以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
<<中間文書について>>
最初に、本実施形態にて取り扱う中間文書について説明する。後述する各実施形態で取り扱う中間文書は、出力処理対象の文書(特に元文書とも称する)の出力品質を維持可能なものである限り、様々な形式(フォーマット)のものを使用することができる。
本実施形態において「元文書の出力品質を維持」とは、本実施形態を適用せずに出力処理を実行したときに画像出力装置から出力された文書(特に出力文書と称する)の出力品質よりも、本実施形態を適用して出力処理を実行したときに画像出力装置から出力された文書(つまり出力文書)の出力品質の方が、少しでも優れていることを意味する。
また、本実施形態において「出力品質」とは、文字や図版や絵柄などの印刷面における配置位置いわゆるレイアウトや、文字の書式(いわゆるフォント)、強調や斜体などの修飾、文字化けなどの文字の出力状態における、元文書と出力文書との間での維持性能を意味する。
その限りにおいて、出力品質の程度の違いは問わないし、本実施形態を適用したときに、元文書と出力文書との間に出力品質の低下が認められるものであってもよい。出力品質の低下の度合いが、本実施形態を適用しない場合よりも小さければよいのである。
「本実施形態を適用せずに出力処理を実行したとき」としては、従来のようにオペレーティング・システムの仕組みを介在させて印刷プレビュー(print preview )や印刷処理などの出力処理を実行する場合が典型例である。なお、「印刷プレビュー」とは、文書を印刷した場合の仕上がり画像を確認用として画面上に表示することを意味する。
本実施形態では、印刷プレビューと実際の印刷出力の双方で中間文書を使うことで、出力文書と確認画像との整合を採る。個別の画像形成装置による印刷結果の影響を排除するのである。
ここで、文書を印刷出力する際に、文書の印刷を目的とした中間形式のデータ(印刷中間データと称する)に変換する方式や、描画命令を中間コードに変換する方式(たとえば特許文献1を参照)が知られており(纏めて「従前の中間データ変換方式」と称する)、これらは、本実施形態において文書を中間文書に変換する仕組み、と一見すると似通っている。
しかしながら、これらの従前の中間データ変換方式は、専ら、出力処理速度を向上させるのに適したデータに変換するものであり、本実施形態のように、文書の出力品質を維持可能な中間文書に変換する方式のものと異なるし、従前の中間データ変換方式では、この点について、考慮されていない点を付言しておく。
ここで、本実施形態で取り扱う中間文書のフォーマットとしては、たとえば、インターネットやイントラネットなどの通信網経由で配信される電子文書の標準的なファイル形式であるPDF(Portable Document Format)、あるいは、XPS(XML Paper Specification/XML;Extensible Markup Language)、といった電子文書のフォーマットを採用するのが好適である。
なお、PDFやXPSといった電子文書に基づいて出力すると言う点では、これら電子文書を取り扱うアプリケーションにて出力を指示する仕組みと似通っている。つまり、PDFやXPSといった電子文書と同様の方法で印刷処理を実行する。
しかしながら、従前の仕組みでは、利用者は、2段階のアプリケーション操作を必要とする。すなわち、先ず、元の文書を取り扱うアプリケーションにて、元の文書について、PDFやXPSといった電子文書への変換を指示し、さらにこの後に、電子文書を取り扱うアプリケーションを開いて、変換された電子文書について、出力指示を発するか、あるいは、予め決められた書式で電子文書を取り扱うアプリケーションを外部から印刷条件(印刷モードとも称する)で起動して出力設定と出力指示を発しなければならない(後述する図5(B),図8(B)を参照)。
これに対して、本実施形態の仕組みでは、詳細を後述の各実施形態で説明するように、元の文書を取り扱うアプリケーションでの操作のみで、処理対象の元の文書を、オペレーティング・システムに異存することなく中間文書へ変換させことと、その後に、中間文書に基づく出力指示(印刷プレビュー、出力予約、即時出力の何れをも含む)を完結させる点、つまり、利用者からの出力要求を契機として、文書ファイルを中間文書に変換し、これを画像出力装置に送ることで画像出力を実現する点に特徴を有し、従前の仕組みと異なるのである。なお、「オペレーティング・システムに異存することなく」とは、オペレーティング・システムに異存することによる文書の品質劣化を排除する趣旨である。
<PDF文書>
一般的に、PDFは、様々なアプリケーションで作成した文書から変換が可能である、つまり紙に相当する電子媒体である、プラットフォームに依存しないファイル形式である、レイアウトやフォントの情報がファイル内に含まれるため処理側(たとえば見る側や印刷出力する側)のシステムに依存せずオリジナルのレイアウトを保存可能、などの利点を持つ。
なお、「PDF」は、詳細には、電子ブック用途向けのフォーマット、Web閲覧用途向けのフォーマット、および印刷用途向けのフォーマットが存在するが、本実施形態では、印刷プレビューおよび実際の印刷出力の何れについても、印刷用途向けのフォーマットを適用する。
また、印刷用途向けのPDFフォーマットにも各種のものが存在するが、特に「PDF/X」が好ましい。なお、「PDF/X」は“Portable Document Format eXchange(PDF/eXchange)”の略で、印刷用途に最適化されたPDFの規格である。この「PDF/X」にも、「PDF/X−1a:2001」、「PDF/X−1a:2003」、「PDF/X−3」など、様々な種類が存在するし、将来、新規の種類の発生もあり得るが、本実施形態では、種類を問わず適用し得ると考えてよい。
「PDF/X」は、印刷上問題となるカラー・フォント・トラッピング・ハーフトーンなどの不確定要素をできるだけ排除した内容になっており、このことからも、出力品質を維持可能な中間文書として利用すると好適であることが分かる。
たとえば、「PDF/X」は、PDFファイルに含まれる画像は実画像(出力用の画像)であるし、フォントが埋め込まれた状態またはアウトライン化された状態であるので、画像出力装置側にプリンタフォントがないなどの問題による文字化けの可能性がないし、全ての実画像が埋め込まれているので、リンクミスなどによる異なる画像への置き換えエラーの心配がなくなる、などの利点を持つ。よって、かような特性を持つ「PDF/X」を本実施形態の中間文書に利用すれば、元文書の品質をさほど落とさずに出力画像を取得できるようになる。
なお、PDF文書を受け取った画像出力装置側では、ジョブチケット(JobTicket )と称される作業票あるいは作業指示書などの出力設定情報に従って出力を実行する。なお、「Job Ticket」はPDFに基づいたデータ構造を持つファイルであり、その仕様はPJTF(Portable Job Ticket Format)として発行されている。
この出力設定情報としての「Job Ticket」は、対象となるPDF文書に含めてもよいし、PDF文書とは独立した出力設定ファイルにしてもよい。本実施形態では、後者の独立した出力設定ファイルにする仕組みを採る。また、独立したファイルとする際には、出力設定情報としての「Job Ticket」をXML(Extensible Markup Language)ファイルで記述することにする。
<XPS文書>
一方、「XPS」は、マイクロソフト社(登録商標)が提唱する電子文書であり、印刷およびディスプレイ表示用の文書フォーマットである。XPS形式の文書(XPS Document)は、XMLベースの形式で記述されたページ記述言語で、ページ編集された電子ペーパーの表現であり、ページ編集された文書を利用者が容易に作成、共有、印刷、およびアーカイブできる、オープンでクロスプラットフォームな文書形式であることに特徴を持つ。
