JP2007333813A - 電子ピアノ装置、電子ピアノの音場合成方法及び電子ピアノの音場合成プログラム - Google Patents

電子ピアノ装置、電子ピアノの音場合成方法及び電子ピアノの音場合成プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】再生音像を立体的に定位させ、臨場感を向上させて立体的な音像を再現でき、発音源の位置や大きさに制約がなく、リアルタイムの仮想音場の合成をする。
【解決手段】本発明の電子ピアノ装置の音場合成部5は、音源部からの複数の音信号に基づいてグランドピアノによる再生音場を形成するための複数の仮想音源スポット信号をそれぞれスピーカー部6の出力チャンネル分生成する仮想音源スポット信号生成部31−1〜31−13と、仮想音源スポット生成部から出力される各出力チャンネル分の複数の仮想音源スポット信号のうちの各仮想音源スポット信号と他の仮想音源スポット信号を合成する合成部43と、合成部43により合成された各出力チャンネル分の合成仮想音源スポット信号にインパルス応答を用いた信号処理により音響効果を施す音響効果部44を備えた。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えば、複数の鍵盤及びペダルからの入力信号に対応する複数の音信号を合成してスピーカーから音響を出力する電子ピアノ装置、電子ピアノの音場合成方法及び電子ピアノの音場合成プログラムに関する。
従来の一般的な電子ピアノで用いられているステレオ音響の再生では、2個のスピーカーの両端部からその中間点に向かうに従って再生される音像が上方向に半円を描くように生成されるようになされていた。これにより、従来のステレオ音響の電子ピアノは、リスナが2個のスピーカーの中間付近に位置するときにステレオ音響の音像の再生を良好に視聴することができるものであった。
また、物理的にスピーカーを発音源としてピアノ型(グランドピアノ型)の筐体内部に配置する電子ピアノシステムも存在していた。このような電子ピアノシステムでは、ピアノ型(グランドピアノ型)の筐体内部に配置されたスピーカーが音源となるため、リスナはピアノの筐体内部から再生される音像を良好に視聴することができるものであった。
また、仮想3次元空間で音響を再生する方法も提案されていた。この仮想3次元空間音響再生方法は、複数の音響ベクトルを設定し、仮想空間を多角形の境界から構成させ、所定の継続時間内に、音波が境界に反射して伝播する音響ベクトルの伝播履歴データを算出して記憶するものであった。
さらに、この仮想3次元空間音響再生方法は、その伝播履歴データをもとに、各音響ベクトルについて、境界に反射する音波とその音波の微小面素によってつくられる観測点への速度ポテンシャルから、観測点に到達する過渡応答を、時系列の数値配列に加算記憶するものであった。これにより、この仮想3次元空間音響再生方法は、近似境界積分法を応用し、幅広い周波数帯域を含んだ空間の音響特性を、精度高くかつ安価なコンピュータでも比較的短時間で得ることができた(特許文献1参照)。
特開平8−272380号公報
しかし、従来のステレオ音響の電子ピアノでは、ステレオ音響の音像の再生を良好に視聴することができるのは、リスナが2個のスピーカーの中間付近に位置するときにのみであったため、2個のスピーカーの両端部からその中間点までの間ではステレオ音響の音像の再生を良好に視聴することができなかった。このため、上下方向に一定の幅をもちながら、音像が横方向に並ぶように再生音像を定位させることができなかった。
さらに従来のステレオ音響の電子ピアノでは、左右方向の再生音像の分解度も低く、情報量も低くなるので臨場感が低下するものであった。さらに再生音像の奥行きに関しても、再現される音像がリスナにとって点や面に感じられるように視聴されるため、立体的な音像を再現することができなかった。
また、ピアノ型(グランドピアノ型)の筐体内部にスピーカーが配置された電子ピアノシステムでは、グランドピアノの特徴を出すために電子ピアノ装置自体をグランドピアノと同じ大きさにする必要があるため、電子ピアノ装置を小さく実現することがでず、発音源の位置や大きさに制約があった。
また、仮想3次元空間音響再生方法では、波面合成(Wave Field Synthesis : WFS)と呼ばれている技術を用いて、WFSと同じような効果となる別の方法について記述され、さらにステレオシステムをWFSによって再現した場合の効果について記述されている。具体的には、キルヒホッフ・ヘルムホルツの方程式を基にして、この方程式を基礎理論式とし、波動性を考慮した近似的な算出法である近似境界積分法により、音場の音響特性を精度よく再現し、反射音もこの合成法によって求めるものである。
