JP2007332882A - 内燃機関の異常判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エアフローメータに異常が生じたか、又は、吸気通路を構成する部材に生じた開口部を通して空気が漏れているという異常が生じたか、という内燃機関の異常を判定することが可能な装置を提供すること。
【解決手段】 内燃機関の異常判定装置は、ターボチャージャ36の状態をモデル化して表すターボチャージャモデル式に実測された所定の変数を適用することによりコンプレッサ36aを通過するガスの流量(コンプレッサ通過ガス流量)を推定する。異常判定装置は、エアフローメータ51により実際に測定されたコンプレッサ通過ガス流量と前記推定されたコンプレッサ通過ガス流量との差に応じた値の絶対値が異常判定閾値より大きいと判定したとき、エアフローメータ及び吸気通路を構成する部材の何れかに異常が発生したと判定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ターボチャージャ(過給機)を備え、同ターボチャージャにより過給される内燃機関の異常判定装置に関する。
従来から、ターボチャージャを備えた内燃機関に供給される空気の量(吸入空気量)を、物理法則に則って作成された内燃機関の状態量間の関係を表す式(モデル)に基づいて推定する装置が知られている(特許文献1を参照。)。
特表2001−516421号公報
ところで、過渡運転時においては、運転状態の変化に対して迅速に応答し得るモデルにより推定される吸入空気量の方が、エアフローメータにより実測される吸入空気量よりも精度が高い場合がある。その一方、定常運転時においては、エアフローメータにより測定される吸入空気流量の方が、定常誤差を含み得るモデルにより推定される吸入空気量よりも精度が高い場合がある。そこで、内燃機関の制御装置は、上記のような吸入空気量をモデルにより求める機能を有する場合であっても、吸入空気量を実測するエアフローメータを備え、必要に応じてエアフローメータの測定値を内燃機関の制御のために使用している。
しかしながら、エアフローメータに異常が発生したり、或いは、エアフローメータが配設された部分から気筒までの吸気通路を構成する部材が破損して空気漏れが発生した場合、エアフローメータの測定値と実際の吸入空気量との差が大きくなるから、エアフローメータの測定値を内燃機関の制御に使用していると所期の制御が行えないという問題がある。
従って、本発明の目的の一つは、ターボチャージャ付き内燃機関に使用されるエアフローメータ又は同機関の吸気通路を構成する部材に異常が発生しているか否かを判定することができる内燃機関の異常判定装置を提供することにある。
本発明による内燃機関の異常判定装置は、内燃機関の吸気通路を構成する部材に介装されたコンプレッサと同内燃機関の排気通路を構成する部材に介装されたタービンとを有するターボチャージャと、前記コンプレッサを通過するガスの流量であるコンプレッサ通過ガス流量を実際に測定するエアフローメータと、を備え、前記内燃機関に異常が発生しているか否かを判定する内燃機関の異常判定装置である。
この内燃機関の異常判定装置は、
前記コンプレッサ通過ガス流量以外の所定の変数を実測するとともに同ターボチャージャの状態をモデル化して表すターボチャージャモデル式に同実測された変数を適用することにより同コンプレッサ通過ガス流量を推定するコンプレッサ通過ガス流量推定手段と、
前記実際に測定されたコンプレッサ通過ガス流量と前記推定されたコンプレッサ通過ガス流量との差に応じた値であるガス流量乖離指標値の絶対値が異常判定閾値より大きいか否かを判定するとともに同ガス流量乖離指標値の絶対値が同異常判定閾値より大きいと判定されたときに前記エアフローメータ及び前記吸気通路を構成する部材の何れかに異常が発生したと判定する異常判定手段と、
を備えている。
これによれば、エアフローメータにより実際に測定されたコンプレッサ通過ガス流量とターボチャージャモデル式を用いて推定されたコンプレッサ通過ガス流量との差に応じた値であるガス流量乖離指標値の絶対値が異常判定閾値より大きいと判定されたとき、エアフローメータ及び吸気通路を構成する部材の何れかに異常が発生したと判定される。
エアフローメータは正常であり、且つ、吸気通路を構成する部材から空気は漏れていない(吸気通路を構成する部材も正常である)場合、エアフローメータにより実際に測定されたコンプレッサ通過ガス流量とターボチャージャの状態量推定装置により推定されたコンプレッサ通過ガス流量との差は小さい。従って、上記ガス流量乖離指標値の絶対値が異常判定閾値より大きいと判定されたときには、エアフローメータ及び吸気通路を構成する部材の何れかに異常が発生したと判定することができる。
前記ガス流量乖離指標値は、前記エアフローメータにより実際に測定されたコンプレッサ通過ガス流量をGaAFMとし、前記コンプレッサ通過ガス流量推定手段により推定されたコンプレッサ通過ガス流量をGaとすれば、それらの差(Ga−GaAFM)に応じた値であればよい。従って、前記ガス流量乖離指標値は、値(Ga−GaAFM)そのものでもよく、値(Ga−GaAFM)/Ga等であってもよい。
この場合、前記異常判定手段は、
前記推定されたコンプレッサ通過ガス流量が前記実際に測定されたコンプレッサ通過ガス流量よりも大きいか否かを判定し、前記ガス流量乖離指標値の絶対値が前記異常判定閾値より大きいと判定され且つ同推定されたコンプレッサ通過ガス流量が同実際に測定されたコンプレッサ通過ガス流量よりも大きいと判定されたとき、前記エアフローメータに異常が発生したと判定するように構成されることが好適であり、同時に前記吸気通路を構成する部材には異常が発生していないと判定するように構成されることが更に好適である。
吸気通路を構成する部材から空気が漏れているとき、エアフローメータが正常であれば、エアフローメータの配設位置には実際に内燃機関に吸入される空気量よりも大きい量の空気が流れる。従って、エアフローメータにより測定されたコンプレッサ通過ガス流量GaAFMはコンプレッサ通過ガス流量推定手段により推定されたコンプレッサ通過ガス流量Gaより大きくなるはずである。
そこで、上記構成のように、前記ガス流量乖離指標値の絶対値が前記異常判定閾値より大きいと判定されることにより、エアフローメータ及び吸気通路を構成する部材の何れかに異常が発生したと判定された場合において、コンプレッサ通過ガス流量推定手段により推定されたコンプレッサ通過ガス流量Gaが実際に測定されたコンプレッサ通過ガス流量GaAFMよりも大きいと判定されるときには、エアフローメータに異常が生じていると特定することができる。
更に、本発明の異常判定装置は、第1空気漏れ部面積算出手段と、第2空気漏れ部面積算出手段と、異常箇所特定手段と、を備えることが好適である。
第1空気漏れ部面積算出手段は、前記機関に実際に供給されているガスの流量である実ガス流量が第1範囲内にあるか否かを判定するとともに同実ガス流量が同第1範囲内にあると判定されるとき前記吸気通路を構成する部材のうち前記コンプレッサ下流位置において同吸気通路を構成する部材に発生した同吸気通路内と同吸気通路外とを連通する空気漏れ部(例えば、破断により発生した開口部)の面積を第1空気漏れ部面積として取得する。
第2空気漏れ部面積算出手段は、前記実ガス流量が前記第1範囲よりも大きい第2範囲内にあるか否かを判定するとともに同実ガス流量が同第2範囲内にあると判定されるとき前記コンプレッサ下流位置において同吸気通路を構成する部材に発生した同吸気通路内と同吸気通路外とを連通する空気漏れ部の面積を第2空気漏れ部面積として取得する。
異常箇所特定手段は、前記取得された第1空気漏れ部面積と前記取得された第2空気漏れ部面積との差に応じた値である漏れ部面積乖離指標値の絶対値が所定値より小さいか否かを判定する。
漏れ部面積乖離指標値は、第1空気漏れ部面積A1及び第2空気漏れ部面積A2の差に応じた値であれば、値(A1−A2)や値(A2−A1)であってもよく、値(A1−A2)/A1及び値(A1−A2)/A2等であってもよい。
実ガス流量(機関に供給されている実際のガス量、例えば吸入空気量)が互いに相違する第1範囲及び第2範囲においてそれぞれ取得された第1空気漏れ部面積及び第2空気漏れ部面積の差に応じた値である「漏れ部面積乖離指標値」の絶対値が所定値より小さいと判定されるならば、前記吸気通路を構成する部材に異常が発生し且つ前記エアフローメータには異常が発生していない可能性が極めて高い。従って、異常箇所特定手段は、漏れ部面積乖離指標値の絶対値が前記所定値より小さいと判定されたとき前記吸気通路を構成する部材に異常が発生し且つ前記エアフローメータには異常が発生していないと判定する。
一方、漏れ部面積乖離指標値の絶対値が所定値より大きいと判定されるならば、エアフローメータが正しく空気量を測定していない可能性が極めて高い。従って、異常箇所特定手段は、漏れ部面積乖離指標値の絶対値が前記所定値より大きいと判定されたとき前記エアフローメータに異常が発生し且つ前記吸気通路を構成する部材には異常が発生していないと判定する。
