JP2007335284A - リチウム電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】リチウム電池において、電池を高温保存した際に溶媒の蒸気圧、分解ガス等により電池の膨れ、内部抵抗の増大により放電できなくなる課題や、高沸点の溶媒を用いた場合には、低温での大電流放電ができないという課題を有していた。
【解決手段】有機電解液の溶媒として高誘電率溶媒としてのプロピレンカーボネイト(PC)と高沸点、低粘度で濡れ性に優れたエーテル系溶媒と高沸点、低粘度で酸性不純物の補足作用を有するアミド系溶媒とで構成し、体積混合比率を90〜60:30〜9.5:10〜0.5とした混合溶媒を用いることにより、高温保存時の溶媒分解ガス発生、溶媒蒸気圧を低減し、酸性分解生成物がリチウム負極と反応することによる負極側の反応分極の増大を低減することが可能となるため、高温保存性、長期信頼性に優れたリチウム電池を提供することができる。
【選択図】図1
【解決手段】有機電解液の溶媒として高誘電率溶媒としてのプロピレンカーボネイト(PC)と高沸点、低粘度で濡れ性に優れたエーテル系溶媒と高沸点、低粘度で酸性不純物の補足作用を有するアミド系溶媒とで構成し、体積混合比率を90〜60:30〜9.5:10〜0.5とした混合溶媒を用いることにより、高温保存時の溶媒分解ガス発生、溶媒蒸気圧を低減し、酸性分解生成物がリチウム負極と反応することによる負極側の反応分極の増大を低減することが可能となるため、高温保存性、長期信頼性に優れたリチウム電池を提供することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、リチウム金属またはリチウム合金を活物質とする負極と、酸化物を活物質とする正極を用い、有機電解液とセパレータを用いたリチウム電池に関し、特に高温保存特性に優れたリチウム電池に関するものである。
負極活物質にリチウム金属またはその合金を用い、正極活物質に酸化物やフッ化物を用いたリチウム電池は、従来の水溶液系電池に対して高電圧でエネルギー密度が高いため、小型化・軽量化が容易である。そのため、小型電子機器の主電源やバックアップ用電源などさまざまな用途に使用されている。
リチウム電池に用いられている有機電解液としては、プロピレンカーボネイト(PC)やγブチロラクトン(GBL)などの高誘電率溶媒に1,2ジメトキシエタン(DME)や3メチルテトラハイドロフラン(3Me−THF)などの低沸点かつ低粘度溶媒を混合し、過塩素酸リチウム(LiClO4)、4フッ化硼酸リチウム(LiBF4)やトリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiTFS、LiCF3SO3)などの塩を溶質としたものが一般的に用いられている。これらの有機電解液を用いることにより、従来の水溶液系電解液よりも低温環境下での放電が可能となり、近年では−40℃での大電流放電特性が要求される場合もある。
さらにリチウム電池は、水溶液系電池に比較して自己放電等による劣化が少なく、長期信頼性が非常に高い。特にフッ化黒鉛を正極活物質としたリチウム電池は10年以上の寿命を有していることから、長期信頼性が要求される主電源用途にも用いられている。これらの主電源用途では間欠的に大電流パルス放電を行う場合が多い。
しかし、二酸化マンガンを正極活物質に用いたリチウム電池では、高温保存や長期間の間欠パルス放電を行った場合に、電池内部抵抗が急激に増大し、パルス放電ができなくなる課題を有している。
メモリーバックアップ電源などの低電流出力のみが必要とされる用途では、電池内部抵抗が増大しても、放電電流が小さいため電圧降下が小さく問題とならない。しかしながら、電子機器の主電源の場合には、大電流パルス放電が要求されるため、電圧降下が大きくなって電池電圧が放電終止電圧以下に降下すると、DoD10%(DoD;Depth of Discharge,放電容量の設計容量に対する比率)の状態でも放電できなくなり、容量が90%残存していても使用できないという課題を有している。
このように電池内部抵抗が増大した劣化電池は、電解液が枯渇した状態であり、リチウム負極表面も変色し、表面からMnが検出されることが多く見られている。このことから正極活物質の二酸化マンガンが有機電解液に溶出した後、リチウム負極上に析出することにより負極表面の抵抗が増大したと考えられている。