しかし、仮想空間を数値化するための演算及び近似境界積分法による演算が逐次必要となるため、演算処理が複雑化することからリアルタイムの仮想音場の合成をすることができない。さらに仮想空間を数値化した後にスピーカー配列などのハードウエアの決定を行い、ハードウエアに合わせて過渡応答を算出するため、過渡応答の演算をしないとスピーカー配列などのハードウエアの設定が固定されないという不都合があった。
そこで、本発明は、再生音像を上下方向に一定の幅をもちながら横方向及び奥行き方向にも並ぶように定位させることができ、臨場感を向上させて立体的な音像を再現することができ、発音源の位置や大きさに制約がなく、さらに逐次演算が不要となるため、リアルタイムの仮想音場の合成をすることができる電子ピアノ装置、電子ピアノの音場合成方法及び電子ピアノの音場合成プログラムを提供することを目的とするものである。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の電子ピアノ装置は、音場合成部は、音源部からの複数の音信号に基づいてグランドピアノによる再生音場を形成するための複数の仮想音源スポット信号をそれぞれスピーカー部の出力チャンネル分生成する仮想音源スポット生成手段と、仮想音源スポット生成手段から出力される各出力チャンネル分の複数の仮想音源スポット信号のうちの各仮想音源スポット信号と他の仮想音源スポット信号を合成する合成手段と、合成手段により合成された各出力チャンネル分の合成仮想音源スポット信号にインパルス応答を用いた信号処理により音響効果を施す音響効果手段とを備えたものである。
また、本発明の電子ピアノの音場合成方法は、複数の音信号の合成処理は、複数の音信号に基づいてグランドピアノによる再生音場を形成するための複数の仮想音源スポット信号をそれぞれスピーカーの出力チャンネル分生成するステップと、生成される各出力チャンネル分の複数の仮想音源スポット信号のうちの各仮想音源スポット信号と他の仮想音源スポット信号を合成するステップと、合成された各出力チャンネル分の合成仮想音源スポット信号にインパルス応答を用いた信号処理により音響効果を施すステップとを含むものである。
また、本発明の電子ピアノの音場合成プログラムは、複数の音信号の合成機能は、複数の音信号に基づいてグランドピアノによる再生音場を形成するための複数の仮想音源スポット信号をそれぞれスピーカーの出力チャンネル分生成する機能と、生成される各出力チャンネル分の複数の仮想音源スポット信号のうちの各仮想音源スポット信号と他の仮想音源スポット信号を合成する機能と、合成された各出力チャンネル分の合成仮想音源スポット信号にインパルス応答を用いた信号処理により音響効果を施す機能とを含むものである。
本発明の電子ピアノ装置、電子ピアノの音場合成方法及び電子ピアノの音場合成プログラムによれば、ピアノ筐体内部の複数のピアノ合成音から作られる音場を形成するための複数の仮想音源スポット信号を生成することができ、複数の仮想音源スポット信号による音場の音響特性を再現することによりグランドピアノによって形成される音場を効果的に合成することができる。
例えば、反射音つまり部屋(ピアノの筐体)による影響などは実際のピアノの伝達特性を測定して複数の仮想音源スポット信号に対してフィルター処理として実現し、合成された複数の仮想音源スポット信号に対して音響効果として波面合成技術に依存した補正処理を効果的に付加することによりグランドピアノによる形成音場を合成することができる。
本発明により、複数の仮想音源スポット信号を生成することによりグランドピアノによって形成される音場を効果的に合成することができる。このため、あたかもグランドピアノによって形成される音場を視聴するように再生音像を上下方向に一定の幅をもちながら横方向及び奥行き方向にも並ぶように定位させることができ、臨場感を向上させて立体的な音像を再現することができる。
この再生音像によって創られる豊かな臨場感や音場は、演奏者に対してグランドピアノの自然な音の定位や空間的な広がりを感じさせることができ、さらにグランドピアノ特有の音像の定位、音像の移動や音が聞こえてくる方向、そして音が消えていく様子を立体的に感じさせることができる。またピアノの筐体による影響を入力される音信号に付加するための伝達特性を利用するにより、生成される複数の仮想音源スポット信号によって、グランドピアノの存在を立体的に感じさせるような立体的な反射音とすることができる。
