以下、本発明の一実施形態に係る蓄電装置について、添付図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る蓄電装置は、図1に示す如く、第一の外装体3と、第一の外装体3を覆う第二の外装体4とを備える。より具体的には、蓄電装置1は、図2に示す如く、一つ以上の蓄電素子2と、蓄電素子2を収容する第一の外装体3と、該第一の外装体3を収容する第二の外装体4とを備える。
また、本実施形態に係る蓄電装置1は、上記構成に加え、蓄電素子2に接続される信号ライン5と、第一の外装体3に収容された蓄電素子2上に配置される支持部材6と、信号ライン5を介して蓄電素子2に電気的に接続される監視装置7であって、蓄電素子2の電気的な監視を行う監視装置7と、監視装置7と蓄電素子2との間に配線される信号ライン5を保持するフレーム部材8とを備える。さらに、本実施形態に係る蓄電装置1は、蓄電素子2を冷却するヒートシンク9を備える。
蓄電素子2には、充放電可能な二次電池(本実施形態においては、リチウムイオン二次電池)が採用されている。なお、蓄電素子2に二次電池が採用されるに伴い、以下の説明において、蓄電装置1を電池モジュールといい、蓄電素子2を電池セルという。
電池セル2は、正極板及び負極板を含む電極体(図示しない)を収容した電槽20と、電槽20の外側に配置された外部端子21,21とを備える。本実施形態において、電槽20は、六面体状に形成されている。すなわち、電池セル2には、角形電池が採用されている。電池セル2は、外部端子21,21として、正極用の外部端子21と、負極用の外部端子21とを備える。正極用の外部端子21及び負極用の外部端子21は、電槽20の外面を構成する六面のうちの一面上に配置される。
本実施形態に係る電池モジュール1は、電池セル2を複数備える。複数の電池セル2は、縦横に整列して配置される。すなわち、複数の電池セル2は、多行多列(図に示す電池モジュール1においては二行十列)に配置されている。これに伴い、電池モジュール1は、電池セル2,2同士を電気的に接続するバスバー22を備える。バスバー22は、隣り合う電池セル2の正極用の外部端子21と負極用の外部端子21とを接続する。バスバー22には、外部端子21に対してネジ止めによって接続されるものや、外部端子21に対して溶接によって接続されるものが採用され得る。本実施形態において、外部端子21に溶接されるバスバー22が採用されている。これにより、複数の電池セル2は、電気的に直列接続され、大容量の電池を構成している。
第一の外装体3は、電池セル2と対向する隔壁を有する。本実施形態に係る第一の外装体3は、一つ以上の電池セル2を収容する樹脂製収容体である。すなわち、第一の外装体3は、樹脂成型品であり、複数の電池セル2を収容する空間を画定している。
より具体的に説明する。第一の外装体3は、図3に示す如く、第一方向(図に示すZ軸方向)に第一端及び第二端を有する周壁部300であって、第一端で開口し、複数の電池セル2を一括して包囲する周壁部300と、周壁部300の第二端に接続された底部301とを有する樹脂製の本体30と、周壁部300の開口を閉じる閉塞部310を有する樹脂製の蓋体31とを備える。
複数の電池セル2のそれぞれに、角形電池が採用され、これらが行列状に配置されるに伴い、本体30の周壁部300は、枠状に形成される。すなわち、周壁部300は、第一方向と直交する第二方向(図に示すX軸方向)に間隔をあけて互いに対向する一対の第一主壁部302,302と、第一方向及び第二方向と直交する第三方向(図に示すY軸方向)に間隔をあけて互いに対向する一対の第一側壁部303,303とを備える。第一主壁部302,302及び第一側壁部303,303は、連続している。これにより、周壁部300は、四角環状に形成される。
第一主壁部302,302及び第一側壁部303,303は、四角形状に形成されている。本実施形態において、第一方向における第一主壁部302,302及び第一側壁部303,303の寸法は、同一に設定されている。これに対し、第三方向における第一主壁部302,302の寸法は、第二方向における第一側壁部303,303の寸法よりも長く設定される。これにより、周壁部300は、第一主壁部302,302を長辺にするとともに、第一側壁部303,303を短辺にした四角形状の開口を形成している。
