JP3693435B2 - スパイラルダイ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、押出成形法により管状樹脂フィルムや中空パイプ等の管状樹脂を押出成形する場合に用いられるダイに関し、さらに詳しくは、溶融樹脂が通る螺旋状通路を有したスパイラルダイに関する。
【0002】
【従来の技術】
押出成形法により熱可塑性管状樹脂を成形する場合は、溶融させた樹脂を、適当に加熱されたダイの環状通路を通して連続的に押し出すことにより樹脂バブルや環状樹脂を形成し、さらにこのバブル内や環状樹脂内にエアーを吹き込んで適宜膨張させることによって所望の内径を有した環状フィルムや中空パイプ等の押出成形品とする。成形された管状樹脂は、適当な長さに切断され、製品によっては底部が溶着されて、インフレーション成形法によるショッピングバッグ等として用いられたり、中空成形法のボトルやパイプとして用いられる。
【0003】
ここで、上記ダイには、環状樹脂の吐出口となる環状通路の他に、押出機から供給された溶融樹脂を環状通路内の各部に分配する分配路とが形成されるが、この分配路の一部として、押出方向軸回りに螺旋状に形成された螺旋状通路(通常は複数本ある)が設けられる場合がある。このような螺旋状通路を有したスパイラルダイにおいては、溶融樹脂が螺旋状通路から環状通路に入るときに、円周方向の流量分布が均一化され、均質な樹脂バブルや環状樹脂を成形することができる。
【0004】
このように構成されたスパイラルダイとしては、特開平2−225021号公報や特開平7−9536号公報に開示されているものがある。
特開平2−225021号公報に開示されているスパイラルダイは、多層インフレーションフィルムを成形するためのものであり、当該公報における図5に示す円筒状スパイラル型の環状口金(ダイ)における不具合を是正するために、円板状リングの合わせ面の外周部に溶融樹脂流入用の開口部を設け、この開口部から合わせ面の片側平面部にダイリップ(環状通路)に連通した樹脂流路に向かって螺旋状通路を形成している。
【0005】
また、特開平7−9536号公報には、上記のスパイラルダイと同様に各円板状リングの合わせ面の片側平面部に螺旋状通路を形成したダイが開示されている。また、円板状のリングに替えてテーパ突起付きの内側リングとこのテーパ突起を嵌合受容する外側リングを用い、これらのリングの嵌合部(合わせ面)の片側に螺旋状通路を形成したものも開示されている。
【0006】
ところで、合わせ面の片側に螺旋状通路を形成した場合、螺旋状通路の断面形状が半円形となるため溶融樹脂の滞留が生じやすくなる。滞留が生じると、すなわち、螺旋状通路内における溶融樹脂の流動性が十分確保されていないと、溶融樹脂の流れが偏って、吐出された樹脂バブル(フィルム)や環状樹脂(パイプ)にウェルドラインが残ったりフィルムやパイプの肉厚が不均一になったりすることもある。
【0007】
このため、螺旋状通路は上記の各ダイのようにリングの合わせ面の片側にのみ形成するのではなく、特開平7−9536号公報の図3に開示されているスパイラルダイのように、各円板状リングの合わせ面の両側平面部に螺旋状通路を形成し、螺旋状通路の断面形状が略円形となるようにして通路内において溶融樹脂を滞留しにくくし、ダイ内を流れる溶融樹脂の流動抵抗を減らすようにするほうが好ましい。
特に、上記の各ダイは、多層押出成形品を形成するためのものであるため、溶融樹脂の流れを良くすることにより各層の厚みが均一な良質の押出成形品を成形することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、単層押出成形品の成形を行うスパイラルダイにおいても、良質の押出成形品の成形を行うためには、螺旋状通路の断面形状を略円形とすることが好ましい。しかし、特開平7−9536号公報に開示されているように、溶融樹脂の流入孔をダイの外周面に開口させてスパイラルダイを構成すると、単層用のスパイラルダイであっても外径寸法が大きくなるという問題があった。
【0009】
そこで、不必要に外径寸法が大きくなることを防止するため、特開平2−225021号公報における図5に開示されているように、スパイラルダイにおける樹脂バブルの吐出口と反対側の面(スパイラルダイの下面)に溶融樹脂の流入孔を設けたり、スパイラルダイの下面に向けて溶融樹脂の流路を形成し、その流路をダイの側面に形成された流入孔に繋がる流路と接続させ、樹脂の押出方向軸回りに螺旋状通路を形成するとともに、この螺旋状通路を略円形に形成することが考えられる。
【0010】
すなわち、本出願の図11および図12に示すように、ダイ本体1031,1131の本体部1031a,1131aの外周に螺旋溝1031d,1131dを形成するとともに、リング1032,1132の内周にも螺旋溝1032a,1132aを形成したスパイラルダイ103,113が考えられる。これらのスパイラルダイ103等においては、リング1032等の内側に本体部1031a等を挿入することにより断面形状が略円形の螺旋状通路1036等を形成する。
