JP2007335673A - 固体撮像装置とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】飽和電子数の維持と転送効率の最適化との両立を図りながら、電荷蓄積部および電荷転送部への暗電流の侵入を効果的に抑制することができる固体撮像装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】固体撮像装置1では、電荷蓄積部110の周囲のSTI層113aと電荷転送部115の周囲のSTI層113bとで、半導体基板10におけるシリコン結晶軸に対する接面方向が互いに異なる。これに伴い、固体撮像装置1では、電荷蓄積部110の周囲と電荷転送部の周囲とで、欠陥抑制層116a、116bのp型半導体の濃度が互いに異なるように形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、固体撮像装置とその製造方法に関し、特に撮像画素領域におけるシャロートレンチ素子分離層の格子欠陥による暗電流が電荷蓄積部へ侵入するのを抑制するための技術に関する。
CCDイメージセンサやMOSイメージセンサなどの固体撮像装置は、ディジタルスティルカメラやディジタルムービーカメラなどの撮像デバイスとして広く用いられている。このうち、MOSイメージセンサは、一枚の半導体基板に対し、撮像領域とこの撮像領域から画像信号を取り出す周辺回路領域とが作り込まれた構成を有する。従来におけるMOSイメージセンサにおける撮像領域の構造について、図11を用い説明する。なお、実際の固体撮像装置の撮像領域では、数百万以上の撮像画素が二次元配置されているが、図11では、その中から2画素61a、61bを抜き出して示している。
図11に示すように、各撮像画素61a、61bは、半導体基板60に対しn型半導体で形成された電荷蓄積部610と、同じくn型半導体で形成されたドレイン領域611と、電荷蓄積部610とドレイン領域611との間に形成された電荷転送部615を有する構成となっている。また、半導体基板60の表面上であって、電荷転送部615の上方領域には、ゲート電極612を有し、また、半導体基板60の面方向において、電荷蓄積部610や電荷転送部615やドレイン領域611などと、間にシャロートレンチ素子分離層613を挟んだ状態で走査回路部614が形成されている。シャロートレンチ素子分離層613は、半導体基板の表面に対して異方性エッチングで溝を形成し、その溝にシリコン酸化物を埋め込んでなる素子分離法の一種である。以下では、STI(Shallow Trench Isolation)層と記載する。
固体撮像装置には、画像品質の向上を図るために集光率を高めることが求められているとともに、装置の小型化も求められている。装置の小型化を行う上で、画素の微細化は必須となる。このような画素の微細化を図るべく種々の取り組みがなされている。その一例を図12、13を用い説明する。
先ず、図12を用い、2画素1セル構成を採用する従来の固体撮像装置について説明する。図12に示すように、この固体撮像装置では、各撮像画素71a、71bにおいて、半導体基板70に対し電荷蓄積部710、電荷転送部715、ゲート電極712および走査回路部714などが形成されている。図12に示す固体撮像装置では、隣り合う撮像画素71aと撮像画素71bとで共用するドレイン領域711が形成されているところに特徴を有する。このように隣り合う撮像画素71aと撮像画素71bとでドレイン領域711を共用する構成とすることで、撮像領域全体に対する電荷蓄積部710の面積の割合を大きなものとすることができ、受光部の大きな固体撮像装置とすることができる。
次に、図13には、特許文献1などで提案されている固体撮像装置の撮像領域の構成を示す。
図13に示すように、上記文献で提案されている固体撮像装置では、隣接する4つの撮像画素81a〜81dのうち、斜め方向に隣接する撮像画素81bと撮像画素81cとの間でドレイン領域811の共用が図られている。この文献では、このように斜め方向に隣接する2つの撮像画素81b、81cでドレイン領域811を共用することで、図12に示す固体撮像装置よりも一層の画素の微細化が可能であるとしている。
ところで、STI層613、713、813は、上述のような構造が採用されているのであるが、その製造方法に起因する格子欠陥が存在する。即ち、STI層613、713、813は、半導体基板60、70、80の該当箇所に溝を形成し、この溝に対しシリコン酸化物を埋め込むことで形成されるため、エッチングダメージにより格子欠陥が存在するに至る。また、STI層613、713、813では、これを構成するシリコン酸化物と半導体基板60、70、80を構成するシリコンとの間の応力によっても格子欠陥が発生する。
STI層613、713、813に存在する格子欠陥は、光電変換とは関係なく電子を発生してしまうため、暗時にも電子を発生し、発生した電子が電荷蓄積部610、710、810および電荷転送部615、715、815(符号815については、図14を参照。)に侵入することで暗電流発生の原因となる。このような暗電流の発生を抑制すべく、電荷蓄積部610、710、810および電荷転送部615、715、815などとSTI層613、713、813との間に欠陥抑制層を挿設するという技術が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。これについて、図14、図15、図16を用い説明する。
図14に示すように、特許文献2で提案されている固体撮像装置では、各撮像画素81cにおいて、電荷蓄積部810、ドレイン領域811および電荷転送部815の周囲に、STI層813との間に介挿する状態で欠陥抑制層816が挿設されている。図15および図16に示すように、欠陥抑制層816は、STI層813と電荷蓄積部810および電荷転送部815との間に介挿され、STI層813の格子欠陥により発生した電子を自身のホールと結合させることによって、暗電流の原因となる電子の消滅を図る。このように欠陥抑制層816を挿設することで、固体撮像装置における暗電流の発生を低減できる。
