JP2005151663A - 振動波駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 小型化を図る。
【解決手段】 振動子2が2種類の板状の積層圧電素子を含み、該2種類の板状の積層圧電素子は、2つの異なる振動モードで励振することが可能であり、厚さ方向の異なる位置にそれぞれ形成され、励振時の面内方向の歪の中立面を各々が含まないように配置される。端子H1〜H4からは、積層圧電素子の各間に設けたれた複数の電極幕に対して、互いに位相の異なる交流電圧が印加され、この2種類の積層圧電素子は上記の2つの振動モードでそれぞれ励振させる。積層圧電素子および複数の電極幕を貫通して、該複数枚の電極幕に対して選択的に接続される複数の電極が設けられ、該複数の電極は端子H1〜H4を構成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は振動波駆動装置に関し、特に、略矩形の平板状の振動子を備え、該振動子の一部に摩擦接触する被駆動体との間で相対移動運動を行う振動波駆動装置に関する。
振動波駆動装置の一形態として従来、共振振動モードを利用する板状の振動子による振動波モータが提案されている。この振動子としては、例えば縦1次−屈曲2次振動の合成による送り運動を発生するものが存在する。このような形態の振動子における入力電圧に対する出力電力の割合を大きくする改善を図ったものとして、積層化された電気−機械変換素子、例えば積層圧電素子を振動発生手段とするものが提案されている。
図9は、例えば特許文献1に示される積層圧電素子を用いた従来の振動子の構成を示す斜視図である。
この振動子は略直方体形状であり、図中Z方向に薄板状の圧電素子膜を複数枚積層した積層圧電素子で構成されている。振動子は、5つの駆動要素A1,B1,C,A2,B2によって構成される。各駆動要素は、XY面に平行な層状の複数の圧電素子膜及びこれらの圧電素子膜の間に形成される電極膜より形成され、電極膜への電圧の印加によって圧電素子膜にZ方向への歪の分極が発生する。駆動要素A1,B1は、Z方向の同一位置で、直方体形状の長さ方向に並んで配置され、圧電素子膜の分極方向が互いに逆になるように構成される。駆動要素A2,B2も、Z方向の同一位置で、直方体形状の長さ方向に並んで配置され、圧電素子膜の分極方向が互いに逆になるように構成される。駆動要素A1と駆動要素B1との間、および駆動要素A2と駆動要素B2との間は、それぞれ絶縁部によって分けられている。駆動要素Cは、直方体形状の長さ方向に1つだけの構成である。
例えば、駆動要素B1は、層状の5層の圧電素子膜の各間に4層の電極膜101a,102a,101b,102bがそれぞれ設けられる。電極膜101a,101bは、Y方向の一方の端面で外部電極103に接続される。電極膜102a,102bは、Y方向の他方の端面で外部電極(図示せず)に接続される。他の駆動要素A1,C,A2,B2も駆動要素B1と略同一の構成となっている。なお、各駆動要素におけるY方向の他方の端面が接続される各外部電極は単一の共通電極になっている。
駆動要素A1,B1,A2,B2において、共通電極をコモン電位として外部電極に交流信号を印加すると、振動子にXZ面内の屈曲振動が励振される。また、駆動要素Cにおいて、共通電極をコモン電位として外部電極に交流信号を印加すると、振動子にX方向の伸縮振動が励振される。これらの振動を合成することにより、XZ面内の略楕円運動が生成され、この振動子に接触するリニアスライダに相対移動運動が発生する。
図10は、例えば特許文献2に示される積層圧電素子を用いた従来の振動子の構成を示す分解図である。
この振動子は、複数の圧電素子膜110,111の積層により構成され、これらの積層された圧電素子膜110,111の上下面には絶縁板112,113が配置されている。圧電素子膜110上には電極膜114a,114bが形成され、圧電素子膜111上には電極膜115a,115bが形成され、各2つの駆動領域を構成する。これら各2つの駆動領域に位相の異なる交流信号をそれぞれ印加することで圧電素子膜110,111が伸縮振動と曲げ振動の励振を行なう。これらの振動を合成することにより、略楕円運動が生成され、この振動子に接触するリニアスライダに相対移動運動が発生する。
特開平07−273384号公報 特開平07−163162号公報(特許第3311446号)