【0011】
ここで、螺旋状通路の内周は、溶融樹脂の流れを良くするために、研磨を行ったり、クロムメッキやニッケルメッキを施したりして滑らかにする必要がある。また、必要に応じてセラミック等をコーティングしたりすることもある。
このような形状とすると、リング1032等の内側への挿入前においては本体部1031a等の外周が露出するため、螺旋溝1031d等への研磨作業等の作業は容易に行うことができる。
【0012】
しかしながら、リング1032等においては、螺旋溝1032a等の切削加工は可能であっても、リング1032等の内側空間に作業用工具類を挿入することが難しく、螺旋溝1032a等の研磨作業等を行うことは困難であった。(このため、特開平2−225021号公報に開示されているダイにおいては分解時に露出する外周面に螺旋状通路が形成されている。)
【0013】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、螺旋状通路における溶融樹脂の流動性を向上させるとともに、外形寸法を小さくすることができるスパイラルダイを提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明では、樹脂押出用のスパイラルダイを、下段部材と、この下段部材の上方に配設された上側部材とから構成している。下段部材は、内側部材と、この内側部材の外側に配設される外側部材とからなり、内側部材は上方に突出したテーパ突起を有し、外側部材にはこのテーパ突起を嵌合受容する受容部が形成されている。上段部材は、下側部材と、この下側部材の上側に配設される上側部材とからなり、下側部材は平坦な上端面を有して形成され、上側部材は下側部材の上端面に密接する下端面を有している。
【0015】
また、下段部材には、内側部材と外側部材との嵌合部において、押出方向軸回りに上方に向かう螺旋状に形成されて内部を溶融樹脂が通る下段側螺旋状通路を有し、上段部材には、下側部材と上側部材との密接部において、押出方向軸回りに径方向内方に向かう螺旋状に形成されて内部を溶融樹脂が通る上段側螺旋状通路を有している。さらには、両螺旋状通路の押出方向先方に繋がって環状樹脂を上方へ吐出させる環状通路を有している。
【0016】
そして、下段側螺旋状通路が、テーパ突起の外周面に形成された内側螺旋溝と受容部の内周面に形成された外側螺旋溝とから略円形の断面形状に形成され、下段側螺旋状通路に溶融樹脂を流入させる流入孔が下方に開口して形成されており、上段側螺旋状通路が、上端面に形成された下側螺旋溝と下端面に形成された上側螺旋溝とから略円形の断面形状に形成され、上段側螺旋状通路に溶融樹脂を流入させる流入孔が、上段部材の外周面に開口して形成されている。
【0017】
このように構成されたスパイラルダイによれば、内側部材と外側部材とを分割させたときには外側部材における内周面に形成された外側螺旋溝が露出し、下側部材と上側部材とを分割させたときには下および上側螺旋溝が露出する。したがって、環状通路だけでなく形状が複雑な螺旋状通路においても、切削加工のみならず螺旋溝の摩擦係数を低減させるための研磨加工やコーティング加工を容易に行うことができる。
【0018】
流入孔から入った溶融樹脂は、螺旋状通路を通ってダイの上方に形成された環状通路から吐出するが、この螺旋状通路は略円形の断面形状に形成されるとともに内周面が円滑に形成されている。このため、内部を通る溶融樹脂の流動性が改善されることにより、環状通路に入るときの円周方向の流動分布が均一化され、単層もしくは多層の樹脂バブルを均質に形成することができる。
【0019】
なお、螺旋状通路に溶融樹脂を流入させるための流入孔は、外側部材の外周面に形成するようにしてもよく、このように形成されたスパイラルダイによっても内部を通る溶融樹脂の流動性が改善されて、環状通路に入るときの円周方向の流動分布が均一化されるため、単層もしくは多層の樹脂バブルを均質に形成することができる。
【0020】
そこで、他の本発明においては、樹脂押出用のスパイラルダイを、下段部材と、この下段部材の上方に配設された上側部材とから構成している。下段部材は、内側部材と、この内側部材の外側に配設される外側部材とからなり、内側部材は上方に突出したテーパ突起を有し、外側部材にはこのテーパ突起を嵌合受容する受容部が形成されている。上段部材は、下側部材と、この下側部材の上側に配設される上側部材とからなり、下側部材は平坦な上端面を有して形成され、上側部材は下側部材の上端面に密接する下端面を有している。
【0021】
また、下段部材には、内側部材と外側部材との嵌合部において、押出方向軸回りに上方に向かう螺旋状に形成されて内部を溶融樹脂が通る下段側螺旋状通路を有し、上段部材には、下側部材と上側部材との密接部において、押出方向軸回りに径方向内方に向かう螺旋状に形成されて内部を溶融樹脂が通る上段側螺旋状通路を有している。さらには、両螺旋状通路の押出方向先方に繋がって環状樹脂を上方へ吐出させる環状通路を有している。
【0022】
