JP2007333356A - 天井埋込型室内機ユニットの吹出構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】室内熱交換器6を通過して熱交換した空調空気の流れ方向が吹出流路20へ向けて略直角に転向し、空調空気が吹出流路20を通ってルーバ8を備えた吹出口3に導かれる天井埋込型室内機ユニット10の吹出構造において、吹出流路20の外側壁面21に設けた突起部22により、流路断面積を狭める縮小部と、縮小部の下流で流路断面積を広げる拡大部とを形成した。
【選択図】図1
Description
この場合、室内ファンの運転により形成される空気の流れは、室内機ユニットの中央部に設けた吸込口から室内空気がユニット内に吸い込まれた後、室内熱交換器を通過して冷媒と熱交換することにより空調空気となり、この空調空気が吸込口の周囲に開口する吹出口から室内へ向けて吹き出すこととなる。
このため、流路内の流速分布は、流路外壁で最大流速となる不均一分布になっており、従って、下記のような問題点が懸念されている。
(1)ルーバの背面に沿う空調空気の流れがなくなり、高温多湿となる空調空間の冷房運転ではルーバに結露水が付着しやすい。
(2)空調空気の流れに縮流が生じて流路実面積を減少させ、騒音の要因となる圧力損失が増加する。
(3)局所的に流速を増した空調空気の流れを転向させるため、ルーバの風向制御性が低下する。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、より一層快適な空調運転が可能となる天井埋込型室内機ユニットの吹出構造を提供することにある。
本発明に係る天井埋込型室内機ユニットの吹出構造は、室内熱交換器を通過して熱交換した空調空気の流れ方向が吹出流路へ向けて略直角に転向し、前記空調空気が前記吹出流路を通ってルーバを備えた吹出口に導かれる天井埋込型室内機ユニットの吹出構造において、前記吹出流路の外側壁面に、流路断面積を狭める縮小部と、該縮小部の下流で流路断面積を広げる拡大部とを設けたことを特徴とするものである。
この場合の縮小部及び拡大部は緩やかな傾斜角度が好ましく、好適には縮小部の傾斜角度を20°程度とし、拡大部の傾斜角度を10°程度とすればよい。
上記の発明において、前記ルーバの断面形状は、上部円弧と、該上部円弧より径の大きい下部円弧とが連続していることが好ましく、これにより、ルーバのコード長(ルーバ上端から下端までの長さ)を小さくしても、ルーバを下向きの吹出方向に設定したときにルーバの入口角度が空調空気の流れ方向と略垂直になるスムーズな流れを形成することができる
この結果、縮小部に導かれた空気の流れがルーバ背面側も通って流れるようになり、高温多湿となる空調空間の冷房運転時においても、ルーバ背面側に生じる露付きの防止が可能となる。
また、縮小部及び拡大部の作用により空調空気の縮流を抑え、吹出流路の流路断面積を有効利用することができるので、空調空気の流れにより生じる騒音の原因となる圧力損失が減少して静かな空調運転を可能にする。
また、空調空気の流速分布が均一化することにより、局所的に流速を増す領域が低減あるいはなくなるので、ルーバの風向制御性は大幅に向上する。
従って、上述した本発明は、より一層快適性を増した空調運転を可能とし、天井埋込型室内機ユニットの商品性向上に大きな効果を奏する。
図1は、天井埋込型室内機ユニット(以下、「室内機ユニット」と呼ぶ)10の内部構成を示す断面図である。この室内機ユニット10は、下面側が開口ずる略直方体形状のケース本体1を天井Ceの内側に埋め込んで設置されている。
ケース本体1の中央部には、室内空気を吸い込む吸込口2が設けられている。この吸込口2の周辺には、コーナー部で分割された吹出口3が矩形状の各辺に沿って複数設けられている。吸込口2の上部には、ケース本体1に固定支持された電動モータ4aを駆動源として回転する室内ファン4が配設されている。
また、室内熱交換器6を水平方向に通過して空調された空調空気の流れは、下向きに開口する吹出口3に連通する吹出流路20に流れ込む。この吹出流路20は、水平方向に流れる空調空気の流れを略90度転向させて吹出口3へ導く略鉛直方向の空気流路(風路)である。また、吹出流路20の下端部には、空調空気の吹出方向を変更自在とする風向き制御用のルーバ8を備えた吹出口3が設けられている。本ルーバ8は、長手方向にわたって同一の断面形状を有する2次元的な形状を有しているが、三次元的な断面形状としてもよい。なお、図中の符号9は、室内機ユニット10の天井露出部を覆うパネルである。
拡大部24は、縮小部23の下流側に形成されて流路断面積を広げる領域であり、たとえば下流側ほど内側への膨出量が減少するようにした突起部22の傾斜面22bにより形成されている。
