JP2007330728A - 片手用トイレットペーパーホルダー - Google Patents

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Abstract

【目的】身障者用に好適な片手で、しかもペーパーを上方へ向けて切取り、使用時にペーパーの摘み部分を自動的に生じさせる。
【構成】後辺を回動軸部2、前辺をカバーペーパー押え辺部4とした上部カバー1と、後辺をペーパー押え辺部5、前辺をペーパー切取辺6とし下方に湾曲した作動カバー7とで成り、作動軸部9にて両者が互いに回動自在で、カバーペーパー押え辺部4がペーパー切取辺6の後方になるよう組合せる。また、ペーパー用支軸14はペーパー巻芯の内径に近い外径とし、その後方側はペーパー巻芯の内周面に接触し、前方側には空間19を生ずるよう前傾の断面が楕円状体とする。以上の構成でペーパー切取辺6を持ち上げると、カバーペーパー押え辺部4とペーパー押え辺部5とでロールペーパー表面10を挟んで回転を阻止してペーパーを切断する片手用トイレットペーパーホルダーである。
【選択図】図1

Description

この発明は、ロール状のトイレソトペーパーを収容するペーパーホルダーを使用して、トイレットペーパーを片手で上方へ引き上げることにより簡単に切り取ると共に、トイレットペーパーの切り口が上部カバーに隠れずに、次回使用時の摘み部として自動的に生じさせるトイレットペーパーホルダーの改良に関するものである。
従来のロール状のトイレットペーパー(以後はペーパーという)を収容するトイレットペーパーホルダー(以後はホルダーという)での使用方法は、片手で必要長のペーパーを引き出してから、上部のカバーを押さえてペーパーの回転流出を止め、もう一方の手でペーパーを切り取っていた。
また、切り取った後の切り口が上部のカバーに隠れてしまうので、次回の取り出しのときに上部のカバーを持ち上げペーパーを引き出す必要があった。
最近、身体障害者にも使いやすいように、片手のみでペーパーを簡単に切り取るホルダーの出現が望まれている。ところが従来の片手引き出し方法は、引き出したペーパーを下方へ向けて切断する方法が多いのが実状である。
しかし、総じて身体障害者には半身不随の人達が多く、片手と共に片足も不自由であるから下方へ力を加えることによって姿勢の安定性を崩す虞が見受けられる。
また、下方への加力は、ひょっとして、その手指を勢いよく鋭利な角等に接触させて負傷する等の虞があるともいえるのである。そこで、この発明は敢えて上方へ引き上げることによりペーパーを切断することにした。
ペーパーを上方へ引き上げて切断する先行技術を見ると、ホルダーの上部カバーに相当する天井部板の下側に、前辺をカッター辺とし、後辺を押え部とした湾曲状のペーパーカッター板が、前後方向のほぼ中央部の両幅端を回動支点として天井部板に連結していて、ペーパーを上方に向けて引き出すことによって、梃子の原理で押え部がロールペーパーの表面を押圧してペーパーの動きを止めると共に、カッター辺にてペーパーを切断する発明の名称「ロールペーパーカッター付ホルダー」がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、ホルダーの上部カバーに相当する覆板の下側に、ロールペーパーを導くための導紙棒と、ロールペーパーを押えるための支持棒を平行に結合して成る環状長方体の支持枠を設け、ペーパー切断時に覆板を持上げるように引っ張ると、回動した覆板にある覆板押え部がペーパーを挟んでいる支持棒を押えることによりペーパーの流出を止めると共に、覆板の先端辺にてペーパーを切断する発明の名称「ロールペーパーホルダー」がある(例えば、特許文献2参照。)。
更に、ホルダーの上部カバーに相当する腕杆の端部に、両側端部で上下に揺動自在に枢支する帯状板を設け、この帯状板の後縁と前縁とが、バネにて下方へ付勢されている腕杆により常時ロールペーパー上に当接する構成としていて、ペーパーを上方に向けて引き出すことによって、帯状板の前縁を上方へ上げることになるから、梃子の原理で鋭利な後縁がロールペーパーの表面を押圧してペーパーの動きを止めると共にペーパーを切断する発明の名称「ロール紙切断装置」がある(例えば、特許文献3参照。)。
