JP2007332321A - 含フッ素重合体濃縮方法および水溶性含フッ素乳化剤濃縮方法 - Google Patents

含フッ素重合体濃縮方法および水溶性含フッ素乳化剤濃縮方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、効率よく含フッ素重合体水性分散液中の含フッ素重合体を濃縮し、水溶性含フッ素乳化剤を含む水溶液中の水溶性含フッ素乳化剤を濃縮し得る、濃縮方法を提供することにある。
【解決手段】含フッ素重合体水性分散液中の含フッ素重合体の濃縮方法は、含フッ素重合体水性分散液を用意する工程と、高分子膜で含フッ素重合体水性分散液を濾過する工程とを含む。濾過の間、高分子膜は振動している。また、水溶性含フッ素乳化剤を含む水溶液中の水溶性含フッ素乳化剤を濃縮する方法は、水溶性含フッ素乳化剤を含む水溶液を用意する工程と、高分子膜で水溶性含フッ素乳化剤を含む水溶液を濾過すると工程を含む。両方の濾過工程の間、高分子膜は振動している。
【選択図】図1

Description

本発明は、含フッ素重合体及び水溶性含フッ素乳化剤の濃縮方法に関する。
含フッ素重合体水性分散液は、含フッ素モノマーを水溶性重合開始剤及び水溶性含フッ素乳化剤の存在下で乳化重合するなどにより一般に製造される。
乳化重合された含フッ素重合体水性分散液は、通常、固形分含有量が5〜45重量%である。塗料や電池用結着剤などのような工業的用途に使用する場合にはより高濃度(少なくとも60重量%)の水性分散液が要求されるため、含フッ素重合体水性分散液の固形分濃度を上げる必要がある。しかし含フッ素重合体は、単に含フッ素重合体を追加するだけでは高濃度とすることは困難であり、通常、濃縮により高濃度化が図られている。
含フッ素重合体水性分散液の濃縮方法としては、たとえば陰イオン系界面活性剤を用いる方法がある。例えば米国特許第2478229号明細書に開示されている陰イオン系界面活性剤を用いる方法の場合、多量の電解質の添加により界面活性剤を不溶化させる際、PTFE粒子が一部不可逆的な凝集を起こすという欠点がある。
また、米国特許第3037953号明細書に記載の非イオン系界面活性剤を用いる方法では、PTFE粒子が凝集を起こすことなく比較的高濃度の水性分散液を得ることができるため商業的に利用されている。しかしこの方法の場合、限られた温度範囲の曇点を有する特定の界面活性剤を大量に使用する上に、濃縮後は上澄み液に含まれる分子量分布の片寄った界面活性剤(親水性側)を廃棄処理しなければならないなど、原料の無駄が多いためコスト効率が悪く、また多量の熱エネルギーと長時間の工程を必要とするため生産効率が良くないという欠点がある。
さらに米国特許第3316201号明細書に記載の蒸発濃縮による方法では、濃縮後の含フッ素重合体水性分散液に重合反応で使用される水溶性重合開始剤およびフッ素含有乳化剤が高濃度で残留するため、含フッ素重合体水性分散液の粘度が液温に敏感になるなどの欠点がある。
英国特許第642025号明細書に記載の電気的デカンテーション法では、電極に凝集物が付着し通電が阻害されるため、多量の電気エネルギーを消費する割には濃縮効果が極めて低く、実用化には適していない。
これらに対し、含フッ素重合体粒子の最小粒径の0.5倍までの大きさの孔径を有する限外濾過膜(UF膜)を用いる膜分離法が提案されている(特公平2−34971号公報、米国特許第4369266号明細書)。このUF膜を用いる膜分離法は、高分子材料の分離に従来から使用されており、含フッ素重合体水性分散液の濃縮においても低エネルギー、低コストでの濃縮が可能で、かつ界面活性剤の種類に制限されず、しかも界面活性剤の使用量の低減を図ることができるという利点がある。
