JP2007325337A - 圧電アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【解決手段】水平伸縮素子10は、交流電圧の印加に応じてx方向に伸縮変位を生じる第1変位部13と、第1変位部の伸縮の位相と反転した位相で、x方向に伸縮変位を生じる第2変位部14とを含む。水平伸縮素子10は、x方向に平行な第一対向面を有し、垂直伸縮素子12は、当該垂直伸縮素子の伸縮方向に垂直な第二対向面を有し、水平伸縮素子の第一対向面のx方向の両端が、垂直伸縮素子の第二対向面に対して、それぞれ接合部11によって接合固定されている。第一対向面と、接合部と、第二対向面とで形成される空洞Sが存在する。
【効果】水平伸縮素子10はx方向に沿ったその両端のみで拘束される形となる。空洞Sが存在しているので、水平伸縮素子10は、中央部の拘束がなくなり、大きな水平振動変位を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、X−Yステージ等の位置決め機構、リニアモータ、回転モータ等の送り機構、あるいはパーツフィーダの搬送機構等に用いられる圧電アクチュエータに関し、特に振動体の長辺方向伸び(31モード変位)と厚み方向伸び(33モード変位)とを利用した圧電アクチュエータに関するものである。
圧電素子に交流電圧を印加し、圧電素子と一体形成された振動体に生じる進行性振動波により振動体に圧接された移動体を駆動する圧電アクチュエータ(進行波型超音波モータ)が知られている。
この圧電アクチュエータにおいて、共振子の寸法できまる縦方向の振動と横方向の振動とが縮退して定在波になるように、共振子の加工を行っていた。しかしながら、そのまま小型化を行うと、圧電アクチュエータの機械的寸法の許容範囲が狭くなるという問題があった。
それを解決する手段として、伸縮変位する部位と屈曲変位する部位を連結することで、駆動端に楕円運動を生じさせ、移動体を駆動する圧電アクチュエータが提案されている(図14参照)。
この圧電アクチュエータは、圧電横効果(d31モード)により伸縮変位部と屈曲変位部がそれぞれの電圧で変位するので、伸縮振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数が異なっていても駆動ができるため、共振子の加工精度は高くなくても良いという利点がある。
特開2003−164174号公報 特開2004−98304号公報
しかしながら、矩形状の伸縮変位部と矩形状の屈曲変位部とが素子の長手方向に連結されているため、素子寸法が長手方向に長くなってしまい、小型化という要求に対して不利となっている。
また、図14に示した従来の構造の圧電アクチュエータでは、内部電極が露出する積層圧電体42a,42bの側面41に移動体を接触させる方式であるために、移動体との接触による駆動時にこの積層圧電体42a,42bの側面41に応力がはたらくことから圧電体と内部電極43とが剥離しやすくなり、長期信頼性という点で問題点があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、素子の小型化ができ、駆動時に応力がかかっても壊れにくい圧電アクチュエータを提供することを目的とする。
本発明の圧電アクチュエータは、水平伸縮素子は、交流電圧の印加に応じて一方向に伸縮変位を生じる第1変位部と、前記第1変位部の伸縮の位相と反転した位相で、前記一方向に伸縮変位を生じる第2変位部とを含み、前記水平伸縮素子は、前記一方向に平行な第一対向面を有し、前記垂直伸縮素子は、当該垂直伸縮素子の伸縮方向に垂直な第二対向面を有し、前記水平伸縮素子の前記第一対向面の前記一方向の両端が、前記垂直伸縮素子の前記第二対向面に対して、それぞれ接合部によって接合固定され、前記水平伸縮素子の第一対向面と、前記接合部と、前記垂直伸縮素子の第二対向面とで形成される空洞が存在するものである。
