JP2007326241A - 成形金型 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】成形金型には、容器のプリフォームのブロー部を形成する下部金型とプリフォームの口頸部を形成する上部金型とを備えている。上部金型が一対の半円形状のネックハーフによって形成されている。ネックハーフ16が内層ブロック27と内層ブロック27の外周部に嵌合する外層ブロック26とから構成され、これらの内層ブロック27と外層ブロック26とを異種材料で形成している。そして、内層ブロック27と外層ブロック26との接合面の少なくとも一方に溝を形成し、該溝をプリフォームの口頸部を冷却する冷却水の流通路36とした。
【選択図】図1
Description
ネックハーフ51は、ステンレス(SUS)鋼によって形成され、一対のネックハーフ51が環状に一体に組合わされることによって、上述したプリフォーム5の口頸部5aに対応する部分が形成される。ネックハーフ51の上部には、環状突部52が形成され、環状突部52の半径方向外側には、上方に向かって狭くなるテーパ面52aが形成され、大径部53の外周面下部には下方に向かって狭くなるテーパ面53aが形成されている。
ノズル姿部分の温度が高い理由として、ネックハーフの圧縮成形機の本体側の嵌合部であるテーパ面52a,53aとの摩擦を考慮し、ネックハーフ51の材料を耐摩耗性のあるSUS系の高硬度の材料を使用せざるを得なかった。しかし、SUS系の材料では、熱伝導率が低く、ノズル姿部が冷えにくいという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって圧縮成形機の本体側の嵌合部に対して耐摩耗性を有し、金型の内部に冷却効率のよい流路を切削加工などにより容易に形成する成形金型を提供することにある。
また、本発明の成形金型は、容器のプリフォーム口頸部を形成する上部金型を備え、上記上部金型が一対の左右の分割金型によって形成されている成形金型において、前記分割金型が内層ブロックと該内層ブロックの外周部に嵌合する外層ブロックとから構成され、内層ブロックを外層ブロックよりも熱伝導率の大きな異種材料によって形成するとともに内層ブロックと外層ブロックとの接合面の少なくとも一方に溝を形成し、該溝を前記プリフォームの口頸部を冷却する冷却水の流通路とした。
上記各成形金型は、前記外層ブロックの材質を焼き入れが可能である材質とすることができる。
さらに、上記各成形金型は、前記内層ブロックと前記外層ブロックとの接合面を溶接で接合することが好ましい。
また、本発明の成形金型は、容器のプリフォーム口頸部を形成する上部金型を備え、上記上部金型が一対の左右の分割金型によって形成されている成形金型において、前記分割金型が内層ブロックと該内層ブロックの外周部に嵌合する外層ブロックとから構成され、内層ブロックを外層ブロックよりも熱伝導率の大きな異種材料によって形成するとともに内層ブロックと外層ブロックとの接合面の少なくとも一方に溝を形成し、該溝を前記プリフォームの口頸部を冷却する冷却水の流通路としたので、熱伝導率の大きい内層ブロックを介して内層ブロックと外層ブロックの間に内層ブロックに近接して形成された流通路を流れる冷却水が効率良くプリフォームの口頸部を冷却することができる。
上記成形金型は、前記外層ブロックの材質を焼き入れが可能である材質としたので、外層ブロックの耐摩耗性を維持することができる。
上記成形金型は、前記内層ブロックと前記外層ブロックとの接合面を溶接で接合したので、異種金属であっても接合面の溶接部に品質のばらつき無しに接合することができる。
図1は、本発明に係わる一対のネックハーフ16,16の平面図、図2はネックハーフの正面図である。なお、ネックハーフ内周面34の正面図を示す際、流通路36の隠れ線(破線)を示すため、プリフォーム製品口頸部の奥行き線を省略することがある。
一対のネックハーフ16,16は各々同じ形状であって、一方のネックハーフ16について説明すると、ネックハーフ16は、半円形状をしており、外側に外層ブロック26、内側に内層ブロック27を有する2層構造である。これらのうち外層ブロック26は、図3のA及びBに示すように、本体部28とこの本体部28から上方に突出し半円弧状の突出部29を設けている。突出部29の外周面には、上方に向かって細くなるテーパ面30を形成している。
外層ブロック26の材料は、基本的に焼き入れのできる金属製材料を使用し、好ましくは、硬さ(HRC:ロックウェルCスケール)が50以上のものを使用し、水に触れても錆びない高強度・高摩耗性・高耐食性のステンレス鋼(例えばプリハードン鋼:HPM38−SUS420J)を使用するとよい。
内層ブロック27の材質は、外層ブロック26よりも熱伝導率の大きい材料を使用する。好ましくは、AMPCO090(Ampco Metal社)を使用することが好ましく、この他、Al粉末系を使用することができる。
次いで、外層ブロック26の端面37と内層ブロック27の端面42の取り代を切削して精度出しを行う。そして、外層ブロック26の小径孔41に内層ブロック27の外周面40を合わせて溶接で溶着する。溶接は、電子ビーム溶接や高周波溶接、拡散溶接によって行い、それらの境界面を溶着させる。電子ビーム溶接や高周波溶接、拡散溶接は、外層ブロック26と内層ブロック27が異種材料であっても、接合面の全体を溶接することができる。
ネックハーフ16は、圧縮成形機1に組み付けられた状態では、冷却水の供給路38が図示しない冷却水のポンプなどの供給手段に接続され、排水路39が冷却水の循環若しくは排水手段側に接続される。
