JP2007329718A - Mosデバイスの保護回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】チップサイズの増大を抑制しながらも、MOSデバイスの駆動電圧を超える入力電圧が入力されても当該MOSデバイスの正常動作を可能にし得るMOSデバイスの保護回路を提供する。
【解決手段】保護回路10では、グランドレベルシフト回路10aにより入力電圧Vinの入力最小電圧よりも低くバッテリ電圧VBの電位にほぼ等しく駆動電圧Vddの電位を設定可能な仮想グランドVgndを、駆動電圧VddのグランドGndとする。これにより入力最大電圧がバッテリ電圧VBのアースEに対する駆動電圧Vddを超えてバッテリ電圧VB以下の入力電圧VinがCMOS回路50のCMOSデバイスに入力されても、入力電圧VinをCMOSデバイスの入力許容電圧幅内で入力できる。したがって高耐圧のCMOSデバイスを用いることなく、CMOSデバイスの正常動作を可能にし、チップサイズの増大を抑制しながらも、CMOSデバイスを正常に動作させられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、供給電圧よりも低い駆動電圧で動作するMOSデバイスを保護するMOSデバイスの保護回路に関するものである。
MOSデバイスを保護する回路として、例えば下記特許文献1に開示される「電圧レベルシフト回路」がある。この従来技術は、入力側に高耐圧のnMOSFETを使用するとともに、保護すべきpMOSFETのゲートに耐圧以上の電圧がかからないように、このnMOSFETの電流値を設定する。これにより、pMOSFETのゲート耐圧以上の電圧を用いることが可能なレベルシフト回路を実現している。
特開平9−18323号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示される従来技術によると、入力側のnMOSFETには高耐圧のものを使用するため、当該MOSデバイスが実装される半導体回路基板の面積、つまりチップサイズが大きくなり、製造コストの増大を招くという問題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、チップサイズの増大を抑制しながらも、MOSデバイスの駆動電圧を超える入力電圧が入力されても当該MOSデバイスの正常動作を可能にし得るMOSデバイスの保護回路を提供することにある。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1のMOSデバイスの保護回路では、供給電圧よりも低い駆動電圧で動作するMOSデバイスを保護する保護回路であって、前記MOSデバイスの入力電圧で、前記MOSデバイスの入力許容電圧幅よりも狭い入力変動幅でその最大電圧が前記供給電圧の基準電位に対する前記駆動電圧を超えて前記供給電圧以下で入力される入力電圧から、前記MOSデバイスを保護するMOSデバイスの保護回路において、前記入力電圧の最小電圧よりも低く、かつ、前記供給電圧の電位にほぼ等しく前記駆動電圧の電位を設定可能な仮想基準電位を、前記駆動電圧の基準電位とする仮想基準電位設定手段を備えることを技術的特徴とする。
特許請求の範囲に記載の請求項2のMOSデバイスの保護回路では、供給電圧よりも低い駆動電圧で動作するMOSデバイスを保護する保護回路であって、前記MOSデバイスの入力電圧で、前記MOSデバイスの入力許容電圧幅よりも狭い入力変動幅でその最大電圧が前記供給電圧の基準電位に対する前記駆動電圧を超えて前記供給電圧以下で入力される入力電圧から、前記MOSデバイスを保護するMOSデバイスの保護回路において、前記入力電圧の最小電圧よりも低く、かつ、前記入力変動幅に含まれない範囲で、前記供給電圧の基準電位よりも高い仮想基準電位を、前記駆動電圧の基準電位として設定する仮想基準電位設定手段と、前記入力電圧の最高電圧よりも高く、かつ、前記入力変動幅に含まれない範囲で、前記供給電圧よりも低い仮想駆動電位を、前記仮想基準電位に対する前記駆動電圧の電位として設定する仮想駆動電位設定手段と、を備えることを技術的特徴とする。
