因が部品の品質に問題があるのか、部品実装機の側に問題があるのかを見極める必要がある。具体的には、ある特定の部品実装機においてパラメータの値が悪化している場合には、その原因が部品実装機の問題であると特定し、全ての部品実装機においてパラメータの値が悪化している場合には、その原因が部品の品質の問題であると特定することができる。このようにして、部品の品質に問題があると分かった場合には、当該部品の発注優先度を下げるようにすれば良い。
また、上述の実施の形態では、部品実装機に使用される部品に対して点数を付け、部品の選定の方法について説明を行ったが、必ずしも選定の対象は部品である必要はなく、部品実装機で使用される基板または材料や、その他の生産設備で使用される材料等であってもよい。例えば、基板、クリーム半田、接着剤等であっても良い。
例えば、基板に問題がある場合には、代替可能な基板の一覧を表示し、その中からオペレータが他の基板を決定するようにしてもよい。具体的には、部品実装機により認識された基板の生産時に基板マーク位置または個別マーク位置を、部品品質管理装置300が、集計および分析し、当該マーク位置のX方向およびY方向の歪、ばらつき等を算出し、歪やばらつきが大きい場合には、代替可能な基板の一覧を表示するようにしてもよい。
また、クリーム半田に問題がある場合には、代替可能なクリーム半田の一覧を表示し、その中からオペレータが他のクリーム半田を決定するようにしても良い。半田印刷装置16による半田印刷時におけるスクリーン版への半田のつまり状態や、スクリーン版からの半田離れの良否により、半田を点数化する。部品品質管理装置300は、得点の低い半田と代替可能な半田の一覧を表示する。なお、半田のつまり状態や半田離れの良否は、スクリーン版の汚れの度合いをセンサで計測したり、半田の付き方を検査したりすることにより判別可能である。
さらに、接着剤に問題がある場合には、代替可能な接着剤の一覧を表示し、その中からオペレータが他の基板を決定するようにしてもよい。具体的には、接着剤塗布装置21による接着剤塗布時に接着剤の糸引き状態や接着剤塗布量のばらつきに基づいて、部品品質管理装置300が、接着剤を点数化し、点数の悪い接着剤と代替可能な接着剤の一覧を表示するようにしてもよい。
また、上述の実施の形態では、図28に示したような部品実装機全体として集計および点数化された部品種ごとのパラメータおよび点数を用いて、部品の選定を行ったが、部品の選定を行うのではなく、メーカの選定を行うようにしてもよい。具体的には、図30に示した部品メーカ別に集計および点数化された部品のパラメータおよび点数を用いて、図27のフローチャートに従った処理を部品品質管理装置300が実行することにより、優先的に使用するメーカを選定し、当該メーカに部品を発注するようにしても良い。なお、判定において「赤」が付されたメーカのコンピュータに対して、要求送信部305eが部品の品質改善の要求を送信するようにしてもよい。
(変形例)
上述の実施の形態においては、部品実装機全体としての各種パラメータに対する点数に基づいて、部品の点数化を行ったが、部品実装機単位で特定の部品種に対する点数を見た場合には、その点数にばらつきが生じる場合がある。これは、部品の精度そのものには、問題がないものの、部品と部品実装機との間の相性が悪い場合が存在するため、部品実装機の稼働状況が悪化する場合があるためである。このような相性の悪さは、例えば、部品の表面の形状が曲面形状をしていたり、部品表面がつるつるしていたりするために、吸着ノズルで吸着しにくいような場合に生じる。
よって、部品単位で各種パラメータに対する点数を見た場合に、ある部品実装機に対する部品判定結果が「赤」となっている部品については、その部品実装機では使用しないようにしても良い。
図41は、部品実装機との相性が悪い部品を特定するための処理を示した図である。部品品質管理装置300は、図27に示した部品品質管理装置300が実行する処理と同様に、実装ライン200で部品実装基板が生産されている間、S1およびS3の処理を繰り返す(ループA)。なお、ここでは、部品の品質状況に関するパラメータの算出処理(図27のS2)および部品実装機全体としての各種パラメータの集計および点数化処理(図27のS4)は行われないものとする。
図42は、ある部品実装機αに対する部品実装機の稼働状況に関するパラメータおよび点数を示す図である。図42は、オペレータの入力部303からの表示指示に基づいて、表示部302に表示される。図42の部品品質モニタは、部品名と、認識エラー率と、吸着率と、持ち帰り率と、メーカ名と、判定とからなる。例えば、部品名「A」の部品の、認識エラー率は「3.2」%であり、吸着率は「93.0%」であり、持ち帰り率は「0.5%」であり、メーカ名は「XX」であり、点数は「65点」であり、判定は「赤」であることが示されている。なお、判定は、表示部302では、色の違いにより示され、部品名「A」に対しては、赤色で示されているものとする。
再度、図41に従い、部品品質管理装置300の実行する処理について説明する。全ての実装ライン200において、部品実装基板の生産が終了した後(ループA)、部品選定部305fは、部品種ごとに、部品判定結果が「赤」か否かを判断する(S32)。部品判定結果が「赤」となった部品については、当該部品を発注候補リストから外すことにより、部品判定結果が「赤」となっている部品実装機では、その部品を使わないようにする(S34)。このような処理を、全ての部品種について繰り返す(ループB)。
これにより、特定の部品実装機と相性の悪い部品を発注候補リストから除外することができ、その部品を発注しないようにすることができる。
なお、部品品質管理装置300の機能がいずれかの部品実装機に備わっていても良い。
また、上述の実施の形態では、図27および図41に示すように部品品質管理装置300が実行する処理において、原因を特定し、部品の選定を行う処理は、部品実装基板の生産が終了した後(ループA)に行うようにしているが、生産途中に当該処理を行うようにしてもよく、例えば、3時間おきに定期的に行うようにしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。