しかしながら、上記の従来の振動子は小型化(薄型化)ができないという問題をもっており、こうした従来の振動子を利用した振動波モータに対する小型化の要請に応えることができなかった。
すなわち、図9に示す従来の振動子においては、厚さ方向(Z方向)に3つの駆動要素を積層する必要があるため、厚さを減らすことに限界があり、小型化ができなかった。また、X方向の端面に外部電極および共通電極を設ける必要があり、これらの電極の設置には振動子の厚さをある程度必要とし、これも厚さを減らすことを妨げていた。さらに、側面に電極が露出することから、電流のリークやショートなどが発生しやすく、信頼性や安全性の観点からの特別な処置が必要であった。
また、図10に示す従来の振動子においては、振動子に曲げ振動を発生させるためには、ある程度の厚みのある絶縁板112,113が必要であり、これも小型化ができなかった。図10に示す絶縁板112の厚みは、例えば1mm、絶縁板113の厚みは、例えば5mmである。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、小型化を図った振動波駆動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明によれば、複数の異なる振動モードで励振することが可能であり、厚さ方向の異なる位置にそれぞれ形成され、励振時の面内方向の歪の中立面を各々が含まないように配置された複数種類の板状の積層圧電素子と、前記複数種類の積層圧電素子に対して、互いに位相の異なる交流電圧を印加して、前記複数種類の積層圧電素子を前記複数の振動モードでそれぞれ励振させる交流電圧印加手段とを有することを特徴とする振動波駆動装置が提供される。
また、請求項2記載の発明によれば、前記振動波駆動装置は、前記複数種類の積層圧電素子をそれぞれ構成し、積層される複数枚の圧電素子幕と、前記複数枚の圧電素子幕の各間にそれぞれ設けられる複数枚の電極幕と、前記複数枚の圧電素子幕および前記複数枚の電極幕を貫通して、該複数枚の電極幕に対して選択的に接続され、前記交流信号印加手段から対応の交流電圧を供給される複数の電極とを更に有することを特徴とする。
本発明によれば、積層圧電素子に、複数の異なる振動モードでそれぞれ励振を行なう複数の振動領域が厚さ方向の異なる位置で積層され、各々の振動領域は、励振時の面内方向の歪が略零となる部位の集合である中立面を含まないように配置される。
これにより、こうした積層圧電素子からなる振動子を小型化できるとともに、積層圧電素子の面内方向の駆動領域面積を十分確保できることから高出力の振動子を実現できる。
また、積層圧電素子を厚さ方向に貫通して各電極幕に選択的に接続される電極を設けることにより、振動子の薄型化が実現できると共に信頼性を向上させることが可能になる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明に係る第1の実施の形態の振動波駆動装置を構成する振動子1、及び被駆動体であるリニアスライダ5を示す斜視図である。
振動子1は、矩形薄板状の積層圧電素子2と、この積層圧電素子2の表面に設けられた2つの突起3−1,3−2とにより構成される。突起3−1,3−2の端面には、被駆動体(リニアスライダ5)と接触して、その摩擦により相対運動を行なうための接触部4−1,4−2がそれぞれ形成される。
積層圧電素子2は、表面に電極を持つ薄板状の圧電素子膜を複数枚積層して一体化したものである。積層圧電素子2は略矩形で、おおよそ10×6×0.7mmのサイズである。突起3−1,3−2は摩擦係数が高く、耐磨耗性に優れる材料(例えばアルミナ)で構成される。
図2は、図1に示した振動子1を裏面から見た斜視図である。
積層圧電素子2の底面には、外部との電気的な接続を行なうための4つの端子電極H1〜H4が形成される。この4つの端子電極H1〜H4は、積層圧電素子2の各層間に形成される電極膜との導通を行なうバイアホール電極を兼ねている。なお、端子電極H3は接地端子(GND)に接続され、端子電極H1,H2は端子V1に接続され、端子電極H4は端子V2に接続される。
図3は、積層圧電素子2に励振される2つの振動モードMODE−A,MODE−Bによる積層圧電素子2の変形形状を示す図である。(A)に振動モードMODE−Aを、(B)に振動モードMODE−Bを示す。2つの振動モードは、どちらも板状振動子の面外方向の曲げ振動モードである。なお、積層圧電素子2の内部構造および電極膜への通電状態については、この振動モードについての説明の後で、図4を参照して後述する。