なお、前記第1範囲及び前記第2範囲は過給が実質的に行われている範囲となるように選択され、前記第1空気漏れ部面積算出手段及び前記第2空気漏れ部面積算出手段は、空気が漏れている部分(例えば、開口)において空気が音速に達していてその流量が一定値になっている(チョーク状態にある)という前提下で第1空気漏れ部面積及び第2空気漏れ部面積をそれぞれ算出するように構成されていることが好ましい。これによれば、簡単な構成で各空気漏れ部面積を精度良く算出することができる。
この場合、前記第1空気漏れ部面積算出手段は、前記内燃機関の回転速度が第1回転速度範囲内にあるとき前記実ガス流量が前記第1範囲内にあると判定するように構成され、
前記第2空気漏れ部面積算出手段は、前記内燃機関の回転速度が前記第1回転速度範囲よりも大きい第2回転速度範囲内にあるとき前記実ガス流量が前記第2範囲内にあると判定するように構成されることができる。
以下、本発明による内燃機関の異常判定装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。この異常判定装置は、ターボチャージャ状態量推定装置とともに機能する。異常判定装置及びターボチャージャ状態量推定装置は、図1に示したターボチャージャ付き4気筒ディーゼルエンジン10(以下、「内燃機関10」と称呼する。)に適用されている。
(構成)
内燃機関10は、エンジン本体20、エンジン本体20の各気筒の燃焼室にガスを導入するための吸気系統30及びエンジン本体20からの排ガスを放出するための排気系統40を含んでいる。異常判定装置及びターボチャージャ状態量推定装置の機能は、電気制御装置50により実現される。
エンジン本体20の各気筒の上部には燃料噴射弁21が配設されている。各燃料噴射弁21は、図示しない燃料噴射用ポンプから高圧の燃料が供給されるようになっている。燃料噴射弁21は、電気制御装置50と電気的に接続されていて、電気制御装置50からの駆動信号により所定時間だけ開弁し、これにより各気筒の燃焼室内に前記高圧の燃料を噴射するようになっている。
吸気系統30は、エンジン本体20の各気筒の燃焼室にそれぞれ接続されたインテークマニホールド31、インテークマニホールド31に接続されたサージタンク32、サージタンク32に接続された吸気管33、吸気管33内に回動可能に保持されたスロットル弁34、電気制御装置50からの駆動信号に応答してスロットル弁34を回転駆動するスロットル弁アクチュエータ34a、スロットル弁34の上流において吸気管33に介装されたインタクーラ35、並びに、インタクーラ35の上流において吸気管33に配設されたターボチャージャ36のコンプレッサ36aを含んでいる。吸気管33(インタークーラ35を含む。)、サージタンク32及びインテークマニホールド31は吸気通路を構成する部材と称呼される。
排気系統40は、エンジン本体20の各気筒にそれぞれ接続された排気マニホールド41、排気マニホールド41の下流側集合部に接続された排気管42及び排気管42に配設されたターボチャージャ36のタービン36bを含んでいる。排気マニホールド41及び排気管42は排気通路を構成する部材と称呼される。
ターボチャージャ36は、タービンシャフト(回転軸)36cを備えている。タービンシャフト36cは、コンプレッサ36a内に収容されたコンプレッサブレード36a1とタービン36b内に収容されたタービンブレード36b1とを連結している。ターボチャージャ36は、周知のバリアブルノズル式ターボチャージャ(例えば、特開平10−47071号及び特開2001−173449号公報を参照。)である。ターボチャージャ36は、複数のノズルベーン36dと、ノズルベーン36dを駆動するノズルベーンアクチュエータ36eと、を備えている。ノズルベーン36dが駆動されることにより、複数のノズルベーン36d間に形成されるタービンノズルの開度(ノズル面積)変更させられる。
ターボチャージャ36においては、タービンブレード36b1が排ガスにより回転せしめられる。これにより、タービンシャフト36cに連結されたコンプレッサブレード36a1がタービンシャフト36cとともに回転し、吸入空気を圧縮する過給を行うようになっている。また、ノズルベーン36dによりタービンノズル開度が変更されると、タービン36bへ流入する排ガスの速度が変更される。この結果、過給圧が可変となる。
電気制御装置50は、CPU、ROM、RAM及び書き込み読み出し可能な不揮発性メモリ等を含む周知のマイクロコンピュータである。電気制御装置50は、エアフローメータ51、コンプレッサ流入ガス圧力センサ52、コンプレッサ流入ガス温度センサ53、タービン流入ガス圧力センサ54、タービン流入ガス温度センサ55、タービン流出ガス圧力センサ56、バリアブルノズル開度センサ57、アクセルペダル操作量センサ58及びエンジン回転速度センサ59と接続され、これらのセンサからの信号を入力するようになっている。更に、電気制御装置50は、燃料噴射弁21、スロットル弁アクチュエータ34a及びノズルベーンアクチュエータ36e等と接続されていて、CPUの指示に応じてこれらに駆動信号を送出するようになっている。なお、本実施形態において、スロットル弁は常に最大開度に維持されている。
エアフローメータ51は、コンプレッサ36aの上流において吸気管(吸気通路を構成する部材)33に配設されている。エアフローメータ51は、コンプレッサ36aを通過する空気の質量流量(単位時間当りの空気量)であるコンプレッサ通過ガス流量を計測し、同コンプレッサ通過ガス流量を表す信号GaAFMを発生するようになっている。
コンプレッサ流入ガス圧力センサ52は、コンプレッサ36a入口部近傍の吸気管(吸気通路を構成する部材)33に配設されている。コンプレッサ流入ガス圧力センサ52は、コンプレッサ36aに流入するガスの圧力(コンプレッサ流入ガス圧力、コンプレッサ入口部ガス圧力)を検出し、同コンプレッサ流入ガス圧力を表す信号P0を発生するようになっている。
コンプレッサ流入ガス温度センサ53は、コンプレッサ36a入口部近傍の吸気管(吸気通路を構成する部材)33に配設されている。コンプレッサ流入ガス温度センサ53は、コンプレッサ36aに流入するガスの温度(コンプレッサ流入ガス温度、コンプレッサ入口部ガス温度)を検出し、同コンプレッサ流入ガス温度を表す信号T0を発生するようになっている。
タービン流入ガス圧力センサ54は、タービン36b入口部近傍の排気管(排気通路を構成する部材)42に配設されている。タービン流入ガス圧力センサ54は、タービン36bに流入するガスの圧力(タービン流入ガス圧力、タービン入口部ガス圧力)を検出し、同タービン流入ガス圧力を表す信号P4を発生するようになっている。
タービン流入ガス温度センサ55は、タービン36b入口部近傍の排気管(排気通路を構成する部材)42に配設されている。タービン流入ガス温度センサ55は、タービン36bに流入するガスの温度(タービン流入ガス温度、タービン入口部ガス温度)を検出し、同タービン流入ガス温度を表す信号T4を発生するようになっている。
タービン流出ガス圧力センサ56は、タービン36b出口部近傍の排気管(排気通路を構成する部材)42に配設されている。タービン流出ガス圧力センサ56は、タービン36bから流出するガスの圧力(タービン流出ガス圧力、タービン出口部ガス圧力)を検出し、同タービン流出ガス圧力を表す信号P6を発生するようになっている。
バリアブルノズル開度センサ57は、ノズルベーン36dの開度(以下、「バリアブルノズル開度」と称呼する。)を検出し、同バリアブルノズル開度を表す信号VNを発生するようになっている。
アクセルペダル操作量センサ58は、アクセルペダルAPの操作量を検出し、アクセル操作量を表す信号Accpを発生するようになっている。
エンジン回転速度センサ59は、内燃機関10の回転速度を検出し、同エンジン回転速度NEを表す信号を発生するようになっている。
次に、上記のように構成された内燃機関の異常判定装置の作動について説明する。図2に示したように、この異常判定装置DGは、後述するターボチャージャの状態量推定装置MDにより推定されたコンプレッサ通過ガス流量Gaと、エアフローメータ51により実際に測定されたコンプレッサ通過ガス流量GaAFMと、を入力し、これらを用いた以下に述べる処理を行うことにより、エアフローメータ51に異常が生じているか否か、吸気通路を構成する部材から空気が漏れている異常が発生しているか否か(吸気通路を構成する部材が異常であるか否か)についての異常判定を行う。判定の結果は、エアフローメータ異常フラグXAFM及び吸気通路構成部材異常(空気漏れ)フラグXLEKの値として不揮発性メモリに記憶される。異常判定装置は、これらのフラグの値に基いて必要に応じ警告を行う。異常判定装置DG及びターボチャージャ状態量推定装置MDの機能は、実際には図1に示した電気制御装置50に内蔵されたCPUが所定のプログラムを実行することにより達成される。
(異常判定装置の作動)