このページ記述言語であるXPSは、画面表示から印刷への忠実性が高く、高品質なグラフィックスが埋め込まれた文書の扱いに適しているとともに、高度な正確性が要求されるデジタルイメージング市場のニーズにも応えるものとなっている。
たとえば、XPS文書の基本構成要素はFixedPage パーツであり、このFixedPage の概要は、要するにPDFまたは紙の1ページに相当するものである。FixedPage にはページ上に可視化する全ての視覚的要素(グラフィックスとテキスト)を含む。また、各ページは大きさと方向を持ち、ページ上のレイアウトは決定済である。FixedPage を纏めることでFixedDocument ができ、FixedDocument に順序をつけて束ねることでXPSの文書本文パーツ(FixedDocumentSequence Part)となる。つまり、紙を束ねた書類がドキュメントの本文パーツとなる。これらの点は、PDFと概ね共通するものである。
なお、XSP文書のパッケージには、本文パーツ以外に、サムネイル・パーツ、プリント・チケット・パーツ(PrintTicket Part)、注釈パーツ、フォント・パーツ、イメージ・パーツが存在する。たとえば、本文パーツが使用しているフォントは、フォント・パーツにその実体を持ち、XPS文書の中にパッケージ化される。これにより、XPS文書を配布したとき、相手先の装置では、文書作成者が指定したフォントが存在しなくても、XPS文書を指定通りのフォントを使って出力(印刷)できる。この点も、PDFと共通するものである。
このように、XPS文書は、紙に類似する用紙を定義し、その上にレイアウトされた文書を配布するための機能を持ち、加えて、フォントの埋込みも可能であり、さらに、サムネイル、リンク、注釈などの機能も持ち、PDF文書と非常に近い(類似した)文書フォーマットとなっている。
なお、XPS文書を受け取った画像出力装置側では、プリントチケット(PrintTicket )と称される作業票あるいは作業指示書などの出力設定情報に従って出力を実行する。なお、「PrintTicket 」はXMLに基づいたデータ構造を持つファイルであり、その仕様はたとえば、「PrintTicket and PrintCapabilities Support in Windows Print Drivers」などとして発行されている。
この出力設定情報としての「PrintTicket 」は、対象となるXPS文書にパッケージしてもよいし、独立したファイルにしてもよい。本実施形態では、後者の独立したファイルにする仕組みを採る。もちろん、出力設定情報としての「PrintTicket 」はXMLファイルで記述する。
<出力設定ファイルについて>
図1は、出力設定ファイルの一例を示す図である。前述のように、本実施形態では、出力設定情報J10をXMLファイルで記述する。ここでは、PDF文書に対応した“JobTicket ”を例示している。
たとえば、“JobDescription”では、“JobName”で出力モード(印刷プレビュー/直接出力/予約出力など)の区別を指定する。たとえば、“PDF Direct Print ”は、PDF文書に基づく直接出力を指定している。
また、“DocumentProcessing”では、“ColorEffectsType”でカラー/モノクロの指定、“PrintQuality”では画像品質の指定、“Copies”で部数の指定、“SheetCollate”で帳合の有無の指定、“Sides ”で縦置き/横置きの指示をする。また、“MediaCol”では、“MediaSizeName ”で用紙サイズの指定をする。また、“MediaLocations”では、“MediaLocation”で給紙方法(自動/手差しの区別)の指定をする。
もちろん、ここで例示した出力設定ファイルF10は、一例に過ぎず、従前のプリンタドライバを用いた場合と同様に、出力に使用する画像形成装置8bに適合した様々な印刷形式の設定を指示することになる。
<<第1実施形態>>
<システム構成1>
図2および図3は、画像出力システムの第1実施形態の全体概要を示す図である。ここで、図2は、第1実施形態の画像出力システムの基本例を示し、図3は、その変形例を示す。
第1実施形態の画像出力システム1は、文書の印刷出力処理(印刷プレビューと実際の印刷出力の何れでもよい;以下同様)に当り、取得した文書の出力品質を維持可能な中間文書に変換する機能を、利用者が使用する文書処理装置3に具備している点に特徴を有する。以下、具体的に説明する。
第1実施形態の画像出力システム1は、本システムで管理される文書を作成する利用者(文書提供者)によって使用される文書処理装置3と、文書提供者によって作成された文書を印刷用紙などの所定の出力媒体上に印刷出力する画像出力装置8とが、通信手段あるいは情報の伝送路の一例である情報通信路9により相互接続されている。
なお、情報通信路9は、有線および無線の何れの方式のものであってもよい。また、画像出力装置8との間を直接に接続する形態のものであってもよいし、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network )などの通信網構成のものであってもよい。
文書処理装置3は、一般文書、表、図面、写真、あるいは小冊子などの文書(ドキュメントファイル)の印刷出力指示を発する仕組みを具備している。なお、好ましくは、文書処理装置3には、一般文書、表、図面、写真、あるいは小冊子などの文書を生成する、あるいは取得済の文書を編集する仕組みを具備しているとよい。
加えて、詳細は後述するが、本実施形態特有の仕組みとして、文書処理装置3は、文書の印刷出力要求に基づいて、取得した文書を、その文書の出力品質を維持可能な中間文書に変換する変換機能を具備している。
画像出力装置8は、たとえば、CRT(Cathode Ray Tube;陰極線管)やLCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)などの文書に基づく画像を所定の表示出力媒体上に出力可能な表示装置8aや、印刷装置(プリンタ)あるいは印刷装置とともに画像電送装置(ファクシミリ装置)や複写装置などの複数の装置機能を複合的に有する複合機(multi-function device )などの文書に基づく画像を所定の印刷出力媒体上に出力可能な画像形成装置8bなど、文書に基づく画像を所定の出力媒体上に形成可能なものである限り、何れの仕組みのものであってもよい。
なお、図示した例では、便宜的に、1台の文書処理装置3と1対(各1台の表示装置8aおよび画像形成装置8b)の画像出力装置8が設けられた状態を示しているが、これは一例であって、それぞれの設置台数は任意である。
第1実施形態の文書処理装置3は、一般文書、表、図面、写真、あるいは小冊子などの文書ファイルF0を取得する文書取得部30と、文書取得部30が取得した文書ファイル0の印刷プレビューまたは実際の印刷出力などの印刷に関わる出力要求を発する出力要求部32と、画像出力装置8との間の中継(インタフェース;Interface )機能をなす中継部39とを有する。なお、中継(インタフェース)機能とは、2つ以上の機器(第1実施形態の場合、文書処理装置3と画像出力装置8)を繋ぐ際の、データ転送速度やタイミング、手順などの規格に従った処理を実行する機能を意味する。
中継部39は、表示装置8aとの間の中継機能をなす表示中継部39aと、画像形成装置8bとの間の中継機能をなす通信中継部39bとを有する。