しかし、UF膜を用いる膜分離法では、UF膜の分画分子量が約1000〜数10万(ポアサイズでは0.01μm以下)と小さいため、分離速度が遅いという欠点がある。また、通液速度を上げるとUF膜が含フッ素重合体粒子により閉塞してしまう。さらに、PTFEは機械的な剪断力がかかると繊維化するという性質があるため、前記特公平2−34971号公報記載のような構造で濾過圧を上げた場合、UF膜部分でPTFEが剪断力によって繊維化し、生じた繊維化物により流路やUF膜の閉塞してしまう、という問題がある。
また、上記フッ素含有モノマーの乳化重合において使用された水溶性含フッ素乳化剤は、重合の終了後、水性分散液から重合体を分離した後の水溶液、重合体の洗浄排水、ならびに重合体の乾燥工程および熱処理工程で排出されるガスの洗浄水等に含まれる。これらの水溶液からの水溶性含フッ素乳化剤の回収が望まれる。例えば特開2002−59160や米国特許6833403のように、乳化剤の回収は、水溶液をイオン交換樹脂と接触させて乳化剤をイオン交換樹脂に吸着させ、その後、適当な溶液を用いて乳化剤を溶離し、溶離液から乳化剤を抽出等して分離する等の方法により実施される。しかし、上記のようなイオン交換樹脂による回収は、回収効率が悪いという問題がある。
本発明の目的は、効率よく含フッ素重合体水性分散液中の含フッ素重合体を濃縮し、水溶性含フッ素乳化剤を含む水溶液中の水溶性含フッ素乳化剤を濃縮し得る、濃縮方法を提供することにある。
本発明は、含フッ素重合体及び水溶性含フッ素乳化剤の濃縮を振動式濾過により効率的に行うものである。
本発明は、その第1の側面において、濾過により含フッ素重合体水性分散液中の含フッ素重合体を濃縮する方法であって、含フッ素重合体水性分散液を用意する準備工程と、高分子膜を振動させながら前記高分子膜で前記含フッ素重合体水性分散液を濾過する濾過工程とを含む濃縮方法を提供する。高分子膜を振動させることにより、含フッ素重合体粒子による高分子膜の孔の閉塞が起こりにくくなり、効率よく濃縮することができる。
本発明第2の側面における濃縮方法は、本発明第1側面における濃縮方法であって、前記濾過工程において、前記高分子膜はUF膜とMF膜とのいずれか一つである。
本発明第3の側面における濃縮方法は、本発明第2側面における濃縮方法であって、前記濾過工程において、前記高分子膜は孔径5万ダルトン以上のUF膜である。
本発明第4の側面における濃縮方法は、本発明第2側面または第3側面における濃縮方法であって、前記濾過工程において、前記高分子膜は孔径10万ダルトン以上のUF膜である。
本発明第5の側面における濃縮方法は、本発明第2側面から第4側面のいずれかの側面における濃縮方法であって、前記濾過工程において、前記高分子膜は孔径20万ダルトン以上のUF膜である。
本発明第6の側面における濃縮方法は、本発明第2側面における濃縮方法であって、前記濾過工程において、前記高分子膜は孔径0.1μm以下のMF膜である。
本発明第7の側面における濃縮方法は、本発明第2側面または第6側面における濃縮方法であって、前記濾過工程において、前記高分子膜は孔径0.05μm以下のMF膜である。
本発明第8の側面における濃縮方法は、本発明第1側面から第5側面のいずれかの側面における濃縮方法であって、前記濾過工程の前記高分子膜に対する前記含フッ素重合体水性分散液の圧力は30psi以上150psi以下である。
本発明第9の側面における濃縮方法は、本発明第1側面から第8側面のいずれかの側面における濃縮方法であって、前記濾過工程の前記高分子膜に対する前記含フッ素重合体水性分散液の圧力は30psi以上50psi以下である。
本発明第10の側面における濃縮方法は、本発明第1側面から第9側面のいずれかの側面における濃縮方法であって、前記濾過工程における前記含フッ素重合体水性分散液の温度は20℃以下である。