特許請求の範囲に記載の請求項3のMOSデバイスの保護回路では、請求項1または2記載のMOSデバイスの保護回路において、前記仮想基準電位と前記供給電圧の基準電位との間に介在するノイズ除去手段を備えることを技術的特徴とする。
請求項1の発明では、仮想基準電位設定手段により、入力電圧の最小電圧よりも低く、かつ、供給電圧の電位にほぼ等しく駆動電圧の電位を設定可能な仮想基準電位を、駆動電圧の基準電位とする。これにより、駆動電圧の電位が供給電圧の電位にほぼ等しく設定されるとともに、駆動電圧の基準電位が入力電圧の最小電圧よりも低く設定されるので、最大電圧が供給電圧の基準電位に対する駆動電圧を超えて供給電圧以下の入力電圧がMOSデバイスに入力されても、このような入力電圧を当該MOSデバイスの入力許容電圧幅内で入力することが可能となる。したがって、高耐圧のMOSデバイスを用いることなく、MOSデバイスの駆動電圧を超える入力電圧が入力されても当該MOSデバイスの正常動作を可能にし、チップサイズの増大を抑制しながらも、このような入力電圧に対するMOSデバイスを正常に動作させることができる。
請求項2の発明では、仮想基準電位設定手段により、入力電圧の最小電圧よりも低く、かつ、入力変動幅に含まれない範囲で、供給電圧の基準電位よりも高い仮想基準電位を駆動電圧の基準電位として設定し、仮想駆動電位設定手段により、入力電圧の最高電圧よりも高く、かつ、入力変動幅に含まれない範囲で、供給電圧よりも低い仮想駆動電位を、仮想基準電位に対する駆動電圧の電位として設定する。これにより、駆動電圧の基準電位として、供給電圧の基準電位よりも高い仮想基準電位が設定され、駆動電圧の電位として、供給電圧よりも低い仮想駆動電位が設定されるので、最大電圧が供給電圧の基準電位に対する駆動電圧を超えて供給電圧以下の入力電圧がMOSデバイスに入力されても、このような入力電圧を当該MOSデバイスの入力許容電圧幅内で入力することが可能となる。また、駆動電圧の電位として、供給電圧よりも低い仮想駆動電位が設定されるので、仮想基準電位に対する仮想駆動電位を当該MOSデバイスの駆動電圧として任意に設定することができる。したがって、高耐圧のMOSデバイスを用いることなく、MOSデバイスの駆動電圧を超える入力電圧が入力されても当該MOSデバイスの正常動作を可能にし、チップサイズの増大を抑制しながらも、このような入力電圧に対するMOSデバイスを正常に動作させることができる。
請求項3の発明では、仮想基準電位と供給電圧の基準電位との間に介在するノイズ除去手段を備える。これにより、仮想基準電位設定手段によって供給電圧の基準電位とは異なる電位に仮想基準電位が設定され、当該仮想基準電位にノイズが乗りやすくなっても、ノイズ除去手段によりノイズを除去することが可能となる。したがって、MOSデバイスを安定して動作させることができる。
以下、本発明のMOSデバイスの保護回路(以下、単に「保護回路」という)を、車載用ECU(Electronic Control Uint;電子制御ユニット)に実装されるCMOSアナログスイッチ回路のCMOSデバイスの保護に適用した各実施形態について図1〜図5を参照して説明する。
なお、以下説明する各実施形態において、「アース」とは、接地または大地あるいはこれらに相当する概念でバッテリ電圧VBの基準電位となるものを意味し、また「グランド」とは、駆動電圧Vddの基準電位で、アースよりも電位が高いものを意味する。例えば、車両に搭載されるECUの場合、車体がアースに相当し、ECUの筐体がグランドに相当する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態では、図1および図2に基づいてグランドレベルシフト回路10aおよびノイズ除去回路10bから構成される保護回路10を説明する。なお、図1には、本第1実施形態に係る保護回路10の構成例が示されており、図2には、CMOS回路50に対する電圧関係として、CMOS回路50により保護しない場合の例(図2(A) )、CMOS回路50により保護する場合の例(図2(B) )が、それぞれ示されている。
