JP2007328927A - 電池ホルダー及び電池パック - Google Patents

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Abstract

【課題】個々には少量生産の機器や装置にも同一規格で対応できる汎用性を有することで、量産成形品としてコスト低下を図ることができるとともに、電池の数の変化に容易に対応することができ、また電池パックの体積当たりの出力効率と冷却性能を向上できる電池ホルダーを提供する。
【解決手段】互いに対向して配置され、各々に電池1の端部を嵌め込んで保持する保持部20を設けられた一対のホルダー部材7、8から成り、ホルダー部材7、8は正面形状が略平行四辺形でかつホルダー部材7、8の平行四辺形における少なくとも何れか一方の平行な一対の辺に平行に複数の保持部20が配列され、前記一方の平行な一対の辺をホルダー部材7、8を並列配置する際に接合する接合端面12とし、他方の平行な一対の辺をホルダー部材7、8を並列配置した状態で連結する連結部材の固定手段としてのナット14を設けた連結端面13とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の円筒形の電池を並列配置した状態でその両端部を保持する電池ホルダー及びそれを用いた電池パックに関するものである。
近年、自動車などにおいて、二次電池を用いたハイブリッドシステムの採用によって省エネルギー化が進んでおり、その進展に伴って二次電池を用いた電池パックの性能が飛躍的に進歩している。その結果、エレベータや農機具、非常用電源装置等において、そのバックアップ電源やハイブリッドシステムなどに、所要数の二次電池を用いた電池パックを採用したものが増えてきており、さらに広く各種機器や装置に採用することが模索されている。
例えば、エレベータのバックアップ電源として、図7に示すように、通気開口(図示せず)を設けた支持板52の両側部に側枠53を立設して薄い直方体状のケース体51を構成し、このケース体51をエレベータ昇降路内のフレーム(図示せず)に垂直に取付けるとともに、内部に6セルを直列接続した16本の電池54を互いに所要の隙間をあけて格子状(8列・2段)に垂直姿勢で配列して収容し、これらの電池54の上端と下端を上部と下部の保持プレート55、56にて保持するとともに、接続部材57にて順次電気的に接続し、さらに下部の保持プレート56の下部に、万一電解液が漏出した場合に受ける受け皿58を配設し、この受け皿58を強度のある部材で構成してケース体51に取り付け、96セル分の電池の重量(約17kg)を下部の保持プレート56と受け台(図示せず)を介して受け皿58にて支持するようにし、ケース体51の支持板52と対向する開口を排気ファンを取付けたカバー(図示せず)で覆ったものが知られている。
また、略方形の上下一対の厚板状の支持板から成り、両支持板に電池の端部が嵌入する所定深さの電池保持穴が形成された電池ホルダーにて、格子状に配列した複数の電池の両端部を保持するようにし、かつ各支持板に配列された電池保持穴の間の適所に通気穴を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、複数の電池を適当な隙間をあけて並列配置した状態で両端を挟持板で挟むとともに、電池間に配置した支持柱にて電池の外周の一部を支持するようにし、この支持柱の両端部に通気孔を設けるとともに中間部に遮蔽部を設けて通気孔を通る冷却風が電池間の間隙に拡散して流通するようにした組電池が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、ケースを構成する上蓋と中枠と下蓋に複数の抱持リブを設けて複数の電池を適当な隙間をあけて並列配置した状態で支持するとともに、上蓋と下蓋に形成した通風孔を通して冷却空気を流通させることで電池を冷却するようにした電池モジュールが知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開平9−7564号公報 特開2001−291533号公報 特開2001−325996号公報