加えて、ホルダーの上部カバーの前縁下部に、紙押さえエッジ板をほぼ中央に揺動自在に枢支し、そのほぼセンターとなるラインが常時ロールペーパー上にカバーと共に自重で当接するようにしている。更に、カバー自体は下方へは下がるが上方へはロックされて動かないように構成されているから、ペーパーを上方に向けて引き出すことによって、紙押さえエッジ板の前縁を上方へ上げることになり、梃子の原理で後縁がロールペーパーの表面を押圧してペーパーの動きを止めると共にペーパーを切断する発明の名称「トイレ用ペーパーホルダー」がある(例えば、特許文献4参照。)。
特開平04−210022号公報(2頁、図2、図3) 特開昭57−170219号公報(1〜2頁、第1図、第3図) 実公昭37−010160号公報(1頁、第1図、第2図) 特開平10−005150号公報(1〜2頁、図1、図2)
上記の特許文献1は、上部カバーである天井部板が、取り付け壁面から水平状に張り出して固定されているから、確かにペーパーカッター板は確実に作動して、ロールペーパーの動きを止めると共にペーパーを切断する。
しかしながら、ロールペーパーの紙量が少なくなると、押え部を巻芯に近づけねばならないから、必然的にカッター辺はロールペーパー表面から遠く高く離れるようになって切断し難くなる欠点がある。また、天井部板が一般品と異なり固定していて上方へ回動できないから、ロールペーパーの交換がし難いし、内側の拭き掃除もやり難いものと言える。
特許文献2においても上部カバーである覆板が、取り付け壁面に対し固定しているし、覆板押え部がペーパーを挟むから、ペーパーにて覆板を上方へ引き上げれば、覆板の先端辺にて確実にペーパーを切断することはできる。
しかしながら、別に環状長方体の支持枠を必要とするし、ペーパーの引き出し経路もこれらの上方の隙間を通す必要から不便に思われる。また、覆板が鋭角に下方に向って張り出し固定しているから該品内側の拭き掃除は一層やり難いものといえる。
上記2例に対し、特許文献3の上部カバーに相当する腕杆は、取り付け壁面に対し固定しておらず、バネにて常にロール紙上に帯状板を当接させているから、ペーパーにて帯状板の前縁を上方へ引き上げれば、鋭利な後縁で確実にペーパーを切断することができる。
しかしながら、そのようなバネ力で押さえていては、ペーパーを切らずに引き出すこと自体が難しく思われる。更に、ロール紙の交換時には、バネ力に抗して腕杆を壁面に押し付けているか、そうでなければ壁面位置に固定するロック機構を付加する必要がある。
特許文献4も上部カバーが、その前縁の紙押さえエッジ板と共に自重にて常にロール紙上に紙押さえエッジ板を当接させ、加えてロック機構で上方への動きを封じているから、ペーパーにて紙押さえエッジ板の前縁を上方へ引き上げれば、その後縁でロール紙の回動を押さえると共に前縁のエッジで確実にペーパーを切断することができる。
しかしながら、このように機構を複雑にしては日常のことなので、使いやすさを考えるとロックの解除やペーパーの着脱をする手間が掛かり大変に思われるしコストも嵩む。
この発明は、以上の諸欠点を解決するために、先ず、上部カバーを従来の一般品のように壁面に対して回動自在にできる状態のものとしておき、その上部カバーに連係するペーパーの押え機能と切断機能を有するペーパー押え部が、常にロール紙面上に当接するように成した上、ペーパー切断時においては、ペーパー押え部の下方から引き出すペーパーにてその前縁を上方へ上げても、上部カバー自体は上方へ回動せず逆に下方へ力点が作用してペーパー押え部がロール紙面上を圧接し、引き上げ出したペーパー部分は、その圧接力に抗し切れずに切断するように工夫するものである。
この発明の基本的な構成を図面に基づき説明する。なお、構成の部分において同一機能を有する箇所は、形状が異なっても同一の符号で表示した。
図1、図12、図13、図14、図15及び図16に示すように、ロール状ペーパー用のトイレットペーパーホルダーの上部カバー1において、その上部カバー1は、一般品と同様にその後方上辺部である回動軸部2を、壁側背面部3に回動自在に取付けたものとし、その前方下辺部をカバーペーパー押え辺部4とする。