本実施形態に係る第一の外装体3は、第二の外装体4(後述する第二係合部403)と互いに係合する係合部(以下、第一係合部という)304を備える。第一係合部304は、凸部によって構成される。第一係合部(凸部)304は、周壁部300と一体的に形成されている。すなわち、第一係合部304は、周壁部300と同様に樹脂製である。本実施形態において、第一係合部304は、周壁部300の周方向に間隔をあけて複数設けられている。より具体的には、第一係合部304は、一対の第一主壁部302,302のそれぞれに設けられる。本実施形態において、第一係合部304は、一対の第一主壁部302,302のそれぞれに二つ以上設けられる。すなわち、一対の第一主壁部302,302のそれぞれには、第三方向に間隔をあけて二つ以上の第一係合部304が設けられる。これらの第一係合部304は、第三方向に延びるように形成され、第一方向で同レベルに配置されている。
底部301の内面には、複数の電池セル2を行列状に配置した状態で位置決めする位置決用リブ306が設けられている。これにより、複数の電池セル2のそれぞれは、外部端子21,21を蓋体31側にした状態で、平面視行列状に配置される。
蓋体31は、上述の如く、閉塞部310を有し、本体30の開口を閉じた状態で該本体30に対して連結可能に構成される。閉塞部310の平面形状は、周壁部300の開口の形状に即して設定される。本実施形態において、周壁部300が枠状に形成される(四角形状の開口を形成する)ため、閉塞部310は、平面視四角形状に形成される。
閉塞部310は、貫通孔313を有する。貫通孔313は、フレーム部材8の後述する支柱部81(図2参照)に対応した位置に配置される。本実施形態において、フレーム部材8に複数の支柱部81が設けられている。これに伴い、閉塞部310は、複数の貫通孔313を有する。複数の貫通孔313のそれぞれは、対応する支柱部81の外径よりも大径に設定される。すなわち、貫通孔313は、支柱部81を挿通(貫通)可能に形成される。
本実施形態に係る第二の外装体4は、第一の外装体3を収容する金属製収容体である。すなわち、第二の外装体4は、第一の外装体3を収容する空間を画定する。そして、第二の外装体4は、図4に示す如く、第一の外装体3の第一係合部304と係合する係合部(以下、第二係合部という。)403を有する。本実施形態に係る第二の外装体4は、第一係合部304が配置される開口部402を有している。これに伴い、第二係合部403は、第二の外装体4の開口部402を画定する端縁で構成されている。
より具体的に説明する。第二の外装体4は、第一方向(図に示すZ軸方向)の両端に第一開口及び第二開口を形成する枠体40であって、第一の外装体3を包囲する金属製の枠体40と、枠体40の第一開口を閉じる金属製のカバー41とを備える。
枠体40は、第一方向に第一開口を画定する第一端(上端)と第二開口を画定する第二端(下端)とを有する。枠体40は、金属プレートを加工したもので、第一の外装体3の周壁部300の外周形状に対応するように形成される。本実施形態において、周壁部300が四角環状に形成されるに伴い、枠体40についても四角環状に形成されている。すなわち、枠体40は、第二方向(図に示すX軸方向)に間隔をあけて互いに対向する一対の第二主壁部400,400と、第三方向(図に示すY軸方向)に間隔をあけて互いに対向する一対の第二側壁部401,401とを備える。
一対の第二主壁部400,400、及び一対の第二側壁部401,401は、それぞれ板状に形成される。一対の第二主壁部400,400の内面、及び一対の第二側壁部401,401の内面は、第一開口及び第二開口の図示しない中心線(第一方向に延びる中心線)と平行又は略平行である。従って、一方の第二主壁部400,400の内面と他方の第二主壁部400,400の内面とは平行又は略平行であり、一方の第二側壁部401,401の内面と他方の第二側壁部401,401の内面とは平行又は略平行である。
