JP2007327177A - 断熱壁のエキスパンションジョイント構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 外観を損なわず、かつ、伸縮変位に対し良好な追従性及び吸収性を保ちつつ、高い断熱性能を長期に亘り確保できる断熱壁のエキスパンションジョイント構造を提供する。
【解決手段】 隣接断熱パネル1,1の端部間に形成される隙間3の内外両面に該隙間3を塞ぐように内外一対の弾性ゴム製シート10,8を架設し、この内外一対の弾性ゴム製シート10,8間内にグラスウールなどの柔軟性断熱材11を充填するとともに、断熱パネル1,1端部の内面間に亘って固定されるエキスパンションジョイント用固定金具9に隙間3を塞ぐカバープレート15を固定し、このカバープレート15の両端部に断熱パネル1,1端部の内面に押し付けられて隣接断熱パネル1,1に対して相対変位可能な状態に摺接するゴムパッキン16,16が保持されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 隣接断熱パネル1,1の端部間に形成される隙間3の内外両面に該隙間3を塞ぐように内外一対の弾性ゴム製シート10,8を架設し、この内外一対の弾性ゴム製シート10,8間内にグラスウールなどの柔軟性断熱材11を充填するとともに、断熱パネル1,1端部の内面間に亘って固定されるエキスパンションジョイント用固定金具9に隙間3を塞ぐカバープレート15を固定し、このカバープレート15の両端部に断熱パネル1,1端部の内面に押し付けられて隣接断熱パネル1,1に対して相対変位可能な状態に摺接するゴムパッキン16,16が保持されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば建物躯体となるコンクリート製外壁の内面側に施工される内断熱等に適用される断熱壁のエキスパンションジョイント構造に関する。詳しくは、隣接設置された断熱パネルの端部間に形成される隙間を、断熱性のある状態に、かつ、前記隙間の伸縮変位を吸収可能な状態に接続する断熱壁のエキスパンションジョイント構造に関する。
隣接設置された断熱パネル端部間の隙間を断熱性のある状態に接続するにあたり、従来一般には、前記隙間に断熱性の高い硬質ウレタンフオームを注入充填する手段が採用されていたが、この場合は、例えば地震等の振動に起因する断熱パネル端部間の隙間の伸縮変位に対する追従性及び変位吸収性がないために、硬質ウレタンフォームが破損あるいは破壊されて断熱性が損なわれるのみならず室内等に結露水などが流れ込むという問題があり、また、ジョイント部に破損等が生じた際、硬質ウレタンフオームを再注入するなどの補修を行なわねばならず、メンテナンス費用が高くつくという問題もある。
従来、隣接する壁躯体間の隙間の伸縮変位に対する追従性及び変位吸収性を持たせる手段として、隣接する壁躯体にそれぞれ固定される固定部材と、これら固定部材間に架設されて壁躯体間の隙間を塞ぐカバープレートと、前記固定部材に固定されて該固定部材と協働して前記カバープレートを隙間の伸縮変位方向に相対移動可能に挟持するカバー体と、前記両固定部材に両端縁を固定保持させて隣接壁躯体間の隙間に架設される止水シートとからなるエキスパンジョンジョイントが知られており(例えば、特許文献1,2参照)、そのエキスパンジョンジョイントを隣接設置された断熱パネル間の隙間処理に応用して、所定の断熱壁のエキスパンションジョイント構造とすることが考えられる。
しかし、上記特許文献1,2に示されたエキスパンジョンジョイントでは、一枚の止水シートを用いているに過ぎないため、断熱壁として要求される高い断熱性能を確保することができないだけでなく、その止水シートが破損あるいは破孔した場合、断熱性に止まらず止水性も損なわれてしまって、大きな損害に繋がるという問題があった。
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、外観を損なうことなく、伸縮変位に対する追従性及び吸収性を良好に発揮できるとともに、高い断熱性能を長期に亘って確保することができる断熱壁のエキスパンションジョイント構造を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る断熱壁のエキスパンションジョイント構造は、隣接設置された断熱パネルの端部間に形成される隙間を、断熱性のある状態に、かつ、前記隙間の伸縮変位を吸収可能な状態に接続する断熱壁のエキスパンションジョイント構造であって、前記隣接する断熱パネル端部の内外両面にそれぞれ両端縁を固定して前記隙間を塞ぐべく架設される内外一対の弾性ゴム製シートと、この内外一対の弾性ゴム製シート及び隣接する断熱パネル端部で形成される空間内に充填される柔軟性断熱材と、前記隣接する断熱パネル端部の内面間に亘って固定されるエキスパンションジョイント用固定金具と、この固定金具に固定されて前記隙間を塞ぐべく架設されるエキスパンションジョイント用カバープレートとを備え、前記カバープレートの両端部には、前記隣接する断熱パネル端部の内面に押し付けられて、隣接する断熱パネルに対して相対変位可能な状態に摺接するパッキンが保持されていることを特徴としている。