そのような課題に対して、リチウム電池の長期保存特性改良のために、リチウムと反応するトリエチルアミン、アニリン、N,N−ジメチルホルムアミドなどを添加剤とすることにより安定な表面皮膜を形成させ、長期保存特性を改良する技術(特許文献1)や芳香族アミン、複素環アミンを添加剤として用いることにより、電解液中のHFなどの酸性分を除去し、充放電サイクル特性や保存特性を改良する技術(特許文献2)やマンガン酸化物正極にフタルイミド化合物を添加することにより、Mnの溶出を防止し、高温保存特性を改良する技術(特許文献3)が提案されている。
また、耐高温性の課題に対して、高沸点溶媒のブチルジグライムを用いることにより250℃の耐リフロー性を有する技術(特許文献4)が提案されている。
無機化合物を溶解し電解液に適用するために、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N,N−ジエチルホルムアミド(DEF)から選ばれた溶媒を用い、カリウム塩を溶解させることにより2V以下の開回路電圧(OCV)のリチウム/二硫化鉄電池を得る技術(特許文献5)が提案されている。
特開平8−321312号公報
特開2002−158036号公報
特開2002−270181号公報
特開2002−298911号公報
特開2005−141998号公報
しかしながら特許文献1、2の技術は高温に保存した場合、添加剤とリチウムと反応により、水素などの反応分解ガス発生するため電池の膨張が大きくなり、かつ極間が大きな乖離するため放電できなくなる。特許文献3の技術は正極側や負極側に新たな皮膜が形成されることにより放電分極が大きくなる。従って、特に二酸化マンガンを用いたリチウム電池においては低温大電流放電特性が低下するため好ましくなく、高温保存特性や長期信頼性の改良効果も十分ではなかった。特許文献4の技術も−40℃の低温環境下での放電特性が低下する課題を有している。特許文献5の技術は特許文献1に記載されているように、リチウムと反応し抵抗性皮膜が形成されるために負極の分極が大きくなり、さらに分解ガスの発生により電池が膨張する課題を有している。
本発明は上記課題を解決するもので、リチウム電池の電解液の改良に関し、高温保存性と低温放電特性に優れたリチウム電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、次に述べる本発明に至った。
本発明は リチウムを活物質とする負極と、正極活物質と導電材と結着材とを含有する正極と、有機電解液と、セパレータとからなるリチウム電池において、前記有機電解液の溶媒はプロピレンカーボネイト(PC)と、エーテル系溶媒と、アミド系溶媒とを含み、かつプロピレンカーボネイトとエーテル系溶媒とアミド系溶媒の体積混合比率が、90〜60:30〜9.5:10〜0.5であることを特徴とするリチウム電池とする。
本発明によれば、有機電解液に用いた各個別溶媒の沸点が150℃以上であり熱安定性に優れているため、125℃の高温環境下においても、従来の電解液に対して溶媒の蒸気圧や熱分解によるガス発生を低減することができ、さらにエーテル溶媒または溶質のリチウム塩の酸化分解や熱分解により酸性化合物が生成した場合でも、アミド系溶媒が酸性化合物に対する錯体形成能を有することにより、リチウム負極との反応を低減することができるため、リチウム表面の高抵抗皮膜形成を防ぎ、高温保存特性を改良することができる。
さらに、安定なプロピレンカーボネイトの混合比率を60%以上とし、かつアミド系溶媒を10%以下とすることにより、課題であった高温環境下でのアミド系溶媒とリチウムとの反応を低減、分解ガス発生を抑制することができる。
本発明のリチウム電池は、上記理由により高温保存特性に優れたリチウム電池を得ることができる。さらに、プロピレンカーボネイトおよびエーテル系各溶媒の凝固点は−40℃以下であるため、125℃の高温保存後に、−40℃の低温環境下における大電流放電を行った場合でも、放電電圧の大きな低下を招くことなく使用することができるため、低温放電特性にも優れたリチウム電池を提供することが可能となる。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、次に述べる本発明に至った。
本発明は、リチウムを活物質とする負極と、正極活物質と導電材と結着材を含有する正極と、有機電解液と、セパレータとからなるリチウム電池において、前記有機電解液の溶媒は高誘電率溶媒としてのプロピレンカーボネイト(PC)と、高沸点、低粘度で濡れ性に優れたエーテル系溶媒と、高沸点、低粘度のアミド系溶媒とで構成され、かつプロピレンカーボネイトとエーテル系溶媒とアミド系溶媒の体積混合比率が90〜60:30〜9.5:10〜0.5であることを特徴とするリチウム電池とする。
