JP2007326973A - 絶縁接着シート - Google Patents
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Abstract
【課題】基板上に半導体チップなどの電子部品素子を実装してなる電子部品の絶縁部分を構成するのに適した絶縁接着シートであって、絶縁性能及び接着性能を有し、かつ耐熱性に優れ、さらに高温下での使用に際しても優れた特性を維持し得る絶縁接着シート及び該絶縁接着シートを用いた電子部品を提供する。
【解決手段】絶縁性能と接着性能とを有する絶縁接着層5、及び赤外線を反射する性能を有する赤外線反射層6とを備える絶縁接着シート、及び該絶縁接着シートを用いた電子部品1。
【選択図】図1
【解決手段】絶縁性能と接着性能とを有する絶縁接着層5、及び赤外線を反射する性能を有する赤外線反射層6とを備える絶縁接着シート、及び該絶縁接着シートを用いた電子部品1。
【選択図】図1
Description
本発明は、基板上に半導体チップなどの電子部品素子を実装してなる電子部品の絶縁部分を構成するのに適した絶縁接着シートに関し、より詳細には、絶縁性能及び接着性能を有し、かつ耐熱性に優れ、高温下での使用に際しても優れた特性を維持し得る絶縁接着シートに関する。
基板上に半導体チップを実装することにより構成された半導体装置の高性能化及び小型化を図るために、ボンディングワイヤを用いない面配線技術が用いられてきている。この種の実装技術の一例は、例えば下記の特許文献1に開示されている。面配線技術を用いる場合、基板上に半導体チップを接着により接合したり、あるいは電極間の絶縁を図るために、様々な絶縁材料が用いられている。
他方、半導体装置において用いられる絶縁材料では、用途によっては、大きな電気容量に耐え得ることが求められている。また、上記面配線技術などの実装プロセスに適したものであることも求められている。
また、大電流用途では、特に耐熱性に優れていること、具体的には高温放置下及び冷熱サイクルが与えられた際の劣化が生じ難いことが強く求められている。さらに、電力損失の原因となるクラックの発生が生じ難いことも求められている。
従来より、アクリル樹脂やエポキシ樹脂からなる耐熱性を有する絶縁材料が開発されてきており、このような絶縁材料が下記の特許文献2,3に開示されている。しかしながら、特許文献2,3に記載の絶縁材料は、高温下での使用に際し充分な耐熱性を有するものではなかった。
これに対し近年、絶縁材料の耐熱性をより一層高めるために、樹脂設計や配合設計について種々の試みがなされてきている。
例えば下記の特許文献4には、ポリベンゾオキサゾール樹脂とフラーレンとの混合物からなる絶縁材料が、特許文献5にはヒドロナフタレン化合物からなる絶縁材料が、特許文献6,7にはビニル系芳香族化合物と共役ジエン化合物との共重合体からなる絶縁材料が、それぞれ開示されている。
更に、面配線技術により作製された電子部品においては、電子部品の表面層の一部を構成するのに絶縁材料が用いられることが想定され得るが、上述した絶縁材料は、このような配線に使用された場合に充分な絶縁信頼性を有するものではなかった。
特開平8−115953号公報
特開2001−323224号公報
特開2002−129125号公報
特開2005−256011号公報
特開2005−255917号公報
特開2005−314554号公報
特開2005−317371号公報
本発明の目的は、基板上に半導体チップなどの電子部品素子を実装してなる電子部品の絶縁部分を構成するのに適した絶縁接着シートであって、絶縁性能及び接着性能を有し、かつ耐熱性に優れ、さらに高温下での使用に際しても優れた特性を維持し得る絶縁接着シートを提供することにある。
本発明に係る絶縁接着シートは、絶縁接着層及び赤外線反射層を有することを特徴とする。
本発明に係る絶縁接着シートのある特定の局面では、赤外線反射層はコレステリック液晶ポリマー層からなる。
本発明に係る絶縁接着シートの他の特定の局面では、赤外線反射層は、第一のコレステリック液晶ポリマー層と、前記第一のコレステリック液晶ポリマー層と異なる偏光成分の光を反射する第二のコレステリック液晶ポリマー層との積層体である。
本発明に係る絶縁接着シートのさらに他の特定の局面では、赤外線反射層は、波長800〜1600nmの赤外線に対する吸水率が50%以下である顔料を含有する。
本発明に係る絶縁接着シートのさらに他の特定の局面では、顔料が、酸化鉄顔料、酸化チタン顔料、複合酸化物系顔料、酸化チタン被覆雲母顔料、酸化鉄被覆雲母顔料、鱗片状アルミニウム顔料、酸化亜鉛、金属フタロシアニン顔料、無金属フタロシアニン顔料、塩素化フタロシアニン顔料、塩素/臭素化フタロシアニン顔料、臭素化フタロシアニン顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリレン系顔料、モノアゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、金属錯体系顔料、キノフタロン系顔料、インダンスレンブルー顔料、ジオキサジンバイオレット顔料、アンスラキノン顔料、金属錯体顔料及びベンツイミダゾロン系顔料からなる群から選択した少なくとも1種である。
本発明に係る絶縁接着シートの別の特定の局面では、絶縁接着層は、エポキシ化合物、エポキシ化合物の硬化剤、フィラー、及びカップリング剤を含有する硬化性組成物を用いて構成されている。
本発明に係る絶縁接着シートは、絶縁接着層を有するので、絶縁性を有するだけでなく、適用対象に対して強固に密着される。さらに、本発明に係る絶縁接着シートは赤外線反射層を有するので、熱線の透過を防止することができる。加えて、赤外線反射層を有するので、耐熱性に優れており、さらに高温下での使用に際しても優れた特性を維持することができる。すなわち、高温に放置されたり、冷熱サイクルが加えられたとしても、絶縁接着層が劣化し難く、クラックも生じ難い。従って、該絶縁接着層の硬化物により電子部品の絶縁層などを形成することにより、半導体装置などの電子部品装置の耐熱性及び信頼性を効果的に高めることが可能となる。
赤外線反射層がコレステリック液晶ポリマー層からなる場合には、赤外線反射層の赤外線反射能をより一層高めることができ、耐熱性により一層優れた絶縁接着シートを提供することができる。
赤外線反射層が、第一のコレステリック液晶ポリマー層と、前記第一のコレステリック液晶ポリマー層と異なる偏光成分の光を反射する第二のコレステリック液晶ポリマー層との積層体である場合には、耐熱性をさらに一層高めることができる。
赤外線反射層が波長800〜1600nmの赤外線に対する吸水率が50%以下である顔料を含有する場合には、赤外線反射層の赤外線反射能をより一層高めることができ、耐熱性により一層優れた絶縁接着シートを提供することができる。
絶縁接着層が、エポキシ化合物、エポキシ化合物の硬化剤、フィラー、及びカップリング剤を含有する硬化性組成物を用いて構成されている場合には、絶縁接着層の絶縁性能をさらに高めることができ、かつ接着強度や機械的強度を高めることができる。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係る絶縁接着シートは、絶縁接着層及び赤外線反射層を有する。
本明細書において、絶縁接着層とは絶縁性能と接着性能とを有する層を意味し、赤外線反射層とは赤外線を反射する性能、すなわち熱線の透過を防止する性能を有する層を意味する。
絶縁接着層を有するので、絶縁接着シートは絶縁性能と接着性能とを有する。また、絶縁接着シートが赤外線反射層を有することにより、熱線が赤外線反射層を通過して絶縁接着層に至るのを防止することができ、絶縁接着層の耐熱性を向上させることができる。さらに、絶縁接着シートが例えば絶縁接着層と赤外線反射層とが積層された2層構造からなることにより、上記機能を各層にそれぞれ付与することが可能となり、その結果絶縁接着シートとして絶縁性能及び接着性能と、優れた耐熱性とを兼ね備えるものとなる。
上記絶縁接着層は、特に限定されないが、例えば樹脂成分、硬化剤、フィラー、及びカップリング剤を含有する硬化性組成物を用いて構成される。絶縁性能及び接着性能をより一層高めることができるので、絶縁接着層は、樹脂成分としてのエポキシ化合物、該エポキシ化合物の硬化剤を含有する硬化性組成物を用いて構成されていることが好ましい。絶縁性能及び接着性能をさらに一層高めることができるので、絶縁接着層は、樹脂成分としてのエポキシ化合物、該エポキシ化合物の硬化剤、フィラー、及びカップリング剤を含有する硬化性組成物を用いて構成されていることが好ましい。