また、複数の仮想音源スポット信号による仮想音源スポットを生成することにより、鍵盤及びペダルと複数のスピーカーの他にはコンピュータ及びプログラムで構成される音源部と音場合成部のみであるため、発音源の位置や大きさに制約がなくなるようにすることができる。このため、実際のグランドピアノのような大きなスペースを必要とせず、たとえ物理的に存在しない大きさのピアノでさえても通常の電子ピアノの大きさ程度で実現することができる。そして、これらのスピーカーの数及びコンピュータのフィルタ処理等の演算能力の向上により、より高い臨場感や左右の音像の解像度及び反射音の再現の性能を向上させることが期待できる。
さらにピアノの筐体による影響を実際のピアノの伝達特性を測定して複数の仮想音源スポット信号に対してフィルター処理として実現し、合成された複数の仮想音源スポット信号に対して音響効果として波面合成技術に依存した補正処理を効果的に付加するので、複雑な数式による逐次演算が不要となるため、リアルタイムの仮想音場の合成をすることができる。
以下に、本発明の実施の形態について、適宜、図面を参照しながら説明する。
本実施の形態による音場合成の機能は、電子ピアノにおける音場を合成する音場合成部(信号再生)に適用するものである。図1に電子ピアノのブロック図を示す。
図1において、電子ピアノでは入力部1(鍵盤2、ペダル3)によって検出されるキー信号11(ノート番号及び速度)及びペダル信号12(速度)が音源部4に入力される。音源部4によって、キー信号11(ノート番号及び速度)の値(ノート番号による音の種類及び速度)及びペダル信号12(速度)の値(ノート番号による音に対応する速度)が音(ノート)を構成するデータを表すそれぞれの音信号13に変換される。
この複数の音信号13が音場合成部5により合成されてピアノ筐体内部の複数のピアノ合成音から作られる音場を形成するための複数の仮想音源スポット信号が生成される。そして、スピーカー部6によって複数の仮想音源スポット信号が空気振動である音波14として音響出力される。
この電子ピアノの動作の流れを図2のフローチャートに示す。図2では、電子ピアノの制御部を構成する図示しないコンピュータが動作の主体となる。
図2において、電子ピアノでは図1に示した入力部1の鍵盤2が叩かれたか否かを判断し(ステップS1)、ペダル3が踏まれたか否かを判断する(ステップS2)。
判断ステップS1で鍵盤2が叩かれたとき、又は判断ステップS2でペダル3が踏まれたときは、鍵盤2の動作は鍵盤2によってキー信号11(ノート番号及び速度)又はペダル3の動作はペダル3によってペダル信号12(速度)のオンオフ状態にそれぞれ変換される(ステップS3)。
鍵盤2によって変換されるキー信号11(ノート番号及び速度)の値(ノート番号による音の種類及び速度)又はペダル3によって変換されるペダル信号12(速度)の値(ノート番号による音に対応する速度)が、図1に示した音源部4によって音(ノート)のデータを表す音信号13に変換され、音信号13が生成される(ステップS4)。
生成された複数の音信号13が図1に示した音場合成部5により合成される(ステップS5)。このときピアノ筐体内部の複数のピアノ合成音から作られる音場を形成するための複数の仮想音源スポット信号が生成される。そして、図1に示したスピーカー部6によって複数の仮想音源スポット信号が空気振動である音波14として音響出力される(ステップS6)。
図3は、波面合成技術によって構成される仮想グランドピアノの発音モデルを示す図である。
図3において、図1に示した音場合成部5により生成される複数の仮想音源スポット信号は、図3に示すグランドピアノの仮想ピアノ筐体21内部の仮想音源エリア22内の複数の仮想音源スポット23の位置P1〜P13に予め配置された複数のマイクロホンにより収録された実音源スポット信号を再現するように生成される。この仮想音源スポット23の位置P1〜P13により、グランドピアノによる再生音場を形成する仮想グランドピアノの発音モデルが構成される。
ここで、実際の電子ピアノ装置の構成部分は、図1に示したスピーカー部6に対応するスピーカー配列24と、鍵盤2及びペダル3の部分のみであり、仮想ピアノ筐体21、仮想音源エリア22及び複数の仮想音源スポット23の位置P1〜P13は、実際には存在しないが仮想的にこの位置に存在するように再生音像が定位することを示すものである。
このとき、図3に示すグランドピアノの仮想ピアノ筐体21内部の仮想音源エリア22内の複数の仮想音源スポット23のうちP1(低音)〜P4(高音)は比較的弦の手前の位置を示し、P5〜P6はP1(低音)に対応する弦の比較的中央の位置を示している。また、P7〜P8はP2(中低音)に対応する弦の中央から先端の位置を示し、P9〜P10はP2(中低音)〜P3(中低音)の中間に対応する弦の中央の位置を示し、P11〜P13はP1(低音)とP2(中低音)の中間〜P3(中低音)に対応する弦の比較的先端の位置を示している。