第二主壁部400,400及び第二側壁部401,401は、四角形状に形成されている。本実施形態において、第一方向における第二主壁部400,400及び第二側壁部401,401の寸法(最大寸法)は、同一に設定されている。これに対し、第三方向における第二主壁部400,400の寸法は、第二方向における第二側壁部401,401の寸法よりも長く設定されている。これにより、枠体40は、第二主壁部400,400を長辺にするとともに、第二側壁部401,401を短辺にした四角形状の開口(第一開口、第二開口)を形成している。
本実施形態において、枠体40は、第一の外装体3の周壁部300の外周に接触するようにサイズ設定されている。すなわち、一対の第二主壁部400,400のそれぞれに、一対の第一主壁部302,302が接触するとともに、一対の第二側壁部401,401のそれぞれに、一対の第一側壁部303,303が接触するように、枠体40のサイズが決定されている。
枠体40は、第一係合部(凸部)304が配置される開口部402を有する。上述の如く、第一の外装体3には、周壁部300の周方向に間隔をあけて複数の第一係合部304が設けられる。これに伴い、枠体40には、周方向に間隔をあけて複数の開口部402が設けられている。
より具体的には、第一係合部304は、一対の第一主壁部302,302のそれぞれに設けられる。これに伴い、開口部402は、一対の第一主壁部302,302のそれぞれと対向する一対の第二主壁部400,400のそれぞれに設けられる。本実施形態において、第一係合部304が一対の第一主壁部302,302のそれぞれに二つ以上設けられるため、第二主壁部400,400には、第三方向に間隔をあけて二つ以上の開口部402が設けられる。
開口部402は、第一係合部304よりも大きなサイズに設定される。本実施形態において、第一係合部304は、第三方向に延びるように形成されているため、開口部402は、第三方向において第一係合部304よりも幅広な四角形状に形成されている。開口部402を画定する端縁は、第一方向に延びる第一端縁402aと、第三方向に延びる第二端縁402bとを含み、四角形状の領域を画定する。
本実施形態において、開口部402は、枠体40(第二主壁部400,400)の第一端で開放した切欠き状に形成される。これに伴い、開口部402を画定する端縁は、第一方向に延びる一対の第一端縁402a,402aであって、第三方向に間隔をあけて配置された一対の第一端縁402a,402aと、第三方向に延びる第二端縁402bであって、一対の第一端縁402a,402aの一端同士を接続する第二端縁402bとを含む。これに伴い、各開口部402を画定する第二端縁(下端縁)402bが第一係合部304と係合する第二係合部403を構成する。すなわち、第二係合部403は、第三方向に真っ直ぐ延びるように形成される。これに伴い、複数箇所にある第二係合部403(開口部402を画定する第二端縁402b)は、第一方向で同一又は略同一レベルに配置されている。
カバー41は、金属プレートをプレス成形したもので、枠体40の第一開口を閉じた状態で、枠体40に連結可能に構成される。枠体40に第一端で開放した切欠き状の開口部402が設けられているため、カバー41は、枠体40の第一開口を閉じることで、開口部402の開放部分も閉じるようになっている。
図2に戻り、支持部材6は、第一の外装体3(周壁部300)内で複数の電池セル2上に配置可能に形成される。より具体的には、支持部材6は、周壁部300の開口内に配置すべく、周壁部300の内周形状に即して形成される。また、支持部材6は、複数の電池セル2の上方に位置するように、周壁部300に支持される(連結される)ようになっている。