文書取得部30は、たとえば、文書ファイルF0を生成する専用のハードウェア機能部を設ける、あるいは、文書ファイルF0を生成するアプリケーションソフトウェアが組み込まれた構成を採ることで、自身にて文書を作成することができるものであってもよい。また、自身では文書ファイルF0を作成する機能を有しないが、他の文書処理装置3にて生成された文書ファイルF0を取り込むものであってもよい。
文書取得部30に一般文書や図形などの文書データを生成するためのアプリケーションプログラムを組み込む場合、文書処理装置3には、そのアプリケーションプログラムを動作させるための仕組みとして、電子計算機に準じた仕組みを採る。一例として、文書処理装置3には、装置全体を制御する中央制御部を設け、この中央制御部に装置全体を制御するソフトウェアである基本ソフト(OS;オペレーティング・システム)を組み込む。
これにより、文書処理装置3は、プログラムに基づいてソフトウェア的に文書を作成する機能を実現するようになる。もちろん、文書を作成する機能だけでなく、出力要求部32の機能をもソフトウェアで実現する仕組みを採用することもできるようになる。
すなわち、各種の機能部を構成するためのプログラムを格納したフレキシブルディスクやCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )などの可搬型のコンピュータ読取り可能な記憶媒体からプログラムを読み出して図示しないハードディスク装置などにインストールさせておき、ハードディスク装置からプログラムを読み出して図示しないCPUが後述する処理手順を実行することにより、各機能をソフトウェア的に実現することができる。
なお、プログラムは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよいし、有線あるいは無線による通信手段を介して配信されてもよい。また、これらのプログラムや当該プログラムを格納した記憶媒体は、既存のシステムやアプリケーションプログラムをバージョンアップするものとして提供されてもよい。あるいは、各機能部分をソフトウェア的に実現するパッチファイルあるいは付加モジュール、あるいは、一部の拡張機能に対応したオプションプログラム(いわゆるアドインソフトやアドオンソフト)として提供されてもよい。
また、他の文書処理装置3にて生成された文書の取込みは、文書(の電子データ)が記憶された記憶媒体(記録媒体とも称される)の記憶情報を読み取ることで取得してもよいし、他の文書処理装置3から文書(の電子データ)を情報通信路9を介して取得してもよい。
出力要求部32は、印刷出力処理用の各種の設定を利用者から受け付け、その印刷設定を示す出力設定情報J10を生成する出力設定ツールの一例である出力設定部34と、文書取得部30が取得した文書の印刷出力要求に基づき、文書取得部30が取得した文書を、画像出力装置8が理解可能な文書であって、その文書の出力品質を維持可能な中間文書に変換する文書変換部36と、を有している。
出力設定部34は、生成した出力設定情報J10を記述した出力設定ファイルF10を通信中継部39に渡す。ここで、本実施形態では、出力設定部34は、出力設定情報J10をXMLファイルで記述することにする。
なお、出力要求部32は、出力設定部34を備えていることは必須ではなく、少なくとも文書変換部36を有していればよい。また、本実施形態では、出力要求部32が出力設定部34と文書変換部36とを備える構成例で示しているが、出力要求部32とは別に、出力設定部34や文書変換部36を備える構成とすることもできる。
何れの場合においても、出力設定部34を備えない構成とする場合には、後述する第4実施形態と同様に、たとえば親展プリントのように予約出力モードで出力要求を画像出力装置8に発し、出力設定(印刷設定)は画像出力装置8(特に画像形成装置8b)側で設定すればよい。
また、文書変換部36は、変換により生成した中間文書を示す中間文書情報J12を記述した中間文書ファイルF12(たとえばPDF形式やXPS形式のもの)を通信中継部39に渡す。
通信中継部39は、出力設定部34で生成された印刷設定情報J10を記述した出力設定ファイルF10と、文書変換部36で生成された中間文書情報J12を記述した中間文書ファイルF12とを対応付けて、情報通信路9を介して画像出力装置8の表示装置8aや画像形成装置8bに出力する。
このような構成では、文書ファイルF0を中間文書ファイルF12に変換する文書変換部36が出力画像情報生成装置として機能し、出力設定部34と文書変換部36とを有する出力要求部32が画像出力制御装置として機能する。
また、図2に示すように、第1実施形態の画像出力システムの基本例では、画像出力装置8の画像形成装置8bは、文書処理装置3から受け取った中間文書情報J12に基づいて印刷画像を生成する描画展開部88を必要に応じて備えることができる。
画像形成装置8bは、文書処理装置3から受け取った出力設定情報J10および中間文書情報J12に基づき、出力媒体の一例である印刷用紙に画像を印刷(画像出力)する。この際には、先ず、描画展開部88にて、出力設定情報J10に基づく印刷設定に従いつつ、中間文書情報J12に基づいて描画展開して印刷画像を生成してから印刷処理を実行する。
なお、この第1実施形態の基本例では、中間文書情報J12を印刷画像に描画展開する機能部として、描画展開部88を画像形成装置8b側に設けているが、図3に示す変形例のように、描画展開部88と同等の機能を持つ描画展開部38を文書処理装置3側に設けてもよい。
この場合、文書処理装置3は、描画展開部38にて、出力設定情報J10に基づく印刷設定に従いつつ、中間文書情報J12に基づいて描画展開して印刷画像を生成し、その印刷画像を示す所定形式の印刷データを画像形成装置8bに送る。
なお、中間文書情報J12のフォーマットによっては、描画展開部88や描画展開部38を介さずに出力処理を実行することもできる。たとえば、PDFのように、中間文書情報J12で表わされる中間文書そのものが出力用の画像(実画像)を含む、つまり用紙上のレイアウトやフォントが決定済の場合や、XPSのように、用紙上のレイアウトやフォントが決定済のページ記述言語で記述されたものの場合である。
このような元文書のレイアウトやフォントの情報を用紙(印刷プレビューにおける画面上での仮想的な用紙も含む)上で維持することのできるフォーマットの中間文書を、本実施形態では、体裁維持文書と称する。
<処理手順1>
図4は、第1実施形態の画像出力システム1における印刷に関わる出力処理手順の一例を示すフローチャートである。また、図5は、第1実施形態の画像出力システム1における印刷に関わる出力処理手順の概要を説明する模式図である。ここで、図5(A)は第1実施形態の処理概要を示し、図5(B)は比較例としての従来方式の処理概要を示す。
なお、中間文書は、PDFやXPSのような体裁維持文書の場合(つまり描画展開部38や描画展開部88を使用しない場合)で説明する。後述する他の実施形態の処理手順でも同様である。
文書取得部30は、自身で文書ファイルF0を生成し、あるいは他の文書処理装置3で生成された文書ファイルF0を取り込むことで、文書ファイルF0を取得しておく(S100)。
出力要求部32は、文書処理装置3を操作する利用者により印刷プレビューや実際の印刷出力の要求(印刷処理要求)を受け付ける(S102)。なお、この印刷処理要求は、文書を取り扱うアプリケーションで文書ファイルF0を開くことなく受け付けてよい。アプリケーションの起動時間が不要である。
出力要求部32は、印刷処理要求を受け付けると(S102−YES)、先ず、文書ファイルF0を文書変換部36に渡し中間文書への変換を指示する(S110)。文書変換部36は、文書取得部30が取得した文書ファイルF0をPDFやXPSなどの電子文書形式の中間文書(体裁維持文書)に変換し(S114)、この中間文書を示す中間文書情報J12を記述した中間文書ファイルF12を中継部39に出力する。