上記樹脂成分としては特に限定はされないが、例えば、ポリイミド化合物、エポキシ化合物、等が挙げられる。中でも、接着性を高めることができるため、エポキシ化合物が好ましく用いられる。
上記エポキシ化合物としては特に限定はされないが、例えば多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ化合物等が挙げられる。なかでも、多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ化合物を好適に用いることができる。
本明細書において多環式炭化水素骨格とは、2以上の環状骨格が結合して形成された炭化水素骨格を意味する。このようなエポキシ樹脂としては、例えば、ジシクロペンタジエンジオキシド、ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノールノボラックエポキシ樹脂などのジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、1−グリシジルナフタレン、2−グリシジルナフタレン、1,2−ジグリシジルナフタレン、1,5−ジグリシジルナフタレン、1,6−ジグリシジルナフタレン、1,7−ジグリシジルナフタレン、2,7−ジグリシジルナフタレン、トリグリシジルナフタレン、1,2,5,6−テトラグリシジルナフタレン等のナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、1,3−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)アダマンテン、2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)アダマンテン等のアダマンテン骨格を有するエポキシ樹脂、9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−ブロモフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジクロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジブロモフェニル)フルオレン等のフルオレン骨格を有するエポキシ樹脂、1,1’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,1’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,1’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,2’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,2’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,2’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン等のバイ(グリシジルオキシフェニル)メタン骨格を有するエポキシ樹脂、1,3,4,5,6,8−ヘキサメチル−2,7−ビス−オキシラニルメトキシ−9−フェニル−9H−キサンテン等のキサンテン骨格を有するエポキシ樹脂が挙げられ、また、アントラセン骨格やピレン骨格を有するエポキシ樹脂も挙げられる。これらの多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂は、1種のみが用いられても良いし、2種類以上が併用されて用いられても良い。
なかでも、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂及び/又はナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂を好適に用いることができる。
上記硬化性組成物は、上記樹脂成分と反応する官能基を有する高分子量固形ポリマーをさらに含有することが好ましい。樹脂成分と高分子量固形ポリマーとを併用することにより、硬化性組成物の硬化物で実装デバイスを被覆する際のハンドリング性が向上し、また硬化状態での可とう性が向上するため好適である。
上記樹脂成分と反応する官能基を有する高分子固形ポリマーとしては特に限定はされないが、例えば上記樹脂成分がエポキシ化合物である場合には、エポキシ基を有する高分子量固形ポリマーを含有することにより、硬化性組成物の未硬化状態での貯蔵安定性、硬化時の反応性、及び硬化状態での可とう性が高められるため好ましい。
上記エポキシ化合物の硬化剤としては特に限定はされないが、例えば、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸などの加熱硬化型酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、ジシアンジアミドなどの潜在性硬化剤、カチオン系触媒型硬化剤などが挙げられる。これらの硬化剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されても良い。
常温で液状の上記加熱硬化型酸無水物系硬化剤の代表的なものとしては、例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸などの酸無水物系硬化剤が挙げられる。なかでも、メチルテトラヒドロ無水フタル酸やメチルヘキサヒドロ無水フタル酸に比べて疎水化されており、耐水性を高め得るので、メチルナジック酸無水物やトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸が好適に用いられる。これらの酸無水物系硬化剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
上記フェノール系硬化剤の代表的なものとしては、例えば、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、t−ブチルフェノールノボラック、ジシクロペンタジエンクレゾール、ポリパラビニルフェノール、ビスフェノールA型ノボラック、キシリレン変性ノボラック、デカリン変性ノボラック、ポリ(ジ−o−ヒドロキシフェニル)メタン、ポリ(ジ−m−ヒドロキシフェニル)メタン、ポリ(ジ−p−ヒドロキシフェニル)メタンなどが挙げられる。これらのフェノール系硬化剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
上記硬化性組成物においては、硬化速度や硬化物の物性などを調整するために、上記エポキシ化合物の硬化剤とともに、硬化促進剤を併用しても良い。
上記硬化促進剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、イミダゾール系硬化促進剤、3級アミン系硬化促進剤などが挙げられる。なかでも、硬化速度や硬化物の物性などの調整をするために反応系を制御しやすいことから、イミダゾール系硬化促進剤が好適に用いられる。これらの硬化促進剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
上記イミダゾールの1位をシアノエチル基で保護した1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールや、イソシアヌル酸で塩基性を保護した商品名「2MA−OK」(四国化成工業社製)などが挙げられる。これらのイミダゾール系硬化促進剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
上記酸無水物系硬化剤とイミダゾール系硬化促進剤などの上記硬化促進剤とを併用する場合は、酸無水物系硬化剤の添加量をエポキシ基に対して理論的に必要な当量以下とすることが好ましい。酸無水物系硬化剤の添加量が必要以上に過剰であると、硬化物から水分により塩素イオンが溶出しやすくなるおそれがある。また、上記アミン系硬化剤とイミダゾール系硬化促進剤等の上記硬化促進剤を併用する場合も、アミン系硬化剤の添加量をエポキシ基に対して理論的に必要な当量以下とすることが好ましい。アミン系硬化剤の添加量が必要以上に過剰であると、硬化物から水分により塩素イオンが溶出しやすくなるおそれがある。
