JP2007331184A - 画像形成装置、および画像形成処理時の制御方法 - Google Patents

画像形成装置、および画像形成処理時の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】手差し給紙トレイからの給紙時における記録紙のスキューの発生を適切に検出すること。
【解決手段】インクジェット印刷装置は、印字用ヘッドが搭載されたキャリッジと呼ばれる走行体を主走査方向に移動させながらインクを吐出することによって書き込みを行う。書き込みを行う際には、紙の先端および紙幅の検知を行う。印刷部に直接記録紙をセットする手差し給紙の場合、即ち、手差し給紙トレイに記録紙がセットされている場合、予め判っている記録紙幅(理論値)と、画像レジストセンサおよび主走査エンコーダにより実際に測定された記録紙の幅(実測値)と、を比較し、記録紙のスキューの度合いを測定する。そして、所定の許容範囲に基づいてスキューの度合いが大きいと判断した場合、記録紙の搬送を停止し、書き込みも行わない。印刷処理を停止した場合、搬送ローラを駆動させて記録紙を装置内部から排出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、インクジェット式の画像形成装置における記録紙のスキュー量の検出技術に関する。
電子複写装置やファクシミリ装置、プリンタ装置などの画像形成装置では、画像を形成する際に記録紙にスキュー(skew)が生じた状態、即ち、傾いた状態で供給(斜行)された場合、適切な位置に画像を形成することができないなどの不具合を生じる可能性があった。
従来、このような記録紙のスキューを検出する技術が下記の特許文献において提案されている。
特開2005−173237公報 特開2000−6483公報
特許文献1には、画像形成装置に専用のラインセンサを用いて、記録紙の斜行や角折れを検出する技術が提案されている。
また、特許文献2には、記録紙のスキュー検出のための専用のセンサを設けたプリンタ装置が提案されている。なお、特許文献2に記載のプリンタ装置では、ホストコンピュータから指示されるスキューの許容範囲に基づいてスキュー検出を行うように構成されている。
近年、専用のインクを印刷ヘッドのノズルからプリンタ用紙に吹き付けて印字するタイプのノンインパクト・プリンタであるインクジェット印刷装置が、個人ユーザにも普及している。
インクジェット印刷装置には、記録紙の先端および幅を検知(検出)するために、主走査方向に移動するキャリッジに反射型センサが設けられている。
このようなインクジェット印刷装置では、通常の給紙トレイから記録紙が給紙される場合には、装置内部に設けられたレジストローラを用いることによってスキューの発生を抑制することができる。
しかしながら、直接、印字部に記録紙をセット(供給)する手差し給紙方式による場合には、レジストローラを用いることができないため記録紙の位置調整を行うことができない。さらに、手差し給紙方式による場合には、スキューの発生を検知することも困難であった。
そこで本発明は、手差し給紙トレイからの給紙時における記録紙のスキューの発生状態を適切に検出することができる画像形成装置、画像形成処理時の制御方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明では、印字用ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に移動させるとともに、記録媒体を副走査方向に搬送して印刷を行う画像形成装置であって、記録媒体を直接印字部へ供給する手差しトレイと、前記手差しトレイにセットされている、少なくともサイズ情報を含む記録媒体情報の設定を受け付ける受付手段と、前記手差しトレイから搬送される記録媒体の主走査方向の長さを測定する測定手段と、前記測定手段により測定された記録媒体の主走査方向の長さと、前記受付手段により受け付けられた記録媒体のサイズ情報とに基づいて、前記手差しトレイから搬送される記録媒体のスキュー量を算出するスキュー量算出手段と、を備えることにより前記目的を達成する。たことを特徴とする画像形成装置。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の画像形成装置において、前記スキュー量算出手段により算出された前記手差しトレイから搬送される記録媒体のスキュー量と、予め設定されているスキュー量の許容範囲とを比較する比較手段を備え、前記比較手段による比較の結果、前記スキュー量算出手段により算出された前記手差しトレイから搬送される記録媒体のスキュー量が前記スキュー量の許容範囲を超えると判断された場合、進行中の記録媒体への印刷処理を停止させる印刷停止手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項3記載の発明では、請求項2記載の画像形成装置において、前記スキュー量の許容範囲は、任意の値に設定することができることを特徴とする。