そして、下段側螺旋状通路が、テーパ突起の外周面に形成された内側螺旋溝と受容部の内周面に形成された外側螺旋溝とから略円形の断面形状に形成され、下段側螺旋状通路に溶融樹脂を流入させる流入孔が内側螺旋溝よりも下方において内側部材の外周面に開口して形成されており、上段側螺旋状通路が、上端面に形成された下側螺旋溝と下端面に形成された上側螺旋溝とから略円形の断面形状に形成され、上段側螺旋状通路に溶融樹脂を流入させる流入孔が、上段部材の外周面に開口して形成されている。
【0023】
このように形成されたスパイラルダイによれば、前記スパイラルダイと同様に、研磨加工やコーティング加工を容易に行うことができ、均質な多層の環状樹脂を形成することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。まず、本発明に係るスパイラルダイを用いて、押出成形の一例である管状樹脂フィルムのインフレーション成形を行う場合について説明する。図4には、本発明に係るスパイラルダイを用いる管状樹脂フィルムのインフレーション成形装置を示している。この装置は、インフレーション成形されるための樹脂材料(例えば、ポリオレフィン系樹脂)が投入されるホッパ1と、このホッパ1に繋がり樹脂材料を溶融混練して上記スパイラルダイ3に押し出すスクリュー2aを備えた押出機2とを有する。
【0025】
ここで、本発明に係るスパイラルダイの第一の実施の形態である単層インフレーションフィルム成形用のスパイラルダイ3について図1を加えて説明する。このスパイラルダイ3は、スパイラルノズル(内側部材)31と、ダイ本体(外側部材)32と、上部ノズル33と、偏肉調整リング34と、センタノズル35とから構成される。スパイラルノズル31は、テーパに形成された本体部31aと、この本体部31aよりも径方向に張り出したフランジ部31bとから構成される。
【0026】
本体部31aは、上方に行くほど径が小さくなるよう軸方向に対して傾斜するテーパ(山型)に形成されており、この外周面31cには、本体部31aの軸回りに上方に向かって螺旋状に延びる溝(以下、「内側螺旋溝」という)31dが複数本形成されている。これら螺旋溝31dは、本体部31aの下部における周方向複数箇所から始まって本体部31aの上部まで延びている。各螺旋溝31dはU字状の断面形状を有しており、その深さは、本体部31aの上部に行くほど浅くなっている。
【0027】
また、本体部31aの下端には、下向きに開口するノズル収容溝31eが形成されており、本体部31aの下部には、径方向に延びて、ノズル収容溝31eの上部中央に形成された開口と各螺旋溝31dの始点部分とを繋ぐ分配路31fが形成されている。さらに、本体部31aには、上面中央と側面下方とにおいて開口する第1エア通路31gが形成されている。
【0028】
ダイ本体32は、本体部31aと密接する凹部を有した円筒状に形成されており、スパイラルノズル31の本体部31aの外周に取り付けられ(フランジ部31bの上面に載置され)、図示しないボルトによって固定される。
ダイ本体32の内周面32aにおける内側螺旋溝31dと対向する部分には、軸回りに上方に向かって螺旋状に延びる溝(以下、「外側螺旋溝」という)32bが複数本形成されている。これらの螺旋溝32bもU字状の断面形状を有しており、その深さは、ダイ本体32の上部に行くほど浅くなっている。
【0029】
このように構成されたスパイラルノズル31とダイ本体32とを密着係合させた状態においては、ダイ本体32の内周面32aとこれに対向するスパイラルノズル31の外周面31cとの間に断面形状が略円形となった螺旋状通路36が形成される。
【0030】
この螺旋状通路36には、詳細を後述するように溶融樹脂が流れるため、その内周面はできる限り円滑に形成する必要がある。このため、螺旋状通路36の形成に当たっては、内側および外側螺旋溝31d,32bを切削加工によって形成した後、研磨加工を行うこととしている。
【0031】
ここで、内側螺旋溝31dは、本体部31aの外周に露出して形成されるため、容易に研磨作業を行うことができる。また、外側螺旋溝32bにおいては、ダイ本体32の内周面32aに形成されるわけであるが、内周面32aはいわゆる擂り鉢状に形成されているため、作業用工具を斜め下方から内周面に当接接触させることができ、研磨作業を行うことができる。
【0032】
上部ノズル33は、スパイラルノズル31の本体部31aの上端外径に等しい外径を有する円板状の部材であり、本体部31aの上面に載置されるとともに図示しないボルトによって固定される。この上部ノズル33の外周面33aは、上部が下部よりも若干外方に迫り出した形状に形成されている。また、上部ノズル33の径方向中央には、上下面において開口する第2エア通路33bが形成されている。
【0033】
偏肉調整リング34は、ダイ本体32の内径に等しい内径を有したリング状の部材であり、ダイ本体32の上面に載置され、図示しないボルトによって固定される。これにより、偏肉調整リング34の内周面34aとスパイラルノズル31の上面に載置された上部ノズル33の外周面33aとが対向し、これらの間に環状通路37が形成される。なお、前述した上部ノズル33の外周面33aの形状により、環状通路37の上部は下部に対して幅が狭くなる。