なお、上部カバー1の回動軸部2からの全長は、そのカバーペーパー押え辺部4がペーパー用支軸14に当接するまで延伸したものとすることが肝要である。
また、上記の上部カバー1には、別に作動カバー7と称する下方に湾曲して後方辺をペーパー押え辺部5、前方辺をペーパー切取辺6としたものを組み合せる必要がある。
この作動カバー7の構成は、そのペーパー押え辺部5がペーパー用支軸14の水平中心線上近辺まで延伸している方が好ましく、作動バランスを考慮した位置にて該上部カバー1と互いに連係するように取り付けたものとする。
作動バランス位置とは、最も効果の高い結果のでる位置のことで、上部カバー1や作動カバー7の長さや重さによって取り付け位置が異なるから何処と決められないが、一般的にはペーパー用支軸14の垂直中心線上辺りからペーパー切取辺6に近い辺りまでとなる。
この上部カバー1と作動カバー7とを連係させる組み合せ方法は、両者を図12、図13、図14のような上部カバー1の回動軸部2からカバーペーパー押え辺部4との間にて、上述の各前後辺に平行な長方形状透孔8の連係手段を設け、そこにある作動軸部9にて、互いに回動自在に、かつ、図15、図16に見るようにカバーペーパー押え辺部4が、上記作動カバー7のペーパー切取辺6近傍の下側になってロールペーパー表面10に当接するように組合せるのである。なお、その時上記ペーパー切取辺6は、この発明品の最前辺となり、かつ、重量バランス上において常に下方へ傾くように考慮したものとする。
また、上部カバー1と作動カバー7の組合せを、図1に示したように、長方形状透孔8をペーパー切取辺6近くまで大きく延長させて、カバーペーパー押え辺部4が上記長方形状透孔8から上方へ自由に露出し得るように構成してもよい。
なお、長方形状透孔8とは、方形に限定されるものでなく、例えば長めの楕円状の透孔であっても構わないことは言うまでもない。
更に、ペーパー用支軸14の外径を、図2に見るようにペーパー巻芯の内径にほぼ近いものとして、加えて、後方側は常にペーパー巻芯の内周面に接触状態にあるようにし、前方側には空間19を生ずるようやや前方に傾いた断面が楕円状体とするのである。
なお、断面が必ずしも楕円でなければならないというわけではなく、棒体として、その後方側の半周面のみがペーパー巻芯の内周面に接触するよう配慮されれば、前方側は平面状であっても構わない。
以上がこの発明の基本構成であり、この構成によって後述する作用により、片手でペーパーを引き出し引上げて、ペーパー切取辺6にてペーパーを切断しても、上部カバー1は上方へは持上り難いペーパーホルダーとなるのである。
すなわち、ペーパーを引き出すときは、ペーパー切取辺6を動かさないので、作動軸部9を介したペーパー押さえ辺部5はロールペーパー表面10に当接していても、押圧されていない状態にあるから、抵抗なくペーパーを必要分引き出すことができる。
次に、図3及び図4に示すように、引き出したペーパーを片手で矢印の方向すなわちペーパー切取方向12へ引上げたときは、ペーパー切取辺6が上昇し、作動軸部9を介した梃子作用でペーパー押さえ辺部5を連動させて、ロールペーパー表面10を押圧させペーパーの動きを止めることになる。そのとき、同時に上部カバー1を上昇させる力も働いて、作動カバー7自体が上昇し、ペーパー押さえ辺部5がロールペーパー表面10から離脱してしまって、上記作動カバー7は上下方向のどの位置にても定まらず、引き上げたペーパーをペーパー切取辺6で切断できなくなってしまうと思われ勝ちである。
ところが、この発明ではペーパー切取辺6を上昇させると、上部カバー1のカバーペーパー押え辺部4を下降させる働きになってロールペーパー表面10を押圧させることとなるのである。そして、このカバーペーパー押え辺部4と、作動カバー7のペーパー押さえ辺部5とで、ロールペーパー表面10を挟み保持するという共同効果を得られるのである。
つまり、ペーパー切取辺6にペーパー切取方向12に力が加わったとき、力の伝達は次の順序となり、その順序に伴った動作を生ずる。
ア)先ず作動軸部9を支点とした梃子作用でペーパー押さえ辺部5がロールペーパー表面10を押圧させペーパーの動きを止めようとする。