請求項4記載の発明では、請求項2または請求項3記載の画像形成装置において、前記スキュー量の許容範囲は、記録媒体の紙種ごとに設定され、前記受付手段は、少なくとも記録媒体の紙種の情報を含む記録媒体情報を受け付け、前記比較手段は、前記スキュー量算出手段により算出された前記手差しトレイから搬送される記録媒体のスキュー量と、前記受付手段により受け付けられた記録媒体の紙種に対応するスキュー量の許容範囲とを比較することを特徴とする。
請求項5記載の発明では、請求項2、請求項3または請求項4記載の画像形成装置において、前記スキュー量の許容範囲は、記録媒体のサイズごとに設定され、前記比較手段は、前記スキュー量算出手段により算出された前記手差しトレイから搬送される記録媒体のスキュー量と、前記受付手段により受け付けられた記録媒体のサイズに対応するスキュー量の許容範囲とを比較することを特徴とする。
請求項6記載の発明では、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5記載の画像形成装置において、進行中の記録媒体への印刷処理を実行しているアプリケーションを特定する特定手段を備え、前記スキュー量の許容範囲は、アプリケーションの種類ごとに設定され、前記比較手段は、前記スキュー量算出手段により算出された前記手差しトレイから搬送される記録媒体のスキュー量と、前記特定手段により特定された進行中の記録媒体への印刷処理を実行しているアプリケーションに対応するスキュー量の許容範囲とを比較することを特徴とする。
請求項7記載の発明では、請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の画像形成装置において、前記印刷停止手段による進行中の記録媒体への印刷処理を停止させる処理の有効化/無効化を切り替える切替手段を備えたことを特徴とする。
請求項8記載の発明では、請求項2乃至請求項7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記印刷停止手段により進行中の記録媒体への印刷処理を停止させた後、該記録媒体を排出する排出手段を備えたことを特徴とする。
請求項9記載の発明では、請求項8記載の画像形成装置において、前記排出手段は、該記録媒体を前記手差しトレイへ排出することを特徴とする。
請求項10記載の発明では、請求項8記載の画像形成装置において、記録媒体の排出先の指定を受け付ける排出先受付手段を備え、前記排出手段は、前記排出先受付手段により受け付けられた排出先へ該記録媒体を排出することを特徴とする。
請求項11記載の発明では、記録媒体を直接印字部へ供給する手差しトレイを有し、印字用ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に移動させるとともに、記録媒体を副走査方向に搬送して印刷を行う画像形成装置で用いられる画像形成処理時の制御方法であって、前記手差しトレイにセットされている、少なくともサイズ情報を含む記録媒体情報の設定を受け付ける第1のステップと、前記手差しトレイから搬送される記録媒体の主走査方向の長さを測定する第2のステップと、前記第2のステップにより測定された記録媒体の主走査方向の長さと、前記第1のステップにより受け付けられた記録媒体のサイズ情報とに基づいて、前記手差しトレイから搬送される記録媒体のスキュー量を算出する第3のステップと、を有することにより前記目的を達成する。
請求項12記載の発明では、請求項11記載の画像形成処理時の制御方法において、前記第3のステップにより算出された前記手差しトレイから搬送される記録媒体のスキュー量と、予め設定されているスキュー量の許容範囲とを比較する第4のステップを備え、前記第4のステップによる比較の結果、前記第3のステップにより算出された前記手差しトレイから搬送される記録媒体のスキュー量が前記スキュー量の許容範囲を超えると判断された場合、進行中の記録媒体への印刷処理を停止させる第5のステップと、を有することを特徴とする。
請求項13記載の発明では、請求項12記載の画像形成処理時の制御方法において、前記第5のステップにより進行中の記録媒体への印刷処理を停止させた後、該記録媒体を排出する第6のステップを有することを特徴とする。