ここで、前記エキスパンションジョイント用固定金具として、前記内外一対の弾性ゴム製シートの中央部分を前記隙間の外方へ向けて凸状の湾曲形状に賦形し保持する弾性部材を有しているものを用いすることが好ましい(請求項2)。また、前記柔軟性断熱材としては、グラスウールを用いることが好ましい(請求項3)。
上記のような特徴構成を有する本発明によれば、内外一対の弾性ゴム製シートを用いて隣接する断熱パネル端部間の隙間を二重に被閉することにより、止水性及び内部の気密性を高めることができるとともに、その内外一対の弾性ゴム製シート間にグラスウール等の柔軟性断熱材を充填した三重の断熱構造とすることにより、前記隙間の伸縮変位に対する追従性及び吸収性を良好に保ちつつ、断熱性能の著しい向上を図ることができる。殊に、弾性ゴム製シートを内外二重とすることにより、万一、一方のシートが破損あるいは破孔したとしても、柔軟性断熱材と他方の弾性ゴム製シートにより、損害の拡大及び止水性、断熱性の低下を最少限に止めることが可能で、補修などのメンテナンスに要する費用を最小限に抑えつつ高い断熱性能を長期に亘って確保することができる。加えて、エキスパンションジョイント用カバープレートの存在によって、前記隙間内部を隠蔽し室内など内部からの見栄えよい仕上がりを得ることができるという効果を奏する。
特に、内外二重に架設される弾性ゴム製シートの中央部分を、エキスパンションジョイント用固定部材側の弾性部材を用いて隙間の外方へ向けて凸状の湾曲形状に賦形し保持させることによって、二重三重の断熱構造としながらも、例えば地震等の振動に起因する断熱パネル端部間の隙間の伸縮変位に対する追従性及び変位吸収性をより優れたものとして断熱性能の一層の向上を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
図1は本発明を適用して施工された断熱壁のエキスパンションジョイント構造を示す要部の横断面図、図2はそのジョイント部を図1の矢符X−X方向からみた要部の正面図である。図1,2において、1,1は、建物躯体となるコンクリート製外壁2の内面側において床面F上に並列させて天井面Cまで垂直姿勢で隣接設置された断熱パネルであり、これら断熱パネル1,1はアルミなど軽量金属製の表裏面材1a,1a間に硬質ウレタンフォーム1bを挟持固定させたサンドイッチ構造に作製されている。
図1は本発明を適用して施工された断熱壁のエキスパンションジョイント構造を示す要部の横断面図、図2はそのジョイント部を図1の矢符X−X方向からみた要部の正面図である。図1,2において、1,1は、建物躯体となるコンクリート製外壁2の内面側において床面F上に並列させて天井面Cまで垂直姿勢で隣接設置された断熱パネルであり、これら断熱パネル1,1はアルミなど軽量金属製の表裏面材1a,1a間に硬質ウレタンフォーム1bを挟持固定させたサンドイッチ構造に作製されている。
前記隣接設置された断熱パネル1,1の端部間には隙間3が形成されており、この隙間3に臨む各断熱パネル1,1の端面にはそれぞれパネル端部カバー17,17を介して木製スペーサー4,4が固定保持され、これら木製スペーサー4,4の幅方向一端側、すなわち、断熱パネル1,1の外面寄り位置にはボルト5,5を介してL形部材6,6が固定されている。これらL形部材6,6にビス7,7を介してその両端縁が固定された弾性ゴム製シート8が前記隙間3の外面側を塞ぐべく架設されている。
また、前記木製スペーサー4,4の幅方向他端面及びそれと面一に連なる断熱パネル1,1の裏面材1a,1aと後述するエキスパンションジョイント用固定金具9との間にその両端縁が挟持固定された弾性ゴム製シート10が前記隙間3の内面側を塞ぐべく架設されている。
上記のように隙間3の内外両面を塞ぐべく架設された内外一対の弾性ゴム製シート10,8及び前記木製スペーサー4,4で形成される空間内には、グラスウールのような柔軟性の高い断熱材11が充填され、これによって、三重の断熱構造が構成されている。
前記エキスパンションジョイント用固定金具9は、前記弾性ゴム製シート10の両端縁を隣接する断熱パネル1,1の裏面材1a,1aとの間に挟持固定するようにボルト12,12を介して断熱パネル1,1に固定される左右一対の長尺帯板状固定部材9A,9Aと、これら左右一対の固定部材9A,9Aの端部に両端が係合され、その両端係合部間が二山瘤状に湾曲形成された板バネ部材(弾性部材)9Bとからなり、この板バネ部材9Bの二山瘤状の湾曲部分9bを前記内側の弾性ゴム製シート10の内面に当接させることにより、内外一対の弾性ゴム製シート10,8及び柔軟性断熱材11の中央部分は前記隙間3の外方へ向けて略半円凸状の湾曲形状に賦形し保持されている。