イ)更に続いてペーパー切取方向12へとペーパー切取辺6に力が加わると、ペーパー押さえ辺部5のロールペーパー表面10への押圧力が強まると共に、ペーパーの引き千切り応力より引き上げ力が大きければ、ペーパーはこの段階で切断する。
ウ)前項イ)の段階でもペーパーの切断が起こらない場合は、ペーパー切取辺6を上昇させる力は当然作動軸部9をも上昇させようと働く。
その時、ペーパー押さえ辺部5は、より強くロールペーパー表面10を押圧しょうとするが、上部カバー1は回動軸部2で回動のみが可能であり、上昇そのものは止められているから、作動軸部9は上昇できず、壁側背面部3に向って動かざるを得ない。
それ故、作動軸部9を途中に有した上部カバー1は、壁側背面部3に向って動くこととなり、上記作動軸部9の上昇力は上記上部カバー1の下端であるカバーペーパー押え辺部4も壁側背面部3へ向うので、結局、上記カバーペーパー押え辺部4を逆に下降させる力となってロールペーパー表面10を押圧することになるのである。
つまり、ペーパー押さえ辺部5とカバーペーパー押え辺部4との両押圧ベクトルが、ペーパー用支軸14に向っていることによって、ロールペーパー表面10を挟むようになり、ペーパーの動きを止める力となるのである。
また、ペーパー用支軸14の断面が楕円状体としているから、たとえ直径がペーパー巻芯の内径にほぼ近いものとしていても、ペーパーの引き出し時は前方側に空間19があるためにロールペーパーは前に傾くことができるので容易に回転し引き出せる。
加えて、ロールペーパーは、自重でペーパー用支軸14の後方側が常にペーパー巻芯の内周面に接触状態にあるから、ペーパーの切断時は、ペーパー押さえ辺部5を含む作動カバーの下面の何処かが、僅かの動きでロールペーパー表面10を押圧することになって、このこともこの発明の効果を大きくさせているのである。
そして、不要なペーパーの流出を防止し、片手で簡単にペーパーを切り取ることが出来るようになったペーパーホルダーの上部カバー1は、ペーパー切り取り時にペーパー切取辺6を上昇させた時、該ペーパー切取辺6とカバーペーパー押え辺部4との離間距離分に相当するだけ作動カバー7に隠れないペーパー摘み部11を自動的に生じさせることになる。
この発明は、以上の構成を基本とした片手用トイレットペーパーホルダーである。
更に、図1及び図15に見るように、作動カバー7を長方形状透孔8辺りにて前後に分断したものとして作動軸部9にて回動自在に蝶着し、ペーパー切断時以外では、常時ペーパー押え辺部5とペーパー切取辺6、更にカバーペーパー押え辺部4がロールペーパー表面10に当接するようにした方が後述するペーパー交換時の対策として好ましいものとなる。
この場合、ペーパー切取辺6をロールペーパー表面10に当接させやすくするためには、前述した図1のように長方形状透孔8を大きく延長させて、カバーペーパー押え辺部4が長方形状透孔8から上方へ自由に露出し得るように構成した方がよい。
なお、作動カバー7のペーパー押え辺部5に、凸凹又は小さな波状形状なり、或は摩擦係数の大きい材質のものを付加したものを用いて、より確実にロールペーパー表面10の回動を抑えるようにするのも好ましい。
また、ペーパー切取辺6部を、上方へ反らせ、かつ、切断しやすい鋭利な形状や、金属か硬質な合成樹脂など材質の異なるものを付加したものとするのも好ましい。
なお、図2の16は、ペーパー用支軸を壁側背面部に固定するための側板であり、15は上部カバー1が一定の角度以上には下がらないようにするためのストッパーである。
このストッパー15を、他の図では全て記載を省略しているが、作動カバー7も一体であるだけに重いものとなるし、その角度以上下げる必要性が無いので設けた方が好ましい。
ペーパー交換時には、上部カバー1と共に作動カバー7も上方へ持上げて行うことになるが、この発明は片手用だから図15と図16に示すように、上部カバー1の長方形状透孔8に近い辺りに、片手で摘むのに適当な形状の取手20を有したものとする。
また、図1に示すように長方形状透孔8を大きく開けて、上部カバー1のカバーペーパー押え辺部4近傍に取手20を設けるようにすると一層持上げやすくなる。
なお、上部カバー1の表面に透明カバー17を有して、写真・絵等の切り抜13を交換できるよう装着できるスペースを設けたものにすれば、見て楽しいものとなる。