また、文書処理装置34は、たとえば、出力用紙サイズや向きやモノクロ/カラーの別など、従前のプリンタドライバによる印刷設定と同様にして、使用する画像形成装置8bに適合した出力設定を利用者より受け付け、その出力設定を示す出力設定情報J10を生成し、出力設定情報J10を記述した出力設定ファイルF10を中継部39に出力する(S126)。なお、中間文書への変換と出力設定情報の生成とは順序が逆でもよい。
中継部39は、出力設定ファイルF10と中間文書ファイルF12とを対応付けて、画像出力装置8側に出力する(S128)。
ここで、実際の印刷出力要求時には(S145−印刷出力)、中継部39の通信中継部39bは、出力設定ファイルF10と中間文書ファイルF12とを対応付けて、情報通信路9を介して画像形成装置8bに送る(S146)。画像形成装置8bは、出力設定ファイルF10(出力設定情報J10)と中間文書ファイルF12(中間文書情報J12)とに基づいて、実際に印刷出力を実行する(S148)。
また、印刷プレビュー要求時には(S145−プレビュー)、中継部39の表示中継部39aは、出力設定ファイルF10(出力設定情報J10)と中間文書ファイルF12(中間文書情報J12)とに基づいて、実際に印刷出力したときと同様の確認画像データを生成し、表示装置8aに渡す(S156)。表示装置8aは、文書を印刷した場合の仕上がり状態を示す確認画像を出力する(S158)。
以上説明したように、第1実施形態では、文書取得部30が取得した文書ファイルF0を、PDFやXPSなどの電子文書形式の中間文書(体裁維持文書)に文書変換部36にて変換してから印刷プレビューや実際の印刷を実行するようにしている。
また、第1実施形態では、出力要求部32は、PDFやXPSなどの体裁維持文書を表わす中間文書ファイルF12と出力設定情報J10を示す出力設定ファイルF10とを独立して(本例では両者を対応付けて)画像出力装置8側に出力するようにしている。
<<第2実施形態>>
<システム構成2>
図6は、画像出力システムの第2実施形態の全体概要を示す図である。第2実施形態の画像出力システム1は、文書の印刷出力処理に当り、取得した文書の出力品質を維持可能な中間文書に変換する機能を、利用者が使用する文書処理装置3に組み込まれたアプリケーションにて実行する点に特徴を有する。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
第2実施形態の文書取得部30には、一般文書、表、図面、写真、あるいは小冊子などの文書を生成しまたは編集する機能を電子計算機で実現するアプリケーションが組み込まれる。加えて、第1実施形態の文書変換部36を取り外すとともに、そのアプリケーションの拡張機能として、文書変換部36と同様の機能を電子計算機で実現するアドインソフトがアプリケーション本体に組み込まれる。アドインソフトは、アプリケーションで生成あるいは編集された文書をPDFやXPSなどの電子文書形式の中間文書に変換して出力設定部34に渡す。
出力設定部34は、利用者から受け付けた印刷出力処理用の各種の印刷設定を示す出力設定情報J10を生成すると、出力設定情報J10を記述した出力設定ファイルF10とアドインソフトから受け取った中間文書の中間文書ファイルF12とを対応付けて出力する。
このような構成では、文書変換部の機能を実現する文書取得部30に組み込まれたアドインソフトが出力画像情報生成装置として機能し、文書取得部30に組み込まれたアドインソフトと出力設定部34とで、画像出力制御装置が構成される。
<処理手順2>
図7は、第2実施形態の画像出力システム1における印刷に関わる出力処理手順の一例を示すフローチャートである。また、図8は、第2実施形態の画像出力システム1における印刷に関わる出力処理手順の概要を説明する模式図である。ここで、図8(A)は、第2実施形態の処理概要を示し、図8(B)は、図5(B)と同様のものであり、比較例としての従来方式の処理概要を示す。
文書取得部30は、組み込まれたアプリケーションで、文書を作成し、あるいは編集することで、出力処理対象の文書を取得する(S200)。
出力要求部32は、文書処理装置3を操作する利用者により印刷プレビューや実際の印刷出力の要求(印刷処理要求)を受け付けると(S202−YES)、先ず、文書取得部30に対して、中間文書への変換を指示する(S210)。
文書取得部30は、アプリケーションの拡張機能として組み込まれたアドインソフトを起動して、アプリケーションで取得した文書ファイルF0を、PDFやXPSなどの電子文書形式の中間文書(体裁維持文書)に変換する(S214)。文書取得部30は、この中間文書を示す中間文書情報J12を記述した中間文書ファイルF12を出力設定部34に出力する。
出力設定部34は、従前のプリンタドライバと同様にして、使用する画像形成装置8bに適合した出力設定を利用者より受け付け、その出力設定を示す出力設定情報J10を記述した出力設定ファイルF10を、アドインソフトから受け取った中間文書ファイルF12と対応付けて中継部39に出力する(S226)。以下、第1実施形態の処理手順と同様である。
以上説明したように、第2実施形態では、文書ファイルF0を中間文書ファイルF12に変換する文書変換部36ではなく、文書取得部30に組み込まれたアプリケーションの拡張機能であるアドインソフトにて文書を中間文書に変換する点が第1実施形態と異なるものの、文書ファイルF0を中間文書ファイルF12に変換するという基本的な仕組みは、第1実施形態と同様である。
つまり、アドインソフトで実現される文書変換部にて、文書ファイルをPDFやXPSなどの中間文書に変換してから印刷プレビューや実際の印刷を実行するようにしているし、出力要求部32は、中間文書ファイルF12と出力設定ファイルF10とを独立して(本例では両者を対応付けて)画像出力装置8側に出力するようにしている。
<<第3実施形態>>
<システム構成3>
図9は、画像出力システムの第3実施形態の全体概要を示す図である。第3実施形態の画像出力システム1は、文書の印刷出力処理に当り、取得した文書の出力品質を維持可能な中間文書に変換する機能を、利用者が使用する文書処理装置3ではなく、文書を保存したり文書処理装置3に提供したりするなどの役務(サービス)機能を持つ役務提供装置の一例であるサーバ装置にて実行する点に特徴を有する。また、文書処理装置3では、使用する画像形成装置8bに適合した印刷設定情報を生成する機能とサーバ装置に対して中間文書への変換を指示する機能を実行する点に特徴を有する。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
第3実施形態の画像出力システム1は、第1実施形態や第2実施形態の構成に加えて、文書を保存したり文書処理装置3に提供したりするサーバ装置7が情報通信路9に接続されている。
文書処理装置3と画像出力装置8との間は、直接に接続する形態やLANやWANなどの通信網構成の何れの情報通信路9aでもよい。一方、文書処理装置3とサーバ装置7との間は、LANやWANなどの通信網構成の情報通信路9bである。
なお、図では、サーバ装置7に1台の文書処理装置3が接続されている状態を示しているが、サーバ装置7には、複数台の文書処理装置3が接続可能である。
第3実施形態の文書処理装置3に備えられる出力要求部32は、文書変換部36を備えていない。出力要求部32は、印刷出力処理用の各種の設定を利用者から受け付けると、文書取得部30が取得した文書ファイルF0を通信中継部39bを介してサーバ装置7に送り、サーバ装置7側で変換された中間文書を示す中間文書ファイルF12を受け取る。
出力設定部34は、利用者から受け付けた印刷出力処理用の各種の印刷設定を示す出力設定情報J10を生成すると、出力設定情報J10を記述した出力設定ファイルF10とサーバ装置7から受け取った中間文書ファイルF12とを対応付けて出力する。
