JP2007332428A - 湿ダストの処理方法及び焼結鉱の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】湿ダストの処理方法では、湿式集塵機から回収されたスラッジ状の湿ダストを脱水処理して脱水ケーキ化し、この脱水ケーキを解砕するとともに、乾ダストを加えて混合・造粒することにより、焼結原料となるダスト造粒物を得る。また、焼結鉱の製造方法では、湿式集塵機から回収されたスラッジ状の湿ダストを脱水処理して脱水ケーキ化し、この脱水ケーキを解砕するとともに、乾ダストを加えて混合・造粒することによりダスト造粒物を形成し、このダスト造粒物を焼結原料の一部として焼結鉱を製造する。
【選択図】図1
Description
この溶融還元炉は、炉内にコークスなどの炭素系固体還元材が充填される竪型炉であって、羽口を炉高方向で多段(通常、上下2段)に設け、上段側の羽口から熱風又は酸素富化熱風とともに粉粒状の原料(例えば、高Cr含有OGダストなど)を吹き込み、下段側の羽口から熱風又は酸素富化熱風を吹き込むものである。この溶融還元炉では、上段側の羽口から吹き込まれた原料が羽口先で軟化・溶融するとともに、当該羽口先や下段側の羽口の羽口先、さらには溶融物として炉床に滴下するまでの過程で炭素系固体還元材により直接還元される(例えば、特許文献1)。
また、上述したような湿ダスト以外で、例えばカーボン含有量が比較的低い湿ダストであっても、これを脱水ケーキのまま焼結原料として焼結機パレットに装入した場合には、装入原料内で熱偏差を生じやすく、焼結鉱の焼けムラの原因となりやすい。
また、本発明の他の目的は、湿式と乾式の各集塵機から回収される湿ダストと乾ダストを焼結原料の一部として焼結鉱を製造することができる焼結鉱の製造方法を提供することにある。
[1]湿式集塵機から回収されたスラッジ状の湿ダストを脱水処理して脱水ケーキ化し、該脱水ケーキを解砕するとともに、乾ダストを加えて混合・造粒することにより、焼結原料となるダスト造粒物を得ることを特徴とする湿ダストの処理方法。
[2]上記[1]の処理方法において、湿ダストに、乾ダストとともにバインダーを加えて混合・造粒することによりダスト造粒物を得ることを特徴とする湿ダストの処理方法。
[3]上記[1]又は[2]の処理方法において、ガス流路に乾式集塵機と湿式集塵機とを有する設備における前記湿式集塵機から回収されたスラッジ状の湿ダストを処理する際に、前記乾式集塵機から回収された乾ダストを加えることを特徴とする湿ダストの処理方法。
[4]上記[3]の処理方法において、湿ダストと乾ダストの少なくとも各一部が、クロム鉱石の溶融還元工程で生じた転炉ダストを原料の少なくとも一部に用いて溶銑を製造する竪型溶融還元炉の排ガス集塵機から回収されたものであることを特徴とする湿ダストの処理方法。
[6]上記[5]の製造方法において、湿ダストに、乾ダストとともにバインダーを加えて混合・造粒することによりダスト造粒物を形成することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
[7]上記[5]又は[6]の製造方法において、ガス流路に乾式集塵機と湿式集塵機とを有する設備における前記湿式集塵機から回収されたスラッジ状の湿ダストを用いる際に、前記乾式集塵機から回収された乾ダストを加えることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
[8]上記[7]の製造方法において、湿ダストと乾ダストの少なくとも各一部が、クロム鉱石の溶融還元工程で生じた転炉ダストを原料の少なくとも一部に用いて溶銑を製造する竪型溶融還元炉の排ガス集塵機から回収されたものであることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
本発明においてダスト造粒物とは、解砕された湿ダストとこれに加えられた乾ダストなどからなる混合物が、攪拌や転動などの造粒作用を受けることによって、擬似粒子化したものを指す。
また、本発明の焼結鉱の製造方法によれば、湿式と乾式の各集塵機から回収される湿ダストと乾ダストを用いて焼結原料として好適なダスト造粒物を製造し、これを焼結原料の一部として焼結鉱を製造することができる。
図において、1は竪型溶融還元炉、2はこの竪型溶融還元炉1の排ガス導管、3はこの排ガス導管2に設けられる乾式集塵機(サイクロン)、4は同じくその下流側に設けられる湿式集塵機である。
なお、上記羽口群5は炉高方向で3段以上の多段に設けてもよく、この場合には上段側の1段または2段以上の羽口群5aから高Cr含有OGダストの吹き込みが行われる。
この脱水ケーキ化された湿ダストは解砕・造粒処理装置9に供給される。この解砕・造粒処理装置9では、脱水ケーキを解砕するとともに、乾ダストなどを加えて混合・造粒することにより、焼結原料となるダスト造粒物(湿ダスト、乾ダストなどの混合物の擬似粒子)を得る。
なお、他の乾ダストとしては、焼結集塵ダスト、製鋼集塵ダスト、高炉集塵ダストなどの1種又は2種以上を用いることができる。高炉集塵ダストには、高炉炉頂からの排ガス中から集塵されたダスト、高炉鋳床で集塵されたダストがあり、いずれも使用することができる。