本発明第11の側面における濃縮方法は、本発明第1側面から第10側面のいずれかの側面における濃縮方法であって、前記濾過工程における前記高分子膜の振動の周波数は49Hz以上55Hz以下である。
本発明第12の側面における濃縮方法は、本発明第1側面から第11側面のいずれかの側面における濃縮方法であって、前記濾過工程における前記高分子膜の振動の振幅は0.5インチ以上1.5インチ以下である。
本発明第13の側面における濃縮方法は、本発明第1側面から第12側面のいずれかの側面における濃縮方法であって、前記濾過工程における前記高分子膜の振動の振幅は0.5インチ以上1.0インチ以下である。
さらにその第14の側面における本発明は、水溶性含フッ素乳化剤を含む水溶液中の水溶性含フッ素乳化剤を濃縮する方法であって、水溶性含フッ素乳化剤を含む水溶液を用意する準備工程と、高分子膜を振動させながら前記高分子膜で水溶性含フッ素乳化剤を含む水溶液を濾過する濾過工程とを含む濃縮方法を提供する。高分子膜を振動させることにより、水溶性含フッ素乳化剤及び安定剤などによる高分子膜の孔の閉塞が起こりにくくなり、効率よく濃縮することができる。
本発明第15の側面における濃縮方法は、本発明第14側面における濃縮方法であって、前記濾過工程において、前記高分子膜はRO膜である。
本発明第16の側面における濃縮方法は、本発明第14側面または第15側面における濃縮方法であって、前記濾過工程における前記高分子膜の振動の周波数は49Hz以上55Hz以下である。
本発明第17の側面における濃縮方法は、本発明第14側面から第16側面のいずれかの側面における濃縮方法であって、前記濾過工程における前記高分子膜の振動の振幅は0.5インチ以上1.5インチ以下である。
本発明第18の側面における濃縮方法は、本発明第14側面から第17側面のいずれかの側面における濃縮方法であって、前記濾過工程における前記高分子膜の振動の振幅は0.5インチ以上1.0インチ以下である。
本発明第19の側面における濃縮方法は、本発明第14側面から第18側面のいずれかの側面における濃縮方法であって、高分子膜はNaClの除去率が96%以上であるRO膜である。
含フッ素重合体水性分散液は、含フッ素モノマーを水溶性重合開始剤及び水溶性含フッ素乳化剤の存在下で乳化重合することにより製造される。
含フッ素重合体としては、PTFE(ここでは、ヘキサフルオロプロペンや、クロロトリフルオロエチレンや、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)や、トリフルオロエチレンや、パーフルオロアルキルエチレンや、パーフルオロ(アルコキシビニルエーテル)などの他のモノマーを0.001〜1.0重量%まで含有する変性PTFEも含む)、低分子量のPTFE、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(CTFE)などのフッ素樹脂;ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系エラストマー、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン系エラストマー、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系エラストマー、テトラフルオロエチレン−プロピレン系エラストマー、ヘキサフルオロプロピレン−エチレン系エラストマー、フルオロ(アルキルビニルエーテル−オレフィン)系エラストマー、フルオロホスファゼンゴムなどのフッ素系エラストマーなどがあげられる。これらのうちPTFE(変性PTFEも含む)は繊維化を起こしやすい点から濃縮が特に難しかったものである。