この発明は、ペーパーを切り取るときに、片手のみで行うことができるものである。すなわち、引き出したペーパーを単に上方へ引上げるだけで作業を行えるから、半身不随の身体障害者用として相応しいものとなったし、更に切り取った後、ペーパー切取辺6に隠れないペーパー摘み部11が自動的に生じ、次に取り出すときの煩わしさが無くなった。
更に、作動カバー7を前後に分断することにより、作動軸部9にて回動自在に蝶着しているペーパー押え辺部5は、自重にて垂れ下がって壁側背面部3に引っ掛かるのを防ぎ、常にペーパー切取辺6も自重で下を向くことにより不意なホルダーとの接触による負傷事故を軽減することが出来る。
また、図11に見るように、本来は破線で示した位置にあるペーパー切取辺6は、実線の上記ペーパー切取辺6とペーパー押え辺部5のように、ロールペーパー表面10に当接するようになるから、ペーパー交換時には、上部カバー1を矢印の方向へ持上げると、上記ペーパー押え辺部5は矢印のように両方向へ自在に傾くことができ容易に上記上部カバー1と作動カバー7を引き上げ得て、ペーパー交換上好ましいものとなる。
更に、ペーパー切取辺6を鋭利に、作動カバー7のペーパー押さえ辺部5の摩擦力を高めるために、それぞれの形状、材質を変えることによりペーパーの切り取りが楽になる。
加えて、殺風景なトイレ空間を、上部カバー1面に好きな絵画を飾ることにより、心地良い空間にすることができる。
この発明を実施するための最良の形態は、作動カバー7を前後に分割したものであり、更には図1に示したような連係手段である長方形状透孔8を、ペーパー切取辺6近くまで大きく延長させて、カバーペーパー押え辺部4が長方形状透孔8から上方へ自由に露出し得るように構成したものである。
この発明の基本的な作用は、使用時として既述したので多くは割愛するが、ペーパー切り取り時に上部カバー1を上昇させる力が働くときに、ペーパー切取方向12とペーパー押え辺部5の合力が回動軸部2で該上部カバー1を下向きに回動させる力が働き、作動軸部9を介してカバーペーパー押さえ辺部4を連動させロールペーパー表面10を押圧する。
そして、ロールペーパー表面10をペーパー押さえ辺部5とカバーペーパー押さえ辺部4で挟む状態になることで回転運動を固定して、不要なペーパーの流出を防止し、片手で簡単にペーパーを切り取ることが出来るようになるのである。
また、ペーパーを切り取ったときに、ペーパー切取辺6が上昇して生ずるペーパー切取辺6とカバーペーパー押え辺部4との離間距離分が、上側部分のペーパーカバーに隠れないペーパー摘み部11として自動的に生じるが、ペーパーの残りが少なくなった時、すなわちロールペーパー表面10の直径が小さくなった図4の状態では、あまりに大きな離間距離となって見苦しいし、ペーパーも切断し難くなる。
そこで、図6や図8及び図10に示したように離間距離の小さなものにするためには、上部カバー1と作動カバー7の形状や、図2に示したようにロールペーパーの中心軸となるペーパー用支軸14の垂直中心線と作動軸部9の垂直中心線との矢印で示したずれの量も、上部カバー1の回動軸部2に対する上記作動軸部9の高さの設定と相俟って、微妙に影響するから十分考慮して設計すべきである。
加えて、ペーパー押さえ辺部5に形状、材質を変えたものを付加することにより、摩擦力が大きくなり、しっかり押さえることができるようになることから、湾曲し凸凹した形状の合成樹脂を用いたものにすれば誤作動が少なくなり好ましいし、ペーパー切取辺6もその形状、材質を変えたものを付着することにより、安全性を図りながら少ない力で切れるようになることから、合成樹脂や金属を用いた鋸形や直線形にすると好ましい。
更には上部カバー1の上面に写真・絵等の切抜13などを飾れるスペースを設け、透明の合成樹脂を用いた絵画装飾部カバー17で覆い装飾できるようにしたら申し分なかろう。
さて、この発明の最良の形態として上述した図1のように、分断した作動カバー7のペーパー切取辺6を、カバーペーパー押え辺部4が越えて回動することにより、ロールペーパーの交換時に、取手20を摘んで持上げれば、作動軸部9を介して作動カバー7の上記ペーパー切取辺6とペーパー押え辺部5は自重で吊り下げられた状態で、ペーパー押え辺部5は壁側背面部3に接触することなく、また、ペーパー用支軸14を押圧することもなく引き上げられて行くから交換作業性が向上する。