また、適切なダスト造粒物を得るには、上記乾ダストに加えてバインダーを配合することが好ましい。このため、必要に応じてホッパー6cからバインダーが解砕・造粒処理装置9に供給される。このバインダーとしては、例えば、生石灰、セメント、消石灰などの1種又は2種以上を用いることができる。
湿ダストに対する乾ダストの添加量は、原料の混合物が造粒可能な水分量となるように、湿ダストの水分量に応じて適宜選択されるが、造粒性の観点から乾ダストなどを混合した後の混合物としての水分量が18〜28mass%程度になるように添加することが好ましい。通常、湿ダストの脱水ケーキの水分量は40〜50mass%程度であるので、一般には乾ダストの添加量(バインダーを添加する場合は、バインダーを含む添加量)は、[湿ダスト(水分を含む)]/[乾ダスト(バインダーを含む)]の質量比で36/64〜70/30程度とするのが適当である。
ダスト造粒物の粒度分布も特別な制限はないが、好ましくは粒径2〜8mmの割合が80mass%以上となるような粒度分布が適当である。
解砕・造粒処理装置9で得られたダスト造粒物は、焼結原料として適当な運搬用容器10で焼結工場に搬送され、受入ホッパー11、貯蔵ホッパー12、焼結給鉱ホッパー13を順次経由して供給フィーダー14から他の焼結原料とともに焼結機パレット15に装入され、焼結鉱が製造される。なお、18は各ホッパー間を連絡する搬送コンベアである。
鉄鋼製造プロセスで発生するものとしては、例えば、転炉ダスト、高炉湿ダストなどを挙げることができ、上記実施形態の湿ダストを含め、これら湿ダストの1種又は2種以上を処理の対象若しくは原料とすることができる。
(1)湿ダスト
ダストA:クロム鉱石の溶融還元工程で生じた転炉ダスト(C:12mass%、Fe:57mass%、Cr:9mass%)を原料として高Cr溶銑を製造する竪型溶融還元炉の排ガス流路の湿式集塵機から回収されたダスト(C:14mass%、Fe:18mass%、Cr:3mass%)
ダストB:高炉湿ダスト(C:18mass%、Fe:42mass%、Cr:0mass%)
ダストa:クロム鉱石の溶融還元工程で生じた転炉ダスト(C:12mass%、Fe:57mass%、Cr:9mass%)を原料として高Cr溶銑を製造する竪型溶融還元炉の排ガス流路の乾式集塵機から回収されたダスト(C:67mass%、Fe:11mass%、Cr:1.4mass%)
ダストb:焼結集塵ダスト(C:2mass%、Fe:47mass%、Cr:0mass%)
各実施例における処理・製造条件(使用した湿ダスト、乾ダスト、バインダーの種類や配合量など)と得られたダスト造粒物の構成を表1に示す。
2 排ガス導管
3 乾式集塵機
4 湿式集塵機
5a,5b 羽口群
6a,6b,6c ホッパー
7 シックナー
8 脱水機
9 解砕・造粒処理装置
10 運搬用容器
11 受入ホッパー
12 貯蔵ホッパー
13 焼結給鉱ホッパー
14 供給フィーダー
15 焼結機パレット
16 シャトルコンベア
17,18 搬送コンベア
X 焼結原料
Y ダスト造粒物
Claims (8)
- 湿式集塵機から回収されたスラッジ状の湿ダストを脱水処理して脱水ケーキ化し、該脱水ケーキを解砕するとともに、乾ダストを加えて混合・造粒することにより、焼結原料となるダスト造粒物を得ることを特徴とする湿ダストの処理方法。
- 湿ダストに、乾ダストとともにバインダーを加えて混合・造粒することによりダスト造粒物を得ることを特徴とする請求項1に記載の湿ダストの処理方法。
- ガス流路に乾式集塵機と湿式集塵機とを有する設備における前記湿式集塵機から回収されたスラッジ状の湿ダストを処理する際に、前記乾式集塵機から回収された乾ダストを加えることを特徴とする請求項1又は2に記載の湿ダストの処理方法。
- 湿ダストと乾ダストの少なくとも各一部が、クロム鉱石の溶融還元工程で生じた転炉ダストを原料の少なくとも一部に用いて溶銑を製造する竪型溶融還元炉の排ガス集塵機から回収されたものであることを特徴とする請求項3に記載の湿ダストの処理方法。
- 湿式集塵機から回収されたスラッジ状の湿ダストを脱水処理して脱水ケーキ化し、該脱水ケーキを解砕するとともに、乾ダストを加えて混合・造粒することによりダスト造粒物を形成し、該ダスト造粒物を焼結原料の一部として焼結鉱を製造することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
- 湿ダストに、乾ダストとともにバインダーを加えて混合・造粒することによりダスト造粒物を形成することを特徴とする請求項5に記載の焼結鉱の製造方法。
- ガス流路に乾式集塵機と湿式集塵機とを有する設備における前記湿式集塵機から回収されたスラッジ状の湿ダストを用いる際に、前記乾式集塵機から回収された乾ダストを加えることを特徴とする請求項5又は6に記載の焼結鉱の製造方法。
- 湿ダストと乾ダストの少なくとも各一部が、クロム鉱石の溶融還元工程で生じた転炉ダストを原料の少なくとも一部に用いて溶銑を製造する竪型溶融還元炉の排ガス集塵機から回収されたものであることを特徴とする請求項7に記載の焼結鉱の製造方法。
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