また、高沸点、低粘度で濡れ性に優れたエーテル系溶媒としては、1,2−ジブトキシエタン(沸点203℃、粘度1.34cp)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点160℃、粘度0.98cp)およびジエチレングリコールジエチルエーテル(沸点188℃、粘度1.4cp)からなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
さらに、高沸点、低粘度のアミド系溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF、沸点153℃、粘度0.802cp)、N,N−ジエチルホルムアミド(DEF、沸点177℃、粘度1.366cp)およびN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC,沸点166℃、粘度0.92cp)からなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
プロピレンカーボネイト(PC)は沸点が242℃で、誘電率が69の高沸点高誘電率の溶媒であり、融点も−48℃と低いため使用温度範囲が広い有機電解液溶媒であるが、粘度がやや高いことと、セパレータや正極合剤への含浸性が悪いため、単独溶媒として用いる場合には真空含浸などを行う必要があるが、それでも正極合剤中への含浸状態は悪いという課題がある。この課題を解決するため、1,2ジメトキシエタンなどの低沸点であるが、濡れ性の良いエーテル系溶媒と組み合わせて用いることが一般的となっている。リチウム電池系に使用可能な高沸点溶媒として沸点287℃のスルホランが良く知られているが、融点が28℃と高く、粘度も10.286cpと高いため、混合溶媒との組合せで用いられるが、やはり正極合剤への液含浸性や低温での放電特性が低下する課題がある。
また、アミド系溶媒は高誘電率の溶媒であるがリチウムとの反応性を有するため、特に高温保存した場合に、アミド溶媒の分解反応が大きくなる課題を有している。
本発明は耐高温性に優れたPCを、粘度低下と濡れ性改良のため、1,2−ジブトキシエタンやジエチレングリコールジメチルエーテルなどの高沸点エーテル系溶媒と組合せ、さらに高温保存等で生成する酸性不純物を、酸性化合物の補足作用を有するN,N−ジメチルホルムアミドやN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒を少量混合することにより、高温保存特性と低温放電特性に優れた電解液を提供するものである。
また、PCとエーテル系溶媒、アミド系溶媒の体積混合比率は90〜60:30〜9.5:10〜0.5の範囲である。好ましい範囲としては80〜70:25〜19:5〜1である。アミド系溶媒の比率が10%以上になると、高温保存時にリチウムとの反応でガス発生が多くなり、好ましくない。また0.5%以下の場合には、酸性不純物等の酸性化合物に錯体形成効果が十分に発揮されないため、高温保存後の放電特性低下が大となり、好ましくない。
エーテル系溶媒の比率が30%以上になると、高温保存時の酸化分解反応が促進され、保存後の放電特性が低下するため、好ましくない。逆に9.5%以下の場合には、正極合剤への液の含浸が遅くかつ不十分となり、低温放電特性などが低下するため好ましくない。
また、電解液溶質としては、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、リチウム・ビストリフルオロメチルスルホン酸イミド(LiN(SO2CF3)2)、リチウム・ビスペンタフルオロエチルスルホン酸イミド(LiN(SO2C2F5)2)などを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)、テトラフルオロ硼酸リチウム(LiBF4)などと組み合わせて用いてもよい。溶質濃度は0.3〜1.5モル/lの範囲が好ましく、さらに好ましいのは0.5〜1モル/lの範囲である。
負極活物質はリチウム、または0.1〜5wt%のアルミニウム、スズ、マグネシウム、インジウムおよびカルシウムなどを含んだリチウム合金を用いることができる。
正極活物質は二酸化マンガンや酸化銅などの酸化物、石油コークスや人造黒鉛などをフッ素化して得られるフッ化黒鉛を用いることができる。