支持部材6には、電池セル2の外部端子21,21及びバスバー22を露呈させる第一露出部60が設けられている。本実施形態において、上述の如く、バスバー22が複数箇所に配置されるに伴い、支持部材6には、複数のバスバー22のそれぞれに対応した位置に第一露出部60が設けられている。より具体的には、本実施形態に係る電池モジュール1は、複数の電池セル2が二行十列に配置されるに伴い、複数のバスバー22は、第三方向に間隔をあけて複数行(三行)に配置されている。これに伴い、支持部材6の第三方向の両端部及び中央部に、第二方向で整列した複数の第一露出部60が設けられている。
監視装置7は、電子的な制御を行う制御基板と、制御基板を覆う基板ケース70とを備える。制御基板は、CPUやメモリ、信号ライン5(ハーネス)を接続するためコネクタ71が搭載されている。基板ケース70は、コネクタ71を露出させた状態で制御基板全体を包囲する。
フレーム部材8は、信号ライン5の配線経路を画定する。より具体的に説明する。フレーム部材8は、信号ライン5の配線経路を画定するベース80と、ベース80に対して第一方向に交差するように設けられた支柱部81とを備える。
ベース80は、第一の外装体3内に配置された支持部材6上に配置可能に形成される。ベース80には、支持部材6の第一露出部60を介して電池セル2の外部端子21,21及びバスバー22を露呈させる第二露出部82が設けられている。
より具体的に説明する。ベース80は、平面視四角形状に形成されている。本実施形態に係るベース80の第二方向の寸法は、支持部材6の第二方向の寸法と対応している。これに対し、ベース80における第三方向の寸法は、支持部材6の第三方向の寸法よりも短く設定されている。すなわち、ベース80は、支持部材6の第三方向の両端部に設けられた複数の第一露出部60を躱した状態で、支持部材6上に配置可能とされている。これに伴い、本実施形態に係るベース80は、支持部材6の第三方向の中央部で整列する複数の第一露出部60のそれぞれと対応する位置に複数の第二露出部82が設けられている。
ベース80は、第一方向に第一面と反対側の第二面とを有する。ベース80には、信号ライン5を配線する配線経路が設定されている。そして、ベース80の第二面上に監視装置7を配置する制御装置配置領域83が設定されている。配線経路は、制御装置配置領域83(制御装置配置領域83に配置された監視装置7のコネクタ71)を始点にして設定される。
本実施形態において、信号ライン5(ハーネス)は、複数のリード線50の集合体であり、複数のリード線50の始端が接続されたコネクタ51であって、監視装置7のコネクタ71に接続されるコネクタ51を備える。信号ライン5(複数のリード線50)のそれぞれは、対応するバスバー22(第一露出部60から露呈するバスバー22、或いは第一露出部60を介して第二露出部82から露呈するバスバー22)の配置に応じて経路を外れて該バスバー22に接続される。本実施形態において、制御装置配置領域83が第三方向に間隔をあけて二箇所に設定されている。これに伴い、ベース80には、二つの制御装置配置領域83,83のそれぞれに対応する配線経路が設定されている。
支柱部81は、ベース80と交差した状態で第一方向に延びている。本実施形態において、貫通孔313は、複数箇所に設けられる。これに伴い、支柱部81は、貫通孔313の配置に対応するように、複数設けられている。支柱部81は、ベース80の第一面側で支持部材6に当接し、ベース80の第二面側で蓋体31の貫通孔313に挿通されて外方に突出するように形成される。これにより、カバー41が枠体40の第一開口を閉じた状態で、支柱部81がカバー41と支持部材6とに挟まれた状態になるように構成される。
ヒートシンク9は、第一の外装体3と対向するように配置される。ヒートシンク9は、表面積を広くするために放熱フィンを備えた空冷タイプのものや、内部に冷却水を流通させる水冷タイプのものを採用でき、本実施形態においては、水冷タイプのものが採用される。
本実施形態において、枠体40には第二開口があり、ヒートシンク9は、枠体40の第二開口を閉塞するように配置される。すなわち、ヒートシンク9は、枠体40の第二開口を閉塞可能なプレート状に形成される。これより、ヒートシンク9は、枠体40の第二開口を閉塞した状態で、第一の外装体3(底部301)と対向し、第一の外装体3内にある電池セル2からの熱を吸収する。なお、ヒートシンク9は、電池セル2の放熱性(冷却性)を高めるべく、第一の外装体3(本体30の底部301)と接触している。