なお、拡大部24の形成には傾斜面22bが必須ではなく、たとえば図2(b)に想像線で示すように、傾斜面22aの頂点22cに流路断面積を拡大する方向の段差22dを形成し、拡大部24の外側壁面21と略同一の垂直面とする変形例も可能である。
最初に、図3及び図4の等値線図を得た室内機ユニット10の吹出構造について、吹出流路20及び突起部22周辺の試験形状を図2に基づいて説明する。
また、吹出流路20の奥行きC(C=B)に対して、流路断面積の縮小及び拡大を行う流路長さHの比率は、C:H=11:13に設定されている。そして、上記の奥行きCに対して、流路断面積が縮小から拡大に切り替わる位置(頂点22c)を起点として拡大を終えるまでの流路長さEは、C:E=11:8の比率に設定されており、従って、流路断面積が縮小する流路長さGは、C:G=11:5の比率となる。
一方、突起部22により形成される拡大部24の傾斜は、外側壁面21から頂点22cまでの突出高さをDとし、流路断面積を拡大させる流路長さをEとすれば、その比率がD:E=1:8となるように設定されている。従って、この場合の傾斜角度θ2は、概ね7度となる。なお、図3の試験結果は、上述した傾斜面22bがない変形例の場合であり、図中に想像線で示すように、頂点22cの下流側には流路断面積を拡大する段差22dが形成されている。
上述した寸法比率の吹出流路20に空調空気を流し、図3に示す流速分布の等値線図を得た。なお、図4に示す流速分布の等値線図は、吹出流路20の奥行きをCとし、外側壁面21に突起部22がない平面的な形状について、同じ風量(33m3
/min.)かつ熱交換器出口流速分布パターンとなる空調空気を等温(送風運転モード)で流して得たものである。
従って、縮小部23及び拡大部24は緩やかな傾斜角度が好ましく、好適には縮小部23の傾斜角度θ1を20°程度とし、拡大部24の傾斜角度θ2を10°程度とすればよい。すなわち、傾斜角度θ1は10°〜30°の範囲が好ましく、傾斜角度θ1を10°未満にすれば流速分布の均一化に効果がなく、傾斜角度θ1が30°を超えると壁面からの流れの剥離が激しくなって圧損の増加に繋がるため好ましくない。また、傾斜角度θ2は5°〜20°の範囲が好ましく、傾斜角度θ2が5°未満では流速分布の均一化に効果がなく、傾斜角度θ2が20°を超えると壁面に流れが再付着しないので、パネル形状に沿った流れを形成できないため好ましくない。
また、流速分布の均一化は、たとえば従来構造の外側壁面21付近のように、局所的に流速を増した領域が低減またはなくなることを意味する。従って、局所的に流速の増した流れを転向させることが緩和されるので、ルーバ8の風向制御性は大幅に向上する。
このような断面形状のルーバ8を採用することにより、図5(b)に示すように、暖房運転時等にルーバ8をルーバ上端の円弧の接線L1が天井面に対して略垂直の吹出方向に設定すると、空調空気の吹出方向に対してルーバ8の出口角度(ルーバ下端の円弧の接線L2と天井に対して水平な線Lhとの角度)が天井面に対してほぼ40〜45°になる。従って、ルーバコード長が短くても、ルーバ8に垂直に入ってきた空調空気を45°の吹出し方向に滑らかに転向でき、ルーバ8が空調空気の流れの障害になることを防止し、圧力損失を低減したスムーズな流れを形成することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
2 吸込口
3 吹出口
4 室内ファン
5 ドレンパン
6 室内熱交換器
8 ルーバ
10 天井埋込型室内機ユニット
20 吹出流路
21 外側壁面
22 突起部
23 縮小部
24 拡大部
Claims (3)
- 室内熱交換器を通過して熱交換した空調空気の流れ方向が吹出流路へ向けて略直角に転向し、前記空調空気が前記吹出流路を通ってルーバを備えた吹出口に導かれる天井埋込型室内機ユニットの吹出構造において、
前記吹出流路の外側壁面に、流路断面積を狭める縮小部と、該縮小部の下流で流路断面積を広げる拡大部とを設けたことを特徴とする天井埋込型室内機ユニットの吹出構造。 - 前記流路断面積を狭める前記縮小部は、前記外側外壁面が下方に向けて内側へ傾斜して形成され、前記流路断面積を広げる拡大部は、前記外側外壁面が前記縮小部端部から下方に向けて外側に傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の天井埋込型室内機ユニットの吹出構造。
- 前記ルーバの断面形状は、上部円弧と、該上部円弧より径の大きい下部円弧とが連続していることを特徴とする請求項1または2に記載の天井埋込型室内機ユニットの吹出構造。
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