特開2006−054276号公報 特開2004−253729号公報
しかしながら、上記特許文献2に係る固体撮像装置のように斜め方向に隣接する撮像画素どうしでドレイン領域811を共用する構造を採用する場合には、欠陥抑制層813のp型半導体の濃度によって電荷蓄積部810における飽和電子数が少なくなったり、電荷転送部815における転送効率の低下といった問題が発生する。
本発明は、上記問題を解決しようとなされたものであって、飽和電子数の維持と転送効率の最適化との両立を図りながら、電荷蓄積部および電荷転送部への暗電流の侵入を効果的に抑制することができる固体撮像装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記問題が次のような原因によるものであることを究明した。
上記特許文献2に係る固体撮像装置では、電荷転送部815の周囲におけるSTI層813b(図14を参照。)が、電荷蓄積部810の周囲におけるSTI層813に対し格子欠陥の数が異なる。これは、電荷転送部815の周囲における半導体基板80のシリコン結晶軸に対するSTI層813bの接面方向が、電荷蓄積部810の周囲における半導体基板80のシリコン結晶軸に対するSTI層813の接面方向と異なることに起因するものであり、互いの領域での異なることによる。よって、上記特許文献2に係る固体撮像装置では、各撮像画素81a〜81dにおける電荷転送部815と電荷蓄積部811とで、発生する暗電流が相違する。
ところが、上記特許文献2に係る固体撮像装置では、各撮像画素81a〜81dにおいて、電荷蓄積部811の周囲と電荷転送部815の周囲とで同一の欠陥抑制層816を形成しているので、p型半導体の濃度を電荷蓄積部811の周囲のSTI層813に適応するようにするか、電荷転送部815の周囲のSTI層813に適応させるようにするかしか選択し得ない。このため、電荷転送部815での暗電流の発生を抑制しようと欠陥抑制層813のp型半導体の濃度を設定する場合には、電荷蓄積部810の周囲の欠陥抑制層816の濃度が最適な値よりも大きくなり、電荷蓄積部810でのn型半導体の濃度が最適な濃度よりも小さくなることで、飽和電子数を減らしてしまうことになる。
逆に、電荷蓄積部810での暗電流の発生を抑制しようと欠陥抑制層813のp型半導体の濃度を設定する場合には、電荷転送部815の周囲の欠陥抑制層813の濃度が最適な値よりも大きくなり、電荷転送部815の電位に影響を及ぼすことになるので、転送効率の最適化が困難となる。
本発明は、上記知見を基に次の特徴を有することとした。
本発明に係る固体撮像装置では、半導体基板に対し、その主面に沿った方向(以下では、「主面方向」と記載する。)に複数の撮像画素がマトリクス状に配設され、複数の撮像画素の各々は、第1導電型半導体からなる電荷蓄積部と、当該電荷蓄積部からの電荷を出力側へと転送する電荷転送部とが形成されるとともに、半導体基板の主面方向において、電荷蓄積部と電荷転送部との周囲を囲む状態に、第2導電型半導体を含んでなる欠陥抑制層とSTI層とが順に配設されてなる構成を有するものであって、STI層は、電荷蓄積部の周囲と電荷転送部の周囲とで、半導体基板のシリコン結晶軸に対する接面方向が互いに異なる構造を以って形成されており、欠陥抑制層は、電荷蓄積部の周囲と電荷転送部の周囲とで、互いに第2導電型半導体の濃度が異なる状態に形成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る固体撮像装置の製造方法は、半導体基板に対し、その主面方向に複数の撮像画素がマトリクス状に配設され、複数の撮像画素の各々は、第1導電型半導体からなる電荷蓄積部と、当該電荷蓄積部からの電荷を出力側へと転送する電荷転送部とが形成されるとともに、半導体基板の主面方向において、電荷蓄積部と電荷転送部との周囲を囲む状態に、第2導電型半導体を含んでなる欠陥抑制層とSTI層とが順に配設されてなる構造の装置を製造する方法であって、電荷蓄積部の外周と電荷転送部の外周とに境界を接する状態に溝を形成するステップと、電荷転送部の外周に接する溝を第1のマスクで被覆し、当該状態で電荷蓄積部の外周の溝の(電荷蓄積部側の)側壁に向けて第2導電型半導体をイオン注入するステップと、電荷蓄積部の外周に接する溝を第2のマスクで被覆し、当該状態で電荷転送部の外周の溝の(電荷転送部側の)側壁に向けて第2導電型半導体をイオン注入するステップとを有し、電荷蓄積部の周囲へのイオン注入と、電荷転送部の周囲へのイオン注入とで、互いに第2導電型半導体の濃度を異ならせることを特徴とする。
なお、上記本発明に係る固体撮像装置の製造方法では、先に電荷蓄積部の外周の溝に対し第2導電型半導体をイオン注入して当該部分の欠陥抑制層を形成することとしてもよいし、先に電荷転送層の外周の溝に第2導電型半導体を注入して当該部分に欠陥抑制層を形成することとしてもよい。
また、イオン注入した後に、各々の箇所における欠陥抑制層の表面を平坦化することとしてもよい。
また、本発明に係る固体撮像装置の製造方法は、半導体基板に対し、その主面方向に複数の撮像画素がマトリクス状に配設され、複数の撮像画素の各々は、第1導電型半導体からなる電荷蓄積部と、当該電荷蓄積部からの電荷を出力側へと転送する電荷転送部とが形成されるとともに、半導体基板の主面方向において、電荷蓄積部と電荷転送部との周囲を囲む状態に、第2導電型半導体を含んでなる欠陥抑制層とSTI層とが順に配設されてなり、STI層は、電荷蓄積部の周囲と電荷転送部の周囲とで、半導体基板のシリコン結晶軸に対する接面方向が互いに異なる構造を有する装置を製造する方法であって、電荷蓄積部の外周と電荷転送部の外周とに境界を接する状態に溝を形成するステップと、電荷蓄積部の外周の溝の(電荷蓄積部側の)側壁に向けて第1の注入角を以って第2導電型半導体を注入するステップと、電荷転送部の外周の溝の(電荷転送部側の)側壁に向けて第2の注入角を以って第2導電型半導体を注入するステップとを有することを特徴とする。