【0034】
センタノズル35は、雌ネジが形成された第1内周面35aを有する円筒状の部材であり、スパイラルノズル31のノズル収容溝31e内に収容される。この雌ネジには、図4に示すように、押出機2の出口に取り付けられたダイジョイント2bの上部の雄ネジ部(図示せず)が螺合可能である。また、センタノズル35の上部中央には、第1内周面35aよりも内径が小さな第2内周面35bを有した連通口35cが形成されている。この連通口35cは、スパイラルノズル31の各分配路31fに連通する。
【0035】
このように構成されたスパイラルダイ3を用いて管状フィルムを作るときは、スパイラルダイ3のダイ本体32と偏肉調整リング34に、図示しないヒーターが取り付けられ、所要の温度に加熱される。そして、押出機2のダイジョイント2bからセンタノズル35の内側空間に供給された溶融樹脂は、分配路31fおよび各螺旋状通路36を通って環状通路37に供給される。各螺旋状通路36から環状通路37に入る際に、溶融樹脂の円周方向の流量分布が均一化され、溶融樹脂が均質化される。
【0036】
そして、環状通路37からチューブ状の樹脂バブル50が上方に連続して吐出される。このとき、分配路31f内を流れてきた溶融樹脂は、分配路31fと螺旋状通路36との合流部において、螺旋状通路36の外側の半周を形成する外側螺旋溝32bに当たって螺旋状通路36内に流れる。ここで、外側螺旋溝32bは断面形状が略半円形に形成されているため、溶融樹脂はスムーズに螺旋状通路36に流れ込み、分配路31fから螺旋状通路36に移る部分で溶融樹脂が滞留しにくくなる。
【0037】
さらに、各螺旋状通路36の内面は略円形に形成されるとともに研磨されているため、通路内における溶融樹脂の流動性が良くなり、通路内での樹脂の滞留はほとんど発生しない。したがって、溶融樹脂の流れが偏ったりせず、吐出された樹脂バブル(フィルム)にウエルドラインが形成されたり、樹脂バブルの肉厚が不均一になったりすることがない。
【0038】
吐出された樹脂バブル50内には、スパイラルダイ3に形成された第1および第2エア通路31g,33bを通じてエアが吹き込まれる。これにより、樹脂バブル50は、図4に示すように、径方向に膨張変形し、膨張後のバブル50は上方に進むに従って冷却され、管状フィルム50′となる。
【0039】
管状フィルム50′は、左右に対向するとともに上部ほど間隔が狭まるようハ字状に配設された一対の安定板8,8により挟まれてシート状に畳まれながら、これら安定板8,8の上方に位置する引取用ピンチロール5により上方に引き上げられる。そして、ピンチロール5により引き上げられた管状フィルム(シート)50′は複数のガイドロール6a〜6dによって案内されながら巻取装置7の巻取軸7a上にロール状に巻き取られる。
【0040】
このように構成されたスパイラルダイ3によれば、良質の樹脂バブルを形成するための螺旋状通路36を容易に形成することができるとともに、この樹脂バブルを形成するダイをコンパクトに(特に径方向の寸法を小さく)形成することができる。さらに、分配路31fは、スパイラルノズル31にのみ形成すればよい(他の部材と組合わせた上で加工する必要がない)ため加工も簡単である。
【0041】
なお、上記の実施の形態においては、スパイラルダイ3を単層の樹脂フィルムの成形を行うための単層スパイラルダイとした場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、ダイ本体32の外周をさらにテーパに形成し、その外周にさらにテーパ受容部を有する外側部材を配設することにより、多層樹脂フィルム押出用のスパイラルダイとすることができる。
【0042】
次に、図2を参照しながら本発明に係るスパイラルダイの異なる実施の形態について説明する。
このスパイラルダイ13は、前記のスパイラルダイ3と同様に単層インフレーションフィルム成形用のスパイラルダイであり、下部ノズル131と、上部ダイ本体(上側部材)132と、上部ノズル133と、偏肉調整リング134と、センタノズル135と、下部ダイ本体(下側部材)138とから構成される。
【0043】
下部ノズル131は、ほぼ円柱状に形成された本体部131aと、この本体部131aよりも径方向に張り出したフランジ部131bとから構成される。本体部131aの外周面131cは、上方にいくほど径が小さくなるよう軸方向に対して若干傾斜している。
【0044】
本体部131aの外周(フランジ部131bの上部)には、下部ダイ本体138および上部ダイ本体132が配設される。下部ダイ本体138の上端面および上部ダイ本体132の下端面は平坦(ほぼ水平)に形成され、軸回りに径方向内方に向かって螺旋状に延びる溝(以下、「螺旋溝」という)138bおよび132bが対向する位置に複数本形成されている。両螺旋溝138b,132bは、U字状の断面形状を有しており、ダイ本体132,138の中心部に行くほど浅くなっている。