ところが、上記エレベータのバックアップ電源などのように、受注数量が少ないために、量産できずに少量生産となるものにおいては、図7に示したような上部と下部の保持プレート55、56を、成形品で作製しようとすると、成形型が極めて高いために極端にコスト高になり、そのため絶縁性を有する樹脂プレートを切削加工して作製しているが、1品づつ切削加工して作製するため、やはりコスト高になるという問題がある。また、搭載する電池54の数量が変わる場合に、電池数ごとにそれぞれ異なる保持プレート55、56を作製する必要があるため、その点でもコストが高くなるという問題がある。また、電池54の支持構造も、強度の必要な受け皿58や受け台(図示せず)を用いた複雑な構成であるのでコスト高になるという問題がある。さらに、ケース体51をフレーム(図示せず)に取付ける際に、その取付板の配置位置の制約により支持板52に設けられている通気開口が取付板で塞がれてしまう場合があると、取付板に対向した部分の電池54の冷却が不十分になってしまう恐れがあるという問題もあった。
また、特許文献1に記載の電池ホルダは、格子状に配列された複数の電池の両端部を厚板状の支持体で保持しているだけであり、電池ホルダを複数組み合わせる場合にはこれらを収容して固定支持する複雑な構成のケース体が必要となるためコスト高になるという問題があり、また電池を格子状に配列しているので、電池間に形成される空間を冷却用通気通路として利用しているとは言え、その空間が無駄に大きく、空間効率が悪く体積当たりの出力効率が悪いという問題がある。
また、特許文献2に記載の組電池も、図7のような用途の電池パックに適用すると、電池の両端部を保持する挟持板が1枚板であるため、量産でない場合1品毎に切削加工する必要があってコスト高になるという問題がある。
また、特許文献3に記載の電池モジュールも、図7のような用途の電池パックに適用すると、量産でない場合ケースを構成する上蓋と中枠と下蓋を1品毎に作製する必要があってコスト高になるという問題がある。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、個々には少量生産の機器や装置にも同一規格で対応できる汎用性を有することで、量産成形品としてコスト低下を図ることができるとともに、電池の数の変化に容易に対応することができ、また電池を簡単な構造で強固に支持することができ、また電池パックの体積当たりの出力効率を向上できるとともに、電池の冷却性能を常に高く保持することができる電池ホルダー及びそれを用いた電池パックを提供することを目的とする。
本発明の電池ホルダーは、互いに対向して配置されるとともに各々に円筒形の電池の端部を嵌め込んで保持する保持部を設けられた一対のホルダー部材から成り、各ホルダー部材は正面形状が略平行四辺形でかつホルダー部材の平行四辺形における少なくとも何れか一方の平行な一対の辺に平行に複数の保持部が配列され、前記一方の平行な一対の辺を形成する端面を、ホルダー部材を並列配置する際に接合する接合端面とし、平行四辺形における他方の平行な一対の辺を形成する端面を、ホルダー部材を並列配置した状態で連結する連結部材の固定手段を設けた連結端面としたものである。
この構成によると、一対のホルダー部材から成る電池ホルダーにて電池の両端部が保持されるので、必要に応じて所要数の電池ホルダーを並列配置してそのホルダー部材を連結部材に固定することで任意数の電池を簡単な構造で強固に支持することができ、かつ各種機器や装置において必要な電池の数が異なる場合にも、同一規格のホルダー部材を用いてその使用数を変えるだけで対応することができるため、適用する各種機器や装置が個々には少量生産であっても、ホルダー部材は汎用性があるため絶縁性合成樹脂の射出成形品にて構成して量産することでコスト低下を図ることができる。また、ホルダー部材にて電池を保持した状態で円筒形の電池が斜格子状に並列配置されるため、電池間に無駄な空間が形成されず、体積当たりの出力効率を向上できるとともに、各電池に均等に冷却風が当たるので電池の冷却性能を常に高く保持することができる。