後述する波面合成技術は、任意の点音源から発生された音によって形成される波面を無数の別の音源から発生する音を制御することにより合成する技術である。図3で示した仮想ピアノ筐体21上のスポットは波面合成の仮想音源にあたり、スピーカー配列24のスピーカーは実音を制御する実音源に当たる。本実施の形態では仮想ピアノ筐体21上に仮想音源スポット23を定義し、仮想音源スポット23を各位置P1〜P13に配置し、後述する波面合成技術によって合成された仮想音源スポット23に対して波面合成の補正処理による音響効果を施し、スピーカー配列24により再生することでグランドピアノによって作られる音場を合成する。これにより実際のグランドピアノのような、臨場感やダイナミックに動く音像を実現する。
図4は、図1に示した音場合成部5の構成を示すブロック図である。音場合成部5は、例えば、コンピュータとその動作を制御するプログラムとを用いて構成され、各部に以下の機能をさせるものである。
図4において、音場合成部5は、図3に示した仮想音源スポット位置P1〜P13の仮想音源スポット信号を生成する。仮想音源スポット位置P1〜P13の仮想音源スポット信号生成部31−1〜31−13は、音源部4からの複数の音信号に基づいてグランドピアノによる再生音場を形成するための複数の仮想音源スポット信号P1〜P13をそれぞれスピーカー部6の出力チャンネル分(1〜12)だけ生成する。
以下、仮想音源スポット位置P1の仮想音源スポット信号生成部31−1について説明する。他の仮想音源スポット位置P2〜P13の仮想音源スポット信号生成部31−2〜31−13も同様の構成となる。
仮想音源スポット位置P1の仮想音源スポット信号生成部31−1は、図1で示した音源部4から入力される仮想音源スポット位置P1に対応する複数の音信号を信号処理可能なレベルに減衰させる減衰器32と、仮想音源スポット位置P1複数の音信号を減衰させ減衰器32の出力を合成する合成部33と、合成部33の出力をスポットP1に対応した音信号として出力するスポットP1音信号部34とチャンネル1処理部35−1〜チャンネル12処理部35−12とを有している。
ここで、仮想音源スポット位置P1に対応する複数の音信号としては、例えば音名としてトーンC4〜トーンC8までが対応する音信号となる。
チャンネル1処理部35−1は、仮想音源スポット位置P1とスピーカー部6の各出力チャンネル1〜12の各スピーカー6−1〜6−12との距離と角度を計算し、計算結果に基づいて入力される音信号にディレイ処理を施すディレイ部42−1と、グランドピアノの仮想ピアノ筐体21内部の弦の振動及び反射の特性を、仮想音源スポット位置P1とスピーカー部6の各出力チャンネル1〜12の各スピーカー6−1〜6−12との間の伝達特性として測定し、測定結果に基づいて入力される音信号に伝達特性のフィルタ処理を施す伝達特性部38−1とを有している。
また、チャンネル1処理部35−1は、伝達特性部38−1の出力を予め定められた混合率でディレイ部42−1の入力と合成する合成部41−1を有するものであり、スピーカー部6からの出力音響の視聴の際に、あたかも仮想音源スポット位置P1から仮想音源スポットP1による発音がなされるように混合率を設定する機能を有するものである。
また、チャンネル1処理部35−1は、仮想音源スポット位置P1とスピーカー部6の各出力チャンネル1〜12の各スピーカー6−1〜6−12との距離と角度を計算し、計算結果に基づいて入力される音信号にゲイン処理を施すゲイン部42−1を有するものであり、仮想音源スポットP1信号のゲインをコントロールすることにより仮想音源スポット位置P1への音像の定位を制御する機能を有するものである。
また、チャンネル1処理部35−1は、伝達特性38−1に対してペダル起動部36からのペダル値の変化により入力信号を減衰及び増幅させる入力フェーダー37−1と、ペダル値の変化により出力信号を減衰及び増幅させる出力フェーダー39−1とを有するものであり、P1の仮想音源スポット信号に対してペダル値の変化によるペダル効果処理の付加を施す機能を有するものである。
音場合成部5は、仮想音源スポット位置P1〜P13の仮想音源スポット信号生成部31−1〜31−13から出力されるチャンネル1処理部35−1〜チャンネル12処理部35−12の複数の仮想音源スポット信号のうちの各仮想音源スポット信号と他の仮想音源スポット信号を合成する合成部43を有している。
つまり、合成部43−1は、仮想音源スポット位置P1の仮想音源スポット信号生成部31−1から出力されるチャンネル1処理部35−1のP1の仮想音源スポット信号と、他の仮想音源スポット位置P2〜P13の仮想音源スポット信号生成部31−2〜31−13から出力されるチャンネル1処理部のP2〜P13の仮想音源スポット信号を合成する。