図1に示すように、第1実施形態に係る保護回路10は、ECUに実装されるCMOS回路50のCMOSデバイスを保護するもので、CMOS回路50のグランドGndの電位だけを、グランドレベルシフト回路10aによりバッテリ電圧VB(プラス電位)側にシフトさせる構成を採ることで、アースライン12およびバッテリ電源ライン16から供給を受けるバッテリ電圧VBよりも低い駆動電圧Vddで動作するCMOSデバイスを保護するものである。
即ち、グランドレベルシフト回路10aは、バッテリ電圧VBに接続されるバッテリ電源ライン16とその基準電位であるアースEに接続されるアースライン12との間に直列に接続される抵抗R11,R12と、エミッタがCMOS回路50のグランドGndに接続されるグランドライン14に、またコレクタがアースライン12に、それぞれ接続されるとともに、抵抗R11と抵抗R12との接続点がベースに接続されるPNP型のトランジスタQ11と、により構成されている。
これにより、抵抗R11,R12による分圧Vα(=VB×R12/(R11+R12))がトランジスタQ11のベース電圧となるため、エミッタ−コレクタ間の電圧VCEはこの分圧Vαに0.7V(順方向電圧Vf分)を加えた電圧になる。例えば、CMOS回路50のグランドGndの電位をアースEに対して+5Vシフトさせたい場合には、トランジスタQ11のベース電圧を4.3V(=5V−0.7V)に設定する。
例えば、図2(A) に示すように、アースライン12(アースE)に対して約+14Vの電位に設定されるバッテリ電圧VBがバッテリ電源ライン16からCMOS回路50に供給される一方で、当該CMOS回路50の動作電圧が例えば直流5V±2Vで、入力電圧Vinの許容電圧幅(以下「入力許容電圧幅」という)も同様に設定されているときには、通常、バッテリ電圧VBの+14Vを+5V(最大7V)に降圧してCMOS回路50に駆動電圧Vdd(=7.0V)として供給する。
しかし、例えば同図に示すように、CMOS回路50に入力される入力電圧Vinがアースライン12(アースE)に対して+11Vの電位を中心に±2.5Vの入力電圧変動幅Vwで入力される場合には、当該CMOS回路50の駆動電圧Vdd(最大7.0V)を超えて入力電圧Vinが入力されることになる。このため、このような入力電圧VinがCMOS回路50に入力される場合には、当該CMOS回路50を構成するCMOSデバイスに予定外の極性で電圧が印加されたり、逆方向に電流が流れるため、CMOSデバイスの破損を招き得る。また、入力電圧Vinの中心電圧がCMOS回路50の駆動電圧Vddを超えていない場合でも、その入力最大電圧Vin-maxが駆動電圧Vddを超えるときには、同様に、CMOSデバイスの破損を招き得る。なお、図2(A) に示す入力電圧Vinの例では、その入力最小電圧Vin-minでもCMOS回路50の駆動電圧Vddを超えている。
そこで、例えば、図2(B) に示すように、グランドレベルシフト回路10aによりグランドライン14(グランドGnd)の電位をアースライン12(アースE)に対してプラス側に7Vシフトさせる。即ち、当該CMOS回路50を駆動する駆動電圧Vddの基準電位であるグランドGndを仮想グランドVgnd としてアースEから+7V上昇させることによって駆動電圧Vddがそのままにバッテリ電圧VBに等しく設定される。このため、入力電圧VinがアースEに対して+11Vの電位を中心に±2.5Vの入力電圧変動幅Vwで入力される場合であっても、当該CMOS回路50は、仮想グランドVgnd に対して+4Vの電位を中心に±2.5Vの入力電圧変動幅Vwで入力されるものとしてこのような入力電圧Vinを電気的に処理することが可能となる。
具体的には、仮想グランドVgnd の電位から0.7V減じた電位が、抵抗R11,R12による分圧Vαとなるようにこれらの抵抗値を設定する。例えば、アースEに対するバッテリ電圧VBが14Vで、アースEに対して+7Vシフトするように仮想グランドVgnd に設定する場合には、6.3V(=7V−0.7V)がトランジスタQ11のベースに印加されるように、抵抗R11および抵抗R12の値をそれぞれ設定する。例えば、抵抗R11が10kΩに設定されている場合、抵抗R12を8.2Ωに設定する。