振動モードMODE−Aは、積層圧電素子2を図3(A)に示すようにY方向から見たときに、振動の節がX方向の両端と中央との3箇所に現れる面外2次曲げモードである。突起3−1,3−2は、これらの振動の各節の間にそれぞれ位置するので、この振動モードMODE−Aにより、接触部4−1,4−2にはX方向の往復運動が生じる。
振動モードMODE−Bは、積層圧電素子2を図3(B)に示すようにX方向から見たときに、振動の節がY方向の両端2箇所に現れる面外1次曲げモードである。突起3−1,3−2は、これらの振動の各節の間にそれぞれ位置するので、この振動モードMODE−Bにより接触部4−1,4−2にはZ方向の往復運動が生じる。
積層圧電素子2の端子電極H1,H2および端子電極H4には、端子V1,V2から位相の異なる交流電圧がそれぞれ印加される。これらの交流電圧はそれぞれ、接地端子(GND、端子電極H3に接続)をコモン電位とする。こうした印加による逆圧電効果により上記の振動モードが励振される。すなわち、端子V1と接地端子(GND)との間に供給される交流電圧と、端子V2と接地端子(GND)との間に供給される交流電圧との位相差を略±π/2に設定することで、上記のような2つの振動モードの励振が同時に発生し、これらが合成されることで接触部4−1,4−2にはXZ面内の楕円運動(あるいは略楕円運動)が生成される。したがって、接触部4−1,4−2に加圧接触するリニアスライダ5との間に相対移動運動が発生する。
図3(A)において符号(+),(−)は、積層圧電素子2に振動変形が生じている時のX方向の歪成分の伸縮を表している。符号(+)は、積層圧電素子2がX方向に伸びていることを表し、符号(−)はX方向に縮んでいることを表している。積層圧電素子2は、厚さ方向(Z方向)に2つの領域に分割され、それらの2つの領域の境界面では、X方向の歪が生じていない。この境界面を中立面T1とする。また、符号は、積層圧電素子2のX方向の中心付近で、X方向に沿って反転している。
図3(B)においても符号(+),(−)は、積層圧電素子2に振動変形が生じている時のY方向の歪成分の伸縮を表している。符号(+)は、積層圧電素子2がY方向に伸びていることを表し、符号(−)はY方向に縮んでいることを表している。ここでも、積層圧電素子2は、厚さ方向(Z方向)に2つの領域に分割され、それらの2つの領域の境界面では、Y方向の歪が生じていない。この境界面を中立面T2とする。
図4は、積層圧電素子2を構成する積層部分の各々の構成を示す図である。
積層圧電素子2は、12層の圧電素子膜L1〜L12を積層することで形成されている。各圧電素子膜の厚さは略0.06mmであるので、積層圧電素子2の厚さは略0.7mmである。
圧電素子膜L2〜L12の表面には、図示のように電極膜P1〜P4が形成される。すなわち、圧電素子膜L2,L4,L6に電極膜P1,P2が形成され、圧電素子膜L3,L5,L7,L9,L11に電極膜P3が形成され、圧電素子膜L8,L10,L12に電極膜P4が形成される。なお、圧電素子膜L12の電極膜P4の上に圧電素子膜L11が積層され、同様に圧電素子膜L11の電極膜P3の上に圧電素子膜L10が積層され、こうした積層が順になされ、最後に圧電素子膜L2の電極膜P1,P2の上に圧電素子膜L1が積層される。そして圧電素子膜L1は、図2に示す積層圧電素子2の裏面に位置する。なおまた、圧電素子膜L2,L4,L6においてはそれぞれ、電極膜P1の形成された圧電素子膜部分と電極膜P2の形成された圧電素子膜部分とで、厚さ方向の分極が互いに逆方向となるように構成されている。
圧電素子膜L2〜L12に形成された各電極膜P1〜P4との導通を行なうため、圧電素子膜L2〜L12を貫通してバイアホール電極H1〜H4が形成される。具体的には、バイアホール電極H1が、圧電素子膜L2,L4,L6の各電極膜P1にだけ接続され、バイアホール電極H2が、圧電素子膜L2,L4,L6の各電極膜P2にだけ接続され、バイアホール電極H3が、圧電素子膜L3,L5,L7,L9,L11の各電極膜P3にだけ接続され、バイアホール電極H4が、圧電素子膜L8,L10,L12の各電極膜P4とだけ導通する。
図4中の符号+,−は、圧電素子膜の厚み方向の分極方向を表している。GNDは、電極膜に印加される電位が接地(GND)であることを表している。