この構成によれば、接合部は、水平伸縮素子の前記一方向の両端に配置されており、かつ垂直伸縮素子の第二対向面に対して接合固定される。
一方、垂直伸縮素子の第二対向面は、当該垂直伸縮素子の伸縮方向に垂直であるので、垂直伸縮素子が振動変位しても前記一方向に変位を生じることはない。
したがって、水平伸縮素子は一方向に沿ったその両端のみで拘束される形となる。前記第1変位部が交流電圧の印加に応じて一方向に伸びれば、前記第2変位部は一方向に縮むので、前記水平伸縮素子に固定された駆動パッドは、一方向に移動する。前記第1変位部が縮めば前記第2変位部は伸びるので、前記駆動パッドはその逆方向に移動する。
そして、前記水平伸縮素子の第一対向面と、前記接合部と、前記垂直伸縮素子の第二対向面とで形成される空洞が存在しているので、水平伸縮素子は、中央部の拘束がなくなり、大きな水平振動変位を得ることができる。このようにして、本発明の圧電アクチュエータは、駆動パッドを効率よく駆動することができる。
また、水平伸縮素子の第一対向面と垂直伸縮素子の第二対向面どうしが対向しているため、各素子の設置面積を小さくすることが出来、小型化の要求を満足できる。
前記接合部の形状は、前記第一対向面上において前記一方向に対して垂直な方向に延びており、かつ互いに平行であることが好ましい。
この構成によれば、接合部と第一対向面との接合面積、接合部と第二対向面との接合面積を大きくとることができ、水平伸縮素子と垂直伸縮素子とを強固に固定することができる。したがって、圧電アクチュエータの性能の安定化、長寿命化を図ることができる。
さらに、前記水平伸縮素子は、圧電体を積層した積層体を含み、前記駆動パッドが前記積層体の、積層方向と垂直な面に固定されている構造であれば、駆動時に積層面を引き剥がす方向の応力が発生しにくくなり、壊れにくいアクチュエータを提供することができる。
さらに、接合部間の空洞の幅を水平伸縮素子又は前記垂直伸縮素子の全幅の50%以上とすることにより、素子の変位をさらに大きなものにできる。
また、前記水平伸縮素子及び前記垂直伸縮素子を、複数枚の圧電体グリーンシートを積層・焼成して一体的に形成する場合は、前記空洞は、前記水平伸縮素子及び前記垂直伸縮素子の境界に存在するグリーンシートに塗布又は印刷された空孔形成ペーストを焼成により消失させて作ることができる。
以下、本発明の圧電アクチュエータの実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は圧電アクチュエータの一実施形態を示す断面図である。図2は圧電アクチュエータの斜視図である。図3は、圧電アクチュエータを、電極を省略して模式化して描いた図である。図1〜図3において、x軸、y軸、z軸の関係を図示している。
圧電アクチュエータを番号1で、圧電アクチュエータ1によって駆動されx方向に移動する直線状の移動体を番号2で表す。
圧電アクチュエータ1は、x方向に伸縮する水平伸縮素子10と、該水平伸縮素子10の下面(−z方向を向いた面をいう。「第一対向面」という)に対向して配置され、z方向に伸縮する垂直伸縮素子12とを有している。
水平伸縮素子10は直方体形状であり、その上面(+z方向を向いた面をいう)の中央部には駆動パッド15が固定されている。この駆動パッド15をxz面内で楕円運動させることにより、駆動パッド15に圧接された移動体2を駆動する。
垂直伸縮素子12も、水平伸縮素子10とほぼ同じ大きさの直方体形状であり、その垂直伸縮素子12の伸縮方向に垂直な上面(+z方向を向いた面。「第二対向面」という)が水平伸縮素子10に対向している。
水平伸縮素子10の第一対向面のx方向の両端は、接合部11によって、垂直伸縮素子12の第二対向面のx方向の両端とそれぞれ接合されている。
接合部11は、2つの保持部材27,28からなる。保持部材27,28は、それぞれ細長い直方体状であり、水平伸縮素子10の伸縮方向であるx方向と垂直伸縮素子12の伸縮方向であるz方向とに対して垂直な方向であるy方向に延びて配置されている。この保持部材27,28によって水平伸縮素子10の第一対向面の両端と、垂直伸縮素子12の両端とが互いに接着・固定される。