これにより、抵抗R11,R12による分圧Vα(=VB×R12/(R11+R12))は、14V×8.2kΩ/(10kΩ+8.2kΩ)=6.3Vになるため、これに順方向電圧Vf分(0.7V)を加えた7.0VがアースEに対する仮想グランドVgnd の電位に設定されることから、CMOS回路50に供給される駆動電圧Vddはこの仮想グランドVgnd (Gnd)を基準電位とした電圧となる。
このようにCMOS回路50に供給される駆動電圧Vddの基準電位としての仮想グランドVgnd をアースEの電位と異なる電位に設定すると、仮想グランドVgnd の高周波インピーダンスが高くなるため、その分、当該仮想グランドVgnd にノイズが乗りやすくなり当該仮想グランドVgnd 経由でCMOS回路50に外来ノイズが侵入しやすくなる。このため、本第1実施形態に係る保護回路10では、仮想グランドVgnd とアースEとの間にノイズ除去回路10bを介在させることによってこのような外来ノイズを除去している。
具体的には、グランドライン14(仮想グランドVgnd )とアースライン12(アースE)との間に、1000pF〜0.01μF程度のコンデンサC21を介在させることによって、当該グランドライン14の高周波インピーダンスが低下することから、侵入した外来ノイズをアースライン12側に逃がすことが可能となる。なお、ここでは外来ノイズの周波数成分が数MHz以上であることを想定してコンデンサC21を1000pF〜0.01μF程度に設定したが、このようなコンデンサC21の静電容量は除去するノイズの周波数成分によって適宜選択される。
なお、本第1実施形態では、CMOS回路50として、CMOSアナログスイッチ回路を想定しているため、その入力端子としてVinが、また出力端子としてVout がそれぞれ図1の回路図に記載されている。
このように本第1実施形態に係る保護回路10によると、グランドレベルシフト回路10aにより、入力電圧Vinの入力最小電圧Vin-minよりも低く、かつ、バッテリ電圧VBの電位にほぼ等しく駆動電圧Vddの電位を設定可能な仮想グランドVgndを、駆動電圧VddのグランドGndとする。
これにより、駆動電圧Vddの電位がバッテリ電圧VBの電位にほぼ等しく設定されるとともに、駆動電圧VddのグランドGndが入力電圧Vinの入力最小電圧Vin-minよりも低く設定されるので、入力最大電圧Vin-maxがバッテリ電圧VBのアースEに対する駆動電圧Vddを超えてバッテリ電圧VB以下の入力電圧VinがCMOS回路50のCMOSデバイスに入力されても、このような入力電圧Vinを当該CMOSデバイスの入力許容電圧幅内で入力することが可能となる。したがって、高耐圧のCMOSデバイスを用いることなく、CMOSデバイスの駆動電圧Vddを超える入力電圧Vinが入力されても当該CMOSデバイスの正常動作を可能にするので、チップサイズの増大を抑制しながらも、このような入力電圧Vinに対するCMOSデバイスを正常に動作させることができる。
また、本第1実施形態に係る保護回路10では、仮想グランドVgndとアースEとの間に介在するノイズ除去回路10bを備えるので、グランドレベルシフト回路10aによりバッテリ電圧VBのアースEとは異なる電位に仮想グランドVgndが設定され、当該仮想グランドVgndにノイズが乗りやすくなっても、ノイズ除去回路10bによりノイズを除去することが可能となる。したがって、CMOSデバイスを安定して動作させることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態では、前述した第1実施形態の保護回路10に仮想Vdd設定回路10cを追加したもの、即ち、グランドレベルシフト回路10a’、ノイズ除去回路10bおよび仮想Vdd設定回路10cから構成される保護回路10’を、図3〜図5に基づいて説明する。なお、図3には、本第2実施形態に係る保護回路10’の構成例が示されており、また図4には、本第2実施形態に係る保護回路10’の改変例として保護回路10”が示されている。さらに図5には、CMOS回路50に対する電圧関係として、CMOS回路50により保護しない場合の例(図5(A) )、CMOS回路50により保護する場合の例(図5(B) )が、それぞれ示されている。