【0045】
このように構成された上部および下部ダイ本体132,138を図示しないボルトによって密着係合させた状態においては、両ダイ本体132,138のほぼ中間部に断面形状が略円形となった螺旋状通路136が形成される。
【0046】
この螺旋状通路136には、前記と同様に溶融樹脂が流れるため、その内周面はできる限り円滑に形成する必要がある。このため、この螺旋状通路136においても内周面の研磨加工を行う。ここで、両ダイ本体132,138を分割させた状態においては、両螺旋溝132b,138bともに露出するため、作業用工具を内周面に当接接触させることができ、研磨作業を容易に行うことができる。
【0047】
このようにして螺旋状通路136が形成された両ダイ本体132,138は、図示しないボルトによって下部ノズル131に取り付けられる。下部ノズル131および下部ダイ本体138には分配路131fが形成され、この分配路131fの上端部開口は螺旋状通路136に繋がり、下端部開口は連通口135cに繋がっている。
【0048】
なお、このスパイラルダイ13においては、上記以外の構成部分である上部ノズル133、偏肉調整リング134およびセンタノズル135は前記スパイラルダイ3における上部ノズル33、偏肉調整リング34およびセンタノズル35と同一の構成であるため、100を加えた符号を付して詳細な説明は省略する。
【0049】
このように構成されたスパイラルダイ13においても、良質の樹脂バブルを形成するための螺旋状通路136を容易に形成することができる。また、水平面に螺旋状通路136を形成しているため、センタノズル135から溶融樹脂を供給する押出機における樹脂の吐出圧力を低くすることができる。
さらに、螺旋状通路136は、径方向に向かって水平に形成されているため、スパイラルダイ13の上下方向の寸法を小さく(厚さを薄く)することができる。
【0050】
次いで、図3を参照しながら本発明に係る他の実施の形態について説明する。このスパイラルダイ23は、二層インフレーションフィルム成形用のスパイラルダイであり、下段部230と上段部330とから構成されている。
下段部230は、前記スパイラルダイ3におけるスパイラルノズル31、ダイ本体32およびセンタノズル35と同様に形成された、スパイラルノズル231、ダイ本体232およびセンタノズル235とから構成されている。
【0051】
また、上段部330は、前記スパイラルダイ13における上部ダイ本体132、上部ノズル133、偏肉調整リング134、下部ダイ本体138および下部ノズル131における本体部131aとほぼ同様に形成された、上部ダイ本体332、上部ノズル333、偏肉調整リング334、下部ダイ本体338および中間部ノズル331とから構成されている。なお、上段部330においては、溶融樹脂の供給は外周面に開口して形成された連通口335cからなされる。
【0052】
このように構成された下段部230および上段部330は、図示しないボルトによって接合される。そして、両連通口235cおよび335cから供給された溶融樹脂は、各螺旋状通路236,336を流れて環状通路337における合流部337aにおいて合流し、二層の樹脂バブルとなって上方に連続して吐出される。
【0053】
このように構成されたスパイラルダイ23においては、二種類の溶融樹脂はそれぞれ研磨された螺旋状通路236,336を流れるため、良質の樹脂バブルが形成される。また、二層のインフレーションフィルムを成形するためのダイであっても、外形寸法をコンパクトにすることができる。
【0054】
なお、本発明は必ずしも二層インフレーションフィルムを成形するダイに限られるものではない。すなわち、上段部330を複数段積層することにより、簡単に三層以上のインフレーションフィルムを成形するためのダイとすることができる。この場合であっても、段数を増やすダイは厚さの薄い上段部330であるため、スパイラルダイ全体をコンパクトにすることができる。
【0055】
次に、本発明に係るスパイラルダイを用いて中空パイプの成形を行う場合について説明する。中空パイプの成形を行う場合には、溶融樹脂は前記の各スパイラルダイ3,13,23のように、センタノズル35等の内側空間に供給するのではなく、センタノズルの外周面から供給することもある。そこで、以下、溶融樹脂の外周面からの供給を行う、いわゆるサイドフィード型のダイを用いて中空パイプの成形を行う場合について説明する。
【0056】
図10(A)には中空パイプの成形装置の平面図を示し、(B)にはその側面図を示している。この装置は、ホッパ91を有するとともに、スクリュー92aを備えた押出機92を有している。この押出機92の押出方向側方にはダイジョイント92bが形成され、このダイジョイント92bにサイドフィード型のダイ43が接続されている。このダイ43は、環状樹脂の吐出方向が側方(図10においては右方)に向いて配設されている。さらに、ダイ43における環状樹脂の吐出方向前方には冷却装置94が設けられているとともに、この冷却装置94のさらに前方には、形成された中空パイプ150の引き取りを行う引取装置95が設けられている。