先ず、異常判定装置の作動について説明する。CPUは図3にフローチャートにより示した異常判定値取得ルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUはステップ300から処理を開始し、ステップ305にてエンジン回転速度NEが過給可能速度閾値N0以上であり且つ第1回転速度閾値N1以下であるか否か(エンジン回転速度NEが第1回転速度範囲内にあるか否か)を判定する。過給可能速度閾値N0は、エンジン回転速度NEが過給可能速度閾値N0以上であるとき、ターボチャージャ36によって過給が実質的に行われる回転速度に設定されている。第1回転速度閾値N1は、過給可能速度閾値N0より大きい中低速回転速度に対応した値に設定されている。つまり、第1回転速度範囲は、過給可能な中低速回転速度範囲である。
このとき、エンジン回転速度NEが第1回転速度範囲内にあれば、CPUはステップ305にて「Yes」と判定してステップ310に進み、下記の(1)式に基いて第1のガス流量乖離指標値D1を取得する。(1)式において、GaAFMはエアフローメータ51により実際に測定されたコンプレッサ通過ガス流量であり、Gaは後述するターボチャージャの状態量推定装置により推定されたコンプレッサ通過ガス流量である。従って、第1ガス流量乖離指標値D1は、ステップ305を実行する時点において実際に測定されているコンプレッサ通過ガス流量GaAFMと推定されているコンプレッサ通過ガス流量Gaとの差に応じた値である。
Figure 2007332882
次に、CPUはステップ315に進み、フラグX1の値を「1」に設定する。フラグX1は、その値が「1」であるとき第1ガス流量乖離指標値D1が取得済みであることを示し、その値が「0」であるとき第1ガス流量乖離指標値D1が未だ取得されていないことを表すフラグである。その後、CPUはステップ395に進み本ルーチンを一旦終了する。なお、フラグX1の値は、図示しないイグニッション・キーがオフからオンへと変更されたときに起動される図示しないイニシャルルーチンにより「0」に設定されるようになっている。
一方、CPUが本ルーチンの処理を開始してステップ305に進んだとき、エンジン回転速度NEが第1回転速度範囲内にないと、CPUはステップ305にて「No」と判定してステップ320に進み、エンジン回転速度NEが第2回転速度閾値N2以上であるか否か(エンジン回転速度NEが第2回転速度範囲内にあるか否か)を判定する。第2回転速度閾値N2は、第1回転速度閾値N1より大きい値(高速回転速度に対応する値)に設定されている。つまり、第2回転速度範囲は、過給可能な高速回転速度範囲である。
このとき、エンジン回転速度NEが第2回転速度範囲内にあれば、CPUはステップ320にて「Yes」と判定してステップ325に進み、下記の(2)式に基いて第2のガス流量乖離指標値D2を取得する。第2ガス流量乖離指標値D2は、ステップ325を実行する時点において実際に測定されているコンプレッサ通過ガス流量GaAFMと推定されているコンプレッサ通過ガス流量Gaとの差に応じた値である。
Figure 2007332882
次に、CPUはステップ330に進み、フラグX2の値を「1」に設定する。フラグX2は、その値が「1」であるとき第2ガス流量乖離指標値D2が取得済みであることを示し、その値が「0」であるとき第2ガス流量乖離指標値D2が未だ取得されていないことを表すフラグである。その後、CPUはステップ395に進み本ルーチンを一旦終了する。なお、フラグX2の値は、前述した図示しないイニシャルルーチンにより「0」に設定されるようになっている。
他方、CPUが本ルーチンの処理を開始したとき、エンジン回転速度NEが第1回転速度範囲内になく、且つ、第2回転速度範囲内にないと、CPUはステップ305及びステップ320の両ステップにて「No」と判定してステップ395に直接進み、本ルーチンを一旦終了する。
以上、説明したように、CPUはエンジン回転速度NEが第1回転速度範囲内にあるとき、第1ガス流量乖離指標値D1を取得するとともにフラグX1の値を「1」に設定し、エンジン回転速度NEが第2回転速度範囲内にあるとき、第2ガス流量乖離指標値D2を取得するとともにフラグX2の値を「1」に設定する。
更に、電気制御装置のCPUは、図4にフローチャートにより示した異常検出ルーチンを所定時間の経過毎に実行するようになっている。いま、上述の第1ガス流量乖離指標値D1及び第2ガス流量乖離指標値D2の両方が取得され、フラグX1及びフラグX2の値が何れも「1」になった直後であると仮定して説明を続ける。
この場合、CPUは所定のタイミングにてステップ400から処理を開始すると、ステップ405にてフラグX1の値が「1」であるか否かを判定する。前述の仮定に従えばフラグX1の値は「1」である。従って、CPUはステップ405にて「Yes」と判定してステップ410に進み、フラグX2の値が「1」であるか否かを判定する。前述の仮定に従えばフラグX2の値も「1」である。従って、CPUはステップ410にて「Yes」と判定してステップ415に進み、フラグX1の値を「0」に設定するとともにフラグX2の値を「0」に設定する。
次に、CPUはステップ420に進み、第1ガス流量乖離指標値D1の絶対値及び第2ガス流量乖離指標値D2の絶対値の少なくとも何れか一方が異常判定閾値α(α>0)より大きいか否かを判定する。
いま、エアフローメータ51は正常であり、且つ、吸気通路を構成する部材から空気は漏れていない(吸気通路を構成する部材も正常である)と仮定する。この場合、エアフローメータ51により実際に測定されたコンプレッサ通過ガス流量GaAFMとターボチャージャの状態量推定装置により推定されたコンプレッサ通過ガス流量Gaとの差は小さい。従って、第1のガス流量乖離指標値D1の絶対値及び第2ガス流量乖離指標値D2の絶対値の両方とも異常判定閾値αより小さい。
従って、CPUはステップ420にて「No」と判定してステップ425に進み、エアフローメータ51は正常であり、且つ、吸気通路を構成する部材から空気は漏れていない(吸気通路を構成する部材は正常である)との判定結果を不揮発性メモリに記憶する。具体的には、CPUは、エアフローメータ異常フラグXAFMの値を「0」に設定するとともに、吸気通路構成部材異常フラグXLEKの値を「0」に設定する。その後、CPUはステップ495に進んで本ルーチンを一旦終了する。
次に、エアフローメータ51に異常が発生するか、又は、吸気通路を構成する部材から空気が漏れている(吸気通路を構成する部材に異常が発生した)と仮定する。
エアフローメータ51に異常が発生すると、エアフローメータ51の出力GaAFMは実際のコンプレッサ通過ガス流量よりも非常に大きいか又は非常に小さい値となる。このとき、ターボチャージャ状態量推定装置は、エアフローメータ51の出力GaAFM以外の変数を用いてコンプレッサ通過ガス流量Gaを推定しているから、ターボチャージャ状態量推定装置により推定されるコンプレッサ通過ガス流量Gaは実際のコンプレッサ通過ガス流量に近い値となる。従って、エアフローメータ51の出力GaAFMはターボチャージャ状態量推定装置により推定されるコンプレッサ通過ガス流量Gaよりも非常に大きいか又は非常に小さい値となる。この結果、第1ガス流量乖離指標値D1の絶対値及び第2ガス流量乖離指標値D2の絶対値の少なくとも何れか一方は異常判定閾値α(α>0)より大きい値となる。
一方、吸気通路を構成する部材から空気が漏れていると、エアフローメータ51の配設箇所には実際に内燃機関10が吸入している空気の流量よりも大きい流量の空気が通過する。従って、この場合、エアフローメータ51の出力GaAFMは実際のコンプレッサ通過ガス流量よりも非常に大きい値となる。このとき、ターボチャージャ状態量推定装置は、後述するように、コンプレッサモデル式に入力値としてターボチャージャ36のコンプレッサ36aに流入するガスの状態を表すコンプレッサ流入ガス状態変数(コンプレッサ流入ガス温度T0及びコンプレッサ流入ガス圧力P0)を使用することと、タービンモデル式に入力値としてターボチャージャ36のタービン36bに係る状態量を使用していることから、吸気通路を構成する部材から空気が漏れているか否かに関わらず、比較的精度良くコンプレッサ通過ガス流量Gaを推定する。換言すると、ターボチャージャ状態量推定装置は、コンプレッサ通過ガス流量Gaを推定する際に、吸気通路を構成する部材から空気が漏れているときに変動するコンプレッサ流出ガス圧力P3やコンプレッサ流出ガス温度T3を検出して入力値として使用していない。この結果、第1ガス流量乖離指標値D1の絶対値及び第2ガス流量乖離指標値D2絶対値の少なくとも一方(殆どの場合において両方)は、異常判定閾値αより大きい値となる。
従って、エアフローメータ51に異常が発生するか、又は、吸気通路を構成する部材から空気が漏れていると、CPUは、フラグX1及びフラグX2の値が何れも「1」となったとき、ステップ405、ステップ410及びステップ415に続くステップ420にて「Yes」と判定してステップ430に進む。
次に、CPUはステップ430にて第1ガス流量乖離指標値D1が異常判定閾値αより大きく、且つ、第2ガス流量乖離指標値D2が異常判定閾値αより大きいか否かを判定する。
前述したように、吸気通路を構成する部材から空気が漏れているとき、エアフローメータ51が正常であれば、測定されたコンプレッサ通過ガス流量GaAFMはターボチャージャの状態量推定装置により推定されたコンプレッサ通過ガス流量Gaより大きくなるはずである。即ち、この場合、第1ガス流量乖離指標値D1は負の値となり、第2ガス流量乖離指標値D2も負の値となる。一方、エアフローメータ51が本来出力すべき値よりも小さい値を出力していると、第1ガス流量乖離指標値D1は正の値であって異常判定閾値αより大きく、且つ、第2ガス流量乖離指標値D2も正の値であって異常判定閾値αより大きくなる。