なお、上記において、第1導電型半導体と第2導電型半導体とは、一方がp型半導体であって、他方がn型半導体である。具体的には、電荷蓄積部がn型半導体からなる場合には、欠陥抑制層がp型半導体からなり、電荷蓄積部がp型半導体からなる場合には、欠陥抑制層がn型半導体からなる。
半導体基板のシリコン結晶軸に対する接面方向が互いに異なる場合には、暗電流の発生を抑制するのに適した第2導電型半導体の濃度が、電荷蓄積部の周囲と電荷転送部の周囲とで互いに異なるため、従来の固体撮像装置の構成および製造方法を採用する場合には、電荷蓄積部の周囲と電荷転送部の周囲との双方の第2導電型半導体の濃度を最適に設定することができない。
これに対して、本発明に係る固体撮像装置では、電荷蓄積部の周囲と電荷転送部の周囲とで、互いに第2導電型半導体の濃度が異なる状態に欠陥抑制層を形成するという構成を採用するので、電荷蓄積部の周囲における欠陥抑制層の第2導電型半導体の濃度を電荷蓄積部での暗電流を抑制するのに適する必要最低限の濃度に設定し、電荷転送部の周囲における欠陥抑制層の第2導電型半導体の濃度を電荷転送部での暗電流を抑制するのに適する必要最低限の濃度に設定することが可能となる。本発明に係る固体撮像装置では、このように欠陥抑制層における第2導電型半導体の濃度を領域毎に区分けして設定することで、電荷蓄積部での第1導電型半導体の濃度を最大限確保して飽和電子数を多くすることができるとともに、電荷転送部の電位に対する影響を小さく抑え、転送効率の最適化を図ることも可能となる。
また、本発明に係る固体撮像装置では、少なくとも電荷蓄積部と電荷転送部との双方の周囲において、STI層との間に欠陥抑制層が挿設された構成を採用するので、STI層の格子欠陥に起因する電子が電荷蓄積部や電荷転送部に侵入するのを抑制することができ、暗電流の発生を抑えることが可能である。
以上のように、本発明に係る固体撮像装置では、飽和電子数の維持と転送効率の最適化との両立を図りながら、電荷蓄積部および電荷転送部への暗電流の侵入を効果的に抑制することができる。
上記本発明に係る固体撮像装置では、次のバリエーションを採用することができる。
上記本発明に係る固体撮像装置では、マトリクス状での撮像画素の配列方向に対し斜め方向に隣接する2つの撮像画素で、互いの電荷蓄積部どうしが斜め方向に延伸するラインで接続されており(2画素1セル構造を採用)、ラインには、2つの撮像画素で共用するドレイン領域が形成されているとともに、ドレイン領域と各撮像画素の電荷蓄積部との間に電荷転送部が挿設されているという構成を採用することができる。
また、上記本発明に係る固体撮像装置では、電荷蓄積部の周囲における欠陥抑制層の第2導電型半導体の濃度と、電荷転送部の周囲における欠陥抑制層の第2導電型半導体の濃度との各々を、各領域における半導体基板とSTI層との接面方向に応じて設定することとできる。
また、上記本発明に係る固体撮像装置では、欠陥抑制層が、各撮像画素において、電荷蓄積部と電荷転送部との境界点の近傍領域にも形成されており、境界点の近傍領域に形成された欠陥抑制層が、電荷蓄積部および電荷転送部の外周に形成された欠陥抑制層よりも、第2導電型半導体の濃度が高く設定されてなるという構成を採用することができる。このバリエーション構成は、電荷蓄積部と電荷転送部との境界点が接面方向の変わる点に相当し、このために応力が集中することになる。ところが、本発明に係る固体撮像装置では、上記境界点の近傍領域における欠陥抑制層の第2導電型半導体の濃度を電荷蓄積部および電荷転送部の外周における部分よりも高くしているので、効果的に暗電流の発生を抑制することができる。
また、上記本発明に係る固体撮像装置では、電荷転送部の両外周に形成されたSTI層どうしの間隔を、半導体基板の主面方向において、0.6[μm]よりも狭くなるように設定されているという構成を採用することができる。
また、本発明に係る固体撮像装置の製造方法では、第1のマスクによる被覆状態で電荷蓄積部の周囲の溝にイオン注入し、第2のマスクによる被服状態で電荷転送部の周囲の溝にイオン注入し、且つ、電荷蓄積部の周囲における欠陥抑制層の第2導電型半導体の濃度と、電荷転送部の周囲における欠陥抑制層の第2導電型半導体の濃度とを互いに異ならせるという方法を用いるので、電荷蓄積部の周囲と電荷転送部の周囲とで互いに第2導電型半導体の濃度の異なる状態の欠陥抑制層を容易に形成することができる。即ち、本発明に係る製造方法を用いれば、上述のような効果を有する本発明に係る固体撮像装置を容易に製造することができる。
さらに、本発明に係る別の製造方法としては、電荷蓄積部の周囲の溝に対するイオン注入角と、電荷転送部の周囲の溝に対するイオン注入角とを、第1の注入角と第2の注入角というように領域毎に異なる角度で設定することで、領域毎に欠陥抑制層の第2導電型半導体の濃度を変化させることができる。このような製造方法を採用しても、上述のような効果を有する本発明に係る固体撮像装置を容易に製造することができる。
なお、本発明に係る固体撮像装置の製造方法では、電荷蓄積部と電荷転送部との境界点の近傍領域の溝に対し、電荷蓄積部の周囲の溝へのイオン注入と、電荷転送部の周囲の溝へのイオン注入との両方を重複して実行することとしてもよい。このような方法を採用すれば、上述のように応力の集中により格子欠陥の発生しやすい当該箇所での暗電流の発生を効果的に抑制することができる。
以下では、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下の各実施の形態は、本発明の構成およびそこから奏される作用・効果を分かり易く説明するために用いるあくまでも一例であって、本発明は、本質的な特徴部分以外に何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
(実施の形態1)
1.固体撮像装置1の全体構成