【0057】
このように構成された中空パイプ成形装置によれば、押出機92のダイジョイント92bからスパイラルダイ43に溶融樹脂を供給することにより、環状樹脂150を成形することができ、この環状樹脂150を冷却することにより、中空パイプ150′の成形を行うことができる。なお、形成された中空パイプ150′は、引取装置95の引き取り作動によって引き取られ、図示しない切断装置によって所定の長さに切断される。
【0058】
上記のように中空パイプの成形を行うのに適したサイドフィード型のスパイラルダイとしては、図5から図9に示すスパイラルダイ43,53,73,83,153がある。まず、図5を参照して単層の中空パイプ成形用のスパイラルダイ43について説明する。このスパイラルダイ43は、図1に示すスパイラルダイ3と類似の構成であるが、上部ノズル433およびセンタノズル435の構成が、上部ノズル33およびセンタノズル35の構成とは異なっている。
【0059】
センタノズル435は、外径がスパイラルノズル431の外径寸法とほぼ等しく形成され、スパイラルノズル431がその上面に載置されている。センタノズル35における第1内周面35aに相当する開口部435aは、内周に雌ネジが形成されてセンタノズル435の外周面に開口して形成されている。開口部435aからは、左右に広がりながら中心方向に向かってV字状に伸びる2本の連通口435cが形成されている。この連通口435cは、スパイラルノズル431の各分配路431fに連通する。なお、センタノズル435の外径寸法は、必ずしもスパイラルノズル431の外径寸法と等しく形成する必要はない。
【0060】
スパイラルノズル431においては、センタノズル435の形状が異なっていることに伴い、分配路431fの形状、第2エア通路431gの形状およびセンタノズル435の取付部の形状が、スパイラルノズル31と異なる形状に形成されており、上部ノズル433には第2エア通路433bが形成されている。
【0061】
このように形成されたスパイラルダイ43を用いて中空パイプを作るときは、スパイラルダイ3を用いて管状フィルムを作るときと同様に、外周面にダイジョイント2bが繋がれたセンタノズル435を介して、環状通路437に溶融樹脂が供給される。これにより、環状通路437から管状の樹脂150が上方(図10においては右方)に連続して吐出されるが、このときも、溶融樹脂の流れが偏ったりせず、吐出された樹脂成形品にウエルドラインが形成されたり、肉厚が不均一になったりすることがない。
【0062】
吐出された環状の樹脂150内には、スパイラルダイ43に形成された第1および第2エア通路431g,433bを通じてエアが吹き込まれる。これにより、図10に示すように右方に進むに従って環状樹脂150を冷却させ、中空パイプ150′を形成する。
【0063】
このように形成されたスパイラルダイ43においても、良質の環状樹脂を形成するための螺旋状通路436を容易に形成することができるとともに、押出機2との接続部はスパイラルノズル431の下方に位置するセンタノズル435の側面であるため、特に環状樹脂を形成する部分をコンパクトに形成することができる。
【0064】
なお、上記のスパイラルダイ43においても、ダイ本体32の外周をさらにテーパに形成し、その外周にさらにテーパ受容部を有する外側部材を配設することにより、多層樹脂押出用のスパイラルダイとしてもよい。このような多層樹脂押出用のスパイラルダイの一例を図6に示す。このスパイラルダイ53は、下段部530と、上段部630とから構成され、下段部530には下段側螺旋状通路536が形成されているとともに、下段部530と上段部630との接合部には上段側螺旋状通路636が形成されている。
【0065】
下段部530におけるセンタノズル535には外周面に開口して開口部535aが形成され、上段部630の外周面にも開口部635aが形成されている。そして、両連通口535aおよび635aから供給された溶融樹脂は、各螺旋状通路536,636を流れて環状通路637において合流し、二層の管状樹脂となって上方に連続して吐出される。
【0066】
なお、上記のスパイラルダイ53においては、開口部535aを下段側螺旋状通路536よりも下方における外周面であるところの、センタノズル535の外周面に形成することとしたが、図7に示すスパイラルダイ153のように、下段側螺旋状通路1536の下方ではなく側方(上方でもよい)に開口部1535aを形成するようにしてもよい。
【0067】
このスパイラルダイ153は、スパイラルダイ53と同様に、下段部1530と、上段部630とから構成され、下段部1530と上段部630との接合部には上段側螺旋状通路636が形成されている。下段部1530は、スパイラルノズル(内側部材)1531と、ダイ本体(外側部材)1532とからなり、その接合部には下段側螺旋状通路1536が形成されている。そして、上段部630の外周面には上段側螺旋状通路636に繋がる開口部635aが形成され、ダイ本体1532の外周には下段側螺旋状通路1536に繋がる開口部1535aが形成されている。