そこで、CPUはステップ430にて第1ガス流量乖離指標値D1が異常判定閾値αより大きく且つ第2ガス流量乖離指標値D2が異常判定閾値αより大きいと判定すると、ステップ435に進んでエアフローメータ51に異常が発生し、且つ、吸気通路を構成する部材は正常であるとの判定結果を記憶する。具体的には、CPUはエアフローメータ異常フラグXAFMの値を「1」に設定するとともに吸気通路構成部材異常フラグXLEKの値を「0」に設定し、ステップ495に進んで本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPUはステップ430にて「No」と判定するとき、ステップ440に進んでフラグX3の値を「1」に設定してステップ495に進み、本ルーチンを一旦終了する。フラグX3は、その値が「1」であるとき、エアフローメータ51に異常が発生しているのか、又は、吸気通路を構成する部材から空気が漏れている(吸気通路を構成する部材に異常が発生した)のかを特定するために新たな判定値(後述するガス漏れ部(空気漏れ部)面積A1,A2)を得る必要が生じたことを示し、その値が「0」であるとき同新たな判定値を得る必要が生じていないことを示すフラグである。なお、フラグX3の値は、前述した図示しないイニシャルルーチンにより「0」に設定されるようになっている。
また、CPUがステップ405に進んだとき、フラグX1の値が「1」でなければ、CPUはステップ405からステップ495に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。同様に、CPUがステップ410に進んだとき、フラグX2の値が「1」でなければ、CPUはステップ410からステップ495に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPUは図5にフローチャートにより示した空気漏れ部面積算出ルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行するようになっている。従って、所定のタイミングになるとCPUはステップ500から処理を開始し、ステップ505に進んでフラグX3の値が「1」であるか否かを判定する。このとき、フラグX3の値が「1」でなければ、CPUはステップ505にて「No」と判定してステップ595に直接進み、本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、前述した図4のステップ440により、フラグX3の値が「1」に設定されていると、CPUはステップ505にて「Yes」と判定してステップ510に進み、エンジン回転速度NEが過給可能速度閾値N0以上であり且つ第1回転速度閾値N1以下であるか否か(エンジン回転速度NEが第1回転速度範囲内にあるか否か)を判定する。
このとき、エンジン回転速度NEが第1回転速度範囲内にあると、CPUは以下に述べるステップ515乃至ステップ525の処理を行った後、ステップ530に進む。
ステップ515:上記(1)式に基いて第1ガス流量乖離指標値D1を取得する。
ステップ520:下記の(3)式に基いて第1の空気漏れ部面積A1を取得する。このステップ520は、第1空気漏れ部面積算出手段に対応するステップである。
ところで、空気が吸気通路を構成している部材に発生した開口部を通して吸気通路から外部に流出する場合、その開口部の面積は初期において十分に小さく、且つ、過給が行われているからコンプレッサ36a下流の吸気通路内のガス圧は大気圧に比べて十分に大きい。従って、その開口部を通して吸気通路内部から外部に漏れる空気の流速は音速に達してサチュレートとしている(その空気の流速が音速に到達し、吸気通路内部の圧力と外部の圧力差が大きくなっても、その流量が変化しなくなる「チョーク」状態にある。)と考えられる。(3)式は、そのようなチョーク状態にある場合において、その開口部の面積を求める一般式である。
(3)式において、右辺のD1には上記ステップ515にて得られた値D1が代入され、Pmには後述するターボチャージャ状態量推定装置により現時点にて得られているコンプレッサ流出(出口部)ガス圧力P3が代入され、Tmには同じくターボチャージャ状態量推定装置により現時点にて得られているコンプレッサ流出(出口部)ガス温度T3が代入される。Rは気体定数であり、Cdは流量係数(所定の一定値)であり、κは空気の比熱比である。なお、コンプレッサ36aよりも下流の吸気通路におけるガスの圧力Pm及びガスの温度Tmを検出する圧力センサ及び温度センサをそれぞれ配置するとともに、それらのセンサの検出値を(3)式に適用して第1空気漏れ部面積A1を算出してもよい。
Figure 2007332882
ステップ525:フラグX4の値を「1」に設定する。フラグX4は、その値が「1」であるとき、第1空気漏れ部面積A1が取得されていることを示し、その値が「0」であるとき、第1空気漏れ部面積A1が取得されていないことを示す。なお、フラグX4の値は、前述した図示しないイニシャルルーチンにより「0」に設定されるようになっている。
また、CPUがステップ510に進んだとき、エンジン回転速度NEが第1回転速度範囲内ではなく第2回転速度範囲内にある(エンジン回転速度NEが第2回転速度閾値N2以上である)と、CPUはステップ510にて「No」と判定するとともに、エンジン回転速度NEが第2回転速度範囲内にあるか否かを判定するステップ535(エンジン回転速度NEが第2回転速度閾値N2以上であるか否かを判定するステップ535)にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ540乃至ステップ550の処理を行った後、ステップ530に進む。
ステップ540:上記(2)式に基いて第2ガス流量乖離指標値D2を取得する。
ステップ545:下記の(4)式に基いて第2の空気漏れ部面積A2を取得する。ステップ545は、第2空気漏れ部面積算出手段に対応している。この場合においても、吸気通路を構成している部材に開口部が生じているのであれば、その開口部から流出する空気の流速はサチュレートとしている(チョーク状態にある)と仮定できる。従って、(4)式は、上記(3)式と同様、そのような場合における開口部の面積を求める一般式である。
(4)式において、D2には上記ステップ540にて得られた値D2が代入され、Pmには後述するターボチャージャ状態量推定装置により現時点にて得られているコンプレッサ流出(出口部)ガス圧力P3が代入され、Tmには同じくターボチャージャ状態量推定装置により現時点にて得られているコンプレッサ流出(出口部)ガス温度T3が代入される。R、Cd及びκは上記(3)式に使用された値と同じ値が用いられる。なお、コンプレッサ36aよりも下流の吸気通路におけるガスの圧力Pm及びガスの温度Tmを検出する圧力センサ及び温度センサをそれぞれ配置するとともに、それらのセンサの検出値を(4)式に適用して第2空気漏れ部面積A2を算出してもよい。
Figure 2007332882
ステップ550:フラグX5の値を「1」に設定する。フラグX5は、その値が「1」であるとき、第2空気漏れ部面積A2が取得されていることを示し、その値が「0」であるとき、第2空気漏れ部面積A2が取得されていないことを示す。なお、フラグX5の値は、前述した図示しないイニシャルルーチンにより「0」に設定されるようになっている。
一方、CPUがステップ535に進んだとき、エンジン回転速度NEが第2回転速度範囲内になければ、CPUはステップ595に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPUはステップ525又はステップ550からステップ530に進むと、フラグX4の値が「1」であり且つフラグX5の値が「1」であるか否かを判定する。即ち、CPUは、ステップ530にて第1空気漏れ部面積A1及び第2空気漏れ部面積A2の何れもが取得されているか否かを判定する。このとき、フラグX4及びフラグX5の何れかの値が「1」でなければ、CPUはステップ530にて「No」と判定してステップ595に直接進み、本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、フラグX4の値が「1」であり且つフラグX5の値が「1」であると、CPUはステップ530にて「Yes」と判定してステップ555に進み、フラグX6の値を「1」に設定する。フラグX6は、その値が「1」であるとき、第1空気漏れ部面積A1及び第2空気漏れ部面積A2の何れもが取得されていることを示し、その値が「0」であるとき、第1空気漏れ部面積A1及び第2空気漏れ部面積A2の少なくとも一方が取得されていないことを示す。フラグX6の値は、前述した図示しないイニシャルルーチンにより「0」に設定されるようになっている。そして、CPUはステップ560にてフラグX3、フラグX4及びフラグX5の値を「0」に設定し、ステップ595に進んで本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPUは図6にフローチャートにより示した異常箇所特定ルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行するようになっている。従って、所定のタイミングになるとCPUはステップ600から処理を開始し、ステップ605に進んでフラグX6の値が「1」であるか否かを判定する。このとき、フラグX6の値が「1」でなければ、CPUはステップ605にて「No」と判定してステップ695に直接進み、本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、前述した図5のステップ555により、フラグX6の値が「1」に設定されていると、CPUはステップ605にて「Yes」と判定してステップ610に進み、第1空気漏れ部面積A1と第2空気漏れ部面積A2との差の絶対値を第1空気漏れ部面積A1で除した値が空気漏れ判定値βより小さいか否かを判定する。ステップ610は、異常箇所特定手段に対応している。