圧電素子膜L2〜L6の積層によって厚み方向に構成される領域R1は、振動モードMODE−Aの励振を行なう領域であり、図3に示した中立面T1より底面側に位置する。圧電素子膜L7〜L12の積層によって厚み方向に構成される領域R2は、振動モードMODE−Bの励振を行なう領域であり、図3に示した中立面T2より上面側に位置する。
図2に示すように、バイアホール電極H3に接地(GND)電位を供給し、バイアホール電極H1,H2に第1の交流電圧(端子V1から供給)を印加し、バイアホール電極H3に第2の交流電圧(端子V2から供給、第1の交流電圧との位相差を略±π/2に設定)を印加した場合、電極膜P1,P2と電極膜P3との間に上記の第1の交流電圧が生じる。この結果、電極膜P1,P2と電極膜P3とに挟まれた圧電素子膜に歪が生じる。この歪は厚み方向に分極されており、電極膜P1と電極膜P3とに挟まれた圧電素子膜における分極方向と、電極膜P2と電極膜P3とに挟まれた圧電素子膜における分極方向とは、逆方向となる。
同様に、電極膜4と電極膜P3との間に上記の第2の交流電圧が生じる。この結果、電極膜P4と電極膜P3とに挟まれた圧電素子膜に歪が生じる。
このように、領域R1には振動モードMODE−Aに対応する歪が生じることで、振動モードMODE−Aの励振作用が現れる。領域R1では振動モードMODE−Bの励振は行なわれない。一方、領域R2では振動モードMODE−Bの励振作用が現われ、振動モードMODE−Aの励振は行われない。
バイアホール電極H1,H2,H4にそれぞれ印加する第1および第2の交流電圧(端子V1,V2から供給)を制御することにより、領域R1,R2における振動モードを独立して制御することが可能である。
図4に示すような構成にすることで、振動子1を構成する積層圧電素子2の殆どの部分を振動モードの励振に用いることが可能となる。この結果、サイズが小さくとも高出力の得られる振動子を実現することができる。したがって、このような振動子を用いた振動波駆動装置としての振動波モータにおいて、サイズに比して高出力パワーが得られる。
以上のように、第1の実施の形態1では、積層圧電素子2を備える板状の振動子1に2つの異なる振動モードを励振することで、振動子1に形成した接触部4−1,4−2に楕円運動(あるいは略楕円運動)が生じ、これによって被駆動体との間に相対移動運動が可能となる。この積層圧電素子2には、前記2つの異なる振動モードの各々の励振を行なう2つの振動領域R1,R2が厚さ方向の異なる位置に形成され、各々の駆動領域R1,R2は、その励振する振動モードの面内方向(XY平面方向)の歪が略零となる部位の集合である中立面を含まないように形成される。
なお、積層圧電素子2を構成する圧電体や電極部の材料に限定は無い。また、振動モードの限定を要しない。
これにより、積層圧電素子2の厚さ方向の構成を単純にすることができるので、積層圧電素子2の薄型化を実現できる。よって、積層圧電素子2により構成される振動子1において、薄型化を実現しつつ、圧電素子の面内方向の駆動領域面積の十分な確保が行なえることにより、振動波モータの小型化と高出力化とを実現することが可能となる。
また、積層圧電素子2の層間に形成される複数の電極において、それらの電気的な接続を、積層圧電素子2の各層を貫通するように形成されたバイアホール電極を利用して行う。
これにより、積層圧電素子の薄型化の障害となる積層圧電素子の側面での電極の導通を行なう必要がなくなり、振動子1や振動波モータの小型化を実現できるとともに、電気接続の信頼性を向上できる。
また、前記2つの振動モードは2つの面外曲げ振動モードである。
これにより、積層圧電素子2により各々の振動モードを効率的に励振することができ、振動子1及び振動波モータの小型化、高出力化を実現できる。
さらに、前記2つの振動モードは、第1の振動モードとして面外曲げ1次モードを用い、第2の振動モードとして、第1の振動モードと空間的に直交する方向の面外曲げ2次モードを用いる。
このように、次数の低い面外曲げモードを用いることで、結果的に振動子1の駆動周波数の上昇の防止と駆動領域の個数増加の防止とを実現できる。したがって、積層圧電素子2の構成を単純化でき、振動子1や振動波モータの小型化を可能にする。
〔第2の実施の形態〕
次に本発明の第2の実施の形態を説明する。
図5は、第2の実施の形態における振動波駆動装置を構成する振動子11の構成を示す斜視図である。