実施の形態1に係る固体撮像装置1の全体構成について、図1を用い説明する。図1は、MOS型構造を有し、ディジタルスティルカメラやムービーディジタルカメラなどにおける撮像デバイスとして用いられる本実施の形態に係る固体撮像装置1の全体構成を模式的に表す模式ブロック図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る固体撮像装置1は、半導体基板10をベースとし、当該半導体基板10の一方の主面方向に、マトリクス状にニ次元配置された複数の撮像画素11と、各撮像画素11に接続された回路部が形成されている。このうち、複数の撮像画素11は、斜め方向に隣接する画素で一部機能を共用する、所謂、2画素1セルという形態が採用されている。これについては、後述する。
固体撮像装置1の回路部としては、タイミング発生回路部12、垂直シフトレジスタ部13、画素選択回路部14および水平シフトレジスタ部15などが含まれている。垂直シフトレジスタ部13および水平シフトレジスタ部15は、ともにダイナミック回路で構成されており、タイミング発生回路部12からの各撮像画素11あるいは画素選択回路部14に対し順次駆動パルス(スイッチングパルス)を出力する。
画素選択回路部14は、セル単位で対応するスイッチング素子部(図示を省略。)を備えており、水平シフトレジスタ部15からのパルスの入力を受けて順次ON状態となる。
2.撮像画素11の構成
撮像画素11の配列および構成について、図2を用い説明する。図2は、固体撮像装置1の複数の撮像画素11のうちの4画素11a〜11dを抜き出して示す模式平面図である。
図2に示すように、固体撮像装置1における撮像画素11a〜11dは、マトリクス状に二次元配置されており、各々には、電荷蓄積部110が形成されている。電荷蓄積部110は、n型半導体からなる。本実施の形態に係る固体撮像装置1では、マトリクス状に配列された撮像画素11a〜11dのうち、斜め方向に隣接する関係にある撮像画素11bと撮像画素11cとでドレイン領域111を共用している。ドレイン領域111は、n型半導体で構成されている。そして、各撮像画素11b、11cでは、電荷蓄積部110とドレイン領域111との間には、電荷転送部115が形成され、その上方(図2における紙面手前側)にゲート電極112が形成されている。
固体撮像装置1における撮像画素11a〜11dでは、ドレイン領域111に対し配線(不図示)で接続された走査回路部114、および素子分離層としてのSTI層113が形成されている。このうち、STI層113は、STI( Shallow Trench Isolation )構造を以って形成された素子分離層であって、具体的には、半導体基板10の表面における該当箇所に対して異方性エッチングで溝を形成し、その溝にシリコン酸化物を埋め込むという方法を以って形成される。
次に、撮像画素11a〜11dの構成について、図3〜図5を用い詳しく説明する。図3は、固体撮像装置1における撮像画素11cを抜き出して示す模式平面図であり、図4は、そのA−B断面を、図5は、そのC−D断面をそれぞれ示す断面図である。
図3に示すように、本実施の形態に係る固体撮像装置1では、電荷蓄積部110およびドレイン領域111および電荷転送部115の各周囲において、STI層113a、113bとの間に欠陥抑制層116a、116bが形成されている。図4に示すように、電荷蓄積部110の周囲における欠陥抑制層113aは、半導体基板10上において、n型半導体からなる電荷抑制部110とSTI層113aとの間に挿設されている。
また、図5に示すように、半導体基板10上において、電荷転送層115の周囲における欠陥抑制層116bは、n型半導体からなる電荷転送部115と両側のSTI層113bとの各間に挿設されている。
図3に戻って、STI層113bは、撮像画素11cにおけるSTI層113の中でも、図2に示す斜め方向に隣接する2つの撮像画素11b、11cとで共用するドレイン領域111など、図2のX軸およびY軸に対し斜め方向となる角度(例えば、45[°])で設定された斜め部分の周囲に配される部分を示す。
固体撮像装置1において、電荷蓄積部110の周囲における欠陥抑制層116aと、電荷転送部115の周囲の欠陥抑制層116bとは、ともにp型半導体からなる点は共通しているが、互いの間でp型半導体の濃度に差異を有する。これは、これは、半導体基板10におけるシリコン(Si)結晶軸に対するSTI層116a、116bと半導体基板10の接面方向が、電荷蓄積部110の周囲と電荷転送部115の周囲とで異なり、格子欠陥の数が互いの異なることに基づくものである。
具体的には、半導体基板10のシリコン結晶軸方向と、半導体基板10とSTI層113a、113bとの接面方向との関係で、電荷蓄積部110の周囲のSTI層113bの方が電荷転送部115の周囲のSTI層113aよりも格子欠陥が多く、これに伴って電荷転送部115の周囲における欠陥抑制層116bのp型半導体の濃度を、電荷蓄積部110の周囲における欠陥抑制層116aのp型半導体の濃度よりも高く設定している。例えば、電荷転送部115の周囲における半導体基板10に対するSTI層113bの接面方向が、半導体基板10のシリコン結晶軸方向に対し45[°]の関係である場合には、当該部分における欠陥抑制層116bのp型半導体の濃度を、電荷蓄積部110の周囲における欠陥抑制層116aのp型半導体の濃度に対して5[%]程度とする。
3.固体撮像装置1の特徴と優位性
図3に示す欠陥抑制層116a、116bの構成が特徴となるものであり、この構成により、本実施の形態に係る固体撮像装置1は、次のような優位性を有する。
上述のように、固体撮像装置1では、電荷蓄積部110の周囲と電荷転送部115の周囲とで、STI層113a、113bの格子欠陥の数が異なっているということに着目し、電荷蓄積部110の周囲の欠陥抑制層116aと電荷転送部115の周囲の欠陥抑制層116bとで、p型半導体の濃度を異ならせている。このため、固体撮像装置1では、電荷蓄積部110の周囲のSTI層113aの格子欠陥に起因する電子が、最適なp型半導体の濃度で形成された欠陥抑制層116aのホールで再結合され、暗電流の原因となる電子を消滅させることができる。それとともに、固体撮像装置1では、欠陥抑制層116aのp型半導体の濃度をSTI層113aの格子欠陥の数に基づいて規定しているので、上記特許文献2の固体撮像装置のように、欠陥抑制層116aの形成によって電荷蓄積部110のn型半導体の濃度が最適な値よりも小さくなってしまうということがなく、飽和電子数の減少を招くことがない。