水溶性含フッ素乳化剤としては、例えば、一般式: Z(CF2aCOOH(式中、Zは水素原子又はフッ素原子を表し、aは6〜10の整数を表す)、一般式: Cl(CF2CFCl)bCF2COOH(式中、bは2〜6の整数を表す)、一般式: (CF32CF(CF2CF2cCOOH(式中、cは2〜6の整数を表す)、または一般式: F(CF2dO(CFRCF2O)eCFRCOOH(式中、Rはフッ素原子またはトリフルオロメチル基を表し、dは1〜5の整数を表し、eは1〜5の整数を表す)で表される含フッ素有機酸もしくはそれらのアンモニウム塩又はアルカリ金属塩(例えば、カリウム塩、ナトリウム塩)等を使用することができる。
特に一般式: Cf2f+1COOR'又は C37O(CF(CF3)CF2O)gCF(CF3)COOR'(式中、fは6〜9の整数を表し、gは1または2を表し、R'はアンモニウム基またはアルカリ金属原子を表す。)で示される塩が好ましい。これらの水溶性含フッ素乳化剤は通常その製造コストが高いため、重合反応で使用された水溶性含フッ素乳化剤を回収することが望まれている。
必要に応じて反応系の分散安定剤として、実質的に反応に不活性で反応条件下で液状の炭素数12以上の炭化水素を、水性媒体100重量部当たり2〜10重量部程度使用することもできる。また、反応中のpHを調整するために緩衝剤として、例えば炭酸アンモニウム、りん酸アンモニウムなどを添加してもよい。
上記の方法で得られる含フッ素重合体は、乳化重合生成物として約0.01〜0.5μmの数平均粒径の粒子としてえられる。
本発明の含フッ素重合体水性分散体は、以下の一般的製造方法よって得ることができる。すなわちステンレス鋼(SUS316)製攪拌翼と温度調節用ジャケットを備えたステンレス鋼(SUS316)製オートクレーブを用い、脱イオン水、水溶性含フッ素乳化剤(パーフルオロオクタン酸アンモニウム)、必要に応じて反応系の分散安定剤としてのパラフィンワックスの存在下、系内を60−90℃に保つ。所望の攪拌回転数を保ち系内を脱酸素した後、モノマーガスで内圧を1−3MPaに保つ。開始剤の添加後、反応は速やかに開始し、オートクレーブ圧力の低下が認められるが、モノマーガスは所望の圧力を維持するように連続的に供給し、所望の固形分濃度に相当するまでモノマーガスを供給し、攪拌及びモノマーガスの供給を停止し直ちにオートクレーブ内の圧力を常圧まで戻し反応を終了する。こうして乳化重合によってできた含フッ素重合体水性分散液は、乳化重合直後、一般的に含フッ素重合体の固形分濃度は約25−40重量%、水溶性含フッ素乳化剤の濃度は400〜3000ppmである。
濃縮される水性分散液の水性媒体としては水があげられ、さらにエチレングリコール、トルエンなどの各種水溶性有機溶剤を含んでいてもよい。また、含フッ素重合体水性分散液の安定化のため、安定剤を添加することができる。安定剤とは、界面活性剤あるいは/ならびに高分子分散安定剤を含む。界面活性剤の種類は特に限定されず、分散安定性が付与できれば陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤のいずれでもよい。また、高分子分散安定剤としてポリエチレングリコールなどを用いることもできる。これら安定剤は固形分に対して1〜15重量%添加することができる。
高分子膜を振動させることにより、水溶性含フッ素乳化剤または安定剤による高分子膜の孔の閉塞が起こりにくくなり、効率よく濃縮することができる。
以下、本願発明の実施の形態をいくつか説明するが、本願発明はこれらの実施の形態に限定されるものでない。
図1は、PTFE・PFOA濃縮用濾過システムの一例の概略フロー図である。