請求項14記載の発明では、請求項13記載の画像形成処理時の制御方法において、前記第6のステップは、該記録媒体を前記手差しトレイへ排出することを特徴とする。
請求項15記載の発明では、請求項13記載の画像形成処理時の制御方法において、記録媒体の排出先の指定を受け付ける第7のステップを備え、前記第6のステップは、前記第7のステップにより受け付けられた排出先へ該記録媒体を排出することを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、測定手段により測定された記録媒体の主走査方向の長さと、受付手段により受け付けられた記録媒体のサイズ情報とに基づいて、手差しトレイから搬送される記録媒体のスキュー量を算出することができる。
請求項2記載の発明によれば、スキュー量算出手段により算出された手差しトレイから搬送される記録媒体のスキュー量が、スキュー量の許容範囲を超えると判断された場合、進行中の記録媒体への印刷処理を停止させることにより、無駄な印刷処理の実行を抑制することができる。
請求項3記載の発明によれば、スキュー量の許容範囲を任意の値に設定することにより、スキュー量の許容範囲をオペレータ(ユーザ)の要求に合わせて変更することができる、これにより装置の利便性を向上させることができる。
請求項4記載の発明によれば、スキュー量の許容範囲を記録媒体の紙種ごとに設定することにより、比較手段は記録媒体の紙種に対応した処理を行うことができる。
請求項5記載の発明によれば、スキュー量の許容範囲を記録媒体のサイズごとに設定することにより、比較手段は記録媒体のサイズに対応した処理を行うことができる。
請求項6記載の発明によれば、スキュー量の許容範囲をアプリケーションの種類ごとに設定することにより、比較手段は進行中の記録媒体への印刷処理を実行しているアプリケーションに対応した処理を行うことができる。
請求項7記載の発明によれば、印刷停止手段による進行中の記録媒体への印刷処理を停止させる処理の有効化/無効化を切り替える切替手段を設けることにより、装置の利便性を向上させることができる。
請求項8記載の発明によれば、印刷停止手段により進行中の記録媒体への印刷処理を停止させた後、該記録媒体を自動的に排出することにより、オペレータ(ユーザ)の負担を軽減させることができる。
請求項9記載の発明によれば、記録媒体を手差しトレイへ排出することができる。
請求項10記載の発明によれば、受付手段により受け付けられた排出先へ該記録媒体を排出することできる。
請求項11記載の発明によれば、測定された記録媒体の主走査方向の長さと、受け付けられた記録媒体のサイズ情報とに基づいて、手差しトレイから搬送される記録媒体のスキュー量を算出することができる。
請求項12記載の発明によれば、算出された手差しトレイから搬送される記録媒体のスキュー量が、スキュー量の許容範囲を超えると判断された場合、進行中の記録媒体への印刷処理を停止させることにより、無駄な印刷処理の実行を抑制することができる。
請求項13記載の発明によれば、進行中の記録媒体への印刷処理を停止させた後、該記録媒体を自動的に排出することにより、オペレータ(ユーザ)の負担を軽減させることができる。
請求項14記載の発明によれば、記録媒体を手差しトレイへ排出することができる。
請求項15記載の発明によれば、受け付けられた排出先へ記録媒体を排出することできる。
(1)実施形態の概要
本実施の形態に係るインクジェット印刷装置は、インクジェット記録方式の印刷装置であり、印字用ヘッドは、キャリッジと呼ばれる走行体に搭載され、このキャリッジを主走査方向に移動させながらインクを吐出することによって書き込みを行う。書き込みを行う際には、紙の先端および紙幅の検知を行う。
本実施の形態に係るインクジェット印刷装置では、印刷部に直接記録紙をセットする手差し給紙の場合、即ち、手差し給紙トレイに記録紙がセットされている場合、予め判っている記録紙幅(理論値)、例えば、予めオペレータ(ユーザ)により操作パネルから指定された記録紙の指定幅と、画像レジストセンサにより実際に検知(測定)された記録紙の幅(実測値)と、を比較し、記録紙のスキュー(傾き)の度合いを測定する。これにより問題となるスキューを検出することが可能となる。
そして、スキューの度合いが大きいと判断した場合は、記録紙の搬送を停止し、書き込みも行わないようにように構成されている。
印刷処理を停止(中止)した場合には、搬送ローラを駆動させて記録紙を装置内部から排出する。
(2)実施形態の詳細
以下、本発明の好適な実施の形態について、図1〜図3を参照して詳細に説明する。