そして、水平伸縮素子10の第一対向面の両端を除いた部分(中央部という)は、垂直伸縮素子12の第二対向面と接合されない構成となっている。すなわち、水平伸縮素子10の第一対向面と、2つの保持部材27,28と、垂直伸縮素子12の第二対向面とで空洞Sが形成される。
水平伸縮素子10は、複数の板状の圧電体21と内部電極22(22A,22B)とが交互にz方向に積層された構造を有している。
水平伸縮素子10は、互いに水平に連結された2つの部分からなる。1つは、−x側に位置する第1変位部(A)13であり、他の1つは+x側に位置する第2変位部(B)14である。
圧電体21は、厚み方向(z方向)に分極されており、内部電極22を挟んでその分極の方向が互いに逆向きになっている。この分極の方向を図1においてPで表す。同一の圧電体21に注目すると、分極の方向は、第1変位部(A)13と第2変位部(B)14とで逆向きになっている。
内部電極22は、第1変位部(A)13と、第2変位部(B)14とで分断されており、互いに非接続状態にある。それぞれの内部電極を22A,22Bで表す。
第1変位部(A)13において、内部電極22Aは一層おきに接続されており、これにより一対の駆動電極が形成される。第2変位部(B)14においても、内部電極22Bは一層おきに接続されており、これにより他の一対の駆動電極が形成される。
第1変位部(A)13と第2変位部(B)14とを逆向きに分極するには、所定の温度条件下で、外部電極26を通して、前記「一対の駆動電極」と、前記「他の一対の駆動電極」とにそれぞれ直流電圧を印加する。直流電圧の正負の向きをそれぞれ設定することにより、圧電体21の分極の方向を、第1変位部(A)13と第2変位部(B)14とで逆向きにすることができる。
このような分極条件下で、これらの「一対の駆動電極」と「他の一対の駆動電極」とを並列に接続し、交流電圧を印加すると、圧電体21には圧電定数d31に起因する長辺方向(x方向)の伸び変位が発生し、水平伸縮素子10はx方向に伸縮する。
ここに図4は、水平伸縮素子10の第1変位部(A)13と第2変位部(B)14の変位を示す説明図であり、電極の向きをEで、分極の向きをPでそれぞれ模式的に示している。
この場合、前述したように圧電体21の分極の方向Pは第1変位部(A)13と第2変位部(B)14とで逆向きになっているので、交流電圧の印加に応じて第1変位部(A)13の伸縮変位と、第2変位部(B)14の伸縮変位とは、図4の矢印Mに示すように見かけ上同じ向きとなり、第1変位部(A)13が伸びれば、第2変位部(B)14は縮む。水平伸縮素子10の両端は、保持部材27,28でそれぞれ固定されているので、何にも固定されていない水平伸縮素子10の中央部は、図4のようにx方向に移動する。
また、図4とは逆に第1変位部(A)13が縮めば、第2変位部(B)14は延びる。水平伸縮素子10の両端は保持部材27,28で固定されているので、何にも固定されていない水平伸縮素子10の中央部は−x方向に移動する。
なお、水平伸縮素子10は第1変位部(A)13と第2変位部(B)14とが連結された構造ではあるが、第1変位部(A)13と第2変位部(B)14とは、別々に作製した後で連結するのではない。第1変位部(A)13と第2変位部(B)14とは、同一グリーンシート上に、内部電極22Aと内部電極22Bとを、互いに分離した状態で印刷し、積層し、積層されたグリーンシートを熱プレス等により一体化処理、焼成することによって得られるものである。
このように、第1変位部(A)13と第2変位部(B)14とは位相が反転して伸縮するため、第1変位部(A)13と第2変位部(B)14の変位の有無にかかわらず、第1変位部(A)13と第2変位部(B)14のx方向の長さの合計は一定である。