また、接合端面に、ホルダー部材を並列配置した状態で接合端面間に通気路を形成する凹部を設けると、電池の両端を保持している両側のホルダー配置面からも冷却風を導入することができ、ホルダー間の開口が閉鎖されるような配置構造となった場合にも、電池に冷却風を供給して電池を確実に冷却することができる。
また、一対のホルダー部材の保持部は電池の端面が当接する受面を有し、この受面に電池の両端に突出された端子が嵌合する嵌合穴を貫通形成すると、嵌合穴を貫通した端子同士を接続部材で接続して電池間を接続するので、万一電池から電解液が漏液しても電池一端部の漏液部から接続部材による通電経路に至るまでの沿面距離が大きいため、漏液による短絡の発生を抑制することができる。
また、電池両端に突出された端子は極性に応じて形状が異なり、ホルダー部材の嵌合穴は嵌合させる端子と同形状でかつ互いに接続すべき形状の異なる端子の嵌合穴が同一方向に隣り合うように配設すると、電池の端子同士を接続する際に同極同士を接続する恐れが無くなり、接続作業時の不注意によって短絡させる恐れがなく、作業性良く安全性を確保することができる。
また、接合端面の両端部を連結端面に対して垂直な対向面にて構成し、この対向面に、ホルダー部材を並列配置するときにホルダー部材の配置姿勢が正規の姿勢となっているときにのみ互いに嵌入係合する凹凸部を設けると、ホルダー部材を並列配置する際に凹凸部が互いに嵌入係合するように並列配置することでホルダー部材は正規の姿勢で並列配置された状態となるため、電池の端子同士をホルダー部材間で接続する際にも同極同士を接続する恐れが全く無くなり、接続作業時の不注意によって短絡させる恐れがなく、作業性良く安全性を確保することができる。
また、連結端面に、電池に装着したセンサからのリード線を外部に引き出す導出溝を設けると、リード線を、ホルダー部材の連結端面に沿って容易に、かつその連結端面と連結端面に接合される連結部材との間に噛み込む恐れなく引き出すことができ、リード線を損傷する恐れなくかつ作業性良く配線することができる。
また、ホルダー部材の各保持部の連結端面に隣接する部分に、ホルダー部材を並列配置した時にその並列方向に波形状にほぼ連続する円弧鍔が突設されていると、上記のように万一電解液が漏液した場合にも、その電解液を波形状にほぼ連続する円弧鍔による案内通路に沿って円滑に流動させ、適宜に配置された液受け容器に収容させるようにすることができ、電解液が通電経路に向けて流動したり、外部に流出したりするのを容易にかつ確実に防止することが可能となる。
また、本発明の電池パックは、上記の電池ホルダーとこの電池ホルダーにて両端部が保持された複数の電池とからなる複数の単位電池ブロックを、各ホルダー部材の一方の連結端面を固定する第1の連結レール部を有するとともに電池に対向する領域に通気開口を有する支持板上に並列配置して固定し、各ホルダー部材の他方の連結端面を固定する第2の連結レール部を有する連結部材に一体に設けられ、若しくは別部材として取付けられて電池を覆うカバー部に排気ファンを配設したものである。
この構成によると、支持板上に所要数の単位電池ブロックを並列配置し、その上に連結部材を配置し、支持板と連結部材における第1と第2の連結レール部にそれぞれホルダー部材の両連結端面を固定することで、複数のホルダー部材と支持板と連結部材から成る簡単な構成と組み付け作業によって各電池を確実に保持した電池パックを構成することができ、かつ並列配置する単位電池ブロックの数を任意に変更するだけで所望の出力電圧の電池パックを構成することができるので、各種出力電圧仕様の電池パックを低コストにて提供することができる。また、連結部材側のカバー部に配設された排気ファンを作動させると、支持板の通気開口から冷却風が吸入され、斜格子状に配列された各電池間の隙間を通り、カバー部内を経て外部に排出されることで、冷却風が各電池に均等に接触して流通するため各電池を効果的に冷却することができる。また、ホルダー部材の接合端面間の通気路が設けられていると、電池パックの配設状態が、支持板の通気開口の一部を閉鎖するような状態となった場合にも、ホルダー部材間の通気路を通して冷却風が導入されることで、通気開口の閉鎖部位に対向する電池に対しても冷却風を供給して電池を確実に冷却することができる。