本実施の形態では、画像形成装置の例として、印字ヘッドを主走査方向(記録紙の搬送方向と直交する方向)に移動させて書き込みを行うインクジェット記録方式の印刷装置(以下、インクジェット印刷装置とする)を用いて説明を行う。
図1は、本実施の形態に係るインクジェット印刷装置の概略構成を示した図である。
本実施の形態に係るインクジェット印刷装置は、インクジェット記録方式の印刷装置であり、印字用ヘッド11を走行体であるキャリッジ1に搭載し、このキャリッジ1を主走査方向(記録紙2の幅方向)に移動させながらインクを吐出することによって書き込み(画像形成)を行う。
本実施の形態に係るインクジェット印刷装置には、キャリッジ1に反射型センサの画像レジストセンサ12が設けられている。
詳しくは、画像レジストセンサ12は、キャリッジ1における主走査方向(搬送方向)の下流側の端部に、印字用ヘッド11の直前にあたる位置に設けられ、書き込みを行う際に、記録紙2の先端および紙幅の検知を行う。
インクジェット印刷装置は、画像レジストセンサ12の検知(検出)結果に基づいて、記録紙2に対する画像の書き込み開始位置を設定する。
また、インクジェット印刷装置には、主走査エンコーダ6が設けられている。
主走査エンコーダ6は、エンコーダメモリ3とエンコーダメモリ読み取りセンサ4からなる。
キャリッジ1および記録紙2の走査量は、エンコーダメモリ3に記載されたスケールパターンをエンコーダメモリ読み取りセンサ4で検知し、この検知結果をエンコーダ検出ブロック13に設けられた演算回路で解析することにより測定される。
図1に示す、ホームポジション5は、初期状態におけるキャリッジ1の基準位置(定位置)を示し、キャリッジ1は、このホームポジション5から主走査方向への移動を開始する。
また、図示されていないが、インクジェット印刷装置には、ホストコンピュータに接続するための接続装置、ホストコンピュータから転送されるページ記述言語(制御言語)を受信する受信手段、受信した情報を記憶する内部メモリ、制御言語の解析を行うCPU(中央演算処理装置)、印刷処理を行うエンジン部を備えている。
なお、CPU(コントローラ)は、制御言語の解析だけでなく、インクジェット印刷装置における制御全般の演算処理を行う。
さらに、図示されていないが、インクジェット印刷装置には、直接、印字部に記録紙2をセット(供給)する手差し給紙トレイ、手差し給紙トレイにセットされた記録紙2を副走査方向へ搬送するための搬送ローラ(用紙搬送手段)、キャリッジ1を主走査方向に駆動するための駆動装置(駆動手段)、各種情報を表示する表示装置(表示手段)、オペレータが所定のコマンドや選択情報を直接入力するための操作パネルを備えている。
次に、このように構成されるインクジェット印刷装置における記録紙2のスキュー検出処理方法について説明する。
図2は、本実施の形態に係るインクジェット印刷装置における記録紙2のスキュー検出処理の手順を示したフローチャートである。
詳しくは、はじめにインクジェット印刷装置のコントローラは、これから画像形成を実行する記録紙2が手差し給紙トレイからの給紙か否かを判断する(ステップ11)。
そして、記録紙2が手差し給紙トレイからの給紙である場合(ステップ11;Y)、コントローラは、設定されている記録紙サイズから、主走査幅αを取得(特定)する(ステップ12)。
主走査幅αは、例えば、手差し給紙トレイに設けられた用紙センサにより検知された記録紙サイズや、手差し給紙トレイに設けられた用紙ガイド(案内板)の位置情報などに基づいて特定される。
また、定形外サイズの場合には、オペレータにより操作パネルを介して指定された記録紙2の指定幅に基づいて主走査幅αが特定される。
コントローラは、キャリッジ1を駆動し、そして、画像レジストセンサ12によって記録紙2の先端が検出(検知)されたか否かを判断する(ステップ13)。
画像レジストセンサ12によって記録紙2の先端が検出されない場合(ステップ13;N)、引き続き、コントローラは、画像レジストセンサ12による記録紙2の先端の検出処理を行う。
一方、画像レジストセンサ12によって記録紙2の先端が検出された場合(ステップ13;Y)、コントローラは、キャリッジ1を記録紙2の主走査方向にスキャンし、画像レジストセンサ12および主走査エンコーダ6を用いて、記録紙幅βを測定する(ステップ14)。
次に、コントローラは、スキュー角度の検出処理を実施する設定がされているか否かを判断する(ステップ15)。即ち、コントローラは、記録紙2の傾き角度の検出処理が指示されているか否かを判断する。