上記硬化性組成物は、エポキシ化合物及びエポキシ化合物の硬化剤に加えて、更にフィラーを含有することが好ましい。上記フィラーを含有することにより、線膨張係数低下による冷熱サイクル性及び高温放置性といった耐熱性を向上させることができ、好ましい。
上記フィラーとしては特に限定されるものではないが、シリカ、アルミナ、窒化珪素、ハイドロタルサイト、カオリンなどが挙げられる。これらフィラーは単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
上記フィラーのなかでも、平均粒子径2〜15μmの球状シリカ、球状アルミナ、球状窒化珪素、球状珪酸アルミニウムが好適に用いられる。平均粒子径が2μm未満であると後述のように高充填することが困難になることがあり、15μmを超えるとろ過メッシュを通らないことがある。
これらフィラーは、硬化性組成物の総重量に対して50重量%以上、85重量%未満の範囲で配合するのが好ましい。フィラーが50重量%未満では、フィラーによる線膨張低下の効果が十分ではなく、冷熱サイクル性及び高温放置性といった耐熱性が不十分となりがちとなり、一方、85重量%以上では、硬化性組成物の硬化物の接着力が著しく低下するおそれがある。
また、電子部品などの製造に際して、上記絶縁接着層に孔を形成する工程が行なわれる場合には、上記フィラーの平均粒子径は、更に好ましくは2〜6μmである。フィラーの平均粒子径が6μmを超えると、所望の形状の孔を形成することが困難となる場合がある。
また、上記フィラーの平均粒子径が2〜6μmの場合、最小粒子径が1.5μm、最小粒子径が10μmであることが好ましい。最小粒子径が1.5μm未満の場合、フィラーの高充填が困難となることがあり、最大粒子径が10μmを超える場合、所望の形状の孔を形成することが困難となる場合がある。
上記フィラーとしては、モンモリロナイト、膨潤性マイカ及びヘクトライト等の層状珪酸塩を用いてもよい。これら層状珪酸塩は、上記フィラーに比べ、少量添加で線膨張係数低下による冷熱サイクル性及び高温放置性といった耐熱性が向上することから、半導体チップの装着された基板の半導体チップの周囲に対する硬化性組成物の硬化物の接着力低下や、半導体デバイスを硬化性組成物の硬化物で被覆する際のハンドリング性低下といった無機フィラーの問題点をカバーし、広い樹脂設計を可能にすることができる。
上記フィラーとして層状珪酸塩を用いる場合は、硬化性組成物の総重量に対して0.5重量%以上、40重量%未満の範囲で配合するのが好ましい。層状珪酸塩が0.5重量%未満では、層状珪酸塩による線膨張低下の効果が十分ではなく、冷熱サイクル性及び高温放置性といった耐熱性が不十分となりがちとなり、一方、40重量%を超えると、上記フィラーに比べ、少量添加で線膨張係数が低下する効果が低減しがちとなる。
上記層状珪酸塩の形状としては特に限定されるものではないが、平均長さの好ましい下限は0.01μm、上限は3μm、厚さの好ましい下限は0.001μm、上限は1μm、アスペクト比の好ましい下限は20、上限は500である。平均長さのより好ましい下限は0.05μm、上限は2μm、厚さのより好ましい下限は0.01μm、上限は0.5μm、アスペクト比のより好ましい下限は50、上限は200である。
上記層状珪酸塩とは、層間に交換性金属カチオンを有する珪酸塩鉱物を意味する。交換性金属カチオンとは、層状珪酸塩の結晶表面上に存在するナトリウムやカルシウム等の金属イオンのことである。これらの金属イオンは、カチオン性物質とのカチオン交換性を有するため、カチオン性を有する種々の物質を上記層状珪酸塩の結晶層間に挿入(インターカレート)することができる。
上記層状珪酸塩としては特に限定されず、例えば、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイト等のスメクタイト系粘度鉱物や、バーミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカ等が挙げられる。なかでもモンモリロナイト、膨潤性マイカ及びヘクトライトからなる群から選択された少なくとも1種が好適に用いられる。層状珪酸塩は、天然ものであっても良いし、合成物であっても良い。又、これらの層状珪酸塩は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
カチオン性を有する種々の物質を層状珪酸塩の結晶層間に挿入する際には、例えばカチオン性界面活性剤が用いられる。上記カチオン性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリメチルアルキルアンモニウム塩、トリエチルアルキルアンモニウム塩、トリブチルアルキルアンモニウム塩、ジメチルジアルキルアンモニウム塩、ジブチルジアルキルアンモニウム塩、メチルベンジルジアルキルアンモニウム塩、ジベンジルジアルキルアンモニウム塩、トリアルキルメチルアンモニウム塩、トリアルキルエチルアンモニウム塩、トリアルキルブチルアンモニウム塩、芳香環を有する4級アンモニウム塩、トリメチルフェニルアンモニウム等の芳香族アミン由来の4級アンモニウム塩、ポリエチレングリコール鎖を2つ有するジアルキル4級アンモニウム塩、ポリプロピレングリコール鎖を二つ有するジアルキル4級アンモニウム塩、ポリエチレングリコール鎖を一つ有するトリアルキル4級アンモニウム塩、ポリプロピレングリコール鎖を一つ有するトリアルキル4級アンモニウム塩が挙げられる。この中でも特にラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジ硬化牛脂ジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジベンジルアンモニウム塩、N−ジメチルアンモニウム塩などが好適である。これらの4級アンモニウム塩は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
上記カチオン性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、4級ホスホニウム塩も用いられる。上記4級ホスホニウム塩としては特に限定されるものではないが、例えば、トデシルトリフェニルホスホニウム塩、メチルトリフェニルホスホニウム塩、ラウリルトリメチルホスホニウム塩、ステアリルトリメチルホスホニウム塩、トリオクチルホスホニウム塩、トリオクチルメチルホスホニウム塩、ジステアリルジメチルホスホニウム塩、ジステアリルジベンジルホスホニウム塩等が挙げられる。これらの4級ホスホニウム塩は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
上記硬化性組成物は、カップリング剤をさらに含有することが好ましい。カップリング剤を含有することにより、硬化性組成物の硬化物からなる絶縁接着層を構成した場合に、絶縁接着層の接着性が向上し、耐熱性も向上する。
上記カップリング剤としては特に限定はされないが、エポキシシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、ケチミンシランカップリング剤、イミダゾールシランカップリング剤、カチオン系シランカップリング剤等が挙げられる。
上記硬化性組成物には、更に必要に応じて、チキソ性付与剤、分散剤、難燃剤、ゴム微粒子が含有されていても良い。
上記チキソ性付与剤としては、特に限定されるものではないが、ポリアマイド樹脂、脂肪酸アマイド樹脂、ポリアミド樹脂、フタル酸ジオクチル樹脂などが挙げられる。
上記分散剤としては、脂肪酸せっけん、アルキルサルフェート、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性分散剤、デシルアミン酢酸塩、トリメチルアンモニウムクロライド、ジメチル(ベンジル)アンモニウムクロライド等のカチオン性分散剤、ポリエチレングリコールエーテル、ポリエチレングリコールエステル、ソルビタンエステル、ソルビタンエステルエーテル、モノグリセライド、ポリグリセリンアルキルエステル、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルポリエーテルアミン、アミンオキサイド、エチレングリコールジステアレート等のノニオン性分散剤等が挙げられる。