また、連結部材が、全ての単位電池ブロックの各ホルダー部材の外面を覆って支持板に固定されるとともにホルダー部材間に開口を有する連結枠から成り、連結枠の開口上に排気ファンを配設したカバー部材を着脱可能に取付けると、ホルダー部材の外面で電池の端子間を接続部材で接続して構成されている通電経路が連結枠にて覆われるので、メンテナンス作業を行う時などに、カバー部材を取り外して作業することで作業者が通電経路に接触して感電する恐れがなく、安全に作業することができる。
本発明の電池ホルダー及び電池パックによれば、電池の両端部を保持するホルダー部材を所要数並列配置してそのホルダー部材を連結部材に固定することで任意数の電池を簡単な構造で強固に支持することができ、かつ同一規格のホルダー部材の使用数を変えるだけで必要な電池の数が異なる各種機器や装置に対応でき、ホルダー部材が汎用性を有するので絶縁性合成樹脂の射出成形品にて構成して量産することでコスト低下を図ることができ、またホルダー部材にて電池を保持した状態で円筒形の電池が斜格子状に並列配置されるため、電池間に無駄な空間が形成されず、体積当たりの出力効率を向上できるとともに、各電池に均等に冷却風が当たるので電池の冷却性能を常に高く保持することができる等の効果が発揮される。
以下、本発明の電池ホルダーとそれを用いた電池パックの一実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。
図1において、1は複数個(図示例では4個)の円筒形の単電池を直列接続してモジュール化した細長い円筒形の電池で、その両端面には正極と負極の端子2、3が突設されている。これら両端子2、3の形状は互いに異なっている。図示例では、一方の極の端子2は六角形、他方の極の端子3は角部をカットした四角形に形成されている。また、両端子2、3の端面の中心に端子2、3間を電気的に接続する接続部材5をボルト6にて締結固定するねじ穴4が設けられている。
7、8は、互いに対向して配置されて、電池1の両端部を保持する一対のホルダー部材であり、これらホルダー部材7、8にて電池ホルダー9が構成されている。図1(b)に示すように、この電池ホルダー9にて複数の電池1を保持することで、単位電池ブロック10が構成されている。そして、図4、図5に示す電池パック11においては、図1(c)に示すように、複数の単位電池ブロック10を並列配置した状態で、多数の電池1が内部に収容配置されている。
両ホルダー部材7、8の形状は、図2(a)、図3(a)に示すように、正面形状が仮想線で示す平行四辺形を基本形とする略平行四辺形で、その左右の傾斜平行辺を形成する端面が、ホルダー部材7、8を並列配置する際に接合する接合端面12を構成し、上下の水平平行辺を形成する端面が、ホルダー部材7、8を並列配置した状態で連結する連結端面13を構成している。各連結端面13の両端部には、並列配置したホルダー部材7、8を相互に連結する後述の連結部材の固定手段であるナット14が埋め込み配置されている。
両ホルダー部材7、8の接合端面12の上下端部は、連結端面13に対して垂直な対向面15にて構成されており、この対向面15に、ホルダー部材7、8を並列配置するときにホルダー部材7、8の配置姿勢が正規の姿勢となっているときにのみ互いに嵌入係合する係合凹部16と係合凸部17が設けられている。すなわち、一側の接合端面12の上下端に一対の係合凹部16が、他側の接合端面12の上下端に一対の係合凸部17が設けられている。また、この接合端面12の上下の対向面15の間に、ホルダー部材7、8を並列配置した状態で接合端面12、12間に通気路19を形成する凹部18が設けられている。