第1の実施の形態と同様に、振動子11は、矩形の積層圧電素子12と、この積層圧電素子12の表面に配置されて一体化される2つの突起13−1,13−2とで構成される。積層圧電素子12は略矩形で、おおよそ10×2.5×0.6mmのサイズである。2つの突起13−1,13−2はそれぞれ、積層圧電素子12のY方向に延び、積層圧電素子12とY方向の長さが同じである。2つの突起13−1,13−2の端面には接触部14−1,14−2がそれぞれ形成される。
図6は、図5に示した振動子11を裏面から見た斜視図である。
積層圧電素子12の底面には、6つの端子電極H1〜H6が形成される。端子電極H1〜H4は端子V1に接続され、端子電極H5は接地端子GNDに接続され、端子電極H6は端子V2に接続される。
図7に、積層圧電素子12に励振される2つの振動モードMODE−C,MODE−Dによる積層圧電素子12の変形形状を示す図である。(A)に振動モードMODE−Cを、(B)に振動モードMODE−Dを示す。
図7(A)に示す振動モードMODE−Cは、積層圧電素子12をY方向から見たときに、振動の節が5箇所現れる面外4次曲げモードである。この振動モードにより、接触部14−1,14−2にはX方向の往復運動が生じる。
図7(B)に示す振動モードMODE−Dは、積層圧電素子12のX方向の1次伸縮モードである。この振動モードにより、接触部14−1,14−2にはZ方向の往復運動が生じる。
積層圧電素子12の端子電極H1〜H4および端子電極H6には、端子V1,V2から位相の異なる交流電圧がそれぞれ印加される。これらの交流電圧はそれぞれ、接地端子(GND、端子電極H5に接続)をコモン電位とする。こうした印加による逆圧電効果により上記の振動モードが励振される。すなわち、端子V1と接地端子(GND)との間に供給される交流電圧と、端子V2と接地端子(GND)との間に供給される交流電圧との位相差を略±π/2に設定することで、上記のような2つの振動モードの励振が同時に発生し、これらが合成されることで接触部14−1,14−2にはXZ面内の楕円運動(あるいは略楕円運動)が生成される。したがって、接触部14−1,14−2に加圧接触するリニアスライダ(図示せず)との間に相対移動運動が発生する。
図7(A)において符号(+),(−)は、積層圧電素子12に振動変形が生じている時のX方向の歪成分の伸縮を表している。符号(+)は、積層圧電素子12がX方向に伸びていることを表し、符号(−)はX方向に縮んでいることを表している。積層圧電素子12は略XY面内に中立面T1が現れる。
振動モードMODE−Dは1次の伸縮モードであるので、積層圧電素子12のX方向の全域で歪成分の伸縮は一致している。
図8は、積層圧電素子12を構成する積層部分の各々の構成を示す図である。
積層圧電素子12は、12層の圧電素子膜L1〜L12を積層することで形成されている。
圧電素子膜L2〜L12の表面には、図示のように電極膜P1〜P6が形成される。すなわち、圧電素子膜L2,L4,L6に電極膜P1,P2,P3,P4が形成され、圧電素子膜L3,L5,L7,L9,L11に電極膜P5が形成され、圧電素子膜L8,L10,L12に電極膜P6が形成される。なお、圧電素子膜L12の電極膜P6の上に圧電素子膜L11が積層され、同様に圧電素子膜L11の電極膜P5の上に圧電素子膜L10が積層され、こうした積層が順になされ、最後に圧電素子膜L2の電極膜P1,P2,P3,P4の上に圧電素子膜L1が積層される。そして圧電素子膜L1は、図6に示す積層圧電素子12の裏面に位置する。なおまた、圧電素子膜L2,L4,L6においてはそれぞれ、電極膜P1の形成された圧電素子膜部分と電極膜P2の形成された圧電素子膜部分とで、厚さ方向の分極が互いに逆方向となるように構成され、同様に、電極膜P2の形成された圧電素子膜部分と電極膜P3の形成された圧電素子膜部分とで、電極膜P3の形成された圧電素子膜部分と電極膜P4の形成された圧電素子膜部分とで、厚さ方向の分極が互いに逆方向となるように構成されている。
圧電素子膜L2〜L12に形成された各電極膜P1〜P6との導通を行なうため、圧電素子膜L2〜L12を貫通してバイアホール電極H1〜H6が形成される。具体的には、バイアホール電極H1が、圧電素子膜L2,L4,L6の各電極膜P1にだけ接続され、バイアホール電極H2が、圧電素子膜L2,L4,L6の各電極膜P2にだけ接続され、バイアホール電極H3が、圧電素子膜L2,L4,L6の各電極膜P3にだけ接続され、バイアホール電極H4が、圧電素子膜L2,L4,L6の各電極膜P4にだけ接続され、バイアホール電極H5が、圧電素子膜L3,L5,L7,L9,L11の各電極膜P5にだけ接続され、バイアホール電極H6が、圧電素子膜L8,L10,L12の各電極膜P6とだけ導通する。