なお、本第2実施形態の保護回路10’は、前述した保護回路10に対して仮想Vdd設定回路10cが追加されている点が異なるので、実質的に同一の構成部分については同一符号を付してそれらの説明を省略する。
図3に示すように、第2実施形態に係る保護回路10’は、CMOS回路50のグランドGndの電位をグランドレベルシフト回路10aによりバッテリ電圧VB(プラス電位)側にシフトさせるとともに、CMOS回路50の駆動電圧Vddの電位を仮想Vdd設定回路10cによりアースE(マイナス電位)側にシフトさせる構成を採る。これにより、アースライン12およびバッテリ電源ライン16から供給を受けるバッテリ電圧VBよりも低い駆動電圧Vddで動作するCMOSデバイスの保護を可能にしている。
即ち、仮想Vdd設定回路10cは、バッテリ電源ライン16とアースライン12との間に直列に接続される、定電流源CC31、ダイオードD31,D32、ツェナーダイオードZD33と、エミッタがCMOS回路50の駆動電圧Vddに接続される駆動電源ライン18に、またコレクタがバッテリ電源ライン16に、それぞれ接続されるとともに、定電流源CC31とダイオードD31との接続点がベースに接続されるNPN型のトランジスタQ31と、により構成されている。
ダイオードD31,D32は、バッテリ電源ライン16からアースライン12に向かって順方向電流が流れるように、アノードをバッテリ電源ライン16側に、カソードをアースライン12側に向けて接続されており、またこれとは逆にツェナーダイオードZD33はバッテリ電源ライン16からアースライン12に向かって逆方向電流が流れるように、アノードをアースライン12側に、カソードをバッテリ電源ライン16側に向けて接続されている。また、定電流源CC31は、このように直列に接続されたダイオードD31,D32、ツェナーダイオードZD33に所定電流を流すことで、ツェナーダイオードZD33によるツェナー電圧VzにダイオードD31,D32による1.4V(=0.7V(順方向電圧Vf分)×2)を加えた電圧VβがトランジスタQ31のベース電圧として発生可能にしている。
これにより、トランジスタQ31のベース電圧は、ツェナー電圧Vz+2Vfに設定されることから、例えば、ツェナーダイオードZD33のツェナー電圧Vzを7.5Vに設定すると、トランジスタQ31のベース電圧Vβは、8.9V(=7.5V+2×0.7V)となって、駆動電源ライン18、つまり仮想駆動電圧Vvddは8.2V(=8.9V−0.7V)に設定される。
これに対し、このように設定される仮想駆動電圧Vvddの駆動電源ライン18とその基準電位であるアースEのアースライン12との間に、第1実施形態で説明したグランドレベルシフト回路10aを介在させる。ここでは、バッテリ電源ライン16(バッテリ電圧VB)とアースライン12(アースE)との間ではなく、駆動電源ライン18(仮想駆動電圧Vvdd)とアースライン12(アースE)との間に介在させているので、グランドレベルシフト回路10a’とする。
これにより、抵抗R11,R12による分圧Vα(=Vvdd×R12/(R11+R12))がトランジスタQ11のベース電圧となるため、エミッタ−コレクタ間の電圧VCEはこの分圧VαにVf(0.7V)を加えた電圧になる。前述の例では、仮想駆動電圧Vvddを8.2Vに設定しているので、CMOS回路50の動作電圧が第1実施形態の場合と同様に、例えば直流5V±2Vで、入力電圧Vinの入力許容電圧幅も同様に設定されているときには、グランドライン14、つまり仮想グランドVgndが1.2V(=8.2V−7.0V)に設定され、トランジスタQ11のベース電圧Vαが0.5V(=1.2V−0.7V)になるように、仮想駆動電圧Vvddの8.2Vを抵抗R11,R12により分圧する。例えば、抵抗R11が10kΩに設定されている場合には、抵抗R12を650Ωに設定する。
これにより、抵抗R11,R12による分圧Vα(=Vvdd×R12/(R11+R12))は、8.2V×650Ω/(10kΩ+650Ω)=0.5Vになるため、これに順方向電圧Vf分(0.7V)を加えた1.2V(=0.5V+0.7V)がアースEに対する仮想グランドVgnd の電位に設定される。したがって、仮想グランドVgndは、アースEに対して+1.2Vに設定され、また仮想駆動電圧Vvddは、アースEに対して+8.2Vで仮想グランドVgndに対して+7.0Vに設定される。