本実施形態に係る電池モジュール1は、以上の通りである。かかる電池モジュール1によれば、図5に示す如く、第二の外装体4に第一の外装体3が収容されると、第一の外装体3の第一係合部304と第二の外装体4の第二係合部403とが互いに係合する。これにより、第一の外装体3及び第二の外装体4は、互いに位置決めしあい、振動等が加わっても一定の位置関係で維持する。
このように、上記構成の電池モジュール1は、第二の外装体4に対する第一の外装体3の組み付けを伴う製造時や保守点検時において、第二の外装体4に第一の外装体3を収容するといった必須の作業を行うだけで、振動等が加わっても第一の外装体3及び第二の外装体4が一定又は略一定の位置関係で維持できる状態になる。
本実施形態においては、第一の外装体3の外面に、第一係合部304である凸部が形成され、第二の外装体4に、第二係合部403である端縁によって画定された開口部402であって、第一係合部(凸部)304が配置される開口部402が形成されるため、第一係合部304である凸部が、第二係合部403を含む端縁によって画定された開口部402内に配置されると、開口部402を画定する端縁(第二係合部403)に凸部(第一係合部304)が引っ掛かった状態で係合する。従って、凸部304が開口部402内に配置されるように第一の外装体3を第二の外装体4内に収容するだけで、第一の外装体3と第二の外装体4とが互いに位置決めした状態になる。
そして、本実施形態においては、開口部402は、第一係合部304である凸部よりも大きなサイズで形成されるため、常態で第一係合部(凸部)304の全周が開口部402の周縁全周に亘って干渉し難くなる。従って、常態(設置状態)で第一の外装体3に対して不要なストレスが作用せず、第一係合部(凸部)304やその近傍の損傷等を抑えることができる。
また、本実施形態において、第一の外装体3が樹脂製であり、第二の外装体4が金属製であるため、第一の外装体3が電池セル2を保護しつつ該電池セル2の電気絶縁性を確保する。これに対し、第二の外装体4が第一の外装体3とその内部にある電池セル2を保護しつつ全体の強度(剛性)を高める。従って、本実施形態に係る電池モジュール1は、安全面や強度面に優れたものになる。
特に、本実施形態において、第二の外装体4は、第一の外装体3の周囲を包囲する枠体40を備えるため、第一の外装体3と、その周囲を包囲する第二の外装体4の枠体40とで二重の隔壁を構成する。これにより、第一の外装体3の周囲の剛性を確実に高めることができる。
また、第一の外装体3が第一係合部304である凸部を有し、第二の外装体4の枠体40が第二係合部403を含む端縁によって画定された開口部402を有し、開口部402が枠体40の第一端で開放した切欠き状に形成されるため、第一の外装体3を第二の外装体4の枠体40に収容(挿入)するのにあわせて開口部402の開放部分から第一係合部304である凸部が該開口部402に進入する。これにより、第一の外装体3と第二の外装体4との組み付けにあわせて第一係合部(凸部)304が開口部402内に配置される。従って、第二の外装体4に対する第一の外装体3の組み付けが容易である
また、第二の外装体4は、枠体40の第一開口を閉じるカバー41を更に備え、カバー41は、枠体40の第一開口を閉じた状態で、開口部402の開放部分を閉じるように構成されるため、開口部402に凸部304が配置された状態で、枠体40の第一開口をカバー41で閉じると、凸部304の配置された開口部402の開放部分がカバー41によって閉じられる。従って、凸部304の移動が開口部402を画定する端縁(第一端縁402a,402a、第二端縁402b(第二係合部403))とカバー41とによって制限され、第一の外装体3と第二の外装体4の位置関係が一定又は略一定の状態で確実に維持する。