両ホルダー部材7、8の厚さ方向内側面(図2(c)、図3(c)参照)には、接合端面12及び連結端面13に平行に、それぞれ複数(図示例ではそれぞれ2つずつ、合計4つ)の保持部20が適当間隔あけて斜格子状に配列して設けられ、各保持部20にて電池1の端部を保持するように構成されている。各保持部20は、電池1の端面が当接する受面21を有するとともに、この受面21に電池1の両端に突出された端子2、3が嵌合する嵌合穴22、23が貫通形成されている。また、各保持部20の連結端面13に隣接する部分には、ホルダー部材7、8を並列配置した時にその並列方向に波形状にほぼ連続する円弧鍔24が突設されている。
両ホルダー部材7、8において、上下方向には互いに異なる嵌合穴22と23が隣り合い、左右方向には互いに同じ嵌合穴22と22、又は23と23が隣り合い、かつ一方のホルダー部材7(図2参照)では嵌合穴22、22が下部に、嵌合穴23、23が上部に、他方のホルダー部材8(図3参照)では嵌合穴22、22が上部に、嵌合穴23、23が下部に位置するように配設されている。
両ホルダー部材7、8の厚さ方向外側面(図2(b)、図3(b)参照)には、嵌合穴22と23の間にわたって接続部材5を係合配置する浅溝25が形成されている。また、浅溝25の周囲を所要の間隙を開けて取り囲むように囲み壁26が高く突出形成され、接続部材5及びそれを締結固定するボルト6の頭部がその内部に納まり、接続作業時等に工具等が接触して不測に感電したり、短絡したりするのを防止している。浅溝25及び囲み壁26は、電池1が接続部材5で順次直列に接続されるように、ホルダー部材7とホルダー部材8とで互いに逆方向に傾斜させて形成されている。
両ホルダー部材7、8の連結端面13には、電池1に装着されるサーミスタやサーマルプロテクタなどの感温素子からのリード線を外部に引き出すための導出溝27が形成されている。また、両ホルダー部材7、8は、絶縁性合成樹脂の射出成形品にて構成されている。絶縁性合成樹脂としては、難燃性と耐アルカリ性と成形性に優れかつ強度を確保できる材質、例えばポリフェニレンエーテルやABS樹脂などが好適である。
次に、以上の単位電池ブロック10を複数収容配置して構成した電池パック11について、図4〜図6を参照して説明する。
電池パック11は、複数の単位電池ブロック10を支持板31上に並列配置するとともに、全ての単位電池ブロック10の両側の各ホルダー部材7、8の外面を含めてその周囲を覆う連結枠32を支持板31に固定し、連結枠32の上面をカバー部材33で覆って構成されている。
支持板31は、各単位電池ブロック10の両側のホルダー部材7、8の下方の連結端面13をボルト34にて締結固定する第1の連結レール部35を有するとともに、それらの間の電池1の配置領域に対向する範囲に通気開口36を有し、この通気開口36にパンチングメタルなどの通気板37が取付けられている。
連結枠32は、ホルダー部材7、8の上方の連結端面13をボルト34にて締結固定する第2の連結レール部38を両側に有する断面倒立L字状の方形枠体から成り、その両側に支持板31に固定するための取付フランジ39が設けられ、支持板31に植立された固定ボルト40とナット41にて支持板31に締結固定されている。連結枠32は、単位電池ブロック10の両側のホルダー部材7、8の外側に適当な空間42を形成するように構成され、この空間42が電力線やセンサ等からのリードの配線空間を構成している。また、支持板31の通気開口36が遮蔽される場合には、その遮蔽領域に対応して連結枠32の両側面に適宜開口(図示せず)を形成することで、空間42が冷却風導入空間としても機能するように構成されている。
カバー部材33は、電池1の配置領域に対応して適当間隔おきに所要数(図示例では4つ)の排気ファン43が配設されている。カバー部材33は両側に設けられた取付フランジ44を取付ねじ45にて連結枠32の上面に締結固定することで着脱可能に装着されている。なお、カバー部材33は連結枠32に一体的に設けてもよいが、着脱可能に装着することで、メンテナンス時などにカバー部材33だけで取り外して作業することで、作業者が電力の通電経路に触れる恐れがなく、安全に作業することができる。
本実施形態の電池パック11においては、支持板31及び連結枠32が、図5に示すように、複数の単位電池ブロック10の配置領域からその一端側に長く延設されて内部に制御用空間46が形成されている。制御用空間46には取付基板47が支持板31に固定されて配設され、この取付基板47に所要の制御機器48が取付けられている。