したがって、水平伸縮素子10の両端を接合部11で固定し、第1変位部(A)13と第2変位部(B)14の境界(水平伸縮素子10の中央部)をx方向に往復運動させることができる。これにより、水平伸縮素子10の中央に固定された駆動パッド15は、x軸方向に往復運動(振動)をする。
一方、垂直伸縮素子12は、板状の圧電体25と内部電極26とが交互にz方向に積層された構造を有している。内部電極26は一層おきに接続されており、こうして一対の駆動電極が形成される。圧電体25は、厚み方向(z方向)に分極されており、内部電極を挟んで分極の方向が逆向きになっている。したがって、外部電極29を通して駆動電極に交流電圧を印加すると、圧電体25には圧電定数d33に起因する厚み方向の伸び変位が発生し、z方向に伸縮する。
この垂直伸縮素子12は、グリーンシートに内部電極22を印刷し、積層し、積層されたグリーンシートの熱プレス等により一体化処理し、焼成処理することによって得られる。
本発明の実施形態の特徴は、水平伸縮素子10が、水平伸縮素子10の伸縮方向(x方向)の両端部で保持部材27,28を介して垂直伸縮素子12に接合されており、水平伸縮素子10の中央部は、垂直伸縮素子12と接合されないで自由に動くことのできる構成となっていることである。つまり、水平伸縮素子10の第一対向面と、保持部材27,28と、垂直伸縮素子12の第二対向面とで形成される空洞Sが存在する。
もし、水平伸縮素子10の第一対向面と垂直伸縮素子12の第二対向面が全面で接合されていた場合は、第1変位部(A)13及び第2変位部(B)14がx軸方向に逆位相で伸縮するのを阻害される。このために、水平伸縮素子10の中央部がx方向に往復運動することが出来ない。つまり、水平伸縮素子10の中央に固定された駆動パッド15のx軸方向の往復運動ができなくなる。このため、移動体2を直線方向に駆動することができず、圧電アクチュエータ1の機能を実行できなくなる。
次に本圧電アクチュエータ1の動作原理を、図5〜図7を用いて詳しく説明する。
図5は、水平伸縮素子10の印加電圧と変位との関係を示す図である。水平伸縮素子10にV1=Asin(ωt)の交流電圧が印加されるものとする。ここでAは電圧の振幅、ωは角周波数、tは時刻を表す。
図5(1)は、t=0の時点を表し、電圧が印加されていないため、第1変位部(A)13、第2変位部(B)14ともに変位せず、駆動パッド15は水平伸縮素子10の中央に位置する。
図5(2)は、(1)から電圧の位相が90°ずれた時点を示す。第1変位部(A)13では、分極方向と逆方向の電圧Aが圧電体21に印加されるため、圧電定数d31により、x方向に伸びるのに対し、第2変位部(B)14には分極方向と同じ方向の電圧が圧電体21に印加されるため、圧電定数d31により、x方向に縮む。そのため、駆動パッド15はx軸の正方向に移動する。
図5(3)では電圧の位相が180°ずれ、電圧が0Vとなるため、第1変位部(A)13、第2変位部(B)14ともに初期状態になり、駆動パッド15は水平伸縮素子10の中央に戻る。
図5(4)では270°の位相となり、第1変位部(A)13に−Aの電圧が印加され、分極方向と同じ方向の電圧が圧電体21に印加されるため、圧電定数d31により、x方向に縮むのに対し、第2変位部(B)14は分極方向と逆方向の電圧が圧電体21に印加されるため、圧電定数d31により、x方向に伸びる。そのため、駆動パッド15はx軸の負方向に移動する。
図5(5)は、一周期後を表し、電圧が印加されないため、第1変位部(A)13、第2変位部(B)14ともに初期状態に戻り、駆動パッド15は水平伸縮素子10の中央に移動する。
以上のように、水平伸縮素子10に正弦波の電圧を印加する事で、駆動パッド15をx軸方向に往復運動させる事が可能となる。
次に、図6は、垂直伸縮素子12の印加電圧と変位の関係を示す。垂直伸縮素子12にV2=Acos(ωt)の交流電圧が印加されるものとする。時刻tはV1と共通とする。