上記難燃剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドーソナイト、アルミン酸化カルシウム、2水和石こう、水酸化カルシウムなどの金属水酸化物、赤りんやポリリン酸アンモニウムなどのリン系化合物、メラミン、メラミンシアヌレート、メラミンイソシアヌレート、リン酸メラミン及びこれらに表面処理が施されたもののようなメラミン誘導体などの窒素系化合物、ハイドロタルサイトなどの層状複水和物などが挙げられる。中でも金属水酸化物及びメラミン誘導体が好適に用いられる。
硬化性組成物は、ゴム微粒子と上記フィラーとを含むことが好ましい。ゴム微粒子と上記フィラーとを併用することで、硬化性組成物の硬化物は低い線熱膨張率と同時に応力緩和能を有するものとなり、該硬化物を用いると高温下や冷熱サイクル条件下での剥離やクラック等の問題が生じることを防止することができる。
上記ゴム微粒子としては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリルゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、天然ゴムなどの微粒子が挙げられる。これらゴム微粒子は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
上記ゴム微粒子の配合割合については、特に限定されないが、好ましくは、硬化性組成物中0.1〜40重量%の範囲が望ましく、より好ましくは0.3〜20重量%の範囲である。ゴム微粒子の配合割合が0.1重量%未満の場合には、硬化性組成物の硬化物における応力緩和性が十分に発現しないことがあり、40重量%を超えると、接着性が低下することがある。
上記硬化性組成物は、上記ゴム微粒子をコア(芯材)として用いる2層以上の複層構造からなるコアシェル構造のゴム微粒子を含むことが好ましい。3層以上の複層構造からなるコアシェル構造のゴム微粒子である場合、シェルは最外殻を意味する。
上記コアシェル構造のゴム微粒子のシェルは、エポキシ樹脂中のエポキシ基と反応する官能基を有していても良い。エポキシ基と反応する官能基としては、特に限定されるものではないが、例えば、アミノ基、ウレタン基、イミド基、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基等が挙げられる。なかでも、常温ではエポキシ基と反応せず、絶縁材料の濡れ性の低下や貯蔵安定性の低下を来たさないことから、水酸基やエポキシ基を有するシェルを含むゴム微粒子が好適に用いられる。これらのエポキシ基と反応する官能基を有するシェルを含むゴム微粒子は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
上記ゴム微粒子は、特に限定されるものではないが、平均粒子径が30μm以下であることが好ましい。ゴム微粒子の平均粒子径が30μmを超えると、硬化性組成物の硬化物の応力緩和性が十分に発現しないことがある。上記ゴム微粒子の更に好ましい平均粒子径は0.1〜5μmである。
また、上記硬化性組成物には、必要に応じて、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が含有されていても良い。
上記熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、アクリル系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、スチレン系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、熱可塑性ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリイミド系樹脂、ケトン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
上記熱硬化性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、尿素樹脂、メラミン樹脂などのアミノ系樹脂、フェノール系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、熱硬化性ウレタン系樹脂、上記ペンタジエン型エポキシ樹脂及びナフタレン型エポキシ樹脂以外のエポキシ系樹脂、熱硬化性ポリイミド系樹脂、アミノアルキド系樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。また、上記熱可塑性樹脂と上記熱硬化性樹脂とは、それぞれ単独で用いられても良いし、両者が併用されても良い。
上記硬化性組成物には、酸化防止剤がさらに含有されていてもよい。酸化防止剤が含有されていることで、絶縁接着層中の活性酸素を失活させることができる。よって、絶縁接着層の酸化及び熱酸化を抑制し、かつ絶縁接着層が接着している実装デバイス基板、電極及び半導体チップ等の酸化を防ぐことができ、高温放置下での接着性の低下を抑制することができる。
上記酸化防止剤としては、特に限定されるものではないが、代表的なものとしては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤等が挙げられる。これら酸化防止剤は1種のみが用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
上記酸化防止剤としては、1次酸化防止剤であるフェノール系酸化防止剤と2次酸化防止剤であるリン系酸化防止剤とを併用することが好ましい。フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とを併用することで下記式(1)の熱酸化劣化サイクルを抑止することができる。また、1次酸化防止剤であるフェノール系酸化防止剤と2次酸化防止剤であるリン系酸化防止剤及びラクトン系酸化防止剤とを併用することが望ましい。ラクトン系酸化防止剤は、下記式(1)の熱酸化劣化サイクルにおいて、更にアルキルラジカルを捕捉してラジカル発生点において熱酸化劣化サイクルを抑止するためである。
上記酸化防止剤としては、融点が65℃以上で、かつ20℃での蒸気圧が1.0×10−8Pa以下であるものが好ましい。融点が65℃未満、もしくは20℃での蒸気圧が1.0×10−8Paを超えると、熱硬化過程もしくは高温放置状態において酸化防止剤自体が揮発するため、絶縁接着層の酸化及び熱酸化を抑制する効果、並びに高温放置下での接着性の低下を抑制する効果が不十分なものとなるおそれがある。
上記酸化防止剤は、硬化性組成物総重量中、0.01重量%以上配合されることが好ましい。酸化防止剤が0.01重量%未満の場合には、接着力の向上効果及び高温放置後の接着力の低下を抑制する作用、並びにクラック発生の抑制効果が不十分なものとなるおそれがある。また、酸化防止剤の配合割合は、硬化性組成物総重量中1.0重量%以下であることが望ましい。酸化防止剤が1.0重量%を超えると、酸化防止効果はそれ以上高まらず、余分な酸化防止剤による汚染が生じるおそれがある。より好ましくは、酸化防止剤は、硬化性組成物中0.1〜0.5重量%の割合で配合されることが望ましい。
本発明の絶縁接着シートの絶縁接着層は、例えば上述した硬化性組成物を用いて形成される。
上記絶縁接着層を形成する方法としては特に限定はされないが、上記硬化性組成物を層状に加工する方法が挙げられる。上記絶縁接着組成物を層状に加工する方法としては特に限定はされないが、例えば、溶剤キャスト法、押し出し成膜等の方法が好適である。絶縁接着層は、未硬化状態であってもよく、硬化状態であってもよいが、未硬化状態であることが好ましい。
上記絶縁層の厚みとしては特に限定はされないが、好ましい下限は100μm、好ましい上限は300μmである。100μm未満では絶縁性が低下することがあり、300μmを超えると電極間の導通プロセスが煩雑になることがある。より好ましい下限は120μm、より好ましい上限は200μmである。