なお、スキュー角度の検出処理を実施する設定(スキュー角度検出実施の設定)は、例えば、オペレータが操作パネルを介してスキュー角度検出実施の設定が割り当てられたソフトSW(ソフトウェアスイッチ)を操作したり、スキュー角度検出実施の設定が割り当てられたハードSW(機械スイッチ)を操作したりすることにより、即ち、機能の有効/無効を切り替える手段を操作することにより行うことができる。
このように、オペレータがスキュー角度の検出処理の実施の設定、即ち、スキューの度合いが大きい場合に印刷を停止させる処理の実施の設定を行うことにより、記録紙2と画像の直交性に関して精度を求めるか否かを、印刷処理ごとに切り替えることが可能となる。
コントローラは、このような設定スイッチの状態を参照することにより、スキュー角度の検出処理を実施する設定がされているか否かを判断する。
なお、ここでは、コントローラ側で設定スイッチの状態の参照処理を行うように構成されているが、この処理は、印刷処理を行うエンジン部(エンジン側)において行うようにしてもよい。この場合、エンジン側での参照結果をコントローラ側に転送する。
スキュー角度の検出処理を実施する設定がされている場合(ステップ15;Y)、コントローラは、特定された主走査幅α(理論値)、および測定された記録紙幅β(実測値)に基づいて、スキュー角度、即ち、記録紙2の傾き角度を算出する(ステップ16)。
図3は、記録紙2の主走査幅α(理論値)と測定された記録紙幅β(実測値)の関係を示した図である。
図に示すように、主走査幅α(理論値)と測定された記録紙幅β(実測値)は、
β/α=cosθ
の関係にあるため、これに基づいてスキュー角度θを算出する。
続いて、コントローラは、各種センサの検出結果や操作パネルを介して入力された設定内容等が設定されている記憶装置等を参照することにより、情報(設定情報)を取得する(ステップ17)。
また、本実施の形態に係る画像形成装置がMFP(複合装置)である場合には、コピー機能やプリンタ機能、FAX機能などといった進行中の記録媒体への印刷処理を実行しているアプリケーションを、プログラムの実行状態から特定し、このアプリケーションの情報を設定情報として取得する。
詳しくは、コントローラは、設定情報として、例えば、記録紙2の紙種、記録紙2の用紙サイズなどの選択(指定)情報を取得する。
具体的には、紙種としては、普通紙、厚紙、ハガキ、封筒、OHPシートなどがある。
また、用紙サイズとしては、定形サイズの場合、A4縦、A4横、B5縦、B5横、ハガキなどがある。なお、不定形サイズの場合は、用紙サイズの縦と横の長さがオペレータによって操作パネルを介して直接入力される。
これらの設定情報は、予め、オペレータによって操作パネル等を介して入力(選択指定)されたものを受け付け、記憶装置(メモリ)の所定の領域に格納される。
なお、これらの設定情報は、コントローラからエンジンにRAPIコマンドとして通知されるように構成してもよく、また、エンジン側で不揮発メモリに保存しておくようにしてもよい。
次に、コントローラは、算出されたスキュー角度θが許容範囲内であるか否かを判断する(ステップ18)。
なお、許容範囲とは、適切な画像形成処理が実行可能なスキュー角度θの限界値を示し、例えば、−5°〜+5°のように予め設定されている値である。
許容範囲は、オペレータによって任意の値に設定することができるが、オペレータによる設定がなされない場合には、予め装置に設定されている許容範囲設定値の所定の基準値(デフォルト値)が採用されるように構成されている。
なお、許容範囲は、例えば、“大/中/小”のように範囲をランク(段階)別に定義したものを提示して選択させるようにしてもよく、また、許容するスキュー角度を具体的に数値入力させるようにしてもよい。これらのオペレータによる設定(指定)は、操作パネルを介して行われる。
このように、許容範囲を任意に設定可能とすることにより、記録紙2と画像の直交性に関して、精度良く印刷することを希望する場合と、それほど精度を求めない印刷の場合とで、高い自由度で判断基準を切り替える(変更する)ことができる。
また、許容範囲は、予め記録紙の紙種ごとに設定しておくようにしてもよい。
このように、許容範囲が紙種ごとに設定されている場合には、コントローラは、先に取得した設定情報に基づいて、記録紙2の紙種に該当(対応)する許容範囲を特定する。
そして特定された許容範囲に基づいて算出されたスキュー角度θが許容範囲内であるか否かを判断する。
これにより、例えば、厚紙やハガキ等の高価な記録紙に、記録紙と画像の直交性に関して、精度良く印刷することを希望する場合と、普通紙等の安価な記録紙に、それほど精度を求めない印刷をする場合とで判断基準を切り替える(変更する)ことができる。