図6(1)では、時刻t=0において垂直伸縮素子12にAの電圧が印加され、分極方向と同じ方向の電圧が圧電体25に印加されるため、圧電定数d33により、垂直伸縮素子12はz方向に伸びる。
図6(2)は、(1)から電圧の位相が90°ずれた時点を示す。電圧が印加されないため、垂直伸縮素子12は初期状態に戻り、変位ゼロとなる。
図6(3)では、180°の位相となり、垂直伸縮素子12にV2=−Aの電圧が印加され、分極方向と逆方向の電圧が圧電体25に印加されるため、圧電定数d33により、垂直伸縮素子12はz方向に縮む。
図6(4)では270°の位相となり、電圧が印加されていないため、垂直伸縮素子12は初期状態に戻り、変位ゼロとなる。
図6(5)は一周期後を表し、垂直伸縮素子12にV2=Aの電圧が印加され、分極方向と同じ方向の電圧が圧電体25に印加されるため、圧電定数d33により、垂直伸縮素子12はz方向に伸びる。
以上のように、垂直伸縮素子12に正弦波の電圧を印加する事で、垂直伸縮素子12に接合された水平伸縮素子10及び水平伸縮素子10に固定された駆動パッド15をz軸方向に往復運動させることが可能となる。
図5、図6に示すように、水平伸縮素子10に印加する電圧V1と垂直伸縮素子12に印加する電圧V2との位相を90°ずらしているので、図7に示すように、駆動パッド15にz−x面内の楕円運動を生じさせることができる。
したがって圧電アクチュエータ1の駆動パッド15を、ガイドレールに噛み合わされてガイドレールの長さ方向、つまりx方向に移動可能な可動体2に、所定の圧力で当接させれば、圧電アクチュエータ1を駆動することによってこの可動体をx方向に移動させることができる。
この場合、駆動パッド15は、積層体の積層方向(z方向)に垂直な面、すなわちこの実施の形態では水平伸縮素子10の上面に固定されているため、内部電極が露出する積層体の側面に移動体を接触させる方式である従来の圧電アクチュエータに比較して積層面を引き剥がす方向の応力発生が低減されることも、本圧電アクチュエータ1の利点の1つとなる。
なお、内部電極が露出する積層体の側面に移動体を接触させる方式である従来の圧電アクチュエータについても、内部電極43が露出する側面に補強部材44を設ける(図15(a))、内部電極43を圧電体42a,42bから露出させないようにする(図15(b)(c))等が提案されるが、内部電極43が露出する側面に補強部材44を設ける方式(図15(a)および圧電体42a,42bを内部電極43の平面方向にさらに延ばす方式(図15(c);番号45で示す)では、圧電アクチュエータの寸法が長くなり小型化に逆行することとなり採用が難しく、一方、内部電極43を圧電体から露出させないようにする方式(図15(b))では、内部電極43の長さが短くなるので圧電活性領域が狭くなり、結果的に圧電変位が小さくなり、小型高変位の圧電アクチュエータとして性能的に劣るものとなる。
次に、本発明の圧電アクチュエータ1の他の構造例について図8を用いて説明する。
図1と異なるポイントは、図8の水平伸縮素子10の内部電極22Aと内部電極22Bがすべて分割電極になるのでなく、図8に示すように、内部電極22Aのグランドに接続される電極と内部電極22Bのグランドに接続される電極とが一体化されていることである。内部電極22から引き出される電極が3つになり、このことにより、外部電極26形成の作業を簡素化することができる。
次に、本発明の圧電アクチュエータ1のさらに他の構造について説明する。
図1の構造では、水平伸縮素子10と垂直伸縮素子12とを個別に積層・焼成する例を示したが、水平伸縮素子10と垂直伸縮素子12を一体で積層・焼成してもよい。
図9に、この水平伸縮素子10と垂直伸縮素子12とが一体に積層された構造を示す。