また、作動カバー7を湾曲にして上部カバー1と組み立てたものを各例として前述してきたが、組み立てたときに、2枚の部材が交差した形になり、ロールペーパー表面10を複数点で押さえ、挟める形になればどのような形の組み合わせでも構わない。
以下に、この発明の各実施例を図面に基づいて説明する。実施例1は図16に示すような作動カバー7が分断していないものである。
また、図5と図6のように上部カバー1を薄い金属か合成樹脂製の長めにして先端部を下向きに湾曲させ、同じ材質の作動カバー7はロールペーパー表面10に沿うような湾曲度を持たせたものである。
このようにすると、図2に比してペーパー用支軸14の垂直中心線と作動軸部9の垂直中心線とのずれ量が大きくなり、梃子の原理で作動カバー7の後方の方が重いので、常にペーパー押さえ辺部5がロールペーパー表面10に接触していることになるから、ロールペーパーの回転ブレーキとなっている。
ただし、欠点もある。すなわち、図5の破線で示したのはロールペーパーが途中まで消耗した状態であって、図6のようにペーパーが無くなる状態のときと共に、作動カバー7の後方が滑らかに湾曲していることが災いして、ペーパー切断時に上部カバー1を上方へ上げてしまう虞を生じやすいから、上記作動カバー7の後方はペーパー押え辺部5を含めた全面に渡って摩擦性を高くする手段を講ずる必要がある。
実施例2は、図7及び図8に示したもので、実施例1とは上部カバー1が短く、作動カバー7の後方の湾曲性を異にしているものであって、湾曲と言うよりも途中で屈曲させたもの、それに後端辺はペーパー押え辺部5として内側へ突出させたものとした。
短い上部カバー1と言っても、図7の一点鎖線で示した矢印の如く、回動軸部2を中心とした作動軸部9の回動軌道は、ペーパー用支軸14に当接するようでなければならない。
こうすると、ペーパー切断時に、突出したペーパー押え辺部5が実施例1よりも大きなブレーキ性を生ずるし、ロールペーパーが無くなる状態のときは、図8に見るように作動カバー7の屈曲部が当接して滑り難くなるのである。
実施例3は、図9及び図10に示したもので、実施例2に似た効果を得ようとしたものであり、作動カバー7の後方の屈曲部を2ヶ所設けたものである。
屈曲部を2ヶ所とした理由は、ロールペーパーが満管時に接するものと、ロールペーパーが無くなる状態のときに接するものとしたのであって特に説明の要はなかろう。
以上の各実施例は、主として作動カバー7の形状に対して異なるものとし説明したが、その他の共通事項としては次のようなものがある。
作動軸部9や回動軸部2は、回動運動をすれば1本の長軸なり、突起体とそれを受ける凹部のもの、若しくは蝶番等、周知の慣用手段で構わない。
また、作動カバー7の長さの中で、作動軸部9からペーパー切取辺6までの寸法を長くすることにより、梃子の原理を使い少ない力でロールペーパー表面10に対し大きな押さえる力を出せるとともに、常に重心が手前にあることにより上記ペーパー切取辺6が下向きに保たれるようになって、手指の接触による負傷の危険性を低くすることができる。
加えて、ペーパーを切り取った後のペーパー摘み部11を長くすることができる。
次に上部カバー1と作動カバー7との組合せの実施例について述べる。図12は、図16に示したものの組合せであり実施例4とする。
すなわち、作動カバー7にある連係手段の長方形状透孔8の両端にある凹部に、上部カバー1のカバーペーパー押え辺部4の幅を、上記長方形状透孔8を通過する程度に短くして、かつ、同じ幅とした作動軸部9の位置には突起体を有して、この突起体を凹部に回動自在に嵌め込んで上記作動軸部9としたものである。
当然ながら、ロールペーパー表面10に対するカバーペーパー押え辺部4の圧接力は、短いだけに面積当りの力が増すから結果として大きな変わりはないのである。
実施例5は、図13に見るように、実施例4とは逆にしたもので、長方形状透孔8を上部カバー1に設けたものであり、これはペーパー押え辺部5の方が短くなる。