図1のPTFE・PFOA濃縮用濾過システム100において、濃縮前のPTFE水性分散液Aは容器1に収容されている。容器1中のPTFE水性分散液Aはポンプ2によりパイプを通って第1振動濾過器3に供給される。第1振動濾過器3で濾過された後の、PFOA及び非イオン界面活性剤を含む濾液Bは、容器4に送られる。このとき、バルブ5は開いている。また、濃縮されたPTFE水性分散液A'は、パイプを通して容器1に送り返される。容器1は、水および非イオン界面活性剤が追加できるように蓋があくようになっていてもよいし、パイプが取り付けられていてもよい。このように、循環回路によりPTFE水性分散液は濃縮を繰り返す。濃縮が終わると、バルブ5が閉じられ、濃縮されたPTFE水性分散液が容器1から取り出される。
このような循環濾過によりPTFE水性分散液の固形分濃度を上げる。これにより、濃縮前のPTFE水性分散液はPTFE粒子を25−40重量%、PFOAを400−3000ppm含んでいるが、最終的に容器1から取り出されるPTFE水性分散液中のPTFE固形分濃度は少なくとも60%、非イオン界面活性剤が含フッ素重合体に対して2.0〜8.0重量%、PFOA濃度は50ppm以下であることが望ましい。
容器4中の濾液Bには、一般的に数%の非イオン界面活性剤と1%未満のPFOAが含まれている。濾液Bは、ポンプ8により第2振動濾過器6に送られる。第2振動濾過器6においては、PFOAと非イオン界面活性剤を含む水溶液である濾液Bが濾過され、濃縮液B'と濾液Cとに分離される。濾液Cは容器7に送られ、濃縮液B'は容器4に戻され再び第2振動濾過器6に送られる。このように、濃縮液B'は濃縮を繰り返し、所望の濃縮度に到達するまで、濃縮を続けることができる。この時、濾液C中に含まれるPFOAと非イオン界面活性剤との濃度はできるだけ低いことが望ましい。さらにイオン交換樹脂などを用いることによりPFOAと非イオン界面活性剤とを含む水溶液からPFOAを回収することができる。
第1振動濾過器3及び第2振動濾過器6は、それぞれ内部にモーターと、トーションスプリングと、高分子膜とを有し、モーターを駆動させることにより高分子膜を所定の振動、所定の振幅で振動させることができる。高分子膜は、精密濾過(MF:Micro Filtration)膜、限外濾過(UF:Ultra Filtration)膜、逆浸透(RO:Reverse Osmosis)膜のいずれかを設置しえる。高分子膜は、蛇行するように何重かに折り曲げられており、液体はその間を通ることによって濾過が行われるようになっている。高分子膜を振動させることにより、従来の膜分離法と異なり、繊維化したPTFEによる流路の閉塞を起こすことなく濾過を行うことができる。
上記構成の第1振動濾過器3及び第2振動濾過器6における振動濾過の実験例について述べる。以下の例においては、ニューロジック社のVSEPシステムで、膜層面積が16平方フィートのものを第1振動濾過器3及び第2振動濾過器6として用いた。
<例1>
上記のような一般的な方法によって得られたPTFE水性分散液(固形分濃度29.7重量%、数平均粒径0.30μm、重合体のSSG(ASTM D4895−89準拠)2.182)を、温度調節用ジャケットを備えたステンレス鋼(SUS304)製の容器1に入れ、さらにPTFE固形分当たり12重量%になるように非イオン性界面活性剤を添加し、体積を850リットルに調整した。第1振動濾過器3に高分子膜として孔径20万ダルトンのUF膜を設置し、振動周波数を50Hz,振幅を0.75インチと設定した。PTFE水性分散液の温度を20度とし、40psiの圧力、流量1.0L/分で第1振動濾過器3に送った。
その後、容器1の体積が約660リットルに減少した時点で水とPTFE固形分当たり12重量%になるように非イオン性界面活性剤を追加し、容器1の容積を850リットルに調整した。以下これを、[操作1]と呼ぶ。濾液の総体積が約2500リットルに到達するまで操作1を繰返した。その後、容器1の体積が約310リットルに減少した時点で濾過を停止した。容器1から得られたPTFE水性分散液の固形分濃度は63重量%、非イオン性界面活性剤濃度は固形分に対して4.1重量%、PFOA含有量は21ppmであった。