また、合成部43−2は、仮想音源スポット位置P1の仮想音源スポット信号生成部31−1から出力されるチャンネル2処理部35−2のP1の仮想音源スポット信号と、他の仮想音源スポット位置P2〜P13の仮想音源スポット信号生成部31−2〜31−13から出力されるチャンネル2処理部のP2〜P13の仮想音源スポット信号を合成する。
また、合成部43−3は、仮想音源スポット位置P1の仮想音源スポット信号生成部31−1から出力されるチャンネル3処理部35−3のP1の仮想音源スポット信号と、他の仮想音源スポット位置P2〜P13の仮想音源スポット信号生成部31−2〜31−13から出力されるチャンネル3処理部のP2〜P13の仮想音源スポット信号を合成する。
同様にして、合成部43−12は、仮想音源スポット位置P1の仮想音源スポット信号生成部31−1から出力されるチャンネル12処理部35−12のP1の仮想音源スポット信号と、他の仮想音源スポット位置P2〜P13の仮想音源スポット信号生成部31−2〜31−13から出力されるチャンネル12処理部のP2〜P13の仮想音源スポット信号を合成する。
音場合成部5は、合成部43により合成された各出力チャンネル分チャンネル1〜チャンネル12の仮想音源スポット位置P1〜P13の合成仮想音源スポット信号にインパルス応答を用いた信号処理により音響効果を施す音響効果部44−1〜44−12を有している。
ここで、音響効果部44−1〜44−12は、例えば、線形畳み込みフィルタなどを用いて波面合成の補正処理を行う(3dB/oct:1オクターブ当たり3dBのレベルの増幅処理を行う)。この最終出力段で行われる音響効果処理で波面合成の一部の補正処理を高速に行うことにより、例えば、合成された仮想音源スポット位置P1〜P13の各点音源の数に依存しない補正処理を実行することができる。
音響効果部44−1〜44−12は、インパルス応答を用いた信号処理により特定の部屋又は音響ホールにおけるグランドピアノによる再生音場を形成するような音響効果を施す機能を有している。このような音響効果は、あらかじめ、部屋又はホール内等にマイクロホンを設定して、実音を収録して、実音を再現するようにしてなされる。
図3の仮想グランドピアノの発音モデルで定義した仮想音源スポット位置P1〜P13ごとに、仮想音源スポット信号生成部31−1〜31−13が存在する。音源部4からの音信号によって生成され波面合成技術によって合成された仮想音源スポット信号は、波面合成の補正処理により音響効果が施され、スピーカー配列上の各スピーカーから出力される信号となる。この機能により入力信号は仮想音源スポットの位置P1〜P13から発生したかのように聞こえる。
具体的には、仮想音源スポット信号生成部31−1〜31−13では、仮想音源スポットとスピーカー配列上の各スピーカーとの距離と角度を計算し、これらから求まるディレイとゲイン(減衰値)を信号に付加し、スピーカーのチャンネル数の信号を合成する。またピアノの弦や筐体による反射やペダルによる弦の共振の効果を付加する必要がある。この信号は仮想音源スポットと各スピーカー間の伝達特性を測定し、それらを伝達関数のフィルタとして適用することで実施している。このフィルタ処理後の信号は特定の混合率で入力信号に加え、各仮想音源スポットP1〜P13分を波面合成によって合成した後に、波面合成の補正処理により音響効果を施し、スピーカーへ送られる。
図5は、ペダル処理部の機能を説明する図である。図5は、図4のペダル処理部45−1の詳細な構成を示すものである。
図5において、ペダル処理部は、伝達特性部38に対してペダル起動部36からのペダル値[t]の変化により入力信号X[t]を減衰及び増幅させる入力フェーダー37と、ペダル値[t]の変化により出力信号Y[t]を減衰及び増幅させる出力フェーダー39と、ペダル値[t]の変化点でペダル値[t]が増加する際に伝達特性部38の伝達関数51−2〜51−Nに対してリセットをかけるためのリセット用伝達特性を記憶したメモリ52−2〜52−Nとを有するものであり、P1〜P13の仮想音源スポット信号に対してペダル値[t]の変化によるペダル効果処理の付加を施す機能を有するものである。
つまり、55で示すように、ペダル起動部36からのペダル値[t]の変化点が検出されて、この変化点においてペダル値[t]が増加する際に、メモリ52−2〜52−Nに記憶したリセット用伝達特性を用いて伝達特性部38の伝達関数51−2〜51−Nに対してリセットをかける。初期状態では伝達特性部38の伝達関数51−1〜51−Nには通常の伝搬状態の伝達関数が設定されている。通常の伝搬状態の伝達関数では、音の振動による出力レベルは発音時に最も強くなって徐々に減衰してやがて最小になるように設定されている。