以上の構成によれば、一対のホルダー部材7、8から成る電池ホルダー9にて電池1の両端部を保持した単位電池ブロック10を構成しているので、必要に応じた所要数の単位電池ブロック10を並列配置し、そのホルダー部材7、8の上下の連結端面13を連結部材としての支持板31と連結枠32にて固定することで任意数の電池1を簡単な構造で強固に支持することができる。また、その結果各種機器や装置において必要な電池1の数が異なる場合にも、同一規格のホルダー部材7、8を用いてその使用数を変えるだけで対応することができ、従って適用する各種機器や装置が個々には少量生産であっても、ホルダー部材7、8は汎用性があるため絶縁性合成樹脂の射出成形品にて構成して量産することでコスト低下を図ることができる。
また、任意数の単位電池ブロック10を並列配置した状態で円筒形の電池1が斜格子状に並列配置されているため、電池1、1間に無駄な空間が形成されず、体積当たりの出力効率を向上できるとともに、各電池1に均等に冷却風が当たるので電池1の冷却性能を常に高く保持することができる。また、ホルダー部材7、8の接合端面12に凹部18を設けて、ホルダー部材7、8を並列配置した状態で接合端面12、12間に通気路19が形成されるようにしているので、電池1の両端を保持している両側からも冷却風を導入することができる。
また、一対のホルダー部材7、8の保持部20には、電池1の端面が当接する受面21が設けられ、この受面21に電池1の両端に突出された端子2、3が嵌合する嵌合穴22、23を貫通形成し、嵌合穴22、23を貫通した端子2、3を接続部材5で接続して電池1、1間を接続するようにしているので、万一電池1から電解液が漏液しても電池1の一端部の漏液部から接続部材5による通電経路に至るまでの沿面距離が大きいため、漏液による短絡の発生を抑制することができる。
また、電池1の両端に極性に応じて形状が異なる端子2、3が突出され、ホルダー部材7、8の嵌合穴22、23が対応する形状に形成されているので、誤って電池1の正負の向きを逆にして配置して同極の端子同士を接続する恐れが全く無く、接続作業時の不注意によって短絡させる恐れがなく、作業性良く安全性を確保することができる。また、端子2、3と嵌合穴22、23が軸芯周りの回転方向に係合しているので、接続部材5をボルト6にて締結する際に、その締め付けトルクはホルダー部材7、8にて受けられ、電池1のケースに大きな回転モーメントが加わってダメージを受ける恐れもない。
また、ホルダー部材7、8の接合端面12の両端部に、連結端面13に対して垂直な対向面15を形成し、この対向面15に、ホルダー部材7、8を並列配置するときにホルダー部材7、8の配置姿勢が正規の姿勢となっているときにのみ互いに嵌入係合する係合凹部16と係合凸部17を設けているので、ホルダー部材7、8を並列配置する際に係合凹部16と係合凸部17が互いに嵌入係合するように並列配置することでホルダー部材7、8が正規の姿勢で並列配置された状態となるため、電池1の端子2、3同士をホルダー部材7、7間、及び8、8間で接続する際にも同極の端子2、2同士、3、3同士を接続する恐れが全く無くなり、接続作業時の不注意によって短絡させる恐れがなく、作業性良く安全性を確保することができる。
また、連結端面13に、電池1に装着したセンサなどからのリード線を外部に引き出す導出溝27を設けているので、リード線を、ホルダー部材7、8の連結端面13に沿って容易に、かつその連結端面13と支持板31や連結枠32との間に噛み込む恐れなく引き出すことができ、リード線を損傷する恐れなくかつ作業性良く配線することができる。
また、ホルダー部材7、8の各保持部20の連結端面13に隣接する部分に、ホルダー部材7、8を並列配置した時にその並列方向に波形状にほぼ連続する円弧鍔24を突設しているので、万一電解液が漏液した場合にも、その電解液を波形状にほぼ連続する円弧鍔24による案内通路に沿って円滑に流動させ、適宜に配置された液受け容器(図示せず)に収容させるようにすることができ、電解液が通電経路に向けて流動したり、外部に流出したりするのを容易にかつ確実に防止することが可能となる。