図8中の符号+,−は、圧電素子膜の厚み方向の分極方向を表している。GNDは、電極膜に印加される電位が接地(GND)であることを表している。
圧電素子膜L2〜L6の積層によって厚み方向に構成される領域R1は、振動モードMODE−Cの励振を行なう領域であり、図7に示した中立面T1より底面側に位置する。圧電素子膜L7〜L12の積層によって厚み方向に構成される領域R2は、振動モードMODE−Dの励振を行なう領域である。なお、領域R2が励振する振動モードMODE−Dは中立面を持たないので、積層圧電素子12の厚み方向の任意の位置で励振可能であるが、ここでは領域R2は、図7に示した中立面T1より上面側に位置する。
このように構成することで、振動子11を構成する積層圧電素子12の殆どの部分を振動モードの励振に用いることが可能となる。この結果、サイズが小さくとも高出力の得られる振動子11を実現することができる。
以上のように、第2の実施の形態では、積層圧電素子12に励起される2つの振動モードは、面内の伸縮振動モードと面外曲げ振動モードとである。これによって、薄型で小型化に適する伸縮−曲げ振動利用の振動子を実現することができる。
本発明に係る第1の実施の形態の振動波駆動装置を構成する振動子、及び被駆動体であるリニアスライダを示す斜視図である。 図1に示した振動子を裏面から見た斜視図である。 積層圧電素子に励振される2つの振動モードMODE−A,MODE−Bによる積層圧電素子の変形形状を示す図である。 積層圧電素子を構成する積層部分の各々の構成を示す図である。 第2の実施の形態における振動波駆動装置を構成する振動子の構成を示す斜視図である。 図5に示した振動子を裏面から見た斜視図である。 積層圧電素子に励振される2つの振動モードMODE−C,MODE−Dによる積層圧電素子の変形形状を示す図である。 積層圧電素子を構成する積層部分の各々の構成を示す図である。 特許文献1に示される積層圧電素子を用いた従来の振動子の構成を示す斜視図である。 特許文献2に示される積層圧電素子を用いた従来の振動子の構成を示す分解図である。
符号の説明
1 振動子
2 積層圧電素子
3−1,3−2 突起
4−1,4−2 接触部
5 リニアスライダ
H1〜H4 バイアホール電極
L1〜L12 圧電素子膜
P1〜P4 電極膜

Claims (7)

  1. 複数の異なる振動モードで励振することが可能であり、厚さ方向の異なる位置にそれぞれ形成され、励振時の面内方向の歪の中立面を各々が含まないように配置された複数種類の板状の積層圧電素子と、
    前記複数種類の積層圧電素子に対して、互いに位相の異なる交流電圧を印加して、前記複数種類の積層圧電素子を前記複数の振動モードでそれぞれ励振させる交流電圧印加手段と
    を有することを特徴とする振動波駆動装置。
  2. 前記複数種類の積層圧電素子をそれぞれ構成し、積層される複数枚の圧電素子幕と、
    前記複数枚の圧電素子幕の各間にそれぞれ設けられる複数枚の電極幕と、
    前記複数枚の圧電素子幕および前記複数枚の電極幕を貫通して、該複数枚の電極幕に対して選択的に接続され、前記交流信号印加手段から対応の交流電圧を供給される複数の電極と
    を更に有することを特徴とする請求項1記載の振動波駆動装置。
  3. 前記複数の電極はバイアホール電極であることを特徴とする請求項2記載の振動波駆動装置。
  4. 前記複数の振動モードは2種類の面外曲げ振動モードであることを特徴とする請求項1記載の振動波駆動装置。
  5. 前記複数の振動モードは、面外曲げ1次モードと、該面外曲げ1次モードと空間的に直交する方向の面外曲げ2次モードとであることを特徴とする請求項1記載の振動波駆動装置。
  6. 前記複数の振動モードは、面内の伸縮振動モードと、面外曲げ振動モードとであることを特徴とする請求項1記載の振動波駆動装置。
  7. 前記複数種類の積層圧電素子が積層された振動子の一部は、前記複数の振動モードでの励振により楕円運動を行い、前記一部に摩擦接触する被駆動体との間で相対移動運動を行うことを特徴とする請求項1記載の振動波駆動装置。
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