このように設定された仮想駆動電圧Vvddを駆動電源ライン18に、また仮想グランドVgndをグランドライン14に、それぞれ供給することによって、例えば、図5(A) に示すように、アースライン12(アースE)に対して約+14Vの電位に設定されるバッテリ電圧VBがバッテリ電源ライン16からCMOS回路50に供給されるとともに、入力電圧Vinが、アースライン12に対して+5Vの電位を中心に±2.5Vの入力電圧変動幅Vwで入力される場合においても、図5(B) に示すように、当該CMOS回路50は、アースライン12(アースE)に対して+1.2Vに設定される仮想グランドVgndを基準に+7.0Vの仮想駆動電圧Vvdd(駆動電圧Vdd=8.2V)で駆動される。このため、入力電圧VinがアースEに対して+5Vの電位を中心に±2.5Vの入力電圧変動幅Vwで入力される場合であっても、当該CMOS回路50は、仮想グランドVgnd に対して+3.8Vの電位を中心に±2.5Vの入力電圧変動幅Vwで入力されるものとしてこのような入力電圧Vinを電気的に処理することが可能となる。
なお、図3に示すグランドレベルシフト回路10a’では、ランジスタQ11のベース電圧を抵抗R11,R12による分圧Vαにより設定したが、例えば、図4に示すように、当該ベース電圧をバンドギャップ電圧源BG11により設定可能にしたグランドレベルシフト回路10a”を用いても良い。これにより、抵抗分圧によるものよりも、高精度で温度に対する電圧変動を抑制して安定性の高いベース電圧を設定することができるため、仮想グランドVgndの安定化を図ることが可能となる。また、前述した第1実施形態の保護回路10を構成するグランドレベルシフト回路10aをこのようなグランドレベルシフト回路10a”に代えて構成しても良い。
このように本第2実施形態に係る保護回路10’によると、グランドレベルシフト回路10a’(10a”)により、入力電圧Vinの入力最小電圧Vin-minよりも低く、かつ、入力電圧変動幅Vwに含まれない範囲で、バッテリ電圧VBのアースEよりも高い仮想グランドVgndを駆動電圧VddのグランドGndとして設定し、仮想Vdd設定回路10cにより、入力電圧Vinの入力最大電圧Vin-maxよりも高く、かつ、入力電圧変動幅Vwに含まれない範囲で、バッテリ電圧VBよりも低い仮想駆動電圧Vvddを、仮想グランドVgndに対する駆動電圧Vddの電位として設定する。
これにより、駆動電圧VddのグランドGndとして、バッテリ電圧VBのアースEよりも高い仮想グランドVgndが設定され、駆動電圧Vddの電位として、バッテリ電圧VBよりも低い仮想駆動電圧Vvddが設定されるので、入力最大電圧Vin-maxがバッテリ電圧VBのアースEに対する駆動電圧Vddを超えてバッテリ電圧VB以下の入力電圧VinがCMOSデバイスに入力されても、このような入力電圧Vinを当該CMOSデバイスの入力許容電圧幅内で入力することが可能となる。また、駆動電圧Vddの電位として、バッテリ電圧VBよりも低い仮想駆動電圧Vvddが設定されるので、仮想グランドVgndに対する仮想駆動電圧Vvddを当該CMOSデバイスの駆動電圧Vddとして任意に設定することができる。したがって、高耐圧のCMOSデバイスを用いることなく、CMOSデバイスの駆動電圧Vddを超える入力電圧Vinが入力されても当該CMOSデバイスの正常動作を可能にし、チップサイズの増大を抑制しながらも、このような入力電圧Vinに対するCMOSデバイスを正常に動作させることができる。
また、本第2実施形態に係る保護回路10’(10”)では、仮想グランドVgndとアースEとの間に介在するノイズ除去回路10bを備えるので、グランドレベルシフト回路10aによってバッテリ電圧VBのアースEとは異なる電位に仮想グランドVgndが設定され、当該仮想グランドVgndにノイズが乗りやすくなっても、ノイズ除去回路10bによりノイズを除去することが可能となる。したがって、CMOSデバイスを安定して動作させることができる。