サーバ装置7は、文書処理装置3から送付された文書ファイルF0を受け取ることで処理対象文書を取得する文書取得部70と、文書処理装置3からの指示に基づき、文書取得部70が取得した文書を、画像出力装置8が理解可能な文書であって、その文書の出力品質を維持可能な中間文書に変換する文書変換部76と、文書処理装置3との間の中継機能をなす通信中継部79bとを有する。文書変換部76は、変換した中間文書を示す中間文書ファイルF12(たとえばPDF形式やXPS形式のもの)を通信中継部79bを介して文書処理装置3に送る。
なお、サーバ装置7は、文書取得部70あるいはその他の別の手段(たとえば可搬型の記憶媒体に記録されている文書を読み取る仕組み)を用いて取得した文書ファイルF0をハードディスク装置(HDD)などの所定の不揮発性の記憶媒体に保存しておく元文書記憶部77aを備えた構成としてもよい。
この場合、文書取得部70は、文書処理装置3から処理対象文書のファイル名と変換指示を受け付けて、指定されたファイル名の文書ファイルF0を元文書記憶部77aから読み出して文書変換部76に渡す。つまり、処理対象の文書ファイルF0がサーバ装置7側に保存されている場合は、文書ファイルF0をローカル側である文書処理装置3に転送する必要はない。
なお、“不揮発性の記憶部”とは、装置のメイン電源がオフされた場合でも、記憶内容を保持し続ける形態の記憶部を意味する。この点は、後述する電子計算機を用いた構成と同様である。
このような構成では、文書ファイルF0を中間文書ファイルF12に変換する文書変換部の機能をなすサーバ装置7側の文書変換部76が出力画像情報生成装置として機能し、文書処理装置3側の出力設定部34とサーバ装置7側の文書変換部76とで、画像出力制御装置が構成される。
<処理手順3>
図10は、第3実施形態の画像出力システム1における印刷に関わる出力処理手順の一例を示すフローチャートである。また、図11は、第3実施形態の画像出力システム1における印刷に関わる出力処理手順の概要を説明する模式図である。
文書取得部30は、組み込まれたアプリケーションで、文書を作成し、あるいは編集することで、出力処理対象の文書を取得する(S300)。
出力要求部32は、文書処理装置3を操作する利用者により印刷プレビューや実際の印刷出力の要求(印刷処理要求)を受け付けると(S302−YES)、先ず、文書取得部30が取得した文書ファイルF0を、通信中継部39bを介してサーバ装置7に送るとともに、中間文書への変換を指示する(S310)。
サーバ装置7においては、文書取得部70は、通信中継部79bを介して文書ファイルF0および変換指示を文書処理装置3から受け取ると、その文書ファイルF0を文書変換部76に渡す(S312)。
文書変換部76は、文書取得部70が取得した文書ファイルF0をPDFやXPSなどの電子文書形式の中間文書(体裁維持文書)に変換し(S314)、この中間文書を示す中間文書情報J12を記述した中間文書ファイルF12を、通信中継部79bを介して文書処理装置3に送る(S316)。
文書処理装置3においては、出力設定部34は、通信中継部39bを介してサーバ装置7から中間文書ファイルF12を受け取ると、従前のプリンタドライバと同様にして、使用する画像形成装置8bに適合した出力設定を利用者より受け付け、その出力設定を示す出力設定情報J10を生成し、出力設定情報J10を記述した出力設定ファイルF10を中継部39に出力する(S326)。以下、第1実施形態の処理手順と同様である。
以上説明したように、第3実施形態では、文書処理装置3側の文書変換部36ではなく、サーバ装置7側の文書変換部76にて文書を中間文書に変換する点が第1実施形態と異なるものの、文書ファイルF0を中間文書ファイルF12に変換するという基本的な仕組みは、第1実施形態と同様であり、文書変換部76にて、文書ファイルをPDFやXPSなどの中間文書に変換してから印刷プレビューや実際の印刷を実行するようにしているし、出力要求部32は、中間文書ファイルF12と出力設定ファイルF10とを独立して(本例では両者を対応付けて)画像出力装置8側に出力するようにしている。
加えて、第3実施形態の構成では、文書ファイルF0を中間文書ファイルF12に変換する機能を持つサーバ装置7をシステムに設けている。サーバ装置7は、各文書処理装置3からの文書変換要求を受け付け、変換済の中間文書を各文書処理装置3に送る。つまり、複数の文書処理装置3に対して、1箇所のサーバ装置7にて文書ファイルF0を中間文書ファイルF12に変換することで、各文書処理装置3の負担を軽減するのである。
<<第4実施形態>>
<システム構成4>
図12は、画像出力システムの第4実施形態の全体概要を示す図である。第4実施形態の画像出力システム1は、文書の印刷出力処理に当り、取得した文書の出力品質を維持可能な中間文書に変換する機能をサーバ装置にて実行する点で第3実施形態と共通する。また、文書処理装置3では、サーバ装置に対して中間文書への変換を指示する機能を実行するが、使用する画像形成装置8bに適合した印刷設定情報を生成する機能は文書処理装置3に備えておらず、利用者が画像形成装置8bにて直接に指示する点に特徴を有する。以下、第3実施形態との相違点を中心に説明する。
先ず、文書処理装置3側には、操作用の表示装置8aが情報通信路9aを介して接続される。画像出力装置8の画像形成装置8bは、文書処理装置3に接続されておらず、LANやWANなどの通信網構成の情報通信路9aを介してサーバ装置7と接続されている。サーバ装置7と文書処理装置3や画像出力装置8との間は、LANやWANなどの通信網構成の情報通信路9bである。なお、画像出力装置8には、印刷プレビュー用の表示装置8aが設けられるようにするとよい。
第4実施形態の画像出力システム1の文書処理装置3に備えられる出力要求部32は、出力設定部34および文書変換部36の何れをも備えていない。出力要求部32は、文書処理装置3を操作する利用者により印刷処理要求(実際にはこの時点では出力予約に等しい)を受け付けると、サーバ装置7に対して、文書取得部30が取得した文書ファイルF0を通信中継部39bを介してサーバ装置7に送り、中間文書への変換と、変換済の中間文書を記述した中間文書ファイルF12の一時保存を指示する。
サーバ装置7は、第3実施形態の構成に加えて、変換済の中間文書を記述した中間文書ファイルF12を画像出力装置8からの指示があるまで、ハードディスク装置(HDD)などの所定の不揮発性の記憶媒体に保存しておく中間文書記憶部77bを備えている。中間文書記憶部77bは、画像出力装置8から中間文書ファイルF12の送付要求を受け付けたときに中間文書ファイルF12(たとえばPDF形式やXPS形式のもの)を通信中継部79bを介して画像出力装置8に送る。
このような構成では、文書ファイルF0を中間文書ファイルF12に変換する文書変換部の機能をなすサーバ装置7側の文書変換部76が出力画像情報生成装置として機能し、画像形成装置8bの出力設定機能とサーバ装置7側の文書変換部76とで、画像出力制御装置が構成される。
<処理手順4>
図13は、第4実施形態の画像出力システム1における印刷に関わる出力処理手順の一例を示すフローチャートである。また、図14は、第4実施形態の画像出力システム1における印刷に関わる出力処理手順の概要を説明する模式図である。
文書取得部30は、組み込まれたアプリケーションで、文書を作成し、あるいは編集することで、出力処理対象の文書を取得する(S400)。
出力要求部32は、文書処理装置3を操作する利用者により印刷プレビューや実際の印刷出力の要求(印刷処理要求)を受け付けると(S402−YES)、先ず、文書取得部30が取得した文書ファイルF0を、通信中継部39bを介してサーバ装置7に送るとともに、中間文書への変換と中間文書の一時保存を指示する(S410)。