上記絶縁接着層の初期接着力の好ましい下限は400N/25mm2である。
なお、本明細書において上記初期接着力とは、1mm×30mm×100mm角銅板の先端に30mm×50mm角に切り取ったシート状の絶縁接着層を貼り、離型PETフィルムを剥離した上からシート状の絶縁材料の先端とは反対側の縁に合わせてシートを挟むかたちで同サイズの銅板を重ね、200℃オーブンで1時間加熱硬化して、2枚の銅板のシートとは反対側の先端に治具を取り付け、5mm/分の引張速度で上下に引っ張り、最大破断強度(N/25mm2)を求めた場合の値を意味する。
上記絶縁接着層の高温放置後の接着力としては、350N/25mm2以上が好ましい。初期接着力に対する高温放置後接着力の変化量としては、100N/25mm2未満が好ましく、50N/25mm2未満がより好ましい。
なお、本明細書において上記高温放置後の接着力とは、銅基板の上にシリコンチップを半田付けした上から基板全体をシート状の絶縁接着層を真空ラミネーター(MVLP−500、メイキ製作所製)にて40℃の条件下でラミネートし、200℃オーブンで1時間加熱硬化して作製したテストサンプルを200℃オーブンに500時間放置した後、初期接着力と同様の方法で接着力を測定した場合に得られる値を意味する。
上記絶縁接着層の線膨張率が40ppm以下であることが好ましく、30ppm以下であることがより好ましい。
なお、本明細書において絶縁接着層の線膨張率とは、シート状の絶縁接着層を3mm×25mm角に切り出したものを200℃オーブンで1時間硬化して作製したテストサンプルを、TMA装置(TMA/SS6000、セイコーインストロメント社製)にて10℃毎分で320℃まで1回昇温したのち−45℃から130℃まで10℃毎分で昇温した時の温度―TMA直線の傾きを測定し、その逆数を線膨張係数として算出できる値を意味する。
本発明の絶縁接着シートは、絶縁接着層に加えて、赤外線反射層をさらに有する。
本発明の絶縁接着シートは、赤外線反射層を有することにより、絶縁接着層への熱線の透過を防止することができ、それによって絶縁接着層の熱劣化を防止することができる。よって、絶縁接着シートが被着体から剥離したり、高温下にてクラックの発生等を防止することができる。
尚、本明細書において赤外線とは、波長800nm以上の光を意味し、近赤外線領域の光も包含する。
本発明の絶縁接着シートは、絶縁接着層の少なくとも片面に、上記赤外線反射層を有することが好ましい。上記赤外線反射層を片面に有することにより、絶縁接着層への熱線の透過を防止することができる。上記赤外線反射層を上記絶縁接着層の両面に有する場合、上記赤外線反射層が充分な接着力を有するか、または上記赤外線反射層の絶縁接着層が接着された面とは反対側の面に接着層を更に設けることが好ましい。
上記赤外線反射層は、800〜1500nmの波長の光に対する最低反射率が10%以上であることが好ましい。最低反射率が10%未満の場合、絶縁接着シートの耐熱性に劣ることがある。最低反射率は、15%以上であることがより好ましい。
上記赤外線反射層としては、赤外線反射層全体として赤外線反射能を有していればよく、赤外線反射能を有する化合物からなる層であることが好ましい。
上記赤外線反射能を有する化合物からなる層である赤外線反射層としては特に限定はされないが、なかでも、コレステリック液晶ポリマーからなるコレステリック液晶ポリマー層、及び/又は無機酸化物からなる無機酸化物層であることが好ましい。赤外線反射層は、コレステリック液晶ポリマー層であることがより好ましい。
上記コレステリック液晶ポリマー層とは、コレステリック液晶をポリマーにより固定化した複合体からなる層を意味する。
上記コレステリック液晶は、分子の長軸を平衡に配列した分子層が長軸と垂直方向に積層し、各層での分子の方向がある角度ずつ規則的に回転しており、分子層と垂直な螺旋を描いた構造を有していることが知られている。またこのような螺旋構造により、螺旋の1つのピッチの幅に依存して選択的な波長の光を反射することが知られている。反射される中心波長と螺旋構造のピッチの幅の関係は、下記式(2)にて表すことができる。
λ=cosθ・n・P (2)
上記式(2)中、λは反射光の中心波長、nは平均屈折率、Pは螺旋構造の1つのピッチ長、θは入社面に垂直な方向に対する入射光の角度を表す。
上記式(2)中、λは反射光の中心波長、nは平均屈折率、Pは螺旋構造の1つのピッチ長、θは入社面に垂直な方向に対する入射光の角度を表す。
上記コレステリック液晶ポリマー層を用いると、螺旋のピッチを選択することにより近赤外〜赤外線領域の光を効率よく反射することができ、好ましい。
上記コレステリック液晶ポリマーにおいて、上記螺旋の1ピッチの幅としては近赤外線〜赤外線領域の光を反射することができればよく、ポリマー成分の平均屈折率を鑑みて1ピッチの幅を選択することができる。上記螺旋の1ピッチの幅の好ましい下限は400nm、好ましい上限は900nmである。1ピッチの幅が400nm未満であると、赤外線領域の光を充分反射できない場合があり、900nmを超えると、近赤外領域の光を充分反射できない場合がある。
上記コレステリック液晶ポリマーは、重合性メソゲン化合物及び重合性キラル化合物を重合し、高分子化したものであることが好ましい。構造としては特に限定はされず、主鎖型であってもよく、側鎖型であってもよい。
上記メソゲン基含有化合物は、分子内に少なくとも1つの重合性官能基と、環状単位等からなるメソゲン基を有する化合物であることが好ましい。
上記重合性反応基としては特に限定はされず、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、ビニルエーテル基等が挙げられるが、中でもアクリロイル基、メタクリロイル基が好適である。
上記メソゲン基となる環状単位としては特に限定はされず、例えば、ビフェニル系、フェニルベンゾエート系、フェニルシクロヘキサン系、アゾキシベンゼン系、アゾメチン系、アゾベンゼン系、フェニルピリミジン系、ジフェニルアセチレン系、ジフェニルベンゾエート系、ビシクロヘキサン系、シクロヘキシルベンゼン系、ターフェニル系等が挙げられる。これらの環状単位の末端は、例えばシアノ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基等を置換基として有していてもよい。
上記メソゲン基は、屈曲性を付与するスペーサ部を介して結合していてもよい。上記スペーサ部としては、ポリメチレン鎖、ポリオキシメチレン鎖等が挙げられる。
上記メソゲン基含有化合物としては、より具体的には、例えば、下記式(3)や下記式(4)で表される化合物が挙げられる。
上記式(3)中、R1は水素原子又はメチル基を示す。nは1〜5の整数を表す。Xはアルキル基、アルコキシ基、及びハロゲン基から選択される1種を示す。
上記重合性キラル化合物は、重合性官能基と、光学活性基とを有する化合物であれば、特に限定されない。
上記重合性官能基としては、上述と同様の官能基が挙げられる。
上記重合性キラル化合物の具体例としては、例えば、下記式(5)や下記式(6)で表される化合物が挙げられる。
上記式(5)中、R2、R3は水素原子またはメチル基を示す。R4、R5は置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキレン基を示す。l、mはそれぞれ独立して1〜3の整数を表す。
上記コレステリック液晶ポリマーの1ピッチの幅を好ましい範囲に設定する方法としては特に限定はされず、重合性キラル化合物の濃度を調整する方法、重合温度等の重合条件を調整する方法等が挙げられる。中でも、重合性キラル化合物の濃度を調整する方法を好適に用いることができる。重合性キラル化合物の濃度を高くすると、螺旋の捻じりが強く、螺旋の1ピッチ幅は小さくなり、反射光の中心波長は短波長側へシフトする。また、重合性キラル化合物の濃度が低くすると、螺旋の捻じり力が弱くなるため、螺旋の1ピッチ幅は大きくなり、結果、反射光の中心波長は長波長側へシフトする。
上記重合性キラル化合物の具体的な濃度としては、上記重合性メソゲン化合物と重合性キラル化合物合計100重量部に対して、好ましい下限は0.01重量部、好ましい上限は20重量部である。0.01重量部未満であると、捻じり力が弱くなり過ぎる場合があり、20重量部を超えると、充分に赤外線を反射出来ないことがある。重合性キラル化合物の濃度のより好ましい下限は0.05重量部、より好ましい上限は10重量部、更に好ましい上限は5重量部である。