そして、本実施形態においては、第一の外装体3と対向する位置にヒートシンク9が配置されているため、第一の外装体3に収容された電池セル2が充放電に伴って発熱しても、ヒートシンク9によってその熱が吸収或いは放熱される。従って、電池セル2に対する充放電が繰り返し行われても(電池セル2が発熱しても)、その熱の影響を受けることを抑制することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加え得ることは勿論である。
上記実施形態において、第一の外装体3(本体30及び蓋体31)が樹脂製とされ、第二の外装体4(枠体40及びカバー41)が金属製とされたが、これに限定されない。例えば、第一の外装体3(本体30及び蓋体31)の全部又は一部が金属製にされてもよい。この場合、内部の電池セル2との電気絶縁性を確保すべく、第一の外装体3の内面に電気絶縁性を有するシートを貼り付けたり、第一の外装体3の内面に電気絶縁性を有する絶縁層(例えば、コーティング)を設けたりすることは言うまでもない。また、これとは逆に、第二の外装体4(枠体40及びカバー41)が樹脂製とされてもよい。
上記実施形態において、ヒートシンク9が設けられたが、ヒートシンク9は必要に応じて設けられればよい。また、ヒートシンク9を設ける場合、ヒートシンク9は、枠体40の第二開口を閉じるものに限定されない。例えば、ヒートシンク9は、第一の外装体3と第二の外装体4との間に配置されてもよいし、第二の外装体4の外側に配置されてもよい。すなわち、ヒートシンク9は、電池セル2を収容した第一の外装体3に対して直接的又は間接的に対向するように配置すればよい。このようにしても、電池セル2が充放電に伴って発熱しても、電池セル2からの熱が、第一の外装体3、或いは、第一の外装体3及び第二の外装体4を介してヒートシンク9に吸収される。
上記実施形態において、第二の外装体4の開口部402が、該第二の外装体4を構成する枠体40に対して切欠き状に形成されたが、これに限定されない。例えば、開口部402は、図6に示す如く、第二の外装体4(枠体40)に対して周囲が閉じられた孔状に形成されてもよい。
上記実施形態において、第一の外装体3(本体30の周壁部300)の外面に第一係合部304としての凸部を設け、第二の外装体4に第一係合部(凸部)302を配置する開口部402を設けたが、これに限定されない。例えば、第二の外装体4の枠体40の上端縁を第二係合部403とし、該上端縁と第一係合部304とを係合させるようにしてもよい。また、第二の外装体の枠体40に第二の係合部403としての凸部を設け、第一の外装体3の本体30の上端を第一係合部304とし、これらを係合させるようにしてもよい。
上記実施形態において、第一の外装体3(本体30の周壁部300)の外面に第一係合部304としての凸部を設け、第二の外装体4(枠体40)に開口部402を設けたが、これに限定されない。例えば、図7に示す如く、第二の外装体4(枠体40)の内面に第二係合部403である凸部が設けられ、第一の外装体3の外面に第二係合部(凸部)402を配置する開口部305が設けられてもよい。
また、上記実施形態において、枠体40の厚み方向(枠体40の内面を含む厚み方向全体)に貫通させた開口部402を第二の外装体(枠体40)をもうけたが、これに限定されない。例えば、開口部402は、非貫通な態様(例えば、相手側に向けて開放した凹部や溝状)であってもよい。すなわち、凸部を配置する開口部を設ける場合、貫通、非貫通に関係なく、開口部305,402は、凸部302,403の設けられる面と対向する第一の外装体3の外面、又は第二の外装体4の内面で開放するように設けられればよい。
上記実施形態において、第一係合部304を単なる凸部で構成したが、これに限定されない。例えば、図8に示す如く、第一係合部304である凸部は、開口部402を画定する第二係合部403である端縁(第二端縁)が嵌り込む溝部307を有してもよい。このようにすれば、溝部307に第二係合部403が嵌り込んだ状態になり、第一の外装体3と第二の外装体4とが互いに拘束しあう。従って、第一の外装体3と第二の外装体4との位置関係を一定又は略一定に保つことができる。