<例2>
第1振動濾過器3に高分子膜として孔径0.05μmのMF膜を設置し、振動周波数を50Hz,振幅を0.75インチと設定した。PTFE水性分散液の温度を20度とし、40psiの圧力、流量1.0L/分で第1振動濾過器3に送って濾過を行った。その結果、MF膜を閉塞することなく濃縮することができた。
<例3>
<例1>と同様の条件、操作で、第1振動濾過器3に高分子膜として孔径7000ダルトンのUF膜を設置し、PTFE水性分散液を第1振動濾過器3に送って濾過を行ったところ、UF膜を閉塞することなく濃縮することができた。
<例4>
<例2>と同様の条件、操作で、第1振動濾過器3に高分子膜として孔径0.1μmのMF膜を設置し、PTFE水性分散液を第1振動濾過器3に送って濾過を行ったところ、濾液BにPTFE固形分が若干混ざったものの、濃縮することができた。
<例5>
温度調節用ジャケットを備えたステンレス鋼(SUS304)製の容器4に上記第1振動濾過器3からの濾液BであるPFOAと非イオン界面活性剤を含む水溶液2500リットルを、高分子膜としてNaCl除去率99.00%のRO膜を設置し振動周波数を51Hz,振幅を0.75インチと設定した第2振動濾過器6に送り、濾過を行なった。この時、容器4中の濾液の温度を35度とし、550psiの圧力、濾過流量は0.7L/分であった。濾過によって容器4中の濾液の体積は連続的に減少するし、濾液の体積が約300リットルに減少した時点で濾過を停止した。容器4中の濃縮液中のPFOA濃度は約2700ppm、非イオン界面活性剤濃度は約30重量%であった。また濾液C中にPFOA及び非イオン界面活性剤は認められなかった。
本願明細書において「実質的に」や「約」という程度を表す用語は、最終結果が著しく変動することがない程度に逸脱できる合理的な量を示す修飾語として使用されている。例えば、これらの用語は、少なくとも±5%の偏差を含み得ることを示す修飾語として解釈することができる。ただし、このことは、その偏差がその修飾の対象となる用語の意味を損ねない場合に限られる。本実施の形態では選定された実施の形態のみが開示されているが、添付されている特許請求の範囲に示される発明の技術的範囲から逸脱しない範囲でその実施の形態を種々変化及び修飾することができることは当業者にとって明白なことである。さらに、前述の本願発明に係る実施の形態の記載は、発明の開示を目的とするものであって、添付の特許請求の範囲に示される発明及びその均等物を限定するものでない。つまり、本願発明の技術的範囲は、これらの実施の形態によって限定されることはない。
本発明は、効率のよい含フッ素重合体濃縮方法および水溶性含フッ素乳化剤濃縮方法として有用である。
本発明の実施例に係るPTFE・PFOA濃縮用濾過システムの模式図である。
符号の説明
1 容器
2 ポンプ
3 第1振動濾過器
4 容器
5 バルブ
6 第2振動濾過器
7 容器
8 ポンプ
100 PTFE・PFOA濃縮用濾過システム

Claims (24)

  1. 含フッ素重合体水性分散液中の含フッ素重合体を濃縮する含フッ素重合体濃縮方法であって、
    前記含フッ素重合体水性分散液を用意する準備工程と、
    高分子膜を振動させながら前記高分子膜で前記含フッ素重合体水性分散液を濾過する濾過工程と、
    を含む、含フッ素重合体濃縮方法。
  2. 前記高分子膜は、UF膜およびMF膜のいずれか一つである、
    請求項1に記載の含フッ素重合体濃縮方法。
  3. 前記高分子膜は、孔径5万ダルトン以上のUF膜である、
    請求項2に記載の含フッ素重合体濃縮方法。
  4. 前記高分子膜は、孔径10万ダルトン以上のUF膜である、