また、上記重合性キラル化合物の立体配置により、上記コレステリック液晶ポリマーの螺旋軸が決定され、反射する光の偏光成分を決定することができる。すなわち、重合性キラル化合物がR体の場合、コレステリック液晶ポリマーは右螺旋軸となり、右円偏光成分を反射することができる。重合性キラル化合物がS体の場合、コレステリック液晶ポリマーは左螺旋軸となり、左円偏光成分を反射することができる。
本発明の絶縁接着シートにおいて、赤外線反射層としてコレステリック液晶ポリマー層を製造する方法としては特に限定はされないが、コレステリック液晶ポリマーからなる膜を形成し、本発明の絶縁接着層に積層、一体化する方法が好適である。
上記コレステリック液晶ポリマーからなる膜を形成する方法としては特に限定はされず、上記重合性メソゲン化合物及び重合性キラル化合物を重合せしめてコレステリック液晶ポリマーを作製した後に製膜してもよいし、重合性メソゲン化合物及び重合性キラル化合物を含有する液晶混合物を作製し、基材シート等に塗布した後に重合させて製膜してもよい。
上記液晶混合物は、必要に応じて従来公知の重合開始剤を含有してもよい。
上記重合開始剤の配合量としては特に限定はされないが、上述の重合性メソゲン化合物及び重合性キラル化合物の合計100重量部に対して好ましい下限は0.01重量部、好ましい上限は10重量部である。重合開始剤の配合量の更に好ましい下限は0.05重量部、更に好ましい上限は5重量部である。
上記液晶混合物は、必要に応じて適宜溶剤を含有してもよい。
上記溶剤としては特に限定はされないが、トルエン等の芳香族系溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系、塩化メチレンやトリクロロエチレン等の塩素系及びテトラヒドロフラン等が好適に挙げられる。
上記コレステリック液晶ポリマー層は、必要に応じて、カップリング剤、各種安定剤、レベリング剤、可塑剤、界面活性剤等を含有してもよい。
上記コレステリック液晶ポリマー層は、異なる偏光成分を反射する2以上の層を積層してなることが好ましく、例えば、左円偏光成分を反射する層と右円偏光成分を反射する層との積層体であることが好ましい。すなわち、赤外線反射層が、第一のコレステリック液晶ポリマー層と、第一のコレステリック液晶ポリマー層と異なる偏光成分の光を反射する第二のコレステリック液晶ポリマー層との積層体であることが好ましい。
左円偏光成分を反射する層または右円偏光成分を反射する層のいずれか一方を使用する場合であっても、λ/2板を介在させ、同一成分の層を積層させて使用してもよい。
上記コレステリック液晶ポリマー層の厚みとしては特に限定はされないが、単一の偏光成分を反射する層ただ一つからなる場合、好ましい下限は1μm、好ましい上限は30μmである。
上記コレステリック液晶ポリマー層の厚みが1μm未満であると、層中に螺旋のピッチを充分な数だけ存在せしめることができず、従って充分な赤外線反射能を得ることができなくなる場合がある。30μmを超えると、膜全体の反射効率が低下することがある。
より好ましい下限は2μm、より好ましい上限は10μmである。
より好ましい下限は2μm、より好ましい上限は10μmである。
上記コレステリック液晶ポリマー層が異なる偏光成分を反射する2以上の層の積層体からなる場合、各層の厚みの好ましい下限及び上限は上述した厚みと同様である。
本発明の絶縁接着シートにおける赤外線反射層を無機酸化物により形成する場合、赤外線反射層は、波長800〜1600nmの赤外線に対する吸収率が50%以下である顔料を含有することが好ましい。このような顔料を用いる事で、赤外線を効率よく反射するとともに、遠赤外線を効率よく放射する特性を有する赤外線反射層とすることができる。このような赤外線反射性顔料としては、酸化鉄顔料、酸化チタン顔料、複合酸化物系顔料、酸化チタン被覆雲母顔料、酸化鉄被覆雲母顔料、鱗片状アルミニウム顔料及び酸化亜鉛等からなる群から選択された1種又は2種以上が使用可能である。さらに、有機顔料として、銅フタロシアニン顔料、異種金属(ニッケル、コバルト、鉄など)フタロシアニン顔料、無金属フタロシアニン顔料、塩素化フタロシアニン顔料、塩素/臭素化フタロシアニン顔料、臭素化フタロシアニン顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリレン系顔料、モノアゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、金属錯体系顔料、キノフタロン系顔料、インダンスレンブルー顔料、ジオキサジンバイオレット顔料、アンスラキノン顔料、金属錯体顔料、ベンツイミダゾロン系顔料などが使用可能である。これら以外にも赤外線吸収が少ない顔料が使用可能である。
赤外線反射性能に優れているので、酸化鉄顔料、酸化チタン顔料、複合酸化物系顔料、酸化チタン被覆雲母顔料、酸化鉄被覆雲母顔料、鱗片状アルミニウム顔料、酸化亜鉛、金属フタロシアニン顔料、無金属フタロシアニン顔料、塩素化フタロシアニン顔料、塩素/臭素化フタロシアニン顔料、臭素化フタロシアニン顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリレン系顔料、モノアゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、金属錯体系顔料、キノフタロン系顔料、インダンスレンブルー顔料、ジオキサジンバイオレット顔料、アンスラキノン顔料、金属錯体顔料及びベンツイミダゾロン系顔料からなる群から選択した少なくとも1種を好ましく用いることができる。この中でも特に、酸化チタンが反射性能およびコストの面からより好ましい。赤外線反射性顔料は、大日精化工業株式会社製商品名「A−1130 ブラック」などのアゾメチン有機顔料や、BASF製商品名「ペリレンブラックS−0084」などのペリレン系顔料などを含んでいてもよい。
赤外線反射層中の顔料の含有量は、5〜80重量%であることが好ましい。5重量%未満の場合、充分な赤外線反射効果が得られない場合があり、80重量%を超えると分散性に劣る場合がある。10〜80重量%がより好ましく、40〜80重量%がさらに好ましい。赤外線反射層中の顔料の平均粒径は、0.01〜100μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜25μmである。特に、酸化チタンを用いる場合には、その粒子径は0.05〜1μmの範囲のものが反射性能の面から好ましい。赤外線反射層に、酸化チタンを用いる場合、さらに鱗片状アルミニウム顔料、マイカ顔料などを混合すると、より一層高い反射率が得られる。赤外線反射層は1層に限るものではなく2層以上にすることも可能である。
上記無機酸化物からなる赤外線反射層を形成する方法としては特に限定はされないが、例えば、ポリマーと上記無機酸化物とを含有する樹脂組成物を成膜する方法、硬化性化合物と硬化剤とを含有する硬化性樹脂組成物中に上記無機酸化物を配合し、成膜したのち硬化させる方法、等が挙げられる。上記ポリマー、硬化性化合物、及び硬化剤としては従来公知の化合物を使用することができる。
また、上述の絶縁接着層に用いた硬化性組成物に、上記無機酸化物を配合した組成物を成膜し、赤外線反射層を構成してもよい。
本発明に係る絶縁接着シートは、電子部品の製造に好適に用いることができる。絶縁接着シートは、半導体装置により好ましく用いられ、面配線型の半導体装置にさらに好ましく用いられる。
本発明の絶縁接着シートを用いて面実装型の半導体装置を製造する場合、半導体チップなどの電子部品素子が実装された基板の電子部品素子の周囲の少なくとも一部、好ましくは全面を上記絶縁接着シートで被覆し、次に硬化させて絶縁層を形成する。絶縁接着層の片面のみに赤外線反射層が形成されている場合、絶縁接着層が基板側になるように、赤外線反射層が外側の面となるように基板等の被着体を被覆することが好ましい。上記被覆は、例えば真空ラミネーター等を用いて行うことができる。
被覆後の絶縁接着シートの硬化は、加熱あるいは光の照射による硬化などの適宜の硬化方法を用いて行うことができる。