水平伸縮素子10と垂直伸縮素子12と境界面にある圧電体で満たしたくない部分(空洞Sが形成される部分)に対応するグリーンシート(圧電体23となる部分)に、高温で焼成すれば焼消する樹脂を塗布又は印刷し、当該樹脂の形成されたグリーンシートを含む複数枚のグリーンシートを積層し、積層されたグリーンシートを熱プレス等により一体化処理を行うことで、積層体内の水平伸縮素子10と垂直伸縮素子12と境界面に樹脂のみの層を形成することができる。これを焼成すると、圧電体23に、樹脂のみが占有していた部分に空洞Sが形成され、結果的に、水平伸縮素子10と垂直伸縮素子12が端部のみで接合された構造となる。
この構造の圧電アクチュエータ1は、水平伸縮素子10と垂直伸縮素子12とを個別に作製して接合部11で接合する必要がなく、工程削減ができるので有利である。
以上で、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施は、前記の形態に限定されるものではない。
例えば、本発明の圧電アクチュエータ1は、図1に示されるように、圧電体が3層積層された水平方向伸縮部10と、圧電体が8層積層された垂直伸縮素子12とを有しているが、圧電体の積層数は同じである必要はない。例えば、水平伸縮素子10における圧電体の積層数を4層とし、垂直伸縮素子12における圧電体の積層数を10層とする等、その積層数は駆動特性を考慮して任意に定めることができる。また、各圧電体の厚さも同じである必要はなく、異なる厚さのものを用いても構わない。
また圧電アクチュエータ1は、共振又は非共振のいずれの周波数で駆動させてもよい。非共振周波数で水平伸縮素子10及び垂直伸縮素子12を駆動する場合には、圧電体としては、圧電定数d31及びd33の大きい材料を用いることが好ましい。一方、共振周波数を利用して水平伸縮素子10及び垂直伸縮素子12を駆動する場合には、圧電体には機械的品質係数Qmの大きい材料を用いることが好ましい。具体的には、チタン酸ジルコン酸鉛Pb(zr,Ti)O3からなる圧電セラミックスを用いることができる。
図1の構造を有する圧電アクチュエータ1を作製した。
チタン酸ジルコン酸鉛Pb(zr,Ti)O3からなる粒径0.3〜2μmの圧電体セラミックスの仮焼粉末と、有機高分子からなるバインダーと、可塑剤とを混合してスラリーを作成し、スリップキャステイング法により、厚み50μmのセラミックグリーンシートを作成した。
次に内部電極を形成するため、銀−パラジウムを主成分とする導電性ペーストを作製した。導電性ペースト中には、粒径0.2〜1.5μmの圧電セラミック仮焼粉末を15体積%添加した。この後、導電性ペーストを、グリーンシートの片面にスクリーン印刷法により図10(a)〜図10(d)のパターンに5μmの厚みに印刷した。
図10(a)と図10(b)は、長方形状のグリーンシートの中央部に、導電性ペーストの形成されない部分があるパターンを示している。導電性ペーストの片方は第1変位部(A)13の内部電極となる部分であり、導電性ペーストの他の片方は第2変位部(B)14の内部電極となる部分である。また、各グリーンシートの二隅には、内部電極が外部電極26との不要な接触を避けるように、導電性ペーストを形成しない切欠部を設けている。
図10(a)と図10(b)のパターンのグリーンシートを交互に計4枚重ね、一番上に導電ペーストを印刷していないグリーンシートを重ね、熱プレスにより一体化した後1100℃で焼成した。焼成して得られた積層体には、必要に応じて切削加工や研削加工を施した。外部電極は、所定の位置に銀ペーストを印刷し、所定温度で焼き付けることによって形成した。
焼成して得られた積層体の第1変位部(A)13の内部電極を1層おきに外部電極で電気的に接続し、第2変位部(B)14の内部電極を1層おきに外部電極で電気的に接続し、水平伸縮素子10を得た。
次に、図10(c)と図10(d)のパターンのグリーンシートを交互に計9枚重ね、一番上に導電ペーストを印刷していないグリーンシートを重ね、熱プレスにより一体化した後1100℃で焼成した。ここで、図10(c)と図10(d)は、長方形状のグリーンシートのほぼ全面に、導電性ペーストを形成したパターンを示している。グリーンシートの右又は左の切欠部は、内部電極が外部電極29との不要な接触をしないように設けた、導電性ペーストを形成しない部分である。