また、本実施形態の電池パック11では、支持板31上に所要数の単位電池ブロック10を並列配置し、その上に連結枠32を配置し、支持板31と連結枠32における第1と第2の連結レール部35、38にそれぞれホルダー部材7、8の両連結端面13、13を固定しているので、複数のホルダー部材7、8と支持板31と連結枠32から成る簡単な構成と組み付け作業によって各電池1を確実に保持した電池パック11を構成することができ、かつ並列配置する単位電池ブロック10の数を任意に変更するだけで所望の出力電圧の電池パック11を構成することができるので、各種出力電圧仕様の電池パック11を低コストにて提供することができる。
また、連結枠32に取付けたカバー部材33に配設された排気ファン43を作動させると、支持板31の通気開口36から冷却風が吸入され、斜格子状に配列された各電池1、1間の隙間を通り、カバー部材33内を経て外部に排出されることで、冷却風が各電池1に均等に接触して流通するため各電池1を効果的に冷却することができる。また、ホルダー部材7、8の接合端面12、12間に上記のように通気路19が形成されているので、図5に示すように、例えばエレベータのフレーム(図示せず)に電池パック11を取付ける際に、その支持板31をフレーム(図示せず)に取付けるための取付板49が、支持板31に形成されている通気開口36の一部を閉鎖させてしまうような配置構造となってしまう場合にも、上記のように連結枠32の側面に開口を形成しておくことで、連結枠32の両側の空間42を介して通気路19を通して電池1に冷却風を供給して電池を確実に冷却することができる。
また、全ての単位電池ブロック10の周囲を覆うとともにホルダー部材7、8間に開口を有する連結枠32を支持板31に固定し、この連結枠32の開口上に排気ファン43を配設したカバー部材33を着脱可能に取付けて電池パック11を構成しているので、ホルダー部材7、8外面で電池1の端子2、3間を接続部材5で接続して構成されている通電経路が連結枠32にて覆われており、メンテナンス作業を行う時などに、カバー部材33を取り外して作業することで作業者が通電経路に接触して感電する恐れがなく、安全に作業することができる。
上記実施形態では、電池ホルダー9を構成する一対のホルダー部材7、8として、電池1を上下2段、左右2列に斜格子状に配置した状態で保持するようにした例のみを示したが、上下2段、左右1列のものや、上下2段、左右3列以上のものを適宜に作製しておき、電池パック11における電池1の使用数に応じてそれらを適宜に組み合わせて用いるようにしても良い。また、上下にも3段以上に配列することもできる。
また、上記実施形態では、電池パック11を複数の単位電池ブロック10と、支持板31と連結枠32とカバー部材33にて構成した例を示したが、連結枠32のような枠構成のものを必ず用いる必要があるわけではなく、例えば支持板31と第2の連結レール部38のみから成る連結部材にて構成し、別途に設けられた設備側のカバーで覆った構成とすることもできる。
本発明の電池ホルダー及び電池パックは、電池の両端部を保持するホルダー部材を所要数並列配置してそのホルダー部材を連結部材で固定するので、任意数の電池を簡単な構造で強固に支持することができ、かつ同一規格のホルダー部材の使用数を変えるだけで必要な電池の数が異なる各種機器や装置に対応できるためホルダー部材を量産することでコスト低下を図ることができ、またホルダー部材にて円筒形の電池を斜格子状に並列配置して保持するため、電池間に無駄な空間が形成されず、体積当たりの出力効率を向上できるとともに、各電池に均等に冷却風が当たって効果的に冷却できる等の効果が発揮されるので、各種の電池パックに有用である。