例えば、A3サイズのように大判の記録紙の場合は、スキューが目立つのに対し、A5サイズのように小さな記録紙の場合は、スキューは目立たない。
そこで、本実施の形態では、画一的にスキュー検出制御を行うことが無いようにするために、許容範囲を、予め記録紙のサイズごとに設定しておくようにしてもよい。
このように、許容範囲がサイズごとに設定されている場合には、コントローラは、先に取得した設定情報に基づいて、記録紙2のサイズに該当(対応)する許容範囲を特定する。
そして特定された許容範囲に基づいて算出されたスキュー角度θが許容範囲内であるか否かを判断する。
これにより、画一的にスキュー検出制御を行うことを抑制することができる。
また、本実施の形態に係る画像形成装置がMFP(複合装置)である場合、許容範囲は、予めアプリケーションごとに設定しておくようにしてもよい。
このように、許容範囲がアプリケーションごとに設定されている場合には、コントローラは、先に取得した設定情報に基づいて、進行中の記録媒体への印刷処理を実行しているアプリケーションに該当(対応)する許容範囲を特定する。
そして特定された許容範囲に基づいて、算出されたスキュー角度θが許容範囲内であるか否かを判断する。
これにより、例えば、プリンタの場合は、常に精度良く印刷することを希望し、コピーの場合は、それほど精度を求めないというように、判断基準を切り替える(変更する)ことができる。
なお、紙種、紙サイズなどの設定条件に基づいて、複数の異なる許容範囲の条件が特定された場合には、最も範囲が狭くなる許容範囲を採用する。
算出されたスキュー角度θが許容範囲内でない場合(ステップ18;N)、コントローラは、指示(命令)されている印刷制御(画像形成処理制御)を停止する(ステップ19)。
このように印刷制御(画像形成処理制御)を停止することにより、記録紙、インクなどの無駄な消耗を抑制することができ、また、印刷完了を待つまでの無駄な時間の発生を抑制することができる。
印刷制御(画像形成処理制御)を停止する場合、コントローラは、操作パネルやディスプレイなどに、スキューが許容値を超えたゆえに印刷を中止した旨のメッセージを表示させ、オペレータに印刷処理が停止したことを通知することが望ましい。
この印刷停止の通知手段としては、メッセージを表示させる手法の他、アラーム(警告音)を発したり、警告ランプを点灯(点滅点灯)させたりなどの手法を用いるようにしてもよい。
印刷制御を停止した後、コントローラは、記録紙2の排紙方向指示を受け取ったか否か、即ち、オペレータによる記録紙2の排紙方向の指示(選択)コマンドの入力を受け付けたか否かを判断する(ステップ21)。
即ち、オペレータによる印刷制御を停止した後の記録紙2の排紙処理の指示を操作パネルを介して受け付けたか否かを判断する。
なお、予め、印刷制御が停止した際における記録紙2の排紙方向、または強制排紙指示が設定されている場合、コントローラは、記録紙2の排紙方向指示を受け取ったものと判断する。
オペレータによる排紙方向の指示(選択)は、操作パネルに排紙方向の選択肢を表示し、オペレータに希望する排紙方向(選択肢)を指示(選択)させることにより行う。なお、オペレータに希望する排紙方向(選択肢)を指示(選択)させた後、スタートキー押下などの操作を促すようにしてもよい。
また、排紙方向を予め設定しておいてもらい、スタートキー押下の操作をトリガ(きっかけ)に、その設定を参照するようにしてもよい。
このように本実施の形態では、印刷制御を停止した後における記録紙2の排紙条件をオペレータが設定することができるため、装置の設置場所等の都合で、給紙側へ記録紙を戻すことに支障がある場合や、長尺の記録紙であるため、スキューしたまま装置内部を通過させると、記録紙2に折れが発生する可能性がある場合などに、適切な排紙条件を設定(選択)することができ、これにより利便性を向上させることができる。
記録紙2の排紙方向指示を受け取っていない場合(ステップ21;N)、引き続き、コントローラは、オペレータによる記録紙2の排紙方向指示の入力の有無の判断処理を行う。
記録紙2の排紙方向指示を受け取った場合(ステップ21;Y)、コントローラは、受け取った記録紙2の排紙方向指示の内容に基づいて、該指示が強制排紙指示であるか否かを判断する(ステップ22)。
なお、強制排紙指示とは、オペレータの入力操作をトリガとせずに、即ち、オペレータの入力操作を待つことなく、装置が自動的に記録紙2を排紙する動作処理の指示を示す。
強制排紙指示である場合(ステップ22;Y)、コントローラは、搬送用のモータを正回転させて、記録紙2を所定の排紙トレイに排出する強制排紙を開始し(ステップ23)、記録紙2を排紙トレイに排出した後、処理を終了する。