また、固体撮像装置1では、電荷転送部115の周囲における欠陥抑制層116bのp型半導体の濃度が、STI層113bにおける格子欠陥の数に応じて規定されているので、STI層113bで発生した電子を、欠陥抑制層116bのホールで再結合して暗電流の発生を抑制することができる。そして、電荷転送部115の周囲における欠陥抑制層116bについても、STI層113bの格子欠陥の数に応じたp型半導体の濃度に規定されているので、欠陥抑制層116bのp型半導体の濃度によって電荷転送部115の電位が影響を受けることがなく、転送効率の最適化が可能である。
以上のように、本実施の形態に係る固体撮像装置1では、飽和電子数の維持と転送効率の最適化との両立を図りながら、電荷蓄積部および電荷転送部への暗電流の侵入を効果的に抑制することができる。
なお、固体撮像装置1においては、電荷蓄積部110の周囲の欠陥抑制層116aにおけるp型半導体の濃度と、電荷転送部115の周囲の欠陥抑制層116bにおけるp型半導体の濃度とは、半導体基板10のシリコン結晶軸に対するSTI層113aの接面方向と、半導体基板10のシリコン結晶軸に対するSTI層113bの接面方向との関係に基づいて規定されるものであり、例えば、半導体基板10のシリコン結晶軸に対するSTI層113a、113bの接面方向の関係より、STI層113aの方がSTI層113bよりも多くの格子欠陥を有する場合には、欠陥抑制層116aのp型半導体の濃度を欠陥抑制層116bのp型半導体の濃度よりも高く設定する。
逆に、半導体基板10のシリコン結晶軸に対するSTI層113a、113bの接面方向の関係より、STI層113bの方がSTI層113aよりも多くの格子欠陥を有する場合には、欠陥抑制層116bのp型半導体の濃度を欠陥抑制層116aのp型半導体の濃度よりも高く設定する。
4.固体撮像装置1の製造方法
次に、固体撮像装置1の製造法のうち、本実施の形態の最も特徴となる欠陥抑制層116a、116bの形成方法について、図6を用い説明する。なお、本実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法のうち、欠陥抑制層116a、116bの形成方法以外の部分については、従来の固体撮像装置の製造方法と変わるところはないので、その説明を省略する。
図6(a)に示す欠陥抑制層116a、116bの形成前に係る固体撮像装置1の半製品を準備する。この半製品の形成では、先ず、半導体基板10の一方の主面に電荷蓄積部110、電荷転送部115およびドレイン領域111などを形成しておく。
半導体基板10の表面上にシリコン窒化物を堆積させ、STI層113aおよび欠陥抑制層116aの形成予定領域をドライエッチングすることで、残余の領域上にハードマスク501aを形成する。このハードマスク501aを用い、半導体基板10における電荷蓄積部110の周囲に溝を形成する。この溝形成時においては、格子欠陥が発生することになる。
次に、上記ハードマスク501aをそのまま維持した状態で、半導体基板10の上記溝の側壁に対して、Bイオンの注入を行う。即ち、溝における電荷蓄積部110側の壁にp型半導体の層を形成する。この側壁に形成したp型半導体の層が、電荷蓄積部110の周囲における欠陥抑制層116aとなる。
さらに、半導体基板10に形成した溝の残余の部分に対し、シリコン酸化物を堆積させ、表面をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いて平坦化し、これにより欠陥抑制層116aの外側に隣接する部分にSTI層113aを形成できる。このようにして形成されたSTI層116aは、素子分離機能を有する。
図6(b)に示すように、上記欠陥抑制層116aおよびSTI層113aを形成した後、ハードマスク501aを除去し、上記同様の方法により、電化蓄積部110およびその周囲の上にハードマスク501bを形成する。そして、このハードマスク501bを用い、電荷転送部115およびドレイン領域112の周囲に溝を形成し、この溝の電荷転送部115およびドレイン領域111の側の側壁に向けて、B注入を行う。このようにして欠陥抑制層116bを形成するのであるが、電荷転送部115の周囲のおける欠陥抑制層116bの形成にあたっては、電荷蓄積部110の周囲の欠陥抑制層116aを形成するときとはp型半導体の濃度が異なるように、B+の注入条件を規定する。即ち、欠陥抑制層116aおよび欠陥抑制層116bの形成にあたっては、その外周のSTI層113a、113bの格子欠陥の数を考慮して、互いにp型半導体の濃度が異なるように、領域毎に個別的に形成する。
図6(b)に示すように、溝の残余の領域に対してシリコン酸化物を堆積させ、表面をCMP法で平坦化することで、STI層113bが形成される。
以上のようにして、固体撮像装置1における撮像画素11のSTI層113a、113bおよび欠陥抑制層116a、116bの形成が完了する。このような形成方法を採用することで、電荷蓄積部110の周囲の欠陥抑制層116aと電荷転送部115の周囲の欠陥抑制層116bとで、各々の領域毎に暗電流の発生を抑制するのに最適となるp型半導体の濃度を設定することができ、飽和電子数の維持と転送効率の最適化との両立を図りながら、電荷蓄積部および電荷転送部への暗電流の侵入を効果的に抑制することができる固体撮像装置1を製造することができる。
また、電荷蓄積部110、電荷転送部115およびドレイン領域111よりも先に、欠陥抑制層116a、116bの形成を行ってもよい。さらに、STI層113a、113bの溝を一緒に形成し、溝の形成が完了した状態でハードマスク501a、501bの形状をレジストを用いてイオン注入し、欠陥抑制層116a、116bの形成を行ってもよい。
(変形例)
次に、上記実施の形態1の中で、欠陥抑制層116a、116bの形成方法に関する変形例について、図7を用い説明する。