正極結着材としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)およびその変生体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体などのフッ素系樹脂、スチレンブタジエンゴム(SBR)、変性アクリロニトリルゴムエチレン−アクリル酸共重合体などの各種バインダーを用いることができる。正極導電材としてはアセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、人造黒鉛等を単独あるいは組み合わせて用いて良い。
セパレータについては、リチウム電池の使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されないがポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の微多孔フィルムを、単一あるいは複合して用いることができる。特に耐高温性に優れたポリフェニレンスルフィドを用いることが好ましい。
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
図1は評価に用いたコイン型電池の断面図を示す。1はステンレス鋼製正極ケース、2はステンレス鋼製負極ケースであり、3のポリフェニレンスルフィド製絶縁パッキングを介して発電要素を密封口してなる。正極4と金属リチウム負極5はポリフェニレンスルフィド製不織布セパレータ6を介して対向配置されている。電解液はプロピレンカーボネイト(PC)と1,2ジブトキシエタン(DBE)とN,N−ジエチルホルムアミド(DEF)を体積比70:25:5で混合した混合溶媒に、溶質のトリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiTFS)を1モル/lの濃度で溶解させたものを用いている。
(実施例1)
正極は、電解二酸化マンガンを400℃で熱処理したものを用い、二酸化マンガンと導電材のケッチェンブラックと結着材のテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体を固形分比100:5:6の比率となるように秤量したものを水とともに十分に混練した。この合剤を100℃で乾燥したものを、所定の成型金型を用いて油圧プレス機にて圧縮成型し正極板を作製した。
正極は、電解二酸化マンガンを400℃で熱処理したものを用い、二酸化マンガンと導電材のケッチェンブラックと結着材のテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体を固形分比100:5:6の比率となるように秤量したものを水とともに十分に混練した。この合剤を100℃で乾燥したものを、所定の成型金型を用いて油圧プレス機にて圧縮成型し正極板を作製した。
負極はリチウムフープから所定の金型で打ち抜き絶縁ガスケットを装着した負極ケースに圧着した。250℃で3時間乾燥した正極板を正極ケースに載せ、次に打ち抜いたポリフェニレンスルフィド製不織布(厚み100μm)セパレータを載せた後、1モル/lのLiTFSを含んだPC+DBE+DEF電解液(体積比70:25:5)を注液含浸させた。次にリチウムを圧着した負極ケースをかぶせ、これをカシメ封口により密閉し、直径20mm、高さ1.6mmで、設計容量90mAhの電池を作製した。上記の工程は露点−50℃以下のドライエア中で行った。この電池を10セル作製し実施例1とした。
(実施例2)
電解液として、PC、DBE、DEFの体積比90:9.5:0.5の混合溶媒にLiTFSを0.5モル/lの濃度で溶解させたものを用いたこと以外実施例1と同様に電池を作製し、実施例2とした。
電解液として、PC、DBE、DEFの体積比90:9.5:0.5の混合溶媒にLiTFSを0.5モル/lの濃度で溶解させたものを用いたこと以外実施例1と同様に電池を作製し、実施例2とした。
(実施例3)
電解液として、PC、DBE、DEFの体積比60:30:10の混合溶媒にLiTFSを0.75モル/lの濃度で溶解させたものを用いたこと以外実施例1と同様に電池を作製し、実施例3とした。
電解液として、PC、DBE、DEFの体積比60:30:10の混合溶媒にLiTFSを0.75モル/lの濃度で溶解させたものを用いたこと以外実施例1と同様に電池を作製し、実施例3とした。
(実施例4)