ロールペーパー表面10に対する圧接力の有効性は、接触面積当りの圧接力の強弱もあるが、同じ摩擦係数の材質を採用するならカバーペーパー押え辺部4よりもペーパー押え辺部5の方が重要であるから、実施例4の方が好ましいと言えよう。
実施例6は、図14に見るように、上部カバー1と作動カバー7の両方に連係手段として長方形状透孔8に代え長方形状の切欠を設け、互いに差し込んで丁度両者の幅に合うよう一方に長めの凹部、他方にはこの凹部に回動自在に嵌る長めの丸棒とする作動軸部9としたものである。
実施例7は、図1、図15に示した作動カバー7を前後に分断させたものであって、1本の長軸を作動軸部9として共用するように、上部カバー1も、分断している作動カバー7も、その一部分で回動自在に吊り下がるように成されている。したがって、該作動カバー7は図15の矢印のように前後の方向へ揺動自在となっている。
しかも、分断している作動カバー7には、定めた以上に上方へ反らないようにするための突片18が、互いに表面上に押し当て止めとなるようにしている。
実施例8は、最も好ましい実施例として前述した図1のものである。すなわち、連係手段でもある長方形状透孔8を、ペーパー切取辺6近くまで大きく延長させてカバーペーパー押え辺部4が長方形状透孔8から上方へ自由に露出し得るように構成したものである。
こうすれば、取手20を他の実施例よりも手前に設けられるから、ペーパー交換時にはこの取手20が摘みやすいし、回動軸部2から遠く離れているだけ他よりも持上げやすい。
勿論、ペーパー切断時の作業に支障はないし、他の実施例ではカバーペーパー押え辺部4が邪魔して回動できなかったペーパー切取辺6が、直接ロールペーパー表面10に当接するようになる。
なお、図1ではペーパー押え辺部5を直状に下方へ延伸させたものとしているが、該ペーパー押え辺部5のロールペーパー表面10へ圧接効果を上げるためには出来るだけ長くし、カバーペーパー押え辺部4と該ペーパー押え辺部5の端辺とを結ぶ線が、ペーパー用支軸14の中心を通る程度に、満管時のロールペーパー表面10を挟み込むのが望ましいのである。
実施例9は、図17に示したもので、一般的なLサイズの写真を上部カバー1に入れて、汚れないように透明な絵画装飾部カバー17をするものである。この写真は雑誌などの切り抜きやメモ用紙などの雑紙でもスペースに収まるものなら支障なく装飾できる。
この発明は、芯を有するロール状のものなら、基本的にはトイレットペーパーのみならず、キッチンペーパー、不織布、アルミ箔など構造上全てにおいて使えるものである。
この発明の使用状態で、前後に分割した作動カバーを採用し、カバーペーパー押え辺部を表面に露出可能にした実施例の要部を示す斜視図である。(実施例8) この発明の使用状態を説明するための側面模式図である。 図2のペーパーを切断する使用状態で示す側面模式図である。 図3のペーパーが最少となったときのペーパーを切断する状態で示す側面模式図である。 この発明の作動カバーを円弧状とした実施例で、満管時のペーパーを取り付けた状態で示す側面模式図である。(実施例1)。 図5の実施例のものを、ペーパーが最少となったときの使用状態で示した側面模式図である。(実施例1) この発明の作動カバーを他の実施例としたもので、満管時のペーパーを取り付けた状態で示す側面模式図である。(実施例2)。 図7の実施例のものを、ペーパーが最少となったときの使用状態で示した側面模式図である。(実施例2) この発明の作動カバーを更に他の実施例としたもので、満管時のペーパーを取り付けた状態で示す側面模式図である。(実施例3)。 図9の実施例のものを、ペーパーが最少となったときの使用状態で示した側面模式図である。(実施例3) 図4の作動カバーを、前後に分割したものとして示した側面模式図である。 図16の上部カバーから作動カバーを分離した状態で示す斜視図である。(実施例4) この発明の上部カバー及び作動カバーを、他の実施例で示す斜視図である。(実施例5) この発明の上部カバー及び作動カバーを、更に他の実施例で示す斜視図である。(実施例6) この発明の他の実施例で、前後に分割した作動カバーを採用した斜視図である。(実施例7) この発明の他の実施例の使用状態で示す斜視図である。(実施例4) この発明の上部カバーに、写真・絵等の切抜を装着する実施例を示した斜視図である。(実施例9)