ところが、ペダル処理が検出されたときには、音の振動による出力レベルは、ペダル処理検出時点の最大〜最小までのいずれかのレベルを減衰なく持続するようにペダル効果が施されるような伝搬状態の伝達関数が設定されなければならない。そこで、ペダル処理検出時点のレベルを減衰なく持続するリセット用伝達特性の伝搬状態の伝達関数を用いてこのペダル効果を施す。このとき、メモリ52−2〜52−Nに記憶したリセット用伝達特性に徐々にレベルの減衰する時間を長く設定することにより、出力フェーダー39のフェーダー部53−0〜53−N−1のフェーダー効果と併せてより一層ペダル効果を強調することができる。
この出力フェーダー39のフェーダー部53−0〜53−N−1の出力は加算器54で加算されて出力信号Y[t]として出力される。
図6は、図5に示したペダル処理部の動作を示すフローチャートである。
図6において、まず、ペダル値と減衰・増幅率から時定数を計算する(ステップS11)。具体的には、ペダル処理部は、ペダル値[t]の変化に対応する入力信号X[t]を減衰及び増幅させるための入力フェーダー37に対する時定数、ペダル値[t]の変化に対応する出力信号Y[t]を減衰及び増幅させるための出力フェーダー39に対する時定数を計算する。
次に、時定数で入力・出力のフェーダーの値を増幅・減衰させる(ステップS12)。具体的には、ペダル処理部は、ステップS11で計算した入力フェーダー37に対する時定数及び出力フェーダー39に対する時定数に基づいて入力フェーダー37における入力信号X[t]を減衰及び増幅させ、出力フェーダー39における出力信号Y[t]を減衰及び増幅させる。
ここで、ペダル値の変化点であるか否かを判断する(ステップS13)。具体的には、ペダル処理部は、ペダル値[t]の時間の前後の差分が検出されることにより変化点を検出する。
判断ステップS13でペダル値の変化点であるときは、ペダル値が増加傾向であるか否かを判断する(ステップS14)。具体的には、ペダル処理部は、ペダル値[t]の微分値が正であることが検出されることによりペダル値[t]の増加を検出する。
判断ステップS14でペダル値が増加傾向であるときは、フィルタのメモリをフェーダーの値にリセットする(ステップS15)。具体的には、ペダル処理部は、メモリ52−2〜52−Nに記憶したリセット用伝達特性を用いて伝達特性部38の伝達関数51−2〜51−Nに対してリセットをかける。
判断ステップS13でペダル値の変化点でないとき、判断ステップS14でペダル値が増加傾向でないとき、及びステップS15の後には、ステップS11へ戻って、これらの処理を繰り返す。
ペダルの効果を実現する際には、伝達特性部38のフィルタの入力側と出力側にペダル値によって変化する入力フェーダー37と出力フェーダー39を挿入し、ペダルのレベルの度合いによる弦の共振の度合いを調節することでそのペダル効果を得るようにしている。これらの機能によって複数のスピーカーに異なる空間情報を加えることで、通常のステレオシステムに比べて高い空間分解能をもつ残響効果を加えている。
ここで音源によって生成される信号として仮想音源スポットの位置P1〜P13で実際のグランドピアノで鳴っている実音をマイクロホンを用いて収録し、この収録した実音を再現するように音場合成部5で仮想音源スポット信号を生成する。各仮想音源スポットからグランドピアノで鳴っている実音を収録して、収録した実音を再現するように仮想音源スポット信号を生成することで、位置によって微妙に異なる情報が音に加わり、実際のグランドピアノと同じ広がりのある音を合成することができる。
さらに各仮想音源スポットの入力ゲインを音名ごとに制御し音名ごとに制御された定位を得ることで実際のグランドピアノがもつ定位を実現することができる。そして、このシステムでは仮想音源スポット信号をスピーカーへ送る前にスピーカーの補正と波面合成の技術に依存した補正及び部屋やホールなどの臨場感を出す効果も付加し、演奏者にとって自然な状態にあるグランドピアノによる音響効果を実現している。
上述した本実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない限り、適宜変更しうることはいうまでもない。