上述したように、吸気通路を構成する部材に開口部が生じ始めた時点においては、その開口部の面積は十分に小さいから、その開口部から流出する空気の流速はサチュレートとしている(チョーク状態にある)。従って、実際に吸気通路を構成する部材に開口部が生じて空気が漏れているという異常が発生しているならば、第1空気漏れ部面積A1及び第2空気漏れ部面積A2は互いに近い値となっているはずである。換言すると、第1空気漏れ部面積A1と第2空気漏れ部面積A2との差の絶対値を第1空気漏れ部面積A1で除した値は空気漏れ判定値βより小さいはずである。
そこで、CPUはステップ610にて「Yes」と判定した場合、ステップ615に進んで吸気通路を構成する部材から空気が漏れていて(吸気通路を構成する部材が異常であり)、且つ、エアフローメータ51は正常であるとの判定結果を記憶する。即ち、CPUは、エアフローメータ異常フラグXAFMの値を「0」に設定するとともに吸気通路構成部材異常フラグXLEKの値を「1」に設定する。その後、CPUはステップ620に進んでフラグX6の値を0に設定し、ステップ695に進んで本ルーチンを一旦終了する。
ところで、CPUがステップ610の判定を行うということは、フラグX6の値が「1」であることを意味し、フラグX6の値が「1」であるということはフラグX3の値が「1」に設定されたことを意味する。フラグX3の値は、図4のステップ420の判定が「Yes」であり、ステップ430の判定が「No」である場合に「1」に設定される。つまり、エアフローメータ51に異常が発生しているか、又は、吸気通路を構成する部材から空気が漏れるという吸気通路を構成する部材に異常が発生しているか、の何れかであるという判定がなされたときにフラグX3(従って、フラグX6)の値は「1」に設定される。従って、ステップ610にて「No」と判定される場合、吸気通路を構成する部材に異常が発生していないと判断されるので、エアフローメータ51が劣化等により正常な値を出力しないという異常が発生していると判断される。
そこで、CPUはステップ610に進んだとき、同ステップ610にて「No」と判定した場合、ステップ625に進んでエアフローメータ51に異常が発生し、且つ、吸気通路を構成する部材は正常であるとの判定結果を記憶する。具体的には、CPUはエアフローメータ異常フラグXAFMの値を「1」に設定するとともに吸気通路構成部材異常フラグXLEKの値を「0」に設定する。その後、CPUはステップ620に進んでフラグX6の値を0に設定し、ステップ695に進んで本ルーチンを一旦終了する。
以上、説明したように、内燃機関の異常判定装置は、第1ガス流量乖離指標値D1、第2ガス流量乖離指標値D2、第1空気漏れ部面積A1及び第2空気漏れ部面積A2を取得し、それらの値に基いて内燃機関に異常が発生したか否かを判定する。
(ターボチャージャ状態量推定装置の推定原理)
次に、ターボチャージャの状態量推定装置によるターボチャージャ状態量の推定原理について説明する。ターボチャージャの状態量推定装置は、コンプレッサ通過ガス流量Ga以外の変数を実測するとともに、ターボチャージャ36の状態をモデル化して表す複数のターボチャージャモデル式に同実測された変数を適用することにより同コンプレッサ通過ガス流量Gaを推定するコンプレッサ通過ガス流量推定手段を構成している。
このターボチャージャの状態量推定装置は、図7に示したように、エネルギーバランス計算部M1、質量保存計算部M2、コンプレッサ状態量計算部(コンプレッサプログラム;コンプレッサモデル)M3、タービン状態量計算部(タービンプログラム;タービンモデル)M4、ターボチャージャ慣性エネルギー計算部M5及び損失エネルギー計算部M6を備え、これらによりターボチャージャの状態量を推定する。なお、ターボチャージャの状態量は、表1に示したとおりである。図8は、ターボチャージャの状態量を説明するための図である。
Figure 2007332882
(エネルギーバランス計算部M1)
エネルギーバランス計算部M1は、(5)式により表されるターボチャージャ36に関するエネルギー保存則を使用する。(5)式は、タービン36bが排気から受け取るエネルギー(タービン取得エネルギー)Ltは、コンプレッサ36aが吸気(コンプレッサ36aを通過するガス)に与えるエネルギー(コンプレッサ付与エネルギー)Lcと、タービンシャフト36cとその軸受との間の摩擦損失等のターボチャージャ36の損失エネルギーLmと、ターボチャージャ慣性エネルギーLiと、の和に等しいというエネルギーバランスを表す式(エネルギーバランス式)である。(5)式は、ターボチャージャモデル式の一つである。
Figure 2007332882
(質量保存計算部M2)
質量保存計算部M2は、(6)式により表されるターボチャージャ36を通過するガスについての質量保存則に基づく式を使用する。即ち、(6)式は、タービン36bを通過するガスの流量(タービン通過ガス流量)G4は、コンプレッサ通過ガス流量Gaと内燃機関10に単位時間あたりに与えられた燃料噴射量(燃料供給量)Qinjとの和に等しいという質量保存則に基づく式(質量保存式)である。(6)式は、ターボチャージャモデル式の一つである。
Figure 2007332882
(6)式の左辺のタービン通過ガス流量G4には、後述するタービン状態量計算部M4により推定される値が代入される。(6)式の右辺の燃料噴射量Qinjには電気制御装置50から各燃料噴射弁21に対して噴射するように指示された燃料噴射量に基づいて求められる値(実測値)が代入される。従って、質量保存計算部M2は、コンプレッサ通過ガス流量Gaを推定値として出力する。
エネルギーバランス計算部M1及び質量保存計算部M2において使用される各変数(Lt、Lc、Lm、Li、G4)を求めるため、ターボチャージャの状態量推定装置は、コンプレッサ状態量計算部M3、タービン状態量計算部M4、ターボチャージャ慣性エネルギー計算部M5、損失エネルギー計算部M6を使用する。以下、各部について個別に説明する。
(コンプレッサ状態量計算部M3)
コンプレッサ状態量計算部M3は、下記の入力値と(7)式〜(14)式により表される数式とを用いて、下記の出力値を推定する。
(7)式〜(14)式は、ターボチャージャのコンプレッサに流入するガスの状態を表すコンプレッサ流入ガス状態変数(コンプレッサ流入ガス温度T0及びコンプレッサ流入ガス圧力P0)、同コンプレッサから流出するガスの状態を表すコンプレッサ流出ガス状態変数(コンプレッサ流出ガス温度T3及びコンプレッサ流出ガス圧力P3)、コンプレッサ通過ガス流量Ga、ターボチャージャ回転速度Nt及びコンプレッサ36aがコンプレッサ36aを通過するガスに与えるエネルギーであるコンプレッサ付与エネルギーLcの間の関係を記述したコンプレッサモデル式である。(7)式〜(14)式は、ターボチャージャモデル式の一つである。
(入力値)
コンプレッサ流入ガス圧力P0(センサ検出値)
コンプレッサ流入ガス温度T0(センサ検出値)
コンプレッサ通過ガス流量Ga(質量保存計算部M2による推定値)
ターボチャージャ回転速度Nt(仮定値:結果的に推定値となる。)
(出力値:推定値)
コンプレッサ流出ガス圧力P3
コンプレッサ流出ガス温度T3
コンプレッサが吸気に与えるエネルギーLc
Figure 2007332882
(7)式は圧力比計算式である。(7)式の関数f1は、変数Gn及び変数N0と、比P3/P0と、の関係を定める関数であって、ここでは実験により予め定められた変換テーブル(マップ)として電気制御装置50のROM内に格納されている。
Figure 2007332882
Figure 2007332882
Figure 2007332882
Figure 2007332882
Figure 2007332882
(12)式はコンプレッサ効率計算式である。(12)式の関数f2は、変数Gn及び変数N0と、コンプレッサ効率ηcと、の関係を定める関数であって、ここでは実験により予め定められた変換テーブル(マップ)として電気制御装置50のROM内に格納されている。