焼成して得られた積層体には、必要に応じて切削加工や研削加工を施した。外部電極は、所定の位置に銀ペーストを印刷し、所定温度で焼き付けることによって形成した。
内部電極を外部電極によって1層おきに電気的に接続し、垂直伸縮素子12を得た。
次に、エポキシ系接着剤を用いて、水平伸縮素子10と垂直伸縮素子12の端部同士を接合した。エポキシ系接着剤は硬化しても体積が縮まないので、空洞Sを形成するための接合部11としての機能を果たすことができる。
次に、水平伸縮素子10の中央に、駆動用パッドとしてアルミナセラミックスを、エポキシ系接着剤で固定した。駆動用パッドの材質は、耐摩耗性のある材料が望ましく、アルミナ以外では、窒化珪素、炭化珪素、サイアロン、炭化チタン、窒化チタン等のセラミックスを挙げることができる。
最後に、第1変位部(A)13、第2変位部(B)14、垂直伸縮素子12に対して、外部電極から直流電圧を印加して分極処理を行った。
このようにして圧電アクチュエータ1が完成した。
前記エポキシ系接着剤の接合位置同士の距離、すなわち空洞Sの、x方向に沿った長さ(図1にD1で示す)が、水平伸縮素子10のx方向に沿った全長さ(図1にD2で示す)の50%以上であることが好ましい。
また、空洞Sの、x方向に沿った長さが、垂直伸縮素子12のx方向に沿った全長さ(図1にD3で示す)の50%以上であることが好ましい。
このように空洞SのD1とD2の関係、又はD1とD3との関係を規定することにより、第1変位部(A)13と第2変位部(B)14との境界がx方向に移動するのを妨げることがなくなり、駆動パッド15に、大きな振幅でx軸方向の往復運動をさせることができる。
図8の構造を有する圧電アクチュエータ1を作製した。実施例1との相違点は、グリーンシートの片面に印刷する導電性ペーストのパターン(図11(b))である。
図11(b)は、長方形状のグリーンシートの全面に導電性ペーストが形成されたパターンを示している。
図11(a)と図11(b)のパターンのグリーンシートを交互に計4枚重ね、一番上に導電ペーストを印刷していないグリーンシートを重ね、焼成することにより、第1変位部(A)13と第2変位部(B)14とのグランドに接続される電極を一体化することができる。これにより、水平伸縮素子10の外部電極26の数を3つ(1つは第1変位部駆動用、1つは第2変位部駆動用、1つは共通電極)とすることができ、水平伸縮素子10の電極構造を簡単にすることができる。
実施例1,2では、水平伸縮素子10と垂直伸縮素子12をエポキシ系接着材で接合したが、この実施例3では、工程削減のために、水平伸縮素子10と垂直伸縮素子12とを積層一体型とした図9の構造を有する圧電アクチュエータ1を作製した。
実施例1,2との相違点は、グリーンシートの片面に印刷する導電性ペーストのパターン(図12(e)(f))である。
図12(e)(f)は、長方形状のグリーンシートの片面に、圧電材料が焼成するまでに加熱によって飛散又は消失するグラファイトを主成分とする空孔形成ペーストを印刷した状態を示す図である。図12(e)は、グリーンシートの下面に、図12(f)は、グリーンシートの上面に、それぞれ空孔形成ペーストを印刷したものである。
まず、図12(c)と図12(d)のグリーンシートを交互に計9枚重ね、次に空孔形成ペーストを印刷した図11(f)と図11(e)のグリーンシートを重ねた。図11(f)と図11(e)のグリーンシートを重ねた状態の断面図を、図13に示す。
次にその上から図12(a)と図12(b)のグリーンシートを交互に計4枚重ね、一番上に導電ペーストを印刷していないグリーンシートを重ねて積層体を形成した。
この積層体を熱プレスにより一体化した後1100℃で焼成し、内部に空孔が形成された一体型圧電積層体を得た。この場合、空孔形成ペーストは消失して、焼成後に空洞Sが形成された圧電アクチュエータを得た。