次に、必要に応じて、絶縁接着シートに高密度エネルギー線を照射することにより配線用の孔を形成する。そして、この孔に配線材料として金属材料を充填する。しかる後、絶縁接着シートからなる絶縁層の表面に、上記配線材料と電気的に接続される配線パターンを形成する。この配線パターンについても、配線材料と同様に、適宜の金属材料を用いることができる。
図1に、本発明に係る絶縁接着シートが用いられた電子部品装置の一例としての面配線型の半導体装置を略図的に部分切欠正面断面図で示す。
図1に示す半導体装置1は、基板2を有し、基板2上に半導体チップ3が実装されている。半導体チップ3の少なくとも一部を覆うように、本発明の一実施形態の絶縁接着シートにより構成された絶縁層4が設けられている。半導体装置1では、絶縁接着層5が基板2側となるように、かつ半導体チップ3を覆うように、他方、赤外線反射層6が基板2とは反対側の半導体装置1の上表面側となるように、絶縁層4が形成されている。そして絶縁層4に、上述した方法に従って、孔4a,4bが形成されている。孔4a,4bに配線材料7a,7bが充填され、かつ配線材料7a,7bに電気的に接続されるように、絶縁層4の表面に配線パターン8が形成されている。図1では、1つの半導体チップ3が示されているが、基板2上には複数の半導体チップが実装されている。
なお、半導体チップ3に代えて、他の電子部品素子を用いた場合には、半導体装置以外の電子部品装置を提供することができる。
図1では、絶縁接着層の片面に赤外線反射層が設けられた絶縁接着シートが用いられている。図1では、絶縁接着層が基板側となるように、絶縁接着シートが用いられている。このように絶縁接着シート用いることで、半導体装置1を使用した際に、例えば配線パターン8が熱を帯びて配線パターン8から熱線が放出されても、配線パターン8に接している赤外線反射層6により、熱線の赤外線反射層6の透過が防止されている。よって、絶縁接着層が熱線に晒されて劣化するのを防止することができ、絶縁接着シートからなる絶縁層と配線パターンとの剥離を防止することができる。
上記半導体装置1では、絶縁層4が、本発明の一実施形態の絶縁接着シートを用いて形成されているので、前述した通り、耐高温放置性及び耐冷熱サイクル性に優れており、従って、半導体装置1の耐熱性を効果的に高めることが可能となる。
一方、絶縁接着層の片面に赤外線反射層が設けられた絶縁接着シートを用いる際に、赤外線反射層が基板側となるように、絶縁接着シートを用いることもできる。すなわち、赤外線反射層が基板側となるように、かつ半導体チップを覆うように、他方、絶縁接着層が基板とは反対側の半導体装置の上表面側となるように、絶縁層を形成することもできる。この場合、赤外線反射層は接着性を有することが好ましい。このように絶縁接着シート用いることで、半導体装置を使用した際に、例えば半導体チップが熱を帯びて半導体チップから熱線が放出されても、半導体チップを被覆している赤外線反射層により、熱線の赤外線反射層の透過が防止されている。よって、絶縁接着層が熱線に晒されて劣化するのを防止することができ、絶縁接着シートからなる絶縁層と半導体チップとの剥離を防止することができる。
すなわち、従来のように、半導体チップや配線パターンを赤外線反射層と接着させずに、半導体チップや配線パターンを絶縁接着層と接着させた場合には、半導体チップや配線パターンから放出される例えば150℃程度の熱線により絶縁接着層が劣化し、半導体チップや配線パターンと絶縁接着層との接着界面において剥離したり、クラックが発生し易かった。本発明の絶縁接着シートを用いることにより、このような剥離やクラックの発生を防止することができる。
本発明の絶縁接着シートは赤外線反射層と絶縁接着層とが一体化した構造であるため、優れた耐熱性と密着性を兼ね備えるものとなり、耐熱性配線やチップからの熱にも耐えうるものとなる。
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例において、以下の化合物を用いた。
以下の実施例及び比較例において、以下の化合物を用いた。
〔樹脂成分〕
(1)ナフタレン型液状エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、商品名:HP−4032D)
(2)エポキシ基含有アクリル樹脂(日本油脂社製、商品名:マープルーフG−0250S)
(3)CTBN変性液状エポキシ樹脂(ADEKA社製、商品名:EPR4023)
(1)ナフタレン型液状エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、商品名:HP−4032D)
(2)エポキシ基含有アクリル樹脂(日本油脂社製、商品名:マープルーフG−0250S)
(3)CTBN変性液状エポキシ樹脂(ADEKA社製、商品名:EPR4023)
〔エポキシ化合物の硬化剤〕
(1)酸無水物硬化剤(新日本理化社製、商品名:MH−700)
(2)イミダゾール系硬化促進剤(四国化成社製、商品名:2MZA−PW)
(1)酸無水物硬化剤(新日本理化社製、商品名:MH−700)
(2)イミダゾール系硬化促進剤(四国化成社製、商品名:2MZA−PW)
〔無機フィラー〕
(1)表面疎水化ヒュームドシリカ(トクヤマ社製、商品名:MT−10、平均粒径15nm)
(2)球状シリカ(トクヤマ社製、商品名:SE−5、平均粒径5μm)
(1)表面疎水化ヒュームドシリカ(トクヤマ社製、商品名:MT−10、平均粒径15nm)
(2)球状シリカ(トクヤマ社製、商品名:SE−5、平均粒径5μm)
〔添加剤〕
(1)エポキシシランカップリング剤(信越化学社製、商品名:KBM303)
(1)エポキシシランカップリング剤(信越化学社製、商品名:KBM303)
〔重合性メソゲン基含有化合物〕
BASF社LC242
BASF社LC242
〔重合性キラル化合物〕
BASF社LC756
BASF社LC756
〔無機酸化物〕
酸化チタン(「FR41」古河鉱業社製、平均粒子径:0.2μm、純度:94%)
酸化チタン(「FR41」古河鉱業社製、平均粒子径:0.2μm、純度:94%)
(実施例)
(1)硬化性組成物Aの溶液調製
ホモディスパー型攪拌機を用い、下記の表1に示すように、ナフタレン型液状エポキシ樹脂45重量部と、エポキシ基含有アクリル樹脂45重量部と、CTBN変性液状エポキシ樹脂10重量部と、エポキシ化合物の硬化剤として酸無水物硬化剤35重量部及びイミダゾール系硬化促進剤5重量部と、無機フィラーとして表面疎水化ヒュームドシリカ4重量部と球状シリカ400重量部と、エポキシシランカップリング剤2重量部とを配合し、溶剤としてのメチルエチルケトン130重量部と共に均一に混練し、硬化性組成物Aを調製した。
(1)硬化性組成物Aの溶液調製
ホモディスパー型攪拌機を用い、下記の表1に示すように、ナフタレン型液状エポキシ樹脂45重量部と、エポキシ基含有アクリル樹脂45重量部と、CTBN変性液状エポキシ樹脂10重量部と、エポキシ化合物の硬化剤として酸無水物硬化剤35重量部及びイミダゾール系硬化促進剤5重量部と、無機フィラーとして表面疎水化ヒュームドシリカ4重量部と球状シリカ400重量部と、エポキシシランカップリング剤2重量部とを配合し、溶剤としてのメチルエチルケトン130重量部と共に均一に混練し、硬化性組成物Aを調製した。
(2)硬化性組成物Bの溶液調製
上記(1)硬化性組成物Aの調製において、球状シリカを酸化チタンに代えたこと以外は同様にして、硬化性組成物Bを調製した。
上記(1)硬化性組成物Aの調製において、球状シリカを酸化チタンに代えたこと以外は同様にして、硬化性組成物Bを調製した。
(3)絶縁接着層の形成
上記硬化性組成物Aを50μm厚の離型PETシート2枚に80μm厚にそれぞれ塗工し、70℃オーブンにて1時間乾燥した。しかる後、硬化性組成物の塗布面側同士を対向させつつ、離型PETシート2枚を40℃熱ラミネーターで貼り合せ、160μm厚のシート状の絶縁接着層を作製した。
上記硬化性組成物Aを50μm厚の離型PETシート2枚に80μm厚にそれぞれ塗工し、70℃オーブンにて1時間乾燥した。しかる後、硬化性組成物の塗布面側同士を対向させつつ、離型PETシート2枚を40℃熱ラミネーターで貼り合せ、160μm厚のシート状の絶縁接着層を作製した。
(4)赤外線反射層の形成
〔コレステリック液晶ポリマー層の構成〕