電子ピアノの構成を示すブロック図である。 電子ピアノの動作を示すフローチャートである。 波面合成技術によって構成される仮想グランドピアノの発音モデルを示す図である。 音場合成部の構成を示すブロック図である。 ペダル処理部の機能を説明する図である。 ペダル処理部の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1…入力部、2…鍵盤、3…ペダル、4…音源部、5…音場合成部、6…スピーカー部、11…キー信号(ノート番号、速度)、12…ペダル信号(速度)、13…音信号、14…音波、21…仮想ピアノ筐体、22…仮想音源エリア、23…仮想音源スポット、24…スピーカー配列、25…リスニングエリア、31−1〜31−13…仮想音源スポット信号生成部、35−1〜35−12…チャンネル処理部、37…入力フェーダー、38…伝達特性部、39…出力フェーダー、40…混合率、42…ディレイ及びゲイン部、43…合成部、44…音響効果部、51…伝達関数、52…メモリ

Claims (13)

  1. 複数の鍵盤及びペダルを有する入力部からの入力信号に対応する複数の音信号を音源部から出力し、上記複数の音信号を音場合成部で合成して合成出力とし、上記合成出力に対応した音波をスピーカー部から出力する電子ピアノ装置において、
    上記音場合成部は、
    上記音源部からの複数の音信号に基づいてグランドピアノによる再生音場を形成するための複数の仮想音源スポット信号をそれぞれ上記スピーカー部の出力チャンネル分生成する仮想音源スポット生成手段と、
    上記仮想音源スポット生成手段から出力される各出力チャンネル分の複数の仮想音源スポット信号のうちの各仮想音源スポット信号と他の仮想音源スポット信号を合成する合成手段と、
    上記合成手段により合成された各出力チャンネル分の合成仮想音源スポット信号にインパルス応答を用いた信号処理により音響効果を施す音響効果手段と
    を備えたことを特徴とする電子ピアノ装置。
  2. 請求項1に記載の電子ピアノ装置において、
    上記仮想音源スポット生成手段により生成される上記複数の仮想音源スポット信号は、グランドピアノの仮想ピアノ筐体内部の仮想音源エリア内の上記複数の仮想音源スポット位置に予め配置された複数のマイクロホンにより収録された実音源スポット信号を再現するように生成されることにより、グランドピアノによる再生音場を形成する仮想グランドピアノの発音モデルが構成されることを特徴とする電子ピアノ装置。
  3. 請求項2に記載の電子ピアノ装置において、
    上記仮想音源スポット生成手段は、
    上記複数の仮想音源スポット位置と上記スピーカー部の各出力チャンネルの各スピーカーとの距離と角度を計算し、上記計算結果に基づいて入力される音信号にディレイ処理を施すディレイ手段と、
    グランドピアノの仮想ピアノ筐体内部の弦の振動及び反射の特性を、上記複数の仮想音源スポット位置と上記スピーカー部の各出力チャンネルの各スピーカーとの間の伝達特性として測定し、上記測定結果に基づいて入力される音信号に上記伝達特性のフィルタ処理を施す伝達特性フィルタ手段と
    を有することを特徴とする電子ピアノ装置。
  4. 請求項3に記載の電子ピアノ装置において、
    上記仮想音源スポット生成手段は、
    上記伝達特性フィルタ手段の出力を予め定められた混合率でディレイ手段の入力と合成する合成手段
    を有するものであり、
    上記スピーカー部からの出力音響の視聴の際に、あたかも上記複数の仮想音源スポット位置から上記複数の仮想音源スポットによる発音がそれぞれなされるように上記混合率を設定することを特徴とする電子ピアノ装置。
  5. 請求項3に記載の電子ピアノ装置において、
    上記仮想音源スポット生成手段は、
    上記複数の仮想音源スポット位置と上記スピーカー部の各出力チャンネルの各スピーカーとの距離と角度を計算し、上記計算結果に基づいて入力される音信号にゲイン処理を施すゲイン手段と、
    を有するものであり、
    上記複数の仮想音源スポット信号のゲインをコントロールすることにより上記複数の仮想音源スポット位置への音像の定位を制御することを特徴とする電子ピアノ装置。
  6. 請求項3に記載の電子ピアノ装置において、
    上記仮想音源スポット生成手段は、
    上記伝達特性フィルタ手段に対してペダル値の変化により入力信号を減衰及び増幅させる入力フェーダーと、ペダル値の変化により出力信号を減衰及び増幅させる出力フェーダーと、ペダル値の変化点でペダル値が増加する際に上記伝達特性フィルタ手段に対してリセットをかけるためのリセット用伝達特性を記憶したメモリと
    を有するものであり、
    上記複数の仮想音源スポット信号に対して上記ペダル値の変化によるペダル効果処理の付加を施すことを特徴とする電子ピアノ装置。
  7. 請求項1に記載の電子ピアノ装置において、
    上記音響効果手段は、インパルス応答を用いた信号処理により特定の部屋又は音響ホールにおけるグランドピアノによる再生音場を形成するような音響効果を施すことを特徴とする電子ピアノ装置。