そして、このような形態は、図9に示す如く、第一の外装体3に第一係合部304としての端縁によって画定された開口部305が設けられるとともに、第二の外装体4に第二係合部403としての凸部が設けられる場合にも適用され得る。すなわち、第二の外装体4の第二係合部403に対して第一の外装体3に設けられた開口部305を画定する端縁(第一係合部304)の嵌り込む溝部404が設けられてもよい。この場合、開口部402が穴状に形成され、開口部402を画定する端縁のうちの上側の端縁が第一係合部304になる。これに伴い、第二係合部403である凸部には、上向きの開放した溝部404が設けられる。
上記実施形態において、第二の外装体4が枠体40とカバー41とを備えたが、これに限定されない。例えば、第二の外装体4は、枠体40のみを備えたものであってもよい。また、第二の外装体4は、第一方向の両端に第一開口及び第二開口を有する枠体40を備えたものに限定されない。例えば、第二の外装体4は、図10に示す如く、第一方向に第一端及び第二端を有する枠部420であって、第一端で開口し、電池セル2を包囲する枠部420と、枠部420の第二端に接続された底部421であって、枠部420と一体的に形成された底部421とを有するケース42を備えたものであってもよい。この場合、枠部420は、上記実施形態の枠体40と同様の形態で形成することができ、第二の外装体4は、ケース42の第一開口を閉じるカバー41を備えてもよいし、ケース42の第一開口を開放させたままにしてもよい。
上記実施形態において、電池セル2が複数設けられたが、これに限定されない。例えば、電池セル2は、一つであってもよい。すなわち、電池セル2は、要求される電力に応じた電力を供給できる数で設けられればよい。
上記実施形態において、第一係合部304が第三方向(周方向)に延びるように形成されたが、これに限定されない。例えば、第一係合部304は、第三方向(周方向)における長さが第一方向における長さよりも短いものや、第三方向(周方向)における長さが第一方向における長さと同寸に設定されたものであってもよい。この場合において、開口部402は、第一係合部304を配置可能であり、且つ、開口部402を画定する端縁が第二係合部403として第一係合部304と係合できるように形成されればよい。
上記実施形態において、第二の外装体4の開口部402が第一係合部304より大きなサイズに設定されたが、これに限定されない。例えば、開口部402は、第一係合部304の形態及びサイズに対応して形成されてもよい。すなわち、開口部402は、第一係合部304が挿入可能に形成されればよい。
上記実施形態において、開口部402を設け、開口部402を画定する端縁(第二端縁402b)を係合部403としたが、これに限定されない。例えば、第一の外装体3の外面、又は、第二の外装体4の内面に対して係合部304,403としての凸部が設けられ、第一の外装体3(本体30)の上端、又は、第二の外装体4(枠体40)の第一端(上端)が凸部304,403と係合する係合部304,403とされてもよい。
上記実施形態において、第一係合部304及び第二係合部403のそれぞれが二つ以上設けられたが、これに限定されない。第一係合部304及び第二係合部403のそれぞれは、少なくとも一つ設けられればよい。但し、第一の外装体3の係合部(第一係合部304)と第二の外装体4の係合部(第二係合部403)とが互いに係合した状態で、電池セル2を収容した第一の外装体3の姿勢が第二の外装体4内で適正になるように、係合部304,403の数や、大きさ、配置が設定されることは言うまでもない。
上記実施形態において、蓄電素子2として充放電可能な二次電池(リチウムイオン二次電池)が採用されたが、これに限定されない。例えば、蓄電素子2には、一次電池が採用されてもよい。また、蓄電素子2は、電池に限定されるものではなく、キャパシタであってもよい。
上記実施形態において、蓄電素子2として、六面体状(外観直方体状)の電槽20を有するもの(角形電池)が採用されたが、これに限定されない。例えば、蓄電素子2として、外観円柱状の電槽20を有するものが採用されてもよい。