Figure 2007332882
(13)式はコンプレッサ効率定義式である。
Figure 2007332882
(14)式はコンプレッサエネルギー式(実験式)である。
理解のため、上記の(7)式に(8)式〜(11)式を代入すると、下記の(15)式が得られる。(15)式の右辺に対し、Gaとして質量保存計算部M2により推定されたコンプレッサ通過ガス流量Gaを代入し、P0としてコンプレッサ流入ガス圧力センサ52の検出値を代入し、T0としてコンプレッサ流入ガス温度センサ53の検出値を代入するとともに、ターボチャージャ回転速度Ntを適当な仮定値として与えてやれば、コンプレッサ流出ガス圧力P3が求められる。
Figure 2007332882
この(15)式により、(13)式の右辺のP3/P0が得られる。(13)式のコンプレッサ効率ηcは(8)式〜(12)式から得られる。コンプレッサ流入ガス温度T0はコンプレッサ流入ガス温度センサ53により検出されている。従って、(13)式からコンプレッサ流出ガス温度T3が推定される。
更に、推定されたコンプレッサ流出ガス温度T3、検出されているコンプレッサ流入ガス温度T0及び推定されているコンプレッサ通過ガス流量Gaを、(14)式に代入することにより、コンプレッサ付与エネルギーLcが推定される。
(タービン状態量計算部M4)
タービン状態量計算部M4は、下記の入力値と(16)式〜(21)式により表される数式とを用いて、下記の出力値を推定する。(16)式〜(21)式は、ターボチャージャモデル式の一つである。
(16)式〜(21)式は、ターボチャージャ36のタービン36bに流入するガスの状態を表すタービン流入ガス状態変数(タービン流入ガス温度T4及びタービン流入ガス圧力P4)、同タービン36bから流出するガスの状態を表すタービン流出ガス状態変数(タービン流出ガス温度T6及びタービン流出ガス圧力P6)、同タービン36bを通過するガスの流量であるタービン通過ガス流量G4、前記ターボチャージャ回転速度Nt、バリアブルノズル開度VN及び同タービン36bが同タービン36bを通過するガスから受け取るエネルギーであるタービン取得エネルギーLtの間の関係を記述したタービンモデル式である。
(入力値)
タービン流入ガス圧力P4(センサ検出値)
タービン流入ガス温度T4(センサ検出値)
タービン流出ガス圧力P6(センサ検出値)
バリアブルノズル開度VN(センサ検出値)
ターボチャージャ回転速度Nt(仮定値:結果的に推定値となる。)
(出力値:推定値)
タービン通過ガス流量G4
タービン流出ガス温度T6
タービンが排気から受け取るエネルギー(タービン取得エネルギー)Lt
Figure 2007332882
(16)式は流量計算式である。(16)式の関数f3は、変数P4/P6,変数N1及び変数VNと、修正流量Q4と、の関係を定める関数であって、ここでは実験により予め定められた変換テーブル(マップ)として電気制御装置50のROM内に格納されている。
Figure 2007332882
Figure 2007332882
Figure 2007332882
(19)式はタービン効率計算式である。(19)式の関数f4は、変数P4/P6,変数N1及び変数VNと、タービン効率ηtと、の関係を定める関数であって、ここでは実験により予め定められた変換テーブル(マップ)として電気制御装置50のROM内に格納されている。
Figure 2007332882
(20)式はタービン効率定義式である。
Figure 2007332882
(21)式はタービンエネルギー式(実験式)である。
理解のため、上記の(18)式に(16)式及び(17)式を代入すると、下記の(22)式が得られる。
Figure 2007332882
(22)式の右辺に対し、P6としてタービン流出ガス圧力センサ56の検出値を代入し、P4としてタービン流入ガス圧力センサ54の検出値を代入し、T4としてタービン流入ガス温度センサ55の検出値を代入し、VNとしてバリアブルノズル開度センサ57の検出値を代入するとともに、ターボチャージャ回転速度Ntを適当な仮定値として与えてやれば、タービン通過ガス流量G4が推定される。
一方、P4はタービン流入ガス圧力センサ54の検出値であり、P6はタービン流出ガス圧力センサ56の検出値であるからP4/P6は求められる。また、Ntは仮定値であり、T4はタービン流入ガス温度センサ55の検出値であり、VNはバリアブルノズル開度センサ57の検出値であるから、(17)式及び(19)式からタービン効率ηtが求められる。従って、(20)式の右辺のP6/P4及びηtが定まるので、(20)式によりT6/T4が求められる。更に、T4はタービン流入ガス温度センサ55により検出されているから、(20)式に基づいてタービン流出ガス温度T6が推定される。以上により、G4、T4及びT6が定まるので、(21)式によりタービン取得エネルギーLtが求められる。
(ターボチャージャ慣性エネルギー計算部M5)
ターボチャージャ慣性エネルギー計算部M5は、慣性エネルギー式である(23)式に基づいてターボチャージャ慣性エネルギーLiを推定する。(23)式の関数 funcLi は、ターボチャージャ回転速度Ntとターボチャージャ回転速度Ntの時間微分値(dNt/dt)とを変数としてターボチャージャ慣性エネルギーLiを求める関数であって、ここでは実験により予め定められた変換テーブル(マップ)として電気制御装置50のROM内に格納されている。本明細書においては、(23)式のように変換テーブルを用いてある値を取得する場合も、「ある値を式を用いて求める」と表現している。(23)式は、ターボチャージャモデル式の一つである。
Figure 2007332882
(損失エネルギー計算部M6)
損失エネルギー計算部M6は、損失エネルギー式である(24)式に基づいてその他の損失エネルギーLmを推定する。(24)式の関数 funcLm は、ターボチャージャ回転速度Ntを変数としてその他の損失エネルギーLmを求める関数であって、ここでは実験により予め定められた変換テーブル(マップ)として電気制御装置50のROM内に格納されている。なお、関数 funcLm は、例えば、funcLm=km・Nt(km, nは定数)のように数式により表された関数であってもよい。(24)式は、ターボチャージャモデル式の一つである。
Figure 2007332882
本実施形態のターボチャージャ状態量推定装置は、所定の変数(P0,T0,P4,T4,P6,Qinj,VN)を各センサ及び計算値から検出し、これらを入力値とするとともに、ターボチャージャ36に関するエネルギー保存則を表す(1)式が満足されるまで、ターボチャージャ回転速度Ntの値を順次変更し、(1)式が満足されたときの各値(P3,T3,T6,Ga,G4,Nt)を推定値として出力する。
(実際の作動)
次に、このターボチャージャ状態量推定装置の実際の作動について、図9乃至図11を参照しながら説明する。
電気制御装置50のCPUは、ターボチャージャ状態量を推定するにあたり、図9のステップ900から処理を開始し、ステップ905に進んでターボチャージャ回転速度Ntに初期値Ntintを設定する。初期値Ntintは、最終的に推定されるターボチャージャ回転速度Ntが取り得るであろう最小値より僅かに小さい値に選択されている。
次いで、CPUはステップ910に進み、図10のフローチャートにより示したタービンプログラムのステップ1000に進む。そして、CPUはステップ1005に進んでタービン流入ガス圧力P4、タービン流入ガス温度T4、タービン流出ガス圧力P6及びバリアブルノズル開度VNを、タービン流入ガス圧力センサ54、タービン流入ガス温度センサ55、タービン流出ガス圧力センサ56及びバリアブルノズル開度センサ57からそれぞれ取得する。
次に、CPUは以下のステップ1010乃至ステップ1040の処理を行う。
ステップ1010:(17)式に従って値N1を求める。
ステップ1015:(16)式に従って値Q4を求める。
ステップ1020:(18)式に従ってタービン通過ガス流量G4を求める。
ステップ1025:(19)式に従ってタービン効率ηtを求める。
ステップ1030:(20)式に従ってタービン流出ガス温度T6を求める。
ステップ1035:(21)式に従ってタービンが排気から受け取るエネルギー(タービン取得エネルギー)Ltを求める。
ステップ1040:以上により算出されたタービン通過ガス流量G4、タービン流出ガス温度T6及びタービン取得エネルギーLtをRAMの所定領域に格納する。なお、CPUは、上記ステップで使用又は算出した他の値もRAMの所定領域に格納しておく。
次いで、CPUはステップ1095を介して図9のステップ915に戻り、図示しない周知の燃料噴射量計算プログラムによりアクセル操作量を表す信号Accpとエンジン回転速度NEとに基づいて定められている燃料噴射量Qinjを入力する。その後、CPUはステップ920に進み、ステップ910(図10のステップ1020)にて求めたタービン通過ガス流量G4とステップ915にて取得した燃料噴射量Qinjと(6)式とに基づいてコンプレッサ通過ガス流量Gaを推定する。これにより、(6)式の質量保存則に基づく式が計算結果に反映されることになる。