【0068】
このように形成されたスパイラルダイ153においても、両開口部1535aおよび635aから供給された溶融樹脂は、各螺旋状通路1536,636を流れて環状通路637において合流し、二層の管状樹脂となって上方に連続して吐出される。なお、スパイラルダイ153は、前記のように二層の環状樹脂を成形するためのものであるが、単層の環状樹脂を成形するスパイラルダイにおいて、開口部をダイ本体の外周に形成するようにしてもよい。すなわち、スパイラルダイ43と同様に形成されたスパイラルダイにおいて、螺旋状通路436に繋がる開口部をダイ本体32に形成するようにしてもよい。
【0069】
次に、図8を参照しながら本発明に係る他のスパイラルダイ73について説明する。このスパイラルダイ73は、スパイラルダイ13と類似の構成であり、前記のスパイラルダイ43とスパイラルダイ3との相違点と同様の相違点を有して構成されている。すなわち、下部ノズル731、上部ノズル733、センタノズル735および下部ダイ本体738の形状およびこれらの部材に形成された、開口部735aの形成位置、連通口735c、分配路731f、第1および第2エア通路731g,733bの形状等がスパイラルダイ13とは異なって形成されている。なお、その他の部分の構成は、スパイラルダイ13と同一であるため、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0070】
このように構成されたスパイラルダイ73においても、良質の環状樹脂を形成するための螺旋状通路136を容易に形成することができる。また、水平面に螺旋状通路136を形成しているため、センタノズル735から溶融樹脂を供給する押出機における樹脂の吐出圧力を低くすることができる。
さらに、螺旋状通路136は、径方向に向かって水平に形成されているとともに、開口部735aもセンタノズル735の外周面に形成されているため、スパイラルダイ73の上下方向の取付寸法をより小さくすることができる。
【0071】
次いで、図9を参照しながら本発明に係る他のスパイラルダイ83について説明する。このスパイラルダイ83は、二層押出成形用のスパイラルダイであり、前記のスパイラルダイ23と類似の構成である。すなわち、このスパイラルダイ83においても、前記のスパイラルダイ43とスパイラルダイ3との相違点およびスパイラルダイ73とスパイラルダイ13との相違点と同様の相違点を有して下段部830および上段部930とから構成されている。
【0072】
従って、中間部ノズル931、上部ノズル933、センタノズル835およびスパイラルノズル831の形状およびこれらの部材に形成された、開口部835aの形成位置、連通口835c、分配路831f、第1および第2エア通路831g,933bの形状等がスパイラルダイ23とは異なって形成されている。なお、その他の部分の構成は、スパイラルダイ23と同一であるため、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0073】
このように構成されたスパイラルダイ83においても、二種類の溶融樹脂はそれぞれ研磨された螺旋状通路236,336を流れるため、良質の環状樹脂が形成される。また、二層の中空パイプを成形するためのダイであっても、外形寸法をコンパクトにすることができる。
【0074】
なお、本発明は必ずしも二層中空パイプを成形するダイに限られるものではない。すなわち、上段部930を複数段積層することにより、簡単に三層以上の押出成形品を成形するためのダイとすることができる。この場合であっても、段数を増やすダイは厚さの薄い上段部930であるため、スパイラルダイ全体をコンパクトにすることができる。
【0075】
また、上記の各実施の形態においては、各螺旋状通路36,136等の内周面を研磨仕上げすることとしているが、内周面にクロムメッキやニッケルメッキを施したり、セラミック材料を始めとする摩擦係数の低い材料をコーティングしたりして溶融樹脂の流れをスムーズにさせるようにしてもよい。
【0076】
なお、上記の実施の形態においては、ダイ(環状通路)を上方に向けて配設し、樹脂バブルを上方に吐出させてインフレーションフィルムを形成する場合や、ダイを横向きに配設して中空パイプやチューブを形成する場合について説明したが、ダイの配設方向は必ずしもこれらの向きに限られるものではなく、成形方法や材質によって適宜変更されるものである。例えば、ブロー成形を行う場合やインフレーションフィルムフィルムを成形する場合にはダイは下向きであってもよい。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のスパイラルダイによれば、円周方向の流量分布を均一化させるために形成する螺旋状通路の内周面の全周を容易に円滑な面に仕上げることができる。すなわち、ダイを分解した状態にあっては、螺旋状溝が形成された各面は外方に面しているため、研磨仕上用の作業装置や、コーティング用の作業装置を容易に螺旋状溝に接近させることができる。これにより、螺旋状通路内を流れる溶融樹脂の流動性を良くすることができ、均質な樹脂バブルを成形することができる。また、溶融樹脂の供給を行う開口部は、ダイの下面もしくはダイの下部における外周面に形成されているため、ダイの外形寸法(特に螺旋状通路が形成される部分の寸法)を小さくすることができる。また、溶融樹脂の供給を行う開口部をダイの外周面に形成することにより、ダイの上下方向の寸法を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスパイラルダイの側面断面図である。