サーバ装置7においては、文書取得部70は、通信中継部79bを介して文書ファイルF0並びに変換指示および一時保存指示を文書処理装置3から受け取ると、その文書ファイルF0を文書変換部76に渡す(S412)。
文書変換部76は、文書取得部70が取得した文書ファイルF0をPDFやXPSなどの電子文書形式の中間文書(体裁維持文書)に変換し、この中間文書を示す中間文書情報J12を記述した中間文書ファイルF12を中間文書記憶部77bに渡す(S424)。中間文書記憶部77bは、画像形成装置8bを介しての利用者からの指示があるまで、中間文書ファイルF12を保存しておく(S445−NO)。
利用者は、出力を希望する画像出力装置8に出向いて、印刷プレビューや実際の印刷出力を指示する(S432)。画像出力装置8は、この指示を受け付けると、サーバ装置7に対して、中間文書ファイルF12の送付を要求する。
また、利用者は、従前のプリンタ操作と同様にして、その使用する画像出力装置8に必要な出力設定を入力する(S434)。
中間文書記憶部77bは、画像出力装置8から中間文書ファイルF12の送付要求を受け付けると(S445−YES)、中間文書ファイルF12(たとえばPDF形式やXPS形式のもの)を、通信中継部79bを介して画像出力装置8に送る(S446)。
画像出力装置8は、利用者から指定された出力設定とサーバ装置7から受け取った中間文書ファイルF12とに基づき、印刷プレビューや実際の印刷を実行する(S448)。
以上説明したように、第4実施形態では、サーバ装置7側の文書変換部76にて文書を中間文書に変換する点が第3実施形態と共通するものの、出力設定ファイルF10の生成は文書処理装置3にては実行せず、画像形成装置8bにて直接に操作する。
しかしながら、文書ファイルF0を中間文書ファイルF12に変換するという基本的な仕組みは、第1実施形態などと同様であり、文書変換部76にて、文書ファイルをPDFやXPSなどの中間文書に変換してから印刷プレビューや実際の印刷を実行するようにしているし、サーバ装置7は、中間文書ファイルF12を印刷設定と独立して(本例では中間文書ファイルF12のみを)画像出力装置8側に出力するようにしている。
加えて、第4実施形態の構成では、従前の仕組み(たとえば親展印刷など)と同様に、印刷設定を画像形成装置8bにて実行するようにしている。文書処理装置3からサーバ装置7への文書変換指示時には、使用する画像形成装置8bを指定せずに、後に、実際に使用する画像形成装置8bに出向いて、そこで出力設定を指示してから、印刷プレビューや実際の印刷を実行するのである。
<<第5実施形態>>
<システム構成5>
図15は、画像出力システムの第5実施形態の全体概要を示す図である。第5実施形態の画像出力システム1は、文書の印刷出力処理に当り、取得した文書の出力品質を維持可能な中間文書に変換する機能をサーバ装置にて実行する点で第4の実施形態と共通する。また、サーバ装置7は、使用する画像形成装置8bに適合した印刷設定情報を生成する機能を実行する点に特徴を有する。以下、第4の実施形態との相違点を中心に説明する。
先ず、文書処理装置3側には、操作および印刷プレビュー用の表示装置8aが情報通信路9aを介して接続される。画像出力装置8側には、印刷出力用の画像形成装置8bが設けられるが、印刷プレビュー用の表示装置8aは不要である。
第5実施形態の画像出力システム1の文書処理装置3に備えられる出力要求部32は、文書処理装置3を操作する利用者により印刷処理要求を受け付けると、文書取得部30が取得した文書ファイルF0を、通信中継部39bを介してサーバ装置7に送り中間文書への変換を指示する。
また、出力要求部32は、サーバ装置7との間で通信しながら、利用者による指示入力に基づいて、サーバ装置7が管理する画像出力装置8(特に画像形成装置8b)の中から出力に使用する画像形成装置8bを指定しつつ、利用者から入力された印刷設定の情報をサーバ装置7に送ることで印刷設定を実行する。本実施形態では、出力要求部32は、利用者から入力された情報をサーバ装置7に送るだけであり、実際の出力設定情報J10の生成は、サーバ装置7が実行する。
また、出力要求部32は、サーバ装置7の構成にもよるが、文書変換後の即時の出力指示または変換済の中間文書を記述した中間文書ファイルF12の一時保存つまり出力予約(保留出力とも称する)をサーバ装置7に指示する。なお、一時保存の指示は、サーバ装置7が、一時保存に対応した構成である場合にのみ対処可能であるのは言うまでもない。
サーバ装置7は、第4実施形態の構成に加えて、出力に使用する画像形成装置8bの指定と印刷出力処理用の各種の設定を利用者が使用する文書処理装置3から受け付け、指定された画像形成装置8bに適合する印刷設定を示す出力設定情報J10を生成する出力設定部74を備えている。
出力設定部74は、出力設定情報J10を生成すると、その出力設定情報J10を記述した出力設定ファイルF10を通信中継部79bに渡す。また、文書変換部76は、文書ファイルF0を中間文書ファイルF12に変換すると、変換した中間文書情報J12を記述した中間文書ファイルF12を通信中継部79bに渡す。
通信中継部79bは、出力設定部74で生成された印刷設定情報J10を記述した出力設定ファイルF10と、文書変換部76で生成された中間文書情報J12を記述した中間文書ファイルF12とを対応付けて、情報通信路9bを介して、文書処理装置3(詳しくは、通信中継部39bを介して表示装置8a)や画像出力装置8の画像形成装置8bに出力する。
このような構成では、文書ファイルF0を中間文書ファイルF12に変換する文書変換部76が出力画像情報生成装置として機能し、出力設定部74と文書変換部76とで、画像出力制御装置が構成される。
なお、サーバ装置7は、出力設定部74が生成した出力設定ファイルF10や文書変換部76が生成した中間文書ファイルF12を、画像出力装置8側からの指示があるまで、所定の不揮発性の記憶媒体に保存しておく設定情報・中間文書記憶部77cを備えるようにしてもよい。
この場合、出力設定部74は、出力設定情報J10を生成すると、その出力設定情報J10を記述した出力設定ファイルF10を設定情報・中間文書記憶部77cに渡す。また、文書変換部76は、文書ファイルF0を中間文書ファイルF12に変換すると、変換した中間文書情報J12を記述した中間文書ファイルF12を設定情報・中間文書記憶部77cに渡す。
設定情報・中間文書記憶部77cは、文書処理装置3や画像出力装置8から出力設定ファイルF10および中間文書ファイルF12の送付要求を受け付けたときに、出力設定ファイルF10と中間文書ファイルF12(たとえばPDF形式やXPS形式のもの)とを対応付けて、通信中継部79bを介して文書処理装置3や画像出力装置8に送る。
<処理手順5>
図16は、第5実施形態の画像出力システム1における印刷に関わる出力処理手順の一例を示すフローチャートである。また、図17は、第5実施形態の画像出力システム1における印刷に関わる出力処理手順の概要を説明する模式図である。なお、ここでは、サーバ装置7には設定情報・中間文書記憶部77cが搭載されているものとして説明する。
文書取得部30は、組み込まれたアプリケーションで、文書を作成し、あるいは編集することで、出力処理対象の文書を取得する(S500)。
出力要求部32は、文書処理装置3を操作する利用者により印刷プレビューや実際の印刷出力の要求(印刷処理要求)を受け付けると(S502−YES)、先ず、即時出力か出力予約かの指定を利用者より受け付け、その情報をサーバ装置7に通知する(S504)。
また、出力要求部32は、利用者による指示入力に基づいて、サーバ装置7との間で通信しながら、印刷設定と中間文書への変換を指示する。なお、印刷設定指示と中間文書への変換指示とは、処理順が逆であってもよい。