次いで、CPUはステップ925に進み、図11のフローチャートにより示したコンプレッサプログラムのステップ1100に進む。そして、CPUは、以下のステップ1105乃至ステップ1145の処理を行う。
ステップ1105:コンプレッサ流入ガス圧力P0及びコンプレッサ流入ガス温度T0を、コンプレッサ流入ガス圧力センサ52及びコンプレッサ流入ガス温度センサ53からそれぞれ取得する。
ステップ1110:(10)式及び(11)式に従って値θ0及び値δ0を算出する。
ステップ1115:(9)式に従って値N0を求める。
ステップ1120:(8)式に従って値Gnを求める。
ステップ1125:(7)式に従ってコンプレッサ流出ガス圧力P3を求める。
ステップ1130:(12)式に従ってコンプレッサ効率ηcを求める。
ステップ1135:(13)式に従ってコンプレッサ流出ガス温度T3を求める。
ステップ1140:(14)式に従ってコンプレッサ付与エネルギーLcを求める。
ステップ1145:以上により算出されたコンプレッサ流出ガス圧力P3、コンプレッサ流出ガス温度T3及びコンプレッサ付与エネルギーLcをRAMの所定領域に格納する。なお、CPUは、上記ステップで使用又は算出した他の値もRAMの所定領域に格納しておく。
次いで、CPUはステップ1195を介して図9のステップ930に戻り、同ステップ930にてターボチャージャ慣性エネルギーLiを(23)式に基づいて求めるとともに、その他の損失エネルギーLmを(24)式に基づいて求める。その後、CPUはステップ935に進み、タービンプログラム(ステップ910、図10のステップ1035)により求められたタービン取得エネルギーLt、コンプレッサプログラム(ステップ925、図11のステップ1140)により求められたコンプレッサ付与エネルギーLc、ステップ930にて求められたターボチャージャ慣性エネルギーLi及びその他の損失エネルギーLmが、(5)式のエネルギーバランス式(エネルギー保存式)を満足しているか否かを判定する。
この時点で、(5)式が成立していなければ、CPUはステップ935にて「No」と判定してステップ940に進み、ターボチャージャ回転速度Ntを所定の微小値βだけ増大する。その後、CPUはステップ910に戻ってステップ910乃至ステップ935までの処理を再び実行する。
これにより、上記エネルギーLt、Lc、Li及びLmを含む各値が更新される。このような処理(ステップ910〜ステップ930)は、ステップ935にて(5)式(エネルギーバランス式)が成立するまで繰り返し行われる。
従って、ターボチャージャ回転速度Ntが適正値になると、上記エネルギーLt、Lc、Li及びLmを含む各値が適正値となるので、(5)式のエネルギーバランス式が成立する。これにより、CPUはステップ935に進んだとき、同ステップ935にて「Yes」と判定してステップ945に進み、その時点で算出されているコンプレッサ流出ガス圧力P3、コンプレッサ流出ガス温度T3、タービン流出ガス温度T6、ターボチャージャ回転速度Nt、タービン通過ガス流量G4及びコンプレッサ通過ガス流量Gaをターボチャージャ状態量の推定値として出力する。この推定されたコンプレッサ通過ガス流量Gaが、上述した異常判定装置により用いられる。その後、CPUはステップ995に進み、本ルーチンを一旦終了する。以上が、本実施形態に係るターボチャージャ状態量推定装置の作動である。
このように、ターボチャージャ状態量推定装置は、コンプレッサモデル式、タービンモデル式、慣性エネルギー式、損失エネルギー式、エネルギーバランス式、及び、質量保存式からなる複数のターボチャージャモデル式を連立して、それらの式に変数として含まれるターボチャージャ状態量の幾つか(P0、T0、P4、T4、P6,Qinj、VN)を実測し、その実測値をこれらの式に適用することにより他のターボチャージャ状態量(P3、T3,T6、Ga、G4、Nt)を推定する。従って、より少ない数のセンサを用いてターボチャージャ状態量を表す値を取得することができる。
なお、上記コンプレッサモデル式は、前記ターボチャージャのコンプレッサに流入するガスの状態を表すコンプレッサ流入ガス状態変数、同コンプレッサから流出するガスの状態を表すコンプレッサ流出ガス状態変数、同コンプレッサを通過するガスの流量であるコンプレッサ通過ガス流量、同ターボチャージャの回転軸の回転速度であるターボチャージャ回転速度及び同コンプレッサが同コンプレッサを通過するガスに与えるエネルギーであるコンプレッサ付与エネルギーの間の関係を記述した式である。
タービンモデル式は、前記ターボチャージャのタービンに流入するガスの状態を表すタービン流入ガス状態変数、同タービンから流出するガスの状態を表すタービン流出ガス状態変数、同タービンを通過するガスの流量であるタービン通過ガス流量、前記ターボチャージャ回転速度及び同タービンが同タービンを通過するガスから受け取るエネルギーであるタービン取得エネルギーの間の関係を記述した式である。
慣性エネルギー式は、前記ターボチャージャ回転速度に基づいてターボチャージャの慣性エネルギーを求めるための式である。
損失エネルギー式は、前記ターボチャージャ回転速度に基づいてターボチャージャの損失エネルギーを求めるための式である。
そして、上記ターボチャージャ状態量推定装置は、上記複数の式において用いられる複数の変数のうちの所定の変数を実測するとともに、同実測された所定の変数のうちエアフローメータにより測定されたコンプレッサ通過ガス流量以外の変数を同複数の式に適用することにより、前記コンプレッサ流入ガス状態変数、前記コンプレッサ流出ガス状態変数、前記タービン流入ガス状態変数、前記タービン流出ガス状態変数、前記コンプレッサ通過ガス流量、前記タービン通過ガス流量、前記ターボチャージャ回転速度及び前記内燃機関に供給される燃料量のうちの実測されていない変数(又は、実測されていても前記複数の式に適用しなかった変数、例えば、コンプレッサ通過ガス流量)を前記ターボチャージャの状態量として推定する装置であると言うことができる。
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る異常判定装置は、エアフローメータ51に異常が発生しているか否か、及び/又は、吸気通路を構成する部材に異常が発生しているか否か、を判定することができる。
本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態においては、ターボチャージャ回転速度Ntは、エネルギー保存則に基づく式が成立するまで、初期値Ntintから次第に増大されていたが、最初は初期値Ntintにて計算を行い、次に初期値Ntint+γにて計算を行い、次いで初期値Ntint−γにて計算を行い、その次に初期値Ntint+2・γ、初期値Ntint−2・γ、初期値Ntint+3・γ、更に、初期値Ntint−3・γのように、増減させて行ってもよい。また、仮定値としてのターボチャージャ回転速度Ntに想定される中で最大の値を初期値として与えておき、推定途中において初期値Ntintから次第に減少してもよい。更に、ターボチャージャ回転速度Ntを検出(実測)するターボチャージャ回転速度センサを内燃機関10に備えておき、検出されたターボチャージャ回転速度Ntをターボチャージャモデル式に適用してもよい。この場合、図9のステップ905、ステップ935及びステップ940は省略され得る。
更に、上記各実施形態において状態量が推定されるターボチャージャは、バリアブルノズル式ターボチャージャであったので、バリアブルノズル開度VNをターボチャージャ状態量の一つとしていた。これに対し、バリアブルノズル可変機構を備えない(バリアブルノズル式でない)ターボチャージャにも本発明は当然に適用できる。この場合、例えば、(16)式及び(19)式などにおいて、バリアブルノズル開度VNを一定値にすれば、上記複数の式をそのまま用いてターボチャージャの状態量を求めることができる。
加えて、上記実施形態のターボチャージャ状態量推定装置が使用した変数以外の変数を用いて、コンプレッサ通過ガス流量を表す信号Gaを推定してもよい。
また、上記実施形態に係る異常判定装置は、ガス流量乖離指標値として第1ガス流量乖離指標値D1及び第2ガス流量乖離指標値D2の二つの値を取得し、第1ガス流量乖離指標値D1の絶対値及び第2ガス流量乖離指標値D2の絶対値のうちの少なくとも一方が異常判定閾値αより大きいとき(図4のステップ420)、エアフローメータ51に異常が生じているか又は吸気通路を構成する部材に異常が生じていると判定していた(ステップ435、ステップ615及びステップ625を参照。)。
これに対し、異常判定装置は、ガス流量乖離指標値として一つのガス流量乖離指標値Dを第1ガス流量乖離指標値D1又は第2ガス流量乖離指標値D2と同様に取得し、その一つのガス流量乖離指標値Dの絶対値が異常判定閾値αより大きいとき、エアフローメータ51に異常が生じているか又は吸気通路を構成する部材に異常が生じていると判定するように構成されていてもよい。また、ステップ420を、第1ガス流量乖離指標値D1の絶対値が第1異常判定閾値α1より大きいか、及び、第2ガス流量乖離指標値D2の絶対値が第1異常判定値α1とは異なる第2異常判定閾値α2より大きいか、の何れかが成立しているかを判定するステップに変更してもよい。