本発明の一実施形態の電池ホルダーの組み付け工程を示し、(a)は一方のホルダー部材に電池を保持させた状態の斜視図、(b)は一対のホルダー部材から成る電池ホルダーにて電池を保持して単位電池ブロックを形成した状態の斜視図、(c)は複数の単位電池ブロックを並列配置した状態の斜視図。 同実施形態の電池ホルダーの一方のホルダー部材を示し、(a)は外側から見た正面図、(b)は同斜視図、(c)は内側から見た斜視図。 同実施形態の電池ホルダーの他方のホルダー部材を示し、(a)は外側から見た正面図、(b)は同斜視図、(c)は内側から見た斜視図。 同実施形態の電池パックを電池長手方向に断面した縦断面図。 同実施形態の電池パックを電池配列方向に断面した縦断面図。 同実施形態の電池パックの支持板と連結枠とカバーの分解斜視図。 従来例の電池パックの斜視図。
符号の説明
1 電池
2、3 端子
7、8 ホルダー部材
9 電池ホルダー
10 単位電池ブロック
12 接合端面
13 連結端面
14 ナット(固定手段)
15 対向面
16 係合凹部
17 係合凸部
18 凹部
19 通気路
20 保持部
21 受面
22、23 嵌合穴
24 円弧鍔
27 導出溝
31 支持板
32 連結枠
33 カバー部材
35 第1の連結レール部
36 通気開口
38 第2の連結レール部
43 排気ファン

Claims (9)

  1. 互いに対向して配置されるとともに各々に円筒形の電池の端部を嵌め込んで保持する保持部を設けられた一対のホルダー部材から成り、各ホルダー部材は正面形状が略平行四辺形でかつホルダー部材の平行四辺形における少なくとも何れか一方の平行な一対の辺に平行に複数の保持部が配列され、前記一方の平行な一対の辺を形成する端面を、ホルダー部材を並列配置する際に接合する接合端面とし、平行四辺形における他方の平行な一対の辺を形成する端面を、ホルダー部材を並列配置した状態で連結する連結部材の固定手段を設けた連結端面としたことを特徴とする電池ホルダー。
  2. 接合端面に、ホルダー部材を並列配置した状態で接合端面間に通気路を形成する凹部を設けたことを特徴とする請求項1記載の電池ホルダー。
  3. 一対のホルダー部材の保持部は電池の端面が当接する受面を有し、この受面に電池の両端に突出された端子が嵌合する嵌合穴を貫通形成したことを特徴とする請求項1記載の電池ホルダー。
  4. 電池両端に突出された端子は極性に応じて形状が異なり、ホルダー部材の嵌合穴は嵌合させる端子と同形状でかつ互いに接続すべき形状の異なる端子の嵌合穴が同一方向に隣り合うように配設したことを特徴とする請求項3記載の電池ホルダー。
  5. 接合端面の両端部を連結端面に対して垂直な対向面にて構成し、この対向面に、ホルダー部材を並列配置するときにホルダー部材の配置姿勢が正規の姿勢となっているときにのみ互いに嵌入係合する凹凸部を設けたことを特徴とする請求項4記載の電池ホルダー。
  6. 連結端面に、電池に装着したセンサからのリード線を外部に引き出す導出溝を設けたことを特徴とする請求項1記載の電池ホルダー。
  7. ホルダー部材の各保持部の連結端面に隣接する部分に、ホルダー部材を並列配置した時にその並列方向に波形状にほぼ連続する円弧鍔が突設されていることを特徴とする請求項1記載の電池ホルダー。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載の電池ホルダーとこの電池ホルダーにて両端部が保持された複数の電池とからなる複数の単位電池ブロックを、各ホルダー部材の一方の連結端面を固定する第1の連結レール部を有するとともに電池に対向する領域に通気開口を有する支持板上に並列配置して固定し、各ホルダー部材の他方の連結端面を固定する第2の連結レール部を有する連結部材に一体に設けられ、若しくは別部材として取付けられて電池を覆うカバー部に排気ファンを配設したことを特徴とする電池パック。
  9. 連結部材が、全ての単位電池ブロックの各ホルダー部材の外面を覆って支持板に固定されるとともにホルダー部材間に開口を有する連結枠から成り、連結枠の開口上に排気ファンを配設したカバー部材を着脱可能に取付けたことを特徴とする請求項8記載の電池パック。
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