図7に示すように、本変形例に係る欠陥抑制層116a、116bの形成方法では、上記実施の形態1のように、ハードマスク501a、501bを用いず、Bの注入方向(注入角)を制御することで欠陥抑制層116aと欠陥抑制層116bとの間でp型半導体の濃度を異ならせる。
具体的には、図7に示す撮像画素11では、電荷蓄積部110および電荷転送部115の周囲に溝を形成したとき、その溝の内側側壁における延伸方向が異なる。例えば、図7に示す撮像画素11では、電荷蓄積部110の周囲の溝の側壁延伸方向に対し、電荷転送部115の周囲の溝の側壁延伸方向は略45[°]相違する。このため、先ず電荷蓄積部110の周囲の溝における電荷蓄積部110側の側壁に対し、垂直な方向からBの注入を行う。これにより、電荷蓄積部110の周囲に欠陥抑制層116aが形成される。
次に、電荷転送部115の周囲の溝には、その電荷転送部115側の側壁に対して、各々45[°]の角度となる2方向よりBの注入を行い、当該部分に欠陥抑制層116bを形成する。このような注入を行うことにより、欠陥抑制層116bにおけるp型半導体の濃度は、欠陥抑制層116aにおけるp型半導体の濃度よりも高くするすることが可能となる。なお、欠陥抑制層116aの形成と欠陥抑制層116bの形成とは、重畳して実行することができる。即ち、略長方形状の電荷蓄積部110の周囲に欠陥抑制層116aを形成すべくB+注入を行う場合には、略直行する電荷蓄積部110の2方向の側壁に向けてB注入を行うのであるが、その各々の注入時に電荷転送部115の周囲もB注入を行うこととする。
なお、STI層113a、113bの形成については、上記実施の形態1に係る製造方法と同様に、溝の残余の部分にシリコン酸化物を堆積させ、CMP法で平坦化することで行うことができる。
以上のような工程を以って欠陥抑制層116a、116bを形成する場合には、上記実施の形態1に係る製造方法のようにハードマスク501a、501bを用いる必要がなく、作業効率という観点から優れる。また、上記実施の形態1に係る製造方法では、ハードマスク501a、501bを各工程の実行後に除去する必要があり、装置の表面などに対するダメージという観点から不利であるが、本変形例に係る製造方法では、ハードマスクを用いないので、このような観点からも優位である。
なお、本変形例に係る製造方法では、電荷蓄積部110側の溝側壁に対し垂直となる角度でB注入を行い、電荷転送部115側の溝側壁に対し、略45[°]となる角度を以ってB注入を行うこととしたが、Bの注入角度については、これらに限定を受けるものではない。即ち、欠陥抑制層116aでのp型半導体の濃度と欠陥抑制層116bでのp型半導体の濃度とがSTI層113a、113bの格子欠陥に起因して発生する電子を確実に再結合できるように最適化できる各B注入角度を設定すればよい。
(参考例)
参考例に係る固体撮像装置の構成について、図8および図9を用い説明する。なお、本参考例に係る固体撮像装置の構成のうち、撮像画素21以外の部分については、上記実施の形態1に係る固体撮像装置1の構成と変わるところはないので、その図示を省略し、重複する説明についても省略する。
図7に示すように、本参考例に係る固体撮像装置の撮像画素21では、上記実施の形態1に係る固体撮像装置1の撮像画素11に対し、電荷転送部215の外周におけるSTI層213bおよび欠陥抑制層216bの配置が異なっている。具体的には、本参考例に係る固体撮像装置の撮像画素21では、電荷転送部215の両外周に形成されているSTI層213bどうしの間隔Wが、上記実施の形態1に係る撮像画素11よりも広く設定されている。間隔Wは、例えば、0.6[μm]よりも広く設定されている。
図8に示すように、本参考例に係る撮像画素21でも、電荷転送部215とSTI層213bとの間に、p型半導体からなる欠陥抑制層216bが介挿されているが、当該欠陥抑制層216bにおけるp型半導体の濃度は、電荷蓄積部110の外周における欠陥抑制層116aのp型半導体の濃度と略同一としている。これは、次のような理由によるものである。
本参考例に係る固体撮像装置のように、電荷転送部215の両外周に形成されたSTI層213bの互いの間隔Wを0.6[μm]よりも大きく設定した場合には、欠陥抑制層216bのp型半導体の濃度による電荷転送部215の電位への影響は小さくなり、電荷転送部215の濃度調整のみで転送効率を制御することが可能となる。このため、本変形例に係る固体撮像装置では、あえて電荷蓄積部110の周囲の欠陥抑制層116aと電荷転送部215の周囲の欠陥抑制層216bとで、互いのp型半導体の濃度を異ならせる必要はない。なお、図8では、説明の便宜から、欠陥抑制層116aと欠陥抑制層216bとのハッチングを変えて示しているが、実際の両層116a、216bは、同じp型半導体の濃度を有する。
本変形例に係る固体撮像装置の撮像画素では、電荷転送部215の両外周に形成のSTI層213bどうしの間隔Wを0.6[μm]よりも大きくすることで、欠陥抑制層116aと欠陥抑制層216bとのp型半導体の濃度を略同一としても転送効率などに影響が及ぶことがない。逆にいうと、間隔Wを0.6[μm]以下とする場合には、欠陥抑制層216bのp型半導体の濃度が電荷転送部215の電位に対し与える影響が大きくなり、電荷転送部215の濃度調整だけでは適切な転送効率の制御ができなくなる。このような場合には、転送効率の制御の容易化を図るためには欠陥抑制層216bの濃度をできるだけ小さくすることが望ましい。
上記観点から、上記実施の形態1に係る固体撮像装置1のように、電荷蓄積部110の周囲における欠陥抑制層116aでのp型半導体の濃度と、電荷転送部115の周囲の欠陥抑制層116bでのp型半導体の濃度とを異ならせるという構成を採用することで、STI層113a、113bの格子欠陥に起因する電子による暗電流の発生を高効率に抑制することが可能となる(上記実施の形態1を参照)。このように、図8に示す固体撮像装置のように、電荷転送部215の周囲のSTI層213bどうしの間隔Wが0.6[μm]よりも広い場合には、特に欠陥抑制層116aと欠陥抑制層216bとでp型半導体の濃度を異ならせる必要はないが、間隔Wが0.6[μm]以下の微細な画素構造を採用する場合には、飽和電子数の維持と転送効率の最適化との両立を図りながら、電荷蓄積部および電荷転送部への暗電流の侵入を効果的に抑制するという観点から、電荷蓄積部110の周囲と電荷転送部115の周囲とで欠陥抑制層116a、116bの互いのp型半導体の濃度を異ならせるという上記実施の形態1に係る技術が特に有効となる。