たとえば、出力要求部32は、サーバ装置7が管理する画像出力装置8(特に画像形成装置8b)の中から出力に使用する画像形成装置8bの利用者による指定情報と、利用者から入力された印刷設定の情報など、出力設定に必要となる利用者の入力情報を、サーバ装置7に送る(S506)。サーバ装置7の出力設定部74は、文書処理装置3から送付された情報に基づいて、出力設定情報J10を生成する(S508)。
また、出力要求部32は、文書取得部30が取得した文書ファイルF0を通信中継部39bを介してサーバ装置7に送り中間文書への変換を指示する(S510)。文書取得部70は、通信中継部79bを介して文書ファイルF0を文書処理装置3から受け取ると、その文書ファイルF0を文書変換部76に渡す(S512)。文書変換部76は、文書取得部70が取得した文書ファイルF0をPDFやXPSなどの電子文書形式の中間文書(体裁維持文書)に変換する(S514)。
ステップS504にて「出力予約」が出力モードに指定されていたときには(S520−出力予約)、出力設定部74は、生成した出力設定情報J10を記述した出力設定ファイルF10を設定情報・中間文書記憶部77cに渡し(S522)、文書変換部76は、中間文書情報J12を記述した中間文書ファイルF12を設定情報・中間文書記憶部77cに渡す(S524)。
設定情報・中間文書記憶部77cは、画像出力装置8を介しての利用者からの指示があるまで、出力設定ファイルF10と中間文書ファイルF12を保存しておく(S530−NO)。
利用者は、出力を希望する画像出力装置8に出向いて、印刷プレビューや実際の印刷出力を指示する(S532)。画像出力装置8は、この指示を受け付けると、サーバ装置7に対して、出力設定ファイルF10と中間文書ファイルF12の送付を要求する。
設定情報・中間文書記憶部77cは、画像出力装置8から出力設定ファイルF10と中間文書ファイルF12の送付要求を受け付けると(S530−YES)、出力設定ファイルF10と中間文書ファイルF12(たとえばPDF形式やXPS形式のもの)を通信中継部79bを介して画像出力装置8に送る(S546)。
画像出力装置8は、サーバ装置7から受け取った出力設定ファイルF10と中間文書ファイルF12とに基づき、印刷プレビューや実際の印刷を実行する(S548)。
一方、ステップS504にて「即時出力」が出力モードに指定されていたときには(S520−即時出力)、出力設定部74は、出力設定ファイルF10を通信中継部79bに渡し(S542)、文書変換部76は、中間文書ファイルF12を通信中継部79bに渡す(S544)。
通信中継部79bは、実際の印刷出力の指示を受け付けていたときには(S545−印刷出力)、出力設定ファイルF10と中間文書ファイルF12とを対応付けて、情報通信路9aを介して画像形成装置8bに出力する(S546)。画像形成装置8bは、サーバ装置7から受け取った出力設定ファイルF10と中間文書ファイルF12とに基づき、実際の印刷を実行する(S548)。
また、通信中継部79bは、印刷プレビューの指示を受け付けていたときには(S545−プレビュー)、出力設定ファイルF10と中間文書ファイルF12とを対応付けて、情報通信路9bを介して文書処理装置3に出力する(S556)。文書処理装置3側では、サーバ装置7から受け取った出力設定ファイルF10と中間文書ファイルF12とに基づき、印刷プレビューを実行する(S558)。
以上説明したように、第5実施形態では、中間文書ファイルF12の生成だけでなく出力設定ファイルF10の生成もサーバ装置7側で実行する点が第4実施形態と異なるが、文書ファイルF0を中間文書ファイルF12に変換するという基本的な仕組みは、第1実施形態などと同様であり、文書変換部76にて、文書ファイルをPDFやXPSなどの中間文書に変換してから印刷プレビューや実際の印刷を実行するようにしているし、サーバ装置7は、中間文書ファイルF12を印刷設定と独立して(本例では両者を対応付けて)画像出力装置8側に出力するようにしている。
<電子計算機を利用した構成例>
図18は、画像出力に関する処理を実行する装置のハードウェア的な構成の一例を示す図である。文書処理装置3、あるいは、文書処理装置3やサーバ装置7に搭載の各種機能部(所定の組合せを含む)で構成される画像情報生成装置5や画像出力制御装置6は、ハードウェア的には汎用的なパーソナルコンピュータ(パソコンと称する)で実現できる。また、サーバ装置7は、ハードウェア的には汎用的なサーバコンピュータで実現できる。
つまり、本実施形態の文書処理装置3やサーバ装置7、あるいは画像情報生成装置5や画像出力制御装置6などの画像出力管理装置2は、各種の機能部の一部を、ハードウェア処理回路により構成することに限らず、その機能を実現するプログラムコードに基づき電子計算機(コンピュータ)と同様の仕組みを用いてソフトウェア的に実現することが可能である。
電子計算機と同様の仕組みで、画像出力管理機能をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成する処理プログラムが、その処理プログラムを記憶したCD−ROMやフィレキシブルディスクなどの記憶媒体(記録媒体)から、装置内部の記憶媒体(記憶媒体)にインストールされる。
処理プログラムを記憶した記憶媒体は、コンピュータのハードウェア資源に備えられている読取装置に対して、プログラムの記述内容に応じて、磁気、光、電気などのエネルギの状態変化を引き起こして、それに対応する信号の形式で、読取装置にプログラムの記述内容を伝達できるものである。
なお、画像出力管理機能をコンピュータに実行させるプログラムは、CD−ROMなどの記憶媒体を通じて配布されることに限らず、ダウンロードサイトなどの他のサーバなどからインターネットなどのネットワーク(有線であるか無線であるかは問わない)を経由してプログラムをダウンロード(コンピュータに転送)して取得したり、あるいは更新したりしてもよい。コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを受信し、内蔵するハードディスクなどの記憶媒体にインストールする。
また、画像出力管理機能を実現するプログラムコードを記述したファイルとしてプログラムが提供されるが、この場合、一括のプログラムファイルとして提供されることに限らず、コンピュータで構成されるシステムのハードウェア構成に応じて、個別のプログラムモジュールとして提供されてもよい。
たとえば、図18に示すように、コンピュータシステムとして構成される画像出力管理装置2は、装置全体の動作を制御するシステム制御部102を装置本体2aに備える。本実施形態において、システム制御部102は、画像出力管理機能を実現する画像出力管理制御部としての機能を持つ。
システム制御部102は、具体的には、コントローラ部(制御部)104と、図示したハードディスク装置(HDD)118あるいは光/磁気ディスク装置119や、図示を割愛した、フレキシブルディスク(FD)ドライブ、CD−ROM(Compact Disk ROM)ドライブ、半導体メモリコントローラなどの、所定の記憶媒体からデータを読み出したり記録したりするための記録・読取制御部106とを有する。
なお、ハードディスク装置118や光/磁気ディスク装置119は、装置本体2a内ではなく、外部に情報蓄積装置2bとして設けるようにしてもよい。この態様は、特に、サーバ装置7を構成する場合に好適である。
コントローラ部104は、CPU112、読出専用の記憶部であるROM113、随時書込みおよび読出しが可能であるとともに揮発性の記憶部の一例であるRAM115、および不揮発性の記憶部の一例であるRAM(NVRAMと記述する)116を有する。