この実施例3においても、エポキシ系接着剤の接合位置同士の距離、すなわち空洞Sの、x方向に沿った長さ(図13にD1で示す)が、水平伸縮素子10のx方向に沿った全長さ、又は垂直伸縮素子12のx方向に沿った全長さ(図1にD3で示す)の50%以上であることが、駆動パッド15に、大きな振幅でx軸方向の往復運動をさせるためには、好ましい。
本発明の圧電アクチュエータの一実施形態を示す断面図である。 圧電アクチュエータの斜視図である。 図3は、圧電アクチュエータと移動体とを、電極を省略して模式化して描いた図である。 圧電アクチュエータ1の動作原理を説明する図である。 水平伸縮素子10の印加電圧と変位の関係を説明する図である。 垂直伸縮素子12の印加電圧と変位の関係を説明する図である。 駆動パッド15の楕円状の動きを説明する図である。 本発明の圧電アクチュエータ1の他の実施形態を示す断面図である。 本発明の圧電アクチュエータ1のさらに他の実施形態を示す断面図である。 図1の圧電アクチュエータ1の内部電極パターンを示す図である。 図8の圧電アクチュエータ1の内部電極パターンを示す図である。 図9の圧電アクチュエータ1の内部電極パターンを示す図である。 空孔形成ペーストが塗布されたグリーンシートを重ねた状態を示す断面図である。 従来の構造の圧電アクチュエータを示す断面図である。 内部電極が露出する積層体の側面に移動体を接触させる従来の圧電アクチュエータの改良方式を示す断面図である。
符号の説明
1 圧電アクチュエータ
2 移動体
10 水平伸縮素子
11 接合部
12 垂直伸縮素子
13 第1変位部(A)
14 第2変位部(B)
15 駆動パッド
21,25 圧電体
22,22A,22B,26 内部電極
27,28 保持部材
S 空洞

Claims (6)

  1. 水平伸縮素子と、垂直伸縮素子とを有し、前記水平伸縮素子に固定された駆動パッドを楕円運動させることのできる圧電アクチュエータにおいて、
    前記水平伸縮素子は、交流電圧の印加に応じて一方向に伸縮変位を生じる第1変位部と、前記第1変位部の伸縮の位相と反転した位相で、前記一方向に伸縮変位を生じる第2変位部とを含み、
    前記水平伸縮素子は、前記一方向に平行な第一対向面を有し、
    前記垂直伸縮素子は、当該垂直伸縮素子の伸縮方向に垂直な第二対向面を有し、
    前記水平伸縮素子の前記第一対向面の前記一方向の両端が、前記垂直伸縮素子の前記第二対向面に対して、それぞれ接合部によって接合固定され、
    前記水平伸縮素子の第一対向面と、前記接合部と、前記垂直伸縮素子の第二対向面とで形成される空洞が存在することを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 前記接合部の形状は、前記第一対向面上において前記一方向に対して垂直な方向に延びており、かつ互いに平行である、請求項1記載の圧電アクチュエータ。
  3. 前記水平伸縮素子は、圧電体を積層した積層体を含み、前記駆動パッドが前記積層体の、積層方向と垂直な面に固定されている請求項1記載の圧電アクチュエータ。
  4. 前記空洞の、前記一方向に沿った長さが、前記水平伸縮素子の第一対向面の前記一方向に沿った全長さの50%以上である請求項1記載の圧電アクチュエータ。
  5. 前記空洞の、前記一方向に沿った長さが、前記垂直伸縮素子の第二対向面の前記一方向に沿った全長さの50%以上である請求項1記載の圧電アクチュエータ。
  6. 前記水平伸縮素子及び前記垂直伸縮素子は、複数枚の圧電体グリーンシートを積層・焼成して一体的に形成されたものであり、
    前記空洞は、前記水平伸縮素子及び前記垂直伸縮素子の境界に存在するグリーンシートに塗布又は印刷された空孔形成ペーストが焼成により消失して出来たものである請求項1記載の圧電アクチュエータ。
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