図5は、例えばポリエチレンテレフタレート容器のプリフォームを成形するために用いられる圧縮成形機とこの圧縮成形機に溶融した合成樹脂を供給する搬送装置2を示し、図6は、プリフォームの成形工程を示す。
圧縮成形機1は、図5に一部を示すように、例えば、同心円上に並べられた複数のキャビティー型11が設けられている。圧縮成形機1には、これに隣接して溶融樹脂の搬送装置2が配設され、搬送装置2には、溶融樹脂の複数のドロップ供給部材15が回転可能に配設されている。ドロップ供給部材15は溶融樹脂の供給装置から溶融樹脂を、溶融樹脂の吐出口24の下方のポジジョンXで溶融樹脂を切断して受け取り、所定角度回転した後、キャビティー型11に一致するポジションYで溶融樹脂をキャビティー型11の内部に供給するように構成されている。
キャビティー型11の直上には、主として容器の口頸部5aを形成する一対のネックハーフ16が配設されている。
ネックハーフ16,16はキャビティー型11の円軌道上を移動することができる。ネックハーフ16,16は、合体と左右に分割が可能であり、ネックハーフ16,16が合体すると、この内部に上下方向へ延びる貫通孔17が形成される。
ネックハーフ16,16の上部には、キャビティー型11の軌道上を移動できるコア18が配設され、ネックハーフ16,16及びコア18は、キャビティー型11の円軌道上を移動しながら上下動できるように構成されている。
次いで、図6のBに示すように、ネックハーフ16,16が下降してキャビティー型11の上に配設され、その後コア18が下降する。そして、図6のCに示すように、ネックハーフ16,16の貫通孔17と内孔14内に差し込まれて隙間が形成され、ドロップ21がネックハーフ16,16側の隙間を充填する。こうして、ドロップ21がコア18に圧縮されて溶融樹脂からプリフォーム5が形成される。
このように、本実施の形態では、摩耗が激しいネックハーフ16,6の外層ブロック26の材質を硬い材質とし、かつ焼き入れができる材料にすることで外層ブロック26の品質を維持し、内層ブロック27の材質を熱効率の良い材料とすることで、プリフォーム5の口頸部5aの冷却効率の向上を図ることができる。
図7のA及びBに示すネックハーフ16は、内層ブロック27の流水路36の下部にフランジ47を、内層ブロック27の半径方向外側に突出させ、流水路36の下側を内層ブロック27のフランジ47で形成するようにしている。流水路36を形成するために、外層ブロック26を図の下方の側からNCフライスのエンドミル等で削り込めばよいので、容易に冷却効率の良い任意の形状の流通路36を形成できる。このような流水路36は、冷却水をフランジ47に接触させることにより、冷却水と内層ブロック27の接触面積を広くすることによって、冷却水がより内層ブロック27の熱を吸収し、プリフォーム5の口頸部5aを冷却できる副次的効果がある。
さらには、外層ブロック26の内周面に溝を形成して流通路36をネックハーフ16に配設したが、図9A及びBに示すように、内層ブロック27の外周面に溝を形成し、外層ブロック26の内周面で溝を閉塞して流通路を形成してもよい。内層ブロック27に溝を形成した方が、より成形されるプリフォームに近くなり、冷却水の温度を変動させた場合などはより迅速な冷却が可能になる。なお、成形に手間がかかるが、外層ブロック26と内層ブロック27の両者に溝を形成して流通路を設けても良い。
また、外層ブロック26と内層ブロック27との接合は、電子ビーム溶接や高周波溶接によって行ったが、外層ブロック26と内層ブロック27とを溶接以外でボルトによって接続してもよい。その際は、流通路周縁をO−リング50やシール剤等で囲うと好ましい。
金型については、左右分割型であるネックハーフを例にあげたが、左右分割型でなく環状の一体金型を外層ブロックと内層ブロックで形成してもよい。
また、圧縮成形用金型に限らず、射出成形用金型としても用いることができる。
2 搬送装置
5 プリフォーム
5a 口頸部
11 キャビティー型
16 ネックハーフ
26 外層ブロック
27 内層ブロック
30,31 テーパ面
34 内周面
36 流通路
38 供給路
39 排水路
Claims (4)
- 金型が内層ブロックと該内層ブロックの外周部に嵌合する外層ブロックとから構成され、内層ブロックを外層ブロックよりも熱伝導率の大きな異種材料によって形成するとともに内層ブロックと外層ブロックとの接合面の少なくとも一方に溝を形成し、該溝を前記金型で形成される成形体を冷却する冷却水の流通路としたことを特徴とする成形金型。
- 容器のプリフォーム口頸部を形成する上部金型を備え、上記上部金型が一対の左右の分割金型によって形成されている成形金型において、
前記分割金型が内層ブロックと該内層ブロックの外周部に嵌合する外層ブロックとから構成され、内層ブロックを外層ブロックよりも熱伝導率の大きな異種材料によって形成するとともに内層ブロックと外層ブロックとの接合面の少なくとも一方に溝を形成し、該溝を前記プリフォームの口頸部を冷却する冷却水の流通路としたことを特徴とする成形金型。 - 前記外層ブロックの材質を焼き入れが可能である材質としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の成形金型。
- 前記内層ブロックと前記外層ブロックとの接合面を溶接で接合したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形金型。
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