強制排紙指示でない場合(ステップ22;N)、搬送用のモータを逆回転させて、記録紙2を手差し給紙トレイへ排紙(排出)し、処理を終了する。
このように、本実施の形態では、スキューを検出して印刷を行わなかった場合、記録紙が装置の内部に引き込まれたままの状態で放置せずに、記録紙2を装置の外部へ排出(排紙)させることができる。
このように、記録紙2を排紙することにより、オペレータが記録紙2を取り除く手間を省くことができる。即ち、オペレータの負担を軽減することができる。
一方、ステップ18の処理において、算出されたスキュー角度θが許容範囲内であると判断された場合(ステップ18;Y)、コントローラは、指示(命令)されている印刷制御(画像形成処理制御)を続行し(ステップ20)、画像形成処理が完了した後、処理を終了する。
ステップ11の処理において、記録紙2が手差し給紙トレイからの給紙でないと判断された場合(ステップ11;N)、即ち、給紙カセットからの給紙である場合、コントローラは、そのまま、指示(命令)されている印刷制御(画像形成処理制御)を続行し(ステップ20)、画像形成処理が完了した後、処理を終了する。
また、ステップ15の処理において、スキュー角度の検出処理を実施する設定がされていないと判断された場合(ステップ15;N)、コントローラは、そのまま、指示(命令)されている印刷制御(画像形成処理制御)を続行し(ステップ20)、画像形成処理が完了した後、処理を終了する。
このように、本実施の形態によれば、スキュー角度θが許容範囲内でない場合、即ち、記録紙2の傾き(歪み)の度合いが大きい場合(理論値と実測値との差があまりにも大きな場合)には、指示(命令)されている印刷制御(画像形成処理制御)を停止させることにより、適切でない画像形成処理(印刷処理)の実行を抑制することができる。これにより、印刷(画像形成)コストの無駄を低減させることができる。
なお、スキュー角度θが許容範囲内でない場合だけでなく、主走査幅α(理論値)と測定された記録紙幅β(実測値)の値(長さ)の差が、あまりにも大きな場合は、記録紙2のサイズ間違いと判断し、同様に印刷を停止するように構成してもよい。
本実施の形態に係るインクジェット印刷装置の概略構成を示した図である。 本実施の形態に係るインクジェット印刷装置における記録紙のスキューの検出処理の手順を示したフローチャートである。 記録紙の主走査幅α(理論値)と測定された記録紙幅β(実測値)の関係を示した図である。
符号の説明
1 キャリッジ
2 記録紙
3 エンコーダメモリ
4 エンコーダメモリ読み取りセンサ
5 ホームポジション
6 主走査エンコーダ
11 印字用ヘッド
12 画像レジストセンサ
13 エンコーダ検出ブロック

Claims (15)

  1. 印字用ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に移動させるとともに、記録媒体を副走査方向に搬送して印刷を行う画像形成装置であって、
    記録媒体を直接印字部へ供給する手差しトレイと、
    前記手差しトレイにセットされている、少なくともサイズ情報を含む記録媒体情報の設定を受け付ける受付手段と、
    前記手差しトレイから搬送される記録媒体の主走査方向の長さを測定する測定手段と、
    前記測定手段により測定された記録媒体の主走査方向の長さと、前記受付手段により受け付けられた記録媒体のサイズ情報とに基づいて、前記手差しトレイから搬送される記録媒体のスキュー量を算出するスキュー量算出手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記スキュー量算出手段により算出された前記手差しトレイから搬送される記録媒体のスキュー量と、予め設定されているスキュー量の許容範囲とを比較する比較手段を備え、
    前記比較手段による比較の結果、前記スキュー量算出手段により算出された前記手差しトレイから搬送される記録媒体のスキュー量が前記スキュー量の許容範囲を超えると判断された場合、進行中の記録媒体への印刷処理を停止させる印刷停止手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記スキュー量の許容範囲は、任意の値に設定することができることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記スキュー量の許容範囲は、記録媒体の紙種ごとに設定され、
    前記受付手段は、少なくとも記録媒体の紙種の情報を含む記録媒体情報を受け付け、