  8. 複数の鍵盤及びペダルからの入力信号に対応する複数の音信号を出力し、上記複数の音信号を合成して合成出力とし、上記合成出力に対応した音波をスピーカーから出力する電子ピアノの音場合成方法において、
    上記複数の音信号の合成処理は、
    上記複数の音信号に基づいてグランドピアノによる再生音場を形成するための複数の仮想音源スポット信号をそれぞれ上記スピーカーの出力チャンネル分生成するステップと、
    上記生成される各出力チャンネル分の複数の仮想音源スポット信号のうちの各仮想音源スポット信号と他の仮想音源スポット信号を合成するステップと、
    上記合成された各出力チャンネル分の合成仮想音源スポット信号にインパルス応答を用いた信号処理により音響効果を施すステップと
    を含むことを特徴とする電子ピアノの音場合成方法。
  9. 請求項8に記載の電子ピアノの音場合成方法において、
    上記仮想音源スポット信号の生成処理は、
    上記複数の仮想音源スポット位置と上記スピーカーの各出力チャンネルの各スピーカーとの距離と角度を計算し、上記計算結果に基づいて入力される音信号にディレイ処理を施すステップと、
    グランドピアノの仮想ピアノ筐体内部の弦の振動及び反射の特性を、上記複数の仮想音源スポット位置と上記スピーカーの各出力チャンネルの各スピーカーとの間の伝達特性として測定し、上記測定結果に基づいて入力される音信号に上記伝達特性のフィルタ処理を施すステップと
    を含むことを特徴とする電子ピアノの音場合成方法。
  10. 請求項9に記載の電子ピアノの音場合成方法において、
    上記仮想音源スポット信号の生成処理は、
    上記伝達特性のフィルタ処理に対してペダル値の変化により入力信号を減衰及び増幅させるステップと、ペダル値の変化点でペダル値が増加する際に予め記憶されたリセット用伝達特性を用いて上記伝達特性のフィルタ処理に対してリセットをかけるステップと、
    ペダル値の変化により出力信号を減衰及び増幅させるステップと、
    を含むものであり、
    上記複数の仮想音源スポット信号に対して上記ペダル値の変化によるペダル効果処理の付加を施すことを特徴とする電子ピアノの音場合成方法。
  11. コンピュータに対して、複数の鍵盤及びペダルからの入力信号に対応する複数の音信号を出力し、上記複数の音信号を合成して合成出力とし、上記合成出力に対応した音波をスピーカーから出力するように機能させる電子ピアノの音場合成プログラムにおいて、
    上記複数の音信号の合成機能は、
    上記複数の音信号に基づいてグランドピアノによる再生音場を形成するための複数の仮想音源スポット信号をそれぞれ上記スピーカーの出力チャンネル分生成する機能と、
    上記生成される各出力チャンネル分の複数の仮想音源スポット信号のうちの各仮想音源スポット信号と他の仮想音源スポット信号を合成する機能と、
    上記合成された各出力チャンネル分の合成仮想音源スポット信号にインパルス応答を用いた信号処理により音響効果を施す機能と
    を含むことを特徴とする電子ピアノの音場合成プログラム。
  12. 請求項11に記載の電子ピアノの音場合成プログラムにおいて、
    上記仮想音源スポット信号の生成機能は、
    上記複数の仮想音源スポット位置と上記スピーカーの各出力チャンネルの各スピーカーとの距離と角度を計算し、上記計算結果に基づいて入力される音信号にディレイ処理を施す機能と、
    グランドピアノの仮想ピアノ筐体内部の弦の振動及び反射の特性を、上記複数の仮想音源スポット位置と上記スピーカーの各出力チャンネルの各スピーカーとの間の伝達特性として測定し、上記測定結果に基づいて入力される音信号に上記伝達特性のフィルタ処理を施す機能と
    を含むことを特徴とする電子ピアノの音場合成プログラム。
  13. 請求項12に記載の電子ピアノの音場合成プログラムにおいて、
    上記仮想音源スポット信号の生成機能は、
    上記伝達特性のフィルタ処理に対してペダル値の変化により入力信号を減衰及び増幅させる機能と、ペダル値の変化点でペダル値が増加する際に予め記憶されたリセット用伝達特性を用いて上記伝達特性のフィルタ処理に対してリセットをかける機能と、
    ペダル値の変化により出力信号を減衰及び増幅させる機能と、
    を含むものであり、
    上記複数の仮想音源スポット信号に対して上記ペダル値の変化によるペダル効果処理の付加を施すことを特徴とする電子ピアノの音場合成プログラム。
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