前記固定金具9における板バネ部材9Bの中央部には、ボルト13及びナット部材14からなる締付調整機構を介してエキスパンションジョイント用カバープレート15の中央部が固定されている。このカバープレート15は、前記固定金具9を含めて隙間3の内面側全域を塞ぐような幅Wを有し、その両端の折返部15a,15aには、前記隣接する断熱パネル1,1端部の裏面材1b,1bに押し付けられて、隣接する断熱パネル1,1に対してそれらの並列方向に相対変位可能な状態に摺接するゴムパッキン16,16が固定保持されている。なお、図1中の17は、コンクリート製外壁2に設置施工されているエキスパンションジョイント部である。
上記のように構成された断熱壁のエキスパンションジョイント構造においては、隣接する断熱パネル1,1端部間の隙間3が内外一対の弾性ゴム製シート10,8により二重に被閉されているので、止水性及び内部の気密性を高めることができるとともに、その内外一対の弾性ゴム製シート10,8間にグラスウールのような柔軟性断熱材11が充填された三重の断熱構造であるために、前記隙間3の伸縮変位に対して良好な追従性及び吸収性を保ちつつ、室内など内部に対して高い断熱性能を発揮することができる。
特に、弾性ゴム製シート10,8を内外二重とすることにより、万一、一方のシート8又は10が破損あるいは破孔したとしても、柔軟性断熱材11と他方の弾性ゴム製シート10又は8により、断熱壁の損害の拡大及び止水性、断熱性の低下を最少限に止めて、高い断熱性能を長期に亘って確保することができる。また、エキスパンションジョイント用カバープレート15によって、前記隙間3の内部及びその近傍の断熱パネル1,1端部を隠蔽(いわゆる、ボロ隠し)するので、室内など内部からの見栄えのよい仕上がりを得ることができる。
また、前記内外一対の弾性ゴム製シート10,8が破損したり、断熱材11が劣化したりした場合、エキスパンションジョイント用カバープレート15、固定金具9を取り外すことにより、室内などの内部から簡単容易に補修等メンテナンスすることが可能であり、断熱パネル1,1で構成される断熱壁の外側に建物躯体となるコンクリート製外壁2があるような場合のメンテナンス性にも優れている。
なお、上記実施の形態では、内外一対の弾性ゴム製シート10,8及び柔軟性断熱材11を、その中央部分が前記隙間3の外方へ向けて略半円凸状の湾曲形状に賦形保持されたもので説明したが、内外一対の弾性ゴム製シート10,8を断熱パネル1,1の表裏面材1a,1aと面一になるように架設した場合も、上記実施の形態とほぼ同様な効果、すなわち、高い止水性及び断熱性能と見栄え良い仕上がり性を得ることが可能である。
1 断熱パネル
3 隙間
8,10 弾性ゴム製シート
9 エキスパンションジョイント用固定金具
9B 板バネ部材(弾性部材)
11 柔軟性断熱材
15 エキスパンションジョイント用カバープレート
16 ゴムパッキン
3 隙間
8,10 弾性ゴム製シート
9 エキスパンションジョイント用固定金具
9B 板バネ部材(弾性部材)
11 柔軟性断熱材
15 エキスパンションジョイント用カバープレート
16 ゴムパッキン
Claims (3)
- 隣接設置された断熱パネルの端部間に形成される隙間を、断熱性のある状態に、かつ、前記隙間の伸縮変位を吸収可能な状態に接続する断熱壁のエキスパンションジョイント構造であって、
前記隣接する断熱パネル端部の内外両面にそれぞれ両端縁を固定して前記隙間を塞ぐべく架設される内外一対の弾性ゴム製シートと、
この内外一対の弾性ゴム製シート及び隣接する断熱パネル端部で形成される空間内に充填される柔軟性断熱材と、
前記隣接する断熱パネル端部の内面間に亘って固定されるエキスパンションジョイント用固定金具と、
この固定金具に固定されて前記隙間を塞ぐべく架設されるエキスパンションジョイント用カバープレートとを備え、
前記カバープレートの両端部には、前記隣接する断熱パネル端部の内面に押し付けられて、隣接する断熱パネルに対して相対変位可能な状態に摺接するパッキンが保持されていることを特徴とする断熱壁のエキスパンションジョイント構造。 - 前記エキスパンションジョイント用固定金具は、前記内外一対の弾性ゴム製シートの中央部分を前記隙間の外方へ向けて凸状の湾曲形状に賦形し保持する弾性部材を有している請求項1に記載の断熱壁のエキスパンションジョイント構造。
- 前記柔軟性断熱材が、グラスウールである請求項1または2に記載の断熱壁のエキスパンションジョイント構造。
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JP2006156934A JP2007327177A (ja) | 2006-06-06 | 2006-06-06 | 断熱壁のエキスパンションジョイント構造 |
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-
2006
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Legal Events
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