(実施の形態2)
実施の形態2に係る固体撮像装置について、図10を用い説明する。図10では、本実施の形態に係る固体撮像装置の構成のうち、特徴を有する撮像画素31を示している。なお、本実施の形態に係る固体撮像装置は、撮像画素31以外の部分は上記実施の形態1に係る固体撮像装置1と同様の構成を有するため、その図示および説明を省略する。
図10に示すように、本実施の形態に係る固体撮像装置の撮像画素31では、電荷蓄積部110の周囲に欠陥抑制層316aが形成され、電荷転送部115の周囲に欠陥抑制層316bが形成されており、それに加えて電荷蓄積部110と電荷転送部115との付き合せ境界部分の周囲に欠陥抑制層316cが形成されている。欠陥抑制層316aと欠陥抑制層316bとのp型半導体の濃度の関係は、上記実施の形態1と同様あり、欠陥抑制層316cにおけるp型半導体の濃度は、欠陥抑制層316aおよび欠陥抑制層316bの双方よりも高い値に設定されている。これは、次のような理由によるものである。
図9に示すように、電荷蓄積部110と電荷転送部115との付き合せ境界部分では、半導体基板のシリコン結晶軸に対するSTI層113a、113bの接面方向が急激に変化することになり、このため、この部分では応力が集中することになる。このため、当該部分におけるSTI層313cでは、他の部分よりも多くの格子欠陥が存在し、暗電流の原因となる電子が多く発生する。本実施の形態に係る固体撮像装置の撮像画素31の構造は、当該現象に対応するものである。つまり、格子欠陥が多く存在するSTI層313cに隣接する欠陥抑制層316cのp型半導体の濃度を他の部分における欠陥抑制層316a、316bよりも高くすることで、この部分における暗電流の発生も高効率に抑制することが可能となる。
なお、欠陥抑制層316Cの形成では、当該部分におけるp型半導体の濃度を他の部分よりも高めるために、例えば、図6に示す形成方法において、欠陥抑制層316cを形成しようとする箇所に対しては、欠陥抑制層316aの形成に際してのBの注入と、欠陥抑制層316bの形成に際してのBの注入との両方を重ね合わせるという方法を採用することができる。
(その他の事項)
上記実施の形態1、2では、図2に示す撮像画素11、31の構成を基に、特徴とする構成の説明を行ったが、本発明に係る固体撮像装置では、図2以外の構成の撮像画素の構成を有することとしてもよい。具体的には、電荷蓄積部の周囲におけるSTI層と電荷転送部の周囲におけるSTI層とで格子欠陥の数に差異のある構成に対しては本発明に係る技術を適用することで上記優位な効果を得ることが可能となる。
また、上記実施の形態1、2に係る固体撮像装置では、電荷蓄積部110および電荷転送部115がn型半導体からなるものとし、欠陥抑制層116a、116b、316a、316b、316cがp型半導体からなるものとしたが、逆の関係を有する構成に対しても本発明の構成を採用することができる。即ち、電荷蓄積部および電荷転送部をp型半導体から構成し、その場合に、欠陥抑制層をn型半導体から構成するという構成を採用した場合にあっても、本発明に係る技術を適用することが可能であり、その場合にも、上記実施の形態1、2と同様の効果を得ることができる。
本発明は、集光率が高く、高い画像特性を有するMOS型固体撮像装置を実現するのに有用な技術である。
実施の形態1に係る固体撮像装置1の全体構成を示す模式ブロック図である。 固体撮像装置1の構成のうち、一部の撮像画素11a〜11dを抜き出して示す模式平面図である。 撮像画素11cの構成を示す模式平面図である。 図3における撮像画素11cのA−B断面を示す模式断面図である。 図3における撮像画素11cのC−D断面を示す模式断面図である。 実施の形態1に係る固体撮像装置1の製造方法のうち、欠陥抑制層116a、116bの形成方法を示す模式平面図である。 変形例に係る欠陥抑制層116a、116bの形成方法を示す模式平面図である。 参考例に係る固体撮像装置の構成のうち、撮像画素21を抜き出して示す模式平面図である。 図8における撮像画素21のE−F断面を示す模式断面図である。 実施の形態2に係る固体撮像装置の構成のうち、撮像画素31を抜き出して示す模式平面図である。 従来技術に係る固体撮像装置の構成のうち、一部の撮像画素61a、61bを抜き出して示す模式平面図である。 従来技術に係る固体撮像装置の構成のうち、一部の撮像画素71a、71bを抜き出して示す模式平面図である。 従来技術に係る固体撮像装置の構成のうち、一部の撮像画素81a〜81dを抜き出して示す模式平面図である。 撮像画素81cの構成を示す模式平面図である。 図14における撮像画素81cのH−I断面を示す断面図である。 図14における撮像画素81cのJ−K断面を示す断面図である。
符号の説明
1.固体撮像装置
10.半導体基板
11、21、31.撮像画素
12.タイミング発生回路部
13.垂直シフトレジスタ部
14.画素選択回路部
15.水平シフトレジスタ部
110.電荷蓄積部
111.ドレイン領域
112.ゲート電極
113、113a、113b、213b.STI層
114.走査回路部
115、215.電荷転送部
116a、116b、216b、316a、316b、316c.欠陥抑制層
501a、501b.マスク

Claims (10)

  1. 半導体基板に対し、その主面に沿った方向に複数の撮像画素がマトリクス状に配設され、