加えて、上記実施形態に係る異常判定装置は、図4のステップ430において第1ガス流量乖離指標値D1及び第2ガス流量乖離指標値D2の何れもが異常判定閾値αより大きいとき、エアフローメータ51に異常が生じており、且つ、吸気通路を構成する部材に異常が生じていないと判定していた。これに対し、異常判定装置は、ガス流量乖離指標値として一つのガス流量乖離指標値Dを第1ガス流量乖離指標値D1又は第2ガス流量乖離指標値D2と同様に取得し、その一つのガス流量乖離指標値Dが異常判定閾値αより大きいとき、エアフローメータ51に異常が生じており、且つ、吸気通路を構成する部材に異常が生じていないと判定するように構成されていてもよい。加えて、この場合、ステップ430を、ガス流量乖離指標値Dを取得した際に使用した推定されたコンプレッサ通過ガス流量Gaがガス流量乖離指標値Dを取得した際に使用した実際に測定されたコンプレッサ通過ガス流量GaAFMより大きいか否かを判定するステップに置換してもよい。
更に、異常異常判定装置は、ステップ430を、第1ガス流量乖離指標値D1を取得した際の推定されたコンプレッサ通過ガス流量Gaが第1ガス流量乖離指標値D1を取得した際の実際に測定されたコンプレッサ通過ガス流量GaAFMより(0を含む正の所定値以上だけ)大きく、且つ、第2ガス流量乖離指標値D2を取得した際の推定されたコンプレッサ通過ガス流量Gaが第2ガス流量乖離指標値D2を取得した際の実際に測定されたコンプレッサ通過ガス流量GaAFMより(0を含む正の所定値以上だけ)大きいか否かを判定するステップに置換してもよい。
また、上記異常判定装置は、図3のステップ305及び図5のステップ510にてエンジン回転速度NEが第1回転速度範囲内にあるか否かを判定しているが、これらの各ステップを「機関10に実際に供給されているガスの流量である実ガス流量が第1範囲内にあるか否かを判定するステップ」に置換してもよい。この判定を行うための実ガス流量には、ターボチャージャの状態量推定装置MDにより推定されるコンプレッサ通過ガス流量Ga又はタービン通過ガス流量G4が使用され得る。
同様に、上記異常判定装置は、図3のステップ320及び図5のステップ535にてエンジン回転速度NEが第2回転速度範囲内にあるか否かを判定しているが、これらの各ステップを「機関10に実際に供給されているガスの流量である実ガス流量が前記第1範囲よりも流量の大きな第2範囲内にあるか否かを判定するステップ」に置換してもよい。この判定を行うための実ガス流量には、ターボチャージャの状態量推定装置MDにより推定されるコンプレッサ通過ガス流量Ga又はタービン通過ガス流量G4が使用され得る。
本発明の実施形態に係る内燃機関の異常判定装置及びターボチャージャ状態量推定装置が適用される内燃機関の概略構成図である。 本発明の実施形態に係る内燃機関の異常判定装置及びターボチャージャ状態量推定装置の機能的関係を示したブロック図である。 図1に示した電気制御装置のCPUが実行する異常判定値取得プログラムを示したフローチャートである。 図1に示した電気制御装置のCPUが実行する異常検出プログラムを示したフローチャートである。 図1に示した電気制御装置のCPUが実行する漏れ部面積算出プログラムを示したフローチャートである。 図1に示した電気制御装置のCPUが実行する異常箇所特定プログラムを示したフローチャートである。 本発明の実施形態に係る内燃機関のターボチャージャ状態量推定装置の機能ブロック図である。 図1に示したターボチャージャ状態量推定装置がターボチャージャ状態量として扱う変数を示す図である。 図1に示した電気制御装置のCPUが実行するプログラムを示したフローチャートである。 図1に示した電気制御装置のCPUが実行するプログラム(コンプレッサプログラム)を示したフローチャートである。 図1に示した電気制御装置のCPUが実行するプログラム(タービンプログラム)を示したフローチャートである。
符号の説明
10…多気筒ディーゼルエンジン(内燃機関)、20…エンジン本体、21…燃料噴射弁、30…吸気系統、31…インテークマニホールド、32…サージタンク、33…吸気管、34…スロットル弁、34a…スロットル弁アクチュエータ、35…インタクーラ、36…ターボチャージャ、36a…コンプレッサ、36a1…コンプレッサブレード、36b…タービン、36b1…タービンブレード、36c…タービンシャフト、36d…ノズルベーン、36e…ノズルベーンアクチュエータ、40…排気系統、41…排気マニホールド、42…排気管、50…電気制御装置、51…エアフローメータ、52…コンプレッサ流入ガス圧力センサ、53…コンプレッサ流入ガス温度センサ、54…タービン流入ガス圧力センサ、55…タービン流入ガス温度センサ、56…タービン流出ガス圧力センサ、57…バリアブルノズル開度センサ、58…アクセルペダル操作量センサ、59…エンジン回転速度センサ、DG…異常判定装置、MD…ターボチャージャ状態量推定装置、M1…エネルギーバランス計算部、M2…質量保存計算部、M3…コンプレッサ状態量計算部、M4…タービン状態量計算部、M5…ターボチャージャ慣性エネルギー計算部、M6…損失エネルギー計算部。

Claims (4)

  1. 内燃機関の吸気通路を構成する部材に介装されたコンプレッサと同内燃機関の排気通路を構成する部材に介装されたタービンとを有するターボチャージャと、前記コンプレッサを通過するガスの流量であるコンプレッサ通過ガス流量を実際に測定するエアフローメータと、を備え、前記内燃機関に異常が発生しているか否かを判定する内燃機関の異常判定装置であって、
    前記コンプレッサ通過ガス流量以外の所定の変数を実測するとともに同ターボチャージャの状態をモデル化して表すターボチャージャモデル式に同実測された変数を適用することにより同コンプレッサ通過ガス流量を推定するコンプレッサ通過ガス流量推定手段と、
    前記実際に測定されたコンプレッサ通過ガス流量と前記推定されたコンプレッサ通過ガス流量との差に応じた値であるガス流量乖離指標値の絶対値が異常判定閾値より大きいか否かを判定するとともに同ガス流量乖離指標値の絶対値が同異常判定閾値より大きいと判定されたときに前記エアフローメータ及び前記吸気通路を構成する部材の何れかに異常が発生したと判定する異常判定手段と、
    を備えた内燃機関の異常判定装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の異常判定装置において、
    前記異常判定手段は、
    前記推定されたコンプレッサ通過ガス流量が前記実際に測定されたコンプレッサ通過ガス流量よりも大きいか否かを判定し、前記ガス流量乖離指標値の絶対値が前記異常判定閾値より大きいと判定され且つ同推定されたコンプレッサ通過ガス流量が同実際に測定されたコンプレッサ通過ガス流量よりも大きいと判定されたとき、前記エアフローメータに異常が発生したと判定するように構成された内燃機関の異常判定装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の異常判定装置において、
    前記異常判定手段は、
    前記機関に実際に供給されているガスの流量である実ガス流量が第1範囲内にあるか否かを判定するとともに同実ガス流量が同第1範囲内にあると判定されるとき前記吸気通路を構成する部材のうち前記コンプレッサ下流位置において同吸気通路を構成する部材に発生した同吸気通路内と同吸気通路外とを連通する空気漏れ部の面積を第1空気漏れ部面積として取得する第1空気漏れ部面積算出手段と、
    前記実ガス流量が前記第1範囲よりも大きい第2範囲内にあるか否かを判定するとともに同実ガス流量が同第2範囲内にあると判定されるとき前記コンプレッサ下流位置において同吸気通路を構成する部材に発生した同吸気通路内と同吸気通路外とを連通する空気漏れ部の面積を第2空気漏れ部面積として取得する第2空気漏れ部面積算出手段と、
    前記取得された第1空気漏れ部面積と前記取得された第2空気漏れ部面積との差に応じた値である漏れ部面積乖離指標値の絶対値が所定値より小さいか否かを判定し、同漏れ部面積乖離指標値の絶対値が同所定値より小さいと判定されたとき前記吸気通路を構成する部材に異常が発生し且つ前記エアフローメータには異常が発生していないと判定し、同漏れ部面積乖離指標値の絶対値が同所定値より大きいと判定されたとき同エアフローメータに異常が発生し且つ前記吸気通路を構成する部材には異常が発生していないと判定する異常箇所特定手段と、
    を含む内燃機関の異常判定装置。
  4. 請求項3に記載の内燃機関の異常判定装置において、
    前記第1空気漏れ部面積算出手段は、前記内燃機関の回転速度が第1回転速度範囲内にあるとき前記実ガス流量が前記第1範囲内にあると判定するように構成され、
    前記第2空気漏れ部面積算出手段は、前記内燃機関の回転速度が前記第1回転速度範囲よりも大きい第2回転速度範囲内にあるとき前記実ガス流量が前記第2範囲内にあると判定するように構成された内燃機関の異常判定装置。
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