光重合性メソゲン化合物(BASF社製LC726)94.9重量部及び重合性キラル化合物(BASF社製LC756)5.1重量部を溶媒(シクロペンタノン)に溶解させた溶液を調製した。重合性メソゲン化合物及び重合性キラル化合物の合計100重量部に対し、光重合開始剤(チバスペシャルティケミカルズ社製、イルガキュア907)を0.5重量部の割合で含むように、上記光重合開始剤を上記溶液に添加した塗工液(固形分含有量30重量%)を調製した。当該塗工液を、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(配向基材)上にワイヤーバーを用いて乾燥後の厚みで10μmとなるように塗設した後、溶媒を100℃で2分間乾燥し、配向基材上に膜を形成した。
〔コレステリック液晶ポリマー層の構成〕
光重合性メソゲン化合物(BASF社製LC726)94.9重量部及び重合性キラル化合物(BASF社製LC756)5.1重量部を溶媒(シクロペンタノン)に溶解させた溶液を調製した。重合性メソゲン化合物及び重合性キラル化合物の合計100重量部に対し、光重合開始剤(チバスペシャルティケミカルズ社製、イルガキュア907)を0.5重量部の割合で含むように、上記光重合開始剤を上記溶液に添加した塗工液(固形分含有量30重量%)を調製した。当該塗工液を、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(配向基材)上にワイヤーバーを用いて乾燥後の厚みで10μmとなるように塗設した後、溶媒を100℃で2分間乾燥し、配向基材上に膜を形成した。
得られた膜に、配向基材側から85℃の空気雰囲気下で紫外線照射を50mW/cm2で、30秒間行った。次いで、窒素雰囲気下で配向基材側から紫外線照射を80mW/cm2で、30秒間行うことで重合を完結させ、コレステリック液晶フィルムとした。
次いで、ポリカーボネートフィルムを一軸延伸して得られたλ/2板(正面位相差270nm)の両側に透光性粘着材(日東電工製NO.7,25μm厚)を用いて、上記で得られたコレステリック液晶フィルムの液晶面を貼り合わせて、コレステリック液晶ポリマー層からなる赤外線反射層を得た。
〔無機酸化物層の構成〕
上記硬化性組成物Bを50μm厚の離型PETシートに45μm厚に塗工し、70℃オーブンにて1時間乾燥し、離型PETシート上に無機酸化物層を形成した。
上記硬化性組成物Bを50μm厚の離型PETシートに45μm厚に塗工し、70℃オーブンにて1時間乾燥し、離型PETシート上に無機酸化物層を形成した。
(実施例1)
絶縁接着層(160μm厚)の片面に、コレステリック液晶ポリマー層からなる赤外線遮蔽層を接着し、絶縁接着シートを得た。
絶縁接着層(160μm厚)の片面に、コレステリック液晶ポリマー層からなる赤外線遮蔽層を接着し、絶縁接着シートを得た。
(実施例2)
絶縁接着層(160μm厚)の片面に、離型PETシート上の無機酸化物層(45μm厚)を40℃熱ラミネーターで貼り合わせ、シート状の絶縁接着シート(205μm厚)を得た。
絶縁接着層(160μm厚)の片面に、離型PETシート上の無機酸化物層(45μm厚)を40℃熱ラミネーターで貼り合わせ、シート状の絶縁接着シート(205μm厚)を得た。
(比較例1)
赤外線遮蔽層を構成せずに、得られた絶縁接着層(160μm厚)のみを絶縁接着シートとして用いた。
赤外線遮蔽層を構成せずに、得られた絶縁接着層(160μm厚)のみを絶縁接着シートとして用いた。
(実施例及び比較例の評価)
上記のようにして得られた各絶縁接着シートを以下の要領で硬化し、冷熱サイクル試験後のクラックの発生状況について評価した。
上記のようにして得られた各絶縁接着シートを以下の要領で硬化し、冷熱サイクル試験後のクラックの発生状況について評価した。
銅基板の上にシリコンチップを半田付けした上から、基板全体を被覆するように絶縁接着シートを真空ラミネーター(MVLP−500、メイキ製作所製)にて40℃の条件下でラミネートし、200℃オーブンで1時間加熱硬化させた。
次に、1チャンバー式冷熱サイクル試験機(WINTECH NT510、ETACH社製)を用いて、−40℃、20分及び125℃20分を1サイクルとし、得られた硬化物テストサンプルについて500サイクルの冷熱サイクル試験を行った。
サイクル試験後の硬化物表面のクラック有無を光学顕微鏡(TRANSFORMER−XN、Nikon社製)にて観察し、同サンプル10検体中のクラック発生したテストサンプルの数を数え、下記の基準により評価をおこなった。なお、本発明における絶縁接着シートのクラック発生検数としては、10検体中、2検体以下が好ましい。
〔クラック発生の評価基準〕
○:10検体中、クラックの発生したテストサンプルは2以下である。
△:10検体中、2より多い数のテストサンプルについてクラックが発生している。
×:10検体中、ほとんどのテストサンプルについてクラックが発生。
結果を下記表1に示す。
○:10検体中、クラックの発生したテストサンプルは2以下である。
△:10検体中、2より多い数のテストサンプルについてクラックが発生している。
×:10検体中、ほとんどのテストサンプルについてクラックが発生。
結果を下記表1に示す。
1…半導体装置
2…基板
3…半導体チップ
4…絶縁層
4a,4b…孔
5…絶縁接着層
6…赤外線反射層
7a,7b…配線材料
8…配線パターン
2…基板
3…半導体チップ
4…絶縁層
4a,4b…孔
5…絶縁接着層
6…赤外線反射層
7a,7b…配線材料
8…配線パターン
Claims (6)
- 絶縁接着層及び赤外線反射層を有することを特徴とする、絶縁接着シート。
- 前記赤外線反射層が、コレステリック液晶ポリマー層からなることを特徴とする、請求項1に記載の絶縁接着シート。
- 前記赤外線反射層が、第一のコレステリック液晶ポリマー層と、前記第一のコレステリック液晶ポリマー層と異なる偏光成分の光を反射する第二のコレステリック液晶ポリマー層との積層体であることを特徴とする、請求項1または2に記載の絶縁接着シート。
- 前記赤外線反射層が、波長800〜1600nmの赤外線に対する吸収率が50%以下である顔料を含有することを特徴とする、請求項1に記載の絶縁接着シート。
- 前記顔料が、酸化鉄顔料、酸化チタン顔料、複合酸化物系顔料、酸化チタン被覆雲母顔料、酸化鉄被覆雲母顔料、鱗片状アルミニウム顔料、酸化亜鉛、金属フタロシアニン顔料、無金属フタロシアニン顔料、塩素化フタロシアニン顔料、塩素/臭素化フタロシアニン顔料、臭素化フタロシアニン顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリレン系顔料、モノアゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、金属錯体系顔料、キノフタロン系顔料、インダンスレンブルー顔料、ジオキサジンバイオレット顔料、アンスラキノン顔料、金属錯体顔料及びベンツイミダゾロン系顔料からなる群から選択した少なくとも1種であることを特徴とする、請求項4に記載の絶縁接着シート。
- 前記絶縁接着層が、エポキシ化合物、前記エポキシ化合物の硬化剤、フィラー、及びカップリング剤を含有する硬化性組成物を用いて構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の絶縁接着シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006159906A JP2007326973A (ja) | 2006-06-08 | 2006-06-08 | 絶縁接着シート |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015114503A (ja) * | 2013-12-12 | 2015-06-22 | 国立大学法人東京工業大学 | 二帯域コレステリック液晶フィルム及びその製造方法 |
JPWO2018131488A1 (ja) * | 2017-01-13 | 2019-11-07 | 大日精化工業株式会社 | 黒色イソインドリノン顔料及び着色剤 |
-
2006
- 2006-06-08 JP JP2006159906A patent/JP2007326973A/ja active Pending
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