【図2】本発明に係る他のスパイラルダイの側面断面図である。
【図3】本発明に係る他のスパイラルダイの側面断面図である。
【図4】上記スパイラルダイを用いたインフレーション成形装置の全体図である。
【図5】本発明に係る他のスパイラルダイの側面断面図である。
【図6】本発明に係る他のスパイラルダイの側面断面図である。
【図7】本発明に係る他のスパイラルダイの側面断面図である。
【図8】本発明に係る他のスパイラルダイの側面断面図である。
【図9】本発明に係る他のスパイラルダイの側面断面図である。
【図10】上記スパイラルダイを用いた押出成形装置の平面図を(A)に示し、側面図を(B)に示す。
【図11】従来のスパイラルダイの不具合を是正するために考えられたスパイラルダイの側面断面図である。
【図12】従来のスパイラルダイの不具合を是正するために考えられたスパイラルダイの側面断面図である。
【符号の説明】
3,13,23,43,53,73,83,153 スパイラルダイ
36,136,236,336,436,536,636,736,836,936,1536 螺旋状通路
37,137,337,437,537,737,837 環状通路

Claims (2)

  1. 上方に突出したテーパ突起を有する内側部材および前記テーパ突起を嵌合受容する受容部を有して前記内側部材の外側に配設される外側部材からなる下段部材と、
    この下段部材の上方に配設され、平坦な上端面を有して形成された下側部材および前記上端面に密接する下端面を有して下側部材の上側に配設される上側部材からなる上段部材とからなり、押出成形に用いられる樹脂押出用ダイであって、
    前記下段部材には、前記内側部材と前記外側部材との嵌合部において、押出方向軸回りに上方に向かう螺旋状に形成されて内部を溶融樹脂が通る下段側螺旋状通路を有し、
    前記上段部材には、前記下側部材と前記上側部材との密接部において、押出方向軸回りに径方向内方に向かう螺旋状に形成されて内部を溶融樹脂が通る上段側螺旋状通路を有し、
    前記両螺旋状通路の押出方向先方に繋がって環状樹脂を上方へ吐出させる環状通路を有し、
    前記下段側螺旋状通路が、前記テーパ突起の外周面に形成された内側螺旋溝と前記受容部の内周面に形成された外側螺旋溝とから略円形の断面形状に形成され、
    前記下段側螺旋状通路に溶融樹脂を流入させる流入孔が下方に開口して形成され、
    前記上段側螺旋状通路が、前記上端面に形成された下側螺旋溝と前記下端面に形成された上側螺旋溝とから略円形の断面形状に形成され、
    前記上段側螺旋状通路に溶融樹脂を流入させる流入孔が、前記上段部材の外周面に開口して形成されていることを特徴とするスパイラルダイ。
  2. 上方に突出したテーパ突起を有する内側部材および前記テーパ突起を嵌合受容する受容部を有して前記内側部材の外側に配設される外側部材からなる下段部材と、
    この下段部材の上方に配設され、平坦な上端面を有して形成された下側部材および前記上端面に密接する下端面を有して下側部材の上側に配設される上側部材からなる上段部材とからなり、押出成形に用いられる樹脂押出用ダイであって、
    前記下段部材には、前記内側部材と前記外側部材との嵌合部において、押出方向軸回りに上方に向かう螺旋状に形成されて内部を溶融樹脂が通る下段側螺旋状通路を有し、
    前記上段部材には、前記下側部材と前記上側部材との密接部において、押出方向軸回りに径方向内方に向かう螺旋状に形成されて内部を溶融樹脂が通る上段側螺旋状通路を有し、
    前記両螺旋状通路の押出方向先方に繋がって環状樹脂を上方へ吐出させる環状通路を有し、
    前記下段側螺旋状通路が、前記テーパ突起の外周面に形成された内側螺旋溝と前記受容部の内周面に形成された外側螺旋溝とから略円形の断面形状に形成され、
    前記下段側螺旋状通路に溶融樹脂を流入させる流入孔が前記内側螺旋溝よりも下方において前記内側部材の外周面に開口して形成され、
    前記上段側螺旋状通路が、前記上端面に形成された下側螺旋溝と前記下端面に形成された上側螺旋溝とから略円形の断面形状に形成され、
    前記上段側螺旋状通路に溶融樹脂を流入させる流入孔が、前記上段部材の外周面に開口して形成されていることを特徴とするスパイラルダイ。
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