    前記複数の撮像画素の各々は、第1導電型半導体からなる電荷蓄積部と、当該電荷蓄積部からの電荷を出力側へと転送する電荷転送部とが形成されるとともに、前記半導体基板の主面方向において、前記電荷蓄積部と前記電荷転送部との周囲を囲む状態に、第2導電型半導体を含んでなる欠陥抑制層とシャロートレンチ素子分離層とが順に配設されてなる固体撮像装置であって、
    前記シャロートレンチ素子分離層は、前記電荷蓄積部の周囲と前記電荷転送部の周囲とで、前記半導体基板のシリコン結晶軸に対する接面方向が互いに異なる構造を以って形成されており、
    前記欠陥抑制層は、前記電荷蓄積部の周囲と前記電荷転送部の周囲とで、互いに第2導電型半導体の濃度が異なる状態に形成されている
    ことを特徴とする固体撮像装置。
  2. 前記マトリクス状での前記撮像画素の配列方向に対し斜め方向に隣接する2つの撮像画素では、互いの電荷蓄積部どうしが前記斜め方向に延伸するラインで接続されており、
    前記ラインには、前記2つの撮像画素で共用するドレイン領域が形成されているとともに、前記ドレイン領域と各電荷蓄積部との間に前記電荷転送部が挿設されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
  3. 前記欠陥抑制層は、前記電荷蓄積部の周囲と前記電荷転送部の周囲との各第2導電型半導体の濃度が、各領域における前記半導体基板と前記シャロートレンチ素子分離層との接面方向に応じて設定されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の固体撮像装置。
  4. 前記欠陥抑制層は、各撮像画素において、前記電荷蓄積部と前記電荷転送部との境界点の近傍領域にも形成されており、
    前記境界点の近傍領域に形成された前記欠陥抑制層は、前記電荷蓄積部および前記電荷転送部の外周に形成された前記欠陥抑制層よりも、第2導電型半導体の濃度が高く設定されている
    ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の固体撮像装置。
  5. 前記電荷転送部の両外周に形成された前記シャロートレンチ素子分離層どうしの間隔は、前記半導体基板の主面方向において、0.6μmよりも狭く設定されている
    ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の固体撮像装置。
  6. 半導体基板に対し、その主面に沿った方向に複数の撮像画素がマトリクス状に配設され、
    前記複数の撮像画素の各々は、第1導電型半導体からなる電荷蓄積部と、当該電荷蓄積部からの電荷を出力側へと転送する電荷転送部とが形成されるとともに、前記半導体基板の主面方向において、前記電荷蓄積部と前記電荷転送部との周囲を囲む状態に、第2導電型半導体を含んでなる欠陥抑制層とシャロートレンチ素子分離層とが順に配設されてなる構造の固体撮像装置を製造する方法であって、
    前記電荷蓄積部の外周と前記電荷転送部の外周とに境界を接する状態に溝を形成するステップと、
    前記電荷転送部の外周に接する溝を第1のマスクで被覆し、当該状態で前記電荷蓄積部の外周の溝の側壁に向けて第2導電型半導体をイオン注入するステップと、
    前記電荷蓄積部の外周に接する溝を第2のマスクで被覆し、当該状態で前記電荷転送部の外周の溝の側壁に向けて第2導電型半導体をイオン注入するステップとを有し、
    前記電荷蓄積部の周囲へのイオン注入と、前記電荷転送部の周囲へのイオン注入とで、互いに前記第2導電型半導体の濃度を異ならせる
    ことを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
  7. 前記電荷蓄積部の外周の溝の側壁に向けて第2導電型半導体をイオン注入するステップおよび前記電荷転送部の外周の溝の側壁に向けて第2導電型半導体をイオン注入するステップの各々における注入に係る第2導電型半導体の濃度は、前記電荷蓄積部の周囲および前記電荷転送部の周囲の各々における前記半導体基板と前記シャロートレンチ素子分離層との接面方向に基づいて設定されている
    ことを特徴とする請求項6に記載の固体撮像装置の製造方法。
  8. 半導体基板に対し、その主面に沿った方向に複数の撮像画素がマトリクス状に配設され、
    前記複数の撮像画素の各々は、第1導電型半導体からなる電荷蓄積部と、当該電荷蓄積部からの電荷を出力側へと転送する電荷転送部とが形成されるとともに、前記半導体基板の主面方向において、前記電荷蓄積部と前記電荷転送部との周囲を囲む状態に、第2導電型半導体を含んでなる欠陥抑制層とシャロートレンチ素子分離層とが順に配設されてなり、
    前記シャロートレンチ素子分離層は、前記電荷蓄積部の周囲と前記電荷転送部の周囲とで、前記半導体基板のシリコン結晶軸に対する接面方向が互いに異なる構造を有する固体撮像装置を製造する方法であって、
    前記電荷蓄積部の外周と前記電荷転送部の外周とに境界を接する状態に溝を形成するステップと、
    前記電荷蓄積部の外周の溝の側壁に向けて第1の注入角を以って第2導電型半導体を注入するステップと、
    前記電荷転送部の外周の溝の側壁に向けて第2の注入角を以って第2導電型半導体を注入するステップとを有する
    ことを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
  9. 前記第1の注入角および前記第2の注入角の各々は、前記電荷蓄積部の周囲および前記電荷転送部の周囲の各々における前記半導体基板と前記シャロートレンチ素子分離層との接面方向に基づいて設定されている
    ことを特徴とする請求項8に記載の固体撮像装置の製造方法。
  10. 前記電荷蓄積部と前記電荷転送部との境界点の近傍領域の溝に対し、前記電荷蓄積部の外周の溝の側壁に向けてイオン注入を行うステップと、前記電荷転送部の外周の溝の側壁に向けてイオン注入を行うステップとの両ステップを実行する
    ことを特徴とする請求項6から9の何れかに記載の固体撮像装置の製造方法。
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