なお、上記において“揮発性の記憶部”とは、装置の電源がオフされた場合には、記憶内容を消滅してしまう形態の記憶部を意味する。一方、“不揮発性の記憶部”とは、装置のメイン電源がオフされた場合でも、記憶内容を保持し続ける形態の記憶部を意味する。記憶内容を保持し続けることができるものであればよく、半導体製のメモリ素子自体が不揮発性を有するものに限らず、バックアップ電源を備えることで、揮発性のメモリ素子を“不揮発性”を呈するように構成するものであってもよい。
また、半導体製のメモリ素子により構成することに限らず、磁気ディスクや光ディスクなどの媒体を利用して構成してもよい。たとえば、ハードディスク装置118や光/磁気ディスク装置119を不揮発性の記憶部として利用できる。また、CD−ROMなどの記憶媒体から情報を読み出す構成を採ることでも不揮発性の記憶部として利用できる。
また、コンピュータシステムと同様の仕組みで構成された画像出力管理装置2は、装置の操作指示を受け付けるなどのユーザインタフェースをなす機能部としての指示受付部152と、操作時のガイダンス画面(操作メニュー)や装置の動作状態や処理結果などの所定の情報をユーザに提示する表示出力部154と、各機能部との間のインタフェース機能をなすインタフェース部(IF部)190とを、装置本体2aに有する。
インタフェース部190としては、処理データ(画像データを含む)や制御データの転送経路であるシステムバス191の他、たとえば、操作パネル部192aおよび操作キー部192bを具備したユーザインタフェース部192や、プロトコル制御を実行しネットワークとのインタフェース機能をなす通信インタフェース部194や、その他の外部デバイスとのインタフェース機能をなすデバイスインタフェース部を有する。
通信インタフェース部194は、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network )などの有線形態のネットワークを制御するネットワークコントローラ142や、公衆回線網(たとえば電話回線)などを通じ、コンピュータ同士でデータをやり取りするときに利用するモデム144などの通信制御機能を持つ。なお、ネットワークは、有線形態のものに限らず、無線形態のネットワークであってもよく、この場合無線仕様のネットワークコントローラ146が設けられる。
デバイスインタフェース部は、後述するように、各種のデバイスをコントロールする。
指示受付部152としては、たとえば、ユーザインタフェース部192の操作キー部192bを利用することができる。あるいは、キーボード152aやマウス152bなどを利用することもできる。
ユーザインタフェース部192やキーボード152aやマウス152bは、図示を割愛するが、キーボード152aからのキー入力およびマウス152bといったポインティングデバイスからの入力を制御するそれぞれに応じたデバイスインタフェース部を介してシステムバス191に接続される。
表示出力部154は、表示制御部と表示装置とを備える。表示装置としては、たとえば、ユーザインタフェース部192の操作パネル部192aを利用することができる。あるいは、CRTやLCDなどでなるその他のディスプレイ部154aを利用することもできる。
また、画像出力管理装置2には、前述の各機能部の他にも、装置機能に応じた特有の機能部も設けられる。一例として、各種の記憶媒体(たとえば元文書記憶部77a、中間文書記憶部77b、設定情報・中間文書記憶部77c)に保存する出力設定ファイルF10や中間文書ファイルF12のデータ量を少なくする機能を持つ場合であれば、データの圧縮伸張処理やデータ加工などの処理を実行するデータ処理部180が設けられる。
各種のデバイスは、それらに応じたアプリケーションプログラムとコントローラ部104による全体を制御するアプリケーションプログラム(オペレーティング・システム用のソフトウェアなど)との連携(協調動作)によって、文書生成や外部からの取得並びに保存やその文書に関連する出力処理といった画像出力管理に関わる各種のサービスを提供するように構築される。
これら各デバイス用の各アプリケーションは、アプリケーションごとに、追加(インストール)、仕様変更(バージョンアップやバグ修正などの同一バージョン内での微小変更)、または削除(アンインストール)することができし、アプリケーションを構成するモジュールごとにも、追加、仕様変更、あるいは削除することができる。
CPU112は、システムバス191を介してシステム全体の制御を行なう。ROM113は、CPU112が使用する制御プログラムを含む各種固定データを格納する。RAM115は、SRAM(Static Random Access Memory )などで構成され、プログラム制御変数や各種処理のためのデータなどを格納し、また、所定のアプリケーションプログラムに従って演算して得たデータや外部から取得したデータなどを一時的に格納する領域を含んでおり、CPU112がデータ処理などを行なう際に、ワークメモリなどの用途に使用される。
NVRAM116は、制御パラメータや処理されたデータなどを記憶しておくものであり、バックアップされる。特に、本実施形態の構成では、画像出力管理に関連する各種のデータを保存する機能をなすようになっている。
また、ハードディスク装置118や光/磁気ディスク装置119は、フレキシブルディスク107aやCD−ROM107bなどの可搬型の記憶媒体107から取り込んだ画像出力管理用のプログラムや各種のアプリケーションプログラム、あるいはフォントデータや文書ファイルといったユーザデータや制御管理データを保持したり、自装置で取得したデータや外部から取得したデータなどを大量に一時的に格納したりする領域を含んでおり、入出力インタフェース機能をなす記録・読取制御部106によりデータの読出しや書込みが制御される。
このような構成により、所定の指令にて、画像出力管理機能を実行するプログラムが記憶されているCD−ROMなどの読取可能な記憶媒体から、あるいは通信網を介して、RAM115に画像出力管理プログラムがインストールされ、また指示受付部152を介した操作者による指令や所定の条件を契機とする自動処理にて画像出力管理プログラムが起動される。
CPU112は、この画像出力管理プログラムに従って、前述の文書の出力処理(印刷プレビューや実際の印刷出力)に伴う各処理ステップを実行し、処理結果をRAM115やハードディスク装置118などの記憶装置に格納し、必要により操作パネル部、あるいはCRTやLCDなどの表示装置に情報提示出力する。画像出力管理を実行するプログラムが記録した記憶媒体を用いることにより、既存のシステムを変えることなく、画像出力管理を実行する画像出力管理装置2を汎用的に構築することができる。
なお、このようなコンピュータを用いた構成に限らず、前述のように、各機能部の処理をなす専用のハードウェアの組合せにより、画像出力管理機能を実行することを可能とする画像出力管理装置2を構成することもできる。また、画像出力管理のための一連の処理はハードウェア、またはソフトウェアの一方のみで実行されることに限らず、両者の複合構成によって実行することも可能である。
また、前述の画像出力管理は、前述の記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。
1…画像出力システム、2…画像出力管理装置、3…文書処理装置、5…出力画像情報生成装置、6…画像出力制御装置、7…サーバ装置、30…文書取得部、32…出力要求部、34…出力設定部、36…文書変換部、38…描画展開部、39…中継部、39a…表示中継部、39b…通信中継部、70…文書取得部、74…出力設定部、76…文書変換部、77a…元文書記憶部、77b…中間文書記憶部、77c…設定情報・中間文書記憶部、88…描画展開部、79b…通信中継部、8…画像出力装置、8a…表示装置、8b…画像形成装置、9,9a,9b…情報通信路