    請求項2または3に記載の含フッ素重合体濃縮方法。
  5. 前記高分子膜は、孔径20万ダルトン以上のUF膜である、
    請求項2から4のいずれかに記載の含フッ素重合体濃縮方法。
  6. 前記高分子膜は、孔径0.1μm以下のMF膜である、
    請求項2に記載の含フッ素重合体濃縮方法。
  7. 前記高分子膜は、孔径0.05μm以下のMF膜である、
    請求項2または6に記載の含フッ素重合体濃縮方法。
  8. 前記濾過工程の前記高分子膜に対する前記含フッ素重合体水性分散液の圧力は30psi以上である、
    請求項1から5のいずれかに記載の含フッ素重合体濃縮方法。
  9. 前記濾過工程の前記高分子膜に対する前記含フッ素重合体水性分散液の圧力は150psi以下である、
    請求項1から8のいずれかに記載の含フッ素重合体濃縮方法。
  10. 前記濾過工程の前記高分子膜に対する前記含フッ素重合体水性分散液の圧力は50psi以下である、
    請求項1から9のいずれかに記載の含フッ素重合体濃縮方法。
  11. 前記濾過工程における前記含フッ素重合体水性分散液の温度は20℃以下である、
    請求項1から10のいずれかに記載の含フッ素重合体濃縮方法。
  12. 前記濾過工程における前記高分子膜の振動の周波数は49Hz以上である、
    請求項1から11のいずれかに記載の含フッ素重合体濃縮方法。
  13. 前記濾過工程における前記高分子膜の振動の周波数は55Hz以下である、
    請求項1から12のいずれかに記載の含フッ素重合体濃縮方法。
  14. 前記濾過工程における前記高分子膜の振動の振幅は0.5インチ以上である、
    請求項1から13のいずれかに記載の含フッ素重合体濃縮方法。
  15. 前記濾過工程における前記高分子膜の振動の振幅は1.5インチ以下である、
    請求項1から14のいずれかに記載の含フッ素重合体濃縮方法。
  16. 前記濾過工程における前記高分子膜の振動の振幅は1.0インチ以下である、
    請求項15に記載の含フッ素重合体濃縮方法。
  17. 水溶性含フッ素乳化剤を含む水溶液中の水溶性含フッ素乳化剤を濃縮する水溶性含フッ素乳化剤濃縮方法であって、
    前記水溶性含フッ素乳化剤を含む水溶液を用意する準備工程と、
    高分子膜を振動させながら前記高分子膜で前記水溶性含フッ素乳化剤を含む水溶液を濾過する濾過工程と、
    を含む、水溶性含フッ素乳化剤濃縮方法。
  18. 前記濾過工程において、前記高分子膜はRO膜である、
    請求項17に記載の水溶性含フッ素乳化剤濃縮方法。
  19. 前記濾過工程における前記高分子膜の振動の周波数は49Hz以上である、
    請求項17または18に記載の水溶性含フッ素乳化剤濃縮方法。
  20. 前記濾過工程における前記高分子膜の振動の周波数は55Hz以下である、
    請求項17から19のいずれかに記載の水溶性含フッ素乳化剤濃縮方法。
  21. 前記濾過工程における前記高分子膜の振動の振幅は0.5インチ以上である、
    請求項17から20のいずれかに記載の水溶性含フッ素乳化剤濃縮方法。
  22. 前記濾過工程における前記高分子膜の振動の振幅は1.5インチ以下である。
    請求項17から21のいずれかに記載の水溶性含フッ素乳化剤濃縮方法。
  23. 前記濾過工程における前記高分子膜の振動の振幅は1.0インチ以下である、
    請求項22に記載の水溶性含フッ素乳化剤濃縮方法。
  24. 前記高分子膜はNaClの除去率が96%以上であるRO膜である、
    請求項17から23のいずれかに記載の水溶性含フッ素乳化剤濃縮方法。
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