電解液として、PC、ジエチレングリコールジメチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミドを体積比80:15:5で混合した溶媒にリチウム・ビストリフルオロメチルスルホン酸イミドを0.75モル/lの濃度で溶解させたものを用いたこと以外実施例1と同様に電池を作製し、実施例4とした。
電解液として、PC、ジエチレングリコールジメチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミドを体積比80:15:5で混合した溶媒にリチウム・ビストリフルオロメチルスルホン酸イミドを0.75モル/lの濃度で溶解させたものを用いたこと以外実施例1と同様に電池を作製し、実施例4とした。
(実施例5)
電解液として、PC、ジエチレングリコールジエチルエーテル、N,N−ジメチルアセトアミドを体積比75:20:5で混合した溶媒にリチウム・ビストリフルオロメチルスルホン酸イミドを0.5モル/lの濃度で溶解させたものを用いたこと以外実施例1と同様に電池を作製し、実施例5とした。
電解液として、PC、ジエチレングリコールジエチルエーテル、N,N−ジメチルアセトアミドを体積比75:20:5で混合した溶媒にリチウム・ビストリフルオロメチルスルホン酸イミドを0.5モル/lの濃度で溶解させたものを用いたこと以外実施例1と同様に電池を作製し、実施例5とした。
(比較例1)
電解液として、PCと1,2ジメトキエタン(DME)の体積比2:1の混合溶媒にLiTFSを1モル/lの濃度で溶解させたものを用いたこと以外実施例1と同様に電池を作製し、比較例1とした。
電解液として、PCと1,2ジメトキエタン(DME)の体積比2:1の混合溶媒にLiTFSを1モル/lの濃度で溶解させたものを用いたこと以外実施例1と同様に電池を作製し、比較例1とした。
(比較例2)
電解液として、PCとスルホランの体積比1:1の混合溶媒にLiTFSを1モル/lの濃度で溶解させたものを用いたこと以外実施例1と同様に電池を作製し、比較例2とした。
電解液として、PCとスルホランの体積比1:1の混合溶媒にLiTFSを1モル/lの濃度で溶解させたものを用いたこと以外実施例1と同様に電池を作製し、比較例2とした。
(比較例3)
電解液として、PC、DBE、DEFの体積比95:4.9:0.1の混合溶媒にLiTFSを0.5モル/lの濃度で溶解させたものを用いたこと以外実施例1と同様に電池を作製し、比較例3とした。
電解液として、PC、DBE、DEFの体積比95:4.9:0.1の混合溶媒にLiTFSを0.5モル/lの濃度で溶解させたものを用いたこと以外実施例1と同様に電池を作製し、比較例3とした。
(比較例4)
電解液として、PC、DBE、DEFの体積比55:30:15の混合溶媒にLiTFSを0.5モル/lの濃度で溶解させたものを用いたこと以外実施例1と同様に電池を作製し、比較例4とした。
電解液として、PC、DBE、DEFの体積比55:30:15の混合溶媒にLiTFSを0.5モル/lの濃度で溶解させたものを用いたこと以外実施例1と同様に電池を作製し、比較例4とした。
実施例1〜5、比較例1〜4の各電池に対して3mA定電流で1時間の予備放電を行った。次に、60℃で3日のエージングを行い、開回路電圧(OCV)が安定した後、室温での静特性を測定した。ここで、実施例、比較例とも異常が見られないことを確認した。次に、実施例、比較例の各3セルを25℃30kΩ定抵抗放電により2Vまで放電し、初期放電容量を確認した。
次に高温保存特性を調べるために、残りのセルを125℃に1日保存した後、電池の膨れ変化を測定した後、実施例、比較例の各3セルを25℃30kΩ定抵抗放電により2Vまで放電し、高温保存後の容量を確認した。
また、保存後の低温特性を確認するために残りの各3セルを−40℃の低温環境下で、5mA1秒間パルス放電し、放電最低電圧(CCV)を測定した。実施例1〜5と比較例1〜4の初期放電容量、125℃保存後の電池厚み、125℃保存後の放電容量と−40℃でのパルス放電電圧のそれぞれ平均値を表1に示す。
表1より、本発明の実施例1〜5は初期の放電容量は比較例1とほぼ同様に90mAh以上得られているが、スルホランを用いた比較例2は85mAhと小さいことが分かる。アミド系溶媒の比率が大きい比較例4では、88mAhと比較例1よりもやや少なくなっており、アミド系溶媒とリチウム負極との反応により低下したものと考えられる。
125℃保存後の電池膨れでは、本発明の実施例1〜5と比較例2、3は電池厚みが1.7mm以下で膨れは小さいが、アミド系溶媒が多い比較例4では1.81mmと膨れが大きくなった。