なお、以上説明した各実施形態では、MOSデバイスの例として、CMOS回路50を構成するCMOSデバイスを例示して説明したが、本発明の保護回路により保護可能なデバイスは、これに限れることはなく、Pチャネル型のMOSデバイスやNチャネル型のMOSデバイス等であっても上述と同様に保護することができる。
本発明の第1実施形態に係る保護回路の構成例を示す回路図である。 CMOS回路に対する電圧関係を示す説明図で、図2(A) は図1に示す保護回路を構成しない場合の例、図2(B) は図1に示す保護回路を構成した場合の例、をそれぞれ示す。 本発明の第2実施形態に係る保護回路の構成例を示す回路図である。 図3に示す保護回路の改変例の構成を示す回路図である。 CMOS回路に対する電圧関係を示す説明図で、図5(A) は図3に示す保護回路を構成しない場合の例、図5(B) は図3に示す保護回路を構成した場合の例、をそれぞれ示す。
符号の説明
10…保護回路(MOSデバイスの保護回路)
10a、10a’、10a”…グランドレベルシフト回路(仮想基準電位設定手段)
10b…ノイズ除去回路(ノイズ除去手段)
10c…仮想Vdd設定回路(仮想駆動電位設定手段)
12…アースライン
14…グランドライン
16…バッテリ電源ライン
18…駆動電源ライン
50…CMOS回路(MOSデバイス)
BG11…バンドギャップ電圧源(仮想基準電位設定手段)
C21…コンデンサ(ノイズ除去手段)
CC31…定電流源(仮想駆動電位設定手段)
D31、D32…ダイオード(仮想駆動電位設定手段)
E…アース(供給電圧の基準電位)
Gnd…グランドGnd(駆動電圧の基準電位)
Q11…トランジスタ(仮想基準電位設定手段)
Q31…トランジスタ(仮想駆動電位設定手段)
R11、R12…抵抗(仮想基準電位設定手段)
VB…バッテリ電圧(供給電圧)
Vin…入力電圧
Vin-max…入力最大電圧(最大電圧)
Vin-min…入力最小電圧(最小電圧)
Vgnd…仮想グランド(仮想基準電位)
Vvdd…仮想駆動電圧(仮想駆動電位)
Vw…入力電圧変動幅(入力変動幅)
Vdd…駆動電圧(駆動電圧)
Vα…分圧
ZD33…ツェナーダイオード(仮想駆動電位設定手段)

Claims (3)

  1. 供給電圧よりも低い駆動電圧で動作するMOSデバイスを保護する保護回路であって、前記MOSデバイスの入力電圧で、前記MOSデバイスの入力許容電圧幅よりも狭い入力変動幅でその最大電圧が前記供給電圧の基準電位に対する前記駆動電圧を超えて前記供給電圧以下で入力される入力電圧から、前記MOSデバイスを保護するMOSデバイスの保護回路において、
    前記入力電圧の最小電圧よりも低く、かつ、前記供給電圧の電位にほぼ等しく前記駆動電圧の電位を設定可能な仮想基準電位を、前記駆動電圧の基準電位とする仮想基準電位設定手段を備えることを特徴とするMOSデバイスの保護回路。
  2. 供給電圧よりも低い駆動電圧で動作するMOSデバイスを保護する保護回路であって、前記MOSデバイスの入力電圧で、前記MOSデバイスの入力許容電圧幅よりも狭い入力変動幅でその最大電圧が前記供給電圧の基準電位に対する前記駆動電圧を超えて前記供給電圧以下で入力される入力電圧から、前記MOSデバイスを保護するMOSデバイスの保護回路において、
    前記入力電圧の最小電圧よりも低く、かつ、前記入力変動幅に含まれない範囲で、前記供給電圧の基準電位よりも高い仮想基準電位を、前記駆動電圧の基準電位として設定する仮想基準電位設定手段と、
    前記入力電圧の最高電圧よりも高く、かつ、前記入力変動幅に含まれない範囲で、前記供給電圧よりも低い仮想駆動電位を、前記仮想基準電位に対する前記駆動電圧の電位として設定する仮想駆動電位設定手段と、
    を備えることを特徴とするMOSデバイスの保護回路。
  3. 前記仮想基準電位と前記供給電圧の基準電位との間に介在するノイズ除去手段を備えることを特徴とする請求項1または2記載のMOSデバイスの保護回路。
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