    前記比較手段は、前記スキュー量算出手段により算出された前記手差しトレイから搬送される記録媒体のスキュー量と、前記受付手段により受け付けられた記録媒体の紙種に対応するスキュー量の許容範囲とを比較することを特徴とする請求項2または請求項3記載の画像形成装置。
  5. 前記スキュー量の許容範囲は、記録媒体のサイズごとに設定され、
    前記比較手段は、前記スキュー量算出手段により算出された前記手差しトレイから搬送される記録媒体のスキュー量と、前記受付手段により受け付けられた記録媒体のサイズに対応するスキュー量の許容範囲とを比較することを特徴とする請求項2、請求項3または請求項4記載の画像形成装置。
  6. 進行中の記録媒体への印刷処理を実行しているアプリケーションを特定する特定手段を備え、
    前記スキュー量の許容範囲は、アプリケーションの種類ごとに設定され、
    前記比較手段は、前記スキュー量算出手段により算出された前記手差しトレイから搬送される記録媒体のスキュー量と、前記特定手段により特定された進行中の記録媒体への印刷処理を実行しているアプリケーションに対応するスキュー量の許容範囲とを比較することを特徴とする請求項2、請求項3、請求項4または請求項5記載の画像形成装置。
  7. 前記印刷停止手段による進行中の記録媒体への印刷処理を停止させる処理の有効化/無効化を切り替える切替手段を備えたことを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記印刷停止手段により進行中の記録媒体への印刷処理を停止させた後、該記録媒体を排出する排出手段を備えたことを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記排出手段は、該記録媒体を前記手差しトレイへ排出することを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
  10. 記録媒体の排出先の指定を受け付ける排出先受付手段を備え、
    前記排出手段は、前記排出先受付手段により受け付けられた排出先へ該記録媒体を排出することを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
  11. 記録媒体を直接印字部へ供給する手差しトレイを有し、印字用ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に移動させるとともに、記録媒体を副走査方向に搬送して印刷を行う画像形成装置で用いられる画像形成処理時の制御方法であって、
    前記手差しトレイにセットされている、少なくともサイズ情報を含む記録媒体情報の設定を受け付ける第1のステップと、
    前記手差しトレイから搬送される記録媒体の主走査方向の長さを測定する第2のステップと、
    前記第2のステップにより測定された記録媒体の主走査方向の長さと、前記第1のステップにより受け付けられた記録媒体のサイズ情報とに基づいて、前記手差しトレイから搬送される記録媒体のスキュー量を算出する第3のステップと、
    を有することを特徴とする画像形成処理時の制御方法。
  12. 前記第3のステップにより算出された前記手差しトレイから搬送される記録媒体のスキュー量と、予め設定されているスキュー量の許容範囲とを比較する第4のステップを備え、
    前記第4のステップによる比較の結果、前記第3のステップにより算出された前記手差しトレイから搬送される記録媒体のスキュー量が前記スキュー量の許容範囲を超えると判断された場合、進行中の記録媒体への印刷処理を停止させる第5のステップと、
    を有することを特徴とする請求項11記載の画像形成処理時の制御方法。
  13. 前記第5のステップにより進行中の記録媒体への印刷処理を停止させた後、該記録媒体を排出する第6のステップを有することを特徴とする請求項12記載の画像形成処理時の制御方法。
  14. 前記第6のステップは、該記録媒体を前記手差しトレイへ排出することを特徴とする請求項13記載の画像形成処理時の制御方法。
  15. 記録媒体の排出先の指定を受け付ける第7のステップを備え、
    前記第6のステップは、前記第7のステップにより受け付けられた排出先へ該記録媒体を排出することを特徴とする請求項13記載の画像形成処理時の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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