また、比較例1では電池厚みが2mm近くまで膨れており、DMEの蒸気圧、分解ガス発生等により内圧が非常に大となったため、電池ケースが変形していた。比較例1では、保存後の放電もほとんどできない状態となり、ケース変形と電解液分解により極間に空隙や液枯れが生じているためと考えられる。
一方、実施例1〜5ではいずれも85mAh以上の容量が得られ90%以上の容量が残存しており、高温保存安定性に優れていることが分かる。
次に、低温放電特性への影響であるが、−40℃でのパルス放電電圧は実施例1〜5では、いずれも2.5V以上と非常に高い電圧が得られているが、比較例2では1.74Vと2V以下にまで低下し、低温での大電流放電特性が劣っていることが分かる。また、比較例3および比較例4では、2.1V以下まで放電電圧が低下しており、実施例1〜5より低温特性の改良効果が小さいことが分かる。ここで、比較例3ではDBEの量が4.9%と少ないため正極合剤への液の含浸が不十分となることが要因であり、比較例4ではDEFの量が15%と多いためリチウム負極と反応したことが要因と考えられる。
本発明の作用効果は電解液の物性、熱安定性および溶媒の分解による酸性不純物を制御し、負極側の反応抵抗を低減することにより、高温保存特性と低温放電での放電電圧を改良するものであるため、固体正極活物質であれば、酸化物、フッ化物などの材料による差異はないと考えられる。
本発明にかかるリチウム電池は優れた高温保存特性を有し、安全性・信頼性にも優れており、携帯電子機器等の電源として有用である。
1 正極ケース
2 負極ケース
3 絶縁パッキング
4 正極
5 金属リチウム負極
6 セパレータ
2 負極ケース
3 絶縁パッキング
4 正極
5 金属リチウム負極
6 セパレータ
Claims (3)
- リチウムを活物質とする負極と、正極活物質と導電材と結着材とを含有する正極と、有機電解液と、セパレータとからなるリチウム電池において、
前記有機電解液の溶媒が、プロピレンカーボネイト(PC)と、エーテル系溶媒と、アミド系溶媒とを含み、
プロピレンカーボネイトとエーテル系溶媒とアミド系溶媒の体積混合比率が、90〜60:30〜9.5:10〜0.5であることを特徴とするリチウム電池。 - 前記エーテル系溶媒として、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルおよびジエチレングリコールジエチルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種を用いた請求項1に記載のリチウム電池。
- 前記アミド系溶媒として、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドからなる群より選択される少なくとも1種を用いた請求項1に記載のリチウム電池。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006167202A Pending JP2007335284A (ja) | 2006-06-16 | 2006-06-16 | リチウム電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007335284A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009252681A (ja) * | 2008-04-10 | 2009-10-29 | Mitsubishi Chemicals Corp | 一次電池用非水電解液、及びそれを用いた非水電解液一次電池 |
JP2012517668A (ja) * | 2009-02-12 | 2012-08-02 | ザ ジレット カンパニー | 二硫化鉄カソードを備えるリチウム電池 |
-
2006
- 2006-06-16 JP JP2006167202A patent/JP2007335284A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009252681A (ja) * | 2008-04-10 | 2009-10-29 | Mitsubishi Chemicals Corp | 一次電池用非水電解液、及びそれを用いた非水電解液一次電池 |
JP2012517668A (ja) * | 2009-02-12 | 2012-08-02 | ザ ジレット カンパニー | 二硫化鉄カソードを備えるリチウム電池 |
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