符号の説明
1 上部カバー
2 回動軸部
3 壁側背面部
4 カバーペーパー押え辺部
5 ペーパー押え辺部
6 ペーパー切取辺
7 作動カバー
8 長方形状透孔
9 作動軸部
10 ロールペーパー表面
11 ペーパー摘み部
12 ペーパー切取方向
13 写真・絵等の切抜
14 ペーパー用支軸
19 空間
20 取手

Claims (7)

  1. ロール状ペーパー用のトイレットペーパーホルダーにおいて、上部カバー(1)の後方上辺部である回動軸部(2)を壁側背面部(3)に回動自在に取付け、該回動軸部(2)とは前方下辺部でありペーパー用支軸(14)に当接するまで延伸するカバーペーパー押え辺部(4)との間には、下方に湾曲して該ペーパー用支軸(14)の水平中心線上近辺まで延伸する後方辺をペーパー押え辺部(5)とし、最前方辺をペーパー切取辺(6)とした作動カバー(7)を、該作動カバー(7)の作動バランスを考慮した位置に該上部カバー(1)と互いに連係するよう設けた連係手段として、上記各前後辺に平行な長方形状透孔(8)内にある作動軸部(9)にて、回動自在に、かつ、上記カバーペーパー押え辺部(4)が、上記作動カバー(7)の上記ペーパー切取辺(6)近傍の後方になってロールペーパー表面(10)に当接するように組合せると共に、上記ペーパー用支軸(14)の外径をペーパー巻芯の内径にほぼ近く、かつ、後方側は上記ペーパー巻芯の内周面に接触状態にあり、前方側には空間(19)を生ずるようやや前方に傾いた断面が楕円状体とし、片手でペーパーを引上げることにより上記ペーパー切取辺(6)にて切断しても上記上部カバー(1)が上方へは持上り難いように構成したことを特徴とする片手用トイレットペーパーホルダー。
  2. 連係手段として、上部カバー(1)か作動カバー(7)のいずれか一方の作動軸部(9)に、該作動軸部(9)に平行な長方形状透孔(8)を、該上部カバー(1)に該長方形状透孔(8)を設けた場合はペーパー押え辺部(5)が、作動カバー(7)に該長方形状透孔(8)を設けた場合はカバーペーパー押え辺部(4)を、その該当する辺部を幅狭にして上記長方形状透孔(8)を通して組合せるようにした請求項1記載の片手用トイレットペーパーホルダー。
  3. 作動カバー(7)を長方形状透孔(8)辺りにて前後に分断し、作動軸部(9)にて回動自在に蝶着して、ペーパー押え辺部(5)が、ペーパー切断時以外では常時ロールペーパー表面(10)に自重にて当接するように吊り下げ状態にした請求項1又は請求項2記載の片手用トイレットペーパーホルダー。
  4. 作動カバー(7)のペーパー押え辺部(5)に、凸凹又は小さな波状形状なり、或は摩擦係数の大きい材質のものを付加した請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の片手用トイレットペーパーホルダー。
  5. ペーパー切取辺(6)部を、上方へ反らせ、かつ、切断しやすい鋭利な形状や、金属か硬質な合成樹脂など材質の異なるものを付加した請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の片手用トイレットペーパーホルダー。
  6. 上部カバー(1)の露出している上面の可能な限り前方の中央部に、ペーパー交換時に用いるための取手(20)を設けた請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の片手用トイレットペーパーホルダー。
  7. 上部カバー(1)の表面に、写真・絵等の切り抜き(13)を装着できるスペースを設けた請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の片手用トイレットペーパーホルダー。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5286474B1 (ja) * 2012-07-17 2013-09-11 昭治 金岡 ロールペーパー切断装置
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